2020-08-02 16:07:20 更新

前書き

このSSは『提督「艦娘が甘えてくるボタンだと?」』の続きとなっております。よく分からなければそちらもご覧頂くときっとわかると思われます。





明石「あ、どうも提督。お疲れ様です」



提督「おう、どもども。なんか用か?」



明石「用事…そうですね、ちょっとだけ。今でなくともまあ良いんですが…」



明石「…今、あのボタン持ってますか?」



提督「ん?おう、肌身離さず持ち歩くようにしてるぞ。急にどしたんだ」



明石「いえ、良ければ貸していただけませんか?

少し試したい事があるんです」



提督「?別にいいが…何をするつもりだ」



明石「まあそれはお楽しみという事で!大丈夫です、提督にとっても美味しい話の筈ですよ」




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明石「はい、出来ました」



提督「おお、サンキュ。…見た目が変わったか?」



明石「全体的な性能の調整、向上と…後はちょっとした機能の追加を。アップデートしたんです。かっこつけて名付けるならMK.2ってところでしょうか?」



提督「Mk.2ねぇ…で、その機能って?」



明石「バリエーションというか。目盛りを作ったんです」



提督「?…どういうこった」



明石「まあ、つまりですね。これまでの…旧型は甘える度合いを調節できなかったでしょう?だからこう、何度もその…襲われたり…」



提督「なるほど、今回はちと理性を残したままに出来るか、意識をトバすくらいに出来るかを選べるって訳か!」



明石「トバすって…まあでも、そういう事です!」



提督「ははぁ、流石明石。いつだって研鑽を積んでるな。…しかし何故急にこうアップデートをするつもりを?」



明石「…誰かさんのお陰で、色々とデータが取れすぎてしまったので。ついつい作ってしまったんです」



提督「なるほど、俺のおかげと」



明石「なんてポジティブな…まあ、それでいいです。それでともかく、やってもらいたい事は…」



提督「これが上手く動くかの実験、てとこか?

オーケー、任せんしゃい!」



提督「さて、と。それじゃあ一体誰に対して最初に使ってみっかね。ていうか最初のボタンの段階でもうまく使いこなせちゃいなかったが、これになった事でなんとか使えっかなあ…いやまあなんていうかそんな真面目に悩む事でもねぇ気もするが…」ブツブツ



明石「うわ、なんて嬉しそうな顔で独り言を…

…今更だけどわざわざ変な事やらない方がよかったかしら…いや、まあいずれにしてもどうせ被害者は出てただろうし…うん、たぶん私悪くない」



提督「おっと自己弁護を重ねてどうした共犯者どの。今更もってお前だけ罪を逃れるのは無理だぞ」



明石「…ですよねー…」




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提督「なら、そうだな。最初試運転って事も含め、だ。表情が分かりにくい子にでもやってみようかな」



明石「と、なると?」



提督「うーん…響とか?

感情自体は豊かだけど、結構顔に出ないからな。ちょうどいいだろう」



明石「『ちょうどいい』って…そういった発言はどうなんです?また憲兵さんに誤解されそうな…」


提督「……もし憲兵に発言の意図を聞かれたときしてと100%誤解とは言い切れねぇな…」



明石「…あ、アハハ…」





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提督「よお響。ご機嫌いかがかな」



響「うん、良いよ。どうしたの?」



提督「いや、まあ別に何がどうって訳でもねぇんだけどな。どうだい、一緒に遊ぼうぜ」



響「おや、お誘いか。なら一緒に甘味屋でも行きたいな。以前、電が二人で行ってたっていうのが羨ましかったんだ」



提督「おおそうか。んじゃあそうしよう。

喜べ、奢ってやるからな」



響「ハラショー」




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響「ほら、早く口を開けて。

こぼれちゃうから」



提督「…なあ、響。そろそろ、やめにしないか?その…周りの目もあるし」



響「?私と司令官がここに居て愛し合うのに、周りを気にする必要が?」



提督「愛ッ…いやその、な?」



提督(…やべぇな。すごいぞMK.2。凄すぎて俺の社会的地位が地にめり込みそうなくらいだ)


提督(同じ机に座り、甘味を頼み、そしてその後来たくらいに目盛りを最大近くにしてやったが…こんな事になるか)


提督(いや確かに考慮してなさすぎたってのもあるが!にしてもこれは…!)



響「…嫌だったかな」



提督「え?いや、そういう訳じゃ」



響「ごめんね。困らせたかった訳じゃない。けど、どうしてもこうしたくなって。耐えられなくなって」


響「…いや、本当はもっともっと。でも、流石に此処じゃそれはできないから、我慢してるんだ。それでも…」



響「…司令官。その…今、私は変だ…

わかってるけど、止められないんだ…」




【響、食器も置き、提督へ擦り寄る】




響「なあ司令官、私を見てくれ。私だけを…今だけでいい。本当はずっとそうして欲しいけど、それだときっと困るだろうから…」


響「…ごめん、こんな事を言って嫌われてしまっても文句は言えない。でも、でも…!」



提督「よしよし、大丈夫。知らないかもしれないが、俺はお前たちが思ってるよりお前たちの事が大好きなんだ。嫌いになる事なんてあり得ないさ」


提督「わかったよ。今だけになっちまうけど。それでも今は周囲の目とかじゃなく、お前を見るよ。お前だけな」



響「…ああ、ありがとう司令官。大好きだ。愛してる。幾ら言っても足りないくらい好きで、好きだ。私の求める言葉を、どうしてそうも的確に言ってくれるんだ。あぁ…」



提督(……)



響「なあ、キスしてもいいかな…」



提督(……これ、マジやべぇな…)




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提督「……これ、今までみたいにポンポン気軽に使っていいもんじゃねぇな。心臓に悪すぎる」



明石「あ、おかえりなさい。その様子だと上手く作用はしたみたいですね」



提督「ああ。…効果内にあった響は、解除した後恥に耐えきれず去ってったが。あのまま解除してなかったらどうなってたんだ」



明石「…そんなに、ですか」



提督「ああ、そんなにさ。しかも何が恐ろしいって、あんなまでにテキメンだったのにまだ目盛りはMAXじゃない事さ。かなり高い所ではあったがな」



明石「…でも、使う気ではあるんですよね」



提督「何を今更!」



明石「やっぱり!」



提督「…しかし、響大丈夫だろうか。

初めて見るくらいの慌てようだったが」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




響「はっ、はっ…!」



響(…言ってしまった、言った。想いを、洗いざらい、何もかも!恥ずかしい、恥ずかしい!)


