2020-05-28 21:56:13 更新

概要

俺よりも千歳お姉の方が大事なんでしょ?
じゃあ秘書艦から外すわ。


前書き

ボリュームの関係で『ケッコンオコトワリ勢を突き放してみた』に入れられなかった千代田のお話。
今回はバッドエンド目指してます。








【鎮守府内 執務室】





千代田「これでよしっと…お疲れ様、提督」


提督「ああ。今日もお疲れ様」



一日の仕事を終えて机の上の書類を片付ける。



千代田「はいこれ」


提督「ありがとう」



机の上から書類が無くなるとすかさず千代田がコーヒーを置いてくれる。

そんな気が利く彼女に礼を言って椅子に深く座ってリラックスする。


…まだそんなに遅い時間じゃないな。



提督「なあ千代田、もしよかったらこの後…」


千代田「あ、ごめんね、私千歳お姉と約束してるから。じゃあね」


提督「あ、ああ…お疲れ様…」



俺の誘いをするりと躱し、千代田が執務室を出て行こうとする。



彼女が執務室に出る前、指に嵌められている指輪がキラリと光った。









提督「はぁ…」



千代田に指輪を渡してはや半年、相変わらず彼女との距離感は縮まろうとしない。


何かと誘いは掛けているのだが、毎回毎回色んな理由をつけて逃げられる。


そう言えば指輪を受け取る時も『お気持ちは嬉しいけれど、千代田はやっぱり千歳お姉が心配だから』と言ってたっけ…。


断られたと思ってガッカリしていたが、千代田は一応指輪は受け取ってくれてその後は毎日嵌めて仕事に来てくれている。


その姿を見れば俺に対して脈が無いというわけでは無さそうなのだが…こうも毎回誘いを躱されると堪えるものがある。




提督「どうしたものかな…」




以前千代田のことを千歳に相談した時、こんなアドバイスが返ってきた。




千歳『提督が迫るから千代田が逃げるのですよ?あの娘、こういうことに耐性ないですから。ですので…』




千歳からのアドバイスは『押してダメなら引いてみろ』だった。


このままでは進展の見込みもないので妙な説得力を感じたそのアドバイス通り動こうかと思い立つ。




提督「やって…みるか…!」



俺は早速一旦閉じたパソコンを立ち上げ、偽造書類の作成から始めた。





作られた書類の内容は『秘書艦の交代』を告げるものだった。










【翌日 鎮守府内 執務室】






千代田「え…?秘書艦交代?」


提督「ああ」



翌日、千代田がいつも通り執務室に来ると同時にその書類を渡す。

余程のことが無い限り偽物とはバレないくらいよくできてしまっている。


提督「最近着任した海外艦の艦娘がいるだろ?その娘達の適性を見ろって大本営から…」


千代田「…誰と?」


提督「は?」


千代田「誰と代わるの?」



もっともらしいことを言う俺に対し千代田が疑いの視線を向けてくる。


もしかして嫉妬してくれたのかと少し期待してしまう。



提督「まずはサラトガかな?とりあえず数日やってもらって順番に回していくよ」


千代田「ふーん…サラトガさん美人だもんね」


提督「おいおい、任務でやるんだぞ?そんな風に言わないでくれるか?」


千代田「わかったわよ。それじゃあ千代田は千歳お姉のとこで休んでよーっと」


提督「ああ。これを機にゆっくり休んでくれ」


千代田「はーい」



早速効果があったのかはわからないが、千代田は少しつまらなそうな顔をしながら執務室を出て行った。


指輪を渡して以降、あんな千代田は見たことが無かったので、俺はこの後も色んな千代田が見たいという欲にも駆られ千歳のアドバイス通り色んなことを試してみようと思った。












この後、俺は調子に乗ってやることがどんどんエスカレートしていき







あんな大変なことになるとは思いもしていなかった…







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【鎮守府内 執務室】




サラトガ「航空母艦サラトガです。提督、本日よりよろしくお願いしますね」


提督「こちらこそよろしく。ほんの数日だからそんな固くならなくてもいいからな」


サラトガ「はい」



丁寧に頭を下げてサラトガが俺の隣に来る。


彼女からする甘い匂いに少しクラクラとした。



提督「良い匂いがするな…」


サラトガ「ふふ、特別な香水を使いました。今日という日のために前から準備していたのですよ?」


提督「そうか、それは恥ずかしいところをみせられないな」



俺の作りだした嘘の任務、こんな我が儘に付き合わせてしまった彼女を失望させることが無いよう、俺はいつも以上に気合を入れて仕事に取り組んだ。





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【鎮守府内 食堂】




千代田「…」


千歳「提督を探しているの?」


千代田「え?べ、別に…早く食べちゃおっと」



千代田は千歳に指摘されてキョロキョロとしていた視線をすぐに戻す。


内心は『いつもだったらこの時間にお昼を…』と思っていたがそれを悟られないよう取り繕った。






「さっき執務室行ったらサラトガさんが秘書艦してたよ」



「あれ?千代田さんは?」



「なんでも任務で新戦力の適性検査で秘書艦やらせるとか」



「ふーん、そんな任務あるんだー」





千代田「…」


近くの艦娘達の世間話が耳に入る。


そこまで秘書艦に執着していたわけでも無いのにどうしても気になってしまう。




「提督さ、なんかいつもより気合入ってたよ」



「サラトガさんの前だから頑張ってるのかな?」



「この調子で気を引き締めたままでいて欲しいかも、なーんて」









千代田「なによ…それ…」



続けて聞こえてくる自分不在の執務室の様子に千代田は悔しそうに顔をしかめた。




千歳「…」




そんな妹に対して千歳は




千歳「うふふ…」




千代田に聞こえない小さな声で笑っていた。



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【鎮守府内 執務室】



提督「サラトガ、今日はお疲れ様」


サラトガ「いえ、提督の方こそお疲れ様でした」



一日を終えてサラトガを労うと彼女は丁寧に俺に頭を下げて俺に応えた。

優雅なのにどこか優しさと包容力を感じさせる彼女に俺は思わずドキリとする。




…いかんいかん、本来の目的を忘れそうになった。


それほどまでにサラトガは魅力的な艦娘で俺は邪な考えが湧いてくる前に彼女を離そうと思ったが…



サラトガ「提督、サラの秘書艦はいつまででしたか?」


提督「え?えっと…明後日の朝までだな。そこで次の娘と交代してもらう」


サラトガ「そうですか…」



当初は5日くらいやってもらうつもりだったが、2日間に短くすることにした。

このままだとサラトガに魅了されてしまうようなそんな危ない気持ちが湧き上がりそうだったからだ。


俺の言葉に残念そうな顔を見せていたサラトガだったが…



サラトガ「わかりました。明日を楽しみにしていて下さいね。それでは失礼いたします」


提督「ああ、お疲れ様」



再びサラトガは俺に深く頭を下げて退室していった。






提督(ん…?)




楽しみに…していて下さい?




サラトガに言っていた意味がわからず俺は首を傾げていた。






【翌日 鎮守府内 食堂】




「司令官、おはよー」


「おはようございます提督」



提督「ああ。おはよう」



翌朝、いつも通り食堂に行って朝食を頂く。



千代田「おはよ、提督。昨日は楽しかったみたいね」


提督「ん?」



俺の隣に千代田が座ってきた。


特に珍しいことではないのだが、千代田はどこか俺に疑いの視線を向けてきた。



提督「楽しんだ?何がだ?」


千代田「サラトガさんを秘書艦にして…随分と張り切ってたみたいじゃない?」



これまで千代田以外を秘書艦にしたことがなかったから誰かが話をしてて千代田の耳に入ったのだろうか?



