2020-09-09 20:53:59 更新

概要

この作品には設定があります(詳しくは前書きをご覧ください)
話しのスタートは美紀が居る+太郎丸が生きてるアニメ版を使います(後々から本の方のストーリーになります)


前書き

和野方長谷(なぎのがたながや)

性別 男
年齢 19
接近武器 刀
サブ接近武器 サバイバルナイフ
遠距離武器 前回で使い切り捨てた
荷物 食料や水、酒を持っている
常時負傷状態ー右手を失っている



情報

・右手に包帯を巻いてる(深い傷跡あり)※
※追記 右手はネメシスと戦った時に破損して今はもうない
・かなりの低体温(通常体温26度…?)※
※追記 胡桃と一緒の薬を打ったことによって体温はもうほぼない状態
・学校には行ってない(高校も行ってない)
・身体能力は高いが頭は残念…?※
※追記 元々科学者で生物学を学んでいた
・動物に好かれない
利き手は両利き(基本右)






設定内容(重要)

1、和野方長谷の右手の深い傷は一生治りません※
※上記に追記 右手はネメシス戦で破損
2、和野方長谷にはめぐねぇが見える事にします(見える時と見えない時があります)※
上記に追記 太郎丸も見えます
3、バイオハザードに出てくるネメシス(追跡者)やゾンビ犬が登場します(ハンターやリッカー、その他は出しません)※
※上記に追記 新しくタイラントを追加します
4、雨の日や夜でもゾンビが外や学校内に居る事にします(原作の方では生前の記憶があるとの事で少なくなっているらしいですがその設定は若干なしにします)
5、戦闘要員は基本恵飛須沢胡桃、和野方長谷とします(例外の時あり)
6、スナイパーライフルの弾数制限は無限とします※
※上記に追記 前回で使い切ったためもうありません
7、本作と同様ゾンビは走れない、思考能力がない、音や光に反応、動くものに反応することにします(タイラントは走って追跡ありにします)
8、設定削除
9、未成年ですがお酒を飲むシーンを入れます(タバコはなしとします)
10、和野方長谷は戦闘能力は高いが頭が悪い事にします(頭が悪いはフリです)
11、一応恋愛を入れるつもりはありませんが良い雰囲気や抱きつき、酔ってキスシーンを入れるかも知れません(断定はできません)
12、バイオハザードに出てくるハーブや救急スプレー等は出てきません
13、本の方では美紀が居る時点で太郎丸は死んでいますがTVアニメ版を使うので太郎丸は生きていることにします(元々美紀と一緒に居た圭以外の生存者はアニメ版の方では出て来ないので圭以外の生存者はいなかったことにします)
14、文がなんかおかしいと思うところが存在しますが間違えてません ちゃんとした理由がありますのでご注意ください(脱字や誤字、文脈がおかしいと思う所は存在すると思いますがごめんなさい)
15、最初はアニメ版を使いましたが後々本の方のストーリーになっていきます


ネタバレも入っていますがご勘弁下さい


















数時間前…



武闘派基地ー会議室



貴人 「…」


隆茂 「…」


朱夏 「…」



…ガチャッ


桐子 「おいーっす 来たよー?」


比嘉子 「…お邪魔する」


晶 「…」


貴人 「来たか それじゃ早速だが…」


桐子 「あぁいいよ どうせあの子たちのことでしょ?」


貴人 「わかってるなら話が早い 人材などは分け合うという約束じゃなかったか?」


桐子 「そうだねー でもさ?あの子たちの意見も聞かないといけないよね」


桐子 「とくにあの男子 かなり怒ってたよ?人形持ってた子にボウガン撃ったこと いまだに根に持ってるよ」


貴人 「高上には罰を与えよう 勝手なことをしたことは謝罪する」


貴人 「それと、あの男子に伝えて欲しい 女子だらけのところに男子ひとりいるのは気まずいだろうと」


桐子 「…誘おうとしてるんだね?」


貴人 「勘違いするな たしかにあの男はあの女子たちを守るために俺たちに刃を向けてきた…しかも片手ないのにだ」


貴人 「構え方からして慣れているような動き 相手が生きてる人間でも躊躇いなく殺意を沸かせて殺そうとしてきた」


貴人 「あんなにも強そうなやつを放っておくのはもったいないとは思っている …だが、よく考えてみろ?あいつは男だぞ?」


貴人 「お前たちのところには女しかいない その中で男ひとりだけにさせてみろ?ヘタしたら変なことされてもおかしくない」


貴人 「それを考えたらこちらに入れた方がいいとは思わないか?もちろんそちらで問題事があったとしてもこちらは手助けする気はないから 事前に言っておくぞ」


桐子 「…ふーん あっそ」


比嘉子 「…なら、あの人はこっちに来ないね ぜったいに」


晶 「わるいけどあの男子はあんたらのこと 敵と見なしてるからほぼ来ないと思うよ」


晶 「それに初対面から最悪な出迎え方してるからよけいだしね 勧誘ならあきらめた方がいいよ」


貴人 「…」


隆茂 「んじゃーお前らは襲われてもいいのか?好きでもないやつに無理やりされても」


桐子 「それはいやだねー てか、女子にそういう話し どうかと思うけど?」


朱夏 「現にそうなるかもしれないから言ってるんじゃない わからないわけ?」


桐子 「んー…あの男子は見た感じ、大丈夫そうだけどねー?」


比嘉子 「うん 大丈夫そう」


晶 「むしろこっちにも戦える人がいないと困るからいてもらった方が嬉しいしね」


貴人 「…そうか まぁお前らがそれでいいならかまわない」


貴人 「なら他のやつはどうなんだ?女子たちのほうは」


桐子 「おなじく敵視してるよ さっきアキが言ってたじゃん?初対面から最悪な出迎えしてるからって」


貴人 「だがこっちに来ないとは限らない そちらが一方的に独占するのは不公平じゃないか?」


桐子 「なら聞いてみるよ こっちに来たいって言う人がいたら連れてくるよ」


桐子 「来たくないって言ってたら連れてこないからそれは守ってよね?じゃないと…またあの男子怒るからね」


貴人 「脅しのつもりか?」


晶 「あんたたちも見たでしょ?あの男子が女子たちを守る時に見せた表情」


貴人 「………」


隆茂 「………」


比嘉子 「…あの人、怒らすとかなりあぶないよ?」


桐子 「まぁ別になにもしなければあの人も何もしないと思うから?なにもしなければねー」


貴人 「…覚えておこう」



ガチャッ…


篠生 「…あの、お茶用意したけど」


桐子 「っお!いいタイミングで来たね ちょうど喉乾いちゃったよ!」


比嘉子 「ありがとう」


晶 「篠生も大変だよね?こっちで化け物と戦って」


篠生 「もう慣れたから…」


貴人 「おい 篠生はこっち側にいるんだから連れていこうとするな」


比嘉子 「別にしてない」


桐子 「はいはいーっと!それじゃ私たちは帰らせてもらうよ お茶ありがとね?」コトッ


晶 「…あっとうこ あの化け物のこと言わないの?」


桐子 「っん?あー…まぁ 一応知らせといた方がいいか?」


貴人 「なにをだ?」


桐子 「もし外に出る用事があるなら よーく警戒した方がいいよ?」


桐子 「奴らとはまた違う化け物が今この辺に歩き回ってるから気をつけてねー」タッタッタッ…


貴人 「…なに?」ピクッ


比嘉子 「見つかったらしつこく追いかけてくるって」タッタッタッ…


晶 「まぁ見つからないようにねー」タッタッタッ…


パタンっ…











桐子 「とまぁこんな感じかな?」


和野方 「…えっと、いくつか突っ込んでいいかな?」


桐子 「いいよー」


和野方 「俺は男だから警戒してくれた方がいいって言わなかったっけ?」


桐子 「言われたよー」


和野方 「…警戒、してる?」


桐子 「うーん…まぁ してるよ?多少はね」


和野方 「たっ多少か…」


和野方 「…まぁ、多少でも警戒してるならいいか それじゃもうひとつ」


和野方 「俺に変なプレッシャーを与えるのやめてくれないか?たしかに奴らが無理にでも悠里たちを引きずり入れようとしてたら怒るが 事前に俺は強いぞみたいなこと言わないでくれるかな…?」


桐子 「別にいいじゃん!それとも奴らに勝てないかもしれないと思ってる?」


和野方 「いいや?全然 むしろ負ける気しない」キッパリ


桐子 「おっおぉ…即答だね たのもしいよ?」


和野方 「奴らなんかに負けるほどやわじゃない 片手でも余裕だよ」


和野方 「…ただ、あの化け物に関しては話は別だけどな あれには勝てる気しない…」


桐子 「…そうだよね あの化け物には……うん………」


和野方&桐子 「「…」」


和野方 「…またやつが来たらなんとかする だから安心してくれ?」


桐子 「…うん そのときはお願いね?」


和野方 「おう!」













夜ー和野方の部屋



ガヤガヤ…


由紀 「うりゃー!るーちゃんバンザーイ!」バンザーイ


クマのぬいぐるみ 「」


悠里 「…うふふ!たのしそうね?るーちゃん」


胡桃 「………」 オリャー!


胡桃 「(…まだ、子供に見えるのか そろそろ落ち着いてくれないとあぶないな)」


胡桃 「(もうかなり長い間、りーさんは精神がやられてる このままだとゆきみたいになる可能性も……)」


由紀 「おりゃおりゃー!!」ワシャワシャ


クマのぬいぐるみ 「」頭を撫でられるが顔色ひとつ変えない性格で


悠里 「うふふ!うれしそう もっとやって欲しいみたいよ?」


由紀 「わかった!オラオラオラオラァァ!!!!」ワッシャー!!


クマのぬいぐるみ 「」


悠里 「…長谷さんおそいわね まだ帰ってこないのかしら?」


胡桃 「いやいやりーさん まだ行って間もないだろ?さすがに早すぎるよ」


胡桃 「今みきと一緒に図書館にいる先輩…りせさん、だっけ?その人に会いに行ってるんだから」


悠里 「だってあんなにも疑ってたのに なんで長谷さんを連れていったの?」


悠里 「連れていくならくるみでもよかったじゃない なのになんで長谷さんを連れていったのかわからないわ」


胡桃 「それは…」


由紀 「…たぶん みーくんはみーくんなりにながながを確かめてるんだとおもうよ」


由紀 「たしかに疑ってるけど、ながながが私たちを襲うかどうかと言われたらわからないでしょ?」


由紀 「誰かを襲わないかを自分の体で確かめてるんだとおもう 私たちに被害が及ぶ前にね」


悠里 「長谷さんはだれも襲わないわ!今まで一緒に暮らしてきて襲ってきたことなんてないじゃない!!」クワッ


悠里 「今さら襲ってくるなんてありえないわよ!疑うにも程があるわ!!」


由紀 「だっだから確かめてるんだってば 私もながながが襲ってくるなんて思ってないよ!」アワワワ


胡桃 「りーさんおちつけ!別にそうと決まったわけじゃないだろ?多分そうじゃないかと言ってるだけだろ」


胡桃 「それにみきは長谷のことを未だに疑ってるんだからしかたない 考え方は人それぞれだろ?」


悠里 「だとしてもよ!それでずっと疑ってたらキリがないじゃない!!」


悠里 「疑われ続けたら長谷さん自身だって良い思いをしないわ!ストレス溜まってそれこそ 襲うかもしれないわ!」


胡桃 「ーっお おいゆき!るーちゃんの様子はどうだ?心配してないか?」アセアセ


由紀 「っえ!?え、えっと…」


クマのぬいぐるみ 「」


由紀 「り、りーさん るーちゃん怖がってるよ?おちついて っね?」


悠里 「っ! …ごっごめんなさい ムキになりすぎたわ」


悠里 「ごめんね?るーちゃん 驚かせちゃって もう怒ってないから!」ナデナデ


クマのぬいぐるみ 「」


胡桃 「(あっあぶねぇ…とっさにゆきに頼んで確かめさせてもらったがうまくいったな)」


胡桃 「(今ここで騒がれてもうるさいだけだし、なによりりーさんの症状が悪化しても困るから機嫌が治ってよかった…)」フゥ…


胡桃 「(やっぱりながやがいてくれないとこまるな…早く帰ってきてくれながや!)」


悠里 「せっせーせーのよいよいよい?」


クマのぬいぐるみ 「」


由紀 「…」













一階ー廊下



タッタッタッ…


美紀 「…」タッタッタッ…


和野方 「…なぁ 美紀?ちょっと聞いていいかな」


美紀 「なんですか?…っと 言いたいですけど、なんとなくわかりますがなんでしょう」


和野方 「いやわかってるなら聞くことないだろ…」


和野方 「…なんで俺を選んだんだ?図書館まで行くのに 護衛を付けるなら胡桃の方がよかったんじゃないか?」


和野方 「警戒してるのに俺を選んだ理由がわからない …もしかして、悠里と一緒に居させたくなかったとか?」


美紀 「いいえ 別に長谷さんとゆうり先輩が一緒にいることは気にしません」


美紀 「むしろそれに関しては今の現状 長谷さんとゆうり先輩の距離を遠くさせるのは絶対にやってはいけないと判断しています」


美紀 「今ゆうり先輩があの状態で長谷さんを引き離したら確実に精神崩壊します それだけじゃなく、わたし自身も殺されるかもしれません」


和野方 「いやさすがに殺されはしないと思うが…」


美紀 「例えばの話しです 予想を立ててるだけで実際どうなるかはわかりません」


美紀 「それに信用してないわけではありません 長谷さんのことは少なからず、私たちを護ってくれていることに関しては信用しています」


美紀 「だからあえてあなたを選んだんです わかりましたか?」


和野方 「…わかったような、わからないような……」


美紀 「…まぁいいです それより早く行きましょう 遅くなるとゆうり先輩が不安がるので」


和野方 「そうだな 早く済ませよう」








図書館ー理瀬の寝床



理瀬 「…」ジィ… 灯りをつけてソファに座りながら本に夢中で集中している


理瀬 「…」ペラ…



…タッタッタッ


理瀬 「っ!」ハッ


美紀 「…あっこんばんは まだ起きていましたか?」


和野方 「わるいな こんな夜更けに」


理瀬 「…なんだ キミたちか?驚かさないでよ 奴らが入ってきたかと思ったよ」


美紀 「すみません すこしお話がしたくて…」


理瀬 「はなし?いいよ なにも出すものがないけどとなり座って!」


美紀 「はい となり失礼します」スゥ…ポスッ


和野方 「俺は立ってるよ さすがに女子のとなりに座るのはあれだからな?」


理瀬 「私は気にしないけど…」


美紀 「…長谷さん さすがに立ちっぱなしというのも悪いので座ってください」


和野方 「いいよ 信用されてないのにとなり座ったら不快だろ?俺のことは気にしなくていいよ」


理瀬 「…っえ 信用してない…?」


美紀 「だから半分は信用してると言ってるじゃないですか!私たちを守ることに関しては信用してると…」


和野方 「今は守ることに入ってないだろ ふたりが話しする時間で守ってない」


和野方 「俺はここら辺見回ってるよ 奴らが入ってきてないかを確かめにな?」タッタッタッ…


美紀 「あっちょ!長谷さん!!」


美紀 「…はぁ 行っちゃいました ほんとに座っていいのに」ハァ…


理瀬 「…えっと、みきちゃん ちょっと聞いてもいいかな?」


美紀 「…長谷さんのことですか?」


理瀬 「うん…警戒してるって言ってたけど」


美紀 「……はい 男子なので、警戒してるんです 半分ほどですが」


理瀬 「…なるほどね でもふたりで一緒に来たよね?」


美紀 「守ってくれてることに関しては信用してるんです 長谷さんはいつも私たちのことを優先して守ってくれるので」


美紀 「…ですが やむを得ずとはいえ、一度ゆうり先輩に手を出したので警戒してるんです」


理瀬 「ゆうり先輩…?あぁ 桐子たちが言ってたちょっとまずい子のことだよね」


美紀 「はい 長谷さんがいないとかなりあぶないんです ヘタしたら精神崩壊して…最悪、自暴自棄になって……」


理瀬 「…なるほど 警戒はしてるけど、いないと困る人なんだね」


理瀬 「んー…わたしてきにはそこまで警戒しなくてもいいと思うけどね?変なことする人とは思えないけど」


理瀬 「むしろ真面目過ぎて困るって感じだよ!見た感じだとね」


美紀 「それは…まぁ たしかにそうです あの人はかなり真面目です」


美紀 「さっきもいいと言ってるのに警戒されてるからと言って座らなかったし…ほんとに真面目過ぎます」ハァ…


理瀬 「でもそれが信用できる点なんだよね?」


美紀 「…はい」


理瀬 「なら今はそれでいいんじゃないかな?半分信用してるならそれで 時間をかけて警戒を解いていけばいいと思うよ」


理瀬 「あせらず急がず!急がば回れと言うでしょ?」


美紀 「…そうですね わかりました」


理瀬 「それでここには何しに来たんだい?なにか本を持ってるようだけど」


美紀 「あっはい この卒業アルバムなんですけど…」










図書館ー本棚


和野方 「…」タッタッタッ…


和野方 「(いろんな本があるな…暇なときに何冊か借りようと思って適当に歩いてきたがいろんなのがありすぎて迷うな…)」ウーン


和野方 「(化学系の教材でも借りていこうかな?いや ここら辺に置いてあるものは全部一般的なものしかないか 読むだけ無駄だな)」


和野方 「んー…」タッタッタッ…



…長谷さん


和野方 「…っん?」


佐倉 「…ちょっと、いいでしょうか?」


和野方 「っ! さくら先生…っと?」キョロキョロ 周りを確かめて誰もいないことを確かめる


和野方 「…どうしたんですか?何かありましたか?」


佐倉 「はい あなたに見て欲しいものがあるんです」


和野方 「見てほしいもの…?」


佐倉 「こちらにあります 着いてきてください」


和野方 「わかった」


タッタッタッ…








図書館倉庫ー書庫室



ガチャッ…


和野方 「…ここは 本を保存するところか?」ギィィ…


和野方 「(周りは埃まみれだな…誰かが最近歩いたあとはないな てことは、理瀬もここには来てないみたいだな)」


佐倉 「こっちです」スゥ… 扉を気にせず壁を通り抜けて入ってくる


和野方 「先生 そんな壁抜けしなくても普通に開きましたけど…」タッタッタッ…


佐倉 「わたしは物体に触れないんです 幽霊なので…」


和野方 「…なら俺が開けたんですからそこから入ってくださいよ 目の前で幽霊が壁を通り抜けてるのを見ると怖いんですが…」


佐倉 「あれ 以前幽霊なんて非科学的だと言ってませんでしたか?」


和野方 「今現に目の前で見えてたら否定できませんよ…しかも話もできてるし」


佐倉 「…たしかにそうですね」


和野方 「それで見せたいものはどこに?」


佐倉 「ここにあります この本棚を調べてください」


和野方 「この本棚だな?わかった」スゥ…ガッ


和野方 「…鍵かかってるな 先生鍵は?」


佐倉 「っえ え、えっと……」タラー…


和野方 「…わかりました それなら…」キョロキョロ


和野方 「…っと あったあった?」タッタッタッ…スッ 書庫室に置かれているテーブルの上に置いてあったホコリだらけのテープを手に取る


佐倉 「…テープなんてどうするんですか?」


和野方 「テープをガラスに貼って割るんですよ テープ付けたら破片も飛ばないし、音も最小限まで抑えられるんです」カプッビー… 歯でテープの切り口を噛んで伸ばす


佐倉 「…っえ 割る……?」


和野方 「はい 割れたガラスがテープに付いて破片は飛び散らず、下に落ちないから音も小さい」ペタペタッ


和野方 「昔霊安室に入るとき、窓割った時にやったことがあるんです 案の定、誰にもバレずに彼女の死体を盗めました」ビー…ペタペタッ


佐倉 「………」


和野方 「…よし これでよしっと?」コトッ


和野方 「ーっふん!!」ブンッ!!



バキィッ!!ベリリ… ガラスに拳をぶつけてヒビが入り、テープで破片はさほど飛ばず 張り付かれたテープをベリベリと剥がす


和野方 「よし 音を小さくできたな…これですか?」カチャッガラ…スッ 中に入っていた一冊の本を手に取る


佐倉 「えっえぇ…それです それに目を通してください」


和野方 「わかった」パサッ…


和野方 「……っえ これって………」




新改良ウイルス開発+実験報告まとめ



タイラント計画ー実験体、遠藤真恋(えんどう さなこ)

ネメシス計画に投与したウイルスをさらに改良したものを投与、結果=実験に成功 ネメシスよりもさらに強く、知性のある化け物が完成した。

左手から薬を投与したせいかはわからないが異常に膨れ上がり 爪も剣みたいに異常に長く、太くなり 鉄よりも固く、実験時に車の破壊などを試した結果、軽々と長い爪でぶっ刺して持ち上げ飛ばした。

想像以上の出来で生物学者一同、歓喜に溺れた この生物兵器はかなりの高値で取引されると皆が嬉しがっていた。


実験報告

実験1、知能テストー我々生物学者の言うことは基本聞く 聞きづらいことがあるのか、時々じっとしたまま動かないことがある

実験1ー2、走れと命令=走る 止まれと命令=止まる 手を上げろ=手を上げる 座れと命令=その場に座る

実験1ー3、実験に使用した車を壊せと命令=左手の爪でぶっ刺して機能停止 壊した車をぶん投げろ=爪で刺して約100mの距離まで飛ばす 車を追いかけろ=走らせた車を追いかけて爪でぶっ刺して壊す


実験2、走る速さ=初速約30kmで最高速度約100km 腕力=約1tの荷物を軽々しく持つ 握力=300kg越える 身体=ネメシスよりも高い再生能力を持っている 多少の傷ならすぐ治る 跳躍力=その場から約50m飛ぶ


実験終了ー売り飛ばし開始しても可



…報告、配送中 生物兵器ータイラントが暴走 鎮静化するが失敗=鎮圧班全員死亡 逃亡と同時に行方くらます



報告はここで途切れている…




和野方 「…やっぱり、タイラントも奴らが作り出したものだったか ネメシスを作ったやつらだから だいたい予想はしてたがな」


和野方 「売り飛ばしてる時に暴走して行方くらます…か ーっけ!マジでふざけんじゃねえよ 勝手に人の薬を奪って勝手に作って、脱走して排除失敗とかバカにしてるにも程がある!!」


和野方 「失敗してから放置ってか?化け物を作ったのがバレるとまずいから野放しにしたままかよ 無責任にも程がある」


和野方 「イラつく野郎どもだ ーっくそ!」バタンッ!!