響(さっきまで正気じゃなかったのはわかってる。けど、想い自体は全部、全部私のものだ!それをぶちまけた!)



響「〜〜〜ッ!!」///


響(言っただけじゃない。い、色んな事も…

唇に、まだ、さっきの感触が…)



響「…うぅ、も…戻ろう。部屋に…

マトモに頭が回る気がしない……」プシュー




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提督「しかしだ、ヤバイ代物である反面、これの効能自体は相当凄いものって事はよーく理解できた。要は上手く使えればいいんだ」



明石「古今東西、使いこなせない人のセリフじゃありませんかねそれ」



提督「なら俺が例外になるまでよ。

…と、息巻いたは良いがどうするかな次。変に地雷踏んだらそのまま死にそうだが」



明石「…あ、わかりました。今、提督無難な娘が誰かって悩んでるんじゃなくてギリッギリが誰かを考えてるでしょう」



提督「おお、よくわかったな。まあ長い付き合いだしな、そこらはわかっちまうか」



明石「あはは、まあ…

で、決まったんじゃないんですか?」



提督「ああ、大淀にやろうかなって」



明石「……んー、んー…」



提督「なんだその唸りは」



明石「…いや、想像出来ないなーって思ったのと、その…」


明石「…大丈夫です?

こう、任務が受けられなくなったりとか」



提督「……」



提督「…大丈夫だろ、多分!」





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大淀「…はい、ではこちらが達成報酬です」



提督「ええ、了解です。

いつもありがとうございます」



大淀「はい。…ええと、それでは」



提督「ああ、ちょっと待ってもらっていいですか」



大淀「あ、はい!なんでしょう!」



提督「はは、いい返事…いえ、この後って少し時間空いたりしてます?」



大淀「あはは、ナンパですか?」



提督「そうですね、それに近い…

いや、それそのものです」



大淀「な、なんて正直な。そこはぼかす所じゃないんですか?まあ誤魔化されても困るんですが…」


大淀「…ふふ、はい。その、暇です」



提督「そうですか。いや、ならよかった。

それなら遠慮なくホイと」ポチッ



大淀「!!」



提督(…しまった、目盛りどうしてたかな。思い出せねぇや)



大淀「…ふふふ、成る程。今の問答はそういう事ですか…はあ、これでも結構期待してたんですけど…」



提督(…あ、期限損ねたかな。確かに暇か聞いて即ボタンとか印象悪すぎるわな)



提督「…申し訳ない。今すぐ解除し…」



ガシィ



提督「!?」



大淀「いえいえ♪それはそれとして。この際ゆっくりと楽しみましょう?そうですね、まずはその敬語を無くして貰っていいですか?」



提督「は、いやぁ、でも」



大淀「明石とはあんなに仲良しなのに?

よよよ、私ではやっぱりダメなんですね」



提督「『よよよ』て…

いやそういう訳じゃなくて」



大淀「やっぱり、ここは親睦を深めるべきだと思いませんか?私、つくづくそう思うんです。ああ、解除はまだ、まだです」ガシィ



提督「ひえっ…

親睦を深めるったって、どうやって…」



大淀「そうですね。どうすべきでしょう?」



提督「え、俺が答えるんです?

えーっと…なんだろ。こう、いつもしないような事してみるとか?」



大淀「ああ、それは名案ですね!

じゃあ失礼して…と」



提督「いやいやいや!俺の机に潜り込む事は『いつもやらない事』じゃなくて『やってはいけない事』だろ!」



大淀「あ、敬語じゃなくなってますね。

嬉しいです♪」



提督「そんな事言ってる場合じゃ…

ぎゃあ距離近ッ!」



大淀「はい、それじゃあお願いします」



提督「……」


提督「……え、何を?」



大淀「何って…嫌ですねもう、女性にそんな事言わせないでくださいよ!」



提督(いやいや…ていうかさっきからテンションたけぇな!躁かよ!)


提督(…えーっと、眼を瞑って待機して…

何が正解なんだ?)



提督(…あ、てか今なら解除できるな)ポチッ



大淀「……!」



大淀「…」



大淀「…あ、すみません、少しそこ空けてもらっていいですか」



提督「ああ、そこ(机の下)から出られませんもんね、どうぞどうぞ」



大淀「すみません、お手数を」



提督「いえいえ」



大淀「…」



提督「…」



提督「何とか取り繕おうと思ってるみたいですけど耳まで真っ赤ですよ」



大淀「誰のせいですか、誰の!!」//////




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提督「まあ、特殊な交渉術でなんとかご立腹は収めてもらったよ」



明石「その交渉術ぜひ習いたいですね…

…ていうかなんですけど」



提督「ん?」



明石「なんで大淀には敬語で私はそうじゃないんですか?」



提督「大淀はこう…しっかりしてるからなんか仕事モードになるっていうか。そこらへんはちゃんとしておこうかなって」



明石「そんなまるで私がしっかりしてないみたいな!」



提督「そういう訳じゃ…

じゃあこれから敬語にします?」



明石「それは…嫌ですね」



提督「ンモー、ワガママなんだから」



明石「カマ口調はもっと嫌です!」




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提督「そういえば俺、一回やった娘に全くなんもやってないな」



明石「?何のことです」



提督「いや、ボタン。一度ポチッとなしたはいいけどそれ以降別に関わり方変えたりとか、そういうのしてないと思ってさ」



明石「うーん、最低ですね」



提督「お、最低って言われたの何度めかな?

まあそういう事で。俺は今からちょっとMk.2になる前にボタンした娘にMk.2を押しに行こうと思うんだ。それすればまた前とどれくらい違うかってのもわかりやすいし」



明石「なるほど、で、誰に?」



提督「そこは風の吹くままって事で…

次に最初にあった子にするぜ、んじゃ!」



明石「いつもどおり行き当たりばったりって事ですね…って、もう行っちゃった」




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時雨「やあ、提督」



提督「……」



時雨「あれ?無視?かなり傷つくんだけどな。おーい」



提督「無視じゃない無視じゃない。

ちっとぼーっとしてただけだ」


提督「時雨か…いや、うん」



時雨「どうしたの?」



提督「いやな、件のボタンがちと改善っつーか強化されたっていうか。それで、比較って思惑もアリで前バージョンを試行された子を探しててな…」



時雨「…あ、なるほど。

ていうか、そこは隠さないんだね」



提督「まあ隠した所でもう遅い気もするしな。あと、一回既にやっちまってるし、どうしても嫌なら拒否してもらおうかと」



時雨「僕は良いけど」



提督「…っと、即答か」




時雨「うん。…提督は僕を見かけたから、とかの理由で僕を選んだのかもしれないけど…」



時雨「…なんていうかな。自惚れるようだけど、もしも僕が、僕だから選ばれたのなら…」



時雨「…その。僕は凄く嬉しい、かな…」



提督「…」



提督「…しっとりとした雰囲気にしようとしてるところ悪いけどそのドヤ顔が隠せてないぞ」



時雨「あ、ごめん。つい」ドヤァ…



提督「ほいほい、んじゃまあやっちまうぞ」



時雨「うん、ばっちこいだよ」



提督「よし来た」




ポチッ





時雨「!!」



提督「…っと、どうだ?

