2020-12-04 13:46:22 更新

概要

提督達のムードメーカー滝本飛鳥とその秘書官扶桑を始めとする艦娘達とのとある日の出来事


前書き

皆さんこんにちは!初めましての方は初めましてメットールと言います!
また節操なく新しいの作ってますが今回はスピンオフ回第3回目です!
またいつものことですが駄文、誤字脱字ありますがどうぞよろしくお願いします。






暗い倉庫の片隅で目が覚めた私は思う。

今日も最悪な目覚めだ。


私は親の顔を覚えていない。

生物学上の親は存在するがその親は借金の片に私を売った。そして私を買った連中は他の人身売買で捕まり私は国に保護され数年後適性があったことで艦娘になった。


しかしそこで上官に意見する私のことを疎ましく思った人間に目を付けられ有らぬ嫌疑を掛けられ祖国からも売られた。理由も貧乏で孤児院出身の人間が艦娘なのが気に食わないと言うだけだった。


戦いの中で果てれればどんなに楽だろうか?

今の私は艤装も取り上げられ嫌悪感しかない連中の駒使いだ。


…私はどうすればいいの?どうしたら良かったの?




もし、願いが叶うなら


助けて。


私の運命を変えて欲しい…




______________________





良く晴れた昼下がりの鎮守府。そこで親潮はのんびりと日向ぼっこをしお茶を嗜んでいた。




親潮「穏やかですねぇ」ズズッ




黒潮「なんや、おばちゃんぽいでー親潮」




親潮「黒潮さん」




黒潮「隣失礼するでー」ズズッ




黒潮も隣に座りお茶を啜る。

ここまであっと言う間だった。あの沖ノ鳥島海戦後の海軍再編時、親潮は姉の黒潮と共にこの鎮守府に配属となった頃を思い出した。




親潮「私達もここに来てある程度経ちましたね」




黒潮「ほんまやわー、親潮覚えとるか、ここに来たとき」




親潮「ええ、覚えてますよ」




ハッキリと覚えている。と親潮は自分でも自覚している。

新しい司令、滝本飛鳥は以前から『雷帝』なる二つ名を頂戴して沖ノ鳥島海戦でも大いに活躍した第3鎮守府の提督の1人。その為滝本司令官のことは当時、噂や武勇でしか知ることが出来なかった為。だから着任の挨拶は2人共ガチガチに緊張していたのだが




滝本提督「来てくれてありがとう!俺は滝本飛鳥。よろしくね!」ニコッ




…緊張したのが拍子抜けするぐらい年不相応の屈託ない笑顔で迎えられた。そして




山城「こんな馬鹿だけど仲良くしてやって」




滝本提督「山城酷くない!?」




山城「あんたはまず上官としての振る舞いをしなさい!」




滝本提督「俺が堅っ苦しいの嫌いなの知ってるじゃんかー」




扶桑「二人とも?」




ゲンコツッ!ゲンコツッ!




滝本提督山城「「おおお……」」




扶桑「二人がごめんなさいね?私は飛鳥さんの秘書官を務める扶桑です」




最上「みんなー御飯出来たってー」ガチャ




最初のうちこそ困惑し訓練も大変だったがそれが慣れた今ではものすごくここは居心地が良い。司令官はみんなに分け隔てなく優しく慕われていて容姿は綺麗な青い瞳のイケメンで真面目な時や訓練の時は年相応にキリッっとしてるがいつも楽しそうに笑っており笑顔が素敵な男性だと親潮は飛鳥を意識している。




黒潮「ほんま変わった人やわなー、うちらにもありがとうって良い人のとここれたわー」




親潮「はい…」




二人してしみじみしていると




「よっしゃー!出来たぞーー!!」




不意に歓喜の声が聞こえた。その声の主は




黒潮「今度は司令はんなにやったんや!」




親潮「行ってみましょう!」




おまけはこれだ。誰も考えないことをいきなりし始めるからなおワクワクする。黒潮後を追う親潮はそう感じていた。




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吹雪「司令官!何ですかこの段差とかいっぱいあるの?」




滝本提督「これ?パルクール場だよ!楽しく訓練出来るように朝から作ったんだー」




舞風「パルクール?なにそれ?外人?ダンス?」




滝本提督「走る、飛ぶ、登るを取り入れたスポーツだよ。もとはフランスの軍事訓練の一環だったけどね」




萩風「あの司令、質問が…」




滝本提督「何?萩風?」




白雪「これを広さをお1人で……?」




滝本提督「うん。作った」(^^)v




白雪「よく一から作れましたね…」




飛鷹「この間はビニールハウス改良してたしあなたなんでも出来るわね…」




滝本提督「まあこの位なら楽だよ?頭の中で構想練ってるから」




由良ツバキ「「流石提督さん!」」




滝本提督「ありがとう!それじゃ早速見本を」




「あの、提督」




滝本提督「ん?どうしたの凉月?」




そこに山雲の菜園を手伝っていたはずの凉月が不意に声を掛けた。格好からして直接きたようだった。




凉月「提督にお客様がお見えに…」




滝本提督「俺にお客様?誰かな?」




「お久しぶりなのです。滝本司令官さん」




声は凉月の後ろから聞こえ声の主は凉月からひょっこり顔を出した。見た目小学生くらいの栗色の髪の少女だった。




滝本提督「電ちゃんだ!久しぶりだね」




電「滝本司令官さんも相変わらずで何よりなのです」ニコッ




吹雪「え、あの娘が?」




白雪「確か前元帥の直属部隊にいた…」




電「そうなのです。今も電は大本営に配属しています」




滝本提督「でもどうしたの?電ちゃんがくるなんて珍しいね?」




電「実は元帥からこちらを預かってるのです」ピラッ




そう言った電は飛鳥に一枚の封筒を手渡した。受け取った飛鳥は




滝本提督「取り敢えず元帥に聞いてくるよ。わざわざありがとう」ニコッ




電「どういたしましてなのです。司令官さん後ろのは?パルクールですか?」




滝本提督「そうそう朝から場所作ってて完成したんだよ~今からみんなに手本見せようかと思ってて…」




ここまで言いかけた飛鳥は電を見て




滝本提督「そうだ!電ちゃん悪いけどみんなやり方レクチャーしてくれないかな?」




電「はいなのです!電もやりたいのでいいですよ!」




滝本提督「ありがとう!じゃ最初は『鬼ごっこ』からよろしくね。じゃみんなごめんね!これから元帥に問い合わせしてくるから遊んでてね」




と、飛鳥は電に頼みパルクール場を後に執務室へ向かった。ふと




吹雪「うーん」




白雪「どうしたの吹雪ちゃん?」




吹雪「えっ?ちょっと気になったことが」




白雪「気になったこと?」




吹雪「このパルクール場もだけどこの鎮守府って多分お金かかってると思うんだ。私達のベッドとかもだけど物のグレードが高いって言うか、けどどこからお金出てるのかなって…」




白雪「言われてみれば…」




2人がそんな事を言ってるその間に




黒潮「わっ司令はん。どしたん?」




滝本提督「ごめんね黒潮親潮。ちょっと元帥に連絡をね」




親潮「そう、ですか」




滝本提督「しょんぼりしないで親潮。ごめんねいそいでるからまた後で~」




2人とはそこそこに飛鳥は執務室までひとっ走りしすぐに着いた。




そうして飛鳥と別れた黒潮達が見たのは見事なまでの身のこなしでパルクールを実演する電の姿に驚愕したのだった。




滝本提督「お邪魔しまーす」ドアバーン!




