2020-04-30 01:18:24 更新

概要

どうやらうちの加賀さんは占いができるようです?


前書き

温かい目で読んでいただけると幸いです。


ある日の鎮守府


赤城「はぁ…」


加賀「赤城さん、どうかされたのですか?」


赤城「えぇ…実は最近あまり食欲がなくて…」ハァ…


加賀「確かにそうですね。昨夜も白飯を五杯しかおかわりしていませんでしたし」


赤城「そうなんです…それにそのせいなのか、あまり気分もよくなくて…」ハァ…


加賀「それは心配です…」


赤城「はぁ…」グダ


加賀「………」


加賀「あ…」ピコン


加賀「赤城さん、少し手を貸して下さい」


赤城「え?手、ですか?」


加賀「はい。少し手のひらを見せて下さい」


赤城「えぇ…どうぞ?」スッ


加賀「失礼します…」ドキドキ


加賀 ジー


赤城「あ、あの…加賀さん?」


加賀ジーー


赤城「そんなにまじまじと見て、私の手のひらがどうかしたのですか?」


加賀「はっ、……失礼しました」サッ ドキドキ


赤城「え、えぇ…」???


加賀「赤城さん、安心してください」


赤城「え?」


加賀「食欲は今日で戻ると思います」


赤城「ど、どうしてわかるのですか?」


加賀「手相です」


赤城「手相?…まさか加賀さん、手相占いができるんですか!?」


加賀「少しですが…」


赤城「そんな趣味があったんですね!はじめて知りました!すごいです!!」


加賀「いえ…」///


加賀(先日たまたま見ていたテレビでやっていたのを見ただけですが…)


赤城「じゃあ、これでまたご飯をいっぱい食べれそうですね!安心です!」


加賀「よかったです…」ホッ


赤城「そう言われたらなんだか元気になってきた気がしますしね」フフ


その夜、赤城の食欲は元通りに戻り、鎮守府の一食分の白米を一人でたいらげた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

