2019-11-14 03:18:04 更新

概要

大鷹とのなんでもない1年間のお話です


前書き

あまりにも大鷹SSが少なすぎる(そもそもない)ので俺が書かなくては…!と思って描きました。どうぞゆっくりご覧下さい!



【1月】


提督「あけましておめでとう」ペコリ


大鷹「おめでとうございます」ペコリ


提督「今年もよろしく」


大鷹「こちらこそ」


提督「……うし、初詣行くか」


大鷹「ええ。潮さんは?」


提督「七駆のみんなと行ったよ」


大鷹「そうですか」



―神社―



ザワザワ ガヤガヤ



提督「…………」ペコリ


大鷹「…………」ペコリ


提督「…………」ポイッ カラン コロコロ…


大鷹「…………」ポイッ カラン コロコロ…


提督「…………」ガランガラン


大鷹「…………」ガランガラン


提督「…………」パン パン


大鷹「…………」パン パン


提督「…………………………ふう」


大鷹「…………………………………………」


提督「…………」チラッ


大鷹「…………………………ふぅ」


提督「行くか」


大鷹「はい」



――――――



提督「いただきます」パシッ


大鷹「いただきます」パシッ


提督「…………」パクパク


大鷹「…………」モクモク


提督「…………」モグモグ チラッ


大鷹「…………」カチャ


大鷹「どうぞ」コトッ


提督「さんきゅ」


提督「…………」タラー


大鷹「…………」パクパク


提督「…………美味い」モグモグ


大鷹「よかったです」ニコ


提督「…………」パクパク


大鷹「…………」モクモク


提督「………なあ」


大鷹「はい?」


提督「なんて願った?」


大鷹「……教えません」


提督「なして?」


大鷹「……願い事は口に出すと叶わないんですよ」


提督「…………そ」



――――――



大鷹「…………」コポコポ


提督「…………」ボー…


大鷹「どうぞ」コトッ


提督「……ん、さんきゅ」


大鷹「…………」ズズー…


提督「…………」ボー…


大鷹「ふぅ……」コトッ


提督「…………」ボー…


大鷹「…………クシュッ」


提督「ん…………」


大鷹「…………」ブルッ


提督「…………」ゴクゴク


提督「……ふぅ」コトッ


提督「…………」ガタッ


提督「…………」スタスタ ストン


提督「…………」ギュー


大鷹「…………///」ポッ


提督「…………」チラッ


提督「雪だ……」


大鷹「あら……」


提督「…………」パタン


大鷹「んっ…………」モソモソ


大鷹「…………」ゴソゴソ


大鷹「…………」ギュー


提督「…………」ギュー


大鷹「…炬燵で寝ると風邪引きますよ」ギュー


提督「お前もだろ……」ナデナデ


大鷹「………………フフッ」


提督「………………フッ」






【2月】


提督「…………」ボロッ


大鷹「……結構派手にやられましたね」


提督「戦艦は何でもそうだが全力で物を投げるのはやめて欲しいな」


大鷹「今日は大目に見ましょう」


提督「そのつもりだけどさ」


朝霜「司令 覚悟ー!」バァン


駆逐艦達「「「かくごー!!!」」」


提督「次はてめぇらかよ…」



――――――



大鷹「…………」ポリポリ


提督「…………」ポリポリ


大鷹「…………」ポリポリ


提督「……あと何個?」ポリポリ


大鷹「68個です……」ポリポリ


提督「…………ガンバ」ポリポリ


大鷹「はい…………」ポリポリ



――――――



大鷹「うー……」グデー…


提督「お疲れさん」ナデナデ


大鷹「はい…………」


提督「…………」ナデナデ


大鷹「…………」ボー…


提督「…………」ナデナデ


提督「…………」


提督「…………」ポコッ


大鷹「うっ………」


提督「…………悪い」ナデナデ


大鷹「…………」ムスッ


提督「…………」ナデナデ


大鷹「…………」ムスー


提督「…………」ハァ


提督「…………」スッ


大鷹「………?」



チュッ



大鷹「…………///」


提督「……ごめん」


大鷹「いえ……///」



――――――



大鷹「そろそろ…」ムクリ


提督「今日は座ってろ」ポム


大鷹「でも……」


提督「いいから」スクッ


提督「お粥でいいな?」スタスタ


大鷹「……ありがとうございます」


提督「……ん」



――――――



提督・大鷹「「いただきます」」


提督「…………」パクパク


大鷹「…………」モクモク


提督「…………」パクパク


大鷹「…………」モクモク


提督「あっ……」


大鷹「どうされました?」


提督「恵方巻き……」


大鷹「あぁー……」


提督「……まぁいいか」


大鷹「いいんですね……」


提督「食うか?」


大鷹「いえ」


提督「そ」


大鷹「…………」モクモク


提督「…………」パクパク







ガチャ


赤城「提督、豆余ってませんか?」


提督「帰れ」

大鷹「帰ってください」






【3月】


提督「…………」ガタガタ


大鷹「提督、五人囃子はもう一段上です」


提督「ん…そか…」ガタガタ


提督「これでいいか?」


大鷹「はい。あら…右大臣と左大臣逆ですよ」


提督「あれ?左に爺さんじゃないのか?」


大鷹「人形から見て左に、ですよ」


提督「そか……うし、と」


提督「これで大丈夫だな」


大鷹「ですね。あとは……間宮さんのところで雛あられでも貰ってきましょうか」


提督「大鷹、これ見てみ」


大鷹「?」


提督「お内裏様改二」チャキーン


大鷹「バチ当たりますよ」



――――――



提督「………♪」ニコニコ ポリポリ


大鷹「提督は本当に甘いものが好きですね」


提督「まぁな。お前も食うか?」ガサ


大鷹「それ、特注のやつですよね?」


提督「うん。間宮に頼んでたやつ」ヒョイ パク


大鷹「なら遠慮しときます。貴方が注文する物ってすごく甘いじゃないですか」


提督「うーん…そっか。ならこっちの市販のやつ食うか?」スッ


大鷹「それならいただきます」ガサガサ


大鷹「ん……美味しい」ニコ


提督「そりゃよかった」ガタッ


大鷹「淹れますよ」ガタッ


提督「ん、さんきゅ」ストン


大鷹「いえいえ。……コーヒー…いや、お茶ですね?」カチャカチャ


提督「うん。頼む」


大鷹「了解です」



――――――



提督「…………」ボー


大鷹「…………」ズズー


提督「…………」ボー


大鷹「…………」フゥ


大鷹「…………」ペラッ


提督「…………」ボー


大鷹「…………」ペラッ


大鷹「…………」カサカサ


提督「…………」ズズー


大鷹「…………」ポリポリ


提督「……大鷹」フゥ


大鷹「……なんですか?」ペラッ


提督「暇」


大鷹「……そうですか」


提督「構って」


大鷹「…………」ペラッ


提督「…………」


大鷹「…………」カサカサ


大鷹「…………」ポリポリ


提督「…………」ガタッ スタスタ


提督「大鷹、」トントン


大鷹「はい?」クルッ プニッ


提督「フッ……」


大鷹「……ハァ」パタン


提督「…………」ドヤー


大鷹「……ふんっ」ドゴォ!!