勢いよくドアを開ける飛鳥。執務室では扶桑、山城、最上、三隅、満潮、5人がのんびりお茶をしていた。

ちなみに朝雲、山雲、ミキは菜園にいる。




扶桑「飛鳥さん?」




山城「うっさいわよ馬鹿飛鳥。どうしたのよ?」




滝本提督「もう~山城は酷いな~ってかみんなでお茶してたんだね」




最上「そうだよ。良い茶葉を中村中将から頂いたからね~」




三隅「提督もいかがですか?」




滝本提督「う~ん。悩ましいけど今から元帥に連絡取らないといけないから後でもらうよ」




そう言って飛鳥は自分の執務机の棚を開けて自身の携帯を取り出し元帥にプライベート回線で掛けた。




大堂元帥『おう飛鳥。早かったな』




滝本提督「いえいえそれほどでも」




大堂元帥『褒めてねぇよ。それより今その場に誰がいる?』




滝本提督「扶桑と山城と最上、三隅、満潮ですが」




大堂元帥『……最上と三隅には退室させろ。任務だ、詳細はモニターで続きを伝える』




滝本提督「分かりました、では」ピッ




最上「提督どうしたんだい?」




滝本提督「元帥からの直接の任務だよ。最上悪いけど三隅と退室してもらっていいかな?元帥からのリクエストでさ」




最上「うん、わかったよ三隅ちょっと席外そっか」




三隅「わかりましたわ。では提督また後で」




滝本提督「うん、ごめんね」




最上と三隅が退室し、4人が残った執務室で満潮が口を開いた。




満潮「司令官どういうことよ?元帥から直接なんて」




滝本提督「緊急性が有りそうだけどね」




扶桑「それにしてもこの時に?」




各々が考えを巡らす中モニターの回線が開きそこに元帥が写っていた。




大堂元帥『急で悪いな飛鳥。改めて滝本飛鳥、扶桑、山城、満潮、お前達に任務を伝える』




その任務内容を元帥から伝えられ4人はその内容に強く行き場の無い憤りを感じた。




______________________





2230都内某所




滝本提督「またこれやるなんてね」




山城「ちゃんとそれらしい振る舞いしなさいよ飛鳥」




滝本提督「わかってるよ『美空』ちゃん」




こう言い合って歩いている飛鳥はフォーマルなスーツ姿。山城はもちろん扶桑も満潮も派手さはないが高級なドレスを身に纏っていた。




山城「ほんと無図痒い、不幸だわ…」




満潮「こんなので不幸感じないでよ…」




滝本提督「『美知華』どうしたの?」




扶桑「恐らく緊張しているのかと」




滝本提督「『美知華』わかってると思うけど不用意な大声は駄目だからね、年相応だよ」




満潮「わかってるわよ」




この先の言葉が出てこなかったので気になる扶桑だったが満潮の顔を見てみると顔を赤らめていたのに気が付いた。そして




満潮「お兄ちゃん」




扶桑「うふふ」




山城「どうしました『美鳥』お姉様」




扶桑「なんでも無いわ『美空』あなたも気をつけてね」




山城「ええ」




滝本提督「もう着くよ。みんなアレ使ったね?」




3人が頷き何事もないように歩く4人。そして着いたのは一つの高級ホテルだった。中に入りきらびやかなエントランスを通り受付へ行き手続きを行う。




受付「ようこそお越し頂きました。招待状はお持ちですか?」




滝本提督「はい、こちらになります」ピラッ




受付「お受け取りします。失礼ですが後ろの方は」




滝本提督「自分の妻とその妹。それと自分の妹です」




受付「確認致します」




受付はそう言って電話で確認を取り始めた。そしてじきに受話器を戻し




受付「確認が出来ました。大場飛鳥様。大場美鳥様。柳沢美空様。大場美知華様。どうぞご入場ください」




滝本提督「ありがとうございます」




受付が済み3人の元に戻る飛鳥。その間周囲を確認し見たことがある顔がいることに気付き耳打ちをした。




滝本提督「みんな気付いてる?」




満潮「うん。あそこにいるの大本営の高官よね?」




山城「あっちにも大本営にいる高官とあれは好戦派の軍人ね」




扶桑「あそこで談笑しているのは好戦派の高官とブラック企業の会長だわ」




滝本提督「やっぱり民間人に紛れているね。まあやることは変わらないから行くよー」




3人「了解」




飛鳥達はロビーを通り過ぎバーへ入り中にいた黒服の男に先ほどの招待状を渡した。




黒服「ようこそ、こちらになります」




そのまま黒服の男に奥へ案内され地下へ向かう階段を降りた。その先にあったのは




満潮「…悪趣味ね」




滝本提督「まあ教育に良くないのは確かだよ」




そこは地下だとは思えないほど照明が照らされておりそこかしこで機械音や人の絶叫が聞こえる。




扶桑「都内のこんなところに地下カジノですか…」




山城「灯台もと暗しというやつですよお姉様」




滝本提督「そういうこと、ほらいたよ」




飛鳥が目の動きで3人に自分が見つけたものを教えた。それは車椅子に乗った男でその顔に見覚えがあった。




扶桑「薮田元提督ですね」




満潮「脱走の話は本当だったのね……!」




滝本提督「で匿ったのは親族の経営する会社のホテル。隠れるのにはちょうどいいみたいだ」




山城「好戦派の闇カジノ。本当だったんですね」




満潮「ホテルでは会食、下じゃ闇カジノってやりたい放題ね」




滝本提督「ああ、もう間違いないさ。じゃ始めようか」




そう言うと飛鳥は満潮の手を取り歩きだした。




滝本提督「じゃあ僕達ルーレットで遊んでるから2人も程々にね~」




山城「わかったわ」




扶桑「『美空』あそこのレバー付いて絵柄が動いてるので遊びましょう」




山城「お姉様、あれはスロットですよ」フフッ




扶桑達と別れた飛鳥は空いている席に腰かけ自分の膝の上に満潮を乗せた。




ディーラー「ようこそ、早速おやりになりますか?」




滝本提督「うん、じゃあ取り敢えずこの100コインをベットに赤の14にストレート賭け」




ディーラー「かしこまりました」ペコリ




カジノ客1「おいおい単賭けしてるよあの、若造」




カジノ客2「当たりっこねえのにな」ゲラゲラ




回りにやんや言われているが気にしない飛鳥。ルーレットが回りボールが入れられる他の客からもベットが入る中ディーラーのコールが掛かる。入ったのは




カジノ客3「は……?」




カジノ客4「嘘だろ……」




ディーラー「ボールは赤の14に入りました。そちらのストレート賭けのお客様に」




ストレートの場合ベットはハイリスクハイリターンとなり負ける確率が高い。が勝てば倍率36倍とトンでもない数字になる。飛鳥は3600分のコインをなに気わぬ顔で




滝本提督「じゃあこれを黒の28にベットして」




ディーラー「か、かしこまりました」




またルーレットが回りボールが入れられ回るそしてボールが入ったのは




ディーラー「く、黒の28に入りました…」




滝本提督「うん、次は黒の15にそのままベット~」




ディーラー「は、はい」




その後も飛鳥の宣言した所に吸い込まれるようにボールが入る。普通ならイカサマを疑うがルーレットはカジノの中でも一番イカサマが出来ないと言われる程に出来ないし飛鳥にはしようがない。だからこそディーラーはもちろんカジノのスタッフがざわつき始めた。その近くで




扶桑「凄いわ、美空。また7が3つ揃ったわ!」キャッキャッ




山城「美鳥お姉様はしたないですわ。まだ15回連続じゃないですか」フフフッ




扶桑がはしゃぎながらスロットでスリーセブンをガンガン当てて中のコインを空にするぐらいで回す中飛鳥の膝の上に座っていた満潮が立った。




満潮「お兄ちゃんごめん、ちょっとお花つみしてくる」




そう言った満潮はトイレへ行き携帯を出して今さっきの着信を確認する。相手は朝雲からだった。




満潮(小声)「どうしたの?」




朝雲(小声)『満姉ごめん!舞風達がいないの!』




満潮(小声)「どういうことよ?」




朝雲(小声)『わからない、鎮守府にいなくてカメラ確認したら満姉達の後ついてったみたいで…』




満潮(小声)「舞風だけじゃないでしょ?後は?」




朝雲(小声)『萩風と由良さん』




満潮(小声)「わかったわ。こっちでなんとかするからそっちお願いね」




朝雲(小声)「了解」ピッ




満潮「全く、少し早いけど始めましょう」




やれやれと言わんばかりに小さくため息を吐いてトイレを後にする満潮。そしてここから予定通りに動くことになる為カジノに帰らず従業員通行口からホテルへ向かう。そのころのカジノでは




