2021-12-30 21:07:56 更新

概要

この作品は【反乱軍提督4】の続きです
なお、この作品は合同作品が存在します
作品名【単独行動隊提督】
もしよろしければそちらもお読みになっていただけると嬉しいです


前書き

提督(反乱軍)

【敵艦隊を指揮を取る反乱軍の提督】
【元横須賀の提督だったが秘書だった艦娘が同僚に殺されて同僚に刃を向けて怪我させた事で提督を辞退させられ島流しされた】
【まだ使った所は見せていないが【睨みつけ】が使えると言う】
【武術の達人でもある】


ヲ級

【提督の秘書的な存在の敵艦隊】
【提督のサポートなどをしているクール&ツンデレ】
【敵艦隊の中でもトップレベルの戦闘力を持つ最強空母】
【他の空母とは全く異なり、戦艦装備だろうがなんだろうが全て扱える】
【艦載機の搭載数はMAX300→400(改装) 改造飛行甲板を何個も装備している】
【過去に何かあったらしく、ある艦娘のことを思い出すと殺意を全開に放つ※】
【※上部に関連する追記 とある艦娘の姉妹艦だと言うが誰の姉妹艦かはわかっていない…だが、その姉妹艦を殺そうとしている】


ヲーちゃん(ヲ級)

【提督の第二秘書(サブ)】
【このヲ級も同じく提督のサポートをしている…が毎回提督の近くに居るわけではない】
【ヲ級がいない時にサブ秘書として提督の横に付く】
【他のヲ級とは違い(なの)と言う小尾を付ける】
【過去 艦娘だった頃の記憶があるみたいだが皆には内緒にしている※】
【※上部の文に関連する追記 元大湊警備府提督(現在南我原提督)のことを味方している
元々は大湊警備府…?の艦娘だったと思われていたが元大湊警備府秘書官 伊19と判明された】


レ級

【肉&提督と遊ぶのが大好きな戦艦】
【基本的めんどくさがり屋で戦闘以外はほとんど遊んでる】
【提督の事は好き】
【過去の記憶が曖昧だがあるらしく、誰かを殺そうと決意している※】
【※追記 過去の記憶は思い出していないが本人は上官(大尉)の嫁艦 曙だと判明した】


タ級

【少しクールが入った深海棲艦】
【登場はなかなかないが反乱軍基地に所属する深海棲艦の中では上位に立つもの】
【提督が好きである】


敵艦隊の喋り方は読みやすいように平仮名や漢字で書きます

















演習場



バァンッ!!バババババ…!!ブゥーン…


ヲーちゃん 「…全艦載機 撃てーっ!!」


艦載機 「「撃てーっ!!」」バババババッ!!!!!!


的 「」バキバキバキバキッ!!!! 無数の艦載機の集中砲火を食らいあと形もなくなる



ヲーちゃん 「…」スチャッ…ボゥン!! 46cm連装砲を自分の艦載機に目掛けて放つ


艦載機 「「撃てーっ!!」」バババババッ!!!!!!


砲弾 「」ガキキキキキィン!!!!



ボガァァァンッ!!!!


ヲーちゃん 「急旋回!そのまま上空に飛んで急降下!!」


艦載機 「「了解!!」」ブゥーン!!…ブゥゥン!! 旋回して上空に飛び急降下させる


ヲーちゃん 「狙え…撃てーっ!!」ボゥンッ!!


艦載機 「「撃てーっ!!」」バババババッ!!!!!!



ボガァァァンッ!!!!


ヲーちゃん 「戻るのね」


艦載機 「「了解っ!」」ブゥゥン…


ヲーちゃん 「…ふぅ」


ヲーちゃん 「(艦載機の銃弾すべて命中 的もあと形もなく粉砕…これならいつヲ級が攻撃してきても対処できるのね)」


ヲーちゃん 「(まぁあのヲ級が考えなしにいきなり攻撃してくるとは思えないけど 万が一に備えるのはいいことなのね)」


ヲーちゃん 「(…しかし提督も瑞鳳が生きてることを信じようとしないのね 信じてくれれば一番早いのに)」


ヲーちゃん 「(信じてくれれば元提督と話をして和解 反乱軍と海軍が共にすることが出来る)」


ヲーちゃん 「(そうなれば深海棲艦と艦娘、市民たちの共存が実現可能になる 共存ができれば戦争がなくなる!)」


ヲーちゃん 「(完全にはなくならないかもしれないけど少なくなることは確実なのね 反乱軍の深海棲艦だけでも共存できれば野良の深海棲艦にも話を通して共存の道が広がる)」


ヲーちゃん 「(そのためにはなんとしてでも提督を理解させなくちゃいけないのね 瑞鳳が生きていることを信じさせて争う理由をなくす)」


ヲーちゃん 「(…そしてもうひとつ ヲ級に邪魔されないようにしないといけないのね)」


ヲーちゃん 「(ヲ級は確実に艦娘との共存を望んでない むしろ滅ぼすことを使命としてる!ヲ級だけはなんとかしないといかないのね)」


ヲーちゃん 「(ヲ級は過去の記憶が残ってる 艦娘の頃の記憶があるはずなのに、それでも艦娘を滅ぼそうとしてる)」


ヲーちゃん 「(何があったかまではわからないけど 共存の道を妨げるものは誰であっても容赦しないのね!)」


ヲーちゃん 「…最悪、沈めることになっても……!」ググッ


艦載機 「…あのー、ヲーさん?どうかしましたか?難しい顔してますが」


ヲーちゃん 「…なんでもないのね 気にしないで欲しいのね」


艦載機 「…そうですか?わかりました」



ヲ級 「…」ザー…


ヲーちゃん 「…っ! ヲ級」


ヲ級 「………」ジロッ


ヲーちゃん 「…なんのようなのね 私を見るなり睨みつけてくるなんて」


ヲ級 「わかってるだろ なんで睨みつけられてるのか?」


ヲーちゃん 「だったらどうするのね 今ここで殺り合うのね?」ギロッ


ヲ級 「それでも構わないが?お前を生かしておいたら 今後、海軍を滅ぼすのに支障が出る」


ヲ級 「提督には止められてるが…まぁ別にいいだろう 今ここでお前を殺しておいて損はない むしろ得しかない!」ニヤッ


ヲーちゃん 「…へぇー?得しかない、ね」ピキッ


ヲーちゃん 「上等なのね 今ここでお前の息の根止めてやるのね!!」クイッ


ヲ級 「やってみろ裏切り者が!!」













工房



提督 「」ビィィィィン!!!!!! グラインダーで断面図を整えてキレイにしている


ネ級 「」バチバチバチバチ!!!!!! 鉄と鉄を繋げて溶接している


提督 「…ふぅ あっつい!!」ポタポタ…


ネ級 「…私の方が熱いよ 溶接なんだから」ポタポタ…


提督 「たしかに…いやぁ やっぱりキツイな?短時間で主砲作るの しかも試製51cm連装砲を何個も作ってるからたまんねぇよ!!」

( ^o^)<うわぁぁあ!


ネ級 「仕方ないことだ 装備関係は私たちしか作れないんだからぶつくさ言っても仕方ない」


ネ級 「それよりも手を動かせ 早く必要個数作らないと攻めてこられたら終わりだぞ」


提督 「はーい…」ビィィィィン!!!!!!



ーっバタン!!!!


レ級 「てっていとく!!」ハァハァ!!!!


タ級 「たいへんだ!!ヲ級とヲーちゃんが!!」


提督 「っ!!」













演習場



ガキィンッ!!ギャィンギャィンッ!!ババババババッ!!!!!!



ヲ級 「ーっ死ねぇ!!」スチャッボゥンボゥン!!!!


ヲーちゃん 「んなの食らうわけないのね」ヒュンヒュンッ


ヲーちゃん 「ーっふん!!」ブンッ!!!! 46cm連装砲を大きく振りかぶって鈍器のように扱う


ヲ級 「はぁーっ!!」ガキィンッ!!!! 同じく46cm連装砲を鈍器のように扱いヲーちゃんの攻撃を防ぐ


ヲーちゃん 「」ザッパァン!! その場から勢いよく飛び跳ねてヲ級の腹に狙いを定めて足を構える


ヲーちゃん 「オラァッ!!!!」ボスゥ!!!!


ヲ級 「ぐぅぅッ…!!」ゴフッ


ヲ級 「(はっはやい…でも!!)」ガシッスゥ… 向けられた足を掴んで46cm連装砲を上に持ち上げる


ヲーちゃん 「っ!!」


ヲ級 「折れろ!!」ブンッ!!!!


ヲーちゃん 「」ザッパァン!! 掴まれた足を中心にして飛び跳ね回転する


ヲーちゃん 「ふんっ!!」ゲシィッ!!もう片方の足で落とされた46cm連装砲を蹴飛ばして横に軌道を変える


ヲ級 「ーっ!!」バシャァン!!!! 軌道を変えられた46cm連装砲は海に落ちて攻撃が外れる


ヲ級 「(しま…!!)」


ヲーちゃん 「ーっやぁ!!」グルンッ!!…ゲシィッ!!!! 掴まれてる足を中心にさらに無理やり回転してヲ級の頭部に蹴りを思いっきり入れる


ヲ級 「ガァァッ!!!!」グラッ…


ヲーちゃん 「ーっ…」ザザーッ!! ヲ級に掴まれていた手が緩み一瞬の隙を見て離れ距離を取る


ヲ級 「くぅぅ…キサマァっ!!一度ならず二度までも!!」ギリッ!!


ヲーちゃん 「(やっぱり蹴り程度じゃ倒せないのね かなり強めで蹴ったのに…)」


ヲーちゃん 「(あんまりケガさせたくないけど仕方ないのね たぶんヲ級のことだから中破しても向かってくるのね)」


ヲーちゃん 「(なら大破させて動きを止めるまでなのね!)」スチャッ 片手に46cm連装砲を、もう片方の手に酸素魚雷を構える



ヲ級 「ぜってぇぶっ殺してやる!!」ザッパァン!!!!


ヲ級 「(こいつだけは仕留めないといけない!!今殺しておかないと確実に裏切り、提督を持っていかれる!!)」


ヲ級 「(艦娘共をみんな蹴散らすんだ!!なんとしてでもこいつだけはーっ!!)」スチャッ 両手に46cm連装砲を構えて鬼神のごとくヲーちゃんに突っ込んでいく


ヲーちゃん 「死ねぇ!!」ブンッボゥン!!!! 酸素魚雷を投げて46cm連装砲を打ち込む


ヲ級 「くたばれ!!」ボゥンボゥン!!!! 46cm連装砲をヲーちゃんに向けて放つ



ボガァァァンッ!!!!!! 両者の砲弾がぶつかりあって爆発する



酸素魚雷 「」ヒュンッ!! 爆風の中を突っ切ってヲ級に向かっていく


ヲ級 「ーっ!!」ハッ



ボガァァァン!!!!!!



ヲーちゃん 「………」



モクモク…


ヲ級 「………」ヒュー…スチャッ 46cm連装砲を盾にして酸素魚雷を防いでる


ヲーちゃん 「(あの状況下で防ぐなんて…さすがなのね)」


ヲーちゃん 「(もろ喰らえば大破…少しでもずれたら中破ぐらいは持っていけたけど やっぱりそううまくはいかないのね)」


ヲーちゃん 「(なら仕方ない…本気でやらせてもらうのね!!)」スゥ… 目をつぶりその場に立ちつくす


ヲ級 「…こざかしい真似を」


ヲーちゃん 「………」ヒュ-…


ヲ級 「……?」


ヲ級 「(…なんで目をつぶる?今この状況で目をつぶるのは自殺行為だ)」


ヲ級 「(……いやまて まさか、あいつも同じ技を!?)」ハッ


ヲーちゃん 「…」スゥ…


ヲ級 「ーっ!!」バチッ すぐさま目をつぶりヲーちゃんの睨みつけを回避しようと…


ヲーちゃん 「死ね、なのね」ギンッ!!



バァァァンッ!!!!!!


ヲ級 「があぁぁぁっ!!!!!!」大破


ヲ級 「(バッバかな!?目をつぶってたのに…!!!!)」ガハッ!!


ヲ級 「(いやそれ以前にっ!!気絶じゃなくて大破!?ただ睨まれただけで!!!?)」ガクッ… 身体中激痛が走り、海上の上で膝をつかせる


ヲーちゃん 「………」スチャッ ヲ級から約数メートルしか離れてない場所から46cm連装砲を突きつける


ヲ級 「ーっき キサマァ…一体、なにを……!!」ハァ…ハァ…


ヲーちゃん 「…別になにもしてないのね ただ本気出しただけなのね」


ヲ級 「本気だと…?」


ヲーちゃん 「私も使えるのね 睨みつけ 相手を睨んだだけで倒すことができるのね」


ヲーちゃん 「でも普通の睨みつけとは違うのね 目を合わせる必要がなく、【相手を睨んだだけで大破させることができるのね】」


ヲ級 「ーっな!?に、睨んだだけで!?」


ヲ級 「(バカなっ!!睨んだだけで相手に重症を与えるなんて聞いたことがない!!そんなチート技 この世にあるわけが…!!)」


ヲーちゃん 「ちなみに私の元提督も使えるのね 本気の睨みつけ」


ヲーちゃん 「しかも私以上の性能を持ってるのね 私のなんかよりもずっと強い睨みつけを…」ズキッ…


ヲ級 「なにっ!?あいつも同じ技を……?」


ヲーちゃん 「っ…」ズキズキ… 目に痛みが走り両目が開けられない状態に陥っている


ヲーちゃん 「(やっぱり使ったあとは目が痛いのね…!!しかも両目でやっちゃったからどっちも塞がっちゃったのね)」ズキズキ…


ヲーちゃん 「(一応気配でヲ級の動きはだいたいわかるけど……)」


ヲ級 「…なるほど 使った代償に目が開けられなくなるのか あの提督と一緒だな」


ヲ級 「これはチャンスだな?今お前は無防備もいいところ 今なら簡単にお前を殺せる!!」ググッ…ズキィッ!!!! 主砲を持ち上げようとするが身体中に激痛が走り上げられない


ヲ級 「(ーっち 力が入らない…身体中に痛みが走って……!!)」ズキズキ…


ヲ級 「(ただ睨みつけられただけなのにこの威力…ヤバすぎるだろ!!こんなの何度も食らったら本気で沈められるぞ!!)」ゾクッ


ヲーちゃん 「…どうしたのね もしかして睨みつけで食らったダメージが大きすぎて主砲を持ち上げられないのね?」ニヤッ


ヲーちゃん 「まぁそうだよね 私の睨みつけだってそれなりの威力はあるのね 元提督のと違って使ったら目潰れるけど」


ヲ級 「…なに?お前の提督とちがって……?」


ヲーちゃん 「そうなのね 私の元提督は本気の睨みつけを使っても目は潰れないのね 何度でも使える最強にしてチート級なのね」


ヲ級 「(…うそだろ?あいつ、何度でも使えるのか?こんなふざけた技を!!)」


ヲ級 「(だとしたら倒すことなんて不可能じゃないか!!無限にこんな睨みつけが使えるやつを倒すなんて無理だ!!)」


ヲ級 「(どのくらいの範囲があるかはわからないがそれなりの距離はあるはずだ こんなの使われたら接近戦はほぼ不可能)」


ヲ級 「(だがあいつは遠距離で攻撃できるものを跳ね返す技も持ってる 使える数に限りはあるだろうが何度かは必ず使ってくる そんな奴に遠距離攻撃をしても期待できない)」


ヲ級 「(ならどうやって倒す?あんなチート級の人間を倒すなんて 我々深海棲艦でもムリだぞ!!どんな奴が相手しても倒せるわけが…!!)」タラー…



ーっヲ級!!ヲーちゃん!!



ヲ級&ヲーちゃん 「「っ!」」



提督 「なにやってんだお前ら!!仲間同士でやりあって!!」ザァー…


レ級 「(提督軽いなー 乗っけてる感じがしない)」ザァー… 提督をおんぶして運んでくる


タ級 「(いいなレ級 提督と密着できて)」ザァー…


ヲ級 「てっ提督…」


ヲーちゃん 「…」スゥ… ヲ級に向けていた主砲を下ろして狙うのをやめる


提督 「ヲ級だいじょうぶか?完全に大破してるけど」


ヲ級 「…なんとかな 大破だけであって沈むほどじゃない」


ヲ級 「ただ体に力が入らない 起き上がることは不可能だ」


提督 「タ級 ヲ級をドッグまで運んでくれ!バケツの使用もたのむ!」


タ級 「了解!ヲ級手を貸せ」ザァー…


ヲ級 「…っ」スゥ…ガクンッ 手を上げてタ級の手を掴もうとするが激痛が走り落とす


タ級 「…っえ」


ヲ級 「…すまん 手も動かせない 上げようとすると激痛が……」


タ級 「マジかよ…わかった なら背中に乗せるからじっとしてろ」ヨイショット


ヲ級 「悪いがそれでたのむ」


ヲーちゃん 「…」


ヲ級 「…ヲーちゃん お前だけはぜったい沈めてやるからな!どんな事があっても必ずお前だけでも!!」ギロッ


ヲーちゃん 「やってみろなのね 返り討ちにさせてやるのね」


ヲ級 「…っち!」ズシッ


タ級 「提督 ヲーちゃんのことをたのむ」


提督 「わかってる あとは任せてくれ」


ザァーッ…



レ級 「…」


提督 「…さてと 次はこっちの問題だが」


ヲーちゃん 「謝る気はないのね 今回の騒動はヲ級が仕向けてきたのね」


ヲーちゃん 「喧嘩を売られたから買っただけのこと …それでも私のせいだと言うのね?」ジロッ


提督 「完全にとは言わないけど…ただ、やりすぎだよ なにも大破させるまでやらなくても…」


ヲーちゃん 「ヲ級は沈める気で来てたのね 本気出してる相手に手を抜けと?」


提督 「それは……」


レ級 「…な、なぁ なにがあったんだよ?お前とヲ級 最近機嫌わるいけど」


ヲーちゃん 「関係ない者は首を突っ込んでくるな」ギロッ


レ級 「ーっ!!」ビクッ!!


レ級 「(めっ目が潰れてるはずなのに ものすごい威圧が!!)」ゾクッ…


提督 「ヲーちゃん 関係ないレ級に威圧を出さないでくれ これ以上事を大きくしたくない」


ヲーちゃん 「なら余計なことを聞いてこないでほしいのね 今回の件は私とヲ級の問題なのね」


ヲーちゃん 「提督はともかく、レ級には関係ないこと 話に入ってこないよう注意するのね」


提督 「…レ級 気になるのはわかるが今回の件はなにも触れないでくれ いいな?」


レ級 「わ、わかった ごめん…変なこと聞いて」


ヲーちゃん 「構わないのね あとタ級にも伝えといてほしいのね おそらくタ級も知ろうとしてくるから」


提督 「わかった 伝えとく」


ヲーちゃん 「それじゃ私は少し休むのね 目が痛いから落ち着いて話しも出来ないのね」


ヲーちゃん 「休み終わったら今回何が起きたかを話すのね その間ヲ級からでも聞いといてなのね」


提督 「わかった それじゃ悪いがあとで話を聞かせてもらうよ」


ヲーちゃん 「いいのね …それと、ひとつお願いしてもいい?」


提督 「なんだ?」


ヲーちゃん 「…私の部屋まで連れてってほしいのね 今目が潰れてるからなんも見えないのね」


提督 「…さっきから思ってたんだが、なんで目が潰れてるんだ?もしかしてヲ級にやられたのか…?」


ヲ級 「ちがうのね これは私の技を使ったから潰れたのね」


提督 「技?一体なんの技を…っ!」ハッ


提督 「(そういえばあの南提督も睨みつけを使ったあと目が潰れてたな…もしかして ヲーちゃんも同じ技を使えるのか!?)」


提督 「(いやでも、あのときはみんな気絶しただけで大破はしなかった 大破どころか傷ひとつなかったから今回のとはちがうか…?)」


提督 「(ならなにで目が潰れた?睨みつけ以外にあるとしたらなんだ 他に思いつくのは…)」


ヲーちゃん 「…気配でわかるのね いい線いってたのね」


提督 「…っえ」


ヲーちゃん 「考え的には悪くないのね でも合点が合わないから別の考えをしてるから戻した方がいいのね」


ヲーちゃん 「おそらくヲ級の口からも言われると思うから先に言っておくけど わたしのは本気版なのね」


提督 「本気版…?」


ヲーちゃん 「南提督が使ってたのは手加減版、と言えばわかるはずなのね まぁ本気版も使えるけどね」


提督 「ーっな!?」ハッ!!


