2019-09-25 07:25:10 更新

概要

たまたまチョコ〇ールについていた天使のマーク。それを数枚集めると玩具の缶詰が貰えると知り・・・


前書き

キャラ紹介、

提督:鎮守府に再着任した提督。昔と変わらず予測不能な行動をして艦娘たちを困らせる。

村雨:提督の奥さんで鎮守府の給仕担当であるが、秘書艦の仕事もお手の物。

海風:提督の奥さんその2、村雨と同じ鎮守府の給仕担当。

ウォースパイト:ロイヤル所属戦艦、最近この鎮守府に”修行”と称して着任する。
        戦艦なのに幼児体型なため、駆逐艦たちから同類と見られているのが悩み。


「出ませんでした・・・」


村雨が「はぁ~」とため息をつく。


「・・・海風も、残念ながら外れです。」


村雨同様しょんぼりする海風。


「安心しろ、オレも外れだ(笑)」


提督は「ははは~」と笑い出す。


「・・・」


3人をよそに、1人箱を眺める人間がいる・・・最近修行のためにこの鎮守府に着任したウォースパイトだ。


「どうしたのです、ウォースパイトさん? ・・・まさか当たりが出たとか!!?」


ウォースパイトの行動に一瞬期待を寄せる村雨と海風だが、


「ごめんなさい、私も外れよ。」


そう言って、箱を見せるウォースパイト。


「そうですか~・・・残念です。」


海風は再びため息をつく。



皆が見ている物、それはチョコボールの箱で当たりならくちばしに書かれている”天使のマーク(エンゼルマーク)”。


「海風は今日で3箱目ですぅ・・・今日はもういいかな。」


そう言って、中身をちょびちょびと口にする。


「私も3箱・・・種類があると言っても、毎日食べていれば飽きるわ。」


そう言いつつも、箱からピーナッツチョコを取って食べる村雨。


「私は今日で5箱、指揮官は3箱よね? じゃあ皆で14箱・・・当たる確率低くない?」


ウォースパイトも諦めた様な口ぶりを発する。


「こらこら、まだ始めたばかりだろ? そんなのでは妹と姉の願いは到底かなわないぞ!」


提督が3人に渇を入れる。


・・・


事の発端は、ウォースパイトが陛下に駄菓子を送った時の事である。


「あら、このマークは何かしら?」


陛下がチョコボールの箱を開け、くちばしの蓋にエンゼルマークが描いてあったことに気付く。


「天使の絵? 何の意味があるの?」


陛下は箱の周囲を眺めると、


「何々・・・金のエンゼルマークを1枚、銀のエンゼルマーク5枚で・・・キョ〇ちゃんの缶詰をもれなく


 プレゼント? 玩具の缶詰? ふ~ん・・・」


陛下の年では玩具など卒業しているはずだが、


「玩具には興味ないけど、この箱・・・派手な形をしたこの装飾はいいわね! とっても欲しいわ!!」


どうやら陛下は缶詰の中身よりも外装の缶詰に興味を持った様子。


「・・・このお菓子の残りは後10個、マークは銀だったから後4枚必要って事ね。」


そう言って、残りの箱を全部開けてしまうズル陛下・・・当然のことながら、


「マークが描いていない・・・外れって事、よね?」


残念ながら、残りのチョコボールは外れだった。


「でも、この缶詰が欲しい!! 絶対欲しい!! ウォースパイトにもっと送って貰おうかしら!!」 


すぐに使いを呼んで要請をする陛下。


・・・


陛下の要請はすぐにウォースパイトの耳に届き、彼女も「陛下、この私にお任せください!」と自信満々に


言葉を返してしまったらしい。


「ごめんなさい、陛下の我儘に付き合わせてしまって。」


ウォースパイトは申し訳なさそうに皆に謝る。



白露の活躍により、自立はするようになった陛下だが、心は相変わらず子供っぽく、玩具や珍しい物を見ると、


目を輝かせ、周りが見えなくなるらしい。


「いいんですよ、私の妹も缶詰が欲しいと言っていたので~♪」


そう言って、村雨は思いのたけを漏らす。


・・・


村雨が久しぶりに春雨と再会して駄菓子屋に向かった時の事だ。


「春雨どうしたの? そんなに同じお菓子を買って?」


いつもなら1個ずつ買うはずが、今日は同じ菓子(チョコボール数個)を購入していて、


「はいっ、この箱に付いている当たりマークを集めると、玩具の缶詰が貰えるんです、はいっ♪」


「ふ~ん、そうなんだ。」


その場は適当に言葉を返し、その後は一緒に喫茶店に行ったり買い物をしたりして忘れていたが・・・


「最低でも5枚は必要なんですよね? 恐らく春雨はまだ集めていない気がします。」


それからまた再会するも、駄菓子屋で何度もチョコボールを買う姿を見て、「集まっていないんだなぁ」と悟る村雨。