「お客様。もうそのくらいにして頂けないでしょうか?」




カジノの支配人らしき人間が飛鳥に頭を下げて懇願していた。あれからストレート20連勝しておりあり得ない位稼いでいる飛鳥。このままではカジノをひっくり返しても金が無くなる。




滝本提督「え~もっと遊びたいよ~」




わざとらしくゴネる飛鳥に1人の海軍将校が支配人に声を掛けた。




海軍将校「支配人、ここは私に任せてくれないかな?」




支配人「はあ…」




飛鳥はその海軍将校の階級章を確認した。自分と同じ大佐の階級章で自分より倍位の年の男だった。




滝本提督「ん?な~に?(こいつ確か三笠の元部下の是川って大佐だな)」




おどけながらも相手を観察し出方を伺う飛鳥に気が付いていない将校は仰仰しく飛鳥に応対する。




是川大佐「君、さっきから見ていたがそんなに稼いでしまうと支配人も困ってしまう。ここいらで手を打ってくれないかな?」




滝本提督「手を打つって?」




是川大佐「そうだな…もう景品と換金するとかはどうかな?」




滝本提督「景品?何があるの?」




待ってましたと言わんばかりに支配人が直々に景品リストを飛鳥に手渡した。飛鳥は内容を確認するが




滝本提督「ん~魅力的なものがないな~じゃあ次は黒の」




支配人「お、お待ち下さい!景品はリストのものだけではありません!カジノにあるものであればなんでもお好きなものを差し上げますので!」




その言葉に




滝本提督「ん?今なんでもって言った?」




飛鳥は食い付く素振りをみせると




支配人「はい!なんでも構いませんよ!」




滝本提督「そうなんだ~なんでもね~」




と飛鳥は椅子をくるくる回しながらカジノの全体を確認する。そして




滝本提督「うん!きーめた!」




交換の意向を示した飛鳥に安堵の表情をする支配人と将校。しかしその飛鳥の答えに




滝本提督「あそこの金髪の娘!」




将校は狼狽えてしまうのだった。




是川大佐「金…髪?」




滝本提督「そ、あそこのスタッフの娘!カジノにあるのならなんでも良いんでしょ?支配人」




支配人「ええ、勿論です!」




是川大佐「ちょ、ちょっと支配人……」チラッ




この将校が狼狽えて支配人を説得するのも無理は無い。飛鳥は車椅子に乗っている男に気付かれないよう将校の視線の先を確認した。

薮田は顔を真っ青にしている。




滝本提督(ビンゴだね)




薮田のあの顔をみれば一目瞭然だ。それはそうだあの娘は艦娘なのだから




元帥からの任務はこのカジノで奴隷のように働かされている艦娘の救出、艤装の回収、そしてこのカジノにある脱税の金及び裏金の回収だ。




裏金の回収は一番楽。こうしてお客さんとしてカジノで遊んで勝ってカジノを潰す次いでに抑える。

艤装の回収は満潮と先に潜入してる蓮さんのとこの春雨ちゃんとクーちゃんが平行して行ってる。

ただ艦娘の娘を救出するのにどうするか悩んだが結果この様に向こうの懐を極限まで追い込む事にした。支配人からすれば新人スタッフ1人とカジノなら秤にかけるまでもない。ましてはこいつらは自分の事を優先に考える為そうするように追い込めばいい。


現に支配人は是川に考え直すように説得されているが支配人は聞く耳持たず話を進める。

…目先しか見えてなくて助かるよ




支配人「君、早速彼女に伝えてこい!」




係員「は、はい!」




滝本提督「じゃ交渉成立でいいかな?」




支配人「勿論です!此方が権利書に……」




飛鳥は権利書をしっかり確認した後にサインをしコインを係員に渡した。




滝本提督「はいコイン」




女の子をお金で買うなんて正直嫌悪感しかないけど仕方がない、後で謝んないとだけどこのことが決まってなのか厄介者を追い出せて嬉しかったのか笑顔の支配人を見て気が変わった。




滝本飛鳥「『美鳥』ーちょっといいー?」




扶桑「はい、飛鳥さん。どうしました?」ガラガラ




それを見たカジノのスタッフも客も目を疑っただろう。それもそのはず扶桑がスロットで稼いだコインは恐らくこのカジノの半分のスロット台を空にしたもので持ちきれず台車で持ってきていたからだ。




滝本提督「コイン貸してー」




扶桑「もう、仕方ありませんね」ウフフ




このやり取りに支配人達は顔を真っ青にしている。が、飛鳥は全く気にせず扶桑からコインを借りて




滝本提督「はい、じゃ黒の21にベット」




支配人「もう勘弁して下さい~~~~~~!」




その後も飛鳥と扶桑に徹底的に搾り取られる事になった。




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1時間後、ホテルから出た一行は




滝本提督「いやーすっきりしたー」




扶桑「ふふふ、やりすぎですよ飛鳥さん」




山城「扶桑姉様もですよ」ウフフ




満潮「でも私も見たかったわよ、あいつらの顔」




山城「なかなか見物だったわよ。絶望した後で全員で飛鳥と姉様に土下座してたから」




ちゃっかり合流した満潮と一緒に談笑した後で




滝本提督「満潮、首尾は?」




満潮「こっちは大丈夫よ、目的の物は回収して春雨達が運び出したわ。だけど…」




滝本提督「どうしたの?」




満潮「舞風達がついてきてるみたいで」




山城「あの娘達は何やってるのよ……」ハァ




滝本提督「まあ、それはいいとして」




と飛鳥は一行と一緒にいたもう1人のカジノスタッフだった金髪の少女に向き直りに優しく声を掛けた。




滝本提督「君、具合悪い所とかない?大丈夫?」




しかしその彼女は日本語がわからないのか、自分をどうするのかわからない飛鳥や扶桑達に警戒心を解かずずっと睨みつけていた。




滝本提督「ああ、ごめんね。日本語がわからないのかじゃあ」




飛鳥はとたんに流暢な英語で少女に話しかけた。満潮は話している内容まではわからないが単語を拾って聞いていると先程の飛鳥の会話は心配し気遣っているようだった。




滝本提督『君はパースでよかったよね?俺は滝本飛鳥。日本海軍の大佐だよ』




パース『…どうして私の事を知っているの?』




滝本提督『君を助けに来たんだ。君はこれから日本海軍に保護される事になる』




パース『なんのために?私をどうするつもりなの?』




滝本提督『君に心から笑って欲しいからさ。悲しい顔をしてる女の子を助けるのに理由はいるかい?』




その言葉を自分に向けられた優しい笑顔で言われパースは困惑してどうしていいのかわからなかった。が




バシッ!