提督「かっ……はっ……」ドサッ


大鷹「読書の邪魔しないでください」


提督「ハイ……」ピクピク


大鷹「ふぅ………」


大鷹「…………」ペラッ


提督「クソ…………じゃあもう人形の整備でもしとくよ……」


大鷹「壊さないでくださいね」ペラッ


提督「ガキか」







提督「あ、首とれた」


大鷹「だから言ったのに……」






【4月】



大鷹「…………」ポケー


大鷹「…………」


提督「……ぃしょっと」ドカッ


大鷹「……どんな塩梅ですか?」


提督「飲み大会が始まった」ゴソゴソ


大鷹「今年はポーラさんもいるから白熱しそうですね」


提督「マジでやめて欲しい」ゴソゴソ


提督「……飲むか?」ゴトッ


大鷹「いただきます」スッ


提督「ん」キュポン


提督「…………」トク トク トク


大鷹「…………」


提督「んじゃ、乾杯」スッ


大鷹「乾杯」チン


提督「…………ふぅ」


大鷹「……ふぅ」


大鷹「………飲みやすいですね、これ」


提督「そ……」


大鷹「またジュースですか」


提督「飲めんからな」


大鷹「……少しくらいお酒が飲めるようになった方が」


提督「ほざいてろ」ゴクゴク


大鷹「……まぁいいですけど」コクコク


提督「……ふぅ」


大鷹「……ふぅ」




ゴゥッ!!


