2020-01-08 18:55:31 更新

概要

2019/07/19 体調不良やら仕事場の問題やらで、進められません・・・ 構想はできてるのに・・・
2019/07/12 陸奥と如月も意外と動かしやすいなぁ。あれ? 同じ属性じゃね? この二人・・・
2019/07/04 あ、あれれ? ラブもコメディも仕事を放棄したよ・・・
2019/06/30 さぁ、ここからはヒロインにスポットを当てていきます!(夜)おかしい・・・ ヒロインより姉妹艦が出てる・・・
2019/2/17 I'm Alaive! I'm Alaive!


前書き

1からの続きです。
いやぁ、10万文字以内に収まらないとは・・・


眠れない夜



廊下:


長月(空しい・・・)


長月(今日一日、何もせずに過ごしてしまった・・・)


長月(望月じゃあるまいに・・・)


長月(大規模移動で数日全休とは言え、弛んでるな・・・)


??「はい、後ろを取ったよ~」


??「何をぼ~っと歩いてるの? そんなんじゃ、夜戦出来ないよ?」


長月「腑抜けてたか、済まないな、川内」


川内「いや・・・ 謝られてもねぇ・・・」


川内「仕方がない、お姉さんが話を聞いてあげるよ! さぁさぁ!」


長月「何でもないんだ・・・」


川内「健康な夜戦は健全な肉体に宿る! 健康ならそんなに落ち込むはずないじゃん」


長月「単に寝不足になって、今日一日何もせずに過ごしたのが悔しいだけさ」


川内「じゃ、夜戦する?」


長月「脈絡がないぞ!」


長月「はぁ、司令官との話してるせいか、ツッコミが上手くなってしまった・・・」


川内「折角の夜なのに、夜戦しないってさぁ~」


長月「大規模作戦後で資源がないのは判ってるだろう。大人しくしておくんだな」


??「何を騒いでいるの? もう夜よ」


川内「あ、やべ。あたしはこれで失礼するよ~!」


長月「あ、こら! 話は終わってないぞ!」


??「気持ちは判るけど、あなたまで夜戦面に堕ちたらだめよ?」


長月「済まないな、陸奥。騒がしくしてしまった」


陸奥「構わないわ。川内がうるさいのはいつもの事だもの」


陸奥「それより、こんな時間まで、何をしてるのよ?」


長月「いや、昨晩に眠れなくて、明け方に寝たものだから、寝付けないでな」


陸奥「ふ~ん」


長月「そうだ、折角だし、陸奥を大人の女性と見て相談したいことがあるんだ」


陸奥「あらあら。いいわ、こっちでお話しましょ」



自販機前ベンチ:


陸奥「はい、長月ちゃんは苺牛乳でいいわね?」


長月「子ども扱い・・・ いや、いいんだ」


陸奥「今から寝るなら、カフェインは採らない方が良いでしょ」


長月「むぅ・・・」


陸奥「さて、相談って何かしら?」


長月「いや、待ってくれ。何から話せばいいのか、ちょっと混乱してるんだ」


陸奥「誰かと喧嘩しちゃったのかしら?」


長月「いや、違う」


陸奥「そっか~」


長月「・・・陸奥よ、私は可愛いのか?」


陸奥「え?」


長月「そのだな。誰とは言えないが、手を握られて『可愛いから目を合わせられなかった』と言われたんだ」


陸奥「え~と・・・」


長月「そうだよな? 陸奥も考えるくらい、私は可愛くないよな?」


陸奥「いえ、その誰かさんを考えただけよ」


陸奥「先に答えると、私たち戦艦から見れば、長月ちゃんは可愛いわよ」


長月「なっ!?」


陸奥「だって、こんなに小さいんだもん」ヒョイ


長月「抱き上げるな! 私は子供ではない!」


陸奥「あらぁ? 小さくて可愛いと言うのは、それだけでアドバンテージよ?」


長月「小さいと言うなら、私より海防艦の方が小さいではないか」


陸奥「そうね、あの子たちも小っちゃくて、守ってあげたい気持ちになるわね」


長月「司令官だって、何も私に可愛いなどと言わなくっても良いだろうに!」


陸奥「あら? あらあら」


長月「第一、司令官はおかしいのだ! 私が可愛いわけはないだろう!?」


長月「同じ船級でも、睦月や卯月や、可愛い姉妹は一杯いるだろう!」


陸奥「う~ん、長月ちゃん。まず、もう少し声を小さくしましょう?」


長月「済まない。興奮してしまったようだ」


陸奥「そっか~、そう言う事だったのね~」


長月「こんな事、姉妹の誰にも相談できないし・・・」


長月「このままでは、司令官の顔をまともに見ることができなさそうだ」


陸奥「ふふっ」


長月「何がおかしい!?」


陸奥「まず、『誰が』って言うのはやめましょう?」


陸奥「多分、提督は知られたくなかった事でしょうし」


長月「そうなのか?」


陸奥「多分、ね」


陸奥(そっかぁ~、それは瑞鶴も青葉も振られるわけね~)


陸奥「まず、長月ちゃんに聞きたいのは、『可愛い』って言われて、嫌なのかな?」


長月「嫌と言うか、おかしいだろう」


長月「私だぞ? 長月だぞ?」


陸奥「私から見れば、可愛いんだけどね」


長月「だから、私はそんな」


陸奥「そうねぇ、睦月型の中で比べるなら、長月ちゃんは凛々しいタイプになるわよ?」


長月「良かった、判ってもらえたか・・・」ホッ


陸奥「でも、駆逐艦で凛々しい選手権をやったら? 更には全艦娘で」


長月「それじゃ、入賞は難しそうだ・・・」


陸奥「まぁ、問題の焦点はそこじゃないんだけどね」


長月「では、何なのだ?」


陸奥「結局、長月ちゃんがそれを言った人を好きかどうかなのよ」


長月「私が!? 司令官を!?」


陸奥「私ならそうよ。好きでもない人に可愛いと言われても『ありがとうね』でお仕舞よ?」


長月「それを参考にするなら、私は・・・」


陸奥「うふふ。参考になるかどうか判らないけど、これの答えが出せるなら、長月ちゃんの気持ちも晴れるんじゃないかしら?」


陸奥「まぁ、ケッコンカッコカリを申し込まれた訳じゃないから、気楽に返していいと思うわよ?」


陸奥(全く、提督も罪作りねぇ)


長月「陸奥、ありがとう。おかげで助かった」


陸奥「どういたしまして」


陸奥「どう、寝られそう?」


長月「落ち着いて考えることができたからな。感謝する」


陸奥「それじゃ、私も帰るわね。おやすみなさい」



睦月型私室:


長月(結局、私が司令官をどう思っているか、か・・・)


長月(嫌われているのかと思えば、単に・・・照れていただけか・・・)


長月「アホか!」


長月(まぁ、司令官がアホなのは判っていた事だ)


長月(しかしアホだが、仕事っぷりはまともだ)


長月(嫌かどうか、か・・・)


長月(別に嫌ではない・・・ が照れ臭いな・・・)