提督「そうか?まあ、あまり恥ずかしいところは見せられないって注意はしたけどな」


千代田「ふーん…」


提督「なんだよ?」


千代田「別にー…」



俺の模範的な回答に千代田がつまらなそうな顔をする。


やはり秘書艦を交代させたことが効いているのか、これも見たことがない反応で少し楽しかった。



この調子でもうしばらくは続けようかと思った時




サラトガ「おはようございます提督」


提督「ああ、おは…」



サラトガに声を掛けられてそちらに視線を向けると思わず言葉が途切れてしまう。



提督「サラトガ…その服…」


サラトガ「どうですか?天城に借りてきたのですけど…着付けは鳳翔がしてくれました」



サラトガはいつもの服では無く着物を身に纏っていた。



提督「あ、ああ…バッチリ似合ってるぞ」


サラトガ「本当ですか?良かった…一度着てみたいと思っていましたし、どうせ着るなら提督の御傍にいられるこの日が良いんじゃないかって…」



サラトガが恥ずかしそうに顔を少し赤くする。


そうか、楽しみにしていてくれってこのことだったのか。



サラトガはそのまま空いている俺の隣に座り朝食を摂るようだ。


着物を着たままでも優雅な動きに俺は思わず見とれてしまった。





千代田「ごちそうさまでしたっ!!!」


提督「うぉ!?」




反対に座っていた千代田が不機嫌そうな態度で立ち上がりズカズカとそのまま食堂を出て行った。


止めようかと思ったが



サラトガ「提督、まだ朝食が残っていますよ。早く食べて執務室へ行きましょう」


提督「そ、そうだな…」



タイミングよくサラトガに腕を掴まれてしまってそのタイミングを逸してしまった。




まあ、これも千代田の嫉妬心に火が付いたと思えば…


そんな楽観的な思考もあり、そのまま見送ることにした。






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【鎮守府内 千歳の部屋】





千代田「千歳お姉!」


千歳「どうしたの?」


千代田「着物持ってない!?うんとかわいいやつ!!」


千歳「無いわよそんなの…梅雨の時に着てたアレは」


千代田「ああいうのじゃなくってもっと華やかでかわいいやつがいいの!!」


千歳「…」




いきなり部屋に来て可愛い服を探し始めた千代田。


その焦る妹を見ながら千歳は楽しそうに笑っていた。





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【鎮守府内 執務室】




サラトガ「提督、こちらの書類は…」


提督「こっちだ。ありがとう」



今日のサラトガの動きはとても二日目とは思えないような手際の良さだった。


慣れない着物を着ているというのに動き辛そうな様子も無かった。



サラトガ「今日の書類は…これでおしまいですね」


提督「え?あ、本当だ…」



その手際の良さが手伝ってか、夕方になる前に本日の仕事が終了してしまった。




提督「ありがとうサラトガ。君のおかげで今日はもうおしまいだな」


サラトガ「ふふ、お役に立てて光栄です提督」


提督「だから今日は…」


サラトガ「提督、コーヒーを淹れますね」



『今日はもう上がってくれ』



そう言おうとしたが、サラトガがそれを遮るようにコーヒーを淹れに立ち上がった。



正直サラトガの魅力にこれ以上惹かれたらまずいと思って彼女を退室させようと思ったのだが…



サラトガ「提督どうぞ、こちらに」



サラトガはコーヒーを執務室の机ではなくソファのテーブルの方に置いた。

こちらでリラックスして欲しいということだろうか。



提督「ありがとう。それじゃあ…」



せっかく俺のためにコーヒーを淹れてくれたサラトガに応えようと俺はソファに座る。



サラトガ「失礼しますね」


提督「え?」



サラトガは俺と対面で座らず俺の隣に座ってきた。



サラトガ「どうかしましたか?」


提督「い、いや…」



『あっちに行け』と邪見にするわけにもいかず、俺はそのままサラトガを隣に座らせた。



提督「二日間ありがとうなサラトガ。君のおかげで仕事がかなり捗ったよ」


サラトガ「いえ…」



俺の労いにサラトガが少し寂しそうな顔をする。



サラトガ「今日で終わりなのですか…?」


提督「え?あ、ああ…本来は明日の朝までの予定だったがここまで順調に仕事が片付くと…」


サラトガ「でしたら」


提督「うぉ…!?」



サラトガが俺にしっかりと身を寄せてくる。

それだけに留まらず彼女は俺の腕にしっかりと両手を絡ませてきた。


着物でも隠し切れない彼女の大きな胸が俺にピッタリとくっつけられ、柔らかく形を歪ませる。

その拍子に着物は少しはだけ、彼女の胸が見えそうになっていた。



サラトガ「余った時間…提督と過ごしたいです」


提督「え…」


サラトガ「明日の朝まで…お供させていただけないでしょうか…?」



サラトガは潤んだ瞳で俺を見上げる。


明日の朝まで、その意味がわからないほど鈍感じゃない。

もしも俺が千代田に指輪を渡していなかったらこの場で彼女を押し倒していただろう。




だが…ここで本来の目的を忘れるわけにはいかない…!




俺はテーブルにあるコーヒーをわざと自分の方に倒した。



提督「あっち!!」


サラトガ「て、提督!?大変!」



サラトガがパッと俺から離れる。


俺はズボンを濡らしたコーヒーの熱さに耐えながら立ち上がった。



提督「すまん!せっかく淹れてくれたのに!」


サラトガ「ま、待って下さい!今冷やして…」


提督「すぐに着替えなきゃな!よし!じゃあ今日はお疲れ様!」


サラトガ「え?あ、ちょっと待っ…」




サラトガの言葉を待たず俺はさっさと執務室を出て行った。




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サラトガ「…」



後に残されたサラトガは台拭きでテーブルを奇麗にする。




サラトガ「残念…」




そしてひとり寂しそうに呟いた。





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【鎮守府内 廊下】




千代田「あれ?提督、何して…」


提督「千代田…?」


千代田「ど、どうしたのよその格好!?」


提督「コーヒー零しちゃってな…って」



廊下に出ると執務室に向かって来ていた千代田が走り寄って来る。



提督「千代田こそ、なんだその服」


千代田「え?あ…」



千代田は見慣れないを服を着ている。


いや、あれは秋に見たことのある着物だったか…?



千代田「べ、別にいいでしょ!少し着てみたかったのよ!」


提督「…」


千代田「な、なによ…何とか言ってよ!」


提督「やっぱり似合ってるな。可愛いぞ」


千代田「うぅぅぅ…!」



褒めると恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。

以前褒めたときには見られなかったその反応にとても嬉しい気持ちになった。



提督「もしかしてサラトガに対抗して…?」


千代田「いーの!なんでもいいでしょ!ほら!早く脱いで!洗ったげるから!」



恥ずかしさを隠そうと千代田が俺のズボンを脱がそうとする。



提督「やめろこんなところで!誤解を招くだろ!」


千代田「早く脱がないとシミに…」



俺のズボンを脱がそうとしていた千代田の手が止まる。



提督「千代田?」


千代田「…」



千代田が俺に近づきスンスンと鼻を鳴らす。

匂いを嗅いでいるようだ。



千代田「…サラトガさんと何してたの?」


提督「え?」


千代田「サラトガさんの匂いがするよ…」




そうか…さっき密着された時に彼女の香水が…!



