2019-08-10 20:45:34 更新

概要

突然異世界召喚された鳳翔さん、味を広める事を使命と知った彼女はこの世界の味を広めるべく奮闘するドタバタコメディである。




王宮での一件以来、鳳翔の居酒屋には巨大な柵が作られ、目を覚ました鳳翔が窓を見ると





鳳翔

「はぁ・・・夢ではないのですね、困ったわ・・・どうしたらいいのかしら・・・。」



ファブラ

「おはようございます。」どこからともなくヌッ



鳳翔

「きゃっ!?ファブラさん!どこから現れて・・・」



ファブラ

「失礼しました、それでは鳳翔様、本日のご予定をご連絡しにまいりました」メモ帳パッ



鳳翔

「ちょっちょっとまってください!」



ファブラ

「何かありましたか?」



鳳翔

「あのですね、私の居酒屋前にあるこの柵は一体なんですか!?」



ファブラ

「あ~、王が鳳翔様のイザカーヤ?の周りを守りを固めろとの事で、鳳翔様が就寝なされたのと同時に作らせていただいたのです」



鳳翔

「そういうの非常に迷惑なのですが、何故一言言ってくれなかったのですか?」



ファブラ

「ご提案をして許可してくださいましたか?」



鳳翔

「確かにそれは・・・しませんが・・・。」



ファブラ

「それと鳳翔様、私から一つ謝罪したいことがあります」



鳳翔

「謝罪・・・ですか?」



ファブラ

「はい、王は食戦争しかなく、血も流さない平和な戦争だと仰った事覚えておりますか?」



鳳翔

「はい、王様は確かにそう言いましたが、それが何か?」



ファブラ

「実は、あれは真っ赤な嘘ございます・・・。」頭サゲー



鳳翔

「・・・どういう事ですか?」



ファブラ

「そのままの意味でございます、この世界では、鳳翔様と同じ血を流す戦いがあるのです、人が死に、領地を奪われる事が当たり前の世界なのです、おそらく王は、鳳翔様を怖がらせない為の必死の嘘をついたんだと思います」



鳳翔

「嘘と言われましても・・・。」



ファブラ

「確かに、鳳翔様の世界にも戦争と言う物があるのは知っています、しかし、この世界は異世界、貴女様の世界の戦争とは違います」



鳳翔

「ちなみになのですが」



ファブラ

「鳳翔様がお尋ねしたい事はわかります、魔法でございますよね?」



鳳翔

「はい、私の世界では魔法というのはありません、一体どのような魔法があるのですか?」



ファブラ

「まず私が使った召喚魔法は勿論、攻撃から防御などと幅広くあります」



鳳翔

「・・・。(という事は本当に私はファンタジーの世界へ召喚されたという事かしら・・・。)」



ファブラ

「鳳翔様の世界では、どのような力があるのでしょうか?」



鳳翔

「私達の世界では・・・。」




鳳翔が居た世界と艦娘という人物達の説明を一通りし、ファブラは思いがけない顔をしつつ




ファブラ

「つまり、魔法と艦娘?というのが居ないだけで、ほとんどが私達の世界とほとんど変わらないという事でいいのでしょうか?」



鳳翔

「そういう事になります」



ファブラ

「つまり、鳳翔様は・・・。」



鳳翔

「私は、鳳翔型 1番艦 軽空母 鳳翔 と言います」



ファブラ

「なんと・・・貴女もその艦娘の一人・・・っと・・・。」



鳳翔

「そういう事です、それともう一つだけいいですか?」



ファブラ

「何なりとご質問ください」



鳳翔

「味が無い事で料理の味を広めるという条件は変わらないのでしょうか?」



ファブラ

「あっ、それは嘘偽りなく本当の事です、鳳翔様にはこの街の味を広めるという事は事実になります」



鳳翔

「分かりました、とりあえず納得しましたが、本当に私を帰してくれるのでしょうね?」



ファブラ

「もちろんでございます、ただし、この街の味を広めるという任務が終わり次第必ず元の世界へお返しいたします」



鳳翔

「分かりました」




グゥゥゥゥゥ~~~・・・・



鳳翔

「あら?」



ファブラ

「ぁ・・・・・・。」カオマッカ



鳳翔

「朝ごはんに致しましょう、そのご様子ですと、昨日から何も食べていないようですね?」



ファブラ

「申し訳ありません、柵を作成するのに忙しくて食事と取る暇がなくてですね・・・。」



鳳翔

「それでは、下に降りて朝ごはんに致しましょうか、衛兵さんはいらっしゃらないのですか?」



ファブラ

「柵の入り口に2名待機しております」



鳳翔

「彼等も徹夜で?」


ファブラ

「はい、彼等含め数十名で作業を進めておりました、現在は私含め3名です」



鳳翔

「そうですか、それでは、お二人の分も作りましょうか」



ファブラ

「いえ、お気持ちだけで十分でございます」



鳳翔

「年頃の男性がそんな事を言ってはいけませんよ?朝食べなければいつ食べるのですか!力が出なくて倒れられて迷惑かかるのは貴方ではなく皆さんなのですよ!」



ファブラ

「その・・・・・・・・・はい・・・それではそれではご厚意に甘えさせて頂きます・・・。」




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厨房に入り手を洗いエプロンを付け調理の仕度をしていると




ファブラ

「あの鳳翔様?」


鳳翔

「はい?」


ファブラ

「この料理はなんでしょうか?」


鳳翔

「あぁ、この料理はこちらの世界へ来るときに私の最あ・・・・コホン・・・信頼している方の為に作らせていただいた、カボチャの煮物、イカのゲソ唐揚げです。」


ファブラ

「カボチャ・・・イカ・・・・ですか・・・なるほど・・・。」


鳳翔

「・・・・召し上がってみますか?」


ファブラ

「え?あぁいやその・・・。」グゥゥ~~~・・・・


鳳翔

「ふふっそれでは、このお料理もお出ししましょうか、それに、元の世界へ帰る時までこの状態のままにする訳にはいきませんからね」


ファブラ

「・・・申し訳ありません・・・。」カオマッカ


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冷蔵庫から梅干し豚バラほんだしを取り出し



ファブラ

「おぉ・・・その銀の扉から食材が・・・」


鳳翔

「これは冷蔵庫という物です」


ファブラ

「冷蔵庫?」


鳳翔

「腐りやすい物、傷みやすい物を保存しておく棚っと言ったら分かりやすいでしょうかね」


ファブラ

「ほぉ・・・素晴らしい技術ですね・・・しかし、鳳翔様、これから作る料理は肉料理ですか?」


鳳翔

「いいえ、これは私がまだ人間だった頃、母に作ってもらった朝ごはんです、というよりは、スープと言ったほうが分かりやすいですね」


ファブラ

「スープですか!楽しみです!」


鳳翔

「あとは・・・ん~・・・そうですね・・・あっ!あれも使いましょ!」


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パンッと何かを思いついたかのように上の棚から白ごま 海苔を取り出し