やっぱり、相当違うもんか」



時雨「…す、ごいね…!前は、まだ、理性とかは全然、保ったけど、これは…」


時雨「ふっ、ふーっ…」



提督「大丈夫か?やっぱ、目盛りの調整がイマイチわかんねぇな…低くすれば前みたいになるのか?取り敢えず解除を…」



時雨「待っ、て。

手を。手を貸して貰えるかな」



提督「え?ああ」



時雨「…!」




【時雨はその手を口腔内に入れた!】




提督「……んん!?何を…!」



時雨「フーッ、フーッ…!」




提督(目が、正気じゃねぇ…!)


提督「俺の手なんか不味いだろ!

ほれ、ぺっしなさい。ぺっ!」



時雨「…!」フルフル



提督「ほら、俺の指なんざ咥えてるから話せないだろ?ちゃんとお話ししようぜ。俺はお前と楽しく話したいんだ」



時雨「…うん、うん」



提督「よしよし、いい子。それじゃ…(まずいな、取り敢えずはボタンの解除を…)」



時雨「は、離れないで!

ダメ!絶対、僕の側に居てったら!」ガシッ



提督「いや、離れようとは…」



時雨「わかってる、わかってるんだけど…!ああ、頭が変になる!ダメだ、こんなの!提督が居ないとイヤだ、イヤだ!」


時雨「…ね?僕とずっと一緒に居ようよ!きっと頑張って幸せにするから、僕も幸せにして…」



提督「…あーわかった、わかったから落ち着け、な?」



時雨「お、落ち着けないよ。それ、本当にまずいよ。僕、もう、こうでもしなきゃあ襲っちゃうって…!」


時雨「…うう、でももしそれをしたら嫌われちゃうから、だから、だから!」



ポチッ




提督(……フー、間に合ったか)



時雨「…はっ、はっ…」


時雨「…ああ、ごめんね、錯乱しちゃって。さっきは急に沸騰したみたいに、今度は急に落ち着いてきたよ」



提督「そっかそっか。いや、悪いな。

まさかこんな事になるとは」



時雨「…ああでも、どうしよう。その…」



提督「…ん?」



時雨「……その、昂ったままの、想いだけがちゃんと残っちゃってるっていうか…」



提督「昂ったって…うん?」



時雨「………」/////



提督「…あっ」



時雨「…ねえ提督、少し、仮眠室に行こうよ。大丈夫、少しだけだから…」



提督「ま、待っ!」



時雨「…提督のせいなんだから、まさか嫌とは言わせないからね…!




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提督「この目盛りの目安をちゃんと教えてくれ」ボロッ



明石「うわぁ、また満身創痍な…」



提督「何がちょっとだけ、だ時雨…ぜんっぜんちょっとじゃねぇよ!全身に噛み跡やら何やらだよ俺もう!」



明石「大丈夫…じゃあないですねどう見てもどう考えても」



提督「クソウ、これも明石がちゃんと目盛りについて教えてくれないから…」



明石「教えようともしてたんですけど、その前に提督が何処かへ行っちゃうんですもん」



提督「だってまさかこんなさ!こんな馬力に差があるとは思わないっていうか…こんな、正気を失わせるレベルだなんて!」



明石「嘘つき!時雨ちゃんの前の、それまででちゃんと知ってたでしょう!それなのに大丈夫だってタカ括ってたのは提督です!」



提督「…ムムム…」



明石「さあ、何か弁解があれば」



提督「…慢心せずして何が王か…」



明石「いつから王になったんですか貴方」




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川内「夜戦だ!」



明石「う、うわ!何ですか急に!」



川内「夜戦だ、夜戦だー!」



提督「よお、川内。マジでどうしたんだよ急に。驚いたんだけど」



川内「夜戦の気配を感じた」



提督「は?」



川内「いやいやほんとほんと。

なんかそーいう雰囲気になってなかった?」



提督「…あ、隠語的な意味かい。

いや、そんな雰囲気には…」



明石「……」



提督「…」



明石「…きゅきゅ、急用を思い出したのでその、失礼しますね!!」///



バターン




川内「あ、行っちゃった」



提督「そりゃそうもなるわ。

…しかしなぁ、お前がそう言った意味で夜戦って単語使うとは思わなかったぞ」



川内「えー?提督私の事なんか夜戦しか知らない娘だと思ってない?」



提督「…否定はしない」



川内「ひっど!一応これでも色々考えてるんだぞ!例えば…」



川内「…今。わざわざここに割り込んだのは妬いたから、とか」



提督「…本当か?」



川内「ジョークかもね。どっちだと思う?

そのボタン使ったら、わかるかもよ?」



提督「…やれやれ」


提督(…まんまと、って感じだな。まあ、いいだろう、こいつの思惑通り川内にボタンを押すか)