提督「千代田、これはだな」


千代田「バカ…」


提督「え?」


千代田「バカバカバカぁ!提督のバカ!もう知らないんだからぁぁ!!」




千代田は目に涙を溜めながらそのまま走り去ってしまった。




提督「ち、千代田!待ってくれぇぇ!!」




俺はズボンをコーヒーで濡らした間抜けな格好のまま千代田を追い続けた。












その後、何とか千歳が間に入ってくれて誤解を解くことができた。










【鎮守府内 執務室】



提督「いい加減機嫌直してくれよ千代田」


千代田「ふーんだ」



翌日は朝から千代田が執務室に来ていた。

昨日誤解を解くため謝り続けたが、結局最後まで機嫌を直してはくれなかった。


もう一度謝ろうかと思ったとき、千歳の言葉が思い出される。


押してダメなら引いてみろだったな・・・


提督「・・・」


千代田「・・・?」



俺はこれ以上弁明することは止めて机にある資料に目をやった。

急に黙った俺に対し、千代田がチラチラと視線を送っているのがわかる。


こんなにも効果があると楽しくなってしまった。



千代田「ね、ねえ提督」


提督「なんだ?」


千代田「どうしてサラトガの誘いを断ったの?」



見ると千代田がこちらを上目遣いで見ていた。

何か不安を抱えているように見えるが、同時に何らかの期待をしている様にも見える。



提督「そんなこと、言わなきゃわからないのか?」



試しに少し突き放すような態度を取ってみる。



千代田「言って!」


提督「ぅお!?」



しかし千代田は離されまいと食いついたままだ。



千代田「教えてよ提督・・・提督の口から聞きたいの・・・」


提督「千代田・・・」



真剣な表情の千代田にこれまでになかったものを感じる。

これはもしかしてチャンスなのでは・・・?


そう思った俺は千代田に対し迫ってみようと思った。



提督「俺がサラトガの誘いを断ったのはな・・・」


千代田「あ・・・」



俺は千代田に近づき、両肩に手を置いた。











アクイラ「ボンジョルノ~」



その時、ノックもせずにアクイラが入ってきた。


そういえば自由な艦娘が多いって誰かが言ってたな…。


アクイラ「あら提督、今日から秘書艦だとお聞きしましたので伺いました」


提督「あ、ああ・・・」



既に次の秘書艦をアクイラにお願いしていたことをすっかり忘れていた。



千代田「・・・」



まずい、千代田の視線が痛い。



千代田「どうぞお楽しみに!じゃあね!」



千代田は怒って執務室を出て行ってしまった。



アクイラ「提督?どうかしましたか?」


提督「いや、すまない。それじゃ始めようか・・・」


アクイラ「はーい」



アクイラはウキウキしながら秘書艦業務に取り掛かった。




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千代田「ふん…!もう知らないんだから…!」



不機嫌そうな態度のまま千代田が歩いていると反対から千歳がやって来た。



千歳「あら千代田、どうしたのそんな不機嫌そうな顔して」


千代田「千歳お姉…提督ったらね、また別の秘書艦を…今日からはアクイラだって!」


千歳「まあまあ…千代田落ち着いて」



不機嫌を隠し切れない千代田に千歳が優しく宥める。



千歳「でも大丈夫なの?また提督を別の秘書艦と二人っきりにさせて」


千代田「サラトガは余り大丈夫じゃなかったけど…アクイラは…まあ大丈夫じゃない?」


千歳「あらどうして?」


千代田「だってこれまで提督に対してそんな素振り見せたこと無いし、いつもぽわぽわしててそんな様子無いって…」


千歳「ふふ、そうかもね」


千代田「間宮行こ、千歳お姉。ストレス解消にスイーツ爆食いしてやるんだから!」



悪いことを忘れようと千代田は間宮の方へと向かって行った。




千歳「ねえ千代田」



千歳は千代田が聞こえない小さな声で呟く。




千歳「恋する女性はね、いつでも鋭い牙を隠しているものなのよ」



そう言って千歳は妖艶な笑みを見せていた。







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【鎮守府内 執務室】




社長「この程度の賠償で納得できるかっ!!」



少々まずいことになった。


先日の海上護衛任務の際、出撃した艦娘達は深海棲艦から船団を護ることはできたのだが、戦いの際に艤装を船にぶつけてしまった。

船についた傷は海軍の規定通りの修理費用で補償されるのだが、どうもこの社長はそれでは納得してくれないらしい。

『長年使用された愛着のある船』だの『その傷から沈む可能性がある』だのあるのか無いのかわからないことを延々と繰り返して補償額を増やそうとしていた。


こちらに非はあるというのは確かなのだが、相手の高圧的な態度からここは譲るわけにはいかない。

この手の連中は少しでも隙を見せたらつけ込まれ、計り知れない金額を請求されるからだ。



提督「申し訳ありません、しかし規定通りの金額はお支払いしました。これ以上は海軍から補償されることはありません、どうかご納得いただけないでしょうか」


社長「なんだその態度は!人の船を傷つけておいて偉そうに!」


提督「頭ならいくらでも下げます、しかし金額の面はこれ以上の補償はできかねます。既にお支払いした補償金でどうか…」



座ったままにはなるが社長に対し頭を下げる。



アクイラ「まあまあ社長さん、これを飲んで一息つきましょうよ」



合間を見てアクイラがティーカップを持って来た。



社長「ふんっ!!」


アクイラ「ああっ!!」



しかしアクイラがテーブルに置こうとしたティーカップをそのまま掴み俺に中身をぶちまけた。


中身がアイスティーだったのは助かった。

熱かったらこの場でみっともなく叫んでいたかもしれない。



社長「今日はこれくらいで勘弁してやる!しかし金が支払われるまで毎日来てやるからな!!」



聞き覚えのあるような無いような捨て台詞を残して社長は執務室から出て行った。



提督「やれやれ…昨日はコーヒーで今日はアイスティーか」


アクイラ「提督…!」



俺はハンカチを取り出して自分を拭こうと思ったが、アクイラが先に俺の濡れた部分を拭いてくれた。



アクイラ「申し訳ありません…アクイラが余計なことをしなければ…」


提督「いや、むしろ助かった。おかげであのバカ社長が帰ってくれたからな」


アクイラ「提督…」


提督「こっちこそ秘書艦体験にあんな奴の対応させて申し訳ない」


アクイラ「いえ、私は…」


提督「ちょっと着替えてくるな。すまないけどテーブルをキレイにしてもらっていいか?」


アクイラ「はい」





俺は執務室を出て自室に着替えに向かった。















「提督…」


「あの、ごめんなさい…私達のせいで…」


提督「ん?」



廊下に出ると申し訳なさそうな顔の艦娘が立っていた。


この娘達は先程言っていた船団護衛に出撃した艦娘達だ。



提督「こんなこと気にするな。この先艤装を船にぶつけることの無いようまた皆で作戦と演習方法を考えような」


「う、うん…!」


「ありがとう提督!」


「精一杯頑張るね!」



俺の言葉に艦娘達は顔を上げてホッとした顔を見せてくれた。



提督「廊下は走るなよー」



元気を取り戻した彼女達を見送り、俺は着替えに自室に向かった。






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アクイラ「うふふ」




アクイラはドアの隙間からその様子を伺っていた。


その笑みはとても嬉しそうなものとどこか妖艶なものを含んでいた。





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【鎮守府内 談話室】



「…ということがあったの」


千代田「へぇー、提督がね、まあ…あの人ならそう言うでしょうね」



その話を耳にした千代田がどこか自慢げな顔を見せている。



千歳「あら千代田、嬉しそうね」


千代田「べ、別に…!そんなこと…」


千歳「うふふ、提督が褒められたことがそんなに嬉しかったのね」


千代田「そんなんじゃないもん…」



千歳の指摘が図星だったのか千代田が顔を真っ赤にして目を逸らした。




千代田(まあ、でも…良いところ見せてくれたんだから後で労いに行こっかな)




