2019-06-16 03:14:20 更新

2017年10月30日(月) AM:11:00


凡矢理会館


草鹿 「えーー、射的も終わったところで、

本日のハロウィンゲーム第2弾は、

「ダック・アップル」です!」


楽 「ダック・アップル?」


千棘 「ダック・アップルってのは、

ハロウィンでのゲームの1つで、

水に入ったたらいに浮かべたリンゴを、

手を使わずに口にくわえてとるゲームよ。」


楽 「お前、詳しいな………。」


千棘 「もちろん!

アメリカじゃあ、何度もハロウィンパーティーに参加してたからね!」


万里花 「あ、そうですわ桐崎さん。

私(わたくし)とあなた、どちらがたくさんのリンゴを取れるか、勝負しません?

昨日のお菓子作り勝負でつかなかった決着を、それでつけましょう。」


千棘 「あっ、いいわねそれ。

あんたには負けないわよ万里花!」



そして………



草鹿 「では、ゲームスタートです♪

制限時間は5分です。」


万里花 「では、まずは私(わたくし)から。」


草鹿 「それでは、よーい………ドンッ!」



パクッ


パクッ


パクッ



参加者は、一斉に水の入ったお盆に浮かんだリンゴを口でくわえ出した。



万里花 (ムムム………これは予想以上に難しいですわね。

しかし………ここは楽様の手前(てまえ)、

負ける訳にはいきませんわ!)



パクッ


パクッ


パクッ



千棘 「万里花のやつ、意外とやるじゃない!」


楽 「橘のやつ、

相変わらず負けず嫌いだな………。」



そして………



草鹿 「はーい、第1陣のみなさん、

終了でーす。」


万里花 「ぶはっ!

記録は10個ですか………。」


楽 「橘のやつ、結構たくさん取ったな………。」


千棘 「よーし………私も負けないわよ!」


草鹿 「それでは第2陣のみなさん、

よーい………ドンッ!」



パクッ


パクッ


パクッ


千棘 「そーれっ!

負けないわよーー!」



千棘は、凄い勢いでリンゴを口にくわえて

自分の箱の中に入れて行った。



楽 「おおっ!?

千棘のやつ、スゲーな!」


万里花 「さすが、野生のゴリラの口さばきですわね。」



パクッ


パクッ


ビチャ



千棘 「え?」



ジワワァ………



千棘がリンゴをくわえようとした拍子に、水が千棘の服にかかり、

濡れてピンク色のブラジャーが透けて見えてしまった。



楽 「!」


千棘 「キャアッ!」


バッ



千棘は、両腕で胸元を隠した。



客A 「あ!あの女の子、下着が透けて見えてるわよ?」


客B 「でも、いい胸してるな〜〜。

顔も可愛いぜ?」


千棘 「うう………どうしよう………。」


バッ


千棘 「え?」


楽 「ほらよ。」



楽は、千棘に自分の上着を差し出した。

少し怖い顔をして。



千棘 「あ、ありがとう。

楽………。」


鶫 「お嬢!

急いで家から、代わりの服を取って来ますね!」


バッ


千棘 「うん。

ありがとう、つぐみ。」


楽 「良かったな、千棘。」


千棘 「………ねぇ楽、

何であんな、怖そうな顔してたの?」


楽 「………なんつーかな、

お前の裸が、俺以外の男に見られるのが、

耐えられなかったんだ。」


千棘 ドキッ


千棘 「………そうだね。

私も、楽にだけ見せてあげたいし、

楽以外には見られたくないわ。」


楽 「勘違いされるような事、

言うなよ………。」


第1巻 第249話 完


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