佐倉 「…どうでしたか?中の内容は」


和野方 「ふざけた文章だったよ 実験結果と売り飛ばした時に暴走して野に放ったまま放置してると書いてある」


和野方 「鎮圧方法とかは書いてないからちょっと残念だったな 書いてあればうれしかったが…まぁしかたない」


和野方 「ありがとな佐倉先生 おかげで奴らが作った化け物ということはわかった 貴重な資料だったよ」


佐倉 「それならよかった わたしも関係があるような物だと感じを読み取るだけで中身はなにが書いてあるかはわからないので役立てる情報があってほっとしました!」


和野方 「そうなのか?てか、関係があるような感じを読み取るってすごいな そういうのわかるのか」


佐倉 「この状態になってからそういう感覚が着いたんです …ただ、着いたとしても誰かに教えられなくては意味がないので……」


和野方 「たしかにそうだな 自分で確かめられないなら誰かに頼むしかないもんな?」


和野方 「…なら聞きたいことがある この学校に研究所みたいな所はあるか?この資料によると、この学校内で実験してたみたいに書いてあるんだが」


佐倉 「この学校内でですか?…いいえ 今のところはそのようなところは見てませんね」


和野方 「っん そうか?じゃあこの資料だけがここにあるだけで実験は別の場所で行われたのか」


和野方 「(だとしたらなぜこの資料はここにあるんだ?ここが本社なら書類をまとめる場所として使うのはわかるがここは本社じゃない)」


和野方 「(一般的に使われてる大学にこんな資料を置いておくとは思えない いくら厳重に管理してたとしても、一般人がいる所にこんな資料を置くわけがない)」


和野方 「(…一体、なんのために……?)」


佐倉 「まだ私も全部見たわけではないのでもしかしたらあるかもしれません 少し時間をもらえますか?」


和野方 「あぁ わるいけど頼みます 俺が探索するとみんなに怪しまれるので」


佐倉 「任せてください!長谷さんも若狭さんのこと よろしくお願いします」


和野方 「あぁ 必ず助けてみせます!」











美紀 「…それで、このページなんですが」先ほどから見せているアルバムの文を整理している


理瀬 「んー…そこはこうの方がいいんじゃないかな?この部分をここでまとめれば」


美紀 「あっなるほど たしかにこうすれば…」



和野方 「もどったぞー…っと まだ話してたか?」タッタッタッ


美紀 「長谷さん いえ、もうだいじょうぶです 大体のことは話し終わったので」


理瀬 「帰ってくるの遅かったね どこまで見回り行ってきたの?」


和野方 「この辺しか見てないよ ただ、念入りに調べてたからそれで時間食ったんだと思う」


理瀬 「なるほどね」


和野方 「美紀 終わったならそろそろ戻るか?まだ話したいならまた見回り行ってくるけど」


美紀 「いえ そろそろ帰らないと明日寝不足になりそうなので行きましょう」スクッ


美紀 「りせ先輩 今日はありがとうございました また聞きたいことがあったら聞きに来てもいいでしょうか?」


理瀬 「いいよ 私が教えれる範囲でいいならいつでもいいよ!」


美紀 「ありがとうございます それでは、失礼します」


和野方 「なにかあったらすぐ俺たちの所来てくれよ?もしくは桐子たちのところにな」


理瀬 「うん なにかあったらすぐ行くよ」


和野方 「いくぞ?美紀」


美紀 「はい」


タッタッタッ…


理瀬 「…」


理瀬 「守りだけは信用してるって言ってたけど…あの様子だとふつうの状態でも警戒してないように見えるけどなぁ?」


理瀬 「男だから警戒してるって言ってたけど…まぁいいか おそらく警戒が解けるのもそうかからないだろうし」


理瀬 「さてと?私もそろそろ寝ようかな 本はまた明日!」


理瀬 「おやすみなさいっと」カチッ













和野方の部屋



由紀 「すー…すー…」スヤスヤ…


クマのぬいぐるみ 「」由紀と一緒に寝かされている


悠里 「………」ソワソワ るーちゃんを寝かせて長谷がまだ帰ってこないことにソワソワしている


胡桃 「…りーさん どうした?そんなソワソワして」


悠里 「…長谷さん遅すぎるわ なにしてるのかしら」


悠里 「いくらみきさんが先輩に相談があると言ってたけど、さすがに長すぎるわ …まさか、みきさん嘘ついて長谷さんを……」


胡桃 「…を、なんだ?」


悠里 「…襲ってるんじゃないかしら 長谷さんかっこいいからやっぱり好きになって」


胡桃 「うん りーさんそろそろ考えるのやめような?それは絶対ありえないから」


悠里 「そんなのわからないわ 可能性はゼロじゃな…」


胡桃 「ゼロじゃなくてもほぼの確率でありえないから安心しろ あともう考えるな」


悠里 「でも…」


胡桃 「もうすぐで帰ってくるから待ってろ いいな?」


悠里 「……わかったわ」


胡桃 「(ながやーっ!!早く帰ってこーい!!もう限界だっ!!)」


胡桃 「(これ以上りーさんを抑えるのは厳しいなら早く帰ってきてくれー!!)」



…ガチャッ


美紀 「ただいま戻りました」


和野方 「戻ったぞー…っと 由紀はもう寝てるのか なら静かにしないとな」


悠里 「っ! 長谷さん!」スクッ


和野方 「…っえ なっなにうぉっと!」ガバッ 帰ってきて早々、悠里に抱きつかれる


悠里 「やっと帰ってきたわね かなり遅かったけどなにしてたのかしら?」ギュー


和野方 「っえ いやなにしてたって…美紀を理瀬のところに連れていったんだよ 行くとき言っただろ?」


悠里 「ほんとにそれだけですか?」


和野方 「それだけって…他になにがあるんだよ?」


悠里 「…みきさんを襲ってたとか」ジー


和野方 「いやなんでだよ…」


美紀 「…ゆうり先輩 長谷さんはそのようなことをする人じゃありませんよ ご自分でも言ってたじゃないですか?」


悠里 「それは…」


美紀 「自分で言ってたのになぜ疑うんですか?信じてるのに疑うっておかしいですよね」


美紀 「自分で言った言葉はちゃんと責任もってください もし信じれなくなったと言うなら…ここから追い出してもいいんですよ?」キッ


悠里 「それはダメよ 今長谷さんを追い出したら今後に支障が出るわ」


美紀 「なら疑わずに長谷さんを信じてあげてください いいですね?」


悠里 「…わかったわ」


美紀 「長谷さん 少しゆうり先輩とふたりで話をしてあげてください 私の部屋を使っていいので」


和野方 「っえ …いいのか?」


美紀 「かまいません …信じてますからね?」


和野方 「…わかった」


和野方 「悠里 少し話しするか?ちょっと落ち着きがないみたいだし」


悠里 「…えぇ おねがいできる?」


和野方 「あぁ!それじゃ行くか」


タッタッタッ…ガチャッ


パタンっ…


美紀 「…ふぅ」


胡桃 「…助かったよみき りーさんを止めてくれて」


美紀 「どういたしまして それにしても疲れきった顔してますね その様子だと帰ってくるまで騒いでたようですね?」


胡桃 「あぁ…帰ってくるのが遅すぎるって言っててな?しかもお前たちがここ出てから10分ぐらいでまだ帰ってこないのかって言ってたんだよ…」


美紀 「じゅっ10分で…」


胡桃 「…それにしてもみき お前長谷のこと信じるようになったのか?りーさんとふたりっきりにさせたけど」


美紀 「いいえ まだ信じていません ですが今の現状からしてふたりで話した方がより落ち着きを取り戻すと思って許可したんです」


美紀 「ゆうり先輩が精神異常を起こすと私たちでは戻せません 長谷さんがいなくてはなりません」


美紀 「先ほど追い出すと言ったのもゆうり先輩を怒らせて落ち着きを少しでも取り戻させるために言っただけです ほんとに追い出す気はありません」


美紀 「…まぁ 結局は人任せになってしまいますがね 疑っているのに私の言うことを聞いてくれるなんて、ほんとに長谷さんは優しいですね」


胡桃 「…そうだな」


美紀 「すみませんがわたしは先に休みます 長谷さんのことは任せてもいいですか?」


胡桃 「あぁ!まかせてくれ わたしは疑ってないがちゃーんと見張っとくぜ!」


美紀 「頼もしい限りです それではおやすみなさい」


胡桃 「おう!おやすみー」








美紀の部屋



和野方 「………」


悠里 「〜♡」///ギュー… 後ろから和野方に抱きしめられて落ち着いている


和野方 「…えっと ゆうり?話しは……」


悠里 「話しより今は抱きしめててください♡ない右腕も出して」///


和野方 「どう出せと…?」


悠里 「例えの話ですよ ない右腕分も抱きしめてということ♡」///


和野方 「例えがわからないんだが…」


和野方 「…たとえば どうすればいいんだ?」


悠里 「んー…そうですね?なら抱きしめてる手をお腹から……」///


悠里 「……むっ胸の下辺りを抱いてくれませんか?」///カァァ…


和野方 「っ…わ、わかったよ」///ギュッ…


悠里 「…♡」///キュンッ


和野方 「…こっこれでいいのか?(ゆっ悠里の下乳が俺の腕に…)」///


悠里 「…はい これでいいです♡このまま抱きしめててください♡」///


和野方 「あっあぁ わかった」///


悠里 「(あぁ…やっぱり 長谷さんに抱きしめられると落ちつく 体は冷たいはずなのにあたたかい……♡)」///


悠里 「(もっと強く抱き締めてほしいけど無理は言えないわよね まだケガも完全に治ってないから…)」


悠里 「(…でも、これでも落ち着けるからいいか 長谷さんに抱きしめられてるだけでも落ち着けるから…♡)」///


和野方 「………」///


和野方 「(なっなにも話さないまま抱きしめてるのも気まずいものだな しかも悠里の下乳が腕に当たってるからなおのこと……)」///


和野方 「(でも悠里は抱きしめられてるだけがいいって言うから無理に話しすることもできないし……どうしよう)」///


悠里 「…長谷さん力が緩んでます もう少し強くできませんか?」


和野方 「っえ あ、わるい」ギュッ…


悠里 「…長谷さん もしかして、抱きしめると痛みがありますか?無理して抱きしめてたりとか……」


和野方 「いいや?痛みはないよ ただなにも話さないで抱きしめてるだけってのも間が持たなくてな…そんなこと考えてたら緩めちまっただけだ」


悠里 「あっ…すみません わたしが話しより抱きしめて欲しいって言ったばかりに」


和野方 「あぁいや 別に謝ることはない 悠里が抱きしめられるだけがいいなら無理に話しするわけにもいかないからな?」


和野方 「それよりも他になにかして欲しいことはあるか?できる範囲でならやってやるから!」


悠里 「…それじゃ……」キョロキョロ


和野方 「…? どうした?」


悠里 「…むっ胸 触ってくれるかしら?前みたいにわたしを……」///カァァ


和野方 「っ…」タラー…


悠里 「…だめ?」///ドキドキ


和野方 「(まっまたこのおねがい…たしかにできる範囲でとは言ったが……)」


和野方 「(また手を出せば今度こそ 美紀に追い出されてもおかしくない…しかも俺のことを信用してると言ってくれたからよけいに……)」


悠里 「………」///ドキドキ


和野方 「…わるい 今日は我慢してくれ また別の日に…な?」


悠里 「……っえ」


和野方 「(悠里にはわるいが美紀の信頼を失いたくない あいつは俺のことを信じて二人っきりにさせてくれたんだ)」


和野方 「(今の悠里は俺が必要だから追い出されるわけにはいかない それに俺もみんなを守らないといけないからなおのこと!)」


和野方 「(だから我慢してくれ悠里 これはお前のためでもあるから…)」


悠里 「…みきさんになにか言われたの?」ギロッ


和野方 「……っえ」ドキッ


悠里 「…どうなの 言われたの?」


和野方 「……なんでそう思う?」タラー…


悠里 「みきさんは長谷さんのことを疑ってるから何か言われたんじゃないかと思ったの あの子、感はいい子だからもしかしたら前回私の相手をしてくれたことも気づいてるかもしれないわ」


悠里 「それでどうなの 言われたの?」


和野方 「……別になにも」


和野方 「てか、だとしたらなんで美紀は俺たちを二人っきりにさせたんだ?疑ってるならさせないと思うが」


悠里 「っえ?…たしかにそうね 疑ってるなら二人っきりにさせるのはおかしいわね」


悠里 「…じゃあなんで手を出してくれないの?」


和野方 「…気分、かな?今そういう気分じゃないから…?」


悠里 「……そうなの?」


和野方 「あっあぁ いくらお前のわがままはある程度は聞いてやれるにしても俺にも気分があるからな?」


和野方 「俺のことも考えてくれると嬉しいかなー…なんて?」


悠里 「…そう、よね 長谷さんだって気分があるわよね」


悠里 「ごめんなさい わたし、自分勝手で……」


和野方 「いやいや!そんな自分勝手だとは思ってないよ むしろ少しわがままぐらいがかわいいよ!」アタフタ


悠里 「ありがとう そう言ってもらえると気が楽になるわ?」


悠里 「…それじゃ 今は抱きしめるだけでおねがい もっと長谷さんの温もりを感じたいの」


和野方 「おっおう!それぐらいなら(俺体温ないんだが…)」ギュッ…


和野方 「(よかった なんとかごまかせた…美紀に言われたなんて言えるわけがねぇ)」


和野方 「(言ったらなにしでかすか分かったもんじゃない 下手したら美紀が追い出される……)」


和野方 「(…まぁ そうなったら止めるまでだがな 今の状況で追い出されたらマジでみんな死ぬ)」


和野方 「(とりあえず悠里が寝つくまで抱きついてやるか 落ち着いてくれれば少しの間は平気だからな)」


和野方 「(出来るだけ早く終わらせて胡桃と酒飲みたい…悠里にはわるいけど)」


悠里 「……♡」///














朝ーとある空き教室



由紀 「…よしっと!これでかんせーい!」ペタッ 空き教室の扉に【トーコゼミ】と書かれた紙を貼る


胡桃 「っお 本格的だな」


由紀 「うん ゼミだよゼミ!ミンミンだよ!」


胡桃 「そりゃセミだ!」


悠里 「ゼミナールはセミナーだし セミでも合ってるかも…」ホッコリ


美紀 「りーさんあなたまで…」ハァ…



桐子 「諸君おつかれ!」タッタッタッ…


比嘉子 「…」


晶 「…あれ?長谷くんは?」


悠里 「今校舎内を回ってやつらが入ってないか確かめに行ってます 終わったらここに来ると言ってました」


桐子 「そうかー あの子はほんとに頼もしいね?自ら進んでやってくれるなんて」


比嘉子 「そうだね 私たちじゃ怖くてできない…」


由紀 「それがながながだからね!ながながはほんとにやさしいよね!」


美紀 「そうですね」


桐子 「それじゃ中に入って始めようー!」


由紀 「はーい!」


ガチャッタッタッタッ…


晶 「…ねぇヒカ いつからトーコゼミになったの?」


比嘉子 「さぁ…」













聖イシドロス大学付近ー校舎外



ゾンビ 「アァー…」ノソ…ノソ…


ゾンビ 「グオォ…」ノソ…ノソ…


ゾンビ犬 「グルル…」スタスタ…


ゾンビ犬 「ヴゥー…」ハァハァ…



和野方 「…ここらへんは犬も多いな でもやっぱり、俺の姿は捉えられないようだな 堂々と歩いてるのに見向きもしねぇ」タッタッタッ…


和野方 「(学校の近くにいるやつらだけでも始末しておきたいが…そんなことしたら またタイラントがここにきた時に死体見られたら警戒するだろうからな やたらなことはできない)」


和野方 「(…しかし 昨日は酒飲みたかったなぁ…結局あのまま悠里寝ちゃったから酒飲めなかった……)」


和野方 「(無理に起こすわけにもいかないし なにより起こして離れたらまた精神がおかしくなるかもしれなかったからなぁ……)」


和野方 「(俺も楽しみを満喫したい……)」ハァ…



…ザッ


和野方 「っ!」スチャッ 背後から足音が聞こえてきて刀を抜き取り構える


ヘルメット女 「………」スチャッ アイスピックを構えて長谷を警戒している


和野方 「…だれだ てか、おまえこんな所にいたら……」



ゾンビ犬 「ヴゥゥーッ!!」グルル…


ゾンビ犬 「ガゥゥッ!!」ガバッ!!


和野方 「っ!! あぶねぇ!!」ザンザンッ!!!!


ゾンビ犬 「ギャウンッ!!」バツンッ!! 首を跳ねられて血飛沫をあげる


ゾンビ犬 「ガゥゥ……」バタンッ…


ゾンビ 「アァー!!」ザッザッ…


ゾンビ 「グオォーッ!!」ザッザッ…


和野方 「っち!数が多すぎる こっちだ!」ヒュンッスチャ…ガシッ


ヘルメット女 「っ!」


和野方 「(とりあえず学校の中に入れば安全だ!早くこの人を安全な場所に連れていかないと!)」タッタッタッ!!…


和野方 「(…このくらいの壁なら飛び越えられるな よし!)」ガバッ!!


ヘルメット女 「っ!?」片手でお姫様抱っこされる


和野方 「しっかりつかまってろ!ふんっ!!」ダンっ!! その場で思いっきり踏み込んで学校の壁より高くジャンプする


ヘルメット女 「ーっ!?」


和野方 「ーっと!ふぅ…ここならやつらがくることはない」スタッ


和野方 「一旦中に入るからつかまってろよ?よっと!」タンッ


ヘルメット女 「っ!!」ギュッ



ダァンッ!!!!


和野方 「…ふぅ よし!ここまで来れば平気だな 下ろすぞ?」ヨット


ヘルメット女 「…」スゥ…スタッ


和野方 「わるかったな?いきなり抱き上げて あの状況で逃げるとしたらこうするしかなくてな」


和野方 「…てか、なんであんな所にいたんだ?やつらが歩き回ってる中ひとりで」


ヘルメット女 「………」


和野方 「…あの、聞いてる?」


ヘルメット女 「…きみ なんでさっきの奴らの中にいたのに襲われなかったの?」


和野方 「っ!」ギクッ


ヘルメット女 「奴らと同じ…って感じじゃないみたいだけど どうして?なんで私が行ったら襲われたの?」


ヘルメット女 「奴らがあなたに気づいてなかったとは思えない 目の前を歩くところを見てたから私も行けるのかなって思ったんだけど…」


和野方 「っ……」タラー…


ヘルメット女 「…でも、今は別にいいわ あなたは私を助けてくれた それだけは事実だから」スゥ…パサッ


篠生 「あなたは敵じゃないみたいだね 偵察して来いって言われてしてたけど心配する必要はないとみたわ」


和野方 「…偵察?」


篠生 「わたしはしのう 武闘派の一員でれん君からあなたのことは聞いてるわ」


和野方 「っ!」


和野方 「(武闘派…てことは、奴らの仲間か!)」スゥ… 刀に手をかけてすぐさま警戒する


篠生 「あっ…まって!だいじょうぶ あなたが私たちのことをよく思ってないことは知ってる でも争いとかに来たわけじゃないの!」


和野方 「……信じろと?俺はお前らの仲間に俺の仲間がやられそうになったんだぞ?それで信じろという方がムリじゃないか?」


篠生 「れん君がやったことはあやまる れん君もそのせいで罰与えられたから…」


和野方 「武闘派らしいルールだな 失敗したやつに罰を与えるなんて…だからお前らと関わるのはゴメンなんだ!」


篠生 「ちがう!失敗したんじゃなくて 勝手な行動したから罰を…」


和野方 「わるいが今の状況でお前らを信用することはできない こっちは一度やられそうになってんだから信用してもらえないのはお前もわかるよな?」


篠生 「それは……」


和野方 「…てか なんでお前が謝る必要がある?普通は本人が謝りに来るものだろ」


和野方 「あの男の親や妻でもないのにお前が謝りに来る理由がわからない 謝りに来る人が違うだろ?」


篠生 「…恋人だから 代わりに謝ってるの」


和野方 「………っえ」


和野方 「…かのっじょ?おまえが?」


篠生 「うん」


和野方 「……えっと、マジで言ってる?」


篠生 「えぇ マジよ」


和野方 「………。」


和野方 「(マジか…あのガキ こんな大人びた人と付き合ってるとは思わなかった 身長や性格的に合わないだろ…)」


篠生 「…ねぇ 少し、話がしたいんだけど いい?」


篠生 「争うために来たわけじゃない それだけは事実だから…だめ?」


和野方 「………」


篠生 「…もし聞いてくれたら、わたし なんでもするから!」


和野方 「っ!」


篠生 「…だ、だめ?」ブルッ…


和野方 「…ふーん そうか なんでも…ねぇ?」ニヤリ


篠生 「っ…」ビクッ…


和野方 「………」タッタッタッ… 篠生に近づいて目の前に立つ


篠生 「ーっ……」ブルブル…


和野方 「………」スゥ…



バシッ


篠生 「いたっ!?」頭を軽くチョップされる


和野方 「…女が何でもするなんて言うな お前みたいなかわいい子に何でもしていいなんて言われたら男は食いつくぞ?いやらしい意味でな」


和野方 「俺はそういうことをしない性格でな 愛のない性行為は嫌いなんだ」


和野方 「まぁもっとも この状態じゃやろうとしてもできないがな?片腕ないしな!」


和野方 「よかったな?おれが相手で 彼氏以外とはしたくないだろ 無理はするもんじゃないぜ?」


篠生 「………」


和野方 「それでなにを話したいんだ?お前が身体を売ってまで話がしたいと言ったから とりあえずは信じてやるよ」


篠生 「っ! そっそれじゃ…」



高上 「おい!その人から離れろ!!」スチャッ ボウガンを持って長谷に構える


篠生 「っ! れんくん!!」


和野方 「…またお前か そんなおもちゃを構えて威嚇か?男として情けねぇ」ハァ…


和野方 「やんならやってやんぞ?こいよ クソガキが!」クイクイッ


高上 「ーっ…!!」チャキッ


篠生 「れんくんやめて!この人は敵じゃ…」


高上 「死ねぇ!!」バシュンッ!!


和野方 「…」スゥ…



ブスゥッ!!!!


篠生 「ーっ!!」


高上 「ーっ…」ガタガタ…


和野方 「……まんぞくか?クソガキが」ポタッ…ポタッ… 左腕でボウガンの矢を受け止めて血が滴り落ちる


高上 「…なっなんで 刺さってるのに……平気な顔してんだよ?」ブルブル…


和野方 「なんで?…さぁな なんでだろうな てめぇが知るようなんでねぇだろ あぐっ」ガブッ


和野方 「…ふんっ!!」ズボッ!!ダラダラ… ボウガンの矢を抜いて血がよけいに滴り落ちる


篠生 「ーっ…!!」ジリッ…


高上 「…ーっこの バケモノめ!!」スゥ… 次の矢をリロードしようと手を伸ば…


和野方 「っぺ!それ以上打ったら殺すぞ?手を引っ込めな」ギロッ


高上 「っ!!」ビクッ!!


和野方 「…篠生、と言ったな?話しがあるならまた今度だな こいつ、人の話を聞く気ないみたいだ」


和野方 「この状態で話し合いはできないからまた今度な じゃあな」タッタッタッ…


篠生 「あっ……」


和野方 「あぁそうそう ひとつ言っておくよ?」


和野方 「これ以上舐めたまねしたら 今度こそ殺すからな?お前らの仲間全員に言っとけ」ギロッ


篠生&高上 「「ーっ!!」」ビクッ!!


和野方 「とくにお前に言ってるからな?クソガキ よーく覚えときな」タッタッタッ…



高上 「っ…」ガクガク…


篠生 「…れんくん なんで打ったの?あの人 私になにもしてなかったでしょ?」


高上 「ーっし してたよ!あいつ しのうに触れようと…」


篠生 「あれは怒られたの あの人と話がしたいから、聞いてくれたらなんでもするって言ったの」


篠生 「そしたら女子がなんでもするなんて言うなってチョップされて叩かれたの 下心のある男から変な要求をされてもおかしくないからって」


高上 「そんなこと言ったの!?なんで自分を犠牲にしようとしたんだ!もしそれで話しが通ったらしのうが…!!」


篠生 「でもされなかったでしょ?もしされてたらいやだったけど、何でもしていいって言ってもされなかったよ」


篠生 「結果的にはされなかったからいいでしょ?だから怒らないで」


高上 「…次こんなことしたら 怒るからね?」


篠生 「うん!わかった それじゃ帰ろうか?」


高上 「うん!」


タッタッタッ…



篠生 「(…それにしても あの人、腕大丈夫かな?ボウガンの矢 もろ刺さってたけど…)」


篠生 「(でも痛がってるような素振りは見せてなかったんだよね むしろまったく効いてないみたいな……)」


篠生 「…」タッタッタッ…


高上 「…? しのう?どうかしたの 」


篠生 「ううんなんでもないよ それじゃいこ?」


高上 「うん!」













聖イシドロス大学内部ー保健室



和野方 「…」グルグル… 口と左手で腕に刺されたボウガンの傷を器用にガーゼを貼って包帯巻いて治療してる


和野方 「(…ボウガン刺さったところ 血は出るけど痛みはないな…なんでだ?ナイフ刺されたときは痛かったのに、なんでボウガンは痛くないんだ?)」


和野方 「(おなじ刺し傷だから傷の付けられ方が違くて痛みがある、とは考えにくいな なんでやつの攻撃は痛くなかったんだか…)」


和野方 「………」グルグル…


和野方 「(…タイラントにナイフ刺した時、やつの血が付いた状態で刺されたが…もしかして それで痛みが……?)」


和野方 「(可能性としてはゼロじゃないな やつの血が付着した物で攻撃を受けたら痛みが出る 今回ボウガンの矢には奴の血は付着していなかったから痛みがなかった)」


和野方 「…調べる必要があるな やつに関する資料がまだあるか確かめに行くか」キュッ


和野方 「(悠里たちに傷見られたらなんて説明するかなぁ 転んでケガした…なんて、ムリだな さすがに転んだような傷じゃない)」


和野方 「(ド正直に武闘派にやられたなんて言えねぇ ゾンビどもに噛まれたとも言えないし、タイラントにやられたなんてもっと言えねぇ)」


和野方 「…マジでなんて言うか」


和野方 「……まぁ 転んでケガしたというか?何とかそれで誤魔化そう」


和野方 「とりあえずみんなのところに行くか これ以上時間かけると悠里が心配し出すだろうからな?」


和野方 「たのむからみんなの前で抱きしめてきたりはしないでくれよ?恥ずかしいから…」タッタッタッ…













武闘派基地ー会議室



貴人 「バカやろうっ!!また勝手な行動しやがって!!」バンッ!!


高上 「っ!!」ビクッ


貴人 「おまえは何度勝手な行動すれば気が済むんだ!!またしてもあの男を敵に回しやがって!!」


貴人 「あの男がどれほどの人材としての価値があるのかわかってるのか!!自分の立場を考えてみろ!!」


高上 「…でっでも あいつ僕に刀向けてきたし……」


貴人 「それはお前がヘマしたからだろ!!おまえがヘマしたかったらこんなことにはならなかったんだ!!」バンッ!!


貴人 「もういい!今日から一週間部屋から出てくるな!!出てきたら追い出す!!」


高上 「ーっ…」ギリ…


篠生 「…れんくん 行こう?」


高上 「…うん」


タッタッタッ…パタンッ



貴人 「……くそ あのバカが!」


隆茂 「もう追い出してもいいんじゃねぇか?あそこまで好き勝手したら迷惑だし」


貴人 「あいつを追い出したら篠生まで出ていくだろ 篠生は優秀な人材だから追い出すわけにはいかない」


朱夏 「なら追い出させないようにすればいいじゃない 高上だけ追い出して篠生は追い出さなければ」


貴人 「そう言って言うこと聞くと思うか?俺たちのスキをついて一緒に出ていくぞ」


朱夏 「それじゃ高上をずっと部屋に閉じ込めておけばいいじゃない ずっと放っておけば食料や水は必要なくなるわ」


貴人 「そうしたら篠生が勝手にあげるだろ 結果的にかわらん」


朱夏 「…なら、密室で殺しちゃえばいいじゃない?誰が殺したかわからなくさせちゃえば 篠生は迷うはずよ」


朱夏 「高上がいなくなったらここを出ていこうとしても、ひとりで出ていくのは危険だってね?」ニヤリ


隆茂 「っ…おまえ 相変わらずシャレにならないこと言うな?つーか それやったら俺たちが真っ先に疑われるだろ」


朱夏 「あら?証拠がなければ誰の犯行なんてわからないじゃない まして、今の状況ならなおさらね?」


朱夏 「それに…あの男子に殺されたなんて判断したら どうなることかしら?」クスッ


隆茂 「ーっ…」ゾクッ


貴人 「朱夏 変なことはするなよ?仲間割れを起こすようなことはするな」


貴人 「高上を殺してまであの男を引きずり込みたいとは思わない 高上にだって役立つところはある」


朱夏 「あら?高上のせいであの男子を怒らせたのに まだ役立つと思うところがあるの?」


貴人 「それなりにはな だから勝手な行動はするなよ?いいな」


朱夏 「…わかったわ」













トーコゼミ教室



桐子 「んでー…奴らの正体だけど……」


比嘉子 「…わからないね だれも生物学に詳しい人いない」


晶 「ほんとだねー わたし文系だからさっぱりだ?そっちはどう?」


美紀 「いえ…わたしもさっぱりです」


胡桃 「わたしもだ 生物学はぜんぜん」


由紀 「わたし勉強ぜんぶむり……」


悠里 「………」ソワソワ


晶 「…えっと ゆうり?さっきからソワソワしてどうしたの?」


悠里 「…いえ、長谷さん 遅いなと思いまして……」


胡桃 「だからりーさん心配しすぎだって?長谷は見回りに行ってるんだからそんな早く帰ってこないよ」


悠里 「でももう30分ぐらい経つわよ?見回りだけでそんなにかかるとは思えない」


美紀 「いや30分ぐらい普通だと思いますが…」


由紀 「…探しに行ってみる?そんなに心配なら」


悠里 「…そうね ちょっと探しに……」



ガチャッ


和野方 「見回り終わったぞー」タッタッタッ…


悠里 「っ! ながやさ…っ!?」ギョッ


胡桃 「おかえりながや …その腕のケガ、どうした?」


和野方 「っん?あー…えっとだな」


和野方 「…ころんだ」メソラシ


胡桃 「…こっころんだ?」


和野方 「うん…ころんだ」


晶 「それ明らかにころんだ傷じゃないでしょ?なにかあったの?」


比嘉子 「…もしかして、奴らに噛まれた!?」


和野方 「あぁいや 奴らに噛まれたわけじゃない ただちょっと…ころんだだけだ?」


悠里 「…ほんと?」ジロッ


和野方 「あっあぁ」


悠里 「………」ジッ…


和野方 「…あー?桐子 ちょっといいかな?話しがある」


桐子 「っえ あっうん…」


和野方 「悠里 ちょっとまた外出るけどいいかな?すぐ戻るから」


悠里 「……ダメと言ったら?」


和野方 「ちょっとでいいから!っな?」


悠里 「………」


和野方 「…あとで撫でてやるから?」


悠里 「……わかった」


和野方 「それじゃ桐子 悪いがきてくれ すぐ終わるから?」


桐子 「ほいよー」タッタッタッ…


タッタッタッ…パタンッ



悠里 「………」


比嘉子 「…なにかあったのかな?あの腕もころんだ傷じゃなかったし」ヒソヒソ


晶 「たぶんなんかあったね かなり血も出てたし」ヒソヒソ


由紀 「…ねぇ ながなが…だいじょうぶかな?また……腕なくなったりしないよね」


美紀 「…だいじょうぶですよ 長谷さんは強いですから!」


胡桃 「てか、強すぎだけどな?あいつの場合 両腕なくても蹴りだけでやつら倒せそうだし」


美紀 「たしかに…」


悠里 「………」











桐子 「どうしたのー?わたしを呼んで まさか愛の告白?」


和野方 「いや違うから…まじめな話だから」


桐子 「まじめで愛の告白とか?」


和野方 「…そろそろ怒るぞ?」


桐子 「ごめんごめんって!それでなにかな?」


和野方 「…とりあえず腕の傷を見せるよ 噛まれたと勘違いされ続けるのもいやだからな」カプッ


桐子 「っあ そうやって取るんだ なかなか器用だね」


和野方 「ーっ…まぁな 何度かやってるうちに慣れた」シュルシュル…


桐子 「…なにこれ これ、刺し傷……?」


和野方 「…悠里には言うなよ?胡桃たちならまだいいけど」


和野方 「……武闘派の連中にやられた」


桐子 「ーっ!!」


和野方 「れんって言ったかな あいつにボウガン打たれてな?それが腕に刺さったんだ」


和野方 「まぁ幸いにも打たれた場所が腕だったから大事にはならなかったがな 腕も普通に動くし」クイクイッ


桐子 「いやだいじょうぶじゃないよね!?痛いよね!?」イヤイヤ!!