長月(はは、私も司令官を笑えないな。照れていただけじゃないか)


長月(そう考えれば・・・ 可愛いと言われるのも悪くはないのかも知れない)


長月(まぁ・・・ 司令官も私で慣れれば、他の駆逐艦とも親しくなれるかも知れないな・・・)


長月(なんだ・・・ 私は・・・ 慣れるための踏み台だったのか・・・?)スゥ


長月(仕方のない司令官だ・・・ つきあって・・・ やるか・・・)スヤァ



翌朝、睦月型の私室:


睦月「朝にゃしぃ! みんな、起きるにゃしぃ!」


皐月「窓を開けるよ~。うん、昨日より暖かくない?」


弥生「まだ・・・ 寒いよ・・・」


皐月「換気しなきゃ」


水無月「でもいい天気だねぇ」


望月「昼当たりなら、いい日向ぼっこが出来るかもねぇ」


菊月「どうしてお前は、そうも寝られるのだ」


卯月「う~ちゃんは可愛いはずぴょん・・・ 可愛いはずぴょん!」


三日月「卯月ちゃんがおかしなことになってるわ」


文月「今日は長月ちゃん、元気になってるかなぁ?」


如月「まだ起きてこないわね。様子を見てくるわ」


長月「心配かけたな。済まない」


如月「あらぁ? もう大丈夫なの?」


長月「少し寝不足な気もするが、昨日ほどではない」


コンコン


睦月「それじゃ、各自片づけを済ませ・・・ おりょ?」


提督(ドアの外)「あ~、俺だ俺、少し開けるぞ~」


三日月「司令官、お早うございます!」


文月「しれ~かん、おはよ~」


提督「はい、お早うさん」


皐月「司令官、なんで顔を見せないのさ」


提督「乙女の部屋に急に来たんだ。無礼はできないさ」


卯月「しれ~かんがそう言ってるから長月、早くパンツ穿くぴょん!」


長月「穿いてる! 変なことを言うな!」


提督「!?」ガタッ


提督「ほらな、嘘でも顔を出せるかぃ」


如月「それで、こんな朝早くに、デートのお誘いかしら?」


提督「まぁ、そんなところ」


提督「睦月、如月。朝食後に時間を取れるか?」


如月「もちろんよ! 司令官のためなら、時間は作るわ」


睦月「およ? それは任務でしょうか?」


提督「いや、完全にわたくし事。街に出るかも知れないから、間違っても艤装なんかするなよ」


提督「OKならそうだな・・・ 0900に私服で俺の部屋に来てくれ」


睦月「了解にゃし!」


提督「じゃ、俺は戻るぞ~」


パタン


睦月「司令官とデートにゃしぃ・・・」


如月「うふふ・・・ 大体、予想がついちゃった・・」アハッ



苦悩するロリコン



提督車内:


如月「それで、どこに連れて行ってもらえるのかしらぁ?」


提督「う~ん、完全にノープランなんだな、これが」


睦月「だったら、お買い物したいにゃしぃ!」


提督「何を買うんだ?」


睦月「卵を買い過ぎて、クッキーを作ろうと思うけど、バニラエッセンスとベーキングパウダーが足りないんにゃしぃ」


提督「如月は、お菓子は作らないのか?」


如月「お菓子も作れるけど~、どっちかと言えばお料理ね」


如月「その方が、男性に差し入れして喜んでもらえるでしょう?」


提督「考え方が、結婚願望溢れる大人の女性なんですが、それ・・・」


如月「司令官は、何を差し入れしてもらったら嬉しいですかぁ?」


提督「自分で作らないような、手の込んだ料理かなぁ?」


提督「牛筋煮込みとか、肉じゃがとか、もつ煮も良いねぇ」


如月「おじさん臭いわねぇ」


睦月「でも、寒い季節には美味しそうにゃしぃ」


提督「まぁ、まずはスーパーで良いか」



提督「思ったより時間がかかったな」


睦月「司令官が本屋に寄ったからです!」


如月「重巡の水着のグラビアでも買ったのかしらぁ? うふふ・・・」


提督「違ぇよ! 軍事雑誌だよ! 月間『丸』だ」


如月「あら? この雑誌・・・ ふぅん・・・」


提督「何だよ・・・?」


如月「長月ちゃんに、今月号は買ったから、そっちは買わないでいいって、メールしておきますねぇ」


提督「おまっ!? 雑誌一つでどこまで把握したんだよ!?」


如月「司令官? ハンドルは羅針盤じゃないんですから、回しちゃだめよぉ?」


提督「回さねぇよ! ギリギリ平常心だ!」


提督「んで、飯に良い時間だが、どこにする?」


睦月「はい! 睦月はいつものファミレスが良いにゃしぃ!」


如月「う~ん、ファミレスも良いけど、コンビニでお弁当買って、のんびりとしたところで景色を眺めながら食べたいわ」


如月「出来れば~、誰にも邪・魔・さ・れ・な・い・と・こ・ろ・で」


提督「耳元で囁くんじゃねぇ小悪魔~!」


如月「あはっ♪」



民間の埠頭:


提督「まぁ、景色もいいし、釣り人もまばらにしかいねぇ」


提督「ここらで海を眺めながらランチってのもオシャレだろう」


睦月「結局、コンビニ弁当になっちゃったにゃしぃ・・・」


如月「そ・れ・で、司令官は私たちに何を聞きたいのかしらぁ?」


提督「攻めてくるね、如月さん」


如月「んもぅ、他人行儀ねぇ。如月『義姉さん』でいいのよ?」


提督「」ブゥ~!


睦月「にゃしぃ!?」


提督「もしもし?」


如月「はい、如月お義姉さんですよ~?」


睦月「いつから如月は、司令官のお姉さんになったにゃしぃ!?」


如月「う~ん、そうねぇ? 司令官の努力次第かしらぁ? うふふ」


提督「あの・・・ 如月『義姉さん』?」


如月「あら? そう呼ぶって事はぁ・・・?」


提督「まぁ、その、はい。あなたの『義弟』になりたいんです、はい・・・」


如月「はい、ヘタレの司令官にしては、良くできました♪」


睦月「話が判らないよぉ~!」


如月「ま、そう言う事なのよ」


提督「それじゃ、話は伝わらんでしょ」


提督「つまい、その・・・ 睦月『義姉さん』・・・」


睦月「にゃしぃ!?」


提督「まだこう呼ぶのは早いし、そうならない方が良いのかもしれないけど・・・」


提督「おれは、あなたたちを『義姉さん』と呼ぶ未来が欲しいんだ・・・」


如月「それは、長月ちゃんの許可を取ったの?」


提督「」


如月「ま、そうよね~。キング・オブ・ザ・ヘタレの司令官だもの」


提督「あのな、如月。あまりひどいことを言うなら、腕力に物を言わせて・・・」


如月「腕力に物を言わせて、愛している子の姉をエロ同人するんだ~?」


睦月「ちょっと待つにゃしぃ!」


睦月「話が読めないにゃしぃ!?」


如月「つまりね、司令官は、私たちに『妹さんを下さい』って来たのよ」


睦月「にゃしぃ!?」


提督「間違ってねぇが、そうじゃねぇ~!」


(変質者説明中)