ファブラ

「その黒い紙はなんですか?」


鳳翔

「これは海苔と言って海藻を乾燥させて作る料理素材です、そのままでも美味しいですよ」


ファブラ

「なんと・・・これが海藻ですか?」


鳳翔

「実際に制作工程は見たことが無いのですが、特別難しい事はしていないと聞いたことがあります、なので皆さんも制作に工夫をしていけば作れるはずですよ」


ファブラ

「う~む・・・にわかには信じられませんが、鳳翔様の仰ることです、信じましょう」


鳳翔

「それでは、調理開始です!」


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カチャカチャ・・・・



チッチッチッチッチッチッチッボッ・・・・


トントントントントントン


カチャン・・・


ジャーーーッ





数十分後・・・。





鳳翔

「ファブラさん」


ファブラ

「ん?はい」


鳳翔

「柵の入り口で待っているお二人をお呼びしていただけますか?」


ファブラ

「ついに完成したのですね!」


鳳翔

「はい、朝はこれが一番です!」


ファブラ

「それでは!二人を呼んでまいります!」


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数分後・・・。



衛兵A

「し・・・・失礼します・・・。」オソルオソル


衛兵B

「します・・・・。」オソルオソル


鳳翔

「いらっしゃいませ、あら・・・本当にそのご様子だと朝から何も召し上がってないのですね」


衛兵B

「あ・・・あははぁ・・・・」


鳳翔

「ダメですよ!王宮を守る人間がそんな事では!」プンスコ


衛兵A

「も・・・申し訳ありません・・・。」


ファブラ

「まぁまぁ(汗)、それでは、朝食に致しましょうか、鳳翔様のお店でのお客第一号として」


鳳翔

「それでは、カウンターの席へどうぞ」


衛兵A

「本当にいいのかな・・・。」


衛兵B

「まぁ、鳳翔様のご厚意だし断るわけにもいかないしな・・・それに腹減ったのは本当だし・・・。」



コトッ


コトッ


コトッ



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3人の前に並べられたスープとライス、カボチャの煮物、イカのゲソ揚げが出される



衛兵A・B・ファブラ

「おぉ・・・」


鳳翔

「さぁ、朝ご飯に致しましょう!」


ファブラ

「それでは失礼して」ヨダレジュルリ


衛兵A

「やべっ・・・涎がヤバイ・・・。」


衛兵B

「香りがすげぇ・・・俺はこのスープから・・・・。」



ズズッ


ズズズッ


ズズッ




ファブラ

「っ・・・・。」


衛兵A

「わぁ・・・・」


衛兵B

「美味しい・・・いや美味しいだけじゃない!スープは濃厚でもなく味も優しい」


ファブラ

「昨日食べたビーフシチューもそうですが、このスープは全く違う!」


衛兵A

「スープを一口啜っただけなのにこの優しく包み込まれるこの感じはまるで・・・。」


ファブラ

「母の手のぬくもりの様な物を感じますね」


衛兵A

「それだけではありませんよ!この贅沢な厚切りポング!朝食でポングを食べるのは初めてだ!」


鳳翔

「ファブラさん?ポングとは?」


ファブラ

「ポングとは・・・え~・・・っと・・・この切り身の事を言いますね」


鳳翔

「豚バラですね、豚バラはポングっと・・・・」メモ帳を出し書き写しつつ


衛兵B

「鳳翔様?」


鳳翔

「なんでしょうか?」


衛兵B

「この四角いフォロットは何という料理なのでしょうか?」


鳳翔

「フォロット・・・・あぁ、カボチャの事ですね、これはカボチャの煮物です、甘くておいしく出来上がったので、よかったら食べてみてください」


衛兵A

「んじゃ!俺いっちば~~ん!」


衛兵B

「んあ!?ずりぃ!」


ファブラ

「それでは私も」



パクッ


パクッ


パクッ



ファブラ

「甘い・・・そして柔らかい・・・。」


衛兵A

「これがあのフォロット!?こんな柔らかいのは食べたことがない!」


衛兵B

「それでいてまた食べたいという気持ちが沸いてくる!食べたいという衝動がこんなに湧き出るのは初めてだ!!」ガッガッガッ


鳳翔

「ふふふっ皆さんのお口に合ってよかったです、それでは、こちらもどうぞ」イカのゲソ唐揚げを出し


ファブラ

「さて・・・私にはこの料理が一番気になっていたものですね」


衛兵B

「鳳翔様、これはなんて料理なのですか?」


鳳翔

「イカのゲソ唐揚げと言う物です、この世界ではイカというのは何とお呼びするのかは分かりませんが、今回は実物が無いので今回は説明なしです」


衛兵A

「いっただきぃ!!」パクッ


ファブラ

「コラッ!はしたないぞ!」


衛兵B

「んじゃ俺も!!」パクッ


ファブラ

「ぬぬぬ・・・アグッ」パクッ


衛兵A

「なんだこの料理・・・。!」


衛兵B

「モッチリとしてゲソと呼ばれる物がモチモチとした食感に!」


ファブラ

「噛めば噛むほど広がる香ばしい香りが口いっぱいに広がっていく!」



うまあああああああああああい!!!!!!!