「江風も最近チョコボールを買うようになって・・・部屋の中はチョコボールの空箱だらけですよ!」


海風が言うには、ゴミ箱が溢れて外にチョコボールの空箱が散乱している状態らしい。


「流石に”片づけなさい!” って怒りましたけど、江風はまだ「出ないよぉ~」って嘆いていました。」


江風は1日に3,4箱は食べているらしいがそれでも当たりが出ないらしい。


「ふ~ん、つまり村雨・海風にウォスパも姉(妹)のためにマークを集めているわけね。」


提督は納得するも、


「それで? 一体何枚集める必要があるの?」


「そうですね~、金のエンゼルが銀より遥かに当たる確率が低いので、あくまで銀狙いとして・・・」


村雨が計算をする。


「5枚で1つ缶詰が貰えます、そして缶詰は2種類あります。 つまり10枚集めなければ行けませんね。


 つまり、私と海風とウォースパイトさんの3人分として・・・30枚の銀のエンゼルが必要です!」


「そうかそうか・・・それは大変だね~。」


提督は他人事のように呟く。



最も今日の時点で4人で14箱開けて出ないのだから、提督は半ば諦めかけている。


「陛下が1枚持ってるわ・・・だから私は9枚でいいけど。」


「でも、後29枚ですか・・・気が遠くなります。」


海風の言葉に、


「まぁ程々にな、後分かってるだろうけど、外れだからと言って中身は捨てるなよ? 最後まで食べてからまた開けるんだぞ!」


そう言って、提督は執務作業を始める。



こんな生活が続いて、早1週間。


3人の努力も甲斐なく、


「出ません・・・銀が1枚すらも、はぁ~。」


3人がその後買って購入したチョコボールは全部で50個・・・それでも、銀のエンゼルが1枚すら出ない。


「まぁ諦めろ、毎日チョコボールばかりではいい加減飽きるだろう? いくら種類があるからと言って、


 こう毎日食べてばかりだと流石に・・・」


提督が説得するも、


「・・・(睨)」


3人の真顔に、


「・・・すいません。 オレも出来るだけ協力するからさ。」


提督も恐れを成して素直に謝る。


・・・


そうは言ったものの、


「約100個近く買って、開けて食べて・・・やっと銀のエンゼルが3枚出ました。」


30枚の内、3枚の銀のエンゼルが出た(1枚は陛下が所持)、残りは26枚であるが、


「流石にもう食べる気がしないわ・・・春雨には悪いけど、私はもう遠慮しておきます。」


遂に村雨に白旗が立つ。


「海風も・・・もう、箱すら見る気がしません・・・」


江風のために、毎日2,3箱食べていた海風も諦めの表情が、


「後1枚、せめて後1枚・・・集まれば缶詰が1枚・・・」


ウォスパは「後1枚」と呟いている。


「・・・はぁ~。」


それ以上に毎日3人の奮闘を見て、いい加減飽き飽きしていたのは提督の方で、


「それで? まだ諦めない? それともまだ買って当たりが出るまでやるつもりかな?」



執務室内がチョコボールの箱でいっぱいになっており、掃除係の艦娘たちから「この箱の量は一体何ですか!?」と


驚かれる始末である。


「全く・・・妹(姉)のためとはいえ、ここまで頑張る努力は認めよう。 でも当たりは所詮確率の問題であって、


 そう簡単には出ないものだよ。」


提督は再び説得すると、


「・・・そうですね、確かにこれ以上頑張っても資金的に大損ですね。」


「そう、ですね・・・悔しいですがここは素直に引く事も必要ですね。」


村雨と海風が納得する中、


「後1枚・・・後1枚なのよ!!」


ウォスパは相変わらず「後1枚!」としか言わない。


「いい加減にしろウォスパ!! そんなに欲しければ自分で買え! 今後は給料から直接差し引くからな!!」



ウォースパイトはこの鎮守府に着任したてである。


まだ日が浅いため、給料はそれほど多くなく「友人として」でチョコボール代を特別に支給していた。


しかし、大量に買っても出ない物は出ない事態に関わらず、まだ欲しいと願う彼女に提督が怒り出す。


「何よ・・・そんなに怒らなくたっていいじゃない! だってここまで確率が低いなんて思わなかったのよ・・・ぐすん。」


叱られて泣き出すウォスパ。


「提督、いくら何でも言い過ぎではないですか!」


今度は海風が起こって提督が叱られる始末。


「ううっ・・・海風は一体どっちの味方なんだよ~。」


先程まで提督の意見に賛成した海風が、ウォースパイトの味方について困惑する。


「確かに提督の意見に賛成ですが、ウォースパイトさんの当たりを出したい気持ちだって分かります!


