2019-04-14 19:57:02 更新

概要

「白露、艦娘を辞める!?」の続きで、白露が鎮守府に戻そうとする時雨と今の生活に満足している白露。
果たして時雨は白露を説得できるのか? それとも、白露はずっと人間社会で暮らして行くのか・・・


白露が鎮守府から出て行った。


理由はあまりにも酷い・・・その日、白露にとって、待ちに待った更なる改装が実装された。


改装に必要な”戦闘詳報”を手に入れ、これで白露改二になれるはずが・・・


事もあろうに、夕立が改装待ちの艦娘にアイスと交換してしまったのだ。


白露はすぐに返却を求めるも、既に使われ渡された相手は改二になり、提督からも「お前の管理不足だ!」と散々叱られ、


時雨たちに激怒した白露は「鎮守府から出て行く!」と言って出て行ってしまった。


その後、白露は村雨からお金を借りて1人暮らしを始めるが、


意外にも白露は人間社会での生活を満喫していた。


時雨と夕立から離れた影響なのか、白露の運が開花され次々と彼女の元に幸運が飛び込んでいく。


宝くじにも当選、仕事も見つかり、はたまたアパートの大家さんの1軒屋に住める待遇まで手に入れ、


順風満帆な生活を送る白露。


お姉さん気質と周りを明るく元気にする白露の性格が功を成したのか、白露の周りには常に人が集まり、


白露は一部の場所で人気アイドルとなった。


そして、白露が出て行き、残された時雨と夕立には意外な事実に気付かされる。



”白露(お姉さん)より活躍している” ・・・時雨と夕立が周りから評価されたのはその部分だけだという事。



白露が鎮守府から出て言ったその日から、鎮守府の皆は2人より白露を心配する。


「白露さんを見ないのですが、体調不良ですか?」


「白露さんがいないと鎮守府が盛り上がりません!」


「皆で用意した白露さんへの差し入れです。」


と、鎮守府内では白露の存在が大きかったことを知る時雨。


逆に時雨と夕立は鎮守府内では普通以下だったようで、白露がいたから話題に出ていたのだ。


白露がいなくなった瞬間に、時雨の大人しい(人見知りな)性格と夕立の犬っぽい(つまみ食いや物をよく壊す)性格は


周りは嫌っていたようで、時雨たちから離れてしまい、2人は肩身の狭い生活を余儀なくされる。


間を置かずに時雨と夕立は些細な事で姉妹喧嘩をしてしまい、絶交寸前にまで発展する。


この時でも、白露が間に入って仲裁をしていたが、今はいない。


姉妹艦とは絶交状態、お姉さんがいないことで存在自体が薄くなり、


”早めに改装が出来た艦娘” ”運が比較的高い艦娘”程の扱いしかされなくなった・・・


・・・・・・

・・・



「村雨いるー?」


店に元気よく白露が来店した。


「いらっしゃいませ~、あら白露じゃない? そんなに笑顔で何かいい事あったの?」


「ふっふっふ、見て驚かないでよぉ~・・・じゃあん! これ何だぁ~!」


白露は持っていた箱からプリンを出す。


「・・・私にはプリンにしか見えないけど?」


「そう、プリン!このプリンはねぇ・・・特別なやつでさぁ・・・」


白露は笑顔で、


「1個1000円する高級プリンだよぉ!!」


「えっ、これ1個で1000円するの!」


村雨は当然驚く、


「今日はね、アパートの人から臨時の仕事を頼まれてさぁ~、半日手伝ったら半給なのに1万円貰っちゃったぁ~♪」


「・・・・・・」


「それで、食べて見たかったこのプリンを買ったんだ~♪」


そう言って、白露はスプーンを持って食べ始める。


「ううん! 美味しい~!! 提督と村雨の分の買ったよ、さぁ食べて見てよ!」


村雨の前に2つのプリンが出されるが、


「私はいいわ。 こんな高価なプリンを食べる身分じゃないから。」


村雨はプリンを食べなかった。


「もうっ! お姉ちゃんがせっかく差し入れで持って来たのに! いいよ、あたしが食べるから!」


すぐに食べ終わって、村雨のプリンの蓋を開ける白露。


「白露、変わったわね・・・」


「んん? 変わったって、何が?」


白露はプリンを食べながら首を傾げる。


「昔も浪費癖があったけど、今はもっと荒くなった気がするわ。」


「そう? まぁ昔は貰える資金に限りがあったけど・・・今はたくさん支給されるからね! もう使いたい放題!


