2019-04-21 19:21:54 更新

概要

過去に街ひとつ壊滅まで追い込んだ殺人鬼が提督として鎮守府へ着任しちゃいます…(六話目まで更新済み)
なお前作は行き詰まりが多く気力が保てなかった為此方が本編になります


前書き

〈目次〉


一話目:殺人鬼
二話目:安息の場
三話目:同じ匂い
四話目:鎮守府の正体
五話目:艦隊抜錨!
六話目:決断


[一話目:殺人鬼]




男「あ〜…此処が鎮守府って奴か」


腰まで伸びた黒髪と赫色の眼球が特徴的な細身の男は鎮守府前で立ち止まる

かなり大きいケースを軽々と持ち上げるその様子は容姿からは想像出来ない異質さを放っていた


大鳳「貴方が今回派遣された提督ですね?」


気づけば目の前に艤装を装備した女が立っている


男「まあそんな所だ…アンタは?」


大鳳「今回貴方の秘書艦を務めさせていただきます大鳳です。以後お見知り置きを」


随分と固い挨拶に嫌悪感を抱くが顔には出さない

表情から感情が読み取られる程男も柔な道は歩んで来ていないのだ


男「御託はいいからさっさと案内してくれ…この日差しじゃ焼け焦げちまうよ」


大鳳「……はい」


無愛想な返事に又々殺気が溢れそうになるがこれも抑える

安定した生活の為にも“我慢”しなければいけない


男「…此処でやっていける自信なんて毛頭無いしなぁ…」


そんな愚痴を吐き男改め提督は大鳳に連れられ鎮守府へと案内されるのだった。





加賀「何故あの男を起用したのですか?」


元帥の秘書艦である加賀は不満そうに尋ねる

彼女自身あの男の採用には不安や不信があるのも事実

いくら元帥の決定とはいえ納得出来なかった


元帥「町一つ丸々壊滅状態まで追い込んだあの男…あのまま殺すのは勿体ないではないか」


現在深海棲艦と戦時中であるこの世の中

勿論人間による犯罪や反政府行為の対策に手が及んでいなかった訳でも無い

だが男はそんな状況下でしかもたった一人で犯行に及んだのだ


元帥「彼が…あの男が起こした事は到底許されるべき行為ではないが…こんなご時世貴重な逸材は利用しなければならない」


しかしながらそれをとっても加賀の意見は変わらない


加賀「私の…私達の戦友を殺した奴をのうのうと軍に起用する事自体異常です」


男はたった一人で町を壊滅させた

それも小さな集落のような寂れた場所ではなく鎮守府を起点とするかなりの規模を持つ街である

だが男はやってのけたのだ

子供女関係なく

人や動物も関係なく

況してや艦娘も関係なかった


元帥「艤装を装備した艦娘をも圧倒する身体能力…取り押さえるだけで百何人が命を落とした事か…」


拘束された男は憲兵にこう告げたという


『安定した生活がしたいなぁ』…と





提督「…此処が鎮守府…本気で言ってるのか?」


大鳳「ええ…」


外装は全体を見ても然程違和感は感じられなかったが内装は酷い有様だ

所々の壁はヒビ割れ至る所にカビが生えている


提督「俺が住んでいた場所よりは幾分マシだが…気分悪りぃな」


そう言うと提督は大きなケースを開けると元帥支給の清掃用具を取り出す


提督「大鳳とか言ったなこの鎮守府に居る艦娘とやら全員を呼んでこい!掃除の時間だ!」


大鳳「は…はぁ…」


暫くすると大鳳に呼ばれたのか艦娘が集まり始めた


提督「俺が知ってる鎮守府っつーのはもっと艦娘が居た筈だが…」


霞「他に集まって無い艦娘もいるのよ…そんな事も考えられないの?この低脳は?」


またキツイ奴が居たものだと提督は内心舌打ちする


『貴様には約束通り安定した生活を送ってもらう…だが私が危害を加えたと判断した場合その場で処刑を実行する』


