2020-02-15 20:00:38 更新

概要

男性どころか人間が提督一人しかいない鎮守府の、6回目のバレンタイン。
総秘書艦の那智さんはバレンタインに思うところがあるようで。


前書き

たぶん初投稿です。
登場人物について独自の設定があります。が、説明は極力入れないフロム脳スタイルでいきます。
また、世界観や独自設定については他の艦これ拙作と同一です。

基本は台本形式ですが、別な書き方をすることがあります。
「www」や「……」などイメージしやすい表現を無限に使用します。
方言はエセです。



那智「バレンタイン、か…」ナデナデ


荒潮「Zzz」


提督「…明日だな。どした?」


那智「いや…昨年の事、お前も覚えているだろう?」


提督「いろいろ貰ってたな。チョコじゃないやつも一杯」


提督「俺はついででチョコ貰ってたけど」


那智「人望の差だよ」クス


提督「ひでえ」カタスクメ


那智「さておき、貰っている手前図々しいんだが…」


提督「別に変なもの押し付けられてなかったろ?」


那智「いや…その、なんというか…」



那智「『酒を贈っておけばいいだろう』と思われている気がしてな…」



提督「……」


那智「……」


提督「まぁ、実際は違うってのはわかってるけど」


那智「そんなに毎日酒をかっくらっている印象があるのか?」


提督「んなこたない」


那智「だろう。少しおかしくはないかと思って」


提督「たーだーし、これは一緒に過ごしてる俺目線での話だ」


那智「む…」


提督「とにかく君はザルだ。焼酎ひと瓶空けて平気だったろ?」


那智「そのぐらいでは飲んだうちに入らない」


提督「ウイスキーだのワインだの日本酒だのとっかえひっかえちゃんぽん4時間やってもケロっとしてるだろ?」


那智「一応総秘書艦だから、あまり羽目を外すわけにもいかないしな」


提督「つまり量が多いんだよ。1回あたりの。だから平均するとえらい量飲んでるはず」


提督「もちろん毎日は飲んでないにしても、鳳翔さんとこなり早霜のとこなりに居る時間が長すぎて嫌でも印象に残る」


那智「……多少腑に落ちないところもあるが…」


提督「佐々木のフォークぐらい落ちてるよ。結局去年どれだけ酒貰ったか覚えてるのか?」


那智「……合わせて4升ぐらい」


提督「いつ切らした?」


那智「5日」


提督「1日あたり1.5リッター飲む人が何言ってんだって気分だよこっちはね…!」


那智「いや、いつも飲んでるのとは違うんだぞ。皆私のためにいいのを見繕ってくれたから思いのほか進んだというのもある」


提督「…本当に飲む人はもっと飲むかもわからんが、あの時の那智は正直おかしかったぞ」


那智「どこがおかしかったというんだ」


提督「終業からずっとニヤけながら延々と手酌して4時間して消灯の時間になったら片づける」


提督「その間他のことは一切しなかったろ」


那智「いい酒は落ち着いて楽しみたいからな。おかしくはないだろう」


提督「怖いっつの。テレビ見るでもなく俺とか荒潮と話すわけでもなく誰を呼んでるわけでもなく」


提督「何が聞こえてるのか知らないけど時折うんうん頷いたりしてさあ」


那智「だから味わっていたといってるだろう」


提督「知ってるよ。真剣に味わうのはいいけどもーちょい周りを見てくれって話」


那智「お前も荒潮も飲めないんだから一人で楽しむほかないと思うが?」


提督「一人の世界にどっぷり浸かるのは俺としても悲しいから話を振るとかしてってお願いしてる」


那智「…それは構わないが、話がずれていないか?」


提督「ああそうだねそうだったね。そんなのが酒で喜ばないわけないって思うのは当たり前じゃないかと思わないかい君は」


那智「いや嬉しいよ。酒は好きだから。でもバレンタインじゃないか」


那智「誕生日プレゼントならわからないでもないが、チョコを贈る日なんだからチョコでいいだろう?」


提督「……」


那智「その目はなんだ。私の顔に何か付いているのか」


提督「なんでチョコじゃないのかわからないのか?」


那智「……私と付き合うまで恋愛経験がなかった男の言うセリフではないな」


提督「あーへいへい。でもわかんねぇってなら俺と同レベルってことだぞ」


那智「む……」


提督「ま、いいよ。気に障るんだったら来年からはよしてくれって言えばいいだけの話だし」


那智「…お前こそデリカシーが足りないんじゃないか?そう言うのは野暮だろう」


提督「距離が近いにしろそうでないにしろ、誤解されたまま関係を続けるっていうのも問題だと思うんでね」


提督「ただまあ、どうするかは那智に任せるよ。好きにすりゃあいい」


那智「…それは、今までと同じく、貰ってありがとうと言っていればいいのかもしれないが…」


提督「難しいかもしれないけど俺はモテる人間じゃないんでね。うまい方法は頑張って考えて探してくれ」ヒラヒラ


那智「…やれやれ、今日は不機嫌だな」


提督「……」フン


那智「冗談だよ、妬いてくれているんだろ?」フフ


提督「うるせぇ」


那智「すまない。ちゃんとお前のチョコケーキは冷蔵庫に用意してあるから、明日食べてくれ」フフ


提督「あーあれ俺のだったんか。…ありがとう。できれば明日言って欲しかったけど」ポリポリ


那智「代わりといっては何だが」


提督「なんだ義理かよ」ハハ


那智「本命だから安心していい。…それで、一つぐらい思い当たる節があるんだろう?」


提督「…全員が全員酒渡してくるってわけじゃないんだろ?」


那智「まあ、そうだな…」


提督「チョコくれる奴と別なのくれる奴の違いがあるはずなんだよなぁ」


那智「……ふむ…」


提督「その辺かな。俺が考えてるのは」


提督「とりあえず明日も仕事だ。忙しくは無いと思うけど、あんまり影響出ない程度に頼むよ」


那智「ああ。お互いにな」


提督「じゃ、お休み」


那智「お休み」




親潮「おはようございます、司令」ビシ


提督「おはよう、親潮」


那智「おはよう」


親潮「荒潮さんはどうしました?」


那智「寝坊でな。まだシャワーを浴びてるよ」


親潮「了解しました。…何かお飲みになりますか」


提督「緑茶。多少渋くなってもいいよ」


那智「ブラックコーヒーを頼む」


親潮「はっ」ケイレイ


島風「失礼します!」ドガン


親潮「ひっ」


提督「来たな」


島風「テートク!おはようございま~~っす!バレンタインのチョコレート!はいっ」チョコ


提督「ああ、ありがとう。頂くよ」


島風「こっちは秘書艦隊のみんなで分けてね」ツメアワセ


親潮「ありがとうございますっ」ニコ


那智「しかしそんなに急いで来なくても…」フフ


島風「へーはしんそくをたっとぶんです。疾きこと島風のごとく、一番手は譲れませんっ!」ビシ


連装砲ちゃん「キュイ」ケイレイ


提督「さすがだな島風。次はドアにも優しくしてあげるように」


島風「はーい」


提督「では今日もよろしく頼むよ、寮長」


島風「りょーかいです!いくよ連装砲ちゃん!」ビシ


連装砲ちゃん「キューッ!」クラウチング


ドダダダダ…


……タッタッタッタッ


白露「くー、先を、越された…」ゼェゼェ


提督「お疲れ」


那智「…本当に今更だが廊下は走らないように」


白露「乙女には、ルールより、守るべきものが、ある……」ガク


白露「ぱっぴーばれんたいん、提督…」コテ


親潮「あ、あはは…」


提督「毎度賑やかだねキミたちね…」






赤城「おはようございます、提督」


提督「いらっしゃい。チョコはそこ置いといて」


赤城「あらまあ、なんて人なんでしょう。女子の一年に一度のロマンスをまるで決裁書類のように…」オヨヨ


提督「いいから渡すならさっさとしてくれ…」ハァ


赤城「うふふ…。では」ハム


赤城「ご~ごぉ(ど~ぞ)」


提督「…去年と同じか」


赤城「おぇひあがりくがはい(お召し上がりください)」


親潮「えっ!?それって…///」


提督「……もーちょっとこっち来い」


赤城「~♡」


提督「…」ツマム


赤城「ぷゎ」ンパ


提督「…」パク


赤城「あら」


親潮「うわ……///」


提督「去年もこうすりゃよかったよ」


赤城「…面白くありませんねぇ」クス


提督「からかわれ過ぎると耐性がつくもんでな」


赤城「赤城の唾液のお味はいかがですか…?」ボソボソ


提督「朝から汚ぇんだお前は…」ハァ


赤城「ああ、今私の体液があなたの中に…♡」


提督「1年ぶりにな」


赤城「今提督の体の何分の1パーセントかは私で出来てますよ?」


提督「吐いていいかな」


赤城「とすると年イチと言わず毎日続ければそれなりの支配率に…?」


提督「頼むから変なところに仕込むのはやめてくれ?」


赤城「なるほど。今度美味しいお茶っ葉でミルクティーでも淹れてきましょう」ポン


提督「そうか。俺なんかにはもったいないからお前が飲め」


那智「赤城」


赤城「!」


提督「……」


那智「用が済んだのなら、もういいだろう」


赤城「いえ、まだですよ」ツカツカ


親潮「……」ドキドキ


那智「……何か?」


赤城「ハッピーバレンタイン、那智さん」クス


那智「……ああ、ありがとう」チョコ


那智「では、私からも」ゴソ


赤城「…そこから勝手に取っていくんじゃないんですか?」ヤマモリチョコ


那智「貴様は特別だ。ほら」


赤城「まあ、モロゾフですね。…結構したんじゃないですか?」


那智「余計なことは気にしなくていい」


赤城「うふふふ…面白くないですね」クスクス


赤城「では、お邪魔虫はこれで失礼しましょう」


赤城「お返し、期待してますね、提督?」


提督「へいへい」


赤城「失礼します」


パタン


提督「相変わらずとんでもねえ奴だ」


親潮「し、司令。その…冷静で、いらっしゃいました、ね…//」ギクシャク


提督「指輪渡してから毎年あんな感じだよ。嫌でも慣れる」ハァ


那智「よりによって私の目の前でああいうことを…」フゥ


親潮「赤城さんって、その、ああいう方、だったんですね…///」


提督「…親潮には刺激が強すぎたみたいだなぁ」


那智「困ったものだ」


親潮(わ、私もあんな風に…司令に…///)


提督「あー」


那智「あー」


親潮(いえ、赤城さんと同じでは、後れをとってしまうのでは…?///)