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カチャカチャカチャッ


ジャーーーッ・・・・・キュッ





衛兵A

「・・・・Zzz・・・。」


衛兵B

「んん~・・・もう食べれまs・・・Zzz」


ファブラ

「すぅ・・・・・すぅ・・・・」


鳳翔

「皆さんお疲れのようですね、毛布を持ってこなくちゃ!」二階に上がり






カラカラカラカラ・・・・


スッ・・・・スッ・・・・



ゴソゴソゴソ・・・・





鳳翔

「よいしょっと・・・ん?」目を細め




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外には料理の匂いを嗅ぎつけたのか、貴族から平民の民衆が鳳翔の店に囲むように現れ、なんだなんだ?やこの匂いなに?などという会話が飛び交っている






鳳翔

「あらぁ・・・どうしましょ・・・。」毛布を持ち上げながら







貴族

「む!?見ろ!上の階にだれか居るぞ!」指差し


平民

「あの人がこの家の主じゃないのか!?」


貴族

「そうなるとあのお方が召喚者様じゃないのか!?」


ガヤガヤ


ワイワイ



鳳翔

「さらに大変な事になりましたね・・・。」



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1階へ戻り




ファサ・・・・


ファサ・・・・


ファサ・・・





衛兵A

「んぁぁ~・・・Zzz」


衛兵B

「きょうも~・・・異常ありm・・・・Zzz」


ファブラ

「Zzz・・・。」



鳳翔

「ふふっ寝ながらでもお仕事とは、関心致します、さて・・・問題は外の方々ですね、他の衛兵の方々は何しているのでしょうか」



そういうと、鳳翔は入り口扉をソロォ~っと開け、外を覗くと




鳳翔

「っ!?これは・・・・。」




女平民

「大丈夫よ・・・きっとお話しだけでも聞いてくださるわ・・・。」


平民の子

「ママーお腹減ったぁ・・・」


男貴族

「邪魔だ平民共!」グイグイ


男平民

「おい!やめろよ!先に並んでいたの俺達なんだぞ!」




ガヤガヤ


ギャーギャー




鳳翔

「一体これは・・・。」


ファブラ

「そう、これが現在共和国が抱えている問題なのです・・・。」


鳳翔

「あらファブラさん、起しちゃいましたか?」


ファブラ

「いえ大丈夫です、それより失礼いたしました。まさか寝てしまうとは・・・。」


鳳翔

「疲れれば誰でも眠気には勝てませんよ」


ファブラ

「ですがこれは・・・。」


鳳翔

「そういえば、今朝きょうの予定とかをなんとか・・・・。」


ファブラ

「あっそうでした、今日のお昼から王宮にて今後との連絡と現状この後の行動等の会談がございました、しかし、この状況では・・・。」


鳳翔

「・・・・ファブラさん、貴族の方と平民の方との違いを教えてください」


ファブラ

「と言いますと?」


鳳翔

「よく見てください、貴族の方は味は無くとも、容姿の方はとても普通の女性男性の方々です、しかし、平民の方々はやせ細り、衣服も全てボロボロです」



ファブラ

「・・・・・。」


鳳翔

「彼等に食事を提供します。」


ファブラ

「え・・・鳳翔様?」


鳳翔

「なんでしょうか?まさか平民の方々には何も提供するな、何てひどい事は言いませんよね?」


ファブラ

「あっいえ、そういう事ではなく、会談の方を最優先にされたほうがよろしいかと、彼等の対応はその後でもよろしいのでは?」


鳳翔

「・・・・。」



しばらく悩んだ後、鳳翔は



鳳翔

「分かりました、それでは先に王宮へ会談をした後、王宮の厨房をお借りいたします。」


ファブラ

「ですが・・・。」


鳳翔

「ですがなんですか?」


ファブラ

「いえ・・・何でもございません」


鳳翔

「お腹を減らしている方々を見逃すほど私は残酷ではありません、それでは、衛兵の皆さんを起こして・・。」


衛兵A

「既に起きております」ビシッ


衛兵B

「元より!」ビシッ


鳳翔

「お二方はもう大丈夫ですか?」


衛兵A

「はい!というより・・・大変お見苦しい所を・・・。」


衛兵B

「鳳翔様のお作りになられた朝食等を食べたとたんに睡魔には勝てなく・・・。」


鳳翔

「うふふ、それはよかったです、それでは、乱暴はダメですよ、道を開けてほしいだけですので」


衛兵A・B

「はっ!」




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扉を開けると、おぉー!という声と共に




女平民

「あの!召喚者様!お恵みを・・・!」


男貴族

「えぇい!汚らしい手で召喚者様の邪魔をするでない!」ゲシッ


女平民

「キャッ!」


男平民

「ッにしやがるクソ貴族がぁ!!」掴みかかり


男貴族

「なっ!」掴みかかられ


ファブラ

「静まれええええええええええ!!!!!」



ビクッ・・・・



シーン・・・・・



ファブラ

「これより!召喚者様が王宮に向かわれる!!道を開けよ!邪魔をする者は処罰にあt」


鳳翔

「ファブラさん!!!」


ファブラ

「・・・・あ・・・・」ヤベッと口に手を当て



乱暴にするなと言う事を忘れていたファブラに対し、鳳翔が食って掛かる



鳳翔

「・・・・よくわかりました・・・共和国の現状が・・・」


ファブラ

「申し訳ございません!!」フカブカー



民衆の前に鳳翔が立ち



鳳翔

「皆さん!私がこの世界に召喚された鳳翔です!これから王宮に会談に行かなければなりません!お話は会談の後にお聞きいたしますので!一度解散していただけませんでしょうか!?」



大声と共に、そうだよな、確かにこれは、という声が聞こえてくる



衛兵A

「召喚者様のご命令である!召喚者様の邪魔をしてはならん!道を開けよ!」



衛兵の一人が言うと、道が開き



ファブラ

「それでは鳳翔様・・・。」


鳳翔

「この会談で決めなければならない事ができましたね・・・。」


ファブラ

「それは一体?」


鳳翔

「それは内緒です、会談でお話いたします」



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人々が分かれ作られた道を歩き、しばらくすると王宮前の階段近くにて