提督 「(そういうことか!!南提督が使ってたのは手加減版で目を合わせた者を気絶させることしかできない 使ったあとに目に負担がかかりすぎて潰れる)」


提督 「(それに対してヲーちゃんのは本気の睨みつけ 手加減版とは違い、気絶ではなく攻撃性を持つ技!!)」


提督 「(ヲ級はそれを食らって大破したのか それで使った反動でヲーちゃんは両目が潰れた…)」


提督 「(……それで、南提督も本気版の睨みつけが使える マジで言ってるのか?あの提督も使えるのか?)」


提督 「(ただの睨みつけだけで大破させることなんてできるのか!?睨んだだけで、相手をケガさせるなんてありえない!!)」


提督 「(チートもいいところだぞ!!そんな技が使えたら勝ち目なんて…!!)」ゾクッ


レ級 「…えと、ふたりとも 一体なんの話しを……?」


ヲーちゃん 「なんでもないのね それより早く連れてって欲しいのね 目が痛くてたまんないのね」ズキズキ…


レ級 「っえ あっあぁ わかった とりあえず陸に上がろう」


レ級 「提督 動くからしっかり捕まってて」


提督 「…わかった(これはちょっと考え直さないといけないな まさかヲーちゃんと南提督がそんな技を持ってるとは…)」


提督 「(優先順位は今まで通り新型深海棲艦を優先するが南提督の睨みつけ範囲も確かめておかないと もしここに攻めてこられて本気の睨みつけを使われたら甚大な被害が出る!!)」


提督 「(ヲーちゃんからも話しを聞いて警戒をしないと…)」


ヲーちゃん 「………」


ザー…













入渠施設ー一番ドッグ



トポポポポ…


ヲ級 「………」チャプ…チャプ… 修復材が混ざったお風呂に漬かって修理している


ヲ級 「(…くそぉ まだ痛みが引かない 体の芯まで痛みつけられたか)」ズキズキ…


ヲ級 「(いつもならそろそろ痛みが引いてくる頃なんだが…痛みが引いていく気配がしない)」


ヲ級 「(ただの睨みつけだけでここまでとは…ほんとにやっかいだな しかも目をつぶってても食らうのは異常だ 範囲内に入ってたら避けようがない)」


ヲ級 「(それでいて、あの南提督も使える…しかも何度でも使用が可能)」


ヲ級 「(何度も使われたら全員やられる 避けることも逃げることもできないなんて…いったいどう戦えばいいんだ)」


ヲ級 「……どうすれば………」



…ガラッ


タ級 「ヲ級 追加のバケツ持ってきたよ これで三個目だけど…」タッタッタッ…


ヲ級 「ありがとう わるいが流してくれ」


タ級 「…ほんとに、流すのか?これ以上高速修復材使ったら身体に負担がかかるんじゃ…」


ヲ級 「すぐに傷を治したいんだ 負担ぐらいどうってことない」


ヲ級 「いいから早く入れろ 早く治して動けるようにしたい」


タ級 「わ、わかった」トポポポポ…


ヲ級 「(…しかし、二個使ってもすぐ治らないとは よほどの威力があったようだな)」


ヲ級 「(普通ならすぐ治るはずなのに…一体あの睨みつけにはどんな攻撃効果があるんだ?我々深海棲艦の換装をぶっ壊すなんて)」


ヲ級 「(外部だけじゃなく内部にまで攻撃をしてくるから全体攻撃性能を持ってると見ていいだろう となると装甲を上げても意味がない)」


ヲ級 「(なら盾を作ってそれで防ぐ…も無理だな 内部にまで貫通してくる時点で貫通するのが目に見えてる 盾は使えない)」


ヲ級 「(なら速力を極限まで上げて範囲内から逃れる…も無理だな ヲーちゃんは目をつぶってても誰かがどこにいるのかわかるほど感知能力が高い)」


ヲ級 「(目をつぶってる状態でわたしが全速力で範囲外に出たらすぐバレる バレたらヲーちゃんは睨みつけを使わないはずだ)」


ヲ級 「(…どうすれば避けられるんだ あんな範囲攻撃避けようがない!一度きりでも避けられなければ意味がない)」


ヲ級 「(ヲーちゃんが敵だとみんなに話すか…?いやそれはまずい 今そんなこと言ったら全員パニックになる)」


ヲ級 「(ヲーちゃんはみんなに信頼されてる 裏切り者だと話しても信じてもらえない可能性もある)」


ヲ級 「(逆に信じたものがいたら確実にパニックを起こす 今まで信用してたやつが裏切り者なんて知って落ち着いてられるわけがない)」


ヲ級 「(それがどちらかに全員分かれればいいがそんな都合よくいかない 絶対に信じる信じない者が出てくる)」


ヲ級 「(中途半端な状態でみんなで話し合ったら混乱する 混乱したら基地全体に影響が出る)」


ヲ級 「(乱れてる状態で海軍や新型深海棲艦に攻め込まれたら…一瞬にしてこの基地は崩壊する それだけは絶対にしてはいけない!!)」


タ級 「…なぁヲ級 最近ヲーちゃんと目が合う度に睨みつけあってるがどうしたんだ?」


タ級 「頼りないかもしれないが相談に乗るぞ ひとりで考えるよりマシだと思うが」


ヲ級 「…」コポコポ…


タ級 「…」


ヲ級 「…気持ちは嬉しいが心配無用だ 私ひとりで考えるからいい」


タ級 「…そうか わかった」


タ級 「これ以上のバケツ使用は危ないからもう持ってこないからな あとはゆっくり休んでくれ」


ヲ級 「そうさせてもらう 私がいない間、みんなのこと頼むぞ 主にヲーちゃんを見張れ!」


ヲ級 「あいつが変な動きを見せたらすぐ知らせろ いいな!」


タ級 「…わかった なんでヲーちゃんを見張らないといけないのかわからないが一応見とく」


タ級 「あとバケツ三個使用したことは港湾棲姫と提督に知らせるからな 修復を早めたことを言わないと港湾棲姫はうるさいからな」


ヲ級 「あぁ 悪いがたのむ」


タ級 「…」


タッタッタッ…ガラッ



タ級 「……ヲ級 わたしはお前たちのこと信じてるぞ また仲を取り戻せると」


ヲ級 「…早くいけ」


タ級 「…うん」


ガララ…ピシャンッ



ヲ級 「…」


ヲ級 「…信じてる、か はっムリだな あいつは敵だ もう一生仲良くなんてなれん」


ヲ級 「海軍に関係する奴らはみんな殺す 深海の奥深くまで沈めてやる!!」ギリッ


ヲ級 「なにがなんでもヲーちゃんを殺す 私の手で!!」













医務室



イダダダダダッ!!!!!!


ヲーちゃん 「イギャアァァァッ!!!!ちょっ港湾棲姫痛いのねぇぇ!!」ビキビキッ!!!!


港湾棲姫 「…目の神経に異常はありませんね あともう少し黙ってください」ググッ…


ヲーちゃん 「ムリなのね!!そんな無理やり潰れた目をこじ開けてたら痛いに決まってるのね!!」


ヲーちゃん 「てか時間経てば治るから放っておいて欲しいのね!あと痛いから離して!!」


港湾棲姫 「だめです きちんと見なくてはいけません なので我慢しててください」


ヲーちゃん 「イギャアァァァッ!!!!」ビキビキッ!!!!


提督 「…あの、港湾棲姫 あんまりやったらかわいそうじゃ……」


レ級 「めっちゃ痛そう…」


港湾棲姫 「そんな事言われても困ります 私だって痛くしたくてやってるわけじゃありません」


港湾棲姫 「あっもう少し開きますね」ググッ…


ヲーちゃん 「にゃあァァァァァァ!!!!!!」ズキズキズキズキッ!!!!!!


提督 「うわぁ…港湾棲姫拷問」タジッ…


レ級 「拷問というかもはや容赦ない…」


港湾棲姫 「………ふぅ これでいいですかね」スゥ…


ヲーちゃん 「おぉぉ…!!目が、目がァァ……!!」ビリビリ…


港湾棲姫 「目薬を付けておきましょう 見た感じ外傷はなく、さほど心配するようなことではないかと思います」ゴソゴソ…


ヲーちゃん 「いやだからいらないのね…薬とかつけなくても治るから平気なのね」


港湾棲姫 「いけません 万が一の備えでつけといた方がいいです 痛み止めの薬なのでつけます」カパッ


ヲーちゃん 「あっそれならつけてもらうのね 痛み止めなら多少は効くと思うのね」


提督 「港湾棲姫 ヲーちゃんの目は大丈夫そうなんだな?」


港湾棲姫 「おそらくは大丈夫かと思います 見た感じ外傷はなく、内部から痛みが湧き出てるんだと思います」


港湾棲姫 「なので痛み止めの目薬だけ指しておきます 治療はそれだけで十分だと」


提督 「そうか ならよかった」


レ級 「…」


レ級 「(…やっぱり気になるな なんでヲ級とヲーちゃんは本気で潰し合うほどのケンカをしてたんだ?)」


レ級 「(多少のケンカなら今まであったけど…今回のガチ喧嘩は見たことがない

ヲ級がキレて基地半壊させたのは見たことあるけど)」


レ級 「(…ほんとに、どうしたんだろう)」


港湾棲姫 「…これでよしっと あとはゆっくり休んでください」スゥ…


ヲーちゃん 「ありがとうなのね それじゃ部屋に戻って休むのね」スゥ… ベッドから足を下ろして立ち上がろうと…


港湾棲姫 「いやなに言ってるんですか ここで休んでください」ガシッ 立ち上がろうとするヲーちゃんの肩を掴んで抑える


港湾棲姫 「まだ完全に治ってないんですから部屋に戻らないでください いつ症状が悪化するかもわからないのに」


ヲーちゃん 「へいきなのね 今まで何度も潰れたことあるからわかるけど一度も症状が悪化したことはないのね」


港湾棲姫 「それでもダメです 寝ててください」


ヲーちゃん 「えぇー…」


提督 「…ヲーちゃん ちょっといいかな」タッタッタッ


ヲーちゃん 「? なに?」


提督 「…今はここで見てもらってた方がいいかもしれないぞ おそらくヲ級はバケツ使ってすぐ治してお前のところに来る そうしたら容赦なく攻撃してくるだろ」ヒソヒソ


提督 「それを考えたら港湾棲姫に見ててもらった方がいい ヲ級だって誰かがいる前じゃお前を殺ろうとはしないだろうし、まして港湾棲姫の前じゃとくにしないだろ」


ヲーちゃん 「っ!」


港湾棲姫 「?」


レ級 「?」


ヲーちゃん 「…なんで私を匿うのね?わたしは裏切り者なのね」ヒソヒソ


ヲーちゃん 「提督からしたら裏切り者の私を排除しないといけないはずなのね なのになぜ生かそうとするのね?」


提督 「…」


港湾棲姫 「…提督 先程からなにを話して…?」


提督 「…ふたりとも ちょっと席を外してもらってもいいかな?ヲーちゃんと話しがしたい」


レ級 「えっ…なんで?」


提督 「あまり他の人には聞かれたくないんだ 俺たちが席外して話したいのは山々なんだが、ヲーちゃんの目がまだ潰れてるからここで話がしたい」


提督 「少しでいい 悪いがたのむ」


レ級 「………」


港湾棲姫 「わかりました では10分ほど部屋から出ますのでその間に終わらせるようお願いします」


提督 「わかった その間に終わらせる」


港湾棲姫 「レ級さん 少しの間出ましょう 提督の命令なので」カタッ


レ級 「…わかった(なんの話しするんだろ すごく気になる…)」


レ級 「(盗み聞きしたいけど港湾棲姫がいるからムリだな 港湾棲姫は真面目だから誘っても絶対断るだろうし)」


レ級 「(…仕方ない 聞きたいけど諦めるかしかないか まして今ヲ級とヲーちゃんがケンカしてるから知りたかった)」タッタッタッ…



ガラッ…ピシャンッ


提督 「……よし 行ったな?」


ヲーちゃん 「行ったのね それで理由を聞かせてもらえるのね?なぜ私を匿うのか」


提督 「…簡単なことだ お前を完全な敵だとは思ってないからだ」


提督 「お前は俺たちが海軍に手を出すかお前に手を出さなければ何もしてこないんだろ?」


提督 「今のところこっちの情報も流してないみたいだし それならとりあえず安全かなと思ってるんだ」


提督 「ヲ級と並ぶ実力を持つ者を敵に回したくないのもあるが 今お前を失ったらこちらの戦力が一気に落ちる それだけは絶対に避けたいんだ」


ヲーちゃん 「…前言ってたことと同じなのね ほんとにそれだけの理由で私を匿っているの?」


提督 「それだけの理由じゃダメなのか?むしろこれだけでも十分だと思うが」


ヲーちゃん 「………」


提督 「…本来なら俺も裏切り者だとわかってるお前を置くのはどうかと思ってる みんなが聞いても同じだと思う」


提督 「でも今の現状だとそうは言ってられない お前を敵にしたら海軍は愚か、新型深海棲艦を倒すことはできない」


提督 「あのヲ級がやられたんだ この基地でトップに並ぶお前と同じ強さを持つあいつがやられたとなると相当な強さだ」


提督 「トップを争うお前をこの状況下で手放せない だから裏切り者だとわかっていても協力してもらいたい」


提督 「だからこちらも条件を飲んでる 海軍に手を出さない、南提督には手を出さない このふたつを守れば裏切らないんだろ?」


ヲーちゃん 「…今のところはなのね とりあえずは新型深海棲艦を倒すことが私にとっても優先であるだけなのね」


ヲーちゃん 「それを手伝ってくれてる人がいるならそれを利用する手はないのね 今裏切ることもない」


提督 「…そうか ならお互い様ってことだな?お互い利用して利用される お互いにとってwin-winだな」


提督 「それじゃ今はそれでいいか とりあえず新型深海棲艦を倒すまでは味方でいてくれ こっちもお前の条件守るからさ」


ヲーちゃん 「わかったのね」








数時間後…



港湾棲姫 「…」カリカリ… 今日使用した医療道具の記録をつけている


港湾棲姫 「…」ペラッカリカリ…


港湾棲姫 「…」チラッ



ヲーちゃん 「すぅ…すぅ……」連れてこられてからベッドの上で気持ちよさそうに寝ている



港湾棲姫 「…」


港湾棲姫 「(…とくに異常はなさそうですね ヲ級と演習したときに目に負担がかかって開けられなくなったと言ってましたが……演習しただけでそんななりますかね?)」


港湾棲姫 「(詳しい精細は話してくれませんでしたが明らかにおかしいですよね それにヲ級とヲーちゃんが今かなり仲が悪い状態になってるみたいですが…一体、なにがあったんでしょうか)」


港湾棲姫 「(あのおふたりはこの基地のトップに並ぶもの同士だから一番喧嘩してはいけないのに…このままだと今後の作戦に影響が出ますね)」


港湾棲姫 「(なにが原因でケンカしてるのかを聞いて仲直りさせないと これ以上騒ぎが大きくなる前に)」



…ガチャッ


ヲ級 「…」


港湾棲姫 「おやヲ級さん やっとお風呂から上がりましたか どうですか?具合の方は」


ヲ級 「…あぁ だいぶ良くなった だがまだ体の節々が痛い…」ズキズキ…


港湾棲姫 「バケツを使ったのにですか…?」


ヲ級 「あぁ しかも3個使ったのにぜんぜん治らない 痛みがずっと残ってる…」


港湾棲姫 「3個!?使いすぎですよ!!多用摂取は体に負担かけるからやらないようにとあれほど…!!」


ヲ級 「それよりヲーちゃんはどこだ ここにいるんだろ?」


港湾棲姫 「…いたらなんですか?まさか寝てる相手に手を出そうなんて考えていませんよね」ギロッ


ヲ級 「お前には関係ない あいつだけは生かしておけない 今すぐにでも息の根を止めないと!!」ググッ…


港湾棲姫 「いけません 仲間同士で争うのもどうかと思うのに、けが人に手を出そうなんて最低です」


港湾棲姫 「体痛いんでしたら少し休んだらどうですか?ベッドなら空いてますよ」


ヲ級 「寝てる暇なんてない こんな痛みどうってことない 現に今動けてるんだ 動けるうちにあのやろうを仕留めないと!!」


港湾棲姫 「…ヲ級さん あなたが冗談で言ってるようには聞こえませんが気のせいでしょうか?本気で言ってるようなら」スクッ


港湾棲姫 「わたしは本気で怒りますよ」ゴキゴキッ


ヲ級 「っ…」ゾクッ


港湾棲姫 「もしヲーさんに手を出そうとしてるなら私がお相手します そんな体を痛めた状態で私に勝てますかね?」


港湾棲姫 「言っておきますが私は手を抜く気はありません あなたが大人しく寝てくれるまで立ちはだかります」


港湾棲姫 「選んでください 私にボコボコにされてベットに寝るがいいか 大人しく寝てくれるか?」


ヲ級 「ーっ…」ギリッ…


ヲ級 「(…くそ ヲーちゃんのやつ考えたな?休んでる間に襲われないよう港湾棲姫に見てもらうなんて!!)」


ヲ級 「(相手が港湾棲姫じゃ勝ち目がない 万全な状態でなら勝てたのに!舐めたことしやがってぇ!!)」ビキッ


港湾棲姫 「…早く決めてください 決めないなら」スゥ…ガシャッ 最低限備え付けている主砲を構えて威嚇する


ヲ級 「ーっ…ち!わかったよ おとなしく寝るよ」


ヲ級 「今の状態でお前に帰る気がしない 万全な状態なら勝てたがな?」


港湾棲姫 「そうですね 万全な状態のヲ級さん相手なら負けてましたね そして今の状態で戦わないのは良い判断です」スゥ… 主砲を下げて構えを解く


港湾棲姫 「まだ病み上がりなんですから寝ててください 今ベッド用意するので着いてきてください」タッタッタッ…


ヲ級 「…わかった(近くのベッドに案内しないで反対側に取り付けられてるベッドに連れていくか…となるとそっち側にヲーちゃんが寝てるのか)」タッタッタッ…


ヲ級 「(今すぐにでも息の根を止めたいが港湾棲姫がいるから無理だ こいつはこの基地の中でもずば抜けた戦闘力を持ってる)」


ヲ級 「(戦闘班なら三番目に強い深海棲艦として選ばれてるのに こいつは医療を学びたいと言って戦闘班から離脱した…)」


ヲ級 「(もちろんみんな反対した 戦力として見られてるやつが医療班に回るなんて考えられない 反対されて当然だ)」


ヲ級 「(でもこいつはそれを押し切って医療班に回った みんなの反発を無視して…)」


港湾棲姫 「…よいしょっと これでよしっと」パサッ


港湾棲姫 「どうぞヲ級さん 布団を敷き終わったので休んでください」


ヲ級 「あぁ そうさせてもらう」ヨット


港湾棲姫 「くれぐれも無理して起き上がらないでくださいね わたしはこの部屋にいるのでもしそのような行動を見られたら…」シュルル…


港湾棲姫 「この縄で縛り付けますからね」パシンッ どこからともなく頑丈そうな荒縄を取り出してヲ級に見せつける


ヲ級 「今どこから出した?てかそんな荒縄程度でわたしを縛ってもブチ切れるぞ?」


港湾棲姫 「甘く見ないでください この荒縄は以外にも丈夫なんですよ?ちょっとやそっとじゃ切れません」


港湾棲姫 「あと縛り方は亀甲縛りなので力が上手く入らないので切ることは不可能かと思います」


ヲ級 「なぜ亀甲縛り!?てかできるのか!?その指で!!」


港湾棲姫 「できますよ 実際に見せましょうか?」パシンパシンッ


ヲ級 「いややらなくていい!てかやるな わたしはそんな趣味ない!!」


港湾棲姫 「だいじょうぶですよ 痛くありませんから?てかさせてください ヲ級さんを縛ってみたいです!」

(´ᴖωᴖ`)ニヤァ


ヲ級 「縛ってみたい!?おまっまさかそんな趣味を!?」ゾクッ


港湾棲姫 「いえいえ そんな趣味は持ってませんよ ただヲ級さんってそれなりに大きい胸をしてるじゃないですか」


港湾棲姫 「その胸を強調させたらどのくらい膨れ上がるのかが気になって…ぐへへ」(^p^)


ヲ級 「おいぃぃ!!さっき言ってたことぜんっぜんちがうぞ!!明らかに私利私欲だろ!!」


ヲ級 「そんなに縛りたいなら自分を縛ればいいだろ!お前は無駄にでかいんだから 今よりもっと浮き出るだろ!」


港湾棲姫 「もう実体験済みです ヲーさんに手伝ってもらって縛ってもらいました」


港湾棲姫 「ですが自分の縛られた姿を見てもおもしろくありませんでした やはり他人を縛り付けた方がおもしろいですね」


ヲ級 「もうやってたのかよ!!しかも他人の方がおもしろいとかいろいろまずいだろ!!」


港湾棲姫 「というわけで縛らせてください 痛くしないので!」(*´Д`*)ハァハァ


ヲ級 「なにがというわけでなんだ!?痛くしなくてもさせないからな!」


港湾棲姫 「では抗ってください 私はもう縛りたくてしょうがないので!!」パシンパシンッ


ヲ級 「やめろ変態!!縛ったらどうなるかわかってるよな?もしそんなことしたら…!!」ギロッ


港湾棲姫 「今のあなたにそんな力はありますか?無駄な抵抗ですよ」ニコッ


港湾棲姫 「そんなに心配しなくても痛くしないので安心してください 痛いのは最初だけです!!」ドンッ!!


ヲ級 「それいろいろと違う!!最初だけ痛いのは別の意味だ!!」


ヲ級 「しかも縛られて痛くなくなったらもうそっち系に走ったやつだろ!!私はそんなやつになりたくない!!」


港湾棲姫 「うふふー?それじゃ気持ちよく縛ってあげますねー!!」シュルル…


ヲ級 「バっやめ…!!?」カタカタ…



いやぁーっ!!!!!!











提督 「…ーっは!?」ハッ


ネ級 「? どうした?いきなりなにか思いついたような声出して」ビィィィ… グラインダーで主砲の筒を綺麗に磨いている


提督 「…なんか ヲ級の叫びが聞こえた気がする」


ネ級 「いやそんなわけないだろ…まして私たちかなりでかい音を出してるんだから聞こえるわけがない」


提督 「いやでも確かに聞こえたと思うんだ どこからかまではわからないが…」


ネ級 「…じゃあ探しに行ってみればいいだろ そんなに心配なら」


提督 「…そうだな ちょっと見てくる」カタッカチャカチャ…


提督 「それじゃ悪いが少したのむ なるべく早く戻ってくる」タッタッタッ…


ネ級 「あいよー」ビィィィッ!!!!!!













医務室近く通路



タッタッタッ…


提督 「んー…どこにもいないなヲ級のやつ 部屋にもいないしドッグにもいない どこに行ったんだ?」タッタッタッ…


提督 「傷が治ったからヲーちゃんを探してるのか?裏切り者を排除するために…」


提督 「(もしそうだとしたら医務室に行った可能性が高いな ヲーちゃんが目潰れてるの知ってるから行くとしたらそこしかない)」


提督 「(港湾棲姫の元において正解だったな もし部屋に寝かしておいたら殺されてたかもしれない…それだけは絶対させるわけにはいかない)」


提督 「(今この状況でどっちか失うこともしたくないし 二人が争ってへんな混乱も巻きたくない なんとかしてふたりを争わせないようにしないと……)」



ーっや、やめろーっ!!ほどけっ!!