後程適当な理由をつけて提督に会いに行こうと頭の中で思っていた。





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【鎮守府内 執務室】




提督「ああ、よろしく頼む。きっとボロが出るだろうから、報酬は…」



着替えた後、俺は早速先程の社長の尻尾を掴むため調査機関の派遣をした。



アクイラ「先程の賠償請求の件ですか?」


提督「早いところ対処しないと艦娘達が暗い顔するから、とっとと本性暴いて化けの皮を剥がしてやる」


アクイラ「あらあら悪いお顔」


提督「はは、すまないな」



楽しそうに笑うアクイラに俺も思わず笑みを返してしまう。


彼女には場を和やかにする不思議な魅力を感じるな。



アクイラ「先程の提督、凄くかっこよかったですよ」


提督「え?」


アクイラ「艦娘達を責めようとせず一緒にこれからのことを考える姿勢は思わずキュンときちゃいました」


提督「そいつは照れるな」



正面切ってアクイラに褒められたため少しくすぐったくなった。



アクイラ「でもね、提督」


提督「なんだ…って…」



アクイラが椅子に座る俺の正面に来て自分の胸の方に俺の顔を抱き寄せる。

彼女の大き目の胸が顔にくっつけられ、柔らかな感触に身体が固まってしまう。



アクイラ「自分だけで何事も抱えないで下さいね。ここにはあなたの仲間が、味方がたくさんいるのですから」


提督「アクイラ…」


アクイラ「よしよし」



まるで子供をあやすようにアクイラが俺を抱きしめながら頭を撫でる。




提督「こ、子供扱いすんなって…」


アクイラ「うふふ、たまには良いじゃないですか」



その優しい行為に甘えていたいが何とか理性を振り絞りアクイラから離れた。



提督「でもありがとうな。何だか気が楽になった」


アクイラ「ふふ、これからも甘えたくなったらいつでも言って下さいね」


提督「はは…」



両手を広げていつでも来て良いというアクイラの態度に俺は顔を赤くしながら苦笑いをするのだった。






【鎮守府内 執務室前廊下】



提督「それじゃあまた明日、よろしくな」


アクイラ「はい。お疲れ様でした」



行儀良さそうにアクイラが俺に頭を下げて反対方向へと歩いて行った。


先日のサラトガのような誘惑は無く、今日は何事も無く仕事を終えられた。



提督「ふぅ…」



千代田のジェラシーを引き出すため始めたことなので、誘惑に流されないよう緊張感を持つようにしていた。


しかし先程アクイラに抱きしめられた時はまるで全てを彼女に委ねてしまいたい衝動に駆られそうになった。



提督「気を引き締めないとな…」


千代田「何が?」


提督「うぉぉ!?」



いきなり千代田に声を掛けられて変な声が出てしまった。



千代田「な、なによ変な声出して…」


提督「いきなり声を掛けるからだろ」


千代田「ふーん…なんかやましいことしてたんだ?」


提督「おいおい…」



千代田が俺に疑いの視線を向ける。


秘書艦外してからこんなのばかりだな。



提督「俺に用があったんじゃないのか?」


千代田「くんくん…また甘い匂いがする…」


提督「そりゃあ…一日アクイラと一緒にいたからな」


千代田「そうですよねー、一日一緒にいましたもんねー」



千代田がツンと顔を逸らしてこちらを見ようとしてくれない。


ここで俺がさっきアクイラに抱きしめられナデナデされていたなんて知ったらどんな顔をするやら…








アクイラのナデナデ…良かったなぁ…。



不思議な魅力でいっぱいだった…日々の疲れが癒されるような…味わったことの無い感覚…






千代田「な、何よ急に黙って…」


提督「なあ千代田、俺を抱きしめてくれないか?」


千代田「は、はぁ!?」



俺のお願いに千代田が思いっきり眉を顰める。



提督「嫌なら別にいい」


千代田「も、もう…何なのよ…!」






千代田は仕方ないなと呆れた顔をしながら俺に近づき俺を正面から抱きしめてくれた。



千代田の大きな胸が俺の腹部に当たり柔らかい感触に思わず下半身に血が流れそうになった。




千代田「こ、これでいいの…?」




まさか本当に抱きしめてくれるとは思っていなかった。


これも秘書艦を外した効果なのかと有頂天になりそうになったが…




提督「なんか…違うんだよな…」


千代田「はぁ!?」



アクイラの時のような圧倒的癒しが感じられず余計なことを口走ってしまった。




千代田「なによせっかく恥ずかしいの我慢してやってあげたのにぃ!!ばかぁ!もう知らないからぁぁ!!」




千代田は怒って走り去ってしまった。



提督「ま、待ってくれ千代田ぁ!」




俺は先日に続いて千代田を追いかけ、夜通し謝り倒す羽目になってしまった。












【鎮守府内 執務室】




アクイラ「提督、こちらの書類を…」


提督「ああ」



翌日もアクイラを秘書艦にしての仕事は続いた。


昨日のような情けない姿を見せることの無いよう気を引き締めて掛かった。




…と思っていたのだが



アクイラ「提督、書類の進み具合も良いですね。さすがです、よしよし」


提督「お、おい!よせって…言って…」




何かにつけてアクイラが椅子に座る俺を正面から抱きしめ、顔を胸に埋めさせたまま頭を撫でてくる。



抵抗の意思を見せるがアクイラはお構いなしに抱きしめてくれた。





提督(何なのこれ…)




優しさ、安らぎ、癒し。その全てを含んだアクイラのナデナデは俺を完全に虜にしていた。




アクイラ「さあもう少しでお昼です、頑張りましょう」


提督「そうだな…」




このままではダメだと思いつつも俺はアクイラの成すがままになっていた。






【鎮守府内 食堂】




「こんにちはー提督」


「今日はアクイラさんが秘書艦なんだね」



食堂に行くと既に艦娘達が昼食を摂っていた。



その中には…



千代田「…」



千代田は俺の視線に気づくとプイっと横を向いた。


どうやらまだ昨日のことを許してはくれないらしい。



早いところ機嫌を直してもらおうと千代田の隣に座ろうとするが…



アクイラ「失礼しますね」


千代田「え…」


提督「アクイラ?」



俺よりも先に千代田の隣に座ったのはアクイラだった。



アクイラ「すみません千代田、秘書艦業務のことで少し伺いことが…」


千代田「ああ、そういうこと…」



どうやら仕事のことで千代田から聞きたいことがあったらしい。


それならと納得して俺はアクイラの隣に座り食事を摂ることにした。





千代田「…ということよ、だから後は」


アクイラ「はい、わかりました。ありがとうございます千代田」


千代田「べ、別に良いわよ…」




アクイラのぽわぽわした雰囲気に絆されてか千代田も少し照れ臭そうな顔になっている。


もしかしてアクイラは俺と千代田のことを気遣って…?


