2019-09-15 01:52:13 更新

概要

あきつ丸「あなた方の行動は理解不能であります」
しっかり者のあきつ丸が着任したのは、ゆる~い提督が率いるゆる~い艦隊だった…

※こちらは『理解できないであります。』の続編です。前作から読むことを強くオススメします。


前書き

この作品は『理解できないであります。』の続編です。
ですので、まだ前作を読んでいない方はご注意下さい。


前回までのあらすじ

陸軍将校の命令で海軍に編入することになったあきつ丸。

期待に胸を膨らませ配属された鎮守府は、あきつ丸の想像とはかけ離れた非常に緩~い所だった。

初めは環境を受け入れることができず、ノイローゼになる日々であったが、徐々に慣れはじめ、とうとう陸軍へ戻るとなった矢先!いきなり始まった海軍のクーデター計画。

果たしてあきつ丸は陸軍に戻ることができるのか!?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



鳳翔「げ、元帥さん!?」ピシ


元帥「いやはやこれはこれはまた懐かしい、元気であったか鳳翔」


鳳翔「は、はい!お陰さまで」


龍驤「なんや鳳翔、知っとるんか?」


鳳翔「はい。実は以前まで少しお世話になっていたので」


大淀「そうだったのですか!?」


鳳翔「あ、でも。大淀さん達が来る前の話ですよ!?」


金剛「そうだったのデスカ」


元帥「また君の料理を食べれるとは。長生きするのも悪くはないのぉ」ハハハ


足柄「まさか今まで私達が食べていた料理が、海軍元帥のお墨付きだったなんて…」ヒソヒソ


鈴谷「あははは…鳳翔さんすごい…」ヒソヒソ


千歳「私達、とんでもない贅沢をしていたようですね…」ヒソヒソ


雪風「あれ?司令は何処ですか?」


大淀「あれ?さっきまではいたのですが…」


足柄「そう言えばあの娘もいないわ」


龍驤「ほんまや。あきつ丸はどこいったんや?」


元帥「あきつ丸とはあの陸軍の娘か?あの娘が何処にいるかはわからないが、提督なら今電話しているよ。もう少ししたら来るだろう」


足柄「まったく…こういうときに…」


龍驤「まぁまぁ、今は状況が状況やし」


雪風「お腹が空きました…」グー


金剛「私もぺこぺこでーす…」グー


元帥「まぁまぁ、彼らを待とうじゃないか」ハハハ


スタスタ


鳳翔「あら!あきつ丸さん。ご飯できてますよ♪」


あきつ丸「はい…」


鳳翔「???」


足柄「もう…遅いわよ」


あきつ丸「………申し訳ないであります…」


龍驤「ん?どないしたんや?どっか悪いんか?」


あきつ丸「…………いぇ…」


元帥「おぉ、これはこれは。確か名前はあきつ丸と言ったか?」


あきつ丸「は、はい」ビク


元帥「はははは。まぁそんなに固くならなくて良い。確か君は彼の…」


あきつ丸「彼?ですか?」


元帥「あぁ、すまない。将校だ」


あきつ丸「あ、はい!将校殿の部下であります」


元帥「うむ。やはり君は彼とそっくりじゃな。口調といい、姿勢といい彼の若い頃にそっくりじゃ」


あきつ丸「そうなのでありますか?」


元帥「わしは最初から海軍にいたが、陸軍の彼とはなにかと縁があっての。それこそ軍全体の会合では良く話をした」


あきつ丸「そうでありますか…」


元帥「確か三ヶ月前に来たのだったな?」


あきつ丸「は、はい!」


元帥「ということは……なるほど。運が悪かったのぉ」


あきつ丸「い、いえ…」


元帥「このまま陸軍に戻ってもいいのじゃがな…どのみち戦いに巻き込まれるのは避けられん…」


あきつ丸「も、勿論!承知しているであります!」


元帥「そうか。ならば君も協力してほしい。この作戦は一人でも多くの同士が必要じゃ。どうか君も将校殿から受け継いだその誇り高き心と大和魂で力になってくれ」ガシ


あきつ丸「は、はい!」キラキラキラキラキラキラ


千歳「さすが元帥ですね…」ヒソヒソ


足柄「やる気の引き出し方がわかってるわ…」ヒソヒソ


龍驤「見てみ。さっきまであんなに暗かったのに、今はあんなにきらきらしとる…」ヒソヒソ


スタスタ


提督「すまん!遅くなった!」ハァハァハァ…


金剛「提督遅いデース!」グー


雪風「雪風はお腹が空きました!」


提督「電話が長引いてしまった」サササ


足柄「全員揃ったわね」


提督「すみません元帥殿」


元帥「大丈夫じゃ。さ、大事な部下がお腹を空かせて待っておるぞ」ニコニコ


足柄「それじゃ全員揃ったわね」


提督「あぁ、それじゃあ…」


全員「いただきます!!!」


~~~~~~~~~~~~~~~~

食堂


プシュ!


足柄 ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク


千歳 グビ


足柄「ぷはぁぁ!やっぱり風呂上がりのビールはいつ飲んでも最高ね!」


千歳「でもそろそろビールも切れるんじゃないですか?」


足柄「それもそうねぇ…また提督に頼んでおくわ」


千歳「いえ、そうではなくて。私達は反乱者でありまして…これからは迂闊に補給できないんじゃ…」


足柄「ギクッ…確かに…迂闊にビールなんか仕入れれるような状況じゃないわね…」


千歳「これからは一本一本味わって飲まないとですね」グビ


足柄「そうね…それにしても、あなたもじゃない?もうお酒仕入れられないじゃない」


千歳「私はまだまだいっぱいありますから心配いりません!」グビ


足柄「さすがね。これを気に私も乗り換えようかしら」ゴクゴク


千歳「嫌ですよ!私のは秘蔵コレクションなのですから!誰にもあげません!」


足柄「何よ…ケチね…」


千歳「なんとでも言って下さい」グビ


足柄「はいはい、そうですか~」ゴクゴク


スタスタ


足柄「あら、提……」


元帥「おや、すまない。部屋を間違えたようだ」


二人 ブフゥゥゥゥゥゥゥ!!!


千歳「げ、元帥さん!?」ゲホゲホ


足柄「どうしてこんな所に…」ゲホゲホ


元帥「自室に戻ろうとしたのだがね…あいにくここは広くての~。迷ってしまったのじゃ」ガハハハハ


千歳「元帥さんのお部屋はあっちの曲がった先ですよ」ゲホゲホ


元帥「おぉ、そっちだったか。すまない、助かった……って、それは!?」


千歳「???」


元帥「それは幻の日本酒、海坊主ではないか!!」


千歳「こ、これをご存知で!?」


元帥「もちろん。わしも長年探しておったが、なかなか手に入らなくてのぉ。本物を見たのは初めてじゃ」


千歳「手に入れるのに一度、職を失いました」


元帥「希少な米と厳選された水、そしてその貴重さから数十年に二、三回しか世に出回らないという代物。一度口にすると他には手が出せなくなる者もいると言われている、まさに伝説の酒…」」


千歳「お酒をそこまで知っているなんて…」ウルウルウルウル


千歳 キュポ トクトクトク


千歳「どうぞ。よろしければお飲み下さい」キラキラキラ


元帥「よ、良いのか?これはさぞかし高かったろう…」


千歳「いえ!私はこのお酒を知っている方に出会えてとても光栄です。ですから是非ともご一緒に共有したいのです!」


元帥「そうか…では、いただくとしよう」コト


元帥 グビ


…………………


元帥「なるほど!それは素晴らしい!」ガハハハハ


千歳「そうですよね!嬉しいです!」ゲラゲラ


足柄「あ…………」ポカーン


スタスタ


提督「まだ飲んでるのか~………って元帥殿!?どして!?」ギョ


足柄「部屋を間違ったって…」


提督「え?いや…え?なんで千歳と飲んでるの?って、千歳!?」


足柄「なんか、千歳の飲んでた焼酎?が珍しくて、元帥がそれにくいついて、意気投合したってわけ」ゴクゴク


提督「そ、そうか…そんなこともあるんだな……めっちゃ楽しそうだし…」プシュ


足柄「なんか元帥って聞いたとき、もっと怖い人が来るかと思ったけれど…そんなことなかったわね」


提督「まぁな。なんたって俺の師匠だからな」ゴクゴク


足柄「納得だわ」ゴクゴク


提督「それより、ビール少なくなってきたな…」


足柄「これからは一本一本味わって飲むのよ!」ゴクゴク


提督「確かに…迂闊に補給もできないか…」トホホ


元帥・千歳 ゲラゲラゲラゲラ


~~~~~~~~~~~~~~

翌朝 早朝


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


バタン!


雪風「司令!起きてください司令!!」ユサユサ


提督「ん~…まだ……5時だぞ……」zzz


雪風「大変です司令!早く起きてください!!」ユサユサユサユサ


提督「また元帥殿が飛んでるのか……もうちょい眠らせ…zzz」グー


ドタドタドタ


千歳「大変です提督!!敵襲です!」ユサユサ


提督「……なに?」


………………………


元帥「これはまた見事じゃ…」


スタスタ


提督「これは元帥殿!」


元帥「やぁ、起こされたようじゃな」


提督「はい。敵襲ときいて」


雪風「空を見て下さい司令!!」スッ


提督「なんだ?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


提督「んなっ!?なんだあの飛行機の数!!」ギャァ


千歳「皆さんを起こしにいってきます!」アセアセ


提督「雪風、双眼鏡貸してくれ……いったいどこのどいつだ…」


元帥「こりゃとんでもない量じゃな」ガハハハハ


雪風「司令…」ウルウル


提督「え~と……あっ、あぁ!?」


元帥「おや?海の向こうからも何かくるようじゃな」


提督「なんてこった…」


雪風「怖いです…」ギュ


元帥「心配しなくてよいぞ」ハハハ


提督「ありゃ……」


提督「陸軍だ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

数十分後


足柄「な!?どうしたの!?」ギョエ


龍驤「なんやなんや!?朝っぱらからいきなり敵襲って…なんじゃこりゃ!?!?すごい量やないか!?」ギャー


鈴谷「こ、これじゃ鈴谷達だけじゃ絶対に無理じゃん!」ビクビク


あきつ丸「う、海からも何かたくさんこちらに向かってきているであります!………ん?」


龍驤「どうしたんや?あきつ丸」アワワワワ


あきつ丸「いや…何かどこかで見覚えが…」ウーン


元帥「圧巻じゃな」ガハハハハ


提督「こんなにたくさん…どうするつもりなんだ…」ハァ


足柄「ちょっと提督!あれ全部なんなのよ!!」


提督「聞いて驚け。全部これから仲間になる」


龍驤「はぁぁぁぁぁ!?」


鈴谷「ど、どういうこと!?」


元帥「あれは陸軍じゃ。まさか全部引き連れてくるとはな」ガハハハハ


あきつ丸「り、陸軍でありますか!やはり…」キラキラキラ


龍驤「あんたのお仲間…すごいな…」


あきつ丸「これが!我が陸軍でありますか!!!」ガッツ キラキラキラ


足柄「すんごい嬉しそうね…」


千歳「うちとは桁違いすぎますね…」


提督「で、ど~したらいいんだ?」


元帥「彼がもうすぐ来るじゃろう」


提督「こんなに引き連れてきて…どこに泊めるつもりだ…」


あきつ丸「うぉぉぉぉぉ!!」キラキラキラキラキラキラ


…………………


ブゥゥゥゥゥゥゥゥン


龍驤「あ、何か一機こっち向かってくるで」


足柄「いったいどこに着陸するつもりなの!?」


元帥「う~む。どうやらあのパイロットは砂浜に狙いを定めているようじゃのぉ」


千歳「えぇ!?あそこは狭くて整備していませんよ!?」


提督「まぁ大丈夫だろ。なんせあれにはお偉いさんが乗ってんだから、意地でも着陸するだろ」


雪風「きました!」


ブゥゥゥゥゥゥゥゥン バサ バサ バササササ……


ババババババババ


元帥「お見事」


龍驤「すごいな…」


提督「さて、行きますか」スタスタ


あきつ丸「じ、自分も行くであります!」


~~~~~~~~~


ガチャン


将校「やっとついたか…うぅむ…やはり南の島は暑いな」フゥ


スタスタスタ


提督「将校殿。ご無沙汰しております」ビシ


将校「おぉこれは提督。こんな朝早くにすまんな」


提督「いえ…。それよりすごい数ですね」


将校「一応、ざっと二個師団ぐらい連れてきた。やはり戦争となれば血が騒いでな。皆、今か今かと戦いを待っている」


提督「に、二個師団ですか…」


将校「これだけあれば海軍もひとたまりもなかろう」ガハハハハ


スタスタスタスタ


あきつ丸「しょ、将校殿!!」キラキラキラ


将校「おぉ!これはあきつ丸!!久しぶりだな~、元気にしてたか」


あきつ丸「はい!将校殿もお元気で何よりであります!」キラキラキラ


将校「どうだ?海軍での収穫は」


あきつ丸「はい!戦術、戦法において、陸軍とはまったく違う、新たな戦いを学んだであります!」


将校「うむ。そうか。この様子だと、大分世話になったようだな」


提督「いやいや!そんなことはないですよ。彼女はとても優秀な兵士です」


将校「そうか。それは上司として誇りに思う」


スタスタスタスタ


元帥「これはこれは陸軍将校殿」


将校「ん?おぉ、これはこれは、天敵元帥殿ではないでありますか!」


元帥「まったく、派手に連れてきおって」


将校「海軍に一泡吹かせるいい機会ですからな。経費・人員などは惜しまないでありますよ」


元帥「君の海軍嫌いには感服するのぉ」


提督「あの…ここではあれなので、中へどうぞ」


将校「そうだな。……各連隊長にその場で待機と連絡してくれ」


提督「すごいな…」


あきつ丸「自分もあそこにいたいであります!」ウーン


~~~~~~~~~~~~~~~~

執務室前


龍驤「この中に今、海軍でめちゃめちゃ偉かった人と陸軍でめちゃめちゃ偉い人がそこそこの提督と会議してるんやで…信じられへんわ」


千歳「さっき、ちらっと陸軍の将校さんを見ましたけど、何かやっぱりすごかったです。オーラと言うかなんと言うか…」


足柄「そりゃそうでしょ。だって鎮守府の前にいる集団の一番なんでしょ?そりゃ各が違うわ」


鈴谷「先週までとはホントにガラッと変わったね」


龍驤「ホンマにやわ…台風の修復はまだ完全には終わってないんやで…」


金剛「それにしても提督達は何を話してるデスカー?」


大淀「多分、これからのことでしょうね。でも、私達にはまだまだ知らされないと思います」


龍驤「まぁ、極秘中の極秘ってことやな。……で、なんであきつ丸はそこで体育座りしてるんや?」エェ


あきつ丸「……将校殿に閉め出されたであります……」ヨヨヨ


千歳「仕方ないですよ」マァマァ


大淀「先ほども言ったように、まだ計画段階だと思うので、作戦決行当日まで伝わらないでしょう」グイ


あきつ丸 ショボン


龍驤「と言うか、あんなにいっぱい連れてきたら、さすがに海軍にもバレへんか?…」


足柄「確かにそうね」


千歳「ちゃんと航路を選んでるんじゃないですか?」


将校「その通り」ガチャ


全員「な!?」ビク


あきつ丸「将校殿!」キラキラキラ


将校「心配はいらない。しっかりと海軍の逃げ道を通ってきた。だから見つかることはないだろう」


龍驤「そ、そうなんか…」ヘー…


将校「それより君らにはあきつ丸が世話になったようだ。礼を言う」


千歳「そ、そんな!」フルフルフル


足柄「私達は特別何もしていないわよ!」フルフルフル


将校「いや、それがとてもありがたい。普段通りのおかげで、あきつ丸もより自然な海軍を吸収できたであろう」


鈴谷「より自然な……」


龍驤「海軍……」ホワワワワン


ーー

ーーーー

提督『朝まで宴会だー!』全員『おー!』


提督『まずい寝坊だ!』


足柄『ぐへへへ~アルコールが足りないわヒック』


千歳『お酒のためなら命をかけます!』


全員『海軍なんてクソくらえー!』


ヤンヤヤンヤガチャガチャワイワイワイ


ーーーー

ーー


龍驤「あかん…自然な海軍が想像できへん…」ハァ


千歳「なんだか急に恥ずかしいです…」///


足柄「そうね…」///


将校「???」


提督「お前らここで何してるんだ?」ガチャ


大淀「提督、会議は終わったのですか?」


提督「まぁな。まだ詳しくは言えない」


金剛「とても気になりマース!」


提督「まぁまぁ、いずれちゃんと伝えるさ」


元帥「将校殿」ガチャ


将校「どうかされたでありますか?」


元帥「久しぶりに将棋などはいかがでしょう?」


将校「おぉ!これはこれは、海軍元元帥殿からじきじきに。お受けしましょう」


元帥「では私の部屋で」スタスタスタ


~~~~~~~~~~~~~~~~

執務室


提督「はぁ…」グダー


足柄「大分と疲れているようね」


提督「そりゃそうだ。なんたってお偉いさんとの会議は体力がいる」ハァ


龍驤「なんや大変そうやな…」アハハ…


提督「まったくだ… あぁでもないこうでもないの繰り返しだ」グダー


あきつ丸 ソワソワソワ


千歳「あら?どうしたのですか?」


あきつ丸「ぬあ!?いえ!何も!」アワワワワ


提督「別に行ってきても構わんぞ」


あきつ丸「な、何がでありますか!」アワワワワ


提督「将校殿のところだ。久しぶりだから会いたいんだろ?今は元帥殿の部屋で将棋してるから行ったらいい」


あきつ丸「し、しかし…」モジモジ


足柄「いいじゃない!行ってきたら?」


龍驤「ほんまや。久しぶりに会えて嬉しいんやろ?」ニヤニヤ


あきつ丸「ハ、ハイ…」///


提督「ま、好きにしたらいいよ~」アチー


あきつ丸「あ、ありがとうございます提督殿」


バタン!


龍驤「やれやれ。あきつ丸も最初からさっと素直に行けばええのに」ニヤニヤ


足柄「ま、あの娘なりに色々あるんじゃない?」


大淀「でもあきつ丸さん、将校さんが来てからとても嬉しそうですよ」クス



その後、待機している陸軍兵士は鎮守府裏の滑走路へと移った。


~~~~~~~~~~~~~~~~


鳳翔「どうしましょう…」アセアセ


スタスタスタスタ


提督「鳳翔さん何かおやつでも……って、どうかされたんですか?」


鳳翔「あら提督!聞いて下さい!それが…」


カクカクシカジカ


提督「陸軍の人達には何を食べさせたらいい…ですか?」


鳳翔「はい。あんなにも大人数は大変ですが…」オロオロ


提督「え?いや…作らなくても大丈夫だと思いますよ?」


鳳翔「え?いやでも…」


将校「おや、ここにいたのか」


提督「あれ、将校殿。将棋は終わったのですか?」


将校「あぁ。私の大勝利だ!まったく、気持ちがいいの~」ガハハハハ


鳳翔「あの提督…こちらは…」


提督「あぁ、この人は陸軍の将校殿です」


鳳翔「しょ、将校さんですか!?こ、これは失礼しました!」アセアセ


将校「む?貴方はさっきまでいた娘達とは違うのか?」


提督「違うといいますか…今はうちの鎮守府の炊事をしてもらっています」


将校「ほぉ、なるほど。ここの鎮守府の飯を一人で賄っているのか。さぞかし大変でしょうな」ホォ


鳳翔「い、いえ…好きでやっていますので…」


提督「あ、そう言えば、将校殿の部下達の食料はどうなっているのですか?」


将校「もちろんありったけの食料物資は持ってきている。例え補給が途絶えたとしてもあの人数で1ヶ月は戦える」


提督「す、すごいですな…」


鳳翔「で、では私は…」


提督「作らなくても大丈夫そうですね。今まで通りでお願いします」


鳳翔「はい、わかりました!」ホッ


将校「そうだ。君に至急伝えなければならないことがあったのだった。ちょっと来てくれるか」


提督「?わかりました。では鳳翔さん、お願いします」


鳳翔「はい!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~)

食堂


あきつ丸 ニコニコ ホワホワホワ


足柄「幸せそうね」


龍驤「あきつ丸もあんな顔になるねんな」


千歳「よっぽど嬉しかったんですね」ニコニコ


あきつ丸 ホワホワホワ


雪風「あきつ丸さんなんだかモチってしてます!」


鈴谷「まじデレデレじゃん…」アハハ…


大淀「……………」


金剛「? どうしたデスカー大淀?」


大淀「はっ!……今、私ボーッとしてました!?」


金剛「yes」


大淀「はぁ~……この癖、直さなくちゃ…」ウゥ


金剛「何か悩みごとでもあるデスカー?」


大淀「いえ、特にないのですが…昔からなぜかボーッとすることが多いんですよね。直さなくちゃと思ってるんですけどね」テヘ


足柄「そう言えば提督はどこへ行ったのかしら?」


龍驤「なんかさっきお腹減ったからとかで鳳翔さんとこに行っとったで」


鈴谷「なんか最近、提督疲れてるよね~」


足柄「さっきも言ってたけど、やっぱりこうも一気にきたら大変なんじゃない?」


龍驤「やっぱり大事になったら責任も重くなるんやろ…」


千歳「私達が何かできることでもあったらいいんですけどね…」


金剛「そうですネー…」ウゥン…


大淀「私達にできることですか」ウゥン


スタスタスタスタ


元帥「おや?何か会議でもやっておるのかね」


金剛「oh!提督ー!」


大淀「将棋は終わったのですか?」


元帥「あぁ…今回も惨敗だったわい」ハハハ


あきつ丸「いえ!すばらしい対局でありました!」キラキラキラ


元帥「わしもまだまだあの男を倒すまでは死ねんな」ガハハハハ


金剛「そうだ提督!少し相談にのってもらえますカー?」


元帥「ん?構わんぞ」


大淀「なるほど!一番提督と長くいっしょにいた元帥殿なら何かヒントがあるかもしれませんね!」


元帥「やつが…どうかしたのか?」


金剛「実は…」


カクカクシカジカ


元帥「なるほど。それで君達はここで考えておったのか」ハハハ


大淀「はい」


元帥「そうじゃな…やつの疲れを癒すことか…ここは一つ、湯に浸かると言いたいところじゃが、この暑さだと入る気にもならんか…」ガハハハハ


龍驤「何かないかな~」ウゥン


足柄「そうね~」ウゥン


元帥「しかし、やつも立派にやってるようじゃの」


大淀「? どういうことですか?」


元帥「いや…君達はやつの昔話を知っておるか?」


足柄「えぇ」


千歳「この前聞きました」


元帥「それじゃあ話が早い。君達が知ってる通り、やつは落とされてからどんどんと精神とともに全てが壊れていった。しかしそんな彼を誰も助けようともせず、ただただ海軍の愚か者として罵られるだけだった。もはや常人には耐えられないことじゃったろう…だが、今の君達を見ているとやつはとても立派になったようじゃ。わしはそれがとても嬉しい…」


足柄「……………」


元帥「君達は自分がやつに支えられていると思っているじゃろうが、その反対で君達がやつを支えてもいる。このお互いの関係を築けているだけでやつはとても幸せなんじゃろう…だからどうかやつをこれからもお願いする」


龍驤「なんやうちらすごいことしてるようやな…」アハハ///


千歳「私達はただ提督と一緒にいるだけなのに」///


金剛「それじゃあ提督のためにも!何か私達でやるネー!」


大淀「はい!提督は私達の無茶なわがままにも対応してくれました!だから今私と金剛さんはこうしてここにいれます!あの時のお礼もこめて何かやりましょう!」


全員「おぉーーー!!」


元帥「若いとはすばらしいの~」ガハハハハ


金剛「提督!何か提督が喜びそうなものはないデスカー?」


元帥「うぅむ…そうじゃなぁ…」


鈴谷「料理は!…って、鳳翔さんにかなうわけないか…」アハハ…


足柄「ビールはないし…」


千歳「日本酒とかは飲まないですし…」


雪風「遊ぶのはいつもいっしょに遊んでもらってますし…」


龍驤「なんかないかな~…」ウゥン


元帥「そういえば海軍にいた時におもしろい研究をしている部隊があってな~。それこそ兵士の極度の疲労を取り払う研究をしていた」


龍驤「そんな研究してるんや…」


あきつ丸「しかし、兵士の疲労は長期戦になればなるほど問題になるでありますゆえ、その研究はとても意味があると思うであります!」


元帥「それで、疲労を取り払う方法の一つで…」


元帥「異性同士が抱擁すると言うものがあったの~」


全員 ピクッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日 執務室 作戦会議


将校「情報が偵察部隊から届いた。どうやら、海軍上層部はまだ我々の作戦に気づいてないようであります」


元帥「そうか……しかし見つかるのも時間の問題じゃ…」


提督「確かに。さすがにずっとこのままってわけにはいけませんね」


将校「我々はいつでも戦える状態にある。明日の明朝からでよいのでは?」


元帥「うぅむ…」


提督「自分もはやい方がリスクが少ないかと」


元帥「よし…では作戦は明日の明朝決行する」


将校「よぉし!いよいよ戦争だ!」ガバ


提督「では、自分は皆に伝えてきます」ヨイショ


将校「そうだ。あきつ丸のことだが」


提督「???」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

食堂


全員「明日ぁ!?」エェェェェ!?