提督「ほっとくか」


那智「…そうだな」







天龍「よぉ。お疲れさん」


提督「お疲れ。どうだった?」


天龍「遠征自体は成功だが早波が熱発起こしてる。明日までは休ませてやってくれ」


提督「マジか。まだ深夜の遠征は早かったかな…」


天龍「いずれ経験することだからなァ…。フォローはしとくよ」


提督「よろしく頼む」


天龍「じゃあこれが今回の報告書と…あとこれだ」チョコ


提督「悪いね」


天龍「こんな安モンでいいならいつでもくれてやるよ」ヘッ


天龍「那智サンにはこいつだ」カカオ


那智「90%か。結構だな」


天龍「ま、他のやつがみんな甘いのだと苦労するだろうからな」


那智「助かるよ。ありがとう」オカエシ


天龍「親潮は?」ドウモ


提督「経理のヘルプに出てもらってる。どうもトラブルがあったみたいでな」


天龍「ほぉ。じゃ後で寄ってくわ。その前にちょっと寝てくる」


提督「お疲れ」






千歳「おはようございます、提督。北方航空機輸送の報告で参りました」ケイレイ


提督「おはよう。ご苦労さん」


千歳「こちら報告書になります」ス


提督「ありがとう。千歳の字は読みやすくて助かるよ」ペラ


千歳「フフ… ありがとうございます」


千歳「それと、ハッピーバレンタインです」チョコ


提督「ん?ああ、ラミーか。ありがとう」


千歳「是非お召し上がりください。そのうちバーでご一緒したいんですから。ね、提督?」クス


提督「考えとくよ」


那智「千歳ー?」


千歳「はぁい?」


那智「私からも貴様に渡すものがある」


千歳「何でしょうか」テクテク


那智「ほら」ラミー


千歳「あら、気が合いますね」フフ


那智「そのようだ」フ


千歳「では私はこれで。提督、半分は那智さんに分けてあげてくださいな」


提督「あいよ」


那智「おいおい、私はついでか?」


千歳「さあ、どうでしょうね」クス






飛鷹「失礼するわ」


那智「飛鷹?どうした?」


提督「なんかあったか?」


飛鷹「…私は厄介ごとしか持ってこないイメージなの?」


提督「いや、そうじゃなくて、お前用がないと来ないからさ…」


那智「ああ。また誰か怪我人でも出たのかと…」


飛鷹「…安心して。野暮用よ」ツカツカ


荒潮「ヤボ用…?」


提督「うん?」


飛鷹「はい。龍驤から」チョコ


提督「……あ~~、そういうことか」


飛鷹「古参の手前渡さなきゃいけないけど直接はあなたに気を遣わせるだろうから持って行って、ですって」


那智「……なんだ、それは」ハァ


提督「不器用だなぁ…」


飛鷹「あなただけには言われたくないでしょうね、向こうも」ハァ


飛鷹「で?何か言うことはないの?」


提督「俺がき〇この山派だってよく知ってたなって言っといて」


飛鷹「ふざけた男だわ」ハッ


荒潮「……」ムー


提督「あいつも俺と同じひねくれもんだからな。意図は通じるよ多分」


飛鷹「はいはい。伝えとくわ。意気地なし」


提督「言ってろ」


飛鷹「那智と荒潮ちゃんにはこっち。私から」チョコ


那智「ああ、ありがとう」


荒潮「どうもぉ」


那智「奴にはないのか?」ココカラモッテイッテ


飛鷹「あるわけないでしょ」ジャアコレ


提督「……」


荒潮「……」プクー





北上「やっほー、北上さまだよー」ヤツレ


荒潮「こんにちはぁ」


提督「おつかれーどしたー」


北上「比叡がまたやりまして」


提督「あ?………うわ!?今年もかよ…」ズル


荒潮「あらぁ…」


那智「……嘘だろう?」


北上「ホントだよ。今、砲塔修理させてるとこ」


提督「どうして毎年そうなるんだ。さすがに今年は誤魔化せねぇぞ…」


北上「分かんないんだよアタシもさあ…。確かに普通の三式弾を渡したのにさ…」


北上「撃てーっつったら砲口からウ〇コ色の液体がドバーだってさ」


提督「お前な…」


那智「汚い表現はやめろ」ハァ


荒潮「……」ミミフサギ


北上「おかげで前にいた鹿島ちゃんがチョコまみれ。演習はもちろん中止。そろそろ報告に来るんじゃない?」


那智「頭が痛くなってくるな…」


提督「何で三式弾なんか装備したんだよ、今日はジェーナス達の対大型艦想定の対抗演習だったろうが」


北上「霧島が昔駆逐ちゃん相手に三式弾で目くらまししてたからそれマネしたかったんだってさ」


提督「マジ?じゃ俺のせいかこれは…」


北上「まー足止めに使えないかっていうのは提督のアイデアだけどさー。三式弾渡しちゃったアタシの責任よね…」


那智「そうかな…」


北上「でもさあ、3年も続けてやってたんだしさ、本部もまたかっつって見逃してくれない?」


提督「『仏の顔も三度まで』っていうだろ。監督責任。再発防止の不徹底。今度こそ減俸か降格か…」ハァ


北上「だよねー……はあ。ゴメンね提督。もし処分があったらアタシの給料がっつり行っていいから」ガク


提督「馬ぁー郎、責任を取るのが俺の役目だ。俺が振ってる仕事なんだから気にしねえでいいんだよ」


北上「でもさー」


提督「いい、いい。もし責任感じてるんだったら俺の見てねえところでなんかやってくれればいいから」


北上「む……わかったよ~」ムスー


PRRRRRR


提督「ん」ピク


那智「出ようか?」


提督「いいよ」ガチャ


提督「はいこちらムァラ鎮守府提督室…」


北上「那智さんもゴメンね。アタシの不注意。言い訳できないよ」


那智「フフ… いつになく殊勝だな」


北上「油断してた。今日はいつも通りじゃダメな日だった。アタシも抜けてんね…」ハァ


荒潮「北上さん」


北上「いーんだよ荒潮ちゃん。あんまり同情してくれても今はちょっとチクっとしちゃうからさー」セイ


那智「…やれやれ」フゥ


荒潮「ええと、そうじゃなくて…」


北上「んー?」


那智「…何か感じるのか?」


荒潮「いいえ。何にも」


那智「そうか」フフ


荒潮「そーです」ウフフ


北上「……相変わらずわっけわかんないね荒潮ちゃん…」ガリガリ


提督「ふーっ…」ガチャ


那智「何の電話だったんだ?」


提督「BSBの小林中将からだ。比叡の誤装填問題が国内外問わずどこの鎮守府でも起こっているらしくてな…」


那智「……」


北上「……」


荒潮「あら~」


提督「本日の比叡の出撃は禁止。もし既にやらかしてたら原因究明のためになるべく詳細な報告書を提出すること」


提督「ありがたいことにマジで原因がわかってないから処分はナシ。注意喚起で済ましてくれるとさ」


那智「……」ポカン


北上「……作ってくるね」


提督「期限は今月いっぱいまで取ってくれるそうだ」


北上「来週頭には立てるよ」クル


那智「ああ、北上」ゴソ


北上「ん?」


那智「ほら」モロゾフ


北上「あ、いっけね。用意してなかったよ…。あー…来週でもいい?」アリガトネ


提督「構わんよ」


北上「提督には聞いてないなあ」アハハ


提督「ガッデム」


荒潮「うふふ」クスクス


那智「もちろんいいとも。思い出した時に渡してくれれば」


北上「うん、いろいろゴメンね、そんじゃね」トタタ





コンコン


那智「どうぞ」


ガチャ


鹿島「失礼しますっ。練巡鹿島、演習の報告に参りました」ケイレイ


提督「お疲れ。似合ってるぞ、ジャージ」


鹿島「す、すみません。お見苦しい格好で…」アセ


提督「いや。さっき北上が来て大体事情は知ってる。災難だったな」


鹿島「あ、もう…ご存じでしたか… //」


提督「艦娘チョコフォンデュとはな」フゥ


鹿島「貴重な体験をさせていただきました…」アハハ


那智「……」クス


鹿島「髪をすすいでもすすいでも茶色いお湯が足元を流れていくのはなかなか堪えますよ…」トオイメ


荒潮「……」アセ


鹿島「っと、本日の演習についての報告です」キリ


提督「うん」


鹿島「本日〇八〇〇より行われました実弾戦闘訓練ですが、標的艦比叡の装填した三式弾がチョコレートになっておりまして」


荒潮「うフっ…w」


鹿島「標的艦を中心とする輪形陣を組んでいたため、前方に位置していた私練巡鹿島にチョコレートが噴射され直撃」