そう思いアクイラに感謝しようとしたのだが…




アクイラ「これで今後私がずっと秘書艦でいても大丈夫ですね」


提督「え…」


千代田「は…はぁ…!?」




地母神のような雰囲気を感じさせていたアクイラがいきなり牙をむき出しにした野獣に見えた。




アクイラ「ねえ千代田?私、この先もずっと秘書艦を続けたいのですけど…よろしいですよね?」


千代田「な、何言ってんの…ダメよ!」


アクイラ「どうしてですか?」


千代田「ど、どうしてって…秘書艦はずっと私が…とにかくダメなの!」



千代田の大きな声に周りの艦娘達の注目を集め騒がしくなってくる。






「なになに?どうしたの?」


「アクイラさんが『秘書艦を譲れ』って…」


「わー!宣戦布告だー!」


「提督どうするんだろう…」




艦娘の注目は俺がこの後どう言うのかということにも集まっているらしい。



千代田「ど、どうなの提督!」


アクイラ「どうなのですか?」


提督「うぐ…」




ほら来た…



俺は『あくまでアクイラの秘書艦は一時的なもので終わったら千代田を秘書艦に戻す』と言おうとしたのだが…




サラトガ「私も秘書艦になりたいです」


提督「さ、サラトガ…!?」




獲物の匂いを嗅ぎつけた目をしたサラトガまでやって来た。


躊躇せず俺の腕を絡めてきて大きな胸をくっつけてきた。


柔らかい感触と甘い匂いにまたクラクラする。




サラトガ…諦めてなかったのか。




千代田「ちょっと!離れてよ!!」


アクイラ「では私は空いているこっちを…」


サラトガ「提督…サラは提督のためならどんなことでも…」




その後、しばらくそんな騒がしいやり取りが続き…







国後「ちょっと!食堂では静かにしてよね!!」






海防艦である国後の一喝でその場は上手いこと収まってくれた。






ありがとう、国後…









【鎮守府内 執務室】




アクイラ「…」


提督「アクイラ…?」



夕方、先程まで元気だったアクイラが浮かない顔をしている。

仕事はもう片付いたというのにアクイラはサラトガのように何もアクションを起こさなかった。



提督「アクイラ、どうかしたのか?」


アクイラ「え…あ、提督…すみません、なんでも…」



何でも無いという顔には到底思えない。



提督「さっきの演習か?」


アクイラ「…」





先程鎮守府内で演習を行った。


1対1の演習でアクイラは同じ空母の千代田と当たった。



結果は千代田の勝利。

今日の千代田の気合の入りようは異常でやる気どころか殺意まで覗かせていたような気がする。


あんな千代田初めて見た…やっぱり俺のせいかな?




提督「そんなに演習の結果を引きずらないでくれ、これから…」


アクイラ「私…正規空母なのに…」


提督「え?」


アクイラ「性能も良くありませんし…他の軽空母の方より劣るところも…」


提督「アクイラ…」



確かに搭載数やそれぞれの性能を見るとアクイラは軽空母にすら劣るところはあるかもしれない。



アクイラ「こんな私では…艦隊の…提督の御役に立てませんよね…」


提督「…」



アクイラが俺に縋るような顔を見せている。

本当は以前からずっと自分の性能のことは気にしていたんだろう。


助けを、救いを求める感情が伝わってくるが少し遠回りをすることにする。




提督「それは過去2度あった欧州遠征の最終海域でアクイラを旗艦に抜擢した俺への作戦批判か?」


アクイラ「え…」


提督「そうだとしたらがっかりだな」


アクイラ「ち、違います!私そんなつもりじゃ…!」



アクイラが慌てて取り消そうとする。

そんなアクイラの頭にポンと手を置く。



提督「あの欧州遠征では期待以上に働いてくれた。あの時の活躍を嘘だとは言わさないぞ」


アクイラ「提督…」


提督「他の艦娘との差を気にするなと言っても難しいだろうが…どうか卑屈にならないでくれ」



頭に置いた手をナデナデしてやる。



提督「俺はアクイラの頑張りをちゃんと見てるからな」


アクイラ「う…提督…恥ずかしいです…」


提督「はは、いつものお返しだよ。よしよし」


アクイラ「むぎゅぎゅ…」



自分がやっても恥ずかしくないのだろうが、俺に頭を撫でられるのが恥ずかしいみたいでアクイラは顔を真っ赤にして俯いた。




秘書艦に据えることでアクイラの悩み、本音が聞けて良かった。


千代田を妬かせるという不純な動機で始めた秘書艦交代だったが、この時は成功だと思った。





…しかしそんな甘い考えはあっという間に消滅する。





アクイラ「提督…」


提督「なんだ?」


アクイラ「さっきのお返事…聞いていません」


提督「な、何がだ?」



俺を見上げるアクイラの目が獣の目に変わっていた。



アクイラ「千代田に代えて私を秘書艦にするお話です」


提督「あ…それは…」


アクイラ「私は提督のためならどんなことでも…」



アクイラが俺の胸に顔を埋める。


これは…サラトガの時と同じようなパターン…!



二度も同じ轍を踏むわけにはいかない!



提督「すまんアクイラ!」


アクイラ「きゃっ」



俺はアクイラの両腕を掴み自分から引き剥がす。



ここは毅然と断ろう。


そう思ったのだが…



アクイラ「…」



アクイラの悲し気な瞳、先程聞かされた悩みのことでストレートな返答を変化球にさせてしまった。





提督「その…秘書艦は体験で色んな艦娘を交代でさせてるんだ…!最終的には…!」


アクイラ「そうですよね…」


提督「ち…え…?」



『最終的には千代田に戻す』

そういう前にアクイラが頷いてくれたのでその後の言葉を繋げなかった。



わかってくれたのか…?



アクイラ「サラトガから私、それに他の皆さんにもチャンスをあげないとフェアじゃありませんよね」


提督「ちがっ…!?」


アクイラ「わかりました、このアクイラ、提督に選ばれる日を待って実力と女を磨いて待っています!失礼します!」


提督「ちょ…!?アクイラ!話を…!」




アクイラは俺の話を聞こうとせずそのまま執務室を出て行ってしまった。



















____________________






青葉「青葉…聞いちゃいました…!」








その話を執務室の前で聞いていた青葉が楽しそうな表情でどこかへ向かって行ってしまう。



青葉は千代田から『執務室で提督が怪しいことしないか確認して!』と頼まれていた。


千代田は自分が行ってしまうとまたバッタリ提督と会って気まずくならないかという心配から青葉に頼んでしまっていた。







執務室の提督とアクイラのやり取りは翌朝



『提督が新たなケッコン相手を探すべく秘書艦を交代で味見している』とかなり歪曲されて鎮守府中に伝わり



所属する艦娘全員が知ることとなってしまった。









それを知った千代田が激怒したのは言うまでもない…













【鎮守府内 執務室】





提督「あああああああああああああああああああああ!!面倒なことになっちまったぁぁ!!」






今朝、食堂へ行くと多くの艦娘達が熱い視線を送ってきた。



『提督!次の秘書艦は誰ですか!?』


『新しいお嫁さん候補を探しているって本当ですか!?』


『私、前々から秘書艦をやってみたくて…!』


『提督のためなら…!』




青葉の巻いた噂の種はあっという間に多くの花を咲かせてしまったらしく、多くの艦娘達からの熱いアプローチを受けることとなった。



このまま放っておいてはまずい…!



