2019-03-22 00:11:21 更新

2017年10月4日 PM:18:00


守山 黒百合旅館(もりやまくろゆりりょかん)

食堂


舞子さんA 「はーいそーりゃさ、ほーいやさ♪」


集 「いや~~、やっぱり本場京都の舞子さんの踊りはサイコーですなあ~~。」


るり 「集くん、浮気は許さないって、

行ったはずよね?

舞子が舞子さんに浮気するなんて、

下手なシャレだわ………」


羽(ユイ) 「いや~~、今日も楽しかったね~~、小咲ちゃん。」


小咲 「そうですね………。

この夕飯の京都料理もとても美味しいし、

舞子さん達の踊りも、凄く上手ですね。」


蒼也 「………これが日本酒の味か………

度は多少強いが、まあ味は悪く無いな。」


グビッ


鶫 「ああ。」


千棘 「はい、ダーリン。

またお酌してあげるわよ~~♪」


楽 「ああ、ありがと。」


トクトク………


グビッ


楽 「ふぅ~~、日本酒も結構いいもんだな。」



そして、約10分後………


パチッ


楽 「ふわっ?」


楽は目を覚ました。


楽 「やべー、慣れない日本酒を飲んだから、意識が飛んでた………」


千棘 「………ねえ、ダーリン。」


楽 「ん?千棘か。どうかしたか?」


千棘 「あんた、私の事好き?」


楽 「ハァ?何だよ今更………そんなの、好きに決まってるじゃねーか!」


千棘 「そう……なら………」


ダキッ


楽 「なっ!?」


グイッ ムニュ


千棘は楽に抱きつき、体を押し付けて来た


千棘 「なら、もっと2人でイチャイチャしよ〜よ〜、あんたも私を抱いたりしてよ〜〜」


楽 「いや、ここじゃあダメだって!

みんなの前だし、部屋に戻って2人きりになったら………って、アレ?」


楽は、千棘の顔が真っ赤な事に気が付いた。


千棘 「えへへ………えへへへへ………」


楽 「千棘、お前顔赤くないか?

もしかして………酔ってんのか?」


ハッ


楽 「そ…そうだ、確か親父が、日本酒って大分アルコールの度が強いって言ってた、そんな強い酒なら、いくらコイツが高校の時より酒に強くなったって言っても………」


千棘 「別にいいじゃん〜〜、みんなにも私たちのラブラブっぷりを見せつけてやろーよ〜〜♪

キスしよ〜よ〜♪」


楽 「だから、ここじゃあダメだって!」


レオン 「また、千棘ねえが酔っちゃったみたいだね、楽。」


楽 「あっ、レオン!

ちょうどいいところに出て来てくれた。

どーにかならねーか?」


レオン 「いや、ここまで酔っちゃうと、この前みたいに口移しで水から星の光を与える程度じゃあ………」


楽 「じゃあ一体、どうするんだよ?

あ!そうだ蒼也は?

あいつ、確か麻酔針持ってただろ?」


レオン 「蒼也兄(そうやにい)なら、今はトイレだよ。」


楽 「なにぃ〜〜?こんな時に………

集は?」


集 「グーー、グーー」


スヤスヤ………


楽 「集も酔って寝てるし〜〜。」


千棘 「楽ぅ〜〜〜。」


楽 「わわっ!お…落ち着けって千棘!

とりあえずは、水を飲んで………」


万里花 「らっくん〜〜!」


楽 「わっ!?橘?」


万里花も、千棘と同じく顔を真っ赤にして、楽に寄り添って来た。


万里花 「らっくん〜〜〜、千棘しゃんより、ウチの方がらっくんを大好きとよ〜〜、

千棘しゃんから、ウチに乗り換えるばい〜〜。」


楽 「そ…そうだ………

すっかり忘れてたけど、千棘は弱いお酒なら酔わなくなったけど、他の女子はめっちゃお酒に弱いまんまだったんだ!」


千棘 「あ〜〜、万里花ずるい〜〜。

楽は髪の長い女の子が好きなのよ〜〜、

あんたは短いじゃない〜〜。」


万里花 「でも、ウチの方が千棘しゃんより、料理も上手いし、家事も出来るばい〜〜。」


スリスリ ムニュ〜〜


楽 「ひい〜〜」


楽は千棘と万里花に、胸やお尻を押し付けられた


楽 (千棘の体………スッゲー柔らかい………

普段から、「スタイルがいいな〜」くらいにしか考えて無かったけど、コイツのお尻、

スッゲー引き締まってて柔らかい………」


楽 (橘も………胸は千棘より大きいし、弾力もある………)


