2019-06-14 18:06:20 更新

概要

主に新任提督がブラ鎮の提督に鉄槌を下して自分がそこの指揮に入る話です
新任提督はもともと普通の人間でしたが、事故にあって死んでしまいます
しかし、とあるきっかけでとんでもない力を手にして艦これの世界に転生します
それはおかしいと思ったらすぐに行動に移す心優しい青年が見せるストーリーです


前書き

初心者です
おかしい文章などは脳内訂正おなしゃす
オリジナル鎮守府も出てくるのであしからず

時々戦闘描写があります。
その時、ss主の妄想BGMが流れている感覚でお願いしまそ


提督の名前はリセイと言います。主が独自に考えたオリジナルの名前です。

定期更新です。いつ更新するかは不明です。気が向いたら書きます。許せるなら物語をどうぞ。

コメントはどんどんしてください。

要望があったので「w」は使わないようにします。
コメントありがとうございます。
他もどんどん意見をどうぞよろしく!


とある住宅街…





俺「はぁ…」

端正な顔立ちをした好青年はため息をつく。


俺「もう職を辞めて二週間…辞めたのはこれで2回目だけどさ…何度も何度も職をやめるガキなんてもう何処も雇ってくれないよ…。」

青年は仕事をすること自体に嫌気がさして、親に迷惑かけていることを忘れて職を辞めている。そんな自分が情けなく、憎い。そう思いながらふらふらと街を歩いている。

俺「…………もう……終わりだ……死のう」

自己嫌悪にも耐えられず自ら死を選ぶ…。

青年は車に轢かれようと思い、信号を無視して一歩踏み出そうとする……だが…


俺「くっ…!だめだ!俺には死ぬ勇気もないのか…!クソッタレ!」

死ぬという恐怖に怯え、自殺ができなかった。

自分がどれだけ弱いか思い知る青年。しかし…


俺「? なんだ?あんな交差点のど真ん中でボール遊びかよ。ふん、良いよな子供は、遊んでるだけで褒められるんだからな。」

青年が見たのはまだ3〜4歳程度の男の子だろうか、一人でボールを転がして遊んでいる。


俺「! まずい!」


青年は考えるよりも体が動いた

走って子供の所に行き、子供を庇うように突き飛ばした!



ドッガァァァァァァン!!





俺「?あれ?何だ?何が起こった?確か俺はあの子供を庇って………っ!」

子供は大泣きしていたが、無事だった。

しかし…

俺「あれは…俺?何でそこで寝てんだよ…血もあんなに流して…もしかして俺、本当に死んだのか?だとしたら辻褄があう。今の俺はどこも痛く無い。けどあそこで寝ているのは明らかに俺だ。」

青年は死んでいた。子供を庇い、自らが身代わりとなって。

俺「ヘッ……死ぬことも怖いと思う俺がまさか本当に死ぬとはな…………親父、母さん、みんな…ごめんよ、また迷惑かけちまうな。一度死んだらもう生き返らないんだよな。

けどもう後悔しても遅いか。

俺にはもう何もできないんだから。」

そう言った直後、意識が薄れて目の前が真っ暗になる。




俺「うーん…あれ?ここは?」

何もない無限に広がる真っ白な空間で目が覚めた

???「目が覚めましたか?」

俺「オワァ!?ビビったぁー!何だよあんたいきなり現れて。」

転生神「あ、すいません。私は転生神です。」

俺「え?転生神?」

転生神「はい。あなたを違う世界で生きてもらうためにやってきました。本来なら貴方が助けた子供は死ぬはずでしたが、貴方のその勇気を見て、私はあなたに協力したいと思いまして。」

俺「…………俺は何も良いことなんてして無いですよ。それに俺みたいなバカは死んで当然だったんです。せっかくありつけた仕事も自分のエゴで辞めて、また違う仕事を見つけても似たような理由で辞めて、こんな人間生きる価値なんてないですよ。」

転生神「自分をそんな卑下するものでは無いですよ。貴方は命を張ってまで小さな命を助けた。だから協力するんですよ。」

俺「……で?協力ってなんですか?」

転生神「そうですねえ、まず生き返る世界はどこが良いですか?この三つの中から選んでください。」

転生神はそう言ったかと思うと3つの玉を浮かせた。

転生神「まず一つ目の世界ですが、貴方の生きていた世界です。あなたは奇跡的に息を吹き返し、また新たな自分を見つけることができるかもしれませんよ?」

俺「……………」

転生神「二つ目の世界です。ここは人間の姿と心を持った艦達が海の化け物達と戦い続ける世界ですね。この世界では眼が覚めると貴方は偉いさんのとこで気がつきますよ。」

俺「ん?艦って何だ?」

転生神「言わば昔の戦艦などが人化したと思えば良いです。そこで貴方は指揮をとり、艦たちを導く存在になります。」

俺「…………」

転生神「三つ目の世界ですが…閻魔様のとこですね。ま、普通なら死ねば誰でも魂は閻魔様のとこに行きますから。」

俺「え?じゃ俺なんでここに居んの?」

転生神「あらやだ、私が連れてきたに決まってるじゃ無いですかーw」

俺「そ、そうなんすか…」

転生神「さあ、どうします?」

俺「二つ目の世界に行きたいです。後の二つはどっちも御免だ。」

転生神「はい、わかりました。」

俺「……何も言わないのか?」

転生神「貴方が決めたことですから、私には止める権利はありませんよ。」

俺「そうっすか。」

転生神「………貴方は本当にいい目をしています。私の餞別がわりです、何か欲しい力はありますか?何でもありますよ?」

俺「え?そんなこと言われてもなぁ…

あ、どうせなら俺を誰にも負けないように強くしてくださいよ。例えば次元ぶち破ったり空飛んだりとか。」

転生神「そんな程度なら朝飯前ですね。わかりました。ハイ!」

ブウォン!

青年の身体が眩く光る。

転生神「これであなたは誰にも負けませんよ。

誰にも殺されませんし、最強ですよ。

ただし!貴方は人間ということを忘れてはいけません!寿命には逆らえませんからね。」

俺「本当に今ので強くなれたのか?」

転生神「信用してませんねー?なら試しに思いっきり空間を殴ってみて下さい。」

俺「あ、ああ。それ!」

バァン!バリバリバリ!

俺「…う、嘘だろ。」

転生神「ね?言った通りでしょ?」

俺「う、うん。」

転生神「さて、そろそろ時間です。そっちの世界でもといた世界よりも活躍して下さいね。私とはもう会うこともないでしょう。では。」

俺「待ってくれ!最後に一言!」

転生神「?」

俺「ありがとう。こんな俺を見捨てず、次の機会を与えてくれて。」

転生神「本当に優しい人ね。もしあなたが同じ神さまなら惚れてたかも知れませんね。

名残惜しいけどさよならね。じゃ。」

転生神はそう言うと青年に術をかけて、光と共に姿を消した。




……ぃ


…おい!


聞いているのか!?若者よ!



俺「ハッ!ここは?」


???「ここ?寝惚けているのか?ここは大本営の司令部だよ。」

俺「あぁ、申し訳ありません。まだ頭が寝ていたようです。」

元帥「ハッハッハ。面白い奴だな。」


何故だ、自分がこれから何をすれば良いかわかる。

俺は軍人として生まれ変わったのか。

白い軍服に帽子、完璧に軍人だこれ。

元帥「さて、晴れて君は正式に司令官の器になった訳だが、階級は少将からだったな。

君には例の鎮守府に着任してもらうよ。」

俺=提督「例の…と言いますと?」

元帥「今の提督が艦娘達を掃除道具のように扱っていたところだ。艦娘たちにはろくに休暇を与えず、食事もとらせず、しまいには艦娘達を奴隷扱いしていた奴の所だ。そこで君にはそこの提督にこれを渡してほしい。」

提督「これは?」

元帥「それは大本営の招集命令書だ。彼に渡したその瞬間から、君がその鎮守府の提督だ。」


艦娘?転生神が言っていた艦の事か?艦娘って言うぐらいなんだから女の子ばかりなのか?

提督「はぁ…わかりました。」

元帥「よろしく頼むぞ。あぁ、そうだ、それを渡したら今日は帰って来なさい。明日君が着任する手続きをしないといかんからな。

では、頼んだぞ。」


無理やり押し付けられた感がハンパじゃねぇ…

まぁ、やるしか無いか。

ていうか俺に指揮なんて出来んのか?

いつも下っ端状態で辞めて来たのに。

ま、仕方ないよな、自分で選んだことなんだ

やるしか無い。

元帥に渡された地図を見て例の鎮守府へ向かった。


提督「ここが例の鎮守府か…さて、入るか。」

憲兵「む?失礼ですが貴方は?」

提督「え?俺?俺は…えーと…」

何か身分を証明するものは無いのかと自分の身体を弄る。するとズボンのポケットから少将の階級章が出てきた。

俺「あのーこれを見せれば良いのかな?」

憲兵「こ、これは少将殿!大変失礼致しました!しかしいかがなさいました?このようなところへ」

提督「元帥からの直々の命令で今いる提督の代わりに俺が提督になるって言うのは聞いてない……かな?」

憲兵「な、何とそのようなことが、しかし、納得がいきます。今の提督は私も正直嫌いですから。」

この門番みたいな人にも嫌われるってどんだけあくどいことをしてんだよここの提督とやらは

胸糞悪い

提督「じゃあ通してくれます?」

憲兵「どうぞどうぞ」



門を抜けて歩いていると女の子が三人揃って喋っている。どことなく落ち込んでいるようだが…

提督「あ〜君たち、ちょっと良いかな?」

???1「ヒッ…」

え?声かけただけでその反応?ちょっと傷つくわー

???2「ごめんなさい!私たち喋ってただけなんです!許してください!」

???3「申し訳ありません!申し訳ありません!」

何やら怯えているようだが…落ち着かせるか。

提督「お、落ち着いて!俺は何もしないから!」

???1「ふぇ?」

提督「と、とりあえず君たちの名前を教えてくれないかな?」

吹雪「は、はい!私は吹雪型一番艦、吹雪です!」

春雨「わ、私は、白露型五番艦、春雨です!はい!」

雪風「え、えと、私は陽炎型八番艦、雪風です!」

どれも聞いたことのある名前ばかりだ。親父には戦争の話を耳にタコができるほど聞かされたからな。

提督「吹雪に、春雨に、雪風だね?

君たちにちょっと案内して欲しいんだけど…」

吹雪「え?どこへですか?」

提督「今の提督のところへ」

3人「ビクッ」

今の提督が余程怖いんだろう、チッ…なんて野郎だ。こんな無垢で素直な子たちまで怯える程とは、相当性根が腐ってやがる

提督「大丈夫。部屋の前まで案内してくれれば良いから。俺は今の提督に話をしに来たんだ。」

雪風「は、はい…わかりました。」

雪風に司令室の前まで案内してもらった。

大きな声で話すと奴に気付かれる。小声で雪風に言った。

提督「よし。君はもう戻って良いよ。ごめんな、わざわざ案内してくれて。」

雪風「い、いえ、それでは」

雪風はそろりと走って去っていった。

さてと、行くか。




コンコン



黒提督「なんだ?入りたまえ」

提督「失礼します!わたくし、リセイ提督と申します。」

黒提督「な、なんと!リセイ提督と言えば少将殿ですか!こ、これは大変失礼しました!」

こいつは俺より階級は下なのか?それとなく聞いてみるか。

提督「あ、良いですよそんな畏まらなくても。」

黒提督「いやいや、大尉程度の私は少将殿には態度をしっかりとしなければ」

フッ…聞くまでもなかったか。自分で暴露しやがった

黒提督「それで提督殿はどのようにしてこのようなところへ?」

提督「あぁ、これを見て欲しいんですけど。」

黒提督「ハッ!それでは拝見させていただきます。」

ある程度読んでいたところで黒提督の動きが止まった

黒提督「……は?なんだこれは。私が戦力外通告?」

提督「見たままの通りです。貴方は簡単に言えばクビになったんですよ。」

黒提督「ふ、ふざけるな!私は今の今まで大本営に認めてもらおうと粉骨砕身にがんばってきたのだぞ!?」

提督「艦娘を奴隷のように扱っていた貴方がですか?」

黒提督「ふん!あんな奴らは所詮ゴミなのだ!ゴミのような奴らを私がわざわざ働かしてやったのだぞ!」

こいつの言葉を聞いているとはらわたが煮えくり返る

気付いた時にはすでに口走っていた。

提督「……………あんたさぁ、自分で何言ってるかわかってんのか?艦娘が奴隷?ゴミ?ふざけてるのはテメェだ!!!」バァン!

黒提督「な、何!?」

提督「………俺はあんたにその書類を渡したら今日は帰るように命令されている。俺が帰った後すぐに大本営の憲兵がくる。覚悟しとけ!

テメェの悪事を全部曝け出してやる!」

自分の置かれている立場が理解したのか、黒提督は顔が青ざめてすがるように俺に命乞いをした。

黒提督「……!! ま、まて!待ってくれ!私は改心する!もう二度と艦娘を奴隷のようには扱わない!」

提督「悪いが俺にはもうどうしようもない。あんたがどれだけ許しを乞おうがこれはもう決定事項だ。覚悟を決めろ。」

黒提督「………ふふ、フハハハハ!ど、どうせ死ぬなら、お前も殺してやる!」ザッ!

提督「!」

黒提督はナイフを取り出し、提督に襲いかかったが、それは無駄に終わった。

黒提督「野郎・オブ・クラッシャー!!!!」

サッ ドゴォ!

提督はナイフを軽々と躱し、黒提督の横腹に殴りを入れた。

黒提督「グッハ!」ガクッ

提督「気絶したか、ま、憲兵の手間が省けたな。」

さて、そろそろ帰るか。あんまり長居する意味もないし

司令室を出たところで四人の艦娘とばったり会った

???「あ」

提督「ん?あぁ、君たちはここの提督の艦娘だね。俺はリセイ提督。よろしく。

金剛「は、はい!ワタシは金剛型一番艦、金剛デス!」ビッ!

比叡「お、同じく金剛型二番艦、比叡です!」

ビッ!

榛名「あ…金剛型三番艦、榛名です!」ビッ!

霧島「……同じく金剛型四番艦、霧島です!」ビッ!

四人とも礼儀正しい。如何にもモテそうな容姿をしている。さっきの子達のような感じもしないわけではない。やはりここの提督に怯えているのか。

榛名「あ、あの…」

提督「ん?どうかしたかい?」

比叡「ここにはどう言った要件ですか?」

提督「あぁ、それならもう済んだから今から帰るところだよ。」

霧島「そうなのですか…それでは門までお送りしましょう。構いませんね?お姉様方?」

金剛「ノープロブレムね!霧島!元々、ワタシ達演習に行く予定ですから!」

提督「そ、そう。ありがとう。じゃあお願いできるかな?」

榛名「はい!榛名は大丈夫です!」

比叡「まぁ、外から来た人には礼儀をきちんとしないといけませんからね。送り迎えも、気合い!入れて!行きます!」


いろんな個性があるなぁ艦娘って



移動中…



建物内を出て、さっきの子達とすれ違った。

春雨「あ!さっきの!」

吹雪「あの、大丈夫でしたか?」

提督「あぁ、心配いらないよ。君たちも明日に備えて今日はもう上がった方がいいんじゃないかな。

雪風「そ、それは……しれぇが許してくれませんよ…。」

提督「ん?どうして。」

俺が疑問に思っていると着いてきた金剛たちが口を開く。

金剛「ワタシたちはテートクの許可なしに休むことは出来ないデス…」

榛名「は、はい…それに休もうが休むまいが私たちには休む時間がありませんから…」

霧島「………」

比叡「……」(ウツムキ)

相当なブラックだなこりゃ。俺だったら耐えられん。凄えよ君たち。

提督「そうなのか。でも心配いらないよ。どうせじきに大本営の憲兵が来て今の提督を捕まえに来るだろうから。あ、言ってるそばから来たし。」

艦娘達「「「「「「「…え?」」」」」」」

ダダダダダダ!!!

吹雪「わっ!?なんなの!?」

提督「ここの提督は相当なイカれ野郎らしくてね、大本営もようやく証拠も見つけて拘束しに来たって訳だよ。俺はわざわざ事が荒くなる前に大本営に行くように言ってやったのに逆ギレして襲いかかってきたからな。」

春雨「え!?無事だったんですか!?」

提督「まあね。ナイフ持ちながら発狂して突進してきたけど、横腹に軽いパンチをくれてやったら気を失ったよ。」

艦娘達「「「「「「「…………」」」」」」」

提督「明日には新しい提督が着任するから、そのつもりでいてね。

あ、あいつは…」

提督がそう言うと艦娘達が目にしたのは扉から担がれながら連れて行かれる黒提督だった。

霧島「え、本当に連れていかれてる…」

提督「じゃあ、俺も帰るよ。またな。」

榛名「あ、あの!!」

提督「?」

艦娘達「「「「「「「ありがとうございます!!」」」」」」」

艦娘達はそう言うと涙を流しながら俺に頭を下げた。感謝されたのっていつぶりだ?

いや、今まで生きてきてこんなことなかったかもしれない。

提督「良いよ。気にしないで他の艦娘達にも休むように言ってやりな。」

比叡「…はい!グスン…」

雪風「ウッウッ…」ポロポロ





〜大本営〜

元帥「ご苦労だったなリセイ提督。見事に黒提督を確保できたよ。」

提督「いえ、自分は書類を届けただけですよ。」

元帥「ハッハッハ!まぁ、いい。今日はもう休みたまえ。明日になれば君は直ぐにでもあの鎮守府に着任してもらうよ。では下がりたまえ。」

提督「ハッ!失礼いたします!」

バタン

ふぅ…良いことするとスッキリするな。

それにしてもなんて事だ。力がそのまま使えるなんて。転生神様様だな全く





翌日…



提督「さて、昨日の鎮守府にまた来たは良いが、今日からここが俺の家になるのか。

上手くやっていけんのかな俺。

憲兵「む?おお!貴方は昨日の…」

提督「よッ!今日からよろしくお願いします。」

憲兵「ハッ!よろしくお願い致します!」ビッ!




提督「さてと、司令室はここだったな」

ガチャ

「誰もいないな。ん?放送用具か。ちょうどいい。みんなも起きてる頃だろう。ここの講堂に呼び出してみるか。」

ピンポンパンポーン

提督『あーこちら司令室、全艦娘は今から10分後に講堂に集まってくれ。以上!。』

ピンポンパンポーン

「よし、これでいい」

何なんだろうな。今からしないといけないことが頭の中で響く。俺の知らないことが頭から出てくる。書類の整理や艦隊情報なども全部。なぜか把握できてしまう。これも転生神の力か?

ほんとすげぇな


ここの艦娘たちはろくに補給もされてない。

食事も取らされない。

入渠さえもさせてもらえない。

最悪だな。

一先ずは朝礼が終わったら全員を入渠させるか

いや待てよ?多分全員は入らないよな?

…………もしかしてこういうのにも俺の力が使えたりする?ダメ元で入渠ドックを増やしてみるか。


提督「ハッ!」シュウウウウウウウウ!パッ!

「まさかこんなことにも使えるとはな。自分の力なのに驚きだぜ。よし、講堂へ行くか。」




〜講堂〜





北上「新しい提督が来るらしいけどどうせそいつもあの提督と一緒だよ…」

大井「………そうですね。どんな人が来ても一緒に見えてしかたがありません。」

球磨「仕方ないクマ。もしあいつと一緒なら球磨がお前たちを守るクマ。」

多摩「多摩も一緒にみんな守るにゃ。」

木曽「あぁ、俺もやるぜ。これ以上奴らの言いなりなるのは御免だからな。」

大井「木曽、球磨姉さん、多摩姉さん、ありがとう…」

北上「うん…みんなありがと」



赤城「どんな方なのでしょう。新しい提督とは。」

加賀「さぁ?でも提督が居なければ鎮守府は崩壊するわ」

飛龍「そりゃそうでしょうね。」

蒼龍「前みたいにひどい人じゃ無いと良いけど…もうあんな生活は嫌だから…」

翔鶴「そうですね…わたしも瑞鶴も限界でしたから…」

瑞鶴「………新しい提督もあいつと一緒なんじゃないの?」

飛龍「そうかも知れないけど、それでもここで暮らしていくには誰かの指揮は必要になるからね…」

赤城・加賀「…………」



白露「新しい人が来るのかぁ…」

村雨「あの人と同じじゃ無いと良いけど…」

時雨「うん…そうだね…」

夕立「夕立も心配っぽい…」

春雨(新しい人ってまさか昨日の…ううん、まさかそんなはずはないですよね。)

村雨「?春雨ちゃん?どうしたの?」

春雨「あ、いえ何でもないです!」

村雨「そう?なら良いけど。」



ガチャ


提督「みんなおはよう。こんな朝から招集してすまない。俺についての挨拶をどうしてもしておきたくてな。」




シーン




ま、こうなるよな。あの腹黒ボケナスブータンにゴミとして扱われてきたんだ。そのせいか俺を見るほとんどの艦娘が怯えている。

一部を除いては




吹雪「あ、貴方は…!」

雪風「き、昨日の!」

春雨「あ、ああ…!嘘…!本当に昨日の人が司令官に…?」

夕立「え?昨日の人?」

吹雪「昨日、前の司令官を解任させた人ですよ!」

白露「え!?あの人が!?」

金剛「う、嘘…」

霧島「昨日のリセイ提督が…?」

比叡「この鎮守府に着任するって?」

榛名「………榛名は知っている人でよかったです!」


提督「俺の名はリセイ。今日からこの鎮守府に着任することになった。よろしく頼む!

