2015-08-28 22:45:04 更新

概要

続編だよ。よかったらみてね。


前書き

例のごとく駄文にご注意。更新はできれば毎日したいけど忙しいときは週末です。


簡単な紹介(順次付け足ししていく予定)

しおい
艦娘兼提督。現代からTS転生。一応大本営支部元帥。

紫瑞(むらたま)
名前は適当。妖精さん。技術開発担当。

レイン
レ級elite。たまに壊れる、多分。

秋月
対空担当。ディカブラース(дикобраз、ヤマアラシ)を使う。

Верный
対潜担当。薊、レラーを使う。

伊168
イムヤ。ミサイル潜水艦。でもMk48魚雷もよく使う。

大鳳
原子力空母に改装された。F15搭載。


ヴェルの前方50m。黒い怪物、イ級後期型と呼ばれるものが口腔内の砲身を向けている。


ドオンとその5インチ砲弾が発射された。


それをヴェルは体をずらして回避、次いでホルスターからレラーと薊を引き抜き目の前の怪物に劣化ウラン弾を叩き込んだ。


計6発発射されたその弾はイ級後期の頭部を正確に吹き飛ばし、イ級後期は沈黙した。









「司令官、入るよ」


「ああどうぞ」


深海棲艦の狩りが終わったヴェルが執務室に入ってきた。


「これが今日の結果」


送られてきた報告のデータにざっと目を通す。


「ふむ。お疲れ。戦果はル級1にリ級2、イ級後期3か」


「まだル級は手ごわいね。」


「まず駆逐艦が相手にするような敵でもないと思うがな。んで最近はどうだ」


少し呆れながらも最近の様子を尋ねた。


「そうだね、薊とそれから司令官から渡されたレラーの調子はすこぶる良いよ」


「そうか。そういえばいつのまにか敵に突っ込んでいく戦闘スタイルになっていったが」


「あの火力のハンドガンを遊ばせておくのはもったいないし、なにより突っ込むのは楽しいからね。」


いつのまにか戦闘に楽しみを見出すようになったようだ。


以前はそうでもなかった気がするがまあいいか。


「それからこのハンドガンも結構気に入っているしね」


「それはなによりだ。」


ちなみにレラーのほうは以前は俺が使っていたものだが、最近全く使ってなかったのでヴェルにあげたのだ。


その結果がこれだがな。











「今帰った」


レインが帰ってきたようだ。


今日は秋月とともに実戦対空訓練をしていたはずだ。


「司令、秋月ただいま帰投しました」


無事に帰ってきたようだ。


「お疲れ。んで秋月の様子はどうだ?」


「遠距離射撃も十分。エンガノの訓練の時よりも敵機の撃墜が大幅に増えた」


「ディカブラースの扱いにもだいぶなれてきました」


「ほう」


これならば敵泊地殴り込みでも問題はないか。


「でもディカブラースすごくいいですね。以前にはできなかった100km超の対空射撃が実現できているんですから」


ちなみに秋月は防空のことをたいてい気にかけている。


「これでもうやらせはしません」


前のレイテが気にかかっているのだろうか。


「んじゃこれからも艦隊の防空は頼んだぞ」


「お任せください」








「それから空対空ミサイルのデータ採集もこれでいいんだよね」


「ああ、十分だな」


レインからESSMを飛び魚艦戦改に搭載して採集した実戦データをもらう。


「さあごほうび」


「うん?これでいいのか?」


レインの頭をなでた。


「足りない。夜に加算」


「アッハイ」


「夜になったらしおいとでーぷして×××して・・・・・・」


恐ろしい言葉が聞こえてきたが気にしない。


夜に逃げ切れるかなあ。


「レロ」


そういえば最近また舐めたり


「クンカクンカ」


臭いをかいだり


「ん~おいひい」


人前ででーぷをするようになったな


なぜだ。解せぬ。









I:司令官、Mk60キャプチャー魚雷の敷設完了したわ


S:お疲れ。戻って休むといい。


I:分かったわ。


イムヤについてはまあ最近はこういった雑務を任せたり一緒にオリョールに行ったりしている。


以前に資料の整理を頼んだことがあるが、かなり分かりやすくまとまっていて、事務処理能力の高さを感じた。そのため事務方などはイムヤに任せることもある。


また、オリョールではMK48魚雷とアンドラスⅡを使い、うまい具合に敵艦隊を沈黙させるので俺一人で行くよりも資源回収がはかどる。


I:司令官、またオリョールに行きたいんだけれど


S:いや、もうそろそろ敵泊地の襲撃の司令が下るころだろう。今は休んでおけ。


I:了解


そしてこのイムヤはオリョールも好きだ。


なんでも南国の海をクルージングするなんて素敵(意訳)だそうな。


まあたまにしか行かないのも大きいのだろうけど。









工廠


「君がこんなところに呼び出すなんて今度は何を作るんだい?」


今、おれは工廠に紫瑞を呼び出している。


普段は紫瑞の開発室でもいいのだが、今回は


「急に大型建造がしたくなってな」


「へえ。珍しいというか初めてだね。そんなことを言い出すのは。一応ボクもできるけど工廠の妖精にも手伝ってもらわないと時間がかかるよ?」


「そこは既に話を通してあるから大丈夫だ。資源は4000/2000/5000/5500/20でどうだ。」


「まあたっぷりあるしいいんじゃないかな。それとその資源配分なら大鳳狙いってことでいいのかい?」


「ああ。その先の改装設計図は今送るが。」


「わかったよ。それじゃ本気だして、大鳳を建造するよ。時間は6:40かかるからね。」


「ああ。」









約7時間たった。


さて、改装こみこみで終わったころだろう。





「あ、提督、はじめまして。大鳳です。出迎えありがとうございます」


非常にまじめそうだな。秋月といい勝負だろう。


「ああ。ところで大鳳にBCの実装とそれから改装のほうは終わっているか?」


「そうだね。」


ならばすぐにでも戦力になるだろう。


「あの、ところで提督、私に着任早々改装を施されたようですが、詳細を教えてもらっても?」


「そうだな。まずBCといってまあ詳細はあとでおくるが、それを脳内に埋め込んだ。それから機関部を燃料をプルトニウムや濃縮ウランとする原子炉に変えた。それからF15を運用するのに耐えうるように改修した。」


そのあとに紫瑞が付け加える。


「それからファランクスCIWS2基とESSM8連装発射機2基だね」


「原子炉…?F15?ふぁらんくすしーうす?いーえすえすえむ?」


どうやら何が何だか分からないようだ。困惑顔がまたなんとも。


「説明書は後で送るよ」


「ところでだな、執務室で全員呼んでもいいか?顔合わせぐらいはしておかないとな。」


「そうだね。」


「了解です」









「また新しい女…」


若干一名怖いのがいるが気にしない。


……本当に今夜生き残れるのだろうか。


まあいい。


「こっちは今日建造に成功して着任となった大鳳だ。対空の要とするために建造した。」


「よろしくお願いします、大鳳です」


すると秋月が反応する。


「た、大鳳さんじゃないですか!マリアナでアルバコアの魚雷で沈んでしまった」


「そ、そうね。でも今度は大丈夫よ」


秋月に大鳳は若干苦笑いをしながら応えた。


「それで、司令官、彼女にはどんな改装を?」


ヴェルが尋ねてくる。


「原子力空母、それから対空ミサイルとCIWSだな。」


「хорошо。また原形を留めてないね」


そうだろうか。まあいいか。


「ところでわざわざ大鳳を建造した意味は何?対空ならわたしでも十分でしょ?」


レインも質問をしてきた。


「ここ1週間のうちにF15の開発が終わったのがひとつ。原子力空母は補給がいらないから戦略の幅が広がる、だから以前から計画はしていたというのがひとつ。原子力空母に改装するにあたり最も頑丈であるものを選定したというのがひとつ。以前のエンガノ訓練の際敵機を落としきれずに秋月が大破した結果を受け、空母を運用することが必要であると判断したのがひとつだな。」