 なのにそんなに怒らなくてもいいじゃないですか!」


「・・・はいっ、そうですね。 すいません。」


海風に叱られると何故か大人しくなる提督。


「・・・指揮官の言う通りね。 こんな物に沢山資金を無駄にして・・・確かにそうね。


 いいわ、これからは私の給料から差し引いて、それでいいから!」


ウォスパは拗ねて執務室から出て行く。


「あ~あ。ウォースパイトさんが拗ねちゃった~。」


村雨は「あらあら」と呟き、


「提督も女の子の気持ちをもっと考えてください、私たちだって決して諦めたくて諦めたわけではありませんよ!」


海風の真剣な訴えに、


「はいっ、分かりました。」


素直に従う提督。


・・・


「全く・・・海風の奴は~。」


執務室で1人書類整理を始める提督。


「今日は夜勤があるって言っておいたのに、「今日は提督1人でお願いします!」って・・・なにもそこまで怒らなくたって。」


今日の秘書艦は海風である、しかし、先程の件もあってか海風まで拗ねた上に夜勤まですっぽかす始末。


「お疲れ様です提督。」


執務室に誰かが入ってくる・・・村雨である。


「おやっ、村雨? こんな夜遅くにどうした?」


提督の質問に、


「いえ、海風が「今日の夜勤を断った」と言っていたので、私が代役を務めようと思いまして~♪」


そう言って、提督から書類を半分受け取って、側で一緒に整理を始める村雨。


「助かるよ村雨~。」


素直に礼を言う提督に、


「いいんですよ・・・でも海風とウォースパイトさんの気持ちも分かってあげてください。


 私だって叶うのなら春雨のためにプレゼントしたいですし、2人だってどうしてもプレゼントしたいのですよ。」


村雨の説得に、


「うん、そうだね。 やっぱりそうだよねぇ~。」


提督は少し考えた後、


「仕方ない・・・オレが少し手を貸してやるとしよう。」


そう言って、再び執務仕事を再開する提督。


・・・


翌日、


「少し外出する・・・帰りは昼過ぎになるかな。」


今日は特に会議も無ければ、買い出しも無い、当然休日でもない。それにも関わらず提督は外出する。


「どうしたのですか提督は? まさか昨日私が夜勤をすっぽかして怒っているんですか?」



昨日の事で苛立っていた海風だが、頼まれていた仕事をすっぽかす行為は、実質命令違反になり、


今更ながら後悔をする海風。


「さぁ、でも海風とウォースパイトさんに出来る限りの協力をすると言っていたわ。」


海風の代わりに提督と夜勤をしていた村雨が説明をする。



昼過ぎになり、


「今帰った、さてと・・・昼からの執務作業と。」


提督は何も無かったかのように執務室で作業を始める。


・・・


それから数日後、


「提督、提督宛てに荷物が届いております!」


艦娘からの報告で、執務室に運んでもらうように頼む提督。


「よし、目的の品が来たな~。」


そう言って、提督は届いた荷物を開ける・・・中身は、


「て、提督!!? 何ですか、このチョコボールの量は!!?」


側にいた村雨と海風は驚く・・・それもそのはず、届いた大きな箱の中は全てチョコボールが入っていたのだ。


「これだけあれば流石に出るでしょ(笑)」


提督はにやにやする。


「・・・因みに何個購入したのですか?」


海風の質問に提督は何の躊躇いも無く、


「1万個だよ。」


「1万個・・・それで? 一体いくら掛かったのですか?」


恐る恐る尋ねる村雨に、


「1個80円だから・・・10000✕80だから、80万円だね(笑)」


提督は笑うが、村雨と海風はただ呆れて物が言えない。