提督「…ったくあの老いぼれは…」


望月「それよりいいの?早く掃除始めるなら始めちゃってよ…折角部屋から出てきた意味が無いじゃん…」


想定より少人数ではあるがさっさと始めようと提督達は清掃と修復に取り掛かる


望月「はぁ…面倒臭いなぁ…なんでこんな無駄な事しなきゃいけないんだろ…」


菊月「そんな事言って提督が来るの楽しみに待ってたでしょ」


望月「…るっさいな…」


提督「ほらアンタら無駄口叩いてる暇があれば手を動かせ手を!」


望月「あーもう言われなくても分かってるよ!」


渋々壁の埃やカビを取り除く作業をしている望月に菊月が指差す


菊月「あ…あれ…」


提督が掃除した場所はまるで新品に張り替えたようにシミ一つ無いうえ先程まであったヒビ割れさえも綺麗サッパリ無くなっていたのだ

その不気味かつ異様な光景に二人の背筋が凍りつく


望月「…提督…あんた一体…」


機嫌良さそうに作業に取り組む提督を二人は只々見つめる事しか出来なかった。





提督「ふう…これで内装は全て終わったな!」


清掃を始めて約5時間が経過した頃鎮守府内全ての修復が完了した

その圧倒的な手際と技術に翻弄され大半の艦娘は途中から提督の手伝いに回っていたのだ

数時間前迄は見るに耐えない有様だった鎮守府が今では全体を新調したかのようにピカピカになっている


霞「これは想像以上だわ…買い出しから帰ってきた鳳翔さんが混乱しなければ良いけど…」


艦娘といえど体力が無尽蔵にある訳では無い

しかし提督は一切休む事なく寮の自室を含め全ての修復をこなした


提督「これでも綺麗好きな方なんでな…ある程度は片して貰ったぞ」


果たしてこれを“片した”という単語で締めくくれるのかと違和感が湧く

掃除前ではやる気すら見られなかった艦娘達が今ではそこら中を走り回って喜んでいる


提督「さてと…やる事も済んだし後は何時もの日課をやるだけだな」


大鳳「提督?何処に行かれるんですか?」


初手で会った時より表情が明るくなった大鳳はそう問いかける


提督「執務室でやる事が有るだけだ…アンタたちは来なかった艦娘でも呼んでおいてくれ」


提督はそう言い残し足早に去っていく


大鳳「…不思議な人」





提督「ふぅ…ギリギリセーフ!」


大きなケースを抱え執務室に入り鍵を掛けると提督はすぐさま二重構造になっているケースの裏側を開ける


子供「んん〜!!!」


提督「ごめんな〜ずっと放置しちゃって…身体も凝ってるだろう?」


子供はケースの中に長時間閉じ込められていたのか関節部分が固まっていた

それでも提督は構わずケースから更に器具を取り出す


提督「この鎮守府は可愛い娘がいっぱい居たからねぇ…抑え込むのが大変だったよ」


提督「でもね…国から処分対象とされた君ならいくら殺して問題ないんだってぇ…」


子供「〜〜〜!!」


子供は抵抗しようとしているのか身体を小刻みに震わせる

これでも全力抵抗しているつもりなのだろうが提督にはもう関係ない


提督「人ってさ簡単に改心出来るほど単純な構造はしていないんだよ…だからこそ面白いんだけどなぁ」


そう言い提督は小さなペンチの様な器具を子供の耳に近づけさせる


提督「まずは音が聞こえないよう鼓膜を剥いでいこうか」


子供「〜〜⁉︎」


カチンカチンと耳元で金属音が響く


提督「ごめんね…やっぱり俺は“殺人鬼”なんだよ」


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[二話目:安息の場]