川内「で、どうする?」



提督「どーするも何も、やれる事はそんなに無いだろ。だからそんなに期待した目をするんじゃあねえ」



川内「あれ、そんなに顔に出ちゃってた?」



提督「そうでもないさ。ただ俺があまりにも感情の機微に聡いだけだ…ぞっと」ポチッ



川内「っ…こりゃ…」



提督「まあ、これでも加減してMAXじゃないんだ。幾らかは我慢してくれよ?」



川内「えー?いじわるだな、こんな状態でそんな事出来るワケ…」



提督「動くな」



川内「…!」ピタッ


川内「提督?何…」



提督「先にやるべき事、あるだろ?」



川内「…?消毒とか?潔癖症だったっけ」



提督「違う違う。さっき何した?」



川内「??」



提督「俺の邪魔をしただろ。急に飛び込んで来てな」



川内「あー…それはごめん。だから…」



提督「別にそれを気にする程心が狭いわけじゃあないさ。ただ、仕置きも必要だよな?」



川内「え?」



提督「という事で、『待て』だ。そのまんまの状態で、俺が良いと言うまで放置されろ」



川内「…それだけ?そんな、犬じゃないんだしそれくらいは出来るって」



提督「…言ったな?」





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






提督「〜〜♪」



川内「…ね、ねえ…まだ…?」



提督「あと少しでこの短編を読み終える。それくらいは待てるだろ」


提督「それとも何か?まさか待てないとか?おやおや、犬じゃないなんて言ってなかったか?」



川内「それは…!そのボタンのせいだから、仕方ないでしょ!?」



提督「仕方なく、無い。お前はその状態を認識したうえで大丈夫だと言ったんだ。それ位は出来ると。そこに嘘はないだろ?」



川内「…う」


川内「で、でも、もう無理だってぇ…

こんなだとは思わなかったから、その…そろそろ良くない?」



提督「ダメ」



川内「ぐっ……」


川内「お…お願いだから…」



提督(……)



川内「ね、お願いだからもう甘えさせてよ…

本当に、もう限界なんだってばぁ…」



提督(もう少しかな)



川内「あー…さっきのも、謝るから!ほら、だから、ほら!」



提督「…」



川内「うう…ご、ごめん。ごめんなさい!」




ガバッ




提督「うおっと…!

これはこれは。立派な命令違反だぞ川内。

まさか罪を重ねてくるとはな、ええ?」



川内「意地悪、意地悪!我慢とか無理だよ、もう!ぜったい解っててやってるでしょ!ダメだって言っても、もう止まれないって!」



提督「はいはい、済まなかったな。流石に焦らしすぎたか。俺も大人気なかった」ナデナデ



川内「う!ぅ…」


川内「…ずるい」



提督「はは、ずるいか?そうかもな。

まあ、許してくれよ。これくらいしないとお前たちから主導権を握れないからな」



川内「…それだけの為にこんな事したの?性格わるー」



提督「いやな、ついつい。挑発的な言動が多かったから色々と来るものがあってな」



川内「来るものって?ひょっとして興奮しちゃったとか?」



提督「…ああ。お望み通り。

滅茶苦茶にしてやるよ」



川内「〜〜〜ッ!?」ゾクゾク



川内「…え、ほんとに?冗談、じゃないか。

嬉しいけど、意外だなぁ」



提督「…さあ、『待て』は終わりだ。

ここからはお前の大好きな…」



川内「…『夜戦』?」



提督「…」



川内「きゃっ…目が怖いって…♡」




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明石「あ、お帰りなさい。

どうですか調子の方は?」



提督「ごくごく良い。最高だ。

ようやく掴めて来たぞ、加減だとか使い方だとかが」



明石「それはまあ、おめでとうございます」



提督「おうよ、よおし、このままリベンジとか行ってみるか?」



明石「リベンジ…?」



提督「ああ。Mk2になる前に俺の思う通りにならなかったりした娘らの所に行ってみるのさ」



明石「…失敗フラグですね?」



提督「違うわ!よおし、では、一番最初にそうなった…鳳翔の所に行ってくるか!」



明石「えー…やめた方が。絶対有頂天になっての使用なんて痛い目見る気がしますしましてや相手が悪すぎ…」



提督「ごちゃごちゃうるせー!」ポチッ



明石「きゃあ!…あっ…」



提督「んで即解除!

それじゃ行ってくるぜー!」



明石「て、提督…!

もう!こっちは親切心で言ってるのに!」




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提督「どうも。

こんにちは鳳翔さん。今空いてますか?」



鳳翔「あ…こんにちは。

はい、今はとりあえず…」



提督「それは良かった、んですが…」


提督「…疲れていますか?」



鳳翔「え?」



提督「どこか元気が無いような気がして。

気のせいならばいいんですが…もし、そうなら何時でも言ってください。きっと、鎮守府皆がどこだろうと助けに行きますから」



鳳翔「ふふ、嬉しい限りです。

…その『皆』には提督も?」



提督「そりゃ当然!」



鳳翔「ありがとう、ございます。

…ただ、今はその、そう言った訳では無くて…」



鳳翔「その、聞いてしまいまして。

以前提督がいらっしゃった時の…」



提督「あー…あのボタンが偽物だったって事をですか。…ひょっとして怒ってます?」



鳳翔「正直、ちょっとは。ただ、その…それよりも…」チラッ



提督「?」




鳳翔「…わ、私…」


鳳翔「私、その…あんなにふしだらじゃありません…!」///



提督「…ほお?」


提督(『あんな』ってのは以前偽物押した時のあの行動の事だろうな。ふしだらって言うほどでもなかった気もするが…)



提督「これはまた、随分と…

では何です、あの時の発言や行動は何もかも嘘であったと?」



鳳翔「!そんな事は!あ、あの時言った気持ちは嘘じゃないですが…」


鳳翔「ただその…私はそんな…」



提督「取り繕わなくても大丈夫ですよ。俺は全て受け入れますから」



鳳翔「…」



提督「いいですよ。俺はどんな鳳翔さんも受け入れます。どんな鳳翔さんも好きですから。貴女が貴女であるだけで、愛していますから」



鳳翔「でも、私…」



提督「これを」スッ



鳳翔「!それは…」



提督「あの時と同じですね。

…俺は質問するだけです。貴女はこれを押して欲しいですか?」



鳳翔「…ほんとうに、いけずですね」クスッ



提督「それはどうも」




鳳翔「…お願いします。お願いしたいです」




提督「了解です。それじゃあ」





ポチッ




鳳翔「…!これは、成る程…確かに、あれは偽物だった事がよくわかります…」


鳳翔「…その」



提督「どうぞ?」



鳳翔「…」///





ダキッ




提督「…」



鳳翔「はしたない、と思いますか?」



提督「全然。

むしろ、今の貴女の方がずっと可愛らしい」



鳳翔「そう…でしょうか。

私、不安で…もし嫌われてしまったらと…」



提督「鳳翔さん」



鳳翔「あッ…」




提督「……これから、お手すきでしょうか」



鳳翔「今、からですか?」



提督「ええ。貴女はこのボタンのせいで、ですが…俺は、単純に我慢できなくなってしまいました」


提督「こんな自制心のない男。

はしたない、と思いますか?」




鳳翔「我慢…ですか?」



鳳翔「…あっ……!」



鳳翔「……」///



鳳翔「…いえ、ええ。

今の貴方の方が、可愛らしく思います」///



提督「…」



鳳翔「!んっ…」






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明石「…え、成功したんですか。

てっきり失敗フラグだとばかり」



提督「フハハハ!今の我は無敵だ!