鹿島「チョコレートは高温になっていたため、後頭部から後背部、臀部にかけて火傷を負い小破」


鹿島「また標的艦の主砲が焼き付きにより使用不能となったため演習を中止しました」


提督「……」フムフム


那智「丁寧に説明されるとひときわシュールに感じるな…」


鹿島「…続けますね」コホン


那智「すまない」


鹿島「ジェーナス、サミュエルロバーツ、グレカーレ、浜波、秋霜の5名は予定を変更し」


鹿島「輸送時の機関不調を想定した接岸訓練に移行しました。教導艦は軽巡多摩に委任しています」


鹿島「比叡の誤装填に関する原因究明につきましては、ご存じのとおり工廠班の雷巡北上から報告があるかと思います」


鹿島「私からの報告は以上です」ペコ


提督「ご苦労さん…。火傷は大丈夫か?」


鹿島「はい。修復材を使用しましたのですぐに」


提督「消費資材の報告は…そうか、ジェーナス達が帰って来てからか」


鹿島「ええ。説明不足で申し訳ありません」


提督「いいよいいよ。修復材はほとんど備蓄上限だしさ」


那智「しかし、どうしてチョコレートを発射できるんだろうな…」


提督「……」


鹿島「……」


荒潮「……」


提督「考えてみればそうだよな。信管もついてないただのチョコレートをどうやって噴射したんかな」


鹿島「え、えーと…比叡さんお得意の気合い、とか」


提督「…さすがの鹿島もお手上げか」ハハ


鹿島「あはは、面目ないです…」ガク


荒潮「比叡さんは時々よくわからないわぁ。この間のカレーも、不思議な味がしたもの」


那智「ああ。普通の材料を使って、適切な分量で調理していても、たまにおかしな味になるからな…」


鹿島「超能力でしょうか…」


提督「まあ、おかしな味っつっても、和風と洋風みたいな差だし、おいしいんだけどな」


鹿島「トンカツと思いきや玉ねぎのカツだった感じですよね」


提督「そうだな。美味しいんだけど期待していた味じゃないってやつだな…」


那智「……たまになら、いいんじゃないか?そういうことがあっても…」


提督「事故とか労災だけは勘弁してくれればな…」ハア


那智「ああ…その通りだ」フゥ


鹿島「お疲れ様です…。あっ、そうでした!」ゴソゴソ


鹿島「はいっ、私から提督さんにプレゼントですっ」チョコ


提督「…ああ、ありがとう。でもさ」


鹿島「ええと…お気に召しませんか?」


提督「いやいや嬉しいよ。もちろん嬉しいとも」ウンウン


提督「でも今どこから出した?ジャージなのにしまっとくとこ無いだろ」


鹿島「……那智さんと荒潮ちゃんにも。自信作ですよっ」


那智「ん…おぉ、きれいなラッピングだな…」シゲシゲ


荒潮「素敵なにおいがするわぁ」スンスン


提督「スルー!?え、怖っ!」






コンコン


叢雲「叢雲。入るわよ」


提督「お疲れ。どした」カタカタ


叢雲「ドアの前に落ちてたわ。アンタ宛てでしょ」ツメアワセ


提督「ん。サンキュ」


叢雲「特に用はないわ。それだけ。じゃあね」


提督「おう」


パタン


那智「……」カリカリ


提督「……」カタカタ


荒潮「あらぁ~…」






荒潮「!」ピコン


荒潮「…」ソワソワ


那智「うん…?」


ガチャ


陸奥「お邪魔するわよ」コンコン


提督「おー陸奥。待ってたぞぉ」オイデ


荒潮「こんにちはぁ」


陸奥「ウフフ、こんにちは。今日は静かなのね」スタスタ


那智「足柄は第2イベントルームで手作りチョコレート教室。電は第六のみんなでそれに参加している」


陸奥「なるほどね」コト


提督「いやー毎年すまんね。ありがたいありがたい。今年はどんなかな…」


陸奥「二人にも。はいどうぞ~」


那智「ありがとう」


荒潮「おーぷん♪」パカ


提督「……え何これ。すげえうまそう」


提督「わかるかなこれ。『おいしい』って書いてあるんだよ。書いてないんだけど」


那智「…誰に話してるんだ…?」


提督「あるだろ。一度も食べたことない料理なのに『これは絶対うまい』って感じるときがさ」


那智「いやわからないが…」


陸奥「うふふ…今年はインパクト重視。トリュフチョコレートよ。すぐ痛んじゃうから1個だけ」


陸奥「噛まないで、上あごと舌で挟んでつぶすように食べてみて」


提督「なるほど。ではいただきます」パク


荒潮「ます」ハム


那智「……では私も」


提督「……」ギシ


荒潮「……――! !」パタパタ


那智「おお、これは」


陸奥「どうかしら」クスクス


提督「うまっ」


荒潮「しあわへ」ポワ


陸奥「ウフフ」ニコニコ


那智「――なるほど。3層になっているのか」


那智「中心がイチゴのガナッシュ。その外側にもう一層やわらかいチョコ…ホワイトチョコだな。コーティングしてある」


那智「これをつぶした時にほろりと崩れてイチゴの香りが鼻にふわっと抜ける。口どけも優しくなめらかだ」ブツブツ


那智「イチゴチョコの味だけではややくどいところ、3層にすることによって3種のチョコが口の中で溶け合って丁度いい甘さになる」


那智「すばらしい…実に完成された料理だ」ウンウン


陸奥「……」


提督「……」


荒潮「……」


提督「なんでお前のチョコ食うと食レポしだすんだろうな那智は」


陸奥「さあ…?」


提督「ガナッシュとか知ってるタイプじゃねーもん」


陸奥「さすがに失礼じゃない?」アラアラ






親潮「司令!只今戻りました!」ビシ


荒潮「お疲れ様ぁ」


提督「お帰り。悪いね」


親潮「いえ!この親潮、どのような業務でも支障ないよう、普段より努めておりますので!」


提督「頼もしいな。これからもよろしく頼むよ」ケイレイ


親潮「はっ!お任せください!」ピシ


那智「それで経理班の様子はどうだったんだ?」


親潮「…霞さんと霧島さんしかいませんでした」


提督「おいおい…」


荒潮「じゃああとはみんなチョコレート教室?」


親潮「そのようです」


提督「足柄もてんやわんやだろうな…」


親潮「10時ごろ天龍さんがいらして、手伝っていただけましたので、予想より早く戻ってこれました!」


提督「結構。あとでメールしとくか…」


那智「しかし何も今日やらんでも…いや、今日は土曜だったな」


提督「そうだっけ?」


親潮「あの、今日は金曜日です…」


那智「…失礼した」ガク


提督「……休日なしの完全裁量制だと曜日の感覚おかしくなるなあ」


那智「だな…」


親潮「…私もお二人と同じような勤務形態でも構わないのですが…」


提督「いいんだよ。提督ってのはそういうもんだから」


那智「司令官がこうなら秘書艦がそれに倣わないわけにもいかないだろう」


親潮「…それは、そうですが…。いえ、出過ぎたことを申しました」ペコ


提督「いやいや。親潮には十分世話になってるよ。だからあんまり無理してほしくないんだ」


親潮「は。ありがとうございます。ですが、もしもの時は何でもお申し付けください」ケイレイ


提督「はは。本当に頼もしい」


那智「お前にはもったいないな」フフ


提督「おいおい」ハハ


荒潮「そういえば親潮ちゃん」


親潮「は…?どうかされましたか?」


荒潮「そのポーチはなぁに?」


親潮「えっ? ああいえ、これは… そのーーー…貴重品を入れているんです!部屋の鍵とか、携帯電話とか!」シドロ


提督「ダウト。朝つけてなかったろ。怪しいぞー」


親潮「…うえええええっ!? いや、そんな大層なものは入っておりませんので!え、えーと、安全です!新鮮です!」モドロ


提督「……それと〇せんじゃねぇか」


那智「ぶっ…ww」


荒潮「?」


提督「とwww 伝わんねえんだよお前ww 関東ローカルのスーパーマーケットとかよぉ!www」ククク


提督「んで何持って来てんだ執務室にー!見せなさい!」


親潮「本当におかしなものじゃないんです!ああいや、おかしなものではあるんですけど!」


提督「荒潮、確保だ」


荒潮「はぁい」ガシ


親潮「きゃあ!いつの間に…!」グギギ


提督「親潮くん。果たしてそのポーチを俺に見分させていいのかね?」


親潮「そ、それは…」


提督「俺だって曲がりなりにもたくさんの艦娘と接してきたつもりだ。そこに何が入ってるかなんてだいたいわかる」