ファブラ

「それではお二人は鳳翔様のお店にていつものように警備をお願いいたします。」


衛兵A・B

「はっ!」


鳳翔

「それでは行きましょうか」


ファブラ

「少々時間の方が掛かってしまったので、なるべく急いでいk・・・・ゲッ!?」


鳳翔

「ん?どうしました?」



ファブラの目の先には、最初王宮に来たときに居た初老の執事がものすごい顔で立っており



ファブラ

「参りましたね・・・・。」青ざめ


鳳翔

「一体どうしたのですか?」


ファブラ

「あの人はとても時間には煩いお方ででして・・・。」


執事

「会談一時間前にはお部屋の中にいるようにと仰ったのをお忘れですか?貴方は何故そうも時間にルーズなのですか!!」


ファブラ

「あの・・・その・・・。」


執事

「言い訳は無用です!!一体何度叱られれば理解するのですか!」


ファブラ

「はい・・・すいません・・・。」


鳳翔

「あの・・・・。」


執事

「これはこれは召喚者様・・・急なご無礼失礼いたしました。」フカブカー


鳳翔

「いえ!そんなことは!ほぼ遅れたのは私のせいでもありますから・・・。」


執事

「と言いますと?」


鳳翔

「私の店の前に柵がありますよね?実は丸一日何も口にしていない上、睡眠もとっていないとのことだったので、休憩がてら朝食をご提供させていただいたのです」


執事

「・・・・ほぅ・・・・。」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


鳳翔

「いけませんでしたか?彼らは衛兵という王宮を守る人々、食事と睡眠は人にとっては大切な行動です、私が取った行動は、彼らに感謝とお疲れ様でしたと言う事を含めての提供だったのですが」ズィッ


執事

「・・・・いえ・・・・別に悪かったなど言うつもりはありません、しかし、王のお時間と言うものもございますので、お時間の方はきっちり守っていただきたく・・・。」


鳳翔

「それは・・・本当に申し訳ありませんでした、どうしても、疲労でフラフラしていた彼らを見逃すことができなかったのです」


執事

「・・・そのお心遣いには大変感謝いたします・・・それでは、そろそろ参りましょう」


鳳翔

「はい、お願いいたします」


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執事に案内され、怒られてシューンとしているファブラと共に、談話室へと向かい




執事

「こちらが会談をいたしますお部屋となります」そういう扉を開ける



中には王以外既に数名の人たちが座っており、鳳翔見て、おぉー!という声が上がる



兵士長っぽい男

「ふむ・・・なるほど・・・。」


太っていて鳳翔の体をジロジロ見る男

「なるほどなるほど・・・う~む・・・。」ニヤリ


魔導士の様な格好の女

「・・・・。」


若い青年の騎士

「美しい・・・・。」


執事

「それでは、王のご来場までもう少々お待ちくださいませ」フカブカー


鳳翔

「遅れて申し訳ありません、召喚者の鳳翔と申します」


若い青年の騎士

「とんでもございません!こちらの席へどうぞ!」


太っていて鳳翔の体をジロジロ見る男

「平民から来た癖に偉そうに召喚者様に命令するでない!儂の所へ・・・。」不敵な笑みを浮かべつつ


鳳翔

「えっと~それでは・・・・。」騎士の隣の席へ座り


若い兵士の騎士

「エリオットと申します、本日は急な階段とのことで、遠征から急いできたので・・・汗臭くはありませんか?」


鳳翔

「大丈夫ですよ、たとえ汗臭くても貴方はお仕事をして急いでこちらに来たのです、たとえ臭かろうが臭くなかろうが気に致しません」ニコリ


太っていて鳳翔の体をジロジロ見る男

「ぐぬぬぬぅ・・・。」



兵士長っぽい男

「王が来るまで軽く自己紹介しておくとするか、私は近衛兵長を務めています、エルク・スコットと申します。」フカブカー


鳳翔

「よろしくお願いします」フカブカー


鳳翔が頭を下げると周りが騒めく


エルク

「そんな!召喚者様まで頭を下げなくても!」


鳳翔

「そうでしょうか?私の世界では、お互い初めて会った時や人との会話での始まりは挨拶から始まり挨拶から終わるのが普通なのですが・・・。」


エルク

「そう・・・なのですか・・・。」驚き


太っていて鳳翔の体をジロジロ見る男

「儂は大臣のノパック・バタールと申します、以後お見知りおきを・・・。」フカブカー(ニヤリ)


鳳翔

「よろしくお願いします。」フカブカー


魔導士の様な格好の女

「私も近衛兵を務める、リッジ・タイラー・・・よろしく」フカブカー


鳳翔

「よろしくお願いします。」フカブカー


エリオット

「私は王宮騎士長を務めております、エリオット・リャンシーと申します」フカブカー


鳳翔

「よろしくお願いします。」フカブカー



お互い頭を上げ終わったのと同時に入り口の扉が開き




「いや~すまんすまんトイレが長引いての~!」昨日とは違いかなり軽い挨拶をすると


ノパック

「まったく王の会談便秘には参りますなぁ~」


鳳翔

「・・・!?」目を丸くし


エルク

「ところで王よ、一体何を話すんです?軍事関係の話し合いではないのですよね?」物凄い軽口


鳳翔

「・・・・!!!!?」更に目を丸くし


リッジ

「王様は昨日の召喚者様の・・・なんだっけ・・・忘れたけどアレを食べてからすごく機嫌がいい・・・。」


エリオット

「あのスープと言うのは遠くにいた私でも感じました。嗅いだ事もなく、終始お腹が鳴りっぱなしでしたよ」


鳳翔

「あの・・・皆さん?」


うん?という感じに鳳翔に目が行き


鳳翔

「私の中で会談というのはかなり緊迫した空気というイメージしかなかったのですが、普段から皆さんこうなのですか?」



「あ~そうであったな、私が命じたのだ、この場にいる民衆も他の貴族も居ないところでは、普通の男として扱ってほしいとな、と言っても、王じゃなく名前で呼んでほしいのだがねぇ」


エリオット

「ははは、流石にそれは無理難題を」


リッジ

「ならおじさんって私呼ぶ・・・。」


エルク

「それはさすがに不敬だろ」


ノパック

「実際、儂と王と歳は変わらんからなぁ~、お互い同い年だから敬語なんて使うななんて言われた時は死を覚悟しましたぞ」



「えぇ!?何!我はそんな怖い王に見えるのか!?」



一同(鳳翔以外)