提督「明日の朝早くに出撃する」


足柄「いや、いきなりすぎない!?」


千歳「まだ心の準備が…」ドキドキ


龍驤「て、うちらは何をすればいいん?」


提督「あぁ、そうだな。俺達は任務は護衛だ」


金剛「GOEI?」


提督「陸軍の兵士を乗せた輸送挺とかを上陸するまで守る役だ」


鈴谷「ちょっと待った!あの人数の陸軍の人を鈴谷達だけで守るの!?」


提督「まぁそういうことだな。一応、陸軍の輸送挺にも機関銃とかついてるけど」


大淀「またまたきつきつな作戦ですね…」


提督「なんせ海軍は俺達だけだからな。皆、しっかり頼む」


足柄「はぁ…とうとうきちゃったわ…」


千歳「今日中に残りのお酒、飲もうかしら…」


龍驤「胃ぃ痛なってきたわ…」


提督「あ、そうだ。あきつ丸」


あきつ丸「は、はい!」ビシッ


提督「将校殿からの命令で、あきつ丸は俺達といっしょだ。どうやら将校殿は海軍で鍛えたあきつ丸を見たいそうだ」


あきつ丸「り、了解であります!このあきつ丸、全力で任務をまっとうするであります!」ビシッ


提督「よし」


提督「じゃ、各自解散!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

提督の部屋


ガチャ


提督「…………………」


提督「がはぁ…………」バタ


提督(疲れた。最近まともに寝てないからな…こんなんじゃ明日の作戦に支障が…)


コンコン


提督(なんだ…誰だ……)ハァ


提督「誰だ?」


雪風「雪風です!司令に手紙が来ていたので届けにきました!」


提督「あぁ…入っていいぞ…」


雪風「失礼します!」ガチャ


提督「わざわざすまんな。そこに置いといてくれ」グダ


雪風「はい!……司令、しんどいのですか?」


提督「ん?あぁ…ちょっと疲れただけだ…大丈夫だから気にしないでくれ」ハハ…


雪風「……………あ!」


提督「?」


雪風「司令!手を広げて下さい!」


提督「手?こうか?」ガバ


雪風「雪風!出撃します!」トォ


提督「んな!?」


雪風 ギュゥゥゥゥゥ


提督「雪風!?」


雪風「元帥さんがこうしたら疲れが取れるって言ってました!」


提督「え、元帥殿が!?またなんで…」


雪風「司令、疲れはなくなりましたか?」


提督「ん?あぁ…まぁ……取れたの…かな?」


雪風「そうですか!それはよかったです!」ウキウキ


雪風「では、失礼しました!」


提督「お、おぉ…」


バタン!


提督「何か意外だな…いや、そうでもないか?」


提督「とにかく…寝よ……」


コンコン


提督「あぁ!もぅ!誰だ!!」イラ


金剛「oh…sorryネー……」シュン


提督「あぁ!すまん!金剛か!何のようだ?」アタフタ


金剛「提督に用事がありマース…」


提督「用事?あぁ、入っていいぞ」


ガチャン


金剛「 …提督は私のこと嫌いですか?」シュン


提督「あぁ…すまん!さっきのはホント…忘れてくれ。金剛のことは全然嫌いじゃないから!な?」アセアセ


金剛「それはよかったデース!」パァ


提督「で、用事って何だ?」


金剛「oh,そうでした……」モジモジ


提督「?」


金剛「提督は…私のこと好きですカ?……」モジモジ


提督「? あぁ、まぁそうだな」


金剛「な、何をしても…怒らないですか?…」モジモジ


提督「はい?何言ってるんだ?」


金剛「目、目を瞑って欲しいネ……」///


提督「目?こうか」グッ


金剛「い、いきマース」モジモジ


提督「いきマース?」???


金剛「バァァニングゥゥゥ……」


提督「ちょっと待て、何が……」


金剛「ラァァァァァァブゥ!!!!!」ドス


提督「ぐはぁ!!」ゴフ


金剛「えへへ~」ギュゥゥゥゥ


提督「うぅ……」クラクラ


金剛「えへへへへ~」ギュゥゥゥゥ


提督「……は!な、何やってるんだ金剛!?」


金剛「提督が疲れている時にハグをしたら疲れが癒されると聞きましター」


提督「なんかさっきも聞いたな…」


金剛「提督、疲れはとれましたカ?」ホワホワホワ


提督「え?まぁ……うん…多分……」


金剛「それはよかったデース!」パァ


金剛「私もとっても幸せな気分デース!!」キラキラキラキラキラキラ


提督「そ、そうか。それはよかった」


金剛「じゃあ私はこれで戻りマース!」キラキラキラキラキラキラ


提督「お、おう…じゃあな…」


金剛「あ!そうだ提督!」ピタ


提督「なんだ?」


金剛「ほ、他の娘にしたら……NOだからネー!!」ドキドキ


提督「はい!?」


バタン!


提督「他の娘って……」


提督「とにかく…寝…zzz…」


~~~~~~~~~~~~~~~~

数分後 食堂


金剛「えへへへ~」キラキラキラキラキラキラ


千歳「なんだか金剛さん嬉しそうですね」


金剛「イエース!わかりますカー?」キラキラキラキラキラキラ


龍驤「見るからに」


金剛「えへへ~」キラキラキラキラキラキラ


足柄「何かあったの?」


大淀「そう言えばさっきまで何処へ行っていたのですか?」


金剛「それはですネー…」


金剛「…………………」


金剛「無くし物を探していたデース」サラ


大淀「無くし物ですか?」


金剛「イエース!」


足柄「何を探していたの?」


金剛「………what?」


龍驤「いや、さっきまで探していたんやろ!?」ズル


金剛「えーとデスネー………」アセアセ


千歳「何を探していたかも忘れたんですか?」


金剛「No!!み、見つかりマシタ!だからNo problemネー!!」アワワワワ


龍驤「はぃ?なんや見つかったんかいな」


足柄「て、さっき見つけた物を忘れたわけ?」


金剛「イ、イエース!私は忘れっぽいネー!」アハハ…


足柄「ふ~ん」ジトー


金剛「アハハハ……」アセアセ


大淀「そう言えば提督はどこへ行ったのでしょう?」


金剛 ドッキーン!


足柄「ホントね。何処行ったのかしら?」


龍驤「ホンマやな。何処行ったか金剛知ってるか?」


金剛「んな!?………わ、私は何も知らないデース!!」アタフタアタフタ


足柄「あら、そう」ニヤ


大淀「ちょっと提督の部屋に行ってきますね」スッ


金剛「NOーーー!!!」ガバ


大淀「ちょ、ちょっと何するんですか!?どいて下さい」グヌヌ


金剛「嫌デース!!!」グヌヌ


大淀「提督がいるかどうか見に行くだけです」グヌヌ


金剛「て、提督は部屋には居まセーン!!」アタフタ


大淀「なぜそれを知っているのですか」グヌヌ


金剛「んな!?………た、たまたまデース!雪風に聞きましタ!」グヌヌ


大淀「いいですからそこをどいて下さい!」グヌヌ


金剛「絶対に通さないネ………」グヌヌヌヌヌ



スタスタスタ


あきつ丸「龍驤殿…って、何をやっているのでありますか!?」ギョ


大淀「あ、あきつ丸さん……いい所に来ました……この重たい紅茶娘をどかして下さい………」グヌヌヌヌヌ


あきつ丸「は、はい!?」


金剛「そんなことはさせないデース…」グヌヌヌヌヌ


あきつ丸「え、えーと……」アワワワワ


大淀「いい加減に……」グヌヌヌヌヌ


金剛「諦めるネー……」グヌヌヌヌヌ



足柄「昼間からよくやるわね~」


千歳「そうですね~」アハハ


龍驤「まぁ金剛の言い方から、提督が部屋におるのは確かやな」



大淀・金剛 グヌヌヌヌヌヌヌヌ


あきつ丸「お二人とも…喧嘩は良くないであります……」アタフタアタフタ


スタスタスタ


雪風「雪風!通ります!」サッ


あきつ丸「あ!雪風殿!?」アワワワワ



千歳「あら、雪風ちゃん。よく通ってきたわね」


雪風「あの入り口のお二人は何をやっているのですか?」


龍驤「あぁ、あれは…まぁ…じゃれあい」


雪風「?」


千歳「そう言えば、今までどこに行っていたの?」


雪風「司令の部屋に手紙を届けに行って来ました!」



全員 ピクッ



大淀「やっぱりいたじゃないですかぁ!!!」バチバチバチバチ


金剛「知らないネー!!!」バチバチバチバチ



龍驤「あぁあぁ…さっきより強なったわ…」アララ


足柄「あの二人いつまでやるつもりよ…」ハァ…


千歳「手紙を届けに行ったの偉いね~」ヨシヨシ


雪風「えへへへ。あ!後、司令に はぐ をしました!!」



全員 ピクッ



大淀「………………………」スッ


金剛「………………………」スッ



千歳「え、えぇ!?また、なんで?」


雪風「司令がしんどそうだったので…ちょっとでも元気になればと思って…」


龍驤「なるほど………」


足柄「……ねー、提督は何か言ってた?」グイ


大淀「私も気になります」グイ


金剛「私も気になりマース…」グイ


千歳「ちょ、ちょっと!皆さん顔が怖いですよ!後、雪風ちゃんに近よりすぎですって!」


雪風「えぇと… 少しですが疲れが取れたと言っていました」


大淀「なるほど…」スチャ


足柄「……………」グッ


金剛「他の娘と……」


雪風「皆さんどうかしたのですか?」


千歳「さ、さぁ~ね~」アハハハハ…


全員(先越された!)


龍驤「……ん?そういや鈴谷どこいった?」


千歳「あれ?そう言えば見ませんね…さっきまでいた気がしますが…」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

同時刻 提督の部屋


ガチャ


提督 スピー……zzz


鈴谷「……………」ソロ~リ


提督 スピー……zzz


鈴谷「寝てる……よね?…」ソロ~リ


提督 スピーzzz


鈴谷「よし!じゃあお邪魔しまーす…」ゴロン


提督 スピーzzz


鈴谷「提督と同じ布団♪ はぁぁぁぁぁぁぁ!顔が近いぃぃ!」///


提督 スピーzzz


鈴谷「うししし。提督は鈴谷一人のものじゃん♪」テレテレ


提督 スピーzzz


鈴谷「……抱きついても…起きない…かな…」ドキドキ


提督 スピーzzz


鈴谷 ソロ~リ ドキドキ


提督 スピーzzz


鈴谷「………んっ」ギュゥゥ


提督 スピーzzz


鈴谷(はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ///や、やっちゃったぁぁぁ///)ドキドキドキドキ


鈴谷「し、幸せ…」エヘヘ~


提督 スピーzzz


鈴谷「……………」ジー


提督 スピーzzz


鈴谷「キ、キス……したら……ばれる…かな…」ドキドキ


提督 スピーzzz


鈴谷 ゴクン


提督 スピーzzz


鈴谷 ソロー /// ドキドキ


提督 スピーzzz


鈴谷 ドキドキ


ガチャン!!


鈴谷「ひぃ!?」ビクッ


鈴谷「な、何!?」ヒョイ



足柄「グルルルルル……」狂


大淀「グルルルルル……」狂


金剛「グルルルルル……」狂



鈴谷「ひぃ!?」サーーー


三人「よくも貴様…」グルルルルル


鈴谷「ご、ごめんなさぁぁぁい!!」泣


~~~~~~~~~~~~~~~~

食堂


鈴谷「うぅ……………」ドヨーン


千歳「だ、大丈夫ですか…」


鈴谷「鈴谷はただ提督といっしょに寝たかっただけなのに…」グズ


龍驤「あはは……気の毒やな…」ヤレヤレ


足柄「まったく」フン


大淀「たかが小娘が」カチャ


金剛「許せないネ…」グルルル


あきつ丸「ま、まぁまぁ!三人とも落ち着きましょう…」アセアセ


龍驤「ホンマに…そないことでここまでせんでもええやろ…」ハァ


鈴谷「うぅ………」グズ


雪風「大丈夫ですか…」ヨシヨシ


鈴谷「ありがとう…」グズ


あきつ丸「作戦前日に喧嘩などよくないでありますよ!」アセアセ


千歳「そうですよ!仲良くしましょうよ!」


足柄「はぁ…わかったわ…少し悪かったわ」


大淀「……そうですね」


金剛「次は絶対許さないデース」


鈴谷「はい……」グズ


龍驤「はぁ……」ヤレヤレ


あきつ丸「い、一件落着でありますな!」アハハ…


千歳「そ、そうですね!」


足柄(別にいいわ…まだ計画は順調…)


大淀(これも計算の内。勝負はこれから…)


金剛(問題はここからネ… 決戦は…)



三人 (((夜!!!)))



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

提督の部屋


提督「………うっ…」


提督「ぐわぁぁ~………はぁ…」フワァ


提督「あ~……今何時だ……よく寝た…」ボケ~


…………………


食堂


スタスタスタ


雪風「あ!提督!おはようございます!」


提督「ん?あぁ…おはよう…って、夕方だけどな…」


龍驤「どうや?疲れはとれたか?」


提督「ん?まぁな… あれ?足柄達は一緒じゃないのか?」


千歳「あぁ、なんかさっきまでいたんですけどね。来るべき決戦に備えてとかでもう寝ました」


提督「お、おぉ…なんか気合い入ってるな」


あきつ丸「さっきまでは大変でありましたが…」アハハ…


提督「ん?何かあったのか?」


鈴谷「……………」


龍驤「い、いや~?別に大したことないで!」アハハ


千歳「は、はい!ささいなことです!」アハハ…


提督「そうか?ならいいんだが」ウゥン!


龍驤「なんや?やっぱりまだ疲れはとれてないんか?」


提督「まぁな。変な夢のせいもある」


千歳「夢?」


提督「あぁ。最初はめっちゃ気持ちよかったんだがな」


あきつ丸「どんな夢でありますか?」


提督「ん?まぁ…こんなこと言ったら気持ち悪いかもしれんが…誰かに抱き締められながら寝た夢だ」


鈴谷 ドキッ


龍驤「うわぁ…」ジトー


提督「やめろその目…だからあまり言いたくなかったんだ…」


千歳「ま、まぁ。よかったじゃないですか!いい夢を見れて!」


提督「いや、そうでもない…」


あきつ丸「?」


提督「すごい安心感があって幸せな夢だったんだが、途中で急に感覚が無くなって、急に何かこう…悪くて邪悪な妖気を感じた」ブルブル


龍驤「なんやそれ…」


提督「しかも三体ぐらいに魘された気がする…」ゾワァ


千歳「それは災難でしたね」アハハ…


あきつ丸「恐ろしい夢でありますな~」


鈴谷 ドキドキ


提督「でもあの安心感は最高だった…」


鈴谷「よし…」ボソ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

夕食


鳳翔「今日はご馳走です!」ジャジャーン


全員「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」キラキラキラ


提督「なんでもあるな」キラキラキラ


龍驤「こりゃ、たまらんわ!」キラキラキラ


鳳翔「もちろん、ちゃんと今日は金曜日なのでカレーもあります♪」ウフフ


千歳「さすがですね」キラキラキラ


鈴谷「生きててよかった~」キラキラキラ


あきつ丸「こんな豪華な食事は初めてであります!」キラキラキラ


雪風「司令!早く食べたいです!」キラキラキラ


提督「あぁ…って、足柄達は?」


龍驤「あぁ…三人とも呼んだけど反応なかったわ」


千歳「もったいないですね」


提督「うぅむ…少しあいつらの分も残しといてやるか。どうせ夜中に起きるだろ」


鳳翔「では、取っておきますね」


あきつ丸「そう言えば、元帥殿と将校殿は…」


提督「元帥殿と将校殿は陸軍のところにいってるよ。今日は二人で飲むらしい」


千歳「私も行こうかしら」ジュル


龍驤「いやいや…あんたはあかんやろ」


提督「よし!じゃあ諸君!!鳳翔さんに感謝して!!!明日の作戦の成功を祈って!!!!」


全員「「「いただきまぁぁす!!!」」」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

夜 食堂


提督「はぁ~。やっぱり風呂は気持ちいいな~」ホカホカ


龍驤「お、今上がったんか」


提督「あぁ。やっぱり風呂は疲れがとれる。後はキンキンに冷えたビールがあればなぁ…」ザワ…ザワ…


龍驤「残念やな。ビールはもうないで」アハハ


千歳「日本酒ならありますよ♪」グビ


提督「うぅむ…ま、たまには試してみるか。ちょっともらえるか?」


千歳「はい!喜んで!」キュポ


千歳「まさか提督と飲める日がくるなんて♪」トクトクトクトク


提督「ありがと」グビ


千歳「その味を知っちゃいましたら、もう他は飲めませんよ」ウフフフフ


提督「ぐぉ…こりゃすげぇな…美味い」オォ


千歳「でしょ?」


提督「うむ……美味い」グビ


龍驤「提督、慣れてないからちょっとアルコールにびっくりしてるやん」ニヤニヤ


提督「まぁな…」グビ


千歳「確かにビールと比べれば全然高いですもんね~」グビ


提督「でも…悪くない」グビ


龍驤「ほれほれ。あんまり一気に飲んだら体壊すで~」


千歳「そこは大丈夫ですよ!なんて言ったって、いいお酒ですから!」


提督「そうだなぁ…確かにフワッとするがいい感じだ」


スタスタスタ


あきつ丸「おや!今日も酒盛りでありますか!」


龍驤「うちは関係ないで~」


千歳「いっしょに飲みます?」


あきつ丸「いいのでありますか?では、お言葉に甘えて…」


千歳「どうぞ~」トクトクトクトク


あきつ丸「ありがとうございます。それにしても提督殿が日本酒を飲んでいるのは珍しいでありますな」グビ


提督「まぁな。ビールがないもんで」グビ


あきつ丸「そうでありますか」グビ


龍驤「それにしてもあの三人起きへんなぁ…」


提督「まぁ、明日の作戦に備えて色々あるんだろう。特にあの三人は便りにしているし、しっかり万全な態勢で出撃したいんだろう」


千歳「そうですね」


あきつ丸「でも今日のあれはすごかったでありますな~」ヒック


提督「あれ?」


龍驤「ぬぁ!?」サッ


あきつ丸「いや~、鈴谷殿が提…ふぐっ!?」


千歳「セ、セーフ…」ハァ


あきつ丸 ムグムグ


提督「ど、どうした?」


千歳「いえ?何でもありませんよ?」ニコ


提督「いや…何であきつ丸の口をおさえてるんだ…」


龍驤「何でもないで~?な?」アハハ…


千歳「はい!ちょっと手がすべっただけですよ。ちょっと酔っちゃったかな~」アハハ…


あきつ丸 ムグムグ


提督「そ、そうか?」エェ…


龍驤「さ、あきつ丸!そろそろ部屋にもどろか!明日も早いし」サッ


あきつ丸「はぁい!!あきつ丸!!!寝るでありまぁす!!ヒック」/// ベロベロ


龍驤「はいは~い。ほな、ちょっとあきつ丸送ってくるわ」ハイ


千歳「お願いしま~す」


提督「お、おう…」ナンナンダ…


あきつ丸「あきちゅ丸!しゅっげきしましゅ!!ヒック」ベロベロ


龍驤「はいはい。こっちやで~…」


スタ スタ


提督「だ、大丈夫か?」


千歳「龍驤さんがついてますから大丈夫ですよ」グビ


提督「だといいんだが…」グビ


千歳「それにしてもちょっと暑くなってきました~」フワフワ


提督「確かに。ちょっと飲みすぎた」フワフワ


千歳「私も少し酔っちゃいました~」フワフワ


提督「珍しいな酔うなんて」


千歳「たまにありますよ~」フワフワ


提督「明日の作戦に支障がでないようほどほどにな」ガタ


千歳「もういっちゃうんですか~?」


提督「あぁ。明日も早いしな。千歳も早めに切り上げろよ」


千歳「了解で~す~」フワフワ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

提督の部屋


提督「よし。今日はさっさと寝るか」ハァ


ガチャ


提督「…………………」


提督「誰か……いるか?」


シーン


提督「気のせいか… 誰かいるような感じがするんだが… 疲れてるのか…」ハァ…


大淀「提督…」


提督「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!?!!?!?」


大淀「きゃ!」


提督「お、お、大淀かぁ…」ゼェゼェゼェゼェ…


大淀「す、すみません…大丈夫ですか?」アセアセ


提督「口から心臓が出そうになった……まったく…驚かすな…」ハァハァハァハァ…


大淀「す、すみません…」


提督「で、何のようだ」ハァハァハァハァ…


大淀「え!?」


提督「え!?」ハァハァハァハァ…


大淀「え、えぇと…そのぉ…」カァァ///


提督「なんだ…」


大淀「そ、そのぉ……」///


提督「明日も早いからもう寝るぞ」


大淀「え!えぇと…わ、私もご…ご一緒しても…いぃデスカ…」カァァ///


提督「はい??」


大淀「そ、そのぉ…なんて言いますか……ご一緒に寝ていただけたら……う、嬉しい…デス…」カァァ///


提督「…どうした?どこか悪いか?」


大淀「ち、違います!」プンスカ


提督「それじゃあまたどして…」


大淀「そ、それは……」モジモジ


提督「一緒に寝るってったって布団は一個しかないぞ…」


大淀「え!?私は全然それでオーケーです!!!」ドキドキ


提督「えぇ……」困惑


大淀「駄目……ですか…」ウルウル


提督「うぅ…そんな顔されても…」ムゥ…


提督「……本当にいいのか?」


大淀「はい!!!」ドキドキ


提督「じゃ、じゃあ…どうぞ…」


大淀「あ、ありがとう…ございましゅ…」カァァ///


布団 バサ


大淀「きゃぁぁぁぁぁ!!?!?」ビクッ


提督「うわぁ!?!?」ビクッ


金剛 スー スー スーzzz


大淀「ど、どどどどうして金剛さんが!?」オロオロ


提督「どうなってんだ!?」オロオロ


金剛「ん……」ゴシゴシ


金剛「oh!提督ぅ!待ってたネー!!!今日は私と一緒に……って、why!? どうして大淀がここにいるデスカ!!」


大淀「こ、こちらこそどうして金剛さんが提督の布団の中にいるのですか!!」


金剛「それはもちろん。提督とバーニングラブをするためデース!!」ムム


大淀「なっ……」ピキ


提督「いやいやいやいや!何言ってるんだ!?」オロオロ


金剛「提督は私と寝るのは嫌ですカ?」ウルウル


提督「いやいやいやいや!もちろんいやじゃないが、何でここにいる!?てか、いつからいたんだ!?」アワアワアワ


金剛「二時間くらい前からいましタ!」


提督「何やってんだ…」ハァ


大淀「て、提督は私と寝るんです!」キッパリ


金剛「why!?どういうことですカ!」プンスカ


提督「ど、どういうことって…」


大淀「先程了承を得ました!ですので金剛さんは出ていって下さい!!」


金剛「No!!提督は私と寝るデース!!」ギュ


提督「うぉ……」ギュゥゥ


大淀「な!何してるんですか!!提督から今すぐ離れて下さい!!」ムカ


金剛「ぜぇぇぇったいに離れないデース!」ムニュ


提督「こ、金剛…誠に言いにくいが…あたってる…」///


金剛「は!……て、提督なら……触ってもいいネー……」カァァ///


提督「いや…それは…」///


大淀 ビキッ


提督「うぉ…」ギュゥゥゥゥ


金剛「何してるですカ!提督から離れるネー!!」ムカ


大淀「嫌です!ぜぇぇぇぇったいに離れません!!!」ギュゥゥゥゥ


提督「痛い痛い痛い……」ゥゥ


大淀「提督でしたら…触ってもいいですよ…」カァァ///


提督「何を?」キョトン


大淀「…………………」ギュゥゥゥゥゥゥゥゥ


提督「痛い痛い痛い痛い痛い!!!!」ギャァァ


金剛「提督の心は正直デース!提督は私に興味がありマース!!!」


大淀「いいえ!提督、私と寝たいですよね?」ウルウル


提督「えぇ……」


金剛「提督ぅ。私と寝たいですカ?」ウルウル


提督「えぇ……」


二人「提督はどっちと寝たいですか!」ギュゥゥゥゥ


提督「う、うぅ……」


提督(静かに一人で寝たい……)