提督「んぉっ……」


大鷹「あら……」


提督「…………」


大鷹「…………」


提督「……風流だな」


大鷹「……ですね」


提督「…………」


大鷹「…………」


提督「…………」


大鷹「…………」ウト ウト


提督「…………」


大鷹「…………」ウト ウト


提督「…………」


大鷹「…………」コテン


提督「ん…………」


大鷹「スー…スー…」


提督「…………」ナデナデ


大鷹「んっ……フフッ」ニコ


提督「…………」ナデナデ


大鷹「スー…スー…」






【5月】



大鷹「…………」カリカリ


大鷹「…………」カリカリ


大鷹「…………」チラッ


提督「…………」ボー…


大鷹「…提督」


提督「んあ……?」ボー…


大鷹「手を動かしてください」


提督「……うん」


提督「…………」カリ カリ


大鷹「…………」カリカリ


提督「…………」カリ カリ


大鷹「…………」カリカリ チラッ


提督「…………」コトッ


提督「…………」ボー…


大鷹「…………ハァ」


大鷹「五月病なのは分かりますけど、ちゃんとやらないと今日中に終わりませんよ?」


提督「分かってんだけどさ…どうにもやる気が出なくて」


大鷹「…まあそれが五月病ですから」


提督「うーん……」


提督「ごめん、ちょっと気分転換してくるわ」ガタッ


大鷹「…分かりました。早めに戻ってきてくださいね?」


提督「分かってる」ガチャ



バタン


「イェッヘェェェェイ……」



大鷹「…………ハァ」


大鷹「……お茶でも淹れようかしら」



―1時間後―



大鷹「…………」カリカリ


大鷹「…………」カリカリ


大鷹「…………」カリカリ


大鷹「…………フゥ」コトッ


大鷹「…………」チラッ


大鷹「……遅い」



ガチャ



大鷹「遅すぎますよ……あら、潮さん」


潮「お疲れ様です大鷹さん」


大鷹「何かありました?」


潮「いえ特には。進捗の確認ですかね」


大鷹「そうだったんですね」


潮「ええ。あ、それとこれお土産です」ドサッ


提督「」ピクピク


大鷹「あら…わざわざありがとうございます」ペコリ


潮「いえいえ。当然のことをしたまでです」


大鷹「それじゃお礼に、お茶でもいかがです?」


潮「ありがとうございます」ニコ



――――――



潮「……ふぅ」


潮「美味しい……またお茶淹れの腕上げましたね」


大鷹「ふふ。ありがとうございます」


潮「執務の方は?」


大鷹「私の分は全て終わりましたよ」


潮「さすが。誰かさんに見習って欲しいですね」


大鷹「ふふっ」


潮「そうだ大鷹さん、武蔵さんから伝言預かってますよ」


大鷹「あら…なんの用かしら?」


潮「えーと…『今夜のディナー、一緒にどうだ?』だそうです」


大鷹「それはいいですね。是非!」


潮「分かりました。伝えておきますね」


潮「集合は20時に武蔵さんの部屋だそうです」


大鷹「分かりました。ありがとうございます」


潮「いえ。…よくご一緒するんですか?」


大鷹「ええ。たまに清霜さんや大和さん、最近では神鷹さんも一緒に」


潮「へえ……」


大鷹「今夜一緒に行きます?」


潮「いいんですか?」


大鷹「もちろん。武蔵さんも私も、お客さんは大歓迎ですから」


潮「それじゃあ、お言葉に甘えてご一緒します!」








提督「それ俺も行きたい!」←簀巻き状態


大鷹・潮「「貴方は仕事をしてください」」






【6月】



ザァー



提督「…………」カリカリ


大鷹「…………」カリカリ


提督「…………」カリカリ


大鷹「…………」カリカリ


提督「…………」ガタッ


大鷹「…………」カリカリ


提督「…………」ガラガラガラ


ザァー


大鷹「…………」カリカリ


提督「…………」


大鷹「…………」コトッ


大鷹「…何してるんですか」


提督「いや……別に……」


大鷹「そうですか………」ノビー


大鷹「っふぅ……」


提督「雨の日ってなんかいいよな」


大鷹「分かります」ガタッ


提督「だよな。やっぱりお前もこっち派だったか」


大鷹「なんですかこっち派って……」スタスタ


提督「別に……あ、また時雨がいい雨だねしてる……」


大鷹「傘もささずに……風邪引きますよ……」


提督「平気だよ。あいつ雨降った時毎回やってるけど風邪ひいたとこ見たことないもん」


提督「それにほら……」


大鷹「あ……山城さん」


提督「な?」


大鷹「ええ……」


提督「…………さ、執務再開するか」


大鷹「そうですね」



――――――



提督「……げ」


大鷹「どうされました?」


提督「消耗品のチェック忘れてた……補充申請来てる……」


大鷹「…まぁ、少しくらいなら平気でしょう」


提督「いや、これ全部」ビッシリ


大鷹「…………」


提督「あの……明日買いに行くんで……勘弁してください……」ビクビク


大鷹「…………」


提督「た、大鷹さん……?」ビクビク


大鷹「明日、必ず全部買ってくださいね」ゴゴゴゴゴ


提督「は、はひ……」ビクビク



―翌日―



提督「んじゃ行くか」


大鷹「ええ。メモは持ちましたか?」


提督「ガキじゃねーんだから大丈夫だって」


大鷹「いつも仕事や任務を忘れるのは誰ですか?」ニッコリ


提督「も、持ってきます………」ダッ


大鷹「まったく……」



――――――

―――――



アリャアトシター



提督「おっも…」ズッシリ


大鷹「結構買いましたね」


提督「これ鎮守府までか……ダルっ」ウィーン


大鷹「文句言わない。自業自得ですよ」ウィーン


提督「ちっ……まぁでもいい感じに晴れてよかっt」


ザー ザー


提督「…………」


大鷹「あら……傘もってきてよかった」バサッ


提督「……マジで言ってんのかよー!!」


大鷹「どうされました?」


提督「傘もってきてない……」


大鷹「貴方って人は本当に……」ハァ


提督「いやだって晴れてたし…」


大鷹「梅雨なんですから折り畳みぐらい持ってきてくださいよ…」


提督「うぅ……ていうかお前、軍人は傘さしちゃいけねーんだぞ!」


大鷹「カッパを着てきてから言うんですね」


提督「うぐぅ!」グサッ


大鷹「ハァ…………ほら」グッ


提督「あ……?」


大鷹「私の傘に入ってください。これなら平気でしょう?」


提督「…………いいのか?」


大鷹「……まぁ風邪ひかれても困りますし」


提督「…………ありがと」


大鷹「どういたしまして」




――――――



ザーザー



提督「…………」スタスタ


大鷹「…………」スタスタ


提督「………ん、大鷹」スタスタ


大鷹「はい?」スタスタ


提督「もっとこっち寄れ。肩濡れてんぞ」ダキヨセ


大鷹「あ、ありがとうございます」


提督「うん……にしてもちょっと雨強くなってきたか?」


大鷹「そうですね……これはどこかで雨宿りした方がいいかもしれませんね」


提督「賛成」



――――――




ザーザー



大鷹「……ふぅ」カチャ


提督「運良くカフェがあってよかった」


大鷹「ですね」


提督「ズズー…………ふぅ」カチャ


大鷹「あら……提督?」


提督「んあ?」


大鷹「あれ、花嫁さんでしょうか?」ユビサシ


提督「んー……そうみたいだな」


大鷹「綺麗ですね……」ウットリ


提督「そうだな。………そっかジューンブライドか」


大鷹「なんですかそれ?」


提督「んー……俺もよく知らないんだけどな。6月に挙式すると幸せになれるっていう言い伝えがあるらしい」


大鷹「へぇ……」


提督「欧米発祥らしいが……日本でやったら梅雨にクリーンヒットだわな」


大鷹「ですね……。でも、一生忘れられないでしょうね」


提督「いい意味でも、悪い意味でもな」フフッ


提督「さて、と……雨も弱まってきたし、そろそろ行くか」


大鷹「了解です」






【7月】



提督「準備できたか?」


大鷹「ええ。行きましょう」



ザワザワ ザワザワ



提督「……人が多い!」


大鷹「祭りですからね」


大鷹「それよりも提督」ツンツン


提督「んあ?」


大鷹「私に対して何か言うことは?」


提督「え?んー……」ジッ


提督「……髪留め変えた?」


大鷹「え…あ、まぁそれもそうなんですけど…」


大鷹「もっと他に何かありません?」


提督「うーん………あっ、グロス変えた?」


大鷹「まぁ、変えましたけど…ていうかそこまで分かると気持ち悪いです」


提督「オイ」


大鷹「すみません。つい本音が」


提督「ったく……浴衣、似合ってるよ」


大鷹「…ありがとうございます」


提督「ん…」


提督「とりあえず花火まで時間あるから出店でも回ろうぜ」


大鷹「そうですね。腹ごしらえも兼ねて行きましょうか……っと」


大鷹「提督」パッ


提督「ん…ああ」



ギュッ



提督「…離すなよ」


大鷹「…ええ」



――――――



提督「金魚すくいねぇ…」


大鷹「私得意ですよ」


提督「捕っても飼えねえぞ?」


大鷹「やるのが楽しいんじゃないですか」グイッ


提督「…まぁいいけど」






大鷹「ま、こんなとこですね」ビチビチ


提督「屋台荒らしじゃねえか」



――――――



提督「祭り飯は焼きそばこそ至高」モグモグ


大鷹「青海苔がちょっと嫌ですけどね」モグモグ


提督「屋台のやつってなんでこんな美味いんだろうな」


大鷹「本当ですよね。雰囲気のおかげもあるんでしょうけど」



――――――



提督「ケバブが美味い」モグモグ


大鷹「フランクフルトも美味しいですよ」モグモグ


提督「ひと口くれ」


大鷹「ケバブと交換です」


提督「おk。ほらよ」スッ


大鷹「はむっ」


大鷹「ん……美味しい」ニコ


提督「おま……食いすぎ……半分……」


大鷹「フライドポテトもつけますから」


提督「許す」





大鷹「ご一緒にポテトもいかがですk」

提督「うるせえ」モグモグ



――――――



提督「射的やろうぜ」


大鷹「いいですけど……射的は苦手なんですよね…」


提督「空母なのに?」


大鷹「私は射ちませんから…」


提督「そういやそうか」


提督「んじゃやめるか?」


大鷹「いえ。苦手ですが、嫌いなわけではないですよ」


提督「ん、ならやるか」


大鷹「ええ」







大鷹「提督、上手いですね」


提督「菓子しかとってねえけどな」ドッサリ



――――――



提督「甘い」モキュモキュ


大鷹「ベビーカステラって初めて食べました」モキュモキュ


提督「美味いだろ?」


大鷹「ええ。お茶が欲しくなりますけど」


提督「持ってきてるぞ」チャプ


大鷹「ありがとうございます。お礼にかき氷をどうぞ」スッ


提督「ありがと」シャクシャク





提督「ヴェアァァァァ!!!」キーン


大鷹「大丈夫ですか?」ナデナデ



――――――



提督「広島焼き…って言うと怒られるかな」


大鷹「浦風さん達ですか」


提督「ああ。お好み焼きの日にはよく喧嘩してるよな」


提督(一応浦風って大阪出身のはずなんだがなあ…)


大鷹「ちなみに提督的にはどっちですか?」


提督「どっちでもいい」


大鷹「……それ、大丈夫なんですか」


提督「……正直ヤバい」


大鷹「……」





提督「ちなみに大鷹的には?」


大鷹「私は大阪焼き、お好み焼きですかね」



――――――



提督「……そろそろ時間か」


大鷹「行きましょう」ギュッ


提督「ああ」ギュッ



―土手―



提督「よっこいせ…」ドサッ


大鷹「よいしょ…」トスッ


提督「……あと何分?」


大鷹「5分ぐらいですね」


提督「……寝るか」ゴロリ


大鷹「なんでですか」


提督「冗談だよ。星でも見てようぜ」


大鷹「詳しいんですか?」


提督「全く」


大鷹「なんなんですか…」


提督「いいだろ別に……」



ヒュー……ドォン!