提督「はぁはぁはぁ・・・」


如月「司令官、大丈夫ぅ?」


提督「おぅ、今・・・ 死ぬ・・・ 理由はない・・・!」


睦月「にゃしぃ! にゃしぃ! にゃしぃ!?」


提督「まぁ、お姉さんの方が、正しい反応だわな」


提督「言い方を変えれば、変質者が『妹さんをターゲットしました。どうすれば心を開いてくれるでしょうか?』だからな」


睦月「にゃしぃ! にゃしぃ! にゃしぃ!」


睦月「ダメにゃしぃ!」


如月「何がダメなのかしら?」


睦月「だって、私たちは、もう5年間も・・・ 子供のままにゃしぃ・・・」


如月「そうよねぇ~、いい加減、過ごした年月なら、司令官を犯してもいい年ごろだわ」


提督「色々待てぃ!」


如月「『逆レイプ入門(中級編)』が唸る時よ~」


提督「中級あるのかよ!?」


如月「初級も見かけたけど、いつの間にかなかったのよね~」


提督「とりあえず、金剛と話し合え、な!?」


如月「私『も』、司令官が好きだったのよ?」


如月「でも、ね・・・」クスッ


提督「あぁぉ・・・」


如月「いつからか、司令官の視線が私を見てないのに気付いた・・・」


如月「ねぇ? 司令官?」


如月「私、可愛いかしら・・・?」ナミダメ&ウワメヅカイ


提督「可愛くない、奇麗だ・・・」


提督「君は『奇麗』な艦娘だと思う」


提督「正直な話、提督になる前に君に告られてたら、君を連れて、北国に逃げていた」


如月「でも、長月ちゃんが好きなんでしょう?」


提督「済まない、長月は、綺麗とか可愛いとか、そんなのを通り越して好きなんだ」


如月「ふふっ。長月ちゃんは、泣かしちゃ駄目ですよ?」


提督「あぁ」


如月「それじゃ司令官、少し歩きたくなっちゃった」


睦月「およ?」


如月「ここの位置は判ってますし、少し歩いてから、タクシーで帰りますね」


提督「あ、あぁ」


如月「睦月ちゃん、済まないけど、一緒してもらえるかしら?」


提督「行ってやってくれ」


睦月「判りました! にゃしぃ」


如月「それじゃ司令官、また鎮守府で」ニコッ


提督「あぁ、気を付けて帰ってこいよ~」



睦月「如月ちゃん、待つにゃしぃ!」


如月「」スンッスンッ


如月「もう少し・・・ もう少し行けば、司令官に声も聴かれないから・・・」グスッ


睦月「如月ちゃ~ん!」タタタ・・・


如月「これくらい離れれば充分かしら?」


睦月「多分、にゃ・・・しぃ・・・」ハァハァ


如月「睦月ちゃん、一応、目視確認。司令官は、視界に居ないわよね?」


睦月「うん・・・」ウルウル


如月「アハッ!」ウルウル


如月「司令か~ん! 大好きよ~!」ボロボロ


如月「あなたが長月ちゃんに振られたら、私がた~っぷり、慰めてあげる~!」ボロボロ


如月「」


睦月「如月ちゃん・・・」


如月「大丈夫・・・ 大丈夫・・・」


如月「鎮守府に帰るまでには、いつもの私になってるから・・・!」ボロボロ


睦月「如月ちゃん、如月ちゃんに胸でも肩でも背中でも貸すにゃしぃ!」


如月「あ~も~! なんで睦月ちゃんは男の子じゃないのよ~!」


睦月「ゴメンにゃしぃ・・・」



睦月型私室:


睦月・如月「ただいま~」


卯月「お帰りぴょん」


長月「如月、あのメールは何なんだ? 丸は買わなくていいって」


如月「司令官が買ってたから、借りればいいって事よ」


長月「そうか、って如月?」


如月「な~にぃ?」


長月「気のせいだったら済まないが、目が赤いぞ。まさか、泣いたのか?」


如月「さぁ、どうでしょうねぇ?」ウフフ


睦月「何もないにゃしぃ! 何もなかったにゃしぃ!」


長月「・・・」バッ!


如月「ちょっと! 長月ちゃん!? バットなんて持ってどこ行くのよ!」


長月「司令官はどこだぁ!」



駐車場:


長門「止めないか長月!」


青葉「スクープです! 一大事です!」E:カメラ


金剛「馬鹿言ってないでStopです!」


長月「司令官~!」E:バット


提督「どうした長つ・・・ うわぁ!?」


長月「答えろ! 如月に何をした!?」


長月「返答によっては、ただでは済まさないぞ!」


提督「落ち着け。そんな物突き付けられたら、ビビッて話も出来ねぇ」


長月「ふざけるな!」


長月「司令官と出かけた如月が、泣いた跡を作って帰ってきたんだ!」


長月「しかも、別々にだ!」


青葉「なるほどなるほど・・・ 痴情のもつれですかね?」


長門「メモしてる場合か!」


長月「答えないなら・・・!」フリカブリ


長門「止めんか馬鹿者!」バットヲモギトル


金剛「はい、身柄Secureデース」ホールド


提督「やれやれ・・・ 済まないが、そのまま執務室に連れて行ってくれ」


提督「やりたくもねぇ軍事裁判かよ・・・」ケイタイトリダシ


提督「あ、大淀。済まんがマジの仕事になっちまった」


提督「15分かかる? いいよそれくらい。執務室な」ピッ


提督「済まんが、ここに居る皆も、執務室に来てくれ」



執務室:


提督「まさか、急な仕事になるとはねぇ」


大淀「遅くなりました。で、何事でしょうか?」


提督「まぁ、俺が嫌いな仕事ワースト5に入りそうな仕事だね」


大淀「まさか・・・」


提督「そ、軍事裁判。やだね~」


長月「私は謝らないぞ!」


長門「謝るとかそういう問題ではない」


長門「お前のやった事は、反逆罪だぞ」


長門「手錠をされてないのは、提督の恩情なんだぞ」


大淀「状況は理解しました。書類を作成しますね」


提督「あぁ、頼む」


金剛「それで、treatmentはどうするつもりデスか?」


提督「もはや俺一人の問題じゃなくなってるからなぁ・・・」


長月「なっ!?」


長月「私の処遇は認める! だが、司令官が如月にした事はどうなるんだ!?」


長月「司令官は、無罪放免か!?」


提督「何があったかは言えん。後で本人に聞いてくれ」


長門「何があったか知らんが、如月が証拠をもって訴えてくれば、提督だって訴えられるがな」


金剛「ワタシなら、何をされてもOKですがネー」


長門「まぁ、きちんとした手続きをしない長月に問題がある」


大淀「はい、書類はできました」


提督「早いね」


大淀「こんなの、テンプレで充分です」


長門「で、処罰はどうするのだ?」


提督「淀さん、この場合の罰の、上限と下限は?」


大淀「上限は解体です」


長月「なっ!?」


提督「しねぇよ。下限は?」


大淀「え~と、懲罰房3日ですね」


提督「じゃ、懲罰房1日で」


長門「提督、甘いぞ!」


長門「そんな処罰では、他の者に示しがつかん!」


提督「甘い? 上等だよ。世間の他がしょっぱいんだ。俺くらい甘くても良いだろ?」


長門「納得できん」


提督「それを納得するのが、軍人さんでしょ?」


提督「じゃ、これにて閉廷。懲罰房に行きますか」


提督「あぁ、そうだ」ガサゴソ


大淀「ほうきとちり取りなんて、何に使うんですか?」



懲罰房:


金剛「No・・・ 暗くてDustだらけデスね・・・」


提督「さて、長月。逃げないな?」


長月「あぁ、短気に走った私が悪いんだ」


提督「OK。金剛、放してあげて」


金剛「Yes」


提督「さて、ここを使うのなんて初めてなんで・・・」


提督「懲罰房に入る前に、長月には別の罰を与える」


長月「どんな罰だと言うのだ?」


提督「はい」つホウキ&チリトリ


提督「自分が座るところだからな。綺麗にしとくんだぞ」


提督「じゃ、金剛。俺が戻るまで、長月を見張っててくれ。長門は他の睦月型に知らせてくれ。以上解散」


金剛「提督はどうするんですか?」


提督「気になったから、バケツとモップも持ってくる」


長月「何か・・・ 罰を受けている気分じゃないな」



提督「ただいま~。さて、始めますか」


金剛「では、私は戻りますネー」


長月「って、司令官まで掃除するのか!?」


提督「手伝わないとは言っていない」


提督「ほれ、ちゃっちゃとやろうぜ」


ドタドタドタ


睦月「長月ちゃん!?」


如月「何をやったのよ!?」


長月「姉妹に不貞を働いた司令官に反逆しただけだ」


如月「私は何もされてないわよ! もぅ!」


長月「カッとなった私が悪いんだ」


卯月「まったく馬鹿だぴょん! こんな暗いところに閉じ込められる事になるなんて・・・」


弥生「暗くて・・・ 嫌な雰囲気・・・」


提督「確かに暗いな・・・」


提督「卯月、明石の所に行って、電球型蛍光灯買ってきてくれ。ほれ」つ3000円


卯月「多くないぴょん?」


提督「残りでお菓子でも買えばいい。飲み物も多めにな~」


卯月「判ったぴょん!」



卯月「わぁ、すごく明るくなったっぴょん!」


提督「これで薄暗い嫌な雰囲気は無くなったな」


長月「司令官、掃除は終わったぞ」


提督「おぉ、床も奇麗になったな。これなら寝そべっても大丈夫そうだ」


睦月「まるで入居前の部屋みたいにゃしぃ」


如月「ここ、懲罰房よねぇ?」


提督「さて、そんじゃ長月には罰を受けてもらうか」


長月「あぁ、閉めるといい」


バタン、ガチャッ


提督「あぁ、卯月。買ってきたお菓子は?」


卯月「あるぴょん」


提督「それじゃ、ドアの食事を出し入れするところの近くに置いて、長月にも取れるようにしてくれ」


長月「はぁ!?」


提督「それじゃ、俺はお茶の用意とかしてくるから、みんなで見張りを頼む」


弥生「姉妹に・・・ 頼むの?」


提督「おぅ! 厳重に見張ってくれよ?」


提督「長月が部屋の真ん中で正座したりしないように、厳重にな」


睦月「それ、逆ですよ~!」


如月「まぁ、そうなるわよねぇ。司令官ったら」


提督「じゃ、行ってくるな」



懲罰?



懲罰房:


提督「ほれ、毛布に野外用コンロとヤカン、コーヒーと紅茶持ってきたぞ」


長月「司令官! ふざけてるのか!?」


提督「いたって真面目だが?」


長月「これのどこが懲罰なんだ!?」


卯月「長月、落ち着くぴょん」


提督「実際、俺自身に、長月を罰する理由がないのよ」


提督「規則だから、仕方なく入ってもらってるだけで」


望月「あ~、みんなこんなところにいたんだ~」


望月「へぇ? 長月、良い部屋じゃん」


提督「何なら望月も入るか?」


望月「良いねぇ。一か月くらい入れてくれるかな?」


睦月「望月ちゃんには、罰にならないにゃしぃ」


如月「望月ちゃんには、ずっと輸送船団護衛してもらう方がよさそうねぇ」


提督「さて、それじゃ俺は行こうかね」


提督「あ、毛布を一枚、長月にあげてくれ」


提督「そんで、誰か一人は付いててくれ」


如月「あらぁ? 行っちゃうのぉ?」


提督「済まんね、濃密な美少女空間に耐えられないんだよ」


如月「だったらぁ、いっその事、司令官も中に入って、長月ちゃんを見張ったらどうかしら?」


提督「おい・・・」


如月「そうしたら、私たちはみんな、引き上げるわよ?」ウフッ


提督「止めてくださいお願いします」


如月「もぉ、本当にヘタレねぇ」


提督「うるせぇ! 俺は行くぞ!」



睦月「行っちゃったにゃしぃ」


長月「まったく・・・! まるで罰になっていないじゃないか」


如月「それは・・・まぁ、ねぇ?」ウィンク


睦月「むしろ、司令官への罰になってない?」


如月「あ~、言われればそうかも」


弥生「」キョトン


卯月「2人で何を企んでるぴょん?」


如月「な~んにも?」


長月「まぁ、私の事は良いんだ」


如月「それより如月、司令官に何かされたんじゃないのか?」


如月「まったく。振られただけよ」


長月「はぁ!? 如月がだと!?」


長月「いや、如月が睦月型で一番の美人だとしても、子供じゃあな・・・」


睦月「そうじゃなくって・・・」


如月「ダメよ、睦月ちゃん」


睦月「むぅ~、モヤモヤするにゃしぃ~!」


如月「あ、そうだ」


如月「私は司令官の所に行ってくるわね~」



提督私室:


コンコン


提督「あいよ~」


如月「お・邪・魔・します♪」


提督「中級編は勘弁してください、はい」


如月「うふふ、可愛い義弟にそんな事・・・ うふっ」


提督「しないって言えよ!」


如月「ま~た呑んでるのね~」


提督「呑まなきゃやってらんねぇよ、正直」


如月「愛しい子を懲罰房に入れなきゃならないんだものねぇ」


提督「こう言うところは平等にせんと、果てしなく贔屓しそうだからな」


提督「まぁ、後で贔屓するが・・・」


如月「うふっ、何か私にももらえないかしら?」


提督「はいはい。義姉さんには逆らえませんよ、っと」


提督「寝るならギムレットでも良いが・・・ う~ん、軽めにカルアミルクで良いか」


提督「はい、どうぞ」


如月「ありがとう、好きよ?」


提督「止めれって」


提督「ま、それならツマミもなしでも行けるでしょ」


如月「そうね」


如月「ところで、柱島って、評判悪いのかしら?」


提督「何かあったのか?」


如月「う~ん、帰りのタクシーでね、ここに送ってもらうために行き先を言ったのよ」


如月「そうしたら、柱島って聞いただけで血相を変えちゃったのよ」


提督「・・・評判の良いところじゃないがよぉ」


如月「なんでも、毎月毎月激戦区に繰り出しては、嬉々として帰ってくる。とか・・・」


如月「柱島の戦果だけで、他の鎮守府の合計を上回るとか・・・」


提督「柱島の鎮守府は、ここだけじゃないからなぁ・・・」


提督「正直、俺も他の柱島の連中にはドン引きしてるが、うちは至ってノーマルなホワイト鎮守府だぞ~」


如月「ノー・・・ マル?」キョトン


提督「何だよ? 問題でもあるのかよ?」


如月「睦月型をお嫁さんにしたいって、ノーマルなのかしら?」


提督「・・・ノーコメントで」


如月「あはっ♪」



提督「さて、消灯の時間も過ぎたが、如月にお願いがある」


如月「命令じゃなくて、お願いなのね?」


提督「ごく個人的で、他に知られたくない事だからな」


如月「な~に? 話は聞くわよ?」


提督「長月の替えの服を持ってきて欲しい」


如月「はい?」


提督「いや、だからな・・・」


如月「もしかして私、憲兵さんを呼ばなきゃならないのかしら・・・?」


提督「いや、臭いを嗅いだりとか、ペロペロしたりとかはしない! そう言う趣味はない!」


如月「じゃあ、長月ちゃんの服を着て、それで興奮するのかしらぁ?」


提督「そうそう、長月の服を着て『私が長月だ。よろしく頼むぞ。戦艦との殴り合いなら任せておけ』って、そうでもねぇ!」


提督「第一、30㎝以上の身長差があって、入るか!」


如月「なんで長門さんなのよ」


提督「つ~か、まだ寒いし、入浴前に懲罰房入りしたろ?」


提督「このままだと、乙女としてよろしくないから、風呂には入って欲しいって訳だ」


如月「なぁ~んだ。そう言う事なのねぇ」


如月「でもぉ、大浴場じゃバレちゃうんじゃないかしら?」


提督「俺が普段、どこで風呂に入ってると思ってるんだよ」


提督「俺の私室には、ユニットバスがついてるんだよ」


如月「そこに入ってもらおうって事ね。判ったわ。力になるわよ」


提督「助かる」



懲罰房:


長月(暇だ・・・)


長月(消灯の時間だし、皆を返してしまったが・・・)


長月(懲罰房と言うのは、明かりは消さないものなのか?)


長月(毛布があるから、さほど寒くないが・・・)


ガラガラガラガラガラ・・・


長月(何だ!? 何が来たんだ!?)


ダレモイナイワヨ


ワカッタ、アリガトウ


オオガタカンノゴエイハ、クチクカンノシゴトダモノ


オレハカンジャネエッテノ



ギイィ・・・


長月「なんだ、司令官か。それに如月、何をしに来た? もう消灯時間だろう」


如月「うふふ、歩く免罪符の司令官と一緒に居れば、大概の事が許されるのよぉ?」


提督「いや、そう思われても困るんだが・・・」


長月「判った判った。それで、何をしに来たんだ?」


長月「それに手押し台車に巨大な段ボール箱。何が入ってるんだ?」


提督「いや、カラだ」


提督「長月には、これに入ってもらって、とある場所に行ってもらう」


長月「一体何だって言うんだ・・・」


如月「私はいいのかなぁ? って思ったんだけどねぇ」


如月「ほら、司令官には逆らえないしぃ♪」


提督「さぁ長月、入ってもらおうか」


長月「それは罰なのか?」


提督「そう思ってもらっても構わない」


如月「あはっ♪」


長月「そう言うなら仕方がない、大人しく入ろう」ガサゴソ


提督「じゃ長月、閉めるが声は一切出すなよ。物音もだ」ガサゴソ


提督「長月、息苦しくないか? 大丈夫か?」


如月「もぅ、司令官ったら」


長月「これから罰を受ける身に、何を心配してる」


提督「いや・・・ まぁ・・・」


長月「どこに行くのか知らないが、着くまで私は黙るからな」


提督「じゃ、如月、また偵察頼む」


如月「了解したわ」


ガラガラ・・・



廊下:


如月「」OKサイン


ガラガラガラガラ・・・


提督(トイレか・・・)


提督「」(如月に手でストップのサイン)


提督「長月、トイレは大丈夫か?」ヒソヒソ


長月「心配ない」ヒソヒソ


陸奥「何してるのよ? 提督」


提督「うわぁ!?」


陸奥「段ボールを覗き込んだりして、まるで変質者よ?」


提督「変質者って、ヒデェな」


提督「何、呑んでたら、睦月型の制服が変な所に届いてるって聞いたのを思い出してな」


提督「忘れる前に取りに行ったって訳だ」


陸奥「こんな時間に? ふ~ん」


陸奥「じゃ、提督は睦月型の制服を、こっそり見ようとしてた訳?」


提督「いやぁ、ははは・・・」


陸奥「それにしても『人が一人くらい入りそうな』段ボールね」


提督「そりゃ~、睦月型11人分の制服だからな。それなりの量にはなるさ」


陸奥「ふ~ん。ところで、ちょっと良いかしら?」グイッ


提督「おい!」


陸奥「あらぁ? あらあら・・・」ニヤリ


陸奥「艦娘の制服って、こんなに重いものだったかしらぁ?」ニヤニヤ


提督「じゅ・・・ 11人分だから・・・」


陸奥「それに、重心の不安定なものが入ってるような感触ね?」


提督「」ダラダラ


陸奥「て・い・と・く?」


提督「はい・・・」ダラダラ


陸奥「さぞかし可愛い制服と、その中身が入ってるんでしょうね?」


提督「な・・・長門には黙ってて貰えると嬉しいなぁ」


陸奥「あらあら。お酒をご馳走してもらえるなんて、お姉さん、嬉しいなぁ」


提督「判ったよ! ついてきてくれ!」


陸奥「うふふ」




陸奥にバレた!