コンコン ガチャ


足柄「ちょっと入るわよ~……って…」


三人「……………………」ゴチャゴチャ


足柄「夜中に何やってるの…」エェ…


提督「い、いいところにきた!足柄に用事があったんだ!」ササササ


足柄「え?私に?」キョトン


大淀「あ!提督!」


金剛「待ってくださーい!」


提督「ここじゃあれだから、食堂に行こう!な?」ササササ


足柄「ちょ、ちょっと!?」キョトン


提督「んじゃ、そんなわけで二人とももう寝るんだぞ!おやすみ!」ササササ


バタン


二人「あ………………」ポカーン


大淀「うぅ………」グヌヌ


金剛「惜しかったデース………」グヌヌ


~~~~~~~~~~~~~~

食堂


提督「いや~助かった!ホントいいタイミングで来てくれた!」ハァ…


足柄「そ、そう?お役にたてたようね?」


提督「はぁ…まったく…せっかく寝ようとしてたのに、あんなに騒がれると目が覚める…」ハァ


足柄「あなたも大変ね」アハハ…


提督「ホントだ…明日の作戦に響かなけりゃいいんだが…」ハァ…


足柄「そんなに心配しなくても大丈夫よ。はい、これあげるわ」スッ


提督「っ!?ビ、ビールじゃないか!?どこにあったんだ?」キンキン


足柄「数本だけ取っておいたのよ。まぁ、こんな日が来たときに飲もうかな~ってね」プシュ


提督「そうかぁ… ありがてぇ…」プシュ


足柄「感謝しなさい!じゃ、乾杯」ゴクゴクゴクゴク


提督「おうよ!」ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク


二人「ぷはぁ~!!」


提督「くっそ美味い!!体の芯まで染み込んでくる!やっぱビールが一番だな!」キンキンニヒエテヤガル


足柄「当たり前よ!」ゴクゴクゴクゴク


提督「あ!それで話ってなんだ?」ゴクゴク


足柄「え?」


提督「いや、話があって部屋に来たんだろ?」


足柄「あ、あぁ…そうだったわね…」ゴクゴク


提督「明日の作戦のことか?」ゴクゴク


足柄「いや…それじゃないんだけれどね…」


提督「?」


足柄「わ、忘れたわ!多分、たいして重要な話でもないでしょ!」ゴクゴクゴクゴク


提督「そ、そうか?何でも聞いてくれていいんだぞ?」


足柄「うぅん………」


足柄「多分、提督と最後のビールを誘いにきたのよ!」


提督「そ、そうか?」


足柄「えぇ!一人で飲むなんて寂しいからね。それに…」


提督「それに?」


足柄「あなたのことが……」///


提督「?」


足柄「………何でもないわ!」ゴクゴクゴクゴク


提督「なんじゃそりゃ!」ズコッ


足柄「ただ久しぶりに一緒に飲みたかっただけよ」フフ♪


提督「そうかい。まぁ、ありがとな。俺も久しぶりに足柄と飲めて楽しいよ」


足柄「そうでしょ?」ウフフ


提督「明日、一番頼りにしているぞ。頑張ってくれ」


足柄「あら、嬉しいわねこと言うわね。そんなこと言われたら頑張らないとね♪」


提督「頼んだ」グッ


提督「はぁ…それにしても、久しぶりに気持ちよくなったからか、急に眠くなってきたな…」フワァ…


足柄「そう?」


提督「このままコロッて寝ちゃいそうだ…」


足柄「……………」ゴクゴク



提督「やばい……」ウトウト



提督「まじで……」ウトウト



提督「眠……」ウトウト




提督「zzz……」スースー…




足柄「……………」ゴクゴク




提督「zzz……」スースースー…









足柄「ごめんなさいね提督」スッ










足柄「こうするしかないの……」






~~~~~~~~~~~~~~

深夜 廊下


あきつ丸「うぅ~…飲みすぎたであります…」ガンガンガン


あきつ丸「もうじき作戦だと言うのに…うっ…」ガンガンガン



スタスタスタ



あきつ丸「おや?こんな夜中に…誰でしょうか…」



足柄 スタスタスタ



あきつ丸「んん…暗くてよく見えないであります……」ウゥン…


あきつ丸「まぁ、トイレか何かでありますな。自分も早く寝るであります」ササササ



足柄 スタスタスタ


提督「zzz……」スースー


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌朝 早朝


将校「諸君!いよいよ決戦の時がきた!日々の訓練と我々の大和魂を今ここで!海軍どもに見せつけてやるのだ!!!」


兵士「おぉぉぉぉ!!!!」


………………

鎮守府


雪風「みなさん!起きて下さい!!」


龍驤「起きてるで~…」


千歳「とうとうきちゃいましたね」


鈴谷「どっかに隠れようかな~」


大淀「それはマズイと思いますが…」エェ…


あきつ丸「駄目でありますよ鈴谷殿!一人でも欠けると作戦に支障が出るでありますよ」


鈴谷「は~い…」ウゥ


金剛「?」キョロキョロ


鳳翔「皆さん!頑張って下さいね!」グッ


龍驤「なんや、鳳翔は行かんのかいな」


鳳翔「私が行っても足手まといになるだけです。美味しいご飯を作って皆さんの帰りを待っていますね!」グッ


千歳「今から楽しみですね♪」ウフフ


雪風「雪風はハンバーグが食べたいです!」


鳳翔「うふふふ。じゃあ、作って待っているわね」


龍驤「でも補給もないのにどうやって作るんや?」


鳳翔「それは~…企業秘密です♪」


龍驤「なんやそれ!」ズル


アハハハハハ……


金剛「? 提督と足柄はまだですカー?」キョロキョロ


龍驤「ん?ほんまやな。もうそろそろ来るんちゃう?」


千歳「まさか提督…昨日飲んだせいで…」


大淀(ま、まさかあの後二人は……)ゴゴゴゴゴ


金剛(まさか……)ゴゴゴゴゴ


元帥「おや?全員揃っているのか」


あきつ丸「おはようございます!元帥殿!」ビシ


全員「おはようございます」ビシ


元帥「うむ…ん?彼の姿が見えないが…」


千歳「一緒じゃないのですか?」


元帥「あぁ… 誰か彼の部屋へ確認してきてもらえるか?」


あきつ丸「それでは自分が確認し…」


金剛「私が行きマース!!」ダッ


大淀「わ、私も!」ダッ


あきつ丸「てくるであります……必要なさそうでありますな…」アハハ


龍驤「二人がもう行ったわ」


千歳「朝から元気ですね」アハハ…


元帥「じゃあ我々は準備に取りかかろう」


…………………

五分後


ダダダダダダダダダダ


龍驤「お、帰って来た」


金剛「た、大変デーーーーーーーース!!!」ゼェゼェゼェゼェ


鈴谷「ど、どうしたの…」


大淀「て、提督と…足柄さんが…」ゼェゼェゼェゼェ


千歳「お二人がどうかしたんですか?」



金剛・大淀「「いなくなりました!!」」デース



全員「はぁいぃ????」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

提督の部屋


龍驤「ほんまどこいったんや…」ハァ…


元帥「昨日の夜はいたのかね?」


大淀「はい… 夜遅くまではいました…」


金剛「私も見ましタ…」


元帥「ウーム……」


将校「逃げた……か…」ボソ


あきつ丸「な!?」ビクッ


龍驤「提督に限ってそんなことあるはずないやろ!!」グワ


千歳「りゅ、龍驤さん!将校さんですよ!」アセアセ


龍驤「は!……も、申し訳ありません…」


将校「いや…こちらこそすまない。彼に限ってそんなことないことはわかっている……ただ、この状況からどう推測するか…」


鈴谷「足柄さんもどこいっちゃったんだろ…」


スタスタスタ


陸軍兵士「失礼します将校殿。作戦準備が完了したことを報告します!」ビシ


将校「そうか……」ウゥム


元帥「ここはひとまず数人だけ残して、後は予定通り出撃させよう…」


将校「そうでありますな……各、部隊長に作戦開始と伝えろ」


陸軍兵士「了解しました」ビシ


スタスタスタ


元帥「君らも作戦通り配置についてくれ」


鈴谷「いや、でも……」


龍驤「いや、ここは元帥さんの言うとおりや。うちは提督と足柄を探すから他のみんなは出撃し」


大淀「では私も残ります!」


金剛「私も残りマース!」


元帥「いや…ここで戦艦と空母がいなくなるのは少しまずい。君らは出撃して、大淀だけ残るようにする」


将校「こちらからも捜索隊を出しましょう。後、あきつ丸もここで捜索隊と行動をともにしてくれ。何かわかり次第、随時報告するように」


あきつ丸「了解したであります!」


元帥「予期せぬ事態が起きたが…これより作戦を開始する。各自健闘を祈る」


~~~~~~~~~~~~~~

海上


千歳「これより輸送挺の護衛任務を開始します」


龍驤「こっちも配置についたで~。飛行機達も上々や」


鈴谷「配置についたよ~」


雪風「雪風もつきました!」


金剛「うぅ…提督が心配デース…」


龍驤「何言うてんねん!今は任務に集中しいや!!」


金剛「うぅ……」


千歳「しかしすごい数の船ですね…」


龍驤「ざっと百隻ぐらいあるんちゃう?」


鈴谷「ホントにこんな数守りきれるかな…」


おーい!


陸軍兵士「姉ちゃんら頼りにしてるで~!!」オーイ


陸軍兵士「陸までしっかり守ってくれよー!!」オーイ



雪風「見てください!船から陸軍の人が手を降ってます!」


鈴谷「ホントだ」アハハ


龍驤「おーい!任せときやー!!」オーイ


千歳「なんだか力が湧いてきますね」ウフフ


龍驤「しっからうちらが守らんとな」


~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府


捜索隊「どこにも何一つ痕跡がありません」


元帥「そうか……」ウゥム…


大淀「まさか作戦に気づかれて拉致…」


あきつ丸「しかし、情報漏洩の対策は厳重でありましたゆえ、そのようなことは…」


捜索隊「我々は他のところを探してみます」


元帥「うむ。頼んだ」


大淀「いったい何処へいったのでしょう……」


~~~~~~~~~~~~~~

ある場所


提督「zzz…」グー


提督「zzz…」グー


提督「……………ん…」ウッ…


提督「ぐわぁ~~…」フワァ~


足柄「気がついたようね」


提督「んん……おぉ…足柄か…」ボヤァ


足柄「気分はどう?」


提督「ぐっすり寝てしまった……今何時だ?」


足柄「そうね…朝の6時くらいかしら」


提督「そうか…………え?」キョトン


足柄「え~と、正式には6時……」


提督「ちょちょちょ~っと待て!!6時って言ったか!?」ガバ


足柄「えぇ」


提督「そんな馬鹿なっ!!!すぐに支度するぞ!ってか、ホントにマズイマズイマズイ!!!!」ギャァァァァァァ!


足柄「ちょっと落ち着いたら?」


提督「そんな暇あるか!!まじでヤバいヤバいヤバい!!!」ジャラ


提督「くっ…………なんだ?」ジャラ


足柄「……………」


提督「な、なんで鎖なんかで繋がれてるんだ……」ジャラ


足柄「……………」


提督「て、ここは何処なんだ!?こんな独房みたいな部屋なんかあったか?」ジャラ


提督「て、ちょっと待て……みんなは何処へいったんだ?誰も俺に気づいてないのか!?」


足柄「……………」


提督「どうなってるんだ…」


足柄「あなたは監禁されてるのよ」


提督「…………はい?大丈夫か足柄?」


足柄「む…失礼ね。私はいたって普通よ!」


提督「いやいやいやいや。何言ってんのかわかってるのか?」


足柄「当たり前よ!もぅ… 私がしたんだから!」イライラ


提督「……ちょっと何言ってるのか…」ハハ…


足柄「だーかーらー!私が監禁したって言ってるんでしょ!」ムカ


提督「???今なんとおっしゃいましたか??」


足柄「私があなたをここまで連れてきて監禁したのよ!何回言わせるのよ!」イライラ


提督「…………why?」


足柄「なんだか腹立つわね……」ムカ


足柄「いいわ。いずれわかるからそれまで大人しくしておきなさい」


提督「…………why?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府


妖精「ゴニョゴニョゴニョゴニョ…」


大淀「なるほど…そうですか…」ウゥム…


あきつ丸「何かわかったでありますか?」


大淀「いいえ…妖精さん達に聴いているのですが…誰も提督を見ていません…」


元帥「困ったものじゃ…もしかすると大淀が言った通り、拐われたかもしれんのぉ…」


あきつ丸「どこからか情報が漏れていたのでありますか?」


元帥「考えにくいことだが……」ウゥム…


捜索隊「何か少しでも手がかりがあればいいのですが…」


大淀「昨日は夜に足柄さんと提督は食堂に行ったと思いますが…それからはわかりません…」


あきつ丸「あ!そう言えば深夜にトイレへ行く途中で、誰かが廊下を歩いているのを見たであります!」


捜索隊「本当ですか!誰かわかりますか?」


あきつ丸「い、いや~…恥ずかしながら自分は酔っていたため覚えていないであります。それに真っ暗でしたので何も見えなかったであります」


大淀「そうですか…」


元帥「どうしたものか…」


捜索隊「信じたくはありませんが、このままだと 逃亡 又は拉致と考えるしかありません…」


大淀「逃亡……」


元帥「彼に限ってそのようなことは絶対に…」ウゥム…


あきつ丸「……自分は提督殿を信じているであります!ですから、逃亡など絶対にしないであります!」


捜索隊「我々も最善を尽くします」


~~~~~~~~~~~~~~~~

ある場所


提督「くそ……こんなことしてる場合じゃ…」ジャラジャラ


足柄「無駄よ。その鎖は自力じゃ絶対に外れないわ」


提督「なんたってこんなこと」ジャラ


足柄「あなたを捕らえるためよ」


提督「俺が何したって言うんだ… って、足柄はさっきから何なんだ!監禁したとかなんとか言ってるがどういうことか説明してくれ!」


足柄「………いいわ。そうね…早い話、私は海軍本部の艦娘よ」


提督「海軍…本部…だと?」


足柄「えぇ。他の鎮守府から流れてきたなんてのは嘘よ。あれはあなたを騙すための口実」


提督「な、なんたって本部から…」


足柄「あなたの監視よ」


提督「監視?」


足柄「あなたがあそこで何かしでかさないかを監視するために送られたのよ。もし本部に逆らうような行動をしていたらすぐに報告できるようにね」


提督「報告……………」


足柄「まぁ、最初はそんな事起きるなんて思っていなかったけれど、まさかね……」ハァ


提督「じゃあ、ずっと俺を監視して上層部に報告してたってことか…」


足柄「ええ。全部ね」


提督「…………」


足柄「金剛や大淀のことも早くに知っていたわ。でもまさか鎮守府にそのまま着任するとは思っていなかったけれど」


提督「そんな………」


足柄「海軍本部へのクーデター……最初聞いた時は驚いたわ。まさかホントにそんなことをするとは思っていなかったからね。それに元元帥と陸軍が協力することも想定外…もちろんあきつ丸もよ。それから海軍本部は大騒ぎ。でも今頃は防衛網もできているんじゃないかしら」


提督「なに……」ピク


足柄「陸軍の兵力の規模は我々の想定外を越えていたけれど、こっちもそれに対抗できる兵力を動員しているわ。それにこっちには艦娘がいるからね」


提督「じゃ、じゃあ…今頃あいつらは…」


足柄「そうね…苦戦しているころかしら」


~~~~~~~~~~~~~

海上


龍驤「敵襲やー!全員戦闘準備!!」


雪風「龍驤さん!すごいたくさん敵がいます!」


鈴谷「な!?これ鈴谷達の作戦バレてない?」


千歳「これじゃあ私達を待ち伏せしていたようじゃないですか!」


将校「総員戦闘準備!!!銃火器で敵を殲滅しろ!!」


陸軍兵士「戦闘準備ぃぃぃ!!!」ガバ


陸軍兵士「待ち伏せしてやがったのか!?」


将校「上陸部隊と補給部隊は死守しろ!その他の部隊は全火力を敵に集中させるんだ!!」


バババババババ!


龍驤「なんやあの哨戒艇を狙ったらええんやな…よっしゃ!うちらも行くでー!」ブーン


鈴谷「もうぅぅ!帰りたぁぁぁい!」ドン ドン


金剛「いきますよー!ファイアー!!」ズドン


千歳「発進!!」ブーン


雪風「雪風!撃ちます!」ドン


陸軍兵士「おらおらおらおら!」ババババババ


将校「哨戒艇が五隻……なんとかここは無事に通りたい…」


ババババババババババババババ


~~~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府


陸軍兵士「緊急の連絡です!!」ハァハァハァ


元帥「どうした」


陸軍兵士「たった今、将校殿からの連絡で…海軍本部に向かう途中で敵が待ち伏せしていたようです」ハァハァハァ


あきつ丸「な、なんですと!?」


元帥「それは本当か!?」グ


陸軍兵士「今も戦闘中とのこと…」ハァハァハァ


元帥「馬鹿な…」


捜索隊「では我々も増援に!」


大淀「え!?そ、それじゃあ提督と足柄さんの捜索は…」


あきつ丸「な、なぜ待ち伏せしていたのでありますか!作戦の内容は極秘だったはずであります!」


元帥「うぅむ…」


陸軍兵士「まさか…」


捜索隊「これはもはやそう考えるしかありません…」


大淀「ど、どういうことですか…」ウ…


元帥「誰かが…密告者であるとしか考えられん…」


大淀「そ、そんな!!」


元帥「作戦内容の漏洩は厳重に注意していた。しかし、待ち伏せされていた以上、誰かが海軍本部へ報告したに違いない」


あきつ丸「で、では一体誰が…」


捜索隊「…………提督殿と…考え…」


パシン!


大淀「な、何馬鹿な事言ってるんですか!提督が!提督がそんなことするわけないじゃないですか!!」ウッ…


あきつ丸「お、大淀殿!落ち着いて下さい!!」ガシ


捜索隊「では!他に誰がいると言うのですか!今のところ一番疑いがある者はその二人です!!」


大淀「違います!提督は絶対に違います!!」ウッ…


あきつ丸「大淀殿!落ち着いて…」アワアワ


元帥「いい加減にしろ!!!」グワ


全員「うっ……」ビクッ


元帥「今ここで言い争っても何も解決はせん!ひとまず君たち捜索隊は至急、増援に向かってくれ。それと大淀とあきつ丸君は引き続き提督を捜索する」


捜索隊「了解しました!」サササ


大淀「………」ウッ…ウッ…


あきつ丸「大丈夫ですか大淀殿…」


元帥「我々は引き続き提督と足柄君の捜索を続ける」


大淀「……………」


大淀「……はい」


あきつ丸「了解したであります」ビシ


元帥「うむ……大淀…これからもっと悲惨な現実が待っているかもしれん…もし君が耐えられそうになければ捜索から外れてもかまわん」


大淀「…………いえ」スッ


大淀「私は……提督を信じています!」グッ


元帥「そうか……………私もだ」


あきつ丸「自分もであります!」グッ


元帥「ひとまず、足柄君の部屋に行こう。何かわかるかもしれん」


二人「はい!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

海上


龍驤「くっそー!全然きかんやん!」バン


千歳「そりゃ私達の武器は対深海棲艦用ですから…船にはほぼ無意味ですよ!」


金剛「とりあえず私達は甲板の機銃を壊すネ!」


鈴谷「機銃くらいなら潰せるね」ドン



ドッバァァァァァァァァン!!



陸軍兵士「敵、哨戒艇一隻撃破!」


龍驤「ほぉ~、なかなかやるやん」オー


千歳「私達も負けていられませんね!」グッ



陸軍兵士「前方より奇妙なものが高速でこちらへ接近してきます!」


将校「魚雷か!?」ドキ


陸軍兵士「いえ……あれは…」


龍驤「なんや?雪風、見えるか!」


雪風「うーん…あ!見えました!!あれは…」



雪風「し、深海棲艦です!!」



全員「な、何ぃー!?」



龍驤「なんでこんなとこに深海棲艦がおんねん!!」


千歳「タイミングが悪すぎます! 」アタフタ


金剛「とにかく私達はあいつらを倒すネー!!」ドン


鈴谷「船の次は深海棲艦って…もうやだぁ~」


雪風「雪風!いきます!」


陸軍兵士「そっちは頼んだで姉ちゃん達!」バババババババ


龍驤「まかせとき!」



龍驤「よっしゃ!行くで!!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

ある場所


提督「足柄…お前どうして…」ジャラ


足柄「どうもこうも、命令だもの。私は命令に従っただけよ」


提督「くそ…………」


足柄「あなたも甘いわね。まさかこんなに近くにスパイがいただなんて考えもしなかったでしょ?」


提督「………………」


足柄「まぁ、仕方ないわよね。海軍本部からあんな扱いされてちゃこうもなるわよ」


提督「海軍本部は……俺達を潰すつもりか」


足柄「当たり前よ。あなた達は反逆者なのよ。捕まっても死刑になるのは当然。どんな手段を使ってでもあなた達を全滅させるつもりよ」


提督「っ………………」


足柄「今頃、千歳達も苦戦しているでしょうね~。もしかしたらもう会ってるかもしれないし」


提督「会う?」


足柄「えぇ。……私達はある連中と手を組むことに成功したのよ。いや…正式には支配したと言ってもいいわね」


提督「何を言ってるんだ」


足柄「…深夜棲艦達を仲間にしたのよ」


提督「なっ……ば、馬鹿な!!そんなことできるわけないだろ!!!第一、我々の目的は深夜棲艦の撲滅じゃないか!!!」ジャラジャラ


足柄「もうそんな考えは古いわ。私達はやつらの生命力と戦闘力に目をつけたのよ。やつらは私達艦娘や人間よりもはるかにすぐれた治癒力と戦闘力があるわ。それに…」ニヤ


提督「それになんだ」


足柄「いくら撃沈されても変わりが作れる」


提督「なに…」


足柄「私達はやつらがどうして生まれ、なぜ私達と対峙するのかを研究した。するとわかったのよ。やつらの元は私達"艦娘"だってことが」


提督「なん…だと…」


足柄「ある時戦闘に出て帰ってこなくなった艦娘。あなた、その娘がなぜ帰ってこないかわかる?」


提督「そりゃ…撃沈されて海に沈んで…」


足柄「違うわ。撃沈された時、その娘の恨みや怨念が具体化し、そのまま深海の闇に取り込まれて、それらを復讐すべくもう一度上がってきたのがやつらよ」


提督「な……」


足柄「司令官の無謀な作戦によって沈んだ娘、不幸にも流れ弾に当たって沈んだ娘、思いもよらない事故で沈んだ娘、航行不能になって仲間に処理された娘…その娘達の怨念が強ければ強いほど恐ろしい艦が生まれるの」


提督「し、しかし…やつらも沈めればもう戻ってこない。無敵ってことではないじゃないか」


足柄「えぇ。沈めればやつらだって終わりよ。でもね。そんなやつらを自らの手で生み出すことはできるわ」


提督「なに!?」


足柄「さっきも言ったようにやつらは元は艦娘。そこから撃沈されてやつらになる。恨みが大きければ大きい程より強い艦ができる」


提督「…………っ」


足柄「ここは海軍。艦娘なんて山程いる。でも全員がそれぞれそれなりの戦闘力が備わっているわけじゃないわ。それに今まで一度も出撃したことがない娘だっている。でもそんな娘達もある時、最前線で戦えるようになるの。どうしてかわかる?」


提督「………ま、まさか!?」


足柄「えぇ、その"まさか"よ」


提督「き、貴様ら…そんなことして…何をしているのかわかってるのか…」グググググググ


足柄「えぇ。でも考えてみて。今まで実戦で役に立てなかった娘がいきなり最前線で戦える。これはとても素晴らしいと思わない?これはその娘達自信だって嬉しいにきまってるわ」


提督「何言ってるんだ!!そんなことが絶対に許されるわけないだろぉぉ!!!」ジャラジャラジャラ


足柄「あなたはまだこの発見の素晴らしさをわかっていないわね…」


足柄「まぁすぐにわかるわ。今頃、千歳達がどうなっているか…」


~~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府 足柄の部屋


あきつ丸「特に手がかりになるような物は見当たらないであります…」フー


大淀「こっちの引き出しにもありません…」


鳳翔「私も探してみましたが…ありませんね…」


元帥「彼女も手がかりなしか…」ウゥム…


あきつ丸「やはり誰かに拐われたのでありますか…」


大淀「しかし誰も外部から来た痕跡もありませんし…」


鳳翔「提督…足柄さん…」


元帥「…………………」ウゥム…


~~~~~~~~~~~~~~~

海上


深海棲艦「沈メ……シズメ…」


龍驤「なんやどんどんわいてくるで…」ハァハァハァ…


千歳「こんな数いったいどこから来るんでしょう…」ハァハァハァ…


鈴谷「鈴谷もう限界~!」ウダァ


金剛「しっかりするデース!陸軍を守ることが私達の任務ネー!提督からの命令はしっかりとするデス!!」ドン ドン


雪風「雪風、頑張ります!」


龍驤「しっかし、うちの提督は見つかったんかいな…」


千歳「まだ連絡がきていないのでまだ見つからないのでしょうか…」


龍驤「足柄がおらんのもちょっといたいな…」


千歳「でもきっとすぐに見つかりますよ!それまで私達が頑張りましょう!」



ドッバァァァァァァァァン!!!