提督「ん」


大鷹「わぁ……」



ヒュー……ドォン!



提督「ほぉ……」


大鷹「綺麗……」


提督「お前の方g」

大鷹「そういうのいいんで」



ヒュー……ドォン!



大鷹「……提督」トスッ


提督「ん……」


大鷹「…………」ヨリカカリ


提督「…………」ヨリカカラレ



ヒュー……ドォン!



提督「……なあ大鷹」


大鷹「なんですか…?」


提督「……なんでもない」


大鷹「……そうですか」



ヒュー……ドォン!



大鷹「提督……」


提督「うん…?」


大鷹「呼んでみただけです…」


提督「ん……」



――――――

―――――

――――



提督「……終わったか」


大鷹「そうみたいですね」


提督「いやー良かった。また来年も来るか」


大鷹「そうですね。ところで提督」


提督「ん?」


大鷹「終わりみたいな雰囲気出してますけど、皆さんへのお土産まだ買ってませんよね?」


提督「……そうでした」






黒潮「広島焼きや!」


浦風「お好み焼きじゃ!」


大鷹「なんでアレ渡したんですか…」コソコソ


提督「とっきーに強奪されたんだよ…」コソコソ


黒潮・浦風「「司令はん(提督)はどっちや(じゃ)!?」」


提督「勘弁してくれ……」






【8月】



提督「うぉーい大鷹ー」コンコン



シーン…



提督「いねーのかー?入るぞー?」ガチャ


提督「あれ…………ん、」


大鷹「スー……スー……」


提督「なんだ…」スタスタ


ストン


提督「…………」ナデナデ


大鷹「んっ……」


提督「…………」ナデナデ


大鷹「スー……スー……」


提督「…………」チラッ



8月8日



提督「…………」ナデナデ



――――――



「魚雷!?どこから!?」




「潜水艦……!?きゃあっ!!」




「ああ………もう………」




――――――





ああ……また……か……





また私は…………沈むのか……





……暗い……何も…見えない……





「てい……とく……」












――――――ガシッ




ここにいるぞ




――――――



大鷹「ん……あれ……?」パチ


提督「起きたか」


大鷹「提督……?」


提督「よう」


大鷹「…………」ギュッ


提督「ん……」


大鷹「提督……」


提督「…………」


ナデ ナデ


大鷹「ん……す、みません……」グスッ


提督「……うん」ナデ ナデ



――――――

―――――

――――




提督「……ほれ」コトッ


大鷹「ありがとうございます……」


提督「…………」ズズー


大鷹「…………」


提督「…………」ホゥ


大鷹「…………」


提督「……飲めよ」


大鷹「…………」


大鷹「…………」カチャ


大鷹「…………」コク コク


大鷹「…………」フゥ


大鷹「……甘すぎます」


提督「ふん……」


大鷹「…………」ズズー


大鷹「…………」フゥ


大鷹「……提督」


提督「あ…?」ズズー


大鷹「もし私が沈みそうになったら…どうしますか?」


提督「どうするって…そりゃ助けるだろ」フゥ


大鷹「提督1人でもですか?」


提督「行くだろうな」


大鷹「……上層部から圧力があっても?」


提督「ああ」


大鷹「……提督という立場が邪魔しても?」


提督「……?どゆ意味?」


大鷹「……提督という立場上、果たさなければならない仕事がありますよね。例えば艦隊の指揮とか」


大鷹「そういうものが邪魔をした場合は?という意味です」


提督「ふーん……」


提督「じゃあ、こんな立場(もの)いらないかな」


大鷹「え………」


提督「多分淀ちゃんか長門に全部任せて助けに行くと思うぜ」


大鷹「……それは何故ですか?」


提督「お前が大切だから」


大鷹「っ……」


提督「それに……」


大鷹「?」


提督「好きな女1人守れないなんて、提督である以前に男として失格だ」


大鷹「…………」


提督「大鷹……?」


大鷹「……馬鹿ですね……」


提督「ふん。馬鹿で結構」


大鷹「本当に……」グスッ


大鷹(馬鹿で、素敵な人)






【9月】



提督「…………」カリカリ


大鷹「…………」カリカリ



ミーンミンミンミンミンミンミー



提督「…………」カリカリ タンタンタンタン


大鷹「…………」カリカリ



ミーンミンミンミンミンミンミー



提督「…………」カリカリ タンタンタンタン


大鷹「…………」カリカリ イライラ


ミーンミンミンミンミンミンミー


提督「」ブチッ


提督「うるせえぇぇぇぇ!!」バァン!!

大鷹「貴方の方がうるさいです!!」バァン!!


提督「あぁ!?今セミがうるせーから追い払ったんだろうが!!」


大鷹「それ以前に貧乏ゆすりがうるさいんですよ!!」


提督「うるせーなぁ!!こっちはイラついて仕方ねぇんだよ!!」


大鷹「こっちのセリフですよ!!」


提督「やんのかぁ!!」


大鷹「あぁ!?」


提督「…………」ハァハァ


大鷹「…………」ハァハァ


提督「……やめよう。こんなことしてる場合じゃない」ストン


大鷹「ですね……」ストン


提督「アイツらにもこの地獄を味あわせるべきか…」


大鷹「同意したいところですが…お仕置きで勘弁してあげましょう……」





~2日前~


ゴォォォォ


提督「…………」カリカリ


大鷹「…………」カリカリ


提督「…………」カリカリ


大鷹「…………」カリカリ




コンコン




提督「ん……?」ピタッ


大鷹「…………」チラッ


提督「…………」ガラガラ


提督「窓の外で何やってんだ二人とも」


川内・江風「「忍者ごっこ!」」


提督「……ガキか。危ないから中入れよ」


川内「へーきへーき!」


大鷹「お二人共、ここ2階ですよ?」


江風「大丈夫だって大鷹さン!このくらいで怪我するほどヤワじゃないって!」


大鷹「それは……そうですが……」


提督「つーかお前ら何に乗って……」ノゾキ



エアコンの室外機



提督「ばっ……!お前ら今すぐ降りろ!」


川内・江風「「へ?」」



メキメキメキ ドォン!