次の日


加賀(まさか本当に当たるとは思ってもみなかったわ…) スタスタ


吹雪「………」スタスタ


吹雪「あ!加賀先輩!!」タタタ


加賀「何かしら…」ピタ


吹雪「あ、あの!一つお願いがあるのですが…」


加賀「お願い?」


吹雪「その…私も占ってほしいです!」


加賀「えっ?」


吹雪「赤城先輩から聞きました。加賀先輩は赤城先輩の食欲不足を当てたと。だから私も占ってほしいです!お願いします!」


加賀「そんな急に言われても困るわ」


吹雪「はっ!私ったら…す、すみません!こんなところで無理にお願いしてしまって!」アセアセ


吹雪「し、失礼しました!」サササ


加賀「はぁ…」


加賀「待ちなさい。やってあげるわ」


吹雪「え!?ほ、本当ですか!?」ピタ


加賀「えぇ。ほら、手を見せなさい」


吹雪「は、はい!」キラキラ


加賀「それで、あなたは何を見てほしいの」


吹雪「その…最近あまり演習で上手くいかなくて…それをご相談に…」


加賀「わかったわ…」


加賀ジー


吹雪 ドキドキ


加賀ジー


加賀「わかったわ」


吹雪「ほ、本当ですか!?」ドキドキ


加賀「最近あなたはあまり運が良くないようね…」


吹雪「運…ですか?」


加賀「何か他にも最近上手くいかなかったこととかなかったかしら?」


吹雪「えぇと……あ!実はこの前、提督の書類を落としてばらまいてしまいました…それと他にも……ど、どうしてわかるのですか?」ビックリ


加賀「とにかく、今のあなたには運がついてないわ。でも、諦めずに頑張ればきっと上手くいく日がくるから安心しなさい」


吹雪「本当ですか!」キラキラ


加賀「えぇ」


吹雪「わ、わかりました!吹雪、頑張ります!」グッ


加賀「では…私は行くわ」スタスタ


吹雪「あ、ありがとうございました!おかげで何だかスッキリした気分になりました!」ペコ


加賀「気にしないで」スタスタ


吹雪「はぁぁ~!加賀先輩カッコいい~!」キラキラ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


加賀(それっぽいことを言っただけだけど、大丈夫かしら…)スタスタ


明石「あ!加賀さ~ん!!」タタタ


加賀「何か…」ピタ


明石「いや~、聞きましたよ!すごいですね!!」ニコニコ


加賀「何がですか…」ムッ


明石「もぅ~、わかってるんでしょ?赤城さんが言ってましたよ!加賀さんの占いが当たる!って」ニコニコ


加賀「はぁ…またそれですか…」


明石「私にも一つ!お願いします!!」スッ


加賀「やりません。私は忙しいので…」プイ


明石「えぇー!!そんな~…」ガビーン


加賀「というかあなた、手ぐらいしっかり洗ったらどう…真っ黒よ…」ムッ


明石「え?あ、これですか?いやぁ、みなさんの装備のオイルとか錆とか触ってたら、なかなかとれないんですよね~」アハハ…


加賀「…………」


明石「まぁ、これもみなさんの安全のためなんでどうってことないですけど」ニシシシ


加賀「…………」


加賀「はぁ…わかったわ。それ落としたら見てあげるわ……」


明石「え?いいんですか!?」キラキラ


加賀「えぇ…早くしなさい」


明石「わっかりましたー!研磨してでも落としてきます!!」スタタタタ


加賀「騒がしい娘ね…」


加賀(それはともかく…赤城さん、どれくらいの人に言ってるのかしら…)


~~~~~~~~~~~~~~~~~

執務室



赤城「で、加賀さんの占いのおかげで元気がでたんですよ!」ウキウキ


提督「ほぉ~。加賀にそんな趣味が…」


赤城「私もびっくりですよ!今までなぜ黙って

いたのでしょう…」ウゥム


提督「まぁ、加賀はあまり自分の事を表に出さないタイプだからな。しかし、そんなことができるんなら私の運勢も占ってもらいたいもんだ」ハハハ


赤城「今度、聞いてみたらどうですか?」


提督「そうだなぁ。しかし…見てくれるかな」

アハハ…


赤城「大丈夫ですよ!加賀さん、提督のこと………あっ」ムッ


提督「ん?私のことがどうした?」


赤城「し、信頼してますから!」アハハ…


提督「そうか。それは嬉しいな」


赤城「えぇ!だから見てもらえると思いますよ」ホッ



扉:バァァン!




提督「うぉ!?なんだ!?」ビクッ


明石「提督!給湯室の水道借りますね!!」ダダダダダダ


提督「明石か… 扉は丁寧に開けろ。壊れるだろ…」ハァ…


明石「すみません!ちょっと急いでるもんで」ゴシゴシゴシ


赤城「何をそんなに慌てているのですか?」


明石「加賀さんに占ってもらいます!」ゴシゴシゴシ


提督「明石もか。加賀は許してくれたんだな」


明石「はい!」ゴシゴシゴシ


赤城「うふふ。加賀さん、人気者になるような予感ですね」←犯人


提督「だな。本人が嫌じゃなければいいんだが…」


明石「よし!」キュ


明石「ありがとうございました!!」ダダダダ



扉:バタン!!!



提督「明石め…あいつ………」ハァ…


赤城「よほど楽しみなんでしょうね」アハハ…


提督「まったく…あいつには一回、喝をいれないといけんな」ヨイショ


赤城「あら?どこかへ行かれるのですか?」


提督「いや、お茶をいれるだけだ」


赤城「それなら私が…!」


提督「いや、ずっと座りっぱなしも疲れたから大丈夫だ。赤城もいるか?」


赤城「そう言うことでしたら…お願いします」


提督「はぁあ……えぇと、お茶葉はどこに…」ガサゴソ



赤城「今頃加賀さんは明石さんを占ってるのですかね」ウフフ



提督「ぬわぁ!?」



赤城「っ!?ど、どうしました提督!?」アセアセ


提督「くっ…明石のやつめ……まさか給湯室でオイル汚れを……」


赤城「あらら…これは中々汚れてますね…」


提督「明石め……」グヌヌ…