陸軍兵士「敵、哨戒艇一隻撃破!!」


龍驤「なんや陸軍頑張ってるな~」オォ~


千歳「意外と海でも強いですね」


龍驤「まぁ、海軍からしたら面目丸潰れやけどな」アハハ…



深海棲艦「シ…ズメ…………」ゴゴゴゴゴゴ



鈴谷「よいしょ!」バン



深海棲艦「ギャァァァァァァ!!」シュゥ…



鈴谷「やった!沈めたよ~!」



将校「これは勝てるな」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ある場所


スタスタスタスタスタ


足柄「あら、もう決着がついたのかしら」


コンコン


海兵「失礼します。先程、待ち伏せをしていた艦隊から入電がありました」


提督「………………」


足柄「あらそう。問題なく片付いた?」


海兵「そ、それが………」ゴク


海兵「我が艦隊の哨戒艇、五隻中四隻が撃沈、残り一隻も危うい状態だそうです……」クッ


足柄「な、なんですって!!」ガタ


海兵「それに…深海棲艦もほぼ壊滅状態とのこと…」


足柄「そんな…………」ガタ


提督「ふっ…………」ニヤ


海兵「このままでは突破されるのも時間の問題です…」


足柄「上官にはもう伝えわっているの…?」


海兵「はい。緊急の作戦会議を開くとのことです。それに足柄殿も参加するようにとの連絡も」


足柄「そう……」


提督「ピンチだな」ニヤニヤ


足柄「うるさい!あなた!代わりにここで見張ってなさい!」


海兵「は、はい!」ビシ


バタン!


海兵「……………」


提督「……………」ジャラ


海兵「……………」


提督「……………」


海兵「……………」スッ


ガチャ


提督「はぁ~………」ジャラジャラジャラ


提督「うぅー!やっと解放されたー!」グハァ!


海兵「兄ちゃんも大変そうやな~」ガハハハ


提督「まさかこんなことになるなんて思ってもみなかったですわ」ハハハ


海兵「それじゃ、飛行機の準備はできてるからさっそく行きましょか!」ガハハハ


提督「いつかの時みたいに荒い操縦はうんざりですよ…」


海兵「な~に。あん時の姉ちゃん二人は運が悪かっただけや!今回はバシッと決めたるで!」


提督「それじゃ、見つかる前に行きますか」


パイロット「おうよ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府


大淀「提督はいったい何処へ………」ウッ…


あきつ丸「何の手がかりもないと考えると…やはり何者かに拐われたとしか考えられないであります…」ウゥム


鳳翔「足柄さんも心配ですね……」


元帥「何も手がかりがつかめないとなると…プロの仕業か…あるいは日頃から親しい者の反抗か……」


大淀「そ、それってまさか!」


あきつ丸「足柄殿が犯人と言うことでありますか!?」


元帥「いや…保証はないのじゃが…どうも夜中に訪ねてきたことが引っかかる。もちろん作戦のことだったかも知れないのじゃが…」


大淀「それだったら私や金剛さんも提督の所へ行きましたよ!ですから足柄さんも関係ないと思います!」


あきつ丸「確かに足柄殿は提督とたまに仲違いをしているでありますが…いつも提督と楽しそうにしているであります!それに足柄殿はとても信頼できる方でもあります!そのような方がまさか…」


鳳翔「私も足柄さんがだなんて…」


元帥「これも調べないと何とも言えない…とりあえず、もう少ししっかりと調べてみよう」


あきつ丸「はい!」


ジジジジジジジジジ……


元帥「ん?入電だと…」


あきつ丸「将校殿でしょうか!!」


大淀「ちょ、ちょっと待ってくださいね」アセアセ


ジジジジ…ジジ…ジジジ……


大淀「な、なんでしょう…これは…」


あきつ丸「どうかしたのでありますか?」


ジジジジジジ…ジジ…


大淀「とても奇妙な…暗号?でしょうか…私にはわかりません…とりあえず紙に書いてみます…」カキカキ


ジジジジジジジジジ……ジジジジジジ


大淀「…………? お、終わりました…」


あきつ丸「どのような内容でありますか!?」


大淀「え、えーと…なんでしょう… 」


元帥「どれ、見せてくれ」ペラ


元帥「……………これは!!」ヌォ


大淀「ど、どうかされましたか?」


元帥「なるほど…………はははははは!」ガハハハ


あきつ丸「ど、どうかされましたか!?」ビクッ


元帥「そうかそうか……よし」


鳳翔「どんな内容でしたのでしょうか?」



元帥「喜ぶのじゃ。彼が…見つかったわい」



全員「えぇ!!!!」ガバ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

上空


ガチャ


提督「これで何とか伝わればいいのだが…」


パイロット「ま、元帥さんやったら大丈夫やろ!」


提督「そうだといいんですが…」


パイロット「ま、尾行もなさそうやし、ちょっとはのんびりしいや」


提督「おもしろいぐらいに気持ちよく飛行機で出られましたね」


パイロット「まぁ、わしぐらいになったら何でも顔パスでいけるからな~」


提督「さすがですね。でもまさか海兵の変装で来るとは思ってもみませんでしたよ」


パイロット「何言ってんねん!わしも昔はちゃんと海兵やったんやから当たり前やで」


提督「いや、今も立派に海軍のパイロットじゃないですか」


パイロット「そうやけど、やっぱり何十年も働いてたらだんだん気も抜けてくるわ。若い頃はもっとつやつややったんやけどな~」


提督「まだまだ現役ですよ」ハハハ…


パイロット「ま、こんな大仕事もまわってくるんやったらまだまだ辞められへんな!」


提督「お願いしますよ~」


パイロット「まかせとき!」ガハハハ



ガタガタガタガタガタガタ…



提督「それにしても…」


提督「揺れますね…」ウグッ…


パイロット「そうか?まぁ、こんなもんやろ!」


提督「そうですか…」ウッ…


~~~~~~~~~~~~~~~~

滑走路


大淀「いったい何があったのでしょうか…」


あきつ丸「それは…提督殿に聞いてみないとわからないのであります」


元帥「しかし、無事で何よりじゃ」


あきつ丸「はい!大淀殿、足柄殿もいっしょでありますか?」


大淀「い、いえ…そこまではわかりませんが、きっといっしょにいると思いますよ?」ピキ


元帥「これで元通りになればいいのぉ」


あきつ丸「お!向こうの空に飛行機を確認したであります!」


元帥「よく見えるのぉ。わしには小さすぎて見えぬわ。若いとはいいものじゃの~」ガハハハ


大淀「ん?あの飛行機は…どこかで…」ウン?


……

…………


大淀 ウッ キラキラキラキラキラキラキラキラ


…………

……



大淀「んな!?」///


あきつ丸「ん?どうしたでありますか?」


大淀「皆さん!早くここから離れましょう!」アセアセ


あきつ丸「ど、どうしたのでありますか!?」


大淀「ここにいたらとってもマズイです!」アセアセ


元帥「急にどうしたというのかね…」


大淀「と・に・か・く!!早くこっちへ!」アセアセ


あきつ丸「うぉ…どこへ行くのでありますか大淀殿~!」アワアワ


元帥「???」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

飛行機


ユラユラユラユラユラユラガタガタガタガタガタガタガタ


提督「ング……」ウッ…


パイロット「そろそろ着陸するで!」


提督「けっ…結構揺れてますね…ウッ…」


パイロット「しっかり何かにつかまっときや!」


ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ


提督(ヤバい…吐く…)オェ…


パイロット「あ、先に言っとくけど機内では吐かんといてな!掃除大変やから」ガハハハ


提督(ング!?」


提督「……………」



提督 ゴックン………ウッ…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

滑走路


大淀「来た………」ゴクリ


あきつ丸「いよいよであります!……なかなか激しく揺れているでありますな」


元帥「うぅむ…あれじゃあ、着陸ができないぞ」


飛行機 ユラユラユラユラユラユラ


大淀「きた!」


あきつ丸「う、うぉぉぉ!?こっちに向かってくるであります!!!!!」ギャー


元帥「これは中々……」ゾワ


大淀「皆さん!伏せて下さい!!」


三人 グッ


飛行機 ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ


飛行機 ガサガサガサガサガサガサガサガサ


大淀「絶対に頭を上げないで下さい!」


あきつ丸「ひ、ひぃぃぃぃ!!」アワアワアワアワ


元帥「これは…中々の迫力じゃの…」オォ…


飛行機 スレスレ


あきつ丸「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?」スレスレ


大淀 プルプルプル…


元帥「ぬぉ!?」スレスレ


飛行機 ガササササ………


大淀「…………」プルプルプル…


大淀「……止まりました…」ホッ


元帥「これは……寿命が縮まったわい…」フゥ…


あきつ丸「あ…あぁ……」ガクガクブルブル


大淀「だ、大丈夫ですかあきつ丸さん…」トントン


あきつ丸「つ、翼が………あ、頭を……スレスレにか…かすったであります……………頭が…翼に……つ……」ガクガクブルブル


元帥「これは中々のショックのようじゃな」ガハハハ


大淀「大丈夫ですよ」トントントントン


あきつ丸「あ…あぁ……」ガクガクブルブル


飛行機 ガチャ


大淀「提督!!」ガバ


飛行機ガチャガチャ


ドサドサドサドサ


提督「っ!!!!!?!!?!?」ウグッ…


大淀「て、提…」



提督 ウ…キラキラキラキラキラキラキラキラ



大淀「あぁ…」



提督 キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ



元帥「どうやら彼も…大変だったようじゃ…」


大淀「提督…」ウルウル


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

海上


深海棲艦「沈メ……沈メ…」グワァ



雪風「雪風は!沈みません!!」ドン



深海棲艦「ギャァァァァァァ!!!」シュゥ…



金剛「全砲門!ファイアー!!!」ズドォン



深海棲艦「ギャァァァァァァ!!!」シュゥ…



龍驤「よっしゃ!この調子でどんどんやっつけるでぇ!!!」


千歳「しかし、なかなか敵も減りませんね…」


龍驤「せやなぁ…こいつらいったいどっからわいてきてるんや…」



将校「戦局は我々が有利だ!このまま攻め続けろ!!!」


陸軍兵士 ババババババババババババババ



金剛「ふぅ…なかなか今日は手ごわいネー」


鈴谷「いったい何匹倒したらいいのぉ~」ウダァ


龍驤「まだまだいっぱいおるで~」


鈴谷「えぇ~!鈴谷もう疲れた~」ウダウダ


千歳「陸軍さんも頑張ってるので我々も頑張りましょう!」グ


鈴谷「うぅ……」



ドッバァァァァァァァァン!!!!



陸軍兵士「敵、哨戒艇一隻撃破!!残り後一隻であります!!」


将校「よぉし!いくぞ貴様らぁ!!勝利は目前だぁ!!!!」ビリビリビリ



龍驤「ちょっち待て…なんであの将校は脱いでるんや…」ジトー


千歳「ま、まぁ…ちょっと興奮しているんじゃないですかねぇ…」アハハ…


金剛「まさかそういうタイプでしたカ…でもなかなかいい体ネー」


龍驤「提督より全然歳上やのにほんまにすごい体やな…筋肉ムキムキや…」


鈴谷「もうなんかヤバいね…ラン◯ーみたい」


龍驤「あはは…ほんまやなぁ…」ジトー





将校「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」







~~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府


提督「うぅ……」ウグ…


大淀「大丈夫ですか提督…」トントン


提督「死ぬかと…思った……」ウゥ…


ガチャ


パイロット「ぬわぁ~!無事についたぁ~!」ノビノビ


大淀「やっぱり」ハァ…


元帥「お主が連れてきたパイロットか?」


パイロット「ん?……って!?これはこれは!元帥殿!」ビクッ


元帥「あぁ…別に敬礼はいい。もう退役してるからのぉ」


パイロット「まさかこんなところでお会いできるとは…」


あきつ丸「うぅ…」ヨロヨロ


大淀「大丈夫ですか?」


あきつ丸「はい……大丈夫であります…」ヨロヨロ


提督「はぁ……もう…大丈夫だ大淀…」ヨロヨロ


大淀「無理はしないで下さい」アセアセ


提督「………………」


元帥「何があったのじゃ」


提督「スパイが…潜んでいました…」グッ


あきつ丸「ス、スパイでありますか!?」


元帥「そうか…しかし、海軍陸軍の人員は全て把握していたはずじゃ。それに、情報漏洩や全員の略歴もすべて注意していた…それでも潜り込めていたていうことは…」


提督「はい…スパイは意外なところにいました…」


大淀「意外なところ…」


元帥「…………」


提督「我々の鎮守府の…」


あきつ丸「え!?」ビクッ


大淀「そんな…」ドキ




提督「足柄がスパイでした」グッ…




…………………………


大淀「そんな!!」ビクッ


あきつ丸「あ、足柄殿がでありますか!!」


元帥「足柄…あの重巡の…」


提督「はい。彼女が自分を拐いました」


あきつ丸「そんなの嘘であります!!足柄殿はそんなことはしない立派な人であります!!」


提督「あきつ丸!黙ってろ!」グッ…


あきつ丸「っ………」


大淀「そんな……」ウッ…ウッ…


元帥「彼女はどこまで知っていた」


提督「全部です。今、我々の作戦部隊が海軍の待ち伏せにあっているのも足柄が流した情報によるものです。彼女はこの作戦の大部分を海軍に流したと思われます」


元帥「うぅむ…そうか…」


あきつ丸「足柄殿……」ガク


大淀 ウッ…ヒッグ…ウッ…


提督「しかし、彼女も陸軍の関与している兵員の数などは誤算だったようでした」


元帥「と、言うことは…海軍も混乱していたわけか…」ウゥム…


提督「そのように思われます。それに、現に今我々の部隊が優勢であることに困惑していました」


元帥「なるほど。情報の遅れで即席の部隊しか用意できんかったのか…又は甘く見られているのか…」


元帥「よし。この話はまずはここだけの話にしておく。まずは部隊を上陸させることが肝心じゃ。すまぬがお主とそこの二人も今すぐ部隊と合流するのじゃ」


提督「はい…」


あきつ丸「………………」


大淀「……………………」


元帥「今は辛いじゃろうが…頼んだ…」


あきつ丸「はい…」


大淀「…………………」


提督「では、今すぐ向かいます」スッ


元帥「ちょっと」グイ


提督「うぉ…」



元帥「さっきも言った通り、この話は内密にしておく。もし将校の耳に入ったら、その娘はただじゃすまん」ヒソヒソ


提督「?」


元帥「まぁ…なんじゃ… お主の部下じゃ。お主の判断にまかせる」トン


提督「あ…あ、ありがとうございます…」


元帥「頼んだぞ」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

輸送艇


あきつ丸「提督殿…」


提督「すまんな…さっきは怒鳴って…」


あきつ丸「い、いえ。自分が悪いであります…」


大淀「本当に…足柄さんだったのですか?…」


提督「あぁ……足柄だ…」


大淀「……………………」ウッ


あきつ丸「どうして足柄殿が…」


提督「俺も最初は驚いた。目が覚めたら鎖に繋がれていて、独房に入れられていた。そして目の前に足柄がいた…」


提督「もう…あいつは…いつもの足柄じゃなかった…」グッ


あきつ丸「提督殿…」


大淀「…………」ウッ…


提督「深海棲艦…」


あきつ丸「が、どうしたでありますか?」


提督「やつらは…深海棲艦を作っていた」


二人「なっ!?」ビクッ


あきつ丸「ど、どう言うことでありますか!?」


大淀「し、深海棲艦を…作っていた…?」


提督「足柄が言っていた…あの深海棲艦は元々は艦娘だったと…」


大淀「え…………」グッ


提督「深海棲艦はそんな艦娘が沈んでしまった時に思う…言わば怨念とかが具体化したものだと…」


あきつ丸「そ、そんなまさか…」ウッ


提督「それを知った海軍は、わざと艦娘を沈めて深海棲艦を生み出していた…」グググ


大淀「そ、そんな!」ウッ


あきつ丸「まったく…冗談にも程があるであります……」ギシギシギシギシ…グッ


提督「海軍は…もはや正義のせの字もない糞同然だ…」ゴゴゴゴゴ


大淀「提督………」グ


提督「あんな奴らは潰すしかない…」ゴゴゴゴゴ


あきつ丸「その通りであります!!」ガバ


提督「艦娘を…仲間を…足柄を…全て奴らが悪い…俺は。奴らを徹底的に潰す」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


大淀「うっ………」


あきつ丸「自分も捨て身の覚悟であります!!」グッ


提督 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



大淀(その時の提督は…いつものような優しさや腑抜けた感じはなく、ただ…怒りと憎悪に満ちた狂犬のようでした…)



~~~~~~~~~~~~~~~~~

海上


ババババババババババババババ


将校「後一隻だ!何としても叩き潰せぇ!!」



深海棲艦「ギャァァァァァァ…………」



龍驤「だいぶ敵も減ってきたな…」フゥ


千歳「ですね…さっきよりも激しくなくなりました」ハァハァ…


金剛「Hey!鈴谷!雪風!大丈夫デスカー!!」


鈴谷「もぅ疲れだぁぁ!」ウダァ


雪風「大丈夫です!」ビシ


龍驤「意外と全員大丈夫そうやな」


千歳「しかし弾薬がもうすぐなくなりそうですね」


雪風「弾薬ならあっちの船からもらいました!」アレ


補給船


龍驤「なんやあんなとこにおったんかいな」


雪風「さっき陸軍の人が弾薬をくれました!」


鈴谷「私もそろそろなくなるよ~」


金剛「もらいにいくネー」


……………


補給隊員「君たちの分の火薬はたくさんあるのでもっと派手に使っても問題ないですよ」ヨイショ


龍驤「なんや珍しいな」ヒュ~


補給隊員「提督殿が出撃の前日にわざわざ頼みにきてくれましたから。私達も張り切って弾薬をいつもより多く運んでます」ヨイショ


千歳「まさか提督がそんなことしてたなんて」


鈴谷「なかなかやるじゃん!」ニヤニヤ


金剛「やっぱり提督はカッコいいデース!!」キラキラキラ


雪風「……………」


龍驤「?なんや雪風、どないしたんや?」


雪風「司令は大丈夫でしょうか…」


龍驤「そうやなぁ…」


千歳「心配ですね…」


鈴谷「……………」


金剛「………大丈夫デース!きっともうすぐ帰ってきマース!!」


龍驤「ま、落ち込んでてもしゃあない!」


千歳「ですね」グッ


補給隊員「補給完了!」


龍驤「よっしゃぁ!もう一暴れいくでぇ!!」


四人「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


~~~~~~~~~~~~~~~~

輸送艇


あきつ丸「よいしょ…うぉ」ガシャ


提督「おっと、大丈夫か?」


あきつ丸「申し訳ないであります。よいしょ…」


大淀「久々の出撃ですね」


あきつ丸「はい…」


提督「不安そうだが大丈夫か?」


あきつ丸「え!?いや自分は…大丈夫であります!」アセアセ


大淀「そう言えばあきつ丸さんは実戦は何回ぐらい経験しているのですか?」


あきつ丸「えっ!?」ギク


提督「あ………」


大淀「???」


あきつ丸「え、え~とですね……実戦でありますか?……確か…えぇと…」オドオド


提督「お、大淀は何回ぐらいだ?」ハラハラ


大淀「私ですか?私は確か……」ウーン…


あきつ丸(まだ深海棲艦を見たのは一回だけとはとても言えないであります!)ジー


提督(あきつ丸の救済を求める視線を感じる…)


大淀「私もあまり出撃していないですからね~…」エェト…


あきつ丸「お、大淀殿はやはり事務仕事の方が多かったでありますか!」


大淀「そうですね。前線で激しく戦った記憶があまり…」


あきつ丸「そ、そうでありますか!」ホッ


提督(今ちょっとホッとしたなあきつ丸…)


大淀「あ、でも今まで撃沈した数ならわかりますよ」ポン


あきつ丸「へ?」


大淀「メガネのこの横の部分なんですけど…」グイ


提督「ん?」


あきつ丸「この白いしましまの模様でありますか?」


大淀「はい。この白い線の数が今まで撃沈した深海棲艦の数です」


あきつ丸「ひぃ!!」ガーン


提督「おぉ、まじか。1,2,3,4,5……十隻は軽く越えてるな」ヒュ~


あきつ丸「うっ…」ガク


大淀「前にいた海軍のパイロットの人が自分の飛行機に同じようなことをしていてカッコいいなと思って書いたんです」


提督「撃墜マークってやつだな。しかしかなりの数を撃沈しているんだな。大したものだ」


大淀「そんなに誉められるほどでもないですよ~!全部小物ばかりですから」エヘヘ///


あきつ丸 ガクッ…


大淀「あきつ丸さん?どうかしましたか?」


提督「あぁ…まぁ、あきつ丸も頑張れ」グッ


あきつ丸「うぅ…………」


………………


輸送艇乗員「目的地に到着しました!」


大淀「いよいよですね」グッ


あきつ丸「スー……ハー……」ドキドキ


提督「落ち着けあきつ丸」トン


あきつ丸「は、はい」スーハー


輸送艇乗員「出撃してください!」


ガシャ


提督「よし!頼んだぞ二人とも!」


あきつ丸「は、はい!」ドキドキ


大淀「提督こそお気をつけて」


提督「あぁ。すぐに龍驤達と合流できるはずだ。俺もここから援護する」


あきつ丸「提督殿が援護でありますか!?」


提督「なんだ意外か?味方は一人でも多いほうがいいだろ?」ニヤ


大淀「では出撃します!」


あきつ丸「出撃するであります!」


提督「行ってこい!」グッ


バシャァ



提督「行ったか…」


提督「よし。隊長殿、銃座お借りしますね」ヨイショ


輸送艇隊長「て、提督殿!?そんな危険でありますよ!!もし提督殿に何かありましたら…」アセアセ


提督「なぁ~に大丈夫ですよ!あ、ここにある機関銃も借りますね」ヨイショ ズシ


輸送艇隊長「て、提督殿ぉ!」ハラハラ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

海上


ババババババババババババババ


将校「押せぇぇぇ!!勝利は目前だぁぁぁぁぁぁあ!!!」



龍驤「そろそろいけそうやけど、あっちもなかなか粘るな~」


千歳「敵も必死ですからね」


金剛「Hey!深海棲艦はどこにいるデスカー!」


鈴谷「ホントにそろそろ休みたいよ~」


雪風「深海棲艦が見当たらないです!」


龍驤「もう全部やったかぁ?」


~~~~~~~~


ババババババババババババババ


あきつ丸「ひっ……うぅ…」ドキドキ


大淀「この感じ…久々でなんだかうずうずしますね」ニヤニヤ


あきつ丸「そ、そうでありますな!…」アハハ…


ババババババババババババババ


あきつ丸 ビクッ


あきつ丸(せ、戦場がここまで激しいとは…)


大淀「まずは龍驤さん達と合流しましょう」


あきつ丸「は、はい!」


ババババババババババババババ


ドカァァァァン!!!


大淀「しかし困りました…多分、龍驤さん達はもっと前線の方にいるはずなのですが…」


あきつ丸「な、何か問題でありますか?」


ババババババババババババババ

ババババババババババババババ

ドカァァァァン!!