「見える」



「えぇ~・・・・?」



鳳翔

「コホンッ・・・。」



「あぁそうだった、さて、今回会談に参加してもらったのは他でもない、彼女、召喚者様の今後の行動についてだ」


ノパック

「ふむ?今後の行動と言いますと?」



「実際の所、軍事利用しないのは勿論承知の上だ、今回の会談では、召喚者様の言葉で決まる、つまり、私の意見が重要視されるのではなく、召喚者様の発言に全てなのだ」



エリオット

「なるほど、我々の意見や条件の話ではなく、召喚者様直接のお話をと・・・。」



「そういう事になる、そういう事だから、召喚者様、いや、いい加減名前で呼ぼうか、鳳翔様、よろしく頼む」


鳳翔

「えぇ!?いきなりですか!?そんな事言われても・・・」


リッジ

「普通前回の会談内容をおさらいしてからの方がいいと思う・・・」


エルク

「ん~・・・いきなり過ぎたかな、どうします?王よ」



「そうだな、前回の会談からの結論からにしよう、マルコ、持ってきてくれ」


執事

「はっ」3枚の書類を渡しまわり



「前回は平民たちの食料不足と一部貴族の問題行為だったな・・・。」


鳳翔

(文字が読めない!!!言葉は分かっても文字は読めないのね・・・。)


ノパック

「んん?この件は去年解決したのではないのでは?」


リッジ

「魔物の量が増えているから近隣の農家が襲われてしまったのが原因」


ノパック

「そっそうなのか・・・しかしだこの状況はいささか・・・。」


鳳翔

「あのぉ・・・。」



「うん?どうしたのかね?」


鳳翔

「先ほど魔物とか聞こえましたが・・・。」


エリオット

「鳳翔様の世界には魔物はいらっしゃらないのですか?」


鳳翔

「はい、というより存在すらしていないですね」


エルク

「なんと・・・魔物が居ない世界とはなぁ」


リッジ

「退屈そう・・・。」


鳳翔

「まぁだから人間同士の戦争があったりするんですけどね」




鳳翔にとっては退屈な話し合いが続き、報告が終わった後




「ふむ、現在の状況はこんなものか、なんだかいざ話し合いや報告をしあうとまだ手付かずな所があるな」


エルク

「実際案は出しても行動に移すまでの時間がありますからねぇ、こればかりはどうしようもないとしか」


リッジ

「でもエルクは部下の事しかみていない」


エリオット

「私からは以上となります、それでは本題の・・・。」



「そうであるな、それで鳳翔様、何か案はありませんかな?」


鳳翔

「そうですね・・・・。」


ノパック

「結婚相手なんて言うのはいかがですかな?はっはっはっは!」



「ノパックそれは不敬だぞ、笑えないレベルになる」


ノパック

「いやはや、失礼、流石に場の空気を和らげようとしたのだが、言葉を選ばなかったな、申し訳ない」


エルク

「二人ともお静かに」



3分程考えた後出した答えが



鳳翔

「現在、私のお店の前にお腹を空かせた平民がたくさんいらっしゃいます、活力を付けるという事で、私のお店で出すメニューを提供するというのはどうでしょうか」




「む?どういう事かね?」


鳳翔

「ここに来るとき、私のお店の前に衛兵二名とファブラさんが徹夜かけて柵を作り守ってくださいました、しかし、睡眠から食事までとらず働きづめなのは体に毒な上、最悪の場合過労で死んでしまうケースもあります」


エルク

「ふむ、その話は私も賛同するところがございます、私の兵士でも、力はあっても体力が無く、体力があっても力が無い兵士が居ます、皆それぞれ口をそろえて、ひもじいという言葉がありますな」


鳳翔

「そこでなのですが、近いうちに、私のお店で食事処を始めたいと思います、もちろん無償で提供させていただきます」


ノパック

「なっ!?無償だと!?」ガタッ!!



「無償となるとそれは見過ごすわけには・・・。」


鳳翔

「なぜですか?と聞き返したいですが正直な所、この世界での通貨基準がわからないので、それまで無償で提供をしようと考えていたのですが・・・・ダメでしょうか」




「いやぁダメではないがしかし・・・。」


エリオット

「私はとても素晴らしいと思います!!」


ノパック

「エリオットお前何を言っているか!」


エリオット

「私は平民から来たからこそ分かるのです、確かにお金も払わずして料理を提供するというのは、初めての事、しかし、食料が無く体力が少ない状態で仕事はできますでしょうか?農作業ができますでしょうか?」


エルク

「ふむ・・・現地の人間だったからこそ言える言葉だな」



「ふむ、しかし、材料はどうするのだ?いくら平民の食料とは言えその内問題が起こるはずだが」


鳳翔

「確かにその可能性もあるでしょう、そこで私が出す結論はこうです、仮に今日から始めるのならば、王宮の貯蔵庫から本当に気持ちばかりの材料を貰いその日はその分で提供する、提供しつつ、私のお店でこういう事を始めるとの宣伝をするのです、その後、疲れ果ててしまし、作る元気がない場合私の所に来てもらい材料を提供する、そしてその材料で食事を作り提供する、体力と気力を回復した皆さんなら、よし!次も頑張ろうという気持ちになりませんか?」