~~~~~~~~~~~~~~~~~

廊下



明石「で、どうですか!?」キラキラ


加賀 ジー


明石「まさか運命の人が現れちゃったりしちゃいますか!?」ワクワク


加賀「それはないわ」キッパリ


明石「うぐぅ……そんなハッキリ…」トホホ…


加賀「そうね…運的にも良くもなければ悪くもないわね…」


明石「え?それってどういうことですか」ジトー


加賀「そうね、普通ってことよ」


明石「普通……普通…」



明石「ちゃんと占ってくれました?」



加賀 ギロ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



明石「う、うわぁぁぁ!ごめんなさいごめんなさい!冗談ですぅ!!」アセアセアセアセ


加賀「わかったなら。私は行くわ…」スッ


明石「えぇ!そんなぁ!!何か一つ!何か一つでもイベントはないのでしょうか!!」ガシ


加賀「あなたしつこいわね…」


明石「このままじゃ何もないしょうもない女になっちゃうじゃないですか!!」ウルウル


加賀「私には関係ないわ…」ズルズル


明石「そんなぁ~…」ウゥ…


加賀「………」ズルズル


加賀「はぁ……わかったわ。そうね…あなたにはもしかしたら近々大変なことが起きるかもしれないわね…」


明石「た、大変なこと…」ドキ


加賀「だから注意しなさい」


明石「は、はい…」ゴクリ…


加賀「後…」


明石「後?」


加賀「自分の過去の過ちとその性格を反省したほうがいいと思うわ…」


明石「す、すみません…」ペコリ


加賀「それじゃあ私はいいかげん行くわ」


明石「ありがとうございました…」


加賀 スタスタ


明石「はぁ…」


明石「何だかありふれたことだけ言われましたねぇ…。本当に当たるのか怪しいところですな」ウゥム


明石「過去の過ちと性格…大変なこと…」ウゥム


明石「ま、そんなことすぐに起こるわけ……」ヘラヘラ



提督「明石ぃぃぃ!!!!」大声 ドシドシドシ



明石「は、はい!!」ビクッ


提督「お前というやつは…!」怒


明石「あ、あの~…私が何かしましたか?」アハハ…


提督「何かしましたかだぁ?さっき、給湯室でお前が手ぇ洗ったおかげで、オイル臭くなっただろぉ!」


明石「あ………」ギク


提督「それにその汚れた手であちこち触ったせいで、給湯室の蛇口も真っ黒だぞ!」


明石「あちゃー!しまった…」


提督「罰として一人で掃除だ!!」ズルズル


明石「えぇぇぇ!!」泣


提督「えぇぇぇ!!じゃねぇよ!綺麗にするまで飯抜きだからな!」


明石「そんなぁ!」泣


提督「これを機に、生活態度を改めることだ!わかったな!」


明石「うわぁぁぁぁん!」泣


~~~~~~~~~~~~~

部屋


加賀「はぁ…さすがに疲れたわ…」


加賀「これ以上人が来ないといいのだけれど…」


コンコン


加賀「誰かしら…」


??「あ、あの、加賀さんはいらっしゃいますでしょうか?少しお頼みしたいことが…」


加賀「私に?…」


ガチャ


加賀「あなたは…」


羽黒「す、すみません!急にお尋ねしちゃって…」オドオド


加賀「珍しいわね…あなたが私に頼み事なんて」


羽黒「すみません…」オドオド


加賀「謝らなくてもいいわ…それで?私に頼みたい事は何かしら?」


羽黒「あ、あの……こ、ここでは少し…話づらいので……その……」モジモジ


加賀「はぁ…そうね。中に入って」


羽黒「ありがとうございます……すみません……」オドオド


加賀(よほど人に聞かれたくないのね…何なのかしら…)



…………


加賀「どうぞ…」ゴト


羽黒「す、すみません!お茶なんて…」オドオド


加賀「気にしないで…」


羽黒「……」オドオド


加賀「それで?頼み事はなにかしら」


羽黒「えぇと……その………」オドオド


加賀「私以外に誰も聞いてないから大丈夫よ」


羽黒「その……とても言いにくいのですが……」オドオド


加賀「あなたの言ったことは誰にも言わないわ」


羽黒「ほ、本当ですか!」


加賀「えぇ……」ズズズズ…


羽黒「それなら……あの!お願いがあります!!」バン



羽黒「私を!占って下さい!!!」グッ



加賀 茶:ブフゥゥ!!



羽黒「す、すみません!!大丈夫ですか!?」アセアセ


加賀「え、えぇ……」ゴホッゴホッ


加賀「あなたの頼み事ってそれなの?」


羽黒「はい!赤城さんが話してるのを聞きました!加賀さんの占いはすごいって!」


加賀(赤城さん……)


羽黒「とても迷惑なのはわかっています!でも…どうしても……気になることが……」///


加賀「気になること?」


羽黒「その……えぇと……とても言いにくいのですが………そのぉ……」カァァ///


加賀「言いにくいのなら無理に言わなくてもいいわ」


羽黒「す、すみません…」///


加賀「でも、残念だけど占いはできないわ」


羽黒「え…」ガーン


加賀「赤城さんに一回だけやったものがたまあま当たっただけよ…だから、あまり期待しない方がいいわ…」


羽黒「で、でも……」


加賀「残念だけれど、私はやらないわ」プイ


羽黒「気になる人が……いるんです…」プルプル


加賀「っ?」


羽黒「その人のことを……ずっと気になっていて………でも中々近づけなくて………」///プルプル


加賀「………」


羽黒「どうしたら少しでも近づけるかなって………」ウルウル


加賀「………」


羽黒「すみません……私ったら………ご迷惑をおかけしました…」スッ


加賀「はぁ………」


加賀「待ちなさい」


羽黒「え…」ウルウル


加賀「話、聞いてあげるわ…」


羽黒「ほ、本当ですか!!ありがとうございます!」泣


加賀「泣かないで…これで、拭きなさい」スッ


羽黒「ありがとうございます…」ズビビ


………………


羽黒「ど、どうですか…」ドキドキ


加賀「そうね…」ジー


羽黒「やっぱり駄目ですか…」シュン


加賀「そうとは限らないわ」


羽黒「え?」


加賀「今は駄目だと感じても、努力をしていれば、いつかは必ず振り向いてくれるはずよ」


羽黒「ほ、本当ですか!?」


加賀「えぇ…」ズズズズ…


羽黒「それなら羽黒頑張ります!」グッ


羽黒「本当にありがとうございました加賀さん!!」ガバ


加賀「気にしないで…」


羽黒「何だか羽黒、元気になった気がします!それでは、失礼します!ありがとうございました!!」


加賀「あ…待ちなさい」


羽黒「はい?」


加賀「このことは誰にも言わないでほしいの。お願いできるかしら…」


羽黒「はい!お任せください!!」グッ


加賀「そう…それならいいわ」


羽黒「はい!それでは失礼しました」


バタン


加賀「はぁ……」グダ


加賀(私ったら…押しに弱いわね……)