『ねぇねぇ!あの虫さんは何ていうの?』


幼い少女はそう彼に語り掛ける


『別にしらねぇよ...』


男は不愛想に返す





提督「...またか」


またあの夢を見る

提督が気付いた頃には日が昇り朝日が窓辺近くに差し込んでいた


提督「確かあの後鳳翔の所で宴会じみた事をやった筈だが」


思い出そうと記憶を巡らせても久々の酒に酔いしれていた自分しか残っていない

それに加え頭部に痛みが走る

ついつい飲み過ぎたのだろう...所謂二日酔いと言う奴だ

何とか身体を起こした提督はギョッとする

ベッドの真横に艦娘が寝ていたのだ


提督「なっ⁉︎お前何で⁉︎」


動揺する提督を尻目にその艦娘は目元を擦り起き上がる


多摩「...何にゃ?朝から騒がしいのにゃ...」


提督「人のベッドに侵入しておいてよくそんな事が言えたもんだな...」


痛む頭に重しを乗せたかのような感覚が提督を襲う

多分今なら漬物石に押し潰される糠の気持ちが理解出来るような気がする


提督「あーもう...いいから早く出てった出てった!」


半ば強引に気だるけな多摩を部屋から追い出す


提督「全く...この鎮守府にはプライバシーってのがな

いのか?」


ふと提督は自分のケースに目をやる


提督「まさか見られたなんかはしてないだろうな」


一抹の不安と焦りが胸を掠める

恐る恐るケースを開け中身を確認したが特に異常は見られなかった

残骸の位置 染みの経過時間 匂い

ケース自体あれから一度も開けられていないようだ


提督「はぁ…ただの杞憂で済んだが管理くらいはしておいた方が良いかもな」


いつ何時誰が自分の正体に気付くか分からないこの現状

見破られでもすれば混乱沙汰では済まない上この事が老いぼれにも伝われば自分の生活が脅かされるのは明らかだ

鬱な溜息を吐きケースをクローゼットへ仕舞う


提督「気が乗らない日は散策に限るよな」


軍支給の軍服を羽織り部屋を立ち去るのだった。





球磨「多摩⁉︎一体何処に行ってたクマ!」


今朝方から行方が分からなかった妹を見つけ球磨は直ちに駆け寄る


多摩「自室へ提督を運んでいる最中ベッドが想像以上にフカフカだったからつい寝落ちしてしまったにゃ...」


球磨「はぁ...実に多摩らしい理由クマ...」


相変わらず人の心配を何だと思ってるクマ...と内心呟やきながらこの自由奔放な性格は相変わらず多摩の特権だと改めて実感する


多摩「にゃ〜...それにして提督の寝顔はいつ思い出しても可愛かったにゃ〜」


球磨「っ⁉︎多摩!提督と一緒に寝たのかクマ⁉︎」


多摩「当たり前にゃ...それにしてもあの顔は母性本能を擽る何かがあったにゃ」


多摩から母性という言葉が出た瞬間球磨は喀血した


球磨「ま...まさか多摩から母性という単語が出るなんて...クマ...」


二人がそんな茶番劇を繰り広げている最中通路から人影が現れる


提督「どうしたんだ二人共?」


球磨「ああ提督クマか…ちょっと喀血してた所クマよ…」


提督「本当に何があった⁉︎」


散歩ついでに恐ろしい現場に出くわしたものだと気分が落ち込む

それに球磨の背後には此方をまじまじと見つめる多摩もい居る…多分今一番会いたくない奴だ


多摩「それより提督は何でこんな所にいるにゃ?」


提督「…二日酔いで頭が回らなくてな…少し散策でもしようかと…」


多摩「なら多摩がこの鎮守府を案内するにゃ!」


多摩はそう言うと即座に提督の腕を掴み外へと駆け出して行った

あまりに一瞬の出来事に球磨はその場で棒立ちする事しか出来なかったそうだ。





多摩「…にゃぁ…久々に全力疾走すると体が持たないにゃ…」


人を散々引き摺り回しよくそんな台詞が出てきたもんだと提督は呆れ返る


提督「只でさえ気分が悪いのに更に追い討ちをかけるんじゃねぇよ…」


多摩「彼処に長居してたら姉さんの説教を受ける事になってたし万事オーケーにゃ…」


どこがだよと突っ込みを入れたいが今はそんな元気すら無い

酔っている時に滅茶苦茶回るコーヒーカップに乗せられた直前と同じ様な気がして来る

簡潔に纏めると吐きそうと言うことだ


提督「はぁ…安定した生活って何だっけなぁ…」


多摩「今回の件は悪かったにゃ…これはお詫びにゃ」


多摩は提督に近くの自販機で売っている天然水を手渡す

体調上では有難い品物だった

提督はキャップを開けると勢いよく飲み干すと先程よりも気分は良くなった気がした

疲れきった自身の体を木陰へ移動させる

真夏とはいえ沿岸部は海からの潮風も吹いており多少は涼しく感じられた


多摩「そういえば提督はどうしてこの鎮守府に来ようと思ったのにゃ?」


提督「あー…何といえばいいのやら…命令されたから?…なのか?」


多摩「なら提督はこの鎮守府の事は知らないのにゃ⁉︎」


提督「え?何かあるのか?」


多摩「にゃっ…何でもない…それを知れば提督はこの鎮守府を出て行ってしまうにゃ」


それを聞いた提督ははぁ…と小さな溜息を吐く


提督「俺はな多分この鎮守府でしか生きられないんだよ」


多摩「どう言うことにゃ?」


提督「この鎮守府を出れば自分に居場所は無いって事だよ…少なくとも此処を自分から出ようとするなんて馬鹿はしない」


そう言い多摩の頭を撫でてやる


多摩「提督撫でるの下手にゃ」


提督「人の頭を撫でた事なんて生涯まだ2回目なんだし妥協してくれ」


だがそんな不器用な撫で方でも多摩は心の何処かで安心していた

あの人とは違う別の何かがこの提督にはあるのだろうと…

多摩は何故か提督にだけは一人の人間として心を許せる気がしたのだった。


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[三話目:同じ匂い]




霞「提督そんな所で寝てたら風邪ひくわよ」


提督「......んあ?」


確か自分は多摩と一緒に居た筈では?

辺りを見渡せば日は暮れ太陽が水平線に吸い込まれる寸前であった

地面で寝ていた所為か凝りに凝った身体をなんとか起こす


提督「...ああなんだ寝ちまったのか」


霞「寝ちまったじゃないわよ!執務はどうしたの!」


提督「あっ...」


多摩に引き摺り回された後一切執務室には戻っていない

詰まる所執務は山積みという事だ

まさか気分転換の散策が一日掛かりになろうとは想像だにしなかった

まあ何も言わずトンズラした多摩には後で叱るとして...