提督 「っ!!」



だいじょうぶですよ もう少しで気持ちいい感覚が襲ってきますから!


ふざけるな!!そんな感覚襲ってなんか…てちょっとまて お前どこ触って!!?


だいじょうぶだいじょうぶ ちょっと縛りますねー


いやっちょ やめっいやぁぁぁ!!!!



提督 「……なっなんだ?あいつらなに騒いでるんだ?」


提督 「縛るなだのだいじょうぶだのって…ほんとに なにやってんだ?」


提督 「……まぁどうせ様子見に行くから見に行くか 一体なにをやってんだか」タッタッタッ


提督 「おーいおまえら なに騒いでるんだ?通路まで漏れてるぞ」



ーっ!! てっていとく!?


あら提督 ちょうど良いところに


今ヲ級さんがすごいことになってるので見てください きっと気に入りますよ


ーっふ ふざけるな!!こんなの気にいるわけないだろ!!いいから早くほどけ!!



提督 「…えっと、なにが起きてるのかわからないが中に入るぞ?」



まっまて!!入ってくるな 入ってきたら目つぶすぞ!!


だいじょうぶですよ提督 今のヲ級さんにそのようなことはできませんので


てめぇ…!!


提督 「……邪魔するぞ」ガラッ



ヲ級 「まっまて!!はいるな!?もしくは見るな!!」ミッチリ 甲羅縛りをされて胸が強調され身動きできない状態にされている


提督 「」ブフゥッ!!


港湾棲姫 「ふふふ!いいですよそのくい込み いつもはふっくらとした胸が今は強調されてボインに…!!」(^p^)


ヲ級 「ーっ…港湾棲姫 あとで殺す!!」ギロッ!!


提督 「っっっ…」///カァァ…


提督 「(をっヲ級の胸が…てか、亀甲縛りエロいだろ 実物初めて見た……!)」///プルプル…


港湾棲姫 「ほら提督 もっと見ていいんですよ?今しか見れませんからよぉく記憶に焼き付けておかなければし後悔しますよ」


港湾棲姫 「こんなにもエロい体をしたヲ級さんが今目の前で亀甲縛りされてるんですよ?今なら触り放題です」


提督 「いや触り放題って…(たしかにエロいけど…)」///


ヲ級 「ーっい 今触ったら殺すからな!!てか見てないで助けろ!!」///ググッ…


提督 「あっあぁ 今解くよ」///タッタッタッ…


港湾棲姫 「あっダメです!外してはいけません!!」バッ!! 提督がヲ級のもとによって縄を解こうとするのを阻止する


提督 「どけ港湾棲姫 さすがにイタズラの限度を越えてるぞ 今すぐ解いて身動きを…」


港湾棲姫 「素人では解くことが困難です 無理に解こうとすれば返って絡まってしまいます」


提督 「っあ そっち?ほどく方の心配?」


港湾棲姫 「当たり前です ただでさえ複雑な縛り方なのに素人がむやみやたらに触ったら絡まるだけです」


港湾棲姫 「解くにはちゃんとした手順があるんです 提督なら手先器用なのですぐに解けるようになるかと思います」


提督 「解けるようになるって…なんかいやだな それだけのために変な技術付けるの」


港湾棲姫 「それで覚えたら次は縛り方をですね!」///ハァハァ


提督 「…うん 解けるだけでいいから教えてくれ」


港湾棲姫 「えぇー…いいんですか?こんなチャンス滅多にありませんよ」


港湾棲姫 「ヲ級さんだって提督に見てもらえるチャンスなんですよ それを踏みにじっていいんですか?」


ヲ級 「いややり方が横暴すぎるだろ!!こんな亀甲縛りした状態で見てもらおうなんてしたくないから!!」


ヲ級 「てか早くほどけ!!これ割りと痛いんだぞ!?けっこう肉にくい込んで!!」


港湾棲姫 「あれぇ…?おかしいですね くい込ませないようやったつもりだったんですが」


港湾棲姫 「ちょっと見させてもらいますね」ジー…


提督 「いや見るんじゃなくて解けよ…てかやり方教えてくれ」


港湾棲姫 「ちょっとまってください 縛った方が痛いというのは私の落ち度になります」


港湾棲姫 「これでは縄師として恥です 少し確かめさせてから解きます」モゾモゾ…キュッキュッ


提督 「お前はいつから縄師になったんだ…?」


ヲ級 「てか早くほどけ…さらにくい込んでるんだが」キュッキュッ…


港湾棲姫 「これが終わったら解きます これをこうして…」シュルシュル…



キュッ!!


ヲ級 「ひゃうっ!!!?」///ビクンっ!!


提督 「ーっ!!!?」///ドキッ!!


港湾棲姫 「あっ…ここの縛りが違ったんですね 股を縛る部分が一箇所手順間違えてました」


港湾棲姫 「申しわけありません もう一度縛り直しますね」キュッキュッ!!


ヲ級 「んんっ!!や、やめぇ…!!」///ビクッビクンっ!!


提督 「ーっ……」///ポタッポタッ… あまりの色声に興奮して鼻血が大放出


港湾棲姫 「……少しキツすぎましたかね 痛くないですか?主に股部分」


ヲ級 「ーっ…て、テメェ よくもわたしにこんな恥ずかしめを……!!」プルプル…


港湾棲姫 「……あっ股部分の紐に結び目を作るの忘れてました 少し緩めて作りますね」シュルシュル…


ヲ級 「ふざけるな!!いいかげんにほどけーっ!!」///



ヲーちゃん 「うっさいのね!!人が寝てる近くで騒がないで欲しいのね!!」シャーッ!!


港湾棲姫 「あっすみません それじゃ口元にも紐をつけて少し黙らせますね」シュルル…パシンパシンッ!!


ヲ級 「ふざけるなよこのやろう!!それ以上やったら本気で怒るぞ 紐解いた瞬間ぶっ殺してやる!!」


港湾棲姫 「それはいやですね ではもっと強く縛らないといけませんね」シュルシュル…


ヲ級 「ーっちょ!?おまっほんといい加減に!!」ビキッ!!


提督 「っ…港湾棲姫 それ以上はやめろ もう十分だろ」グッ… 鼻をつまんで鼻血が出てこないよう抑える


港湾棲姫 「えぇー まだ結びたいです…」シュン…


提督 「これ以上ヲ級怒らせたらまた基地が半壊されるから…だからやめろ いいな?」


港湾棲姫 「…仕方ありませんね わかりました」スゥ…


提督 「わるいなヲーちゃん 寝てるところ騒いじまって 港湾棲姫が悪いから文句言うなら港湾棲姫に言ってくれ」


ヲーちゃん 「そうさせてもらうのね もう目は平気だけど眠いから寝かせてもらうのね」シャー…


港湾棲姫 「あっ眠いだけなら部屋に戻ってください さすがに睡眠目的で寝られるのは…」


ヲーちゃん 「誰のせいで起きたと思ってるのね!!いいから黙ってるのね!!」シャーッ!!


港湾棲姫 「…怒られてしまいました」


提督 「だろうな 俺だって怒るよ…」


提督 「てか早くほどくぞ 解き方教えてくれ」


港湾棲姫 「わかりました 解き方なんですが…」











提督 「…これでよしっと」シュルシュル…シュルル


ヲ級 「…ふぅ やっと身動きが取れた…」ハァ…


港湾棲姫 「お見事です さすがですね?伊達に装備弄ってませんね」


提督 「…なんか褒められた気がしねぇ」


提督 「…てか 結構ほどくの時間かかったな かなり複雑な縛り方だな?」


港湾棲姫 「甲羅縛りですからね 下手な縛り方すると絡まってほどく時も大変ですからね」


港湾棲姫 「しかしものの数分で解いてしまうなんてやはり凄いですね しかもたったいちどで解いてしまうなんて…提督も縄師になりませんか?」


提督 「ならんわ!!こんなの覚えてどうすんだよ!!何の役にも立たないわ!!」


港湾棲姫 「好きな方を縛り付けることができますよ 好きな物は独占したいと欲が出るじゃありませんか」


提督 「いやな独占欲だな!?あってもそんな独占の仕方は嫌われるだけだろ!」


港湾棲姫 「わかりませんよ?むしろ好きになってくれるかも…」


ヲ級 「いや普通に嫌われるからな!そんな独占の仕方されたら好きなやつでも嫌いになるわ!!」


港湾棲姫 「そうですかねぇ?私なら万々歳ですが」ンー


港湾棲姫 「あっそうだ 縛り方教えますので私を縛ってみてくれませんか?提督」


提督 「いやなんでだよ!?今嫌だと言ったばかりだろ!てか自ら縛られようとするな!」


港湾棲姫 「わたしは提督に縛られるなら万々歳ですよ むしろ独占されたいです」///ハァハァ


提督 「なんか怖いんだけど!?えっなにこれ これは俺のことが好きだから縛られたいってことで受け止めていいの?」


提督 「それともただ縛られたいから言葉を並べて縛ってもらえるように言ってるの!?どっちにしても縛りたくないんだけど!!」


港湾棲姫 「(あいかわらず鈍感ですね…けっこうド直球で言ったつもりだったんですが)」


ヲ級 「(あれで気づかないのか…マジか)」



ヲーちゃん 「…提督 さすがにそれはひどいと思うのね」シャー…


提督 「ヲーちゃん起きてたのか?てかひどいってなにがだ?」


ヲーちゃん 「……それすらも気づいてないとは もう救いようがないのね」ハァ…


提督 「っえ」


港湾棲姫 「…まぁ今に始まったことじゃありませんからね 初めて会った時からずっとでしたからね」


提督 「っえ えっ?」


ヲ級 「もはや病気だよ 不治の病と言っても過言じゃないな」


提督 「……なっなにが?なんかものすごく罵倒されてるような気がするんだが」


ヲ級 「罵倒じゃなくて呆れてんだよ なんでそう言われてるのか自分で考えてみろ」


提督「……うん わからん」キッパリ


ヲ級 「……おまえ一度ぶん殴ってやろうか?少しは考えろよ」イラッ


港湾棲姫 「これには私もイラつきを隠せませんね ちょっと縛らせてください」パシンパシンッ 新たにどこからともなく荒縄を取り出す


提督 「いやなんでだよ!それただ縛りたいだけだろ!!」


ヲーちゃん 「港湾棲姫 縛るならチ〇コも縛るといいのね 特に先端部分と玉部分を縛ると激痛なのね」


提督 「ヲーちゃん 女の子が下ネタ言うのやめろ あと変なこと言わないでくれ(されたらシャレにならん…)」


港湾棲姫 「さすがにそれはかわいそうかと…するなら豚の丸焼き縛りで吊るします」


ヲ級 「ぶっ豚の丸焼き縛り…?どんな縛り方だ?」


港湾棲姫 「両手両足を一箇所に集めて縛り 天井に吊るしておくんです」


港湾棲姫 「本来、血抜き法として使うんですがさすがに提督の血を抜くわけにはいかないので吊るしておくだけにします なので安心してください」


提督 「…今、ものすごく物騒な言葉が聞こえたんだが てかそのやり方でも縛るのやめろよ?」


港湾棲姫 「だいじょうぶですよ 痛いのは一瞬です」パシンパシンッ


提督 「うん やったら今後口聞かねぇからな?よく覚えとけよ」ニコッ


港湾棲姫 「……それは嫌なのでやめときます こんなことで提督との仲が悪くなるのは死んでも望みません」


提督 「それならよかった」


提督 「それじゃ俺は作業に戻るから騒ぎ起こすなよ とくにヲ級!お前に言ってるからな」


ヲ級 「…」フイッ


提督 「…港湾棲姫 ヲ級たちを見といてくれ もし暴れたら縛っていいから」


港湾棲姫 「わかりました 暴れたら容赦なく縛ります!」フンス


ヲ級 「許可するなよ!!」


提督 「自業自得だ じゃあな」タッタッタッ…


パタンっ…


ヲーちゃん 「…また寝るのね」シャー…


ヲ級 「…てか、提督はなにしにここへ来たんだ?工房で主砲作ってたはずなのに」


港湾棲姫 「…そういえば なぜ来たんですかね?言われてみれば」


ヲ級 「…まぁいいか それじゃ今度こそ寝かせてもらうから縛ろうとするなよ いいな?」


港湾棲姫 「暴れなければ縛りませんよ 大人しくしてくださいね」


ヲ級 「わかってる」タッタッタッ…シャー


港湾棲姫 「…さてと 私も記録をつけなくては」タッタッタッ…カタンッ













レ級の部屋



レ級 「あー…ひまだぁ やることがないよー」グテー…


レ級 「演習はめんどくさいし タ級はやることあるって言って遊んでくれないし…マジで暇すぎて死にそう」


レ級 「ヲ級たちのことも口出しするなって言われてるし…ほんとに、あのふたりどうしちゃったんだ?」


レ級 「はぁぁ……ヒマだ………」



時計 「チッチッチッ………」



レ級 「………そういえば 提督に預けてた指輪どうなったんだろう?まだ返してもらってないや」


レ級 「毒素塗れだったから取ってもらうように言ってあったけど まだ取ってないのかな?」


レ級 「結局あの指輪はなんだったのか教えて欲しかったけど いま提督忙しいしな…聞けるなら今すぐにでも聞きたいな」


レ級 「………」


レ級 「(あの指輪見たときに頭によぎった記憶…あれはなんだったんだろ いつも怒って誰かに叱ってた記憶)」


レ級 「(その誰かは思い出せないけど…誰かに怒ってたのは覚えてる 薄々だけど……)」


レ級 「(だれに怒ってた?だれに叱ってた?この記憶はいつからあった?)」


レ級 「(少なくともこの基地で起きたことじゃない もっと前に起きてたこと…前となるとやっぱり艦娘のときの記憶)」


レ級 「(私が艦娘のときってどんな艦娘だったんだ?ほぼなにも覚えてないから自分がなんだったのかもわからない)」


レ級 「(唯一覚えてるのは多少の記憶だけ……これだけじゃわからない 思い出していいのかもわからないけど、いつまでも拗らせて置くくらいなら知った方がいい)」


レ級 「(思い出したらどうなるんだろ 艦娘や海軍を滅ぼそうとしてる気持ちは消えるのか?)」


レ級 「(もし消えたら私は今後どうすればいい 目的をなくしたら深海棲艦じゃいられなくなるのかな)」


レ級 「(…でもそれはそれでいいかもしれないな もし生まれ変わったら変わったで新しい自分を見つけられるかもしれない)」


レ級 「戦闘が好きじゃないわたしなんてイメージが湧かないな どんな私になるんだろ?気になるな」フフッ


レ級 「艦娘だった頃の記憶、何かの拍子で思い出さないかなぁ 指輪についてる毒素削ってもらえればなにかわかると思うんだけどなー」


レ級 「早く削って貰えないかなー 私だれと結婚してたんだろ」アァー


レ級 「叱ってた記憶はあるから試しに言ってみるか!口に出して」


レ級 「こほん んんっ…」


レ級 「こらー!ちゃんと仕事しないとダメだぞ提督」ビシッ


レ級 「…ちがうな こんなふうに言った記憶はない となると別の言葉か」


レ級 「おい提督 早く仕事しろ!しなければ殺す!!」ギンッ!!


レ級 「……うん ちがうな しかもこれ怒ってるどころか脅しに近いな 」


レ級 「んー…難しいな 基本わたしは誰かに叱るってことしないからどんなセリフを言えばいいかが分からない むしろ怒られる側だから……」


レ級 「(手当り次第口にしてみるか もし違和感があれば気づくだろうし、言ってみるか)」


レ級 「…おい提督 仕事をしろ まだ終わらないのか?」キリッ


レ級 「ていとくーっ!まだ仕事終わらないの?早く終わらせて遊ぼうよー!!」

ヽ(∀)ノヒャッハー


レ級 「ねぇねぇていとく 早く仕事しろよー?終わらないとぶちのめすぞ」ハイライト


レ級 「このクソ提督!早く仕事をしろ!」ピクッ


レ級 「っ…あれ なんか、違和感が……?」


レ級 「(今の言葉…クソ提督?この言葉か なんかこの言葉に違和感感じる)」


レ級 「(こんな悪口を過去に言ってたのか?いやまだ決まったわけじゃない まだわたしがこんな悪口を毎日言ってたなんて決まったわけじゃ……)」


レ級 「……あれ なんで毎日言ってたなんて思った?今まで毎日言ってたなんて思ったことないのに……」



ズキンっ!!


レ級 「ヴぅっ!!あ、頭が……!!」ズキズキッ!!


レ級 「(きっ急に痛みが…なんで いきなり!!)」ズキンッ!!!!


レ級 「アァァッ!!ヴ、ヴゥゥ……!!!!」フラァ…


バタンっ……


レ級 「」あまりの痛みに意識を失い床に倒れる



…コンコンっ


レ級?どうかしたのか さっきから騒がしいが



レ級 「」



…? レ級?聞こえてないのか なにかあったのか?


……入るぞ?


ガチャッ


タ級 「レ級 さっきからなぜ返事を……」


レ級 「」


タ級 「…れっレ級!!?」ダッ!!


タ級 「お、おいレ級!!どうした なにがあった!?しっかりしろ!!」ガバッ


レ級 「」タ級に抱きかかえられて揺さぶられるが反応しない…


タ級 「ーっ…しっ心肺確認!!」スッ… レ級の胸部分に耳を当てて心臓が動いてるかを確かめる


レ級 「………」ドクン…ドクン…


タ級 「…心臓は動いてる でも意識がない さっきまで騒いでたのにか?」


タ級 「とっとにかく 早く港湾棲姫のところに連れていかないと!!」スクッ


タ級 「(心臓は動いてるから死なないと思うが…たのむから死ぬなよ!!)」


タッタッタッ!!…













工房



提督 「…ネ級 そっちどうだ?何個ぐらいできた」フゥ…


ネ級 「今これで六個目だ 試製51cm連装砲の作りはそこまで複雑じゃないからすぐ作れる まぁ量産するとなると時間かかるけどな」


ネ級 「さっきから途中で抜けてる奴がいなければもっと作れてたと思うんだがなぁ 一体誰だろうな?」ギロッ


提督 「うっ…すまない」


ネ級 「まったく 早く人数分作って戦力あげるぞ 戦艦共にはもっと頑張ってもらわないといけないからな」


提督 「そうだな 次こそは制作に集中するために無駄な動きをしないよう……」



ーっバタン!!


タ級 「提督いるか!?いるよな!!」ハァハァ…


提督 「……言ってるそばからまたか」ハァ…


ネ級 「おいタ級またお前か お前何度邪魔して…」


タ級 「たいへんだ提督!!レ級が倒れた!!」


提督 「……っえ」













医務室



レ級 「………」ベッドに寝かされて意識を取り戻していない


港湾棲姫 「………」スゥ…クイッ レ級の脈拍や瞳孔を見て検査している


港湾棲姫 「(脈拍瞳孔共に異常なし 心臓も動いて呼吸に乱れなし 熱もなければ非常に安定した状態…でも意識はなし)」


港湾棲姫 「(何度か起こそうとしてるけど起きない…なんで?けっこう強めに叩いてるのにまったくの無反応 いくら寝太くても反応ぐらいはするはず)」


港湾棲姫 「(起きる様子が見られなくて反応もなし…こんな症状見たことない レ級さん一体どうしたんでしょうか)」



ヲーちゃん 「…どうなのね レ級の様子は?」シャー… 隣のベッドからカーテンを会えてレ級の様子を見てくる


港湾棲姫 「ヲーさん起きてたんですか…」


ヲーちゃん 「タ級があれだけ大慌てで入ってきて騒いでたら起きるのね それでどうなの?」


港湾棲姫 「…身体に異常は見られません 全身調べて見ましたがおかしいと思う場所はありません」


港湾棲姫 「ですが眠りから覚める様子がありません 深い眠りに入ってるのかはわかりませんが強めに叩いても無反応…原因不明です」


港湾棲姫 「さすがにケガさせてまで起こすわけにはいかないのでどうすればいいか……医務担当の私が言うのはまずいですがお手上げです」


ヲーちゃん 「……レ級起きるのね 起きたらひじきハンバーグ作ってあげるのね」


レ級 「………」


ヲーちゃん 「……レ級」



ーッバタン!!!!