ノパック

「おぉ・・・熱弁ですな、確かにそれならば・・・。」


リッジ

「私も鳳翔様に賛成~・・・その考えいい・・・何気に私好きかも・・・。」


鳳翔

「いかがでしょうか・・・。」



「ううむ・・・・。」腕を組み俯く


エルク

「私も賛成ですな、魔物の関連は我らにお任せを、そして、民たちの士気を高め、食糧難に関しての悩みも次第に解決されるでしょう」


エリオット

「私も賛成いたします。」


ノパック

「皆も賛同していますな、ならば私も少しばかり力を貸しますぞ」


リッジ

「エロ親父が力を貸す・・・鳳翔様気を付けてね・・・。」


鳳翔

「え?どういう事でしょうか?」


エルク

「この男は前にとんでもない事をやらかしてな」


鳳翔

「あぁ~・・・なんか察しました・・・。(入った時私の見る目がいやらしかったのはそれが理由なのね・・・。)」


ノパック

「ぐぐぅ・・・あれはその・・・。」プルプル


エリオット

「それでは・・・王よこの案どういたしましょう」


ノパック

「わっ私は全然大丈夫ですぞ!!」声が所々裏返りつつ



「・・・・・よし、その考えで半年間様子見よう、半年後、同じように会談をして経過を見てみる事にしよう」



一同がおぉー!という声と共に、会談が終わる、この後、貯蔵庫から材料を少しばかり貰うという条件も出してくれた



鳳翔

「よいしょっと・・・これくらいあれば十分でしょうね・・・。」


メイアー

「召喚者様も思い切った事するよねぇ~あたし等にゃ絶対無理だわ~」ヘラヘラと笑いつつ


鳳翔

「メイアーさんもお腹が減った事ありますでしょ?その時やる気が出なかったりしませんでしたか?」


メイアー

「まぁ~結構あったねぇ・・・逆につまみ食いとかして王様に出す料理が減ったのは焦ったけどね」


鳳翔

「そういう事です、腹が減っては戦は出来ん、私の世界ではこういう言葉があるくらいですから」


メイアー

「なるほどねぇ、腹が減っては戦は出来ん・・・か・・・なんかいいねそれ」


コックA

「料理長~材料関連は全て送り終わりましたよ~」


メイアー

「ありがとう!それじゃ召喚者様!がんばってね!」ポンッと肩に手を置き


鳳翔

「ありがとうございます、もし非番の時でもありましたら、私のお店に来てくださいね、サービスしちゃいますよ!」ニコリ


メイアー

「はっはっは!そりゃ助かるねぇ~それじゃその時はお邪魔しようかな」



少しばかりとは言え、尋常じゃない量の食材を提供してもらった鳳翔は自分の店に足を運ぶとそこには・・・。




鳳翔

「これは一体・・・。」




やせ細った平民達が膝を付き手を合わせ泣きながらお救いをという言葉を唱えている中、今にもこと切れそうな程やせ細った子供もたくさん見かけ




鳳翔

「これは・・・急がなくちゃいけないかもしれないですね・・・。」



執事

「鳳翔様」


鳳翔

「あら?貴方は?」


執事

「クリス・フェンリスタと申します、今日から鳳翔様の専属執事となりした」フカブカー


鳳翔

「えっ!?専属執事!?」


クリス

「ハイ、男性ではなく同姓とならうまくやっていけるのでは?と王のご命令で私が参上させていただきました」


鳳翔

「そうですか、よろしくお願いします」フカブカー


クリス

「それでは鳳翔様、この平民の方々をどういたしますか?」


鳳翔

「そうですね・・・時間も時間ですし早めのお夕食にいたしましょうか」


クリス

「平民に食事を・・・ですか?」


鳳翔

「えぇ、見てください」


クリス

「・・・・。」


鳳翔

「あの様に、明日まで命が無いかもしれない皆さんを見捨てるわけにはいかないのです、悲しく辛く過ごしてきた彼らに、少しでも元気の出る料理を出して、明日の活力にしてほしいのです」


クリス

「なるほど・・・そうすれば生産力も上がるかもしれないと言う事でしょうか?」


鳳翔

「そうですね、農作業は貴族の方々がやっているのならまだ分かりますが、そうは見えませんからね、力も出なく頭の回転もわるくなりますでしょうから」


クリス

「かしこまりました、それはそのように立ち回らせていただきます」


鳳翔

「あっそれとクリスさん?」


クリス

「何でございますでしょうか」フカブカー


鳳翔

「お料理は出来ますか?」


クリス

「それはどういう・・・。」


鳳翔

「これから皆さんの料理を提供するのです、こんなにたくさんの人の料理を作るのは初めての事なのでお手伝いをと思ったのですが」


クリス

「申し訳ありません・・・料理の経験は私には・・・。」


???

「それなら私達に行ってくれればよかったのに~」


クリス

「料理長!」


鳳翔

「メイアーさん!それに皆さんも!」


メイアー

「味はあれだったけどさ・・・料理を作るスピードなら召喚者様より上だからね!」


コックA

「もちろん味付け関連もキッチリ勉強しつつお手伝いしますぜ!」


コックB

「それにあの料理を味わってから料理の味ってのに興味が湧いたしさ」


コックC

「・・・・・好き・・・。」ポッ


鳳翔

「貴方はブレませんね・・・ところで皆さんのお名前は?」


コックA

「エリックだぜ!」


コックB

「ウェッジです」


コックC

「ビックスです・・・」


鳳翔

「よろしくお願いします!(このお二人の名前どこかで・・・気のせいかしら)」



メイアー

「よっしゃ!いっちょやるよ!!」



一同

「「「おーーー!!」」」



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鳳翔の店内にて打ち合わせ



鳳翔

「これでとりあえず出す料理の内容は完成ですね、後はどの順番で出すかです」


クリス

「それでしたら、一度肉料理というのはいかがでしょうか?」


メイアー

「いやそれ出しちゃうと胃に来ないか?前に腹が減って食ったんだがその後胃がヤバい事になったし」


ウェッジ

「もしかしてあの時具合悪いって言ってたのそういう事だったんですか?」


メイアー

「たははぁ~・・・まぁそうだね、という事で、何か軽い物から口にした後どど~んとするのはどうよ?」


鳳翔

「よし!それでは先に胃に優しい物を提供しましょう!」


メイアー

「よっしゃ!何を作るんだい?」


鳳翔

「お芋を使った簡単な料理です。」


エリック

「芋かぁ、と言っても芋で元気か全然考えつかないな」


鳳翔

「お芋とニンニクを使った簡単な料理です。それでは、皆さん調理開始しましょう!」


一同

「「「おー!!」」」



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現在調理しているのは、ジャガイモ、ニンニク、黒コショウ、マヨネーズ少々使った簡単な料理、一度軽い物からお腹に入れ元気を出すのを最優先にする事に



鳳翔

「このジャガイモとてもきれいですね・・・大きくて美味しそうです!」


メイアー

「熱っ!!あっつ!!!」


エリック

「鳳翔様、薄皮を剥ぐだけでいいんですか?」


鳳翔

「はい!最初は薄皮を取った後、こちらのボウルに移してください」


ビックス

「あつつ!!・・・思ったより難しい・・・・。」ペラッ


ウェッジ

「うわっ!?鳳翔様早っ!?」


メイアー

「負けてられないね!熱っ!」



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流石鎮守府の居酒屋で数多くの艦娘達に料理を提供しただけの事、あっという間に終わり



