2019-04-26 00:49:32 更新

概要

とある鎮守府から日記と手紙が届く。そこから始まるお話です。定番(?)の比叡のメシマズネタです。長めです。


前書き

提督と比叡のラブコメです
後は解説の霧島さんと
ガヤのお姉さん2人

日記のネタだけで放置してたのが進展した
のでアップする事にしました

メシマズネタ嫌いな方
あとラブコメ苦手な人はブラウザバック
をお願いします
あと長めです

では、どうぞ


提督

「ん?これはHSD(比叡 好き 同好会)

 の同士からか?」

ある日、同士(友)の統める鎮守府から

郵便物が届いた

提督

「中は日記?と手紙か…

 日記に付箋がしてあるな

 一体何なんだ?」

 パラパラ

(以下他所のA鎮守府関連にはAと付けます)

近頃連絡を寄越さないので

少々気になっていた矢先の届け物

仕事を一旦脇へ退け日記を読む事にする

「カッコカリでは先を越されたが

 惚気けの類なら1杯奢らせねばな」ハハハ

未だ渡せていない

ポケットの中のアレが気になり

服の上から有無を確かめた



この時はまだA提督の身に起こった

壮絶な出来事等

知る由もなかった



〜A提督の日記〜


day1

[今日は比叡が飯を作ってくれた

 ん?あの料理ってこんな色だっけ?]

day2

[これからは比叡がマイ女房

 今日は肉じゃがだそう だ]

day3

[さい近なんだか体の調 しがおかしい

 疲れているのだろ うか?]

day4

[紫のカレーが出てきた

 胃がきょ絶するが比叡が隣で

 天しの 笑顔 している…

 漢なら退く と言う選択 しはある まい]

day6

[紫ノカレーうま い

 からだ中 あついかゆい

 いったいおれ どうな て?]

day9

[やと いが ひいた も とてもかゆい 

 今日 はらへったの、ひえー のかれー くう]

day11

[かれーきた 

 ひどいいろなんで

 うまかっ です]

4

[かゆい う ま ]

日記はこの日で終わっている


〜A金剛からの手紙〜

[A提督のフレンズなユーにこれを託しマース

 日記に書かれているのは

 数日前に起こった事件の全てデス

 ユーはこうならないデ]


〜〜〜〜〜


提督

「…」

事の経緯を理解する

最近連絡が取れなくなったのはこの為か

恐らくAはもう…

提督

「無茶しやがって…

 だがしかし漢だったぞ…A提督よ」

日毎に歪になっていくA提督の字を

目で追っていると

廊下から響く足音が

段々と大きくなってくる

バンッ!