その後、ウォースパイトにも見せ、「これだけあれば出るわね!」と一瞬の期待を寄せるも・・・


「これだけの量を私たちで捌くのは無理があるんじゃないかしら?」



・・・確かに、1日2,3箱食べればいいと言う次元ではない、1人が1日に10箱食べても1000日(約3年)掛かり、


3人で30個としても約1年は掛かる計算である。


「それ以上に・・・私はもうお腹いっぱい。 箱すら見たくないわ。」


あの後、自腹覚悟で数10箱購入して食べていたらしいウォースパイト、しかしエンゼルは出なかったようだ。


「私も・・・あまり偏食ばかりではバルジ(体重)が増えるので、もういいです。」


「海風も・・・提督にあれだけ偉そうに言いましたけど・・・ごめんなさい、海風は飽きました・・・」


3人は食べる気は最早無いに等しく、


「あ、そう。 せっかく買ったのに・・・まぁ仕方がない。」


そう言って、提督は無線機を取り、


「鎮守府内の艦娘全員、会議室に集合!! 繰り返す、艦娘全員は会議室に集合せよ!!」


提督は鎮守府内にアナウンスをする。


・・・


突然提督から呼び出しを受け、何事かと驚く艦娘たちが多かっただろう。


しかし、提督からの用件は緊急事態と言うには程遠く、


「ここに大量のチョコボールがある・・・今日から毎日5個ずつ食べるように!!」


提督は村雨たちの代わりに鎮守府にいる艦娘たちにチョコボールを食べろと指示をした。


「あの、提督・・・」


時雨が手を挙げて、


「一体何の目的があってこんなに買ったの? 誤発注ってわけじゃないよね?」


誰でも目の前にある尋常ではない量のチョコボールを見て、ただ事ではないと思うだろう。


「まさか・・・後ろにいる方たちが、”エンゼルがどうしても欲しい”と言うから、せっかくだから皆にも手伝って貰おうと


 思っているだけだ(笑)」


提督は簡易に説明する。


「えっ? たったそれだけの理由でこんなに買ったの? いくら何でも度が過ぎないかい?」


時雨は呆れて提督を失望した顔で見つめる。


「睨むな、まぁとにかく1人最低でも1日5個は食べる事、守らなかった場合は1度に付き来月の給料を1%ずつ


 減らして行くので心して掛かるように!!」


提督の勝手な指示に、


「ふざけないでください! 何で私たちが押し付けられなければならないんですか!」


当然ながら、艦娘たちからブーイングの嵐が飛び交うも、


「まぁまぁ、何もただでやって貰おうとは思っていないぞ?(にやにや)」


提督の言葉に、全員が「えっ?」と静まり返り、


「もし、エンゼルを出した人間には1枚につき”1000円のボーナスを与える”。 もし、1人で5枚、10枚と


 持ってくれば”セット効果”として金一封を進呈しよう、どうだ? 悪くない条件だろ?」


提督の言葉に、


「や、やる! 絶対僕が(私が)エンゼルを出してボーナスを貰うから!!」


結局のところ、ほぼ全員が協力することになった。


最初は村雨たち3人の出来事だったはずが、鎮守府全体に広がる一大イベントとなってしまった瞬間である。



鎮守府内の艦娘たちでチョコボールを捌く作戦を考えた提督、この作戦は上手く行ったかに見えたが・・・


「提督、ごめんなさい。 サラはもう飽きてしまいました。(サラトガ)」


「私も・・・他の間食を食べたいです(大鳳)」


「提督、ピーナッツとキャラメル以外の味は無いの?(ビスマルク)」


と、村雨たち同様にチョコボールに飽きる艦娘が後を絶たない事態に・・・



流石の提督も、「やっぱり駄目か」と思ったであろう・・・しかし、