大淀「ご覧の通り、ここを通るのはおそらく無理かと…」ハァ


あきつ丸「うぅ……」


大淀「外からまわってもいいのですが…それだとかなり時間がかかりますし…」


ババババババババババババババ


バシャバシャバシャバシャバシャバシャ


あきつ丸「ぬぉわ!?」ヒィ!


大淀「きゃ!大丈夫ですかあきつ丸さん!」


あきつ丸「は、はひ……弾が…弾が……横すれすれに……」プルプルプルプル


大淀「流れ弾にも気を付けないとですね…」フゥ…


あきつ丸「あっ……あ…」プルプルプルプル


大淀「………あきつ丸さん」


あきつ丸「は、はひ!」ビクッ


大淀「もしかして…」ジー


あきつ丸 ゴク


大淀「戦場…初めてですか?」スパ


あきつ丸「うぐっ……」図星


あきつ丸「そ、それは~………」アセアセ


ブゥゥゥ


提督「おぅ、大丈夫か!」


大淀「提督殿!」


あきつ丸「提督殿ぉ~」涙目


提督「こんなところでどうした?」


大淀「前方に行きたいのですが、戦いが激しすぎて困っています」


提督「そうか…龍驤達は前の方にいるのか…」


提督「……………隊長殿!この船でここを突破できますか!」


隊長「こ、ここでありますか!?」ギョ


ババババババババババババババ

ババババババババババババババ

ドカァァァァン!!!


隊長「あぁ…………」イヤイヤイヤ


提督「前方の将校殿のところまで行きたいのですが」


隊長「うっうぅ……これはあくまで輸送艇なので、装甲はあまり期待しない方がよろしいかと…」ウゥ…


提督「そうですか。よし、大淀とあきつ丸はこの輸送艇を盾にするんだ。隊長、我々はこのまま前方へ突撃しましょう!」


隊長「と、突撃でありますか!?」ギョエ


提督「装甲が薄いのならば二人を輸送艇に乗せて運ぶことは危険ですが、上手く盾として利用する分には安全かと」


隊長「そ、そうでありますか……」


隊長「……………………」


隊長「わかりました!全速力で駆け抜けます!聞いたか!全速前進だ!フルパワーで突っ走れ!!」


輸送艇乗員「了解!」


提督「ありがとうございます!よし、二人は言った通りにこの輸送艇を盾として上手く利用してくれ!」


大淀・あきつ丸「はい!」


提督「よし!じゃあ俺もぶっぱなしますか!」ガッシャン


隊長「て、提督殿は中に……」アセアセ


提督「何いってるんですか!自分も楽しませて下さい!!」ガッシャン


隊長「えぇ………わ、わかりました!急速発進!!」


ブォォォォォォ


提督「うぉぉ!すごい加速」グラグラ


隊長「振り落とされないように注意して下さい!」


大淀「私達も行きましょう!」グッ


あきつ丸「はい!」


ブォォォォォォォォォォォォォォォ!!!


提督「うぉぉぉ!速い速い!!」


隊長「小型ですから速力はなかなかでます」


ババババババババババババババ


バスバスバスバスバスバス


提督「ぬぉ!?……危ねぇ」フゥ…


隊長「敵からすれば輸送艇一隻なんて絶好の獲物です!こっちらからも応戦して下さい!」


提督「よし!」カチャ


ドドドドドドドドドドドドドドドドドド


提督「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドド



大淀「す、すごいですね提督…」


あきつ丸「すごい楽しそうでありますな…」アハハ…



提督「くらぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」ガハハハ


ドドドドドドドドドドドドドドドドドド



~~~~~~~~~~~~~~~~~



ドッバァァァァァァァァァァン!!!!!


陸軍兵士「敵艦艇撃破!!敵大型艦艇全滅です!!!」


全員「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


龍驤「なんや勝ったんかいな!!」


千歳「すごいですね!」


将校「よぉし!!神は我々についている!!このまま本部まで蹴散らすぞぉぉぉぉ!!!」


全員「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」



ドドドドドドドドドドドドドドドドドド


龍驤「な、なんや!?なんかすごい音の機銃が近づいてくるで!」


金剛「新しい敵デスカ!?」グッ


千歳「周りを警戒して下さい!!」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドド


ガハハハ


龍驤「ん?なんや聞き覚えのある声やな」


オーイ


千歳「あら。本当ですね」


オーイ


鈴谷「この声は…」ウーン



大淀・あきつ丸「おーい!!」



雪風「あ!大淀さんとあきつ丸さんです!!」


龍驤「ほんまや!って、何かめっちゃ速い船がいっしょに近づいてくるんやけど!?」


千歳「こ、これは離れた方が…」アセアセ


雪風「ん?ちょっと待ってください!船の上に誰かいます!」


鈴谷「あ、たしかに。めっちゃ機銃振り回してる人がいる………ん?どっかで…」


龍驤「あれは………!!」



提督「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドド



金剛「提督デェェェェェス!!!!」キラキラキラキラキラキラ


~~~~~~~~~~~~~~~~


龍驤「大丈夫やったか?」


大淀「はい。何とか無事にたどり着けました」ホッ


龍驤「それにしても…」チラッ



金剛「提督ぅぅ~」ムギュウ


提督「金剛ぉ……重いぃ……」ウゥ…


金剛「もうどこにもいっちゃNO!だからネー」スリスリスリ



千歳「提督も無事でよかったです!」ウフフ


鈴谷「まったく!心配したんだからね!何処にいってたのさ!」


提督「まぁいろいろな… 金剛…そろそろ離れてくれ…」ウゥ…


龍驤「いろいろか……まぁ、とにかく無事でほんまによかったわ!」


全員 ウンウン


龍驤「で、足柄は何処におるんや?」


提督 ピク


大淀「……………………」


あきつ丸「………………………」


千歳「? どうかしたのですか?」


提督「いや……」


龍驤「なんやどないしたんや?」


大淀「……………………足柄さんは…」


あきつ丸「あ、足柄殿は後から来るであります!」


提督・大淀「っ!?」


雪風「足柄さんも一緒ですか!」


あきつ丸「はい!自分達とは違う船だったので、もう少ししたら来ると思うであります」


龍驤「なんやそうか ………」


千歳「それならやっと全員集合ですね!」


ブゥゥゥゥ


将校「おぅ!やっと来たか!!」


提督「将校殿!!」


将校「おしいな。もう少し早くくればいいところだったのに」ガハハハ


提督「…………将校殿、ご迷惑をお掛けしたこと…」


将校「謝るな。元帥殿から無線できいた。大変だったな…」


提督「いえ……」


将校「まぁしかし、ここでうじうじしておる暇はない!いよいよ敵の本陣へ殴り込みだ!しっかり頼むぞ!」バシ!


提督「痛っ! は、はい!!」


将校「あきつ丸もしっかりやるんだぞ!」


あきつ丸「了解したであります!!」ビシ


将校「よぉし!各部隊、準備できしだい進軍を開始せよ!」


ブゥゥゥゥ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

海軍本部 緊急会議


現元帥「いったいどうなっておるのだ!!」バン!


足柄「申し訳ございません!」バッ


現元帥「捕虜を逃がすとは何事だ!しかもうちのパイロットが連れ出したとの報告が入っている!!君の責任だぞ!どうするつもりだぁ!!」グワ


足柄「申し訳ございません!!」バッ


大将「普段しっかりしている君ならばと思い、重要任務を与えたが…がっかりだよ」


足柄「ぅ………」


中将「捕虜を連れてくるのにも、予定より随分と長引いたそうだが…まさか向こう側に情がうつったわけではなかろうな」


足柄「いえ!決してそんなことは!!」


元帥「どちらにせよ作戦は失敗だ。この責任を君はどうとるつもりかね」


足柄「もう一度提督を……やつを連れてまいります!」


大将「一度失敗した者をもう一度信用しろというのかね?」


足柄「はい………」


少将「所詮艦娘は艦娘だ!元帥殿!この娘は任務にはむいてはおりません!すぐに解体を」


足柄 ビクッ


元帥「待て少将。解体などはしない」


大将「ではもう一度やつを連れ戻させますか?」


元帥「いいや。一度作戦を失敗させたやつに次はない」


足柄「……………」ゴクッ


大将「でしたら…」


元帥「こいつを"沈めろ"」


足柄「そんなっ!!」ビクッ


足柄「もう一度!もう一度チャンスを下さい!!必ず!必ずやつを!」グワ


少将「下がれ艦娘!元帥殿に近づくな!!」バシ


足柄「ぐっ…………」


元帥「何度もいうが、一度作戦を失敗したやつに次はない」


足柄「ウッ……」 ブルブルブルブル


元帥「大将、後は任せた。要領はわかっているな。できしだい前線におくれ」


大将「承知しました」スッ


足柄「そんな……私が………」ブルブルブルブル


少将「は!大人しく海の藻屑となればいい」ハハハハハ


足柄「ウッ……ウッ………」ブルブルブルブル


ドバン!!


中将「なんだ!」


海兵「失礼します!緊急の伝令です!!」ハァハァハァ


元帥「なんだ」


海兵「敵を待ち伏せさせていた防衛艦隊が……全滅しました!」ハァハァハァ


大将「なにぃ!?」ガタ


中将「全滅……だと!?」


足柄「っ!?」


少将「そんなはずはない!こちらは哨戒艇を五隻と海軍遊撃隊、それに深海棲艦もだしたんだぞ!!」


海兵「哨戒艇・深海棲艦、共に全滅だそうです…」


少将「くっ………」


元帥「敵の残りの数は」


海兵「数はしっかりと把握できていませんが…まだ一個師団以上の戦力があるそうです」


中将「一個師団…以上……」ドサ


大将「至急、海軍本部にいる兵を配置させろ!戦闘準備だ!」


海兵「はい!」スタスタスタスタ


大将「どうされますか元帥殿」


元帥「我々はやつらを甘く見すぎていたようだ……しかし、何としてでも上陸を食い止めろ!」


大将「はい…」


中将「私はこれで」スッ スタスタスタスタ


少将「自分も失礼します」スッ


足柄「なかなかやるわね……」ボソ


大将「海兵!状況が変わった。そこにいる娘をひとまず牢獄にいれておけ!」


海兵「了解しました。行くぞ」


足柄「っ……………」スタスタスタスタ


~~~~~~~~~~~~~~

海上


龍驤「あそこ通りすぎたら、ポックリ敵がおらんなったな」


千歳「嘘のように静かですね」


提督「あそこに戦力を集中させていたらしいからな。今頃海軍本部はあわてふためいてるぞ」クックック…


金剛「そういえば、足柄を待たなくてもいいのデスカー?」


提督「ん?…………多分、後ろの軍団にまざってるんじゃないか?………」


大淀「……………………」


あきつ丸「そ、それにしても提督殿が銃座から顔を出していてもいいのでありますか?」アセアセ


提督「ん?ま、まぁな。中で籠ってても退屈だからな」フゥ…


千歳「提督らしいですね。普通なら軍団の一番安全なところにいるのに」ウフフ


龍驤「やのに。提督も将校も一番前におるからな~」


提督「いいじゃないか。たまにはお前達の活躍を生でしっかり見とかないとな」


鈴谷「なんだか授業参観みた~い」


全員 ハハハハハハハハハハハハ


………

将校「上陸地点まで後四十五分程だ!全員今のうち飯を食っておけ!」ジジジ

………


提督「だってよ」


龍驤「腹が減っては戦はできぬやな」


雪風「雪風、鳳翔さんからおにぎりを貰いました!」


鈴谷「あ、鈴谷も貰った~」ニヒヒ


金剛「私も貰ったネー!」


千歳「私もです♪」


龍驤「なんや全員貰ったんか」ウチモ


提督「さすが鳳翔さんだな」パク


大淀「あれ?いつの間に提督も貰ったのですか!?」


あきつ丸「自分も貰ったでありますよ」


大淀「え、えぇ!じゃあ私だけ…」


提督「あ、そうだ。大淀の分は預かってたわ」ゴソゴソ


大淀「もぉ~、先に言っといて下さいよ~」ホッ


提督「あ………まぁ仕方ない…… はい大淀」


大淀「ありがとうございます…………って…」


あきつ丸「どうしたのでありますか大淀殿?……って」


ペシャンコ


大淀「……………………」


提督「すまん大淀!わざとじゃないんだ!銃座が狭くてな、気づかなかったんだ!」アセアセ


大淀「てぇ…いぃ…とぉ…くぅ……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


提督「ひぃ!すまん!悪かった!!」


大淀「天誅!!」ガシッ


提督「ちょ!海に引きずり込むのはさすがに!!ちょっと!ぬわぁぉぁぁぁ!」ズルズル



ザッパァァァァン!!



全員 ハハハハハハハハハハハハ!


提督「ぷふぅ……まじでやりおった……すまん…引き上げてくれ…」


輸送艇隊長「部下は大切にしないと駄目ですよ」ニヤニヤニヤ ヨイショ


大淀「隊長さんの言うとおりです!」プンスカ


提督「はぃ………」ウゥ


全員 ハハハハハハハハハハハハ!!


~~~~~~~~~~~~~~~~

海軍本部 地下牢


海兵「入れ」バシ


足柄「うっ…ちょっと!痛いじゃない!」ムカ


海兵「黙れ。艦娘風情が」ガシャン


スタスタスタスタ


足柄「………………………」


足柄「はぁ………」ウッ…


足柄「私も用なしか…」ウッ…ウッ……



提督「頼りにしてるぞ」



足柄「っ!?提督…」ガバ




シーン




足柄「………………………」


足柄「ふふ… 私も馬鹿ね……」


足柄「………………………」


足柄「………………………」



足柄「…………………助けて…」グッ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

海上


提督「びしょびしょだぁ…」ギュ ジャァ


大淀「提督が悪いんですから」プンスカ


提督「へいへい」


隊長「陸軍のでよければ上下ありますが」


提督「すみません、乾くまで借ります」


ブゥゥゥゥ


将校「おや?なぜ全身びしょ濡れなんだ?」


提督「えぇ…まぁ……いろいろありまして…」


将校「いろいろ?」


提督「いろいろです」ゴソゴソ ヨイショ


提督「…………………」チラッ


将校 ムキムキ


提督「あの……なんで上半身裸なんですか…」


将校「おぉ!これはだなぁ。やはり男たる者、正々堂々としているのが一番よ!」ムキムキ


提督「裸て……」


将校「そうだ。お主も脱げばいい!久々に二人でパッといこうじゃないか!」ガハハハ



大淀「裸で…二人でパッと……」ピキ


鈴谷「これはあかんやつや…」エヘヘ


龍驤「ちょいそこの二人……目が輝いとるで…」オイオイ



提督「いえ、自分は隊長から借ります」


将校「なんだそうか…残念だな…」ショボン


提督「いや、なんで落ち込むんですか…」


隊長「どうぞ。こんなものですが」


将校「ほぉ…陸軍の戦闘服か……お主が着ると懐かしいのぉ~」


提督「まったくです」ヨイショ


あきつ丸「おぉ!」キラキラキラ


金剛「ぬわっ!!」キラキラキラ


提督「ふぅ…懐かしいな。どうだ?変か?」ジャジャーン


あきつ丸「と、とってもお似合いであります!!」キラキラキラ


金剛「尊い………」グハ


龍驤「あはははは!何か変な感じやわ~」


千歳「でも普段制服が白ですから、新鮮ですね」


提督「カーキはやっぱり似合わないか」


大淀「私は全然似合ってると思いますよ?」


雪風「カッコいいです司令!!」


提督「そうか?そう言われると照れるな」ハハハハ


将校「後、数十分で上陸だ。それまで準備をしておけ。じゃあな」


提督「はい!」


ブゥゥゥゥ


隊長「あのぉ、帽子も一応ありますが?」


提督「い、いや~…さすがに帽子は…」


龍驤「ええやん!一回被ってみてや!」


千歳「そうですよ!せっかくですし!」


提督「えぇ……」


提督 バサ


提督「どうだ」ジャジャーン


龍驤「……………………」


千歳「……………………」


鈴谷「……………………」


金剛「……………………」


大淀「……………………」


雪風「……………………」


提督「…………なんだよ。何か言えよ…」


全員 プッ


全員「わははははははははははは!!!」爆笑


龍驤「なんやそれ!なんかwwwやばいわwwww」アハハハハハハハハハハ


千歳「何か意外ですwwwwwwww」


鈴谷「それはちょっとヤバいwwwwww」


提督「む…………」ガーン


金剛「でも、陸軍の格好の提督もカッコいいネー!!」


提督「もういい…」ショボーン


~~~~~~~~~~~~~~~

海軍本部


大将「敵は後五十分ほどでここへたどり着くかと思われます」


元帥「配置の方はどうなっておる」


中将「鎮守府の全ての人員に小銃を装備させました。深海棲艦もいつでも出撃できるようにしています」


少将「鎮守府正面に哨戒艇を配備し、陸にも高角砲・機銃を配備しました」


元帥「うむ………」


少将「これで敵は正面からの上陸は不可能となりました。後は防弾の雨を浴びせればすぐにおとせます」


中将「陸軍もろとも海に叩いてしまえば、もはやこの国の軍の支配権は全て元帥殿になりましょう」ニヤ


元帥「全てか…」フゥム


元帥「全て……」フッフフ


大将「陸の連中に思い知らせてやるのです。海での本当の戦い方を!」


元帥「うむ。陸軍もろとも全て沈めろ」


元帥「全て我のものか…」フフフフフフ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

海上


将校「総員上陸準備!!!」グワ




大淀「いよいよですね…」ゴク


龍驤「まぁうちらの仕事はここまでやけどな」


鈴谷「やっと終わった~」


千歳「いやいや、まだ作戦自体は終わってませんよ…」アハハ…


金剛「???」


金剛「提督ー。海軍本部は何処にあるデスカー?」


雪風「どこにも建物が見当たりません!」


龍驤「言われてみれば…ただの浜辺やけどほんまにあそこであってるんか?」


提督「あぁ、言ってなかったか?上陸するのは海軍本部に直接じゃなくて離れたとこから歩いて向かうんだ」


千歳「えぇ!?そうだったんですか!?」


提督「さすがに正面突破は厳しいからな。将校殿はそのつもりだったが、元帥殿がこっちに変えた」


あきつ丸「なるほど…」


~~~~~~~~~~~~~~~~

浜辺


将校「上陸開始ー!!」グワ


兵士 ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ


ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ


鈴谷「うぅ~ん!やっと艤装がとれた~!!」


提督「お疲れさん」


金剛「少し体が痛いネー」ウゥン!


スタスタスタスタ


将校「ここまでの護衛、ご苦労だった」スッ


提督「将校殿!」


将校「しばらく上陸作業が続くだろうから、艦娘のみなは休んでくれ。本当にご苦労だった。君たちのおかげで損害も最小限にとどめられた」


龍驤「そんな、うちらはただ任務をまっとうしただけやで~」


千歳「そうですね」ウフフ


将校「任務をまっとうすることはそう簡単なものではない。君たちはすばらしい兵士だ。提督はさぞ誇りに思っているだろうな」


鈴谷「だってさ提督!鈴谷達のこと誇りに思ってる?」


提督「あぁ。もちろんさ」


金剛「提督ぅ!」キラキラキラ


雪風「雪風も誇りに思います!!」


龍驤「なんやちょい照れるな~」アハハ…


千歳「でも嬉しいですね♪」


将校「よし。じゃあ次は我々の番だ!必ず海軍をぶっ叩いてこよう!」ガハハハ


提督「将校殿もお気をつけて」


将校「なぁに。心配はいらん!!勝利の女神はつねに我々の見方だ!」


将校「I'll be back」グッ


スタスタスタスタ


龍驤「なんか映画スターみたいやな」アハハ…


千歳「やっぱりラン◯ーですね」


提督「いや、ター◯ネー◯ーだろ」


あきつ丸「やはり将校殿はカッコいいであります!」キラキラキラ


隊長「我々はこのまま一時待機なので、ゆっくり休んで下さい」


提督「だってさ」


龍驤「んじゃ、ちょいと休もかな」


千歳「疲れましたね」


隊長「輸送艇の後ろにスペースがあるので、そっちで休んでもらってもいいですよ」


鈴谷「じゃあ鈴谷がそこに行くー!」


雪風「雪風も行きます!」


隊長「提督殿は?」


提督「俺はしばし上陸の風景を眺めておくよ」


隊長「では、私は連隊長と話がありますので少しの間離れます」ヨイショ


スタスタスタスタ


提督「わかりました~」


提督「龍驤達は中で休まなくてもいいのか?」


龍驤「うちも上陸風景を眺めとくわ」


千歳「私も~」


あきつ丸「自分もしっかりと同士を見届けるであります!」


大淀「私も見ときますね」


金剛「私は~」ヨイショ


提督「?? おぉ…」


金剛「提督の横にいマース!!」ギュウ


提督「うぅ……暑い……」ゥゥ


金剛「絶対に離れないデース!」ギュウ ニコニコ


大淀「では私も失礼しますね」ヨイショ


提督「おい……大淀も……」ゥゥ


龍驤「こんなとこでもイチャイチャして…ほんま飽きへんな~」ヤレヤレ


提督「俺だって好きでやってるわけじゃないんだ…」ハァ…


千歳「そんなこと言って~。提督も実は満更でもないんじゃないですかぁ?」ニヤニヤ


提督「ちぃ~と~せぇ~」ゴゴゴ


千歳「冗談ですよ!」ウフフ♪


金剛「提督ぅ~」スリスリスリ


大淀「提督」ピト


提督「はぁ……」


提督「暑い………」パタパタ


……………………


龍驤「それにしてもすごい数の人やな~」


提督「まぁ、師団だからなぁ…」


千歳「船が上陸したら人が出てきては引いて、また新しい船が上陸して……さっきからこれのくり返しですね」


大淀「あ、でも大きい揚陸艦もきましたよ」


あきつ丸「自分であります!」


提督「ははは!確かにあきつ丸だな」


龍驤「て、わっ!中から戦車出てきたで!」ギョエ


あきつ丸「あれは八九式戦車であります!」


千歳「すごい。次から次にどんどん戦車が運ばれてきますね」


提督「陸軍の装備オールスターだな」


あきつ丸「あ!次は九八式中戦車であります!」キラキラキラ


龍驤「なんやまた違うでかい船やな~」


あきつ丸「あれは特大発動艇であります!」


提督「さすがよく知ってるな~」


龍驤「なんや提督も陸軍やったんやろ?」


提督「ん~、時期はあまり長くはなかったし…なんたって昔のことだからなぁ。兵器自体も変わってるからあきつ丸の方が知ってるさ」


ブゥゥゥゥ


提督「ん?」


金剛「Hey提督ぅ!一隻船がこっちに向かってきマース!」


龍驤「ほんまや。あれは…陸軍のか?」


あきつ丸「はい、陸軍で間違いはないであります」


オーイ


大淀「誰かが甲板からこちらに向かって手を振っています」


提督「あれは……」ウゥン


元帥「おーい!」


あきつ丸「元帥殿であります!」


………………



提督「随分と遅れましたね」


元帥「初めはわしの飛行機で行くと言ったんじゃがな。どうもこやつらがうるさくてのぉ」


陸軍兵士「当たり前です!元帥殿にもしものことがあったらどうするおつもりですか!」


元帥「じゃと」


提督「ここは慎重にいきましょう」アハハ…


元帥「上陸はもう開始したか?」


提督「はい。ついさっき始まったばかりです」


元帥「うぅむ。定刻通りにはいかなかったか…」


提督「仕方ありません。敵もなかなかの戦力でしたので」


元帥「しかしそこまで問題はない。重要なのはこれからじゃ」


提督「はい。将校殿は自信満々でしたよ」


元帥「まぁ、彼なら心配ないじゃろ。後はこの上陸地点が敵に知られていなければいいが…」


提督「そこは何とも言えませんが、敵が一人もいないということは、現時点ではまだ大丈夫かと」


元帥「これも時間の問題か…」


提督「はい……」


元帥「……それにしても」


提督「はい?」


元帥「どうして陸軍の服など着ておるのじゃ?」


提督「あぁ……これはぁ……」チラッ


大淀 ゴゴゴゴゴゴ


提督「海に落ちてしまいまして…」アハハ…


元帥「なるほど…しかし」



元帥「あまり似合っとらんな」サラッ



提督「ひぃ!?」ガーン



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

海軍本部


元帥「…………………」グヌヌヌヌ


大将「もうすぐで五十分がたちます」


元帥「なぜ来ない…」グヌヌヌヌ


中将「おそらく先程の戦いで乱れた陣形を整え直すのに時間がかかったかと…」


元帥「しかしもうじき水平線に見えてもいいはずだ」グヌヌヌヌ


少将「もしかすれば上陸地点が別の場所にあるとか…」


元帥「なにぃ!?」ギロ


少将「い、いえ!も、もしかしたらですよ!?」アセアセ


元帥「…………」


大将「どうなさいますか」


元帥「鎮守府周辺に偵察機を飛ばせ」


大将「了解しました」


元帥「発見しだい攻撃を許可する」


少将「さすがに対空砲までは持っていないでしょうな」


中将「しかし先の戦い…油断はできないであります」


大将「鎮守府内の警備も厳重態勢にしましょう」


元帥「なにがなんでも攻められる前にやつらを潰せ」グヌヌヌヌ


~~~~~~~~~~~~~~~~

上陸地点


千歳「だいたい終わったみたいですね」


龍驤「そやなぁ。でもまだ船に残ってそうやけど、上陸はせえへんのか?」


元帥「あぁ。あれはわしらと共に正面から上陸する部隊じゃ」


大淀「ん?今なんて…」


提督「後数十分後に俺たちはこのまま船で本部の正面に向かう。そこでさっき上陸した将校殿の部隊が奇襲しているうちに正面からも攻めるって作戦だ」


龍驤「じゃ、じゃあ、うちらは次は正面まで護衛するってことか?」


元帥「そうじゃな。引き続き頼む」


金剛「まだまだ終わってなかったネー…」アハハ…


龍驤「なんやせっかく終わったと思ったのに~」


千歳「まぁまぁ、頑張りましょう!」


あきつ丸「我々も将校殿に負けないように頑張るであります!」


大淀「鈴谷さんが聞いたらさぞ怒るでしょうね…」


提督「うぅ…そうだな…」ハァ


……………


数十分後



鈴谷「えぇぇぇぇぇ!?!?まじ!?!?!?」


提督「まじ」キッパリ


鈴谷「終わったと思ったのにぃぃぃぃぃぃぃ!!!」ウダァ


提督「誰も終わりとは言ってないだろ?」


鈴谷「提督そーゆーのだよ!そーゆーとこが駄目なんだよ!!」ウダァ


提督「そう言われてもな…」


あきつ丸「まぁまぁ!鈴谷殿、いっしょに頑張るであります!」グッ


雪風「雪風はまだまだ頑張れます!」


提督「雪風の方が優秀だな。じゃあ鈴谷はここに残っとくか?」


鈴谷「え…」


提督「まぁ、帰りに迎えに来てやるから。それまでここで一人で待っとくか?」


鈴谷「それは………」


鈴谷「…………………」


鈴谷「行く……」ムス


提督「よし!頼んだぞ」ポン


鈴谷「むぅ…………」プクー


あきつ丸「出撃であります!!!」キラキラキラ


龍驤「テンション高いな~」アハハ


ブゥゥゥゥ


隊長「出撃準備、完了しました」


提督「よし。俺はまた銃座からお前達をしっかり見てるからな~」


金剛「私だけを見ていてくださーい!!」キラキラキラ


提督「しっかり見といてやる!」グッ


金剛「えへへへ~」///


雪風「雪風も見て下さい!」


提督「もちろん!」


元帥「ではわしはあっちの船にのる」


提督「よし。じゃあ俺達は前方に行くか」


あきつ丸「もちろんであります!」グッ


