消せる石

ーー帰り道ーー

僕（あー、今日も仕事疲れたなぁ）

僕（色々頼まれる雑用だけで1日が終わっちゃうな…）

僕（断るのも悪いけど、自分の業務が一向に進まないや…）

僕（社員はどんどん辞めるのに、業務の量は減らないんだか困るよな…）ﾊｧ…

僕（おれも辞めようかな…でも、今まで色々面倒みてもらったしな…辞めづらいよな…）ｳｰﾝ…

僕（はーやだやだ、昔から優柔不断だよな、おれって……ん？）　

即決☆これであなたも決断力Up‼天然石、パワーストーン、ブレスレット、ネックレス…………

僕（パワーストーンショップか…決断力up？あほくさ…そんな簡単に変われるかよ…）

ーーーーー

ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｼﾀｰ

僕（買ってしまった）ﾁｬﾗﾘ

僕（まあ、気休めだよな…）

僕（晩飯、カレーかラーメンどっちにしようかな…）ﾎﾞﾜｧｧ…

僕（ブレスレットが光ってる…）ﾅﾝｼﾞｬｺﾘｬ

僕（！？！）

僕（カレーを食べたい気持ちが…なくなった！！）

僕（すげぇ、いつもはメニュー決めるのに1時間くらいかかるのに…！！）

僕（ラーメン‼今日の晩飯はラーメンだ!!!）

僕「なんだよこれ、すげぇじゃん……」ﾁｬﾗﾘ

ーーーーー

ｶﾞﾔｶﾞﾔ

僕（今日は会社の飲み会だ）

社長「ういー、のぉんでるかー？」(*^^*)

先輩「ハハ…ぼちぼちです…」

僕（うわ、社長だいぶ酔ってるな…）

僕（普段は仕事もできるし、すごい良い人なんだけど、酔うと誰彼構わずにマウントとって説教するからめんどくさいんだよな…）

社長「おーいお前ら、もしここに、どんな女とでも結婚できるチケットがあったら…どうする？」

上司「そりゃあ自分は桐谷美玲一択っすよ、ギャハハ！！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

社長「結婚はいいぞー、お前も早く結婚したらどうなんだー？結婚しねえやつは人間のクズだからｳﾝﾀﾗｶﾝﾀﾗ〜人類の繁栄がｳﾝﾀﾗｶﾝﾀﾗ〜」ﾋｯｸ

先輩「ハハ…そうですね…」ｱﾊﾊ…

社長「なあー、僕はぁどうなんだよ」ﾋｯｸ

僕（彼女いないの知ってるくせに…めんどくさいなぁ…）

僕（そもそも結婚にあんまりいい印象もってないし…）ﾎﾞﾜｧｧ…

僕（どうしよう、適当に話あわせ「しません」

社長「あ？」

上司「え？」

先輩「う？」

僕「結婚、しません」

僕（あら…）

社長「………じゃあさ、おまえ年取ってからどうすんの？」

社長「家族に看取られて死ぬ人生と、一人寂しく孤独死で腐って死ぬ人生、どっちがいいわけ？」

僕「なんでそんなに極端なんですか？」

僕「結婚しないと孤独って決まってるんですか？」

社長「……おお、だったらお前の人生プランを聞かせてくれよ。結婚もせず子供も育てず生きて、何かやりたいことでもあんのか？？」

僕「あなたには言いたくないです」

僕「聞き方に悪意を感じるんで話したくないです」

社長「…………ﾊｧ…」ｶﾞﾀｯ　　ｽﾀｽﾀｽﾀ…

　

上司「……明日一言謝っとけよ。社長が途中で帰る時は本当に気分悪くなったときだけだ」

僕「…………」

ーーーーー休日・映画館

僕（今日はスパイダーバースでもみるか）

僕（この前はやっちまったな…）

僕（翌日社長も謝ったら笑って許してくれたけど、あれはまずかったよな…）

僕（お、映画はじまるな）

ｻｸｯ………ｻｸｯ……

僕（だれかポップコーンでも食べてるのか…）

僕（こう静かだとよく響くな）

…ｻｸｯ………ｻｸｯ………

僕（気になるな…、でも注意するにも映画はじまったし、どうしよう…）ﾎﾞﾜｧｧ…

僕　ｶﾞﾀｯ「……おい、そこのお前うるせえんだよ！」

ｻﾞﾜｻﾞﾜ……ﾅﾆｱﾉﾋﾄ…ｺﾜｲ……ﾅﾝﾀﾞﾅﾝﾀﾞ……ｻﾞﾜｻﾞﾜ

ポップコーン「ｧ、ｧ、ｽﾐﾏｾ…」

僕「………」

ーーーーーまた別の日・通勤

　

僕（あー仕事やめたいな…）

僕（相変わらず人は辞めて仕事は増える一方）

僕（最近泊まりで仕事しても終わらないほど多くなってきてるし）ﾎﾞﾜｧｧ…

僕（でも今まで良くしてもらった恩もあるし…どうしよう…）ﾎﾞﾜｧｧ…

ーーーーー会社・19:00

僕「おつかれさまです、社長」

社長「おはよう、どうした？」

僕「突然ですが、今日限りで退職させていただきたくて」

社長「は？」

社長「ちょっと急すぎじゃないか？」

社長「辞めるったって次の職場は決まってんのか？」

僕「すみません、でも僕の人生ですので…お疲れ様でした」ｽﾀｽﾀ…

社長「おい、ちょっと待てよ！」

ーーーーーある日

僕（暇だな…）

僕（5年も努めた会社も辞めちゃったし）

僕（特にやりたいこともないし…）ﾎﾞﾜｧｧ…

僕（別に生きてても仕方ないよな）ﾎﾞﾜｧｧ…

僕「やりたいこと…やりたいこと…」ﾎﾞﾜｧｧ…

僕（考えるのめんどくせえ）ﾎﾞﾜｧｧ…

僕（………死ぬか）ﾎﾞﾜｧｧ……

ーーーーーとあるビルの屋上

ビゥゥゥ………

僕（風つよっ！！）

僕（昔は高いとこダメだったのに）

僕（なぜかもう怖いと思わない）

僕（こっから飛んだら何も考えなくてよくなる）

僕「……アハハハハハ！」

ﾋﾟｮｰﾝ

……ﾋﾞｼｬ……

ｳﾜｯ!ﾅﾝﾀﾞﾅﾝﾀﾞ…ｷｬｰ!ｳｴｶﾗﾋﾄｶﾞ……

ｻﾞﾜｻﾞﾜ…ｹｲｻﾂﾖﾍﾞ!……ｻﾞﾜｻﾞﾜ…