「”チョコボールとして食べるからすぐに飽きる”んだよ・・・もっとこう、少し工夫を凝らして・・・よし、これで行こう!」


思いついた提督は早速村雨たちに指示を行う。



「な、何をしてるんだい?」


食堂に入って時雨が見た光景は、


「何って・・・提督が”チョコボールを容器に入れてすり潰して欲しい”って言って来たから・・・」


確かに、村雨と海風はボールに入れてチョコボール(苺・キャラメル等)を別々に器具で順に潰して行っているが、


「それで、その後ゴミに捨てるって事? そんなの勿体ないじゃん!」


時雨は猛反論する。


「いや、だから私たちは提督に言われたとおりにやっているだけで詳細は聞いてないわよ。」


村雨は説明するも、


「でもどう見たって、捨てる風にしか見えないよ! 2人だって少し考えれば分かる事でしょ? 


 それを提督に言われたって言い訳なんかしなくても!!」


時雨たちが言い争っている間に、


「2人共、作業は進んでる?」


提督が食堂に入ってくる。


「おおー? 結構すり潰してくれたね~・・・これで50箱くらいか、まぁそこそこ減ったね~。」


すり潰されたチョコボールを見ても何の躊躇もしない提督。


「提督! いくら当たりを出したいからって、食べ物を粗末にするのはあんまりじゃないかい!!」


時雨の怒りの矛先が今度は提督に向けられ、


「食べ物を粗末に? 一体何を言っているんだ?」


「とぼけないでよ、こうやって原形を留めずに潰して、そのままごみに捨てるつもりでしょ?


 勿体ないにも程があるよ!!」


時雨の言い分に、


「う~ん、何か勘違いされているような気が・・・」


提督は少し考え、


「誰が”捨てる”と言った? 今からこれを使って調理するんだけど?」


「えっ、調理?」


時雨はきょとんとする。


「まぁ見てろって。」


そう言って、提督は厨房に立つ。


「村雨たちにすり潰して貰ったチョコボール・・・まずはこのチョコと苺味を使おう。」


提督がコンロに火をかけ、ボールを近づける。


「ほら、こうやって火にかけて少しずつ溶かして行って・・・」


数分後にはすり潰したチョコが液状化し、


「そしてこの中に生クリームを半分投入する。」


冷蔵庫からあらかじめ取り出した生クリームパックを開き、ボールに注いでいく。


「よくかき混ぜたら・・・どうだ、苺チョコクリームの完成だよ。」


少し時間を待ち、冷えたクリームを村雨と海風に味見をして貰う。


「ああっ、確かに苺チョコの味です!」 


「本当です・・・成程、チョコボールからチョコクリームを作るとは思いつきませんでした。」


2人は絶賛する。


「うん、そしてあらかじめスーパーで買っておいたスポンジケーキを横に切って・・・」


提督は手際よくケーキを切って行き、


「先程作った苺チョコクリームをケーキの中心と全体に満遍なく塗って行き、上にたくさんの苺を並べて、


 再び冷蔵庫へ・・・冷えたらチョコケーキが完成、ってわけだ。」


後は冷えて固まるのを待つだけだが、


「待つのは退屈だろう? 昨日ウォスパに頼んでおいたチョコボール(ピーナッツ)をすり潰し、調理した


 クランチチョコアイスでも食べて見る?」


そう言って、冷凍庫から取り出したのは、普段は表面真っ白のミルクアイスなのが、周りにびっしりとチョコとピーナッツが


ふんだんに塗られたとても美味しそうなアイスである。


「僕が食べてもいいの? じゃ、じゃあ、頂きます!」


時雨が受け取り、一口を頬張る。


「もぐ、もぐ・・・!?  ほ、本当にこれっていつも食べてるアイス? それにチョコボールを塗っただけ?