今ならなんだって出来そうな気分だ!」



明石「調子に乗りすぎて一人称まで変わってる!ちょっと落ち着いてください!このままじゃおちおち話も出来ない!」



提督「ああ、ああ、すまんすまん。

ちょっと…いやかなり正気を失ってた。

フフ、ここまで連続で上手くいくのなんて初めてだったからな」



提督「ッシ!この勢いを絶やさぬまま行こう!今ならそれまで駄目そうだった相手にでも勝てる、勝てるぞ!」



明石(…あっ)



提督「底知れない…北上なんてどうだ!そうだ、彼女の慌てる様を目に焼き付けてやるぞ!」



明石(…なんか、もう駄目そうね…)




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北上「…提督ってさぁ。

ほんと、そういう所だよね」



提督「?」



北上「え、そこで惚ける?もう無理でしょ」



提督「いやぁハハハ、すまんな。こうでもしないとなんだか勝てなさそうでな」



北上「なんか勝負してる訳でもないのに勝ち負けとかあるの?…ま、いいけどさ」



提督「…ほう、なんだか随分余裕じゃあないか。今までの娘らはこの目盛りの状態でやったらコロッといきかけてたんだけどな」



北上「それ知った上でやったんだ。かなーりサイテーじゃない?」



提督「超今更だろそんなの。

というか言われ慣れたわ」


提督「…で、どうだ。お前もそんな感じかい」



北上「ん?うーん…どうだろ。

確かにかなり変化はあるけど、辛抱堪らなくなるって程じゃないかな」



提督「おや、そんなもんか?

うーん…そりゃ個人差はあるだろうが、ここまで揺らぎが出るって事はあるのか…?」



北上「うーん。不調って感じかな。

ちょっと見せてよ」



提督「お、機械関連詳しいのか?んじゃほい」



北上「うん。えい」ポチ



提督「?もっかい押したら解除になっちま…

……あっ!!」



北上「そりゃわかるよ、それが不調でもなんでもないの。めちゃくちゃ効果あったし。あー、危なかった」



提督「…見事に騙された。

なんちゅーポーカーフェイスだ…」



北上「ふふん、凄いでしょ。

さぁて、ここからはやり返しタイムなんだけど…」


北上「うーん、このボタンは提督には効果無いみたいだし、どうしようかな」



提督「いっぺん俺に返してみない?」



北上「そういうダメ元な発言嫌いじゃないけどダメ。絶対なんか悪さするでしょ」


北上「…いや、そうだねえ。

ねえ提督。ちょっと私にキスしてみない?」



提督「は?…な、何を言ってるんだ」



北上「そうしたらこのボタン返してあげようか、考えてみるつもりだけど、どうする?」



提督「むう…わかった、良いだろう」


提督(…変な気持ちになっちまわないように自分を整えよう。集中、集中)



北上「…ふふ」



提督「…どした、そんな俺アホ面だったか」



北上「そんな事は…あったけど」



提督「あるんかい」



北上「それより、理由はどうあれ提督が自分の意思で私にキスしようとしてくれてるのが嬉しくってさ。された事は何度もありそうだけど、それは少なそうじゃん?」



北上「『初めて』なんて贅沢な事は言わないし、他の娘にやってるからそれが嫌とか、面倒くさい事は言わないけど。やっぱり貴重なモノの方が嬉しいよね、こういうのってさ〜」



提督(…ヌウ、平常心、平常心。折角口づけだけでオッケーだっつってくれてるんだから…)



提督「…それじゃ行くぞ」




チュッ




提督「よし、これで…」



北上「……」



提督「…」



北上「……ねえ」



提督「…別に、マウストゥマウスって条件はなかったろ」



北上「…そういう所だよね」



提督「頬だってキスには変わらないぞ。

想いに優劣がつく訳でもない」



北上「そういう…理屈じゃないんだよ。

女の子がキスを求めるなら唇を重ねるっていうのがさ…いや、まあ、いいけど」



北上「…提督は私の事嫌い?」



提督「!それはあり得ない。信じてもらえないかもしれないが、それだけは断言させてもらうぞ」



北上「なら、この場限りでもいいから…」


北上「…やっぱいい。それじゃ返すね」ポイッ



提督「お、おお」キャッチ



北上「もう用はないでしょ。んじゃね」



提督「…北上」



北上「?何…んッ!?」



提督「…ぷはっ、これでいいか。

それとも、今度は舌を入れようか」



北上「…急すぎるでしょ」



提督「デリカシー無かったか」



北上「それもだしさ…

でも、満足したよ。あんがと」



提督「ああ。それじゃ、今度こそじゃあな」



北上「うん、またね」




北上「……」



北上「……」///



北上「…はぁ、参ったなぁ…」





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−





明石「で、今度はどうだったんです」



提督「…勝ち負けを何にでもつけるなんて馬鹿馬鹿しいとは思わないかい明石くん」



明石「いや貴方がこれまで散々っぱら…!