~~~~~~~~~~~~~~

上陸部隊 密林


将校「全員止まれ!!」


スッ



ブォォォォォォ



兵士「敵機であります」


将校「やはり勘づいたか… 」


兵士「三方面に別れていますが、やはり見つかったでありますか…」


将校「いや…偵察機だけだとするとまだ見つかってはいないだろう…だが三つに別れたとしてもこの大人数だ。ジャングルの中だとしても見つかるのも時間の問題だろう…」


兵士「では急ぎますか」


将校「見つかる前に辿り着きたい。全員にまわせ」


兵士「了解であります」ゴソゴソ


~~~~~~~~~~~~~~~~

海上


隊長「海軍にはもう上陸地点がバレたと思いますか?」


提督「そうですね… まだ将校殿から何の連絡もないので、まだ発見はしていないでしょうね…しかし、さっきから遠くの方で飛行機の音がするので、気づいたとは思います」


隊長「無事にたどり着けばいいのですが…」


提督「あの浜辺から海軍本部までは深い森になっているので、そう簡単には発見できないでしょう。それに海兵が森に入って偵察するとも考えられないですし」


隊長「なるほど…そうですか」


提督「どちらにせよ、将校殿はやってくれます」


隊長「ですね」


龍驤「なぁ提督」サァァ


提督「どうした龍驤」


龍驤「一つ気になるんやけどさぁ」


提督「?」


龍驤「このクーデターって、他の鎮守府はなんで参加してないんや?」


提督「あぁ。多分、めんどくさいことに巻き込まれたくないからだろ」


龍驤「でも向こう側にもついてないようやけど?」


提督「多分、他のとこも俺達と同じでなんらかの不満があるんだろ。だから海軍本部側にもついてない。だが、もし俺達に協力してクーデターが失敗したら死罪確定だからな。だからあえて関わらないようにしてるんだろう」


龍驤「ただの根性無しってことか」スパ


提督「いや……まぁ……そう…かな?厳しいな龍驤…」


龍驤「海軍の問題に陸軍はみんな命はってんのに、全然海軍ヘタレ提督どもは協力してへんからな」ヤレヤレ


提督「まぁ、それだけ肩身の狭い思いをしてるってことだ」


ジー


隊長「提督殿!たった今、上陸部隊から連絡がありました!」


提督「なんだ」


隊長「無事に本部近くまで到着したそうです!」


提督「よぉし!」ガッツ


龍驤「なんやすごいな!!」オォ


千歳「どうかしたんですか?」サァァ


龍驤「陸軍が海軍本部に到着したらしいで!」


千歳「ホントですか!それはすごいです!!」


提督「後もう少しだ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

上陸部隊


将校「よぉし!ようやくここまで来たぞ!!皆、これからが本番だ!!!全員、日々の鍛練の成果を存分に発揮しろ!!!!今こそ帝国陸軍の底力を見せつけてやれ!!!!」


陸軍兵士「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

海軍本部


うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ


海兵「なんの音だ?」ビク


海兵「森の方から聞こえたような気がするぞ」


海兵「まさかぁ。実はそこにもういたりしてな!」ハハハハ


~~~~~~~~~~~~~~~~~

上陸部隊




将校「突撃ィィィィィィィィィィィ!!!!」



陸軍兵士「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ






海兵「き、奇襲だぁぁ!!!」


海兵「なにぃ!?!?」


陸軍兵士「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ



………………………………………

司令室


バァン!


海兵「失礼します!」ハァハァハァハァ


元帥「何事だぁ!!!」


海兵「ただいま陸軍の奇襲攻撃を受けています!!」


大将「なにぃぃ!?」


中将「やつらはどこから来やがった!!」ガタン


海兵「東側の森からです!」


少将「鎮守府の後ろからか…」


元帥「正面に待機させてる部隊を至急そっちへ向かわせろ!絶対にやつらを建物内にはいれるな!!!」


バァン!!


海兵「失礼します!!」ハァハァハァハァ


大将「今度はなんだ!!」


海兵「鎮守府西側の警備隊が陸軍の奇襲攻撃を受けております!」


元帥「ぬぁにぃ!!」ググググ


中将「まさか二手に別れて…」


バァン!!!


海兵「失礼するであります!」ハァハァハァハァ


大将「こぉんどはなぁんだぁ!!!」


海兵「鎮守府北側警備隊が……全滅しました…」ガク


元帥「っ!?!?」ドクン


中将「ぜ、全滅だと!?あり得ん!!」バァン


海兵「敵は…戦車を……利用しているであります…」ハァハァハァハァ


少将「戦車だと…」


元帥「……………………」グヌヌヌヌ


~~~~~~~~~~~~~~~~

海上


陸軍兵士「海軍本部が見えたぞぉ!!」ザワザワザワ


提督「あれか……おぉおぉ、派手にやってるよ」


千歳「すごい黒煙ですね」


龍驤「今頃、お上も大パニックやろなぁ」ニヤニヤ


あきつ丸「じ、自分も早く戦いへ!!」フンガ!


提督「落ち着けあきつ丸…鼻息が荒いぞ…」マァマァ


ブゥゥゥゥ


元帥「どうだ。なかなかやっておるようじゃの~」


提督「この距離から黒煙が確認できるので、中々派手に暴れてるようです」


元帥「がはははは!さすが将校殿じゃ!!わしらが上陸する前に全部終わってるかもしれんの~」


提督「ははは。確かに」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

海軍本部


陸軍兵士「うりゃぁぁぁ!!」


海兵「ぐわぁ!」ブシュ


海兵「退けぇぇ!撤退!!撤退!!」グワ


海兵 ウワァァァァァァァァァ


将校『南方面隊はそのまま鎮守府建物を目指せ!』 ジー


南方面隊隊長『了解!』ジー


陸軍兵士「将校殿!こちらも建物への突入可能です!」


将校「よし! これより鎮守府建物内へ突入する!元気が有り余ってる者は一緒に来い。それ以外の者は外からの援護と負傷者の手当てを頼む。海軍のやつらの手当てもだ!」


元気な者「よぉぉぉし!まだまだぁぁ!!」ガッツ


元気な子「まだまだこれからよぉ!」バシ


将校「西方面隊はどうだ?」


通信兵「今のところ問題なく突破したそうです!」


将校「よし!一気に攻め落とすぞ!!」


~~~~~~~~~~~~~

地下牢


ズズズズズズズズズズ


足柄「何か騒がしくなり始めたわね……」


足柄「提督…………」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

上陸部隊


上陸部隊隊長「突撃ィィィィィィィィ!!」


陸軍兵士「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


提督「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ババババババババ


金剛「全砲門ファイヤーーー!!!」ドォン



深海棲艦「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



大淀「さすがに正面は深海棲艦がたくさんいますね…」ドン


千歳「今まで暇だった分、やっちゃいましょう!」ドン



あきつ丸「うぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁ!!!」ドス



深海棲艦「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」シュウ



龍驤「あきつ丸…はりきってるなぁ…」アラアラ


鈴谷「素手でいってるじゃん…」エェ…



あきつ丸「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ドス



雪風「雪風は沈みません!!」ドン


~~~~~~~~~~~~~~~~~

司令室


バァン!!


海兵「元帥殿ぉ!!!」


元帥「今度はなんだ」


海兵「ち、鎮守府正面から……新たに陸軍が……」


大将「なぁにぃ!?!?」


少将「いや待て!あそこには深海棲艦がいたはずだ!そう簡単に上陸できるはずがない!!」


海兵「そ、それが………」


海兵「艦娘も一緒です………」


元帥「やつらか」ピキ


大将「どうしますか元帥殿!」


元帥「ならばやつもいるはずだ。やつだけでも殺せ」グヌヌヌヌ


中将「相手鎮守府の提督に攻撃を集中させろ!」


海兵「はい!」ダダダダダ


大将「くそ……」


元帥「あの時殺していればよかったか…」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

上陸部隊


ダダダダダダダダダダダダダダダ


陸軍兵士「相手警備隊を一掃しました!」


提督「よし!じゃあ俺も行く!!」ヨイショ


隊長「ちょちょちょちょちょちょ!?!?どこに行くつもりですか!?!?」グイ


提督「俺もあそこに行く」


隊長「いやいやいや!さすがに危険です!ここに居てください!!!」


提督「どうしても中にいかなきゃいけないんだ!!」


隊長「駄目です!仮にもあなたは提督なのですから!!私達にはあなたを守る義務があります!!」


提督「お願いだ隊長!行かせてくれ!頼む!!」


隊長「駄目です!!」


提督「俺の部下が…助けを待ってるやつがいるんだ…」


隊長「…………………」


提督「お願いだ!」


隊長「わかりました。どうせ言っても聞かないようなので」ヨイショ


隊長「我々がお供します」


提督「しかしそれではこの船が…」


隊長「揚陸艇ならいくらでもあります。それより私達には提督殿を守る義務があります」


陸軍兵士「私もお供します!」


陸軍兵士「是非お供します!」


提督「わかった…ありがとう」


あきつ丸「自分も行くであります!!」


隊長「あきつ丸殿!?」


提督「何言ってるんだ!?」


あきつ丸「自分は元々陸軍だったゆえ、武器の扱いはなれているであります!」


提督「いや、しかしだなぁ…」


龍驤「うちらは大丈夫やで~!」


千歳「こっちは私達にまかせて下さい!!」


あきつ丸「お願いします提督殿!」ガバ


提督「うぅ……わかった」


あきつ丸「ありがとうございます!」


隊長「よし!全員武器をとれ!」


ガチャガチャガチャ


隊長「あきつ丸殿はこれを。手慣れている物の方がいいかと」スチャ


あきつ丸「おぉ!三八式!かたじけないであります!!」ガチャガチャ


隊長「提督殿には……」


提督「よいしょと!」ガシャン


隊長・あきつ丸「んな!?」


提督「俺はこれでいい!」ズッシリ


隊長「そ、それはさすがに無理があります!!」ヒェェェ


提督「これは確かあれだろ。米産のぶろーにんぐとか言うんだろ?」


あきつ丸「それは人が持って使うやつではないでありますよ!?」


提督「まぁいいじゃないか!俺はこれにする。弾もいっぱいあるし」ジャラジャラ


陸軍兵士「化け物だ……」


陸軍兵士「頭のネジ飛んでるぞありゃ…」


提督「よし!じゃあ行きますか!」


全員「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


~~~~~~~~~~~~~~~~


海兵「敵海軍の司令官を最優先で始末しろと命令だ!」


海兵「俺達もやられるだけでたまるか!司令官とならば大将首も同然!俺がやる!」ダッ


海兵「待て!俺もだぁ!」ダッ


バン!


海兵「ぐわぁぁ!!」ウッ


海兵「大丈夫か!」



あきつ丸「提督殿!今です!」ガチャ


提督「よし!今のうちに進むぞ!」


隊長「お前ら!提督殿を援護しろ!!」


陸軍兵士「了解!」



海兵「て、提督だと……」グッ


海兵「待て。海軍の司令官らしき者はいないぞ。ありゃ四人とも陸軍兵士だ」


海兵「じゃあなぜ提督なんだ…」



陸軍兵士「いたぞ!そこだぁ!」バンバン



海兵「しまった!退くぞ!」ダッ


海兵「ああ」ヨイショ


海兵「うっ………」ズルズルズル



陸軍兵士「くそ、逃げられたか…」スチャ


あきつ丸「提督殿!入り口はどこでありますか?」


提督「確かもう少し先にいったとこだ」


隊長「よし。お前ら二人は先に行け」


陸軍兵士「「了解」」サッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

海上


金剛「ふぅ~…大分片付いたネー」


千歳「意外とあっさりしてましたね」


龍驤「なんかいつも戦ってるやつよりもなんか弱いというか…」


大淀「私も同じことを思ってました。なんだかすぐにみんなやられちゃいますね」


鈴谷「なんだかつまらないよ~」


雪風「きっと雪風達が幸運を持ってるからだと思います!」


龍驤「ははは!確かにな」



深海棲艦「沈メ………………」



龍驤「お、また湧いてきたで~」


千歳「量だけは異常ですね」


金剛「一生分暴れるデース!!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

司令室


大将「なにぃ?敵の司令官が見つからない?」


中将「もうとっくに死んだのか」


少将「本当にいないのか?」


海兵「はい。今のところ、どの部隊も司令官らしき服装をした男は見ていないといっております…」


大将「死んだ……」


元帥「いや………」


元帥「やつは必ず生きているはずだ。必ず見つけ出せ!」


海兵「はい!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~


提督「うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ



海兵「なんだあの兵士わぁぁぁぁ!」ギャァ


海兵「機関銃を持ち上げて撃ってきやがる!化け物だぁ!!」


海兵「鬼じゃぁぁぁぁぁぁ!」ギャァ


海兵 ウワァァァァァァァァァ



あきつ丸「提督殿の迫力に圧されて、敵兵が逃げていくであります!」


隊長「さ、さすが提督殿…」


陸軍兵士(化け物だ………)


提督「よし!ここも突破できるぞ!」


あきつ丸「すごいであります提督殿!」キラキラキラ


提督「まぁな」ヘヘン!


カラッ……


提督「ん?」


隊長「な!?まずい!手榴弾だ!!!伏せろ!!!!」グッ


陸軍兵士「うっ……」スッ


あきつ丸「提督殿ぉ!」ドキ


提督「うおりゃぁぁ!」スッ ビュン!



バァァン!



隊長「なっ!?」


陸軍兵士「なっ!?」


陸軍兵士「なっ!?」


あきつ丸「なっ!?」


四人「「投げたぁぁぁぁぁぁ!?!?」」


提督「ふぅ…危なかった…」ヒュウ


提督「よし!行くぞ!!」


あきつ丸「は、はい!」キラキラキラキラキラキラ


隊長「一生、お供します!!」キラキラキラキラキラキラ


陸軍兵士「一生ついていきます!」キラキラキラ


提督「な……急にどうしたんだ?」


隊長「お前ら!提督殿を命にかえてもお守りするぞ!」


二人「おぉ!!」


あきつ丸「提督殿!自分は一生、提督殿についていくであります!」


提督「お、おぉ……」???


~~~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府内 入口


海兵「何がなんでもここを通すなぁぁ!!」


ババババババババババババババ



陸軍兵士「うっ…なかなか落ちませんね…」バン


将校「戦車がくるまでの辛抱だ。撃ち続けろ」バン


陸軍兵士「戦車はまだ来ないのか!!」


通信兵「敵と交戦しているもよう!もうしばらくかかりそうです!」


陸軍兵士「くそっ」チッ


将校「機関銃はないのか!!」


陸軍兵士「機関銃兵は戦車部隊の支援に向かっております!」


将校「そうか…くそっ!こうなればとにかく撃ち続けろ!」バン


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


陸軍兵士「どうやら入口は海軍がいて入れないそうです。今、将校殿の部隊と交戦しているようですが…」


隊長「どうしますか」


提督「入口が使えないとなると…」


陸軍兵士「窓をぶち破りますか!」


提督「いや、今中に乗り込んでもこの人数だ。すぐに囲まれるだろう…」


隊長「では将校殿の部隊に合流しますか」


あきつ丸「弾はまだまだ残っているであります」


提督「確か……裏側に使われていない入口があったはずだ……」


あきつ丸「裏でありますか?」


提督「あぁ。裏というか一回また海に戻ったとこに隠し通路の入口があるみたいなことを聞いたことがある」


陸軍兵士「隠し通路…」


提督「多分、緊急時に脱出するための通路かと思うが、そこからなら中に見つからずに入れるかもしれない」


隊長「わかりました。では行きましょう」スチャ


提督「しかし大分前の話だ。本当に存在してるかもわからない……」


あきつ丸「いえ!ここは行って確かめるであります!」


隊長「よし!急いで戻りましょう!」


陸軍兵士「「了解」」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

海上


深海棲艦「ギャァァァァァァァ」ドン


金剛「まだまだ行きますヨー!!」ドン


龍驤「よっしゃ!うちも一気に決めるで~」サッ



深海棲艦「ウゥゥゥ………沈メ………」シュゥ



ドン ドン バババババババ ブーン バァァン!!





大淀「んな!?し、深海棲艦の全滅を確認しました…」


鈴谷「えぇ!?!?もう終わり!?」


龍驤「嘘や~ん」アハハ…


大淀「で、でも見てください。レーダーにもどこにもいません」


金剛「深海棲艦はどこいったデスカー?」


雪風「雪風達が全部やっつけちゃいました!」


金剛「What!?本当デスカー!?!?」


龍驤「なんかしまりが悪いな…」


大淀「でもどこにも…」


雪風「あ!あれは司令とあきつ丸さんじゃないですか!」


…………………………


隊長「つきました!」ハァハァ


あきつ丸「提督殿!どのあたりでありますか?」


提督「うぅん……何か目印があるはずなんだが…」


陸軍兵士「とにかく探してみます」


提督「どうしたものか……」ウゥン…


隊長「元帥殿に聞いてみては?」


提督「あ!その手があったか」ポン


……………


元帥「通路……か……」ウゥム…


提督「覚えていないですか?」


元帥「わしも話にはきいたことがあるのだが…」


提督「ん?」


あきつ丸「話??」


元帥「いかんせんその通路が使われていたのは大昔のことじゃからな…わしにもわからん」


提督「んな……」


あきつ丸「ど、どうするでありますか!?」


元帥「海側のこの波止場付近に入口があるのはわしも聞いたことがある」


隊長「まさかの答えですね…」


提督「そんな古い話だったのか…」


サァァァ


金剛「Hey!提督ぅー!!」


提督「おぉ。金剛達か。て、こんなとこにいて大丈夫か!?」


龍驤「あぁ…それが……」


雪風「雪風達が深海棲艦を全部倒しました!」


提督「ぜ、全部!?」ギョ


千歳「どうやらそうみたいです」


大淀「レーダーにも反応しないので、そうかと…」


元帥「ほぉ……」


鈴谷「鈴谷達すごくない?」イェイ


提督「すごいと言うか…よくやったな」


龍驤「ま、うちはまだ半信半疑やけどな!」


提督「まぁ、引き続き警戒を頼む」


金剛「で、提督はここで何してるですカー?」


提督「あぁ実はな…」


カクカクシカジカ


龍驤「なるほどな~…」


千歳「それは難しいですね」


提督「通路はあるはずなんだが…どうやって見つければいいか…」


鈴谷「ん~……」


鈴谷「そんならさぁ。全部吹き飛ばせばいいんじゃない?」


全員「え……」ゾワ


提督「鈴谷…お前……」コワ…


鈴谷「ちぃがぁうぅ!!なんで鈴谷をそんな目で見るのさ!!」


龍驤「いやだって…全部吹き飛ばすて…」


鈴谷「そうじゃなくて!この波止場を壊して出てきた空洞が通路じゃない?」


大淀「なるほど。地下に埋まってる通路を見つけるためにわざと地面を破壊ですか」ポン


千歳「それなら出てきた空洞が地下通路ですもんね」


元帥「なるほど」


提督「ほぉ~。鈴谷にしてはなかなかよくできた考えだな」オォ


鈴谷「でしょ?」


提督「しかしだなぁ…この頑丈なコンクリートの地面を吹き飛ばせるほどの火力がなぁ…」


あきつ丸「手榴弾ではだめでありますか?」


大淀「それだと大量に必要になるのであまりオススメできません…」


金剛「それなら私達にまかせるネー!」


提督「ん?」


金剛「私達の艤装でファイヤーしマース!」


龍驤「その手があったか!」


千歳「私達なら破壊可能ですね」


雪風「雪風もがんばります!」


提督「よし!じゃあ全員でここの波止場をぶっ飛ばしてくれ!」


大淀「了解です!」


鈴谷「好きなだけ撃っていいんでしょ!」


提督「あ、でもほどほどにな」


龍驤「うちらにまかせとき!」グッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~


千歳「配置完了です♪」


龍驤「うちの子らも準備万端やでぇ~」


金剛「じゃあいきマース!」


金剛「全・砲門・・・」


全員「ファイヤー!!!!」



ドンドンドンドンドンドンドンドンバババババババ

ドカァァァァン!!バババババババ

ズドォォン!バァァァァァン!!!



提督「うぉ……」ウッ


あきつ丸「すごい迫力であります…」グッ


元帥「これならば発見も可能じゃな」



ズドォォン!バババババババ



提督「しかし……なかなか続けるな…」ウッ


……………………


龍驤「これぐらいでどうや?」


サラー


提督「見事に焼き払ってくれたな…」


あきつ丸「さっきまでの平地が瓦礫の山になったであります…」


千歳「ちょっとやりすぎちゃいましたね」


提督「まぁ、これぐらいすれば見つかるだろ」


隊長「よし!早く見つけましょう!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府 入口


ババババババババババババババ


将校「まだ戦車はこないのか!!」


通信兵「もうじき来ます!」


陸軍兵士「そろそろ弾が苦しくなってきましたね」バン


陸軍兵士「早く来てくれないとこっちが押し返されちまう」バン


将校「皆もう少しの辛抱だ!」バン


~~~~~~~~~~~~~~~~~

波止場


陸軍兵士「発見しました!」オーイ


隊長「本当か!!」


提督「ホントにあったのか…」


ガラッ…


あきつ丸「なかなか狭いでありますな」


提督「これじゃあ一人ずつ順番だな」


隊長「よし。ではお前達が先に行け」


陸軍兵士「「了解」」ガサガサ


提督「いや、ここは俺が先頭にいく」


隊長「そんな、危険です!」


陸軍兵士「我々にまかせてください!」


提督「いや、もし鎮守府内に繋がった時に場所がわかる人が前の方がいいだろ?だから俺がいく」ヨイショ


ズルズルズル…


陸軍兵士「「あ……」」


隊長「なんとも勇ましい提督なんだ…」


あきつ丸「自分達もいきましょう!」


ズルズルズル


提督「あ、すまん」ヨイショ


あきつ丸「どうしたでありますか!」


提督「機関銃はどうやら持っていけそうにない…その…誰か拳銃持ってないか?」


陸軍兵士「それなら自分の十四年式を使ってください」ハイ


提督「すまない。必ず返すよ」ガチャ


…………


あきつ丸「うぅ…狭いでありますな…」


隊長「脱出ようの秘密通路ですから無理もないでしょう」


あきつ丸「提督殿!大丈夫でありますか?」


提督「あぁ。今のところは問題ない!足元に気をつけろよ」


陸軍兵士「こんなところで敵と鉢合わせすればひとたまりもないな」


陸軍兵士「小銃もうまくとりまわせないからな」



提督「なっ!?」ピタ



あきつ丸「うぉ…急に止まってどうしたのでありますか?」


隊長「敵ですか…」


提督「いや…………」



提督「行き止まりだ…」



全員「な、なにぃ!?」


………………


提督「石で通路が塞がれてる」


あきつ丸「これ以上行けないでありますか!?」


提督「おそらく」


隊長「ここまできたのに…引き返しますか?」


提督「悔しいが…そうするしかない」


陸軍兵士「しかし妙ですね…なぜ通路をふさいだんでしょう…」


陸軍兵士「いろいろ事情があるんだろ」フン


ゴトッ


提督「ん?」


陸軍兵士「今…石が少し動きました…」


隊長「本当か!!」


陸軍兵士「もしかしたら…動かせるかもしれません…」


提督「よし!それなら石をどかしてみるか」ヨイショ


あきつ丸「幸いここだけ空間が広いので、全員で作業ができるであります!」


隊長「よし!掘り進めるぞ!」


全員「おーー!!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

地下牢


ズズズズズ……


足柄「銃声と爆発音が激しくなってきたわね…どっちが優勢なのかしら…」


足柄「みんなまだ生きてるのかしら………」


足柄「提督も……無事かしら……」ウッ…


足柄「私はどうすればいいの…」ウッウッ……



ゴカン!