桐子 「ちゃんと治療しなきゃダメだよ!今からでも治療しよ!?」


和野方 「いいよ このくらいすぐ治るから?俺は傷が治りやすい体質だから」


和野方 「すぐ治るのに医療品すら入手困難な状況で使ったらもったいないだろ?誰か他のやつが怪我したら使ってくれ」


桐子 「ダメっ!それはボクが許さない すぐ治るとしてもちゃんと治療しておかないと!」


和野方 「いや別にいいって…」


桐子 「それじゃ保健室行くよ 拒否権はないと思ってよ!」


和野方 「いやだからいいって…」


桐子 「行くよ!」


和野方 「……わかったよ それじゃ悪いがたのむよ?」ハァ…


桐子 「まかせてよ!」


タッタッタッ…









保健室



桐子 「えーっと…消毒はこのくらいで ガーゼはたしか大きいやつはこっちにあった気が…」ガチャガチャ…


和野方 「消毒だけでいいよ あとは縛って血止めとけばなんとかなるから」


桐子 「だめ!ちゃんと治療するから待ってて」


和野方 「…わかったよ」ハァ…


和野方 「(ほんとにしなくていいのにな…このくらいの怪我なら数日で治ると思うんだが)」


和野方 「(…でも タイラントの血が含まれたナイフを刺されたところはまだ治ってないからあれか 治療してもらった方が早く治るかな?)」


和野方 「(今回打たれた場所より少し離れてるけど、ついで一緒に治してもらった方がいいか)」


和野方 「…桐子 わるいがガーゼ二枚分いいかな?もう一箇所のキズも治療してもらいたいんだが」


桐子 「だいじょうぶだよー そのもうひとつの怪我も治療するから安心してー?」カチャカチャ…


和野方 「っん そうか それならよかった」


桐子 「…っと あったあった?」カチャカチャ…タッタッタッ


桐子 「それじゃ治療するから痛かったら言ってねー」


和野方 「あいよ」


桐子 「…」プシュー…チョンチョンッ


和野方 「(消毒の痛みはないな 傷が染みる感じがしない やっぱり痛覚はやつの血が含まれてないと感じないみたいだな)」


桐子 「あとこっちも…」チョンチョンッ


和野方 「ーっ!?」ビリィ!!!!


桐子 「あっごめん 痛かった?」


和野方 「ーっあ あぁ ちょっと…な?(いってぇ!!タイラントにやられた傷口 めっちゃ染みったぞ!!)」ビリビリ


和野方 「(まだ血が残ってるのか?やつの血が残ってると痛覚が残るのか…?)」


和野方 「(もしそうだったらやっかいだな 血を抜かないといつまでも残るかな?)」


和野方 「(…でも、だとしたら全体的に痛覚が戻らないのはおかしいな?ボウガンの矢が刺さったときは痛みがなかった)」


和野方 「(全体的には広がってないのか?あくまでも部分的に残って 留まってるのか?)」


和野方 「(…なら この辺の傷口を取ったら治るか?えぐれば治るか…?)」


和野方 「(…いや、やめとくか 今やつがこの近くをうろついてるのに、今より負傷したら危険だ)」


和野方 「(傷を深くして完治する前にやつがここを攻めてきたらまずい やるとしたらやつを倒してからだな)」


和野方 「(…倒せればいいが……)」


桐子 「…ねぇ長谷くん 聞きたいことがあるんだけどいいかな?」ペタッペタッ


和野方 「っん なんだ?」


桐子 「キミは生物学は得意かな?」


和野方 「生物学?…なんで」ドキッ


桐子 「さっきねー トーコゼミで奴らの正体を探ろうって話をしててね?みんなで考えてたんだー」グルグル…


桐子 「だけどみんな生物学には疎くてねー 調べても何もわからなかったんだ」グルグル…キュッ


桐子 「キミは生物学得意かな?得意ならわかる範囲だけでも教えてもらえないかなーと思って」


和野方 「………」


和野方 「(…これは、どうするべきかな 生物学は確かに得意 得意というかもう専門だから得意で普通か)」


和野方 「(ぜんぶは教えられないが多少のことは知っておいた方がいいよな?奴らの情報)」


和野方 「(…でも教えられることはほとんどないんだよな もうみんなが知ってる【噛まれれば感染する】【生きてる人にだけ反応する】【ウイルスを強化した化け物が存在する】【死んでるのに動いている】)」


和野方 「(他に話せることと言ったらなにがある?これだけでも一般の人達なら十分な情報量だから話すことがない これ以上詳しいことを話したら俺が怪しまれるし…)」


桐子 「…あっあれ?長谷くん どうしたの?なんで黙ってるの……?」


和野方 「…わるいな 俺はみんなの中で一番頭悪いからわからねぇ 勉強のことは専門外なんだ」


桐子 「っえ そうなの?けっこう頭良さそうに見えたけど」


和野方 「見た目で判断されるとこまるかな?俺はまったくと言っていいほど勉強ができないんだ だから生物学なんてとても…」


桐子 「そうかー それじゃ仕方ないね?なら奴らのことは分からず仕舞いかー…」


和野方 「わるいな 力になれなくて」


桐子 「あぁいいよ!謝ることなんてないよ みんなもわからないんだから同じだよ!」


和野方 「…そうか」


和野方 「(…ごめんな ウソついて)」













夕方ー和野方の部屋



和野方 「………」


悠里 「すぅ…すぅ……」和野方に膝枕してもらって寝てる


クマのぬいぐるみ 「」悠里に手を握られて寝かされている


和野方 「…どうしてこうなった?」






数時間前…



学園生活部部室



胡桃 「んー…?」ボリボリ… 教科書を睨みつけながら考えている


由紀 「うぅ…わからない」

:(´◦ω◦`):プルプル


和野方 「…由紀 その問題はこうやってやるんだ この式は……こうだ」カリカリ…


由紀 「あっそうか!なるほど」ピコーン


美紀 「…長谷さん 化学の問題なんですが教えてもらってもいいでしょうか?」


和野方 「っん いいよ 教えられれば教えるよ」



悠里 「っ…っ……」コクッ…コクッ……


悠里 「(…ねむい……疲れたのかしら?すごくまぶたが重い……)」


悠里 「(でもみんなが勉強してるのに私だけ休むわけには……)」ゴシゴシ


和野方 「んで、ここの化学式は…」



ゴンッ!!!!


和野方 「……っん?」チラッ


悠里 「いたたた…!」ズキズキ… 机におでこをぶつけて痛める


胡桃 「…どうした?りーさん なんかすごい落としたが」


悠里 「ごっごめんなさい ちょっと居眠りこいてたわ…」ヒリヒリ…


由紀 「およ?めずらしいね りーさんが居眠りするなんて」


美紀 「疲れが溜まってるんですか?」


悠里 「いやそんなことはないと思うけど…」


美紀 「…長谷さん ゆうり先輩を部屋まで運んであげてくれませんか?」


和野方 「…っえ それはかまわないけど」


悠里 「へいきよ みんなが勉強してるのに私だけ休むわけには行かないわ 私も勉強しないと……」ウトウト…


美紀 「…長谷さん 連れてってあげてください 今の状態では勉強どころではありません」


和野方 「そうだな わかった」カタッ


美紀 「あっそれと…」クイクイッ


和野方 「?」スゥ…


美紀 「一緒に居ることを許可しますのでゆうり先輩を見てあげてください 寝てるときに頭を撫でたりするぐらいならいいです」ヒソヒソ


和野方 「…あいよ 了解」


和野方 「悠里 部屋に行くぞ?少し寝ようぜ」


悠里 「いいえ まだ寝ないわ 勉強を遅らせるわけにはいかないから最低でも決めたところまでやらないと…」


和野方 「そんな状態じゃ勉強しても頭ん中に入らないだろ?無理しないで部屋いくぞ」


悠里 「でも…」


和野方 「…一緒に寝てやるから っな?」ポンッ


悠里 「ーっ!?」///ボッ!!


胡桃 「ひゅーっ!大胆だねぇ みんなの前で一緒に寝てやるなんて?」


由紀 「りーさん顔まっかー!タコさんみたい!」


美紀 「…長谷さん そういうことは私たちの前で言わないでください」///


和野方 「あぁわるい 気にしないで言っちゃったよ」


和野方 「それじゃいくぞ?悠里」ギュッ


悠里 「っ…えっえぇ わかったわ」///カタッ 手を握られて席から立つ


和野方 「それじゃ俺は少しの間、戻ってこないから由紀と胡桃 お前たちは勉強サボるんじゃないぞ?」


胡桃 「えぇー…」


由紀 「遊びたい マンガ読みたい…」


美紀 「…わたしが見ておきますのでお願いします」


和野方 「あぁ 悪いがたのむよ?」ガチャッ…


パタンっ…


美紀 「…」


胡桃 「…よく許可したな?一緒に寝ること おまえならダメだって言うと思ったのに」


美紀 「もう何度も寝てるんですから今更です 今の現状下で離れさせることなんてできません」


美紀 「手さえ出さなければ私はもう何も言うつもりはありません いかなる状況でも手さえ出さなければですが」


由紀 「みっみーくん!ながながは手を出したくて出したわけじゃ…」


美紀 「わかってます それは理解してますので安心してください」


美紀 「前回のことは致し方ないと理解してます …そう自分に言い聞かせてます」


由紀 「………」


美紀 「…とりあえず勉強をしましょう ゆうり先輩は長谷さんに任せて」


由紀 「…うん わかった」








和野方 「…はぁ たしかに一緒に寝てはいいと言われたが こんな時間から寝られねぇよ…」


和野方 「しかも膝枕して寝られてるから動くこともできないし…マジでヒマだ 借りてきた本も全部読んじまったし」


悠里 「すぅ…すぅ……」


和野方 「…」サラ… 悠里の髪の毛を触って感触を確かめる


和野方 「(女の髪ってサラサラしてるよな いつも悠里の頭なでる時に触ってるが改めて思うと男の髪と全然ちがう)」


和野方 「(香りもいい匂いするし 触ってて今のところ飽きない…少し悠里の髪触って時間つぶすか?)」サラサラ…


悠里 「すぅ…すぅ……」
















胡桃 「んー…?」コツコツ…


由紀 「…わかんない……」ウー…


美紀 「そこはこうですよゆき先輩 そしてくるみ先輩の問題はこうです」カリカリ…カリカリ…


胡桃 「あっなるほど そういうことか」


由紀 「んんー…?なんでこうなるの?」


美紀 「この問題はですね…」



ガチャッ


桐子 「うぃーっす!ちゃんとやってるかい?」


由紀 「あっとうこ先輩!」


美紀 「今のところはやってます どうしたんですか?なにか用でも」


桐子 「いやぁ ただキミたちの様子を見に来ただけだよ!ちゃんとやってるかなと思ってね?」


胡桃 「ちゃんとやってますよ わからないところだらけですが…」


桐子 「あははー それはしかたないね?わからないところはみき君から聞かないとね?」


美紀 「いやなぜわたしなんですか それなら先輩たちの方がいいのでは?」


桐子 「みき君 わたしに勉強を教えてもらおうなんて考えない方がいいよー?最近はずっとゲームばっかりやってるからね!」ドヤッ


美紀 「ドヤれませんよ…」


桐子 「…それとみき君 ちょっといいかな?」


美紀 「はい なんですか?」


桐子 「キミは理系は得意かな?生物学はわからなくても理系だけ得意とかは…」


美紀 「…すみませんがこの前言ったとおり 私は理系得意ではありません 苦手とまでは言いませんが…」


桐子 「そうかー それじゃしかたないか?やっぱりヤツらのことを調べることはできないかなー」


胡桃 「…理系なら長谷に聞いてみてはどうですか?あいつ理系得意ですよ」


桐子 「…っえ」


由紀 「そういえばそうだね?ながなが 理科は得意だったよね」


美紀 「たしか高校用のテストも満点でしたね 理系だけですが」


桐子 「ーっちょ ちょっとまって!長谷君 理系得意なの?」


胡桃 「はい 高校にいる時にテストやらせたら満点でした 化学式や薬品調合、薬品の名前など全部正解してました」


桐子 「……うそ」


桐子 「(長谷君が理系得意?ボクが聞いたときは勉強全部ムリだって聞いたけど…)」


桐子 「(理系だけできるのにウソついた?なんでウソを…?)」


美紀 「…とうこ先輩?どうかしましたか?」


桐子 「…今 長谷君ってどこにいるの?」


胡桃 「長谷なら今自分の部屋でりーさんを寝かせてます 眠たそうにしてたので頼みました」


桐子 「なるほどねー それじゃちょっと長谷君に用事があるから行ってくるねー」タッタッタッ…


桐子 「勉強がんばってね!」


パタンッ…


胡桃 「…? 急にどうしたんだ?最初長谷に用があるなんて言ってなかったのに」


由紀 「さぁ…?」


美紀 「?」













和野方の部屋



悠里 「すぅ…すぅ……」


和野方 「…」サラサラ…サラサラ… 悠里の髪を触って毛質を確かめている


和野方 「(やっぱり悠里ってかわいいよな 美人で優しくて、みんなをまとめてくれる あと…まぁ、胸がでかいし……)」///


和野方 「(今時の高校生ってこんなにでかいもんなのか?麻里亜はもっと小さかったのに…)」


和野方 「(…うん 怒られそうだから考えるのやめよう 死んでなお怒られそうだ)」



コンコンッ


ナガヤクーン チョットイイカナ?


和野方 「っん?その声は桐子か いいぞ中に入って」


ジャマスルヨー



ガチャッ


桐子 「…おっと?ゆうりちゃん寝てたのか 大きい声は出さない方がいいね」


和野方 「どうしたんだ?なにか俺にようか」


桐子 「うん ちょっと聞きたいことがあるんだけど」


和野方 「聞きたいこと?」


桐子 「……正直に答えてね」


桐子 「…キミ、理系得意なんだってね」


和野方 「…っえ」ドキッ


桐子 「さっきね みき君たちのところに行って様子を見に行ったんだ 今何してるのかなーと思ってね?」


桐子 「…まぁ 本当は化学系じゃなくても理系ならわかる人がいないかを確かめに行ったんだけどね 案の定、誰もわからなかったよ」


桐子 「でも君は得意だって話を聞いたんだ 高校にいるときにテストやらせたら全部満点だって言ってたよ」


桐子 「…なんでウソをついたんだい?キミは勉強全部ムリだって言ったよね」


和野方 「そっそれは……」タラー…


桐子 「…ねぇ もしかしてだけど、なにか知ってるんじゃないかな?あの化け物のこと」


桐子 「なにか知ってるからむやみやたらに話せなくて嘘をついたんじゃないかな?ボクはそう思うんだけど」


和野方 「っ…」ギクッ


桐子 「……なにも言い返さないと疑われるよ なにか反論したらどうだい?」


和野方 「………」


和野方 「(…なにも、言い返せねぇよ まさか美紀たちのところに行って聞きに言ってたとは…)」


和野方 「(今からいいわけした所で疑いは晴れない 勉強全部できないってウソついてるんだから今さらいいわけをしたところで……)」


和野方 「(でも話したら…それはそれで大問題だ!もし俺がウイルス開発の関係者なんて判断されたら、俺はもうここには……!!)」ギリッ…


桐子 「………」


和野方 「……いっ言えない………」


桐子 「…言えない?」


和野方 「あぁ…でも、ひとつだけ言わせてくれ」


和野方 「俺はお前らの敵じゃない それだけは…信用してほしい!」


桐子 「…」


和野方 「……信用、できないか?」


桐子 「………」


和野方 「(…あぁ 終わった……やっぱりムリだよな ウソついてる時点で信用してもらえるわけないよな………)」


和野方 「(このまま追い出されたら、悠里やっていけるかな もし俺がいなくなったら…精神崩壊しないでくれるかな?)」


和野方 「(…ごめん みんな……)」


桐子 「……そんなの、わかってるよ キミが敵じゃないことぐらい」


和野方 「……っえ」


桐子 「キミはいつも私たちのことを考えて 自ら危険なことをしてくれてたでしょ?」


桐子 「見回りや警護、化け物退治に強化された化け物を誘導して遠ざけてくれた」


桐子 「そこまでしてくれてるのに敵なんて思えないよ 危険な目に遭ってまで私たちを守ってくれてるのに」


桐子 「ただ疑いはしてるけどね!キミが何かを隠してることは事実なんだ それに関しては警戒させてもらうよ?」


和野方 「……おい、出したりしないのか?」


桐子 「なぜキミを追い出す必要があるの?今ボクたちに必要なのは護衛!私たちを守ってくれる人が必要なんだ」


桐子 「ボクたちは非戦闘員でくるみちゃんも女子だから限度がある だとしたら男子である君の力が必要なのさ!」


桐子 「勇気あるし優しいし、気が利くところも頼もしいしね!今のボクたちはキミを頼らなければならない!」


桐子 「だから安心して キミを完全に敵だと判断しない限りは追い出さない ボクたちもキミを頼りにしてるから期待を裏切らないでね?」


和野方 「……とうこ………」


桐子 「あっあとゆうりちゃんのこともあるからねー 今のゆうりちゃんにはキミが必要だ!」


桐子 「ゆうりちゃんの精神崩壊を止めることができるキミは必要不可欠なんだ だから嫌でもここにいてもらうからねー」


和野方 「…ははっ!そうだな たしかに今の悠里は俺が必要だな?」


和野方 「…ありがとな 信用してくれて」


桐子 「おっとー!勘違いしないでよ?敵じゃないことはわかってるけど、キミが何かを隠してることに関しては疑ってるからね」


和野方 「わかってるよ それはいくらでも疑ってもらって構わない ここに置いてもらえるならな」


悠里 「すぅ…すぅ……」


桐子 「……ねぇ 長谷くん わかる範囲でいいから教えてくれるかな?」


和野方 「っん?なんだ 答えられる範囲でならいいけど」


桐子 「キミはこの前の化け物のこと、詳しく知ってるかい?」


和野方 「…」


桐子 「…もし知ってるようなら教えてもらえるかな?ボクらも奴らのことは少しでも知りたいんだ」


桐子 「今後、奴らと対抗することになるかもしれないから対策法を知りたい …ダメかな?」


和野方 「………」


桐子 「………」


和野方 「…対策法なんて簡単だ 奴らと接しなければいいだけの話だ」


和野方 「無理に対抗する必要なんてない 近づかなければ奴らも来ない 対処法はそんなもんだろ?」


桐子 「それは対処法とは言わないよ ただ逃げてるだけだ!」


桐子 「それじゃいつかは食料とかがなくなって餓死するのが落ちだ!そんなことならないためには外に出る必要がある!」


桐子 「外に出るとなると必ず奴らが襲いかかってくるんだ だからボクたちでもできる対処法を教えてほしいんだ!」


和野方 「…武器も握れないお前らがか?」


桐子 「そうだよ!」


和野方 「………」


桐子 「………」


悠里 「すぅ…すぅ……」


和野方 「…そこらのゾンビなら音で引きつければ誘導できる 夜なら明かりがついたものを投げれば誘導できる」


和野方 「それなら戦わなくて済むだろ 非戦闘員のお前らにはちょうどいいんじゃないか?」


桐子 「あの白い化け物相手のときはどうすればいい?」


和野方 「仲間のために遠くに離れて逃げろ そして死ね」


桐子 「っ!!」ビクッ


和野方 「…あいつに見つかったら逃れることはほぼ不可能だ ましてお前らならとくにな」


和野方 「俺もお前らと同じ立場ならそうする キツイ言い方かもしれないが…」


桐子 「…そっか あいつの場合は見つかった時点でゲームオーバーか……」


桐子 「…うん わかった あいつに見つかったらそうするよ」


和野方 「…他になにが聞きたい?」


桐子 「感染方法を知ってたら教えてほしい 今ボクたちがわかってることは噛まれて感染するってことくらいかな?」


和野方 「正確には血液感染だ 噛まれたらウイルスが血液の中に紛れ、数時間後には感染菌が体内全体的に広まり、やがてゾンビ化する」


和野方 「ゾンビ化したヤツらはゾンビ同士では争わず 生きた生物のみを食べる どうやって見極めてるのかは知らないがまず間違いなく区別してる」


和野方 「あのデカブツの化け物に関しても同じだ やつもゾンビ化した奴らと生きてる生存者を見極めてる」


和野方 「ただひとつ違うところはそこらのゾンビもぶっ殺してるというところだ あのデカブツだけは他と違う」


和野方 「俺が倒したネメシスってやつも同じくそこらのゾンビをぶっ殺してたがなぜ殺すかはわからない 同じゾンビ同士なのに」


和野方 「…あと、空気感染もある 俺が悠里たちと会う前は一人で行動してたんだが、その時にケガしてないやつが目の前で感染してゾンビになった」


桐子 「っえ!?くっ空気感染!?」


和野方 「あぁ 人によって違うみたいだが感染する人と感染しない人がいるみたいだ」


和野方 「現に今お前たちは感染してない 空気感染することもあるなら今頃全員感染しててもおかしくない」


和野方 「でもそれが見られない 事前に抗生物質でも打ってれば話は別だが、お前たちがそんなものを打ってるなんて思えない」


和野方 「もし打ってるならわざわざこんなこと聞いてこないだろうしな?打ってる=研究者のひとりになるからな」


和野方 「水感染はわからない こういう学校に備え付けられてる貯水タンクってのはだいたい雨水をろ過して溜めてるから水で感染は判断できない」


和野方 「まぁ感染してる水ってわかってるなら飲まなければ今のところは問題ないだろう もし喉乾きすぎて死にそうなら自分の血や小便でも飲むことを進めるよ」


和野方 「…まじめに言ってるからな?別に下ネタ言いたくて言ってるわけじゃないからな」


桐子 「あぁうんわかってるよ!心配しないで ボクたちも非常時にはそうするしかないって勉強したから!」


和野方 「ならいいんだが」


和野方 「…だいたいこのくらいかな?今話せることは まだわからない部分が多くて全部は話せないけど…」


桐子 「ううんいいよ ぜんぜん助かったよ!やっぱり理系満点取ってるだけあるね!」


桐子 「感染方法もだいたい分かってきたし これなら多少は警戒できるかな?」


和野方 「それならよかった 役に立てたようで」


桐子 「…」


和野方 「…? なんだ?他になにか聞きたいことあるのか?」


桐子 「…いや ほんとにキミは頼もしいなと思ってね?理系も出来て戦闘もできる…今の状況下で完全に必要なふたつを持ってるからすごいよ」


桐子 「疑ってはいるけどキミのことは信用してるからね?たのむよ ボクたちのヒーローさん!」


和野方 「ヒーローって…べつにヒーローになったつもりはないが」


桐子 「まぁそれは君がどう思うかは自由さ!少なくともボクはそう思ってるよ!」


桐子 「それじゃ!ボクはそろそろみんなのところに戻るよ ゆうりちゃんのことは任せたよ?」


和野方 「おう!まかせとけ 悠里のことはちゃんと見ておくよ」


桐子 「期待してるよー?」ガチャッ…


パタンっ…


和野方 「………」


和野方 「…はぁ………よかった 信用してもらえて?マジで追い出されるかと思った……」ハァ…


和野方 「今までやってきたことが理となって帰ってきた ほんとによかった…」


和野方 「(今追い出されたらみんなを守れなくなるからな ほんとに追い出されなくてよかった)」


和野方 「(俺は当たり前のことをしてきたつもりだったが、それが信用される結果となった やっててよかった…)」フゥ…


和野方 「…」


悠里 「っん…ふぅ……」スゥ…スゥ…


和野方 「…必ず助けてやるからな たとえこの命が尽きたとしても」













夜ーとある住宅街



タイラント 「ーッシャァァァァ!!!!」グシャァッ!!!!


ゾンビの群れ 「「グオォォ…!!」」ノソノソ…


タイラント 「フオォォォッッ!!!!」ズバンッ!!!!


ゾンビの群れ 「「」」バラバラ… 爪で勢いよく引きちぎられてバラバラにされる


タイラント 「フゥ…フゥ……」フー…フー…


タイラント 「グゥゥ…!!」スリ… 首筋に手を当てて前回背後を突かれて傷つけられた部分をさする


タイラント 「ウゥゥ…!!グオォォォォッ!!!!」ビキビキビキビキッ!!!!!! 全身の筋肉が盛り上がり、さらにもう片方の爪が異常に伸び始める


タイラント…? 「ーッシャァァァァ!!!!!!」前回と姿が異なり、両手の爪が異常に長くなり、筋肉も盛り上る


スーパータイラント 「ーっ…ナ、ガヤ クル、ミ コロ…ス!!」ギリッ













聖イシドロス大学ー屋上



和野方 「んー…♪やっぱり酒はうまいなぁ!いつまでも飲んでいたいよ!」


胡桃 「ほんとだよな!やっぱり酒はうまいぜ!!」


胡桃 「しかも天気がいいから月がよく見える!久々に飲めて最高だ!」


和野方 「ほんとだよな 満月じゃないとはいえ、雲ひとつない空から月明かりが差して多少明るい中で飲むのは最高だよな?」


胡桃 「まったくだ!まぁさすがに月明かりだけじゃ光源が小さすぎるからライトは持ってきてるけどな?これがないと薄暗すぎてあんま見えないもんな」


和野方 「たしかに…っん」ゴクッ


胡桃 「あぁー!ウイスキー飲みてぇ!!なーがーなーがー ウイスキー飲みたいー!!」


和野方 「ながなが言うな てかお前まで俺のことながながって言うか…」


和野方 「…全部飲んじまったじゃねぇか 高校にいるとき全部飲んで空にしたのはどこのどいつだ?」


胡桃 「はいっ!わたしだ!!」ドンッ!!


和野方 「いやそんな気合い入った返事されても…」


胡桃 「…はぁ もう飲めないと思うと寂しくなるな もう私たちは助からないから……」


和野方 「……そう考えるな 俺だって酒がなくなったら楽しみがなくなるんだ 今ある在庫がなくなったらもう……」


胡桃 「……なぁ長谷」


和野方 「っん?なんだ」ゴクッゴクッ…


胡桃 「りーさんとはもうエッチしたのか?」


和野方 「」ブフゥッ!!