 最高だよ、いひひ~♪」


「・・・・・・」


村雨は難しい顔をする。


「・・・どうしたの村雨? 何でそんなにあたしを睨むの?」


白露の言葉に、


「本当に今の生活に満足出来てる?」


「もっちろん! 鎮守府の時なんか決まったお小遣いしか出なかったし、妹たちには毎日おやつを取られるし、


 挙句にあたしの大事な物まで奪う始末だからね!」


「・・・・・・」


「あ~、どうして気づかなかったんだろう。 こんな生活が出来ると分かっていたらすぐにでも鎮守府から


 出て行ってたのに・・・」


白露は鎮守府から出た事を全く後悔していないようだ。


「時雨と夕立が些細な事で喧嘩しちゃって、絶交に近い状態らしいわ。」


「あ、そう。 いいんじゃない? あの2人、元々性格が違うわけだし。」


白露は軽く流す。


「鎮守府の皆が「白露さんがいなくて寂しい」とも言っていたそうよ?」


「ふ~ん、ならもっと早く言ってくれれば、あたしもまだ鎮守府に残っていたかもね!」


白露は全く動じない。


「そう、ならいいわ。」


村雨は諦めて話すのを止める。


「そうだ、村雨もあたしと一緒に来ない? 結構稼げる仕事あるんだけど?」


「はい?」


「いつも忙しい割に少ない給料じゃん? あたしが紹介する仕事の方が楽で給料が多いよ!


 どう村雨、あたしと一緒に来ない?」


白露の言葉に、


「お断りよ! それに割に合わないって・・・白露は私の事をそんな目で見ていたわけ?」


村雨が怒って、


「私が自分でやりたくて店を建てて、日々の生活に必要な資金を提督と私で設定したの! それを白露が今


 働いている仕事と比べて、きつくて安い給料って・・・比べられる筋合いは無いわ!」


「・・・・・・」


「白露! 今はいいかもしれないけど、この先どうなるか分からないでしょ? 何かあった時のために


 きちんと貯金をして、自分の今の生活に見合った生活費さえ稼げれば、それ以上は過度に貰う必要は無いんじゃない?」


村雨の説得に、


「何さ、提督と村雨のためにお土産まで持って来て上げて、喜びもせず今度は説教って・・・酷い!!