親潮「うう…//」


提督「さあ親潮くん、君は今日! 2月14日に! 一旦部屋に戻ってまで! 何を持ってきたのかね!」


那智「さっさと言っておいたほうがいいぞ、これは長引くと面倒になるやつだから」


荒潮「さあイっちゃいなさい」オホホ


親潮「うう、ぐ……チョコレートです!!!///」カァァ


提督「何のチョコかね!」


親潮「明〇のアーモンドチョコレートです!!」


提督「どうしてそのチョコを選んだァ!」


親潮「司令がよく召し上がるからですっ!!」


提督「黒潮から手作りで持っていくってリークされてるぞぉ!そっちはどうしたァ!」


親潮「ええええっ…!? 失敗しましたっ!生クリームが分離してしまって…!」


提督「失敗したのはどうしたァ!」


親潮「部屋の冷蔵庫に保管して少しずつ処理しています!」



提督「勿体なああああああああああああああい!!!」ドカーン



提督「Just a Moment」ガチャ ピポパポ


那智「なぜ英語」


提督「……もしもし提督だけど。オフだったよな今日?」


提督「うんうん。違う。親潮のチョコ持って来て」


提督「なんでもいいよ。ビニール袋とかでもいいから」


提督「……あ、くれんの?サンキュー。一緒に持って来て」


提督「そう。なるはやで。よろしく。はーい」ガチャ


提督「というわけで司令官権限で没収いたします」ペコ


親潮「そんな、あんな不格好なチョコレートなんて…」


提督「荒潮、もういいよ」


荒潮「はぁい」ハナシ


提督「親潮、そんな真面目に考えなくていい」


親潮「そう、言われましても…」


提督「俺は料理に関しちゃまるでわからんが、うまけりゃ見てくれなんて気にしないよ。なあ那智」


那智「私が見栄えのしない料理ばかり作っていると言いたいのか?」クス


提督「そんなことはない」


那智「冗談だよ。というわけだ、親潮。貴様だって味見ぐらいはしているんだろう?自分で食べていると言っていたし」


親潮「ええ、はい。味に関しては、問題ないと思いますが…」


那智「なら結構。私も見てくれは気にしないほうでな」


親潮「…那智さんも召し上がるんですか!?」


那智「そんなに意外か?純情だな」フフフ


親潮「あっ…!///」ボン


荒潮「うふふふ」ニコニコ


提督「よし、では出すもの出してもらおうか」カマン


親潮「は、はい…。ど、どうぞ。ご査収ください」オズオズ


提督「ああ、ありがとう。なんだ、カチコチじゃないか」ハハハ


親潮「こういったことは、初めてなので…勝手がわからず…」ガチガチ


提督「じゃあ仕方ないな。…ありがとう。嬉しいよ」


親潮「…!と、とんでもないです!その、受け取っていただけて、あたしも、嬉しいです…///」


提督「これに加えてもう一個貰えるなんて俺は幸せ者だなあ」フハハ


那智「下衆い顔だ」


荒潮「鼻の下が伸び切ってるわぁ」


提督「うるさいぞぉ」


親潮「あっ!」


那智「ん?」


荒潮「どうしたの?」


親潮「え、えっと…!!」ツカム


提督「な、なんだどした。引っ込めるのか?」


親潮「……!」ビリ コロコロ


親潮「…」クワエル


荒潮「あー」


那智「なるほど」ハァ


親潮「ど、どーどおえひあがりくだはい!!」モゴモゴ


提督「あのさぁ…」ウーン


黒潮「司令はーん。持ってきた、で……何してはるん?」






早霜「おはようございます」


提督「おはよう」ゲッソリ


荒潮「おはよ~」


早霜「なかなかお忙しいようですね」クス


那智「ああ。色ボケが何人か居てな」


早霜「…なるほど」フフ


那智「何かな?」ニコニコ


早霜「いいえ」クスクス


提督「やっと昼だよ。いつもより疲れた」


那智「ああ。そろそろ休憩するか」


提督「そうだな。昼メシどうすっか。間宮さんとこは…今日は混んでるだろうなあ…」


早霜「それでしたら」ランチボックス


荒潮「あっ」


提督「お」


早霜「クラブサンドをご用意したのですが……いかがでしょう」パカ


提督「食う」


那智「いただこう」


荒潮「ありがとぉ♪」


早霜「フフフ… 魔法瓶に冷製ポタージュを入れてきましたので合わせてどうぞ。食器を用意しますね」スタスタ


那智「……勘のいいやつだ」


提督「ホントになぁ」


那智「とりあえず手を洗ってこようか」


提督「だな」


荒潮「は~い」





早霜「では午後も頑張っていきましょう」


提督「うーい」


荒潮「は~い」


那智「うむ」


電「おはようございます」ガチャ


提督「…おはよう」


那智「おはよう。例の教室は終わったのか?」


電「クッキーとかケーキ、タルトの人はまだなのです。普通のチョコの人は冷やして固める間休憩なのです」


那智「そうか。足柄が戻るのはまだ先か」


電「後片付けもありますから、4時頃だと思います」


那智「ん。わかった」


電「…」ギシ カチ ブゥゥン…


荒潮「……」


提督「……」フゥ


早霜「司令官」ボソ


提督「何だい」


早霜「今日は機嫌が良さそうですよ」


提督「そうか?」


早霜「まあ、こういう日ですから」


提督「……期待しないでおこう」ヤレヤレ







伊勢「伊勢、参上しました」ケイレイ


提督「うん。楽にしていいよ」ケイレイ


伊勢「カレー洋の掃討戦と、ろ号作戦、終わったわ。修復材が合計で30ぐらいかな?」


提督「お疲れ様。今日はゆっくりしてもらって、明日はカスガダマの掃討戦に移ってくれ」


伊勢「りょーかい」


提督「……それで?」


伊勢「なぁに?」


提督「いろいろ預かってるんだろ?」


伊勢「そうね。バレンタインだもの。はい、チョコレート」ドカ


那智「クーラーボックス?」


伊勢「西方の泊地から運んできたんだよ?こんな暑いんじゃドロドロになっちゃうじゃん」


那智「なるほどな」


伊勢「とりあえず誰が誰のかわかるようにフセンつけといたから」


提督「気が利くな。ありがとう」チョイ


早霜「はい」ヨイショ


伊勢「いいっていいって。それより、お返し期待してるからね?」ウインク


提督「わかった。考えとくよ」


伊勢「いやーそれにしても向こうの中尉くんが融通効かなくってさあ、お酒仕入れてくれないんだよねー」


伊勢「それ持ってくるだけでもいろいろしつこく聞かれちゃってさ」


那智「…ああ、今年から担当が変わったんだったな」


伊勢「そうそう、前のおじいちゃ…伊藤さんはユルくてさ。一緒に将棋なんか指してくれたりもして、いい人だったんだけどねー」


提督「んー…よそから要望が上がったりしてないんかな」


伊勢「来てるらしいよ?でも中尉くんかなりテンパってるみたいで。酔っぱらいの対応まで考えられないみたい」


那智「それは…仕方ないな」


提督「ウチが送ってるメンツで飲むのはお前と日向と…アークロイヤルぐらいか?」


伊勢「そうだねぇ…。だからこう、意見具申っていってもさ。なかなか人集まらないんだよね」


伊勢「今は我慢するしかないよ、ってさ」


提督「実際我慢できんの?」チラ


伊勢「……まあ無理じゃないけどさぁ」


提督「ふーっ……俺が言えば多少影響力はあると思うけど」


提督「酒が作戦遂行上不可欠なものかって言われたら絶対ぇそうは言えない」


伊勢「士気向上のためっていっても、それ言いだしたらキリないもんね…」


那智「我々の鎮守府で購入したものを輸送したらいいんじゃないか?」


提督「…ま、それが一番丸いか」


伊勢「今度は経理がうるさそうだけど」クス


提督「ただ、泊地の管轄は本部ってことになってはいるが、担当ごとに方針が微妙に違うからな~…」


提督「酒もそうだけど色々目をつぶってもらってる現状、逆にルールを明確にするのもマズい」


荒潮「どこまでオッケーでどこからアウトか決めちゃうのがダメってこと?」ヒョコ


那智「そう。今まではあえてあやふやにしていた…そんなところだろう」


那智「だから本当はアウトなんだけど決まってないからオッケー…でみんな同じようなことをしているから」


提督「誰もちゃんと決めようぜって言わなかったわけだ。そのほうが色々出来て楽だから」