ノックも無しに豪快にドアが開け放たれる

比叡

「司令、お昼行きましょう!」

ドアを開けたのは当鎮守府の比叡だった

提督

「うおっ!?」

物思いに耽っていた時に

1番見られたくない相手からの不意打ちだ

跳び上がってしまう

比叡

「おや?司令

 日記でも始められたんですか?」

何時もノックをする様にと

散々言ってあるのだが…

と、コレを見られると不味い

提督

「ん?ああ、まあそんなところだ

 ささ、飯行こう、飯!」

そそくさとA日記を引出しに押し込むと

比叡の背中を押し執務室から急ぎ押し出す

比叡の態度から察するに

中はまだ見られていない筈

ギリギリセーフか…

比叡

「わっ、司令今日はお腹空いてたんですね!」

比叡の呑気さに苦笑いしてしまう





〜別の日〜


今日は司令が出張中の為お留守番です

主の居ない執務室で暇を持て余していると

つい、ぼやきが溢れてしまいます

比叡

「ハァ…司令が居ないと気合いが入りません

 気分転換に掃除でもしますか…」

億劫に立ち上がると掃除を開始しました



〜掃除中〜


机に出しっ放しになっていたファイル等を

棚へと押し込む

司令もこういう事は案外ズボラである

比叡

「よっこいせっと」

 ドン


「(うおっと、うっかり落としちまったぜ)」

 ガタン

A日記

「(見るなよ?見るなよ?)」

 ドサッ

いけない、いけない

勢いが有り過ぎた

落ちた物を拾うのにしゃがみ込む

手に取った書籍(?)には

何やら見覚えが…

比叡

「ん?これはたしか司令の…日記?」

自分以外誰も居ないのは判っているが

芽生えた悪戯心からくる警戒心が

室内をキョロキョロと見回させた

比叡

「落ちた際にちょっと中が見えたのなら

 それは不可抗力ですよね?」

誰も居ないのだが己の心からは逃げられない

自身を説き伏せる為に独り言を吐くと

日記を開く…心臓がドキドキする

比叡

「どれどれ…」





提督

「ん〜漸く帰って来れたな」

数日の出張を終え鎮守府に戻ると

鎮守府の入口で何人かが出迎えてくれた

だがそこには

いつもの騒がしいあの笑顔は無かった


執務室のドアを開けると

室内に比叡が座っていた

ここに居たのか

提督

「ただいま」

比叡に声を掛けるが返事が無い…

おかしい

あの比叡が静かに"ただ"座っている

比叡

「…」

比叡の目の前迄近寄るが

俯いてるせいなのか

比叡はまだこちらに気付かない

目を開けたまま寝ているのだろうか?

提督

「おーい?比叡?」

再度、少し大きめに声を掛けると

ようやく反応が現れた

比叡

「ん゛ぅっ!?はっ!?何ですか!?

 司令!何時からそこに?」

 ガタン

まるで突然俺がここに湧き出たかの様な

驚き方で比叡が訊いてくる

どうにも重症の様だ

何か壊しでもしたのだろうか…?

提督

「どうしたんだ?熱でもあるのか?」

比叡の額を触ろうと手を伸ばすが

比叡

「ひ、ひ、比叡は大丈夫です!」

酷く慌てた様子でそう叫ぶと

比叡

「失礼しますっ!」ダダダ

こちらの手を掻い潜りドアから逃走した

提督

「一体どうしたんだ…?」クビカシゲ





〜数日後〜


金剛

「ヘイッ!テイトクゥーッ!

 比叡に何しましたカーッ?」

憤怒の表情の金剛が詰め寄って来た

提督

「近い近い!先ずは落ち着け」ヒキッ

金剛を押し返しつつ言い聞かせるが

まるで鎮まらない

金剛との押し合いに奮闘していると

新たな訪問者がやって来た

榛名

「いくら提督と云えど

 返答如何に拠っては

 海の藻屑となる事をお覚悟下さい」

今度は憤怒の表情を浮かべた榛名が

艤装を背負って来た

普段大人しい榛名迄この有様か

一体何がどうした?

提督

「何の事だ?兎に角落ち着け!

 深呼吸するんだ、な?」

執務室唯一の出入口である

ドアへ向かうには

机の左右から回るしかないのだが

左手側には金剛

右手側には榛名

と…袋の鼠となった今

進めるのは己が背後のみ

ジリジリと後退しながら

相手の出方を窺っていると

3人目の訪問者がやって来た

霧島

「2人ともストップ!

 話を訊きに来たのであって

 殴り込みに来たのではありませんよ?」

どうやら3人目は味方の様だ

説得するにせよ逃げるにせよ

状況を知らねば…

唯一正気に見える霧島に訊ねる

提督

「霧島、これは一体何の騒ぎなんだ?」

俺の言葉に

気が昂ぶっている金剛が噛み付いてくる

金剛

「しらばっくれ…」

霧島

「はい、お姉様少し落ち着いて」

無造作だが音も無く金剛へ近寄り

霧島が金剛に一撃を入れる

金剛

「Ouch!?」(; >`д<´)ヨロヨロ

割と容赦の無い一撃に堪らずよろける金剛

榛名   _, ._

「Oh!」( ゚o ゚;)