提督「ありがとな...助かったぞ」


霞「なっ⁉︎何よ急に!」


何故か霞は顔を赤くし後方へたじろぐ

なんにせよ日が沈むまでに起こしてくれたのはとても有り難い


提督「早く執務終わらせないとな...」


霞「そう思ったなら早く行動に移す!ほら早く!」


霞に引っ張られ提督は執務室へと急ぐ

自然と二日酔いの頭痛はもう治まっていた。





元帥「こんな所に居たのか」


加賀「はい...今日は赤城さんの...」


途中言いかけた所で言葉を詰まらせる

鎮守府本部の裏側に位置する中庭には数々の墓標が存在しており轟沈艦の慰霊碑などがそこにはあるのだ

そんな墓標の中でも一際目立つ物があった


『○○鎮守府慰霊碑』


元帥「君が私の元に来る事になった理由もそうだったな」


加賀「何故....何故あの男は生きているんですか....」


必死に訴える様なその声は震えていた

加賀は嘗てとある戦友を失った経験を持つ

それも海戦での名誉ある戦死ではなく虐殺という無惨な形でだ


元帥「何度も言っているが奴は殺してしまうには勿体ない人間…せめて赤城達の分まで働き死ぬのが妥当ではないか?」


加賀「だとしても奴を野放しにしておくのは危険すぎます!幾ら厳重体制を敷いているとはいえ……」


艦娘を遥かに凌駕するその戦力をコントロールするにはそれ相応の対処が必要である

大きな戦力を動かすには更に大きな戦力を保有しなければそれは自軍の戦力とは言えない

それこそ只の暴発寸前の巨大な爆弾でしかないのだ


元帥「分かってる…だからこそあの鎮守府に送ったのではないか」


加賀「…まあ確かにそうですけど」


元帥「あの鎮守府は艦娘で居られる最期の場所だ…彼奴には十分お似合いだよ」


彼が配属された鎮守府は只の鎮守府では無い

各鎮守府から解体申請を出された高練度の艦娘達が最期に送り届けられる実質的な墓標であり実在する死…それが鎮守府の正体であった。





提督「ふぅ…まあこんなもんか」


昔から資料や書類の類はかなりの量扱ってきたのが功を奏したのか執務はものの30分で終わった


霞「凄い…全部正確に…尚且つ迅速に終わらせるなんて…」


その作業の効率にど肝を抜かれる

あんな平然とした顔をしながら通常十数時間は掛かるであろう執務を僅か30分で熟す提督には恐怖さえ覚えた

更に付け加えるとこの鎮守府には無理難題が押し付けられる事が多い

量だってそこらの鎮守府と比べても数倍はある筈なのだ


提督「よし!飯の時間だ霞!」


霞「えっ⁉︎」


提督「今度は俺が連れてってやるよ何か食うかい?」


霞「えっと…その…」


提督自身から食事に誘われるなんて過去に一度も無かった霞は脳内での処理が追いついていなかった


提督「黙りこくっても分からんな…仕方ない鳳翔サンの所にでも行くとしよう」


提督はそう言い霞の手を握る


霞「ひゃっ⁉︎」


提督「っ⁉︎…どうしたんだ…変な声だして?」


霞「あ…あの…男の人と手を繋いだ事がなくて…その…」


提督は何言ってんだコイツと首を傾げる

何故手を繋ぐくらいでここまで警戒されなきゃいけないのだろう


霞(ああもう!何でこんな胸が熱いのよ!…)


霞の真意に全く気がつかない提督はそのまま歩き出す

どれ程提督が他人の感情や思いを読み取る事自体が得意だとしてもそれを理解するのは難しい


望月「あっ!提督さんに霞じゃんどうしたの?」


霞「げっ…」


提督「ああ…望月か」


望月も丁度食事を取りに行くようだった


霞「あら菊月は一緒じゃないのね」


望月「今日は演習で練度を上げるんだってさ…懲りないよねぇほんと…」


望月のその言葉は呆れた様にも疲れ切った様にも聞こえる


望月「私達なんてどうせ直ぐ沈むのに何でここまで頑張らなくちゃいけないんだろうなぁ…」


霞「っ⁉︎…提督の前で言う事じゃないでしょ!」


無神経な発言に霞が若干感情的になる

だが望月も悪意や皮肉を込めて言った訳では無いと提督自身理解していた

恐らく此処に居た間何人もの仲間を失ってきたのだろう…其れこそ何も感じなくなる程に


提督「まあまあ…ならどうだ望月も一緒に食べるか?」


霞「っ!!」


望月「うん良いよ…丁度私も食べに行く途中だったし」


霞「……」


提督「どうした霞?急に黙りこくって?」


霞「別に…何でもないわよ…」


望月(ふ〜ん…道理で何時も此処に着任した提督を毛嫌いしてる霞がここまで懐く訳だ)