おおよその理由を返した。


「確かにわたしは艦載機を一度に全部放ってあとは艦砲、魚雷、ミサイルに集中するから空母も必要、か」


「そういうことだな」


「ん、わかった」






「そうだ、司令官、ついでに泊地攻略の段取りを確認してもいい?」


イムヤが横から話しかけてきた。


「ああ。つづけてくれ。」


「まず敵泊地の偵察、それから警戒網突破、突入したのちに泊地強襲」


「というのがあちらの大本営の出した案だな。」


「それじゃあこちらはどうするの?」


「おおかたそれに従う。レインを艦砲の射程範囲内まで突入させて対地艦砲射撃。大鳳とイムヤ、俺でミサイルと空爆による対艦対地攻撃とレインへの支援攻撃を行う。秋月、ヴェルは対空対潜に専念する。また、大鳳とレインは戦闘機で敵機を撃ち落とすこともやってもらうが。」


「了解したわ。それじゃそのように伝えておくね」


「頼んだ」



















「さて諸君、いよいよ敵泊地殴り込みにむけて本土に向かう。だが作戦の変更があるので知らせておく。本艦隊は敵泊地の攻略後、速やかにパラオに帰還し、インド近海とスリランカ島を一時的に攻略、その間に大本営といくつかの鎮守府の艦隊がレイテを叩くそうだ。」


前の艦これの規模でいったらイベント2つ分くらいだろう。


「いきなりすぎないか?それに泊地攻略後すぐにレイテ攻略にかかるとなると並みの鎮守府だと資源不足や艦娘の疲労が起こりそうだけど」


当然ながらヴェルが反論してくる。


「大本営に問い合わせたところ、いま泊地に敵戦力が集中していてレイテが通常より手薄になっているそうだ。この機会を逃してはならんということだそうな」


つまり言い換えれば敵にこちらの情報がもれているということでもある。泊地に戦力が集中しているということはこちらの攻略作戦のことがばれ、それに備えていると考えられるからだ。


敵が本土攻略に本腰を入れたのかもしれないとも考えられるが。


まあそのことは既に葵(大本営元帥)に伝えてあるから問題はない。


「そうか。ならまあいいか」


ヴェルはなんとなく納得できないような感じではあるが引きさがった


いきなりの作戦変更、それから攻略目標が増えたことでの作戦失敗を危惧しているのだろうか。


一応補足はいれておくか。


「レイテの件は最近の偵察で分かったことで、突然の作戦変更は葵がすまないと言っていた。レイテは大本営と各鎮守府の主力艦隊で叩くから失敗はそんなに起こりえないと思う」


「なら良かった」


今度はヴェルも納得したみたいだ。


「んじゃ今から3時間後の一二〇〇に母艦に集合、そのまま出発する。荷物の詰め込みは3時間のうちにすませておけ」










「ええと、長10cm砲ちゃんよし、ESSMよし、ドラム缶よし、ディカブラースと予備マガジンよし、あとは・・・ああMk50短魚雷」


「それから127mm砲弾も忘れないで」


「あ、レインさん、ありがとうございます」


「弾薬は母艦に積んであるから忘れても大丈夫だけど」


「そういえばここ倉庫よりも母艦のほうに資源が積んでありますよね」


「いつ襲撃されても良いように備えているの。積んであればいつでも脱出できるでしょ」


「でも沈んだら全部だめになっちゃいますけどね」


「そうならないように母艦には対空対艦アンドラス、ESSM、Mk45、核爆雷アスロック、それから光学迷彩に電波欺瞞、対音響装置を完備してある」


「一時的に戦場から消えることが可能、ということですか」


「そう。周りを消し飛ばしても良いしステルスで消えても良い」


「はあ、なんかそれだけで深海棲艦を全滅させることができるような気がします・・・」


「いや、しおいが深海棲艦に核以外は利きが悪いからできないといっていた。核は環境にも悪いし」


「そうなんですか」










「はい。レラーに薊の最終調整終わったよ」


「うん、Идеальный(=perfect)」


「最近無茶しなかった?銃が少し歪んでいたよ」


「ちょっとル級を殴って隙を作って顔面をぶち抜いただけさ」


「それを無茶というんだよ」


「二丁拳銃だとそういうことができて良いんだよね」


「銃が壊れるからやめようか。戦艦は装甲が硬いんだから」


「・・・・・・以後気をつける」









「さあ、発艦はじめ!」


『イクゼオラアアアアア』


『『『урааааа』』』


「相変わらず真面目ね、まだ訓練しているの?」


「少しでも実戦に備えておかないと」


「前哨戦はそんなに強いやつが出てくるわけがないから肩の力をぬいたほうがいいわよ」


「そう、ですね。アドバイスありがとうございます!」


「いいえ。ところでF15のほうも妖精たちかなり慣れてきたんじゃない?」


「発着艦は問題なくできるレベルです。ドッグファイトやAIM-9X、アンドラスⅢのほうも問題ないかと」


「最近はお互いに模擬弾で模擬訓練しているみたいだしね」


「ええ、もうこちらでは目で追えない速さですよ。いちど見てみると面白いですよ」


「そう、なら今度見させてもらうわ」












さて出発するか。


S:時刻一二〇〇。全員準備終わったか?


M:問題なく。


R:こっちも


I:こちらも終わり


В:終わった


A:はい、おわりました


T:F15全機着艦完了、今から部屋に戻ります


S:まだ訓練していたんかい。早く母艦の自室に戻れ。


真面目すぎるのもいかがとは思うが。まあ出航だ。


[Imformation:


Steaith functions of this mother ship, the FCS and the rader have been activated.


This mother ship is moving soon, so be careful.]