胡桃 「どうなんだ?したのか 気持ちよかったか?」


和野方 「ゴホッゴホッ!!…っしてねぇよ お前いきなり変なこと聞いてくんじゃねぇよ」ゴシゴシッ


胡桃 「だって気になったんだもん それぐらい聞いてもいいじゃん」


和野方 「いやよくねぇから もししてたとして、それを教えたら悠里をからかう気だろ?」


胡桃 「もちろん!」ドヤッ


和野方 「今の状況でからかおうとするな もしそれで今以上におかしくなったら困る」


胡桃 「からかうぐらいいいだろ?むしろ そういうおふざけも必要だろ」


和野方 「なら内容を変えろよ…もししてたとして そんな話をからかいに使わなくていいだろ?」


和野方 「しかも他のやつに聞かれたら また俺追い出されるかもしれないだろ?もう追い出されそうになるのは勘弁だ」


胡桃 「…それもそうだな それを考えたらやめといた方がいいか」


和野方 「あぁ あと男にそういう話しはするなって言わなかったか?男はそういう話をされると勘違いするやつがいるから…」


胡桃 「知ってるよ だから聞いたんだよ」


和野方 「……っえ」


胡桃 「……なぁ長谷 おまえは感染させたくないから、りーさんとしないんだよな?彼女がいるからって口実をつけて」ムクッ


胡桃 「ならさ 感染してる私が相手ならいいってことだよな 感染させることのない私ならさ?」チラッ


和野方 「…くっくるみ?」


胡桃 「……ふふっ!なーんてな じょうだんだよ!」


和野方 「…っは?」


胡桃 「ふふーん!期待したか?わたしがお前を押し倒すかと思ったか?」ニヤニヤ


胡桃 「男は変態なんだよな 長谷もそう思ったよな?もしかしてわたしと、なんて!」


和野方 「……」ゴクッ


胡桃 「…あっあれ ながや?」


和野方 「…はぁ お前はほんっとにバカなやつだ」スゥ…


ガシッ!!


胡桃 「…っえ きゃあっ!!」ドサッ!!


和野方 「…」スッ 胡桃を押し倒して上に覆い被さる


胡桃 「っ…な、ながや……?」///ドキッ


和野方 「…おまえ、今襲われても文句言えねぇからな?人のこと誘惑したんだから」


和野方 「俺が襲わないとでも思ったか?わるいけど、お前みたいなかわいいやつに誘惑されたら俺だって辛抱たまらないんだよ」


胡桃 「かっかわ!?」///ボッ!!


和野方 「お前の悪ふざけ 何度もスルーしてきたが今日は容赦しねぇからな」スゥ…


和野方 「覚悟しろよ?くるみ」ボソッ 耳元で小さく囁かさせる


胡桃 「ーっ!!!!」///ゾクッ!!


胡桃 「(ーっや やばい ながやが…わたしを、わたしを襲って……!!)」///ドキドキ!!!!


胡桃 「(どっどうしよう!!さすがにからかいすぎたか 今からでもあやまってやめてもらわねぇと!!)」///


胡桃 「(い、いやでも 私のせいでこうなったんだから私が責任とる必要あるよな?もしこれで止めたら 他の人に行かれる可能性も……)」///バクバク…


胡桃 「(べっ別にながやのことはきらいじゃない むしろ…すっ好きに、なるのかな……?)」///


胡桃 「(でっでも!!わたしには好きな先輩がいる!!長谷にだって付き合ってる人がいるから こんなことするわけには…!!)」///ググッ


和野方 「………」


胡桃 「ーっ…」///プルプル…


和野方 「…冗談だよ 本気にすんな」スゥ…


胡桃 「……っえ」


和野方 「少しからかっただけだ …受け入れようとすんじゃねぇよ」


胡桃 「ーっば!?だ、だれが受け入れてなんて!!」///ガバッ


和野方 「ならなんで押し倒されても抵抗しなかった?いやなら抵抗したはずだろ」


胡桃 「そっそれは……」


和野方 「俺が怖かったか?こわくて口が開けなかったのか?」


和野方 「俺だって男なんだからな 誘惑されたら怖い顔して襲うんだから、マジでそういうことされたくなかったら二度と誘惑するな 今回で二度目だからな?」


胡桃 「…ごっごめん でも……その、ちゃんとやめてくれるんだな?押し倒すまでしたのに」///


和野方 「……正直、理性失いかけてたがな お前が目つぶって受け入れようとしてたから襲いそうだった」


和野方 「お前とならお互い好きな人がいる以外の壁がないからしようと思えば普通にできるから…な」


胡桃 「ーっ…あっあんまりそういうこと言わないでくれ 壁がないとかって言われると……その………」///プシュー…


和野方 「……胡桃 お前まだ誘ってるのか?たぶん無意識に言ってると思うが」


胡桃 「っえ?…っあ!ちがっ!?」///アワワワ


和野方 「…」スゥ…



ガバッ!!!!


胡桃 「きゃあっ!!」///ドサッ 再び和野方に押し倒される


和野方 「あむっ」カプッ


胡桃 「ひぅっ!?」///ビクッ!! 首元を甘噛みされて体を跳ね上がらせる


和野方 「じゅるる…ちゅぅぅ……」


胡桃 「やぁ!なっなが……やめ!!」///ビクッ…ビクッ…!!


和野方 「ぢゅぅぅ……」スゥ…キュッ


胡桃 「んんっ!!やっ…みみ、ダメ……!!」///ビクッ!!


和野方 「…ふぅ いやそうには見えないが?むしろ物欲しそうにしてるが」ツツー…


胡桃 「そっそんなこと……」///ハァ…ハァ…


和野方 「いやなら抵抗しろ 抵抗したらやめる」


和野方 「その代わり二度と俺を誘惑するな おまえは一度ならず二度までも俺を誘惑してるんだからな?次したら本気でお前を犯す気で襲う」


和野方 「脅してるわけじゃない 怖がらなくていい いやならイヤと言えばいいだけだ 言葉に出せないなら行動で示せ」


和野方 「もししないならこのまま先に進める …正直、俺も壁がない分 できると思うと襲いたい願望が湧き上がってきてんだ」


和野方 「悠里のときは感染させる恐れがある壁があったから襲わないようにとしてるがお前にはそれがない ただお互い好きな人がいるだけ…しかもお互い好きな人がもういないから気が楽にもなるしな」


和野方 「ちなみに言っておくが俺は初めてじゃないからSE〇の快楽も知ってる だから尚更止めてくれないとやめることはできない」


胡桃 「っえ!?おまえ初めてじゃないのか!?」


和野方 「そんなことはいいから答えろ もしくは行動で示せ しなければ…」クイッ


胡桃 「ーっ!!」///ドキッ 押し倒されたまま顎クイされる


和野方 「…いいのか?止めるなら今だぞ 途中でやめろなんて言われても聞かないからな」


和野方 「初めてが俺になってもいいならそのままじっとしてろ …20秒以内に決めろ」


胡桃 「っあ…えと、えっと……」///ドキドキ…


胡桃 「(なっながやのやつ、マジで言ってんのか?本気で…わたしを襲おうとしてるのか…?)」///


胡桃 「(首元を甘噛みされて、耳もこねくり回されて……こっこんな男みたいなわたしをかわいいって言ってくれたし……)」///


胡桃 「(初めてが長谷になってもいいかなんて…べつに、それは気にしてなかった 長谷が相手なら優しくしてもらえそうだし……)」///


胡桃 「(…ーって!いやいやなにを考えてんだ!?優しくしてくれそうとかそういう問題じゃなくて!!)」///ブンブンッ!!!!


和野方 「…それが答えだな?わかった」スゥ…


胡桃 「…っえ?あっ」ハッ


和野方 「……ふぅ」スゥ…ググッ



バキィッ!! 和野方は自らの手で拳を作り、顔面にぶん殴る


胡桃 「ーっ!? なっながや!?」


和野方 「…すまない 欲情しちまって」


和野方 「お互い好きな人がいるのに襲ってすまない しかも気持ち悪いこともして」


和野方 「いくらお前が誘惑してきたと言っても その誘惑に負けて押し倒したのは俺だ」


和野方 「今後、軽蔑してくれて構わない 俺にも近寄りたくなかったら一生近寄らなくていい 謝って許されることじゃないとわかってる」


和野方 「…ただ、俺を追い出すのだけはもう少し待ってほしい 追い出すならみんなを安全なところまで送ったあとに…」


胡桃 「ーっちょ ちょっとまて!長谷おちつけ!」


胡桃 「さすがにそこまでするつもりはない!たしかにおどろいたが私だって誘惑したんだから悪いのはわたしも同じだ」


胡桃 「それに…押し倒してもやめてくれたじゃないか 普通の男ならあのまま……おっ犯してるだろ?なのにお前は私が首を振ったらすぐ辞めたじゃないか!」


胡桃 「だから別に怒ってないし わたしも悪いんだから自分だけ悪くするのはやめろ」


和野方 「…だけど……」


胡桃 「…」


胡桃 「…じゃあさ そんなに悪いと思ってるなら一つ私のお願い聞いてもらっていいか?」


和野方 「っ! …あぁ なんでも言ってくれ それで許してもらえるなら」


胡桃 「……ほんとか?なんでもいいのか?」


和野方 「あぁ なんでも言ってくれ!」


胡桃 「……じっじゃあさ これは…その、誘惑じゃないから間違えないでくれよ?」///


和野方 「? 誘惑じゃない?」


胡桃 「………まっまた、さっきの…やってくれないか?その……首元に、噛み付くやつ………」///ポリポリ…


和野方 「……っえ?」


胡桃 「……だっだめか?」///


和野方 「…胡桃 そういうのは誘惑って……」


胡桃 「誘惑じゃない!私がしてほしいんだ 察しろよバカ!!」///


和野方 「バカって…(どっちがバカなんだよ…)」


和野方 「……それじゃ俺を誘ってるわけじゃないということだな?」ハァ…


胡桃 「あっあぁ 誘ってはない 私が…その、して欲しいんだ!」///


和野方 「(それを誘ってるって言うんだが…)」


和野方 「…はぁ わかったよ」スゥ…


ドサッ…


胡桃 「あっ…」///ドキッ 先程と違い、和野方に優しく押し倒される


和野方 「…ひとつ警告しておく 俺は男だからな?万が一のことを考えたらやめておいた方がいいんだが ほんとにするのか?」


胡桃 「っ…ま、万が一のときってなんだよ わたしは誘惑してないのに万が一があるっておかしくないか?」///ドキドキ…


和野方 「…(そういうことにしろってか きついこと言うな…)」


胡桃 「っ……」///ドキドキ…


和野方 「…知らねぇからな 暴走しても」カプッ


胡桃 「んんっ!!」///ビクンっ!! 再び首元を甘噛みされて体を跳ね上がらせる


和野方 「ジュルル…あぐあぐっ」ジュゥゥ…


胡桃 「あぁ…!ひぅっ!!♡」///ゾクゾクッ


和野方 「…」スゥ…キュッ


胡桃 「あぅっ♡みっみみ…だめ!」///ビクンッゾクゾク…


胡桃 「(やっやばい これ…クセになりそう♡首元 甘噛みされながら耳触られると背筋がゾクゾクして…♡)」ビクッ…ビクッ…


胡桃 「あっあぁ…はぁ!なが、や…♡ダメ……!!これ やばーっ!!♡」///ビクビクッ


和野方 「っ…ふぅ」スゥ…ツツー… 甘噛みしていた口を離して耳を触っていた指も離す


胡桃 「…あっあれ?ながや なんでやめ……」ハァ…ハァ…


和野方 「…」サラ…スゥ 耳にかかっている髪をどかして耳を見えるように出す


和野方 「…んっ」カプッ


胡桃 「はぁあぁぁっ!!!?♡♡」///ビクンっ!! 耳たぶを甘噛みされて先程以上に身体をびくつかせる


和野方 「んっ…れろ ちゅるる…」


胡桃 「ーっや!ダメながやっ!♡それはまずい!!」///ビクンビクンッ!!!!


和野方 「…くるみは耳が弱いみたいだな?これはいいことを知った」ニヤリ


和野方 「もっと気持ちよくなれよ 気持ちよくなってイっちゃえよ!」ボソッ


胡桃 「やめっ!!そんな耳元でしゃべるな!!♡」///ゾクゾクッ…


胡桃 「(やばっ…もう ダメっ!!♡)」///ビクビクッ


胡桃 「ひぅっ!!ンんあぁぁぁっ♡!♡!」///ビクビクビクビクッ!!!!!!


和野方 「っ…はぁ…はぁ……」スゥ…タラー…


胡桃 「あっ…あ……ふぁ………♡」///ビクッ…ビクッ……


和野方 「…イったようだな しかも耳だけでイクなんて、ずいぶんと感じやすいんだな?」ゴシッ


胡桃 「っ…な、なが……や………!」///ハァー…ハァー…


和野方 「なんだ?」


胡桃 「…ごっごめん ちからが…はいら、ない……おこひって………」///ビクッ…ビクッ…


和野方 「……無理に起き上がらなくていいんじゃないか?少し横になってろよ」


胡桃 「っ…ひっひざ、貸して……まくら ほしい……」///ハァ…ハァ…


和野方 「…わかったよ」ヨット…ポスッ 片手で胡桃を起こして膝を貸してあげる


胡桃 「あっ…わ、わるい ありがと……」///フゥ…フゥ…


和野方 「…」


和野方 「(あぶねぇ!!あともう少しで襲うところだった!!先に胡桃が果ててくれたからなんとか理性が持った…)」フゥー


和野方 「(イッたときの胡桃の顔…めっちゃかわいかった 体を剃り変えさせて目つぶりながら絶頂を迎えて……)」


和野方 「(…これ以上考えるのやめよう ほんとに襲いかねない)」


胡桃 「はぁ…はぁ……な、ながや みみって…以外にも 敏感なんだな?わたし…耳でイクの はじめてだ……」///ハァ…ハァ…


和野方 「…そうか(だからそういうこと言うんじゃねよばか!!人が我慢してるっていうのに!!)」


胡桃 「っ……っ………」///ハァ…ハァ…


胡桃 「(ま…まさか、耳でイクとは思わなかった いつもは下や胸でイってるから……予想外だった)」///


胡桃 「(しかも首でも感じるなんて…わたし けっこうエッチなのかな…?)」///カァァ…


胡桃 「(しかも相手はながや 初めてじゃないって言ってたけど…もしかして 彼女と結構やってたのか?だからこんなに慣れてたのか?)」///


胡桃 「(私には好きな人がいるのに…長谷にだって彼女がいるのに……それに、りーさんだって………)」///


和野方 「…少し休んだら部屋もどるぞ 酒飲みは終わりだ」


胡桃 「あっあぁ わかった…」///


和野方 「……今日のことは、誰にも言うなよ?」


胡桃 「わかってる だれにも言わない…」///


和野方 「…」


胡桃 「…」///













朝ー和野方の部屋



美紀 「すぅ…すぅ……」


由紀 「すぅー…すぅー…」


悠里 「…っん」パチッ…


悠里 「…ふぁ んん……」ムニャムニャ…


悠里 「……ん?」チラッ



和野方 「すー…すー……」壁によりかかって寝てる


胡桃 「すぅ…すぅ……」同じく壁によりかかりながら和野方の肩に頭を乗せて寝てる


悠里 「…なんで、くるみは長谷さんの肩に寄りかかって寝てるのかしら?」イラッ


悠里 「いくら寝てるときに寄りかかったとしても許せないわ 怒らないと気が済まないわ!」


悠里 「今すぐにでも起こして離れさせないと…」


和野方 「すー…すー……」


胡桃 「すぅ…すぅ……」


悠里 「………」


悠里 「(…さすがに起こすのはかわいそうかしら くるみだっていつも私たちのことを考えて、危ないところへ足を踏み入れてくれてるんだから多少のわがままは聞いてあげないといけないかしら)」


悠里 「(でも長谷さんに寄りかかって寝てるから迷惑をかけてることには違いない 左腕の傷だってまだ治ってないから変に重量かけて傷が開いても困る…)」


悠里 「(…どっちがいいのかしら 起こした方がいいのか寝かせといた方がいいのか……)」ジー


和野方 「……っん」ピクッスゥ…


和野方 「…どうした?悠里 なんか視線感じて目が覚めたが」


悠里 「あっおはよ長谷さん ごめんなさい ちょっとくるみが長谷さんの肩に寄りかかって寝てるから起こして退かした方がいいかなって思ってたの」


悠里 「まだ左腕の傷 治ってないから無理に負担かけるとと思って…」


和野方 「このくらいの負担ならへいきだよ 痛いわけでもないし、負担がかかって血が多く出てるわけでもない」


悠里 「ならいいのだけど…」


和野方 「…てか、今何時だ?もしかして朝か?」


悠里 「えぇ でもまだ寝てていいわ 今からご飯作りに行くから出来たら起こすから」


和野方 「っん そうか?ならもう少し寝かせてもらおうかな」


和野方 「それじゃ出来たら起こしてくれ わるいが…ふぁぁ……」クァァ…


悠里 「えぇ わかったわ」


和野方 「…すー…すー……」


悠里 「…ふふ!朝イチで長谷さんとお話できちゃった♪今日はいい事ありそうね」


悠里 「今日のご飯はなにがいいかしら?朝から乾パンはあれだし 今日はラーメンにしようかしら」


悠里 「ラーメンならゆきちゃんもくるみも好きだし、いいわよね」


悠里 「さてと 朝ごはん朝ごはんっと♪」
















胡桃 「…んぅ」スゥ…


胡桃 「……んん?」チラッ


和野方 「すぅ…すぅ……」和野方の肩に寄りかかって寝てることに気づく


胡桃 「………」


胡桃 「ーっ!?」///ボッ!!


胡桃 「(なっながや!?なんで私の隣で寝て…!!)」///


胡桃 「(あっ…そういえば、わたしとながやは壁によりかかって寝てたんだ 化け物や武闘派の奴らがいつ来てもすぐ戦えるように…)」


胡桃 「(…ーって!!そんなことはどうでもいいんだよ!!私が気にしてるのはそこじゃなくで!!)」///




胡桃 『っ…な、なが……や………!』///ハァー…ハァー…



胡桃 「ーっ…」///カァァ…!!!!


胡桃 「(わ…わたし、昨日ながやに……イカされて しかも耳を甘噛みされて…!!)」///バクバク…


胡桃 「(しかもすげぇ気持ちよかった 自分でする時よりもながやにしてもらった方が何倍も気持ちよくなって……)」///


胡桃 「(りっりーさんもこういう体験したんだよな?ながやに一度手を出してもらったことあるし わたしと同じ感覚を……!!)」///


胡桃 「(…まずい ながやが片思いの先輩に見えてきた 性格や顔はまったく違うのに……ちがうはずなのに!!)」///ドキドキ…!!


胡桃 「(…でもこの感じ 片思いの先輩と同じ感覚だ 片思いの先輩のことを思うと胸が締め付けられるような感じ…)」///


胡桃 「(同じくながやのことを考えると締め付けられる 胸が締め付けられて、鼓動も高くなる…それに苦しい)」///ギュッ…


胡桃「……わたし、もしかして………(ながやのこと……)」///ドクン…ドクン…


美紀 「…っん」スゥ…


美紀 「…ふぁ!んん……おはようございます くるみ先輩」


胡桃 「ーっ!? おっおう!みき おはよう!!」///ビクッ!!


美紀 「? なにそんなに驚いてるんですか?」


胡桃 「っえ!?あっいや、別になんでもない!」///


美紀 「…っ! くるみ先輩 首どうしたんですか?かなり大きめの絆創膏貼ってますが」


胡桃 「っ!!」///ビクゥッ!!


美紀 「昨日までしてませんでしたよね 寝てるときケガしたんですか?」


胡桃 「いぃぃいや!!あぁいやそうだ!!寝てるときにかゆくて引っ掻きまくっちまったみたいでな!?ちょっと血が出てたんだ!!」///アタフタ


美紀 「そんなにひっかいたんですか…?そこまで大きい絆創膏貼って」


胡桃 「そっそうだ!!結構出ててな?いやぁ焦ったよ 起きたら結構出てたからさ!」///アハハハ


胡桃 「あっそろそろ飯の支度できた頃だと思うから私行くな!」///スクッ


美紀 「っえ ちょっくるみ先輩!?」


胡桃 「あーあとそれと!ながや起こしといてくれ!じゃあなー!!」///ガチャッタッタッタッ!!…


パタンっ…


美紀 「………」(゜д゜)ポカーン


美紀 「…な、なんだったんでしょうか 今のは……?」


美紀 「(あんな取り乱したくるみ先輩 初めて見ました…しかも顔真っ赤にさせて)」


美紀 「(…顔真っ赤?)」ハッ


美紀 「…まさか いやでも、くるみ先輩はながやさんのことは……」


美紀 「………」


美紀 「(……考えすぎですね 気になるけど、くるみ先輩が長谷さんとそういうことをするとは思えない)」


美紀 「(くるみ先輩も長谷さんはお互い好きな人がいるから、それを無視して性行為をしたとは考えにくい…それにこれ以上長谷さんを疑うのはよくありませんね)」


美紀 「(いくら一度手を出してるとはいえ、少しは信用してるからこれ以上はやめておこう)」


美紀 「さてと、考えがまとまったところでふたりを起こさないと?」













食堂



悠里 「…」チュルチュル…


美紀 「…」チュゥゥ…


由紀 「っ…」ゴクゴクッ…←ラーメンを飲んでる


和野方 「…」ジュルル…


胡桃 「っ…」ズルル…


悠里 「…くるみだいじょうぶ?なんかさっきから顔が赤いけど」


胡桃 「…だっだいじょうぶだ 気にしないでくれ……」///


悠里 「いや気にしないでくれと言われても…」


和野方 「…」ズルル…


由紀 「っ…ぷはぁ!!うん やっぱりラーメンは飲み物だね!!」ドンッ!!


和野方 「お前は何言ってんだ…」


胡桃 「…ごちそうさま ながや残りは食べていいぞ てか食ってくれ」///カタッ


和野方 「っえ あっうん…わかった」


由紀 「えぇー!?ながながだけずーるーい!!わたしももっと食べたーい!!」


和野方 「だからながなが言うのやめろ 欲しければやるが?」


由紀 「いいの!?」

.。.:*・'(*°∇°*)'・*:.。.


和野方 「あぁ 成長期なんだからいっぱい食べろ」


由紀 「わーい!!」(∩´∀`∩)♡


美紀 「…」 ソレジャイタダキマース!!


美紀 「(躊躇なく長谷さんに残したものをあげましたね…異性の方にあげることにためらいなく)」


美紀 「(なぜゆき先輩にあげなかったんでしょうか?ただ単に気まぐれ 又は気にしてなかったか…)」


美紀 「(…だめだ 疑えば疑うほど怪しく思えてくる 長谷さんとくるみ先輩がそんな関係になるとは思えない…思えないはずなのに)」


悠里 「…みきさん?どうしたの難しい顔して」


美紀 「…なんでもありません 気にしないでください」


悠里 「?」


和野方 「…」チュルル…


由紀 「」ゴクゴクッ…













通路



胡桃 「…」///タッタッタッ…



チャプ…ッヂュルル


胡桃 「っ…!!」///カァァ…



ひぅっ!!ンんあぁぁぁっ♡!♡!


胡桃 「(ーっだ だめだ 昨日のことが頭から離れねぇ…!!)」///ドキドキッ


胡桃 「(ながやにしてもらった感触もまだ残ってるし…マジでやべぇよ!完全に意識しちゃってるよ!?)」(//๑△๑//)


胡桃 「(首元甘噛みとはいえ赤く跡が残っちまったから絆創膏貼って隠したけど…逆にデカすぎて目出しすぎだ!これじゃむしろケガしたのかで心配される!!)」///


胡桃 「(朝からながやとも目線合わせられなかったし…いや合わせられるわけねぇよ!昨日あんなことしてんのに合わせられるか!!)」///


胡桃 「(ながやは平然としてたが…あいつはなんとも思わないのか?昨日あんなことしてんのに 経験者は平然としてられるのか!?)」///


胡桃 「(みんなに変な心配させちゃったしどうしよう また心配されたらなんて言えば…!!)」///アゥゥ…



…くるみちゃーん!


胡桃 「…っえ?」///


晶 「やっほー!おはよー」


胡桃 「あぁ晶先輩!おはようございます!」///


晶 「んんー?どうしたの そんなキョドって しかも顔真っ赤じゃーん」


胡桃 「いっいえ!別になんもありませんよ!?」///アタフタ


晶 「…っん?その首どうしたの でっかい絆創膏貼ってるけど?」


胡桃 「っえ!?あっえと、これは…」///カァァ…


晶 「?」


胡桃 「(やばいやばいやばいやばいっ!!よりによって晶先輩に見つかっちまった!?)」///


胡桃 「(このひと口軽そうだし そういう系の話し好みそうだからバレるわけにはいかない!!もしバレたらみんなに…!!)」///アワワワ


晶 「…」


晶 「(顔真っ赤にさせて首につけてる絆創膏のことを聞いたら慌てる…ケガじゃなさそうね)」


晶 「(だとしたらなにか別の目的でつけてるみたいね 別のことと言ったら…?)」


胡桃 「あっあははー えと、そうだ!わたし外の見回り行ってきますねー!」///スゥ… 晶から逃げるようにその場から離れようと…


晶 「ちょーっとまった!」ガシッ 胡桃の肩を掴んで行かせないようする


胡桃 「っ!! なっなんですか?」///ギクッ


晶 「…えいっ!!」ペリィッ 胡桃の首元に付けられてる絆創膏を剥がす


胡桃 「ーっあ!?(やばっ!!)」///バッ 剥がされた絆創膏の部分に手を当てて隠す


晶 「っ!(今のは…キスマーク!?)」///ボッ!!


晶 「(っえ マジ?この子…まさかあの男子と!?)」///


胡桃 「ちょっ返してください!!なにいきなり剥がしてんですか!!(まずいっ!!見られたか!?)」///バッ!!ペタッ 取られた絆創膏を奪い返し再び同じ場所に貼り付ける


晶 「…えっと、くるみちゃん?そっその…首元に付けられてる痕って……」///カァァ…


胡桃 「ーっか 蚊に刺されたんです!!すごくでかい蚊に!!」///クワッ


晶 「いぃいやでも!その痕はどう見ても…キッキスマー」


胡桃 「ちがいます!!断じて違います!!蚊に刺されたんです!!」///


胡桃 「もっもう行きますから!!」ダッ!!


晶 「ーっあ ちょっくるみちゃん!?」



胡桃 「(み、見られたーっ!!甘噛みの痕 完っ全に見られた!!)」///


胡桃 「(しかもよりにもよって晶先輩にバレた…!!まずいぜ このままだとみんなにバレる!!)」///


胡桃 「(なんとかしたくても恥ずかしすぎて説得なんてできねぇよ!!なんてよりにもよって晶先輩にーっ!!)」///タッタッタッ!!…



晶 「…。」///ポカーン


晶 「(はっはやい…追いかけても追いつけない)」///


晶 「(てかやばいっしょ!?あの子 あの男子とそういう関係だったの!?あの悠里って子じゃなくて!?)」///


晶 「(見た感じ無理やりって感じじゃなさそうだし…)」///アワワワ


晶 「(てか私たちより先にもう大人の階段昇ったの!?いっ今の若い子 恐るべし!)」///



桐子 「…んー?アキー どうしたの?こんなところで突っ立って」


晶 「…ねぇ桐子 今の高校生って…すごいね 大人になるの早すぎるよ」///


桐子 「んっんんー?なんの話しかな?」













昼間ーグラウンド



和野方 「…」スゥ…ダンっ!!