望月は霞の元へ駆け寄ると耳元で囁く


望月「…残念だけど提督は私が貰うからね」


霞「そう…まあ精々頑張る事ね」


いつになく余裕な表情を浮かべる霞に対し違和感を覚える

普段なら軽い挑発にも乗ってしまう彼女だが今日に関しては軽く受け流す程度だ

呆然とする望月を気にも留めず霞は食堂へ向かう


望月「まさかあんな一面があったとはなぁ…」


いや違うか

その根源を作り出したのは提督だろう

たった数時間の関係なのに彼を赤の他人だと認識出来なくなっていたのだ


…同じ匂いがする


其れは此処に存在している艦娘が提督に抱いた最初のイメージだった

提督もまた自分達と同じで様々な惨劇を自らで体験しその目にその身体に焼き付けてきたのだろう


提督「どうした望月〜早く行くぞ!」


此方へ手を振る提督を見てクスリと微笑み望月は足早に食堂へと向かった。


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[四話目:鎮守府の正体]




提督「いやー食った食った!昨日は酒の事でいっぱいだったがこう改めて食べてみると美味いもんだな」


テーブルに積み上げられた皿の山を眺めしみじみ思う

鳳翔は微笑みながら此方を見つめている


霞「本当によく食べるわね…何皿よこれ…」


望月「いいじゃん男は食ってなんぼだからねぇ」


艦娘は大食らいなイメージがあったがやけに二人は小食だ

これっぽっちで足りるのだろうか?


提督「艦娘っつーのはもっと食うイメージがあったんだがお前達はやけに小食だな」


望月「まあ私達は駆逐艦だしね…空母みたいに大量に資材を使う訳じゃないし」


そうだ

今迄忘れていたが此処に居るのは艦なのだ

ただの少女として接していたがれっきとした兵器としての顔を持つ

艦種によって行動や見た目将又資材の運用量も変動してくる

下手な資材の使い方をすれば鎮守府ごと潰されそうだな

今更だが此処に来る最中いくつかの監視カメラを見つけた


提督「鎮守府内まで監視するとは随分と趣味がお悪い事で…」


霞「?…提督何か言った?」


提督「いや別に」


食堂だけではない廊下や執務室にも監視カメラが設置されていた

それも全て隠すような形で設置されていたがそんな程度の小細工如きで私を管理出来ると思っているのだろうか?