榛名はまだ理性が残っていたのか

苦悶の様子の金剛を見て一歩退く

それを見て、霧島が話始めた

霧島

「司令、比叡お姉様の事でお話が…」フゥ

提督

「比叡?…もしかして

 最近あいつの元気が無い事か?」

比叡の名前が出て来る事で

合点がいった

どうやら金剛と榛名は俺が何かしたと

思い込んでいた様だ

金剛

「ザッツラゴホゴホ」サムズアップ

痛みで正気を取り戻したらしい

金剛からは怒気が消えていた

霧島

「お姉様、無理して喋らなくとも…」

榛名

「そのご様子だと

 提督が何かした訳では無さそうですね」

霧島は姉に呆れ

榛名はさっき迄の自分を棚へと押し上げた

提督

「当たり前だ…

 俺が比叡に何かする訳無かろう?」

威儀を正すと金剛達に向き直る

提督

「だが比叡に元気が無いのは

 俺も気になっていたところだ」

提督

「お前達には心当りが無いんだな?」

一応、金剛達に確かめておく

金剛

「ンー、だからなg…」ハッ

金剛

「コホン、エー、訊きに来たのデスガー」

コイツ言い直しやがった…まあ良い

態度から察してはいたがやはりか

こちらもあちらも

心当たりが無いのでは埒が明かんな…

考え倦ねていると

霧島が助け舟を出してくれた

霧島

「ではこうしては如何ですか?

 比叡お姉様の異変を感じ始めた日を

 皆で言い合いましょう」

ふむ、先ずは何かではなく

何時、の方からか

榛名

「なるほど…皆の意見が一致すれば

 怪しいのはその時期と言う訳ですね」

榛名も納得した様だ、試してみるか

………

……



提督

「ふむ…それだと俺が出張してた頃か…

 待てよ…?」

出張と言うとあれが真先に思い浮かぶ

霧島

「何か思い当たる節が?」

提督

「何が、と言う訳では無くてだな…」

あの時の俯いた比叡が脳裏に浮かぶ

提督

「出張から戻った時

 らしくなく上の空で余所余所しかった」

簡単にだがあの時の比叡の様子を伝える

金剛

「それヨーっ!」

 机バーン

金剛の両手が音を立てて

机に振り下ろされた

提督

「うおっ!?」

金剛

「fishに秘密があるノデスカー?」

榛名

「…お姉様が台バンするから

 驚かれただけですよ」ヤレヤレ

榛名が台バンについての代弁をする

(*台バン:台等を音が出る程強く叩く行為)

あの勢いで目の前に打ち落ろされたら

誰だって怯むわ!

霧島

「取り敢えずお姉様は口を閉じてて下さい」

 ガムテハリ

金剛

「〜!〜!〜!」リョウテブンブン

ついに発言禁止となった金剛が

身振り手振りで何かやっているが

無視するとしよう

提督

「すまんな

 だが出張中に何かあったのなら

 俺には判らんぞ?」

霧島

「そうですね…では司令

 出張前に何かいつもと違った事等は

 ありませんでしたか?」

またもや出される助け舟

有難く乗せてもらうとしよう

提督

「ん〜、変わった事…と言えば…」

少し考え込む…が、やはり

提督

「…コレしかないな」

一纏めにしておいたA日記と手紙を取り出す

すると金剛がそれを引っ手繰った

金剛・榛名・霧島

「〜!?」「「これは!?」」

………

……



霧島

「これで合点がいきました

 よくよく考えてみれば、ここのところ

 調理場に立つ姿を見た記憶が有りません」

全て納得がいったと

霧島がA日記を返してきた

榛名

「提督、此等はどちらに?」

提督

「当時は其処の本棚だったかな…?」

記憶を手繰りそれだけ伝えると

金剛が何やら言いたげな様子を見せる

金剛

「〜!〜!〜!」リョウテブンブン

話も随分進んだ事だし、もういいだろう

提督

「霧島、そろそろ剥がしてやれ」

霧島

「了解しました」ベリッ

霧島が勢い良くテープを剥がすと

直ぐに金剛が詰寄って来る

金剛

「何でちゃんと

 隠しておかなかったノヨー!」プハッ

テープの跡が残る顔で憤慨する金剛

いかん笑いそうだ

視線だけを逸し返事を返す

提督

「それについてはうっかりしていた、すまん」

 プルプル

良し、凌いだ

視界の隅で榛名も震えていた

霧島

「我々に謝られても…

 それに提督の言う通りなら

 比叡お姉様にも非がありますし」

どうやら気付かれてはいない様だ

提督

「俺の日記と誤解させてしまったからな

 興味本位で覗いたのだろう…」

日記が届いた日

比叡が勘違いしていたのを思い出す

これで事のあらましは解った

となると問題は比叡か…

提督

「さて、どうしたものか…」

榛名

「有りのまま説明するのでは

 駄目でしょうか?」

立直った榛名が

俺にストレートのサインを出す、のだが

提督

「それだと、万が一違っていたら

 新しい傷を増やす羽目になるのがな…」

言い訳を用意し

つい真っ向勝負から逃げてしまう

これがA提督と俺の差なのかもしれない

提督

「ここは"慎重に"行かねば…」

霧島

「お言葉ですが司令

 リスクに囚われてばかりでは

 進むものも進まなくなってしまいます」

霧島からもストレートのサイン…か

違っている様でもやはり姉妹なのだな

提督

「何か良い案でも有るのか?」

霧島

「いえ…ですが、落ち込んでいるなら

 高揚させてみては如何でしょうか?」

霧島

「"人生が変わる様なインパクト"