提督 「港湾棲姫!!レ級が倒れたってほんとか!!?」ハァハァ…


タ級 「ちょって、ていとく…走るのはやっ……」ハァハァ…


港湾棲姫 「提督 それにタ級さんも」


ヲーちゃん 「ふたりともものすごく息荒いのね…」


提督 「容態のほうはどうなんだ 意識はあるのか!」フゥ…


港湾棲姫 「容態は安定です 脈も乱れてなければ心臓も普通に動いてます」


港湾棲姫 「…ですが意識はありません 起こそうと強めに叩いてるんですがまったく起きる様子がありません」


港湾棲姫 「異常は見られないのになぜ起きないのかがわかりません…申しわけありませんが私の手ではどうにも」


提督 「…おいレ級 目覚ませ!生きてんなら目開けろ!!」


提督 「体に異常がねぇのに寝てんじゃねぇ!こんな時間から寝てたら夜寝れなくなるぞ!!」


レ級 「………」


提督 「……ーっおいレ級!!」


タ級 「港湾棲姫!ほんとにわからないのか!?レ級がなんで起きないのか!!」


港湾棲姫 「すみませんがまったく…私は第一発見者のタ級さんなら知ってるのかと思ったのですが」


タ級 「わかるわけないだろ!レ級の部屋から騒ぎ声が聞こえたから確かめたら倒れてたんだから」


提督 「…騒いでた?」


タ級 「あぁ なに言ってるかはわからなかったがなにか騒いでたのはたしかだ 誰かと話してるのかとも思ったが誰もいなかった」


タ級 「騒いで終わったときに私が確かめたから誰かが出たとしたら私が見てるはずだ でもそれがなかったからひとりで騒いでたと思う」


タ級 「ひとりで騒いでるのもあれだが…まぁレ級はよくひとりでバカ騒ぎしてる時があるから珍しいことじゃない でも気になったから確かめたが…」


提督 「…なるほど」


提督 「(タ級が第一発見者で入る前は騒いでたか…たしかにレ級はひとりで騒いでることが多いから不思議じゃない)」


提督 「(タ級がレ級になにかした…とはとてもじゃないが考えられないな タ級はレ級とかなり仲が良いから揉め事が起きていたとは思えない)」


提督 「(それにレ級を見た感じ外傷はない…港湾棲姫も言ってたが状態は正常で意識がない以外は異常が見られない タ級が絡んでることはまずないだろ)」


提督 「(ならなぜ騒いでた?いや騒いでたとしても気絶した経路は?昼間は元気だったのになぜいきなりこんな症状が出た?)」


提督 「(深海棲艦特有の病気?いや なら港湾棲姫が病名を把握してるはず こう見えて医療知識は豊富だから深海棲艦特有の病気ならほぼ知ってるはず)」


提督 「(なら何が原因だ?突然意識を失って目覚めない…でも起きない以外は全て正常 意識が飛んだならなにかしら異常があってもおかしくないはず)」


提督 「(他に原因があるとしたら………)」


ヲーちゃん 「…ねぇタ級 レ級が騒いでたことってほんとにわからない?うろ覚えでもいいから教えてほしいのね」


タ級 「うろ覚えでもって…ほんとになに言ってるかわからなかったんだが」


ヲーちゃん 「よぉく思い出して欲しいのね!それがもしかしたらヒントになるかもしれないのね」


タ級 「そっそんなこと言われても…ええと……」ウーン…


港湾棲姫 「…」


提督 「…」


ヲーちゃん 「…」


タ級 「……思い出せると言ったら、わたしが入る前に頭がって言ってたな あと痛がってるうめき声とか…」


提督 「それ以外は?」


タ級 「そっそれ以外?えっえぇと……その前、その前は……」ウーン…


全員 「「………」」


タ級 「……クソ提督 仕事しろって言ってたような………」


提督&ヲーちゃん 「「っ!!」」


港湾棲姫 「レ級さんが?…考えられませんね レ級さんがそんなことを言うなんて」


タ級 「いや絶対じゃない そう言ってたように聞こえただけでほんとは違うことを言ってたかもしれない 私もレ級がそんなこと言うなんて思えない」


タ級 「だとするとなんて言ってたんだ?わかんないよー!!」ウーッ!!


提督 「(クソ提督…まさかレ級 記憶が……?)」


ヲーちゃん 「…提督 ちょっといいのね?」


提督 「…なんだ?」


ヲーちゃん 「…」クイッ 顔を出入口の方に目掛けて動かしこの部屋から出ろと合図する


提督 「…」クビカシゲ なぜ出なくちゃいけないと首を傾げて合図する


ヲーちゃん 「…」スッビシッパッ 自分に指さした後に提督に指をさし口元でグーにしていた手をパーに広げて話しがしたいと合図する


提督 「(…わかったよ みんなには聞かれたくないんだな なんとなくお前が言いたいことはわかる)」


提督 「港湾棲姫 ちょっと席を外す レ級のことは任せたぞ」


港湾棲姫 「っえ?あっはい わかりました」


ヲーちゃん 「私も起きたからそろそろ行くのね また来るけどその間レ級のことお願いなのね」


港湾棲姫 「はい わかりました」


タッタッタッ…パタンッ



タ級 「…急にどうしたんだ?二人して出ていったが」


港湾棲姫 「…?」



ヲ級 「すぅ…すぅ……」ヲーちゃんが寝ていたベッドとは反対側のベッドで寝てる













医務室近く通路



提督 「…ここなら話し合って平気かな あまり声大きくしなければ」


提督 「…さてヲーちゃん なにを話したいのかはわかっているが一応聞かせてくれ なにを話したいんだ?」


ヲーちゃん 「わかってるならいちいち聞かなくていいのね レ級のことなのね」


提督 「だよな…普通に考えてそれが当たり前だな」


提督 「…ヲーちゃんも気づいたんだろ?タ級が言ってたこと」


ヲーちゃん 「もちろんなのね レ級が元艦娘だった頃の記憶を思い出しかけてることぐらい把握してるのね」


ヲーちゃん 「気を失ったのもなんとなくわかるのね 艦娘のときの記憶が蘇りそうになって頭が痛くなって気を失った…そんなところなのね」


提督 「…完全に思い出したのか?それによっては裏切る可能性も出てくるな」


提督 「レ級は元々上官の嫁 曙だったから記憶を思い出したらすぐここを崩壊しようとするはずだ そうなるとかなりまずいな…今この状況で裏切りが二人も出てくると崩壊する可能性が」ウーン…


ヲーちゃん 「私はまだ裏切ってないのね 変なことしなければ裏切らないから安心するのね」


提督 「…まぁ今は海軍に手を出すことより新型深海棲艦の対処をしてるからヲーちゃんは心配しなくて平気か」


提督 「レ級だけでも裏切られると非常にキツイんだよな 戦力が欠けるのはもちろんだがあの火力で暴れられたらヲ級のときと同じで半壊する可能性もある」


提督 「ヲ級やタ級で止めてもらえればいいが…いや止めてもらっても被害は確実に出る もしそうなったらほんとにどうすれば……」


ヲーちゃん 「…まだ起きてないから聞けないけど、起きたら私が聞いてみようか?思い出してるかどうか」


提督 「…思い出したかと聞くのか?」


ヲーちゃん 「変に遠回しして聞くよりかはそっちの方がいいのね それに私が元艦娘だった頃の記憶が残ってるからその話しもして暴れられる前に抑えることができるかもしれないのね」


ヲーちゃん 「提督より効率がいいと思うよ?海軍の裏切り者だって知られてる提督より深海棲艦で艦娘のときの記憶がある私の方が同じ者同士で話が合うのね」


提督 「それをすぐ信じてくれるか?艦娘の記憶があるなんて聞かされても疑われると思うが」


ヲーちゃん 「今までまともに戦闘をしなかったり艦娘にひどい行為をしなかったことを話せばいいだけなのね 現にわたしはレ級の目の前で艦娘を庇ったり、戦闘はまじめに参加しなかったりしてたのね」


ヲーちゃん 「艦娘の記憶が戻っても深海棲艦になってた記憶が消されることはないと思うのね だから平気なのね」


提督 「…そうか それなら平気か」


提督 「それじゃレ級のことはヲーちゃんに任せよう もし戻ってたら説得をたのむ」


提督 「…変なことはしないでくれよ?一応お前のことは信用してるが裏切り者には違いない これを利用してみんなに被害が及ぶようなことはするなよ」


ヲーちゃん 「それに関しては平気なのね 海軍関係者や元提督に手を出さなければ裏切らないのね」


ヲーちゃん 「…あとはどう起こすかなのね 起きたら私がなんとかするけど、起きないとどうにもならないのね」


提督 「そうだな けっこう騒いでも起きなかったし強めに叩いても起きなかったからな」


提督 「すぐ起きてくれればいいんだが、これでもしずっと起きなかったら……」


ヲーちゃん 「………」


提督 「(どうにかして起こす方法はないか?なるべく体に負担がかからないように起こしたい)」


提督 「(自然に起きてくれればいいんだが…なにか嫌な予感がするんだよな このままずっと起きない感じが……)」


提督 「んー……どうしたものか」ウーン…


ヲーちゃん 「…とりあえず今日一日は放っておくしかなさそうなのね もし明日の朝まで起きなかったらまた考えるのね」


提督 「そんな悠長なこと言ってられないだろ 明日まで飲まず食わずで寝てたら体力低下や脱水症状とか起きちまう!」


ヲーちゃん 「さすがに一日ぐらいじゃならないのね…提督 少し落ち着くのね」


提督 「落ち着いてられるわけないだろ!これでもしずっと起きなかったら俺はどうすればいい!」


提督 「戦力低下も心配だが大事な部下を失うかもしれないんだぞ!いきなり倒れて起きないからどうしようもできない…そんな状況で落ち着けるわけがない!」


ヲーちゃん 「気持ちはわかるけど提督が慌ててたら元の子もないのね 反乱軍を仕切る提督が慌ててたら他のみんなも心配するのね 一旦落ち着くのね」


提督 「っ……ごめん 少し理性を失ってた 慌て過ぎたな」


提督 「…ヲーちゃんの言う通り、今は様子見るしかないな 明日まで様子見て起きなければ考えよう」


ヲーちゃん 「そうするのね 念のためレ級の傍には私がついとくのね いつ起きても平気なように」


ヲーちゃん 「提督はヲ級を頼むのね なるべくレ級には近づかせないようにしてほしいのね」


ヲーちゃん 「万が一、レ級の記憶が戻ったことを聞かれたら確実に殺されるのね まだ戻ったかはわからないけど遠ざけてほしいのね」


提督 「わかった しばらくはレ級と距離を離れさせるように出撃や遠征をさせる だがそれを毎回やったら怪しまれるからたまには会わせるぞ?」


ヲーちゃん 「了解なのね その時は知らせてね?電話でもなんでもいいから」


提督 「わかった」











レ級 「………」


港湾棲姫 「…とりあえずは様子見ですね 今のところ意識がない以外正常なので時間経過で見ていきましょう」


タ級 「……わかった レ級のことは頼んだぞ?」


港湾棲姫 「できる限りはします 任せてください!」



シャー…


ヲ級 「…さっきから騒がしいがどうした?なにかあったのか」


港湾棲姫 「ヲ級さん 寝てるところ騒がしくしてすみません 少し問題が発生しまして」


ヲ級 「…問題?」


タ級 「レ級が部屋で気を失ってたんだ どこも外傷はなくて起こそうとしてるんだが起きないんだ」


ヲ級 「レ級が?」ヨット


港湾棲姫 「あっヲ級さんまだ起き上がっては…」


ヲ級 「だいじょうぶだ だいぶ楽になった それよりレ級の容態を細かく教えろ」タッタッタッ…


港湾棲姫 「容態はいたって正常です 意識がない以外はどこも悪くありません」


ヲ級 「どこも悪くない?脈とか血流も全部正常なのか?」


港湾棲姫 「はい 異常ありません」


ヲ級 「…じゃあただ寝てるだけじゃないのか?」


タ級 「何度も起こそうとしたけど起きなかったんだ かなり強めに叩いても起きなかったし…」


ヲ級 「力が足りなかったんじゃないか?かなり強めで起きなかったら本気で殴れば…」スゥ… 握りこぶしを作りレ級の腹に目掛けて下ろそうと…


港湾棲姫 「ヲ級さんそれはシャレになりません あなたが本気で殴ったら死んでしまいます」ガシッ ヲ級の手を鋭い爪で抑えて止める


タ級 「しかも無防備なやつにお前の拳をぶつけるとかやばいから!!マジでやめろ!!」ガシッ


ヲ級 「…じょうだんだ 本気でやるわけないだろ」スゥ…


港湾棲姫 「(目が本気でしたが…)」


ヲ級 「ならバケツかければ治るんじゃないか?ケガじゃないが試してみる価値はあるだろ」


港湾棲姫 「んー…バケツですか たしかに試す価値はありますが」


ヲ級 「タ級 入渠施設からバケツひとつ持ってきてくれ」


タ級 「えっここで使うのか…?持ってくるのはいいけど」


ヲ級 「全部かけるわけじゃない 少量ずつ目や鼻から入れていくから汚れる心配はない」


タ級 「ある意味死にそうだよ!」


港湾棲姫 「バケツの中身は小瓶に移したものがあるので持ってこなくても平気ですよ あと目や鼻には使わない方がいいかと…」


ヲ級 「そうなのか?だが目や鼻、口や耳から入れたら飛び起きるんじゃないか?ある意味で」


タ級 「ほんとにある意味で起きそうだな…」


港湾棲姫 「…とりあえず少量頭にかけてみますか どうなるかわかりませんが」カチャカチャッ 薬品棚から小瓶に入った修復剤を取り出す


港湾棲姫 「スポイトで吸い上げて…これを少々……」チュー…ポタポタッ 吸い上げた修復剤をレ級の頭に少量かける


レ級 「………」


港湾棲姫 「…」


タ級 「…」


ヲ級 「…ダメだな 全然起きそうにないな」


ヲ級 「やっぱり鼻や目から直接入れたろうがよさそうだな とりあえずその小瓶に入ってる量全部入れるか」


港湾棲姫 「いやそれはさすがにまずいかと…入れるなら一滴だけにした方がいいです」


タ級 「いや港湾棲姫もなに言ってんだ!?目や鼻に入れたらまずいだろ!!」


港湾棲姫 「安心してください それは最終手段なので」


タ級 「最終手段!?」


港湾棲姫 「もう少しかけてみますか 頭だけではなく体の方にも何滴か垂らしてみましょう」


ヲ級 「めんどくさいから全体的にかけないか?入渠施設に連れてって風呂に入れた方が早いだろ」


港湾棲姫 「起きてたら入れてもいいですが寝てるのでそれは…」


タ級 「(レ級早く起きろーっ!!お前殺されるぞ!!)」



ガラッ…


提督 「戻った わるいなレ級のこと任させて」


港湾棲姫 「いえ だいじょうぶですよ」


ヲーちゃん 「レ級の様子はどうなのね?」


タ級 「変わらずだ お前たちが出てからなにも発展はない」


ヲ級 「…」ギロッ


ヲーちゃん 「…今やってるのは修復剤をかけてるの?」


港湾棲姫 「はい なぜ起きないのか全くわからないので試しに頭に数滴垂らしてみたんです」


港湾棲姫 「ですがなにも起きませんでした なので次は体の方に垂らしてみようかと思っていたところです」


提督 「…頭にかけてもなんもなかったなら体にかけても意味ないんじゃないか?」


港湾棲姫 「まだ頭に異常があると決まったわけではないので…もしかしたら体に異常があるかもしれません」


提督 「…たしかにそうか」


ヲーちゃん 「…」スゥ…ピトッ レ級のおでこに手を当てて熱を図る


レ級 「………」ヲーちゃんに触れられるがまったく起きる素振りはなく寝ている


ヲーちゃん 「(…熱はないようなのね 港湾棲姫が修復剤を垂らしてたからなにか変化あるかと思ったけど、とくになさそうなのね)」


ヲーちゃん 「(この様子だと体にかけても意味はなさそうだけど…まぁやってみないことにはわからないのね とりあえずレ級の医療は港湾棲姫に任せるのね)」


ヲーちゃん 「(あとはいつ目が覚めてもいいようにヲ級をここから出せばいいんだけど…)」チラッ


提督 「っ…ヲ級 具合の方はどうだ?だいぶ良くなったか」


ヲ級 「あぁ 少し休んだらだいぶ楽になった これならもう動いて平気そうだ」


提督 「そうか ならよかった」


提督 「それじゃ病み上がりで悪いんだがここ最近事務仕事を放ったらかして開発を専念してるからまとめなくちゃいけない書類がそれなりにあるんだ」


提督 「燃料やボーキの消費量なんかも疎かにしてるからできればまとめて欲しいんだが…お願いできるか?」


ヲ級 「わかった みんなから報告書はもらってるよな?」


提督 「それはもらって机の上に置いてある それをまとめればいいだけだ」


提督 「それじゃ悪いがたのむ もしキツそうなら無理しなくていいからな」


ヲ級 「キツかったらそうさせてもらう それじゃ行ってくる」タッタッタッ…



ガチャッ…パタンっ


提督 「…」


ヲーちゃん 「…ねぇ港湾棲姫 レ級がいつ目覚ましてもいいように私ここにいてもいい?」


港湾棲姫 「えっ?それは構いませんが…」


タ級 「私もいいか?ずっとはさすがにいられないがなるべく多くレ級の側にいてやりたい」


港湾棲姫 「構いませんよ ただケガもしてないのに医務室のベッドに寝るのはやめてくださいね」


ヲーちゃん 「わかってるのね レ級の横に椅子並べて座ってるのね」


タ級 「私も横で座ってる」


港湾棲姫 「ならいいですよ 提督、レ級のことは私たちに任せてご自分のお仕事を進めてください 心配になったらここへ来てもいいですが電話かけてもいいのでいつでも聞きに来てください」


提督 「わかった それじゃ悪いがレ級のことを頼む …なるべく早めに起こせるようにな」


港湾棲姫 「期待に応えられるよう頑張ります」


提督 「…それとヲーちゃん ちょっといいか?」


ヲーちゃん 「なんなのね?」


提督 「…タ級も居ていいのか?もしレ級の記憶が戻ってたらまずいんじゃないか」ヒソヒソ


提督 「港湾棲姫は仕方ないとしても一緒に居る必要はないし…なんなら離れさせるけど」


ヲーちゃん 「だいじょうぶなのね タ級はレ級の過去を知ってるのね もしレ級が思い出してたとしてもあまり騒がないと思うのね」ヒソヒソ


提督 「っえ 知ってる?なんでタ級がレ級のことを…っ!」ハッ


提督 「…もしかして、この前聞いたってやつはタ級のことか 俺が独り言話してるときに聞かれたやつは」


ヲーちゃん 「そうなのね 事情を知ってるからレ級が思い出して暴れたりしてもそこまで取り乱さないと思うのね」


ヲーちゃん 「もしレ級が暴れたら止めるとき、私ひとりでするよりタ級にも手伝ってもらったほうが効率もいいし ヲ級の耳に入る前に抑えて話しをつけられればなおのこといいのね」


ヲーちゃん 「タ級なら記憶を思い出したレ級でも仲間と思ってくれるはずなのね レ級のほうはわからないけど、提督が反乱軍作り上げたときからずっと一緒に行動してるからそんなやわな関係じゃないのね」