大鳳「提督!ここにいらっしゃいましたか!」


提督「どうした大鳳?そんなに慌てて」


かなり急いだのだろうか大鳳の息は切れている


大鳳「鎮守府周辺海域に敵艦隊が進撃が捕捉されました!」


霞「なっ⁉︎」


望月「っ!」


唐突な報告に二人は驚きをを隠せていない様子だ

カウンターの向こう側では慌てて鳳翔が出撃準備をしている


大鳳「兎に角提督は急いでシェルターに!」


提督「待て待て!なんで私がシェルターに行かなけりゃいけないんだ…指揮を執る者なら前線に出るのが当たり前と聞いたが…」


霞「まさかあんたこの鎮守府がどういう物なのか知らないで来た訳⁉︎」


提督「いや勝手に配属されて勝手にやってくれと言われただけだが?」


望月「はぁ…なら道理でこんな所に長居する訳だ…何も知らないんじゃ仕方ないし」


大鳳「時間がありません!私から簡潔に説明させていただきます」


霞「駄目!」


説しようとした瞬間した時霞が割って入る

その表情は焦っているのか何かに恐怖している顔にも読み取れた


望月「でも早く説明しなきゃ元も子もないよ」


霞「でもそんな事したら提督はまた…」


提督「いい加減早く話して貰わないか?」


全く進展しない話題に痺れを切らした提督は大鳳へ説明を要求する


大鳳「ええ分かりました…早急に説明致します」


霞「ちょっと…」


望月「霞っ!!」


説明を妨げようとする霞に望月から喝が入る

普段からは想像できない迫力に押され霞は口を噤む


大鳳「この鎮守府…いえもといこの場所は行き場を無くした艦娘が配属されます

勿論大多数の艦娘は解体処分とされますが此処にいる娘達は例外なんです…」


提督「例外?どういう事だ?」


提督の質問に望月が落ち着いた口調で返答する


望月「提督を失い鎮守府自体が解体され行き場を無くした艦娘…又は…」


そう言いかけた所で口調が途切れた

望月は静かに霞の方を見る

其れを察知したのか次は黙っていた霞が口を開いた


霞「提督から解体処分とされたものの政府から戦力としての需要があると判断された艦娘よ…」


大鳳「そしてこの鎮守府は政府にとってのデコイ…敵艦を誘き寄せ新兵器の実験に使う為だけの囮です」


提督「兵器?そんな物この鎮守府には俺が知る限り無かったぞ」


「当たり前よ…」と霞がボソッと呟く


大鳳「新兵器…所謂原爆と言われる物がこの鎮守府の下に埋め込まれています」


望月「提督さんも此処に来る最中気づいたかもしれないけどこの周辺は数年前に廃都市となってるから鎮守府以外に被害はないの」


この時点で提督は全容を理解した

どうして自分がこの鎮守府へ配属されたのか

答えは簡単だ…危険物は危険物の元へ置いておけば安全だろうと考えたお偉い爺が国から見捨てられたが十分戦力になる自分と同じ理由を持つ艦娘達が集まる場所へと送り最期の最期まで働かせようという魂胆だ

その場で処刑する…それが意味するものは地下に埋まっている原爆とやらの起動だろう

この鎮守府に憲兵が居ないのもそれが原因だ


提督「なるほど…多摩が言っていた出て行く理由には十分に成り得る」


多摩の発言から過去に提督は何人か着任しているようだったが…

おそらく今の話を聞き尻尾巻いて鎮守府から逃げ出したかそれが出来ないと判断し自ら命を絶ったか…

いずれにせよ理由程度幾らでも見つかる


霞「…アンタも此処を出て行くのね」


そう言い放ち霞は出撃へ向かう


大鳳「今まで通り指揮は私が執るので提督は早くシェルターへ」


提督「全くだ…こんな鎮守府命が幾らあっても足らんよ」


望月「……」


大鳳「望月さんも早く出撃の準備をして下さい!敵艦隊の侵入を許せば此処ら一帯が消し飛びますよ」


大鳳に促される形で望月も出撃へ向かった

食堂には提督一人と静寂だけが取り残されている


うんざりだ

全くうんざりだ

安定した生活を望んだのに待っていたのはそれとは程遠い文字通りの地雷原であった

これ程迄に失望した事があっただろうか


提督「まあクソジジイが鎮守府をやるから其処で好きなようにやっても良いと言った時点で怪しむべきだったな…」


あれだけ人の感情を読み取れると豪語していた自分が今になって恥ずかしく思えてくる


提督「さて…と…そろそろ準備しなきゃな」


提督は足早に暗闇が支配する鎮守府廊下へと消えていった。


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[五話目:艦隊抜錨!]