~~~~~~~~~~~~~~~


ガチャ


赤城「あら、加賀さん」


加賀「おかえりなさい赤城さん…」グダ


赤城「元気がないようですが、どうかされたのですか?」


加賀「いえ……少し疲れただけです…」


赤城「そうですか…無理はしちゃ駄目ですよ」


加賀「……………」


赤城「あ、そういえば!明石さん、どうでしたか?」ニコニコ


加賀「うぐっ…」


加賀「な、なぜそれを…」


赤城「たまたま執務室で提督とお喋りをしていたら、慌てて明石さんが入ってきて、加賀さんに占ってもらうって言ってましたから」クスクス


加賀「はぁ…」呆レ


赤城「それで?どうでした??」


加賀「特に何もありませんでした…」


赤城「え、それだけですか?」


加賀「はい…」


赤城「まぁでも、加賀さんの言うことですから、間違いないですよ!」


加賀「赤城さん…」


赤城「それでは、また行ってきますね」ヨイショ


加賀「どこへ行かれるのですか?」


赤城「加賀さんの占いのことを話にいくんですよ!」キラキラキラキラ


加賀「うぐっ…」


腕:ガシッ!


赤城「ど、どうしたんですか加賀さん!?」


加賀「お願いします赤城さん……」ピクピク


赤城「え?」???


加賀「これ以上、私のこと…誰にも言わないで下さい…」ピクピクピクピク


赤城「で、でも…」オドオド


加賀 ゴゴゴゴゴゴゴゴ


赤城「ウッ…」


赤城「わ、わかりました。すみません」ペコリ


加賀「ありがとうございます」ホッ…


赤城「でも私ったら、つい色んな人に話してしまいました」


加賀「え…」ドキ


赤城「提督でしょ…吹雪さんに……」


加賀「て、提督にも言ったのですか…」フルフル


赤城「はい。提督も加賀さんに占ってほしいって言ってましたよ」フフ


加賀「提督が?………そ、そう…デスカ…」ポッ///


赤城「あ!後、五航戦の娘にも…」


加賀「え!?い、今なんと…」


赤城「瑞鶴さんと翔鶴さんにも言いました」


加賀「そんな…」ガク


赤城「か、加賀さん?」


加賀「終わりました…」ガク…



後書き

この度は作品を読んでいただきありがとうございます。
スローペースで更新していく予定です。

よろしければ、コメント・評価もよろしくお願いします。


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2022-06-09 13:18:56

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2020-05-14 07:17:56

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2020-04-27 02:21:01

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2020-04-27 02:20:58

SS好きの名無しさんから
2020-04-25 19:29:32

このSSへのコメント

1件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2020-04-27 02:22:56 ID: S:UdTK5_

面白かったです!更新楽しみにしてます!


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