堅苦しい挨拶は無しだ!お前たち!ドックを大幅改造しておいたから全員傷ついた身体を治してこい!それと全員の入渠が済んだら今日はもう自由にしろ。明日と明後日も同じだ!あ!後もう一つ!入渠が済んだ奴から食堂に集まってくれ!以上!」




時津風「え?え?よくわからないんだけど?」

島風「私も…」

天津風「ドックを大幅改造ってどういうこと?」



大淀「食堂に集まってくれって…何をする気なんですかね?」

明石「私に聞かれても…」

夕張「とにかくドックに行ってみます…?」

鳳翔「そうですね…ずっとここにいるのもダメですし」




提督「よし。みんな行ったな。食堂に行こう。」


〜食堂〜




提督「ん?あそこにいるのは?」

間宮「はぁ…もうすぐ食糧がなくなりますね…」

伊良湖「はい…だいぶ節約してきたんですけどここまでなんですかね…。」

提督「あのーすいません」

2人「ビクッ」

間宮「貴方が新しい提督さんですね!私、給糧艦の間宮と申します!」

伊良湖「わ、私も給糧艦の伊良湖と申します!」

提督「い、いやいや、そんなに畏まらなくてもいいから、楽にしてください。」

間宮「あ、ありがとうございます。」

伊良湖「わ、私達にどんな用でしょう?」

提督「あ、実は艦娘たちを全員入渠させてるんですよ。それで、全員が戻ってきたら、美味いものをたらふく食べさせてやろうと思って。」

間宮「……!な、なぜそんなことを!?」

提督「前の提督は艦娘をゴミや奴隷とでしか見てない奴だったんでしょ?そんな奴が食えるもんも食わせて無いと思って、俺が用意してやろうと思ったら2人がいたもので。」

伊良湖「そ、そんな…どうして私たちの事を…?」

提督「その答えは簡単。俺は提督として貴女達を導く義務があるからだ。それに俺は貴女達を兵器とは見てませんよ。どんな奴でも、人間の心と身体を持って生まれてきたなら、人間のように生きれば良い。例えそれが化け物であろうとね。」

間宮・伊良湖「………」ッ−–− ポロポロ

提督「あ、すみません!泣かせるつもりじゃ…」

間宮「…………グスッ いいえ、これは嬉し涙ですよ。ありがとうございます提督。」

伊良湖「今までこんな人に会ったことありませんよ…本当に嬉しいです!ありがとうございます!」

提督「いやいや、そんなことないっすよ。

あ、そうそう、いま食堂って使えます?」

間宮「……使えることは使えるのですが、もう料理をする材料が全て切れてしまったのです…」

提督「あ、何だそんなこと?なら簡単ですよ。ホレ」

パチン

提督が指を鳴らすと間宮たちの目の前に溢れんばかりの料理の材料が現れた。

伊良湖「ゑゑゑゑゑ!!??」

間宮「う、嘘」

提督「あ、どうやってやってるとか聞かないでくださいね。俺だってどうやってるかわかんないですから。ただ頭の中でイメージしたらできてしまうんですよ。しかし、これあんまりやりすぎると世界の常識覆しかねないから使いたく無いんですけど、非常時な時だけ使うようにしてます。」

間宮「す、凄い…」

伊良湖「これだけあれば丸5年ぐらいは持ちますよね…」

提督「ま、保存すればの話ですけど。それはそうと二人とも。ちょっと手伝ってもらっても良いですか?」

2人「?」







〜3時間後〜




鈴谷「食堂に来たは良いんだけど何これ…」

鈴谷が見たのは綺麗に掃除された食堂。

まるで新しくしたかのような雰囲気だった。

そして、各テーブルの上には巨大な肉うどんが置いてある。肉うどんの上には天かすやネギが振りかけられており、その横の別皿には鶏の唐揚げと海老フライが二つずつ置かれており、艦娘たちの食欲を掻き立てる。



提督「お、だいぶ艦娘達が集まって来たな。

おーしみんな!食堂についた奴から各自好きな席を選んで食ってくれ!間宮さんと伊良湖さんが一生懸命に全艦娘の分を腕をふるって用意してくれたからな!有り難く食べるんだぞー!」

間宮「もう、提督さんったら、貴方も手伝っていたじゃないですかw」

伊良湖「そうですよ!私たちだけじゃとてもこんな量作れませんでしたよ!」

提督「俺はあくまで手伝いですからね。やってくれたのは間宮さんたちですよ。」

川内「こ、これ本当に提督達がつくったの?食べて良いの?」

提督「おう!遠慮無く食してやってくれ!」

睦月「うっ…ほ、本当に?本当に食べて良いんですか?」

提督「ああ!いいぞ!早く食べないと冷めちまうぞ!」



コンナオイシイモノタベタコトナイヨー

ウエエエエエエン オイシイヨーー

ナ、ナントイウウマサダー!



提督「みんなよく食うなぁ。」

ま、それだけあの野郎が艦娘たちを放ったらかしていたんだろう。現に食べてるだけなのに泣き出す奴も出てきた。まったく、見ているこっちが笑えてくるぜ。艦娘達のあの幸せそうな表情。


赤城「……………」ちゅるちゅるズゾゾーバクバク

加賀「……………」ズオオオちゅるるるるごくごく

瑞鶴「な、何これ…今までに食べたものより一番美味しい…」

蒼龍「お、美味しい……」ポロポロ

飛龍「うん、凄く美味い」ツーーー

翔鶴「ろくな食事をしてなかった分その倍美味しく感じますね…!」



鳳翔「て、提督…これは一体…」

提督「見ての通り、みんなに食事を用意しました。

どうやってやったかは間宮さんと伊良湖さんに聞いてください。俺は今からみんなの感想を聞いてきますから。鳳翔さんも食べてくださいねー!」


鳳翔「はい…ありがとうございます!」



提督「よ!金剛たち!入渠した後の昼飯はどうだ?」

金剛「あ、テートク!もう最高デスネ!日本のうどんとは素晴らしいものね!」

比叡「私のカレーよりも美味しいなんて…負けた…」

榛名「すごく美味しいです。いままで生きてきて一番…。」

霧島「司令…本当に感謝しています。ありがとうございます…!」

提督「そうかそうか、どんな奴も笑顔が一番だぞ!おかわりは沢山あるからまだ食えるならあっちで取って来いよ!」

金剛「ハーイ!hay! My sister's!おかわりしに行くネ!」

榛名「あ、お待ち下さい金剛姉様!」

霧島「じゃあ私も頂きます!」

比叡「ヒエーー!みんな待ってぇーーー!」


提督「ぷっ…嵐のような奴らだな。」





〜40分後〜



提督「ふむ、大体の反応は良かったな。風呂上がりに食う飯と冷たい飲み物。これは最高だよなぁ。さて、そろそろ俺も食うか。何処で食おうか………ん?あそこのグループが良さそうだな。静かだし。」

俺はそのグループに話しかけた。

「よう!悪いけどいっしょに食べて良いか?」

グラーフ「ん?新しいアトミラールか。私は構わんが他は?」

ビスマルク「あら、全然良いわよ。ちょうど退屈してたの。」

プリンツ「うん!私もオーケーですよー!」

レーベ「僕も別に良いよ。」

マックス「私も大丈夫だよ。」

U「………スゥ…スゥ…」

グラーフ「アトミラール、ユーは眠らせておいてやってくれ。余程疲れていたんだ。」

提督「あぁ、わかってるよ。」

それにしてもドイツ艦とは珍しいな。こいつらはほとんどお目にかかれないらしいのだが…そんな奴らがこうも揃っているとあの野郎は艦娘達を酷使してやがることがわかる。余計な爪痕を残していきやがるいけすかねぇ野郎だ。

提督「悪いな、邪魔するぞ。にしても君達は最近配属されたのか?」

グラーフ「あぁ、そうだ。ここの元のアトミラールは最悪と言う以外の言葉が出てこなかったがな。」

レーベ「でも今は違う。こうやってみんな笑顔になってる食事をしているよ。」

ビスマルク「そうね。新しい提督がこんなに優しいからみんなやっと解放されたんだと思っているんでしょうね。」

マックス「私も、前の提督は嫌い。けど今は新しい提督が居るから大丈夫。それに優しい人だ。私は良かったと思ってる。」

プリンツ「でも提督はどうしてここの提督になろうと思ったんですか?」

提督「…………正直な話、この鎮守府に配属される前までここのことを知らなかったんだ。けど、元帥からここの現状を聞かされたとき、俺はこの鎮守府しかないって思ったんだ。」

ビスマルク「え?どうしてなの?」

提督「さぁなぁ…何でだろう?わっかんねーわ」

プリンツ「フフッなんですかそれ。」

それから10分ぐらいいろんな事を語り合った。

海外艦とは言え、日本語が上手いやつばかりだ



提督「さて、みんな。今日はもうお開きにしよう。入渠する前にも言ったと思うが今日明日明後日は自由だ!好きなように過ごすんだ!いいな?じゃあ解散!」

提督がそう言うと艦娘たちは名残惜しく思いながらも各自の部屋に戻っていった。


「あの!」


提督「?」

白露「今日はどうもありがとう!提督!」

夕立「夕立もう食べられないっぽいー。んふ♪」

村雨「もう、行儀よく!」

時雨「本当にありがとう提督。凄く美味しかったよ。」

春雨「まさか昨日の人が司令官になるなんて…思ってもみませんでした。けどこれからは宜しくお願いします!」

提督「ああ、よろしくな。何かあったらいつでも言えよ!」

村雨「うん!ありがとう!提督!」


……………天使か?あいつらは



よし。書類でも片付けるか。







〜司令室〜



転生神の与えた力の影響か、書類を書き始めて8時間以上経っても疲れが無い。まるでロボットのようだ。まあそのおかげで、5ヶ月分の仕事が終わってしまった。どの様に書いたら良いか、どの様に進めたら良いかなどを考えてるうちはあっという間だった。


提督「2300か…自分でも驚きだな。

よし。今日はもう寝よう。」

艦娘達も今頃は寝ているだろう。俺も睡眠をとろう。

そう思い、風呂と後片付けを済ませ、司令室の寝室で眠りについた。



〜翌日〜


提督「うううん!よく寝たぜ。今は0600か。

こんな朝早くに起きたのは久々だな。」コンコン

「ん?」

陽炎「司令!陽炎よ!もう起きてる?」

提督「ああ、起きてるよ。入って良いぞ。」

ガチャ

不知火「司令。おはようございます。」

提督「お、不知火も一緒だな。どした?お前達もこんな朝に。」

陽炎「私達は今日秘書艦担当なのよ?秘書艦シフト見てないの?」

提督「あ、そうなの?それがある事も忘れてたわw

というか秘書艦って1人までじゃ無いの?」

不知火「……前の司令が私達で遊ぶ為にわざと2人にしたんですよ。普通の秘書艦とは全く違う仕事を。」

提督「………わかった。もうそれ以上は話さないでいい。思い出したくないもんもあるだろ。」

不知火「申し訳ありません。」

陽炎「本当にごめんね。司令」

提督「謝んなよ。それにしばらくは秘書艦の仕事は無いぞ?」

2人「………え?」

提督「だって俺昨日のうちに溜まってた仕事も合わせて5ヶ月分の書類を終わらせちまったからな。お前達の食事が終わった後に。」

不知火「私達の食事が終わった後って……」

陽炎「えーーっと…え!?大体8時間以上はぶっ通しでやらないと無理よ!?本当にやったの!?」

提督「ああ、ほら」デデーン!!

提督は棚の上に置いてある昨日自分が終わらせた書類を陽炎たちに見せた。

不知火(ボーゼン)

陽炎「うっそぉ…本当に5ヶ月分を綺麗に…

司令ってば一体何者?」

提督「え?普通の人間ですが何か?」

提督はそう言うと陽炎達に指示を出した。

「そうだ。せっかく朝早くに来てくれたんだ。一つ仕事をしてもらおうか。」

二人「!」

2人ともそんなに身構え無くても…けどまぁしょうがないよな。酷い扱いを受けてたんだ。人間不信にもなるわ。特に男に対してはな

提督「よし、今から俺が朝飯を作るからお前たちはそこに座ってろ。そして俺の作った飯を食べて今日は上がれ。他の秘書艦担当達にもしばらくは仕事はなしって伝えといてくれ。それがお前達の仕事だ。」

2人「…は?」

陽炎「ちょ、司令!どういう事!?」

不知火「私達に朝ご飯って、そんなことして良いのですか!?」

提督「何を驚いてんだ?せっかく俺のために起きて来てくれたんだから仕事が無いにしても何か労いをやらんと俺の気が済まん。それに……」

提督は陽炎達から顔を逸らし、呟いた。

「俺はあの黒提督みたいな奴が大っ嫌いなんだ。自分の事は棚に上げ、艦娘達を遊び道具にして、いざという時には艦娘達を盾にして逃げる。

そんな奴を俺は何千回と見てきた。だからお前達を助けたかった。そして助けた。これだけで満足だよ。俺は。」

提督がそう言って陽炎達に向き直ると、二人は涙を流して佇んでいた。

提督「うわっ!ちょ!ごめん!なんかまずい事言ったか!?ごめん!」

陽炎「あ、ううん。私たちそんなこと言われたことなかったから…」

不知火「………司令には感謝してもしきれません。」

提督「ふっ…もう苦労しなくて良いぞ。それと、泣きたい時は泣けば良い。中途半端に泣くとまた苦しいものが溜まって泣けなくなるぞ。じゃ、座って待ってろ。いま飯作ってやるから。」ガチャ、バタン

陽炎「ねぇ、不知火…」

不知火「…はい」

陽炎「泣いて良い?思いっきり泣いても良い?」

不知火「し、不知火ももう…我慢ができ、ませ…ん…う、うう…」

2人「うわぁぁぁぁあぁぁぁぁあん!!!!!」

2人は抱き合ってただひたすらに泣いた。

これ以上無いぐらいに泣いた。




うわぁぁぁぁあぁぁぁぁあん!!!!!

提督「おーおー遠慮なしかよ。溜まったもん全部出しとけよー。もうすぐ出来上がるからな。」

などと言う独り言を呟いて提督は微笑んだ。


15分後…



ガチャ


提督「よう。待たしたな。」

陽炎「あ、司令…」

二人共目が腫れている。多分今までで一番泣いたんだろう。

不知火「司令、朝ごはんまで作っていただいてありがとうございます。」

提督「なに、気にすんな。ほら、たーんと食いな。」

提督は自分の分は自分の机に置いて、陽炎達に大盛り牛丼を渡した。

香ばしい肉の香りと焼肉のたれの匂いが陽炎達の空腹の虫を刺激する。

二人「……頂きます…」

提督「いただきます!」

大体10分ぐらいで皆食べ終え、陽炎達はこれ以上無いぐらい満腹を味わい、幸せを噛み締めた。

不知火「司令、ご馳走様でした。」

陽炎「凄く美味しかった。料理の才能あったりして…」

提督「ん、お粗末様でしたってね。ま、適当に作ったんだけど、喜んでもらえてよかったぞ。

ほら、皿をよこしな。洗っといてやるから。」

陽炎「ううん。これは私が洗うよ。そうじゃないと司令に申し訳が立たないよ。」

不知火「不知火も同意見です。せめてもの礼をさせて下さい。」

二人の目は真剣だった。提督もこれには参ったのか…

提督「……わかった、助かるよ。」

陽炎「それ、こっちのセリフw」


食器を洗い終えた後、2人は礼を言って、司令室を出た。今頃はみんなにしばらくは秘書艦の仕事が無いことを伝えてまわっている頃だろう。

しかし…暇だ。いつもサボる事ばかり考えてた俺が自分から仕事をしないといけないと思うのはどういう事だ?5ヶ月分の仕事も終わらせたし…どうしろってんだ。

提督「………ここの鎮守府ってそう言えばいろんな施設があるよな。周ってみるか。」

そう言い、提督は司令室を出た。




提督「無駄に広くね?迷っちまったよ。」

そこらを歩いていると何処にきたのかわからなくなってしまった。すると、

朧「提督!ここで何を?」

提督「ん?朧か、いつもの三人も居るな。」

漣「おはようございます!ご主人様!」

潮「お、おはようございます…」

曙「ふん、おはよ。クソ提督。」

クソとは何だクソとは。ま、最もな意見だな。

俺は元はクソ人間なんだ。何もいう権利はない。というか、曙はこれが普通らしいからな。クソ提督と呼ぶのは俺に強くなって欲しいからだろうな。精神的に。

提督「おう、おはよう。実はやること無くなってな。この鎮守府の施設を見て回ろうと思ってさ。」

曙「やることが無いって…あんた書類とかはどうしたのよ。」

提督「ん?今日の分も入れて5ヶ月を終わらせちまったからな。昨日のうちに。だからやることが本当にないんだよ。」

4人「え?」

漣「そ、それはマジですか?」

提督「うん。大マジ。」

朧「さ、流石にそれは無理でしょ。だって1日で五ヶ月分の書類を片付けられるわけがないでしょ?多分…」

潮「そ、そうですよ。そんなことができる人見たことないし…」

曙「全く、ホラを吹くのも大概にしなさいよ。」

提督「えー、信用して無いな。じゃ司令室まで連れてってくれよ。この鎮守府無駄に広いから迷っちまってさ。」

朧「うんまあ、無駄に広いのはわかるわかる。

しょうがない。連れてってあげるとしますか。」

提督「お、ありがとな。」

曙「今回は特別よ、クソ提督。」


司令室


提督「な?言った通りだろ?」


4人「」アゼン


漣「う、うっそ…」

潮「い、一文字も間違いもない…」

曙「これ、全部!?」

朧「まさか、嘘じゃ無いとは…凄い…。」

提督「信用してくれたかな?ま、とにかく司令室には戻ってこれたし、ありがとよ。」

曙「そ、それは良いけど、アンタこれからどうすんの?また迷うつもり?」

提督「いや、今度はちゃんと地図を持って行くから心配はいらん。サンキューな。」

潮「…さ、最初からそうすれば良かったのでは…」

提督「ハハ…間違いはないかな。じゃありがとうな。あ、そうだ。お礼にこれをやるよ。」

提督は冷蔵庫からアイスを取り出して4人に手渡した。

漣「え?い、良いんですか!?ご主人さま!?」

提督「ああ。遠慮なく食え。じゃあな!」バタン

朧「………本当に、今までの提督とは大違いね…多分」

曙「………何であんなに優しいのよ。あのクソ提督は…」

潮「でも、すごく嬉しいです…」





提督「よし。今度は地図があるから大丈夫だ。というか潮の言う通り何で最初から地図を持って行かなかったんだ?バカか俺は。」



弓道場


提督「ここは…弓道場か。ん?鳳翔さんと一、二航戦に五航戦がいるな。おーい!」

鳳翔「あら、提督!ようこそ弓道場へ。」

翔鶴「提督。どうかされたんですか?」

提督「いや、実はここの鎮守府の様子でも見ておきたくてさ、最初に来た施設が、ここって訳。」

赤城「そうでしたか。あ、でも執務の方は大丈夫なんですか?。」

毎度この質問と来た。もう答えるのも面倒だわ。

あ、そうだ。俺の記憶を見せてみるか。

提督「あ、それは話すと長くなるから、これを見てくれ。」

提督はそう言うと、指先に光を出現させ、赤城たちを包み込んだ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜





加賀「い、今のは、流石に驚きました。」

瑞鶴「え?え?今の光景はなに?陽炎達と朧達が書類の事で驚いてたのがみえたんだけど…」

飛龍「そ、それに、陽炎と不知火が嬉し涙を流して…」

蒼龍「て、提督…今のは一体?」

提督「簡単に言うと俺のさっきの記憶をお前達に見せた。って事だな。あ、どうやってやってるとかは聞かないでくれよ?頭の中でイメージしたら勝手に出来てしまうんでね。」


鳳翔「凄い…」

提督「よし。一目見たら次に行くつもりだったから、俺はこれで。」

蒼龍「あ、提督!せっかく来たんだからゆっくりしていけばいいのに…」

翔鶴「そうですよ提督。5ヶ月分の資料をお一人でまとめたのですから。」

提督「んーじゃあちょっとだけ言葉に甘えようか。」

赤城「提督。そういえば弓道はやったことありますか?。」

提督「いや、やったことないな。」

加賀「では試しにあの的に一矢撃ってみて下さい。」

加賀はそう言うと俺に練習用の弓矢を手渡した。

提督「え、良いのか?多分見ても面白くないと思うが。」

鳳翔「提督が私たちのお話相手になるだけでもう十分過ぎる程幸せなんですよ。前の提督は私達に見向きもしませんでしたから…」

提督「そ、そうなんですか…じゃあ一発かましてみるか。」

7人の空母達は提督の矢を打つ瞬間を見逃しまいと提督をじっと見る。

提督(………俺には弓なんて要らないな……けど上手く行くか?矢を投げて上手く当たれば良いが)

提督は弓をその場に置き捨て、矢の腹を握り締めて、少し力を入れて的に向かって矢を投げた!!!

提督「うぉらぁ!」ブゥオン!ビュウウウ!!

ズドォオオオン!!!