 もうこの店には来ないから! さよなら村雨!!」


白露は途端に不機嫌になり、店から出て行った。


「白露・・・」


村雨はただ佇んでいた。


・・・・・・


「そうか、白露と喧嘩したのか。」


夕食を食べながら、会話をする2人。


「鎮守府にいた頃よりも更に浪費が激しくなったように見えます・・・今はいいでしょうけど、


 この先何があるかなんて分かりません、だから白露を説得して見たのですが。」


説得に応じず、怒って出て行った白露を見て後悔する村雨。


「まぁ、いいんじゃない? しばらくしたら白露も村雨に助けを求めるようになるよ。」


「? どう言う事です?」


提督の言った事がよく分からない村雨。


「それに・・・確かに白露は浪費癖があるな・・・ほぼ毎日オレの所に来てお小遣いせびったりしてな。」


「そう、そうです! 店に来ては必ず「お小遣い頂戴!」って言って、必ず1000円をせびるじゃないですか!」


村雨は白露の行動に不満を持っていた。


「まぁね・・・じゃあ村雨に質問、白露はせびったお小遣いを何に使っているか知ってる?」


「? 何に使っているか・・・ですか?」


村雨は首を傾げる。


「うん、ほぼ毎日せびりに来るから、「何に使うかを言う」条件でオレは敢えて上げているんだよね~。」


提督は村雨にその理由を話した。


・・・・・・


「時雨と夕立、いる?」


部屋に村雨が入る、


「ああ、村雨じゃん。 どうしたの、今日はお店は休みかい?」


部屋には時雨しかいなく、夕立の姿はいない。


「夕立はどこに行ったの?」


「さぁね、いつもと同じ食堂に行って仲間の食べ物とかを恵んで貰っているんじゃない?」


興味が無いのか、軽く返す時雨。


「ちょっと失礼するわね。」


村雨は何故か冷蔵庫の扉を開ける。


「??? どうしたの、開けたって何も入ってないよ。」


時雨の言う通り、冷蔵庫の中は空である。


「いつから空になってるの?」


「いつから? う~ん、白露が出て行った時にはまだプリンやおかずが残っていたけど・・・」


「・・・・・・」


「僕と夕立で全部食べちゃって、その後何も入れていないからその時からかな。」


「そうだったの。」


村雨は納得する。


「? どうしたの、冷蔵庫が空なのがそんなに気になるかい?」


時雨の言葉に、


「白露は2日に1回のペースで、私の店に来て提督にお小遣い(1000円)をせびっていたの。」


「へぇ~、知らなかったよ。 そのせびったお金で1人で贅沢してたんだね・・・何かずるい。」


時雨は不満げだ。


「違う、白露は”せびったお金でプリンやおかずを買っていた”って事!」


「えっ?」


「鎮守府から貰える資金は決まっているでしょ?」


「? うん。」


「食事だって、食堂で食べられるし、小腹が空けばおやつを買うくらいの資金はあるでしょ?」


「・・・うん。」


「でも、おかずって部屋に持ち込みは禁止なはずでしょ? 白露はどうやって持って来れたのかしら?」


「それは・・・白露が「特別に貰えたぁ~!」って言ってたから。」


「それにプリンだって・・・1日に1人1個のはずだから、1人で何個のプリンは持って行けないでしょ?」


「いや、白露が「明日は遠征だから、2日分のプリンを持って行くね~。」って言ってたし・・・」


「・・・・・・」


「あっ・・・」


時雨は今更ながらに気付く。


「分かった? 白露は食堂からも遠征で特別に貰っていたわけじゃない・・・全部、白露の自腹で


 購入していたって事よ。」


「そんな・・・」


「白露が言ってたわ・・・「おやつも妹たちに取られるし」って、それで白露は自分の分に時雨たちの分まで


 余分に買って・・・喧嘩にならないように、冷蔵庫に常に補充していたわけね。」


「・・・・・・」


「とても優しくていいお姉さんじゃない。 時雨と夕立は白露の厚意に全く気付きもせず、


 今まで好き勝手にやって来たって事よね?」


「・・・・・・」


「今更後悔したって遅いけど・・・白露は鎮守府から出て今でも順風満帆な生活を送っているわ。


 当分鎮守府に戻る気配は無いわね。」


「そんな・・・困るよ。 皆は僕の事を無視するし、夕立とは会話も無いし・・・


 白露がいれば、もっと楽しく生活できるはずなのに。」


時雨は本音を漏らす。


「なら分かるわよね? 白露の、いえ・・・白露姉さんの存在がどれだけ大きかったことに?」


「・・・・・・」


時雨は無言で首を振る。


「だったら早く”戦闘詳報”を手に入れて、白露に渡して謝りなさい! 最も、今の白露に戦闘詳報を渡しただけで


 解決するとは思えないけどね。」


それだけ言うと、村雨は部屋から出て行く。



その後も、時雨たちは必死に頑張り任務に参加、いくつかの任務を達成するも、


戦闘詳報は手に入れられず、途方に暮れてしまう。