 信じられない、とても美味しいよ!!」


時雨の口から歓喜の声が上がる。


・・・


夕方になり、提督が日頃の艦娘たちに対しての労いとして、デザートと称してチョコボールを使ったケーキやアイスを提供させる。


「あら、普段食べているアイスと違いますね~、少し高めなのでは無いですか?」


「このケーキ・・・チョコと苺の味が絶妙に混じって美味しい! どこのケーキ屋で買ったの?」


「ぽい? 何か歯にくっついたっぽい~・・・これってキャラメル?」


味に気になった艦娘もいるが、まさかこのデザートにチョコボールを使っているとは誰も気づいていない様子。


その結果、チョコボールは短期間で大量に消費され、僅か1週間で1万個あったチョコボールは一気に半分まで減少した。



「わぁ~、もう半分に減ったのですね~。」


箱一杯に詰まっていたチョコボールが減った事で海風は安堵の息を漏らす。


「でも”まだ半分ある”って言う捉え方にもなるわね。」


村雨にしては珍しく、ネガティブな言葉を出す。


「後半分・・・いつになったら食べ終わるのかしら・・・」


ウォースパイトも表情が暗い。



・・・と言うか、この3人。 本来の目的を忘れていないだろうか?


「村雨に海風とウォスパ・・・これな~んだ?」


そう言って、提督が3人に見せた物、それは、


「それはっ! 銀のエンゼルじゃないですか!!」



提督が持っていたのはまさに銀のエンゼル、しかも目標数の30枚!!


「鎮守府の皆が手伝ってくれたからな~、おかげで短期間で目標数まで達せたよ~♪」


提督は何故かにやにやしている。


「あ、ありがとうございます提督! これで江風に缶詰をプレゼント出来ます! 本当にありがとうございます!!」


そう言って、海風は手を出すも、


「えっ、何その手? このエンゼルはオレの物だけど?」


提督の口から出た思わぬ言葉、


「ほぇっ? て、提督・・・一体何を言って。」


海風は驚き、提督を凝視する。


「いやだって・・・3人は”もう飽きて食べたくない”って言っていたでしょ? それでオレが工夫を凝らして


 皆に食べるを手伝って貰い、飽きさせないように色々調理したりして上手く減らせたわけだよ~。」


「・・・」


「それで、3人は何をしてくれた? チョコのすり潰しに手伝ってくれたけど他に何かしてくれた?