7人「」

的は粉々に砕け散り、周りの壁や天井に大きいヒビが音を立てて現れた。

提督「………ぬあ!?すいません!弓道場をめちゃくちゃにしちゃ…」

瑞鶴「凄い!凄い!え!?今のどうやってやったの!?」

提督「……へ?」

赤城「な、なんて威力なの!?」

加賀「あ、あんなのを食らったら無傷では済まないわね…」

飛龍「弓を使わないで私達よりも威力の高い破壊力を持ってるなんて…提督…凄すぎますよ」

みんなの反応は俺を怒るどころかますます俺を信用する目に変わった。

翔鶴「い、今のも頭のイメージですか?」

提督「あ、うん…そんなとこ。にしてもすいません。弓道場は俺が直します。」パチン

7人「え?」

提督は指を鳴らした。すると弓道場はキラキラの光に包まれて元どおりになった。

7人「」(・Д・)

提督「…………先に言っときますけど俺はちゃんと人間ですからね?」

蒼龍「アッハイ」

それから20分ぐらい良い意味で絡まれたが、何とか解放してくれた。

提督「はぁ…いろんな質問攻めで一気に疲れた…。次行こ次」





〜鎮守府庭周辺〜



あれから様々な施設に周った。

駆逐艦寮・食堂・入渠室・など、

みんな個性豊かな艦娘たちだった。

駆逐艦達は俺よりも元気だったなぁ

俺が助けたあの男の子は今頃何やってんだろうなぁ

いや、俺はもうあんな世界はうんざりだ。その世界から逃げたことになるが、俺はそれでもあそこにはいたくない。何とでも思われてもいい。

もう忘れよう…



球磨「ん?提督?そんなとこに座って何を考えてるクマ?」

提督「……ああ、球磨か。いつもの4人も一緒じゃないか。」

北上「あたし達はここで散歩してたんだけどね。」

木曽「球磨姉と多摩姉がどうしてもってせがむから仕方なくだがな。」

多摩「余計な事は言わないで良いにゃ。」

大井「で、ほんとにこんなところで何をしていたんですか?」

提督「別に?ただ風に当たってただけだよ。」

北上「そう?それなら良いけどさー。

あ、提督。これでもあたしらは感謝してるんだよ?あいつからあたしたちを助けてくれたから。」

提督「あいつ?あぁ、黒提督の事か。良いんだよ、気にすんな。俺もあの黒提督を一目見た時から気持ち悪かったからな。今まで艦娘達をゴミみたいに扱ってきた報いだ。因果応報って奴だな。」

大井「……ま、北上さんは私のものですけどね〜」

北上「もー大井っち〜こんなとこでは駄目だよーw」

球磨・多摩・木曽「あいつらは相変わらずだ(クマ)(ニャ)(な)」

提督「ハハハ…そんじゃ俺はもう司令室に戻るよ。」

球磨「あ、そう…わかったクマ。よければ今度一緒に散歩に行くクマ?」

提督「ああ…その時にまた一緒に行こうな。」

多摩「約束ニャ!」

球磨達と散歩の約束をした俺は司令室に戻った。







〜司令室〜





ガチャ


大淀「あ、提督!お帰りなさい!」

提督「ん?大淀?いつの間に?明石と夕張と青葉まで」

明石「昨日の件なんですけど、大型建造の件で提督が資源を使って欲しいと言っていたじゃないですか。」

あ、そう言えば昨日そんな事言ってたな。




〜昨日の食堂にて〜



青葉「いやー全くなんて美味さでしょう。出来れば記事にしたいほどですけど…許してくれますかね…今の司令官でも。」

夕張「大丈夫ですよ。きっと…今の提督ならきっと…。」

明石「大丈夫大丈夫!だってあの新しい提督は工廠まで直してくれたんだから!」

大淀「え!?あのボロボロになってしまった工廠を!?」

明石「うん。食堂に行く前に資材点検しに行ったらキラキラのピッカピカに。大型建造も可能になってたよ。」

青葉「い、一体どうやって?」

夕張「さ、さぁ?」

提督「よ!どうだ?間宮さんたちの作ったうどんは。」

明石「あ、提督!工廠の件はありがとうございます!うどんはもう絶品ですよ!」

提督「そうか!それを言ってくれて安心した。工廠は最初見たときは驚愕したな。あれはもうほとんど廃墟状態だったぞ。よく持ちこたえたなほんと。」

大淀「あ、あの提督?一体どうやってそんな一瞬で工廠を直したんですか?」

提督「え?どうやってって言われても…説明が難しいんだよなぁこれ。まぁ、簡単に言うと、頭の中でイメージして直した。ってとこ。普通ならそんな芸当は出来ないだろうけど、俺の場合はちょっと別なんだよな。でもこの力は間宮さん達にも見せたけど、あんまり使うと世界の常識を覆してしまうから危険なんだよ。だから、非常時の時に限り使うようにしてるんだ。ま、そんな事しなくても妖精さん達の力を借りれば良かったんだけど…どうも妖精さん達はまだ怯えて出てこないみたいなんだよなぁ。」

夕張「そ、そうなんですか…凄い…本当に人間ですか?」

提督「ひでぇ!?人間だよ!」

青葉「プッ」

大淀「クスッ」

明石「あっはは!面白いですね全く!」

青葉「あ、そうだ司令官。私は取材をしてるんですけど出来れば今日から取材の許可を…だ、駄目…ですかね?」

提督「え?取材?良いよ全然。許可を取る必要も無いだろ?」

青葉「え、ええ!?そんなあっさりしてて良いんですか!?」

提督「黒提督に何を言われたか知らんが、俺は立派なもんだと思うぞ。取材をするのは艦娘たちに取って意見を聞いたり言ったりするための心のケアにもなるからな。だから遠慮なく取材しろ。ただし、でっち上げた記事は書くんじゃないぞ?」

青葉「はい!あ、ありがとうございます!」

大淀(な、なんて心優しい人なの…こ、こんな人見た事ないわ…)

夕張「あ、あの提督。私も一つお願いが…」

提督「ん?」

夕張「私にも明石さんの手伝いをさせてください!前の提督はそれを許してくれなくて…いつも私も他のみんなも出撃に回されて…」

明石「夕張ちゃん…」

提督「…………いいぞ。」

夕張「……え?」

提督「あの野郎…想像以上に艦娘を下に見てやがる。艦娘も人間とほぼ同じだってのに…それなのに…

ま、とにかく、お前達は今までよく頑張った。もう我慢も頑張りを無理に見せなくて良い。

もう…もう大丈夫だ。」

明石「………グスッ」

大淀「提督…本当にありがとうございます…!」

提督「ハハッ泣いてばかりだなみんな。」

青葉「こ、こんなに私達によくしてくる人なんて居てないですから…泣くなって言う方が無理ですよ…!ううっ…」

提督「………………俺が優しいんじゃない、

この世界がおかしいんだ。あの黒提督も、今の世も強い者だけがのさばりやがって…胸糞悪ぃ…」

艦娘達はどんどん提督の優しさに触れ、心が満たされていく。そんなひと時はあっという間だった。



明石「そうだ提督。せっかくだから大型建造を試してみませんか?」

提督「お、早速使うのか?資源はどれぐらいあるかわかるか?」

大淀「えーっと昨日までの記録には

燃料が2万

弾薬が1万5000

鋼材が2万1000

ボーキサイトが9500ですね。」

提督「ふむ。じゃ、こうしよう。」


[6000/5000/7000/2000]


青葉「おお、なんかそれっぽいですね。」

夕張「多過ぎず、少な過ぎず、ってところかな?」

提督「というか何でこんなに資材があるんだ?」

大淀「おそらく…黒提督が隠していたものでしょう…あの方は資材を売ってお金にしていましたから…」

提督「聞けば聞くほど下衆野郎だな全く。」

明石「アハハ…でも今は貴方がいるから大丈夫ですよ。資源も全振りじゃ無いし、余裕はまだまだあります。」

提督「よし!じゃあ頼むぞ明石!夕張!」

明石・夕張「はい!」ビッ!








〜そして現在〜






そういえば大型建造の予定を入れていたな。

休みだと言うのに明石たちには悪いことをしてしまったな。チッ…俺もまだまだガキだな。


夕張「提督?聞いてます?」

提督「あ、ああ、聞いてるよ。で?大型建造がどうかしたのか?」

青葉「昨日、大型建造を始めたのが夜中の4時ごろなんですよ。」

明石「そうしたら建造時間が8時間という異例の時間が出てきたんです…」

提督「え?ちょっと待て、お前達そんな時間に起きてんの?眠たくないのか?」

大淀「それは眠たいですよ…でも起床時間を前の提督がそう決めていたので…」

提督「………ごめんな……俺が先に起床時間を伝えてれば…」

夕張「あ、いいんです!いいんです!私たちはもう慣れてしまいましたから…」

提督「ほんと君達凄いよ…よし!」

提督は館内放送をかけた。

ピンポンパンポーン

提督『こちら司令室、提督だ。急な話だが、明日からの起床時間は9時までとする。みんな!要は9時までに起きれば良いからそのつもりでな!以上!」

ピンポンパンポーン

青葉「し、司令官…」

提督「これで良いんだ。もうあんな奴の言うことを聞く必要は無いんだ。」

大淀「ほんとにあなたは…お優しい方なんですね…」

提督「そんなことないよ、あ!悪い!話の途中だったな!それで大型建造がなんだって?」

明石「あ、はい!今の時刻は1220だから後10分もすれば完成します!あ、始めた時間は0430です!」

提督「あ、なるほどな。8時間という異例な時間だから俺が来るまで待っててくれたのか。グッドタイミングだなこりゃ。」

青葉「ですね!では早速工廠に行ってみましょう!」

提督「ああ。そうだな!あ、それにしても悪かったなお前たち。休みの日なのに仕事を頼んで。」

明石「い、いえ!こんなの仕事のうちに入らないですよ!」

夕張「そうですよ!私達にとっては建造する事が楽しみなんですから!」

提督「そ、そうか?まぁ、喜んでくれるから良いか…?というかお前達も来んの?」

大淀・青葉「もちろん!」

提督「………ま、いっか」




〜工廠〜




明石「あ、後2分ぐらいですね!」

青葉「一体どんな艦娘が現れるんでしょう?」

夕張「さぁ…?検討もつかないわ…」

大淀「8時間というぐらいだからもしかして戦艦だったりするんですかね?」

提督「まぁ大型建造だしその確率は高いな。」

ビーーーーーー!

明石「あ、時間です!」

ウィィィン……バタン


???「どうも初めまして!」

大淀「!こ、この艦娘は!」

提督「ん?知ってるのか?」

青葉「いや、知ってるも何もこの人は最強の戦艦ですよ!?」

明石・夕張(絶句)

大和「私は大和型一番艦、大和です!推して参ります!」

提督「おう!よろしくな!大和!」

4人(いろんな意味で凄いですこの人…)

提督(…………大和って言ったか。何か思い詰める事があるのか?少し心を読んでみるか…)

大和(優しそうな提督…私…ここで上手くやっていけるのかしら…他の艦娘達は何故か怯えているような…そ、そんなに私って怖いのかしら…)

提督(ふむ、なるほど。どうやら心の問題は無さそうだな。)

「さて、大和。これから早速出撃してくれ!と、言いたいが、今はみんな休暇中でな。今日と明日まではゆっくり休んでいてくれ。

大和「あ、はい!わかりました!」

提督「よし、大淀、大和を専用の自室に案内してやってくれ。」

大淀「は、はい!了解しました!」

青葉「あ、なら青葉も一緒に行きます!色々聞きたいことがありますので!」

提督「ん、わかった。頼んだぞ二人とも。大和もゆっくりしていけよー!」

三人「はい!」ビッ!

提督「さて、明石と夕張。ありがとな。苦労をさせてしまったが。」

明石「いいえ。こちらこそありがとうございます!」

夕張「それにしてもびっくりですねぇ。まさか最強の戦艦が建造に成功するなんて…」

明石「提督は豪運ですね…」

提督「それほどでも。ま、二人とも今日は散歩にでも出たらどうだ?」

明石「うーんそうですね。この鎮守府からは出ないように歩いてきますか。」

夕張「あ、私も行きます!提督はどうします?」

提督「いや、俺はちょっと屋上に行って風に当たってるよ。そっちはそっちで楽しんできな。」

明石「そうですか。あまり当たりすぎたら身体に毒ですよ?じゃ、行こっか夕張ちゃん!」

夕張「はい!」


提督「………………」





〜鎮守府屋上〜



提督「…………誰もいないな。よし!」

提督は強く念じ、手に光を現し、刀を取り出した。

「本当に驚きだな…。念じただけでも出るのか…刀は重いと聞くけど、大して重くは無いな。本物かどうか確かめるか…」

提督は周りにある鉄格子を力を込めて斬った

ガキィン!!!

「ッ!?こんな硬いものが斬れた!?」

鉄格子は真っ二つになっていた

「もしかして俺ってすんごい危ない人間なの?

本物の刀を取り出したり、念じて指を鳴らしただけで思い描いた物が出てきたり、……やはりそんな簡単にはこういう力を使わない方がいいな。ん?誰か来るな!も、戻れ!」

スッ…

パッ…

提督は刀を消し、斬った鉄格子に光を当てて元に戻した。

「よし、間に合った。というか誰だ?俺以外に屋上に来る奴なんているのか?………ここに座っとくか…」


白露「いやー屋上の風は良いねー!気持ちがいいよ!」

村雨「白露姉さん!待ってー!」

春雨「そんなに走ったら危ないです!」

夕立「うーん!たしかに気持ちいいっぽい!」

時雨「慌てて階段を上らなくても良いのに…」

夕立「ん?あれは提督さんっぽい?」

白露「あ、ほんとだ。何やってんだろ?」

時雨「声、かけてみる?」

春雨「そうしますか?」

村雨「おーい!提督!」

提督「ん?おお、白露達か。お前達も屋上に来たのか。」

夕立「うん!風にあたりに来たっぽい!」

春雨「司令官はどうしてここに?」

提督「俺も似たようなもんさ。風に当たってれば落ち着くもんでな。」

白露「そうなんだ。でも提督、そんなとこに座ってたら危ないよ?お、落ちちゃうよ?」

提督「なに、死にはしないさ。」

村雨「いやいやいや!この高さから落ちたら死んじゃうよ!?早く降りて!?」

提督「わ、わかった、わかったから落ち着け…ズルッ え?」

ヒュウウウウウ

ドォン!!!


白露たちは一瞬何が起こったかわからなかった。だが、目の前にいた信用できる人間が目の前から消えた。いや、落ちた。落ちてしまった。

時雨「あ、あ、ああ…そ、そんな…」

夕立「あ、あう…て、ていと、くさん? 」

春雨「い、嫌…!そ、そんなぁ…」ブルブル

白露「え?………て、提督…?じょ、冗談だよね…?」ガクガク

村雨「あ、いやぁ…提督ーーーーーーーー!!!!!うわぁぁぁぁあん!!」

時雨「こ、こんなことって…」ガクッ

信じたくなかった

自分達の信じる提督の落ちた先を見ることができなかった。



しかし…!



「おーい!」

五人「!?」

下から白露たちを呼ぶ声が聞こえる

五人は無我夢中で声のする方を見た

するとそこに居たのは落ちたはずの提督だった

白露「提督!?大丈夫なのー!?」

高い所からの会話だからか、軽く叫ぶぐらいの声量では無いと聞こえない

提督「ああ!うまく着地したから俺は無傷だ!いまそっち行くから下がってろー!」

夕立「え?下がってろってどういう意味?」


提督「よし、この辺りから行くか…

っ!!!!!」

ズァア!

ドドドドドドドドドドドド!!!!!バン!!


提督は全速力で走り、マンションの4階程はある距離をジャンプで跳び越えてきた!

提督「ほっ!」スタッ

五人「」ボーゼン

提督「だから死にはしないって言ったろ?」

時雨「うぅ…うわぁぁぁぁあぁぁぁぁあん!!!」

春雨「司令かぁぁぁぁぁあん!!!よかったぁぁぁぁあ!!!」

村雨「うっうぅうぁぁぁぁぁ…!」ドドドッ!バターン!

提督「ぐはぁ!?

おいおい、そんな抱きつくなお前ら!」

夕立「だ、だって…提督さん生きてたから…嬉しくてぇ…」

白露「提督ぅぅう!!!」

こりゃしばらく離してくれそうも無いな。

落ち着くまで待つか….


〜30分後〜


提督「そろそろ落ち着いたか?」

時雨「………うん。」

春雨「……司令官。本当に無事で良かったです…。」

こんなに泣いてくれるなんて…誰かが俺のために泣いてくれることなんてもう無いと思ってた。

家族も繋がりも全部捨てた俺に、悲しまれる資格あんのかな…

いや、無いよな。俺は黒提督よりも酷い奴かもな。

夕立「……?提督さん?な、何か考えごと?」

そんなことを考えている俺の表情を見て夕立が心配そうに聞く

提督「 え?いや、なんでもないよ。お前達がそんなに泣くからどうしたら良いかわかんなくてな…」

白露「だって!だって提督は私達を救ってくれたから!私達が信用できるのは提督だけだから!し、死んじゃったら…私達もう立ち直れないよぉ…」

村雨「提督…!お願いだから死んじゃ嫌よ!

私達…ううん…この鎮守府のみんな、提督が居ないとまた元に戻っちゃう気がするの…だから!だから!」

提督「わーかったつーの。くどく言うがな、俺は死ぬつもりも死んでやるつもりもないからな?俺は提督として、一人の男として、お前達を置いて死ぬわけにはいかない。」

時雨「ほ、本当に?」

提督「俺は冗談は言ったりするが、嘘は言わない。」

夕立「提督さん…」ギュウ…

春雨「司令官…」ギュウ…

提督(もう少しこのままでいてやるか…)




しばらくして…


〜鎮守府庭周辺〜





村雨「提督?本当に大丈夫?」

提督「ん?心配は無いよ。大丈夫だ。」

白露「ほんと人間離れしてるよね提督…」

夕立「うんうん。あの高さを跳びこえるなんて到底出来ない芸当っぽい。」

時雨「あの高さから落ちたのに着地したのも凄いよ…」

春雨「春雨は司令官が無事なら何でもよかったです…はい…」

…………………マジで天使か?こいつら

提督「あ、わかってると思うけど。」

時雨「うん、どうやってるかはもう聞かないよ。」

白露「それも頭のイメージなんでしょ?」

提督「まあな」

夕立「私はイメージするより恐怖が先に出て思い浮かべれないっぽい…」

村雨「私も…」

本当はイメージもクソも無いんだけどな。

ただ心の中で念じた事が実現するだけなんだ

さっきの落ちるところだって、俺にとっては机から降りる程度の感覚だった

次元を割るだけじゃない。何しろ空も飛べちまう。白露達の言う通り、人間であっても人間じゃ無いかもしれないな。全く。

提督「まぁ、もう大丈夫だから、どこが好きなところで遊んできな。」

春雨「嫌です。今ここで司令官と別れたらまたあんな事が起きてしまうかも知れないです!」

提督「おいおい…w大丈夫だって。絶対に死なないから俺は。」

時雨「口だけならなんとでも言えるよ!怖いんだ…提督が居なくなるのが…」

提督「……じゃあ約束だ。俺は死なないし、お前達艦娘を守ってみせる。俺の命もお前達に預ける!俺はお前達を信じる。だからお前達も俺を信じろ。」

5人「!!!」

夕立「ほ、ほんとに?」

村雨「私達を守ってくれるの?」

提督「あぁ!約束だ!」

白露「……うん。わかった!私達、信じる!」

他の4人も頷いた。

提督「ありがとうな。よし!お前達を泣かせてしまった詫びに間宮さんのところで飯でも奢ってやろう!そろそろ食堂も再開する頃だろうからな。」

時雨「ほんとに!?」

夕立「やったー!嬉しいっぽい!」

春雨「でも、良いんですか?」

提督「人の好意は素直に受け取っとくもんだぞー」

村雨「提督…ありがとう!」

白露「ね!提督!みんな!早く行こ!」


白露達は間宮食堂で好きな食べ物を頼んで幸せそうに食していた。その後は不安ながらも白露達は提督と別れた。





〜鎮守府内廊下〜


提督「ん!?もう2030か。時間が経つのは早いもんだ。飯でも食いに行くか。」

そう言い、提督は間宮食堂向かった。




〜間宮食堂〜

提督「この時間帯は艦娘たちが多いな。営業が再開したのは今日の昼程度だったのに…」

ま、それ程人気なんだろうな。間宮さんの作る料理は。それに伊良湖さんもいるしな。

本来ならこれが普通なんだ。 黒提督のせいで艦娘達の普通が乱されていたんだ。

「何にせよ、良かったよ。本当に。」

川内「何が良かったの?」

俺の独り言を聞いていたのか、川内型三姉妹が俺の後ろにいた。

提督「へぁ!?おい!いきなり後ろに立つな!ビックリしたわ!」

那珂「アハハ!提督の今の反応面白い!」

神通「もう!那珂ちゃんったら…提督、姉さんと妹が失礼しました。」

提督「あ、いや気にしないで良いけどな。」

川内「そういえば提督も今からご飯?」

提督「あぁ。間宮さんの作る料理は絶品中の絶品らしいからな。俺も食べておきたくてね。」

那珂「あ、そうなの?間宮さんの作る料理は那珂ちゃん達も久々だよね?」

神通「そういえばちゃんとしたお料理を食べるのは久し振りね…」

川内「まぁ、提督も食べて損は無いよ!さっき提督が言ってた通りの味だから!じゃあ私達も頼んでくるねー!」

提督「おう!待たな!」

川内たちと別れた提督は今度は鳳翔とすれ違った。

鳳翔「あら提督、こんばんは。」

提督「あ、鳳翔さん。こんばんは。」

鳳翔「提督も間宮さんの料理を頼むのですか?」

提督「今日の夜食はそうしようと思ってます。」

鳳翔「ふふ。そうなのですね。私は先ほど頂いたばかりなので、提督も早く頼まれては?」

提督「そうですね。わかりました。」

鳳翔「あ!提督!実は私もお店を再開したのですが、今度またいらして下さいね!」

提督「へぇ!鳳翔さんも間宮さんみたいなお店を持ってるんですか?」

鳳翔「はい!また、ゆっくりそこでお話ししましょう。」

提督「はい!その時にお願いします!」

鳳翔とも別れ、間宮の店に向かう。

間宮「あら!提督さん!今日はここで食事をなさるのですか?」

提督「はい!ぜひ間宮さんの料理を食べてみたくて。あ、日替わり定食でお願いします。」

間宮「まぁ!嬉しい!伊良湖ちゃん!提督さんが日替わり定食を注文したわ!準備お願い!」

伊良湖「え!?提督さんがですか!?はい!わかりました!」

提督「あ!二人共ゆっくりで良いですよー!?