「戦闘詳報ってなかなか手に入らない代物なんですね~。」


夕食を食べながら会話をする提督と村雨。


「この調子では、白露の手元に届くのはいつになるのでしょう・・・」


村雨が落ち込んでいると、


「・・・実は村雨にまだ言ってなかったけど。」


そう言って、提督は立ち上がり、棚の引き出しを開けて村雨にある物を見せる。


「・・・!? こ、これって。」


村雨は驚く。


・・・・・・


「何さ村雨? あたしを呼んで?」


来店早々白露は不機嫌である。



村雨と喧嘩をした上に日も経っていない状態での呼び出し・・・白露の機嫌が悪いのは無理もない。


「忙しいのに呼んで悪いな、オレが来るように村雨に頼んだんだ。」


「提督が? そう・・・それであたしに何か用?」


提督の用だと分かった白露は態度を改める。


「村雨が”私には必要ないから”と言ったから、なら白露にと思って。」


そう言って、白露の前に出した物は、


「これって・・・戦闘詳報じゃん!」


白露は驚く、


「うん、前に出張で任務をこなしていたら、これが手に入って・・・村雨に更なる改装が実装されて、


 使おうと思っていたんだけど。」


「・・・・・・」


「村雨が「私はこの姿のままで構いません、それに提督は性能ではなく私自身を見てくれたはず」と言って、


 結局使わないまま持っていたんだ。」


「・・・・・・」


「だから、オレはもう必要ないから、改装をしたかった白露にこれを譲るよ。」


そう言って、白露に躊躇いも無く戦闘詳報を譲る。


「でも、村雨は改装しないだけで、いつかはするかもしれないでしょ? だったらその時に持って置けば?」


白露の言葉に、


「私はいいわ、この姿のままで。 それに私は駆逐艦娘を辞めた身だから、持っていても仕方がないわ。」


村雨の言葉に、


「・・・で、でも。 これは村雨のじゃん? これを使うのは姉として・・・ど、どうなのかなって。」


白露の体が震える。


「ご、ごめん! 今日は帰る! またね!!」


悩んだ末に白露は店から出て行った。


「提督・・・」


「手応えはあった・・・白露はまだ「姉として」の気持ちが残っている。」


白露の後姿を見守る2人。


・・・・・・


それ以降、白露の姿は見なくなった。


前と同じ様に仕事に務め、お呼びとあれば、進んで参加して人々の人気者となり


人間社会での白露の活躍はまさに本人が願った生活である。


「・・・・・・」


しかし、長く生活する内に白露には不満を持ち、



”確かに、鎮守府生活と比べて食べたい物は自由に買えるし、欲しい服だって買える・・・高級なおやつだって。”



”でも、何て言うんだろう・・・寂しいって言うか、話せる人はいっぱいいるけど・・・”



”でも、皆他人じゃん? 姉妹とか親戚じゃない・・・赤の他人でしょ?”



”お互い他人だから、深い部分までは語らない・・・あたしの苦しみ、悔しさとか誰も聞こうとしてくれない。”



”あたしが明るくて、元気な所だけ・・・周りはそれしか見ていない。 本当は悔しかったり泣きたかった時の


 本音を聞いて欲しいのに・・・周りはあたしの上辺だけの部分しか見ていない。”



その瞬間、白露は目が覚めた。


「・・・鎮守府に戻らなきゃ、あたしはやっぱり鎮守府の生活が一番だよ。」


すぐに辞表や解約の準備を始める白露。


・・・・・・


しかし、そう簡単には行かないのが人間社会での現実。


住居の急な解約は何とかなった・・・が、問題は会社である。


急な病気や急な事故ならともかく、個人の勝手の退社、しかも、今すぐとなると会社に多大な迷惑が掛かる。


普通なら辞める約3ヵ月前に辞任の意を上司に伝えてから行うものだが、今回の白露の行動に上司は怒り心頭で、


普通なら払う必要のないはずの多額の違約金を支払わされる羽目になった。



「どうしよう、村雨~。」


店に来た瞬間、藁をもすがる思いで村雨にすがる白露。


「違約金1億って・・・確かにいっぱい稼いでいたけど、あたしはそんなにたくさん稼いでいないよ・・・」


白露は混乱していて、村雨の腕を強く握る。


「とにかく落ち着きなさい、ほら、そこの椅子に座って!」


村雨は冷静に白露の相談に乗る。


「貯金をしていたけど・・・それでも、200万円位しかない。 それなのに、どうやったら1億円払えるの?」


明るく元気なはずの白露は、今は困惑して若干やつれた表情だ。


「はぁ~。」


村雨はため息をついて、


「白露はいつも急に物事を決めるわよね? いきなり”鎮守府を出て行く”と言えば、何の計画も無い行き当たりばったりで


 運よく仕事に就いて・・・挙句に”鎮守府に戻りたい”と思った瞬間、いきなり”会社を辞める”と言ったり。」


「・・・・・・」


「確かに、会社側が違約金を払えと言うのはおかしいけど、その原因を作ったのは白露、貴方なの!