ザッザッザッザッ!!!!…


和野方 「ーっと!」ザザーッ!!


和野方 「…ふぅ タイムは?」チラッ


タイマー時計 「7秒98」


和野方 「…世界新記録だな 100m9秒台が世界記録なのに」


和野方 「…まぁウイルスに侵されてるから出せた記録だろうがな ある意味ドーピングだ」フゥ…


和野方 「(昼食べてから走り込んでるがやっぱりあまり疲れを感じないな…体は重い感じがするけど疲れた感じの実感が湧かない)」


和野方 「(負担を感じないといつ疲れが溜まって倒れるかわからないから困るな…もう少し走り込んで実感を感じ取るか)」


和野方 「…その前に水分補給でもすっか さすがに喉がかわいた」ザッザッザッ…


和野方 「(…なんで喉が乾いた実感はあるんだろうか よくわからない構造だな?このウイルス)」



胡桃 「ふぅー…つかれたぁ みずみずっと」ザッザッザッ…


和野方 「あっ胡桃」


胡桃 「っ!! なっながや!?なんでお前ここに!!」///ボッ!!


和野方 「いやなんでって…見てのとおり喉乾いたから水を飲みに来たんだが?」


胡桃 「ーっ…!! そっそうか!なら仕方ないよな うん!!」///


胡桃 「あっわるい わたし用事思い出したわ!じゃっ!!」///ダッ!!


和野方 「あっおい!お前も水飲みに来たんじゃ…って はえぇなあいつ もうあんなところまで…」


和野方 「(…てか、意識しすぎだろ 昨日あんなことしたから顔合わせずらいのはわかるがさすがにそこまで離れなくても…)」ハァ…


和野方 「…まぁ 正直俺も合わせずらいのは一緒だがな?顔合わせる度に思い出すし…」///ポリポリ…



ながやくーん!


和野方 「…っん?」チラッ


桐子 「やっほー!青春してるかーい?」


和野方 「いきなり何言ってんだ…?」


桐子 「はっはっはー!いやぁ くるみちゃん足速いねー?あんなに早い人見たことないよ」


桐子 「…それとさ ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな?」


和野方 「なんだ?」


桐子 「…えっとね 晶から聞いたんだけどね?」///


桐子 「…キミ、くるみちゃんと出来てるの?」///ヒソヒソ


和野方 「………っは?」


桐子 「なんかね 晶が見ちゃったらしいんだよ」


桐子 「首元にキスマークが付いてたって」///


和野方 「ーっ!!」ドキッ!!


和野方 「(あんのバカっ!あれほど隠せって言ったのに!!しかもよりによって晶にバレるなんて!!)」


桐子 「それでどうなの?その話し…ほんとなの?」///ドキドキ


和野方 「え、えっとだな…別に付き合ってないぞ?うん 付き合ってない」


桐子 「…付き合ってないのかい?」


和野方 「うん 付き合ってない」


桐子 「…付き合ってないのにそういうこと、したのかい?」///


和野方 「いぃいやしてない!そういうことなんてしてないから!!」アタフタ


桐子 「…長谷くん わたしはそういうことしか言ってないのになにを否定したの?」


和野方 「ーっ!?(やべ…!)」ハッ


桐子 「…もしかして、最後まで……?」///


和野方 「…桐子 ちょっとこい ここだとあれだから」


桐子 「あっうん…(あれ 否定しないの…?)」///


タッタッタッ…








グラウンド端っこ



和野方 「…ここなら聞かれることないだろ とくに悠里にはな」


桐子 「聞かれることないって…やっぱりしたの!?」///


和野方 「…してない …ただ、襲った」///


桐子 「してないのに襲った!?どういうこと!?」///


和野方 「えっとだな…ただ首元と耳を甘噛みしただけで……それ以外はしてない」///


桐子 「っ…くっ首元と耳を……?」///アワワワ…


和野方 「あいつがからかって誘惑してくるから…最初は流したんだ からかってるってわかってたから受け流したんだが」


和野方 「…またからかって誘惑してきたから俺も少しからかってやろうと思って押し倒したんだ」


桐子 「ーっお 押し倒した!?」///ボッ!!


和野方 「押し倒したらあいつ嫌がらないでよ…むしろ目つぶって受け入れてきたから、まだそこでも手を止めたんだ」


和野方 「ちょっとした説教をしてたらあいつ、無意識に誘惑してきてな それで火がついちまって…」///


桐子 「…そっそれで 襲ったの…?」ドキドキ


和野方 「…首元を甘噛みしながら耳を弄って 理性が失う前にやめたんだが、胡桃のやつ弄られた時の快楽を覚えちまってむしろ要求してきたんだ」///


和野方 「でも同じことしかしてないけどな?首元を甘噛みしたあとに耳を甘噛みしただけで…終わりにしたんだ」///


桐子 「…そっそれ以上はしてないの……?」///


和野方 「さすがにそこまでやるわけにはいかないよ あいつだって今は死んでるが好きな人がいるんだから」


和野方 「現に俺も彼女いたし…」


桐子 「…浮気?」///


和野方 「やめてくれ 今は死んでるから怒られることないと思いがその言葉は聞きたくない」


和野方 「それで…まぁ 痕がついちまったから絆創膏で隠してるんだ みんなにバレないようにと…」


桐子 「…へっへぇ そうなんだ…ふたりは、そういうことしてたんだ……!」///プルプル…


和野方 「…桐子 このことは誰にも言わないでくれ とくに学園生活部のみんなにはな」


桐子 「うっうん…言わないよ てか、恥ずかしくて言えないけどね……」///


和野方 「…今晶はどこにいる?」


桐子 「たぶんヒカと一緒に勉強してるんじゃないかな キミたちの頑張りを見て私もがんばらないと!って言ってたから」


和野方 「そうか なら早めに言っておかないとな 話が広がる前に」


和野方 「それじゃちょっと言いふらさないように言ってくるから あまり危ないことはするなよ?」ザッザッザッ…


桐子 「うっうん わかってるよー!」アハハー


桐子 「…」


桐子 「……今の高校生ってすごい………」///カァァ…












晶の部屋



比嘉子 「…えぇっ!?ほっほんとに…?あのくるみちゃんが……?」///ドキドキ


晶 「うん 首元にキスマークがあったからたぶんしてると思う」///


比嘉子 「…おっおとなだね 私たちよりも先に大人の階段登るなんて」///カァァ


晶 「ほんとだよね…」///


…コンコンっ


晶&桐子 「「ーっ!!」」///ドキィッ!!



…アキイルカ?チョットハナシガアル


晶 「ーっえ あっながやくん!?うんいるよ!中に入っていいよ!」///


ガチャッ…


和野方 「…比嘉子も一緒か ということは話してる途中か?」


比嘉子 「っえ はっはなし途中って…」


晶 「…まさか くるみちゃんを襲った話し!」///


和野方 「っし!…そのことで少し話がある たのむから大声出さないでくれ」


比嘉子 「おっ大声出すな!?」///ビクッ


晶 「もっもしかして…わ、私たちにも同じことを!?」///アワワワ


和野方 「しないわ!!…はぁ その事で話があるんだ たのむから騒がないでくれ」



和野方説明中…



和野方 「…と、言うわけなんだ」


晶 「なっなるほど…そういうことだったんだ」///


比嘉子 「ーっ…」///プシュー…


和野方 「だからこれ以上誰かに言うのはやめてくれ とくに学園生活部のみんなに言われると…」


晶 「うっうん それは言わないでおくけど…」


晶 「…ねっねぇ長谷くん ちょっと聞いていいかな?」///


和野方 「なんだ?」


晶 「えっと…長谷くんは悠里ちゃんのこと どう思ってるの?くるみちゃんに手出したってことは……好きじゃないの?」///


和野方 「…正直わからん 悠里は今精神が安定してないから俺を頼りにしてるが安定したら俺のことどう思うか分からないからな?」


和野方 「俺的には好きだぞ …ただ、彼女がいるから好きって言っていいかわからないが……」


比嘉子 「でっでも 長谷くんとくるみちゃんはお互い好きな人は…もう……」


和野方 「だとしてもだよ 今はいなくても別れてないんだから好きじゃなくなったことにはならない」


和野方 「いなくなっても一応彼女はいる 気持ち悪い考え方かもしれないが」


比嘉子 「あぁいや!別に気持ち悪いって思ってないよ?」


晶 「…それじゃもし ゆうりちゃんとくるみちゃんを選ぶとしたら、どっちを選ぶの?」


和野方 「どっちも選ぶ気はない てか選べない どっちも大事な仲間だと思ってるからな 恋愛対象としては今のところ、見ることは出来ない」


比嘉子 「今のところ…?」


和野方 「こんな状況だからな 今そういう感情を持って、もしどっちかが死んだらどうなると思う?」


和野方 「十中八九、落ち込むだろうな 落ち込むだけならいいが悠里みたいに精神が不安定になったら元の子もない」


和野方 「なら最初から選んだりしないで今のままの関係でいた方がまだマシになる 友達以上恋人未満ぐらいの比例差でな」


晶 「…それ、もう付き合ってない……?」


和野方 「じゃあ友達以上親友未満でいいか いやそれだとおかしいか?友達以上仲間未満って言った方がいいか?」


晶 「さらにおかしくなったっしょ!」


和野方 「まぁそれはさておき とりあえず誰にも言わないでくれ もし美紀の耳に入ったら俺追い出されるから…」


比嘉子 「うっうん わかった」


和野方 「それじゃ俺はまたグラウンドにいるから何かあったら呼んでくれ じゃましたな」ガチャッ


パタンっ…


晶 「………」


比嘉子 「…すごいね 今の高校生って」///


晶 「うっうん…」///













夕方ーシャワー室



和野方 「はぁ…サッパリした 汗だくだったからスッキリした」ガチャッ


和野方 「飯も食ったし あとは悠里を寝かしつけるだけだな まぁまだ夕方だからなにかしらやることはあるだろうけど」ダラダラ…


和野方 「…っと 風呂入ったから傷が開いてきたか まずいまずい」


和野方 「…ーっふん!!」ビキッ!!!!


ビキビキビキビキ…ググッ!! 肉が盛り上がり、なくなった右腕部分と左腕の刺傷が塞がって血が止まる


和野方 「…ふぅ だんだんと人間離れしてきたなこの体 大体の構造はわかってきたが…やっぱり人間じゃないって実感するのはいやだな」


和野方 「(だけどこの体になったからこそ化け物と対等できるんだよな もしこの体じゃなかったら今頃、ネメシスどころかそこらの化け物に殺されてたかもしれないからな…)」


和野方 「…はぁ 損得があって嬉しいのやら悲しいのやら」ハァ…



…ガチャッ


胡桃 「…っあ ながや 上がってたのか」///


和野方 「おう胡桃 シャワー空いたぞ…って 言いたいがお前もう入ったよな?俺が最後だし」


和野方 「しかも俺の前がお前だったからなおのこと間違えるわけがない なんか俺にようか?」


胡桃 「っえ!?あ、えっと…その、だな」///カァァ…


和野方 「………」


胡桃 「……きっ今日の夜さ その…空いてる、か?」///


和野方 「……空いてたら?」


胡桃 「っ……さっ酒、飲まないか?軽くでいいから…さ」///ドキドキ…


和野方 「…酒飲むだけか?」


胡桃 「っえ!?あっえぇと…うぅぅ……!!」///プルプル…


和野方 「………」


胡桃 「……い、言わなきゃ わからないか……?」///ウルウル


和野方 「っ…わ、わからないな お前の考えてることなんて(やめろ そんな目で見るな!わかってるから言わせないようにしてるのに)」///


胡桃 「ーっ…」///カァァ…!!!!


和野方 「…よっ用ないなら俺はいくぞ?あまり遅いと悠里が心配する」スゥ… 胡桃の横を通り過ぎようと…


胡桃 「ーっ待てよ!」///ガシッ


和野方 「っ!」 胡桃に腕を掴まれて引き止められる


胡桃 「……わかってんだろ?お前なら気づいてるはずだよな」///ギュッ…


胡桃 「…たのむよ 聞かないでわかったって言ってくれ」///ドキドキ…


和野方 「ーっ…」///カァァ…


胡桃 「……だめか?」///ウル…


和野方 「っ…」///ググッ…


和野方 「(こっ断らねぇと…またあんなことしたら、今度こそ襲っちまう!胡桃を汚しちまう!!)」///


和野方 「(いくら感染してる同士と言っても お互い好きな人がいるんだ!好きな人がいる同士でやるわけには…!!)」///


胡桃 「……な、ながやなら…ガマンできるよな?わたしに…その……しても!」///


胡桃 「いろいろとストレス抱えてんだ 解消する方法が…これが一番いいんだ ながやにしてもらうと…す、すごく!癒されるんだ」///カァァ…


胡桃 「…たのむよ」///トンッ 和野方の背中におでこをくっつけて恥ずかしいのを我慢してお願いする


和野方 「ーっ…お、俺だって男だからな?ガマンできるかわからないぞ!」///


胡桃 「…だいじょうぶだ 信じてるから」///


和野方 「………」///


胡桃 「……っ」///ドキドキ…


和野方 「…わかったよ 酒飲んだ後でな?」///


胡桃 「っ!」///


和野方 「だけど!もしだ もし万が一のときがあったら俺を突き飛ばせ それは絶対にしろよ?」///


胡桃 「…わかった」///













夜中ー和野方の部屋



由紀 「すぅ…すぅ……」


美紀 「すー…すー……」


悠里 「すぴー…すぴー……」








屋上



胡桃 「あぅ…♡はぁ……!♡」///ビクッ…ビクッ…


和野方 「じゅるる…あぐあぐ」


胡桃 「ひぅっ!♡あっやぁぁ……♡♡」///ゾクゾクッ


胡桃 「(くっくび…ダメぇ!♡気持ちよすぎる♡甘噛みされる度に背中がゾクゾクして…♡)」///ビクッビクッ…


胡桃 「(甘噛みだからこそばゆくてよけいに感じ…!♡!♡)」///ハァ…ハァ…


和野方 「…ふぅ」ツツー…


胡桃 「(あっ…この流れ 昨日と同じじゃ…)」///


和野方 「…あむっ」スゥ…パクッ 胡桃の耳を甘噛みする


胡桃 「ひゃうっ!?♡♡」///ビクンッ!!


和野方 「ん…ん……れろ」カミカミ


胡桃 「んんっ!♡やぁぁ はぁっ♡♡」///ビクンッ!!ビクンッ!!


胡桃 「(だっダメぇ!♡これ一番ダメなやつだ!♡くびより背中がゾクゾクして…!!♡♡)」///ゾクゾクッ!!!!


胡桃 「(気持ちよすぎるーっ!!♡♡)」///ハァハァッ!!!!


和野方 「あむあむ…ふぅ」スゥ… 胡桃の耳を甘噛みするのをやめる


胡桃 「(あっあれ…?なんでやめ…?)」///ハァ…ハァ…


和野方 「よっと」ムクッ


和野方 「…」スッ…グイッ 胡桃の服を掴んで胸下辺りまで上げてお腹を晒す


胡桃 「ーっ!? なっながや!?なにして!!(ふっ服捲られた!?まさか…襲う気じゃ…)」///ドキッ


和野方 「…安心しろ 襲わねぇから」スゥ…


和野方 「れろ…」ツツー… 胡桃のお腹を舌でなぞり感じさせていく


胡桃 「ひゃあっ!!?♡」///ゾワッ!!!!


胡桃 「(はっはら…舐めた!?くすぐったい!!)」///プルプル…


和野方 「つつー…あむっ」カプッ


胡桃 「あははっ!!なっながや くすぐったいぜ!お腹はダメ!!」///ムズムズ


和野方 「…くすぐったいか ならここはどうだ?」ツツー…スポッ


胡桃 「ーっ!!!?」///ビクッ!! おへその中に舌を入れられる


和野方 「れろれろ…んっ」ピチャピチャ…グッ おへそを舌で舐めまわし軽く押す


胡桃 「あっ…やぁ!♡な…なんだこれ?♡へそ舐められてるだけなのに…なんか、変な感じがーっ!!♡♡」///ビクッ…ビクッ…


胡桃 「(腹のときの感覚と全然ちがう!!へそに舌で舐められるとゾクゾク感が…♡♡)」///ゾクゾク


和野方 「じゅるる…ふぅ 気持ちいいか?さっきから体跳ね上がらせてるが」ツツー…


胡桃 「はぁ…はぁ……♡きっ気持ちいい だからもっとして!♡」///トローン…


和野方 「希望はどこかな?舐められて一番気持ちいい場所は」ニヤッ


胡桃 「っえ…」///ドキッ


胡桃 「(そっそれ聞くのか?どこが気持ちよかったか言うのか!?)」///


胡桃 「(いぃ言えるわけないだろ!恥ずかしい!!こいつ意外と意地悪だ!私をいじめてそんなに楽しいか!!)」///


和野方 「ほらほら 言ってくれないとわからないぞ?言わなかったらこのままやめちまうぞ」ニヤニヤ


胡桃 「ーっ…この、悪魔め……!!」///プルプル


胡桃 「…みみ」///ボソッ


和野方 「っえ なに?どこ?(笑)」


胡桃 「っ…耳だよ!みみ!!耳が一番気持ちいいんだ!!だから耳を弄ってくれ!!」///


和野方 「よし!よくできた お詫びに首を舐めてやろう!」カプッ


胡桃 「なんでだ!?なんで耳じゃなくてくび…ひぅっ!♡」///ビクッ!!


和野方 「あむあむ…」ツツー…フニッ 胡桃の太ももを指でなぞって軽く揉む


胡桃 「ーっ!!!?」///ビクッ!!


胡桃 「(あっ足!?今足触った!?)」///


胡桃 「(しかもすっげぇくすぐったい…くすぐったいけど、なんだこの感じ…?)」///ゾクゾクッ


胡桃 「(腹とは違ってすごく気持ちいい感じが…)」///ンッ…ハァ…


和野方 「…下の方はどうなってるかな?もうびちょびちょだったりして?」ニヤッ


胡桃 「…っえ?びちょびちょってなんのこと……ーっ!?」///ハッ


和野方 「…図星か?」ニヤニヤ


胡桃 「っ…ま、まさか 触るのか……?」///カァァ…!!!!


和野方 「触ってほしいならしてやるけど …ただし、そこまでやったら抑えられる自信がない」


和野方 「今お前の体を舐めてるだけでもかなりキツイのにそれ以上のことをしたら理性が切れるかもしれない」


和野方 「…あまり進めたくないがどうする?もしくはその尖った胸でするのも構わないが まぁどっちにしろ理性が切れる可能性はあるが」


胡桃 「ーっ!!」///ボッ!!


和野方 「完全にストレス発散したいなら 自信ないが下や胸触ってイかせてやる 多少のストレス発散だけでいいなら首や耳を甘噛みしてイかせてやるけど…どうする?」


胡桃 「えっえぇと、その……」///


胡桃 「……わっわるい 今は、まだ………耳とかだけで……!!」///カァァ…!!


和野方 「…懸命な判断だな わかった このまま続けるぞ」


胡桃 「うん…♡」///ハァハァ…













…数日後



学園生活部部室



悠里 「…ゆきちゃん そこの問題はこうやって解くのよ」カリカリ


由紀 「んー…?なんでこうなるの?」ポリポリ


くまのぬいぐるみ 「」由紀の隣に椅子の上に座らせられている


美紀 「…」カリカリ…


美紀 「(…最近、くるみ先輩と長谷さんの様子がおかしい)」


美紀 「(なんかここ最近、距離が近い感じがする 長谷さんはいつも通りのように見えるけど、くるみ先輩は長谷さんと会う度に顔を赤くさせる…)」


美紀 「(しかも恋をしたような表情で長谷さんと話しをする…映画や小説の情報だけど 恋をした女性はいつも以上に女性らしさを見せる)」


美紀 「(いつも男気満載だったくるみ先輩が今は女性らしさを見せることが多くなった…しかも見せてる相手は長谷さん)」


美紀 「(…まさかくるみ先輩と長谷さん そういう関係!?)」


美紀 「(いやでも!長谷さんとくるみ先輩には好きな人がいたはず それなのにお互いそういう関係になるのはおかしいと……)」


悠里 「…っん?どうしたのみきさん そんな難しい顔して どこか分からない問題あった?」


美紀 「あぁいえ!だいじょうぶです 心配しないでください」アタフタ


悠里 「…そう?」


美紀 「はい(あっあぶない 下手にゆうり先輩を心配かけてはいけない まして長谷さんのことになるとよけいに…)」フゥ…


美紀 「(今のところゆうり先輩は長谷さんたちのことを気にしてないようだし 気にしてないなら知らぬが仏 教えることもない)」


美紀 「(…でもゆうり先輩は精神が安定してないからそういう行為は禁止にしたけど、くるみ先輩は正常だから別に付き合うことぐらいならいいのかな?)」


美紀 「(これ以上長谷さんを縛りつけるのも悪いし 縛り続けておかしくなっても困る…長谷さんがおかしくなることはないと思うけど、私も限度を考えないと……)」


美紀 「(…いや付き合うこともやめといた方がいいのかな?今付き合ったら長谷さんは自ら手を出さないと思うけど、くるみ先輩は恋愛関係に興味があるから もしかしたらくるみ先輩の方が危ないかも……)」


美紀 「(…もう考えることが多すぎて頭がパンクしそうです かといって誰かに相談するわけにもいかないし……)」ハァ…


由紀 「…みーくん さっきからため息ばっかりついてるけど どうしたの?」


美紀 「…いえ なんでもありません 気にしないでください」ハァ…


由紀 「いや気にしないでって…」


悠里 「…みきさん ひとりで考えてはダメよ なにか悩んでるなら私たちに相談して」


由紀 「そうだよ!わたしじゃ頼りないかもしれないけど 聞くことぐらいならできるよ!」


美紀 「いや聞くことならって…」


美紀 「……少し考えさせてください 私自身も整理が出来てないので話そうにもなにを聞けばいいのかわかってないので」


悠里 「ひとつひとつ話してみてはどうかしら?それなら順を追って聞けるけど」


美紀 「その順序がバラバラなんです まとまったらききますので聞きますので今は待ってください」


悠里 「…わかったわ ちゃんと話してね?」


美紀 「はい(とは言っても話せるわけがない…話したら確実に怒られる)」


美紀 「(やっぱりひとりで考えるしかないな 整理できればいいけど…)」ハァ…


由紀 「…」













校舎内廊下ー1階



和野方 「…」タッタッタッ…


胡桃 「〜♪」タッタッタッ… 長谷の隣を歩いてご機嫌で見回りをしている


和野方 「……ずいぶんとご機嫌だな?胡桃 朝からなにかあったか?」


胡桃 「いいや!なーんもないぜ 昨日の夜ならあったけど!」///


和野方 「ちょっ!?バカ!そんなでかい声で言うな!」シー!!


胡桃 「いいじゃねえか!それより今日も頼むぜ?酒飲んだ後に!」///


和野方 「だから声でけぇ!しかも酒のことも言うな!」


胡桃 「だいじょうぶだよ!りーさんたちは今勉強してるから!誰にも聞かれないって!」///


和野方 「悠里たちじゃなくても桐子たちに聞かれる可能性があるだろ また誤解解くのいやだからな?」


胡桃 「誤解もなにもほんとのことじゃないか?なにもまちがってないぜ」


和野方 「たしかに間違ってはないが…」


胡桃 「それともなんだ わたしとそういうことするのいやか…?」シュン…


和野方 「っえ …いっいや、別にいやじゃないが……」///


胡桃 「そうだよな!お前ならそう言うと思ったぜ!」///


胡桃 「それじゃ頼むぜ?いつもみたいに耳と首元を!」///


和野方 「………」


胡桃 「…あれ ながや……?」


和野方 「…なぁ胡桃 お前はそれでいいかもしれないけどよ 俺だって男だからな?いつかお前を襲っちまうかもしれないんだぞ」


和野方 「今俺が理性効いてるうちにやめた方がいいん思うんだが 初めてが俺じゃいやだろ」


胡桃 「っ…」///ドキッ


和野方 「たしかにお前がストレス溜めてるのもわかるよ ストレス発散する方法が耳や首元を甘噛みされてイクことで解消されるのも」


和野方 「だから無理には止めないけど少しは俺のことを考えて欲しいんだ こっちもガマンするのキツイんだから」


胡桃 「……ーっは」///ボソッ


和野方 「…っん?」


胡桃 「…ながやは、わたしみたいな人でも かわいいと思うのか……?」///カァァ…


和野方 「…っえ」


胡桃 「……わたし、男みたいな性格してるだろ?口調だって女っぽくないし 乱暴で乱雑だし…」///


胡桃 「お前から何回もかわいいって言われたけど…ほんとに、かわいいのか?私みたいな男気満載のやつなんか」///


和野方 「………」


胡桃 「……わたしは、ながやのこと 嫌いじゃないぞ?むしろ好きな方にはいる」///


胡桃 「お前みたいな勇敢で私たちを守ってくれてる優しいやつはそうそういない 今の世の中なら自分の命を優先するはずだ」///


胡桃 「そんな勇敢で優しさを見せられたら…誰でも、お前のこと……気になっちまうよ!」///


和野方 「…くるみ……」


胡桃 「ーっ…ながや お前はどうなんだ?私のこと……どう思ってんだ?」///


胡桃 「お互い好きな人はいるけど…わたしは、お前のこと 好きだ」///


胡桃 「りーさんみたいにかわいくないかもしれないけど…でも!わたしだってりーさんと同じくらいの胸持ってるぞ!!」///ドンッ!!


和野方 「いや胸は気にしてないから あと落ち着け」


和野方 「…俺はお前に嘘ついてるつもりはない かわいいって言ったのも本心だ」


和野方 「男気満載とか乱暴で乱雑と言ってたが別に俺はそういう風に思ったことない …いや、完全にないと言えば嘘になるかな?」


和野方 「まぁでも お前を男として見たことはないよ 恋愛関係に興味があるところとか恥ずかしがるところ」


和野方 「女の子としての身だしなみや立ち振る舞いを何度も見てきたからお前を女としてみてるよ!」ニコッ


胡桃 「ーっ!!」///ドキッ!!


和野方 「…まぁ 一番の理由がその、高校生なのにやたらとデカい胸かな?そんな大きいものを持ってたらとてもじゃないが男だなんて思わないな」///ポリポリ


胡桃 「ーっむ、むねって!?おま、どこ見てんだよ!!」///バシーン!!