提督私室:


如月「いいのぉ? 陸奥さんまで巻き込んで?」


提督「巻き込んだって言うよか、見つかっちまったって言うか・・・」


陸奥「そんな事より、長月ちゃんを出してあげましょ」ガサゴソ


陸奥「はい、長月ちゃん。出てきなさいな」


長月「それで、私はここで何をされるんだ」


陸奥「何をされるのかしらねぇ?」


陸奥「提督、事と次第によっては、本気で憲兵呼ぶわよ?」


提督「憲兵沙汰じゃねぇよ! ただ、その・・・」


如月「わ、私が、『長月ちゃんは寒くないかなぁ』って言ったら、司令官がそれじゃって!」


陸奥「提督にそう言えって言われたのね?」


提督「信用ねぇな俺! そぉだよ! 心配したのは俺の方だよ!」


長月「なっ!?」


提督「あ~も~! 話が進まないから如月! 長月を風呂に入れちまってくれ!」


如月「判ったわ♪」


提督「陸奥は酒だろ? 確か呑める方だったよな?」


陸奥「提督ほどじゃないけどね。何をいただけるのかしら?」


(ボンベイサファイアに少量のライムシロップ)


提督「こんなのはどうだ?」


陸奥「あら? あらあら」


陸奥「てっきり良いお酒を出すかと思ったら、カクテルなんてオシャレで気が利くじゃない」


提督「俺の好きなカクテルの一つでな。オシャレは良いんだが、駆逐艦には勧められん」


陸奥「そうね、強いお酒だから長月ちゃんには無理ね」


提督「」ブーッ!


提督「」ゲホッゲホッ


陸奥「もぉ、汚いわねぇ。そこまで驚かなくても良いじゃない」


提督「驚くわ! そもそも、開ける前から長月だって判ってたようだし!」


陸奥「うふふ・・・ 何でかしらねー? 不思議ねー」(棒


提督「何があったって言うんだよ・・・」


陸奥「種明かしをしないと、提督が人間不信になりそうね」


提督「いや、大人の女性怖いとか言い出さないから」


陸奥「一昨日よね? 提督が長月ちゃんを可愛いって褒めたのは。しかも、手まで握っちゃって」


提督「おまっ!? 見晴らしのいい場所で、周囲の確認もしたのに!」

 

提督「偵察機か!? 戦艦に夜偵は載るのか!?」(載りました)


提督「いや、プロペラの音もしなかったし・・・」


陸奥「やる気になればエンジンを止めて。滑空しながら偵察も出来るわよ?」


提督「そこまでするかぁ・・・?」


陸奥「あらあら、泣きそうね。お姉さんが胸を貸してあげるわ」


提督「あ、俺の好みは小さい方なんで。ってほっへおふふぇうあ~!(ほっぺを抓るな~!)」


陸奥「ったく変態!」


陸奥「長月ちゃん、戸惑ってたわよ?」


提督「へ?」


陸奥「言われ慣れてないから、気になって寝られなかったみたいで」


提督「あ~、あん時、長月がいなかったのはそう言う事か」


陸奥「それで夜更かししちゃって、夜中に会った私が相談受けたのよ」


提督「種を明かせば本人からの情報かぃ」


提督「全く、別の意味で大人の女は怖いぜ」


如月「司令か~ん、あがったわよ~」


提督「おう、湯上り美人だな」


如月「うふっ、浮気はダメよぉ?」


長月「ふぅ、やはり湯船につかると温まるな」


提督「お、おぅ・・・」


陸奥「まったく、長月ちゃんの湯上り姿で真っ赤にならないでよ」


陸奥「で、どうするのよ?」


提督「ん~、ついでだから、ここで尋問でもしておく?」


陸奥「なんで私に聞くのよ?」


如月「長月ちゃんに変な事するなら、憲兵さんよ~?」


提督「しねぇよ!」


提督「自白剤なんてねぇから、これでどうだ」


(ジン&オレンジジュース)