さて、それじゃ敵泊地殴り込みの開始だ。















「『もうすぐつくのでよろ』という電報が届きましたよ」


妖精代表のNo12が葵に電報をしらせる。


「一応公式の電報でなんつう言葉遣いだよ・・・・・・」


葵は呆れながらそう返した。


「まあ、あれ以来大人しいですからこれくらいいいのでは」


「そうだがな、他のところに示しがつかないというか」


若干困り顔だ。


「ああ、そういえば今回の作戦で公式に大本営支部パラオを発表するんでしたっけ」


「そうだ。まあ妬くやつも出るだろうがな」


「それは心配ですよね。出世欲、エリートのプライド、これらに駆られた馬鹿がぽっとでの新参者が自分の上なんて耐えられずに何か仕掛けるのが一番不安です」


「あいつらに仕掛ける馬鹿どもなぞ知らん、だが作戦前に無駄に戦力もそぎたくない」


「まあこちらからも一応人員配置はしておきましょうか」


ちょっと考えた様子でNo12は再度続ける


「第一艦隊の面々を両脇において要所ごとに他の艦娘を配置ということでどうですか?」


「まあそれで良いだろう、ではそうしておいてくれ」


「ええ。」












S:久々の本土だな。


M:今作戦の本拠地は君の学校らしいよ


S:そうか。


A:司令の通っている学校ですか


S:今は休学扱いのようなものだがな











M:到着。そのまま港に横付けするよ


S:んじゃ各員降りる準備をしておけ。大本営から宿泊施設は寮になるそうだ。


R:一日で終わりそうだけど


S:核を使えばな。さすがに通常兵器ではできんだろ


I:司令官、このあとミーティングしてそれから早速偵察任務、という流れになっているわ


S:了解。








「まずは集まってくれたことに感謝する。大本営元帥木村だ」


円卓で葵がそう挨拶する。


「いえ、それにはおよびませんわ」


こちらは、円卓上の札から佐世保鎮守府大将、とわかる。


「そうだ、水臭いぞ葵」


こっちは舞鶴か。階級は大将。


「だから名前で呼ぶなと」


「そんなことよりさっさとはじめて下さい。うちの艦隊はもう殺りたくて仕方ないんです」


物騒だな。呉か。原爆を落とされた広島の。こっちも大将。


「相変わらずそっちは物騒ね」


大湊警備府中将。


「ええい、おまえらうるせえ」


「葵、おまえもうるさいから一度落ち着け」


場がごちゃごちゃし始めたので一度落ち着けよう。


「そうだな。お前らもいったん静かにしろ」


うむ、しずかになったか。


「では改めて、これより作戦直前のミーティングを始める。それからこの会議の決定事項は部下に伝えること」


「おう、わかったぜ」


舞鶴のは熱血なのか?快活な感じだな。


「まずは確認から、このあとの偵察は水上機母艦と駆逐艦複数を含む艦隊で行う。その後軽巡と重巡2を含む高速艦隊で警戒網突破、その後航空戦艦2を中核とした艦隊を用いて港湾内に突入、主力艦隊で敵中枢戦力を撃滅する」


他の艦隊はこんな流れなのか。


「俺らのほうは前に出しておいた書類のように動くからな」


一応報告はしておく。


「ああ、そっちは大丈夫だ」


まあここで許可をもらっておけばあとはやるだけだがな。


今回は夜戦訓練も入れるかねえ


「ところであなたはなんですの?見た限り伊401ですけれど」


佐世保のが聞いてきた。そういえばまだ自己紹介もしていなかったか。


「ああそうだ。伊401、しおいだ。海軍学校第一学年休学、大本営支部パラオの元帥だ」


「元帥?何かの冗談ではなくて?」


まあいきなり元帥といわれても信じられないだろう。


「それの言っていることは本当です。葵が前に言っていたでしょう、第一艦隊が伊401が司令官の艦隊に敗れたと」


と呉の。話していたのか。核のことは伝わっているのか?


「詳細は教えてくださいませんでしたけど」


なるほど、核のことは伝わってないと。


「まあな。その講和でパラオに大本営相当の組織を新設し、泊地を提供するということで決まったんだ」


「いままでそんなことは話されてませんけど」


「今作戦で公式発表するという手はずだ。その前にまずはここで話しておきたくてな」


「それで、こんなことを話して何がしたいの?」


とは大湊の。


「簡単だ。そいつらに決して手は出すな。まず間違いなく全滅させられる」


そこまで過大評価しなくてもいいだろうに。


「それは言い過ぎではないか?」


舞鶴のがそう返す。


「いや、俺の艦隊がやり合ったときにはかなり手加減されていたはずだ。一隻も撃沈されず、だが怪我は目も覆いたくなるような酷いものだ」


まあアンドラスもB61も使ってないからな。沈めるなとはいっていたし。


てか怪我をひどくしたのは確か紫瑞がジジイどもへの復讐だとか言ってたはずだ。


そもそもこちらもぎりぎりだったような。


「そんな艦隊があるとは、こちらの艦隊が暴走しなければいいですが」


「あんたのところは実力は大本営第一かそれ以上なのにその戦闘狂が残念なのよ」


てことはミサイルが主砲で撃ち落されるレベルだなうん覚えた。


「良いじゃないですか、戦闘は早く終わるしその分駆逐艦たちを愛でられる」


同士がいた。うん。


「Yes, ロリータ。No, touch」


一応言っておこう


「おお我が同士でしたか。おは幼女」


「ろりこんにちは」


「あんたらねえ・・・・・・」


「ま、まあいいんじゃないか、へたに争うよりは」


「うむ、おもしろい、気に入ったぞ」


「あの呉の大将と気が合うなんて恐ろしい子・・・・・・」


驚愕されているがロリコンは万国共通である。異論は認めない。













S:んじゃ母艦は置いていくぞ


A:了解です


R:艦戦は出しとく







COPに次々と情報が書き込まれていく。


秋月、ヴェルのSPY1レーダーとレインの飛び魚艦戦改からの情報だ。


最も近い敵艦隊は東70Mの敵前衛艦隊と思われるもの。そのあとが東300Mの護衛空母群だ。


さて、それじゃあ潰しにかかるか。


S:ここから東に70Mの敵艦隊を撃滅することを目標とする。さらに東300Mの護衛空母群、どこかにいる補給部隊を叩く。









A:陣形は輪形陣、右に私でいいんですよね


S:ああ。先頭レイン、中央イムヤ、中央後ろ大鳳、左ヴェルだ。


R:敵アンドラスⅢの射程圏内


S:やれ


A:敵機108機、いずれも旧型機、狙撃開始します!


I:アンドラスⅡいくわよ


T:F15より、敵補給部隊発見です!


S:武装をGBU31に、誘導はSALHで、爆撃開始


T:F15爆撃開始


R:敵護衛空母群に艦爆隊100機射程圏内、爆撃開始する


В:先に行ってもいいかい?


S:やめい


A:全機撃墜完了しました


S:使用した弾薬は


A:ESSM50、ディカブラース30、127mm砲弾30です


S:もっと命中精度を上げていくように


A:了解です


В:もう我慢できない、ураааааааааааааааа!


S:あんの阿呆め、普段は大人なのにどうしてこう子供っぽいところがあるのか


I:一応フォローはいれておくわ


S:ああ、あいつについて行ってやってくれ










「よっと」


バアンバアンと両手の拳銃から劣化ウラン弾が発射される。


敵前衛艦隊のうち、ヌ級は全滅、駆逐艦もほぼすべてが沈んだか大破状態だ。


今狙ったのは大破した残りの駆逐艦2隻。正確に頭部をぶち抜かれたそれはその活動を停止する。


「邪魔なのは消えたから後はやりごたえのあるやつだけだね」


I:ちょっと、一人でいくのは危ないでしょ


S:もういい。対潜は俺がやるからあとはイムヤと組んでやってみろ


В:ありがとう司令官。


しおいからの許可を得てうれしそうな笑みを浮かべる。


いつもの水上スケートのような移動ではなく、ガスタービンを全力で稼動させて水上を走り出した。


その目の前にはチ級elite


「ふふっ」


笑みを浮かべながら右手のレラーをむけた。


チ級は魚雷を撃ちながらその射線上から逃れようとする。


「無駄だね」


魚雷をかわしながらバアンと敵の魚雷発射管を狙い、打ち抜いた。


中の魚雷に誘爆し大爆発を起こす。


そして、その爆発には目もくれずに次の獲物を見定める。


近くにはリ級。


ドンとレラーや薊とは違う重い発射音がリ級からした。


近くに水柱が上がる。


「本当に無駄だね」


今度は両方の拳銃をむけ、発砲。


狙いはその主砲だ。


両腕についている艤装に次々と劣化ウラン弾が叩き込まれ、ぼろぼろになる。


次いでヴェルはリ級に急接近しながら敵の足を主砲で壊し、倒れたところで敵の首を踏みつけながらマガジンをリロード。


「今の私の馬力は100000ps、はずせるわけもないよ」


もがきながら足をはずそうとするリ級に向かってそう言い放つ。


リロードを済ませ、リ級の瞳を覗きながら薊の照準を合わせ、引き金を引いた。


バシャッと赤い液体があたりに飛び散りながら、一瞬の赤い花を咲かせた。


「ふふっ、たのしいな」







I:返り血で服が汚れているじゃない


В:洗えば大丈夫


I:そう、残りはどうする?