滝本提督「いったい!何すんだよ山城!」




山城「あんたはまた歯に衣着せずに言ってんじゃないわよ!」




山城には飛鳥が何を言ったのかわかっていたようでそれを見た満潮が




満潮「山城さん!司令官今度は何言ったのよ!?」




滝本提督「何ってこの間マイ(防空埋護姫)に言ったのそのまんまだけど」




山城「あんたはまた……」




滝本提督「だってそうじゃん、女の子には笑って欲しいじゃん」




山城「そんなんだから大本営からクレームが来るのよ!ここに配属したいって言う艦娘、海軍棲艦が後を絶たないのよ!」




滝本提督「えっ?そうなの?」




満潮「元帥が言ってたわ、お兄ちゃんのファンクラブがいつの間にか出来ててその娘達を中心に配属願い出してるって。ちなみに会長は香取さん」




滝本提督「あっ、だからクレーム」




山城「流石のあんたも察したわね、そうよそれで書類が増えたって今日元帥から直々にクレームを頂いたわ…」プルプル




滝本提督「あ、あはは……」(;゚∇゚)




扶桑「騒がしくてごめんなさいね」ウフフ




パースは困惑しながらも目の前の人間達は今までの人間達とは違う事はわかった。

彼らには今までの人間達とは違い悪意が感じられない。ひょっとしたらいい人なのかもしれない。そんなことを考えていた時




滝本提督「危ない!」




急に飛鳥がパースを強引に引き寄せた。パースがいた場所には銃痕が出来ていたのを見て




パース『こ、これは…?』




混乱するパースを庇いつつ飛鳥は




滝本提督「出てきなよ。そこにいるのわかってるよ?」




その言葉に武装した兵士がわらわらと出てきてそこにはカジノにいた是川大佐と




滝本提督「なんだ、あんたもいたのか薮田元大佐」




カジノにいた車椅子の男。薮田の姿があった。




薮田「ぐぬぬ、貴様知っていてその艦娘を……!」




滝本提督「そうだけど?」




是川大佐「この男…!」




薮田「あの男を殺せ!艦娘は生け捕りにしろっ!」




兵士達「はっ!!」




扶桑「飛鳥さん」




滝本提督「扶桑、パースをお願いね?俺に用があるみたいだから下がってて」




そう言った飛鳥は扶桑にパースを預けると皆の前に出て




滝本提督「逃げも隠れもしないよ。かかってきなよ?」ヒョイヒョイ




銃を携えた兵士達を前にしているも余裕を崩さない飛鳥。それを見た




好戦派兵士A「舐めやがって!」




是川大佐「掃射開始!風穴空けてやれ!」




是川大佐が攻撃を指示しことで思わず目をつぶってしまったパース。たがいくら経っても銃声が聞こえないことに気がつき恐る恐る目を空けると




是川大佐「な、なにをしている馬鹿者!撃て!」




好戦派兵士A「そ、それが…」




そんな事を言っていた兵士を見るパース。辺りも暗く良く見えないが銃が何かに引っ張られている様に見えた。




滝本提督「も~、駄目じゃんこんな危ない物使ったら」ヒョイ




飛鳥は一度手招きして握る。すると兵士達が持っていた銃が全て握り拳を作った右腕に無造作に集まった。




滝本提督「流れ弾が無関係な人に当たったら危ないよ。これ全部没収ね」パッ




拳を解いたらなんと銃がバラバラと地面に落ちてしまった。パースはまるで魔法を見ているみたいな感覚を感じた。




好戦派兵士A「な、なにが…?」




滝本提督「どうしたの?かかってこないの?」




歩を進める飛鳥に対して後退る兵士達。中にはそんな飛鳥に対して果敢に挑む者が




好戦派兵士B「こいつ!」




ナイフを振りかざし飛鳥に切りかかるが




滝本提督「はい残念。お休み~」バチッ




ひらりと避けた際に兵士にタッチしたと思ったら白目を剥いて倒れてしまった。




好戦派兵士C「一体なにが…?」




滝本提督「知りた~い?」ガッ




パース(えっ?いつの間に?)




いつの間にか飛鳥は後退りしていた兵士2人と肩を組む形になっていた。




滝本提督「こういうことさ」スッ




飛鳥が兵士達の側頭部に手をかざしたらと思った。次の瞬間…!




バチバチバチバチバチバチバチッ!




激しい電気が疾り感電した兵士2人は白目を剥いてバタリと倒れた。




滝本提督「俺を誰だと思ってる?」




笑顔で薮田や是川に問いかける飛鳥。その笑顔には威圧感が強く格の違いがありありと突き付けされた。




是川大佐「まさか…『雷帝』……?」




薮田「だ、だがこれならどうかな?」パチッ




萩風「司令!」




薮田の配下が連れて来たのは拘束した舞風、萩風、由良の3人だった。




滝本提督「あら~みんな捕まってたのか」




由良「提督さん…」




舞風「提督!私達のことは…」




配下「だまれ」




舞風「ひっ……!」




配下達は舞風達にナイフを突き付けていた。人質の存在に有利に進められると思っていたとようだが




滝本提督「3人共、直ぐ助けて上げるから待ってね」ニコッ




と言った飛鳥は




配下A「ぶへっ」




滝本提督「はいまず1人返して貰うよ」




またいつの間にか距離を詰めており一撃をお見舞いしていた。




舞風「提督!」




滝本提督「舞風~、後でお説教だからね~」




そう軽く言った飛鳥は次に




滝本提督「俺の萩風に刃物向けないでくれる?」




ゴキッ!




配下B「ぎいやゃゃぁぁぁぁ!腕が腕がぁ!!」




ナイフを持っていた手ごと握り潰していた。




提督「萩風、お待たせ」




萩風「し、司令…」




滝本提督「さて、由良返してくれる?」




配下C「う、うわあぁぁぁ!!」




恐怖で錯乱した配下が由良に向けてナイフを突き刺そうと振りかざした。




舞風萩風「「由良さん!」」




由良「!」ギュッ




自分に向けら迫るナイフに思わず目をつぶる由良、そして




ザクッ!




刺さる音が聞こえたものの痛みが無いことに違和感を覚えた由良。目を空けたらそこには




滝本提督「由良、無事?」




舞風「提督!?」

萩風「司令…!?」




由良を庇って刺された飛鳥の姿だった。ナイフは刃がほぼ刺さっており血も多く流れていた。その姿に




由良「提督さん!?」




パニックに陥る由良、そしてその光景を見て言葉を失うパース。




由良「提督さん、ごめんなさい、ごめんなさい!」ポロポロ




泣きながら飛鳥に謝る由良。その由良に対して




滝本提督「大丈夫だよ、由良」




安心させるように優しく声をかける飛鳥は刺さったナイフを抜き捨てながらドスの効いた声で




滝本提督「でもさ、俺、久しぶりに怒ったよ?」クルリ




その瞬間、場の空気が変わったのを全員が理解し扶桑、山城、満潮の3人以外が困惑していた。




由良「提督さん?…えっ?」




由良は目の前に起こったことにさらに困惑した。何故なら




由良「えっ?傷が…塞がってる?」




ナイフは確かに飛鳥に突き刺さった。だが刺された場所は跡が残らずに塞がって治っていた。その飛鳥は夜空の月を見上げ














滝本提督「ああ、今日は月があんなに紅い」















そう呟いた飛鳥は是川達を見据える。そんな飛鳥に恐怖を、明らかに様子が変わったことにおののく。




滝本提督「由良、舞風、萩風」クルリ




由良舞風萩風「「「えっ?」」」




パース「!?」




滝本提督「扶桑達の所に下がっててね」ニコッ




由良「提督さん?瞳が……」




3人は勿論離れていたパースも驚きを隠すことが出来ない。それもそうだ飛鳥の瞳の色は綺麗な青い瞳だった。だったのだが今の飛鳥の瞳は血のように赤く輝いていた。

夜の闇の中でも爛々と輝く赤い瞳に由良達は自分達から目を離すことが出来ない。飛鳥は由良を拘束していた男に近づき




滝本提督「さて、由良を傷つけようとしたのはこの腕かな?」ガシッ




配下C「ぎゃっ!」




飛鳥は配下の腕をギリギリと捻り上げ、そして




ブチッ!




配下C「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!?」




男の腕を力ずくで引きちぎった。男の絶叫が木霊し、血塗れの惨状、飛鳥の赤く輝く瞳に是川達は恐怖に陥る。

この光景に慣れている扶桑達はいつもの事かと涼しい顔をしているが由良達やパースは目の前の光景に唖然としている。




好戦派兵士D「この化け物!!」バァンバァン!