 それは分かっているわけ?」


村雨の言葉に、


「うん、分かってる・・・もう”鎮守府を出て行く”とか馬鹿な事は言わないから・・・だからお願い、助けて村雨。」


白露は泣きながら村雨に頼る。


「・・・白露は十分反省していると思います、提督?」


村雨は提督を見る。


「そうか、じゃあ白露。 その会社に行こうか。」


提督が立ち上がり、外出する準備をする。


「会社に行こうって・・・何をしに行くの?」


白露の問いに、


「何って、違約金の減額交渉をしに行くんだよ。」


そう言って、白露と一緒に店を出る提督。


・・・・・・


会社に着き、社長室に入った途端、目の前には偉そうに足を組んで座る社長らしき人間と


側には用心棒らしき人間が複数立っていた。


どうやら社長は白露が誰かに相談して違約金の値段交渉に願い出ると予測した上で用心棒を雇っていたようだ。


社長の用心棒は顔に筋のある輩ばかりで、仮に交渉に乗り出しても威圧で黙らせるつもりだったのかもしれない。


当然白露はその光景を見て怯えるも、提督が代わりに前に立つ。


白露と一緒に来た提督を見た瞬間、用心棒たちが近寄り威圧を掛けて来るも、


提督は問答無用で用心棒たちを物の数分で半殺してしまう、


先程まで余裕の表情だった社長は当然ながら、提督の前にガクガクと震えあがる。


「何でしょう? 用心棒を雇うって事は社長さんが自ら悪行をしていたと認めた上での防衛行為って事ですか?」


提督は社長を睨みつける。


「この子は確かに急に辞める意思を伝えて、会社に多大な迷惑を掛けた事は自覚している。


 でも、この子に要求した違約金は流石に法外じゃないの?」


提督は社長に詰め寄り、


「違約金1億ってどういう計算から出た金額ですか? オレに詳しく説明してくださいよ、ねぇ?」


 それとも、社長のきまぐれな言葉で発した金額ですか?」


「・・・(怯)」


提督の威圧に社長は怯えて何も答えられない。



結局、違約金の支払いは帳消しとなり、白露は晴れて自由の身となった。


・・・・・・


店に戻り、


「提督、あの・・・」


白露が口を開き、


「ご、ごめんなさい!」


提督に謝る白露。


「まぁ、白露の気持ちも分かるけど、これからは喧嘩ぐらいで鎮守府を飛び出す真似は止めなよ?


 今回はオレなりの丁重な説得で帳消しになったけど、次また問題を起こしたら・・・オレは助けないからな?」


提督の忠告に、


「う、うん。 分かった・・・じゃあ、あたしは鎮守府に帰るね。」


そう言って、店から出て行った白露。


「ふぅ~、これで白露も懲りたわね。」


村雨は安心して、


「それで提督、先ほど言った”丁重な説得”とはどのような感じだったですか~♪」


興味があるのか、提督に尋ねる村雨。


「ああ、本当に丁重な説得だよ? 社長さんも腰をブルブル震わせながら話に応じてくれたからね~。」


提督と村雨は仲良く会話をしていた。


・・・・・・


白露は部屋の前で立っていた。


「・・・・・・」


抵抗があり、扉を開けることを躊躇うも、


「・・・だ、大丈夫。 文句を言われたら言い返せばいいだけじゃん。」


そう思いつつ、白露は扉を開ける。


「あっ、白露。」


白露を見て時雨が振り向く。


「た、ただいま。」


時雨にぼそっと呟く白露。


「うん・・・おかえり。」


白露の予想と違い、時雨は「おかえり」と言って来た。


「今戻って来たけど、話は明日からにするね。」


それだけ言うと、白露は自分の布団に入り込む。



翌朝、


白露は2人から愚痴やら文句やら言われる覚悟でいたが、


「白露聞いてっぽい~! 時雨が夕立のぬいぐるみを捨てたっぽい~!」


朝から夕立の怒声が響き、


「夕立! それは部屋の片づけをしなかったから夕立が悪いんじゃないか!」


時雨が負けじと言い返し、早々に2人の喧嘩が始まる。


「・・・・・・」



「鎮守府から出て行く」と言っておいて、結局戻って来た自分に説教でもするのかと思えば、姉妹喧嘩を始める始末で、



「はぁ~・・・」


白露は安心したのか、呆れたのか、


「2人ともそこに座りなさい!」


いつものお姉さんらしく仲裁が始まる。


「夕立が片づけないから悪いの! 今度また片づけない事があったら、お姉ちゃんからの説教を覚悟しなさい!」


「ぽ、ぽい~。」


「それと時雨、いくら夕立が悪いからって大事なぬいぐるみを捨てるのは酷い事でしょ? 時雨が悪い事をして


 時雨の大事な髪飾りを壊されたらどう思う? 嫌でしょ?」


「う、うん・・・そうだね。」


白露の言葉に2人は大人しくなり、


「じゃあ2人とも悪いという事でいいね? じゃあお互い謝って!」


「ぽ、ぽい~・・・時雨、ごめんなさいっぽい~。」


「ぼ、僕も・・・夕立、ごめんね。」


お互いに謝り、2人は仲直り出来た。



こうして、白露・時雨・夕立の生活が再び始まった。


・・・・・・


生活が戻るや否や、白露は部屋でルールを設けるようになった。

 

「白露、何してるっぽい~?」


夕立が見た光景、白露が冷蔵庫にたくさんのプリンを入れている光景。


「! プリン、プリンがあるっぽい~、夕立、プリンが食べたいっぽい~!」


夕立は思わず手を出すも、


「これはお姉ちゃんのプリン! 夕立のは1個も無いよ!」


白露は夕立の手を払いのけた。


「でも、プリンが6個もあるっぽい~! 1個位夕立が食べたって・・・」


夕立の言い分に、


「ちゃんと見て! ほら、プリンに名前を書いて置いたから! ここに”白露”って書いてあるでしょ?


