2017年10月29日(日) 14:00

草鹿(くさか) 「えーー、

本日のハロウィンパーティーの、

第3イベントは、

お菓子作りです。

ハロウィンで、近所の家に配るお菓子を

作ります。」

一同 「はーい。」

楽 「………おいおい。

ハロウィンって、お菓子を近所の家から

貰うんじゃねーのか？

これじゃあ、逆じゃねーか。」

草鹿 「チッチッチッ、

甘いね一条君。」

楽 「わっ、草鹿………いや、表？」

草鹿 「今時の現代日本の家の人が、

普通のトリック・オア・トリートで、

「お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞ？」

なんて言うだけで、そんなに沢山のお菓子が集まると思う？

美味しいお菓子をこっちで作っておいて、

それを向こうのお菓子と交換して貰うんだよ。」

楽 (こいつ………意外と現実主義者だな。)

草鹿 「さあさあ皆さん、材料と調理器具は揃ってるから、美味しいお菓子をたくさん作って下さいねー。」

一同 「はーい。」

千棘 「よーし………。

子供達のハートを鷲掴みにする、

美味しいお菓子を作ってみせるわ！」

万里花 「あらあら、桐崎さん。

あなたの料理の腕で、子供達の心を掴めますの？

それに、あなたが行っても、

「ママ〜〜！ゴリラが来た〜〜！」

と、言われてしまいそうですわね。」

千棘 「何ですって？

上等じゃない………

万里花、どっちが美味しいお菓子を作れるか勝負よ！

あんたには、負けないんだからね！」

万里花 「いいですわ。

望むところですわよ。」

鶫 「お嬢、私もお手伝いします。

橘万里花に、お嬢を負けさせはしません。」

小咲 「ちょっとちょっと、

ケンカはダメだよ、2人とも………。」

るり 「まあ、私は見返りのお菓子を沢山貰えれば、それで満足だけどね。」

楽 「やれやれ………。」

そして、お菓子作りは始まり………。

千棘 「出来たわーー！

パンプキンパイよ！」

千棘は、ハロウィンカボチャの顔を模した、

甘いカボチャの匂いをする見事なパンプキンパイを作っていた。

鶫 「お見事です、お嬢。」

万里花 「おやおや。

桐崎さんも、少しは料理の腕が上達したようですわね。

でも、私のカボチャジュースの勝ちですわね。」

コトッ

万里花は、食材にあったカボチャをミキサーでジュースにして、

オレンジ色のカボチャジュースを作っていた。

万里花 「カボチャジュースは、

あの有名な小説の、「ハリーポッター」で、有名な飲み物ですわ。

これなら子供はすぐに欲しがり、

お菓子と交換してくれるでしょう。」

千棘 「むむむ………

やるわね万里花………。」

万里花 「この勝負、私(わたくし)の勝ちですわね。」

千棘 「そ、そんな事無いわよ！」

千棘&万里花 「これは………。」

千棘&万里花 「楽(楽様)に選んで貰うしか無いわ(無いですわ)！」

そんな訳で………

千棘 「ねー楽、あんたはどっちの方が美味しいと思う？」

万里花 「当然、

私(わたくし)のカボチャジュースの方が美味しいですわよね？」

楽 「えーっと………。」

楽 (答えづらい、つーの！

そりゃ、彼氏として料理を頑張って出来るようになった千棘の努力を褒めてやりてーけど、

どっちも、十分美味しいし………。)