川内「うわっ!?」スタッ


江風「うぉっ!?」スタッ


提督「あぁぁぁぁ!!」


大鷹「何の音…?…………あぁぁぁぁ!!」





――――――





提督「土台を早めに補強しておくべきだった……」


大鷹「暑いからって後回しにしなければよかったですね……」


提督「……なぁ大鷹」


大鷹「はい……?」


提督「とりあえず一旦休憩にして涼みに行かないか…?」


大鷹「賛成です……」





――――――



ゴォォォォ



提督「もう廊下で執務しない?」スタスタ


大鷹「ダメです」スタスタ


伊58「あ、てーとく!」


提督「おうゴーヤ。これから飯か?」


伊58「うん!2人とも一緒にどうでち?」


大鷹「すみません…もうお昼はすませてしまったんです」


伊58「そっか……残念でち」


提督「ごめんなゴーヤ」


伊58「ううん!大丈夫でち!」


伊58「それじゃゴーヤは行くね!」


提督「おう。またな」


大鷹「また今度」


伊58「バイバーイ!」フリフリ


提督「…………」フリフリ


大鷹「…………」フリフリ


提督「さて…………ん、」


大鷹「どうされました?」


提督「……いいこと考えた」


大鷹「…………?」




――――――

―――――

――――




提督「執務室が暑ければ脱げばいいのだ」

↑水着モード


大鷹「何をやり出すかと思えば……」ハァ


提督「理にかなってるだろ」


大鷹「まぁ……」


提督「あと水を汲んだ桶と扇風機も用意した」ゴトッ


大鷹「それはありがたいですね。じゃあ早速……」


提督「ちょっと待ちな」


大鷹「はい?」


提督「大鷹、お前も水着になるんだ」


大鷹「えぇ……」


提督「お前もその服暑いだろ?涼しくなっちまえよ」


提督「それに水使うから濡れても平気な格好の方がいいだろ?」


大鷹「……まぁ確かに。でも私水着持ってませんよ」


提督「それなら心配ない」ガラッ


大鷹「これは……?」


提督「お前のために用意した水着だよ。セレクトは神鷹に任せた」


大鷹「私の……ために……」


提督「どうだ?」


大鷹「……とても素敵です。ありがとうございます」


提督「そりゃよかった」


大鷹「じゃあ私、早速着替えてきますね」ガチャ


提督「おう。あ、大鷹」


大鷹「?」


提督「もしよかったらこの紐ビキn」

大鷹「結構です!!」バタン!