ヲーちゃん 「だから安心するのね レ級のことは任せて提督は装備の開発をお願いするのね」


提督 「…わかった それじゃレ級のことを頼む 他のみんなにはお前たちがそばに居るから心配するなと伝えておく」


ヲーちゃん 「お願いなの」


提督 「港湾棲姫 すまないがあとのことは頼む なにかあればすぐ知らせてくれ」


港湾棲姫 「はい わかりました」


タッタッタッ…パタンっ



港湾棲姫 「それでは修復剤を体にかけてみましょうか 効果があるかわかりませんが試さないことにはわかりません」


ヲーちゃん 「あまりかけ過ぎないように気をつけるのね かけすぎて肌が荒れるとかわいそうなのね」


タ級 「肌荒れるの!?修復剤なのに!?」


ヲーちゃん 「たぶん ケガしてないから肌荒れるかもしれないのね 知らないけど」


タ級 「ヲーちゃんもいろいろ適当だな!?」


港湾棲姫 「それじゃかけますね」ドバー… 小瓶に入ってる修復剤を容姿なくかける


タ級 「おいーっ!今ヲーちゃんがかけすぎるなって言ったばかりだろ!しかも躊躇なくかけるな!」


タ級 「しかも服の上からかけるな!せめて地肌にかけろ!」


港湾棲姫 「だいじょうぶですよ 染み込みますから」


タ級 「なんの解決にもなってない!!」


ヲーちゃん 「レ級の着替え持ってくるのね いつでも着替えられるように」タッタッタッ…


港湾棲姫 「あっあとバケツひとつ持ってきてもらってもいいですか?これでも起きなかったらバケツ被せます」


ヲーちゃん 「わかったのね」バタンッ


タ級 「おい待て待て!!?だからそれはやりすぎだって!!」


タ級 「レ級早く起きろ!!お前いつか死ぬぞ!!」


タ級 「殺される前に起きろ!!たのむから起きてくれ!!」


レ級 「………」


港湾棲姫 「…鼻の中に入れてみますか」ボソッ


タ級 「やめろ!!」













夜ー提督室



ヲ級 「…」カリカリ… 書類整理中


ヲ級 「…ふぅ やっと終わった けっこう溜まってたな」カタッ


ヲ級 「量が多すぎてまとめるだけで何時間もかかってしまった まったくいくら手が離せないとはいえ、溜めすぎだ」ハァ…


ヲ級 「(さすがに病み上がりだとキツイな あと少しあと少しと思って全部やったがめまいが……)」クラッ…


ヲ級 「(くそ まだヲーちゃんから食らった睨みが響いてるのか だいぶ治ったと思ったんだが……)」ストンッ 机に寝そべり体を休める


ヲ級 「(…少しここで休むか 提督もいないし、戻ってきても夜中だろ)」


ヲ級 「(帰ってくるまでに自分の部屋に戻れば見られずに済む あまり心配かけたくないから少しだけ休んで戻れば……)」ウトウト…


ヲ級 「……すぅ…すぅ………」











…ガチャッ


提督 「はぁー…全然終わんねぇ あと何十個も作らねぇと……」ゲソリ…


提督 「その後に百cm単装砲も作らないといけないのに……早く風呂はいって明日に備えよう」


提督 「……っん?」



ヲ級 「すぅ…すぅ……」机に寝そべって寝ている


提督 「……ヲ級?なんでここに しかも寝てるのか?」タッタッタッ


提督 「おいヲ級 こんなところで寝てたら体痛くなるぞ 起きろ」ユサユサ


ヲ級 「んー……すぅ…すぅ……」


提督 「寝るなら自分の部屋で寝てくれ 起きたくないなら運ぶが」


ヲ級 「…運んで……」ムニャムニャ…


提督 「…マジか 冗談で言ったんだが……」


提督 「…風呂上がったら運んでやるからな 汗だくのまま運びたくないから」タッタッタッ…


ヲ級 「すぅ…すぅ……」











ガチャッ


提督 「ふぅ…いい湯だった」ホカホカ… シャワールームから出てきて自室に戻る


提督 「明日も早いから夜更かししないで寝るか その前にヲ級を運んでいかないと」


提督 「まだ寝てるか?」タッタッタッ…


ガチャッ



ヲ級 「すぅ…すぅ……」提督室に備え付けられている机でまだ寝ている


提督 「まだ寝てたか これじゃ仕方ないな…運んでいくか」


提督 「ヲ級 わるいが抱きかかえるぞ?」ヨット


ヲ級 「んー…」ヒョイッ お姫様抱っこされて運ばれる


提督 「よし バランスはだいじょうぶだな あんま動くなよ?動くと落とすかもしれないからな」


ヲ級 「すー…すー……」


提督 「…聞いてないか まぁいいや 早く運ぼう」


タッタッタッ…








ヲ級の部屋



ガチャッ


提督 「お邪魔しますっと」タッタッタッ…


提督 「…あいかわらず綺麗だなヲ級の部屋 マメに掃除してるんだな 俺とは大違いだ…」


提督 「まぁそれはいいとして …っと」ポスッ


ヲ級 「すー…すー……」パサッ… ベッドの上に寝かされて布団をかけられる


提督 「…今日はありがとな 病み上がりなのに無理させちまって」


提督 「さてと 俺も部屋に戻って寝よう 明日も早いからな」グイッ


提督 「……んっ?」チラッ


ヲ級 「すー…すー……」ギュッ… 寝ながら提督の服をつかんで離さない


提督 「…あの、ヲ級?離してくれないかな 部屋に戻って寝たいんだが」


ヲ級 「すー…すー……」


提督 「……えっと、外すぞ?」スゥ…


ヲ級 「すー…すー……」ググッ…


提督 「ーっ…かてぇ!!全然外せねぇ!!」グググッ!!…


提督 「起きてんだろこれ!ヲ級離せ!!」


ヲ級 「すー…すー……」


提督 「マジかよ…ほんとに寝てんのか?寝ながら力入れてんのかよ……」


提督 「はやく寝たいのに…どうしよう」ウーン…


ヲ級 「すー…すー……」


提督 「…しかたない 離せないんじゃ服を脱ぐまでだ 脱げばここから出られ」ガシッ


提督 「………」


ヲ級 「すー…すー……」服をつかんでいた手が次は提督の腕をつかみ離さない


提督 「…なぁ 起きてるだろ ぜったい起きてるよな さすがにこれは無理があるだろ」


提督 「おまえそんなキャラじゃないだろ 寝るとき抱き枕とかそういうの使わないだろ」


ヲ級 「すー…すー……」


提督 「…マジで寝てるの?ほんとに?」


提督 「ヲ級 ほんとに寝てんのか?起きてるなら恥ずかしがらずに起きてくれ」


ヲ級 「すー…すー……」


提督 「……じょうだんだろ?本気で言ってんのかよ」


提督 「…」ペチペチ


ヲ級 「んー…すやすや……」


提督 「…マジ寝だ 嘘だろおい……」


提督 「(部屋に戻れねぇじゃねえかよ…無理に引っ張って腕痛めてもいやだし、解こうと思っても解けないから離してもらえない……)」


提督 「(…てか、なんで俺の腕を掴むときはそこまで力入ってないんだ?引き剥がそうとするの力が入ってるのはなぜ)」グググッ…


提督 「(…もういいや どうせヲ級の部屋には誰も入ってこないだろうし、変に勘違いされることもないだろ)」


提督 「(床に座って寝ることになるが…せめて布団は欲しかったな ヲ級の布団を取るわけにもいかないし)」


提督 「はぁ…ゆっくり布団の中で寝たかったなー かてぇな床」ハァ…


ヲ級 「…ん」モゾッ


提督 「っん 起きたか?」


ヲ級 「すー…すー……」


提督 「…起きてないか はぁ……」


提督 「(もういいや 早く寝て明日に備えよう いつまでも起きてたら作業に響く)」


提督 「ふぅ…」スゥ… 目をつぶって寝ようと…


ヲ級 「……ーっく」ボソッ


提督 「…ん?」


ヲ級 「…」スー…スー…


提督 「…寝言か?なに言ってたかわからなかったが」


ヲ級 「……とく」


提督 「っん また寝言か……」


ヲ級 「…元、横須賀鎮守府提督……」


提督 「っ!」


ヲ級 「…なんで、気づいてくれないんだ 私の思い……」


ヲ級 「瑞鳳のことばっか思って…たまには私のことを思ってくれてもいいじゃないか」


ヲ級 「【わたしが…祥鳳だということは気づかなくていいから……少しくらい………】」


提督 「……っえ」


ヲ級 「すー…すー……」


提督 「…をっヲ級 今なんて……?」


提督 「(今…祥鳳と言ったか?まさかお前、艦娘のときの記憶があるのか!?)」


提督 「(いやそれ以前に祥鳳だと!?バカなっ!ありえない 祥鳳は海軍基地に健在のはずだ!)」


提督 「(あいつが沈んだなんて情報は拉致した艦娘達から聞いたことがない しかもあいつがやられるなんて考えられない!!)」


提督 「(あいつは瑞鳳に次ぐ軽空母準エースだぞ!!やられたとなると相当強者な相手じゃないと倒せないぞ!!)」


提督 「(…なにかの間違いだ そうだ、聞き間違いにちがいない)」


提督 「(あいつがやられるなんてありえない もし仮に沈んで記憶が残っていたとしたらなぜ敵側に着いてる?その理由がわからない)」


提督 「(艦娘のときの記憶が残ってればむしろヲーちゃんに協力的なはず…だがそれはまったく見られない)」


提督 「(完全に海軍のことを敵対してる…祥鳳が海軍を敵対する意味がわからない だからヲ級が祥鳳だという可能性はゼロに近い)」


提督 「(…だけど、たしかに祥鳳という言葉が聞こえた気がする さすがに祥鳳という言葉に聞き間違いしたとは思えない……)」


提督 「………」


ヲ級 「すー…すー……」


提督 「(…調べてみるか ヲ級が祥鳳だとは思ってないが念のためだ 万が一のことを考えて調べておこう)」


提督 「(もしこれでヲ級が祥鳳だったら…海軍でなにがあったか聞いてみるか 絶対にありえないと思うがな)」


提督 「(そのためにはまず今監禁してる艦娘たちに祥鳳のことを知ってるやつがいるか確かめよう とくに最後の方に捕まえてきた艦娘たちなら最新の情報を持ってるだろ)」


提督 「(これで祥鳳のことがなにも出てこなかったら聞き間違えたということにしよう ヲ級本人に聞いたところで仮に元祥鳳だったところで話すとは思えない)」


提督 「(今まで話してないのがなによりも証拠 話さない=知られたくない、もしくは話したくない)」


提督 「(海軍を良しとしないから敵視し、俺も艦娘に対しては多少なりと優しくしてるから話したくないんだろ)」


提督 「(祥鳳という前提で考えたらこんな感じだな ありえないと思うんだがな……)」


提督 「…まぁいい 調べるのは明日でいいから早く寝よう 朝から主砲製作して夕方頃に聞けばいいだろ」


提督 「おやすみー…」スゥ…
















チュン…チュンチュン…


ヲ級 「……っん」スゥ…


ヲ級 「…朝か まだ眠いな もう少し寝たい……」ウトウト…


ヲ級 「でも起きないと…」グイッ


ヲ級 「…ん?なんか手に固いものが……」



提督 「くー…くー……」ヲ級に腕を掴まれたままベッドの下に寄りかかって寝てる


ヲ級 「………」


ヲ級 「ーっ!!?」///ボッ!!


ヲ級 「(なっなんで提督がここに!?しかもなんで提督の手を掴んで寝てるんだわたしは!!?)」///


ヲ級 「(たしか昨日は…えっと、疲れて執務室で寝てた気が……その後は………)」///ンー…


ヲ級 「…だめだ 思い出せない その後なにした?」


ヲ級 「(まさかわたし、提督となにかした!?あまりにも気づいてもらえないから寝ぼけてなにかしたか!?)」///


ヲ級 「(いやいやそんなことはない いくら気づいてもらえなかったとしても襲うことはしないず)」


ヲ級 「(それに提督はベッドの下で寝てるんだぞ?もしなにかしてたら一緒にベッドの上で寝てるはず)」


ヲ級 「(胸もとくに違和感は感じない 下もじんじんしてない…となるとなにもしてないことは明白だ!)」


ヲ級 「(状況整理しよう ベッドの下で寄りかかって寝てる提督とその腕を掴んでるわたし)」


ヲ級 「(執務室で寝てた私をここまで運んで寝かした…は確実だな となるとその後、ベッドに寝かせたはいいが私が寝ぼけて提督の腕を掴んで離さなかった)」


ヲ級 「(引き剥がそうとしなかったのか?もしくは引き剥がせなかった…?)」


ヲ級 「(握り潰さない程度に掴んで剥がせなかったからやむを得ずここで寝た…そして現在に至る)」


ヲ級 「(…うーん そんな都合よくいくか?握り潰さない程度に掴んで離さないことなんてあるか?)」


ヲ級 「(普通なら握りつぶしてるよな まして人間の提督ならバラバラになってるはず…でもなってない)」


ヲ級 「(……うん そういうことにしておこう!そうしないとキリがない)」


ヲ級 「(最終的には提督に話聞けばわかることだ 今考えなくてもいい)」


ヲ級 「(そうと決まれば早く起きて着替えよう 昨日は事務仕事をやってる途中で寝たからお風呂に入れてない…臭うよな?)」スンスンッ


ヲ級 「…ん?まてよ 風呂入れてない状態で提督に運ばれたんだよな ベッドの下とはいえ、隣で寝てるに近いところで寝てるから……もしかして、臭い嗅がれた………?」///カァァ…


ヲ級 「(あぁ汗臭くないよな!?いくら夜風呂入ってないとはいえ、昼間ドッグに入ったから多少は臭い取れてるよな?)」///スンスン


ヲ級 「(……若干臭う…?いやこれくらい普通か?嗅いだ感じ よく嗅がないと臭わない程度だと思うが)」


ヲ級 「(提督は鼻が良いとは聞いたことないから多分気づいてないだろ このくらいなら臭ってないに等しい……)」


ヲ級 「(…と思う、てか思いたい)」


ヲ級 「…とっとにかく、提督が起きる前に風呂入ろう 今起きて臭いなんて言われたらいやだからな」


ヲ級 「起きるなよ…?」スゥ…スタッ 静かにベッドから起き上がってお風呂場に行こうと…



提督 「んっ……」パチッ…


ヲ級 「ーっ!?」///ビクッ!!


提督 「…あさっか」スゥ… 窓の外を見ようとヲ級のいる方を向こうと…


ヲ級 「チェストーっ!!」///ドスッ!!


提督 「かひゅっ!?っ……」ドサッ… 首元に手刀を入れられて気を失う


ヲ級 「ーっは!?しまった!思わず首元に手刀を!!」


ヲ級 「だっだいじょうぶか提督!死んでないか!?」アタフタ


提督 「すー…すー……」


ヲ級 「…息はしてる 骨にも異常はない……な」スゥ…パシパシッ


ヲ級 「よかったー…不可抗力で殺すところだった もし殺したらどうしようかと思った……」ハァー…


ヲ級 「(もし殺してしまったらネ級に頼んでロボットにして生き返らせていた…危ないあぶない)」フー…


ヲ級 「…せめて布団に寝かせておくか 私が気絶させといて床で寝かせておくのはかわいそうだ」ヨイショッ


ヲ級 「…っと これでよしっと」ポスッ


提督 「すー…すー……」


ヲ級 「…さてと、風呂入るか」タッタッタッ…








医務室



タ級 「すぅ…すぅ……」椅子に座って寝ている


レ級 「………」ベッドに寝かされたまま昨日から起きず寝ている


ヲーちゃん 「………」


ヲーちゃん 「(レ級まだ目覚まさないのね…一夜明けても覚める気配がないのね)」


ヲーちゃん 「(まだ丸一日経ってないからなんとも言えないけど…早く目覚ましてほしいのね)」


ヲーちゃん 「……レ級」


レ級 「………」








食堂



ガヤガヤ…


深海棲艦 「…ねぇ レ級まだ目覚まさないみたいよ さっき確かめに行ったらヲーちゃんが言ってたけど」


深海棲艦 「そうなの?だいじょうぶかな ここ最近よくないことばかりだから心配になってくるね」


深海棲艦 「うん…ヲ級とヲーちゃんもケンカするし、レ級は目を覚まさないし……」


深海棲艦 「……今さら他のところに着くの嫌だな ここは居心地いいから抜けるのは避けたい」


深海棲艦 「まったくね 他のところは戦闘に厳しくしてるところが多いから安らぎの時間なんて取れないし」


深海棲艦 「てかここ以外に戦闘厳しくしてないところを探すこと自体ないに等しいよ 普通は艦娘を沈ませることを目的としてるんだから」


深海棲艦 「だよね…」



深海棲艦 「…提督はこの状況をどう打開するのだろうか 正直難しいと思うが」


深海棲艦 「っ…ぷはぁ!だいじょうぶでしょう 提督は頭良いし!」


深海棲艦 「おまえはあんまり難しいこと考えないようでいいな 今かなり深刻だと言うのに」


深海棲艦 「でも私たちが考えてても仕方ないよね 最終的に考えるのは提督だし」


深海棲艦 「それは…たしかにそうだが」


深海棲艦 「ごはんウマーっ!」(´^q^`)



駆逐棲姫 「…」トントン… 厨房に入って料理をしている


駆逐棲姫 「(みんな雰囲気が良くない…そうだよね ヲ級さんとヲーさんがケンカしてレ級さんが意識取り戻さないから悪いに決まってるよね)」


駆逐棲姫 「(この前新型深海棲艦に負けてるからよけいに不安を感じてるはず…早くなんとかしないと手遅れになる)」


駆逐棲姫 「(提督が早くなんとかしてくれればいいけど、わたしじゃどうにもならない 艦隊の指揮に影響が出る前に説得してくれれば……)」



ヲ級 「…」タッタッタッ…


深海棲艦 「っ! ヲ級が来たぞ お前ら話すのやめるぞ」ヒソヒソ


深海棲艦 「うっうん わかった」


深海棲艦 「………」モグモグ…


シーン… いつもは賑わっている食堂が静まり返って不気味さが漂っている



ヲ級 「(…静かだな いつもは賑わってるのに)」


ヲ級 「(やはり私とヲーちゃんがケンカしたこととレ級が意識を取り戻さないのが原因だろ 心配になって話す気になれないんだな)」


ヲ級 「(このままだと指揮に影響が出るな…早めになんとかしないと)」


駆逐棲姫 「おはようございますヲ級さん 今日はなににしますか?」


ヲ級 「おはよう 今日は鮭定食をたのむ」


駆逐棲姫 「わかりました …それと、少しお話よろしいでしょうか?」


ヲ級 「構わん なんだ?」


駆逐棲姫 「あっご飯を作ってからお話します 食べながらでもいいので」


ヲ級 「わかった」











駆逐棲姫 「おまたせしました!鮭定食です」タッタッタッ…カタッ


ヲ級 「わるいな 持ってきてもらって」


駆逐棲姫 「いえ!前座りますね」カタッ


ヲ級 「いいぞ それで話というのは?」イタダキマス


駆逐棲姫 「…ヲ級さんなら気づいてるかと思いますが今の状況が悪いことをお話したくて声かけました」


駆逐棲姫 「ヲ級さんとヲーさんがなぜケンカしたのかはわかりませんが…ですがこのままではこの基地は崩壊してしまいます!」


駆逐棲姫 「レ級さんも気を失ってからまだ意識を取り戻してませんし…一体なにがあったんですか?もし相談できそうなことでしたら話してくれませんか?」


ヲ級 「わるいが話せることはなにひとつない 他の誰かに相談はできないことだ」


ヲ級 「話したらよけいに混乱を招く だから聞くな」


駆逐棲姫 「聞いたら戦争になるんですか?」


ヲ級 「……っえ」


駆逐棲姫 「ヲーさんが言ってたんです おふたりのことを聞いたら戦争になると険しい顔で話していました」


駆逐棲姫 「嘘をついてるとは思えませんでした あんなにも険しい顔して…しかも殺意まで向けられたんですよ?あのヲーさんに」


駆逐棲姫 「なので信じられませんが信じざる得ません …どうなんですか?聞いたら戦争になってしまうんですか?」


ヲ級 「………」


駆逐棲姫 「………」


深海棲艦一同 「「………」」


時計 「チッチッチッ…」


ヲ級 「……よけいな事は調べるな それだけは言っておく」


駆逐棲姫 「っ!!」


ヲ級 「…私が話せることはそれだけだ なにも聞かなければなにも起きない」


駆逐棲姫 「…ほんとになにも起きないんですか?現にあなた達はケンカしてますが」


ヲ級 「お前たちが関わらなければ私たちはケンカだけで済む もし知ったら…ケンカどころじゃなくなるぞ」


駆逐棲姫 「ケンカを止めることはできないんですか?」


ヲ級 「できない 二度とな」


駆逐棲姫 「二度と…(断言した…)」


ヲ級 「だがこの基地を崩壊させるようなことはしない いくらケンカしてるとはいえ、敵が攻めてくれば共に動く」


ヲ級 「昨日の敵は今日の友、今日の友は明日の敵…と言ったところかな だから心配するな」


駆逐棲姫 「断言しておいて心配するなと言われても…」


ヲ級 「…まぁ支障は出ないようするから安心しろ なるべく騒ぎはしないから」


駆逐棲姫 「なるべくじゃなく起こさないでくださいね お願いですから」


ヲ級 「わかったわかった もう話しが終わったなら飯食わせろ そろそろ食べないと冷める」


駆逐棲姫 「…わかりました」カタッ


ヲ級 「………」モグモグ…


駆逐棲姫 「(だいじょうぶでしょうか 騒ぎを起こさなければいいですけど…)」タッタッタッ…



深海棲艦 「…あいかわらず凄いな駆逐棲姫のやつ あのヲ級にダメだしするなんて」


深海棲艦 「自殺行為にも程があるよ 私なら殺されてたぞ?」


深海棲艦 「提督かヲーちゃん、港湾棲姫か駆逐棲姫以外が言ったら殺されるだろうな ぜったいに言いたくない」


深海棲艦 「まったくだ まずヲ級に反抗しようなんて思うはずがない…」


深海棲艦 「けど結果的には解決には至らなかったね なるべく起こさないって言ってたけど」


深海棲艦 「…またヲ級とヲーちゃんがケンカしたら次は基地全壊か?」


深海棲艦 「やめろ ほんとになりかねない」


深海棲艦 「まぁ心配することないって!あのふたり、なんだかんだ仲良しだし!」


深海棲艦 「「どこが!!?」」



駆逐棲姫 「…あっそうだ」


駆逐棲姫 「ヲ級さん 提督がまだ来てませんが起こしてないんですか?いつも起こしてくるのに」


ヲ級 「っ…」ピクッ


ヲ級 「……えっとだな 提督は…その、」///カァァ…


駆逐棲姫 「?」


ヲ級 「………まだ寝てる ここ最近ずっと作業詰めだったから長く寝かせようと思ってな」///


駆逐棲姫 「…えっいつも普通に起こしてたのにですか?」


ヲ級 「あぁ…たまにはいいだろう 寝不足のまま働かせるのもあれだからな」///


駆逐棲姫 「………」ジー


ヲ級 「…なんだその目は 私を疑うような目で見て」///


駆逐棲姫 「…いえ、別になんでもありません(なにか怪しいですね ヲ級さんが朝優しくしてあげるなんて)」


駆逐棲姫 「(いつもなら容赦なく起こすのに…あとで提督の部屋に行ってみましょう)」


ヲ級 「先に言っておくぞ 提督の部屋には行くな わかったな?」///


駆逐棲姫 「っ! …なぜですか?起きてないんでしたら起こした方がいいんじゃありませんか?」


ヲ級 「私があとで起こす だからもう少し寝かせてやれ」///


駆逐棲姫 「私が起こしに行ってもいいと思いますが…」


ヲ級 「いいから行くな!私があとで起こしに行くからお前はなにもするな わかったな!」///


駆逐棲姫 「………」ジトー


ヲ級 「っ…駆逐棲姫 ご飯おかわり!」///スッ


駆逐棲姫 「…わかりました(絶対あやしい…ここまで引き止められるともう何かあったレベルに怪しいです)」スッ… ヲ級から差し出されたお椀を受け取る


駆逐棲姫 「(スキをついて調べに行こう)」タッタッタッ…



深海棲艦 「…あれはなにかあったな ほぼ確実に」


深海棲艦 「だな ヲ級があそこまで取り乱してるということは提督となにかあったことは違いないな」


深海棲艦 「わかりやすいなー あそこまで露骨に見せられたらもう知ってくれと言ってるのと変わらないよ」


深海棲艦 「…まさか、一線越えたとか!?」



ザワっ!!!!


ヲ級 「」///ガチャッブンッ!!!!


深海棲艦 「ひぃっ!!?」ヒュンヒュンッ!!!! テーブルの上に置かれていたフォークを投げつけられて目の前を通り過ぎる


ヲ級 「一線なんて越えてない!私はまだ処女だ!!」///ドンッ!!


駆逐棲姫 「ヲ級さん!?そこまで言わなくていいと思いますが!!」


ヲ級 「っ…おいきさま!!」///


深海棲艦 「ひぃっ!?」ビクッ!!


ヲ級 「バカみたいな発言をするのはやめろ そんな確証もないことを口にして提督に迷惑かけたらどうする!」///


ヲ級 「次はないと思え いいな!」///


深海棲艦 「はっはい!!」


ヲ級 「まったく…」///モグモグ…


深海棲艦 「(…ヲ級処女だったんだ もう提督としてるもんだと思ってた)」


深海棲艦 「(提督は鈍感だからヲ級が無理やり襲ってしたと思ってたんだがなぁ…予想が外れたな)」


深海棲艦 「(ならまだチャンスはあるか?ヲ級がしてないならわたしが提督としても問題ないよな)」


深海棲艦 「(提督は男だから誘惑すれば襲ってくれるだろ よし!近々提督の部屋に入って寝込みを襲って…)」


ヲ級 「お前ら変なこと考えてないだろうな 顔がにやけたり悪巧みを考えてるような表情してるが」


深海棲艦 「「いえ!なにも考えてません!!(バレたっ!!?)」」ビクッ!!