そんなに俺が料理を注文したことが嬉しいのか、俺の言葉も届いてないらしく、調理に夢中になっている。2人のその顔は心なしか幸せそうだ。

提督「………ま、いいか………」


〜5分後〜

間宮「はい!提督さん!お待たせしました!日替わり定食です!」

提督「ありがとうございます!間宮さん!伊良湖さん!あ、これ代金です。釣りは店の足しにでもしてください!」

伊良湖「え!?良いんですか?」

提督「はい、遠慮なく受け取って下さい!」

間宮「提督さん…ありがとうございます!」

提督「いえいえ、じゃいただきます!」




隅の方に空いている席がたくさんあるな

ここらで食うか。

料理をテーブルに置いて席について一息ついた

そこへ…



雪風「あ!しれぇ!」

島風「提督もここで食べるんですかー?」

提督「ん?よう!お前達もここに来たか。静かなところで食べたいなと思ったらここら辺は席がすっからかんだからな。ちょうど良いと思ってな。」

時津風「じゃあ、あたしたちもここで食べよ!」

天津風「え?え?あなたは良いの?」

提督「ん?別に断る理由は無いし、あんまり静か過ぎても寂しくなるからな。良いぞここで食べても。」

時津風「うわーい!しれー優しい!」

提督「にしても、お前たちに限った事じゃないが、笑顔が増えたな。みんな。」

雪風「それは…しれぇのおかげですよ!しれぇがここに着任してくれなかったら雪風達は今頃…」

提督「それ以上は言うな。黒提督はもう軍から追放されたうえ、刑務所に終身刑の罪で出てこれないからな。もう安心だ。俺が来る前のことを思い出す必要は無いんだ。」

島風「……うん。ありがと。提督…」

時津風「しれー…本当にあたしたち感謝してるよ?しれーが来て良かったよ…」

提督「ふっ…お前達は律儀だなぁ。俺は人として当たり前のことをしただけなんだ。あのまま何もしないで黒提督のやっていたことを見て見ぬ振りをしたら俺も同じ事をしてるようなもんになっちまう。そんな事はしたくなかった。だから助けたのさ。お前達をな。」

天津風「…………」ウルッ

雪風「は、はい…しれぇ…ありがとうございます…」

提督「おいおいwここの艦娘は本当に泣いてばかりだなw」

島風「だっ、だって…提督みたいな良い人を私達はいままで見たことが無いもん!嬉しくて泣きもするよ…」

時津風「会えて良かった…しれー…」ギュッ

時津風はおもむろに提督の胸に抱きついた

雪風「あ、時津風ちゃんだけずるい!雪風も!」

島風「オゥ!私も!」

天津風「ちょ、ちょっと!あたしも!」////

時津風に続いてみんな一斉に抱きついてきた

提督(悪い気はしないが……この流れは何処かであったな………全く…駆逐艦ってのは甘えたがりなのか?)

時津風「うぅーん…///しれーの胸あったかい…」

雪風「雪風はなんだか安心します…///」

島風「」スヤァ…( ˘ω˘ )

天津風「…………/////」

提督「おいおいお前たち、食事は…ってもう食い終わってるし!?」(島風に関しては寝てるし!?こいつら食うのはやっ!まるで赤城と加賀だな…)




赤城「〜ックシュ!」

加賀「ックション!」

2人「???」



「………はぁーー……しょうがない…このまま食うか…」

提督は4人に抱きつかれながらもなんとかたべ終えた。味の方は絶品だったことに変わりはないが島風達のせいでせっかくの味を忘れてしまった。

提督「…………まぁ、仕方ないよな。黒提督から解放されてようやく安心出来たんだろうな。今回だけは許してやるか………っていつのまにか全員寝てるし!?」

雪風「すぅ…すぅ…しれぇ…」

時津風「スピー…クー…えへへ…しれー…」

島風「すー…すー…」

天津風「クゥ…クゥ…」

………………こいつらも天使か?


15分後…






島風「んぅ?あれ?寝てた?」

提督「よう、起きたか。食堂の隅で寝るなんてお前たち相当な目に遭わされたみたいだな。」島風「……私達はまだマシな方だよ。他のみんななんて暴力を振られたり、補給もさせてくれなかった子も居たよ…」

提督「…………それでも……お前達もよく頑張ったよ。」

そう言いながら島風の頭を撫でた。

島風「……うん///」

時津風「ん?ふわぁー…寝ちゃってた…」

雪風「うーん…あ、しれぇ、ごめんなさい。雪風、しれぇの体があったかくて眠たくなっちゃいました…」

提督「いや、良いんだ。お前達も疲れてたんだろ?」

時津風「えへへ…しれーの胸に顔を埋めてたらいつの間にか寝ちゃってた…」

天津風「う…ううん…あれ?あ!ごめんなさい!寝てしまってたわ!」

提督「やっと全員起きてくれたか。じゃ早く部屋に戻れよ?俺も司令室に戻るからな。」

島風「うん!ほらみんな行くよー!あんまりおっそいと置いてっちゃうよー!」

天津風「あ、待ちなさいよ島風!あ、あなた…ありがとう…本当に…」

提督「うん。気をつけて戻れよ。」

三人「……」ビッ!

3人は何も言わず、微笑みながら敬礼した

島風「ハーヤークー!」

雪風「まってー!島風ちゃん!」

時津風「追いついちゃうぞー!」

タッタッタ……

提督「……元気な奴らだなほんと。寝たり、走ったり…」








〜司令室前〜




提督「さて、俺も風呂に入って寝るか…」

間宮さんたちの後片付けを手伝っていたから少し時間が遅くなっちまった

ま、間宮さん達は喜んでたし、俺は別に苦では無い

鈴谷「お、提督チーッス!」

吹雪「司令官!こんばんは!」

提督「ん?鈴谷に吹雪?もう2200だぞ?こんな時間にどうした?」

鈴谷「あ、鈴谷はさっきまで一人だったんだけどさぁ、吹雪とはさっきそこですれ違ったのよ。」

提督「?何をやってたんだ?」

鈴谷「工廠で夕張と明石さんとの会話に花が咲いた。」

提督「………もう大体察せるのが凄いなオイ

で、吹雪はどうして?」

吹雪「実は私も鈴谷さんと似たような理由で……睦月ちゃんと如月ちゃんとお話をしていたらお風呂に入るの忘れちゃって…それで今から入ろうとしてたんです…ご、ごめんなさい…!」

怒られる事を覚悟してたんだな…まだ黒提督の影響は消えないか…

提督「いや、気にしないで良いよ。もう艦娘達は制限されることなく動けるんだ。好きな時に喋って、好きな時に飯を食べて、好きな時に風呂に入って、好きな時に寝ればいい。」

鈴谷「………優しいね。提督…あんな奴とは大違いだわ。鈴谷も嬉しい…」

鈴谷は心なしか涙ぐんでいるようだった。

吹雪「……!司令官!本当にありがとうございます!」

提督「ハハ…良いさ…でもあんまり無理するなよ?夜中まで起きると朝が辛いからな。」

吹雪「はい!」

睦月「あれ?吹雪ちゃん?先にお風呂行ってなかったの?」

如月「あら、司令官。こんばんは。」

鈴谷「あ、ごめん鈴谷が提督と話し込んでて、吹雪を巻き込んじゃったw」

吹雪「えぇ!?そんな事ないですよぅ!」

鈴谷…自分が悪役を買って出たのか。良い奴じゃないか。

提督「いーや、話をけしかけたのは俺だからな。悪いのは俺だ。」

鈴谷「ちょ!?提督!?」

提督「ほらほら、風呂の時間が無くなるぞ?引き止めて悪かった。早く行きな。」

吹雪「司令官…」

鈴谷「提督…」

如月(司令官…なんて良い人なの?みんなを庇おうとしてるわ…なら…)

「そうね!私達も早く行きましょ?」

睦月「うん!早くしないと時間が無くなっちゃうにゃしい!」

鈴谷「あ、やっば!0000に閉まっちゃうからね!早く行こ!提督!ありがとね!」

如月「司令官、またね!」(ありがとう♡)パチリ

如月はお礼の意味を込めてウインクした

提督「………ありがとう……か………まだ1日経っただけなのに白露達には俺に生きて欲しいと号泣され、島風達には抱きつかれ、鈴谷達にはお礼を言われ、……………俺、少しは役に立ててるかな………こんなこと考えてても仕方ない!今日はもう風呂に入ってとっとと寝よう。」




翌日…



次の日も休みということもあって、みんな和気藹々と休日を楽しんでいる。

俺が普通の人間では無いという事を艦娘達は黙認しながらも俺に接してくる。

艦娘達からすると、「自分達も実際は兵器だ」と言っていた。俺のような存在も艦娘と似たようなものらしい。だからあまり驚かないのだそうだ。さすがに弓道場で見せた光景は赤城たちに食いつかれたが…良い意味でだけど。

そんな事を思っていた時…





〜司令室〜


提督「ふぁああー…もう夕方か…1700…楽しい時間はあっという間ってか。」

コンコン

大和「提督。大和です。お時間はよろしいですか?」

提督「?大和?ああ、入って良いぞ。」

大和「失礼します。少しお話しをしたくて…。」

提督「え?俺なんかまずった?」

大和「あ!いえ!他愛ない世間話ですよ。」

提督「あ、そう?どうかしたか?」

大和「あの、私って怖いですか?」

提督「んー?別に?と言うか怖いも何も、そんなに可愛い女の人を怖いって思う方が無理だよ。」

大和「かっ!かわっ!////」カァ〜///

提督「?でも何でそんなことを?」

大和「あ…私、大和型は最強の艦娘として作られたんですが…そのせいで他の艦娘が…」

提督「あ、なるほど、あまりに強すぎるからみんなその強さにビビっちゃうと。」

大和「………はい……それに私はその強さゆえに資源を大量に消費してしまうんです。だから…」

提督「大和。」

提督は大和の声を遮った

大和「は、はい!」

提督「俺はさ、要らない艦娘なんて居ないと思うんだ。あまりに強力だから怖がられる?資源が大量に消費してしまう?だからなんだって話だ。」

大和「…………」

提督「…………それに、大和に憧れてる奴がこの鎮守府には何人もいる。いや、艦娘達はほぼ全員だ。といっても他は俺や鎮守府前の門憲兵しか居ないけど。あ、後妖精さん。それと、大和がこの鎮守府に来た瞬間、妖精さんたちがたくさん出てきたんだ。これは明らかに、大和という存在が、妖精さん達にも影響を受けた。だから俺も大和には感謝してるんだ。」

大和「提督…」

提督「だからな?大和。お前はこの鎮守府にいなくちゃならない存在だ。そりゃ、大和の強さにビビってる艦娘たちは何人かいてはいるが、

そいつらも本当は、お前を尊敬してるんだぞ?

妖精さん達もお前を見かけたら自分達からすり寄って来るだろ?」

大和(………!そ、そういえば今日も廊下を歩いてるときも…)


妖精a「ヤマトサーン、イッショ二コウショウ二イコー」

妖精b「イコー」

大和「あら、良いわよ。(可愛い!)」




大和「て、提督…どうしてそれを…」

提督「その場を見ていた時雨と夕立が俺に絡みがてらわざわざ報告しに来た。」

大和(あ、だから少し服装が乱れてるのね…w)

提督「な?みんな大和の事を見てくれている。もちろん俺も。」

大和「…………提督…ありがとうございます!大和、なんだかスッキリしました。」

提督「ん、なら良し。せっかくだ、一緒に飯でも食いに行くか?丁度鳳翔さんの店も再開したらしいから。」

大和「!はい!お供します!」




〜居酒屋・鳳翔〜






ガララ…

鳳翔「いらっしゃい…って提督!大和さんもようこそ!」

提督「ども!鳳翔さん。」

大和「お邪魔します。鳳翔さん。」

提督「ここには初めてくるなぁ…鳳翔さん、何かオススメありますか?」

鳳翔「あ、そうでしたね。それでは和食一人前はどうでしょう。」

提督「じゃあそれで!」

大和「私も提督と同じのでお願いします!」

鳳翔「はい、わかりました!」


提督「なぁ、大和。さっきも言ったけど、みんなお前の事を見てくれてるんだから、あんまり思い詰めんなよ?」

大和「はい!もう大丈夫ですよ。」

提督「それなら良いけど。」

鳳翔「そういえばお二人共、お酒は飲みませんか?」

大和「私は飲めますけど、提督は?」

提督「あ、俺は下戸なんですよ。酒やタバコは嫌いなんです。」

鳳翔「まぁ!健康な事…!」

大和「私や、他の艦娘は飲める方が多いですよねやっぱり。」

提督「うん。昨日も食堂で飛龍や、利根が大暴れしてたし。」

鳳翔「あら、そんなことがあったんですか?」

提督「まぁ、間宮さんが雷を落としてましたけど。それで静かにはなりました。」

鳳翔「あぁ…間宮さんは怒ると恐いですからね…」

大和「……そういえばそんなこともありましたね…」

提督「ほとんどの艦娘が食堂に居たからな。知らない奴は居ないと思うが。」

鳳翔「ふふ。さ、出来上がりました。和食を2人前、お待ちどうさまです。」

大和「うわぁ〜!美味しそうです!提督!鳳翔さん!頂きます!」

鳳翔「はい、どうぞ。」

提督「鳳翔さんは料理の腕も超一流なんですね。」

鳳翔「そう言っていただけると嬉しいです!

ありがとうございます!」




〜30分後〜


提督「ふぅ…ご馳走さまです鳳翔さん。」

大和「ご馳走様でした!」

鳳翔「ええ。喜んでもらえて何よりです!」

提督「じゃ、これ代金で。釣りは良いですよ。取っといてください。」

鳳翔「え!?良いんですか?」

提督「はい!また来ますよ。」

鳳翔「………嬉しい……ありがとうございます!」

大和「鳳翔さん、私もまた来ます!」

鳳翔「はい。お待ちしてますね!」

提督「じゃ、また!」

ガララ…






〜鎮守府中央噴水広場〜



大和「提督、ご馳走様でした。私はそろそろ自室に戻りますね。」

提督「あぁ、また何かあったらいつでも相談してくれよ!」

大和「はい!ありがとうございます!それでは!」

鳳翔さんの店に行く前よりは見違えるほどに気合いの入った表情をしていたな。これならもう心配は要らないな。頑張れよ、大和。



提督「さて、憲兵が帰ったところを見計らって、盗撮しようとするのは中々大胆な奴らだなあ おい。

そこにいるのはわかってんだ。諦めて出てこい。」

盗撮魔1「ヤベ!おい逃げるぞ!」

盗撮魔2「クソッ何でバレたんだ!?」

物陰から出て来た侵入者達はすぐさま鎮守府の出入り口に向かう。だが…

提督「何処に行く気だ?この鎮守府内に部外者が入った地点で逃すわけには行かない。覚悟しろ。」

提督はいつの間にか侵入者たちの目の前に移動していた

盗撮魔1「こ、このガキ!どけぇ!」

盗撮魔2「そらぁ!」

二人の侵入者は提督に襲い掛かったが、あっという間に返り討ちにあった。

バキ!ズドン!ガッ!ドガ!ドゴォ!ガスッ!ガッ!ボコ!バキ!ガン!

二人「」チーン

提督「やれやれ、記憶を消すだけにしてかえしてやるか。これに懲りたらもう来るんじゃねぇぞ。あ、カメラも潰しとくか。」グシャ!

提督はカメラを踏み潰し、侵入者達の持ち物を全て破棄し、記憶を消して鎮守府の外に放り出した。」

提督「ふぅ…これでいい。」パンパン

食後のいい運動になった。というかわざわざ軍事施設を盗撮って、物好きだな。

まぁ、十中八九艦娘たちを狙っての犯行だろうがな。

…………ちぇっ、もうちょっと殴っとけばよかったな。

提督「明日からは艦娘達が出撃するんだ。もう風呂に入って寝るか。」




イテテ…ナンデオレタチコンナキズダラケナンダ?

サ、サァ?テイウカココドコダヨ!?ハヤクカエロウゼー








〜翌日〜



〜鎮守府運動施設〜

ここは艦娘達が深海棲艦との戦いに備えて演習だけでは物足りないと艦娘達の要望があり、急遽作成した施設である

提督(ま、これも念じたらすぐ出来上がったんだけどな。)


提督「おはようみんな!今日から普通の業務に戻るが、休みボケはしてないだろうな?」

艦娘達「はーい!」

提督「よし、今日の出撃メンバーと演習メンバーはこの後呼ぶから残ってくれ。それと、遠征に行くメンバーもな。何か質問は?」

雷「はい!司令官!」

提督「ん?なんだ?雷。」

雷「その三つのメンバーの他はどうしたら良いの?」

電「あ、たしかに気になるのです。」

提督「そうだなぁ、なら他のメンバーは指示があるまでこの施設で好きな訓練をしておくと良いぞ!それもあまり気がすすまないなら後は何かあるまで自由にしろ。」

暁「わかったわ!」

響「了解。」

提督「他はどうだー?」

………

「無しだな!じゃ、まずは出撃のメンバーから行くぞ。海域はキス島だ!誰か一人でも中破してしまったらその地点で戻ってくること!良いな?金剛、榛名、赤城、加賀、時雨、夕立の6人に頼みたい!行けるか?

榛名「お任せください提督!」

加賀「久し振りの出撃ね。流石に気分が高揚します。」

夕立「夕立がんばるっぽーい!」

赤城「一航戦の誇りをお見せしましょう!」

金剛「腕がなるネ!」

時雨「任せてよ!提督!」

提督「よし!じゃ次は、演習メンバーだ。

相手の提督に失礼の無いよう全力で潰してこい!メンバーは大和、翔鶴、瑞鶴、飛龍、蒼龍、島風の6人だ!思いっきりやるんだぞ?」

大和「了解しました!」

飛龍・蒼龍「了解!」

翔鶴「久々だけど、勘を取り戻しつつ頑張ります!」

瑞鶴「まっかせといて!提督さん!」

島風「よーし!思いっきり走るぞー!」

提督「よし、次に遠征のメンバーだ。

焦らず丁寧にでいいからしっかり頼むぞ!

メンバーは球磨、雪風、時津風、天津風、吹雪、春雨だ!頼めるか?」

吹雪「はい!頑張ります!」

球磨「球磨が遠征に行くのはいつ振りぐらいクマー?」

春雨「春雨に任せてください!はい!」

時津風「しれー!あたしやるよ!」

天津風「あなたを驚かせるぐらいにしてやるわ!」

雪風「了解しました!しれぇ!」

提督「さて、以上だが、本当に質問はもう無いなー?」

シーン……

提督「よーし!では各自解散!」ビッ!

艦娘達「はい!!!」ビッ!

提督が敬礼すると、艦娘達も同じように敬礼で返してくれた。



ほんと、たった数日経っただけなのに、見違えるほどに元気になったな、みんな




〜司令室〜



提督「さてと、書類はやりたくてもできないし、俺だけふらふらとするわけにもいかないしな…どうするか…」

ガチャ

提督「ん?」

妖精「テイトクー。コウショウデオモシロイモノヲツクッテミタヨー」

提督「妖精さんか。入るときはノックぐらいしろよw」

妖精「ア、ゴメンゴメン」

提督「で、それは何だ?」

妖精「アカシサントユウバリサントイッショニツクッタノー。デモツカイカタガワカラナイカラテイトクニキキニキタノー。」

提督「?、これは九一式徹甲弾か!珍しい物が出来たな!妖精さん。これはとても良いものを作ったな!これはな、戦艦の艦娘達がうまく使える道具なんだ。」

妖精「ソウナノー?ジャアソレハテイトクニアゲルー。」

提督「そうか。ありがとう!そうだ!お礼にいいものをやろう!」

提督は妖精達専用のリンゴ飴をあげた。提督が「いつも妖精さん達も頑張っているから」

と間宮と伊良湖に頼んで作って貰った物である


妖精「ウワー!アリガトウー!オイシイ!」

提督「………なぁ、妖精さん。もう一つ良いことをしてやるよ。」

妖精「?」

パチン!