 ただチョコが減るのとエンゼルが出るのを待っていただけでしょ? ただ待つだけの人間が普通


 貰えると思ってるの~?」



・・・提督、この人間は意外にも”ドS”である。


「・・・」


海風は提督を凝視する。


「睨むな・・・そうだなぁ、すり潰しに手伝ってくれたから1枚ずつ上げるよ。 これで文句無いだろう。」


そう言って、海風の前に3枚出して「3人で分けろ」と言うも、


「・・・」


やはり海風の表情は変わらない。


「何だよ、まだ何か不満か? そろそろ執務に戻って・・・って村雨にウォスパも何だ、そんなに睨んできて・・・」


気付けば3人に真顔で見つめられている提督。


「・・・」


3人「・・・(睨)」


しばしの沈黙、


「はぁ~、分かった分かった。 じゃあほら、10枚ずつ・・・持って行きな。」


根負けした提督は諦めて3人にエンゼルを譲る。


3人「わ~い♪」


3人は喜び、はがきを持って部屋に戻る。


「お~い・・・お前たち、執務仕事の手伝いは~?」


提督は訴えるも、今の3人の耳に声は届かない。


結局この日は、提督1人で夜勤をする羽目になってしまった。



それから2週間後、


「海風の姉貴~、江風に用って何だい?」


江風が部屋に入ると、


「はいっ、この缶詰欲しかったでしょ!」


海風は持っていた金と銀の缶詰を江風の前に差し出す。


「これってチョコボールの景品!? どうして? どうやって集めたの!?」


江風は驚くも、すぐに答えは出ていて、


「そっか、たくさん買って当たりを出してくれたんだね、江風のために。」


「はいっ、とても頑張りましたよ(本当は提督からせびった物ですけど)~♪」


「姉貴ありがとう! じゃあ金は江風が、銀の方は山風に渡すよ!」


江風はとても喜ぶ。




「村雨姉さん、どうしたのですか? とても幸せな顔をしちゃって?」


「ふふ~ん♪ 春雨のためにお姉ちゃん、頑張っちゃった~♪」


そう言って、村雨は春雨に金と銀の缶詰を差し出す。


「これって・・・チョコボールの景品!? 一体何個買ったのですか!?」


「そ・れ・は~、女の子のひ・み・つよ♪」


村雨は笑顔でごまかす。


「わぁ~♪ 春雨とても嬉しいです! 村雨姉さん、ありがとうございます! 大切にしますね!」


春雨はとても喜ぶ、


「でも春雨は1つで大丈夫です、なのでもう1つは・・・村雨姉さんが持っていてください、はいっ♪」


そう言って、春雨は銀の缶詰を手に取り、村雨に金の缶詰を返す。


「あら~、春雨がくれるんだから、遠慮なく貰っちゃうわね(本当は提督が出したんだけどね)~♪」


提督からせびったとは口が裂けても言えず、その後は春雨との時間を満喫する村雨。




「これで金と銀の缶詰を手に入れたわ。」


ウォースパイトは缶詰が入る適当な箱を用意して、慎重に入れて行く。


「陛下はどんな顔をするだろうか・・・「流石は私の妹! お姉さんは嬉しいわ!」って手紙が来るかも!」


勝手に妄想し始め、にやにやしながら箱にテープを張っていく。


・・・本当は提督が集めたエンゼルだと言うのに。


「これでよし、と。 じゃあこれを持ってロイヤル拠点へ郵送をお願いして・・・」


そう言って、ウォースパイトは最寄りの配達センターへと向かう。


・・・


それから数日後、


鎮守府宛てに手紙が届く・・・内容はもちろんウォースパイト宛てにである。


「陛下からのお手紙! もしかしてお褒めの言葉が書かれているのかしら!?」


ウォースパイトは期待を胸に封を開け、内容を読む。


「・・・」


しかし、手紙に書かれていたのは、



”次は赤と青の宝箱缶詰をお願いね♪”



新たな缶詰の要求内容だった。


「へ、陛下ぁあああああああっ!!!!」


ウォースパイトは手紙を見て思わず叫んだ。



ウォースパイトはその後、提督や村雨に渋々相談するも「後は自分で頑張ってくれ(下さい)」と見放され、


それから毎日のように数箱のチョコボールをちょびちょび食しているウォースパイトの姿があった。









「キョ〇ちゃんの缶詰が欲しい!」 終










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2019-09-19 02:10:05

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1: SS好きの名無しさん 2019-09-19 18:09:20 ID: S:i-2Qlo

提督のお金って
空軍の軍資金だよね?
こんなに散財して
空軍の人は怒ってないのかな?

2: キリンちゃん 2019-09-19 20:09:42 ID: S:ELnu6A

1さん、

提督のお金は昔副業で稼いでいた本人のお金です。
村雨やサラトガが出るssで提督が度々副業で夜外出する
場面があって、当時は司令レベル最下位で給料が少なかったため、
本業で夜中に特別任務を遂行して生活費等を稼いでいたのです。
今回の大量のチョコボール買いに消費した資金は全て
提督自身のお金です♪

3: SS好きの名無しさん 2019-09-19 23:05:26 ID: S:guVPDT

1です。
確かに「海老で鯛を釣る」という話で
昔、副業で稼いだ金が軽く10億あると
提督本人が言ってましたね。
しかし…レインボーダイヤの件とか
駄菓子屋での600個のクジなど。
そろそろ村雨と海風が
提督の金使いについて説教しそうだ

4: キリンちゃん 2019-09-24 14:08:08 ID: S:ZLnWiP

1,3さん、


既に説教をされていますよ(笑)

村・海「無駄遣いは止めてください!」と。

提督「じゃあこれからは自分たちで何とかしてね。」と
言い返すと、

村・海「そ、それは困ります・・・」と
焦って言いそうです(笑)

5: SS好きの名無しさん 2019-09-24 14:53:40 ID: S:eZfhfT

1、3ですが
提督さん、大人げ無いですよ…。
白露なら強気で言い返しそうだ。
以前に鎮守府から抜け出して
外での生活の中でお金の便利さと
怖さを知った白露ならば…。

6: ㈱提督製造所 2019-09-26 17:14:54 ID: S:yccsIL

クエッ!クエッ!クエッ!チョコボールゥゥ…
MO・RI・NA・GA
社会人になったばかりの頃の俺だったらこう言っていただろう。
「この度は弊社の製品をお買い上げ頂きまして、誠に有り難う御座います」


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