大鳳「これより第一艦隊旗艦大鳳抜錨します!」


その掛け声と重なり第一艦隊 球磨 多摩 霞 望月 菊月 鳳翔も続いて抜錨する

毎戦大鳳が指揮を執りただそれに従い敵艦隊を原爆の起動区域から遠ざけるだけ

もう何度目の出撃だろうか


大鳳「各艦単縦陣に!鳳翔さんは私と共に艦載機での索敵をお願いします!」


鳳翔「いえ…その必要もないみたいわよ」


菊月「正面に敵艦隊を視認…戦艦ル級を旗艦とする駆逐イ級ロ級艦隊だと思われる」


水平線の暗闇に僅かな光が明滅している


大鳳「全砲門開いて下さい臨戦態勢に入ります!」


大鳳の一声に押され砲門を開く

敵は未だ此方には気が付いていないようだ


大鳳「鳳翔さん 望月さん 菊月さん 霞さんは左方向への迂回と威嚇を行なって下さい

私と球磨さん 多摩さんは右方向からの畳み掛けを行います」


望月「おっけ〜…菊月行くよ〜」


菊月「わかってる…早く済ませよう」


霞「……」


大鳳「球磨さん 多摩さんは畳み掛けの準備をお願いします」


球磨「合点承知だクマ!絶対に沈めてやるクマよ!」


多摩「にゃ!」


こうして一艦隊は分離して敵艦隊の撃滅へと向かった

鎮守府近海の暗闇は依然静寂が包み込んでいる。





鳳翔「此方鳳翔敵艦隊を視認しました」


無線機越しから鳳翔の声が響く

口調はいつも通り冷静だ


大鳳「了解しました…威嚇射撃で意識をそちらに逸らしてください

後はこっちの仕事です」


「わかったわ」の声とほぼ同時に威嚇砲撃が行われる

直線距離で800m程だろうか

眩いばかりの閃光が鎮守府近海を瞬時に照らした


大鳳「さあ私達も行きますよ!」


この位置から迂回し敵艦隊の背後部分に回り集中砲火を浴びせる

穴だらけの作戦ではあるが高練度の艦娘がゆえ多少の無茶は承知の上だ


大鳳「撃ち方用意!」


射線を目標へ固定し時期を伺う

少しでも勘付かれてしまえば其れこそ危険だ

瞬間全ての敵艦が射程圏内に入る


大鳳「撃てっ!!」


同時に球磨 多摩は主砲による砲撃を開始

爆音と黒煙が周辺一帯を包み込む


望月「…やったみたいだね」


敵艦の誘き出しの後即後退したお陰で巻き込まれずに済んだものの矢張り現鎮守府で最も練度が高いあの二人の火力は凄まじい

此方も雷撃による援護は行ったが大体は球磨 多摩の主砲によるものだ


鳳翔「敵艦隊はこれで殲滅ですかね?」


菊月「多分…確認出来たのはあの艦隊だけだったし」


霞「…なら早く帰投しましょ…こんな所に居ても時間の無駄だわ…」


望月「霞も…司令官にはどうせ話さなきゃいけない事だったし仕方ないよ」


重々しい空気の中大鳳達と合流しようとしたその時だった


菊月「⁉︎…前方に敵艦載機確認!」


鳳翔「なんですって⁉︎」


先程まで気配すら見せていなかった海域上空に気付けば多数の艦載機が此方へ向かって来ていた

同時に大鳳から無線機による通信が入る


鳳翔「大鳳さん大変なの!敵艦載機が…」


大鳳「分かっている!此方も肉眼で確認した…それと…」


大鳳「……それぞれ敵旗艦ヲ級と推定する艦隊4つが此方へ進撃中だと」


たったその一言で鳳翔は絶望のどん底へ引き摺り込まれた感覚に陥った

今の艦隊ではヲ級艦隊4つなど相手に出来る訳がない

更にここで撤退しても敵艦隊が原爆の起動範囲内に侵入してしまう

もはや希望など残されていなかったのだ


大鳳「鳳翔さん!聞こえてますか!」


その声にハッと我に帰る


鳳翔「あっ…すみません…」


大鳳「兎に角直ぐに合流後交戦する予定なのでそちらの指揮は鳳翔さんに任せます!」


そう言い残し通信が切れる

どちらにせよ生き残るには今この場で敵艦隊を残滅するしか方法は無い


鳳翔「これより大鳳さん率いる艦隊と合流します…おそらくその後ヲ級艦隊4つと交戦するでしょう…」


望月「んなっ⁉︎4つって何だよ!」


鳳翔「言いたい事は分かるわ…でも落ち着いて聞いて

これよりヲ級艦隊との交戦中敵艦隊の殲滅が確認されるまで一切の撤退を禁じます」


菊月「なるほど…敵を前にして帰投するくらいならその場で轟沈しろと言う事か…」


鳳翔「厳しい言葉にはなるけれどそういう事よ」


その発言に意を唱える者はいなかった

そこに居た誰もが妥当だと理解していたのだ

自分達にはその程度の価値しかないと…結局は唯の兵器だという事も…

さっきまで星空が見えていた夜空も今では暗雲で覆われていた。





球磨「やっと見えて来たクマね」


大鳳の艦載機でしか確認出来なかった敵艦隊も肉眼で視認できる程近距離に迫っていた


多摩「鳳翔さん達合流まであとどれくらいにゃ?」


大鳳「ものの数分で着くはずなのでそこまで時間は掛からないと思いますが…」


冷静に物事の順序を並べ直す

ル級を引き連れた艦隊…何故なんの抵抗もせず態々こんな沖合まで誘き出されてくれたのだろう?

いや違う…誘き出されていたのが此方の方だったとしたら…

ル級艦隊がヲ級艦隊の存在を探知されないよう行動していたならば…


大鳳「はぁ…深海棲艦も随分と悪どい手を使うようになってきましたね」


鳳翔「すみません!到着しました!」


報告から丁度5分後鳳翔率いる艦隊と合流する


霞「敵艦隊は…もうすぐそこみたいね…」


大鳳「ええ…相手側も此方の存在には気付いている頃でしょう」


遠くでは艦隊のシルエットがハッキリ分かる程近付いていた


大鳳「総員再度単縦陣に!殲滅目標ヲ級艦隊!」


もう逃げ場など何処にも無い

いや逃げ場など何処にも無かったのかもしれない

そんな事を考える暇もなく球磨達の砲撃により海戦の火蓋が切って落とされるのだった。


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[六話目:決断]




