2017年10月29日(日) 9:00

スペクトル凡矢理 705号室

楽 「は？ハロウィンパーティ？」

集 「そうなんだよーー、楽。

他の大学の友達が毎年やってるみたいなんだ。

ちょうど、今日からの3日間。」

楽 「今日から3日間って、

ちょうど、大学祭の初日の前日までじゃねーか！」

集 「そうなんだよー〜。

俺とるりちゃんも、楽も桐崎さんも小野寺も、

それぞれの大学祭の準備も終わった事だし、

ちょうどそのお疲れ会も兼ねて、

みんなの大学祭の前夜祭って、事で。」

楽 「当日にいきなり言われてもなぁ………。」

千棘 「いきましょーよ、楽！

どうせ今日は、デートの場所が決まってなかったトコだし！」

集 「おっ、ノリがいーね。

さすが桐崎さん！

じゃあ、メールで送った場所で11時に待ってるからね！」

楽 「なっ！お、おい集………。」

プッ プーープーー………

楽 「……………。」

そんな訳で………

2017年10月29日(日) 11:00

凡矢理会館

楽 「集がクリスマスパーティーやった、場所でやるのかよ………。」

集 「だって俺が、彼にレンタルしたからね♪」

楽 「なるほど、

そういう事か………。」

小咲 「あ！おーい、一条君と千棘ちゃん〜〜。」

楽 「お、小野寺！」

楽が集と、建物の前で話していると、

小咲が話し掛けて来た。

千棘 「あっ、小咲ちゃん！

小咲ちゃんも、舞子君に今日のパーティーに呼ばれたの？」

小咲 「うん。

昨日、舞子君から電話があってね。」

万里花 「らーくーさーまー！」

楽&千棘 「！げっ！」

今度は、楽達にとっては聞き慣れた声が聞こえた。

ギュッ

万里花 「お久しぶりですわ〜〜、

楽様ーー！」

万里花は、楽に抱きついた。

スリスリ〜………

楽 「久々に来たな、このパターン………。」

千棘 「こらーー！

万里花、楽から離れなさい〜〜！

あんた、彼女の私の前で、

なんて事してんのよ！」

ギュウウゥ………

千棘は、万里花を引き離そうとした。

千棘 (………まあ、普段はこんな子でも、

根は皆川さんよりは、全然いい子なんだけどね………。)

ブォォンッ

一同 「ん？」

久々の集合で騒いでる一同の前に、

今度はバイクが駐車場の方に一台止まった。

スッ

ライダーが、ヘルメットを外した。

鶫 「懐かしいな。

この顔ぶれも。」

千棘 「あっ、つぐみ！」

ライダーの正体は、鶫だった。

スタスタ………

鶫 「到着しました。

お嬢。」

千棘 「つぐみ、あんたも呼ばれたの？」

つぐみ 「はい。

昨日、舞子集から連絡がありましてね。

まあ………余興程度としてなら、参加してもいいと思った訳です。」

集 「やだな〜〜、誠士郎ちゃん。

せっかく、誘ってあげたのにその言い草は。

そう言うにしては、気合の入った格好だけど？」

集の言う通り、鶫は普段の男装とは打って変わって、

赤いマフラーに、ピンク色のワンピースという、パーティーに相応しい、女の子らしい格好で来ていた。

鶫 「なっ！こ、これはだな………

私も、LAB(ラボ)のモデル科の学生として、

普段から服装にも気を配るように、

そう、これはお嬢のモデルになった時の為に、

つまりは、お嬢の為にだな………。」

ゴニョゴニョ………

カアァァ………

鶫は、顔を赤らめながら答えた。

千棘 「へーー。

鶫、あんたもようやく、分かってきたじゃない。

私、嬉しいわ！」

鶫 「いえ、お嬢。

別にそういう訳では………。」

楽 「いいんじゃねーか？

スゲー、似合ってるぞ。」

鶫 「なっ！？

う、うるさいわバカ者！

貴様にそんな事言われても、ちっとも嬉しくないぞ！」

楽 「なっ！？

また怒られた？なんでだ？」

千棘 「あれ？そういやあつぐみ、

蒼也君は今日は来ないの？」

鶫 「いや、それが………

誘ったには誘ったんですが、

「俺は表の人間とこれ以上馴れ合うのは性に合わない。

気持ちは嬉しいが、お前らだけで楽しんで来てくれ。」

だ、そうです。」

楽 「ふーん。

別に来ればいいのに………

あいつ、鶫以上に固いところあるよな。」

集 「おーい、みんなーー！

そろそろ、受付済ませるよーー！」

一同 「はーい！」

ゾロゾロ………

そして、一同は建物の中に入り………

凡矢理会館 受け付け

？ 「お！集ちゃん、たくさん連れて来てくれたねーー！」

集 「おうよ、表！

お前のイベントを盛り上げる為に、

この建物を知り合いに頼んで借りたり、

こうして、高校の友達をたくさん呼んだりしたぜ。」

受け付けを担当していた若い男は、

キャラメルに近い色の茶髪をして、

緑のカラーコンタクトをした、

派手な風貌だった。

楽 「なあ集、

この人がお前が電話で言ってた、

お前の、他大学の友達か？」

集 「ああ。

サークルで知り合った、K.O大学(ケーオーだいがく)の、草鹿 表(くさか ひょう)だ。

ひょう、こっちは俺の幼馴染(おさななじみ)の、一条楽だ。」

表 「ヨロシク♪」

楽 「お、おう。

よろしく………。」

楽 (なんか、集以上に態度がチャラけた奴だな………。)

表 「じゃあ、イベントがそろそろ始まるから、

皆さん、会場に入ってーー。」

一同 「はーい。」

ゾロゾロ………

第1巻 第244話 完