提督は指を鳴らした

妖精「んー?何も起こらないよ?ってあれ!?人間みたいに喋れてる!?」

提督「妖精さんも俺の力はもう知ってるだろ?こんなもんは朝飯前だ。それにそんなカタコトな言葉では妖精さん達も喋りにくいだろ?」

妖精「わー!やったー!人間みたいに喋れるー!ありがとう!提督!」

提督「ん、どういたしまして!」

妖精は嬉しそうに司令室を後にした。

その後、提督に人間みたいに喋れるよう、他の妖精達がワラワラと押し込んで来たのは言うまでも無い……











提督「さて、今の時刻は…1330か…昼飯時だな。間宮食堂に行くか。」



〜間宮食堂〜

提督「ん?あれは利根か?筑摩も居るな。で、その横には鈴谷と…北上?当然の如く大井も居る。」

提督が来たことに気が付いたのか、鈴谷は提督をこちら側に来ることを急かす。

鈴谷「お!提督ー!こっちこっち!」

提督「?おう、ちょっと待ってろー。」

間宮さん、伊良湖さん、天丼一つ!」

間宮「あら、提督さん!少しお待ちください!」

3分後…


伊良湖「提督さん!お待ちどうさまです!」

提督「お!うまそう!頂きます!これは代金です。」

間宮「毎度ありがとうございます!」





利根「おお!提督よ、遅いぞ!何をしておったのじゃ?」

提督「天丼を頼んでただけだ。そういうお前たちも珍しい組み合わせだな。何やってんの?」

北上「たまたま居合わせただけだよー?あたしは別に良いんだけどねー。」

筑摩「提督。聞きたいことがあるのですが…」

提督「ん?」

筑摩「白露ちゃん達から聞いたのですが、高い所から落ちたようですね…」

提督「あ、うん。確かに落ちたな。」

北上・大井「!?」

鈴谷「え!?それ大丈夫だったの?」

提督「……………」パチン

いつもの通り、提督は指を鳴らし、鈴谷達に記憶を見せた。



〜〜〜〜〜〜〜





利根「………何という男じゃ…」

提督「やっぱ天丼うめぇw」

利根「聞いておるのかぁ!?」

提督「聞いてるってw」

北上「な、何でそんなに走んのが速いの?」

大井「………普通に凄い……」

筑摩「記憶を見せる事も出来るなんて…恐れ入りますよほんと…」

提督「ごっそうさん。美味かったなーこれ。」

鈴谷「………提督ってさ、本当に何者?」

提督「………教えてやろうか?」

北上「え!教えて教えて!」

提督「普通の人間だ。」

ズデーン!

鈴谷達はズッコケた

大井「もー何ですかそれ…」

提督「じゃ俺はもう行くよ。お前達も頑張れよ。」

利根「う、うむ。提督もな!」

提督「おう」

間宮さんに食器を返して食堂を後にした。




〜司令室〜


〜15:00〜


金剛「hey!テートク!艦隊が帰投したネ!」

提督「おう。お疲れさん。どうだった?」

赤城「全員小破止まりで海域を突破しました!」

榛名「今回は、榛名がMVPが取りました!」

提督「お、そうか!よくやった榛名!」

ナデナデ

榛名「////」

夕立「あー!榛名さんだけずるいっぽいー!夕立も!」

時雨「あ、あの、提督…ぼ、僕も…」

提督「あーわかってるってw」ナデナデ

時雨・夕立「えへへ〜」

加賀「それから提督。バケツと家具箱中です。海域から帰投する途中でたまたま見つけました。」

提督「おお!サンキュー!お前達今日はご苦労さん!入渠と補給を済ませたら、今日はもう上がってくれ!」

全員「了解!」ビッ!

ガチャ、バタン

金剛達は満足そうに司令室を後にした。

提督「………ふぅ。あいつら、俺以上に元気だな。」




15分後…





大和「提督!艦隊が帰投しました!」

提督「お、演習お疲れ様。お前達の方はどうだった?」

翔鶴「相手側が強過ぎました…」

飛龍「ギリギリ勝ちましたけど…すんごい疲れました…。」

提督「はは…お疲れ。けど、世の中には自分達よりも上がいる。そう思って欲しかったのさ俺は。」

瑞鶴「十分思い知ったわよ!もう!」

島風「ま、速さは私の方が上だったけど。」

蒼龍「弓道場で鍛え直しですねこれ。」

提督「焦らなくて良い。地道に強くなっていけば良いんだ。とにかく、今日はご苦労さん!訓練するのも良いが、先に入渠と補給を済ませとけよ!それが終わったらもう自由にしてくれ。」

全員「了解!」ビッ!

ガチャ…バタン

提督「ふっ…強くなりたい…か…たとえ戦闘力は無くても、お前らの心は俺よりも強いだろうに…遥かにな…」


ジリリリリ!

突然提督の電話が鳴り出した

提督「?今度は何だ?これは、遠征部隊か。もしもし?どうした?」


球磨「お、提督。実は遠征任務はもう達成したんだけど、一人艦娘が大破してる状態で発見したクマ。」

提督「何!?悪いが連れてこれるか?早く治してやらないと…」

球磨「元よりそのつもりだクマ。この調子だと後30分程度で帰投するクマ。」

提督「わかった。頼んだぞ!」ピッ



30分後…



ドドドドド!!

バーン!

球磨「ノック無しで失礼するクマ!艦隊が帰投したクマ!」

提督「今はノックなんてどうでも良い!大破した子はどうした!?」

雪風「大丈夫ですよ!明石さんのところで応急処置を済ませて入渠室に連れて行きました!」

提督「そ、そうか…お前たち、良くやった。それにしても艦娘が大破の状態で放置されているとは…何があったんだ?」

天津風「それはあの子から聞きましょう。入渠が終わってからだけど。」

吹雪「うん、そうですね。あのやられ方は相当でしたから…」

時津風「こんな時に何だけど、しれー!はい!バケツ2個!」

提督「お!ありがとな!本当にご苦労だった!

………?そう言えば春雨はどうした?」

球磨「春雨なら大破した艦娘の付き添いに行ってるクマ。何やら相当焦っていたみたいだったクマ。」

提督「…………そうか、わかった。じゃ、お前達は補給を済ませて今日はもう休め。ありがとな」

全員「了解(クマ)!」ビッ!

ガチャ、バタン


提督「春雨が焦っている?もしかして春雨と関係しているのか?とすると白露型の誰かという事になる可能性が高いな…確定では無いが…

とにかく、待ってみるか」




二時間後…


コンコン


提督「ん?誰だ?入って良いぞ。」

春雨「司令官!失礼します!」

白露「私もいるよー!」

村雨「実は私も…。」

時雨「僕達もいるよ。」

夕立「ぽい!」

???「…………」

提督「お!揃いも揃ってどうした?って、君は…」

山風「あたし…白露型の8番艦…山風…あの、ありがとう…あたしを助けてくれて…」

提督「山風と言うのか。身体の方はもう大丈夫か?」

山風「うん…」

提督「成る程…春雨が焦ってるという意味がわかったよ。」

春雨「妹ですから…それに、妹じゃなくてもどうしても見捨てられなかったんです…はい…」

白露「まぁ、誰であろうと助けないといけないよね!春雨ちゃん達はほんとに正しい判断だったと思うよ。」

夕立「見捨てたら黒提督と同じっぽい?」

村雨「そうね…そうなっちゃうよね…」

時雨「山風、そう言えばどうして海の真ん中にいたの?」

山風「……………」

夕立「……言えないっぽい?」

白露「無理に話すことはないよ?」

村雨「そうよ?話したい時に話せば良いんだから。」

山風「……………あたし…」

提督「ん?」

山風「あたし…捨てられたの…いま所属してる鎮守府に…」

提督「!」

時雨「なっ…!?」

白露「す、捨てられたって…」

夕立「ひ、酷い!山風を捨てるなんて…。」

村雨「え…でもどうしてあんなにボロボロだったの?」

山風「………あそこの提督は私を単艦出撃させたの。オリョール海に。戦艦ル級にやられて大破しちゃって…でも、通信機器はまだ生きてたから、あたしはまたあの鎮守府に戻りたかった…だから提督に連絡を取ったの…そしたら

「お前はもういらない。早く沈んでしまえ」って…あたし…その言葉を聞いた時、見捨てられたって思って、無我夢中で逃げたの…逃げて逃げて、とにかく逃げて、いつしか、意識が薄れていって…気がついたら、白露姉さん達の部屋に居たの…」

提督「………………」

春雨「な、なんで…そんなの血も涙もないよ…」

山風「…………」ポロポロ

村雨「山風………辛かったね…私達、もっと早く見つけてあげられなくてごめんね…」

白露「…提督!山風をここに着任させようよ!

そしたら私たちが山風を守るから!」

時雨「うん!山風も僕達の大切な姉妹なんだ!」

夕立「提督さん!お願い!」

提督「………………」

春雨「?司令官…?」

山風「………?」

時雨「提、督…?」

村雨(え……?なんか、提督の様子が…)

提督「…………」ギリッ!

6人「!」ゾクッ…

提督「……山風…お前の居た鎮守府の名は?」

山風「え…?鞠里鎮守府って言うところだけど…」

提督「よし。ちょっと待ってろ。今すぐそいつを大本営の元帥の元に連れて行く。お前達はここで座ってゆっくりしていろ。山風の側に居てやれ。」

白露「ちょ、ちょっと待ってよ!提督!一人で行くなんて危険…す…ぎる…よ…」

提督「………………」

夕立「え?て、提督さん…?」ガタガタ…

提督の顔は今まで白露達が見たこともないような恐ろしく、怖い顔をしていた。

時雨(……凄く怖い……よ…ま、まるで提督じゃないみたい…)フルフル

提督「…………頼む……」ぽた…ぽた…

よくみると提督の両手からは血が滴り落ちていた

春雨(両手をあんなに握って…血が出て…)

山風(……こ、この人…さっきまでと感じが全然違う…あの人よりも……怖い……!!!)

村雨「……提督?帰って……来るよね……?」

提督「……ああ、安心しろ。20分で戻る。」

スッ…

そう言い、白露達の目の前から一瞬で姿を消した。

春雨「え!?司令官!?」

時雨「き、消えた…?」

山風「……あ、あの人は一体?」

白露「私たちの提督は、少し特別なの。頭の中でイメージした事を現実にする力を持ってるらしいんだよね…。」

夕立「夕立達も最初はびっくりしたっぽい…でも、提督さんは悪い人じゃないよ!みんなを守ってくれる、優しい提督さんっぽい……」

村雨「でも、さっきの提督……ま、まるで違う人みたいだった………」

春雨「怒ってました…。」

五人「え?」

春雨「司令官は…怒ってました…春雨にはそう見えました…はい…」

時雨「………そうだね。たしかにあんな提督は見たことがなかったよ…」

白露「……だ、大丈夫よ!提督は帰ってくるから!絶対に!そう…絶対に…」

山風「……………」

村雨「……と、とにかく、提督の言う通り、迂闊にこの部屋を出ない方が良いよね。言われた通り、ここで寛いでおきましょう?」

夕立「うん。夕立も賛成っぽい…」

他の四人も同意見らしく、大人しく司令室で座っていることにした………。










〜鞠里鎮守府前〜



〜18:00〜




スタッ

提督「………」

提督は一瞬で鞠里鎮守府に移動した。

「黒提督みたいな奴はそうそう居ないと思っていたが…まだ居やがった…元帥殿には申し訳ないが、ちょっと散らかってもらうか…。」

提督は目を閉じ、山風を轟沈寸前までに追い込んだ人物を探し始めた。


「……………居た!」

スッ…




〜漆黒提督執務室前〜


スッ…


提督「ここだな…待ってろ。こちとら山風という証拠が居るんだからな…だが、もう少し決定的な物が欲しい…色々カマかけてみるか…」


コンコン

漆黒提督「?誰だね?入りなさい!」

ガチャ

提督「突然の訪問失礼します。わたくし、リセイ提督と申します。」

漆黒提督「!?これはこれは、座りながら申し訳ない!私は、階級中佐、漆黒提督と申します。

少将殿が一体どのような用事でしょう?」

提督「………いえ、少し尋ねたいことがありまして…。」

漆黒提督「と、言われますと?」

提督「今までに轟沈してしまった艦娘の数って覚えていますか?」

漆黒提督「はて?今までにですか…ふむ、大体、10艦程ですな。」

提督「ほう…?では最近で駆逐艦などの艦は居ましたか?」

漆黒提督「?」

(何だ?この若造は?次々と意味のわからん質問をしおって…まぁ、答えて減るもんでもなし、答えてやるとするか)

「ふーむ、最近の沈んでしまった艦は………

「山風」………ですなぁ……」

提督「ほほう…なるほど。」

これで確信が持てた。こいつが山風を捨てた提督だ。こいつの口調は艦娘を道具とでしか見ていない。現にこの部屋の前を俺に気づかず素通りした艦娘は目が虚で接点があっていなかった。

しかも…独り言のようにもう解体してくれという声も外から聞こえてきた。俺が最も聞きたくなかった言葉だ。艦娘が沈んだことを悔やむ事も無し、こいつ…………黒提督以上に外道だぜ……

漆黒提督「???失礼ながら、なぜこのような質問を?」

提督「いえ、ちょっとした世間話でして。」

漆黒提督「はぁ…」

(一体なんだというのだこの小僧。艦娘が沈む沈まないはどうでも良いでは無いか。所詮は兵器、居なくなればまた補充ができる。何なのだ?山風も似たような感じだったが…沈む間際にわざわざ通信をしてきおって…潔く死ねばよかったものを…)

提督(最っ高に屑野郎だな。心の声がドス黒く聞こえてくる……更に決定的な事を聞いたぞ。潔く死ねだと?艦娘相手にか?これ以上コイツの言葉を聞いていると頭がおかしくなる。………もう、良いよな…?)

提督「漆黒提督殿。一つお願いがあるのですが…」

漆黒提督「む?何でしょうか?」

提督「………少し痛い目にあってくれよ……ゴミクズ野郎……」

漆黒提督「!?な、なんだt…」

漆黒提督が言い終わる前に提督は無数の拳と蹴りを浴びせた!

ボコォ!バギィ!ドガッ!ガッ!ズダダダダダダダ!ドズッ!バキャッ!ドガガガガガッ!

バキィ!

ドサッ…



2分程度殴る蹴るを繰り返した結果、漆黒提督はまともに喋ることも出来ず、顔は血だらけになり、ただ、悶え苦しんでいる。

漆黒提督「う、うう…ゲホッ…」

提督「…………………」ガシッ

スッ…

提督は漆黒提督の頭を鷲掴みにし、共にその執務室を後にした……





〜司令室〜



〜18:20〜



白露達「…………」

もう20分になった。提督は本当に帰ってくるのか…そう思い始めた白露達だったが…


スッ…


「!!!」

村雨「て、提督!良かったぁ……」

時雨「ホッ…」

夕立「お、お帰りっぽい…提督さん…

ってウキャァ!?その人誰っぽい!?」

漆黒提督「…………」グッタリ…

山風「………!!漆黒提督……!!」

春雨「え、その名前って、山風の…」

提督「そうだ。ある程度ボコボコにしておいたが、あとは山風、こいつをどうするかはお前が決めろ。」

6人「」アゼン

山風は俺が居ない間に白露達に漆黒提督のことを話していたようだな。

山風「………え?その前に…」

提督「……ん?」

山風「この鎮守府から鞠里鎮守府って、結構距離があると思うんだけど……本当にあんなとこまで移動したの………?」

どうやら俺についての力はまだ半信半疑のようだな。ま、普通は誰も信じないが…

提督「ああ。現にこいつを連れてきたことが証拠だ。元帥に渡す前に、山風に最終判断を任せようと思ってな。」

山風「………す、凄い………」

提督「で、どうするつもりだ?こいつを元帥に渡すか、それとも………」

山風「………たしかに漆黒提督は酷い人よ。でも、でも…殺しちゃったら…私たちは漆黒提督と同じになっちゃう……私のほかにも沈んだ艦娘達も…みんな……だから…」

白露「山風ちゃん…」

山風「………だから、元帥に明け渡すわ。」

提督「………わかった。送り届けてくる。」

山風「あ…待って…」

提督「ん?」

山風「その…本当に、ありがとう!私を助けてくれて…漆黒提督を止めてくれて…」

提督「………おう。こいつを送り届けたら、後は自由にしろ。と言うか今からでも良い。お前も今更、あの鎮守府に戻る気は無いんだろう?

どうだ、ここに着任しないか?」

村雨「!!……提督……!!」

山風「………!!あっ…うう…はい…ここに着任します…うっ…ぁぁぁぁあぁぁぁぁあん!!!」

山風は溢れ出る涙を抑えることが出来ず、泣きじゃくった。

ほかのみんなもそれを見て涙を流した…

夕立「山風…もう、もう大丈夫っぽい…」

時雨「うん…うん!山風!これから一緒だね!」

山風「うええええん!!み、みんなぁ……」

提督「…………フッ…」

提督は白露達に気付かれないように微笑んだ

スッ…




〜大本営元帥専用執務室〜



提督「………と言うわけでございます」

元帥「………事情はよくわかった。それにしてもご苦労だった。まさか鞠里鎮守府が黒提督のような状態になっていたとは…」

提督「鞠里鎮守府はどうなるんです?」

元帥「まぁ、当然の如く、新しい提督がそこに着任するだろう。後は艦娘たちの心の問題だ。こればっかりは、時間が解決するしかない。」

提督「…………もう、あんな風な提督は見たくないです。」

元帥「うむ。全くのその通りだ。おお、そうだ。」

提督「?」

元帥「本日付で、君は大将に昇進する!」

提督「な!?よろしいのですか?」

元帥「正直言って君の実力ははるかに他の提督を上回っている。そして、今回のような事件を真っ先に解決したときた。大将に一気に昇進する理由は最早それだけで十分だとおもうが?」

提督「元帥殿…光栄です!ありがとうございます!」

元帥「なに、良いんだよ。さて、そろそろ帰ってやりたまえ。君の鎮守府の連中が心配しているぞ。」

提督「ハッ!失礼し致します!」

ガチャ、バタン


提督「………昇進………か。そんな言葉、俺には一生無いと思ってた…」スッ…



〜司令室〜


〜00:00〜



スッ…

提督「ん?白露達が居ない…」自分達の部屋にでも戻ったか。」

今回はそっとしておいてやろう。色々姉妹の問題もあるだろう。さて、俺は疲れたから、ゲームでもするか。




…………………!!





〜鎮守府外草原〜





山風「ねぇ、姉さん達…こんなとこにまで来ても良いの?」

白露「大丈夫大丈夫!私達いつもこの辺りまで遊びに来てるから!」

村雨「流石にこれ以上離れたら迷子になっちゃうからね…」

時雨「最悪、夕立の帰巣本能に頼れば良いよ。」

夕立「うん!夕立に任せるっぽい!」

春雨(……それってつまり犬っぽいってことですか?)

白露「………はぁ…夜の風も良いものだね〜」

時雨「それは同感できるよ。」

山風(良いのかな…)

……………ガサッ

村雨「!誰!?」

駆逐古鬼「……………コンナトコロデノビノビトシテイルトハ、ノンキナモノダ…」

夕立「な、何で深海棲艦がこんなところにいるっぽい!?」

春雨「そ、そんな…春雨達は艤装を持って来てないですよ!?」

山風「こ、このままじゃ…!」

駆逐古鬼「フン…ギソウヲヲモタナイオマエタチナドタダノニンゲントオナジダ!シズムガイイ!」

駆逐古鬼は刀を握り締め、村雨に向かって振り下ろした!

時雨「村雨!危ない!」

ズザア!

時雨が咄嗟に村雨を後ろに引っ張って攻撃は当たらなかった。

村雨「あ、ありがとう時雨!あなたは大丈夫なの!?」

時雨「うん!僕は無傷だよ!」

駆逐古鬼「チィ…コザカシイマネヲ…ツギハアテル!シズメェ!」

白露「このぉ!」どかっ!

白露は駆逐古鬼にタックルして体勢を崩させた!

駆逐古鬼「クッ!ジャマダァ!」バシィ!

白露「痛っ!」ドサァ!

駆逐古鬼の平手で白露は吹っ飛ぶ

春雨「白露姉さん!!しっかり!」

白露「あいたたた…大丈夫…!結構効いたけど…!」

山風「こ、こんな…一体どうしたら…」

駆逐古鬼「シブトイヤツラメ!コンドコソオワリニシテヤル…カクゴハイイナ!」

夕立「も、もうダメっぽい……!!」

駆逐古鬼「クタバレェ!!!」

時雨「っ!!!!」

白露達が諦めかけたそのとき!






ガキィィイン!!!






妄想BGM「アニメ寄生獣・HYPNOTIK」





駆逐古鬼「ッ!ナンダト!?」

提督「……悪いが…こいつらの命はやれないな…!!」

六人「!!!!」

どこからともなく現れた提督は駆逐古鬼の刀を提督が出した刀で受け止めていた!

夕立「て、提督さん…!?」

山風「あぁ…提督…!」

提督「そこに居ろよ!お前たち!」

春雨「は…はい…!」

ギギギギギ!

提督「でい!!」ドゴォ!!

提督は鍔迫り合いを起こしながら、駆逐古鬼の腹部に回し蹴りを食らわせた!

駆逐古鬼「グァア!」ドザァ!

「グッ…!キサマ…!カンムスドモノシレイトウダナ!?オロカナ…ワレワレヲウミダシタノハオマエタチニンゲンダトイウノニ!ナゼソンナヘイキヲマモルノサァ!?」

時雨「……!!」

提督「………お前の言う通りこいつらは兵器だ。それにお前達生み出したのは確かに俺たち人間だ。だが!俺が提督である限り!こいつらが俺の艦娘である限り!こいつらの命は…誰にも……譲る気は無い…………!何故ならば…こいつらも人間と何ら変わりない存在だからだ!」

白露「………!!」

村雨「て、提督……!!」

駆逐古鬼「ダマレェ!ニンゲンゴトキガワレワレニカテルワケガナイノダ!!」ダダダダダダ!!

駆逐古鬼はそう叫びながら提督に斬りかかった!

ガキィン!キン!キン!キン!キン!ガッ!ギリギリギリギリ!ヒュパッ!スッ!サッ!ドゴォ!

しかし、提督はそれを軽くあしらい、駆逐古鬼の攻撃を受け流して横腹を殴った!

「ゴァア!!!」

提督「……ッ!!」キィン!バキッ!ズドドドッ!ドガァ!

提督は駆逐古鬼の刀を断ち割り、速く重い拳打を浴びせた!

山風「…………す、凄い……」

時雨「は、速すぎて、全然見えない……!」

村雨「………」

駆逐古鬼「ウォオオオ!!」ダッ!