荒潮「ふ~ん」フムフム


伊勢「…とりあえず動かないほうが良さそうだね」


提督「悪いな…。まあ、明石んとこで酒買って持ってけばいいよ」


伊勢「……いいの?」


提督「艦娘個人が持ってくもんならいいだろ。なんか言われたら俺が許可出したって中尉…なんつったっけ。柏原くんか。言っといて」


伊勢「あー、うー、うん。そうする…」


早霜「クーラーボックス、お返ししますね」カラッポ


伊勢「はーい。そっか、これに入れてけばいいじゃん。缶ビールどれくらい入るかな…」ジー


提督「なんだったらホワイトデー代わりに俺にツケといてもいいぞ」


伊勢「えー?それはちょっとズルいなあ」クス






荒潮「!」ビクッ


荒潮「…」


荒潮「……」ゴゴゴゴ


那智「…穏やかな奴ではなさそうだな」


提督「…誰だろ」


早霜「平常心ですよ、司令官」



ゴトランド「ハイ、提督」ヒラ


早霜「なるほど」


提督「出たな」


荒潮「……」ジー


那智「……」


ゴト「出たな…だなんて、ひどいわね。それとも、期待していたの?」


提督「多少はね。ゴトは料理できるから」


ゴト「ふふっ、そうでしょう?じゃあ、これあげる」コト


提督「お…?」


ゴト「あ、初めて?チョコレートボール。コーヒーも持ってきたから、一緒にどうぞ」マホウビン


早霜「フィーカですね…」


ゴト「ハヤシモは賢いね」フフッ


早霜「恐れ入ります」


提督「フィーカ?」


那智「初耳だな」


早霜「おやつを食べながらコーヒーを飲むことを、北欧ではフィーカと言います。コーヒーブレイク…というような意味合いでしょうか」


提督「俺ぁコーヒー苦手でなぁ」ポリポリ


ゴト「カップも私のを持ってきたから使って。…ラテは嫌いじゃないでしょう?」コポコポ


提督「まあそうだが、滅多に飲まないぞ?ゴトの前でも一回も飲んだことないと思うけどな」


早霜「……」


那智「まあ、物は試しだ。付き合ってやれ」


提督「那智たちの分はないのか?」


ゴト「そんなイジワルしないって。みんなで食べて?」フフ


早霜「ありがとうございます」


那智「では、フィーカとやら…堪能するか」


荒潮「……」


ゴト「アラシオはいらない?」


荒潮「司令官」


提督「どした?」



荒潮「そのラテ、荒潮が飲んじゃダメ?」



提督「……マジ?」


ゴト「……」ニコニコ


那智「ほぉ」ム


早霜「なるほど…」


提督「なあゴト、これ何か入ってないか?」


ゴト「……ふふっ。ふふふふふっ、バレちゃった。凄いね、アラシオ」


荒潮「……」ジー


ゴト「これはゴトが責任もって処理するね」カップ


ゴト「…」ゴク ゴク


提督「お、おい!」


那智「……」ホオヅエ


ゴト「…ふぅーっ。大丈夫。媚薬みたいなものだから」クス


ゴト「魔法瓶置いてくね。こっちは何も入ってないから安心して」カタヅケ


ゴト「それじゃ、ハッピーバレンタイン」ニコ


スタスタ


提督「……」アゼン


早霜「穏やかではありませんでしたね…」


那智「全くだ。あいつめ、赤城以上に何考えてるかわからんぞ…?」


提督「あれが冗談なのかそうじゃないのか…」


那智「…本気だと思ったが」


早霜「どうされます?」


提督「…いや、処分はしなくていい」


那智「甘いな」


提督「俺より頭が良さそうだ。下手に手を出すより恩着せがましくいこう」


早霜「フフ…了解です」


那智「…なるほど」フゥ


荒潮「いただきます」アム


早霜「え…!?」


提督「…あ、そっちは何も入ってないんだな…」


那智「そのようだ」


荒潮「……」モムモム


那智「…どうだ?」


荒潮「おいしーよ」


提督「そ、そうか。どんな味?」


荒潮「んー…チョコ味の…クッキーとおもちの間って感じがするわぁ。えーと、カントリーマ〇ムが近いかしら」モシャモシャ


早霜「砕いたナッツがまぶしてありますから、スニッ〇ーズに似ているかもしれませんね」モグモグ


那智「いつの間に貴様まで…」


提督「まあ、こっちは食べられるとして…」



魔法瓶『飲めよ』



提督「飲みたくねえなあ」


早霜「安全とは言ってましたが…」


荒潮「変なにおいはしないわねぇ」スンスン


那智「…色ボケどもに飲ませてみるか?」


早霜「逆効果では…?」


那智「…そうだな。そうだったな」ハァ





ゴンゴン


曙「入るわよ」ガチャ


電「返事を聞いてから開けてください…」


曙「来てあげたわよクソていと… じゃないや。電。いつもお疲れ様。これ貰って」チョコ


電「あ、ありがとう、なのです…」ペコ


曙「お返しはいいわ。手間でしょうし。」


曙「クソ提督~!?」ズカズカ


提督「何回も言わなくていいよ聞こえてるから」


曙「アンタにはこれ」チロル


提督「お、やった。結構好きなんだよコレ」


曙「…フン」クル


曙「那智さん!」トテテ


那智「ん、何だ?」


曙「えっと、今日の晩酌にでも…使って、ください」ウイスキー


那智「…ああ。ありがとう。大事に飲むよ」ナデ


曙「う……うん。そうしてくれたら、その…ありがたい、です」テレ


早霜「……」


荒潮「……」


曙「あ、あああアンタたちにはこれっ、普通の…。じゃなくて、買ったやつで悪いわね」


早霜「ありがとうございます」ニコニコ


荒潮「嬉しいわぁ」ニコニコ


曙「…やめなさいよその顔!」ムー


提督「……これくらいが普通だよなあ…」シミジミ






隼鷹「おーす!提督、やってる?」


ポーラ「ボンジョルノぉ」


提督「居酒屋のノリだなあ…」


那智「暖簾でもつけておくか?」


早霜「それはよしておきましょう…」


隼鷹「いやぁ~、2月だってのにこう暑いとさあ、酒が飲みたくなるよねえ~」ワキワキ


那智「気持ちはわかるがあいにく執務時間中でな」


提督「何しに来た」


ポーラ「つれないですねぇ。バレンタインですよぉ?」


隼鷹「そーそー。今年も提督に用意してやったんだからさ!ほらっ」


提督「ん…サンキュ。これ二人で作ったの?」


ポーラ「そーでぇす」


隼鷹「非番だったからさ。ポーラの部屋借りてちょちょーいっとね」


ポーラ「ポーラもイタリアーニですー。お料理できますよ~?」ウェヘヘ


提督「そういえばイタ艦は料理上手なんだよな…」


隼鷹「まーまーとりあえず食ってみてくれって!大丈夫ちゃんと味見してっから!」


提督「ちょっとだけ待って。キリのいいとこまでやるから」カタカタ


ポーラ「なちさんにはこっちーです…」ビン


那智「泡盛か…。なるほど、随分上物のようだ」チャプ


那智「…おい、少し中身が減っていないか?」


ポーラ「いっぱい買ったんですー。ちょっとずーつ飲み比べして一番を持ってきました」デヘヘ


那智「…そうか。今夜あたり試してみよう。楽しみだな」


ポーラ「重たいですよぉ。舌にず~んときまぁす。濃い味の料理にも負けませぇん。でも香りはやわらかいです~」


那智「ほぉ~…。30度か。飲みごたえがありそうだ」クス


那智「早霜。すまないが仕舞ってきてくれ」ホラ


早霜「はい」スタスタ


ポーラ「ハヤシモちゃんのとこでまた飲みましょー」ウヘヘ


那智「フフ、ひと段落着いたらな」


提督「エ゛ッホッ!!!!」


那智「!?」


荒潮「…?」ムニャ


隼鷹「あっはっはっはっはwwwww」ケラケラ


提督「お前これ… ヲ゛ッホ!!」


ポーラ「お~?」


荒潮「…鼻がつんってするわぁ」


那智「……ものすごい酒の匂いがするんだが…」


隼鷹「それ酒入ってるんだけどさあ、加減がわかんなくなって適当にどばどば入れて固めたのwww うまいしょwww」


提督「これ酒入りのチョコじゃなくてチョコ入りの酒だよ! よく固まったなこれ…」ケホッケホッ


那智「…何回も味見したら酔っぱらっても仕方ないな…」


ポーラ「む~ザンネンです。ポーラたちとてもおいしいと思ってました」


那智「チョコじゃなくて酒が旨かっただけだろう…」ハァ


隼鷹「でめっちゃ入れたからめっちゃ量多くなっちゃってさ、見てみこんなあんのwww」ヤマモリ


ポーラ「これからみなさんに配ってきまぁす」