――――――



コン コン


大鷹「提督、着替え終わりました」


提督「おーう」


大鷹「入りますね……」ガチャ


提督「お、おお……」


大鷹「どう……ですか…?」モジモジ


提督「控えめに言って最高」


大鷹「あ、ありがとうございます///」テレテレ


提督「いやー眼福眼福。……さ、執務再開するか」


大鷹「はい!」










提督「…………」カリカリ


大鷹「…………」カリカリ


提督「…………」カリカリ


大鷹「…………」カリカリ



ブゥゥゥン



提督「……結局あんまり変わらねえな」カリカリ


大鷹「そうですね……」カリカリ






【10月】



ザザーン… ザザーン…


提督「大鷹、準備はいいか?」


大鷹「ええ、バッチリです」


提督「うし……」バサッ


提督「秋刀魚狩りじゃあぁぁぁ!!」




――――――




大鷹「提督、択捉さん達が帰ってきました」


択捉「ただいま戻りました!」ビシッ


松輪「も、戻りました…」


佐渡「戻ったぜー!」


対馬「帰投しました……」


提督「おかえり4人とも。成果はどうだ?」


択捉「3匹確保出来ました!」


提督「そいつはよかった。疲れたろう、間宮に行ってきな」ピラッ


松輪「い、いいんですか…?」


提督「おうよ」


佐渡「司令も来いよー!」


提督「俺はまだ仕事あるからダーメ。おら、行った行った」


対馬「……司令」


提督「ん?」


対馬「一緒に…イきません?」ウワメヅカイ


提督「…………u」

大鷹「ダメですよ」


提督「俺まだ1文字目も発音しきってないんだが……」


大鷹「行く気満々だったでしょう。まったく……」


対馬「うふふ……」


佐渡「大鷹さんも来ないのか?」


大鷹「すみません。私も執務があるので…」


佐渡「そっかー…んじゃひぶ達でも誘うか!」


佐渡「つーことで司令、追加でくれ!」


択捉「ちょっと佐渡!」


提督「いいよとろちゃん。ほいよ」ピラッ


佐渡「サンキュー!んじゃまたなー!」ダダダ


択捉「あっ、もう…!すみません司令…」ペコリ


提督「いいよいいよ。ほら、皆も早く行かないと好きなメニュー売り切れちまうぞ」


択捉「本当にすみません…では、失礼します」ペコリ


松輪「あ、ありがとうございました!」ペコリ


対馬「それじゃ…失礼しますね」ペコリ


提督「おーう」



バタン



提督「…微笑ましいな」


大鷹「ですね」


提督「さてさてあと30匹か。頑張りますか」


大鷹「…そういえば提督、ひとつ疑問が」


提督「あん?」


大鷹「秋刀魚を集めるとどうなるんですか?」


提督「40匹集めると銀河になる」


大鷹「秋刀魚もですか!?」




――――――



コンコン



提督「うーい」

大鷹「はい」


榛名「失礼します!」ガチャ


提督「おお、おかえり榛名。報告書?」


榛名「はい!こちらです!」スッ


提督「ありがと。……おお!10匹確保か!」


榛名「はい!大漁でした!」


提督「よくやった!これで銀河が…あれ?」


大鷹「どうしました?」


提督「……なぁ榛名、赤城はどこいった?」


榛名「赤城さんですか?帰投したあと加賀さんと一緒に秋刀魚を備蓄しに………あっ」


提督「大鷹ォ!」ガタッ


大鷹「もう飛ばしてます」ブゥゥゥン


大鷹「…あ、いました。備蓄庫裏です」

提督「あぁぁぁかぁぁぁぎぃぃぃ!!」ダダダダダ


大鷹「けど………行っちゃった」


榛名「どうしたんですか?」


大鷹「いえ、加賀さんが窘めてたので問題は何もなかったんですよ」


榛名「あぁー……」








提督「……めっちゃ無駄足だったんだけど」ゼェゼェ


大鷹「早とちりするから……」


榛名「あはは……」




――――――




コンコン


大鷹「はい」


鳳翔「失礼します。提督、秋刀魚のことで少々……あら?」


大鷹「すみません鳳翔さん。ちょうど今工廠に行ってしまいまして…」


鳳翔「あらそう…」


大鷹「どうぞおかけになっててください。今お茶も用意するので」ガタッ


鳳翔「気を遣わなくても大丈夫よ。大鷹ちゃんこそ、少し休憩したら?」


大鷹「え…わ、私ですか?」


鳳翔「ずっと執務だったんでしょう?疲れが目に見えてわかるわよ」


大鷹「そ、そうですか…?」


鳳翔「そうよ。ほら、かけて」


大鷹「え…でも……」


鳳翔「いいから」


大鷹「……はい」ギシッ



――――――

―――――

――――



提督「ただいまー」ガチャ


鳳翔「おかえりなさい提督」


提督「ありゃ鳳翔?大鷹はどした?」


鳳翔「…………」ツンツン


提督「んん…?おお……」


大鷹「スー……スー……」


提督「珍しいな。コイツがここで寝てるなんて」


鳳翔「まぁ、朝から執務でしたし」


提督「ありゃー…そういやそうか」


鳳翔「休憩はちゃんとさせてました?」


提督「そらもちろん。まぁただ……昨日ちょっと夜更かししたからな」


鳳翔「もう…程々にしてください」


提督「善処する。……んで、鳳翔は何の用なんだ?」


鳳翔「あ、はい実は……」




――――――




大鷹「ん……はっ!?」ガバッ


提督「おう、起きたか」


大鷹「て、提督?鳳翔さんは……」


提督「用事が済んだから帰ってもらったよ」


大鷹「そ、そうですか……」


大鷹「ところで、何故膝枕を?」


提督「鳳翔と交代しただけさ。嫌だったか?」ナデ


大鷹「いえ……」


大鷹「……あの、提督」


提督「うん?」ナデナデ


大鷹「……しばらくこのままでもいいですか?」


提督「……わかった」


大鷹「……ありがとうございます」ポスッ


提督「……ん」









大鷹「そういえば秋刀魚は?」


提督「そこは問題ない」


提督「予定より多く取れて今夜は秋刀魚パーティーだってさ」ナデナデ


大鷹「楽しみですね」






【11月】



提督「…………」ムキムキ


大鷹「…………」コポコポ


提督「…………」モキュモキュ


提督「…………」ゴクン


提督「…………大鷹」


大鷹「はい?」コトッ


提督「膝枕して」


大鷹「寒いから嫌です」


提督「…………」


大鷹「ふー……」ゴソゴソ


大鷹「…………」ペラッ


提督「…………」ツンツン


大鷹「…………」ペラッ


提督「…………」ツンツン


大鷹「……足でつつくのやめて貰えます?」


提督「……膝枕」


大鷹「しつこい」ペラッ


提督「んだよ……」ボフッ


大鷹「…………」ムキムキ


提督「…………」ボー…


大鷹「…………」ムキムキ




コンコンコン


提督「どーぞー……」ボー…

大鷹「どうぞ」



山城「報告書持ってきたわよ」ガチャ


提督「山城か…ありがと。そこ置いといて」


山城「見事にだらけてるわね」パサッ


山城「執務は終わってるの?」


大鷹「一応日勤のものは。炬燵を出したんで午後休にされました」


山城「相変わらず気ままね…」


提督「山城も入ってくか?」


山城「悪いわね。先約がいるの」


大鷹「時雨さんですか?」


山城「ええ。最上も連れて買い出しに行くのよ」


提督「そ……じゃあついでにみかん買ってきて」


山城「嫌よ。なんでアンタの為に買ってこなきゃならないのよ」


提督「ストックが切れた」


大鷹「え、もうですか?」


提督「うん。ほら」カラッポ


大鷹「食べ過ぎですよ!」


提督「みかんが美味いのが悪い」ゴロリ


山城「何訳の分からない事言ってるのよ」


大鷹「もう…山城さん、その買い物ついて行っても大丈夫ですか?」


山城「え?まぁ…構わないけど」


大鷹「ありがとうございます。ほら、提督準備してください」


提督「えー……めんどくせー……」


提督「いいじゃんみんなで買ってきてくれよー」ゴロリ


山城「コイツは…!」


大鷹「提督」


提督「んあ?」



大鷹「 さ っ さ と し て く だ さ い 」ニコ



提督「…………ハイ」




バタバタバタ




山城「……さすがね」


大鷹「それほどでも」



――――――



ブゥゥゥン



提督「んで?お前らは何の買い出し?」


時雨「化粧品かな」


最上「ボクはお菓子!」


山城「私も化粧品ね。あと、姉様に頼まれたシャンプーも」


大鷹「皆さんそれぞれ別の物を買われるんですか?」


山城「最初は1人で行く予定だったんだけどね。この子達もちょうど行くって聞いたから」ポン


最上「2人は何を買うの?」


提督「……モガミン、それ以上聞かない方がいい。世の中には知らない方g」

大鷹「みかんです」


提督「オイ」


最上「そうなんだ!じゃあボクとフロア一緒だね」


提督「え?モガミンも無視?」


最上「すぐに済んじゃいそう?」


大鷹「いえ。夕飯の買い物もついでにしていこうと思ってるので、多少時間はかかりますよ」


大鷹「なので、じっくり吟味してもらって大丈夫です」ニコ


最上「そう?ならゆっくり選ばせてもらうよ」


提督「…………」


提督「なぁ時雨……」クルッ


時雨「扶桑のシャンプーって専門店のだよね?どれか分かるの?」


山城「メモを渡されたから大丈夫よ」


時雨「そっか。……ねえ山城、頼みがあるんだけど」


山城「何?」


時雨「化粧品を少し見繕ってもらってもいいかな?」


山城「アンタが使うの?」


時雨「ううん。もうすぐ海風の誕生日だからさ」


山城「ああ……分かったわ」


時雨「助かるよ」


提督「…………」


提督「……なぁ大鷹」クルッ


大鷹「私は和菓子ばかりですから、あまり参考にはなりませんよ?」


最上「全然平気だよ!むしろ別の角度からの意見が欲しいんだ」


大鷹「そうですか…?なら、ご一緒しますね」


最上「うん!」


提督「…………」


提督「……新手のイジメだ」ボソッ


大鷹「何か言いましたか?」クルッ


提督「別に」




――――――




山城「それじゃあ、一旦お別れね」


提督「終わったやつからここに集合な」


最上「うん!」


時雨「分かったよ」


提督「んじゃな」


大鷹「迷子にならないでくださいね」


提督「せめて時雨に言えよ」


時雨「僕もならないよ……」




――――――




提督「Mサイズ3箱…いや、5箱だな」


最上「そんなに買うの?」


提督「執務室に置くからな。ある程度ストックしておかないとすぐ弾切れになる」


大鷹「皆さんよく食べますから」


最上「なるほどね」




――――――




提督「今日の晩飯は?」スタスタ


大鷹「そうですね…カレイの煮付けとポテトサラダにしましょうか」コロコロ


提督「キュウリはなしにしてくれよ」


大鷹「はいはい」


提督「あとカレイは卵持ちがいい」


大鷹「あればそうしますよ」


最上(夫婦ってよりかは親子みたい)