鳳翔

「それでは、今度はニンニクをおろしましょう」


エリック

「ニンニクって言うのか・・・よし!」スッスッ


メイアー

「ニンニクを擦るのは初めてだな、ていうか思ったより簡単に擦れるから面白いななんか!」


ビックス

「初めての共同作業・・・いいな・・・滾る・・・」


ウェッジ

「頼むから事件を起こさないでくれよ?なんかお前鳳翔様が来てから変だし」



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下準備終了し、いよいよ混ぜ込みに



鳳翔

「次は、私の世界にある、マヨネーズと言う物を使います」


メイアー

「このソースを?なにこれ?」


鳳翔

「このマヨネーズには、卵、酢、油と言った素材が使われています、お芋の料理から全ての料理の味方をしてくれる頼もしい調味料なのです」



エリック

「へ~、楽しみだぜ!」



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1つ1つのボウルに入れ、ニンニク、黒コショウ、マヨネーズを入れ混ぜ込んでいると



メイアー

「鳳翔様、一口だけ味見してもいいかい?」


鳳翔

「そうですね、一口だけでしたらお試しに食べてみましょうか」


エリック

「よっしゃ!んじゃいただきま~す」



一同が口に入れると




クリス

「これは!」


ウェッジ

「うわっ!うんま!!!」


エリック

「優しいなぁ~・・・うわっすげぇ優しい・・・旨いなこれ・・・」


鳳翔

「さぁ!お皿を出して皆さんにご提供する準備に取り掛かりましょう!」


メイアー

「と言ってもこの量・・・持てる気がしないんだけど・・・・。」


鳳翔

「そこは大丈夫ですよ、皆さんは次の料理の準備をしていただければいいですから」


ビックス

「次の料理はなんですか?」


鳳翔

「次はカレーライスです!」


一同

「「「カレーライス?」」」



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提供を開始と同時に入り口を守っていた衛兵達に



鳳翔

「お疲れ様です」


衛兵A

「あっ!ほうしょうさm・・・うぇぇぇ!?」


衛兵B

「うっわ!?なんですかその鍋!大きすぎませんか!?」


鳳翔

「ふふっ、大丈夫です、ちょっとお二人に手伝ってほしいのですがよろしいですか?」


衛兵A

「いいですが、私達に料理は・・・。」


鳳翔

「いいえ違います、お店の前にいらっしゃる人達に取り分けてほしいのです」


衛兵B

「つまり我々が料理を渡す係をと?」


鳳翔

「そういう事です、次の料理も作らなくちゃいけないので、急ぎ戻らなくちゃいけないのです」


衛兵A

「なるほど、そういう事ですか、それならお任せください!」


衛兵B

「平民の皆よ!よく聞くのだ!!これより、召喚者様から料理を提供される!!子供!老人!大人という順番で並ぶのだ!!」


男貴族

「まて!!何故平民が先なのだ!!」


女貴族

「こんな薄汚れた平民風情と一緒に食事など・・・」



鳳翔

「・・・・。」(ブチッ)



男平民

「そうだよなぁ・・・先に貴族の皆さまに」


鳳翔

「いいえ平民の皆さまが先でございます」


男貴族

「なっ!?なぜですか!?」


鳳翔

「皆様は農作業をしたことがありますか?鍛治をしたことありますか?使えている執事やメイドの皆さんの苦労を考えた事がありますか?私の料理では常に皆さん平等です、特別扱いは致しません、だからって貴族の皆さまには料理を提供しないとはいいません、平民の皆さんを見てください」



貴族達が平民達に視線を送ると



鳳翔

「分かりますか?今にも消えそうな命がそこにあるのです、命とはとても重いもの、それを軽んじてはいけません!皆さんが食べている野菜から全て誰のおかげで作られていると思いますか?貴族の方々ですか?違うはずです、そこにいる平民の皆さんが汗水垂らし家族の為、皆の為に身を削ってでも育てた物です!」



一同が鳳翔の説教を聞いて言い返さなくなった途端、聞き覚えのある声が



???

「鳳翔様の言う通りである!」



一同がその声がする方向を見ると




「これは召喚者鳳翔様の命令である!この場を借りてここに宣言する!!農地を所有する貴族は皆!農作業の力を尽くす事!そうすれば現在の食料難の危機は次第に解決していくだろう!無論!この私!この国の王も自ら手を動かすことをここに宣言する!!」



一同がその言葉を聞くと騒めき出すが、次第に拍手喝采になった



鳳翔

「思い切った事にでましたね・・・王様・・・・・さぁ!!皆さん!!最初のお料理はお芋を使った胃に優しい料理です!!先ほど衛兵の皆さんが言ったように!子供老人大人の順で並んでください!!」



鳳翔の言葉が合図に母親に連れられてきた子供が先に料理を提供されて行く



鳳翔

「それでは皆さんお願いします!」


衛兵A

「お任せを!」


衛兵B

「よっしゃ!!気合入れるぜ!!!はい並んでぇ!!」



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店内に入ると



メイアー

「鳳翔様!カレーライス・・・?だっけ?その材料をある程度やっておいたよ」


鳳翔

「ありがとうございます、それでは、カレーの方は私に任せてください、クリスさんは私の手元を、メイアーさん達はごはんの用意をお願いします」


ウェッジ

「ごはん・・・・って事はライスだよな!よしお任せを!」


ビックス

「楽しくなってきた!ライス用の鍋を持ってくる!」


メイアー

「んじゃ私とウェッジはライスの下準備だね」


鳳翔

「クリスさん、これを使ってください」


クリス

「これはなんですか?」


鳳翔

「これはカレーの素です、今回20箱分使いますので、お湯に入れてください全部入れ終わったら混ぜつつ、野菜からお肉を入れ混ぜ込んでください」


クリス

「かしこまりました」


鳳翔

「さて、私はプラスアルファーを作りましょうか」


クリス

「プラス・・・・?」


鳳翔

「ふふっそれは秘密です、この状況が落ち着いてから紹介します」


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2時間が経過したころ


衛兵A

「鳳翔様!鍋が空になりそうです!」


鳳翔

「そろそろみたいですね、皆さん準備は出来てますか?」


メイアー

「もちろんさ!」


鳳翔

「それでは!」



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特大の鍋が2つ外にドンッと出し、蓋を開けると



一同

「「「おぉ~・・・・。」」


鳳翔

「現在提供できる精一杯の料理ですが、これが最後の品となります、カレーライスです!」


衛兵A

「おぉ・・・・。」


衛兵B

「やべ涎が・・・。」


鳳翔

「皆さんの分もありますので、これが終わり次第お店にきてくださいね」


衛兵A・B

「ありがとうございます!」


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一時はどうなるかと思った鳳翔だったが、気づくとそこにはたくさんの笑顔と笑いが溢れている広間となった