提督「!!」ザッ!

駆逐古鬼は折れた刀を捨て、素手で提督に襲いかかる!

だが提督も刀を地面に突き刺して素手で立ち向かった!

ガッ!ガッ!パシ!ヒュ!ブン!

提督「おおお!」バキャ!!

駆逐古鬼「ウウッ……!!」

更に提督は追い討ちをかけ、駆逐古鬼を追い詰めていく!

ドガァ!バキ!ズガッ!ドス!ガッ!ゴッ!バギィ!ドン!ブゥン、ドゴォ!ズガガガガガガガ!ドカァ!!!!

ドサッ!ドン!ズザザァ!

駆逐古鬼は圧倒的な拳打の多さになすすべも無く、吹っ飛ばされた!

駆逐古鬼「グホッ!」ビチャ!

あまりの衝撃に吐血もしてしまうほどダメージを受けた駆逐古鬼はもう立ち上がるだけで精一杯だった。

提督を睨みつけながら言う。

「ア、アリエナイ……!ニンゲンニ…ニンゲンゴトキニ……!!!マ、マケルワケニハイカナイ!」

提督「…………もう、やめとけ。これ以上お前を攻撃しても意味がない…。」

駆逐古鬼「チョウシニ……ノルナァァァァアァ!!!!」ズァア!

提督「…………なら、悪く思うなよ……!!」

ズァア!

ドガァァァ!!

ドォオン!!!


駆逐古鬼「マケルワ、ケニ、ワ……」

提督「っ!!!」スッ…スッ……ザシュッ!

提督は刀を手に取り、駆逐古鬼を斬った!

ブシュウウウウウウウウ!!


6人「………!!!」

白露達は駆逐古鬼を斬った光景を見ることができず、目を逸らした…!

ポタポタポタ…

駆逐古鬼「ガァ……」ドサッ…ガクッ…



提督「…………例え…例えお前が敵でも………お前の戦い…見事だったよ…」スゥ…

提督は刀を消し、白露達の元へ向かい、白露達の目線に合わせ、屈んだ。


提督「………大丈夫か?」

白露「……て、てい、とく……ッ!!うわぁぁぁぁああん!!!」ガバッ!

春雨「司令かぁん!!!」バッ!

提督「ぬおおお!?だからお前ら!そんなに抱きつくなぁ!!」

夕立「うええええん!提督さぁぁぁん!!!」

時雨「怖かった…!!怖かったよぉ……」

村雨「提督……!!!」

山風「提督ぅう……!!」

提督「ええい!事あるごとに抱きつくのをやめんかお前らぁ!」

夕立「嫌だぁ!!!こうしないともうダメになっちゃうっぽいーー!!!」




〜〜〜〜〜〜〜




〜司令室〜




〜01:30〜





提督「………やれやれ、やっと落ち着いてくれたか。」

山風「ごめん。提督…」

提督「それにしても何でまたお前達はこんな夜中に外に出歩いてたんだ?」

白露「それは…その…」

夕立「私達、夜の外の空気が好きだからいつもこうやって外に出ては遊んでたっぽい…」

白露「うん…そしたら…」

提督「………駆逐古鬼が現れて艤装もないまま逃げ回ってたって訳だな?」

春雨「そうです…」

提督はため息をついて頭を片手で抱えた。

提督「………はぁ〜まったく…夜に遊ぶのは構わないけどよ、あんまり無茶するなよ…」

村雨「で、でも、深海棲艦が、しかも駆逐古鬼がいるなんてわからなかったわよ…!」

提督「……………」

時雨「そ、それでもやっぱり悪いのは僕達だよ…だって深海棲艦は夜は活動が活発になるし…」

提督「陸地に出て偵察しに来る奴も居るって事だよ。」

6人「…………」

提督「まぁ、何にせよお前達が無事で良かったよ。」

山風「怒ってないの………?」

提督「なんで怒る必要があるんだ?俺はお前達に好きなように生きろって言った筈だぞ。そんな時にお前達を狙う奴が居たら俺がそいつを止める。何があろうと…な。」

夕立「提督さん…。」

春雨「……どうして、春雨達があそこにいるってわかったんですか?」

提督「実はそれも頭のイメージでやったことなんだ。俺が漆黒提督を大本営にくれてやった後に司令室に戻ってきたらお前達は居なかったからな。だからお前達の気配を探したのさ。そしたらお前達が駆逐古鬼に襲われているのを見てな、居ても立っても居られなくなって、そこにワープしたってわけだよ。暇だからなんかゲームでもやろうと思ったら早速大事件だったぜまったく。」

山風「……提督…凄く強かった…」

村雨「ほんとよね…あんなの普通の人間にはそうそうできた戦闘じゃ無いわよ…」

時雨「提督、どうしてそんなに強くなったんだい?」

提督「……さぁなぁ…そんなこと忘れちまったよ。気が付いたらこうなってたんだ。」

夕立「……はぐらかしてるっぽい……?」

夕立め……こいつに限ったことじゃ無いけど、白露型の奴らは勘が鋭いからな…だけど…それでも本当のことを言えないな…俺がダメ人間から更生する為に転生したなんて…今思えば転生神は俺に同情してたのか?哀れな奴だと…

俺は転生神にも甘えていたんだな…

……それでも……俺はこいつらを助けたい…!

提督「いや、これは本当だ。いつぐらいからこんな風になったのかは忘れたんだよ。もう。」

白露「えー?提督そんなに若いのに?」

提督「どうでも良いことはすぐに頭から消えて無くなるもんでね。悪かったな。」

春雨「クスッ…司令官って、本当にいろんな意味で凄いです…」

提督「まぁ、あえて言うなら…俺は戦闘ではなく、精神が弱かったんだ。すぐに折れて諦める癖があった。そんな自分が情けなかった。それに耐えられなくて自分で死のうとした事もあった…」

村雨「え…」

提督「今も自分の精神が成長してるとは思わない。むしろそのままだ。だけど、それでも、俺にはやるべきことがまだまだ残ってる。それは一生をかけないと達成出来ない。だからそれまで…死ぬわけにはいかないんだよ。そう思ってたら、いつしか戦闘は出来て、お前達の指揮を取って深海棲艦のバカどもと闘って、艦娘達と笑って過ごしてた。人の人生なんてあっという間に過ぎてしまうもんなのさ。」

夕立「提督さん…」

白露「て、提督…今まで凄く苦労してきたんだね…」

提督「何言ってんだ。俺よりお前達の方がよっぽど辛い目にあってる。俺が艦娘の立場なら全てを捨ててまで鎮守府を去ってるよ。それでもお前らは…あの黒提督に勝ったんだ。だから自信を持ちな。」

時雨「提督…ありがとう…」

提督「ハハッ。礼を言うのはこっちだっつーのw

さて、どうする?もう02:00だが…寝るか?」

山風「あたしは…起きてる…。提督のところに居たい…」

夕立「夕立も提督さんと一緒に居るっぽい!」

時雨「みんながここにいるなら僕もそうする…」

春雨「は、春雨も良いですか?部屋に戻るの…なんか怖くて…」

村雨「キャー!春雨ちゃん可愛い!じゃあ私も居る!」

春雨「///」

白露「だってさ、提督!」

提督「…………お前はどうすんの?」

白露「ここに居るに決まってんじゃん!」

提督「……………やっぱりな。」

…………………天使だな。こいつら。







二週間後……


〜11:00〜


艦隊の指揮もますます慣れてきた。艦娘達の不満も今のところは聞いてないが…何かあるならすぐにでも言ってくれると助かるんだけどな…




コンコン

朝潮「司令官!朝潮です!遠征完了の報告をしに参りました!」

提督「おう。入って良いぞ。」

ガチャ

大潮「失礼します!司令官!」

霞「今帰ったわよ。」

荒潮「燃料500とバケツ3個持って帰ってきたわ〜」

霰「少し疲れました…」

満潮「今回はちょっと遠出したからね…」

提督「おう!ご苦労さん!悪いな。遠い所に遠征に出して。」

朝潮「いいえ!私はまだ頑張れます!」

提督「良い元気を持ち合わせてるなぁ…けど、今日はもう良いぞ。本当にご苦労さん。補給を済ませた後、食堂にお前達の昼飯を間宮さんに頼んでおいたよ。金なら心配要らないぞ。俺が払っといた。」

霰「……良いんですか?司令官……」

提督「頑張ってくれたのはお前らだ。労いをやらんで何になるってんだよ。」

霞「………あたしたちの心配する前にあんた自身の心配をしなさいよ!……けど…ありがとう…」

満潮「司令官…あんた何か感じが変わったわね…」

大潮「大潮も最近はそうじゃないかと思ってました。何かあったんですか?」

提督「ん?特にこれといってないぞ?俺からすればお前達こそ、俺に何か言いたいこととか無いのか?不満とかやってほしい事とかをほとんどのやつが言って来ないからな。心配でな…」

朝潮「なら大丈夫ですよ。」

提督「え?」

朝潮「それが無いということ。それはつまり司令官がそれだけ信頼されているということですよ。現に私達も不満なんてないですから!」

満潮「………ま、朝潮姉さんの言う通りね。」

霰「司令官…頑張り過ぎちゃダメですよ?」

荒潮「そうねぇ、私から一つ言うとするなら、気を使い過ぎってところかしら。」

霞「クズ司令官ももうすこし勢いつけても良いんじゃ無いの?ってことよ。分かる?」

提督「…………そうだな……ありがとうな。善処するよ。」

満潮「分かれば良いのよ。さ、早く補給済ませて食堂に行きましょ。」

大潮「そうしましょう!大潮もお腹減っちゃいましたw」

朝潮「………司令官…本当にありがとうございます!食堂の件もありがたく頂きます!」

提督「おう!ゆっくり休んでくれよ!」

ガチャ、バタン

提督「もう少し勢いを…か…」

かつての先輩に言われたような記憶がある。

………何で今更元の世界を思い出すんだ…

俺はあんな世界大っ嫌いだ…!

………書類の整理でもするか。といっても整えるだけだが。

…………ん?改二実装報告書?これは……?




〜12:00〜




提督「………」

俺は改二実装報告書を読みふけっていた。

改二に必要な資材やその他諸々はほとんど有り余るほどにある。と言うことは改二になれる条件を達していればこの鎮守府の艦娘はほとんど改二になれるということか。そうと決まれば早速………と、先に昼飯を済ませるか…今頃艦娘達は食事の真っ最中だろうからな。食べてる途中で邪魔をされては腹が立ってしょうがないだろう。かく言う俺がそうだ。一部例外はあるけどな。




〜間宮食堂〜



提督「…………改二か…うちの艦娘はほとんど条件を満たしている……最初は誰にするか………」

間宮「あ、提督さん!お疲れ様です!何か注文しますか?」

提督「あ、ども。じゃ、大盛りの焼きそばで。」

間宮「はい!かしこまりました!」

提督「………悩むなぁ……」ブツブツ…


伊良湖「提督さん?大盛り焼きそばお待ちどう様です!」

提督「へ?あ、あぁ!ありがとうございます!」

ほんの少し考え込むだけで既に5分は経っている

間宮「?何か悩み事ですか?」

提督「…………間宮さん達は艦娘の改二って知ってますよね?」

伊良湖「あぁ!艦娘達が格段に強くなるアレですね!」

提督「実はもうここの艦娘は改二条件を達成していて、最初は誰にするか迷ってたんです。ま、先に立候補してきた奴にはすぐにでも手配はするつもりなんですけど…」

間宮「え!?そうだったのですか?それは良かったです!これでみんな強くなれるじゃないですか!」

提督「それはそうだけど…一人の艦娘を改二にすると、他の艦娘も押しかけて来るから怖いんですよ…」

伊良湖「あはは…そ、それは確かに怖いですね…あ、それなら一度に2、3人を改二にするのはどうでしょう?」

間宮「なるほど。それなら艦娘たちの不満無く改ニになれますよ!」

提督「あ、そうか。その手があったわ。おっといけね。はい、代金です!

間宮「あ!毎度ありがとうございます!頑張ってくださいね!」

提督「はーい!ありがとうございます!」

一度に2.3人か…何でそんな簡単なことに気がつかないんだ俺は…全くもって情け無い…










〜司令室〜


提督「……さて、最初は吹雪型の二人にするか…今のところ吹雪型は吹雪と叢雲のみだが、そういう細かい事は気にしない奴らだからな。では早速…」



提督は館内放送で吹雪と叢雲を呼び出した。



吹雪「司令官!失礼します!」

叢雲「お邪魔するわよ司令官。私達に何の用?」

提督「ようお前たち。来てくれたか。実はお前達を今日から改ニにしようと思ってな。」

吹雪「え!?改ニですか!?私達が?」

叢雲「ほんとに急な話ね…」

提督「吹雪型の艦で改二になれるのはお前達二人だけだ。だからお前たちだけを呼んだのさ。というか吹雪型はお前達しかまだ居てないからなぁ。

まぁ、改ニになれるのはお前達の他にも居るがな。例えば金剛たちとかな。」

吹雪「そ、そうなんですか…でも、改ニになるには工廠に行かないと…」

叢雲「行ったとしても私達二人いっぺんに行くと時間がかかるわよ?」

提督「あ、その辺は大丈夫。俺が改装するから。」

叢雲「司令官が?どうやって…って聞くまでも無いわね…」

提督「察しがいいな。」

吹雪「………いつものですね…」

提督「御名答!というわけで、お前たち、じっとしてろよ。」パチン

シュウゥゥウ!パァーーーー!

……………


吹雪改ニ「あ、あれ?私どうなって…って、服が変わってる!?」

叢雲改ニ「あら、私もよ。」

提督「はい、これでオーケー。お前達の新しい装備は工廠の武器置き場に置いてあるから好きな時に持っていけ。あ、待った。やっぱ良いや。今ここで装備してもらうから。」

パチン!パチン!

提督はまた指を鳴らした。

吹雪「………?何も起こりませんよ?

叢雲「………司令官、一体何をしたの?」

提督「お前たち自身で艤装を装備できるようにした。合言葉は「艤装展開!」だ。言ってみろ。」

吹雪「はぁ…わかりました…」

叢雲「ちょっと恥ずかしいけど…」

吹雪・叢雲「……艤装展開!」

シュン!ガシャッ!

吹雪「えええええ!?」

叢雲「ぎ、艤装が勝手に出てきた?」

提督「はい、おめでとう!これでお前達は晴れて改ニになったわけだ。どうだ?感想は。」

叢雲「か、感想も何も…」

吹雪「一体どこに言葉があるんですか…」

提督「ま、驚くのも無理はないよな。けど、俺がお前達に与えた力はいつでもどこでも艤装を展開できる能力だ。あ、艤装を外したい時は

「艤装解除!」って言うんだぞ?」

吹雪「ぎ、艤装解除!」シュン!

「あ、ほんとに消えた…」

叢雲「艤装解除…!」シュン!

「素直に凄いと言えるわ…」

提督「もっとも、艤装展開能力は俺からの餞別みたいなもんさ。他の鎮守府には出来ない芸当をお前達に与えたという事だな。」

吹雪「………ほんと…凄すぎですよ司令官…」

叢雲「司令官。お礼を言うわ。ありがとう…」

提督「どういたしまして。」



その後、他の艦娘達を改ニに改装し、艤装展開能力を全員に与えた。

一番びっくりしていたのは赤城達だな。

一気にこんな便利な能力を手にして良いのかと




〜20:00〜






提督「全員を改ニにするのも疲れるな…明石はこういう作業をずっとやってるんだよな…尊敬するぞ本当に。一応改ニになれない艦娘にも全員に艤装展開能力をプレゼントしてやったが…。俺がもし、お前らを守りきることができない時のための能力みたいなもんだ。うまく使ってくれよ…」

………まだ、俺にはやるべきことがある…か…

自分ではそう言っても、なんかやるせないなぁ…

それに…近頃深海棲艦の動きが活発になってきている。なにやら嫌な予感がするな…何としてでも、俺が艦娘達を守ってやらないとな…

コンコン

「ん?誰だー?入って良いぞ。」

ガチャ

ビスマルク「失礼するわ提督。」

提督「お、ビスマルクとは珍しいな。どうした?って他のドイツ組まで…」

プリンツ「アドミラールさん!Guten Tag!」

グラーフ「厳密には、Guten Abendだが…」

レーベ「やぁ。提督」

マックス「あなたと話すのは久しぶりね。」

呂500=ろー「こんばんわ!提督!」

提督「…………どうした?」

ビスマルク「あら、少し元気が無いようね。出直そうかしら?」

提督「いいや、疲れてるだけだよ。それで?何の用だ?」

マックス「私達は今日同じ目的であなたの元に来たの。」

提督「?」

グラーフ「私達は日頃アトミラールに世話になっている。だから、感謝を込めて料理をしようと思ってな。」

レーベ「しかも提督は疲れてるんだろう?なら丁度良かった。良かったら僕達と一緒に食事会をしない?」

ろー「ろーちゃんも頑張るって!提督!一緒に食べよ!」

提督「ほ、ほんとか!?いや、あの、嬉し過ぎて言葉が出てこないんですけど…」

プリンツ「ふふふ!アドミラールさんったらそんなに喜ぶなんて。」

提督「…………ありがとな。こんな俺に料理に料理なんて。」

ビスマルク「………提督……何かあったの?」

マックス「私達で良いなら相談にのるわよ?」

提督「…………実はな……最近変な予感がするんだ。」

レーベ「予感?」

提督「あぁ。それも悪い予感だ。お前達は深海棲艦の最近の様子はどう思う?」

ろー「最近?…なんか強いのが居たり、居なかったりするのは見た事があるなぁ…」

グラーフ「ふむ…確かに、他の鎮守府では深海棲艦がやたらと強いという報告があったらしい。この鎮守府も気をつけた方が良いと大本営が言っていた。」

提督「………やっぱり…か……」

マックス「……何かあるの…?」

提督「………例え…例えどれだけ危険でも…

俺はお前達を守るよ。誰も沈ませやしない。

もう…もう二度と…目の前で誰かが死んでいくのを見るのは…ごめんだ…」

プリンツ「……ア、アドミラールさん…」

提督「ふっ…悪いな!こんなしんみりした話をして。料理、作ってくれんだろ?楽しみだなぁ!ちょうどすごく腹が減ってたから良かったよ。」

ビスマルク「…えぇ!任せておきなさい!さぁ、みんな。取り掛かるわよ!」

プリンツ「あ、待ってくださーい!ビスマルク姉様ー!」

他のみんなも続いた。グラーフを残して。

グラーフ「………アトミラール。私達は本当に感謝している。奴から私達を助けてくれたことも、私達を大事にしてくれていることも…。

だから…先走りはしないでくれ。」

提督「ああ…!わかってるよ。」

グラーフ「なら良い。では、私も行こう。一旦失礼する。」

ガチャバタン

提督「………ヘッ……俺ってカッコ悪りぃ…」







〜40分後〜



〜司令室〜


ビスマルク「さぁ、提督。いっぱい食べて頂戴!」

提督「おお!なんて、美味そうなんだ!」

テーブルに並べられたのはドイツ料理ならではの物がずらりと並んでいる。

プリンツ「じゃあ、食べましょー!あ、日本の挨拶では食べるときは頂きますって言うのが礼儀らしいですよ。」

グラーフ「そういえば赤城がいつもマミーヤの食堂で頂きますと言っていたのを見たな。」

ろー「あ、そうなんだ!じゃ!」

7人「頂きます!」



1時間後…


レーベ「提督。どうだったかな。ドイツ料理は。」

提督「もう美味すぎて癖になりそうなぐらい満足したよ。本当にありがとうな。みんな。」

マックス「どういたしまして。」

ビスマルク「提督。一つ頼みがあるのだけれど。」

提督「ん?なんだ?」

ビスマルク「今日はここで寝ても良いかしら?私たち6人で。」

提督「!?なんで!?」

グラーフ「駄目か?なら…」

提督「いやいや、ダメってことはないけど何で急に?」

ろー「提督と一緒に寝たらどれだけ安心か…

て言うのをみんな思い続けてたらこうなったって。」

提督「……………」アタマカカエ

レーベ「……やっぱりダメかな?」

提督「…………いいぞ。」

プリンツ「え!ホントですか!」

提督「但し、変な事はするなよ。」

マックス「それはあなたも同じことよ。」

提督「……………そんな事はしない。むしろしたくない。」

マックス「ま、まさかあなた…ゲイ?」

提督「誰が(アッーーーーー♂名前厳禁)だ!

そういうことじゃない!」

ビスマルク「あらwじゃあどういうことかしらねー?」ニヤニヤ

プリンツ「ウフフフ…どうなんですか?アドミラールさん?」クスクス

こいつらは………それじゃまるで襲ってくれと言ってるようなもんだぞ。

ろー「ろーちゃんは提督と一緒なら何でも良いって!」

グラーフ「おお、そうか。では私もアトミラールをからかってみるか………フフ。」

グラーフまで………レーベもマックスも乗り気だし………

………俺は……

提督「俺はさ…………お前達を襲いたくないんだ。」

ビスマルク「まだ言うの?無理矢理にでも襲わせちゃおうかしら?」

提督「違う。お前達が大事だから、ビスマルクも、プリンツも、グラーフも、レーベも、マックスも、ろーも、もちろん他のみんなも、俺の大事な艦娘だ。そんなお前達を俺で汚したくない。俺には本来、感謝される資格も、何かをしてもらう資格も無いんだ………」

レーベ「……あ……」

グラーフ「す、すまない!少し調子に乗り過ぎたようだ。気を悪くしたのなら謝ろう。」

マックス「て、提督?どうしてそんなに自分を追い込むの?どうして…?」

提督「……俺は元々、どうしようもなく、まわりが見えていない奴だった。いや、違うな。今だってそうだ。その他にも、我が身可愛さに、他の仕事もめんどくさくなって勝手に辞めて、俺の家族にも迷惑をかけている事も忘れて、

終いにはそんな世の中から逃げたくて、死のうとした事もあった。だけど、死ぬ勇気さえも無かった…」

ビスマルク「て、提督!あなたはそんなに弱い人間じゃないでしょう!?自分をそんな風に言わないで!あなたはもっと誇りを持つべきよ!」

提督「………」

プリンツ「あの…アドミラールさん?」

提督「なんだよ。」

プリンツ「………そんなんじゃ人生が無駄になっちゃいますよ?だって、こんなに良い人が、私達の鎮守府に来てくれて、みんな本当に嬉しかったんですよ?それなのにアドミラールさんが…そんなことじゃ…」

グラーフ「お、おい!プリンツ!その辺にしておけ…」

プリンツ「ハッ!?ご、ごめんなさい!私、アドミラールさんに対して何言ってるんだろ…」




………プリンツの言う通りだ…

俺、一体何やってんだ?こいつらを守るって決めたのは誰だってんだよ。俺の馬鹿野郎!!