提督「……酒飲めないやつには絶対配るなよ」


隼鷹「わかってるってぇ」


ポーラ「じゃあ、ポーラたち帰りますよ~」


那智「ああ、待ってくれ。私からもチョコレート。好きに持っていってくれ」ホラ


隼鷹「お、悪いねー!じゃこれとこれ…」



早霜「戻りました」


那智「ああ、早霜。これ食べてみてくれ」


早霜「…隼鷹さんたちのチョコレートですか?」


那智「作りすぎたみたいでな。いくらかもらったんだ」


早霜「なるほど。では…いただきます」パク


早霜「……」モゴモゴ


早霜「……!!」ム


那智「フフフww」


早霜「お酒の香りが強すぎて、チョコの風味が…。お二人らしいと言えばらしいですが」コホコホ


那智「さすがの早霜でも口に合わないか」フフ


提督「眉間にシワ寄せてるとこ初めて見た」


早霜「お見苦しいところを…//」






暁「しれーかん。ごきげんようです」フンス


提督「ああ、お疲れ。どしたみんな揃って?」


響「わかっているよね。今日はバレンタインデー。私たちから、チョコレート。」


雷「はいっ、どーぞ♪」


電「……」ポリポリ


提督「ははっ、毎年ありがとな。一つずつゆっくり食べるよ」ナデナデ


暁「も、もーっ、ナデナデしないでって…」


提督「いかんついクセで」ハハハ


響「お返しは簡単なもので構わないよ。その様子だとかなりもらっているみたいだからね」


雷「そぉね。ポテトチップスでもなんでも、お菓子ひとつぐらいでいいわっ」


提督「せっかく手作りしてくれたのにそんなんでいいのか?」


響「気にしないでいいよ。これは、私のこだわりだから」


雷「そう。大事なのは気持ちだもの!」


暁「あ、でぃなーに連れていってくれてもいいのよ!」フンス


提督「わかったわかった。ありがとな。考えとくよ」


電「那智さん」


那智「ん…」


電「えっと、いつもお世話になっているので、ほんの、気持ちですが…」オズオズ


那智「うん、ありがとう。可愛い形だな。愛情が詰まってそうだ」ハートチョコ


電「も、もう!からかわないでくださいっ」プイ


那智「すまない。ありがたく貰っておくよ」


早霜「足柄さんのチョコレート教室は終わったんでしょうか」


電「…だと思うのです。暁ちゃんたちも参加していたと思いますので」


那智「となると」


早霜「ここからが本番ですね…お茶を淹れてきましょう」


那智「ああ、頼む」


荒潮「Zzz」







ドガァァン


荒潮「……!」ムニャ


金剛「Hey!テートク!バレンタインのChocolate、受け取るデース!!」


榛名「愛のパワーなら榛名、負けられません!」


電「扉は静かに開けてください…あとノックを…」ハァ


那智「本命の登場だぞ」


提督「心臓に悪いな…」


金剛「さーテイトク、ネングの納め時デース!」ズイ


榛名「もしよかったら、このチョコレートを、もらってくださいませんか!!」ズズイ


提督「圧が凄い圧が…!」


早霜「熱量がありますね」


提督「とりあえず金剛から…」


金剛「しゃっ!」ガッツポ


榛名「ううー、ですが榛名、受け取っていただけるまでここを離れません!」


那智「方針が変わってる」


金剛「今年はマカロンにtryしてみたヨー」


提督「お…食べやすいサイズだ」


金剛「みんなからいろいろ貰ってたら食べきれないでショ?プチサイズならお腹にたまらないですネ?」


提督「正直助かる。さすが金剛、気配り上手だな」


金剛「フフーン」ドヤ


提督「どれどれ… うん、いいね。小さいと噛んだ時の風味がよくわかる」モグ


提督「生地もフワフワで、溶けてくようだ。金とれるレベルだろこれ」


金剛「でショー?5個作りまシタから、いくつかは皆サンで分けてくださいネ」ウインク


提督「ん。ありがとう。じゃあ…榛名。お待たせ」


榛名「はいぃ!私の本命チョコ、受け取ってください!」ドン


提督「おや…なんだろ、見た目普通のチョコだけど」


榛名「トリュフチョコレートです。どうぞお召し上がりください!」


那智「陸奥のと同じやつか」


提督「これ噛んでいいやつ?」


榛名「はい!舐めるよりも噛んでいただいたほうがよりおいしく感じられると思います!」


提督「どれ…」アム


榛名「……」ワクワク


提督「…!」ポク


早霜「音がしましたね」


那智「硬いのか」


提督「…これ面白いな」


榛名「せッッ!!」ガッツポ


金剛「ぐぬぬ…!」


那智「どんな感じなんだ?」


提督「陸奥のは柔らかいやつだけど、榛名のは逆なんだ。柔らかいやつの中に硬いのがある」ポグポグ


提督「外側が普通の何だけど、内側のはこれビターに作ってあるんかな」


榛名「はい!その通りです!」キラキラ


提督「味がうまいこと中和されていい具合に食べやすい。それでカカオの香りがふわっと鼻にのぼってくる。面白いよ」


榛名「提督は苦味が好きではないとのことでしたが、あえて挑戦してみました。いかがですか?」


提督「いいよこれ。美味しい」


榛名「よっし!! よっし!!!」


金剛「Shit…!!」グギギ


提督「甘いのばっかだと食い飽きるっていうのもあるが、これは箸休めにいいかもな」


榛名「はい!それも意識して作ってみました!」


那智「なるほどよく考えられているようだ」クス


榛名「残念ですが榛名はこれ一個だけです…。皆さんの分、ご用意できなくて、すみません」


早霜「いえ、構いませんよ」


那智「気にしてないから、心配するな」


提督「一球入魂って感じか。いや、どっちも美味しかったよ。ありがとう」


金剛「今回はワタシが一歩遅れをとってしまいまシタが…ホワイトデー対決では負けないデース!」ゴゴゴ


榛名「望むところです!お姉さまが相手でも、榛名、がんばります!!」メラメラ


提督「暑いねえ」


那智「ホワイトデーってそんなイベントだったか…?」


早霜「まあ、いいんじゃないでしょうか」


荒潮「おいし~」マカロン






陽炎「陽炎!参上しました!」ドッサリ


提督「ああ、代表で持って来てくれたのか」


陽炎「黒潮と親潮の分はもらったよね?だからそれ以外持ってきたわよ」


提督「ヤツのは?」


陽炎「持ってくるわけないでしょー。酒保のチョコ何個か食べさせて、美味しいっていったやつ買わせてきたわ」


提督「助かる」


陽炎「ちゃんと食べてあげてね?」


提督「もちろんだよ」


陽炎「えーと…那智さん!」


那智「うん?」


陽炎「那智さん宛てのがこっち」ドッサ


那智「ああ。すまない。お返しに人数分持って行ってくれ」チョコ


陽炎「ほーい。であと早霜ちゃん」


早霜「は、私ですか?」


陽炎「不知火から。開けてみて」ハコ


早霜「……あら、ジャックダニエルですね」ウイスキー


陽炎「今度バーに行くとき、それで何か作ってほしいってさ」


早霜「不知火さんはお酒をたしなまれないのでは…?」


陽炎「だからでしょ?」


早霜「ああ、なるほど……了解しました」フフ






コンコン


電「どうぞー」カタカタカタカタ


葛城「失礼します」ガチャ


電「葛城さん、お疲れ様なのです」ペコ


葛城「でんちゃん、お疲れ様。提督さんいるかな?」


電「はい。ずっと皆さんがひっきりなしに来るので席を外せないみたいですけど」カタカタカタカタ


葛城「あ、あはは…」


電「なのでチョコ渡すなら手早くお願いするのです」カチカチ カタカタカタ


葛城「うん、わかった」テクテク


葛城「提督さーん」


提督「おーうお疲れー」カタカタ


葛城「えっと、天城姉からチョコ預かってきたの。はい、これ」


提督「サンキュー。天城にありがとうって伝えといて」カタカタ


葛城「うん」


提督「……」カタカタ


葛城「……」モジ


那智「……」


早霜「……」


荒潮「Zzz」


提督「葛城は用意してないのか?」カタカタ


葛城「…一応、用意してあるけど」


提督「くれ」


葛城「そ、即答ね…。こ、これなんだけど」メイジアーモンド


提督「おー、それ好きなんだよ。よく知ってたな」


葛城「あ、あなたが去年それのほうがいいって言ってたんじゃない! 覚えてないの?」