提督「はあ夜だってのに電気すらつけないのか此処は…」


鎮守府近海での戦闘を考慮しているのだろうか

鎮守府内の電気は全て消灯されている


提督「こうも暗いと何も見えないな……ん?」


暗闇の廊下を渡った先僅かだが光が差し込んでいる


提督「あれは…部屋から灯りが漏れているのか?」


確かに廊下の端にある部屋からだ

僅かだが物音も聞こえていた

存在を探知されないよう気配を殺し近づく


⁇?「…そこに誰かいるのかい?」


少女だろうか

小さな声が部屋から漏れる


提督「提督だが…お前は出撃しなくていいのか?」


ここからでは室内を覗くことが出来ない為声と光を頼りに接近しながら提督は問う


⁇?「提督の命令ならば僕も出撃するつもりだよ」


疲れ切った様なその声質はまるで人形から出ているに思えた

ゆっくりと部屋の扉の前に立つ

どうやら光は扉と部屋の隙間から出ているもののようだ

提督が取手に手を掛けようとした次の瞬間だった


⁇?「部屋に入って来ないで!」


先程とは打って変わり拒絶を訴える声が響く

その威圧と迫力に提督は一歩たじろぐ


提督「…分かった…ならこの場で話をしたい」


この時点で提督は声の主に興味を持っていた

周りを徹底的に拒絶する者程他人に聞いて欲しい何かを持っているものだ


提督「お前は大鳳達と同じ艦娘か?」


⁇?「…うん…そうだよ」


少し間を空けて返事が返ってくる


提督「いつから其処に引き篭もってるんだ?」


⁇?「分からない…この部屋には時計がないからね…」


艦娘も引き篭もり体質になるのか

内心提督はそう呟く


提督「鎮守府で避難命令が出ているんだがシェルターの場所が分からないからな…案内してくれないか?」


その瞬間部屋の扉が勢いよく開かれ少女が姿を現す


時雨「はぁ…はぁ…それは一体どういう事なんだ提督!!」


提督「いやだからシェルターの場所を…」


時雨「そんな事はどうでもいい!」


時雨は此方の話など御構い無しと言わんばかりに取り乱す


時雨「何故出撃命令を出したんだ…答えてよ提督さん…」


このまま絞め殺さんと言わんばかりの力で提督の胸ぐらを掴む時雨の目は狂気そのものだ

だがこんな状況でも提督は何の抵抗もせずただ淡々と話を続ける


提督「命令など出してはいないぞ…彼女達が勝手にやった事だ」


この言葉が時雨の逆鱗に触れたのかとうとう時雨は提督の首に手を掛ける


時雨「…貴方みたいな人が居るから…みんなが…みんなが…」


首の骨が折れてもいい程の力で握り潰そうとするが提督は苦しそうな素振りを見せるどころかただただ無言で此方を見つめ続けていた

時雨は逆に恐怖を覚えたのかゆっくりと提督の首から手を離す


提督「お前が何故此処に引き篭もっているのかは大体察しはつく…」


大鳳達が言っていた通り恐らく時雨も過去の鎮守府で何かしらのトラブルを抱えていたのだろう

これは私の境遇からも言える事だが過去のトラウマなどから立ち直れる人間は極少数だ

だからこそ鎮守府で明るく振る舞っていた彼女達を見た時はかなりの衝撃を受けた

しかしながら全員がそうという訳でもなさそうだ

現にこの場所に引き篭もってしまっている彼女が唯一の証拠なのだから


そんな時だった


提督が所持していた無線機に急遽通信が入る


大鳳「提督!聞こえますか!」


提督「どうした大鳳もう終わったかのか?」


大鳳「いえ…寧ろ逆です…」


大鳳はこれまでの経緯を簡潔に説明し始めた


ヲ級艦隊との接触


主力艦の大破など


そしてこれから敵艦隊を誘導し自爆を行う事も


大鳳「敵艦隊を沈めるには他に方法はありません…その為に時雨さんをシェルターへ入れて貰えませんか」


淡々と説明するその声にも疲労が混じっていた


提督「うむ了解だ…ならせめて場所を教え…」


時雨「何言ってるんだ大鳳!!」


時雨は提督から無線機を取り上げると大声で大鳳に怒鳴る


大鳳「その声は時雨さん⁉︎提督と一緒だったんですか!」


そんな大鳳の質問も無視し時雨は更に続ける


時雨「自爆なんてするくらいなら今すぐ僕が行くからら...どうかそんな事...」


大鳳「ですがこれ以外に方法はありません!時雨さんは早く提督をシェルターへ...」


そう言い残し通信は切れる


提督「...との事だ...どうする時雨?」


時雨「...どうもこうもないよ...今すぐにでも援護へ向かう」


提督「それがどんなに無駄な事か分かっているのか?」


時雨「それでも何もせずに仲間を見捨てるよりはマシだよ」


提督「それが私の質問に対する答えでいいんだな時雨...」


黙ったまま時雨は唇を強く噛むと提督を押し退け廊下を駆けて行く


提督「...この程度の事で自分の命を投げ出そうなんて...全く理解出来ないな」


だが提督はこれを狙っていた

時雨自身が行動し自らのトラウマと決別する為には必然事項だったからだ


提督「目的も達成したし本当はここでお役御免のつもりだったが...」


提督は大鳳から預かった補給倉庫の鍵を取り出す

ここから補給倉庫まで最短距離で往復10分位だろう


提督「さて時雨...君の決断が正しかったか答え合わせといこうじゃないか」


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