2019-05-15 12:19:26 更新

2017年10月21日(土) PM:15:00


凡矢理ウォーターパーク


千棘 「ふーー。

助かったわ楽、

私、すっかりのぼせちゃって………。」


楽 「まったくお前は………。

他のお客さんもいるんだし、あんなところで無理なんかするなよな。」


千棘 「ご、ごめん………。」


楽 「まあ、分ったならいいんだけどな。」


千棘 「それで、次はどこに行くの?」


楽 「そうだなぁ………。

お、千棘。

あそこなんてどうだ?」


スッ



楽が指差した先にあったのは、

水上迷路だった。



千棘 「へーー、

ここ、迷路なんかもあるんだ!」


楽 「水の中の迷路なんて、珍しいだろ?

行ってみよーぜ。」


千棘 「うん!」


タタッ



そして楽と千棘は、水上迷路の入り口まで歩いて行きました。



楽 「へーー、

この迷路(めいろ)、入り口がちょうど反対側に二ヶ所あるのか。」


千棘 「あ!そうだ楽、

私、いい事思いついちゃった!」


楽 「なんだ?」


千棘 「私とあんた、

それぞれ別々の入り口から入るのよ。

それで、迷路の中でどれだけ早く出会えるか試すの!」


楽 「お!いいなそれ、

そうしよう!」



そして、楽と千棘はそれぞれ別々の入り口に移動し………



楽側


楽 「ふーー。

さて、どっちから行くか………。」


楽 (ん?待てよ、

千棘なら、あいつの性格上、

迷路なんて難しい事はいちいち考えずに、

真っ直ぐに進むよな。

って事は………。)


スタスタ………



楽は、真ん中の道を歩き始めた。



千棘側


千棘 (………こういう時、楽なら………

あいつの神経質なもやし性格上、

どうやったら出口にたどり着けるか、

いちいち考えそうね………。

って事は………

迷路全体を確かめる為に端から………

多分、あいつは右利きだから、右の道から行く。)


スタスタ………


千棘は、迷路の右を歩き始めた。



その後も、2人はお互いに………


楽 「この道は千棘なら………。」


千棘 「この分かれ道は楽なら………。」



約5分後


楽 「おっ。」


千棘 「あっ。」



2人は、迷路のほぼ中央付近で鉢合わせ(はちあわせ)た。



楽 「ち、千棘。

意外と早く会えたな………。」


千棘 「そうね………。

多分まだ、10分も経って無いわよね?」


楽 「………実は俺、お前ならどう進むか考えて進んだんだ。」


千棘 「えっ?

私も………。」


楽 「……………。」


千棘 「……………。」


プッ


楽 「ははは……はははっ。」


千棘 「あはは……アハハハ………。」



楽と千棘は、自分達の起こした行動があまりに同じ過ぎるので、

思わず2人揃って笑ってしまった。



千棘 「もう………!

私たちったら、なにおんなじ事してんの?

バッカみたい………。」


楽 「俺とお前、

あまりにも行動を一緒にし過ぎて、

いつの間にか、考える事まで似てきたみてーだな………。」


アハハ………


楽 (まあ、

こういう考える事ややる事の同じ身近さも、

俺が小野寺よりお前を選んだ理由の1つなんだがな………。)


第1巻 第216話 完


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