そして、数時間後空は暗く、貴族から平民の皆が帰り、山積みの皿とからの鍋が外にある中、鳳翔の店の中だけ明かりがついていた

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店内にて



鳳翔

「それでは、皆さん、ご協力本当にありがとうございました、これがプラスアルファーとして作っていた料理です!」



肉じゃが、唐揚げ、おでん、やきとり等が並べられ



メイアー

「うわぁ・・・すごい・・・。」


クリス

「見たことがない料理がたくさんありますね・・・。」


ウェッジ

「やべぇ!!やべぇって!!テンション上がってきた!うわ!うわは!!」


ビックス

「・・・・結婚しよ」



鳳翔

「それはそうと・・・王様も何故居るんです?」




「んぐっ!その・・・あの・・・・」



ウェッジ

「うわっ居たのですか!?ってうわって言っちゃった・・・」



「気にするでない、それに此度はとても感謝しているのだ」


鳳翔

「と言いますと?」



「料理を食べた後のあの輝く民の目・・・何十年振りだろうか・・・鳳翔様が皆に力と勇気を与えたのだ・・・ありがとう・・・。」


鳳翔

「私もまさかあの場で宣言するとは思いませんでしたもの、今日は皆さんに感謝しなければなりません」


クリス

「それに、生まれて初めて、ペンやお世話以外に体験する貴重な機会を与えてくれました、鳳翔様には感謝しきれません」


鳳翔

「私専属なら料理の一つや二つ覚えなくちゃね、クリスさん」


クリス

「しょ・・・精進いたします」


鳳翔

「それでは、皆さん手を合わせてください!」









                    












                       いただきます!!!








                                                       to be continued.....












後書き

ここで登場人物紹介

鳳翔

ファブラという召喚士に召喚された異世界料理人兼鎮守府の艦娘である、居酒屋鳳翔という名の店を鎮守府以外で立ち上げ、提督からお酒を振る舞う予定だったのだが、異世界の料理勇者として召喚される、料理の腕は文句のつけようが無く完璧、ただ怒らすと怖い


クリス

女性ではあるが、ボーイッシュな容姿な為、執事衣服を身にまとうメイド、執務から日常のお世話から全て完璧にこなす、料理は一度もしたことが無く、初めて料理をしてみた時は焦っている顔がかわいいんだとか、王の専属執事マルコとは、執事長という座を掛けた中でもある、ちなみにクリスは副執事長である。



ファブラ

鳳翔を召喚した召喚士、真面目な人ではあるがどこかちょっと抜けている王宮魔術師の長、リッジの事を妹の様に慕っているが、リッジ本人はファブラの事が苦手なんだとか


メイアー

王宮料理人としてコック長、厨房に立てば性格が一変、料理しか見えなくなる性格、鳳翔が最初に提供したビーフシチューが原因で料理に味を求めるようになる、だがまだ薄味

エリック

王宮副料理長を務めていて、とにかく元気いっぱいな人、メイアーの事を気にかけているんだとか、ただ度胸が無く言い出せないでいる


ウェッジ

あのキャラじゃないよ、思い浮かばなかったんだよというだけで名前を付けられた可哀そうな子、料理の腕はメイアーと互角かそれ以上か、実は最初ウェッジが料理長になる予定だったが、責任関連が面倒という事でメイアーに料理長の座を譲ったのは秘密


ビックス




エルク


団長を務める初老の男性、肉料理が好きでワイルドにかぶりつく癖がある、非番の時は隠れて店に立ち寄り、肉料理を両手でかぶり付くんだとか



エリオット


若くして騎士団長まで上り詰めた若きダークホース、元は平民だったのか周りからよくない目で見られがちだが、まったく逆で、むしろ褒められている方である、芋料理やソーセージ関連の料理に目が無く非番の日が一緒の時はフードを被ってエルクと一緒に食べまわるんだとか無いんだとか



リッジ

王宮魔導士団長で必要以上に話さない不思議っ子、興味を示さない物には目をやらないが、興味がある物を前にすると性格が一変する、甘いお菓子が好きらしいが、そもそも味のない世界で甘い物とは一体?ちなみに17歳である    ォィォィ



ノパック

大臣で変態男、10年ほど前から大臣に上がった男、変態男と呼ばれる理由は若い女性を見ると目がいやらしくなるかららしい、と言っても現在は事案は起こしていない至って普通の大臣である・・・・・・今の段階では・・・


王(名前不明)

皆を平等に考える共和国の王、料理の味だけを広めるために鳳翔を召喚するが、戦争では血が流れない戦争だという嘘をついた男、ただ本人は騙すつもりは全くなく、鳳翔を軍事利用しない為の嘘でもあった為である


マルコ

クリスとは2年先に執事になった青年、鳳翔を始めてみた時は変なの来たなという事で余り関わりあいたくないという様に捉えられるが全く逆で、初めて鳳翔に出会った時緊張し過ぎて表情筋がガチガチになってしまい無表情になった不器用な執事



衛兵A

鳳翔のお店の前にある柵を警備に任せられた衛兵、明るく元気で仕事馬鹿、空回りしそうな性格をしているため危なっかしい男


衛兵B

Aとは同期で非番の日はお酒を飲む中なんだとか、とにかく仕事馬鹿で言われた事しかできない兵士だがきっちり完璧にこなす為周りは何も言えないでいる


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獄都の憲兵さんから
2020-04-14 01:29:18

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獄都の憲兵さんから
2020-04-14 01:29:18

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1: SS好きの名無しさん 2021-08-02 20:29:54 ID: S:DgIX9z

この国は君主制ですよね?共和国(共和制)と矛盾してる気がするんですが、、、


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