В:やるかい?


I:一発でしとめてやるわ。魚雷1番Mk48長魚雷、いってらっしゃい



В:お見事


I:これくらい造作もないわ。ヴェルももっと早くしとめたらいいのに


В:楽しまないでどうするんだ。


I:あら、戦闘の目的が守るから楽しむに変わっているわよ


В:あの艦隊ならこのくらいの短時間で誰か沈むこともないから。最近は戦うことの目的に楽しみを入れる余裕もできた。


I:信頼しているんだか何なんだかよく分からないわ。




それに薊の花言葉は復讐。


深海棲艦を連合国と見立てた、私なりの復讐。


それから司令官から聞いたレラーの名前の由来、レラージェは戦いと論争を引き起こす、矢によって敵に壊疽傷を与える悪魔。


劣化ウラン弾は敵の肉を貫きその焼夷効果で敵の皮膚を焼く、まるでレラージェの矢みたいだ。


ふふっ、だいぶ私もこの二丁の銃に影響されたみたいだな










護衛空母群50M手前、上空にて


『コチラLima1、補給部隊トオモワレル艦隊ヲハッケン、命令ヲ』


『こちらJuliett1、空母大鳳より爆撃命令、爆撃を開始しろ』


『了解』



『・・・・・・テ・・・・・・ザザッ・・・テス・・・テスト、キコエルカ』


『こちらJuliett1、そちらの所属は?』


『コチラDelta1、レ級elite所属Delta隊隊長機、機種トビウオカンバク改』


『おお、はじめましてだな』


『ソウダナ、ソレデコノ先50M直進デ護衛空母群ト接触、護衛イイカ?』


『任せておけ』


『タノモシイナ、SALHノレーザー照射ハドウシテモ隙ガ大キイ』


『ということはDeltaが爆撃でいいんだな』


『オトサレヤスイ爆撃ハ代エノキクワレワレガヤル。パイロットハカエガキカナイ大切ナ人材ダカラナ』


『それはありがたい』












高度12000


『コレヨリDelta隊ハ爆撃ヲ開始スル』


レインにむけて無線で伝えた後、高高度水平爆撃の体勢に入った。


遥か12000m下には点に見えるような敵護衛空母群。


『Juliett隊はDelta隊の支援をしろ』


こんな高高度に敵機が到達するまでに時間はかかりそうだが、早期警戒は徹底せねばならない。


すでに敵機も発艦を次々と開始しているからだ。


『Juliett4ヨリ、敵機多数、命令ヲ』


『特に敵戦闘機を集中的に迎撃しろ』


『了解』


Juliett隊のF15が次々と深海棲艦戦の迎撃に向かう。


この距離では既にAIM-9Xの射程圏内であり、次々と発射される。


発射後、JHMCS(ヘッドマウントディスプレイでロックオンするシステム、戦闘機に乗っている人がかぶっているヘルメットみたいなやつ)によってロックオン、敵機を撃墜していく。


さすがにAIM-9Xを全弾撃つわけにはいかないので残りはM61A1を使い、敵機のエンジン、翼を狙う。


急降下からの極短時間の射撃で敵機の翼はもげ、エンジンに命中したものは引火。


墜落していく。


さすがに胴体に命中しても機体がばらばらになるわけではないが、機体のコントロールに難が出る。


そこを再び狙われ、撃墜される。


『モウスデニスコア20ダゼ』


『コッチニモヨコシヤガレ』


F15の妖精たちは我先にと争うように敵機を撃墜していった。


その一方で制空権奪取に成功したとDelta1は判断するや、ヌ級に向かってレーザー照射、同時にGBU-31を投下していく。


それに続くようにほかのDelta隊艦爆も他の深海棲艦を狙い、次々とGBU-31を投下。


ヌ級は回避行動をとるも、GBU-31はLJDAMを搭載され、SALHによって誘導されている2000ポンド爆弾だ。


当然のように命中する。


2000ポンド爆弾の直撃に耐えられずに大爆発を起こし、爆沈していった。


ほかの深海棲艦もGBU-31の直撃によって次々と撃沈されていく。


敵艦隊の対空射撃は高度12000にいるDelta隊に届くわけもなく、頼みの戦闘機もJuliett隊のF15に一機残らず撃墜され、なすすべなく全滅した。








T:Juliett隊より敵護衛空母群撃滅、F15の実戦も問題なかったようです。映像みますか?


S:頼む。


R:撃滅したのはわたしの艦爆なんだけど


T:ここは合同戦果ということで


R:まあ、それでもいいか




S:Great Marianas Turkey Shoot


T:とは?


S:うん、あいやこの映像がまるで七面鳥うちみたいでな、マリアナの七面鳥撃ちがあったなと思い出しただけだ。


T:・・・・・・。


A:あの、司令官、大鳳さんに向かってそれはどうかと・・・


S:ああ、すまん。さすがにデリカシーのない発言だった・・・。


T:いえ提督、お気になさらず、今の優秀な子達なら「決して」七面鳥ではありませんから。


S:やっぱり気にしているのな、七面鳥


A:だと思いますよ


S:七面鳥の件については謝るとしてだ、F15の制空能力、妖精たちの錬度共に問題がない。よくもまあこんな短時間に仕上げてくれた。正直ありがたい。


T:訓練の賜物です。十分な訓練があればこれくらいどうということはないわ。


S:そうか、これからも引き続き我が艦隊の制空奪取に尽力してくれ。頼んだ。


T:ええ。














この調子ならもう合う少しやってもいいか。


S:偵察、ではないな、此度の戦闘でこちらの戦力に問題ないと判断し、夜にまぎれて敵泊地警戒線を突破する。


В:了解。


T:夜間の発着艦訓練もかねるのですか?


S:まあそうだな。


A:あの、ディカブラースとESSMはいりませんよね


S:ESSMはいらないと思うがディカブラースにはほれ、新開発の徹甲炸裂焼夷弾がある。頭でも吹き飛ばすといい。


A:ありがとうございます!新しい弾薬、とてもよさそうですね。


I:アンドラスⅡの補給いいかしら


S:ほい。


I:どうも。


R:わたしが先行するの?