そんな惨状を目の当たりにして飛鳥に対して隠し持っていた拳銃で攻撃するが




滝本提督「こんなので俺を殺せると思ってんのかよ?」




まるで通用しておらず当たっても直ぐに傷口が修復されて怯みもしない飛鳥。




滝本提督「義理堅くなきゃね、お返し」ヒュッ




と、腕を振るといきなり電気の矢が疾り兵士に直撃する。




好戦派兵士D「ぎゃあ!」




兵士は感電し悲鳴を上げて倒れた。この有り様に




好戦派兵士E「もうだめだ……おしまいだ……!」




好戦派兵士F「勝てるわけがない……勝てるわけがない!」




飛鳥の圧倒的な力の差の前に逃げようとする兵士達。だが




滝本提督「おっと、逃がさないよ。満潮!」




満潮「了解よ!」ブン




好戦派兵士G「おわっぷ!」

好戦派兵士H「なんだ!?」

好戦派兵士I「み、水?」




飛鳥の合図で兵士達に向かって水を撒く満潮。それを確認し




滝本提督「サンキュー!」バチッ!




ばら撒かれた水を伝って電気が疾り水を浴びた兵士達全員が感電する。




好戦派兵士J「がっ……」

好戦派兵士K「ひぎっ……」




1人の例外もなく倒れ伏せる兵士達、残ったのは是川と薮田の2人のみ




滝本提督「さてと、まだやる?」




薮田「あ、あ…あ…」




是川大佐「奴の方が…深海棲艦なんかよりもよっぽど化け物ではないか……」




滝本提督「で、言いたい事はそれだけ?」




是川大佐「き、貴様はそんな力を持っていて何故艦娘や深海共の味方をする!?貴様や大川などが守るべきは人類のはずだっ!?」




滝本提督「は?お前らテロリストも同然じゃん。お前らみたいなスカタン共からヒトを守るのも俺達の仕事だけど」




飛鳥は白けた表情でいい放ち




滝本提督「でもお前らは俺にとっては間違いなく敵だから安心してよ☆」ピース




飛鳥がにこやかな笑顔で言いきった。その言葉に是川は絶句し、苦虫を噛み潰したような表情で




是川大佐「なっ……!ふ、ふん!所詮は化け物は化け物と言うことか!貴様のような化け物はそこの艦娘と言う化け物共と仲良しごっこでもしてればいいんだ!」




この言葉を聞いた飛鳥はおもむろに




滝本提督「へえ、まだそんな事言える元気あるんだ?」ポン




腰を抜かしている是川大佐にニコニコ笑顔で近づきの肩にポンと手を乗せた。




扶桑「あ」




山城「これは」




舞風「どうしました?」




満潮「あいつ、司令官を完璧に怒らせたわ」




萩風「えっ?」




山城「見てれば分かるわ」




要領を得ない舞風達だが静かに飛鳥が行う事を見守る。




滝本提督「今から5つ数えた後に顔面に蹴り入れるけどその口だけで防げるかな?」ニコニコ




是川「な、なんだと!?この若ぞ……!?」




ここにきて是川は自分の身に何かが起こっていたことに気が付かなかった。しかし時すでに遅し




是川大佐(な、何故だ!?体が動かない!?)




滝本提督「いーち、にーい」ニコニコ




是川大佐「ま、待て!」




滝本提督「さーん、しーい」ニコニコ




是川大佐「待ってくれぇ!!」




滝本提督「ごーーおっ!!!」




まるでサッカー選手がシュートを放つかの如く是川の顔面に蹴りを入れた。防ぐことが出来なかった是川は10m程蹴り飛ばされ顔面が陥没しており、これを間近で見た薮田は顔が真っ青になっている。




由良「提督さん何したんですか?」




扶桑「簡単よ、肩に手を置いたときに相手に感じない程度で微弱な電磁波を流したのよ」




萩風「電磁波、ですか?」




扶桑「ええ、その電磁波であの大佐の全身の筋肉組織を麻痺させて動けなくしたのよ」




山城「で、攻撃を何秒後にやるって言って動けない状態なのを気付かせて恐怖心を煽って手を下すのよ」




満潮「司令官怒らせた奴の末路って大体こんな感じよ」




舞風「おー……」




由良「そんな徹底的にやるなんて……流石提督さん!」




山城「あなたは本当にぶれないわね……」




滝本提督「はてさて、薮田元大佐」




薮田「ひいぃぃぃぃ!申し訳ございません!命だけはお助けをぉぉ!」




滝本提督「うーん、そんなに?」f(^_^;




山城「普通トラウマレベルよ飛鳥」




滝本提督「あっ、そっか」




溜飲が下がったのか冷静になってきた飛鳥は落ち着いて薮田に相対した。




滝本提督「改めて薮田元大佐。わかってると思いますが脱獄は勿論。横領罪、恐喝罪、脱税等々と罪状が多いですが、大丈夫ですか?」




薮田「は?」




滝本提督「ただでさえあった罪状が今回一族ぐるみでの犯行となりましたから、ね」




その言葉を理解したのか薮田は車椅子から転げ落ち飛鳥に対して土下座に近い体勢で




薮田「今回は私が持ちかけたことです!家族は関係ありません!ですから罰は私だけに…!」




滝本提督「ああ、却下。てか俺に決定権無いし」




薮田「お願いします!どうか、どうか家族だけは!家族は私の大切なものなんです!!」




その言葉を聞いた飛鳥は表情が変わり抑揚を抑えた声で




滝本提督「…山城、今から言うことパースにも訳して」




山城「…わかったわよ。出来るだけ分かりやすく言って頂戴」




すると飛鳥は土下座している薮田の髪を掴み強引に顔を上げさせ嫌でも自分と目を合わせるようにし




滝本提督「今まで他人の大切なものを奪ってきたんだろう?」




滝本提督「他人の大切なものを壊してきたんだろう?」




淡々と言葉を紡ぐ




滝本提督「だったら自分の大切なものを壊される覚悟は出来てたんだろうな?」




飛鳥の無慈悲な言葉、なによりも爛々と輝く赤い瞳に震え上がる薮田。そしてトドメが




滝本提督「これから始まる地獄を直視出来るように心の準備しとけよ。ドクズな人生お疲れ様でした」ニッコリ




薮田は放心状態となり連中の鎮圧は終わった。それを見計らってかハイエースと軍用車両が入って来てなかからぞろぞろと出てきた大本営の憲兵達が好戦派兵士達を回収している中




滝本提督「お疲れ様。春雨ちゃんクーちゃん」




春雨「お疲れ様です。滝本大佐」

クー「オ疲レ様ー」




滝本提督「じゃあパースのことお願いね」




クー「カシコマリッ!」(≧▽≦)

春雨「もう、クーちゃんたら」




パースは自分の名前が出てきて話が進んでいることに気が付き飛鳥に質問した。




パース『飛鳥、どういうこと?』




滝本提督『君は日本海軍に保護される。だから君は大本営に行くことになるんだ』




パース『私だけ?飛鳥や皆は?』




滝本提督『俺達はこのまま自分達の鎮守府に帰るよ。だからここでお別れだよ』




パース『えっ…』




いきなりの別れに戸惑うパースに飛鳥は




滝本提督『もしよかったらウチ来なよ?』




ゲンコツッ!