楽 「ダ…ダメだ!こんな事されたら、理性が持ちそうにね〜〜」


ダッ


千棘 「あっ、楽ぅ〜〜〜。」


万里花 「らっくん、待つばい〜〜。」


楽は千棘と万里花を振り切って、廊下に逃げた。


楽 「とりあえず、蒼也を探して、アイツに酔い覚めの針を打ってもらわねーと………」


小咲 「一条君〜〜〜。」


楽 「げっ!」


廊下に出た楽の前に、今度は廊下に座って、

着物のはだけて、胸を露出させた小咲が現れた


楽 「小野寺ぁ〜〜、やっぱりお前も………

てか、またそんなに服をはだけて………」


小咲 「だって、暑いんだもん〜〜。

一条君、もっと脱がして〜〜。」


ダキッ


楽 「ひいっ!」


小咲は楽に抱きつき、露出した胸を押し付けて来た。


楽 (お…小野寺まで、しかしやっぱり甘えてくる小野寺、かわいいな〜〜。

そりゃ、千棘には悪いけど………)


? 「一条楽………」


楽 ビクッ


カタカタカタ………


楽が聞き覚えのある声に振り返った先にいたのは………


鶫 「お前の唇を奪いに来た。」


やはり、鶫だった


楽 「ひい〜〜、やっぱり〜〜!」


ボウッ


ダッ


楽は星体技(せいたいぎ)を全開にして、小咲と鶫から逃げた。


楽 「ったく………蒼也は一体どこに………」


羽(ユイ) 「楽ちゃん〜〜。」


今度は顔を赤らめた羽(ユイ)が現れた。


楽 「羽姉(ユイねえ)?やっぱり羽姉も………」


羽(ユイ) 「ちょっとそこに座りなさい!

千棘ちゃんとの事で話があります!」


楽 「は…はいぃ!?」


楽は羽(ユイ)の前に正座した。


羽(ユイ) 「いいれすか〜、楽ちゃん。

千棘ちゃんは自分からは素直になりずらい、不器用な子だから、もっと楽ちゃんの方から………」


クドクド


楽 (あ〜〜もう、また始まっちまった〜〜)


千棘 「楽ぅ〜〜〜。」


万里花 「らっくん〜〜」


楽 「げっ!」


小咲 「一条君〜〜。」


鶫 「一条楽ぅ〜〜〜。」


羽(ユイ)の説教を聞いている楽の前に、千棘、万里花、小咲、鶫が現れた。


楽 「ちょ、お前ら落ち着け〜〜!」


カシャンッ


? 「弓の札(ユミノフダ)」


スッ スッ スッ スッ スッ


千棘 「ふぇ?」


万里花 「あれ?」


小咲 「ふにゃ?」


鶫 「ん?」


羽(ユイ) 「あれ〜〜?」


ドサッ ドササッ


弓の札を受けて、5人は倒れてしまった


楽 「こ…これは………」


蒼也 「ふぅ〜〜、何とか間に合った。

しかし楽、今回は随分と苦労したようだね。」


楽 「あ!蒼也。」


弓の札を打ったのは蒼也だった。


楽 「探してたんだぜ〜〜。

またみんなに打ったの、酔い覚めの薬か?」


蒼也 「ああ。

それに今回のは、麻酔薬も混ぜて無いから、

10分もすれば目を覚ます。

これから風呂もあるから、

まだ寝てもらっては困るからな。」


楽 「良かった〜〜。

助かったぜ、蒼也。」


蒼也 「………しかし、楽お前、随分色んな女子に好かれているんだな。」


楽 「え?」


蒼也 「酒に酔っても、理性がユルんで本音が出るだけで、心にも無い言動をする事は無い。

お前はお嬢以外の女子にも、随分と思われてる証拠だ。」


楽 「………そりゃ、みんなが俺を好いてくれるのは嬉しいけど、

俺はその中から千棘1人を選んだんだ。

だから、千棘以外の女の子と、そんな事、

する気はねーよ!」


蒼也 「………よく言った、それでこそお嬢の恋人だ。」


第1巻 第163話 完






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