…まあ、いいです。今回に始まったことではないので」



提督「ジョーダンジョーダン。

…失敗だとか負けに近いかな。ガッツリ利用されちまってるし、少なくとも知能戦では完璧に負けた」



提督「ただ、やっぱり効能はかなりあったみたいだからな。あのポーカーフェイスに騙されなけりゃワンチャンあったかもしれん」



明石「さすが、私作ですね」



提督「…まあ確かにその通りなんだが、それを自分で言うんじゃねぇやい」




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−





提督「ん?おおどうした。千歳か。

急を要する用事…」


提督「って訳じゃなさそうだな。

その手にあるものを見ると。いや、ある意味急を要する用事か?」



千歳「えへへ、つい珍しいのが手に入ったから。ここに置いておいてもいいですか?提督の部屋なら取られたりとかも無いはずですし」



提督「別に取られる事なんてねぇだろ…

…まあ、なんだ。わかった、置いといてやろう。代わりに…」



千歳「勿論、一緒に呑みましょう。

そのつもりで声をかけたんですから!」



提督「さっすが、話が早い」





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−





提督「はは、へべれけになるまでは飲まねぇよ。ま、精々がほろ酔いくらいだな」



千歳「えー、なんかつまらない…折角ならすごく酔っちゃったりしてみませんか?どんな醜態でも私は受け入れますよ?」



提督「いや、酒の失敗は一回で良いよ。

元々前後不覚になるくらい酔うのも好きじゃないし。つーかそもそも、酔うのがあんまり」



千歳「酔うのが嫌い…って、それもうお酒飲む必要無いんじゃない?…もしかして、嫌々付き合ってます?」



提督「いやいや、んな事はないさ。

たまーに呑むと普通に美味いし、ほわほわする程度ならまあ好きだし、そんで何より…」



提督「…酔っている君たちを見るのが好きだ」



千歳「…うわあ」



提督「ハハ、キザすぎたか」



千歳「うーん…正直、キザを通り越してちょっと気持ち悪いです」



提督「まあまあ、酔っ払いの戯言だと思って流してくれ」



千歳「…なら、これも酔っ払いの戯言だと思って流して欲しいんですが」



提督「ん?」



千歳「案外、気の利いてる言葉だなんて思っちゃいました。そのキザな台詞が」



提督「…そりゃあ、酔いすぎだ」



千歳「やっぱり、そうですか?」



提督「…ぷはっ、やっぱうめえな。

そら、もう飲まないのか?」



千歳「ん?んー…なんだか提督を見てたらあんまり飲む気にならなくなってきちゃいました」



提督「んだそりゃ。悪口か?ん?傷つくぞ?」



千歳「違いますよー。その折角の大切な人との時間を、シラフで居たくなったっていうか…」

 

 

千歳「…あはは、もっとキザな言葉を言うつもりだったんですけど。提督はよくあんな事顔色変えずに言えますね」



提督「おう、俺の凄さがわかったか」



千歳「ある意味、です」



提督「で、どうする。今のお前の発言は酔っ払いの戯言として流しておいた方がいいか?」



千歳「…ずるい」



提督「そうか?」



千歳「…出来れば、流さないで欲しいです。

ただ、提督がそっちでありたいなら、私はそれでも…」



提督「悲しい事言うね。

俺がお前の気持ちを嫌がるなんて事、何があろうとあり得ないさ」



千歳「……〜〜っ…また息を吐くようにそういう事を…本当に、酔ってないんですか?」



提督「シラフもシラフよ」



千歳「ならきっと、提督はとんでもない女誑しか詐欺師かですね」



提督「滅相も無い。俺は善良な軍人さんだ」



千歳「…自分でも、思ってたより酔ってたのかもしれません。どうも、変なんです」



提督「変?」



千歳「吐き気だとか、そういう訳では無いですよ?どうも、自制が利かないような…」


千歳「…さっきの言葉。

折角なら、酔っている『君たち』の姿を見るのが好き、じゃなくて」



千歳「『君』が、と言って欲しかったとか」



提督「…」



千歳「…じょ、冗談ですよ。あはは…」



提督「…酔いすぎだ。

膝を貸してやるからゆっくりしなさい」



千歳「…はい…」




千歳(…膝を借りられるのは少し嬉しいけど、私の求めてる言葉は言ってくれないんですね)


千歳(…心にもない事は、言えない?)



提督「…そういった事は、折角だ。今じゃない。もっと、ちゃんとした時に言ってやる。そうさせてくれよ」


提督「だから、なんだ。

別に思ってないから言わない訳じゃない」



千歳「…!こ、言葉に出てました?」



提督「目は口程にモノを言うってな。

そんな悲しそうな目をされたら分かるさ」



千歳「……」///



提督「ほら、顔が赤いぞ。

かなり酔いが回ってるみたいだ」



千歳「…わかって言ってますよね?

…やっぱり、ずるいです」





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−





明石「あれ?ボタン使って…ました?」



提督「MK2になる前までの程よい感じも出来たらいいと思ってな。大体これくらいの調整でやればいいか?実験したんだ」



明石「ああ、発動自体はそのメモリを控えめにしてやったと。いつやったんですか?」



提督「悪いがそんな面白い回答じゃねぇぞ。

普通にコップとかの用意してもらって背を向けられてる内に押しただけだ」



明石「なんです、つまらない」



提督「毎回毎回ミッションインポッシブルするわけにもいかねえし仕方ねぇだろ」



明石「…そういえば、本当にお酒はあんまり好きではないんですか?」



提督「嫌いでは無いがな。

単純に酒にあんまし強くもないし…」



明石「なんだか意外ですね。

…ちょっと酔い潰されたりしてみません?」



提督「お前のワクワクしてるその目が怖いからやだ」





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−







提督「ふう…」



提督(なんだか疲れたな…まあ、そんな疲労の理由も遊び過ぎだなんてクソ情けない理由だが…)



大井「どうしたんですか、ため息なんてついて。幸せが逃げていきますよ」



提督「ん、そうだな、正しくその通り」



大井「どうせ、遊び呆けているせいで疲れてるとかのしょうもない事でしょう。ぬるめのお茶煎れましたから、これ飲んでささっと終わらせてください」



提督「ああ、ありがとう…

…遊び呆けてるからってのは的中だよ。

凄いな、エスパーか?」



大井「聞きたくもない噂がどんどん流れてきているだけです」



提督「は、手厳しいな。

もしかしなくても、これについてだよな」スッ



大井「!持ち歩いてるんですか…」



提督「一応、他の人に悪用とかされんようにな。まあ流石に真面目な仕事の時にゃ使わんさ。その一線だけは守らんと」


提督「それに、今日はお優しい秘書艦さまもいるからな?」



大井「…そうですね」



提督「おっと、一応言っとくが皮肉じゃあないぞ。お前は本当に優しいからな」



大井「ご機嫌取りですか?