提督「悪いなあ、葛城たちにとっちゃ1対1の会話かもしれねーけど」カタカタ


提督「俺にとっちゃ100何分の1だから覚えてねーんだよ」カチカチ


葛城「もー、最低! …ちゃんと食べてよね!天城姉のも、今日頑張って作ってたんだから!」


提督「お前は作らなかったのか?」


葛城「私は…ほら。そんな料理得意じゃないから。参加もしてないよ」


提督「そっか。ま得手不得手ってのがあるからな。俺も手作りチョコつったってそんな味分かるほうじゃねーし」


葛城「そうよね、そうでしょ!私が頑張っても、変になっちゃうから…」アハハ


葛城「…それじゃ、そろそろ戻るね。私の出番があったら、いつでも呼んでよねっ」フリ


提督「あいよ」


スタスタ シツレイシマシタ パタン



那智「なってない」


早霜「司令官、少しお話が」


提督「なんだなんだ…」







青葉「失礼しまーす!」ガチャ


電「ですからノックを…!」


青葉「電さん!ハッピーバレンタインです。どうぞこちらを」


電「…ゴディバ!」キラ


青葉「いつもお世話になっておりますので」ヒソヒソ


電「いいのですかこんな高そうなの頂いて…」


青葉「いえいえ、感謝の気持ちを表したまでですよ」ヒソヒソ


電「じゃあ…喜んで、頂きますね」ニコ


青葉「ええどうぞ味わってください♪」


青葉「敵に回すと怖いですからね」ボソ


電「何か…?」


青葉「はい?」


電「ああいえ、空耳ならいいのです…」


青葉「暑いですからねえ。蚊でも飛んでたんじゃないですか?」フフ



青葉「いかがですか調子は」


提督「ぼちぼち」


青葉「おやおやそんなに一杯チョコレートを…」


提督「毎年こんなもんだろ?」


青葉「おー、随分贅沢ですねえ。謙遜もいいですが、慕われていることの証左じゃないですか」


青葉「そこはちゃんと皆さんの肩を持っておいたほうがいいと思いますねぇ」


提督「…あー、うん。そうだな」


青葉「毎年のことでもきちんと対応するのが紳士ってものです。それで青葉はですねぇ…今年はこんなのを持ってきましたよ」


提督「おん?」


青葉「オレンジピールチョコです。要はみかんの皮をチョコで包んだやつです」


提督「へ~…。これなんて読むんだ」


青葉「さあ?デメルってとこの商品みたいですよ」


提督「お前これ食ったの?」


青葉「いいえ。パッケージみてこれにしようかなって」


提督「直感か」


青葉「案外バカに出来ないんですよ~そういうの。というわけでささ、皆さんもどーぞ一緒に」


那智「ああ、すまない」


早霜「いただきます」


荒潮「ありがとぉ」


提督「…」カム


青葉「…」サク


提督「……ほぉ」


青葉「……うん、結構イケますね」


那智「みかんだな」


早霜「みかんですから」


提督「さっぱりするな。ちょっと酸っぱいがかえって食べやすいかもしれん」


青葉「これ酸っぱいですか?」


早霜「ちょうどいいかと」


那智「まあ、感じ方は人それぞれだからな…」


青葉「うーん、それ言っちゃったら全部そこで終わっちゃうんですよねえ…」


那智「……気を付けるよ」







ビスマルク「邪魔するわ!」ガチャ


電「ノックをしてください」カタカタ


ビスマルク「提督は居るわね?」


電「ノックをしてください」カタカタ


ビスマルク「よし、行くわよ二人とも」


電「耳はついてるのですか?」カタカタ


グラーフ「すまないイナズマ。今日のフロイラインは周りが見えていないようだ」


プリンツ「バレンタインデーぐらいは許してくださいっ」


電「…気持ちはわかりますが、節度は守ってください」


グラーフ「了解した」


プリンツ「でんちゃんにも、はいっ。ハッピーバレンタインです!」


電「あ… ありがとう、なのです」フフ



ビスマルク「提督。今年もこのビスマルクがショコラーデを用意してあげたわ。ありがたく受け取りなさい?」


提督「ん…ダンケ。光栄だな」


ビスマルク「…どうして食べないの?」


提督「ん?ああ… じゃ今いただこうか。早霜、悪いけどおかわり貰えるかな」


早霜「はい。お持ちしますね」


提督「さてどうかな…」カサカサ


提督「……」ハートガタ


ビスマルク「何か言いたいことでもあるのかしら?」


提督「いや、なんでも。いただきます」カリ


提督「……」ポリポリ


ビスマルク「ど、どう?」


提督「はーん。コーヒー入ってんなこれ」ポグポグ


ビスマルク「! よく気が付いたわね。褒めてあげるわ」フンス


提督「いい香りだ。うん。おいしい」


ビスマルク「そうでしょう!? フフッ、このビスマルクの手にかかれば、造作もないわ!」


グラーフ「そうなのか?アシガラに随分手伝ってもらっていたようだが…」


ビスマルク「うっ」


プリンツ「グラーフさん…!」


提督「ははは、まあ手伝ってもらったとしてもだ、美味しくできたんならいいんじゃないか?」


ビスマルク「そ……そうよね。結果が良ければいいのよ」


グラーフ「む……そういうものなのか」


那智「終わりよければ全てよし、だな」


早霜「おかわりです」コト


提督「ありがとう」


オイゲン「アトミラールさん、私とグラーフさんからの分です!どうぞ!」


提督「お、カップケーキか。可愛らしいな」


オイゲン「秘書艦の皆さんもどうぞ~」


那智「ありがとう」


早霜「グラーフさんもチョコレート教室に?」


グラーフ「ああ…。どうもヤーパンのショコラデは…美味しいのだが、なんというか、納得できなくてな…」


グラーフ「アドミラルに何を送ろうか考えていたのだが…アシガラが教室を開いてくれるというので、参加したんだ」


那智「向こうではチョコレートを食べるのか?」


オイゲン「ドイツといえばお菓子はチョコレートですよっ、世界でも有数のチョコレート大国です」エヘン


提督「へぇ~…」


オイゲン「ドイツのお店のチョコレートコーナーはとっても広いんですよ?是非調べてみてください」


ビスマルク「最近は私たちドイツ艦の活躍を機に、ドイツ企業が日本に進出してきているわ」


ビスマルク「そのうちドイツメーカーのショコラーデがマークトに並ぶ日も近いんじゃないかしら」


那智「なるほど…」


グラーフ「ああ、そういうことか」


ビスマルク「何よ、いきなり」


早霜「…どうかしましたか?」


グラーフ「いや、先ほどビスマルクがアシガラに手伝っていたことをどうして言わなかったのか考えていたんだ」


ビスマルク「そんなのどうでもいいでしょう」


グラーフ「あれはアドミラルに料理ができないことを悟られたくなかったのだな」


オイゲン「グラーフさん!」


ビスマルク「あなたね…!///」


那智「……」フフ


グラーフ「何か…悪いことをしただろうか?」


提督「思っても言ってはいけないことがあるということだ」


早霜「……」


グラーフ「クチは災いの元…ということだろうか…?」


那智「ああ…まあ、意味はわかっても、理解するのは難しいだろうな…」






伊8「グーテンナハト…提督、お疲れ様です」


伊19「来たのね」


提督「おー。お疲れさん」


伊19「…チョコの山なのね」


伊8「食べられるんですか、これ」


提督「頑張るよ…」ハハ


伊8「ええと、ハチからはこれを」ハイ


提督「……シュトーレン?」ガサ


伊8「少しトッピングを控えめにしました」


伊8「本当はクルーラーを作ろうかと思ったんですが…甘いものばかりだと提督が困ると思ったので」


伊8「シュトーレンは冷蔵庫に保存すれば日持ちしますし、チョコレートと一緒に食べても美味しいかなと…」


提督「ああ、なるほど…」


伊8「すみません、色々考えたんですけど…」


提督「いや、ありがとう。正直、これがあればちょっと楽になるかな」ナデ


伊8「だ、ダンケ…」


伊19「那智さん、これプレゼントなのね!」


那智「黒霧島。王道だな」


伊19「最近の焼酎と言えばこれなのね。ノドにガツんとくる辛口…お酒好きにはたまらないのね!」


那智「フフ…ありがとう。しばらくはこれでやるとするか」


伊19「最近那智さんとも飲んでないのー…。仕事落ち着いたらまた飲みたいのー!」