 のある何かで」チラリ

妙に抽象的な言葉で霧島が提案する

明確に示さないのは珍しい

提督

「そんな都合の良い何かが有れば

 悩みはしないのだが…」

少し考え込んでいると

今度は金剛が震え始めた

金剛

「…」ゴゴゴ

金剛

「Shut up!」(# ゚д゚ )フンガーッ!!

突然ウチの金剛"さん"が噴火した

提督・榛名・霧島

「「「!?」」」ビクッ

金剛

「Stop whining!」

金剛

「You must go to see 比叡!Hurry up!」


執務室 (#╯°Д°)╯┃︵ 提督ポイッ 廊下


提督

「ぐはっ!」ドサッ

異議を唱える間もなく

執務室から放り出されると扉も閉められた

提督

「ぐっ…まさか提督の俺が

 執務室から放り出されるとは…」

容赦無く放られた為

少々体が痛い

力尽くで閉め出しとか

まったく大正世代は…

提督

「しかし会いに行けと言われても

 比叡の居所が分からんのでは…」

怪我が無いか確認しながら

服を叩いているとスマホが震え出した

スマホ

〔(お手紙をお預りしております…)〕

  ブブブ

提督

「ん?メール…これは!」

開いたメールには

今必要としている情報があった

本日3回目の助け舟を有難く受け取る

と同時に先程の霧島の言葉を思い出す

提督

「人生が変わる様な、か…」

声に出して呟く事で閃く

提督

「…1つだけ有ったな」

何時渡そうかと常々ポケットに

忍ばせていたアレを取り出すと

先程のやり取りを改めて思い出す

提督

「霧島め、覚悟を決めろと言う事か…」

今迄の関係が壊れるのが怖くて

言い訳を考えては先延ばしにして来た

だが今、比叡は"1人で"悩んでいるのだ

A提督ではないが

ここで退くと云う選択肢は無い…よな

いいだろう…俺も男だ、やってやる

1呼吸して腹を括る

提督

「お前達ありがとう、行ってくる!」

扉に向かって敬礼すると走り出す


提督

「比叡、待ってろよ!」


………

……



霧島

「後はお任せしますよ、司令」

仕事を終えたスマホをポケットに戻し

司令に後を託す

漸く覚悟を決めてくれた様だ

金剛

「ヘイ霧島、何か企んでるフェイスヨー?」

金剛お姉様が訝しむ

あら嫌だ、顔に出てましたか

霧島

「企むなんて心外ですよ、お姉様

 ちょっと"囃し"ただけですから」ニコ

金剛・榛名

「?」

不思議そうな顔で2人が私を見るが

直ぐに気にしなくなった

金剛

「ともかく、アナザーの私は人騒がせネー」

そう言うと金剛お姉様は

A日記と共に別のお姉様からの手紙を

躊躇する事無くごみ箱へと放り込んだ

榛名

「勝手に棄ててしまって良いのでしょうか?」

それを目で追っていた榛名が訊ねる

金剛

「ウチには必要ナッシングヨー」

躊躇する事無く

金剛お姉様は言い切りました





比叡

「はぁ…司令に喜んで欲しかっただけなのに

 逆に苦しめていたなんて…」

比叡

「会わせる顔がありません…」

司令からも、お姉様達からも逃げた先で

何度目か分からない愚痴を1人ぼやく

すると、いない筈の人物から応えが来た

提督

「それは困るな

 俺は比叡に会いに来たんだ」

声のした方へと向くと

やはりそこには司令が居た

比叡

「司令!?何故ここが?」

此処に居る事は誰にも伝えていないのに…

提督

「俺も比叡も1人じゃないって事さ」

そう言って司令が

差し出したスマホを見せて貰う

私が行きそうな所がリストになっていた

比叡

「お姉様達、おせっかいですね」クス

スマホを返すとお姉様達の顔が浮かぶ

随分心配をさせてしまった

提督

「まあな、だが比叡に会えたんだ

 感謝してるぞ?俺は」

比叡

「…そうですね、私も…そうです」

ハッキリ言い切る司令に同意する

他愛もないやり取りだが

司令と会った事で

気分が良くなっているのが判る

少しの沈黙の後、司令が切り出してきた

提督