全く…悪い気はしないですけど…」



提督「……もし、俺がこの仕事を終えた後、お前にこのボタン押すって言ったらどうする?」



大井「!!」



大井「…別に、どうもしません」



提督「そうか」



大井「…それを両手を広げて歓迎したりも、生娘のように逃げ出したりも、何も。

…好きに、したらいいんじゃないですか」



提督「…そうか」





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−





大井「……」



大井「横、座ります」



提督「あいよどうぞ」



大井「…ありがとうございます」



提督「どういたしまして」



大井「提督」



提督「ん?」



大井「ありがとうございます」



提督「…そんなに横に座りたかったか」



大井「そうじゃありません。

…そうでも、あるのかもしれませんが」



提督「…あのなぁ。俺はお前らが思ってるより馬鹿なんだ。もう少しちゃんと言ってくれんとわからねぇよ…」



大井「私を見つけてくれてありがとうございます。私が私である全てを、ありがとう」



提督「…」



大井「この今の想いも、大切なものも、日々も、未来も。私がここにいて、私が大事だと思えるものは、きっと貴方が与えてくれたものだから。それを今言っておきます」



提督「大袈裟だな。お前がお前であるのは、お前自身の弛まぬ努力と信念のお陰だ。それを俺のせいにされちまっても困る」



大井「そうですね。…それでも言わずにはいられない。それが感謝ですから」



提督「…まあ、確かにな」



大井「理屈なんて超えて、何度も何度も思ってるんですよ。喜びも、夢も。これからも。意味を持たせてくれた色々な『ありがとう』を、ありがとうって。愛していますって」



提督「随分とまあ、素直じゃないか。いつもそんな風だったら俺はもっと嬉しいんだがな」



大井「…それが出来る女だと思うの?」



提督「…ノーコメント」



大井「…ふん」


大井「…張り詰めて居なきゃいけませんから。少しでも、例え必要じゃなくても。今という、最高の状態を続ける為には」


大井「…そう思っていたのに、その忌々しいボタンのせいよ。ほんの今だけでも、提督なんかに、全部甘えようなんて思っちゃうなんて」



提督「『甘える』にしても、そんな難しいことを言わんでもいいだろう。もっともっと肩肘張らず、グダッとさ」



大井「いつかは絶対に言わなければ行けないことで、多分、ここで言わなきゃもう言えないから仕方がないのよ」



提督「ま、お前がそう思ったのならそれを尊重すべきだな。にしても、『言わなきゃいけない』なんて事あるか?」



大井「言わなきゃいけないのよ。

いつか、死んじゃうんですから」



提督「……お前」



大井「…事実ですよ?勿論、提督も私たちも全力を尽くしてますし、このまま犠牲なんて無いまま終わるかもしれないし、そうじゃないかもしれない」


大井「…それでも、いつかは死ぬんです。

だから絶対、言わなきゃいけないの」



提督「…大井、お前…」



大井「…」




提督「…そんな事ばっか考えてて疲れねえか!?気を張り詰めきってない甘えてる状態でそれだろ!?俺よりぜんっぜん色々考えてんじゃねえか!」



大井「…はぁ、貴方が考えなさすぎなのよ」




提督「ぐっ、耳が痛い。まあなんだ。

そこは適材適所って事でな?」



提督「…冗談はさておき、別にそう言ったことを考えるなとか、俺が言ったこと以外は考えるなんて言うつもりもねえ。ていうかそもそも聞かねえだろそんな命令」



提督「だから、ほんのちょっとアドバイス。手軽な幸せってのは、案外目の前にあったりするものだぞ?」



大井「?」



提督「ほら」



大井「…」クスッ



大井「ええ、そうね。まあ、たまには何にも考えなくてもいいわよね」



大井「…お言葉に甘えさせて貰うわね?」




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−








提督「…んでそこの定食がまた旨くてさ。

ありゃ鳳翔さんにも並ぶね」



明石「あら、そこまで言うほど?

そんなに豪語されると気になりますね」



提督「はは、さすがに言い過ぎたな。

でもまあそれくらい旨かったんだよ」



明石「じゃあまた今度提督の奢りで…

あ、そう言えば」



提督「サラッと奢らせようとするんじゃねぇ。…で、なんだ?」



明石「いえ、全然関係のない話なんですが。さっき卯月ちゃんが来たなって…」



提督「ああ、なんだろ。

意趣返しでもしようとしてたのかな」



明石「というよりはどちらかと言うと怯えた様子というか、なんというか…」



提督「?」



明石「…本当に何もしてないんですよね」



提督「い、いやいやマジでしてねぇって!この目を見ろ、そんな事すると思うか?酷いことをするような人間に見えるか?」



明石「思います、見えます。」



提督「だよな!!」





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−-






提督「さあて、卯月卯月はっと…」



提督(俺のやったことが思いの外、心の傷になってたりとかしたんだろうか…?そんな風には思えなかったが…)


提督(いずれにせよ一度会ってみないとかな…どこにいるか…)




卯月「あっ」



提督「はっ」




「「……」」





ダッ





提督「ぬぁぜ逃げるゥ!」



卯月「びょおおん!逃げるに決まってるぴょん!自分の胸に…っていうかその妙ちくりんなボタンに聞けっぴょん!」



提督「待て!取り敢えず待て!

何もしない!何もしないから!」



卯月「嘘つけっぴょん!」



提督「くっそ、信頼が0だ!そらそうか!

なら仕方ねえ…!オラッ食らえッ」




ポチッ




卯月「っ…!」



提督「さあて、まあ別に悪いようにするつもりはないんだが…これ以上追いかけっこするのもな」



提督「んで、そうだ。

俺が呼び止めたのはだな…」



卯月「…う゛」



提督「ん?」




卯月「ゔえ゛え゛ん…!」




提督「……!?」


提督「いや、その…あれぇ?」




卯月「じれいがんのいじわ゛る゛ぅぅ!!

うーちゃん、それイヤなのにぃ…!」



提督「…う」



卯月「うう゛ぅぅ…卯月だって、そんなもの無いまんま甘えたいのにぃ…!」


卯月「司令官のばか゛ぁぁ…!」



提督「……」




ポチッ




提督「…あー、その、なんだ。

ごめんよ。ほら、怖いのはもう無いから。しまったから。な?」



卯月「…うそつきな司令官は嫌いっぴょん゛…」




提督「嘘ついてないよ。

ほら。ボタンも解除したし」



卯月「……」



提督「ごめんな。流石にこんな俺でも、君らに泣かれちゃったらな…いくら謝っても駄目かもしれないけど、ごめん。嫌いにならないでくれないか?」



卯月「…ならない」



提督「そっか、よかった。

じゃ、もし良ければ仲直りしないか」



卯月「…ん」




トコトコ


ギュッ




提督「よしよし、本当にごめんな」



卯月「…ゆるさないっぴょん…」




提督「か…勘弁してくれないか。

今までやった事考えりゃあ許してくれなんて図々しい事言えるような立場じゃないが…」



卯月「…どうせ司令官は出撃とかに困るから機嫌を取ろうとしてるだけっぴょん」



提督「それは違う!俺は俺の意思でお前らと仲良くし続けたいと思ってるし、親しい関係で居たいと思ってる!そこに打算は無い!」


提督「…信じてもらえないかもな。

でも本当だ。俺は…卯月、君とちゃんと仲良くしたいんだ」



提督「どの口がと思うかもしれないが…俺は、卯月の事好きだからさ」



卯月「……く…」



提督「ううん、どうしよう。

そうだ、何か欲しいもんとかないか?