那智「ああ、そうだな。他にもいろいろ貰っているから、皆で飲もうか」


伊19「いひひっ、楽しみにしてるのね」ウインク





荒潮「!」ムク


提督「お…?」


コンコン


朝潮「失礼いたします!」ガチャ


電「朝潮ちゃん、こんばんは、なのです」


朝潮「電、ご苦労様です。妹たちから電宛てのチョコレートを預かってきました。どうぞ」


電「こんなにいっぱい…。ありがとうございます」ニコ


朝潮「特段アシの速いものはありませんので、適宜保存して召し上がってください」キリ


電「はいなのです」



朝潮「司令官!朝潮、チョコレートをお届けに参りました!」ビシ


提督「ご苦労さま」ケイレイ


朝潮「時間外になってしまい、申し訳ありません」オジギ


提督「構わないよ。朝潮こそわざわざ悪いな」


朝潮「いえ。…荒潮と、那智さんは…?」


提督「晩飯作ってる。那智宛てのは…一緒にしたらマズいか。早霜に渡してくれ」


朝潮「は。ではまず司令官。どうぞ」


提督「ありがとう」


朝潮「では早霜。こちらが秘書艦の皆さん宛てと、こちらが那智さん宛てです」


早霜「はい、確かにお預かりしました。ご苦労様です」


朝潮「では、私はこれで。失礼いたします!」シャキ


スタスタスタ



提督「ブレないな朝潮は」


早霜「だからこそ、チョコレートを届けに来たのではないでしょうか」


提督「一理ある」





ドゴン!ドゴン!


電「ひっ…ど、どなたですか?」


球磨「お邪魔するクマ」ガチャ


電「く、球磨さん…。もっとノックは優しくしてください…」ビクビク


球磨「ん?うるさかったクマ?まあいいクマ。提督はいるクマ?」


電「は、はい…」



球磨「提督ー」


提督「おーどしたー」


球磨「これあげるクマ」


提督「…おー、なんだこれは」


球磨「チョコレートだから安心するクマ」


提督「お、おお。前衛的な形だな…」


球磨「ちゃんと味見してるから問題ないクマ。あとこれは妹たちからだクマ」ゴソゴソ


提督「ああ、ありがとう。北上のは入ってる?」


球磨「さっき工廠でギフトカタログとにらめっこしてたクマ」


提督「あ、うん。ならいいんだ」


球磨「えーっと秘書艦の皆にはこっちだクマ」チョコ


早霜「ありがとうございます。丁寧にラッピングされてますね…大井さんのでしょうか」シゲシゲ


球磨「球磨のもあるクマ。大事にするクマ?」


早霜「ふふっ、ゆっくりいただきますね」







足柄「戻ったわよ」ヤツレ


提督「お帰り。随分かかったね…」


足柄「思いのほか私宛てのが多くってね…」


那智「モテモテだな」


足柄「片っ端から冷蔵庫にブチ込んできたわ」フゥ


早霜「何かお飲み物を用意しましょうか?」


足柄「ああ、じゃあ麦茶お願い」


早霜「はい」


提督「大盛況だったみたいだな」


足柄「まあ…ある程度予想はしてたけどね~…。ちょっとエネルギー残ってないかも」グタ


那智「お疲れ様、だな」クス


足柄「で?姉さんたちは残業?」


那智「ああ。仕事がつど止まるもんでな」


提督「今年は多かったなあ…」


足柄「何がモテモテよ」ハッ


早霜「足柄さん」カラン


足柄「ありがとう」


足柄「ンッ… ンッ… ぷはーっ!!効くわあ!」


提督「ビールのCMかな」


早霜「ピッタリですね」


足柄「そうでしょ?あたし女優の素質あると思うのよね」


那智「まあお前ならなんでも器用にこなせるだろうな」


足柄「そうよね?提督、なんかそういうオファーないのあたしに」


提督「あっても出せないだろ、艦娘なんだから」


足柄「海軍内部向けのグラビアとか!海自とか海保の悶々とした禁欲生活を送る若いツバメちゃんたちに」


提督「アウトだろ」


那智「それによその足柄もいるだろうからなぁ」


早霜「艦娘の写真集は出ているみたいですが」


提督「マジ?」


足柄「なんで提督が知らないのよ…」


提督「知らないモンは知らんだろ… 俺宛てに通達くる内容か?」


那智「どういう写真集なんだ?」


早霜「いたって普通の写真集です。いかがわしい要素はありません」


早霜「服装も制服ですし、艦種も戦艦、空母、重巡等、大型の方が選ばれていました」


足柄「海上の写真とか、艤装つけてたのは無いの?」


早霜「ありませんね」


提督「機密の問題か」


那智「だろうな」


足柄「しっかし、随分とあたしたちも顔が知れたもんだわ」


提督「この戦争始まってすぐのころは艦娘なんてトップシークレットだったらしいからなあ」


那智「お前も海軍に入れられるまでは知らなかったんだろう?」


提督「ああ。実際漣見ても全然ピンと来なかったぐらいだよ」


足柄「それが今や日本の顔。戦う女性のシンボル。海自じゃ専用のグッズまで展開してるそうじゃない」


提督「そうだな。百貨店でも艦娘のモデルにした商品を取り扱ってるらしいしな」


足柄「笑っちゃうわよね。あたしらの扱いの変わりようよ」


那智「…いつでも世論はそんなもんさ」


提督「シビアだな」


那智「最近は提督の間でも派閥があるようだな?」


提督「何の派閥?」


那智「我々の扱い方について」


提督「…あぁ、重婚派とか単婚派みたいな?」


足柄「のんきなものねー…。」


提督「艦娘を兵器とするか人間とするか。考え方の違い、ただそれだけだよ」


那智「お前は…いや、聞くまでもないか」


提督「そりゃどうも」


足柄「何ツーカーでのろけてんのよ」


早霜「そういえば足柄さん…」


足柄「あに?」


早霜「足柄さんはチョコを用意したんですか?」


足柄「ああそうだわ。提督、あたし明日持ってくるね」


提督「いいけど?」


足柄「自分のついでに作ろうと思ってたんだけど、やっぱみんなの様子見ながらじゃダメね」


足柄「せっかくだからちゃんとしたの作りたいから」


提督「ん。サンキュ」


足柄「リクエストある?」


提督「あー……チョコケーキ以外で。出来ればイチゴとか入れないでくれると嬉しい」


足柄「チョコレートだけでってことね。りょうかーい」


那智「……」


足柄「あ、姉さん?」


那智「なんだ」


足柄「ワイン取り寄せたから。ソーヴィニオンの4,000円ぐらいのやつ」


那智「む…」


足柄「今日届いてるといいんだけど。早霜ちゃんどう?」


早霜「特にメールは入っていませんでしたが…」


足柄「じゃあ遅れちゃってるのかな。まいいや。入ったら一緒に飲まない?」


那智「ああ、いいよ。それだったら私も質のいい牛肉でも買っておくんだったな」


足柄「何よ、あたしに肉焼かせて酒飲もうって?」


那智「いい酒はいい料理でやりたいだろう?」


足柄「は…。おだててもなんも出ないわよ」クス






提督「……え、どしたん?」


那智「なにが」


提督「俺の好きなもんばっかりだから」


那智「…まあ、そういう気分だったんだよ」


提督「あ、そう…。じゃ、冷めないうちに食うか!」


荒潮「はーい」


那智「ごはんは少なめだぞ。今日はカロリー取りすぎだ」


提督「へいへい」ヨソイ


那智「返事は一度だ」


提督「へーーーーーーーーーい」ヨソイ


那智「長いのも駄目」


提督「あいよ」


荒潮「ふふふww」


那智「荒潮、味噌汁持って行ってくれ」


荒潮「はぁい」トテテ


提督「結局言わなかったな」


那智「なにを?」


提督「酒はいいよって」


那智「……ああ、それか」


那智「夕べも言ったが…別に迷惑しているわけじゃないし」


那智「それに…」


提督「…それに?」


那智「……まあ、なんだ。お前は、その。わかってるんだろう?」


提督「…………」


提督「あっ」ハッ


那智「…だから、その。みなまで言うな」


提督「……ああ」


那智「…さ、食べよう!デザートにケーキもあるぞ」ハハ


提督「はは、楽しみだ。それじゃ、いただきます」


那智「いただきます」

荒潮「いただきます」




後書き

お粗末様でした。
いつも通りのヤマなしオチなしで恐縮です。


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