「…日記…読んだのか?」

やっぱりバレていましたか

比叡

「すみません…」

覗き見た事を謝る

提督

「誤解を解いておくがあれは

 A提督の日記だ、俺のではない」

司令の物と勘違いしてると

思われてるのかな?

比叡

「挟んであった手紙も読みましたから

 知っています…」

比叡

「でも…皆の反応を思い返すと

 私も同じ様な…も、のです」

比叡

「今迄すみ゛ません゛でした…司令」グスッ

1言出ると止まらない

そして出て来た自分の言葉に打ちのめされる

ああ、私はなんて悪い艦娘(こ)なんだろう

提督

「…確かに比叡の飯はアレだった」

面と向かって司令の口から言われると

うぅ…流石に堪えるなぁ

比叡

「やっばり゛…」

提督

「だがそれは何も言わなかった

 俺にも責任がある、すまなかった比叡」

何故、司令が謝るのだろう?

無理してまで食べてくれていた

司令やお姉様達に非等有りはしないのに

比叡

「そんな、司令は何も悪くなんか」エットエット

謝られる等、露程も考えて無かった

なんて言えば良いのだろうか?

巧い言葉が出て来ない

提督

「お互い様さ、だからな比叡」

私の焦りを余所に司令は語り続ける

提督

「これからは2人で作らないか?」

比叡

「…ゑ?」

見捨てられたものとばかり思っていたので

つい訊き返してしまった

提督

「俺だけでも、比叡だけでも駄目なんだよ

 なら、これからは2人でやればいい」

司令は優しい口調でもう一度繰返してくれた

そして再度私に答を求めてくる

提督

「そう思わないか?」

じっと目を見てくる

自然と私も見つめ返していた

比叡

「一緒に…居てもいいんですか?」

訊きたかった言葉が自然と出る

提督

「居てもらわないと困るな」

司令が小さな箱を取出す

中には銀の指輪が大切に収められていた

比叡

「指輪…?えっ?」

提督

「カッコカリの物だが

 渡すなら比叡にと決めていた」

私に?

提督

「比叡、受け取ってくれないか?」

私が…?

手が伸びかける…が

唐突にお姉様の顔が目に浮かぶ

あの笑顔に私なんかが…

比叡

「…私はお姉さまの様に

 綺麗じゃないですよ…」

自然と俯いてしまう

提督

「意見の相違だな俺は比叡がいい」

比叡

「料理だって…」

提督

「俺が一緒にいて見張っててやる」

比叡

「…いいんですか?私なんかで…」

提督

「俺は比叡がいいんだ」

俯いていた筈が何時の間にか

再び、司令の目を見ていた

比叡

「…」

提督

「他に訊きたい事はあるか?」

私が何を言っても退かない

司令の顔はそう物語っていた

どうやら言い訳は…無駄な様です

比叡はこの勝負、負けてしまいました

だから

気合い!入れて!返答(お返事)します!

比叡

「…あ、あの、そのっ…」

比叡

「私、頑張りますから

 よろしくお願いしますっ!」





〜エピローグ〜


比叡

「司令、夕飯の買出しに行きましょう!」

 グイグイ

あれから

比叡お姉様の声が執務室に響く

日常が戻っていた

提督

「ん?ああ、もうそんな時間か…

 すまんがお前達、後を頼むな」

 オイヒエイヒッパルナ…

既に司令の仕事は済んでいた為

首肯いてみせると

二人は直ぐに執務室を後にした


バタン…


二人が執務室を出ると

"残った"お姉様達がぼやき始める

金剛

「…上手く行ったのはグッドデシタ"ガー"」

 ガックリ

榛名

「まさかそのまま告白とは…」

 ガックリ

霧島

「司令もなかなかやりますね」

 メガネクイッ

そう、司令は比叡お姉様の説得に

告白と指輪と言うセット技で

勝利を収めました

金剛

「バット、テイトク元気なままネー?」

 クビカシゲ

榛名

「提督は大丈夫なのでしょうか?」

 クビカシゲ

霧島

「料理中は"付きっきり"だそうですから

 一応は安全でしょう」

 メガネクイッ

比叡お姉様からの惚気(聴かされた)