 だからお姉ちゃんの名前が書いてある物は全部あたしの物、分かった夕立?」


「ぽ、ぽい~・・・」


「もし、勝手に食べたら1個につき、夕立の大切なぬいぐるみとかを遠慮なく捨てるからね! 分かった?」


白露(お姉ちゃん)の警告に、


「わ、分かったっぽい~。」


夕立は渋々納得する。


「もちろん夕立が買って来たおやつとかも、名前を書いてから冷蔵庫に入れる事、時雨にも今の話をきちんと伝えておいてね。


 後、何も書いていない物は”勝手に食べていい”と判断するから、ちゃんと書きなさいよ!」


散々、夕立たちに振り回されていたせいか、白露は何かしらの決まりを立てるようになった。



結果、冷蔵庫の中のほとんどの食べ物が”白露”と書かれていて、時雨と夕立は不満を漏らす。


「ねぇ、白露。 わざわざ名前を書かなくても白露のだって分かるから。」


時雨が言うも、


「そう言って、”名前が書かれていないから食べよう”という魂胆でしょ?」


戻って来た白露は前と比べて気が強くなっている。


「・・・・・・」


思惑がバレて何も言い返せない時雨。


「あ、そうだ。 さっき廊下で朝潮と五月雨があたしに差し入れをくれたんだよね~♪ 冷蔵庫に入れて置かないと。」


そう言って、またも名前を書いて冷蔵庫に入れる白露。


「し、白露・・・そんなにいっぱいあったら期限内に食べきれないでしょ? だから、僕と夕立にも分けてよ。」


「ぽ、ぽい~。 白露、夕立も食べたいっぽい~。」


2人が必死に訴えて、


「・・・しょうがないなぁ~。まぁ、あたしもそこまで鬼じゃないから。」


白露の言葉に、一瞬喜んだ時雨と夕立だったが、


「プリンは1個100円で、おかずは1つ200円で売ってあげる。」


何と、お金を要求して来た白露。


「ぼ、僕たちからお金を取るって言うの!?」


「当然でしょ! ただで貰えると思ったら大間違いだよ!」


白露の言い分に、


「・・・もういいよ、白露のケチ。 ぐすっ。」


時雨は愚痴った後、布団に籠る。



以降も白露が冷蔵庫から食べ物を出しては嬉しそうに食べる姿がよく見られる。


時雨と夕立はただその姿を羨ましそうに見る事しか出来なかった。


・・・・・・


「どう思う村雨・・・鎮守府に戻っては来たけど、白露は酷くないかい?」


今度は店に時雨が相談に来ていた。


「プリン1個100円とか要求して来るんだよ? 妹にお金を要求するなんて何を考えているのさ。」


時雨は白露に怒りを露わにする、しかし、当の村雨は、


「そもそも、白露がそうなってしまった原因は、一体誰が原因だったかしらね?」


村雨の質問に、


「・・・・・・」


時雨は何も答えられない。


「それに、戦闘詳報の件はどうなったの? まさかその件は終わったと勝手に解釈してないわよね?」


戦闘詳報の話になると、時雨は焦り、


「そ、それは・・・僕だって手に入れるためにずっと頑張っているよ! だけど・・・」


時雨はそれ以上は何も言えず、いくら考えても解決方法が出ないまま、店を後にする。


「全く・・・本当に世話が焼けるんだから。」


村雨は時雨の態度に呆れる。


・・・・・・


後日、白露たちを店に呼んだ村雨。

 










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2件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2019-04-11 23:06:52 ID: S:1UsC1p

書籍だとクッソアホの子だったり妹や仲間の為に秘書艦代理や
サポートを目立つ事無くやる有能お姉ちゃんだったりと極端過ぎて
白露のポテンシャルっていまだによく分かんないんだよね・・・

2: SS好きの名無しさん 2019-04-12 23:53:51 ID: S:B9YxVQ

ある意味白露にとって改ニって争いの種なのかも。
現実含めてずっとこれのせいでしょうもなく振り回されてる訳だし


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