そう思った俺は逃げるように執務室に入り大本営へ電話をした。



大本営から『そんな任務は存在しない』と言ってもらうためだった。

嘘の任務を作ったなどと知られては想像もつかないような罰を受ける可能性もあったが、このままだと大混乱は避けられないため背に腹は代えられなず大本営へと報告した。




結果、俺は罰を受けることは無かった。


なぜかというと…




提督「せ、正式に任務にする!?どういうことですか!?」




青葉が話の裏を取るため既に大本営に確認の連絡をしていた。


それを聞いた大本営の役員が『それ面白いな、いっそのこと本当に任務にしてしまうか?』と話を進めてしまったらしい。




提督「どうしてそんなことに!?任務を出す最終的な権利は元帥殿に…」


役員『今の元帥閣下がケッコン指輪を渡した艦娘はご存じで?』


提督「…誰です?」


役員『龍田、比叡、筑摩だそうです』


提督「ああ…」




その艦娘達も姉妹艦に執着が強く、ケッコンを断る艦娘として有名だった。



役員『その秘書艦を交代させるという話を聞いて「その手があったか!」と張り切ってしまいまして…』


提督「…」




元帥殿の気持ちが痛いほどわかるのでこれ以上何も言えなかった。







そんなことで俺は次の秘書艦を選ばなければならなくなった。



正式に通達が来た任務の内容は『現秘書艦以外の艦娘5人を秘書艦として1日以上体験させること』というものになった。



つまり俺の場合、あと3人の艦娘を秘書艦体験させなければならない。






千代田「ねえ提督?」


提督「ち、千代田…?」




頭を抱えている俺の目の前にいつの間にか千代田がいた。



千代田「新しい秘書艦は決まったの?」


提督「い、いや…その…」


千代田「任務なら仕方ないよねー?それで?」


提督「はい?」


千代田「だれ?だれがやるの?」


提督「う…」




俺のあらぬ噂を信じてか、千代田が据わった目で俺に問い詰めてくる。


ジェラシーからの行動なのだろうが…今は怖さしか感じない。




次の秘書艦…


そういえばアクイラ以降はまだ誰にも頼んでいなかった。




提督「イ、イントレピッド…?」


千代田「ダメ!空母禁止!」



ダメって…



提督「それじゃあウォースパイト?」


千代田「ダメダメ!」


提督「リットリオ…」


千代田「戦艦も禁止っ!!」



まあここ最近のこと考えたら警戒したくもなるか。



提督「それじゃあ…ザラ?」


千代田「あの娘も提督狙ってるよ!ダメ!」



一応妬いてくれてはいるようでホッとした。



提督「アブレッツィ」


千代田「イタリア艦禁止!」出入り禁止!」


提督「だったらアトランタ?」


千代田「もう!!軽巡以上禁止ぃぃ!!」




そんなこと言われたら選択肢が殆ど無くなるな。

軽巡以下って駆逐艦か海防艦くらいか?



提督「フレッチャーで」


千代田「海外艦はダメよ!」


提督「わ、わかったよ…それじゃあ涼月か萩風か海風か…」


千代田「ちょっと!?」


提督「な、なんだよ…」


千代田「おっぱいで艦娘選んでない!?」


提督「そんなわけ…」





…無いとは言えない。




この他に頭に浮かんだ艦娘が浜風、浦風、潮だったからだ。




千代田「これはもう私が選ぶしかないようね…!」


提督「なんで千代田が…」


千代田「何か言った!?」


提督「い、いや…別に…」




鋭い眼光を見せる千代田に何も言い返せなかった。




千代田「そうだ…!!」




千代田がこの任務に…というより今の俺に最適の艦娘を思いついたようですぐに執務室を出て行った。





誰を連れて来たのかというと…








【鎮守府内 執務室】




国後「それで…私が秘書艦をすると…」


千代田「お願い!もう国後にしか頼めないの!」



千代田が両掌を合わせ頭を下げながら国後に頼み込んでいる。



国後「わ、わかりましたからっ、千代田さんがそこまで言うのなら私引き受けます!」


千代田「ホントに!?ありがとう…!遠慮なく提督の性根を叩き直してあげてね!何かしてきそうだったら蹴飛ばしてもいいからね!」


国後「はい!」


提督「…」




国後なら間違っても手を出すことは無いだろうと思っての抜擢なのだろう。




国後「さっそくお仕事を始めるわよ!ビシバシいくからね!」


提督「わかったよ…」




こうして今日からの秘書艦代理は国後となった。





____________________






【鎮守府内 執務室】




国後「はいこれ、次はこっちね」


提督「ああ、ありがとう」



国後は思っていた以上にテキパキと秘書艦業務をこなしてくれた。


まだ子供だからと少し侮っていた自分を恥じる程だ。



しかしどこか張り切っているような…



提督「ん?」



執務室のドアが少しだけ開いている。

よく見るとそこには縦に並んだ顔が3つ。





占守「ふひひ、しっかりやってるっしゅ」


八丈「クナは真面目だねー」


石垣「心配して見に来たけど…大丈夫みたいね…」



どうやら姉妹達が国後の様子を見に来たらしい。




国後「ん…?あーーー!あれだけ言ったのに見に来ないでよー!」


占守「しまったっしゅ!見つかったっしゅ!」


八丈「て、てったーーい!」


石垣「頑張ってね…」


国後「こらーーーー!待ちなさーーーい!」



蜘蛛の子散らす如く3人は執務室から逃げ出してしまった。




提督「ふ、あははは」


国後「笑うんじゃないわよ!」




国後と姉妹艦のやり取りに和みつい笑ってしまった。






【鎮守府内 食堂】




「あ、提督だ!」


「国後ちゃんが秘書艦なんだ…」


「司令官…守備範囲広っ!」


提督「こらこら変なこと言ってないで早く食べろよ」


「はーい」



食堂に行くと任務のこともあってどうしても注目を集めてしまう。



国後「司令、ほら!早く食べて仕事に戻るわよ!」


提督「そうだな」



しかし国後のピリピリした雰囲気に他の艦娘達は近寄ろうとしなかった。

ピリピリしつつもどこか和やかなその空気を艦娘達は邪魔しないようにと苦笑いを見せていた。





____________________






千代田「ふふ、上手くいってるみたいね」



少し離れた位置から千代田が満足そうに見守っていた。



千歳「あら、今日の秘書艦は国後ちゃんなのね」


千代田「ふふーん、私の抜擢よ。これでもうおかしなことにはならないはず!」


千歳「それはどうして?」


千代田「どうしてって…国後はまだまだ幼いし、しっかりしてるし、提督のことを好きなようには見えないし」


千歳「ふふ、それはそうかもしれないわね」


千代田「でしょ!?もうこれ以上おかしなことにはならないんだから!」




千歳に認められ、千代田が嬉しそうに食事を終えて食堂を去っていった。




千歳「…」




千代田を見送った後、千歳は提督と国後の様子を見る。


確かに千代田の言った通り国後からはサラトガやアクイラの時のような恋愛感情は一切見られない。





千歳「でもね千代田…」




千歳はまた小さな声で呟く。





千歳「幼くて恋に未熟だからこそ、燃える時は…激しい炎になるものよ」






____________________





【鎮守府内 執務室】




夜、執務室で資料作成をしていた。


秘書艦をしている国後がハキハキと仕事を手伝ってくれている。



今日は国後が傍にいる間は誰からもアプローチさせることは無かった。


サラトガもアクイラも遠くから見るだけで迫って来ることも無かった。


もしかして千代田はこれを見越して国後に秘書艦を頼んだのだろうか?