和野方 「いってー!!」背中をひっぱたかれて痛いと言うが痛みは感じない


胡桃 「やっぱり男は胸なのか!?今胸は気にしてないって言ってたのに…やっぱり胸なのか!!」///


和野方 「いや別に胸は小さくても大きくても…てか、さっき自分で胸はあるって言ってたのに俺が言うのはダメなのか?」


胡桃 「そっそれは…ダメに決まってるだろ!!お前が言うのと私が言うのじゃわけが違う!」///


和野方 「自分で言っといてわけが違うと言われても…」


和野方 「……まぁいいか とりあえず今日の夜もすればいいんだな?耳と首元だけ」


胡桃 「あっあぁ とりあえずはそれだけでいい 悪いがたのむ…」///プシュ-…


和野方 「あいよ 一応警告はしておくからな」













夕方ー食堂



悠里 「はいるーちゃん あーん!」


熊のぬいぐるみ 「」アーンされるが無反応である…


由紀 「こらこら!好き嫌いしちゃダメだぞー ちゃんと食べないと大きくならないよ!」ビシッ


悠里 「そうよ ちゃんと食べないと生き残っていくことはできないわよ」


由紀 「あとりーさんみたいになれないよ!胸がボインって!!」クイクイッ ジェスチャーで胸がボインっ!と見せる


悠里 「ちょっゆきちゃん!!」///


和野方 「…」モグモグ…


胡桃 「〜♪」モグモグ… 長谷の隣に座って乾パンを食べてる


美紀 「………」ジッ…


美紀 「(…今のところ怪しい動きはない でも今日一日中、くるみ先輩の機嫌がいい なんでだろう?)」


美紀 「(とくに今日はなにかあったわけじゃない いつも通りに見回りして運動して、勉強してごはん食べてぐらいしかしてない)」


美紀 「(となると他に何かいい事があった…?でもそれは一体……)」ジッ…


和野方 「…美紀 さっきから俺のこと睨みつけてるがどうした?なにか不満があるのか」


美紀 「……っえ あ、すみません なんでもないです」


和野方 「そうか?ならいいんだが(さすが鋭いな もう怪しんでるか…)」


和野方 「(まぁそうだよな 最近胡桃と距離近かったもんな 感の鋭い美紀ならすぐ気づく)」


和野方 「(となると少し距離を開けないとな…怪しまれて問い詰められてもめんどうだ みんなが起きてる時間帯は離すことにしよう)」


胡桃 「なぁ長谷 このあと見回り行くだろ?私も行くけど」


和野方 「っん 行く予定はしてたが…ひとりで行くから胡桃はみんなと一緒にいていいぞ」


美紀 「……っえ」


胡桃 「なんで?別にいいじゃん 二人で行っても」モグモグ…


和野方 「二人で行く程じゃないだろ?一人で十分だよ」


胡桃 「…昼間は二人で行ったのにか?」


和野方 「次からはひとりでいいだろ なにかあっても俺なら対処できるし」


胡桃 「片腕ないやつがそういうこと言っても説得力ないんだが…」


美紀 「(…なんで 長谷さんは一人で行くことを望んだんだろ?くるみ先輩は一緒に行こうとしてるのに)」


美紀 「(やっぱりなにもしてない?別にくるみ先輩とはそういう関係でもなければ今まで通りふつうの関係……?)」


美紀 「(となると今まで考えすぎてただけ?いやでも ならなんでくるみ先輩の機嫌がいい?別にいいことなんてないはずなのに…)」ンー


和野方 「ないかもしれないがひとりでいいよ みんなのことは頼むぞ?」クイッ 美紀に指差すように顔で胡桃に合図を送りジェスチャーする


胡桃 「っ!」ハッ


胡桃 「(そうか そういうことか…美紀が怪しんでるのか)」


胡桃 「(だからひとりでいいって行ったのか 少しでも距離を開けるために…)」


胡桃 「(……でも、それだと私がいやなんだよな もっと長谷と一緒に居たいのに…)」(๐•̆ ·̭ •̆๐)ムスッ


和野方 「(なんか胡桃の様子がおかしくなったような…気のせい?)」


悠里 「はーい!るーちゃんお利口ですね ちゃんと食べられたわね!」フキフキ 無理やりくっつけた乾パンを床に落として熊のぬいぐるみの口元を拭いてあげる


くまのぬいぐるみ 「」フキフキ… 汚れた口元を拭かれるが顔色ひとつ変えず微動打にしない(当たり前である)


由紀 「よかったねー りーさんに綺麗にしてもらえて!」


和野方 「(…こっちもこっちでまずいな 今まで食べ物落とすまではしなかったのに今は普通に落としても気づいてない…ぬいぐるみが食べてるわけないのに)」


和野方 「(少し落ち着かせたほうがいいな なら今日の見回りは悠里と一緒に行くか)」


和野方 「悠里 このあと見回り行くんだが一緒に行かないか?」


悠里 「…っえ わたし?」


胡桃 「ーっ!」ギロッ 和野方に睨みつけて、なぜ私はダメで悠里はいいのかイラつきを見せる


和野方 「あぁ 気分転換に見回りしながら散歩しないか?いやなら無理にとは言わないが」


悠里 「……どうする?るーちゃん 一緒に行く?」


くまのぬいぐるみ 「」悠里に話しかけられるが返答せず、なにも語らない…


由紀 「…るーちゃんは行かないみたいだね 二人で行ってきたらだって」


悠里 「…そう それじゃ少し散歩がてら見回りに行こうかしら?」


和野方 「おう!食べ終わったら行こうな」


胡桃 「…」ギロッ 和野方に睨みつけてイラつきを見せている


和野方 「…」パクッモグモグ… 睨みつけられているのに気づいているが気づいてないふりをして飯を食べてる


美紀 「(…なんか、急にくるみ先輩の機嫌が悪くなったような……)」


由紀 「〜♪」モグモグ…



コンコンっ


とうこだよー ちょっといいかな?



悠里 「はい どうぞ」



失礼するよー


ガチャッ


桐子 「やっほー みんなげんきかーい?」


美紀 「今のところは どうしたんですか?私たちになにか用でも」


桐子 「うん ちょっと長谷くんに用がねー」


和野方 「おれ?」


桐子 「うん きみに会いたいって人がいるんだー 一度顔合わせてるからキミも知ってるはずだって」


和野方 「合ってる…?いったい誰だ?」


和野方 「わかった 今行くよ」カタッ


胡桃 「…わたしも行く」


全員 「「…っえ」」


胡桃 「…いいよな 長谷」


和野方 「っえ …いや、なんで?」


胡桃 「お前を守るためだ そんなどこのどいつかもわからないやつと合うなんて危なすぎる」


胡桃 「だからムリにでも行かせてもらうぞ いいよな?」ギロッ


和野方 「………」


和野方 「(これは断ったら確実にあとで怒られるな てか、今断っても着いてくるな)」


和野方 「(そんなに俺と一緒にいたいのか?胡桃 美紀が警戒してるから離れないといけないって合図したのに…)」ハァ…


和野方 「……いいか?桐子 胡桃も着いてって」


桐子 「うーん…まぁ そんな変な話するわけじゃないだろうし いいんじゃないかな?」


和野方 「そうか?それじゃ行くか」


胡桃 「おう!」カタッ


胡桃 「それじゃちょっと行ってくるぜー♪」タッタッタッ…


悠里 「えっえぇ…」


美紀 「行ってらっしゃい…」



パタンっ…


全員 「「…」」


由紀 「…なんか、行けるってわかった瞬間すごく嬉しそうだったね くるみちゃん」


悠里 「そっそうね なんでかしら…」


美紀 「………」













通路ー武闘派と桐子サークルの境場



和野方 「………」タッタッタッ…


桐子 「………」タッタッタッ…


胡桃 「〜♪」タッタッタッ…


和野方 「(…さっきから胡桃の機嫌がいい そんなに俺と一緒に行けて嬉しいのか?)」


桐子 「(くるみちゃん機嫌いいねぇ やっぱり長谷くんと一緒に来れたのが嬉しいんだね)」


桐子 「(…でもまさか くるみちゃんが長谷くんのことをねぇ?どっちかって言うとゆうりちゃんとくっつくと思ってたんだけど)」


胡桃 「なぁながや お前と一度会ったことがあるってやつはどんなやつなんだ?男か?」


和野方 「いや 誰かまでは聞いてないからわからない…」


胡桃 「まさか女か?私たちの知らないところで女にあったのか?」ジッ


和野方 「いやだから 誰かは聞いてないからわからないって…」


桐子 「連れてきたよー」



篠生 「…あっありがと 連れてきてもらって」


和野方 「篠生?お前だったのか 俺を呼んだの」


胡桃 「…」ジッ…


篠生 「……えっと、その隣にいる人は…?」


和野方 「あぁ こいつは…」


胡桃 「…あんた、だれだ?長谷とはどういう関係なんだ?」ギロッ


篠生 「っえ どういう関係って…」


胡桃 「もしかして長谷をここに呼んだのって なにかいかがわしいことをしてもらうために呼んだのか?」


篠生 「……っえ」


和野方 「胡桃 お前ちょっと黙ってろ 話しが進まねぇ…」


胡桃 「でも…」


桐子 「くるみちゃん シノウは彼氏いるからそれはないよ」


胡桃 「ーっな!?おまえ、長谷と付き合ってるのか!?」


和野方 「ちがうちがう 付き合ってるのは別のやつだ 悠里にボウガン打って来たヤツいただろ?あいつだ」


胡桃 「…っえ てことは…この人、武闘派のやつか!?」


篠生 「うん よろしくね」


胡桃 「ーっふざけるな!なにがよろしくねだ!!」スチャッ 手に持っているシャベルを構えて完全敵意を向ける


胡桃 「お前らのせいでりーさんはケガしたんだぞ!!ヘタしたら大ケガまでしたんだ!!」


胡桃 「そんなやつと仲良くなんてなれるわけねぇ!!今すぐ帰りやがれ!!」


篠生 「ちょっ!ま、まって そのことは謝る!謝るからわたしの話を…」


胡桃 「はやく帰れ!!帰らねぇと…」スゥ… シャベルを横に振り上げて今すぐにでも振り下げようと…


篠生 「ーっ!」スゥ… 構えを取り攻撃を受け止めようと…


和野方 「やめろ胡桃 手をあげるな」ガシッ シャベルを掴み振り下げられないように防ぐ


胡桃 「邪魔するな!あんな奴らと関わるとろくな事がない!!お前だってわかってるだろ!?」


和野方 「それはわかってる だが篠生はその中でもマシな方だ あいつらと比べたらピンからキリまで違う」


和野方 「俺は武闘派の連中でも篠生は信用できるやつだと思ってる だから落ち着け」


胡桃 「っ…」ギリッ…


篠生 「…」チラッ


桐子 「?」ピクッ


篠生 「…?」ユビサシ、ユビサシ、コユビタテ、クビカシゲ 和野方と胡桃に指さして小指を立てて恋人同士かを聞く


桐子 「…」フルフル… 首を横に振り違うと伝える…


桐子 「…」スゥ…チョンチョンッ 恋人同士ではないが唇に指を当ててそういうことはしてると伝える


篠生 「ーっ!?」///ビシッビシッチョンチョンッ 和野方と胡桃に指さして付き合ってないのにしてるの!?と伝える


桐子 「…」コクンッ


篠生 「(…すっすごい 今の女子高生……しかも付き合ってもないのにしてるなんて………)」///カァァ…



胡桃 「…ほんとに、信用できるのか?」


和野方 「あぁ 俺が保証する だから武器を下ろせ」


胡桃 「……わかった」スゥ…


和野方 「わるいな篠生 ちょっと胡桃が暴走しちまって」


篠生 「あぁうぅん!別に気にしてないよ 私も武闘派のひとりだから疑われてもおかしくないからね」///アタフタ


和野方 「…? どうした?急に慌てだしたが」


篠生 「っえ!?べっべつになんでもないよ?うん なんでも…」///アハハ…


和野方 「?」


胡桃 「…」ギロッ


胡桃 「(顔が赤い…もしかして 長谷のことを……)」ジー


篠生 「…ねぇ長谷くん ちょっとくるみちゃんとお話してもいいかな?」


胡桃 「……っえ」


和野方 「それはかまわないが…なんでまた胡桃と?」


篠生 「うーん…ちょっと、女の子同士のお話をね?」///ポリポリ


和野方 「……女同士のはなし?」


桐子 「じゃあ私と長谷くんで話しようかー ほらこっち来てきて」グイッ


和野方 「ちょっな、なんだよ?いきなり引っ張るなって」タッタッタッ…



胡桃 「…」


篠生 「…くるみちゃん ちょっといいかな?」


胡桃 「…なんだよ お前まさか、長谷のこと欲しいなんて言わないだろうな?」ギロッ


篠生 「そんなこと言わないよ わたしにはレンくんがいるもん」


篠生 「…それよりも、あなたあの男子としたことあるみたいだね?」


胡桃 「……っえ したことって…なにを?」


篠生 「…♡」///ピトッ 唇に指を当ててこういうことをと見せつける


胡桃 「ーっ!!」///ボッ!!


篠生 「ふふ!その反応 そうなんだね?気持ちよかった?」


胡桃 「いいぃいや!!!?べっべつに長谷とそんなここと、してないから!!」///アワワワ


篠生 「別に隠さなくてもいいよ 私もしたことあるから!」///


胡桃 「ーっえ!?」///


篠生 「わたしもレンくんも初めてだったからお互い分からないことだらけでしたんだけど それでもレンくんはリードしてくれて気持ちよかったの♡」///


篠生 「初めては痛いって聞いてたんだけど…意外にもそこまで痛くなくて 血は出たものの気持ちよさの方が勝ってたの」///


胡桃 「〜っ…!!」///カァァ…!!!!


篠生 「それであなたもしたんでしょ?どうだった 気持ちよかった?」///


胡桃 「っ…い、いや ほんとに、そこまでしてないから……」///


篠生 「そこまで…?」


胡桃 「……うん まだ一線は越えてないんだ いや超えていいのかもあれだが…」///


胡桃 「わたしと長谷はお互い、別々に好きな人がいるんだ 今はどっちもいないけど…」


篠生 「…っえ お互い別に好きな人いるの?なのにしたの?」


胡桃 「したと言っても…その、首元や耳を甘噛みされたり 腹や太ももを軽く触られたりして……」///


篠生 「……キスや胸は触られてないの?もしくは…下、とかも」///


胡桃 「そこまですると…長谷が抑えられるかわからないって言ってたから……このまま一線超えていいのか分からなかったんだ」///


胡桃 「それに私は好きな人がいる 好きな人はもういないけど今でも変わってない……と、思う」///


胡桃 「たしかに長谷は優しいし頼もしい 私たちのために前に出て戦ったり守ってくれたりしてくれてる」


胡桃 「今の状況下なら自分のことを優先するやつの方が多いのに 長谷は自分のことよりみんなを優先するって言ってたんだ」


胡桃 「しかも男みたいな私をかわいいって言ってくれたし…私のこと、女として見てるって言ってくれたんだ」///


胡桃 「わたしが悪ふざけで長谷に誘惑して襲われたときもすぐやめてくれた…普通のやつなら襲ったならするだろうに」///


胡桃 「ながやは優しすぎんだよ…あいつ、人の気持ちも知らないでよ?あんなに優しくされちまったら誰でも好きになっちま……ーっ!!」///ハッ!!


篠生 「…へぇ 好きになっちゃう……ねぇ?」///ニコッ


胡桃 「ーっちが!?ま、まて!今のは違う!!わたしはながやのことなんて これっぽっちも!!」///アワワワ


篠生 「でも抱いてもらったときは気持ちよかったんでしょ?最後までしてなくても いろんなところ触られて気持ちよくなかった?」///


胡桃 「そっそれは……」///


篠生 「しかも今の話からして あなたはあの男子のこと良く思ってるね?あそこまで熱中して話されたらすごく気持ちが伝わるよ」


胡桃 「ーっば!?だ、だれが熱中して!!」///


篠生 「くるみちゃん 今恋してるなら後悔しないようにした方がいいよ あとからしておけばよかったなんて思わないように」


胡桃 「いやだから!べつにあいつのことなんて…」///


篠生 「今この状況だからこそ言ってるの 後悔しないうちにすることはしておいた方がいいよ!」


篠生 「わたしも後悔したくないからしたの もしどちらかが命を落としたとしても…後悔しないようにね?」


篠生 「さすがにここまではしなくてもいいけど…私のお腹にはもうひとつの命があるの」


胡桃 「……っえ もうひとつの命って……っ!! まさか!?」///


篠生 「…うん♡」サスサス…


胡桃 「っっっ…!!!!」///カァァ…




和野方 「…あいつらなんの話ししてんだ?なにか騒いでると思えば急に静かになったり」


桐子 「なに話してるんだろうねー?」


和野方 「…なぁ桐子 篠生にも話したのか?俺と胡桃がしたこと」


桐子 「うん シノウは武闘派の中でも仲がいいからねー 話しちゃった♪」テヘッ


和野方 「話しちゃったって…」


桐子 「…ちなみに聞くけど どこでいつしたか教えてもらえる?もし教室で昼間からしてたらまずいから」///


和野方 「さすがに場所と時間は考えてるよ 屋上で夜しかしてない」


桐子 「屋上!?やっ野外プレイってやつかな…?」


和野方 「屋上ですると野外プレイになるのか…?」


桐子 「…ならないかな?一応外だし 壁とかないし」


和野方 「……そう言われてみればそうだな なるのかな…?」


和野方 「(なら次からは室内でした方がいいか まぁ元々室内でしようとは思ってたんだがな?)」


和野方 「(最初は敷かなかったけど 次した時から布団敷いてやってたが胡桃けっこう声でかいんだよな…かなり響いて 誰かに聞かれるかと思ったことが何度かあるし)」


和野方 「(ただな…室内だと廊下に漏れて聞かれるって可能性もあるんだよな 胡桃がもう少し声抑えてくれればいいんだが……)」


和野方 「(…まぁ 声出してくれた方が気持ちいいってことがわかるから出してくれた方が嬉しいんだけどな 俺も嬉しいし…)」///


桐子 「…ながやくん 顔がにやけてるよ」


和野方 「っ! …すまん ちょっといろいろと考えてた」コホンッ


桐子 「いやらしいねぇ?なにを考えてたのかな 聞いてみたいねー」ニヤニヤ


和野方 「オヤジかお前は…」


和野方 「…室内でしたら声が廊下に漏れて 反響したのを誰かに聞かれたら困るなと思ってたんだ」


桐子 「っ…いっ言うんだ 確かに聞いたけどさ……隠さないの?」///カァァ…


和野方 「下手に隠して変に思われてもいやだからな ならはっきり言った方がいい」


桐子 「そういうところまじめだね…」///



篠生 「ながやくーん もういいよ!」


和野方 「っん もう終わったか?」


篠生 「うん!いろいろと話ができてよかったよ」


胡桃 「っ…」///プシュー…


和野方 「……なんか、胡桃から煙が出てるように見えるんだが なにを話してたんだ?」


篠生 「ふふっ!女の子同士のひみつの話だよ?」


和野方 「…そうか(見た感じだと俺とした話をしてたんだろうな 女子はそういう話好きだからな…)」


和野方 「(へんな知識与えてなければいいが…胡桃ならやりかねないぞ)」


篠生 「それじゃ長谷くん 改めてよろしくね!」


和野方 「こっちこそよろしく頼むよ それで話というのは?」


篠生 「えっとね…」



胡桃 「………」///プシュー…


胡桃 「(しっしのう先輩の腹に命が…新しい命が……!!)」///カァァ…


桐子 「…くるみちゃんだいじょうぶ?顔真っ赤だけど」


胡桃 「だっだいじょうぶです たぶん……」///


桐子 「…ふーん?」ニヤニヤ


桐子 「…ねぇくるみちゃん 長谷くんとしたときって気持ちよかった?」


胡桃 「ーっは はぁ!?い、いきなりなに聞いてんすか!!」///ボッ!!


桐子 「いやだってさー 気になるじゃん?身近にそういう経験した人がいたらさ」


桐子 「たぶんシノウから聞いてると思うけど あの子赤ちゃんいるでしょ?そういうことをしたってわかってるんだけどさ」


桐子 「聞いてもはぐらかされちゃうんだよねー 恥ずかしながら別に普通だよーって」


胡桃 「そっそれが普通だと思いますが…」///


桐子 「だから気になるんじゃん!わたしはそういうことしたことないからさ どんな感じでどういうことをしたのかって気になるんだよ!」ドンッ!!


桐子 「それでどうだったの?屋上で襲われたときは!」


胡桃 「……っえ なんで屋上でしたこと知ってんすか?」


桐子 「ながやくんに教えてもらった!ちなみに夜しかしてないってことも!」グッ!!


胡桃 「ばかながやーっ!!」///













武闘派基地ー会議室



貴人 「…」


隆茂 「…ふぅー」プカー…タバコを吸ってそこらに煙を吐く


朱夏 「ちょっと ここでタバコ吸わないでくれる?臭いつくんだけど」


隆茂 「別にいいじゃねぇか 今さらタバコの臭いなんて血の臭いでかき消されるだろ」


朱夏 「そういう問題じゃないの 今すぐやめないと殺すわよ」


隆茂 「っ…お前が言うと冗談に聞こえねぇ」ゾクッ


貴人 「隆茂 ここでタバコ吸うのは控えてくれ 俺も煙くてたまらん」


隆茂 「なんだよお前まで…わかったよ 消せばいいんだろ?消せば」ジュゥゥ… 親指と人差し指で火元を握りつぶして火を消す


朱夏 「隆茂 その消し方やめなさい 火傷してケガしてると間違えるわ」


隆茂 「今ここで見てんじゃねぇか 間違えることねぇだろ?」


朱夏 「ケガしてる時点でアウトなのよ ケガの上から奴らに噛まれたりなんてしたらわからないでしょ?」


朱夏 「追い出されたくなければやめなさい 死にたいなら別にかまわないけど」


隆茂 「っち いちいちうるせぇな」ポイッ



…ガチャッ


篠生 「ただいま 戻ったよ」


貴人 「早かったな どうだった?あの男は」


篠生 「うん 最初は世間話で通して話したけど やっぱりいい人だね?すごく優しい性格してるよ」


篠生 「右手は完全になくなってるけど感染してる様子はないかな?傷跡からしてけっこう経ってるように見える」


貴人 「そうか ならあの男を勧誘しても平気そうだな」


隆茂 「っお てことは新たなメンバー加わるのか?」


貴人 「あぁ あの男はどうしても必要な人材だ 俺たちのメンバーにふさわしい」


貴人 「あんなだらけた奴らなんかのところにいるよりこっちに来た方がよほど生存率が高くなる あの男だって死にたくはないはずだ」


貴人 「勧誘した結果はどうだ こっちに来ると言ってたか?」


篠生 「…ううん ぜったいに行かないって言ってた」フルフル


貴人 「…なに?」


篠生 「一応貴人宛に伝言を預かってるよ」



和野方 『お前らが俺を誘おうとしてるのはとっくにわかってる だが、お前らのところに行く気はまったくない』


和野方 『お前たちは二度も俺や俺の仲間たちを傷つけようとした そんなことをしておいて勧誘なんてバカらしいにも程がある 常識を考えろ』


和野方 『それにお前らみたいな細かいルールを決めてるグループなんかに入りたくねぇ どうせ俺はケガしてんだからすぐ追い出すだろ?結果的に入れたところで変わらねぇだろうしな』


和野方 『まぁどっちにしても 俺はお前らのことを完全に敵として見てる お前らと仲良くする気はない』


和野方 『次俺たちに手を出してみろ もしくは俺を勧誘してみろ 容赦なくたたっ斬るからな!』



篠生 「…以上が彼からの伝言だよ」


朱夏 「あらら これはまた酷いことになってるわね?完全に敵として見られてるなんて」


隆茂 「高上のバカがやらかしてなければなー こっちの即戦力になっただろうに」


貴人 「…はぁ まったくだな やっぱり全て高上のせいだな」


貴人 「高上の罰を重くする さらに一週間監禁を上乗せする」


朱夏 「もういっそのこと追い出せばいいじゃない あんな使えない子いらないでしょ?」


貴人 「………」


篠生 「…」ジロッ


朱夏 「ふふ?どうしたの こわい顔しちゃって 眉間にシワ増えちゃうわよ?」クスッ


篠生 「…」タッタッタッ…



ガチャッ…バタンっ


貴人 「…」


朱夏 「…それで、どうするの?高上を追い出さないの?」


貴人 「今追い出したら篠生まで出ていくだろ 篠生がいなくなったら困る」


朱夏 「でも今回の原因は紛れもなく高上のミスじゃない あの子がヘマしてなければ今頃、あの男子はこっちに来てたかもしれないのに」


貴人 「だから室内監禁を延ばしたんじゃないか 飯を減らしても篠生が確実にあげるから食料を減らしても意味がない」


貴人 「むしろ篠生の食べる分を減らすことになるとこっちに害が出る 腹が減った状態で奴らを排除できん」


隆茂 「なら誰かが見張ってりゃいいじゃねぇか あのバカにあげねぇように」


貴人 「やってみろ 女でもかなり強い方だぞ?篠生は そんなやつを止めることができるならとっくにやってる」


貴人 「これ以上はめんどうだ もう問いかけるな いいな?」


朱夏 「…わかったわ(っち…)」













高上の部屋



高上 「…」椅子に座って本を読んでる


高上 「……」ペラッ


高上 「………」



コンコンっ


れんくん しのうだけどいいかな?


高上 「っ! いいよ はいって!」


お邪魔するね


ガチャッ


篠生 「やっほ!どう 退屈してない?」


高上 「退屈だよ ずっと部屋の中で過ごすのは窮屈すぎる」


高上 「それにしのうが僕の代わりに奴らを倒してるなんて思ったらよけいにいやだよ 迷惑かけてごめん…」


篠生 「謝らないで れんくんは私を守ろうとしてくれたんだから怒ってないよ」


高上 「でも…」


高上 「……ありがと」


篠生 「うん!」


高上 「……ねぇしのう 僕がこの部屋に閉じ込められたから奴らを排除する以外になにかした?」


高上 「みんなにひどいことされてない?変なことされてない?」


篠生 「なにもされてないよ みんな優しいから」


篠生 「ただひとつだけ 奴らを倒す以外のことはしたよ」


高上 「なにしたの?」


篠生 「リーダーに頼まれて長谷くんの勧誘 失敗しちゃったけどね」


高上 「ながや…?あの片腕がなくて刀を持った男?」


篠生 「うん やっぱりリーダーはあの人を仲間に入れたがってるの こっちに入れば即戦力だって」


篠生 「でもあの人はぜったいに行かないって言ってた 一度ならず二度までもあの人やあの人の仲間に傷つけようとしたから そんなヤツらのところに行くなんてごめんだってね」


高上 「…もしかして、また僕のせい?」


篠生 「………」


高上 「っ…やっぱり そうなんだ てことは……僕、追い出されるの?」ググッ…


篠生 「…ううん さらに一週間監禁だって 追い出すとは言ってなかったよ」


高上 「…っえ ほんと?」


篠生 「うん まだれんくんには役に立ってもらえることがあるから追い出さないって言ってた だから安心して?」


高上 「……そっそうなんだ それならよかった もし追い出されたら…しのうと一緒にいられなくなっちゃうから」ホッ


篠生 「だいじょうぶだよ もしれんくんが追い出されたら私も一緒に出ていくから」


高上 「ーっそ それはダメだよ!しのうは少しでも安全なところにいなくちゃ!」


高上 「しかも今妊娠してるんだからよけいに安静にしてないといけないのに!僕が役立たずだからしのうが変わりに…」


篠生 「そんなことないよ れんくんはすごく役に立ってるよ?」


篠生 「一緒にいると落ちつくし こうやって…」スゥ…ギュッ 高上の手を握って恋人繋ぎをする


篠生 「手を繋いでいると私の大好きなれんくんがここにいるってわかると嫌なことを忘れられるの だから役に立ってないなんてことないよ」


高上 「しのう……」


篠生 「ふふっ!それじゃ少し時間あるから私も中に入れてもらってもいいかな?一緒に話がしたい!」


高上 「…ーっうん!」













深夜ー和野方の部屋



悠里 「すぅ…すぅ……」


由紀 「すやすや……」


美紀 「…っん」スゥ…


美紀 「…ふぁぁ トイレ……」ムクッ


美紀 「……あれ」キョロキョロ


美紀 「(くるみ先輩と長谷さんがいない…どこいったんだろ?)」


美紀 「…見回りかな?いやでも こんな時間に見回りなんておかしい」


美紀 「……まさか、いやでも いくらくるみ先輩でも長谷さんのこと好きになるはず……」


美紀 「(…でもここ最近、くるみ先輩の様子がおかしかった 主に長谷さんのことになると怒ったり照れたりしてたし……)」


美紀 「(疑いたくなかったからなるべく疑わないようにしてたけど……)」


美紀 「…一応確かめてみよう たぶん安全圏外には出てないはず」カタッ ライトを手に取って部屋から出る準備をする













通路ー音楽室に繋がる通路



タッタッタッ…


美紀 「…」タッタッタッ…


美紀 「(…いない 安全圏内を全体的に探してるけどくるみ先輩と長谷さんどこにもいない)」


美紀 「(あと見てないところは音楽室ぐらい…でも音楽室に行く用事なんて何もないはず)」


美紀 「(役に立つものがあるなら行くだろうけど あるのはせいぜい音楽機材や楽器関係のみ とてもじゃないけどそんなものが必要とは思えない)」


美紀 「(もし音楽室にもいなかったらあとどこを探せば……)」



…っ


美紀 「…ん?」ピクッ


美紀 「(いま…どこからか声が聞こえたような?)」



…はぁ♡!