足柄「何っ!?」ビクッ



壁 ゴカン!



足柄「壁の……向こう?」



ゴカン!ゴト…ゴン!



足柄「な、なんなのよ…」ブルブルブルブル



ガン!ゴン……ガンガン!



ゴトン!!



足柄「ひぃ!?」ビクッ


???「おぉ、繋がったぞ!」


???「本当であります!」


???「よし!もう少しだ!」


ゴトンゴトン…ガラッ


足柄「…………」ブルブルブルブル



ゴロゴロゴロゴロ



提督「ぐはぁ!疲れた~」ヨイショ


あきつ丸「ふぅ…暑かったであります」パタパタ


隊長「まさか先に行けるとは…」


陸軍兵士「しゃがんでたので腰が痛い…」ウゥ~…


陸軍兵士「しかしここはどこに繋がったんだ?」



足柄「なっ………………」ブルブルブルブル



提督「ふぅ…………ん?」ピタ


足柄「て………………」ピタ



提督「足柄じゃな……」


足柄「提督ぅ!!!」ガシッ


提督「ぐほぉ!」ウッ


足柄「本当に来てくれたのね…」ウグ…ウッ…


提督「え?あ、あぁ…おぉ!来たぞ!」


足柄「私はあなたにとんでもないことをしたのに……」ヒグ…ウッ……


あきつ丸「ま、まさか足柄殿でありますか!?」ギョ


提督「そうみたいだな……」


隊長「まさか。探されてた部下ですか?」


提督「はい。足柄、どうしてこんなとこにいるんだ?」


足柄「あの後、元帥に呼び出されて…あなたが逃げたことで深海棲艦にされそうになって…」


あきつ丸「深海棲艦でありますか!?ど、どういうことで……」


足柄「提督達が攻めてきたから私は一旦地下牢に入れられて……」ウッ……


提督「そうか。俺のせいで…すまなかった…」


足柄「あなたは悪くないわ…全部私が悪いのよ」ウッ……


あきつ丸「いったいどういう……」???


提督「まぁ、とにかく今はこっから移動しよう。足柄、ここはどこなんだ?」


足柄「地下牢よ…」ウッ…グス……


提督「……………はい?」


足柄「鎮守府の地下よ」


あきつ丸「提督殿!格子があります!!」


隊長「これは……」


提督「嘘だろ………」


陸軍兵士「これはかなり頑丈ですね」ガチーン


陸軍兵士「これじゃあ出れませんね」


隊長「あぁ……戻りますか?」


提督「また戻るのか………」ハァ


あきつ丸「でもなぜかわかりませんが、足柄殿を発見することができたであります!」


提督「まぁ確かに、目的を果たせたっちゃ果たせたが…」ウゥン…


提督「ま、いっか。撤収~」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府 入口


ガガガガガガガガガガガガ


陸軍兵士「戦車が来たであります!」


将校「やっと来たか…」


陸軍兵士「あともう少しでも遅れたらまずかったですね」


将校「よし。鎮守府の正面に向かってぶっぱなせ!」



海兵「戦車が来たぞ!」ゾワ


海兵「こりゃまずい!逃げろ!!」ダッ


海兵「ちょ!お前ら勝手に離れちゃ…」



戦車 バァン!



ドォォン!!



将校「よし今だ!突撃ー!!!」


ダダダダダダダダダダダダダダダ



~~~~~~~~~~~~~~~~~

波止場


あきつ丸「よいしょ…ふぅ…無事に戻れたであります」ホッ


提督「大丈夫か足柄」ヨイショ


足柄「えぇ……」


提督「そうだ、これを返すよ。結局使わなかったが」カチャ


陸軍兵士「いえ!お役にたてて光栄です」


隊長「戦況はどんな感じかわかるか?」


陸軍兵士「いえ、わかりません」


提督「さっきからまた銃声が激しくなってきたが、大丈夫か…」


あきつ丸「きっと大丈夫であります!」


足柄 ジー


提督「なんだ。俺の顔になんかついてるか…」


足柄「どうしてあなた…その格好なの?」


提督「あぁ……まぁいろいろ…変か?」


足柄「えぇ」スパ


提督「なっ……」ガーン


あきつ丸「て、提督殿!?」


提督「やっぱり似合ってないのか……」


あきつ丸「いえ!提督殿はとても似合っているであります!安心して下さい!」アワアワ


提督「そうか…」ウゥ


サァァァ


龍驤「おぉ!どうやった提督……って、足柄!?」ヌワ


千歳「え!?こんなところにいたんですか!?私はてっきり後ろにいるのかと…」


雪風「足柄さん!」


鈴谷「もう…どこいってたのさ~」


大淀「……………………」


足柄「……………………」


提督「………足柄は後ろの護衛で大変だったらしい。そんでさっき向こうで会ったんだ」


足柄「え…」ビク


提督「…………」


足柄「え、えぇ。後ろでちょっといざこざがあってね。なかなか合流できなくて悪かったわ……」


龍驤「なんやそうやったんか」


千歳「でも無事でよかったです!」


足柄「し、心配かけたわね………」


龍驤「そんでそっちの戦況はどないなってんや?」


提督「俺もわからん。ただ、さっきから銃声がひどくなったから何かしらあったんだろう」


龍驤「大丈夫なんかぁ?」


あきつ丸「大丈夫であります!将校殿は必ず作戦を成功させるであります!」グッ


提督「そうだな。じゃあ、俺達も援護しにいくか」ガチャ


隊長「ちょ、ちょっと待って下さい!さすがにこれ以上は危険です!」アワワワワ


提督「将校殿が最前線で戦ってるんだ。俺も負けてられない」


隊長「しかし…」


提督「それにこれは海軍の問題だからな。将校殿に任せっきりってのもな。じゃ、俺は行くよ~。あきつ丸は?」


あきつ丸「もちろんお供するであります!」ガチャ


隊長「止めても無駄ですか…最後までお守りします」ガチャ


陸軍兵士「我々もいきます!」ガチャ


提督「よし!あぁ……足柄は安全だからここにいてくれ。もしここがヤバくなったら元帥殿のところに…」


足柄「私も行くわ!」


提督「はぃ?」


あきつ丸「無茶であります!」


足柄「この鎮守府について一番私が詳しいわ!司令室の場所もわかるから私も連れてって!」


提督「いや…でも、陸戦だぞ?無茶だ」


足柄「私だって銃くらいは使えるわ!」


提督「でもなぁ……」



ザバァァァァァァ



深海棲艦「沈メ……………………」ゴゴゴゴ



龍驤「うわっ!まだおったんかいな!?」


鈴谷「えぇ~…まだ終わってないの~」


千歳「なかなかの数が出てきましたね」


大淀「提督!行くならいまのうちです!」


提督「うぉ……よしわかった!行くぞ!」ダッ


あきつ丸「はい!」ダッ


龍驤「よっしゃ!じゃあこっちもやるで~!」


雪風「がんばります!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

司令室


ダダダダダダダダダダダダダダダ


元帥「………………………………」


大将「元帥殿…もうここまでかと……」


中将「鎮守府正面入口は敵戦車部隊により突破されました…ここに来るのも時間の問題かと……」


少将「脱出路があります。そちらから逃げましょう」スッ


元帥「許さん…………」グググググ


元帥「全部隊に伝えろ。戦い続けろと」


大将「な、なにを!?もう我々に勝ち目はありません!」


中将「そうであります!勝ち目のなくなった戦などやる意味がありません!ここから一刻も早く逃げましょう」


元帥「陸軍に背をむけると言うのか!」


中将「いいえ!一旦ここは退いて、また新たな部隊で潰すのです!」


大将「ここから300km離れた島に鎮守府があります。そこで一旦体制を整えましょう」


元帥「許さん…'………」グググググ


大将「どうしてもでありますか!!」


元帥「当たり前だ!はやく全部隊に伝えろ!逃亡は許さんと!」


少将「……………………」ガタガタガタ


元帥「なにをしている!早く伝えろ!!」


少将「……………………」ガタガタガタ


中将「駄目だ…………………」


元帥「命令に逆らうか……」スチャ


バァン


少将「 」ドサ


大将「な!?なにを!!」


元帥「命令に逆らう者への罰だ」


中将「な………………」ガタガタガタ


中将「うわぁぁぁぁぁぁぁ!自分はまだ死にたくなぁい!」ダッ


大将「な!?外へ行っては!」


バタン


ダダダダダダダダダダダダダダ



大将「そんな………」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府内


陸軍兵士「突然部屋から飛び出してきたので、撃ち殺してしまいました」


将校「服装からするに中将か…」


陸軍兵士「あそこの部屋から奇声を上げて飛び出してきました」ガチャ


将校「何があったかわからんが…」


将校「慎重に行くぞ」スタ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府 入口


足柄「あそこが入口よ!」


隊長「よし!お前ら先にいけ!」


陸軍兵士「「了解」」サササササ


隊長「ひとまず安全が確認できるまでここにいましょう」スッ


提督「人影がないな…」


あきつ丸「しかしすごいありさまでありますな…」


提督「あの入口の壁に突き刺さってるのは砲弾か?」


隊長「多分、戦車部隊が入口を破壊したのでしょう」


あきつ丸「では将校殿は中に」


隊長「多分……しかしまだ安全というわけではないので慎重に行きましょう」



陸軍兵士 フルフル



隊長「安全確認ができたみたいです。行きましょう」サササササ


鎮守府内 廊下



陸軍兵士「動くな!」カシャ


提督「ひっ……」ビク


陸軍兵士「な、これは失礼しました!」バッ


提督「ふぅ……」


あきつ丸「大丈夫でありますか提督殿…」


隊長「将校殿が何処にいるかわかるか?」


陸軍兵士「はい。今そこの部屋から一人海軍中将と思われる人物が飛び出してきたので、そちらにいると思います」


足柄「そこが司令室よ」


提督「しかし妙だな…こんな敵だらけの中に中将が飛び出してくるなんて」


陸軍兵士「奇声を上げて無防備で飛び出してきたので驚きました」


足柄「どうして…」


提督「ひとまず将校殿のところに行こう」


隊長「はい」


~~~~~~~~~~~~~~~~


陸軍兵士「突入しますか」


将校「いや、何があるかわからん。ここは慎重に行こう」


陸軍兵士「失礼します。ただいま海軍の提督殿がおみえになりました」


将校「なに?」


サササササ


提督「将校殿、大丈夫ですか」


将校「おぉ、よくここまでたどり着いたな」


提督「あきつ丸もいっしょです」


将校「そうか。残るはあの部屋だけだ」


提督「さっき聞きました。中将が飛び出してきたと」


将校「あぁ。その前には銃声もした。もしかするともういないかもな」


提督「では突入を?」


将校「あぁ…しかし、何があるかわからんから様子をみてるとこだ」


工兵隊「扉ごと爆破しますか?」


将校「うぅむ…仕方ない。そうする」


将校「手荒だがやむを得ん」


提督「戦車で入口破壊した人がいいますかそれ」


将校「がはは。確かにな」


将校「よし。皆離れろ」


………………………………


工兵隊「いきます」カチン



バァァァァァン!!!



将校「行け!突入だ!!」サ


ササササササササササササササササササササ


陸軍兵士「動くな!!」



司令室 シーン………



陸軍兵士「誰も…いないだと…」カチャ


将校「どうだ」スッ


陸軍兵士「どこにも見当たりません」


提督「いや…一人います……」


将校「どこだ。…………な」ムッ…


陸軍兵士「もう死んでます」


陸軍兵士「階級章からすると…少将です。頭を撃ち抜かれてます」


提督「自決か……」


将校「いや……それにしては不自然だ。撃ち抜いた銃がどこにもない」


あきつ丸「どうかしましたか提督ど………うっ。。」ウグ


足柄「だ、大丈夫?どうしたの急に」トントン


提督「では、中将がこいつを撃ったのか?」


陸軍兵士「中将も武器を所持していませんでした」


将校「さっきまで誰かがここにいたと考えるか…」


足柄「どうして少将が…」


提督「何か心当たりでも?」


足柄「いえ…こいつの顔を見ると……」ググ…


ドス ドス 蹴


足柄「くそ!今までのお返しよ!!」ドス ドス


将校「!?」


陸軍兵士「!?」


提督「ば、馬鹿!やめろ!!死んでるんだぞ!!!」グッ


足柄「この!この!くぅっ………」ウッ………


提督「落ち着け!いいか…」ギュ


足柄「ウッ……スッ…グッ……」ガタガタガタガタガタ


将校「どうした?そいつを知ってるのか?」


提督(しまった…)


足柄「………………………」ガタガタガタガタガタ


将校「どういうことだ?」


提督「くっ…………………」ドキ



あきつ丸「あぁ!将校殿!提督殿!見てください!!!」ワッ


将校「どうしたんだあきつ丸」


あきつ丸「こんなところに階段があります!!」


将校「階段?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

地下通路


タッタッタッタッタッタッタッタッタッ


大将「やつらは気づいたでしょうか…」


元帥「わからん。だが、まさかこの通路を通る日が来るとはな」


大将「今は来るべき決戦に備えて、体制を立て直すべきです」


元帥「海兵には悪いが…我々はここで倒れてはならんのだ……許せ…」


大将「元帥殿は何も悪くありません。悪いのは逆らうやつらです」


元帥「陸軍め…必ず叩き潰してやる」グッ


大将「もちろんです!この屈辱を返してやりましょう!」


元帥「しかし…この通路はなかなか複雑だな」


大将「大昔の隠し通路ですので…」


元帥「本当に大丈夫であろうな…」


大将「もちろんです!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

司令室


陸軍兵士「では行って参ります」


隊長「もし何かあったら腰につけたロープを引っ張れ。そしたら駆けつける」


陸軍兵士「はい!」


将校「頼んだぞ」


陸軍兵士「はい!将校殿の直々の命令…誠に光栄です。では…」


サッ



将校「すまない。体が一番小さいからといって君の部下を使ってしまって」


隊長「い、いえ!彼も将校殿の直々の命令でとても嬉しく思っているので」


提督「無事であってほしいな」


タタタタタ


陸軍兵士「失礼します将校殿!たった今、鎮守府建物内の部屋を全て確認しました」


将校「ほう。何かあったか?」


陸軍兵士「いえ。どの部屋ももぬけのからです。海兵もぞくぞくと投降しています」


将校「そうか…」


あきつ丸「で、では自分達は!」グッ


将校「占領完了だな」


提督「俺達は勝ったのですか!」


将校「そうだな。将軍様の姿は見えないが、ほぼ勝利したと言ってもいいだろう」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

海上


鈴谷「づ~が~れ~だぁ~」グダァ…


龍驤「はぁ…これで全部か?」


千歳「もう…お腹いっぱいです…」ハァ…


大淀「レーダーの反応もなくなりました」


雪風「では、もう終わりですか!」


金剛「一生分働いたネー…」ハァ…


龍驤「なんやまわりも急に静かになったけど、終わったんか?」


千歳「どうでしょう…確かに銃声も止みましたね」


龍驤「一旦戻ってみるか」


…………………


金剛「終わったのデスカ?」


鈴谷「さぁ~ね~」


元帥「大丈夫か君達!」


大淀「元帥殿!」


千歳「急に静かになりましたけど、何かあったのですか?」


雪風「深海棲艦もいなくなりました!」


元帥「そうじゃな……多分彼らがやったのじゃろう…」


龍驤「やったって…ほんまに!?」


千歳「私達……勝っちゃったんですか!?」


鈴谷「終わった~!!」


元帥「きっとそうであろう」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

司令室


あきつ丸「上がってくるであります!」


隊長「本当か!」


将校「………………」ゴク


陸軍兵士 ヨイショ グッ


隊長「大丈夫か!何かあったのか?」


陸軍兵士「自分は大丈夫です」ハァ


将校「何かわかったか?」


陸軍兵士「中は真っ暗でとても狭いうえ、複雑な迷路みたいになっていて、ロープがなければ帰ってこれなかったところです」


提督「逃げられたか…」


陸軍兵士「はい…どこにも人はいませんでした…」


将校「くそっ…敵の元帥を討ち取らねば意味がない」ドン


提督「しかしどこに逃げれるんだこの通路」



あきつ丸「足柄殿、何かわかりますか?」ヒソヒソ


足柄「私も知らないわ」ヒソヒソ



将校「とにかく我々で島全体を捜索しよう」


隊長「では我々も…」


将校「いや、それより負傷者の手当てを頼みたい。敵味方関係なく、一人でも多く手当てしてくれ」


隊長「了解しました」


提督「俺達も手当てを手伝おう」


あきつ丸「はい!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~

地下通路


元帥「まだつかないのか」ハァ…ハァ…ハァ…


大将「もう少しでつくはずです!」ハァ…ハァ…


元帥「本当にこの通路で…あっているんだろうな…」ハァ…ハァ…ハァ…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

波止場


雪風「あ!司令です!!」


金剛「提督デスカ!?」バッ


提督「お~い!」ハァハァ…


金剛「提督ぅ~!!!!」ラブ


提督「そっちも大丈夫そうだな」


龍驤「なんや、提督こそ大丈夫なんか?そない無防備な格好で走って」


提督「もうその必要はない」


千歳「と言うことは…」


提督「我々の勝利だ」グッ



全員「やったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ワー



大淀「本当に勝っちゃったんですか!?」


提督「まぁな。しかし…」


龍驤「しかし?」


提督「元帥と大将が行方不明だ」


鈴谷「逃げたの?」


提督「あぁ…隠し通路があってな…そっから逃げたんだろう……」


龍驤「う~ん…あんまりスッキリせえへんな~…」グヌヌ


千歳「でも占領したんですし、大丈夫ですよ!」


金剛「そう言えば、足柄とあきつ丸はどこに行ったのデスカ?」


提督「あぁ、あいつらは負傷者の手当てをしている。悪いがお前達も手伝ってくれるか?」


金剛「もちろんデース!!」


大淀「では早くいきましょう!」


千歳「はい!」


スタスタスタスタスタ



元帥「………………………」


提督「元帥殿…」


元帥「作戦成功じゃ…」


提督「しかし、敵将を逃がしてしまいました…」


元帥「そうじゃな……しかし、ここまでよく戦い抜いた。それだけで十分ではないか」


提督「はい……どれも作戦を考えた元帥殿と先頭で戦った将校殿のおかげです」


元帥「何を言っておる。君が計画したからこそ実現したことじゃ。わしらはただそれに乗っかっただけじゃよ」


提督「いえ…そんな……」


元帥「もっと誇りに思うが良い。君が変えたのじゃ」


提督「………………はい」


~~


それからこの騒動はすぐに海軍全体に広まった。

しかし、誰も反乱を起こすものはおらず、自体は急速に安定しつつあった。

海軍本部の空いた元帥の座には、元海軍元帥が就任し、新たに士官学校から優秀な幹部を抜粋し新しい海軍体制を発表した。

一方、クーデターに参加した陸軍は海軍との連携を高め、より強力な軍事同盟を築いた。


~~


大淀「と、書いてますよ。頼まれた新聞です」ドウゾ


提督「ありがと。元帥殿と将校殿はすっかり仲良くなったな~。陸海軍共同部隊だってさ」バサ


大淀「前の元帥と大将…まだ見つかってないのですか…」


提督「あぁ。一応、他の鎮守府も捜索したらしいが、どこにもいなかったらしい」


大淀「心配ですね…」


提督「まぁな。でもあれから何週間たつ?そろそろ見つからなきゃもう死んでるんじゃないか?」


大淀「まさか…そんなことは……」ウゥン…


コンコン


金剛「Hey!提督ぅー!tea timeの時間ネー!!!」


提督「はいはい。どうだ?大淀もいっしょに」


大淀「え?いいのですか?」


金剛「No problemネー!人数が多い方が楽しいデース!!」グッ


大淀「では、失礼します」


……………


提督「相変わらず金剛の紅茶は美味いな」


大淀「本当に美味しいです!」


金剛「ありがとうございマース!」ニコニコ


提督「なんか久しぶりにゆっくりしてる感じがするな」


大淀「最近忙しかったですもんね」


金剛「ねぇ、提督ぅ?」


提督「なんだ?」


金剛「どうして提督は向こうに残らずに、戻ってきたのデスカ?」


大淀「そうですよ!なぜ向こうで指揮官にならなかったのですか?」


提督「うん?そうだな~。向こうで元帥殿!って呼ばれるのも悪くないが…」


提督「ここが一番落ち着く」


大淀「そうですかぁ?」エェ…


提督「まぁ、ずっといたら落ち着くもんだ。それに、こんな遠く離れたボロい鎮守府なんか誰も来たがらないだろ?だから俺が引き続きここの提督になったわけだ」


金剛「そうだったのデスカ~」


提督「まぁ、だらしない生活に慣れてしまった以上、きちっとしたとこはごめんだ」


大淀「それは…どうなのでしょう…」アハハ…


提督「でも一人だけそれを絶対に許さないやつがいる…」ウゥ…


金剛「誰ですカ?」


スタスタスタスタスタ トントントン


大淀「ん?誰か来ましたよ」


提督「はぁ……今日も来た…」ガク



バァン!


あきつ丸「失礼します提督殿!今日こそは負けないであります!」ドドン!