駆逐棲姫 「おかわりです どうぞ」コトッ


ヲ級 「あぁ ありがと」///


駆逐棲姫 「それじゃ私は洗濯物やってくるのでおかわりはご自分でお願いしますね」シュル…パサッ エプロンを外して畳む


駆逐棲姫 「洗い物はあとでやるので流しに置いておいてください」タッタッタッ…


ヲ級 「わかった」///モグモグ…


駆逐棲姫 「(これで提督の様子を見に行けますね あとはヲ級さんがご飯食べてる間にバレずに確かめれば…)」タッタッタッ…


ヲ級 「………」///モグモグ…














図書室ー港湾棲姫専用医務書庫部屋



港湾棲姫 「………」ペラ…ペラ… 昨日の夜から自分専用の部屋に置いてる医学&深海棲艦の構造が詳しく書かれた本を読んでいる


深海棲艦 「(深海棲艦の脳は艦娘時代の時の記憶はほぼの確率で消えてなくなり消滅…そのあとは海軍を滅ぼすことを目的とする増悪が出てきて破壊活動を行う)」


港湾棲姫 「(通常深海棲艦の状態では艦娘の時の記憶を思い出すことはない なにか艦娘時代にあったことが深海棲艦時代に似たような事があった場合にはデジャブを感じる時がある だがそれで記憶を思い出すことはないと過去の記憶では記録されている)」


港湾棲姫 「(……だが、その可能性はゼロではない 稀に深海棲艦になったときに記憶がなくならず、艦娘時代の記憶が継続する時があると考えられている)」


港湾棲姫 「(まだ出たという情報はこの記録を付けている時点ではない 居たとしても他のものは艦娘時代の記憶が消されているから聞けるわけがないため、居たとしても話していないだろう)」


港湾棲姫 「(艦娘時代の記憶が消えて深海棲艦時代を過ごしているとデジャブを感じるとき、ふたつのパターンがある)」


港湾棲姫 「(ひとつはただ思うだけの場合 このときはただデジャブを感じるだけで特になにもない これで思い出すことはないだろう)」


港湾棲姫 「(ただし、ふたつめは別だ デジャブを感じるまでは一緒だが、その後は突然頭痛が生じる しかもかなりの激痛だ)」


港湾棲姫 「(一度意識を失い、数時間から数日後に目が覚めて記憶を思い出す 一部だけだが、一度起こすとそれが頻繁に起きるようになり結果的に全て思い出すことになる)」


港湾棲姫 「(実際私がそれを経験した 深海棲艦の状態では艦娘のときの記憶が蘇った もちろん最初はそんな記憶なんて存在しなかった)」


港湾棲姫 「(私以外の深海棲艦は艦娘のときの記憶は存在しないため誰にも相談できず、いつ私が艦娘のときの記憶が蘇ったことが他のみんなにバレるのか不安で仕方なかった)」


港湾棲姫 「(もしバレたらなにされるか…かといって深海棲艦の姿では記憶が蘇ったところで海軍にも戻れない 記憶が戻ってるからと説明して信じてくれるわけがない)」


港湾棲姫 「(もし私以外にも同じ症状を起こして記憶が戻った者がいるなら警戒しろ 私はこのまま不安を抱きながら深海棲艦として生きていくことにする)」


港湾棲姫 「(艦娘時代で沈み、今は深海棲艦 恨みなど記憶が蘇ってから消え去ってしまったが皆と同じことをしなければ私は処分されてしまう 死ぬのはいやだ!!)」


港湾棲姫 「(助けてくれるものはいないのかとずっと思っていた…だが、そんな助けがあるわけがないことぐらいわかっている 同じ仲間だったものを殺めて沈める…いやなことだ)」


港湾棲姫 「(最後に伝えておく この日記を見てるものがいたなら…もしそのような深海棲艦がいたら、助けてあげて欲しい 私と同じ道を歩かせたくない)」


港湾棲姫 「(お願いだ………元艦娘 島風 執筆日、△年○月✕日)」


港湾棲姫 「……ふぅ いろいろと調べてみましたがこの例は初めてですね まさか過去にこのようなことがあったとは…」パタンッ


港湾棲姫 「症状も書いてあることと似てる部分がありますね 意識を失って数時間から数日、もしこれが当てはまるならレ級さんは記憶を思い出しかけてる状態になってるということですね」


港湾棲姫 「…艦娘時代の記憶……」


港湾棲姫 「(わたしも深海棲艦になってからかなり日が経ちますが今までで艦娘のときの記憶なんて存在しない)」


港湾棲姫 「(何度かデジャブを感じたことはありますがその度、気のせいだと思いスルーしてましたが……)」


港湾棲姫 「(もしこれがほんとなら今レ級さんは記憶を思い出しかけてる状態になる 思い出したらどう行動に出るのか見ないといけませんね)」


港湾棲姫 「(…それと、このことは誰かに伝えた方がいいでしょうか?さすがに私ひとりでは対処が難しいから相談に乗ってくれそうな方を探さないと)」


港湾棲姫 「(艦娘に対して優しくしてる提督かヲーさん…当たりがいいですね ヲ級さんには絶対に言えない もし伝えればレ級さんが始末されるかも……)」


港湾棲姫 「(調べものも大体終わりましたし そうと決まればまずはヲーさんのところに行きましょう)」カタッ


港湾棲姫 「(タ級さんはレ級さんと仲がいいけど…話さないでおいたほうがいいかもしれませんね そんな話しをされても信じるわけないです)」


港湾棲姫 「(念のためこの本を持っていきましょう 過去にこういうことがあったから可能性があると言えるように)」スッ… 深海棲艦医学書を手に取り運ぶ


港湾棲姫 「(たぶんまだ見てると思うから今行けば会えるはず 朝食を取るといつ戻るかわからないから早めに話しておいた方がいいですね)」


タッタッタッ…








提督の部屋



コンコンっ


提督起きていますか?駆逐棲姫です


……寝てますか?入りますよ


ガチャッ


駆逐棲姫 「失礼します…ってあれ?いない どこいったんでしょうか」キョロキョロ


駆逐棲姫 「食堂から来たから行き違いはないはず…まさか遠回りしてくるとは思えないし」


駆逐棲姫 「だとしたらどこに……?」


駆逐棲姫 「………」ポクポクポクチーン


駆逐棲姫 「……まさか、ヲ級さんの部屋……?」///カァァ…


駆逐棲姫 「(それなら先ほどヲ級さんが顔を真っ赤にさせてた理由がわかる 一緒に同じ部屋で一夜過ごしたなんて知られたら……)」///


駆逐棲姫 「…わ、わたしなら一週間ぐらい部屋に閉じこもってますね 一週間経っても出れるかわかりませんが……」///


駆逐棲姫 「…たっ確かめてきましょう 提督を起こしにきたんですから起こさないと来た意味がありません!」///


駆逐棲姫 「もし提督がいたとしてもなにも聞かない 聞いてはいけない…聞きたいけど、聞いたら私自身 どうなるかわからない……」///


駆逐棲姫 「(ただ起こすだけ…ただ起こすだけ……)」///タッタッタッ…








ヲ級の部屋



提督 「すー…すー……」



…コンコンっ


おっおはようございます!駆逐棲姫です あの、誰かいますか……?



提督 「すー…すー……」



…はっ入りますよ?入りますからね!?


誰かいるかわからないから問いかけてるのに問いかけない方が悪いんですからね!?ほんとに入りますからね!!


……おっおじゃまします


ガチャッ…


駆逐棲姫 「っ…」///ギィィ…



提督 「すー…すー……」


駆逐棲姫 「ーっ!!?」///かァァっ!!


駆逐棲姫 「(いっいた!!やっぱりここにいたっ!!しかも寝てる!!)」///アワワワ!!!!


駆逐棲姫 「(さらにベッドの上で寝てる…まさかヲ級さん 昨日提督と一夜過ごしたんですか!!?)」///ボッ!!


駆逐棲姫 「(う、羨まちがうちがう!!そうじゃない 羨ましいとかそういう問題じゃない!!)」ブンブン!!


駆逐棲姫 「(なんでヲ級さんと提督が一緒に寝てるんですか!!?ふたりはそういう関係じゃなかったはず!!)」///


駆逐棲姫 「(提督は元自分の嫁艦一筋だって言ってたのに…ま、まさか あまりにも性欲に耐えきれず昨夜、ヲ級を襲って……!!?)」///カァァ!!


駆逐棲姫 「(いぃぃいやいやいやでもでも!!さっきヲ級さんは処女だと言ってたからそれはないと思う)」///


駆逐棲姫 「(…いや、寝込みを襲われたら処女か非処女かなんてわからない もしかしたら寝てる間に提督に………)」///


駆逐棲姫 「(……いや、そもそも提督が寝込みを襲うようなことするとは思えません 誰かを乱暴に手を出すなんてありえない)」


駆逐棲姫 「(そうなるとなぜここに提督が寝てるのかがわからない なにか理由があってここに寝てることには違いないはず)」


駆逐棲姫 「(襲う目的じゃないならなんだろう ただ寝るだけのために一緒に寝た?いやそれも考えにくい………)」


駆逐棲姫 「…聞いてみた方が早いですね 起こしましょう」


駆逐棲姫 「提督起きてください 朝ですよ」ユサユサ


提督 「んっんー…ん?」スゥ…


駆逐棲姫 「おはようございます提督 朝です」


提督 「……朝?あれ、俺さっき起きたと思ったんだが…てか首が痛い」ズキズキ…


駆逐棲姫 「寝違えたんじゃないですか?それよりも提督 なぜヲ級さんの部屋で寝てるんですか?しかもベッドの上で」


提督 「っえ …あれ、なんで俺ベッドの上で寝てるんだ?たしかベッドに寄りかかって寝てたはず」


駆逐棲姫 「(部屋で寝てたのは確定なんですね…羨まちがうちがう!)」


提督 「ヲ級は?もう食堂に行ってるのか?」


駆逐棲姫 「ヲ級さんは食堂に行ってますよ 提督が一緒に来なかったので様子を見に来たんですが…部屋にいなかったので探しましたよ」


提督 「それはわるかったな 昨日ヲ級に書類仕事を頼んでたんだがそのまま疲れて寝ちまったみたいでな」


提督 「執務室で寝かしておくのもあれだから部屋まで運んで寝かせたんだ 寝かせたはいいが…寝ながら俺の腕掴んで離してくれなかったからそのまま寝ちまった」


駆逐棲姫 「引き剥がさなかったんですか?」


提督 「めちゃくちゃ硬かった 握りつぶされなかったけど解こうにも力が強すぎて無理だった」


駆逐棲姫 「…握りつぶされなかったのに強かったんですか?」


提督 「あぁ 起きてんじゃないかと疑ったが完全に寝てたよ どうやったらそんな器用にできるんだか」


提督 「起こしてくれてありがとな 顔洗ってから食堂に向かうから朝食の準備お願いできるか?」


駆逐棲姫 「はい!わかりました いつもの玉子焼き定食で大丈夫ですか?」


提督 「だいじょうぶだ 悪いがたのむ」スクッ


駆逐棲姫 「では早めに来てくださいね それじゃ失礼します」タッタッタッ…ガチャッ


パタンっ…


提督 「…さて、自分の部屋に戻って顔洗ってくるか」タッタッタッ…













食堂



ガヤガヤ…


ヲ級 「………」///モグモグ…


ヲ級 「(くそぉ…提督のことを思い出して落ち着いて飯が食えない まわりから変な目で見られるし…)」///


ヲ級 「(提督がわたしの部屋で寝てるなんて死んでも言えない しかも一緒に寝てたんだぞ?襲われたりはしてないが寝てる時点で問題だ バレたらなんて言われるか……)」///


ヲ級 「はぁ……早く飯食べ終わってここから離れたい」///



駆逐棲姫 「…」タッタッタッ…


ヲ級 「…っん 駆逐棲姫?おまえ洗濯物やりに行ったんじゃないのか さすがに片付くのは早すぎるだろ」


駆逐棲姫 「洗濯物の前にご飯を作りに来たんです 今から起きてくる方のために」


ヲ級 「今から起きてくるやつに?いったい誰………っ」ハッ


駆逐棲姫 「…誰かわかりましたか?」


ヲ級 「ーっ…まさか、おまえ気づいて!?」///カァァッ!!


駆逐棲姫 「…提督のご飯作ってきますね」タッタッタッ…


ヲ級 「〜っ…!!!!」///プシュー…


ヲ級 「(あいつわたしの部屋に入ったのかーっ!!勝手に入りやがってぇぇぇ!!!!)」///


ヲ級 「(洗濯物をやりに行くと言いながら調べに行ったのか なぜそんなことも気づかなかったわたし!少し考えればわかったことじゃないか!!)」///


ヲ級 「(事前に停められたはずなのに…提督と寝てたのがバレたーっ!!!!)」///ワナワナ…


ヲ級 「クソォッ!!!!」///バキィンッ!!



テーブル 「アジャパー!!!!」グシュァ…パラパラ…… ヲ級の拳が入ったテーブルは真っ二つに折れて粉砕される


深海棲艦 「ちょっヲ級!?おまえなにやって!!」


ヲ級 「あぁ?」///ギロッ!!


深海棲艦 「ひぃっ!!な、なんでもありません……」ビクッ


駆逐棲姫 「ヲ級さん 壊したテーブル片付けておいてくださいね?あと新しいのも持ってきて置いてください」ジュゥゥ…


ヲ級 「ーっ…てめぇ 一体誰のせいでこうなったと!」///


駆逐棲姫 「片付けなかったら言いふらしますよ」カチャカチャ…


ヲ級 「っっ…くそっ!!」ガタッ


ヲ級 「おまえら掃除しとけ!新しい机持ってくるからその間に終わらせろ!!」タッタッタッ…


深海棲艦 「「りょっ了解……(壊したのヲ級なのにっ!?)」」



駆逐棲姫 「………」ジュゥゥ…


駆逐棲姫 「(みんなに任せたこと言った方が良かったかな?でもこれ以上言うとあとが怖いからあまり言いたくない…)」


駆逐棲姫 「(やっぱり弱みを握って言うのは良い感じしない…でもこうでもしないと今のヲ級さんはやらないからなぁ)」


駆逐棲姫 「(ヲ級さんの扱いは難しいよ はぁ……)」













医務室



ヲーちゃん 「…なるほどなのね 過去にもそんなことがあったんだね」


港湾棲姫 「はい レ級さんの症状にも似たようなことが記録されていたのでもしかしたらと思ったんですが…まだ確証はありませんがね」


港湾棲姫 「それで艦娘にも優しくしてるヲーさんまたは提督に相談しよと思い話しました …この話しを信じてもらえるでしょうか?」


ヲーちゃん 「信じるのね むしろ私か提督を選んだことが吉なのね」


ヲーちゃん 「…逆に港湾棲姫はその記録されてることを信じるのね?もし仮にレ級が艦娘時代の記憶が戻ったら味方するの?」


港湾棲姫 「……信じ難いことですが、ここまで熱く書かれている記録を見る限り 信じざるえません」


港湾棲姫 「もしレ級さんの記憶が戻ってたとしても味方をするつもりです 記憶が戻っても深海棲艦…それには違いありません」


港湾棲姫 「さすがに暴れられたりしたら止めるために多少手荒なことはするかもしれませんがそうでなければするつもりはありません」


ヲーちゃん 「…やっぱり港湾棲姫も優しいのね 深海棲艦なのに艦娘にも優しくするなんて」


港湾棲姫 「ヲーさんや提督ほどではありません 最低限の体調管理しかしてませんから」


ヲーちゃん 「それだけでも優しいのね 普通は深海棲艦が艦娘に優しくするなんてありえないのね」


ヲーちゃん 「提督は元海軍指揮官でわたしはちょっと特殊だから別だけど、本来なら捕獲した場合には情報を吐かせるために尋問してるのね」


ヲーちゃん 「まぁそんなことしてる奴がいたら締めるけどね 同じく生きてる者同士、量産すればいくらでも作れる艦娘や深海棲艦だけど そのひとの性格はひとつしかないのね」


ヲーちゃん 「だから無益な殺生はしたくないのね 痛い思いもさせたくないから尋問もしないのね」


港湾棲姫 「…とても深海棲艦の考え方とは思えませんね 私もそういうことは思ってませんが本来、深海棲艦は艦娘や海軍を滅ぼすことを考えると記録されています」


ヲーちゃん 「全部の深海棲艦がそんなことを思ってるなんて思わないでほしいのね 平和主義な深海棲艦がいてもおかしくないのね」


港湾棲姫 「たしかにそうですね」


ヲーちゃん 「…絶対にヲ級には話さないでほしいのね あいつに話したら確実にレ級は殺されるのね」


港湾棲姫 「わかっています ヲ級さんには悪いですがこのことだけは話せません」


港湾棲姫 「万が一、どこからか情報を拾ってレ級さんを殺しにかかってきた場合には…」スゥ…


港湾棲姫 「わたしが阻止してみせます」ビキビキッ 普段温厚な彼女の顔から眉間にしわを寄せておでこの横から血管が浮き出てくる


ヲーちゃん 「そのときはわたしも手伝うのね ヲ級と対等に戦えるのは私だけなのね 次は何ヶ月も動けないようにしてやるのね!」ビキッ


港湾棲姫 「…さすがにそこまではしないでくださいね 治療するのは私なんですから」


ヲーちゃん 「よろなのね!」d('∀'*)


港湾棲姫 「………」


タ級 「……っん あれ、もう朝?」スゥ…ムクッ


ヲーちゃん 「おはようなのね もう朝なのね」


港湾棲姫 「おはようございます 夜遅くまで様子を見ていただきありがとうございます」


タ級 「……様子はどうだ?目覚ましたか」グシグシッ


ヲーちゃん 「まだなのね 昨日と変わらずなにも進展ないのね」


タ級 「……そうか まだ目覚まさないか」


タ級 「早く目覚ましてくれよ このままだとどうなることか……」


港湾棲姫 「………」


ヲーちゃん 「…タ級 ちょっと聞きたいことがあるのね」


タ級 「なんだ?」


ヲーちゃん 「タ級はもしレ級が艦娘時代の記憶が戻ったら味方する?正直に答えて欲しいのね」


タ級 「…っえ」


港湾棲姫 「ヲーさん!?あなたタ級さんになに言ってるんですか!!さすがにこのことは…」


ヲーちゃん 「だいじょうぶなのね タ級は知ってるのね」


港湾棲姫 「……っえ」


ヲーちゃん 「港湾棲姫 あなたが医務担当で改めて良かったと思うのね もしヲ級が医務担当になってたら…面倒なことになってたのね」


ヲーちゃん 「港湾棲姫はもしレ級が艦娘時代の記憶が戻っても味方をすると言ってくれたからあなたを信じるのね …このことは私とタ級、提督しか知らないレ級の秘密だから他言無用でお願いなのね」


港湾棲姫 「…わかりました 約束しましょう」


タ級 「……えっと、話しが見えないんだが」


ヲーちゃん 「今から話すのね それじゃまずは…」



ヲーちゃん説明中……


港湾棲姫 「……なるほど レ級さんが海軍の上官を務めてる方の嫁艦ですか これはまたすごい方と結婚してましたね」


港湾棲姫 「それで今の状況から考えると曙さん時代のときの記憶が蘇るかもしれないということですね」


ヲーちゃん 「そうなのね 一部しか思い出せなかったとしてもおそらく連想して最終的には思い出すと思うのね」


タ級 「まさかレ級が艦娘時代の記憶を思い出そうとしてるなんて…」


ヲーちゃん 「不満?」


タ級 「…別に不満じゃない ただ、今までみたいに仲良くできるかと言われたら……」


ヲーちゃん 「だいじょうぶなのね レ級とタ級の絆はそんなことで壊れるようなものじゃなかったはずなのね!」


ヲーちゃん 「戻っても普通に接することはできるのね だから安心するの!」


タ級 「ヲーちゃん…」



レ級 「……っん」ピクッ


全員 「「っ!!」」


レ級 「……あれ?わたし、なんで寝て………」



? 『この、くそやろう!!』


レ級? 「ーっ!! そうだ!わたし深海棲艦と戦って沈んで……」ムクッ…チラッ


港湾棲姫 「………」


タ級 「………」


ヲーちゃん 「………」


レ級? 「……あ、あんたたち なにみてんのよ なにかよう?」ビクッ


タ級 「っ!(しゃべり方が…)」


レ級? 「(なっなんで目の前に深海棲艦が!?いやまって 記憶にこのひとたちと過ごしてきた記憶がある…それで私は戦艦レ級になってる)」


レ級? 「(でも私は艦娘…だったはず 誰だったっけ?わたしの名前、なまえ なまえ……)」



ヲーちゃん 「…レ級、いや曙 でいいのかな?」


レ級? 「…あけ、ぼの……?」


港湾棲姫 「かなり混乱してるようですね 一旦落ち着いてください」


タ級 「レ級 私がわかるか?わかるなら言ってくれ」


レ級? 「……タ級、よね」


タ級 「っ! よかった…私たちの記憶はあるようだな」


ヲーちゃん 「少し情報を整理するのね レ級…じゃなかった 曙、混乱してると思うけど情報をまとめたいから質問に答えて欲しいのね」


レ級? 「えっえぇ…わかったわ」








ヲーちゃん 「…なるほど まだ一部しか思い出してないのね」


港湾棲姫 「昔深海棲艦に沈められて深海棲艦になった…今の今まで艦娘の記憶はなく生まれた時から艦娘及び海軍を滅ぼそうとした」カリカリ… 聞いた情報を全て記録している


港湾棲姫 「ご自分の名前までは思い出さなかったんですか?もしくはもっと過去のこととかなどは」


レ級? 「わるいけど今言ったこと以外はなにも…あんたたちが私のことを曙って言うけど、私は曙なの?」


タ級 「それは確実だと思う 提督もお前から受け取った指輪に海軍の上官の名前が掘ってあったと言ってた」


レ級? 「海軍の…」


ヲーちゃん 「…思い出せないのね?」


レ級? 「………」


港湾棲姫 「…思い出せないようですね」


ヲーちゃん 「みたいなのね なら仕方ないのね」


ヲーちゃん 「曙…じゃなくてレ級の方がいいのね?名前思い出してないなら変えない方がいいのね」


レ級? 「好きに呼んでいいわ レ級でも曙でも」


ヲーちゃん 「…うん レ級、ちょっといい?」


レ級? 「なに?」


ヲーちゃん 「その話し方はまずいのね 元に戻さないとみんなから変な目で見られるのね」


ヲーちゃん 「元のしゃべり方は忘れてない?覚えてるならそのしゃべり方に治して欲しいのね」


レ級? 「っえ わ、わかったわ…じゃなかった わかった」


ヲーちゃん 「…気をつけてね?もしヲ級にバレたら殺されるのね」


レ級? 「わ、わかってるわよ…じゃなかった わかってる」


ヲーちゃん 「………」


タ級 「…そこはなんとか私がフォローするから安心してくれ 今の状態でひとりにさせるようなことはしない」


港湾棲姫 「私も医務室にいるときはフォローします さすがに付きっきりはできないので期待はしないでください」


ヲーちゃん 「全然いいのね わたしもなるべくはヲ級とふたりっきりにさせないようするのね」


ヲーちゃん 「それじゃ提督にも話すのね 提督も味方してくれるから話して対策を考えないと」



ガチャッ


提督 「おーっす レ級の様子はどうだ?」


ヲーちゃん 「提督 ちょうどいいタイミングなのね」


港湾棲姫 「先ほど目を覚ましたところです 身体に異常は見られませんが…」


提督 「目覚ましたのか!?レ級!!」タッタッタッ!!