如月「私も良いかしら?」


提督「ほいよ、如月のはもうちょっと薄めに、と」


陸奥「オレンジブロッサムだなんて、どうしてこの人は、レディキラーばかり作るのかしら?」


提督「呑みやすいのを作ってるだけです、はい」


提督「しっかし、なんで長月は、いきなり俺に殴りかかろうとしたんだ?」


長月「・・・言いたくない。第一、自分でもよく判らないんだ」


如月「ここに居る人は、ほとんどの話を知ってるわよ?」


陸奥「あら? あらあら・・・」ピコーン


陸奥「提督、何か軽くつまめるものはないかしら?」


提督「こんな時間に・・・ カクテルに合わせろってかぁ?」


提督「待ってろ。なにか見繕ってくるから」


陸奥「さて、長月ちゃん、これで良いかしら?」


長月「何がだ?」


陸奥「提督には、向こうに行ってもらったわ」


陸奥「長月ちゃんは、本当ならあんな事する子じゃないのは、私もよく知ってるわよ」


如月「そうね~。だからあんな事するきっかけがあったんじゃないかしらぁ?」


オ、ブタニクハッケン。


キャベツトアワセテ、カルパッチョでイイカ


長月「本当に判らないんだ・・・」


陸奥「う~ん、私に相談した事と、関係あるんじゃないかしら?」


長月「・・・私が・・・ 可愛いと言われた事と?」


如月「それと、私が泣いちゃった事も関係あるかしら?」


長月「如月が・・・」


陸奥「あっ!?」


長月「何だ!?」


陸奥「ねぇ? 長月ちゃん?」


長月「何だ?」


陸奥「長月ちゃんは、男の人と付き合うとして~」


陸奥「浮気されたら、怒る?」


長月「そりゃそうだろう。怒るに決まってるさ」


如月「あ~、そう言う事ねぇ」


長月「何だ!? 何を納得してるんだ!?」


提督「ほいよ~、ボイル豚小間のカルパッチョ、出来たぞ~」


陸奥「んもぅ、提督、早いわよ」


提督「何だよ? 料理なら早くても良いだろ?」


陸奥「そうねぇ、私、コーラが飲みたくなっちゃった」


提督「はぁ?」


陸奥「お願いできるかしら?」


提督「確か、コーラだったら、ペプシで良ければ冷蔵庫に・・・」


陸奥「コカ・コーラの方が嬉しいわね」


提督「何でそこまで拘るんだよ!?」


陸奥「ん~、長月ちゃんのスリーサイズでも、聞いてあげようか?」ミミモトササヤキ


提督「喜んで、コカ・コーラを買って参ります!」ケイレイ


提督「歩きですので、20分くらいかかるであります!」


陸奥「よろしい、掛かれ!」


提督「掛かります!」ケイレイ



如月「え~と、司令官と戦艦って、どっちが偉いんだっけ?」


長月「司令官に決まってるだろう! 落ち着け、如月!」


長月「でも、その司令官を顎で使える・・・ 陸奥は何者なんだ?」


陸奥「うふ♪ 私はただの『女』よ?」


陸奥「まぁ、提督が付き合ってくれる限り、だけどね」


陸奥「ま、良いわ。提督は遠くに行ってくれたから、絶対に20分は帰ってこないわよ?」


如月「陸奥さん? 司令官に何を言ったのかしら?」


陸奥「司令官の一番大事な子のデータ、かしらね」


陸奥「ま、呑んじゃいけないとは言われてないし、カクテル作るわよ?」


長月「良いのか?」


陸奥「この後に、長月ちゃんを懲罰房に入れる提督の苦しみに比べたら、可愛いものよ?」


長月「一体何なんだ! 陸奥と言い、如月と言い!」


長月「私が知らないことを、笑ってるように見える!」


陸奥「クスッ」


長月「おい! 陸奥!」


陸奥「あ、ごめんなさいね。でも、提督が何をしたいか視えちゃったらね」


如月「あ~、そうですよねぇ、うふふ」


長月「お前たちは何を知っている! 話せ!」


陸奥「ん~」キサラギヲミル


如月「ん~」ムツヲミル


陸奥「泣くわよね~、みんな」


如月「あら? 私は『義姉』って立場を貰えるから、それなりよ~?」


陸奥「それは羨ましいわね。いっそ、長門をけしかけようかしら?」


如月「でも、司令官の趣味を考えるとね~」


陸奥「そこよねぇ」


長月「だから! 何の話をしている!?」


如月「そぉねぇ? この際聞くけども、長月ちゃんは、司令官が好きなのかしら?」


長月「はぁ!?」


陸奥「あ、そこ、重要よねぇ」


長月「・・・」


如月「嫌いなのかしら?」


長月「嫌う理由があるか!」


長月「あいつは頑張ってるし、あいつの苦労も判った!」


長月「あいつが私を沈めた理由は判ったし、責めるつもりもない!」


長月「そこのどこに問題がある!?」



如月「簡単な話よ」ウフッ


如月「例えば、私が沈んだなら、そこまで落ち込むのかな? って」


陸奥「まぁ、落ち込んだりするかも知れないけど、あそこまでじゃないでしょうねぇ」


陸奥「妬けるを通り越して、もぅどうでも良くなったわよ」


長月「全く・・・ 何の話をしているのか、全くわからん!」


如月「恋バナよ、こ・い・ば・な♪」


陸奥「そうね、これって恋バナよね」


長月「何でも勝手に話しててくれ。私もカクテルを貰うぞ」


陸奥「だったら、う~ん・・・ ギムレットを作ろうかしら」カチャカチャ


如月「カクテルって、シャカシャカ振るものじゃないのねぇ?」


陸奥「そう言うのもあるけど、これはステアって言って、かき混ぜるだけの物よ」クルクル


陸奥「はい、どうぞ」コトッ


陸奥「強いお酒だから、いっぺんに飲んじゃダメよ?」


長月「そんなに強いのか? あっさりとして飲みやすいが? それにすっきりとして美味しいじゃないか」


如月「陸奥さん、私にも頂ける?」


陸奥「舐めるようにちょっとずつにしなさいね」



長月「だから! 司令官はおかしいんだ! 私が可愛いわけはないだろう!」


如月「本当に強いお酒なのね・・・」


陸奥「10分しかたってないのに、すっかり出来上がっちゃったわね、長月ちゃん」


長月「聞いてるのか!? 陸奥よ!」


陸奥「はいはい、聞いてるわよ。良いんじゃないかしら、提督の趣味なんだし。人それぞれよ」


長月「私なんて、目つきは悪いし、言葉遣いだって固いと判ってる!」


長月「それに睦月型は、他の駆逐艦と比べても子供じゃないか!」


長月「それが良いと言うなら、司令官は変態だ!」


如月「あ~、うん・・・ 変態はそうよねぇ」


陸奥「長月ちゃんは、提督が変態じゃ嫌なの?」


長月「嫌に決まってるだろう! 私たちの司令官だぞ! しっかりとした人物であってほしいじゃないか!」


陸奥「しっかりねぇ」


如月「朝礼の時とか、大規模作戦の時の訓示とかには、凛々しくしてるわよねぇ」


長月「いつもそうしていれば良いのに・・・」


長月「あんなお調子者の面があったとは・・・」


陸奥「明るくていいじゃない」


長月「ヘラヘラ笑ってたり、戦艦に良いように使われてるのは、格好いい司令官じゃないだろう!」


陸奥「あらぁ? 山本提督も、結構お茶目だったわよ? 山本五十六提督は格好悪いかしら?」


長月「そうではない、そうではないんだが・・・!」


如月「じゃ、いっその事、司令官に『長月ちゃんは、司令官が好きじゃないです』と言ってあげるわよ?」


陸奥「あ、それ良いわね。そうすれば、みんなが元気になるわね」


如月「そうしたら、司令官は酒瓶装備かしら?」


陸奥「さすがにそこまでは、と思いたいわね。・・・ありえそうで怖いわ」


長月「誰が嫌いだと言った!」


陸奥「あらぁ? あらあら」


如月「あらぁ? うふふ・・・」


長月「嫌いではないが! しかしだな! 何と言うか、こう・・・」


長月「司令官の言ったことが気になったり・・・!」


長月「あいつが他の艦娘と話してる事が気になったり!」


長月「何なんだ! この気持ちは!」


如月「うふふ・・・ 敗者復活戦はなさそうね」


陸奥「残念ねぇ。私も提督で遊びたかったのに」


コンコン


陸奥「どうぞ~」


提督「コカ・コーラ輸送任務、終了いたしました!、確認をお願いいたします!」ケイレイ


陸奥「ご苦労! しかし、コカ・コーラは必要なくなった!」


提督「ちょっと待てや~~~!」


陸奥「だってほら、あなたの愛しの長月ちゃんを見てごらんなさいよ?」


提督「愛しのって、おぉう・・・」


提督「意識があるのかないのか、流動体になっておられる」


陸奥「今ならエッチな事、し放題よ? 私が憲兵さんに通報して、駆け付けるまでのファイト!」ケイタイトリダシ


提督「するかぃ」


提督「『海軍士官たるもの、紳士たれ』って言うだろ? 紳士のふりをしてやるわ」


(長月をお姫様抱っこ)


提督「おぉう! 軽いな」


長月「し、司令官・・・ 何をするつもりだ・・・」


提督「何って・・・」


陸奥「私たちもついていくわよ? 懲罰房でしょ?」


陸奥「ま・さ・か、あなたの私室じゃないわよねぇ?」


提督「ここが俺の部屋だよ!」


提督「如月、そこの引き出しの、そうそう、それ。頭痛薬」


提督「俺が買ってきたコンビニ袋に入れてくれ」


如月「は~い。駆逐艦は艦隊の使いっぱしりですからね~」


陸奥「戦艦1 戦漢1、駆逐艦2の、妙な艦隊になったわねぇ」


提督「何でセンカンを別に数えるんだか・・・」


提督「まぁいい! とにかく! 長月には懲罰を受けてもらうからな!」



懲罰房:


提督「如月、どうぜ毛布は余ってるんだ」


提督「先に毛布を敷いてくれ。その上に長月を寝かせて、さらに毛布を掛けて・・・」


陸奥「ホント、長月ちゃんを愛しちゃってるのねぇ」タメイキ


提督「だ、誰にだってこうするぞ! 固い床に寝たら、明日は身体がバキバキだろうし!」


如月「私でも、同じようにしてくれるのかしら?」


提督「その前に、こんなところ入るなよ・・・」


長月「ん・・・ んぅ・・・」


提督「!?」


陸奥「はい、そこの変質者、長月ちゃんの声に興奮しないの」


提督「しとらんわ! しては・・・」


如月「ん・・・ ふぅ・・・」


提督「真似してるんじゃねぇ!」


提督「ったく! 明かりを消して行くぞ!」


如月「見張りはつけないのぉ?」


提督「いらんだろ。この状態の長月が、何かできると思うか?」


提督「司令官が見張ればいいのにぃ」


陸奥「提督が見張ればいいのにぃ」ケイタイトリダシ


提督「陸奥! 君はそこまで俺を通報したいのか!?」


提督「つ~か、お前らも尋問じゃ~!」


提督「長月から得た情報を、キリキリ吐きやがれ~!」



提督私室:


提督「ったく、すっかり酔いが冷めちまったぜ」


陸奥「コンビニまで歩けば、それは冷めるわよね~」


提督「で、俺を遠ざけてまで、長月から何を聞き出したんだよ?」


陸奥「う~ん、難しいわねぇ。ねぇ、如月ちゃん?」


如月「そうねぇ? 言っても良いけど、やはりダメですよねぇ?」


陸奥「あ、判る? 如月ちゃん!」


如月「陸奥さんもですか!」


陸奥「えぇ、判るわ!」


陸奥「この際、悶々とする提督を見ていたいって言うか・・・ ね?」


提督「俺かよ!」


陸奥「あなたよ?」


陸奥「いいかしら?」


提督「何でしょうか・・・?」


陸奥「他の爛れた鎮守府なら、戦艦どころか、択捉型とかまで手を出してる提督がいるわよ」


提督「ユ、ユルセンナァ」


陸奥「言っておくけど、艦娘に手を出すのは合法ですからね?」


陸奥「さぁ、その理由を話すか、私と如月ちゃんにカクテルを出すか、選びなさい」


提督「カクテルを出すわ」


陸奥「で、私が飲む。あなたが飲む、如月ちゃんが飲む。あなたが飲む」


提督「2対1で、飲み比べろって? 構わんよ」



陸奥「だからねぇ~! 提督は! 鈍感すぎるのよ~!」


如月「Zzz・・・」


提督「で、俺の勝利だが・・・?」フラフラ


提督「陸奥、長月から何を聞いたか、教えてくれないか?」


陸奥「だって、あなたに(放送禁止)がついてるかどうかが疑わしいって話まで出てるのよ!?」


提督「おまっ!? 男性のシンボルは付いてるぞ! お見せできないが!」


陸奥「それじゃ、なんで長門とか、その他戦艦とか! 口説かないのよ!」


提督「それについては判ってるだろうが・・・」


陸奥「え~え~え~、提督は小さな子にしか欲情しないって判ったわ!」


提督「人聞きが悪いなぁ。もっとマイルドに表現してくれよ」


陸奥「そうねぇ、幼児性愛者なんてどうかしら?」


提督「艦橋直撃のクリティカルじゃねぇかよ」


陸奥「うふふ」


提督「ま~、言葉で遊ぶのはこの辺にしてだ・・・」


提督「何を長月から聞き出せたんだ? 話せる限りで良いから、教えてくれ」


陸奥「この期に及んで『教えてくれ』なのね」


提督「そら~な、長月の話したくないプライベートまで踏み込むつもりはないし」


陸奥「まったく、どうしてそこまで良い男なのに、ロリコンなのかしらねぇ」


提督「俺が良い男とは思わんがね」


陸奥「ふぅ、呑み過ぎたかしら?」


提督「多分な」


陸奥「そうねぇ・・・ あなたはそのままでいいわ」


提督「何だそりゃ?」


陸奥「もし、長月ちゃんがあなたが好きだとして、私の口から聞きたい?」


提督「いんや、長月の艶やかな唇が、照れ臭そうに俺に愛の言葉を囁いてくれるのが良いねぇ」


提督「ちょっと待て! いや! まさかなぁ・・・」


陸奥「大丈夫よ。長月ちゃんは、あなたの事が好きだとは、ね?」


陸奥「うふふ・・・」


提督「ぅお~ぃ! 好きだとは、何だよぉ!」


陸奥「あらあら? 飲みすぎちゃったみたい」


提督「ここでかよ!」


陸奥「私はここで退散するけど、提督はまだ素面でしょ?」


陸奥「如月ちゃんを送ってあげなさいね?」


提督「このままじゃダメかね?」


陸奥「そして、明日の朝、青葉に見つかるのね?」


陸奥「そうねぇ? 『衝撃の真相! 提督のお相手は如月さん!?』かしら?」


陸奥「そして、粉砕バット装備の長月ちゃん再び、ね」


提督「何でだろう、陸奥がこの後、青葉の部屋に行く様子が、目に見えるようだ・・・」


陸奥「あらあら? 私はそこまでする女かしら?」


提督「今ならしそうで怖いんだよ!」


陸奥「うふふ、どうするかは提督次第よ? おやすみなさい」


バタン


提督「俺次第かよ・・・」


提督「端から俺次第なんだろうけどな・・・」


提督「う~む、現在、フタサンマルマル。消灯時間も過ぎてるし、睦月型を呼ぶのはなぁ・・・」


提督「試しに呼んでみるか。如月さ~ん」


如月「Zzz・・・」


提督「ぅお~ぃ、如月さ~ん!」


如月「ぅうん、お兄ちゃん・・・ 抱っこ・・・」


提督「お兄ちゃんじゃなくて、あなたの義弟なんだがなぁ」ヨッコイセ


提督「結局、お姫様抱っこかぁ。長月以外にするつもりはなかったんだが・・・」




睦月型私室:


睦月「話は堂々巡りにゃしぃ!」


睦月「悪の司令官を倒して、鎮守府の平穏を得るか! 司令官と話して平穏を得るか!」


卯月「う~ちゃんは、可愛いって言ってもらえれば、それでいいぴょん」


水無月「みんな早計だよ! 水無月は司令官に話を聞くべきだと思う!」


菊月「しかし! 司令官は長月を独房送りにした上に、如月まで独占してる! これは憲兵と相談した上で、蜂起するべきだろう!」


三日月「菊月ちゃんの意見は過激だけど、憲兵さんと相談するべきだと思うなぁ~」


提督「色々待てぃ!」


睦月「うわぁ!」


望月「司令官、結論は出たのかぃ?」


文月「長月ちゃんを解体なんてダメぇ~!」


提督「何の話をしてるか知らんが、如月を連れてきたぞ」


睦月「き・・・ 如月ちゃんは奇麗な身体、ですよね?」


提督「ったく! 衛生的にも倫理的にも奇麗だぞ!」


提督「そして文月! 長月は絶対に解体なんぞしないから、心配するな!」


提督「ついでに菊月! 反乱を起こす前に、艦隊の誰かに相談しろ!」


提督「ったく! 艦娘を解体するなら、真っ先に自分を解体するわ!」


三日月「ホント~?」


提督「おぅ! もっともその前に、そんな命令が来たら、俺が率先して反乱するがな」



























後書き

誠に残念ながら、青葉と金剛はそろそろ脱落します。
つ~かいい加減、ヒロインをメインに持ってこないと・・・


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2019-06-27 09:03:09

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