提督「いや、おかげで今ので元気が出た。」

6人「え?」

提督「はは…ごめんな。俺こそ何を言ってたんだ…艦隊を指揮する者がこんな体たらくじゃダメだよな。ありがとう。みんな。」

ろー「て、提督…」

提督「悪かった。おかげでスッキリした。あ〜〜ったく。そのせいで眠たくなったわ。風呂入って寝よ。」

マックス「私達も入ってきましょ。」

レーベ「そうだね。僕も眠たくなってきたよ。」

ろー「提督…みんな一緒だからね?一緒に…すごすんだからね?」

提督「ああ…。わかってるよ。ほら、お前も行ってきな。遅れちまうぞ。」

ろー「うん!」

レーベ、マックス、ろーの三人は先に大浴場に向かった。

プリンツ「アドミラールさん…さっきはごめんなさい…。」

提督「どうして謝んだ?むしろ俺の方こそごめんな。」

プリンツ「そ、そんな…アドミラールさんが謝ることは…」

ビスマルク「プリンツ。もう大丈夫。提督はあの人とは違うから。」

グラーフ「そうだな。提督、私達も貴方の為に力を尽くそう!これからもよろしく頼む!」

提督「おう!頼むぜ、ドイツ艦隊!」

3人「了解!」ビッ!


…………ありがとな……お前ら…








50分後…







司令室〜寝室〜


レーベ「提督!戻ったよ。」

ビスマルク「ふぅ…良い湯だったわね…って…」

提督「スゥー…スゥー…」

プリンツ「フフッ…!寝ちゃってたんですね。

寝顔可愛い♡」

ろー「んぅー…ろーちゃんも寝るぅ…」トテテテ…ポスン

「えへ〜提督おやすみなさーい…」

グラーフ「私達もそろそろ眠ろうか…」

マックス「ええ。流石に私も眠いわ…」

ビスマルク「ほんとに寝顔は可愛いわね…///」

プリンツ「……アドミラールさん。おやすみなさい……」








…………いつかこいつらを自由に生きれるように……俺は戦い続ける…!何度だってな…








ビスマルク達と一晩過ごしてから三日経った…

みんな相変わらず元気そのものだ。

元気過ぎるのも玉に瑕な奴らが居るけどな。

現に今日も俺に絡んでくる。代表的な奴は白露型。続いて球磨型。更に続けると正規空母6人。

更に金剛型。そして最近になって絡みが増えたのが陽炎型の例の3人と超速の艦娘。

………そういえば第六駆逐隊も絡んでくるようになった。そろそろ身体が持たない…

と、言いたいが、今日もまた別の艦娘が俺を話し相手にする。


〜司令室〜


〜15:00〜


大淀「提督…?何だか随分とやつれているような…」

明石「あ、ほんとだ。何かあったんですか?」

提督「…………大アリだっつーの。色んな艦娘達が絡んでくるから疲れもするわ!」

夕張「で、私達もその一部と。」

提督「まぁな!?人が窓開けて風に当たってリラックスしてるときにカメラとレンチを飛ばしてきたのはどこのどいつだっけ!?」

明石・青葉「さあ〜?誰でしょうね〜?」

提督「くあー!むっかつくー!お前ら覚えてろよ…」

大淀「ま、まあまあ…当たらなくてよかったじゃないですか。風で飛ばされてきたんですからしょうがないですよ。」

夕張「悪意があったら悪質ですねこれ……プッ…」

提督「ちょ!夕張!何で今笑った!」

夕張「クフフ…すいません。当たった時のこと想像したらつい…」ピクピク

青葉「ムフッ…」

明石「プッ…」

大淀「………クスッ……」

提督「………大淀まで…もう知らね!寝てやる!」

明石「あーー!すいませんすいません!反省してますよー!」

青葉「拗ねないでくださいよー!司令官ー!」

大淀(本当に……いつまでも続けばいいな…こんな日が…)

夕張「…………そうですね…」

大淀「!?夕張ちゃん!?聞いてたの?」

夕張「はい。声出てましたよ。」

大淀「〜〜〜〜〜///」

夕張(顔真っ赤にしてる大淀さん可愛い…)



…………全くこいつらは…

けどまぁ、俺にとっても今は楽しく思う

それに、みんな落ち込むような話をしなくなった。心のケアは少しはできたんだろうな。

………俺も、人助け……出来てるかな……




〜20:00〜



〜司令室〜


ピー!ピー!ピー!

5人「!!」

突如として緊急信号が司令室で鳴り響いた。

青葉「緊急信号がなるなんて…一体何事でしょうか…!」

大淀「これは…海域攻略に出た出撃部隊です!」

提督「すぐ繋いでくれ!一刻も早く状況を聞き出さないと!」

夕張「了解!」ピピー!ツーツーツー

赤城『こ…こちら、赤城!やっと繋がりました!』

明石「!!よかった!無事みたいですね!」

提督「赤城!今の状況は!?一体何があった!?」

赤城「………私を含め、加賀さん、飛龍さん、蒼龍さん、翔鶴さん、瑞鶴さんは、大破。

旗艦である私が大破した為、作戦は失敗したとみなし、鎮守府に帰投中だったのですが……」

提督「……!?なんだ!?どうした!?」

赤城「私達を大破させた深海棲艦が…何やら普段と違う雰囲気を漂わせて、私達を執拗に追尾してくるのです…!」

青葉「えぇ!?深海棲艦ってそんなに執念ありましたっけ!?」

大淀「いいえ!深海棲艦はこちらが引けば攻撃はしないはずです!」

夕張「じゃ、じゃあ何で…」

提督「赤城……話は後だ…!今そっちへ行く!」

明石「え?そっちへ行くって…」

赤城「私達はなんとか逃げ切ってみせます!提督!増援部隊の救援を求めます!………?提督?提督!?」

青葉「あれ?司令官が居ない…って…司令官!?」

バッ!ヒュン!スタッ!ドドドドドドドドドドドド!!!!

提督はすでに居なかった。司令室の窓から飛び降り、自ら赤城達の元へ向かった!

夕張「う、嘘…ここから飛び降りるなんて…」

大淀「う、海を走ってる…!?」

青葉「と、とにかく連絡は私達が……ってああ!?通信が切れちゃいました!?」

明石「こ、これ、ジャミングだわ!障害電波が入ってる!」

夕飯「障害電波!?いったい誰が…」




〜西方海域〜


赤城「…………?提督!提督!?」

加賀「赤城さん!提督がどうかしました!?」

赤城「そ、それが…急に通信が切れて…」

翔鶴「そ、そんな…早くここから離脱しないと!」

飛龍「くっ!こっちももう艦載機がダメになりましたよ!」

瑞鶴「このままじゃ持たないわ!どうして通信が切れるのよ!」

蒼龍「……っ!また来ました!」

赤城「………まだ矢や艦載機は残ってます……やれるだけやりましょう!このまま沈むわけにはいきません!」

加賀「……私も…あの鎮守府に…帰らないと…みんなが…提督が…!」



赤城達は決死の攻防戦で敵艦隊の大半は沈めることが出来たが…主力である装甲空母姫の力は異常なまでに強く、改及び改ニになった赤城達でさえも歯が立たなかった…



翔鶴「………何かがおかしいですね…」

加賀「翔鶴…あなたも気づいた?」

瑞鶴「私も…装甲空母姫って、あんなに強いものなの?」

飛龍「そんなはずはないよ!今の私達なら傷は受けても、こんなにボロボロにはならなかったはずだよ!」

蒼龍「うん…明らかにほかの深海棲艦とは違う…!何か別の…」

装甲空母姫「……クライナサイ…!」シュン!シュン!

蒼龍が言い終わる前に装甲空母姫は艦載機を飛ばしてきた!

ドゴオオオオン!!

赤城「ああっ!」

加賀「赤城さん!!」

赤城「だ、大丈夫…です…よ…!まだ機関は動きます!」

瑞鶴「そ、そんな…どうすればいいのよ!!」

装甲空母姫「カクゴ…キメタ…?フフ…」

シュン!シュン!シュン!

蒼龍「あ…………」

カッ!

バゴオオオオオオオン!!!






………………



飛龍「………っ!!……?あ、あれ?何ともない?」

加賀「………!!!」

提督「………………」

間一髪、赤城達への攻撃は提督が2メートルはある結界で防いでいた!



妄想BGM:BLEACH・乱舞のメロディ(OFF vocal)






提督「………待たしたな。お前達…」

赤城「て、提督……!!」

翔鶴「ど、どうやってここに……」

提督「海を走ってきた。」

蒼龍「……本当……人間かどうか疑いますよ……!!」ポロポロ

赤城達は提督が来た事に安心したのか、気付けば涙を流していた。沈んでしまうかもしれないという恐怖と提督にとって残念な結果を招いた自分達が情けなかったからである。

提督「………泣くなよ。もう大丈夫だ。」

瑞鶴「だ、だって…私たち…!!」

提督「お前達は!十分すぎるほど良くやった!

後は俺に任せろ!」

提督が瑞鶴の言葉を遮り、赤城達をその場にいる事を促せる。

加賀「……提、督……」

飛龍「…………提督……どうして……」

提督「どうして怒らないかって?バカ。怒る以前にお前達の安否の方が何万倍も優先だ!

それと、言っておくが…そこから一歩たりとも動くんじゃないぞ…!」

赤城「ど、どうして…」

提督「………下手に動かれたら……お前達を守れなくなる……!!」

6人「……ッ!!!」

赤城達はその言葉を受け、嬉しくなって更に泣いてしまう。

装甲空母姫「…………ドウシテココ二カンムスノテイトクガイルノ?マサカマモルツモリ?」

提督「守るも何も、こいつらと一緒に生きて鎮守府に帰る。お前にこいつらを語られる筋合いはない!」

装甲空母姫「…………ッ!」

装甲空母姫は艦載機を飛ばして提督を攻撃した!

提督「……!」

スゥ…パッ!ズァア!バシュ!バシュ!

ドゴォオン!!!

提督は刀を取り出し、艦載機を全て断ち切った!

装甲空母姫「ナッ!?ヨクモワタシノカンサイキヲ!ハァァァ!!」

装甲空母姫は提督をめがけて突進しつつ、格闘戦持ち込んだ!

提督「……………!!」

スゥ…ズオッ!ガッシィ!ガッ!ガッ!ガッ!

パシッ!シュ!ヒュン!ガスッ!ガッ!

提督も刀を消し、素手で立ち向かった!

装甲空母姫「クッ…アナタ…ホントウニニンゲンナノ!?」

提督「……その質問に答える義理は無い…」

装甲空母姫「ナメタコトヲ!!ハァア!」

ガガガ!ドッ!バシ!ガス!ズダン!バキィ!!!

「グハァア!!!」

ドズッズゥン!

提督のカウンターで装甲空母姫は対応が出来ず、そのまま倒れ込んでしまう!

提督「…お前……一体なんだ?どうしてそんな力を手に入れた?深海棲艦以上の力をお前は持っている。一体なんなんだ?」

装甲空母姫「………サァ…ワタシモシラナイウチニコンナニツヨクナッテイタノヨ…ソウ!ワタシハマケナイ!マシテヤニンゲン二…………!ハァッ!」

提督「!!」

ブン!スカッ!

ガァン!!!


装甲空母姫「ウガァア!!」

提督は装甲空母姫の攻撃をかわし、ヘッドバットで体勢を崩させた!」

瑞鶴「う、うっそぉ…」

赤城「凄い…!なんて強さなの…!私とは比べ物にならないぐらい…!」

加賀「私達もそう思ってますよ…二航戦と五航戦の顔をみてください。貴女なら何を思っているか大体わかるはずですよ。私も、同じ気持ちですから…」

赤城「み、みなさん…」

6人とも、提督の戦闘から目が離せなかった。

提督がここまで強いとは思っていなかった。

飛龍「………は、速い!」

翔鶴「…提督…!」

蒼龍「提督……凄いですよ……!」



ズガァア!!ドスン!

翔鶴「きゃあ!」

提督が装甲空母姫を赤城達の前まで吹っ飛ばしていた!

提督「うおおお!!」シュウウウウン!パッ!

ガシッ!ガン!ズバン!

提督は結界を貼り、それを壁代わりに装甲空母姫を叩きつけた!

装甲空母姫「アゥウ!!」

提督「でい!おりゃあ!ずぇい!」

ガスッ!ゴン!ヒュッ!ガッ!ゴッ!ズドォ!

装甲空母姫「ウグゥ!!!!ニ、ニンゲンノクセニイイ!」

ブン!ブン!バキィ!!

装甲空母姫は提督を殴ろうとするが、全てかわされて、カウンターパンチを食らった!

提督「……っ!!!うおおおおおおお!」

ガシッ!ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!ブオォン!!!

装甲空母姫の足を掴み、鉄球のように振り回し、上空に投げ捨てた!!

装甲空母姫「グァァァァァァア!!!」

提督「終わりだ……消えろーーーーー!!!」

スゥ…パッ!チャキ!ギュイイイイイイイイイイイイン!!

ドオオオオオオオオオン!!


提督は刀を現して両手で持ち、剣先を装甲空母姫に向けて、巨大な光弾を放った!!!

カァッ!

ズァオオオオオオオオオオオオ!!!


装甲空母姫は跡形もなく砕け散った……!

加賀「………ああ…!な、なんて事…!」

瑞鶴「す、凄すぎる………!!」






提督「………いい奴に……生まれ変わってくれ……」







提督はそう言い、刀を消して、赤城達の前に屈んだ。

飛龍「て、提督…」

提督「…………あれは深海棲艦の力を大きく超えていた…何故かはわからないけど、チカラの暴走を止められなかったんだろうな。ま、とにかく、鎮守府に帰ろう。みんなが待っている…」

赤城「………」ぽすん…

赤城は提督の胸に顔を置いた。

提督「ん?どうした赤城。」

赤城「………少しだけ、このままで居させて下さい…」

提督「………わかった……」

蒼龍「……じゃぁ私は右手!」

提督「え?」

飛龍「あ、ずるい!じゃ私左手!」

加賀「では、私は背中です。」

翔鶴「あ、皆さんだけずるいです!私も!」

瑞鶴「ちょ!?私もー!」

提督(……………どこぞの駆逐艦達と一緒の状況じゃね?)








〜司令室〜




〜21:00〜

ガチャ…

榛名「あ!提督!無事だったのですね!」

提督「ん?榛名か。金剛達も…司令室で何やってんの?」

金剛「テートクが帰ってくるのを待ってたんですヨー?もう心配したネー…あ、話は大淀達から聞いたヨ。相当な問題ごとだったらしいネ?」

提督「ああ。後で記憶見せてやる。」

霧島「相変わらず、凄い能力ですこと…」

比叡「司令、赤城さん達は?」

提督「あいつらなら今は入渠してる。バケツを使うように言っておいたが、少し浸かって落ち着きたいようだ。」

榛名「そ、そうでしたか…」ホッ…

提督「……改や改ニになった赤城達がボロボロになる程だ…何が起こっているのかは俺にもわからないけど、用心した方がいい。最近の深海棲艦が強くなってきているのと関係がありそうだからな。

霧島「…はい…」

提督「不安…だろうな。艦娘達は勝てるかどうかもわからない状況になってきている。……全く…」

榛名「……提督…。一体何が…?」

提督「…………見てもあまり面白く無いぞ?」

霧島「まぁ、それは見てからですよ司令。」

提督「……………」パチン




〜〜〜〜〜〜〜





4人「……………」アゼン



提督「な?面白く無いだろう?」

比叡「ヒエ〜…司令ってば本当に何者なんですか…?」

金剛「普通の人よりは強いと思っていたけど…まさかここまでアメイジングなんて…」

提督「………俺にとって何より、お前達の安全第一を考える。誰一人として、俺がいる限り、沈ませやしない。絶対にな…」

霧島「司令…あまり一人では抱え込まないで下さいね…私たちはいつだって司令の力になりたいのですから。」

提督「あぁ。ありがとな。だけど、お前達こそ無理はするなよ。」

金剛「わかってマスヨ!提督!」

提督「よし!俺は少しやる事があるから、お前達はもう自分の部屋に戻ってろ。」

比叡「えー?司令、何をするんですか?」

提督「やる事というより、考えたいことがあってな。悪いが一人にしてくれ。」

榛名「それなら仕方ありませんね…」

霧島「では司令、失礼致します!」

金剛「またネー!テートク!」

比叡「あ!?ちょっと待ってくださいよー!」

ガチャ、バタン


提督「………………」

ほんとは考える事なんかないんだけどな。

ならばなぜ一人になりたいと金剛達に言ったか、

答えはもうすぐだ。


コンコン


ほらな?


赤城「提督…少しよろしいでしょうか?」

提督「赤城か?いいぞ、入って。」

ガチャ

加賀「提督、お疲れ様です。」

飛龍「あ、良かったー…提督居ましたね。」

蒼龍「居なくなってたらどうしようかと…」

翔鶴「提督、失礼します…」

瑞鶴「提督さん…こんばんは。」

提督「よう。どうした?」

赤城「………核心から言います…。」

提督「?」

赤城「私達を、今だけでいいんです。側にいさせてください。」

提督「………断る理由は無いな。ちょうど俺も退屈してたのさ。遠慮なしにそこのソファにでも座っててくれ。今、お茶持ってきてやるから。」

翔鶴「あ、ありがとうございます…」




〜22:00〜





提督「………どうだ?多少は落ち着いたか?」

6人「…………」

提督「…………そうか……なら気の済むまでここに入れば良いさ。自分達の部屋にも戻りにくいというなら、ここで寝てもいい。それはダメだと言う決まりは無いしね。」

蒼龍「……私はそう、します…」

提督「後の五人もか?」

5人「…………」コクッ

提督「……わかった。じゃあ、寝るか。俺も眠たいよ…うう〜んん」

加賀「提督…ごめんなさい…」

提督「え?何が?」

加賀「……私達が任務を失敗したばかりに…作戦は続行出来ずに…」

提督「…………ハァ…まだ言ってんの?俺は気にして無いって言ったろ?」

瑞鶴「……だって…」

提督「なぁ、お前らにとって、提督ってなんだ?」

赤城「え?そ、それは、私達にとっては、艦娘を指揮する者、ですよね?」

提督「そう、それと同時に艦娘を守ること。

良いか?俺は、本当は作戦なんかどうだって良いんだ。だけど出撃も遠征も演習もしなければ、艦娘という存在を否定してしまうんだよ。

けどそれじゃお前たちを兵器としてしか見てないことにもなる。だから、俺はお前達を誰一人として沈ませないし、こき使うこともしない。

ましてや入渠、補給、休暇無し?俺だったらやってられないな…」

飛龍「て、提督…」

提督「俺は、普通に!ふっつうーにお前達と過ごしたい。誰か一人でも欠けたら、そのぽっかり空いた穴は塞がらないんだ。そんなのは嫌だろ?」

翔鶴「…………」ツーーー

提督「つまりはそういうこと。わかったな?」

俺が言いたいことを全て話し終えると、赤城達はまた涙を流していた。

「あーーもう、泣くなよお前らあ…」

加賀「………本当に…前任とは大違いね……」

赤城「提督。ここでお休みしても…よろしいでしょうか?」

提督「おう。ただ、明日は休みだからと言って寝すぎは禁物だぞ?最低でも12:00までには起きろよ?」

瑞鶴「……うん…」

赤城達は提督の心情を聞いて、安心したのかすぐに眠りについた。



提督「………そりゃまぁあんな事があればすぐに寝れもするよな。おやすみ。赤城達よ。」












「あんたこんなこともできないの?」


「おーい!新人!ここ一人でやれるか?」


「あ、ごっめっーん!あたしこれから上がりなんだー!ということで残業よろしくー!」


「どうせ役に立たないでしょ…すぐ辞めるって。」


「はぁー…ほんっと新人を育成するこっちの身にもなれよ…」


「…………なんであんたなんか生まれてきたの?」


「おいおい、これは自分のミスだろ?素直に認めろよ。」


「うわぁー君最っ低だねー。」


「オレたちがお前を辞めさせてやろう。な?ここにいるのも辛いだろ?正直言ってもう限界だろ?」







「な ぁ ? リ セ イ … … …」
















『提督!!!!』







提督「ハッ!」ガバッ!


…………なんて夢だ…くそっ…!どうして昔の夢なんか…!!!