――――――




大鷹「こちらのポテトチップスはどうでしょう?」


最上「そんな味もあったの?面白そうだからそれも買おう!」


大鷹(最上さんって、少し提督に似てるわね)


最上「あとこれと…これも買おう。よし、待たせたね……って、あれ?提督は?」


大鷹「さすがにダンボール5箱は邪魔なんで、先に会計してます」


最上「そっか」






提督「前が見えねぇ」コロコロ



――――――



山城「海風は肌が綺麗だから化粧水なんかいいかもしれないわね」ジー


時雨「なるほど……」


山城「予算はいくらくらいあるの?」


時雨「できれば1万円以内で抑えたいけど、良いものがあればそれ以上でも平気だよ」


山城「そ。なら一式揃えてプレゼントしましょ。足りなかったら私も出すわ」


時雨「……いいのかい?」


山城「ええ。アンタの妹なら私の妹も同然だし」


時雨「ありがとう山城」ニコ


山城「ふん」




――――――




時雨「お待たせ」


提督「おう。…山城は?」


時雨「最上階に行ってるよ。扶桑のシャンプーはそこしか売ってないからね」


提督「そうか。…にしても随分買ったな」


時雨「提督も人のこと言えないと思うけど…」


提督「ばっかお前これでもすぐなくなるんだぞ?」


時雨「なんで……ってそっか。そうだね」


提督「察したか」


時雨「まぁ、結構執務室には行くからね」


提督(赤城……)

時雨(赤城さん……)