S:ん、ああ。夜のうちに艦砲の射程圏内に泊地をとらえておいてくれ。


R:うん。わかった。











A:敵艦隊、射程圏内です。


ついでに暗視スコープを起動させます。


夜とは思えないほどに遠くがよく見える。


S:始めろ。


F15が頭上を飛ぶ音を聞きながら、赤いリ級に照準を定めて、発射。


この徹甲炸裂焼夷弾は射程25kmと対空弾の4分の1程度らしいですが、本来の12.7cm連装砲と比べても射程が長いので、問題はありません。


ダアンとすこし重い射撃音とともにリ級の頭に飛んでいき、トマトのように頭がはじけ飛びました。


暗視スコープでずっとのぞいていましたが当たったら爆発をしたような気がしました。


次の獲物に向かって照準をあわせ、発砲しようとしたら、いきなり敵が倒れました。


次に映ったのは、敵の頭に向かって薊を構えるヴェールヌイ。


笑っています。


何が楽しいんだか。


気を取り直して、次の獲物に狙いを定め、発砲。


二級の胴体を貫きながら敵を焼き、内部で爆ぜていきます。


残りの敵はF15やミサイルで沈んでしまったようです。










「さ、いってらっしゃい」


敵艦隊が全滅してからさらに東。


ソナーに敵潜水艦の反応があったから私が先行して掃討することになった。


Mk48魚雷にケーブルをとりつけ、背中の艤装からおよそ15kmまで延長可能にしてあるらしいのだけれど、それで有線誘導をして、魚雷を自分の耳として利用する。


魚雷につんであるアクティブソナーから反応が4つ、形からしてカ級。


敵潜水艦は回避行動を始める。


でも無駄。


こちらは其の姿を捉えているもの。


「まずは一隻、仕留めるわ」


そのままMk48をカ級に突入させ、爆発させる。


今回のMk48魚雷は弾頭をCL20という高性能爆薬に改造してみたものらしいわ。


従来の爆弾にしてみたら、威力は1000lbと変わらないとか。


そんなものが直撃すれば、脆い潜水艦なんて一撃なのは、まあ、当たり前といえばあたりまえよね。


「魚雷2番から4番、いってらっしゃい」


水中にいれば相手からの攻撃はあたらない。


それを利用して、水中から高出力のアクティブソナーを使って、魚雷の照準を合わせる。


べつにばれても、此の周りに水上艦なんていないもの。今いるのは潜水艦だけ。ばれても危険はない。


でも水上にいるときとか、かなり浅い深度にいるときとかは敵潜水艦からの魚雷攻撃も当たるのよね・・・。


それで前沈んじゃったし。


ああ、なら今やっていることはかなりの皮肉ね。


潜水艦に沈められた潜水艦が、潜水艦を襲っているなんて。


まあいいわ。次よ次。


放った魚雷が全弾命中して、カ級は全部沈む。


やっと終わったわね。


さて、それじゃあ司令官のところに戻りましょうか。





S:イムヤからの報告、『掃海終了』だそうだ、このまま艦隊はイムヤを回収しながら東へ進む。


В:了解


A:提督、もうすぐ夜が明けますが対空弾に切り替えますか?


S:そうしておいてくれ。それにしてももう夜明けか。泊地は思ったよりも遠いみたいだな。


T:未だに敵泊地発見できていません。


S:引き続き偵察を行ってくれ


R:うん?誰か倒れてる、形から見て深海棲艦ではないみたい。ここから東におよそ27Mのところ。上空哨戒中のAlfa隊からの連絡。


S:ついでに回収しよう、特徴は?


R:背中に大きな魚雷発射管、それ以外は高高度からだと目視できないって


S:なんのためのミサイルカメラだ、それでズームすればいいだろう


R:撃てばいいの?


S:撃ってどうするんじゃい。カメラだけ起動させればいいだろう


R:了解


I:今帰還したわ


S:ご苦労。水上に上がってバッテリーの充電をしておけ


R:画像来た、でも拡大すると画像が荒くなる


S:紫瑞にでもまわせ


R:うん


M:なんだい、こんなもの解像度を上げればいいだけじゃないか、はいよ。


S:ご苦労様。なるほど、たしかに四連装魚雷発射管を背負っているな。ならば雪風、天津風、時津風のどれかか。


I:とりあえず行ってみれば分かることだし、さっさといきましょ


S:そうだな、では艦隊全速力で東へ、この艦娘の保護に当たる、できれば改修の後戦力に加えたいところではあるが。






飛び魚艦戦改ACE5機からなるAlfa隊の先導によって件の場所へとたどり着いた。


そこに倒れていたのは。


「時津風か」


時津風は反跳爆撃を受け航行不能になり、その後の米軍の空爆によって沈んでしまった駆逐艦だ。


「司令官、彼女はどうするんだい?」


「時津風ならば、汎用型のテストベットにでもするか」


時津風は当時新鋭の陽炎型駆逐艦だ。素材としては十分だろう。


「で、このあとどうするの?」


イムヤはディーゼルエンジンを稼動させながらリチウムイオン電池に充電している。


「このまま進みたいところだが」


「え、うそ、提督、深海棲艦が突如出現しました!」


大鳳の報告により場の雰囲気が一気に引き締まる。


「レーダーにさっきまで反応はなかったはずなのに」


秋月はそういいながらもボルトを引き、入れることでチャンバーに対空弾を装填する。


「各員輪形陣、レーダーと哨戒機で敵艦隊の詳細な情報をCOPにあげてくれ」


全員が散らばり、中央に俺と大鳳、倒れている時津風、右にヴェル、左に秋月、先頭にレイン、後方にイムヤがついた。


そしてあたりをSPY1レーダーが走査し、大鳳から発艦したF15哨戒機やレインのリュックから出て尻尾の滑走路から発艦した飛び魚艦戦改や艦爆が飛び回る。


COPに情報が書き込まれていくと、そこに映し出された深海棲艦の艦隊はおそらく並の艦隊ならば大破するか、または轟沈する艦が出てきてもおかしくないであろう内容だった。


敵艦隊の位置はここからおよそ40M東。


「提督、ちょっと気になることが」


時津風を背負いながらRPG7にPG-7VLを装填している中、隣の大鳳が話しかけてきた。


「なんだ?」


「敵駆逐艦の様子がなにかおかしいんです」


「様子がおかしい・・・?」


改めてCOPに映し出されている艦隊の映像を見る。


すると、もだえ苦しんでいるような様子のイ級後期がちょうど映し出されていた。


しかし、哨戒機が敵機に捕捉されたのか、次にはループをして敵機の後ろに回りこみ、M61A1で落としていた。


そのときに映った敵機はおぞましい猫型のもの。


そしていつの間にか、哨戒機のあたりには猫型の艦戦が。


哨戒機は急上昇し、道を遮る深海猫艦戦をサイドワインダー2000とバルカン砲で撃ち落す。


そして変則的なインメルマンターンで反転してそのまま大鳳へと帰る、そんな一部始終が映し出されていた。


まあ重要なことは、駆逐艦の様子だ。


この様子は前にも見たことがある。


レイン捕獲時、レーダーで敵の発生をずっと観察していたのだが、そのときの駆逐艦の様子にそっくりだ。


つまりレーダーに映っていなかったのは、発生した深海棲艦の艦隊に遭遇したということなのだろう。


なぜ深海棲艦が発生するのかは正直わからないが。


ま、原因が分かったところで敵艦隊がすぐそこにいるという状況は変わらない。


「敵空母を集中的に撃滅しろ、なに、たかだかヲ級改2隻だ。艦爆による誘導爆撃で沈むだろう」


そして、レインの上空で待機していた飛び魚艦爆改のdelta,echo,foxtrot,golf,hotel,indiaの各部隊が次々と敵空母に向かって殺到していく。