滝本提督「いったい!」




山城「だからあんたはそう言うことポンポン言ってんじゃないわよ!」




満潮「司令官?いい加減にしないと私も怒るわよ?」(^^#)




扶桑「3人共、いい加減にしなさい」ニッゴリ




滝本提督山城満潮「「「アイアイマム!」」」




クー「相変ワラズデスネー」




扶桑「春雨さん、騒がしてごめんなさいね」




春雨「いえいえ、いつものことですから。パースさんこちらに乗ってください」




パース『アー…』




いまいち納得出来ないパースを見かねてか飛鳥が近付き




滝本提督『大丈夫だよパース。君の身の安全は保障されるから』




パース『でも…私には……』




飛鳥はパースにしか聞こえない様に何か耳打ちをしたらパースは何か理解したように春雨達に案内されたハイエースに乗り込んでいった。




滝本提督「さて、俺達も帰ろう」




満潮「そうね」




由良「あ、あの、提督さん…」




滝本提督「ん?どうしたの?」




由良「今回は勝手な事をしてしまい…」




滝本提督「ああ、いいって帰ってからで」




由良「それでなのですが、あの、処分は由良だけに…」




滝本提督「うん、却下」




由良「えっ?そんな、話を」




滝本提督「ちょっとキツく言うね。それは由良の都合でしょ?俺からはただ3人は命令違反をしたにしか見えないよ」




飛鳥の言葉を返すことが出来ず黙って聞いていた。




滝本提督「お説教を聞くこともだけど、由良達3人共に処分も言い渡すからね」




由良舞風萩風「「「はい…」」」




すっかり意気消沈した3人。それを見て




滝本提督(小声)「扶桑どうしよう…言い過ぎたかな?」




扶桑(小声)「大丈夫ですよ。今は自分達で考える時間が必要なだけです」




滝本提督(小声)「そっか、それならいいかな」




扶桑(小声)「飛鳥さんは優しすぎます」




______________________




闇カジノ潰しから2日後、飛鳥は執務室で朝雲と山雲と共に書類を片付けていた。




滝本提督「よし、これで終わりー」




時刻は10時。1日掛かる仕事を1時間弱で終わらせ軽く身体を動かし骨をボキボキと鳴らす




山雲「司令さん、お疲れ様です~」




朝雲「コーヒー淹れたわ、はい」




滝本提督「ありがとう」




朝雲の淹れてくれたコーヒーを口にする飛鳥。山雲が何か思い出したように




山雲「そう言えば~、舞風ちゃんや~由良さんが~おとなしいですね~」




朝雲「当たり前よ。こないだの処分で飛鳥兄に3日間の接近禁止令出したんだから」




滝本提督「やりすぎたかな?全然笑ってないから心配だよ」




朝雲「…優しすぎよ飛鳥兄」




滝本提督「扶桑にも言われた」




山雲「それが~お兄さんの~良いところですけど~ね~」




コンコンコンッ




滝本提督「どうぞー」




ミキ「失礼シマス。オ菓子ヲオ持チシマシタ」




滝本提督「ありがとー!」




ツバキ「フフフッ、喜ンデ頂ケテ嬉シイデス」




滝本提督「ツバキもいたんだ。吹雪と白雪と黒潮と親潮もいらっしゃい」




黒潮「司令はんお邪魔するでー」




白雪「失礼します」




朝雲「人多くなったわね、コーヒー足りるかしら…」




滝本提督「足らないね。じゃあ俺が紅茶淹れるよ」ガタッ




飛鳥はおもむろに席を立つと慣れた手つきで保温棚のポットとカップを取り出し茶葉をポットに入れお湯を注ぎしばし蒸らす、蒸らし終えたら人数分のカップに紅茶を注いだ。




滝本提督「どうぞ」




飛鳥は自分以外の8人分の紅茶を入れ朝雲達の目の前に置いていった。




吹雪「えっ?司令官は?」




滝本提督「俺は朝雲が入れてくれたコーヒーがあるから大丈夫。それに俺自分が入れた紅茶は飲まないんだよ。さ、飲んでくれるかな?」




黒潮「いただきまーす」




ツバキ「飛鳥サン頂キマス」




親潮「あっ、美味しい…」




ミキ「イツ飲ンデモ御兄様ノ紅茶ハ美味シイデス」ニコニコ




滝本提督「ありがとう」




みんなと楽しくお茶を楽しんでいた時に、ふと黒潮がおもむろに口を開いた。




黒潮「司令はん、舞風と萩風のことは本当にご迷惑を、姉分として謝罪させて頂きます」




滝本提督「いいよ黒潮。ちゃんと処分も決めて今も執行中だから」




ツバキ「舞風サンハ大丈夫デショウカ?」




ミキ「『提督に嫌われたらどうしよう…』ッテ言ッテイタミタイデスカラ心配デス」




親潮(ん?ミキさん、萩風さん達の部屋に行ったかしら…?)




黒潮「いつまでも甘やかしたらあかん!ウチらもまがいなりにも軍人の端くれなんやからメリハリ持たなあかんよ」




朝雲「一番ごもっともな意見ね」




吹雪「あの、司令官。そういえば萩風さんが言ってたんですけどよろしいですか?」




滝本提督「ん?なーに吹雪?」




吹雪「司令官の敵ってなんですか?」




滝本提督「女の敵」




吹雪「へっ?」




即答に近い飛鳥のこの答えに吹雪は勿論黒潮達5人がきょとんとし、拍子抜けしていた。




滝本提督「女の敵は俺の敵だよ。俺の部下を侮辱する奴は特に」ニコッ




吹雪達は呆気にとられているところに




朝雲「あんまり気にしないほうが良いわよ~飛鳥兄単純だから」ズズッ




山雲「お兄さんは~女の子の~味方ですから~ね~」ズズッ




滝本提督「まあ、優先順位ってのもあるけどね、少なくとも薮田みたいな野郎に好かれるより吹雪達みんなに好かれたいからね」ズズッ




白雪「そういえばその薮田元大佐や捕まった人達は…」




滝本提督「是川と周りの部下達は全員軍事裁判行き。薮田は今までの罪状プラスで禁固刑、出所次第罰金刑。薮田の悪事に関わった薮田の家族の会社は脱税や人身売買の事実が発覚して会社は倒産、破産は認められず全員で脱税のペナルティの罰金を払うために家族総出でベーリング海行き」




親潮「ベーリング海行き?」




親潮を始めベーリング海行きと聞いても首を傾げたり、ピンとこない一同。唯一理解した




黒潮(このご時世ベーリング海行きって命いくつあっても足らんわ~)ズズッ




唯一状況を理解した黒潮は涼しい顔をしながら紅茶を飲んでいた。また吹雪は前々から気になっていたことを聞くことにした




吹雪「あと司令官、ここの鎮守府って私達のベッドとか私達が使う物ってお金かかってると思うんですけどお金ってどこから?」




滝本提督「ん?お金?ん~言ってもいいかな」




親潮「言いずらいことなんですか?」




滝本提督「言うことじゃないな~良く言えば報酬、悪く言えば良くない金」




黒潮「どないこっちゃ?」




朝雲「要は闇カジノ潰した報酬ってことよ」




白雪「?それならなんで良くないお金なんですか?」




滝本提督「出所が怪しいの、だからね」




ツバキ「チナミニ今回ノ報酬ハ?」




滝本提督「それはノーコメントで、言うことじゃないよ。汚い金だから」




親潮「……そんな事ありませんよ」




朝雲「親潮さん?」




親潮「お金に綺麗も汚いもありませんよ。時としてお金は命より重くなりますから…」




吹雪「えっ?」




黒潮「親潮ストップ!司令はんほんまにごめんなさい」




滝本提督「俺こそごめんね。謝らせてばっかりで」




黒潮「気にせんといてぇな。姉の責務や」




飛鷹「失礼するわね」




このタイミングで飛鷹が来てくれた。これ幸いと飛鳥は場の空気を変えようとして




滝本提督「おー飛鷹いらっしゃい。紅茶いる?」




努めて明るく振る舞い飛鷹を迎えた。




飛鷹「いい?なら頂こうかしら」




滝本提督「オッケー、じゃあちょっと待っててね」




飛鳥は飛鷹の分の紅茶を準備している間




吹雪「飛鷹さん、仕事でベーリング海に行くって何することなんですか?」




飛鷹「ちょっ!誰から聞いたの?」




親潮「司令からです。薮田元大佐の家族が罰金を払うためにベーリング海行きって仰っていて」




飛鷹「ああ、そう言うことね…」




白雪「飛鷹さんはご存知なのですか?」




飛鷹「貴方達は知らなくていいことよ……」




ツ吹白親「「「「?」」」」




滝本提督「飛鷹お待たせ~、どうしたの?」




飛鷹「なんでもないわ。紅茶ありがとう」




飛鷹は飛鳥から紅茶を受け取り一口




飛鷹「美味しいわね、あなたなんでもできるのね」




滝本提督「そんなことないさ、紅茶の入れ方や掃除の仕方は徹底的に叩き込まれたからね。これくらい出来ないと」




吹雪「叩き込まれた?」




滝本提督「昔お世話になったお屋敷のメイド長にね、特に紅茶の入れ方は妥協は許さない人だったよ」




親潮「お屋敷にって、司令お屋敷で働いてたのですか?」




滝本提督「そ、使用人としてね」




黒潮(そう言や司令はんの昔の事聞いたことないなぁ)