いや、モノで釣るみたいで嫌か。んっと、それじゃあ…」



卯月「…くっ…くく…」




提督「あ、そうだ。一回言う事聞くとか…

…?卯月?」





卯月「…ぷっくっくー!」




提督「うわっ!?」




卯月「うっそぴょーん!

うーちゃんの迫真の演技に、すっかり騙されたっぴょん?ぷくく、ワタワタと必死になってる指揮官面白かったっぴょーん!」



提督「…ほほう、嘘泣きだったかー。

こりゃ騙されちまったよ」



卯月「でしょ、でしょ?そんじゃ、うーちゃん行くっぴょん!次のイタズラを楽しみにしてるっぴょーん!」





【卯月は走り去って行った…】





提督「……」



提督(目は涙で赤くなってたし、顔もなんだか赤くなっていたが…ま、俺が騙されたって事でいいだろう。そこの詮索は野暮だな)



提督(…たまにゃあすっかり騙されるってのも悪くないな)




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−-




タッタッタ…



卯月「はっ、はっ…ふぅー。

ここならもう、誰も居ないっぴょん…」



卯月「…」



卯月「…にへへ」



卯月(!い、いけないっぴょん!司令官は酷いことやってきたんだぴょん、それを許すどころか、あんな事だけで嬉しくなっちゃうなんて…!)



卯月「…」




(卯月の事、好きだからさ)




卯月「…えへへへ…」///




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−-










後書き

再びリクエストの募集を致します。
もしよろしければコメントの方お願いします。


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1: 足利 2020-01-20 01:14:45 ID: S:owFBA6

やったーボタンだー!

2: SS好きの名無しさん 2020-01-22 00:59:04 ID: S:KsA8vh

ふふ...楽しみにしているでゲス

3: SS好きの名無しさん 2020-01-24 01:42:39 ID: S:FrASOb

ああ^~たまらねえぜ

4: SS好きの名無しさん 2020-02-09 01:18:43 ID: S:SXYtNq

リクエストあり?

5: マロニー 2020-02-09 01:55:09 ID: S:A_cb4_

ご拝読ありがとうございます。
響がリクエストとしての先約がありますのでその後になってしまいますが、それでも宜しいならリクエストしていただければ幸いです。

6: ぬいぬいファンクラブ 2020-02-20 00:35:25 ID: S:Z7jrph

はー響たんかわええんじゃー

7: ぬいぬいファンクラブ 2020-02-20 00:40:43 ID: S:l9HRbh

あ、後書き見たらリクエストありな感じなんですね。

できましたら大淀か叢雲をお願いします。

8: マロニー 2020-02-20 16:36:02 ID: S:EECTd5

ご感想ありがとうございます、嬉しいです…
リクエストの方了解しました、大淀さんの方を取らせていただきます。

9: SS好きの名無しさん 2020-02-20 20:44:05 ID: S:Rz2tHU

時雨、その内書いて欲しいです。

10: SS好きの名無しさん 2020-02-21 04:57:38 ID: S:rjZBqD

リクエスト川内お願いします!

11: マロニー 2020-02-22 00:21:39 ID: S:y0uOGr

9
リクエストありがとうございます。
二回目という事でしょうか。とりあえず了承しました。

10
リクエスト、ありがとうございます。
夜戦さん了解です。

12: sei 2020-03-02 16:02:18 ID: S:oPanuf

......たまんねぇな、オイ。

13: SS好きの名無しさん 2020-03-08 06:52:54 ID: S:0zCeZ4

ここの提督は前回の艦娘と一線越えてますが、今回も越えます?

14: SS好きの名無しさん 2020-03-08 06:53:28 ID: S:FP25Xb

超えるのでしたら鳳翔をリクエストします

15: マロニー 2020-03-12 22:31:41 ID: S:71CAgj

お読みいただきありがとうございます。恐らくは直接的な表現は出来ないと思いますがそれでも良いなら了解です。

16: SS好きの名無しさん 2020-03-12 23:51:36 ID: S:NG1Z6L

北上さまってやったっけ?やってない気がするのでお願いします!

17: マロニー 2020-03-17 01:28:26 ID: S:mUPB1Y

お読みいただきありがとうございます。
北上さま、かしこまりましたー

18: ぬいぬいファンクラブ 2020-03-25 05:22:53 ID: S:JI7da5

大淀ありがとうございました。

19: SS好きの名無しさん 2020-03-25 08:24:54 ID: S:6AP5q4

リクエスト千歳お願いしたいです。
楽しく読ませてもらっています

20: マロニー 2020-04-08 02:07:23 ID: S:HRg54v

返信が遅れてしまい申し訳ありません。
お読みいただきありがとうございます。リクエスト了解です。

21: Ganguto 2020-04-17 19:50:10 ID: S:j8FhcD

川内かわいい

22: SS好きの名無しさん 2020-05-27 18:19:21 ID: S:Gy0c35

ふむ...うん...まぁ...取り敢えず最高( ᐛ)

23: ホムラ 2020-06-25 01:05:53 ID: S:j68cja

面白くて、続きを楽しみにしてます。
リクエストで大井に使ってみてください!

24: マロニー 2020-06-25 23:51:15 ID: S:rmJ6Ul

コメントありがとうございます。
そう言って頂けるととても嬉しいです!
大井さん了解しました。

25: SS好きの名無しさん 2020-07-27 18:23:39 ID: S:HzyQ9V

まだリクエストを受け付けているなら卯月を頼んでもいいですか?

26: マロニー 2020-07-28 21:47:26 ID: S:Sg6eEO

リクエスト受付しました。
卯月了解です。

27: SS好きの名無しさん 2020-08-03 20:46:06 ID: S:XnoLa5

卯月を書いてくれてありがとうございます!卯月かわいいよ卯月

28: 腐狩 2020-08-07 23:06:46 ID: S:hpOZQz

リクエストで、足柄さんをお願いします。

29: マロニー 2020-08-09 19:57:09 ID: S:Q_K148

返信が遅れてしまいまして申し訳ありません。
リクエスト了解しました。


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最高!

3: SS好きの名無しさん 2020-03-30 13:06:46 ID: S:vbjBcH

気持ちいい

4: 寝過ごし太郎 2020-06-29 07:22:36 ID: S:Vbp0-A

すこ


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