そして大鳳の直掩機LimaとMikeのF15、20機とJuliett,Kiloの20機。


それを迎え撃つは深海猫艦戦50機。


それから”飛び魚艦爆”240機。そのうち100はこちらに向かってくる。


さらに攻撃隊なのか、攻撃機210機もあわせて襲来する。


F15はまずサイドワインダー2000でおよそ150機の攻撃隊を撃ち落した。


そしてドッグファイトが始まる。


しかしながら、機体性能の差が大きすぎるためにほぼ一方的な展開となった。


M61バルカンでレインの艦爆を落とそうとする飛び魚艦爆をほぼすべて撃ち落した。


F15の損失は0、echoの艦爆は1機撃墜。


そして空爆が始まった。



「対空戦闘用意、ESSMサルボー」


さすがの物量と至近距離の航空戦で撃ちもらしもでてくるが、秋月とヴェルのAAMによっておおかた撃墜、秋月の主砲とディカブラースによってすべて撃墜。


ほっと一息つく。


「敵艦隊のようすはどうだ?」


「なかなかしぶといです、フラヲ改1撃沈、1大破、レ級elite2健在、イ級後期1中破、ル級改撃沈」


「誘導爆撃でそれか?」


「レ級は何かおかしいもの、私が言うのもなんだけど」


「とりあえず空母は沈めておけ、レ級は・・・」


と、となりでヴェルが瞳をキラキラさせながらこちらを見ていることに気づく。


「一隻は確実に沈める。各自対艦ミサイル用意」


ヴェルが横で頬を膨らませている中、各々が対艦ミサイルに諸元を入力。


「サルボー」


そして次々とアンドラスⅡがレ級に突入していく。


だが、レ級はそのうち10発を主砲と副砲で撃ち落した。


それでもおよそ40発が命中する。


しかし、それでもレ級は大破。


「こんだけやってもまだか、しぶとい」


そして、RPG7をかまえて、PG-7VLを発射、命中させ、ヴェルがアンドラスⅡを命中させ、レ級は沈んでいった。


しかしながら未だに頬を膨らませているヴェル。


その両頬をぷすーと両手ではさむ。


なかなか面白い。


「いってきていいぞ」


いうやいなや解き放たれた狂犬のように嬉々としながらレ級に突っ込んでいく。







ドンッドンッとレ級から16inch砲弾がヴェルに向かって飛んでいき、強力な魚雷が雷跡をひきながら突入してくる。


距離はおよそ20km


それのあいだを縫うようにして水上を滑り、mk45で応射しつつ、接近しながらしばらくすると、今度はヴェルがM61A1を用いてレ級に機銃掃射をしかけた。


しかしながら、20x102mm弾ではレ級の装甲を貫いても、対した傷をつけることができない。


だが、レ級が機銃に気を取られている隙に、mk45でレーダー射撃を行い、まずレ級の副砲を狙った。


Mk45主砲の5inch弾が爆発し、12.5inch三連装副砲の砲身がへし折れ、副砲の装甲に凹みが生じていく。


たかだか駆逐艦の主砲と侮っていたレ級はその連射力と命中率の高さに危機感を覚え、尻尾の顎についている深海烏賊魚雷を放ち、目の前の駆逐艦を引き離そうとした。


流石にヴェルも回避せざるを得ない。


旋回運動で魚雷をかわす。


その間にもレ級は主砲を目の前の駆逐艦にむける。


ドンと、放たれたそれはヴェルの持っていた盾状の艤装に命中、爆発する。


余波でファランクスも1つ逝った。


レ級はようやく当たったことにケケケケと無邪気に笑う。


爆発の煙が落ち着くと、そこには小破したヴェルが。


その両手には2丁の拳銃。


真っ黒だ。本人の復讐心を象徴するかのように。


そして、ヴェルは若干キレていた。


ちょっとした凡ミスとレ級の笑い声に苛立っていた。


両方の拳銃をコッキングし、ディーゼルエンジンを全開に。


魚雷がまた来るが気にしない。


それを飛ぶことで避ける。


そしてひたすら接近する。


3発の至近弾の至近弾で服が若干破けた。


そして、2度目の直撃。


かわせないと悟ったヴェルはとっさに肩を向け、主砲を盾にする。


エンジンは無事だが、主砲とmk41の数セルが逝く。肩が抉れ、手がもげ、海上に落た。服も衝撃波で破けてボロボロに。


流石に痛みで顔をしかめる。


しおいから撤退の命令が下るが無視。


通信を遮断する。


そして、意外なことに、レ級もこちらへ向かってきた。


捨て身で突撃し、残ったファランクスとミサイルで目くらましをする。


しかしながら、レ級はヴェルを素通りすると先程ヴェルのいたところで止まる。


そこには薊ともげたヴェルの腕。


レ級はニタリと笑い、そのしっぽでそれを喰った。もげた手からは薊がポロリと落ち、水上にパシャっと落ちる。


そして、見せつけるように、咀嚼する。


ぐちゃり、ぐちゃりと。


時々ボリっと骨の砕ける音がして、尻尾の口腔内はヴェルの血肉で血塗れに。


すると、レ級の傷が完全に癒え、こころなしか装甲も固くなった。


尻尾からは、ヴェルの血液がしたたりおちる。


ここまでされて。自分が被捕食者であると見せつけられた気がして。その光景に少しでも恐怖を覚えた自分に苛立って。


完全に切れた。


脳の血管がブチブチという音をたてて切れた。


目の前が真っ赤になり。レ級しか見られなくなり。


自分の艤装がどこか生き物の体のように変化しているのにも気がつかずに残った右手でレラーを握り締める。


そして、エンジンが火を吹くほどに稼働させる。


ミサイルを撃ち、ファランクスで目くらましをし、10mまで接近。


そしてレラーを発砲。


本人の憤怒を表すかのようにダンと火をふき、紫瑞謹製20mm劣化ウラン特殊加工弾がレ級に撃ち込まれる。


それは尻尾を焼き、その中の肉を貫き、爆ぜる。


レ級は副砲で肩を狙う。そして、その尻尾でヴェルを喰らわんと近づく。


ヴェルはレラーを発砲し、本体の足、腕、腹を撃ち抜く。


しかし、レ級はケタケタ笑うだけだ。


痛覚というものが存在しないように。


頭を狙っても、信じられないことにかわされる。


そして、尻尾がついに、頭上にその大口を開けて喰わんとした。


それもいやらしく、ゆっくりゆっくりと。


レ級はそれを目の前でニタニタ笑いながら見ている。相手の絶望を楽しむかのように。


逃げようにも砲門がヴェルを狙っており、更には魚雷もヴェルに当たるように尻尾はその口を開けている。


しかし、ヴェルはこの隙を見逃さなかった。レラーを向け、全弾発砲。


その顔に浮かべたのは凶悪な笑み。


口の中をめちゃくちゃにされ、脳髄を破壊された尻尾はヴェルにむかって落ちてくる。


屈んでその場から右に飛び出すことで、尻尾から逃れた。


そして、そこに落ちていた薊をレラーと交換する。


残ったのは呆然としているレ級。


「じゃあね」


頭に一発ぶち込み、レラーを拾ってホルスターに戻しレ級の殺害を完了した。





「まったく」


グチャ


グチャ


「いらつかせる」


ドン


ドン


しかし、ヴェルは、レ級の死体にむけ、薊で何度も何度も発砲。


その目は濁りきって、片方の目は青い光を放ちつつあった。


まともな思考もできていない。


ローファーは既に黒く、伸びてもはやブーツのようになっている。


その肌も、もともと白かった上に色素が抜け落ちてきて、青白くなってきていた。


その思考は、レ級との戦闘での感情がきっかけで、過去に対する後悔と、憎しみと、かつての孤独へと沈んでいった。


「あハハハ」


「妹タチはシズメられ、雷に至っては Expended four torpedoes and one Jap destroyer!か、アンマリジャナイカナ 」