飛鷹「へぇ、以外だわ」




白雪「司令官の使用人姿…」




ツバキ「見テミタイデス!」




滝本提督「また今度ね、そういえば朝雲、今何時?」




朝雲「今は11時前ね、どうしたの?」




滝本提督「ごめん、言い忘れてた。今日また3人来るんだ」




朝雲「はぁ!?」




山雲「あら~いけませんわ~」




飛鷹「貴方、なんでそんな大事なこと忘れるのよ!?」




滝本提督「いやぁ、昨日の夜急に決まってさー、由良達心配だったし、ね?」




吹雪「あ、あはは」




黒潮「司令はんらしいな~」




コンコンコンッ




滝本提督「はーい、どうぞー」




ガチャ




涼月「提督、失礼します」




山雲「あら~、涼月さん、どうなさいました~」




涼月「今日配属されると言っている方々がいらっしゃってまして……」




滝本提督「ああ、涼月ごめんね。その3人なら配属は本当だから通していいよ」




涼月「わかりました、皆さんどう」シュッ!




涼月が言いきる前に2つ程の影が横をすり抜けて




「御兄様♪」

「アスカー」




滝本提督「おーっと!ご苦労様ーマイ、レナ」




ツバキ「アラ、オ二人共」




一目散に飛鳥に飛び付いていた。飛び付いたのは涼月と同じ制服にフードを被った女の子ともう1人は暁姉妹と同じ制服の女の子。ただ共通点は2人共に白髪な位。




親潮「えっ……!?」




飛鷹「ちょっと…?」




黒潮「マジかいな……」




朝雲、山雲、ミキ以外の人間が絶句していた。それもそのはず




白雪「あの司令官…?」




滝本提督「ん?どーしたの?」




吹雪「そっちの人、戦艦レ級ですよね…?」




滝本提督「そーだよー、ほら2人共挨拶!」




マイ(防空埋護姫)「皆様初メマシテ、本日ヨリオ世話ニナリマス防空埋護姫ノマイト申シマス」ペコリ




レナ(戦艦レ級)「アタシハレ級ノレナダヨ、ヨロシクー」




飄々と自己紹介をする2人に吹雪達は呆気にとられていた。が




黒潮「なあ司令はん、この2人も支給なん?」




滝本提督「ミキとツバキと一緒で支給だけど。ちょっと事情が変わってね」




白雪「事情?」




滝本提督「ミキとツバキもだけど支給兼業なんだよ。親潮、後で萩風達の所に行ってもらえるかな?禁止令は解除って」




親潮「えっ?解除ですか?」




滝本提督「そ、状況が変わったんだ。ご飯前にみんなに話すよ。ってそうだ。ごめんね、騒がしくて」




「いいえ、構わないわ」




黒潮「はわ~、外人さんや」




ツバキ「綺麗ナ金髪ノ方デス」




山雲「あら~司令さん~、この方は~お知り合いですか~?」




滝本提督「うん、そうだよ。あれ?日本語は話せないんじゃ」




「艤装に翻訳機能を着けて貰ったの、日常会話ぐらいなら大丈夫よ。改めて」




パース「軽巡パースよ。今日から第14鎮守府に配属になります」




パースと再会した飛鳥は昨日の元帥との話を思い出していた。




______________________





滝本提督「パースをウチに配属させる、ですか?またなんで?」




大堂元帥「パース自身の希望だ。祖国とはいえ自分を売った人間達を信用する気はなく家族も帰る所もないそうだ」




滝本提督「その話は先に聞きましたけど、まあパースの言い分も解らなくもないですね」




大堂元帥「そしてオーストラリア政府もパースの件は公にしたくなく『なかったこと』にしたいそうだ。現に向こうではパースはMIA扱いだ」




滝本提督「胸糞悪ぃ……!」




大堂元帥「かっかするな飛鳥。こちらも公にしない変わりにパースの人身売買に関わった連中は全員懲戒免職にすることを条件にした。もう関わった連中は全員軍を追い出されたぞ」




滝本提督「そうっすか。ちっ」




大堂元帥「そうでもしねえとお前が八つ裂きにしに行くだろうが。ったくお前はこの類いの事には夕禅達以上に抑えが効かん」




滝本提督「……すいません」




大堂元帥「だが俺はお前のそういうとこが気に入っているからな、気にならんよ」




滝本提督「ありがとうございます」




大堂元帥「それと、夕禅からの報告だ。好戦派が核砲弾の開発に着手し始めた」




滝本提督「なっ……!」




大堂元帥「その為戦力を増強する。パースは勿論だが支給扱いの海軍棲艦は全員兵士として再登録。お前達の鎮守府に戦艦相当の人材を最低1人明日配属させる」




扶桑「また急にですね。ちなみにここには」




大堂元帥「防空埋護姫のマイと戦艦レ級フラッグシップのレナだ」




扶桑「あらマイちゃんとレナちゃんですか。また賑やかになりますね」





大堂元帥「夕禅の所は航空戦艦相当の泊地棲鬼のハクと欧州棲姫のイリス。龍生の所は戦艦棲姫のイクサと戦艦レ級フラッグシップのレツ。修介の所は重巡棲姫のジュンと航空戦艦相当で装甲空母鬼のソウ。蓮次の所は戦艦仏棲姫のコニーと南方棲戦姫のセイナを配属だ」




滝本提督「わお。名前だけ聞くと凄いっすね」




大堂元帥「伊勢と日向もいるが本土防衛を任としている第13鎮守府に配属してる他高雄や愛宕、妙高と那智羽黒、北上大井達も本土防衛に徹している以上戦力は裂けられない。この為に戦艦型の量産型艤装の配備を急がせた」