美紀 「ーっ!!」///


美紀 「(いっいまの声…くるみ先輩!?しかもあまい声を出して……)」///


美紀 「…も、もしかして いやでも…まさか」///


美紀 「……たっ確かめにいかないと!」///


タッタッタッ…








音楽室



胡桃 「くぅっ♡!ふっうぅぅ……♡♡」///ビクッ…ビクッ…


胡桃 「は、ぁぁ…♡な、ながやぁ…もっと くび……噛んで?♡」///ハァ…ハァ…


和野方 「……あぁ お望み通りもっと噛んでやるよ」カプッ


胡桃 「んんっ♡!」///ビクッ!!


和野方 「じゅる…あぐあぐ、れろ……」ツツー…


胡桃 「やぁ!♡うぅぅっひぅ♡♡!!」///ビクッビクッ!!!!


胡桃 「(だっだめ…また、イクーっ!!)」///ゾクゾクッ!!!!


胡桃 「んんっ♡♡あぁぁぁンンンっっ!!♡♡」///ビクビクビクビクッ!!!!!!


胡桃 「はっ…は……ぁ………♡♡」///ビクン…ビクン…


和野方 「…また、イったのか?」///フゥ…


胡桃 「はっ…ん あ、あぁ……」///ハァ……ハァ……


胡桃 「っ…な なが、や 今は…やぁ、やらないで……」///ビク…ビク…


和野方 「あっあぁ わかってるよ 少し休憩な?」


胡桃 「…うん……♡」///ハァ…ハァ…




美紀 「ーっ…!!」///プルプル… 音楽室の扉を少し開けて覗いてる


美紀 「(あっあのふたり…なにやってるんですか!!しかも長谷さん あなた手を出さないって言ったのに!!)」///


美紀 「(くるみ先輩もくるみ先輩ですごくノリノリだし…ほんとに、あのふたりは……!!)」///ワナワナ


美紀 「(やっぱり追い出さないといけませんね 長谷さんはわたしの期待を裏切ったんですから追い出されても文句ないはず)」


美紀 「(今すぐにでも中に入って追い出さないと…)」スゥ… 扉を開けようと手に力を入れ…



胡桃 「…なぁながや おまえは気持ち良ならなくていいのか?毎回手出してこないけど」///ハァ…



美紀 「…っえ」ピタッ



和野方 「いや手は出してるだろ…お前の首や耳を甘噛みしてるんだから」


胡桃 「でもそれ以上のことはしてこないじゃないか いつも私だけ気持ちよくさせて」///


胡桃 「お前だって気持ちよくなりたいだろ?お前がして欲しいなら…その、してやるぞ?」///


和野方 「…ありがたいけどやめとくよ これ以上のことはしない」


和野方 「美紀に言われてるだろ?手を出すことはするなって これ以上のことをしたら…本気で抑えられなくなる」


和野方 「お前が気持ちよくなってくれればそれでいい 俺の事は気にしなくていいから」


胡桃 「でも……」


和野方 「気持ちだけ受け取っておくよ ありがとな?」ポンッ


胡桃 「………」



美紀 「(…うそ、でしょ?今までこういうことして 長谷さん、くるみ先輩を気持ちよくさせることしかしてないの!?)」


美紀 「(普通の男ならさせてもおかしくないのに…なんでそこまでガマンできるの?)」


美紀 「(なんで……)」



和野方 「…なぁ胡桃 ちょっと聞いていいか?」


胡桃 「なんだ…?」///フゥ…


和野方 「今日はやけにイキやすいようだけど…いつも耳でイッてたのに」


和野方 「なんかあったのか?いやなんか言ったかというのもおかしいかもしれないが ちょっといつもと違うから気になってな」


胡桃 「………」///


和野方 「………」



美紀 「………」



胡桃 「…なぁながや おまえ、私のこと……好きか?」///


和野方 「……友達としてか?」


胡桃 「っ…わかってんだろ?ごまかさないでくれ」///


和野方 「………」


胡桃 「…今日な しのう先輩に言われたんだ 恋をするなら後悔しないうちにしておけって」///


胡桃 「わたしは一度好きな人が目の前で死んだんだ しかも私の手で殺した…」


胡桃 「初恋だったんだ…初恋の人をわたしは、今持ってるシャベルで殺した」


胡桃 「もうあんな思いをしたくないんだ 失恋なんてしたくないんだ!また失恋するぐらいなら砕けてもいいから、好きな人に告白した方がいい!!」


胡桃 「告白できないで失恋するぐらいなら今ここで!お前に告白して返事を聞きたいんだ!!だから…!!」


和野方 「落ちつけえびすざわ」


胡桃 「っ!」ドキッ


胡桃 「(苗字で…呼ばれた 今まで苗字で呼ばれたことないのに……)」ゾッ… 苗字で呼ばれた=距離が離れたと判断して落ち込む


和野方 「…あんまり苗字で呼びたくないんだ 距離が離れた感じがするから」


和野方 「今お前の落ち着きがなかったから苗字で呼んだが…とりあえず落ち着いてくれたか?」


胡桃 「……ごめん わたし、自分勝手で」ググッ…


胡桃 「嫌いになったよな?今ので こんなわがままで男みたいなやつなんか 好きになるわけないよな」


胡桃 「……振ってくれ いやそれ以前に 今告白したことも忘れてくれ もう…言わないから」ジワ…


和野方 「ちょっ!?お、おい 泣くなよ!別にそこまで思ってないから!」アセアセ


和野方 「ただ落ち着いて欲しかったから苗字で呼んだだけで!お前のこと嫌いになんてなってないから!」


胡桃 「でも今のわがままで嫌になっただろ?めんどくさい女は嫌われるってよく聞くんだ」


胡桃 「お互い好きな人がいるのに…それに長谷にはりーさんを任せてることもある」


胡桃 「私なんかよりりーさんの方がずっとかわいい ただ胸があるだけのわたしと比べたら断然りーさんのほうが……!!」ツツー…ポタッポタッ


和野方 「ーっバカヤロウ!!」クワっ!!


胡桃 「っ!!」ビクッ!!



美紀 「っ!!」ビクッ!!



和野方 「だれが胸だけしか見てねぇなんて言った!!人をバカにするのも大概にしろ!!」


和野方 「俺はお前のこと胸だけしかねぇなんで思ってねぇ!今日言ったよな お前は女らしさがあるってよ!!」


和野方 「たしかにお前は男みたいな性格でわがままかもしれねぇが 俺が悪い所しか見てないとでも思ってるのか!?」


和野方 「そんなわけねぇだろ!!お前のいいところ ぜんぶとは言わねぇが多く知ってるんだよ!!」


和野方 「お前が恋愛関係の話が好きだとか女としての恥じらいを持ってるとかオシャレ好きだとか恋をしてる顔をしてるとか将来の夢はお嫁さんとか!!」


和野方 「俺がなにも見てないわけないだろ!お前のかわいいところ こんなにも知ってんだ!!」


和野方 「悠里のほうがかわいい?んなもんどうでもいいわ!悠里は悠里なりのかわいさがあって お前にはお前のかわいさがある!!」


和野方 「好きな相手にあの子の方がかわいいから振ってくれなんて言うんじゃねぇ!せっかく勇気出して告白したのに ぜんぶ水の泡じゃねぇか!!」


和野方 「たしかに俺もわるい 俺がお前を苗字で呼んだりしてなければ、こんなことにはならなかった」


和野方 「だが俺を胸だけしか見てない最低男なんて思わないでくれ それだけはたのむ」


胡桃 「………」唖然


和野方 「…ごめん怒鳴って 俺も女に対しては怒りたくなかったんだが……」


和野方 「…くるみ」スゥ…ギュッ 胡桃を左手で引き寄せて抱きしめる


胡桃 「っ!」


和野方 「…ありがとな 俺のこと好きになってくれて」


和野方 「お互い好きな人がいるのに…いけないよな こんな関係になっちゃ」


和野方 「……でもごめん 今のお前の気持ち、まだ受け取ることはできない これが悠里の告白だったとしても同じだ」


和野方 「今の状況じゃ誰の気持ちも受け取ることはできない …まだ俺は自分の使命を達成出来てないんだ」


胡桃 「…使命って 私たち以外を安全な所に連れていくことか?」



美紀 「…っえ 私たち以外……?」



和野方 「それもある それとは別にもうひとつあるんだ」


胡桃 「もうひとつ?なんだよそれ 教えてくれ」


和野方 「………」


胡桃 「…」



美紀 「…」



和野方 「……ごめん それは言えない 言ったら………」


和野方 「【…みんなを、敵に回すことになる】」


胡桃 「……っは?」



美紀 「……っえ」



和野方 「………」


胡桃 「…どういうことだ なんで私たちがお前の敵になるんだ?意味がわからねぇ」


胡桃 「お前を敵だと思うわけないだろ!ずっと一緒にここまで来て お前は私たちを守るために尽くしてくれたじゃないか」


胡桃 「なのになんでお前が敵になるんだよ 怪しい動きとか疑われるようなことしてないだろ」


和野方 「してなくてもしてるんだ たしかにお前たちを全力で守ってることはたしかだ」


和野方 「…だが、それはあくまで罪滅ぼしだ 自分の過ちを少しでも償うためにやってることだ」


胡桃 「罪滅ぼし…?償う?長谷 ほんとになにいって……」


和野方 「………」


胡桃 「………」



美紀 「………」


美紀 「(長谷さん…一体何を言ってるんだろ?全然わからない)」


美紀 「(罪滅ぼしとか償いとか…一体何をしたの?私たちを敵と見なすようなことはしてないはず)」


美紀 「(してなくてもしてるって言ってたけど…)」



胡桃 「…わかんねぇよ 言えないってなんだよ」


胡桃 「そんなに私たちが信用できないか!お前がなにしたかはわからないが少しは信用してくれてもいいじゃないか!」


胡桃 「前にも言ってたよな まだ言えないって!あの時短抗生物質のこともよ!」



美紀 「時短抗生物質…?」



和野方 「…言ったな」


胡桃 「まだ話せないのか?まだ私たちを信用できないのか?もうここまでの仲にまでなったんだぞ」


胡桃 「…いやここまでの仲になったはおかしいか わたしが一方的だったもんな」


胡桃 「でもそろそろ教えてくれてもいいんじゃないか?あれから随分経ったんだぞ」


和野方 「………」


胡桃 「…だめか?」


和野方 「……なら聞くが 俺がこの騒動を起こした主犯格だと言ったら、おまえは許すか?」


胡桃 「………っえ」



美紀 「…しゅ、主犯格……?長谷さんが?」



和野方 「どうなんだ 許すのか?もし俺がこんな世界にしちまった犯人だとしたら」


胡桃 「……な、なに言ってんだよ おまえが、こんなことした犯人なわけ」


和野方 「…例えばだよ 本気にするな もし俺がそんなことをしてたら許すのかって聞いてるだけだ」


和野方 「それでどうなんだ 許すのか?」


胡桃 「……そ、それは………」


和野方 「……」


胡桃 「っ…」ググッ…


胡桃 「(…え、選べない 選べねえよ!もしながやが主犯格だったとしたら どうすればいいんだ!)」


胡桃 「(今までながやがいてくれたからここまで来たのに…ながやがいなかったら、私たちは……!!)」ギュッ…


和野方 「…そんな難しく考えるなら教えられないな まだ時間かかりそうだ」


胡桃 「っ! ちがっ考えてなんか!!」


和野方 「考えてただろ そんなしかめっ面しておきながら考えてないなんてありえない」


和野方 「気になるのはわかるがまだ話すときじゃない その時がきたら必ず話すから」


胡桃 「…いつになるんだよ それ」


和野方 「さぁな そこまではわからん みんなを安全な場所まで送り届けたあとかもしれないし、その前かもしれない」


和野方 「まぁとにかく お前たちを信用してないことはない むしろ信用し過ぎて言えないだけだから安心してくれ」


胡桃 「しすぎて言えないってなんだよ…」


胡桃 「……まぁいいか まだ話せないなら聞かない これで信用を失うのはいやだからな」


胡桃 「ちゃんと話せよ?話せるときがきたら」


和野方 「約束するよ 俺もいつかは話さないといけないと思ってるから確実に話す」


胡桃 「ならいい …それと、告白の返事もちゃんと返してくれよ?その時がきたらでいいから!」///


和野方 「はいはい それも約束するよ」ポンッナデナデ…


胡桃 「えへへ〜♡」///



美紀 「………」













朝ー二階通路



和野方 「…」タッタッタッ… 現在見回り中


和野方 「(ここも異常なしっと 次は一階の確認っと)」タッタッタッ…


和野方 「(一階が終わったら外見に行くか あの化け物が近くにいないかをたしかめて…)」


和野方 「………」タッタッタッ…


和野方 「(…しかし、昨日の胡桃かわいかったなぁ!しかも告白までされるとは思わなかった!)」///デレデレ


和野方 「(やっぱりかわいいやつに告白されるのって嬉しいよな!男なら誰でも喜ぶに決まってる!!)」///


和野方 「(しかも俺の相手もしてくれるって言ってくれたし…あれは反則すぎるだろ もう少しで襲いそうになったぞ)」///エヘヘ


和野方 「(でも俺には彼女がいるからな 二股はいけない うん!いけない)」

(`・ω・´)キリッ


和野方 「(…でも 手出してる時点でアウトだよな……いくら俺は相手してもらってないとはいえ)」ウーン…


和野方 「…はぁ いろいろと大変だな」ハァ…



…ながやさん


和野方 「…っん?」ピタッ


美紀 「……ちょっと、いいでしょうか」タッタッタッ


和野方 「美紀 どうした?今から一階の見回りに行こうとしてたんだが」


美紀 「そんなことは後でいいです 昨日の夜の事なんですが」ギロッ


和野方 「っ…」ドキッ


美紀 「…説明する必要ありますか?」


和野方 「……いや、いい わかったから」


美紀 「ここで話すのもなんなので場所を変えましょう …だれにも聞かれない場所に」ジロッ


和野方 「……わかった」


タッタッタッ…











音楽室



ガラッ…


美紀 「ここなら誰も来ないはずです 音楽室なので音も声も最小限に抑えられるはずなので聞かれる心配もないかと思います」タッタッタッ…


美紀 「…そうですよね?長谷さん」ギロッ


和野方 「っ………」ビクッ


美紀 「…長谷さん 昨日の夜、ここでくるみ先輩となにしてましたか?ご自分の口で言えますよね」


和野方 「………」


美紀 「………」


和野方 「…すまん 胡桃に手を出した」


美紀 「どのようにですか?細かく説明してください」


和野方 「…胡桃の耳や首元を甘噛みして 別の日には太ももやお腹をフェザータッチしたりしてイかせた」


美紀 「キスとかはしてないんですか?もしくは最後までしてないですか?」


和野方 「それはしてない キスはともかく、さすがに今の状況下でそういうことしたら…その、面倒見れないというかなんというか……(あぁ…だめだ 言い訳のしようがない)」サー…


和野方 「(昨日の行為 見られてたのか…音楽室なら声が漏れないと思ってたんだが)」


和野方 「(……追い出される 一度ならず二度までもやったんだからもう無理だ 免れることはできない)」


和野方 「(ごめんみんな 俺が約束破ったせいで…ほんとに、ごめん………)」


美紀 「…ではさらに聞きます 今までくるみ先輩に性行為を頼んだことはありますか?」


和野方 「……ない、と言って信じてもらえるのか?胡桃に手を出してる時点で信じてもらえないと思うが」


美紀 「信じる信じないは私が決めることです それでどうなんですか?頼んだんですか?」


和野方 「………」


美紀 「………」


和野方 「……頼んでない」


美紀 「…そうですか」


和野方 「……ごめん 約束やぶって しかも2回も同じことを」


美紀 「口を開かないでください 誰がしゃべっていいと言いましたか?」


和野方 「………」


美紀 「…長谷さん あなたは自分で悪いことをしたと自覚してますよね?」


和野方 「…あぁ してる」


美紀 「では追い出されることもわかっていますよね」ギロッ


和野方 「……あぁ わかってる」


美紀 「それならやることはひとつです 今すぐここから出ていってください…」


美紀 「……っと 言いたいところですが、あなたを追い出す前にいくつか質問に答えてください」


和野方 「…質問?」


美紀 「…」スゥ…


美紀 「【あなたは何者ですか?】」


和野方 「………どういう意味だ?質問の意味がわからない」


美紀 「昨日の質問 この世界をこんなことにした主犯格だと言ってましたね あれはどういう意味ですか?」


和野方 「あれは例えで言っただけだ 別にそうしたわけじゃ…」


美紀 「ならなぜその例えを出したんですか?例えで出した理由がわかりません」


和野方 「っ…」


美紀 「さらに時短抗生物質とはなんですか?くるみ先輩は知ってたみたいですが私は知りませんでした」


美紀 「罪滅ぼし?過ちを償う?一体なんのことですか 素直に話してください!」


和野方 「………」


美紀 「話してください 話さなければ追い出します」


和野方 「っ……」ギリッ…




万事休す、今の状況ならその言葉がお似合いだろう どう考えても言い逃れはできない 逃れようとすれば追い出されるのが目に見えてる



美紀には嘘つけない 嘘をつけばすぐバレる 美紀はそういうのに鋭い だから嘘をつくわけにはいかない



だが話すわけにもいかないし 話せば確実に敵に回すことになる 俺が主犯格だと知られればここには居られなくなる!



みんなを守れなくなれば俺の、今までの苦労は無駄になる ここにいるみんなだけでも守らなければならない 少人数でも守らなければ!!



美紀 「………」


和野方 「………」スゥ…


和野方 「…すまん 話せない」


美紀 「…話せない?」ピクッ


和野方 「あぁ…それだけは、話せない 頼むから聞かないでくれ」ググッ…


美紀 「…それで通るとでも?」


和野方 「なら追い出してくれ!その事を話すくらいなら追い出された方がいい!!」


和野方 「それだけは話せない!まだ話すわけにはいかないんだ!頼むから聞かないでくれ!!」


美紀 「ーっ」ギリッ!!



ガシッ!!グイッ 美紀は和野方の胸ぐらをつかんで持ち上げる


和野方 「っ…」


美紀 「話してください!話さなければ本気で追い出しますよ!!」


美紀 「追い出されたくないんですよね?追い出されたくなければ話してください!!」


和野方 「追い出されたくはねぇが話せない!!今話すべきじゃないし 話したら確実にみんなを敵に回すことになる!」


和野方 「だからたのむ 聞かないでくれ!!」


美紀 「ーっこの!!」スゥ… 拳を作り和野方を殴ろうと…


和野方 「ーっ…」グッ 目をつぶって殴られるのを受け入れる


美紀 「っ…っ……」プルプル… 拳を作った手を止めて殴らないで我慢している


和野方 「………っえ」スゥ…


美紀 「…なんで、話してくれないんですか そんなに私を怒らせたいんですか!!」ググッ…


美紀 「私だってもう疑いたくないんですよ!あなたのこと信じたいのに、なんで なんでそんな疑われるようなことをするんですか!」


美紀 「わたしが好き好んであなたを追い出そうとしてると思っているんですか!もしそう思ってるなら大間違いです!!」


美紀 「あなたは私たちにとって大事な存在なんですよ!私たちみんなを守ってくれて 自分のことよりもみんなを心配してくれて…そんな優しい方を追い出したいなんて思いません!!」


美紀 「昨日だってあなたたちが性行為をしてるのを見てすぐ追い出そうとしました ゆうり先輩に続きくるみ先輩にまで手を出したから次は私かゆき先輩に手を出すんじゃないかと思って」


美紀 「でも長谷さんは自分の性行為は頼まなかったと聞きました くるみ先輩の口からも聞いてるので信じざるえません」


美紀 「男ならみんな頼むはずなのにあなたは頼まなかった…私の言いつけを守るために、自分が気持ちよくなることはしなかった」


美紀 「昔の私ならそんなこと気にせずに追い出してたかもしれません …でも、今は違います」


美紀 「あなたを追い出したくありません 今追い出せば…私たちは、バラバラになるのが目に見えています」


美紀 「バラバラになるだけではありません 今後、生き残っていくのだって困難になります ゆうり先輩は精神でおかしくなり、くるみ先輩は長谷さんがいなくなったことによって絶望に落ちる可能性、ゆき先輩も落ち込み 元気をなくす…」


美紀 「そんな状況に陥ったら生き残ることなんてできません あなたがいなくては…みんなが、バラバラになってしまうんです!」ツツー…


和野方 「っ! みき…」


美紀 「だから話してください!これ以上 私の口から追い出すなんて言葉を吐かせないでください!!」ドサッ 胸ぐらを掴んでいた手の力を抜いて和野方を下ろす


美紀 「私だってあなたのこと信用したいんです!敵ではないことを信じたいんです!」ギュッ… 和野方の服を掴んでおでこを胸板部分に押し付けて泣き顔を伏せる


美紀 「…お願いします 話して、ください……!!」ポタッポタッ…


和野方 「ーっ…」ギリッ…



…究極の選択、今ここで話さなければ 美紀は泣き叫び、失望させるであろう



かといって、話せば話したで敵対されるのはほぼ確実 俺がこの世界をこんなことにした主犯格だと知られれば…それこそ、みんなと居られなくなる



だが断ることもできない 話すのを断れば、美紀を傷つける でも話せば敵対される……



もうわからない どちらを選べばいいかわからない 正解がどっちかなんて誰に聞いてもわからない



嘘をつくわけにもいかない 嘘をついてもすぐバレる なら正直に話す…わけにもいかない 話せるわけがない!!



究極の選択……和野方は、決断を出した …だが、最低な決断だ!!



美紀 「っ…」ポタッポタッ…


和野方 「……なら美紀 ひとつお願いがある(もう…どうにでもなれ)」


美紀 「…なんですか」グシッ


和野方 「話してやる代わりに…【俺を、気持ちよくしてくれよ】」


美紀 「………っえ」


和野方 「それくらいの対価は欲しいくらいだ もしイヤなら…話さねぇ」


和野方 「どうする その条件で呑むか?」


美紀 「………」


和野方 「(…最低だおれ こんなことしてまで、話したくないなんて……)」


和野方 「(でもこう言えば美紀は断ってくるはず もしくは俺を追い出してくれるはず…追い出されたくないが話すよりかはマシだ)」


和野方 「(さぁ断ってくれ そして追い出してくれ…もう、好きなようにしてくれ)」


美紀 「ーっ…」///ゴクッ


和野方 「………」


美紀 「………」///スゥ…



サワッ… 美紀は右手を和野方の股間に触れてズボンの上から触る


和野方 「ーっ!? ちょっみき!?おま、なにやって!!」///ガシッ!! すかさず左手で美紀の手を掴んで止める


美紀 「……なにって、あなたが言ったんじゃないですか 俺を気持ちよくさせろと」///


美紀 「対価としてあなたを気持ちよくさせれば話してくれるんですよね なら気持ちよくさせてあげます」///


美紀 「ですが私も初めてなのでうまくできるかわかりません 本での知識はあるんですが実際経験はありません」///


美紀 「……なるべく、頑張りますので その、気持ちよく……なって ください」///ガシッスゥ… 掴まれていた和野方の手を掴んで右手の自由を取り戻す


和野方 「いやいやまてまて!!おまえ本気で言ってんのか!?」///


和野方 「お前なら嫌がるはずだろ!そんなことしたくないって!」


和野方 「好きでもないやつと性行為なんてしたくねぇだろ!しかも今の状況だと脅迫に近いのに!」


美紀 「ですがあなたは言いましたよね 嫌なら話さないと、私は聞きたいから望んでやっているんです」


美紀 「脅迫ではありません 脅されてなんかいません 全てわたしが自分の意思でしてるんです なので長谷さんはなにも悪くありません」


和野方 「いや悪くないって…」


美紀 「…それともなんですか 自分で言っておいてやめろと言うんですか?それは=話すということですよね」


和野方 「っ…」ギクッ


美紀 「自分でお願いしたことを止めさせるんですからそれが普通ですよね わたしは聞きたいからしているんです」


美紀 「…どうするんですか 私を止めますか?止めるなら話してください しても話してください」


和野方 「ーっ…!!」ヌググ…


和野方 「(まずい…完全に墓穴掘った!まさか嫌がらないで進んでくるなんて……!!)」


和野方 「(しかもどっちを選んでも話すことになる 断っても話すことになるし、してもらっても話すことになる)」


和野方 「(どうすればいい どうすれば…!!)」ググッ…!!


美紀 「…」///プルプル…ツカミッ 和野方のズボンに付いているファスナーに手をかける


和野方 「ーっ!? やめろ!!」ガバッ!!