「アハハハハハ、モウドウシヨウモナイノニ、わたしは何をやっているんだろう」


そして、薊を片手で器用にリロードした。


やつあたりで。


グチャグチャのレ級の死骸に照準を定める。


その時。


ドンとうしろから12.7cm連装砲の音がした。


とっさに体をひねると、ばしゃっと音をたてて水柱がたつ。


50mまえには赤い目をした駆逐艦と青い目をしたお下げのついている駆逐艦。


『ようやく繋がったか、おい、聞こえるか。いい加減に撤退しやがれ。そんな調子でどうやって闘うんだ?』


珍しく寒気のする怒気を孕んだしおいの命令が聞こえた。そして、のこされた艦娘としての本能のままに、その命令に従う。咄嗟に戻ろうとした。


「にがさないっぽい!」


ドンドンと、うしろから12.7cmの砲弾が撃ちこまれる。


先程のエンジンの酷使により、いつもより速度が出ない。


何発か直撃をもらった。


「残念だったね」


直後、魚雷が撃ち込まれ、舵のひとつが壊された。


それでも、ヴェルは頭の中でこの状況を打破するための手段を考えていた。司令官の命令に従うために。


しかし、まともな思考もできない中で思いつくのはミサイルをぶちまけることぐらいだ。


しかし、残弾も心もとない。


試しに一発だけ撃ったが、容易く撃ち落とされた。


これでは残りのミサイルを撃ったところでこの2隻を沈められるとも思わなかった。


『シレーカン、どうしよう、うつてがない』


『ファランクスの残弾数は』


『ワカラナイ、でも少しだけ残っている』


『なら、回避と目くらましに専念して敵から離れろ。航空支援を行う』


言われるがままにバルカン砲で敵の装甲の薄いところを狙う。そして、ただひたすらに敵の攻撃を交わし続けた。


「いい加減にするっぽい!」


「夕立、そんなにイライラしてもあたらないよ。機銃で蜂の巣にしてしまおう」


「そうね」


それを聞いたヴェルはすぐさま撤退を開始する。


途中で残った20mm弾をばらまきながら。


しかし、未だに後ろから主砲の音が途切れない。


やはり、直撃がいくらかでる。


しばらく命懸けの鬼ごっこがつづいて。


後ろからは、機銃がカタカタカタカタとうたれ、実際に服を貫いて体に銃弾がはいってくるが、気にしない。


痛みで意識が飛びそうになりながらも、必死に自分の居場所、司令官の所にたどり着こうとする。


自分の敬愛する司令官のもとに。











「ダメダ、こんな状況で薊の照準も安定シない」


ヴェルは残ったわずかな思考でなんとか薊で足止めできないかと考えた。


だが、外して弾を撃ちつくしたとき、リロードをさせてくれるような相手でもない。


残ったわずかな対抗策の中で、薊は最後の切り札のようなものだ。


一発も無駄にできない。確実に、相手の主砲と機銃か、缶、頭、目、操舵装置のいずれかを潰さなければならない。


それも2隻。


加えて、全速力で移動しているため、照準のぶれも激しい。


集中も、あまりの激痛にかき乱される。


そんな中、先ほどから気になっていた艦娘の艦隊に動きがあった。


構成は4隻。


友軍かと思って放っておいた艦隊だが、どうやらそうでもないようだった。


この艦隊、どうやらレ級に向かって八つ当たりしていた間に近づいてきていたようだ。


ちなみにしおいは目を覚ました時津風に「しれええええ」と首を絞められたり(しおいはおんぶをしていた)、その件でレインとゴタゴタがあったりした。


しおいたちも近づいてくる艦隊に気づいていたが、艦娘ということで放っておいたのだ。


閑話休題。


距離20M。


こちらに、大口径主砲の撃つ音が響き、晴嵐の姿も見えた。


艦隊はさらに近づいてくる。


しおいも、ヴェルの様子から敵の投降や駆け引きをしている暇はないと判断した。


航空支援を続行。


ヴェルのところへ、ジェットエンジンの頼もしい音が聞こえてくる。


黒いシルエットにM61A1。


機体には雫のデカールが施されている。


レインがその最初期から使い続けている熟練の機体。


上空哨戒から先ほど戻ってきたAlfa隊飛び魚艦戦改だ。


レインはしおいから航空支援の命令を受け取ると、ちょうど帰路の途中でヴェルに近づきつつあったそれらを航空支援に向かわせた。


ついでに、近くの艦隊にも対艦ミサイルをぶち込みながら、駆逐艦2隻にむけてアンドラスⅢを発射。


晴嵐には20㎜ガトリングを撃ち込み、撃墜していく。


烈風や烈風改、震電改との戦闘も行われ、AAMとM61A1で撃墜していく。


だが、敵もロケットを積んでいたのか、Alfa隊の被撃墜が出てきた。


Alfa隊は一駅離脱戦法に切り替え、その加速力で強引に敵を引き離した。


そして、低空から突き上げるようにしかける。


急降下では機体への負担が大きい。


急上昇はジェットエンジンでかなりの速度が出る。


それを加味した上での判断だった。


サイドワインダーは先程ほとんど撃ち尽くしたため、バルカン砲で敵機を狙う。


そして、敵機に打撃を与えると、そのまま急上昇。


後ろからは敵機が追ってくる。


しかし、加速力において優っている飛び魚艦戦改は追いつかれることもなく、高高度へと逃げる。


高高度では、レシプロエンジンだと速度と機動力ともに低下する。


そこを狙い、追ってきた残りの敵機をバルカン砲で次々と切り刻んでいく。


もはやクレー射撃のような有様であった。


こうして、制空権を奪取したalfa隊は攻撃機の殲滅にうつる。


残弾数の怪しいものはレインの元へ帰るか、残りの敵戦闘機の殲滅を行った。


Alfa隊被撃墜9機。


敵機被撃墜多数。


ヴェルは空の驚異がなくなった事を確認。そして、後ろからしつこく追ってくる2隻の駆逐艦をちらりと見た。


ところどころ服が破け、機銃も幾つか逝っているようだった。


駆逐艦の集中も、対空に割かれている。


上空からのミサイルを主砲や機銃で撃ち落としていた。


回避行動をも余儀なくされていた。


相変わらずこちらに注意を向けてはいるが、先程よりは散漫になっている。


仕方が無いだろう。処理すべきことが増えたのだから。


この隙に敵を仕留めなければならない。


薊を向ける。


そして、複雑な回避行動を止めて真っ直ぐに舵を取る。


照準を敵の腹部、その先の缶へと。


そして発砲。


轟音を轟かせながら、20mm劣化ウラン弾が片方の駆逐艦へと吸い込まれていった。


反動でヴェルはよろける。


20mm弾は駆逐艦の腹部を抉りながら、その後ろの缶へと到達。爆ぜた。


機関を直接爆破された敵駆逐艦は、後ろからの爆発と、内蔵の損傷によって、海面に倒れた。


もう片方の倒すべき駆逐艦は猛り狂ったようだ。


先程の余裕もなく、全力でこちらへと向かってくる。


『ヘエ、イイツラジャナイ、フフフ』


おもわず、そんな声が漏れた。


ヴェル自身も驚いていた。


まるで、違う自分が自分のなかに芽生えはじめているようだった。


その自分は、目の前の敵を殺せ、そのテキはカンムスダ、カンムスヲミナゴロシニシロ、と囁いてくる。


傍から見ればおかしな論理なのだが、その時のヴェルにそんな判断ができる余力

もない。


いつの間にか、自分の横にはイ級がいた。


まるで触れと言わんばかりに大人しくしている。


ヴェルも、触ろうと手を伸ばした。


しかし。


轟音が轟いたかと思うと、そこにはレインが。


鬼のような形相でそのイ級を見つめていた。


本来のレ級eliteのような威圧感を放ちながら。