赤城「クシュッ」


加賀「風邪ですか?」


赤城「大丈夫よ加賀さん。ちょっと鼻がムズムズしただけだから」


加賀「そうですか……」




――――――




最上「お待たせ!」

大鷹「遅れました」


提督「おーう来たか」


時雨「最上…買いすぎじゃないかい?」


最上「そんなことないよ!ていうか時雨だって人のこと言えないじゃないか」


時雨「僕のは化粧品一式だから仕方ないんだよ」


大鷹「提督、みかんはどうしたんですか?」


提督「車に置いてきたよ。邪魔だしな」


大鷹「そうでしたか」スッ


提督「前が見えなくて少し危なかったぜ」ガサッ


時雨・最上「「…………」」ジー


提督「……?何だよ?」


時雨「いや極めて自然だなあ、と」


提督「はあ?」


最上「気にしなくていいよ」


提督「……?」




――――――




提督「……遅いな」


時雨「ちょっと電話かけてみるよ」プルルルルルル


時雨「…………」プルルルルルル


ガチャ『もしもし?』


時雨「あ、山城?今どこにいるの?」


『その声は時雨?』


時雨「あれ……もしかして扶桑?」


扶桑『そうよ。山城に何かあったの?』


時雨「いや、待ち合わせ場所に来るのが遅いから心配でかけたんだけど……」


時雨「その様子だと、携帯を忘れてるみたいだね」


扶桑『そうね。まったく山城ったら……。多分山城なら迷子センターにいると思うわ』


時雨「どうしてだい?」


扶桑『不幸だから…なんてね。単なる方向音痴よ』


時雨「そ、そっか…。ありがとう扶桑」


扶桑『提督によろしくね』


時雨『うん。それじゃ切るね』


扶桑『ええ。またね』ガチャ


提督「……で、どうだった?」


時雨「携帯忘れてたみたいだけど…居場所は分かったよ」


提督「なんでや。……それでどこ?」


時雨「迷子センターだってさ」


提督「迷子センター?なんで……ってそうか」


大鷹「そういえば山城さん、方向音痴でしたね……」


時雨「あ、知ってたの?」


提督「秘書艦の時にな。俺初めて見たよ。成人女性が迷子センターにいたところ」


最上「それはともかく、とりあえず行ってみようよ!」


時雨「だね。あ、入れ違いにならないように僕は残るよ」


提督「サンキュ。んじゃ行ってくるわ」




――――――




提督「ただいまー」


時雨「あ、おかえり」


山城「遅れて悪かったわね」


時雨「大丈夫だよ」


大鷹「これで全員揃いましたね」


最上「じゃあ早速…」

提督「帰るか」


最上「えぇー!?お昼じゃないの?」


提督「実は……正直、このパート長すぎると思うんだ。タイトル詐欺にも程があるだろ」


最上「め、メタい……」


提督「ということで撤収ー!」


皆「「「えぇー!?」」」









提督「正直作者もこのパートこんな長くなるとは思わなかったんだ。許してくれ」モグモグ


大鷹「口の中空にしてから喋ってください」


時雨「あはは…」


最上「話自体は続けられそうだけど、本筋から逸れそうだしね」


山城「アンタもメタくなってるわよ」







【12月】



大鷹「…………」パタパタ


提督「…………」キュッキュッ


大鷹「…………」パタパタ


提督「…………」キュッキュッ


大鷹「…………」ガラガラ パンパン


提督「…………」プシュッ キュッキュッ



コンコン



提督「うーい」

大鷹「どうぞ」


ガチャ「失礼します」


曙「クソ提督、窓拭きが終わったわよ」


提督「サンキューボノ。次は各班に分けて床、外掃き、入渠施設、物品整理を頼む。終わったやつから自室の掃除。んで解散」


提督「それと料理上手な子は間宮のとこに行かせてくれ」


曙「分かったわ。明石さんのところはいいの?」


提督「あそこにはバリっちゃんと淀ちゃん、妖精さんがフルで活動してるから問題ないよ」


曙「そう…分かったわ。また何かあったら来るわね」ガチャ


大鷹「あ、曙さんちょっと待ってください」


曙「何?」クルッ


大鷹「せっかく来たんですし、少し休憩されては?」


曙「遠慮しとくわ。まだまだやる事あるし」


大鷹「では、お茶だけでもいかがです?」ニコ


曙「……1杯だけね」


提督「大鷹、俺にも」


大鷹「はいはい」




――――――



提督「…………」パラパラパラ


大鷹「…………」ペラッ ペラッ


提督「…………」スッ グシャグシャ


大鷹「シュレッダー」ペラッ ペラッ


提督「…はいはい」スタスタ グルグル


コンコンコン


提督「んー」グルグル

大鷹「どうぞ」パタン


ガチャ「失礼するわ」


Bismarck「提督、ちょっといいかしら」


提督「んお?どしたビス子」


Bismarck「アイオワを見なかった?探してるんだけど」


提督「アイオワぁ?見てねえけど…」


大鷹「呼び出しましょうか?」


Bismarck「そこまでしなくて大丈夫よ。邪魔したわね」クルッ


提督「ちょい待ち。なんかあったのか?」


Bismarck「ん…単純に貸してたゲームを返して欲しいだけよ」


提督「あー……そうか。見かけたら伝えとくよ」


大鷹「私も覚えときます」


Bismarck「Danke. 頼んだわ」


提督「ちなみになんてゲーム?」


Bismarck「風来のシレン2よ」


提督「古っ!」




――――――



大鷹「…………」ストッ ストッ


提督「横須賀、佐世保、舞鶴と」ストッ ストッ


大鷹「漫画が多すぎですよ」ストッ ストッ


提督「いいだろ別に…あれ」ストッ


提督「8巻がない……」



コンコン



大鷹「はーい」

提督「8巻どこだー?」ガサガサ


ガチャ「失礼しまーす」


鈴谷「提督ー、漫画返しに来たよー」


提督「んー。……あ?それお前が持ってたのか!おせーぞ返すの!」


鈴谷「提督がいつでもいいって言ったんじゃん!」


提督「いや言ったけど…さすがに半年借りっぱはダメだろ!」


鈴谷「知らないよ!」


大鷹「お二人共、程々にお願いします」


二人「「っ……」」


提督「……分かったよ」

鈴谷「……りょーかい」


大鷹「よろしい。そういえば鈴谷さん、熊野さんは?」


鈴谷「熊野はモガミン達のところだよー。鈴谷たちの部屋はもう片付いたからね」


大鷹「そうでしたか。…鈴谷さん、熊野さんにこれを渡してもらえますか?」スッ


提督「んだそりゃ?メモ?」


大鷹「はい。以前厨房でご一緒した時に頼まれまして。その時のです」


鈴谷「へー……」


提督「大鷹と熊野が一緒に料理…ダメだ全く想像つかん」


鈴谷「鈴谷もだよ…」


大鷹「お願いできますか?」


鈴谷「大丈夫だよ。渡しとくね!」


大鷹「ありがとうございます」


鈴谷「んじゃもういくね!バイバイ!」


提督「おう」


大鷹「また」



――――――



提督「……さっきのはなんのメモだったんだ?」トントントン


大鷹「サンドウィッチのメモです」グツグツ


提督「サンドウィッチぃ?あんなもんパンと具がありゃ出来るだろうに」トントントン


大鷹「出来る人からしたらそうですけど、できない人からしたらそうもいかないんですよ」グツグツ


提督「ふーん……」パラパラパラ



コンコンコン



提督「あーい」

大鷹「どうぞー」



ガチャ「しつれいしまぁ~す」


Pola「い~い匂いですねぇ~」


提督「その声…ポーラかー?悪いけど今手が離せねぇからちょっと待ってくれー」トントントン


Pola「は~い」


提督「…………」トントントン


大鷹「…………」コク


提督「どうだ?」トントントン


大鷹「上々です」


提督「うし」パラパラパラ


大鷹「…後はやっときますよ」


提督「頼んだ」コトッ




提督「…んで?どうしたポーラ?」


Pola「んーとですね~その~お酒を~」


提督「ポーラ、前にも言っただろ。ここに酒はない。俺が飲まねえからな」


提督「それを覚えてないお前じゃないだろ?」


Pola「えーとぉ~…」


提督「……フゥ。……ザラだろ?」


Pola「」ピクッ


提督「図星か。喧嘩ってわけじゃなそうだが……」


Pola「……ハイ。実は……」









提督「ザラを飲みの席に誘うだぁ?」


Pola「ハイ…」


提督「素面で何しに来たのかと思ったら…」


Pola「何とかできませんかね…?」


提督「…とりあえず先に理由を聞かせてくれ」


Pola「ハイ……。ザラ姉様はいつも宴会の時、Polaのことを気にかけてくれていて、自分が満足に楽しめていないと思うんです…」


Pola「だから、せめて年末ぐらいはPolaのことを気にかけずに飲んで欲しいなって…」


提督「つまりは、たまには自分のことを気にかけずに羽を伸ばして欲しい……と」


Pola「ハイ……」


提督(お前が飲み過ぎなきゃいいじゃねえか、っていうのは黙っとこう)


提督「そうさなあ…まあ、飲みに誘うのは簡単だろうな。その先だが…」


提督「とりあえずお前はザラがいい感じに酔うまでは飲むな」


Pola「えぇ~…」


提督「文句言わない。……まぁ、気持ちいいぐらいに酔ったら後はトントン拍子だろ」


Pola「…?なんですかそれぇ?」


提督「放っておいても上手くいくってこと。ザラをいかに上手く酔わせるかが鍵だからな。頑張れ」


Pola「分かりました~。Pola頑張りま~す」


Pola「それじゃぁ失礼しましたぁ~」バタン


大鷹「……あんなテキトー言って大丈夫なんですか?」


提督「……まぁ大丈夫だろ。確かにザラは少しポーラを気にしすぎるきらいがあるからな。たまには羽を伸ばすのも必要だろ」


大鷹「……まぁ、そうですけど」


提督「だろ。……まぁ後はポーラへのいい薬になれば御の字かな」ボソッ


大鷹「……?」






Zara「ポォォォラァァァ……!」ヒック


Pola「提督にハメられたー!」




――――――




カチ コチ カチ コチ


提督「…………」ズルズル


大鷹「…………」チュルチュル


提督「…………」ズルズル


大鷹「…………フゥ」


大鷹「……潮さんは?」


提督「宴会をまとめてる。…神鷹は?」


大鷹「ドイツ艦の皆さんに連行されてました」


提督「まったくあいつらは…」


大鷹「提督は宴会に参加しなくてよかったんですか?」


提督「ああ。俺飲めないから毎回後始末しかやることないし」


提督「それに今年は潮に任せてくれって言われたからな」


大鷹「なるほど…」


提督「お前こそ行かなくてよかったのか?」


大鷹「私は…」


大鷹「…………」


提督「……?」


大鷹「年の終わりは、1番大切な人と過ごすって決めてますから……」


提督「……ありがとな」


大鷹「いえ……」



ボーン ボーン


提督「ん……新年か」


大鷹「ですね。では、」


提督・大鷹「「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」」


後書き

長くなりましたー!今回は前回の彼女との12ヶ月とは違い、いろんな艦娘が登場しましたね。やはりオンリーで描くのはきついものがあります……ではまた!


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