話によると

"やらかし"がない様にと

料理する時は何時も

司令と二人一緒との事でした

金剛

「…」

先程の私の発言に、金剛お姉様が

こちらをじっと見てきたかと思うと

ぼそりと呟く様に吐き出す

金剛

「…今夜は鳳翔にゴーネ-」

榛名

「お供いたします、お姉様」

金剛

「榛名ーっ!」

榛名

「お姉様っ!」

金剛・榛名

「ウワーン」

二人で抱き合ったかと思うと

そのまま泣き始めた

霧島

「今度はこっちですか…」ヤレヤレ

比叡お姉様と違い

今のところ

この2人には特効薬がありません

霧島

「こちらは少し長引きますよ…

 お義兄様方」

目の前で号泣する2人に呆れつつ

この場に居ない司令達に呟いた





おまけ1

A鎮守府のその後 編


戦闘MVP

A金剛

「最近体の調子がベリーグッドネー」

A榛名

「思い通りに体が動く感じです

 榛名は大丈夫です!」

A霧島

「二人共現実(アレ)から目を逸らさないで」

A提督(アレ)

「うぼぁー」

A比叡(料理禁止中)

「ひえーっ!司令お気を確かにぃーっ」





おまけ2

2人で料理編


比叡

「ここ迄は基本ですね…それでは

 気合い!入れ…」

提督

「待ったァ!」

 ガシッ比叡の手を掴む

比叡

「し、司令まだ日が高いです…///」テレテレ

提督

「そうじゃない

 そうじゃぁないんだ、比叡…」

 メヲトジル

提督

「取り敢えず"その"

 べ○リットの様な物は

 鍋に入れるんじゃぁない」

 チラリ

比叡

「べへ?やだなぁただの唐辛子ですよ?」

提督

「俺の知ってる唐辛子に"目"は無いんだ比叡」

 アタマヲフル

比叡

「言われてみれば変な形してますね

 別のにしますか」

 ゴミバコニポイ

唐辛子(の様な物)

「ギャッ」

提督・比叡

「「………」」

提督

「…厳重に封印して焼却炉に放り込むか」

 フクロシメシメ

比叡

「そうしましょう

 もしダメなら私の主砲でっ!」





おまけ3

酒匂 また 伝え損なう編


酒匂

「ぴゃんっ!?」ガバッ

阿賀野

「わっ!?どうしたのよ酒匂?

 久し振りに凄く魘されてたけど…」ビクッ

酒匂

「何だかとても怖い夢を見てた?様な…?」

 クビカシゲ

阿賀野

「何、またそれ?」

阿賀野

「ここには、この阿賀野を筆頭に

 頼りになる仲間がたくさん居るんだから

 何が来ようとヘーキヘーキ」ドヤァ

酒匂

「…うん、そうだね阿賀野ちゃん!」ニコッ

阿賀野

「そうそう、阿賀野この後

 出撃だから怖くなったら

 能代達の所に行ってなさい」

酒匂

「酒匂は大丈夫だよ!

 阿賀野ちゃん気をつけて行ってきてね」

阿賀野

「ふふふ、任せなさーい」

阿賀野・酒匂

「「アハハハ」」

………

……



別提督

「じゃあ酒匂、このレシピで頼むな」

酒匂

「了解ですっ」

酒匂

「ぴゃんっ!」ガシャン


開発中

残り時間

3:59:59


別提督

「ふむ、4時間か…(気のせいか寒気が)」

酒匂

「誰かな?誰かな?」ワクワク



〜その頃の阿賀野〜


阿賀野

「…っ!!

 SMT!(スゴイ 土産 獲ったどー!)」


???

「補給は大事だ

 それ無くしては戦えぬからな

 大丈夫、私が護って(作って)あげる」

 フフフ



あぶない艦娘(コック)の2人が

運命の出会いを果すまで

残り4時間と少し





艦?


後書き

進む時は本当にスイスイ進むんですが
その逆も…
お話考えるのって大変ですね
(進んでる時は楽しいですが)


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