美紀 「っえ きゃあっ!?」ドサッ!! 和野方に押し倒されて床に寝かしつけられる


和野方 「あっ!?ごっごめん!」スゥ… すぐさま美紀から離れようと…


美紀 「…いいんですか 今離れたら拒否したことになりますよ」


和野方 「っ!」ドキッ


美紀 「……どうせ話すならした方がいいんじゃないですか?今までガマンしてた分を私にぶつけていいんですよ」


美紀 「わたしは許可してるんですからなにも戸惑うことはありません …私の初めて、取れるチャンスですよ」ブル…


和野方 「…みき……」


美紀 「それともいやですか 私みたいな貧相で性格の悪い女じゃ興奮もしませんか?」


美紀 「長谷さんが私のことをよく思ってないことはわかっています でもその恨みを晴らすチャンスでもあるんですよ?」


和野方 「…っえ ちょっとまて なんで俺がお前のことよく思ってないことになってんだ?」


美紀 「日頃からあなたを縛り付けてますからね 誰にも手を出さないように言ってましたし」


美紀 「ゆうり先輩やくるみ先輩は自らしてほしいって誘いに来たのに対して あなたは私に命令されてるからすることができなかった」


美紀 「普通の男性なら最後までしてます まして相手から誘いに来てたらよけいです」


美紀 「…でも長谷さんは我慢してましたよね 自分だってしたいのに、ゆうり先輩やくるみ先輩だけ気持ちよくさせて終わりにしてました」


美紀 「だから今までの分をここですることができます ガマンせず私を犯しまくっていいんですよ?」


美紀 「痛くてもガマンしますから 私のことはお気になさらず」


和野方 「………」


美紀 「っ……」ブル…


和野方 「……はぁ お前もそういうこと言うのか なんでみんな自分を悪くいうのかなぁ?」ハァ…


美紀 「…っえ」


和野方 「じゃあお言葉に甘えてやらせてもらうよ ガマンしてろよ?」スゥ… 美紀に顔を近づける


美紀 「っ!!」ビクッ!!


和野方 「………」クパァ…



カプっ


美紀 「ひゃあぁあぁぁあぁっっ!!!!!?」///ビクンっ!! 首元を噛まれて体を跳ね上がらせる


和野方 「ぢゅぅぅ…!!」チュゥゥ…


美紀 「(きっキスマーク!?首元を吸い付いて…!!)」///ゾクゾクッ


和野方 「…ーっふぅ これでよしっと」ツツー…


和野方 「もういいぞ 楽にして」スゥ… 美紀から離れて押し倒すのをやめる


美紀 「……っえ」


美紀 「(終わり…?いや まだキスマークしか付けられてない これで終わりなわけ……)」


和野方 「…いつまでも寝っ転がってると制服が汚れるぞ 起きろ」スゥ… 手を差し伸べて美紀を起こそうとする


美紀 「っえ あっありがとうございます」スクッ


和野方 「………」


美紀 「……えっと、次は なにするんですか?わたしがしますか?」


和野方 「もういいって言ったろ?終わりだよ 今ので終わり」


美紀 「今のでって…キスマークしか付けられてませんよ?」


和野方 「それで終わりだよ お前に手を出したんだから違いないだろ」


美紀 「……他に、しないんですか?」


和野方 「しねぇよ」


美紀 「……犯さないんですか?」


和野方 「女がそんなこと言うんじゃねぇ まして男相手に」


美紀 「……ほんとに、しないんですか?」


和野方 「何度も言わせるな もうやらん」


美紀 「………」


和野方 「…俺はお前のこと、悪く思ってねぇよ むしろお前は正しい考え方をしてると思ってる」


和野方 「今の状況下で男を警戒するのは当たり前だ 法律も警察もなくなった今の状況ならやりたい放題」


和野方 「普通の男なら死ぬ前に片っ端から女に手を出して犯しまくっても不思議じゃない ぜんぶがぜんぶそうだとは言わないが」


和野方 「俺はお前のこと嫌いじゃない むしろみんなと同じだが、仲間として好きだ」


和野方 「だが性行為に関しては話は別だ 相手が望んでるなら手を出したが相手が望んでなければ俺はしたくない」


和野方 「お前は俺になにかされそうになった時やなにしてもいいって言った時に体を震え上がらせてたよな それは=望んでないってことだ」


和野方 「そんな奴と性行為なんてできねぇよ 俺だけ気持ちよくなるのはいやなんだ するなら相手も気持ちよくならねえとな?」


美紀 「…ながやさん……」


和野方 「…ごめん いやだったよな 一生軽蔑してくれても構わない」


和野方 「いろんな女に手を出してる最低なやつなんかにされたら気持ち悪いよな 殴ってくれてかまわない」


美紀 「あぁいや!別に殴りはしませんが…」


美紀 「…ただ、これで話してくれるんですよね?あなたのこと」


和野方 「………」


美紀 「………」


和野方 「っ……ひとつだけ、でもいいか?」ググッ…


美紀 「…ひとつだけ 教えてくれるということですか?」


和野方 「あぁ…どうしても、まだ話せないんだ 全部は話せないから…ひとつだけにしてくれないか?」


和野方 「だめか…?」


美紀 「…」スゥ…


美紀 「わかりました それじゃひとつだけ教えてください」


美紀 「【あなたは何者ですか?細かく説明してください】」


和野方 「………」


美紀 「………」


和野方 「【…科学者だ 主に薬を作る学者でいろんな薬を作ってた】」


美紀 「……っえ 学者?」


和野方 「………」


美紀 「……長谷さん それ、ほんとですか?あなたが学者って」


和野方 「…あぁ ほんとだ 逆に今ここで嘘つく意味ないだろ しかも学者って言ってる時点で隠してないし」


美紀 「そっそうですね たしかに隠してませんね…」


美紀 「(長谷さんが学者…?しかも薬を作る学者って よほどの知識がないと作れないですよ!?)」


美紀 「(誰にも言えなくて 話したらみんなを敵に回すことになるって言ってたけど…もしかして!!)」


美紀 「……長谷さん もしかしてですが、あなたがこの騒ぎを」


和野方 「言うなっ!!聞かないでくれ!!」


美紀 「っ!!」


和野方 「っ…たのむ それ以上は……聞かないでくれ 聞いたら……戻れなくなる」ギュッ…


和野方 「正確には俺のせいじゃないんだ 俺のせいじゃ……!!」ギリッ!!…


美紀 「……俺のせいじゃない?一体 どういうことで……っんん!」


美紀 「…わかりました これ以上は聞きません なので落ち着いてますください」


和野方 「……ごめん ほんとに、ごめん……!!」ツツー…


美紀 「ちょっ!?な、泣かないでください!別に怒ってなんかいませんから!」アワワワ


美紀 「ーっ…はい!ハンカチです これで涙を拭いてください!」スッ


和野方 「ーっ…ありがとう」スゥ…


美紀 「(まっまさか長谷さんが泣くとは思わなかった…予想外すぎてテンパってしまった)」ハァ…ハァ…


美紀 「(泣くような人じゃないと思っていたけど…やっぱり長谷さんもみんなと一緒で泣くときは泣くんですね ちょっと意外です)」


美紀 「(…でも、長谷さんが学者だってことは置いとけない この騒ぎを起こしたのは正確には俺じゃないと言ってたけど…どういうことだろう)」


美紀 「(研究機関には関わっていたけど その薬を悪用されて現在に至るってところ?)」


美紀 「(…可能性としてはあるけど、なんか違う気がする 悪用された可能性は高いと思うけど、長谷さんは性格的に研究機関に居たって感じはしない)」


美紀 「(どっちかって言うと独自でやってた感じの方が強い 雰囲気も…その、友達少なそうに見えるし……優しいのはたしかですが!)」


和野方 「…わるい 取り乱して もう大丈夫だ」グシッ


和野方 「ハンカチありがとな 洗って返すから少し待っててくれ」


美紀 「あぁいえ 別にいいですよ そのままでも」


和野方 「だけど…」


美紀 「それよりも絆創膏ありますか?これ隠したいんですが…」ピトッ


和野方 「あるよ 胡桃に貼ってるやつと一緒だがそれでもいいか?」モゾ…スッ ポケットに手を入れてポケットサイズの救急キットを取り出す


美紀 「……っえ そんなにでかいんですか?てか、私につけた…き、キスマークは それなりに大きいんですか?」///


和野方 「胡桃につけた時と同じくらいの大きさはあるな けっこうデカめにつけたから貼っておかないとすぐバレると思う」


美紀 「っ…げ、限度を考えてくださいよ!こんなの見られたら ぜったいに長谷さんとそういうことをしたって勘違いされるじゃありませんか!!」///カァァ!!


和野方 「そんなこと言われても…」


美紀 「それにわたしは信じてたんですよ?長谷さんなら手を出さないって」


美紀 「長谷さんは紳士で女性思いの人だって思ってたのに…やっぱり男子なんですね 失望しました!」


和野方 「うっ…」ズキッ


美紀 「……でも 首に跡をつけられただけなので完全には失望してませんけどね むしろこれだけにしてくれてありがとうございます」


和野方 「…礼を言うのはおかしいんじゃないか?なんか不思議な感じがするが」


美紀 「ですが長谷さんだって本当なら 私のこと襲いたかったんじゃありませんか?いつも我慢してたんですから発散したかったはずです」


和野方 「…否定はしないけどよ」


美紀 「残念でしたね 長谷さんはまじめ過ぎてチャンスを逃しましたね?せっかく処女の相手とできたのに」クスッ


和野方 「あまりそういう挑発はするな いくらお前でも襲うときは襲うからな?」


美紀 「はーい!気をつけます」


美紀 「…それと長谷さん ひとつお願いがあります」


和野方 「なんだ?」


美紀 「長谷さんが学者だということは誰にも言いません 今はふたりだけの秘密にしておきます」


美紀 「ですが、今まで以上に私たちに協力してください それがお願いです」


和野方 「今まで以上に?お前たちを守る以外になにをすればいいんだ?」


美紀 「学者ということは頭もそれなりにありますよね 次からは知識面の話し合いにも積極的に参加してください」


和野方 「…それは構わないが ただ、みんなと一緒に話し合うのは控えてくれないか?話すならお前とふたりで話したい」


美紀 「わかっています あなたが頭いいとバレてしまってはまずいですからね」


美紀 「…ちなみに聞きますが、あの白い化け物のことは知ってるんですか?」


和野方 「…正確には知らない あの化け物はネメシスの次に作られたものだから俺の知識内にはない」


和野方 「ただ先日、こんなものを見つけた」ゴソッ…スゥ


美紀 「…これは?」パサッ


和野方 「ネメシスの改良版 タイラントの活動報告書だ」


美紀 「っ!!」


和野方 「以前、お前を理瀬のところに連れてった時があっただろ?あの時に図書館を調べてたら出てきたんだ」


和野方 「図書館の書庫室に入ってたから理瀬も気づいてないだろ 鍵も閉まってたし、埃まみれで何ヶ月も誰も歩いた形跡がなかった」


和野方 「その報告書があったからこの学校に実験所的な部屋があるのか調べたんだが、そういう部屋はなかった まぁまだ全部見たわけじゃないからわからないが(ほんとは佐倉先生に聞いたんだが…)」


美紀 「…なぜ、すぐみんなに見せなかったんですか こんな重要なこと」ググッ…


和野方 「まだ見せるときじゃないと思ったんだ 悠里の精神も悪化してるし、なにより桐子たちはこの学園にずっといたんだ」


和野方 「もしこの学園でそんな実験が行われてたなんて知ったらどう思う?確実にいやな思いをするだろ 嫌な思いをするだけならいいが、それでこの学園から離れる理由になったら問題だ」


和野方 「だから話さなかったんだ 理解してくれたか?」


美紀 「…はい 理解しました」パタンッ


美紀 「そうなると この情報はまだ話さない方が良さそうですね お返しします」スッ


和野方 「おう」ガシッ


美紀 「…あっあと絆創膏ください できれば貼ってもらえると助かります」


和野方 「あぁはいはい 今貼るよ」ゴソゴソ…スッ













学園生活部部室



悠里 「…♡」///ウットリ


和野方 「…あの、悠里?あんまり右肩部分に寄りかからないでもらえるかな まだ血止まってないから……」カリカリ… 左手でノートを書き込んで勉強してる


悠里 「だいじょうぶです つかないようにしてるので」///


和野方 「…てか、勉強教えてくれるんじゃなかったのか?さっきから教えてもらってないんだが」


悠里 「教える必要ありますか?さっきから答え全部あってますが」///


和野方 「なんのための勉強だよ…」


由紀 「…ながなが ここ教えて」チョイチョイ


和野方 「っえ あぁそこはだな」



胡桃 「…」チラッ


美紀 「…」カリカリ…


胡桃 「……なぁみき おまえその首の傷どうしたんだ?わたしと同じ絆創膏貼ってるけど」


美紀 「蚊に刺されました」カリカリ…


胡桃 「…ほんとか?」


美紀 「はい あと勉強してください 手止まってますよ」カリカリ…


胡桃 「………」


胡桃 「(…普通蚊に刺された場所を絆創膏で隠すか?蚊に刺されたくらいじゃ貼らないだろ)」


胡桃 「(…まさかな まさかこいつもながやにされたんじゃ……)」


美紀 「ゆうり先輩 長谷さんに甘えたいのはわかりますが勉強してください まったく進んでませんよ?」カリカリ…


悠里 「だいじょうぶよ もうこの問題は覚えたから」///


美紀 「じゃあ次の問題を解いてください 同じところをいつまでやってても意味ないので」


美紀 「それと長谷さん あなたもいつまでもデレデレしてないでゆうり先輩に離れるよう強く言ってください」


和野方 「いやデレデレはしてないが…」


和野方 「…悠里 離れて勉強してくれ 由紀より頭悪くなっても知らないぞ?」


由紀 「なんでそこでわたしなの!?いやたしかに頭悪いけどさ!」


和野方 「認めるんかい」


悠里 「ゆきちゃんは頭悪くないわ ただ使わないだけよ」


和野方 「それ 使わない=頭悪いって意味になるからな?遠回しに言ってるけど」


悠里 「あら わたしは悪いなんて一言も言ってないわよ?勘違いしないで」


和野方 「………」


胡桃 「…なぁ長谷 ちょっとここ教えてもらってもいいか?」


和野方 「っん どこだ?」スッ 向席にいる胡桃の方へ顔を向けて問題を見ようと…


胡桃 「そっちからじゃなくてこっちに来て教えてくれないか?そっからじゃ見えにくいだろ」


和野方 「っえ 別に見えにくくは…」


胡桃 「見えにくくて問題を読み間違えても困るからこっち来てくれ」


和野方 「いやだから 見えてるって…」


胡桃 「…」ムスッ


和野方 「…わかったよ 悠里離れてくれ 勉強教えに行くから」


悠里 「またこっちに来たら寄りかからせてね?」スゥ…


和野方 「…まぁ 考えとくよ」カタッ


美紀 「…」



和野方 「それでどこがわからないんだ?俺にもわかる問題でたのむぞ」


胡桃 「ここなんだけどよ」スゥ…


和野方 「んっそこか そこの問題は…」


胡桃 「…なぁお前 美紀に手出したのか?」ヒソヒソ


和野方 「っ!」ギクッ!!


胡桃 「みきの首元の絆創膏 あれ私のやつと一緒だよな しかも私のとほぼ一緒の位置だ」


胡桃 「どうなんだ 手出したのか?」


和野方 「………」


悠里 「…? 長谷さんどうかしたんですか?急に黙り込んで」


和野方 「っえ!?あぁいや 別になんでもない!うん なんでも」アハハ…


悠里 「?」


由紀 「んー…わからない」(。ŏ﹏ŏ)


美紀 「…」カリカリ…


和野方 「…あとで話す 今は聞かないでくれ」


胡桃 「…わかった」


和野方 「それでこの問題だが…」


美紀 「………」













夕方ー桐子の部屋



桐子 「んー…ここはこうしてっと」カチャカチャ… テレビゲームをやってくつろいでる


桐子 「…あー まずい これはやられちゃうかなぁ」カチャカチャ…


桐子 「……あぁ やられちゃった」カタッ


桐子 「んー…やっぱり難しいなぁ?あそこどうやってクリアするんだろ」


桐子 「攻略法がわかればなぁ…」



コンコンっ


桐子、長谷だ ちょっといいか?


桐子 「ながやくん?いいよー 中に入って」


ガチャッ


和野方 「じゃまするぞ」


桐子 「どうしたの?僕になにか用かな」


和野方 「あぁ ちょっとここの学校の構造を調べたくてな 細かく教えてくれないか?」


桐子 「細かく?なんでまた」


和野方 「俺たちが持ってきたマニュアルにここの学校の名前が書いてあっただろ?化け物の研究に関わってた場所ならなにか資料とかがないか調べたくてな」


和野方 「見回りと同時に大体の場所は見たんだがあんまり有益な情報がなくてな たしかこの学校にも地下があるんだよな」


桐子 「あるよー でも地下はあぶないよ?あそこら辺は物資を持ってきただけでバリケードや対策もなにもしてないから 普通に奴らあるってるよ」


和野方 「あるってても情報があるなら調べないといけない 他にもあぶなくて行ってない場所があるならそこに行きたい」


桐子 「…あまり感心しないね たしかに調べたい気持ちはわかるけどさ」


桐子 「でもわざわざ危ないところまで行って調べる必要あるの?ボク的にはあんまり危険なことはしてほしくないかなー」


和野方 「だが行かないとわからない 少しでも情報を集めたいんだ」


和野方 「だからたのむ 教えてくれ」


桐子 「……君たちはほんとに勇敢だねー 化け物がいるのに、それでも行きたいなんて」


桐子 「ボクたち見習わないとね キミたちのような勇敢さを」


桐子 「…でもダメ 教えれないよ」


和野方 「…っえ」


桐子 「わるいけど危なすぎるから教えられないねー 教えたらキミひとりで行くつもりでしょ?」


桐子 「キミの性格上、くるみちゃんを連れていかないだろうし 他のひとも絶対に連れていかないでしょ」


桐子 「さすがにひとりで行くのは危なすぎるから教えられないねー わるいけどあまり危険なことはしないで」


和野方 「……なら胡桃と一緒に行けばいいのか?ひとりで行くのがダメなら」


桐子 「んー…あんまり危険なことはしないでって言ったと思うんだけど」


桐子 「…ならふたりで行くのもだめ 危なすぎるから」


和野方 「…どうしてもか?」


桐子 「どうしてもだよ いくら君たちがボクたちより強いと言っても奴らに噛まれたりなんてしたら…終わりだからね」


桐子 「だから自ら死にに行くようなことはしないで 別に死にに行くわけじゃなくてもね」


和野方 「……そうか わかった(ここは無理に粘ることはしない方がいいな 粘ったところで教えてくれるとは思えない)」


和野方 「それじゃ諦めるとするよ 悪かったな危ないことばかり言って(しかも感染してるから安全だなんて言えないしな ここは引き下がろう)」


桐子 「いいよわかってもらえれば」


桐子 「それでキミはこれから暇かな?暇なら少しゲームしないかい?」


和野方 「……えっと、桐子 わるいが………」


桐子 「っえ?…っあ」ハッ


桐子 「…ごめん 片手ないの忘れてたよ」


桐子 「…そ、それじゃあさ!片手でもできる遊びしないかい?それなら遊べるでしょ!」


和野方 「片手でできるって…けっこう限られてると思うんだが」


桐子 「か、カードゲームとかできるでしょ?足でカードを広げながら片手で捨てて…」


和野方 「足でやるのはちょっと…たしかに出来なくはないが」


桐子 「うっ…そ、それじゃ!」


和野方 「そんな無理しなくていいよ 俺はみんなとそういう遊びができないことわかってるから」


桐子 「でっでも…」


和野方 「桐子は自分の好きなことをしててくれ 俺は俺なりの好きなことしてるから!」


和野方 「それじゃわるいが俺は行くよ 邪魔して悪かったな」ガチャッ


和野方 「なにかあったら呼んでくれ すぐ駆けつけるから!」タッタッタッ…


桐子 「あ、ちょっ!」



パタンっ…


桐子 「………」


桐子 「…やっちゃったなぁ すっかり忘れてたよ 長谷くんの片手ないこと」


桐子 「一緒にゲームなんてできるわけないのに…悪いことしちゃったよ」


桐子 「(しかも長谷くんは優しいから私に気を使ってくれたし…ダメだなぁ 大学生として情けないね)」


桐子 「……次は気をつけないと」













学園生活部部員の部屋がある方角の通路



和野方 「…」タッタッタッ…


和野方 「(…変に話を区切っちまったが気にしてないかな?桐子のやつ あの場にいても気まずいままだと思ってすぐ出てきちまったが)」


和野方 「(まぁ気にしてたら、気にしてないことを言うか そうすれば少しは気が晴れるだろ)」


和野方 「(しかし情報の捜索の許可がもらえなかったのが痛いな いくら佐倉先生に任せてるとはいえ、多少なりと俺も捜索しないとわるい)」


和野方 「(無断で捜索してるのがバレたら怒られるしなぁ 一度バレたら絶対警戒される)」


和野方 「どうしたもんかなぁ…」ンー…



美紀 「なにがどうしたんですか?」


和野方 「うぉっ!?みっみき お前いつの間に俺の後ろに?」


美紀 「今来たところです それよりもこんなところでなにしてたんですか?」


和野方 「あぁ ちょっと桐子のところに行ってたんだ」


美紀 「とうこ先輩のところにですか?なんでまた」


和野方 「…」キョロキョロ 辺りを見渡して誰もいないことを確かめる


和野方 「…お前にはもう話してあるから話すが ちょっとこの学校全体を調べようと思ってな」


美紀 「っ! なるほど 把握しました」


和野方 「おっおぉ…もうわかったのか?俺が調べようとしてること」


美紀 「はい この学校でタイラントの情報書類が見つかっているので、その研究室 または詳しい情報が書かれたものがないかを調べるためですよね」


和野方 「…さすがだな お前はほんとに頭の回転が早い 説明するのが省けるよ」


和野方 「それでこの学校の構造に詳しい桐子にいろんなところを調べたいから教えてくれと言ったんだが断られてな」


和野方 「奴らに噛まれたりなんてされたら終わりだからな まさか感染してるから平気だなんて言えねぇし…」


美紀 「たしかに言えないですね くるみ先輩も感染してること隠してますからね」


和野方 「粘ったんだが全部ダメと言われたから諦めて部屋に戻ろうとしてたんだ そのときにお前が後ろから話しかけてきたんだ」


美紀 「なるほど 全て理解しました」


提督 「それでお前こそなんの用でここにいたんだ?理瀬のところに行くため…て感じじゃないな しかも道違うし」


美紀 「はい 長谷さんに用があって来ました」


和野方 「おれに?なんの用だよ」


美紀 「…今晩、くるみ先輩と……えと、え んんっ!!」///


美紀 「……いかがわしいことしますよね?」///


和野方 「…まぁ おそらくは(言い直した…)」


美紀 「手出しは許可しますが最後までするのはダメです それだけは守ってください」


和野方 「……っえ」


美紀 「くるみ先輩はストレス解消のためにしてもらってるんですよね?ならそれを無理に止めるのはいけません」


美紀 「ですが限度はつけてください 限度さえ守ってくれれば、くるみ先輩だけは許可します」


和野方 「…あんまり俺の口から言うのもあれだが、悠里はやめた方がいいのか?」


美紀 「ゆうり先輩は自暴自棄になる可能性があるのでダメです 過去に断りきれなくて手を出した前歴があるんですからまた同じ結果になってしまいます」


美紀 「いくら感染させないようにしたとしても万が一のことを考えてしないでください 多少のハグ程度なら許可しますが」


和野方 「逆に聞くがいいのか?手を出すことを許可して」


和野方 「何度も言ってるが俺は男だぞ?手を出すことを許可したらどうなるかわからないぞ 今まで通り警戒してくれた方が俺的にはありがたいんだが」


美紀 「信じてます あなたのこと」


和野方 「っ!」


美紀 「…もしまちがった方向へ行ってしまったら、私が体を張ってあなたを戻します そうならないように気をつけてください」


和野方 「……ほんと、お前たちは俺に対する警戒心が薄いよ もっと警戒してくれよ」


和野方 「わかった お前が体を張らずに済むよう気をつけるよ」


美紀 「おねがいします」













夜ー屋上



和野方 「…」ゴクッ… 胡桃と焼酎を飲みながら半月になった月を見ている


胡桃 「……ふぅ 今日も疲れたな いろいろと」コトッ


和野方 「そうだな 勉強して運動して、いろんなことしてたからな」


胡桃 「…」


和野方 「…」


胡桃 「…なぁながや さっき言ってたみきの首元のことなんだが」


和野方 「………」


胡桃 「…手、出したのか?」


和野方 「…言い訳をしても?」


胡桃 「…いいわけなのか?お前なら言い訳じゃなくて ちゃんとした理由でしたと思うんだが」


和野方 「………」


胡桃 「…まぁどっちでもいいよ 話してくれ」


和野方 「…わかった」


和野方 「でも手出したと言っても首元に跡を付けただけだ それ以外はなにもしてない」


胡桃 「付けた理由は?」


和野方 「…おまえとしてるのがバレたんだ 最後までしてないとはいえ、俺がくるみを襲ってるのを昨日見たらしい」


胡桃 「ーっ!?」///ボッ!!


和野方 「音楽室なら防音付いてるから平気だと思ってたんだが…やっぱり通路に漏れてたんだろうな じゃなきゃバレるわけがない」


和野方 「美紀自信 昨日の行為は胡桃が気持ちよくなりたいから起こした行動だとわかっていたから なんとか追い出されずに済んだ」


胡桃 「……っえ マジで?わたしが気持ちよくなりたいからってわかってたのか?」///カァァ…


和野方 「あぁ お前が俺のことも気持ちよくしてくれるって話しを聞いてたみたいだ でもいつもお前だけしか気持ちよくなってない話しも聞いてたみたいだからそれでわかったらしい」


胡桃 「ーっ…あいつ、一体どの辺から見てたんだよ……!!」///プシュー…


和野方 「それで他のみんなに手を出すなら私を襲っていいからみんなには手を出すなと言われてな だから首元にだけ跡を付けた」


胡桃 「…っえ あいつ、自己犠牲してきたのか!?」


和野方 「あぁ 襲う気なんてないって言っても皆のことを考えて襲えって聞かなくてな 目も本気だったし、断っても無駄だと思ったんだ」


和野方 「だから手を出した 首元に跡を付けただけだが手を出したことには違いない」


和野方 「…ごめん 美紀にまで手を出して」


胡桃 「あぁいや!別におまえのせいじゃないだろ 誘ったのは私なんだからお前が責任負う必要はない」


胡桃 「…しかし、まさか見られてたとは思わなかったぜ さすがに誰かに知られると恥ずかしいな…」///ポリポリ…


和野方 「この前そういうことをした話しをされたら話すって言ってなかったか…?」


胡桃 「一方的はさすがに恥ずかしいぜ 聞かれたら話すけど」


和野方 「一方的じゃなくても話すなよ?とくに悠里や由紀には」


胡桃 「わかってるよ りーさんに話したら殺される お前を取っちまってるんだから」


和野方 「いつ俺がお前に取られたんだ…?付き合ってもないのに」


胡桃 「っ…そうだな 付き合ってないよな」ググッ


和野方 「…くるみ?」


胡桃 「なぁながや おまえ、みきにはなんて言われたんだ?今後襲うことは禁じるって言われてるのか」


和野方 「っえ …いや、一応ストレス発散程度なら許可されてる 悠里の手出しは禁止されてるがお前は限度を考えればいいって…」


胡桃 「…そうか なら今後は気にせずにできるんだな」ニヤッ


和野方 「いや気にせずって いくらかは気にしてほしいんだが…」


胡桃 「…ながや たのみがある」///シュルシュル… 制服に付けてるスカーフを解き脱いでいく




続きは【がっこうぐらし!another story7th】になります。

今後ともよろしくお願い致します。


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