後ろからは、猛り狂った駆逐艦がこちらに近づいてくるのがわかる。


『ホントウニ、ヴェールヌイ?』


こちらを真っ赤な目で見つめながら尋ねてきた。


「あア、まちガいなク」


その言葉を聞いたレインから、威圧感が消えた。


「そう、ならいい」


そう言って、レインはヴェルを前に抱える。


イ級は、先程レインの放った砲弾によって沈んでいったようだ。


「絶対あのイ級は普通じゃない。私の尻尾、艤装?のような感じがした」


ヴェルの上で、レインはブツブツと呟いていた。


「逃がさない!」


後ろから叫び声が聞こえたかと思うと、レインの後ろで爆発がおきた。


思わずよろけた。


ヴェルはしっかり抱えていたからいいものの、尻尾の滑走路に損傷が見られるようだ。


「しっかりつかまってて」


レインはしおいの方に向かって全速力で移動する。


後ろにはミサイルを放ちながら。


「数発ダケだト、オトサれル」


ヴェルがそういうと、レインはさっきの数倍の量のミサイルと艦爆を使って時間を稼ぐ。


しおいの方も、レインの方に近づいてきていた。


ヴェルは、自分の司令官の姿をみてようやく気を抜いたようだ。


その為、傷の痛みが再発した。


自分の体を一通り見回してみると、思わず悲鳴をあげた。


艤装が生き物の体ようになっていて、体は死人のようになっていた。薊はその形を大きく変え、口のような裂け目まで出来ていた。


その余りにショッキングな光景と、多量出血、痛みから、ヴェルの頭はそのスイッチを切った。















「艦隊帰投、と」


ヴェルの大破と時津風の保護により、1度撤退した。


正直あそびすぎた感じは否めないが。


先ずはヴェルの治療だな。






「で、こんな症例はボクも見たことないんだけど」


母艦に持っていって開口一番がこれだ。


紫瑞もどうやらお手上げらしい。


艤装の方は1から作り直し、これはまあ、問題ない。時津風の改装のついでにできるだろう。


だが、本人の目、皮膚の状態、癒着してしまった足の艤装はどうしようもない。


片目が青く光を放ち、もう片方は瞳が紅く染まってしまっている。


もはや、何があったのかさっぱりだ。


「ちょっとこれから妖精の代表会にいって、資料を探してみないと分からないね」


「なら、先に時津風の改修を済ませておいてくれないか」


「それくらいお安い御用だよ」


とりあえずは欠損している腕を高速修復材で治すか。





その後、、高速修復材でヴェルの傷は癒えたものの、相変わらず目や足の艤装は治らない。


ついでに意識も戻っていないが。


考えてもしょうがないか。


とりあえずは時津風の様子と、あと葵に帰投の報告でもしにいくか。ついでに元帥としての給料でも取り立てに行こう。


なにしろ現金がいま心許ないからな。




「しれぇ、陽炎型十番艦時津風、着任しました」


「では早速母艦にある開発室に行ってくれ、そこで改装する。案内はしよう」


とりあえず軍服を着て、執務室で時津風を呼び出し、開発室に行くように指示。


執務室から開発室へと向かう。


「しれぇ、改装っていってもまだ錬度がたりてないよ」


「いんや、練度は関係がない。ただ武装を変えるだけだ」


「へえ、たのしみだなあ」


「そうか。ところで唐突だが、艦の記憶というのはどこまで覚えている?」


開発室までの間に、ちょっとした無駄話を持ちかけた。ひまだしな。


「ウ〜ン、浦賀と、第十六駆逐隊、ソロモン、ケ号作戦、あとは・・・・・・」


「ビスマルク海海戦、ダンピール海峡の悲劇か?だいたいの主要なものは覚えているようだな」


「よく知っているねしれぇ。そう、ダンピール。何があったのかは分からなかったけど、敵機が低高度に来てしばらくしたら機関部に魚雷じゃなくて爆弾が直撃したのはおぼえてるよ」


「そりゃ反跳爆撃だ。水切りの要領で爆弾を水面に投下、そのまま横っ腹に直撃させるんだ」


「へえ、そんなことやってたんだ。敵ながらに器用器用」


「旧日本海軍もそれを真似しようとしたみたいだがな、さて着いた。ここが開発室だ」


目の前の重厚な扉を開くと、中には紫瑞がいた。


機材もすでに用意してある。


「さて、艤装をここにおいて、君にはこれを飲んでもらうからね」


紫瑞は懐からカプセルを取り出す。


いつものやつだ。


「しれぇ、なにか怪しいのじゃないよね」


「安心しろ、俺も使ってるしここの艦娘は皆使ってる」


そう言って、水とカプセルを時津風に渡し、飲ませる。


だいたい1時間だったか。


次に時津風の艤装を改造していく。


腕には、ヴェルと同じMk45。


それから、後ろの魚雷発射管を取り外し、VLSとmk32短魚雷発射管を取り付ける。


秋月に付いているものを流用した形だ。


それから、足にファランクスを2基。


ソナーとSPY1レーダーも搭載。


大体こんなものか。


ただOTOメラーラ76mm砲でも後でとりつけるか。少し対空火力の不足が否めない。


その旨を紫瑞に送った。


因みにオートメラーラ76mm砲ははつゆき型護衛艦、ゆうばり型護衛艦、あさぎり型護衛艦、あぶくま型護衛艦などに搭載されていたりする。


日本名は62口径76ミリ単装速射砲。


85/minという速さで連射する。


射程は対空弾が5000m、射程延長型半徹甲弾が20000m。


もう片方の腕が空いているから、取り付けは可能だろう。


紫瑞からは、君は何と戦おうとしているんだい云々といった旨の返信があったが、とりあえずは開発後、配備といった形にはなった。


閑話休題。


「しれぇ、なんか重いんだけど」


まあ、艤装らしい艤装といえば、後ろの魚雷発射管だけだったからな。


「まあ色々くっつけたからな。機関部もガスタービンにしておいたから、速力は落ちないはずだ」


むしろあがるのではないのだろうか。


「ほうほう」


「んじゃちっと元帥のとこいってくるから、適当にくつろいでいてくれ」


「適当に寛げっていっても、何したらいいのさ」


「砲撃でも試してみたらどうだ?弾薬は倉庫においてある。ミサイルは持っていくなよ」


「あいあい」


「んじゃボクも大本営にいくよ。資料を当たらなきゃならないしね」


その後、時津風にMk45の弾薬の補給、砲塔の妖精の配備をした。そして学校の訓練所に連れていき、時津風を置いてくると、大本営にむけてタクシーを出した。


タクシー代?大本営の経費に決まってるがな。










後書き

ここまでお読みいただきありがとうございます。


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2022-02-19 23:50:12

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このSSへのコメント

3件コメントされています

1: 連装砲提督 2015-05-03 11:00:23 ID: 1M5Ki1AD

ヒャッハー続編だー!続きが楽しみです。ファイトです!

2: あほ 2015-05-03 21:12:29 ID: N0XgjdgD

連装砲提督さん

引き続きコメありです。
ただいまE6途中なので更新も遅れると思いますがこれからもよろしくお願いします。

3: みがめにさまはんさみかたき 2018-09-28 00:50:44 ID: O4VTtZ6_

続きまだか!?
私は楽しみでしかたないよ!


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