楽 「えーっと………

どっちも、十分美味いと思うぜ？」

千棘 「なによ、

相変わらず優柔不断なもやし君ね！」

楽 「そういやあ、鶫は何を作ったんだ？」

千棘 「話をそらさないでよ！

あ。でも、つぐみは何を作ったの？」

鶫 「ああ。

私が作ったのは、コレです。」

スッ

鶫は、ビニールの袋に入って、

赤いリボンで包んだ、

オバケ型やカボチャ型、

帽子型などハロウィンに関係のあるものの形に型を取った、

クッキーだった。

楽 「おっ、クッキーか。

それも、随分と綺麗な形に型を取ってあるな。」

千棘 「美味しそう〜〜。

あんた、すごいわねつぐみ！」

鶫 「ありがとうございます、お嬢。

それにコレは、ただのクッキーでは無いのですよ。

材料にカボチャを入れてあります。」

千棘 「カボチャを？」

鶫 「ええ。

ポーラは、野菜が苦手だったでしょう？

それを思い出して、

ポーラと同じように野菜嫌いの子供にも、

十分にビタミンなどの栄養を摂って貰えるといいと思いまして。」

楽 「へぇ〜〜。

しっかり、栄養の事も考えてるんだな。

やっぱり鶫は、いいお母さんになれそうだな。」

鶫 「なっ！？

貴様にそんな事言われても、嬉しく無いぞバカ者！」

楽 「はぁ？

なんで、怒ってんだよ？」

つぐみ 「全く………。」

るり 「みんな、中々のお菓子を作ってるわね。」

集 「ねえねえ、ところでるりちゃんは、

何を作ったの〜〜？」

るり 「私は、コレよ。」

スッ

集 「おっ？」

るりが集に見せたのは、

色んな色の飴(アメ)だった。

集 「アメ？

なんだか無難だね、るりちゃんにしては。」

るり 「ええ。

こういうシンプルなお菓子の方が、

子供は喜ぶと思ってね。」

集 「なんだ〜〜。

るりちゃん、子供達の事考えてるんだ。

優しいね〜〜。」

るり 「そしたら、

たくさんお菓子を交換して貰えるでしょ？」

キラーン

集 「ああ、そういう事ね………。」

小咲 「アハハ………

みんな、美味しそうなお菓子作ってるね、

スゴイなぁ………。」

楽 「あ、小野寺。」

楽達が話していると、

小咲がやって来た。

千棘 「ねぇねぇ、小咲ちゃんは何を作ったの？」

小咲 「ああ、私はコレだよ。」

スッ

集 「おお………！」

鶫 「これは………。」

千棘 「わぁ〜〜、美味しそう………。」

楽 「美味そうなケーキだな………。」

小咲が楽達に見せたのは、

カボチャを材料とした、

パンプキンケーキだった。

千棘 「ねー、小咲ちゃん。

ちょっと食べてもいい？」

小咲 「いいよ。

たくさん作ったし。」

ペロッ

パクッ

千棘 「んーー、

何コレ？おいっしー！」

楽 「そんなに美味いのか千棘？

なあ小野寺、俺も一口いいか？」

集 「俺も！」

万里花 「私(わたくし)も、一口頂きたいですわ。」

小咲 「勿論いいよ。

私も、みんなに食べてもらいたいし。」

一同 「頂きまーす！」

パクッ

楽 「おおっ！？

なんだコレ？

スッゲーー、美味いぞ？」

集 「こりゃ美味い〜〜。」

鶫 「流石です、小野寺様。」

るり 「あの小咲が、これだけのお菓子を………

あんた、頑張ったわね。」

万里花 「むむむ………悔しいですが、

私(わたくし)も、小野寺さんには敵いませんわね。」

小咲 「ありがとう、みんな！」

楽 「こりゃ、今日の菓子作りのNo.1(ナンバーワン)は、小野寺で決まりだな！」

小咲 「そんな、私なんてまだまだだよ………。」

集 「やっぱり、

和菓子屋の娘で、菓子職人(パティシエ)を目指してるだけあるね〜〜。」

千棘 「さっすが、小咲ちゃん！」

小咲 (ホントは、弥柳くんが

私にケーキ作りの基礎を詳しく教えてくれたから、

これだけ上手く作れたんだけどね………。

よし！このパンプキンケーキを、

私の洋菓子レシピのNo.4にしよう！)

草鹿 「えーー、

みなさん、たくさんのお菓子を作ってくれてありがとうございました。

これにて、

ハロウィンパーティーの1日目は終了でーす。」

第1巻 第247話 完