飛龍「提督!はぁ…良かったぁ…酷く魘されてたから心配しましたよ?」

提督「…ハァ…ハァ…ハァ…」

翔鶴「……悪い夢でも見たのですか……?」オロオロ

提督「………あぁ。ごめん…そんな感じだ…」

加賀「……大丈夫ですか?」

提督「悪い…水を一杯入れてきてくれないか…」

瑞鶴「わかったわ。私が持ってくる。」スタスタ

提督「………」

赤城「提督…だいぶお疲れのようですね…」

提督「そう…かもしれないな…あ、そういえば今は何時だ?」

蒼龍「今の時刻は10:00ですね。」

提督「………そうか…俺が12:00まで寝ていると示しがつかないからな。」

翔鶴「提督ったら…そこまで頑張らなくても…」

瑞鶴「提督さん!はい!水よ。」

瑞鶴は提督に水の入ったコップを渡す

提督「おお、すまないな。瑞鶴ありがと。」ゴクゴク

瑞鶴「うん!気にしないで。」

提督「ぷはぁっ…ふ〜、やっと落ち着いた。サンキューな。さて、そろそろ起きようか。休みといえど、何もしないわけにはいかないからな。」

赤城「そうですね。ただ、あまり無理はしないでくださいね?」

提督「ああ。わかってる。」








〜鎮守府屋上〜


〜12:00〜

提督「……………」

程よい風の強さに身を任せて居ると落ち着くな

もっとも、今は本当に一人になりたいからだけど…



『なんであんたなんか生まれてきたの?』


提督「……っ!クッ!」ブンブン!


思い出したくもない記憶を振り払うように頭を振る


提督「………昔は昔、今は今。もう俺はあの世界には戻れないんだ。だから…大丈夫だ。」

そう自分に言い聞かせ、室内に戻ろうとした時…


「ん?あれは第六駆逐隊?あそこで何を?屋上からだとよく聴こえないな…どれ…」パチン


指を鳴らして聴覚を鋭くさせた。


暁「帽子が木の上に乗っちゃったわ…」

雷「もう、暁ったらしょうがないわねー。」

電「あんなに高いとこに…取るのは難しそうなのです…」

Верный=ヴェル「私が引き受けよう。」


どうやら暁の帽子がこの風で飛ばされたようだな。まったく、よし。俺も手伝ってやるか。

提督「よっ」

ダッ!ヒュウウウウ…スタッ!

屋上から飛び降りた提督は暁達の元へ向かう


電「響ちゃん!危ないのです…」

ヴェル「心配いらないよ。すぐ取って戻る。」

暁「待って!私が行くわよ。」

雷「暁って木登りできたっけ…?」

暁「あ、そ、その…」

ヴェル「……やはり私が行こう。」

そう言うとВерныйは木を登り、あっという間に帽子の元まで辿り着いた

「ほら、暁。帽子だよ。」

帽子を取って下にいる暁の方に落とした。

暁「あ、ありがと…響…」

電「は、早く降りてくるのです…!」

ヴェル「あぁ。わかっていr…」

ビュオオオオオ!突如、風が強くなって、Верныйはバランスを崩してしまった!

「………あ……」

ヒュウウウ!

ズドドドドドドド!ガバッ!ドンッ!ドスッ!

ガッ!ゴロゴロゴロ……

暁「あ、あれ?響は?」

雷「!!司令官!」

提督「よう。Верный。大丈夫か?」

ヴェル「し、司令官…」

提督はВерныйが地面に激突する前に庇うように抱き抱え、そのまま転がり込むように受け身をとった

「わ、私は大丈夫だ…司令官は…?」

提督「ん?大丈夫。肩とか背中で受け身をとったからな。それにちゃんとお前の頭と背中を押さえておかないと受身を取ってもお前が怪我をしてしまうからな。」

ヴェル「……司令官……ッ!!」ギュウ

提督「!Верный…」

ヴェル「司令官…私のことは響と呼んでくれ…」

提督「わかった…響。」

ヴェル「………Спасибо……」

電「響ちゃん!良かった…無事なのです!」

暁「司令官も大丈夫なの!?」

提督「おう。外傷はないな。」

雷「あ、響だけずるい!私も!」

暁「私だって!」

電「はわわ…///その…私も…」

提督「…………」



もう何も言わんぞ……





〜間宮食堂〜


〜13:00〜


間宮「………そうだったのですね…何はともあれ、暁ちゃん達を助けてくれて、ありがとうございます…」

提督「いやいや、あそこで助けない考えが浮かばないですよ。」

伊良湖「でも凄いです!木から落ちた響ちゃんを助けるなんて、反射神経と判断力が並外れてますね…」

提督「……そういうもんすかねぇ…」

雷「司令官ー!早くー!」

間宮「…行ってあげて下さい。」

提督「はい!あ、日替わり定食頂きます!」

伊良湖「はい!またお願いします!」



暁「やっぱり間宮さんの作る料理は美味しいわね!」

電「なのです!」

ヴェル「そうだね。味もよし、空腹も解消される。」

提督「あぁ。全くだ。こんな美味いもの食べない方が勿体ねぇよ。」

雷「司令官!今度は私の作った料理もたべてね!雷にもっと頼ってもいいのよ!」

提督「おう。今度腹が減ったらそんときに頼むよ。」

雷「うん!」パァア…!

暁「し、司令官…響を助けてくれてありがとう…お、お礼はちゃんと言えるし!」

電「司令官さん…本当にありがとうなのです…響ちゃんは私達の大事な姉妹なのです…だから居なくなったら寂しいのです…」

雷「私も…響が居ない日なんて考えたくもないわよ…」

ヴェル「暁…雷…電…Спасибо…」

提督「………繋がりを持った姉妹ってのは、一度離れてしまうとそんな簡単には元には戻せないんだよ。俺にも弟が居たから分かるさ。」

電「え…司令官さんの弟?」

雷「司令官に弟が居たの!?以外ね…」

提督「なんだよ…弟が居たらダメなのか?」

暁「そうじゃないわよ!私達、司令官は一人っ子だと思ってたから…」

提督「あ、そうなの?けど俺は姉貴と弟の三姉弟だったからなぁ…」

ヴェル「姉もいたのかい?随分と賑やかそうだ…」

電「その二人は今は何処にいるのですか?」

提督「……………死んだよ……」

4人「え…」

この世界では結局は俺は家族も親族も居ないんだ。死んでいるも同然だ。

雷「………ご、ごめん司令官…いけないことを聞いちゃったわね…」

提督「あ、良いんだ。全然気にする必要は無いぞ?」

暁「あ、あの…どうして死んじゃったの?」

その質問か……どうせ何を言っても結果は同じ


病気で死んだことにするか

提督「流行りの伝染病だったんだ…親父も母さんも姉貴も弟もそれにかかって死んだ…

何故か俺にはかかっていなかったから俺だけ取り残されて…俺はずっと一人だった。」

ヴェル「司令官…」

提督「しかし、生きる為には手に職をつけなければ。そう思っていたが、その時の俺は今以上にガキだったから、どこも雇ってくれるところなんてなかった。そんな俺に残されてるのは陸軍か海軍。俺は最初に陸軍に志願した。もちろんこころよく受け入れてくれた。当然辛いこともあった。だけど、俺はそんな辛さより家族を失ったことの方が辛かった。だから、死にものぐるいで戦果を挙げた。そしたらいつのまにか階級は少将になって、艦娘達の指揮を任せられるようになって、お前達の元いた提督を追い出して、今に至るわけなんだ。ま、今の階級は大将だけどな。」

ほとんど嘘だが… けど本当のことを言うとこいつらは余計に俺に気を使う。そんなものは必要ない。こいつらにはこいつらなりに生きて欲しい。俺みたいになってほしくない。

電「そんな過去が…」

暁「司令官…」

提督「おいおい…4人共そんな顔はよせ。俺はいまの生活すんごい気に入ってるんだぞ?お前達のおかげで、俺は…もっと生きてみたくなったのさ…!」

雷「…ほんとに…?」

提督「ああ!本当だ。」

ヴェル「…………」

提督「ふぅ…ごちそうさん。さて、俺は司令室に戻るぞ。お前達も気をつけろよ。」

暁「あ!司令官!」

提督「ん?

暁「私達、出来ることなら力になるから!いつでも言ってよ?溜め込んだらだめよ…?」

提督「おう。そん時は頼むな。」

ヴェル「………了解」ビッ!

他の三人も続いて敬礼した。

提督「………」ニッ…

提督は微笑んでその場を後にした…




「ぬぁっと!食器返さねえと!」



………………








〜鎮守府プライベートビーチ〜


〜10:00〜


俺がこの鎮守府に来てもう2ヶ月か…まだ三ヶ月分は楽できるが…何かしないと…という思いから艦娘達に構ってあげる事にした。というか出撃や演習や遠征以外では何もすることは無いし

その際に書かないといけない書類はものの4分程度で終了する始末だしな。

だから俺に残されてるのは艦娘達と遊んでやること。

そこでこのプライベートビーチで、今日から5日休みというものを使って特に俺に親しく接する艦娘と来ている。他は皆、鎮守府で留守番。

誘うことは誘ったんだけど…みんなほとんどはめんどくさがっていたり、遊ぶなら鎮守府内で遊んでたり、理由は様々だった。ま、良いけど。



夕立「提督さーん!一人で座ってないでこっちでビーチバレーするっぽーい!」

提督「元気だなぁ…夕立。少し休ませてくれよ。後でまた来るから。」

夕立「うん!絶対よ!」

提督「…………」


主に駆逐艦達の遊びに付き合わされて、疲れ果てた俺は影のあるところに座っていた。



俺と一緒に来た艦娘は三グループ。

一つ目

白露型。白露、時雨、村雨、夕立、春雨、山風、そしていつもの4人、大淀、明石、青葉、夕張。大淀達に関してはまさか来るとは思ってなかったが…

二つ目

吹雪、叢雲、睦月、如月、そして金剛型の4人である金剛、比叡、榛名、霧島。更に、大和、武蔵、長門、陸奥である。

武蔵、長門、陸奥の三人は一ヶ月前に全て建造で出会った奴らだ。夕張曰く、明石はあまりの出来事に気絶していたらしいけど…何がいけなかったんだ?

三つ目

正規空母6人である赤城、加賀、飛龍、蒼龍、翔鶴、瑞鶴、そして、陽炎型のいつもの3人、雪風、時津風、天津風、そして、島風。


戦艦sは全員すぐに意気投合して、盛り上がっていたからな…それは俺のおかげという事で絡みが増えてしまった。俺からすれば疲れの種が増えた。ちくしょうめ。

しかも俺の力について知ると終いには俺に手合わせを申し込んでくる始末。疲れるどころじゃねえ。

俺はてっきり第六駆逐隊が来ると思っていたが、あいつらは意外とホームシックだった。来ない理由はちゃんとあったが。なんでも間宮さんのところで料理の勉強をしたいらしい。

大した心構えだ。まったく。

ビスマルク達も誘ったが、なにやら球磨型の五姉妹とゲーム遊びにはまっているようだった。

某連鎖パズルや某大乱闘をやりまくっているらしい。

提督「………どいつもこいつも俺より元気すぎて困る…」

そんな悲哀じみた独り言を言うと、榛名と時雨が俺に近寄ってきた。

時雨「提督?大丈夫かい?」

榛名「具合でも悪いのでしょうか?」

提督「いいや?俺がみんなの元気に負けてここで休んでただけだよ。」

時雨「そう?なら良いけど。」

榛名「何かお飲みになりますか?」

提督「………そうだな。そこのクーラーボックスからサイダーを取ってくれるか?」

榛名「はい!」

時雨「……提督。ありがとう。僕たちと一緒にこんな日を作ってくれて…」

提督「俺は基本暇だからな。あと3ヶ月はだけど。」

榛名「お持ちしましたよ。提督。」

提督「お、サンキュー。いただくよ。」

キュポン、ゴッゴッゴッ…

榛名からサイダーを受け取り、喉を潤す。

榛名・時雨「……………」

提督「っぶはぁー!これだなぁ!ってあれ?どうした?二人とも。」

榛名「えっ!?い、いえ!何でもありません!」

時雨「う、うん!僕も何でもないから!」

提督「???そうか?にしても暑い日には炭酸の効いたものはうめぇわ。」

榛名・時雨(提督がサイダーを飲んでいる姿を見て見惚れてしまったなんて言えない…/////)

提督「…………」

(みんな水着姿が似合ってるな…おかげで目のやり場に困る……///)


お互いがそんな思いを気付かないまま、すでに30分は経っていた……



〜12:00〜



提督「おーし!そろそろ昼飯時だな!バーベキューでもするか!誰か手伝ってくれー!」

大和「では、私が行きましょう!」

武蔵「大和が行くのか。では私も付き合おうか。」

長門「待った!私も行こう。」

陸奥「手伝うわ!提督!」

提督「お!色んな意味で心強いな。じゃ、長門は火を起こしておいてくれるか?」

長門「了解した。」

提督「武蔵はテントから食材をありったけ持ってきてくれ。理由はみんな想像付くだろ?」

武蔵「あぁ…赤城達だな…」

提督「その通り。じゃ、陸奥は金網と台を4台持ってきてくれるか?結構重いが…頼まれてくれるか?」

陸奥「えぇ!任せて提督!」

提督「よし、大和は長門と陸奥の準備が終われば即座に武蔵の持ってきた食材を焼いていてくれ。長門達も別の3台の担当を頼む。」

大和「了解しました!」

提督「俺は一応、ここ一帯と鎮守府の周りに結界を張ってくる。万が一、深海棲艦が襲ってこないとも限らないからな。」

武蔵「フッ…本当にその力は化け物じみているな…」

提督「それは褒めてんの?貶してんの?」

長門「恐れ入っているのさ。貴方のチカラは我々艦娘の域では到底かなわないとな。」

提督「言っておくけど、お前達艦娘が弱いんじゃ無いんだ。俺がおかしいんだよ。普通の人間が艦載機を飛ばされたり、魚雷ぶち込まれたり、自分の気に入らない事で罵倒してきたりしたら、精神は折れるぞ。」

大和「提督はいろいろ自分の中に溜め込み過ぎなんです。私たちも力になれますから…」

提督「……頼りたいときに頼る主義なんでね。いつも頼りっきりじゃ提督として、男として情け無いことこの上ないっての。」

長門「だが、それでも私達ならば力にはなれるだろう?くどいようだが、一人で突っ込みすぎるなよ?」

提督「あぁ…わかったよ。」

陸奥「まぁ、毎度のこと長門と武蔵が提督に勝負を挑んでは逃げられているけど…」

長門・武蔵「それは言うな!」

大和「クスッ…もうみんな!早く取り掛かりましょう!」

提督「ハハ…頼んだぞ〜」




〜〜〜〜〜〜〜





青葉「う〜ん!お肉の焼き加減が最高ですねー!流石ですよ!大和さん!」

大和「そ、そうかしら…?ちょっと照れるわ…///」

雪風「うわ〜!凄い量…食べきれるかな…」

長門「なに、心配はいらんさ。」

武蔵「ああ。なんせ一航戦の二人はあの食いっぷりだからな。」

赤城「……………」バクバクバクバク!ガツガツ!ゴクゴク モグモグ!

加賀「……………」ガツガツガツ!モグモグモグ!ズルルルル!ゴキュゴキュ!

春雨「あ、あはは…」

山風「……お腹の中はどうなってるんだろ……」

明石「あの二人は相変わらずだね。」

大淀「そうね…ふふっ」

陸奥「どうかしら?ちょっと焦げたかもしれないんだけど…」

霧島「これでちょうど良いぐらいですよ!すごく美味しいです!」

島風「うんうん!それに食べやすい大きさだし。」

比叡「食べていて飽きません!うん!美味い!」

陸奥「あら、嬉しい!どんどん焼いてっちゃおうかしら!」



如月「………?そういえば司令官はどこかしら?」

吹雪「あ、たしかに見かけませんね…」

武蔵「提督なら鎮守府とここら一帯に結界を張りに行ったが…そう言われてみれば遅いな…」

長門「もう1〜2時間は経っているな…」

天津風「……ちょっと様子を見に行こうかしらね…」

瑞鶴「………提督さんに限ってだけど、何かあっても大丈夫だと思うんだけど…」


みんなが提督が来ないことを心配していると…



ヒュウウウウウ!ドォン!


提督「よっ……と」

艦娘s「!?」

白露「提督!?今空から!?」

時津風「飛んできたよね…」

提督「よう!どうだ?バーベキューの調子は。」

夕張「いやーみんな焼くの上手くて美味しくて…ってそうじゃなくて!」

吹雪「空も飛べたんですね…!司令官ったらほんとに何でもありですか…」

提督「っへへ!まぁな?」

金剛「まぁまぁ!テートク!ほら!長門さん達が焼いたお肉デース!一緒に食べまショー!」

提督「だー!もう引っ張るな!わかった!わかったよ!」


ワイワイガヤガヤ

ギャハハハ!

ドゴーン!ダゴーン!

ノーーーーーーーー!

アッベシィーーーー!

キィーーーーーーー!

オイバカ!ヤメロー!

アッハハハハハ!





〜19:40〜






提督「………何でこんな元気なのかねぇ…ほんと疲れる…」

明石「ふふっ…お疲れ様です!提督。」

青葉「みんな遊び疲れてテントで眠ってますよ…」

夕張「長門姉妹と大和姉妹は見張りしてますけど…」

大淀「………鉄壁の守りですね…」

提督「まぁ、俺からすれば良い事だと思う。だってよ、あんな元気な姿を見せられたら嫌でも笑っちまうよ。」

大淀「私も…提督のおかげで笑えるようになったんです。これ以上無い幸せですよ…」

夕張「それはそうと、提督も案外体力ありますよね。もしかして運動結構やってたりして…」

提督「うん。走ったり筋トレしたりは家に居た頃はやってたからな。身体を鈍らせたく無かったんだ。」

青葉「あ!なるほど。だからそんなにたくましい体つきなんですなんですね!」

提督「人の身体をそんなにまじまじと見るな!」

明石「……………」ジーーーー

大淀「……………」ジーーーー

夕張「……………」ジーーーー

青葉「……………」ジーーーー

提督「…………………やめろ!見るんじゃない!恥ずかしいだろうが!///」

四人(………本当にカッコイイです…///)




提督「…………あ、そういえば急に思い出した。」

明石「?何がですか?」

提督「赤城達を助けに行った時、緊急連絡の電話にジャミングが入っていたことだよ。」

大淀「……そ、そういえば…」

提督「………あのジャミングは俺にもわからない…いったい誰が何のためにしたのか…」

青葉「私も色々調べたんですが…結局何もわからずじまいで…すみません…」

提督「いや、むしろ良くやった。通信機器の故障にしては妙にタイミングが良すぎた。けど、深海棲艦には通信妨害の能力は無いからな…明らかに人間側の仕業か…もしくは何か別の敵か…」

夕張「最近深海棲艦が強くなっていることと関係があるんでしょうか…」

提督「……その可能性も否定できないな…けど、人間側の仕業なら、こっちも対処しやすい。しかも一般機器ではなく、緊急用の電話だ。もし仮に深海棲艦側の仕業だとしたら、通信機器全てに障害が起きるはず。奴らは根から潰す考えだからな。退路を断つのが得意らしいな。俺が赤城達を助けに行った後は、他の機械や電子機器に異常はあったか?」

明石「いいえ…あの緊急通信だけにしか、異常はありませんでした…」

提督「…………確定では無いけど…人間側による仕業の確率が高いな…だとしたら理由はただの嫌がらせか…それとも戦力を潰す作戦か…」

大淀「え?それは一体どう言う…」

提督「実はさ、他の鎮守府でも結構ジャミングが起きてるらしいんだよ。この前元帥殿から似たような事例の報告があったからな。」

青葉「げ、元帥の報告ですか!?なら注意は余計に気にかけないと…」

提督「ああ。それに、やっぱり、深海棲艦がジャミングを飛ばせるという報告は一つも無いらしいんだ。とすれば、相当嫉妬心を込めた思考が歪んだ奴らの仕業だろうな。」

夕張「じゃあ…やっぱり…」

提督「まだそうだと決まった訳じゃない。でも、用心するに越したことは無いな。こんな事をここで言うのも何だけど、みんな、今まで以上に気をつけることだ。」

4人「了解!」ビッ!

大淀(…………提督…貴方と言う人は……本当に凄い人ですよ…)

明石(今の鎮守府に…貴方が来て…本当に良かった…)

夕張(よし!絶対に負けない!提督もみんなも傷つけさせはしない!)

青葉(青葉!これまで以上に情報収集に励みます!)



オーイ!


提督「ん?金剛?比叡と榛名と霧島もどうした?」

比叡「夜景を見るために散歩してました!」

青葉「あれ?他のみんなは?」

霧島「みんなお休みになられてますよ。司令と一緒遊び疲れたのでしょう。」

提督「だろうな。俺も結構身体がだるいぞ。」

金剛「フフフ…なら、気分転換に一緒に散歩しませんカ?」

提督「これ以上気分転換してどうするってんだよ…」

夕張「え〜?その為にみんなと一緒にこのビーチに遊びに来てるんでしょう?」

提督「そ、それはそうだけどさ…」

榛名「提督の場合はまた違う意味での気分転換ですよ。一緒に行きましょう!」

大淀「なら、私も行きますよ。ちょうど歩いておきたい気分だったんです。」

明石「なら私も。テントに戻っても退屈でしょうし。」

青葉「では、青葉もご一緒させてもらってもいいでしょうか?金剛さん達の言う夜景も見ながら歩いてみたいです!」

金剛「もちろん!みんなで一緒に行った方が楽しいネ!」

提督「結局全員行くんじゃねぇか!」



アハハハハハ!!

ホラハヤクー!

テイトク!ミテクダサイ!スゴクキレイ!

オイオイハシルナヨー…




…………………












三ヶ月後…