レ級? 「っ!」


提督 「だいじょうぶか!どこも痛くないか 変な感じはしないか!」


レ級? 「だっだいじょうぶよ 別になんともないわ」


提督 「……っん?よ ないわ?」


レ級? 「あっ…」


タ級 「レ級…」


ヲーちゃん 「…提督 いろいろ説明しないといけないことがあるから来てほしいのね」



ヲーちゃん説明中…


提督 「…そうか 記憶思い出したのか 全部じゃないがそれなりに」


提督 「深海棲艦に対する敵対心は持ってないんだよな」


ヲーちゃん 「だいじょうぶなのね 見た感じそんな感じはしないし、そこまで警戒してる様子には見えないのね」


ヲーちゃん 「まだ落ち着けないから不安なところはあるだろうけど心配ないのね」


提督 「そうか ならよかった」


提督 「レ級 いろいろこんがらがってるかもしれないが今ここにいる俺たちは少なからず味方だ お前のことを敵だとは思ってない」


提督 「もし不安に思うことがあったら俺たちの誰かに話してくれればすぐ相談に乗る 俺たち以外に記憶が戻ったことはバレるなよ」


提督 「とくにヲ級にはバレるな あいつにバレたら確実に殺される!なにがあっても口をすべらすな いいな」


レ級? 「わ、わかってるわ…んんっ!わかってる」


提督 「ヲーちゃん、港湾棲姫、タ級

お前たちにはレ級の監視という名のサポートを頼む 俺もなるべくはするがずっとレ級の近くにいることはできない」


提督 「とくにタ級 おまえは基本常にレ級と一緒にいてやってくれ レ級と一番中がよかったのはお前だからな 出撃などは控えさせるからたのむ」


タ級 「わかった」


提督 「よし、そうと決まれ飯食いに行くか みんなにあってレ級が起きたことも話さないと」


提督 「いきなりぶっつけ本番だが、もしバレそうになったら俺たちが補助するから安心してくれ いいなレ級?」


レ級 「あっあぁ わかった…た!」


提督 「それじゃ行くぞ ヲーちゃんたちもたのむぞ!」


ヲーちゃん 「了解なのね!」


港湾棲姫 「わかりました」


タ級 「まかせろ!」













食堂



ガヤガヤ…


深海棲艦 「おーい そっちは終わったか?」サッサッ… 現在床に散らばった木片を集めて掃除中


深海棲艦 「まだだ もう少し時間かかる かなり遠くまで吹き飛んでたから」サッサッ…


深海棲艦 「まったくヲ級にもこまったもんだ 自分で壊しておいて私たちに掃除させるんだから」


深海棲艦 「でも文句言ったらあとが怖いしな…」


深海棲艦 「ほんとだよ…」


深海棲艦 「駆逐棲姫 お前からも言ってくれないか?お前なら怒られずに済むことが多いから」


駆逐棲姫 「なるべくは言いたくありませんね…たしかに注意した方がいいのはわかるんですが毎回怒られないわけではありません」


駆逐棲姫 「それにみなさんが仰る通りあとが怖いので…」


深海棲艦 「…そうだよな やっぱりあとが怖いよな」


深海棲艦 「だれかヲ級に注意出来るやつはいないのか?提督以外で」


全員 「「………」」


深海棲艦 「…うん いるわけないよな 知ってた……」


駆逐棲姫 「(…提督遅いですね ヲ級さんもまだ来ませんがなにしてるんでしょう?)」



ヲ級 「………」タッタッタッ…ガチャンッ テーブルを持ってきて自分で壊したテーブルの位置に置く


深海棲艦 「っあ やっと来た しかもまだ掃除終わってないのに置きやがった…」


深海棲艦 「ヲ級 まだ掃除終わってないから置かないで…」


ヲ級 「あぁ?」ギロッ


深海棲艦 「ーっな なんでもありません…」ビクッ…


駆逐棲姫 「………」ジャー…


ヲ級 「…提督は?まだ来てないのか」


深海棲艦 「っえ うーん…まだ来てないな ずっと掃除してたが姿見てない」


深海棲艦 「まだ寝てんじゃないか?提督いつも朝遅いし」


ヲ級 「いやそれはない もう起きてるはずだ となるとレ級の様子を見に行ったか…ついでだから私もレ級の様子を見に行くか」


ヲ級 「お前たちちゃんとやっとけよ いいな」


深海棲艦たち 「「はーい…」」


駆逐棲姫 「…ヲ級さん さすがに自分勝手すぎ」


ヲ級 「あっ?元はと言えば誰のせいでこうなったと思ってんだ てめぇのせいでこうなってんだろ」


ヲ級 「よけいなことを言うな 本気で沈めるぞ」ギロッ!!


駆逐棲姫 「っ…」ビクッ


深海棲艦 「おっおい さすがにそれは言い過ぎじゃ…」



提督 「おーっす みんなおはよー」タッタッタッ…


ヲーちゃん 「おはようなのね!」


港湾棲姫 「おはようございます」


タ級 「おはよー」


レ級 「おっおはよ…」



深海棲艦 「レ級!!?目覚ましたのか!!」


深海棲艦 「だいじょうぶか どこも悪くないか?」


レ級 「あっあぁ 今のところはどこも…」


提督 「まだ起きたばかりで少し混乱してるからあまり話しかけないでやってくれ 心配する気持ちはわかるが」


深海棲艦 「あっごめん」


レ級 「いや謝ることは…ない むしろ心配させてごめん」



ヲ級 「…目覚ましたか」タッタッタッ


港湾棲姫 「ヲ級さんおはようございます なにやら朝からみなさん掃除してますがこれは…?」


ヲ級 「気にするな それよりレ級の容態はどうだ?異常はないか」


港湾棲姫 「状態に異常はありませんが本人は急に気を失ったとのことなので色々混乱しています まだ不安に思ってることがあるのでしばらくは安静にして様子を見た方がいいかと」


ヲ級 「なるほど ならしばらくは出撃や演習は控えた方がいいな」


ヲ級 「レ級 なにかあればすぐ誰かに話せ 具合悪いならすぐ知らせろ」


レ級 「わ、わかった」


ヲ級 「…」ジロッ


ヲーちゃん 「…」フイッ


提督 「ヲ級 昨日は無理させてすまない もう身体はへいきか?」


ヲ級 「あぁ もう完全に治ってる 出撃や演習もなんでもできる」


提督 「そうか だがまだ病み上がりだから無理はしないでくれ とりあえず今日一日身体を休めろ」


ヲ級 「わかった 悪いがそうさせてもらう」



駆逐棲姫 「おはようございます提督 レ級さんも無事そうでなによりです」タッタッタッ


提督 「おうおはよ…っん?」ピクッ


駆逐棲姫 「? どうかしましたか?」


提督 「……駆逐棲姫 なんかあったか?機嫌悪そうに見えるが」


駆逐棲姫 「……っえ」ドキッ


提督 「なんか誰かに言われたか?もしくは気に食わないことがあったか 相談に乗るぞ」


駆逐棲姫 「え、えっと それは…」チラッ


ヲ級 「…」フイッ


提督 「…ヲ級 またお前か お前はほんとにやらかすな」ハァ…


提督 「今度はなにをやったんだ みんなが掃除してることも関係するのか?」


ヲ級 「さぁな どうだか」


提督 「……はぁ あまり問題起こすな お前が機嫌悪くするとみんなにも被害が及ぶんだから」


ヲ級 「誰のせいでこうなったと思ってる」


提督 「っえ 誰のせいって……」


駆逐棲姫 「…提督のせい、じゃないような気がしますが」


ヲ級 「だまれ」


駆逐棲姫 「………」


提督 「?」


ヲ級 「…まぁいい 私は部屋に戻って休暇を堪能させてもらう なにかあったら呼べ」タッタッタッ…


提督 「わかった」


レ級 「…ば、バレてないわよね」ヒソヒソ


ヲーちゃん 「だいじょうぶなのね ヲ級怪しんでる様子なかったから平気なのね」ヒソヒソ


レ級 「そっそう ならよかったわ」


駆逐棲姫 「提督のご飯はできてますがみなさんのはまだ出来てませんので今から作りますね なにを作りますか?」


港湾棲姫 「私は海藻サラダをお願いします」


ヲーちゃん 「私はひじき定食で!」


タ級 「唐揚げ定食でたのむ」


レ級 「私は普通のサラダで」


駆逐棲姫 「……っえ レ級さんサラダでいいんですか?いつもお肉なのに」


レ級 「っえ あっ…じゃあお肉で」


駆逐棲姫 「…お肉?」


ヲーちゃん 「駆逐棲姫早く作って!お腹すいて死にそうなのね」


駆逐棲姫 「っえ あっはい わかりました すぐ作りますね」タッタッタッ…


ヲーちゃん 「お願いなのねー」


ヲーちゃん「………」


タ級 「…あ、危なかったな ちょっと怪しまれたぞ」


港湾棲姫 「ほんとですね でもそれが駆逐棲姫さんでよかったですね」


ヲーちゃん 「まったくなのね 駆逐棲姫ならまだバレたとしても口止めが聞くのね まぁバレないことに越したことはないのね」


提督 「レ級 相手がヲ級じゃないからって油断しないでくれよ 誰かにバレたらまずいからな」


レ級 「ごっごめんなさい…っあ ごめん」


提督 「…とりあえず席に座るか ここで立ってるのも疲れるし」


港湾棲姫 「そうですね 座りましょう」


ヲーちゃん 「座るならレ級を挟むように座った方がいいのね 端っこだと他のひとが隣に座って話しかける可能性があるからそれをなくすのね」


提督 「その方がいいな 向かいにも誰かいさせた方がいいから…」ンー


提督 「俺とヲーちゃんで左右に座ろう 対面はタ級と港湾棲姫座ってくれ」


タ級 「わかった」


港湾棲姫 「了解です」


レ級 「…」


タッタッタッ…








ヲーちゃん 「んー!やっぱりひじき定食は美味いのね!」モグモグ


タ級 「てかそれ以前に駆逐棲姫の料理がうまい ほんとなんでも作れるよな」モグモグ


港湾棲姫 「ほんとですね いいお嫁さんになります」


レ級「…うん おいしいわ」モグモグ


提督 「レ級 素に戻ってるよ」


レ級 「あっ…」ハッ


提督 「気をつけろよ 今は近くに俺たちしかいないからいいが常に注意しろ」


レ級 「あっあぁ わかった」


港湾棲姫 「レ級さん この後どうしますか?お部屋に戻って休ませますか」


港湾棲姫 「もし時間をもらえるなら精密検査などをしたいんですが」


レ級 「注射はいやだ」キッパリ


港湾棲姫 「注射はしませんよ たぶん」


レ級 「たぶんってなんだ!いやだぞ 注射は絶対にいやだからな!!」


港湾棲姫 「なるべくやらない方向で進めますよ 異常があった場合には検査するためにしますが」


レ級 「異常があってもしたくない!血液取らないでなんとかしろ!」


港湾棲姫 「じゃあ体の悪いところを直接解剖して調べてみましょうか そうすれば注射しなくて済みますよ」


レ級 「ーっ…やっぱり注射する 異常があったら注射していいよ」


港湾棲姫 「ありがとうございます では食べ終わったら医務室に来てください」


レ級 「わ、わかった(あぶない…もう少しで解剖されるところだった 注射より解剖の方がぜったいにいやだ!!)」


深海棲艦 「提督 今日はどうするの?」


提督 「っん…今日は各海域を偵察してきてくれ 新型深海棲艦がどこにいるのかを突き止めたい」


提督 「まだ数少ないが試製五十一cm連装砲は数個完成してるから六人編成で戦艦ひとり一個装備してくれ ひとりで何個も持っていかないでくれよ」


深海棲艦 「わかった!」


提督 「タ級とヲーちゃんは今日ヲ級を休ませてるから執務の手伝いをしてほしい 頼めるか?」


ヲーちゃん 「了解なのね!」


タ級 「わかった」


提督 「港湾棲姫 診断結果が出たら教えてくれ 俺も詳しく知りたい」


港湾棲姫 「わかりました 結果が出次第お伝えします」


提督 「レ級 お前はしばらく休みにさせるから無理するなよ いいな?」


レ級 「わかった」








牢獄



艦娘 「あー…ひまー 最近誰も遊びに来ないんだけど」グテー…


艦娘 「そうだよね 誰も来ないから時間が持て余すわ」


艦娘 「急に来なくなったよね どうしたんだろ」


清霜 「鳳翔さん なんか聞いてます?」


鳳翔 「いえ特には…ヲーさんも来なくなってしまったのでわかりませんね」


艦娘 「他のやつならともかく、ヲーさんまで来なくなったのは気になる」


艦娘 「食事運んでくる深海棲艦に聞いてもなんも話してくれないもんね そのくらい話せよって思う」


艦娘 「まったくね」


鳳翔 「(…ほんとに、どうしたんでしょうか なにかあったんでしょうか…?)」



…ガチャッ


提督 「おーっす みんなおはよー」


艦娘 「あっ反乱軍指揮官」


艦娘 「久しぶりに来たわね 最近来なかったけどどうしたの?」


提督 「ちょっといろいろと問題があってな」


艦娘 「問題ごと…?」


提督 「お前たちに聞きたいんだが、元横須賀鎮守府に所属してた祥鳳型軽空母一番艦 祥鳳のことをなにか知ってるやつはいないか?」


鳳翔 「………」


清霜 「………」


艦娘全員 「………」


提督 「…あれ 全員黙りだが…知らないってことか?」


鳳翔 「…元横須賀鎮守府提督 祥鳳さんのことはあまり詮索しない方がよいかと」


提督 「……なんでだ まさかヲ級が祥鳳だと言うのか?」


全員 「「ーっ!!」」


鳳翔 「…気づいてたんですか?ヲ級が祥鳳さんだということに」


提督 「……いや、確証はなかった あいつが寝言で自分を祥鳳だと言ってたが聞き間違えたのかと思ってた」


提督 「…あいつは祥鳳なんだな しかもヲーちゃんと一緒で記憶も持ってるんだな?」


鳳翔 「…おそらく持ってるかと思います 私たちも直接あると聞いたわけではないので確証がありません」


清霜 「でも何度かここにきた時にある感じなことを言ってたから多分持ってます!」


提督 「……そうか あいつ、ほんとに祥鳳なのか あいつが沈んだなんて」


鳳翔 「それは違うかと思います」


提督 「…っえ ちがう?」


鳳翔 「それもわからないんですがおそらく沈んだんではないかと思います」


鳳翔 「祥鳳さんは東南我原鎮守府に移動したんですが数日後、その鎮守府から書き置きを置いて出ていってしまったんです」


提督 「出ていった?なんで その書き置きの内容は?」


鳳翔 「…我、この場所にいる存在ではない 我の帰りし場所に帰らるとする 恨み持つものを排除致す 探しも無駄と伝える」


鳳翔 「これが手紙の内容です とても怒っている感じの文ですよね とある艦娘を絶対に沈めると言ってました」


提督 「その艦娘とは?」


鳳翔 「私の情報が正しければ…あなたの元秘書艦 瑞鳳だと思います」


提督 「……っえ 瑞鳳?」


鳳翔 「はい ヲーさんから話しを聞いてますがあなたは瑞鳳が死んだと思っているようですね」


鳳翔 「今南我原鎮守府にいる瑞鳳はあなたのもとに着いてた瑞鳳です 死んでなんかいません」


提督 「…お前もヲーちゃんと一緒のこと言うか あいつは俺の知ってる瑞鳳じゃない」


提督 「別の瑞鳳に死んだ瑞鳳の記憶を入れた、または脳みそを入れ替えた偽物だ あいつが本物なわけがない!」


鳳翔 「さすがに脳みそを入れ替えたは無理かと思いますが…」


鳳翔 「どちらにしてもあの子は本物です あなたは信じられないようですがこれが現実です」


提督 「っ…ありえない あいつが本物だなんて」ググッ…


提督 「じゃあなんで祥鳳は瑞鳳を恨んでる?あいつは妹思いで面倒見が良かったやつだぞ」


提督 「手紙の内容だけじゃ瑞鳳に恨みを持ってることにはならない 瑞鳳を恨む理由はなんだ」


鳳翔 「それは…」


清霜 「…瑞鳳の姉だから、だと思います」


提督 「なに…?」


清霜 「…私は元々本部に属してたので本人から聞いたことがあるんです 瑞鳳は横須賀鎮守府から本部に移動されたので」


提督 「瑞鳳が本部に?なんでまた本部に移動されたんだ」


清霜 「いろんな方から恨まれているからです 本人も言ってましたが…」



瑞鳳 『私はいろんな方から恨まれているので上官が気を利かせてくれたんです』


瑞鳳 『本部に入れば私を恨んでる方たちが手を出しずらくなるのでそれを理由にここへ移動が決まりました』


瑞鳳 『…本来、私はそんな甘えを受け取ってはいけないんですがね むしろ罰を与えられるはずなのに…』


瑞鳳 『祥鳳姉なんて私の姉と言うだけで周りからひどい仕打ちを受けていたので私のことかなり恨んでいます たぶん沈める気で襲いかかってくるかと』


瑞鳳 『…祥鳳姉に殺されるなら本望です 私のせいで祥鳳姉は被害を受けたんですから、その罰を受け入れる覚悟はできてます』


瑞鳳 『そのときはすみませんが後のことは任せます 大変かもしれませんがおねがいしますね』



清霜 「…っと瑞鳳さんは言ってました 悲しそうな顔で答えてくれたのは今でも覚えてます」


清霜 「あんなにも悲しそうに話す瑞鳳さんは初めて見ました いつもは元気に挨拶や仕事をしてたのに、その話を聞いたときだけあんなにも暗くなって…」


提督 「………」


鳳翔 「これでもまだ信用できませんか?清霜さんが嘘偽りなく話していたのはあなたもわかっていたかと思いますが」


提督 「……ほんとだという確証がない あいつが瑞鳳を恨んでるなんて、とてもじゃないが思えない」


提督 「てか、恨んでるって一体なにに恨んでるんだ?さっきから出てくるが」


鳳翔 「あなたを海軍から追い出してしまったからです」


提督 「おれ?」


鳳翔 「はい あなたを追い出してしまったことによって元横須賀鎮守府の艦娘たちはバラバラになりました」


鳳翔 「瑞鳳は全員から嫌われ、祥鳳さんは瑞鳳の姉というだけで侮辱され 一部の艦娘からは命までも狙われて…もう大騒ぎです」


鳳翔 「あなたのいない間にかなりの騒ぎが起きてるんです あなたが出ていったせいで…」


提督 「…なんだよ 俺のせいだって言いたいのか?追い出したのはあのクソ海軍共なのに」ピクッ


鳳翔 「誰もそんなこと言ってません あなたは追い出された身なんですからあなたのせいではありません」


鳳翔 「…ただ、今のままではあなたの秘書及び嫁艦である瑞鳳は殺されることになります 幸いにも南我原提督に守られているので平気ですが」


鳳翔 「瑞鳳がどういう理由であなたを追い出したかはわかりませんが生きているのは確実です 祥鳳さんもどうやって深海棲艦になったかもわかりませんが」


鳳翔 「…ヲ級さんに確かめるのだけは避けてくださいね ヲ級さんの正体がバレてもまずいですが瑞鳳を恨んでる理由を聞いて素直に話すはずがありません」


鳳翔 「それだけならまだいいです あなたは瑞鳳が生きていたら、戻れるなら海軍に戻りたいと思っているんですよね」


提督 「っ! どこでその話しを…って言いたいが、ヲーちゃんか あいつその話しまでしてるのか」


鳳翔 「その話しはヲ級さんにはしてますか?」


提督 「…厳密に言えば話してる 生きてたらどうするんだと聞かれたが生きてるはずないと言ってお前たちを裏切らないと伝えてある」


鳳翔 「なら絶対に聞かないでください ヘタしたら…海軍と深海棲艦の全面戦争が勃発してしまいます」


鳳翔 「もちろんあなたの命令なんて聞かないでしょう 止めても問答無用で真っ先に瑞鳳を殺しに行くはずです」


鳳翔 「そんなことになりたくないなら言わないでください 私も起きて欲しくありません」


提督 「……まだその時じゃない それに今は海軍のことより新型深海棲艦の方で忙しいから今のところ眼中にない」


提督 「お前たちの中に新型深海棲艦のことでなにか知ってることはないか?詳しく知ってる奴がいるなら教えて欲しいんだが」


全員 「「………」」シーン…


提督 「…鳳翔、清霜 お前たちは知らないか?」


清霜 「私はなにも…」


鳳翔 「残念ながら…」


提督 「そうか…」


提督 「(となるとヲーちゃんの情報だけが頼りだな 他にも情報を持ってるやつがいたらよかったんだが…まぁ仕方ないか)」


提督 「(とにかく今は装備を作ることを専念した方がいいな レ級は今の状態じゃ戦力に入れられないからそれを補うやつを入れないと…)」ウーン…


鳳翔 「…ところでヲーさんは今なにしてるんですか?最近ここへ訪れないんですが」


提督 「……悪いがそれはちょっと言えない さっき問題事が起きてたと言ったよな ヲーちゃんもそれに関与してるから」


鳳翔 「…っえ」


清霜 「なにがあったんですか?まさか沈んで…!!」


提督 「ちゃんと生きてるよ それは安心してくれ」


清霜 「そっそれならよかった…」ホッ…



ガチャっ


ヲーちゃん 「ヲーちゃん久々に参上なのね!!」(☆∀☆)