扶桑「配備間に合ったのですね。そういえば高雄さんと愛宕さんといえば第6鎮守府に配属してましたね」




滝本提督「正蔵とこだよ、そういえば正蔵が言ってたなー2人共『夜戦』が激しいって」




扶桑「あらあら」




大堂元帥「まあ、そんな所だ吉報を期待しているぞ」ピッ




元帥との通信を終え一息を入れる飛鳥。そこに扶桑がこんな事を




扶桑「パースさんに何を言ったんですか?」




滝本提督「気になる?」




扶桑「ええ」




滝本提督「うーん、内緒♪」




扶桑「意地悪ですね」




滝本提督「だって扶桑にしか言ってない言葉もあるからね。だからパースにだけ送ったんだ」




扶桑「ならそういう事で手を打ちましょう。でも何故パースさんはあそこで働かされていたのでしょうか?」




滝本提督「最初は娼婦にするつもりだったらしいよ。でもパースが反抗してキスを迫ってきた将校の鼻を噛み千切ったんだと」




扶桑「…成る程」




滝本提督「で、いくら殴っても絶対に服従しなかったからか、下手にヤろうとするもんなら舌噛み千切られるか一物噛み千切られるかになるからあそこで働かされてたんだって」




扶桑「人は見かけによりませんね」




滝本提督「そうかな?あの時の目を見てたら納得したよ。パースは由良に指揮させる邀撃前衛部隊に編入させるから」




扶桑「その後衛部隊の指揮を黒潮ちゃんに、ですね?」




滝本提督「適任でしょ?」




______________________




滝本提督「改めて、ようこそ第14鎮守府へ、俺が提督の滝本飛鳥です。3人共、今度ともよろしく。乾杯!」




全員「乾杯!」




時は進み夕食時、3人の歓迎会が行われておりそこで




滝本提督「はーい!みんな食べたい具トッピングしたら言ってねー!焼くから!」




「はーい!!」




飛鷹「あなたいつの間にピザ窯作ったのよ」




滝本提督「2週間前。それより飛鷹飲んでる?ワイン足りてる?」




飛鷹「うふふ、大丈夫よ。それにしても隼鷹の事気にしない分気が楽だわ」つワイン4杯目




親潮「大本営にいる飛鷹さんの妹さん、でしたでしょうか?」つブドウジュース




飛鷹「そうよ、まあ大本営は那智もいるし後は…そうそう港湾棲姫のコウさん達もいるから飲み友達には困ってないそうよ」ゴクッ つワイン5杯目




黒潮「なかなかおもろい状況やなぁ」つワイン2杯目




飛鷹「あの2人は居酒屋でも普通に周りに絡んで酒盛りするから問題ないわよ。それにしてもこのサラミ美味しいわ」モグモグ つワイン6杯目




親潮「飛鷹さんよく飲みますね…」




マイ「親潮サン焼ケマシタヨ。照リ焼キチキンデス」




親潮「ありがとうございます!黒潮さん来ましたよ!」




黒潮「落ち着きや親潮。逃げんから」アハハ つワイン3杯目




滝本提督「焼けたよー!これはポテトにホワイトソースにサラミは、吹雪の!」




吹雪「はーい!司令官ありがとうございます!白雪ちゃん食べよう!」つブドウジュース




白雪「うん!いま切るね」つブドウジュース




滝本提督「次焼けたのはトマトソースにシーフードだから満潮だよー!」




満潮「ありがと、」つワイン3杯目




朝雲「満姉持ってくるから座ってて」




山雲「みんなで~仲良く~食べましょう~ね~」つワイン4杯目




朝雲「あんたは酔ってるのか通常運転なのかわからないわね…」つブドウジュース




滝本提督「朝雲ありがとう。次はトマトソースにアスパラ、コーンは萩風だよー!」




萩風「司令ありがとうございます。ミキさん食べましょう」つブドウジュース




ミキ「イタダキマース」つワイン3杯目




滝本提督「サラミにコーンにタルタルソースだから舞風ー!焼けたよー!」




舞風「はーい!提督ありがとう!」つワイン4杯目




レナ「舞風食オウゼー!」つワイン5杯目




三隈「珍しいですわね、舞風さんと萩風さん」つワイン3杯目




最上「あの2人いつも仲良いけど食べものは好み別れるそうだよ」つワイン3杯目




滝本提督「はいはい2人のピザも焼けたよー♪マルゲリータお待ち」




最上「ありがとう提督。いただきます」




三隈「提督もご一緒にお食べになりませんか?」




滝本提督「うーん。もうちょっと待っててね。扶桑と山城のも焼けたよー和風シーフードピザ」




扶桑「ありがとうございます飛鳥さん」つワイン5杯目




山城「飛鳥変わるわよ。そこのピザ焼けたみたいだから貴方はあっち行ってあげなさいな」つワイン5杯目




滝本提督「うん、そうするよ。ありがとう山城」ニコッ




飛鳥はマルゲリータと4本程何かのビンを持って山城が指差していたテーブルに向かった。その姿を見て




山城「全く、ホントに世話がかかるわ」




扶桑「私達の旦那様は、かしら?うふふ」つワイン6杯目




山城「姉様、酔ってますね」




扶桑「いいじゃない山城。それに否定しないのね」




山城「…しませんよ。姉様今日は付き合ってくださいね」つワイン6杯目




扶桑「よーそろー♪」




山城「この酔っぱらいが…。涼月とマイ焼けたわよホワイトソースにカボチャとアスパラ」




______________________




滝本提督「はーい。3人共楽しんでる?」




由良「あっ、提督さん」つブドウジュース

ツバキ「飛鳥サン」つブドウジュース

パース「飛鳥」つブドウジュース




滝本提督「ここは比較的平和だね。よかったよかった」




ツバキ「平和?」




滝本提督「あれ」ユビサシ




飛鳥が指を指した方を見る3人、見ると酔っ払って踊り始めた舞風とレナ。酔った満潮を介抱しながら山雲に手を焼く朝雲。吹雪と白雪に絡み酒をし始めた扶桑などなかなかの状況だった。




由良「若干カオスですね」




滝本提督「うん、皆あんまりお酒飲まないから仕方ないね。それに今日はワインも結構出したし」




ツバキ「飛鳥サンハワインガオ好キナンデスネ」




滝本提督「そうだよー。赤ワインが特に好きでね、かなりあるから飲みたくなったら言ってね」




パース「お酒か、飲める機会なんてなかったわ」




滝本提督「パースも大丈夫?皆とは話せてる?」




パース「大丈夫よ。翻訳機のおかげで話すことは問題ないわ。それに」




滝本提督「?」




パース「ここの皆は優しいわ。扶桑達もミキ達も、勿論貴方も」




滝本提督「ふふ、ありがとう」




由良「むぅ~」




ツバキ「由良チャンドウドウ」




飛鳥と良い雰囲気で話しをしているパースに対して少しヤキモチを焼いた由良だったが、ふと飛鳥が持っていたビンに気が付いた。




由良「提督さん?その持ってるビンは?」




滝本提督「これ?これは3人と飲もうと思って持ってきたんだ。はい」ヒョイ




ツバキ「ナンデスカ?」




滝本提督「シードルだよ。リンゴジュースみたいなお酒でお酒弱い娘でも飲みやすいんだー」




由良「ありがとうございます」




ツバキ「ジャア早速…」




扶桑「飛鳥さーん。こっちのアイスワイン開けますねー♪吹雪ちゃん達も飛鷹さんも飲みましょう♪」




飛鷹「やだ!このアイスワインレア物じゃない!」




吹雪「甘くて美味しーい♪ジュースみたい」




白雪「扶桑さんもう一杯下さーい♪」




朝雲「司令官!私にもシードル頂戴!飲まないとやってらんない!!」




と席を立とうとした朝雲だったが




ガシッ!




朝雲「!?」




満潮「あさぐもぉ、おいてかないでぇ」ウルウル




ガシッ!




朝雲「!!?」




山雲「あさぐもちゃ~ん」ニコニコ




朝雲「司令官~、た~す~け~て~」




滝本提督「朝雲いま行くよー!ごめんね3人共」




シードルを飲む直前で朝雲に呼ばれてしまった飛鳥は朝雲達の所へ行き





滝本提督「朝雲ごめんね、はいシードル。満潮寝るならこっちでね」




満潮「えへへ~、お兄ちゃん♪」ダキッ




山雲「お兄さ~ん♪」ダキッ




朝雲「飛鳥兄ありがとう…」




滝本提督「いつもありがとうね朝雲」ナデナデ




朝雲「えへへ」///




レナ「アスカー♪」ボフッ




由良達3人は飛鳥達の様子を見て




由良「いいなぁ」




ツバキ「酔ッパラッテ凸スル?」ゴクッ




由良「それはいいや正々堂々としたいし、ツバキさんとパースさんは由良に付き合ってください」ゴクッ




パース「私も?」(・_・)




由良「勿論です!では改めて」




そう言った由良はシードルのビンを前に出し




由良ツバキ「「かんぱーい」」チンチン




パース「か、かんぱい」チン




戸惑いながらも乾杯を交わすパース。シードルを一口飲み改めて飛鳥達を見た。

人間だろうと艦娘だろうと深海棲艦だろうと皆楽しそうに、まるで家族の様な雰囲気にパースは今までいた場所とは明らかに違う。


自分の居場所が有ることを感じながらあの日の飛鳥の言葉を思い出した。




滝本飛鳥『パース、運命って言葉を知ってるかな?日本語だと命を運ぶって書くんだ。パースは今君はこれからどうするか自由だ。自分の命は自分で思う通りに運ぶんだよ』




パースは飛鳥の言葉を信じる事を決めた。


自分の命を自分で運ぶ事を教えてくれた人の為に、自分の運命を変えてくれた飛鳥の為に






後書き

ベーリング海、それは世界一過酷なカニ漁。読んで頂きありがとうございます!
構想練れてると自分で言っていたのにも関わらず長くなってしまい申し訳ありませんでした。
次の話も考えているのでどうぞよろしくお願いします。


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