大淀「ど、どうしたんですか!?」


金剛「あきつ丸もtea timeどうデスカ?」


あきつ丸「いえ、大丈夫であります!それより…」グイ


あきつ丸「どうしていつまでもこの鎮守府にいるのでありますか!!」グワ


提督「だ、だから…俺はこの鎮守府が…」


あきつ丸「口答えはいいであります!あなたは海軍のトップになる器がある方です!どうして元帥にならないのでありますかぁ!!」グワ


提督「だって…元帥になったら書類とか多いし……だらだらできないし……」グチグチ


あきつ丸「てぇ…いぃ…とぉ…くぅ…どぉ…のぉ……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


提督「だ、だから!俺はただこの鎮守府に誰も着任したがらないから代わりに!」ビクビク


あきつ丸「口答えはいいであります!今すぐ力ずくでも本部へ行くであります!」ヨイショ


提督「ちょ!待って!引っ張らないでぇ!!」ズルズルズル


あきつ丸「提督殿に自分は一生つかえると誓いました。ですから提督殿を立派な軍人にするのが部下である自分の役目であります!」ズルズルズル


提督「そんなぁ!いやぁ!いやぁぁぁ!助けてぇぇぇぇ!!!」ズルズルズルズルズルズル



大淀「あ、あきつ丸さん……」ゾワ


金剛「なかなかのスパルタネー………」



あきつ丸「観念するであります!」グイ


提督「いやぁぁぁ!助けてぇぇぇぇ!」ズルズルズル


~~~~~~~~~~~~~~~~

倉庫


龍驤「え~と…1,2,3,4…」カキカキ


足柄「それにしてもすごい量の荷物ね。何が入ってるのかしら」フゥ


龍驤「なんか提督が戦勝品や言うて、向こうの鎮守府から食料やら弾薬やら全部もってかえってきたって言うてたわ」


足柄「さすが提督ね…」


龍驤「ほんま抜け目がない男やで…」ヤレヤレ


足柄「………………」


龍驤「?」


龍驤「どないしたんや?気分でも悪いんか?」


足柄「え?いや、大丈夫よ」ゴホン


龍驤「ま~た考えてたんやろ」


足柄「えぇ…まぁ……」


龍驤「提督が良い言うてたんやから大丈夫やって」


足柄「でも私は裏切ったのよ…」


龍驤「まぁ…最初はびっくりしたけど、別に大して悪いことがあったわけやないし、うちらは気にしてないで」


足柄「でも……」


龍驤「それに今はもう何もないんやろ?せやったら昔の話は忘れたらええねん!」


足柄「そうかしら」


龍驤「せや!後は、提督にナデナデムチュゥーってしてもらい」ニャハハハ


足柄「な!?な、何言ってるのよ!わ、わ私はそんなこと!」カァァ///


龍驤「まぁまぁそないむきにならんでも!よっしゃ!残りの仕事もさっさと片付けよ!」


足柄「もぉ…」///


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

食堂


千歳「こんなことなら残しておけばよかった…」グス…


鈴谷「帰ってきてからずっと言ってるよね…」


千歳「出撃前にコレクションを全部飲んでそのまま沈む予定でしたから…」グス…


鈴谷「いや、沈む予定だったの…」エェ…


千歳「帰ってきてから数週間…そろそろアルコールを接種しないと死んじゃいます…」グス…


雪風「千歳さん沈んじゃうのですか!?」


千歳「はい…」グス…


鈴谷「いや、そんなわけないっしょ…」ペシ


スタスタスタスタスタ


提督「ふぅ…………」ヨレヨレ


鈴谷「おぉ提督~!って、どうしたの?何だかすごい疲れてるけど…」


提督「危うく…海に引きずり込まれるとこだった…」ハァ…


鈴谷「あぁ…また…」


提督「俺は一生ここでぐうたらしてたいんだよぉ~」ヨレヨレ


千歳「 」ズーン…


提督「………………」


提督「どうしたんだ千歳?」


鈴谷「なんかお酒がなくなって沈むとか言ってる」


千歳「アルコール……」


提督「酒…………あぁ!!酒!!!」ポン


鈴谷「どうしたの急に大声出して」ウゥ


提督「すっかり忘れてた。ちょっと取ってくる」サッ


鈴谷「?」


……………………「


ドサッ


鈴谷「何その木箱……」


提督「本部から頂戴してきたんだ。まぁ、戦利品だ」


鈴谷「盗ってきたの……」エェ…


提督「違う!戦利品だ!!」キッパリ


鈴谷「いや…盗ってるじゃん……」


雪風「中には何が入ってるんですか!」ワクワク


提督「ちょっと雪風には早いかな」ガサゴソ


提督「ほれ!酒だ!」


千歳 ピク


鈴谷「うわぁ…箱の中全部お酒だ…」


雪風「ジュースはないのですか?」


提督「あいにくだが全部酒だ」


サッ


千歳「こ、これは!入手困難な日本酒!こっちは幻とも言われた焼酎!!きゃあ!これはもう二度とお目にかかることはないと思ってました!これもこれもこれも!こっちは数量限定の!うわぁ!こんなの飲んじゃっていいんですか!?こっちのお酒も超レアで………」キラキラキラキラキラキラキラキラキラ


鈴谷「……………」


提督「……………」


雪風「?」


鈴谷「こんな楽しそうな千歳さん…初めて見た…」ドンビキ


提督「はははは…まぁ、嬉しそうで何よりだ…」ハハ…


雪風「とっても嬉しそうです!」



千歳「はぁぁぁぁ!幸せ~♪♪♪♪」フワフワフワフワ



~~~~~~~~~~~~~~~~


全員「「いただきまーす!!!」」


提督「やっぱり鳳翔さんのご飯が世界で一番美味い!!」ガツガツガツ


鳳翔「もう提督ったら♪」ウフフ


雪風「おかわり下さい!」


鳳翔「はい♪」


龍驤「食べるの早いな」


雪風「いっぱいご飯を食べてあきつ丸さんみたいにおっきくなります!」


龍驤「そうか………」シュン…


あきつ丸「提督殿!明日こそは本部へ行くであります!」


提督「だぁ!かぁ!らぁ!俺はぜぇぇったいに行かないからな!」


鈴谷「それまだやってたの…」


あきつ丸「当たり前であります!提督殿を元帥にすることが自分の務めであります!みなさんも言ってください!」


龍驤「おぉ…厳し…」


千歳「どうするんですか~提督~」ヒッグ…


提督「誰になんと言われようと行かん!」


足柄「そう言えば、あなたは陸軍に戻らなくてもいいの?」


龍驤「そういや確かに」


あきつ丸「自分でありますか?」


あきつ丸「将校殿にお願いして延長してもらったであります」


大淀「延長ですか?」


あきつ丸「まだまだ海軍で学ぶべきことがたくさんあると思いましたので」


龍驤「さすがまじめやな~」


大淀「どこかの提督にも見習ってもらいたいです」


提督「悪口はいけないぞ!」ビシ


あきつ丸「それに…」


龍驤「なんやまだ理由があるんか?」


あきつ丸「自分は提督殿に一生ついていくと誓ったので」


金剛「Nooooooooooooooooooooo!!!」ギュ


金剛「提督は私のものデース!!」ギュウ


提督「痛い痛い痛い……金剛、ご飯まだ食べてるから…」ウゥ


金剛「提督は私が嫌いになりましたカー?」ウルウル


提督「いや…そんなことないが……まず離れてほしい…」


あきつ丸「金剛殿!提督殿が困っているであります!」


金剛「提督はぜぇぇぇったいに渡さないネー!!!」ギュウ


龍驤「あぁあぁ…まだご飯食べてるって…」


千歳「何がですか~?」ヨレヨレ


足柄「千歳、あなた飲みすぎよ…」ハァ…


千歳「酔ってませんよ~」フラフラ


足柄「酔ってる人はみんなそう言うわ」


大淀「……………………」フルフルフル


大淀「あの!私も提督に一生ついていくと誓いました!!」


シーン


提督「…………は?」


金剛 ノソリ


金剛「どういうことデスカ…大淀……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


大淀「私は!昔から提督のことが気になっていまして…その……誠に勝手ながら好意を………」カァァァ///


提督「………………」


あきつ丸「仕事に私情を持ち込むのはよくないであります!」グワ


龍驤・鈴谷・足柄・提督「え!?厳し…」


金剛「大淀……最後に言い残すとこはないデスカ…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


大淀「ひぃぃ!?」泣


鳳翔「ちょっと待って下さい!」


全員 ピク


鳳翔「それなら私も……」フルフルフル


鳳翔「私も提督さんを…その…すす…えぇと……あのぉ………す、すすす……す!キデシタ………」カァァァァァァ///


龍驤「あぁ…最後何て言うた?聞こえんかったわ…」


鳳翔「え…え!?」


足柄「最後らへんから聞き取れなかったわ…」


鳳翔「え、えぇと………そのぉ…」


全員「そのぉ?」


鳳翔「すす……す……えぇ………はうぅ…」バタン


全員「「鳳翔さん!?」」


提督「ちょっと!大丈夫ですか!?」ユサユサ


鈴谷「ヤバイよ!」アワアワアワ


龍驤「おーい!大丈夫かー!!」アワアワアワ


足柄「一旦布団に運んだほうがいいんじゃない?」アワアワアワ


提督「そうだな…」ヨイショ


鳳翔「 」


提督「誰か水とか持ってきてくれ」


大淀「わかりました!」サッ


提督「大丈夫ですか鳳翔さん!」ダッ


鳳翔「はぁ……ぁ……ぁ……」思考停止


足柄「なかなかヤバそうね」


提督「早く寝かせよう」ダッ


鳳翔(はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)


鳳翔(提督の……お姫様抱っこ……)シュゥゥ…


~~~~~~~~~~~~~~~~~

食堂


提督「ふぅ…………」


足柄「大丈夫だった?」


提督「あぁ…ひとまず安心だ」ヨイショト


提督「しかしどうして急に倒れたんだ……働かせすぎちゃったのかな……」


足柄「心配ね……」


提督「そう言えばみんなは?」


足柄「それぞれの部屋に帰ったわ」


提督「そうか………」


足柄「…………………」


提督「…………………」


足柄「て………」


提督「ビールが飲みてぇ…』


足柄「え?」


提督「帰ってきてからまだ飲んでないからな~」


足柄「そ、そう…冷蔵庫にはないの?」


提督「ビールはまだ補給してない…」トホホ…


足柄「そう…」


提督「…………………」


足柄「ねぇ提督…ありがとね…」


提督「何がだ?」???


足柄「ここにいてもいいって言ってくれたことよ!勘が悪いわねぇ…」ムス


提督「そんな怒らんでも……」


足柄「せっかくお礼を言おうとしたのに!これじゃあ雰囲気つぶれたじゃない!」


提督「いや……主語がないからさ…」


足柄「もう…」プンスカ


提督「まぁ、別に大した問題が起きたわけでもないし…足柄もなんだかんだで俺達といるのが楽しくなってたんだろ?」


足柄「ま、まぁ……」///


提督「そりゃ、スパイ失格だ」ガハハハハ


足柄「なっ………」ムカ


ゴチーン!!


足柄「私だって大変だったのよ!」フン


提督「痛ぇ………………」シュゥ…


足柄「…………もし、私のせいで作戦が失敗してたら……提督は私を憎む?」


提督「はぃ?それは もし の話だろ?別にそうなってないんだからいいじゃん」


足柄「た!と!え!ば!の話よ!ホント、あなたって男は!」プンスカ


提督「なんなんだよ……」


提督「そうだな。失敗したらお前を憎むだろうな」


足柄「そう…」


提督「あぁ…」


足柄「………」


提督「………」


足柄「………終わり?」


提督「え?あぁ」


足柄「え…でも…それでもとか…ないの!?」


提督「はぁ?大丈夫か足柄?何か今日は元気だな…」


足柄「し、失礼ね……」フン


提督「???」


足柄「…………あぁ!もうぅ!!!」ガタン


提督「なんだよ急に!?」ビクッ


足柄「これじゃあらちが明かないわ!」スッ


提督「はぁ???」


足柄「提督!」バッ


提督「だからな…」バッ



「 」



提督「ん?ん?ん?ん?」ムッ…


足柄「…………………」


足柄「プハァ……………」


提督「な!?足柄さん!?」///


足柄「……はい!じゃあおやすみなさい!」バッ


提督「え?え!えぇ??」///


スタスタスタスタスタ


提督「………………………」


提督「キ、キス………サレチャッタ…………」


~~~~~~~~~~~~~~~~~


バタン!


足柄「ふぅ…………」


布団 ボフッ


足柄「私ったら何してるのよぉぉぉ!?!?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日 司令室


あきつ丸「今日の秘書は自分であります!よろしくお願いするであります!」ビシ


提督「んん…」ポカーン


あきつ丸「むっ………」ムッ


提督「………」ポカーン


あきつ丸「提督殿!朝からそんなのでは立派な軍人にはなれないでありますよ!!」


提督「ん?……そうだな」ポカーン


あきつ丸「むぅ………」


コンコン


大淀「おはようございます提督…今日の……提督?」


あきつ丸「聞いて下さいあきつ丸殿!今日の提督殿はいつもにまして変であります!」


大淀「えぇ!?これ以上変になられたら困ります…」


提督「おぃ…それはひどくないか」スッ


あきつ丸「起きたであります!」


大淀「まったく…どうしちゃったのですか?何だか上の空~って感じでしたよ」


提督「そうか?まぁ…ちょっとな」///


大淀「どうしてそこで照れるんですか…」ハァ…


コンコン


龍驤「入るで~…って、どないしたんや?」


あきつ丸「聞いて下さい龍驤殿!提督殿が変であります!」


龍驤「なんやいつものことや」サラ


提督「みんなひどくないか?」ズキ


龍驤「ほら普通や」


提督「で、どうしたんだ?」


龍驤「補給物資の確認書類持ってきたんや」ハイ


提督「ご苦労さん」ハイ


龍驤「…………………」


龍驤「そういえばさっき足柄が…」


提督「なにぃ!?」ガタン


龍驤「なんや!?びっくりするやろ!!」ハァ


提督「あ…いやすまん……」


あきつ丸「今日の提督殿はどこか変でありますよ?休むでありますか?」


提督「いや……いい」ハァ


大淀「で、足柄さんがどうしたのですか?」


龍驤「そやそや、さっき足柄と廊下ですれ違ったんやけどな…」


龍驤「なんかずぅぅっと唇触りながらヘラヘラしてたけど何かあったんか?」


提督「ん??ん???」


あきつ丸「どこか具合でも悪いのでしょうか…」ウゥン…


大淀「ちょっと心配ですね」


龍驤「まぁ、ヘラヘラしてたから大したことやないやろ」


提督(大したことです…)


~~~~~~~~~~~~~~~~~

その晩 あきつ丸自室


バタン


あきつ丸「ふぅ~…今日も疲れたであります」ウゥン!


あきつ丸「やはり秘書官となると大変でありますな…」


あきつ丸「そう言えば将校殿にあれから一度も会ってないでありますな…」バサ


あきつ丸「………よし!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日


龍驤「なんや今日は大丈夫そうやな」


提督「さすがに二日は引きずらん」


龍驤「引きずる??」


提督「あ…いや、何でもない」


コンコン


鈴谷「ちぃーす提督ー!」


提督「おぉ、どうしたんだ鈴谷?」


鈴谷「大淀さんに頼まれて手紙を持ってきたよ~」ハイ


提督「おぉ、ありがとな。……………む」


龍驤「なんや誰からや?」


提督「本部……元帥殿からだ」ペリ


提督「………………………………むむ!?」


鈴谷「どうかしたの?」


提督「………………………こりゃまた……」


龍驤「なんや気になるやんか」ムス


提督「こりゃまた忙しくなる」バサ


提督「ちょっと大淀のとこに行ってくる」


鈴谷「え!?手紙は…」


バタン


龍驤「何て書いてたんやろ」


鈴谷「めっちゃ気になる…」


龍驤「読んでみよか」バサ


鈴谷「え?いいの?」


龍驤「別にええやろ」ニカァ


鈴谷「そうだね~」



龍驤・鈴谷「「……………………んな!?」」



~~~~~~~~~~~~~~~~~


スタスタスタスタスタ


足柄「な!て、提督……」サササ


提督「おぉ、足柄…」


足柄「えと……この前は……その……」モジモジ


提督「至急全員を集めてくれ。頼んだ」


足柄「え?えぇ、わかったわ…」


提督「頼んだ」スタスタスタスタ


足柄「どうしたのかしら?」


提督「あぁ…そうだ……」


足柄「何?」


提督「別にあの時はいきなりだったから……その……嫌ってわけじゃないからな……」ポリポリ


足柄「え?」


提督「あのことだ!じゃあな」


足柄「え、えぇ…」


足柄「……………………」


足柄「………………ヤッタァ♪」クス



~~~~~~~~~~~~~~~~

司令室


提督「えぇ……テステス……」キーン


全員「ぎゃっ!?」ウゥ


龍驤「別に拡声器いらんやろ…」


千歳「十分聞こえますよ…」


提督「そうか?ならいい」


金剛「今日は何のお話デスカー?」ワクワク


あきつ丸「とうとう本部に行く決心がついたのでありますね!!」キラキラキラキラキラキラ


提督「いや、それはない」


あきつ丸「………むぅ」


龍驤「で?何の話なん?」


大淀「とっても重要なお話です!」


鈴谷「鎮守府終了のお知らせとか?」


提督「そうだ」



全員「「えぇ!?!?」」



提督「嘘だ」



全員 ズコーッ!


千歳「ホントかと思いました…」ホッ


龍驤「ほんまびっくりするわ…」ヤレヤレ


足柄「で、本題は?」


提督「えぇ…この度、我が鎮守府に新しい艦娘が着任します。はい!拍手!!」


金剛「本当デスカ!?」パァ


龍驤「今度はしっかりした娘がええな……」


千歳「また賑やかになりますね」ウフフ


雪風「どんな娘が来るのですか!」


提督「海外出身の娘だ」


あきつ丸「海外でありますか!?」


金剛「これは私に任せて下サーイ!!これでも私はイギリス産まれネ!」エッヘン


提督「そりゃ心強い。じゃあ、金剛にまかせようかな」ニヤニヤ


金剛「はぁい!!」キラキラキラキラキラキラ


提督「ちなみにイタリアから来るそうだ」ニヤニヤ


金剛「イタリアですカー!」ニコニコ


龍驤「また意外やな…」


足柄「きっと素敵な娘なんでしょうね」


千歳「イタリア…」


あきつ丸「イタリア…」


鈴谷「イタリア…」


雪風「いたりや…」


金剛「イタリア……」


金剛「………………」


金剛「WHAT!?イタリアデスカ!?!?私はイタリア語できないデース!!!」アタフタアタフタ


提督「大丈夫大丈夫。金剛ならなんとかなる」スッ


金剛「できないデース!私、イッタリア語わっかりまセーン!!!」


大淀「ちなみに姉妹で来るそうです」


金剛「Why!?」


提督「大丈夫。金剛ならきっと大丈夫。頑張ってくれ」サッ


金剛「そんなぁ……」



龍驤「提督…全部金剛に丸投げやな…」ヒソヒソ


足柄「見てよ提督の顔… 計画通りって感じね…」ヒソヒソ


千歳「さすがですね…」アハハ…



提督「はいじゃあこれで解散!」


金剛「そんなぁ~…」


あきつ丸「金剛殿!大丈夫であります!自分も手伝うであります」


金剛「ありがとうございまぁす!」


提督「三日後の予定だ。鎮守府の案内とかは頼んだぞ」


金剛「仕方ないネ…」


あきつ丸「頑張りましょう!」グッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~


拝啓 将校殿


お元気でありますか。

こちらは今、とても賑やかであります。

一時はどうなるかとひやひやしたでありますが、前と変わらない賑やかな鎮守府に戻ったであります。

最近は新しい艦娘が来てさらに賑やかになり、毎日宴会が開かれているであります。

提督殿は、最近ワインの消費量が鎮守府の資金の半分をしめたと頭を抱えています。

着任当時はどうなるかと心配で苦しい時もありましたが、今はこの鎮守府に着任したことを誇りに思うであります。

将校殿もお身体にはお気をつけ下さい。


あきつ丸


PS

資金援助求ム 提督


ーーーーー


将校「うまくやってるようだな」ウム


陸軍大佐「提督殿もお元気で何よりです」


将校「あの戦の後に海軍はガラッと変わったが、ここはいつまでたっても変わりそうにないな」


陸軍大佐「あの提督殿には堅苦しい所は似合わないでしょう。一緒に戦ってつくづく思いました」フフ


将校「そう言えばそうだったな。しかし君も大出世だな!」ハハハ


陸軍大佐「まさか隊長から師団長になるとは思いもしませんでした…」


陸軍大佐「提督殿と戦えたことは一生の誇りです」


将校「これからも頼んだぞ」


陸軍大佐「はい。……一つ気になることがあるのですが…」


将校「なんだ?」


陸軍大佐「資金援助はなさるのですか?」


将校「いや、しないよ~?うちもなんだかんだこの前の戦で大出費だったからねぇ~。一銭もないんだなこれが」ガハハハハ


陸軍大佐「そ、そうですか……」アララ…


~~~~~~~~~~~~~~~

鎮守府


大淀「と言うことで、次の予算が出るまで後半年もあるのにたいし、鎮守府の資金が後四割しかないと言う今だかつてない状況に陥っていますが……どうされますか?」


提督「……………………」ズーン


龍驤「こりゃまずいな…」


千歳「半分切っちゃいましたもんね~…」


提督「将校殿からの資金援助もなし……元帥殿もなし………どう考えても残りの資金で全員養っていけるわけがない……」ズーン


龍驤「こりゃ大問題やな…」


大淀「このままですと餓死者が出るかも…」


提督「元はと言えばあのイタリア娘が悪いんだぞ……特にあの妹の方だ!あいつが毎日毎日ワインを飲んで新しくすぐに注文しやがる……自分で買えってんだ!!」クソッ


龍驤「妹もやけど、姉も飲んだらすごいで…妹越えてるかも…」


提督「なんなんだよ!イタリア人は水の変わりにワイン飲んでるのかよ!!」ウガァァ


大淀「お、落ち着いて下さい!」アセアセ


千歳「しかしどうするのですか?これじゃ本当に餓死者が出ますよ?」


提督「……………………」


提督「………………仕方ない」スッ


龍驤「なんや。考えでもあるんか!?」



提督「今から全員で釣りやるぞ」



龍驤「はぁい???」


千歳「つ、釣りですか!?」


提督「食品からまずは食い止める。これからは自給自足だ」ドドン!


大淀「そんな……」


ガチャ


あきつ丸「失礼します提督殿!………って、皆さん深刻な顔で…どうかされたのでありますか?」オロオロ


提督「あきつ丸。釣竿を持て……今から出撃だ」


あきつ丸「つ、釣竿でありますか!?いったい何に…」


龍驤「晩御飯やて…」


あきつ丸「え?」


千歳「これからは自給自足ですよ♪」


あきつ丸「え?」


大淀「仕方ありません…」ハァ


あきつ丸「え?そんなまさか…」


バタン


足柄「話は聞かせてもらったわ!」


鈴谷「鈴谷も釣りするー!」


雪風「晩御飯をいっぱい釣ります!」


金剛「釣りならまかせて下サーイ!」


鳳翔「新鮮なお魚もいいですね♪」グッ


足柄「ワインにはもう飽きたわ…そろそろビールが飲みたくなってきたとこだし、魚を売ってビールでも買いましょ!」


千歳「そしたら、艤装に網をつけてはどうでしょうか!」


龍驤「なるほど。沖合い漁か」ポン


大淀「それなら大物が釣れますね」


雪風「まぐろが食べたいです!」ワクワク


あきつ丸「いやいやいや!い、いいのでありますか!?そんなことしていいのでありますか!?」オロオロ


足柄「仕方ないじゃない。食べるものがないと生きていけないわよ」サラ


龍驤「ま、そゆことや」


あきつ丸「えぇ…???」イャ…


提督「飲み込みが早くて助かる。と、言うことで今日の任務は晩御飯調達だ!しっかり頼んだぞ!」


全員「「おー!!!!」」


あきつ丸「なっ…………」



あきつ丸(将校殿…自分はまだこの鎮守府に完全に馴染めそうにありません…)



あきつ丸「まったく………」



あきつ丸「理解できないであります!」ウガァァ






後書き

これにて 理解できないであります。 完結です。
長い作品でしたが、コメントや評価、そして最後まで読んでいただきありがとうございました。
またどこかでお会いしましょう。

よろしければ評価・コメント等もよろしくお願いします。
又、こんな話も読んでみたいなどのリクエストも受け付けております。
(書くかは内容とその時の気分次第です…)


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2022-06-09 12:26:28

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GABAさんから
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このSSへのコメント

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1: SS好きの名無しさん 2019-07-14 01:38:13 ID: S:nveKhu

すこすこのすこやで

2: SS好きの名無しさん 2019-07-14 12:33:36 ID: S:AAyAlB

こういうの大好き。
めっちゃ面白い。

3: SS好きの名無しさん 2019-07-21 10:26:43 ID: S:CWDfXQ

やっとウキウキする展開で嬉しい

4: SS好きの名無しさん 2019-09-02 11:45:07 ID: S:7007Oz

はぇ〜すっごい面白い.....

5: SS好きの名無しさん 2019-09-08 13:19:56 ID: S:sQ62yZ

完結お疲れ様です。とても楽しませて貰いました...
次回作も(あるなら)絶対読ませて貰いますので楽しみにしてますd(˙꒳​˙* )


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1件オススメされています

1: SS好きの名無しさん 2019-07-02 20:09:02 ID: S:WO7So7

楽しみー(*˘︶˘*)✨✨✨


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