国後「…」


提督「どうかしたか?」


国後「な、なんでも…ない…」


提督「?」



さっきから国後の様子がおかしい。ずっとソワソワしている。


もしかしてトイレを我慢しているのかと思って一旦資料室にお使いに行かせたが、戻って来てもその様子が変わっていない。



どうしたものかと思い頭を悩ませていると…



提督「ん…?」



千歳から携帯にメールが来た。


何事かと思って見てみると『今日は海防艦達が楽しみにしているドラマの日よ』と書かれていた。



なるほどな…



時間を見るともうすぐ夜の9時になろうとしていた。


あ、国後も同じように時計をチラリと見た。


どうやら千歳のアドバイス通りのようだ。


占守達姉妹艦と見るのを約束していたのか、本人がこのドラマを楽しみにしていたのか。



今日一日秘書艦をさせて思ったより大人びていると思ったが、子供らしいところが見られて微笑ましくなる。




提督「お疲れ様国後、今日はありがとうな」


国後「え…?でもまだ資料が…」


提督「別に急ぐようなものじゃないよ、大丈夫だ」


国後「そ、そう?それじゃ…お疲れ様!」


提督「ああ、お疲れ様」



ペコリと頭を下げると走りながら執務室を出て行った。



やっぱり楽しみにしていたんだなと思わず笑ってしまった。






とはいえ…




提督「どうすっかな…」




国後にはああ言ったが月末の資料作成は一人で行うと二人の時の3倍も4倍も時間が掛かる。

明日までに作成し大本営に報告しなければならないので本当は力を借りたいのだが…




提督「ま、これも身から出た錆だ。頑張ろう」




そう自分に言い聞かせて資料作成に励むことにした。





____________________






【翌日 鎮守府内 執務室前】




国後「よし、今日も頑張っていくわよ!」



まだ陽も昇っていない朝5時、本日も秘書艦ということで国後は気合を入れて執務室前に訪れていた。



国後「あれ…司令早いわね…」



執務室には既に電気がついているのか、灯りがドアの隙間から廊下に漏れていた。



国後「おはよう司令、今日もよろ…」


提督「…」


国後「司令…?」



国後が執務室に入ると提督は机に突っ伏したまま動かなかった。



近寄ると静かに寝息を立てているのがわかる。




国後「昨日何時まで…あ…!」



提督が広げっぱなしの資料を見ると国後がハッとする。


それは昨日国後が執務室を出るまで見ていたものと同じだった。




国後「司令…」




国後は提督が気を利かせて自分を帰してくれたことに気づいてしまった。




提督「んぉ…あ、朝か…」


国後「…」


提督「…あれ?国後か、おはよう…」


国後「…」



提督が国後に挨拶をするが国後が申し訳なさそうに俯くだけだった。



国後「ごめんなさい…」


提督「何が?」


国後「昨日…私に気を遣って帰してくれたでしょう…?まだいっぱいお仕事が残っていたのに…」


提督「ああ…」



国後の指摘に提督がバツの悪そうな顔をする。



国後「うわわっ」



しかし国後を心配させまいと頭に手を置いて優しく撫でる。



提督「ドラマ楽しかったか?」


国後「え…な、なんで知って…」


提督「どうだったんだ?」


国後「た、楽しかった…けど…」


提督「ならば良し!今日もよろしくな!」


国後「も、もう…!誤魔化さないでよぉ!」


提督「あっはっはっは」




自分が気にしすぎないように明るく振舞ってくれた。


そう思うと国後にも自然と笑みが零れていた。










____________________





【鎮守府内 食堂】




千代田「えっと…」



食堂を訪れた千代田がキョロキョロする。

提督と秘書艦をしている国後を探しているのだが…



千歳「提督ならあそこよ」


千代田「あ、ホントだ」



千歳が指差して教えてくれたが、既に提督の近くは他の艦娘達が集まっていて隣に座るのは困難だった。



千代田「まあいっか…国後が傍にいるのなら変なことには…」



仕方ないので千歳は少し離れた位置から提督と国後の様子を見守ることにした。

千代田の隣には千歳が座る。



千歳「あら?でも昨日より二人の距離が近くなってない?」


千代田「え…?」



千歳の指摘に千代田が二人に視線を送る。









曙「ねえ、明日の秘書艦はもう決まったの?」


霞「仕方ないから私がやってあげてもいいわよ」


曙「クソ提督は頼りないから…私が…」


霞「私も暇だから…たるんだりしないか見張ってやっても…」


提督「はは…」



相変わらず素直になれない曙と霞に対し提督はいつものことだと苦笑いをする。



そこに…





国後「司令は頼りなくなんかありません!!失礼な言い方は止めて下さい!!」


曙「え!?」


霞「な!?」


提督「く、国後…!?」



国後が立ち上がり大きな声で反論した。

その声の大きさと内容に食堂の艦娘達の注目を集めてしまう。



国後「あ…その…そ、そんなこと言っていると司令に誤解されちゃいますよっ」


曙「そ、そうよね…」


霞「ごめんね司令官…」


提督「はは、気にしてないよ」


国後「…」



国後が恥ずかしそうに着席するとその場は収まり他の艦娘達も大人しくなった。



提督「ありがとな」


国後「ひ、人前で頭撫でないで…」



恥ずかしそうにしつつも国後は提督の手を振り払うことも無く大人しく受け入れていた。







千代田「ほ、ほら…微笑ましい光景でしょ?」


千歳「声が震えているわよ?」



その光景を千代田が複雑な表情で見ていた。





千歳「ふふ、うふふ…」



そんな妹を千歳が妖艶な笑みで見守っていた。





____________________





その日の午後、俺は鎮守府付近の港に用事があって出掛けていた。


鎮守府の留守を国後に任せようとしたのだが、『私も一緒に行く!』と中々納得してくれなかったが、留守も秘書艦の仕事だと言い聞かせてようやく鎮守府を出ることができた。




港での仕事を終えて鎮守府に戻ろうとした時…



提督「ん?国後…あれ?」



国後から電話が掛かってきたが、すぐに切れてしまう。

こちらから掛け直しても電話に出てくれない。



俺は少し胸騒ぎを覚えたので走って鎮守府へと戻った。




【鎮守府内 執務室前】




??「いいからささっさと提督を出せぇ!!」



鎮守府に戻り執務室へ向かうと廊下まで耳障りな大声が聞こえてきた。


聞き覚えのあるその声に俺は急いで執務室に入る。



提督「なんだ一体…」


社長「あ!」



執務室に入ると以前アクイラが秘書艦をしていた時に来た男の姿があった。


この男、海上護衛の失敗に過剰な賠償金を請求してきた…



国後「し、しれぇ…ぐすっ、ひっく…」



執務室の隅っこで国後が泣いている。


どうやらこの男に凄まれて怖かったからだろう。



提督「…何の用だ」


社長「何の用かだと!?お前だな!俺の所に調査機関を送り付けてきたのは!?」


国後「ひっ…」



男の大声に国後が身体を竦ませる。



提督「おい」


社長「お前のせいで俺は余計な税金を…うぐっ…!?」



これ以上国後の前で大声を出させないよう正面から首を掴む。



社長「がはっ…!ぐっ…」


提督「不正だらけの経営をしていたお前が悪いんだろうが」



そしてそのまま社長を床に叩きつけた。



社長「グヴェ…!!」


提督「そんなことに国後を巻き込むな。さっさと帰れ、さもないと…」



俺は国後には見えないように銃を取り出し社長の額に銃口を突きつける。



社長「わ、わかった!帰る!たすけてくれぇぇ!!」



脅しに屈した社長は慌てた足取りで執務室から逃げ去ってしまった。







提督「…すまなかったな、国後。怖い想いを…」


国後「…!!」


提督「ぅお!?」



謝ろうと思った俺の胸に国後が飛びついてきた。



国後「ぐす…えぐ…こ、怖かったよぉ…ひっく」


提督「すまない…こんなことに巻き込んでしまって」


国後「うぇぇぇ…」



たとえ深海棲艦と戦っていても、人間を超える力を持っていたとしても、国後はまだ小さな子供。

この様にいきなり大人に凄まれてしまっては怖いのだろう。


彼女は軍人とはいえ、まだ小さな子供なのだ。




