2019-11-14 18:18:44 更新

概要

深海棲艦と人類との戦争が終わり、残されたたった一人の艦娘は―――


前書き

超短編ssです。
少しだけ更新してそれで終わりです。







あの最悪の戦争終結から一年





僕は一人で海岸にいた





周りは暗く、海もよく見えない





見えるの暗く、ただ波の音と風の音





そして雨が降っている音だけだ





僕は一人、傘も刺さずにボーっと海の方を見ていた





こんな所に本当は来たくない





アイツら……僕の仲間の命を奪った憎い相手の顔が思い出すからだ





でも、その中での散っていった仲間達の顔が思い浮かんでいく





今日は憎い敵よりも嘗ての仲間達の顔が頭の中によぎってくる





皆の優しい声や笑い声、誰かと一緒に楽しく笑っている声





だけど実際は僕の頭が勝手に妄想しているだけで、実際にはその声は聞こえない





それが今、途轍もなく悲しいし苦しい





なんで僕が皆を助けられなかったのだろう?





なんで僕はあの時提督の指示に従って一人、帰還してしまったのだろう…




いや……





分かっている





僕は逃げたんだ





死にたくない、その一心で





提督からの『帰還しろ』の声に甘えて





昔、僕が人間の姿と宿った時誓ったのに






もう二度と仲間を失いたくない





皆に……一緒に戦った仲間や姉妹に置いて行かれるのはとっても辛い





それは多分、死ぬよりも辛いだろう





僕は戦争で死んだことはないからその痛み、辛さは全く分からない





だけど僕の胸は張り裂けそうなくらいに辛く、後悔していた





また自らの命を優先してしまって僕は皆を救わずに、最後までこの命が尽きるまで戦わなかった





だけどそんな僕を人間は…………





僕達を指揮していた提督は誰も僕を攻めなかった





むしろ無事帰還してきた僕に『よくやった』と声をかけ、抱きしめてきた





よくやった? 仲間が…皆命をかけて戦ってきている間にノコノコと帰還してきて何も出来ずに帰還してきた僕が?





なんで、僕なんかにそんな言葉を送るの? 言うのなら皆にその言葉を言ってほしい





僕に褒め言葉なんていらない、優しさなんていらない





僕なんかに言ってはいけないんだよ





この臆病者の僕なんかに言っては





分からない………





なんで、あの時提督は僕を一人帰還させたの?





なんで、僕だけが生き残って皆死んでいくの?





こんなに辛い思いうするのなら僕は―――





いや………やめておこう、どうせ僕が自殺しても皆に会えることは決して無いだろう





だって僕は逃げたんだ





皆を置いて逃げた





仲間を置いて逃げて―――





「う、うわぁぁぁあああっっ!!!」





僕は叫んだ





発狂し、何かを恨むかのように叫び続けた





皆を殺した深海棲艦に? 





それとも僕をたった一人帰還させた提督に?





それとも自分自身に………?





いや………もう答えは分かっているだろう





こうやって叫んだのは何度もある





毎晩のように叫び、発狂して皆の名前を叫んでいた





今、当たっている雨はまるで―――





皆の……悲しみの涙のように感じた





その涙は戦争で亡くなっての悲しさの涙か、僕の姿を見て笑い泣きしている涙か………





『―――!』





何処からか…言葉にできないであろう声が僕の耳に届いた





頭を上げると……幻だろう………





でもそこには嘗ての仲間と姉妹がな並んで立っていた





僕を見ながら悲しい表情で僕を見ていた





そして一人の艦娘が僕に手を指し伸ばしてきた





その艦娘は………僕がもっとも中の良かった艦娘だった





悲しい表情をしながらかがみ込み僕の顔の目の前に手を指し伸ばしてくる





僕は優しく、その手を受け取るとその艦娘は僕に満面の笑みで笑い僕を立たせてくれる





僕は立ち上がり皆を見る





皆は僕に笑顔を贈りながら僕を抱きしめてきた





ただの幻に過ぎないのに……皆の暖かさが体全体に伝わってきた





皆は僕を抱きしめ終わると僕に笑いかけた





僕も目に涙を貯めながらも満面の笑みで皆に笑いかけた





そして皆はその笑顔を待っていたかのように喜んだ





そして皆消えてなくなってしまった





後ろから一人の歩いてくる音が聞こえた





僕は期待を込めて振り返った





……………まあ、そんなわけないよね






























皆はもう帰ってこない






























だけどこうやって一時的だけども皆に合うことができた






































ありがとう、皆のおかげでまた一歩踏み出せそうだよ













































そして雨が降りながらも雲の隙間から一滴の太陽の光が漏れていた
















































その太陽の光は海を少しだけ明るく照らして






























一瞬、ほんの一瞬だけ皆を明るく照らした―――
















「……傘ぐらい指したらどうだ?」




さっき来た人が僕にそんな言葉をかけながら傘を差し出してくる。



この人はここで知り合った………いや、向こうから話しかけてきた人だがまあ、顔見知り程度の人だ



「いや、いいよ……ありがとう」



僕はそんな彼の優しさを無視し、太陽が登る景色を見続けた



「………綺麗だな」



彼の言葉は僕に言ったのかは分からない



だけど、少なくとも"ここにいる誰か"だとは感じた



彼はもしかしたら僕と一緒で見えている人がいるのかもしれない



それが僕の仲間かどうかなんてわからないけど



なんだか、彼は僕と似たようなものが感じられた



「………」



「………」



「………お前………艦娘か…?」



「え…?」



「…どうなんだ?」



「………」



一般人に艦娘と教えるのは深海棲艦が無くなった現在でも続いている。

理由はなんか企業秘密とかそんな事を聞いたことがある。




だけど………何故かこの人には衝動的に教えたくなってしまった




何故だろう…?




喋ったことなんてほとんど無いに等しいし、向こうが一方的に喋ってきたのを僕が適当に返事していただけだ




なんで………こんな人なんかにこんなにも興味が出るのだろう……?




今までこんな事なんて無かったのに……




「………そうだよ」



「……やっぱり」



「え?」



「これでも結構軍艦に関しては詳しいんだよ。一応軍人だしな」



その言葉を言った瞬間、何故かその人は悲しい顔を見せた



「へえ……」



「まあ、深海棲艦とは戦ってないけどな」



深海棲艦……その言葉が出るだけで胸が苦しく、熱く、切り裂けるように痛い

脳裏に少しだけ映る……あの地獄の光景



大量の敵戦艦に、重巡洋艦、軽巡洋艦、駆逐艦………その中のフラグシップである戦艦レ級が僕の目を見抜いて―――


後書き

登場する艦娘、その艦娘の仲が良かった艦娘、途中で出て来た"彼"とは全部皆様の想像にお任せします。


このSSへの評価

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SS好きの名無しさんから
2019-10-15 14:18:55

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2019-10-14 21:57:47

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2019-10-15 14:18:57

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2019-10-14 21:57:47

このSSへのコメント

2件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2019-10-15 14:20:15 ID: S:Ty7I6X

なんだこれ……すっげぇ泣ける
(´;ω;`)ウッ…

2: Chro0129 2019-10-17 16:54:44 ID: S:cAc4v2

コメントありがとうございます!
まだ少しだけ続きがありますので待っていてください!


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1: SS好きの名無しさん 2019-10-15 14:20:46 ID: S:R8XRzn

マジでオススメ! 艦娘好きなら泣けると思う。


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