俺はその後、国後が泣き止むまで抱きしめ、頭を撫でながら慰め続けた。








国後が泣き止んでから俺は謝罪を込めて国後に『俺にできることならなんでもする』と言った。



最初は『そんなの必要無い』と言っていた国後だったが、あるお願いをしてきた。






そのお願いとは予想外のものだった。








____________________






【鎮守府内 提督の私室】





仕事を終えた夜、いつもだったらそろそろ寝ようかという時間。




国後「司令…入っていい…?」


提督「ああ、どうぞ」



小さなノックの後、国後がパジャマ姿で入ってきた。



国後「ごめんなさい…こんなことお願いして…」


提督「いいよ、これくらいお安い御用だ」




国後のお願い、それは『一緒に寝て欲しい』というものだった。


耳を疑う内容だったが、昼間怖い想いをしたこと、それに姉妹艦の占守達が遠征に行って今日は帰らないこともあってそのお願いを受け入れることにした。



提督「それじゃあもう寝ようか」


国後「うん…」



国後は少し躊躇しながらも俺の布団の中に入ってきた。


これが千代田やサラトガ、アクイラだったらとてもではないが理性を保てそうにない。

しかし国後相手ならどこか和みを感じる余裕があった。




提督「おやすみ、二日間ありがとうな」


国後「おやすみなさい」



電気を消して国後と一緒に寝ることにした。




国後「司令…」


提督「…ん?」


国後「ありがとう…」



そう言いながら国後が俺にくっついてきた。


可愛らしいその仕草に俺は優しく頭を撫でてあげた。





提督(千代田が知ったらどう思うやら…)





こんなところ青葉に見られたらと思うが既にその対策はしてある。


権利を悪用してあいつは丸一日の長距離遠征に出ていて明日の昼まで帰ってこない。

この場が激写される可能性は無いはずだ。



提督(あと2人か…)



俺は明日から誰を秘書艦にするかを考えながら国後と一緒に眠りに就いた。





____________________








国後「ん…」




陽が昇る前の早朝。



提督「ん…くー…」



国後は提督より先に目を覚ました。



国後「…」



頭の中に思い浮かぶのは昨日の提督の姿。


自分を庇いあの悪者に立ち向かってくれた姿。


まるで私を助けてくれる白馬の王子様のような…



国後「司令…」



胸のドキドキが収まらないまま国後は…



国後「ありがとね…ん…」




提督の頬に軽いキスをした。








____________________







【鎮守府内 廊下】





提督「な、なんじゃこりゃあああぁぁ!?」




その日の朝食後、掲示板に張り出された新聞を見て思わず絶叫を上げてしまう。



その内容とは…




千代田「国後を助けた王子様…」


サラトガ「お姫様をそのまま部屋に迎え…」


アクイラ「共に夜を過ごし…」


千歳「お目覚めのキスをプレゼントされる、へぇ~」




昨日あったことがそのまま記事にされていた。しかも写真付きで。




俺も国後もカメラの存在など全く気付かなかった。



それは執務室にも俺の部屋にも隠しカメラが設置されているということだった。




「きゃーーー!提督カッコイイーーー!!!」


「国後ちゃん…海防艦だと思って油断してたわ…」


「これはうかうかしてられないわね!!」




掲示板を見た艦娘達が色めきだった声を上げている。

そして熱い視線が俺と国後に注がれてきた。




国後「ーーーーーーーー!!!!」




国後は顔を真っ赤にしながらどこかへ走り去ってしまった。


どうやら恥ずかしさに耐え切れなくなったらしい。





千代田「へ…へぇー、か、カッコいいじゃない提督…」


提督「う…」




千代田が口元をひくつかせながら俺を褒めてくれた。


まあ国後を選んだのは千代田だし俺は別に恥ずかしいことをしたつもりは無い。


褒めようにも色んな複雑な感情が混じっているのだろうな…。






それにしても…





提督(一体誰が…?)





青葉は遠征からまだ帰っていない。


この場にいないのだから新聞を作ることはできないはずだ。



その証拠にこの新聞は青葉の作ったものと比べると字体も掲載の仕方も全然違う。





提督(誰が…隠しカメラを…?)





俺は誰かに監視されているという不気味さに寒気を感じていた。























「うふふふ…」
















「楽しくなってきたわね…」












































後書き

ケッコンオコトワリ勢はみんなデレさせたい。


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2020-04-30 22:16:25

seiさんから
2020-04-30 14:26:52

刹那@川内提督さんから
2020-04-29 11:29:25

SS好きの名無しさんから
2020-04-29 11:08:14

SS好きの名無しさんから
2020-04-29 03:55:25

お布団さんから
2020-04-28 06:58:45

SS好きの名無しさんから
2020-04-27 20:11:04

安部鬼さんから
2020-04-27 08:24:22

SS好きの名無しさんから
2020-04-26 22:24:29

ぴぃすうさんから
2020-04-26 19:15:16

2020-04-26 18:10:15

このSSへのコメント

14件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2020-04-26 22:25:08 ID: S:Q0feZr

こうゆう感じのSS待ってた!

2: SS好きの名無しさん 2020-04-27 10:07:21 ID: S:9G_pEJ

×デレさせたい ◯曇らせた後デレさせたいの方があってるような・・・
楽しみに待ってます!

3: SS好きの名無しさん 2020-04-27 20:56:04 ID: S:n3vVI-

新作キター
結末が楽しみです

4: お布団 2020-04-28 07:02:19 ID: S:m9Zw0N

こういう系統は大好きだから楽しみ
続き待ってます

5: ウユシキザンカ 2020-04-29 06:28:25 ID: S:ePrPZp

>>1 ありそうであまりないジャンルかもですね

>>2 徹底的に曇らせてやろうかな

>>3 衝撃の結末にご期待ください

>>4 ご期待に応えられるよう頑張りますね

6: SS好きの名無しさん 2020-05-03 15:26:27 ID: S:HExB_I

千歳怖えぇw

7: SS好きの名無しさん 2020-05-12 04:26:18 ID: S:n10UaA

なにこの素晴らしいSS

8: SS好きの名無しさん 2020-05-15 19:53:54 ID: S:bL9Dmi

バッドエンドにならずハーレムエンドの予感がするんですが‥‥
結末が気になって1日8時間しか寝れません。

9: SS好きの名無しさん 2020-05-17 21:57:37 ID: S:1AoUeW

青葉ェ…

10: ウユシキザンカ 2020-05-18 07:09:04 ID: S:4iHVzs

>>6 怪しさ満点ですね

>>7 ありがとうございます!

>>8 ハーレムエンドなんて夢のまた夢

>>9 青葉を雇う千代田さん再度にも問題があります

11: SS好きの名無しさん 2020-05-19 00:28:47 ID: S:DYmGDo

なんか千代田は既にデレきってる様な…

12: SS好きの名無しさん 2020-05-20 14:44:38 ID: S:H0OUWR

最近更新早くて嬉しい↑

13: あだっち 2020-05-29 13:45:17 ID: S:AhYQ8w

キャーーー‼提督カッコイイーーーー‼

14: SS好きの名無しさん 2020-05-29 15:36:31 ID: S:0Rd5VJ

ピクシブに掲載されてる「ガラスの残骸」の後書きに書かれてた「最近千代田が妙に優しい」とはこの作品ですか?


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