鳳翔 「ヲーさん 噂をすればなんとやら」


提督 「ヲーちゃん なんでここに?先にタ級と一緒に書類整理するよう言ったよな」


ヲーちゃん 「全然なかったのね あれだけならタ級ひとりでも余裕で終わるから任せてきたのね!」


提督 「…ふたりでやってよ」


清霜 「お久しぶりですヲーさん 元気そうでなによりです!」


ヲーちゃん 「久しぶりなのね 清霜も元気そうでよかったのね!」


ヲーちゃん 「ここ最近遊べなくてごめんね ちょっとヲ級と喧嘩してたのね」


全員 「「……っえ」」


提督 「ちょっ…ヲーちゃん その話しはここにいる艦娘達には話さないでくれ」


ヲーちゃん 「どうしてなのね?別に知られたところで問題はないのね」


提督 「深海棲艦同士が敵対してるなんて知られたら艦娘たちはそれを利用するからだ もう話しちまったからバラすけど」


ヲーちゃん 「その心配はいらないのね 私が元艦娘だったときの記憶があることは話してあるのね」


提督 「…っえ そうなのか?」


鳳翔 「はい ヲーさんが元大湊警備府提督もとい現南我原鎮守府提督の嫁艦でありながら秘書でもある潜水艦 伊19だということは知ってます」


提督 「長いながい 説明が長いよ 知ってることだけ言ってくれればわかるから」


提督 「…それを知ってるのに脱獄しないということは逃げる気がないと見ていいのか?」


鳳翔 「逃げたところでまた捕まるのが見えてますからね 私だけが脱獄するならまだ希望はありますが、あいにく仲間を見捨てる真似はできません」


鳳翔 「下手に出て被害が出ては本末転倒です 仲間を失うことはしたくありません」


提督 「…そうか(目が本気だな これは嘘ついてないな)」


提督 「(こいつをつかまえた時は降参して楽に捕まえることができたが、今考えてみれば被害を最小限に抑える為にこの選択を取ったんだろう)」


提督 「(仲間を優先するために自らも捕まるなんて…ほんとに仲間思いだな)」


ヲーちゃん 「それで提督 提督はなんでここにいるのね?別にやることがあるから書類を任されたけど」


提督 「少し気になることがあってな 新型深海棲艦のことでなにか知ってるか聞きに来たんだ」


ヲーちゃん 「新型深海棲艦のことはみんな知らないのね 直接相手した私ともうひとりしか詳しい新型深海棲艦のことは知らないのね」


提督 「そのもうひとりというのは一体誰のことだ?この基地にいるのか」


ヲーちゃん 「いないのね 逆にこの基地に居たらまずいのね」


提督 「まずい?それはどういう意味だ なんでいたらまずい」


ヲーちゃん 「敵だからなのね」


提督 「……っえ」


鳳翔 「敵って…まさか川内さん 新型深海棲艦になってるんですか!?」


清霜 「っえ!?」


ヲーちゃん 「……そうなのね 川内は新型深海棲艦になってるのね しかも私たちを沈めた新型深海棲艦もいるのね」


ヲーちゃん 「ほんとはあまり言いたくなかったんだけど…どうせいつかは知られるのね 今話して問題ないのね」


ヲーちゃん 「ちなみに提督 私が新型深海棲艦から情報をもらったこと話したよね?あれは元々私たちと一緒の鎮守府にいた川内型軽巡洋艦 一番艦川内なのね」


ヲーちゃん 「わたしと一緒で記憶が残ってていろいろ教えてくれたのね いつもマフラー着けてるみたいだからマフラー着けてる小鬼群が居たら攻撃しないでほしいのね」


提督 「わ、わかった 先に教えてくれてありがとう その新型深海棲艦だけは攻撃しないようみんなに伝える」


提督 「ただそいつだけ味方だとは言わない方がいいな 敵意がないとはいえ、他の新型深海棲艦は攻撃してくるから警戒だけしろと言おう」


ヲーちゃん 「おねがいなのね」


清霜 「い、いろいろ大事になってきましたね この基地に艦娘のときの記憶がある方がふたりいて、新型深海棲艦にもひとりいて…しかも同じ深海棲艦なのに敵同士で」


鳳翔 「てんてこ舞いですね」


ヲーちゃん 「…っん?この基地にふたりいる?」


提督 「鳳翔たちから聞いたんだ ヲ級が祥鳳だということをな」


ヲーちゃん 「っ!!」


鳳翔 「だいじょうぶですよヲーさん ちゃんと口止めはさせています」


鳳翔 「話してはまずいですからね 先手は打ってあります」


ヲーちゃん 「…ならよかったのね 提督、絶対に話しちゃいけないからね 話したら海全体が火の海となるのね!」


ヲーちゃん 「ヲ級が本気で殺しにかかってきたら私もヲ級を殺す気でいくのね そうなりたくなかったら話さないでね」


提督 「わかってる 話さないから安心してくれ」


ヲーちゃん 「ならいいのね」



ガチャッ


港湾棲姫 「失礼します 提督はいますか?」


提督 「いるよ どうかしたのか?」


港湾棲姫 「頼まれていた診断結果をお持ちしました すぐにでも確認したいだろうと思い報告しに来ました」


提督 「それはありがたい 結果はどうだった?」


港湾棲姫 「至って正常です 強いて言うなら少し脈拍などが少し高いと言ったところですかね」


港湾棲姫 「これに関してはまだ記憶が戻ったばかりなので落ち着けない部分があるからだと思います なので平気かと」


提督 「ちょっ!?港湾棲姫 ここで記憶が戻った話しは!」


ヲーちゃん 「別に平気なのね レ級の記憶が戻ったぐらいバレても問題ないのね」


提督 「ヲーちゃん!!」


清霜 「っえ!?レ級さん記憶戻ったんですか!?」


鳳翔 「レ級さんは一体誰だったんですか?」


ヲーちゃん 「上官の嫁艦、曙なのね」



ザワっ!!!!


艦娘 「うそだろ!?上官の嫁!?」


艦娘 「しかも上官の嫁って…たしかかなり前に沈んでたはずじゃ」


艦娘 「深海棲艦になって生き返ってたのか!」


提督 「ちょっ!お前らあまり騒いでその話しは!」



ヲーちゃん 「」パンっ!!!!


全員 「「ーっ!!」」ビクッ!!


ヲーちゃん 「……静かにするのね 今の話しがここにいる以外の深海棲艦にバレたらレ級は殺されるのね」


ヲーちゃん 「もしヲ級にこの話しが伝わったら即座に処刑されるのね 全力で止めるけどよけいな手間をかけさせないでほしいのね」


艦娘 「ごっごめん…」


艦娘 「気をつける」


鳳翔 「やはり伝えてないんですか なんとなく予想はしてましたが」


鳳翔 「性格の方はどうなってるんですか?今まで通りの性格なんですか」


ヲーちゃん 「んー…半分ってところなのね 注意はしてるけど油断したらポロッと艦娘時代の性格が出てくるのね」


清霜 「まっまずくないですか?もしポロッと出しちゃったら…」


提督 「即座に疑われるから常に俺やヲーちゃん、港湾棲姫やタ級が付くことになってる ついポロッと出してもごまかせるように……」


提督 「…ちょっとまて 港湾棲姫、おまえレ級は?まさか今ひとりにさせてないだろうな」


港湾棲姫 「だいじょうぶです 司令室にタ級さんが今ので置いてきました レ級さんもタ級さんとお話したかったようなので」


提督 「…そうか ならいいんだが」


港湾棲姫 「報告は以上です なにか他にも調べることはありますか?」


提督 「今のところは平気かな またなにかあったらたのむ」


港湾棲姫 「わかりました では失礼します」


ガチャッ…パタンっ



ヲーちゃん 「…書類ほとんどないからほんとにすぐ終わるのね 終わったらなにするのね?」


提督 「そしたらなるべくレ級と一緒にいてやってくれ ボロが出てもすぐ言いわけできるように」


ヲーちゃん 「わかったのね 提督はこのまま主砲作成するの?」


提督 「書類が平気そうならそうする みんなに今日の指示はしてあるから俺がいなくても平気だろう」


提督 「もしなにかあればすぐ言ってくれ くれぐれも!ヲ級と戦闘になるようなことはしないようにな」


ヲーちゃん 「なるべくはするのね ただ売られたら買うけど」


提督 「……またケガされても困るからしないでくれよ」


ヲーちゃん 「約束できないのね 手加減したらこっちが殺されるのね」


提督 「…じゃあ沈めるのだけは絶対するな それは約束しろ」


ヲーちゃん 「それは約束するのね 沈める一歩手前で止めるのは得意なのね」


提督 「いやな特技だな…」


ヲーちゃん 「それじゃレ級のところに行ってくるのね なにかあれば呼んでね」


提督 「あぁ おまえも問題起こすなよ」


ヲーちゃん 「わかってるのね!」タッタッタッ…


ヲーちゃん 「みんなと暇ができたら遊びに来るのねー!」ガチャッ


清霜 「はい!待ってます」


鳳翔 「気をつけてくださいね」


パタンっ…



提督 「…さてと、俺も主砲作ってくるな まだまだ作らないといけないからな」


鳳翔 「新型深海棲艦対策のためですよね 試製51cm連装砲を作ってると聞きました」


提督 「そうだ とりあえず数多く作ると考えたらそれの方がいいと思ってな コスト的に抑えられる」


提督 「しかも作り手が俺ともうひとりしかいないから作業速度が絶望的でな 道具も揃ってるわけじゃないから無理くりで作って長くは持たない…ほんとキツい」ハァ…


鳳翔 「この基地には開発妖精がいませんからね 改造屋と言われたあなたでも厳しいですか」


提督 「そりゃいろいろと足りない部分があるからな ありすぎて困るぐらいだ」


提督 「道具だって全部俺が作らないといけないし壊れたら俺が治さないといけないし部品だって全部俺が作らないといけないし…材料がなくなったら取りに行かないといけないし やることが多すぎる」ハァァ…


鳳翔 「…取りに行く?燃料とかなら海で取れますが海で手に入らないものとかってどうするんですか?」


提督 「もうかなり行ってないが現地調達だ ヲ級に頼んで横須賀鎮守府近くの商店街に連れてってもらってた」


清霜 「ーっえ!?何度か戻ってきてたんですか!?」


鳳翔 「しかもヲ級さんに頼んで来たって…レーダーとかで探知されなかったんですか?」


提督 「そのときは俺が作ったステルス版を付けてたからな 主砲はさすがに付けられないがステルス版を付けてればバレずに来れてた!」


提督 「それで何度も材料を買って調達してたんだ 今はもう材料揃ってるから買いに行ってないがな」


鳳翔 「…ほんとにいろいろなものを作りますね そのようなものを自分の手だけで作るなんて」


提督 「改造屋だからな そのくらいの作成どうってことない!」


提督 「…まぁ 結局は設備が良くないから作っても長く持たないんだけどな 壊れたら修理か新しいの作るしかないからほんとにキツイ……」ハァ…


鳳翔 「…もう皆さんに行き渡るぐらいの量はできてるんですか?」


提督 「まったくできてない 早く用意したいがいろいろと問題事があってなかなか進まないんだ」


提督 「今攻め込まれたら確実にまずい 海軍なら追い払えるが新型深海棲艦は無理だ」


提督 「あのヲ級がやられたほどだ しかも大鬼群というやつに関してはもはや次元が違いすぎる あいつを倒すことは今のところほぼ不可能だ」


提督 「…俺が弱気になるところは見せたくないんだが、今回に関してはどうしても自信がない 武器が揃えばなんとかなるかもしれないがそれまで来ないでくれればいいが」


鳳翔 「…もし武器が揃わない状態で攻められたら 私も参加しましょうか?」


提督 「…っえ」


清霜 「鳳翔さん!?」


鳳翔 「私ならある程度の戦力は持っています 元大湊警備府に所属して一軍隊に入ってました」


鳳翔 「あなたが私を信用できるというのであれば、敵でありながら協力致します」


提督 「…なにを企んでる?」


鳳翔 「なにも企んでいませんよ 今この状況で攻められたら負けると仰っていたので参加しようと思ったんです」


鳳翔 「ここが崩壊する=今この場にいる艦娘たちも死ぬという意味になります 敵である私たちをわざわざ生かす理由がありません」


鳳翔 「責められて崩壊されては私たちも困ります その前に出して逃がしてもらえるなら別ですが」


鳳翔 「そんなことするとは思えません なので参加しようかと思ったんです」


提督 「……ほんとに協力してくれるのか?元最高提督と呼ばれて、その下に着いてた第一軍隊の艦娘が協力してくれるのは非常にありがたいが」


鳳翔 「信じる信じないはあなた次第です 私が決めることではありません」


鳳翔 「ただし協力するにあたって条件があります 無理に前線に出して囮や盾に使った場合には容赦なくあなた方に攻撃します」


鳳翔 「当たり前のことですがその時は沈める気でやりますのでそれが条件です 以上のことを守ってただければ裏切らずに参加致します」


提督 「………」


提督 「(こいつが言ってることは正論だ おそらく嘘はついてない)」


提督 「(俺でもどうせやられるなら敵である者たちに手を貸して生きようとする まして他にも人質になってる奴がいたらなおさらだな)」


提督 「(…なら最悪力を貸してもらおう こいつなら即戦力になること間違いない)」


提督 「(他にも味方に着いてくれるやつがいればいいんだが…今のところこいつ以外は信用できないな)」


提督 「…わかった それじゃ最悪の場合に限り、おまえにも協力してもらう 装備なんかはその時だけ渡す」


清霜 「えぇっ!!?」


鳳翔 「信用するんですね わかりました ではそのように動きましょう」


提督 「たのむぞ」


清霜 「ほっ鳳翔さんいいんですか!?敵に力を貸すなんて さすがにそれは不味いのでは…?」


鳳翔 「理由が理由なので平気ですよ もしバレたとしても言い訳は効きます」


鳳翔 「それにバレたところで元帥や上官、元提督なら仕方ないと判断してくれます あの方たちは艦娘に対しては凄く優しいですから」


清霜 「た、たしかにそうかもしれませんが…」


鳳翔 「装備は私がここに来たとき回収したものですよね?まだ取ってあるんですか」


提督 「取ってあるよ 解体しないでここにいる艦娘全員の装備はちゃんと保管してある」


提督 「とはいっても管理するやつが俺しかいないからホコリ被ってるがな 一応整備はしてあるが時間が空いた時しかしてないからちょっとガタがあるかもしれない」


鳳翔 「整備してあるんですか?それはありがたいです すぐに使えるようしてあれば充分です!」


清霜 「なんでわざわざ整備してあるんですか?艦娘用の装備なんて使うことないですよね」


提督 「いやーつい癖でな?艦娘用の装備と深海棲艦用の装備って全然作りが違うんだよ」


提督 「深海棲艦用の装備ばかりいじってるとたまに艦娘用の装備をいじりたい時があってな 昔は艦娘用の装備をいじってたから懐かしさを感じる時があるんだ」


提督 「そんなときいつでもいじれるように全員分の換装を取ってあるんだ あっちなみに魔改造とかしてないから安心しろ?整備しかしてないから」


鳳翔 「それならよかった 魔改造されていたら扱い方が変わってしまうのでどうしようかと思いました」


提督 「魔改造しても扱い方はとくに変わらないよ ちゃんとそういうところも考えて作ってあるから」


提督 「…たしかお前の搭載数って改で四十二機だったよな」


鳳翔 「はい そうですが」


提督 「搭載数を増やしても感覚や使い勝手が悪くなったりしないか?ただ増えるだけだからおそらく平気だと思うが」


鳳翔 「? おそらく平気だと思いますが…いきなり何を言ってるんですか?」


提督 「いやなに さすがにその搭載数じゃ一軍とはいえ全体的に回すのはキツイだろうから搭載数を増やす改造飛行甲板も持たせようかなと思ってな 一気に百機増えればかなり回しやすくなるだろ」


提督 「装備しても体に害はないし戦闘にも支障は出ないはずだ …まぁちょっと重量が増えるから強いて言うなら支障は出なくはないかな」


鳳翔 「ヲーさんたちがつけてる装備ですか あれひとつで百機増えるんですよね」


提督 「そうだ 一つや二つだけならいけるだろ もし無理だったら装備しなくてもいい 無理やり装備しても合わない装備じゃやられるのが見えてるからな」


提督 「緊急時に用意するからその時はたのむ 使い慣らしてあげたいがさすがに檻から出して演習させることができないからぶっつけ本番になっちまうが…」


鳳翔 「構いませんよ ぶっつけ本番で使えそうだったら使わせてもらいますから」


鳳翔 「念のため、この話しはヲーさんにも話しておいてくれませんか?なにかあった時にすぐ協力してもらえるようにしてもらいたいので」


提督 「わかった 俺もそのときが来たらみんなを説得できる言葉を考えておく」


鳳翔 「おねがいします」













提督室



レ級 「…やっぱり私のことを知ってるひとと一緒にいると落ち着くわ この口調で話しても平気だし」


タ級 「私からしたら違和感しかないけどな わかってるとはいえ、聞き慣れないから…」カリカリ… 執務中


レ級 「まぁそうよね いつもこんな口調じゃなかったし やっぱり昔の方がいい?」


タ級 「無理に変えろとは言わない 変えられるなら変えてほしいが下手に変えてごっちゃになっても困るからな」


レ級 「ごっちゃになることはないと思うけど…」


レ級 「まぁこれでいいならこの口調で話させてもらうわ こっちのほうが楽だし」


レ級 「にしてもあんた達って記憶が戻った私を敵対しないのね?普通なら艦娘相手には容赦しないのに」


タ級 「ここの提督は艦娘相手でも優しいからな 情が移ったのかもしれない」


タ級 「まぁそれ以前にお前の記憶が戻ったところでレ級はレ級だ 下手に暴れなければ私は手荒な真似はしない」


レ級 「いつ私が暴れるかわからないわよ まだ中途半端な記憶しか思い出してないから平気だと思うけど」


レ級 「もし完全に思い出したらあなた達を背後から主砲で撃ち抜いて殺すかもしれないわよ それなのに警戒しなくていいの?」


タ級 「今の状態なら平気だろ 今のお前が暴れるとは到底考えられない」


タ級 「記憶を思い出したら目つきや殺気を感じるだろうからすぐに気づく 私だってそれなりに鍛錬は積んでるからな」


レ級 「にしては今まったく無警戒よね 私が記憶を思い出してるかもしれないとは思わないの?」


タ級 「思わない」キッパリ


レ級 「…即答ね そんなにわかるものなの?」


タ級 「わかるもなにも現にこうやって普通に話してる時点で私を殺そうとはしてないってわかる」


タ級 「殺そうとしてるなら話し方や挙動、目つきなんかも全然ちがう 今のお前からはなにも感じない」


タ級 「そんなやつが誰かを殺そうとしてるなんてまず有り得ない 今のお前ならとくにな」


レ級 「…なんか見透かされてるようでいやね 私の知らないことまで知られてるようで」


タ級 「お前とは付き合い長いからな それくらいわかる」カリカリ…


タ級 「……てか、これひとりでやるの大変なんだが ヲーちゃん私に押し付けてどっかいったし」


タ級 「レ級手伝ってくれないか?さすがにひとりじゃきついぞこれ」


レ級 「いやわたし秘書経験ないからわからないんだけど…」


タ級 「そうだったー!!てか私もないよ!いつもヲ級かヲーちゃんしかしてなかったんだから!」


タ級 「そりゃ効率悪いよね!やってないんだからやり方わからないし!時間かかるわけだよ!」


タ級 「ヲーちゃん早く戻ってこーい!!」



ガチャッ


ヲーちゃん 「なんなのね?そんなに騒いで私のこと呼んで」


タ級 「噂をすればなんとやら…やっと帰ってきたか」


レ級 「ヲーちゃんおかえり さっきからタ級が騒いでるわよ」


タ級 「ヲーちゃん書類終わらないよ!私秘書やったことないからやり方がいまいちわからない!」


ヲーちゃん 「そんなの適当にやっとけばいいのね 資材とかそういうのは適当に書き込んでおけば万事解決なのね!」

d('∀'*)


タ級 「まさかの適当!?ヲーちゃん毎回そうしてたの!?」


ヲーちゃん 「うん だって誰かに提出するわけじゃないし、そんな真面目に書いても意味ないのね」


ヲーちゃん 「記録をつけるためだけにやってるから正直、資材の記録とかいらないと思うのね ひとりひとりの深海棲艦やそのときの海域状況の記録をつけるなら話は別だけど」


タ級 「…ヲ級も適当に書いてるのかな?あいつは真面目だが」


ヲーちゃん 「真面目だからちゃんと細かく書いてるのね 一単位まで細かく」


ヲーちゃん 「私はめんどくさいから千単位で書いてるのね あとは切り捨て」


タ級 「大雑把すぎないか!?せめて百単位で書けよ!」


タ級 「提督になにも言われないのか?そんな適当に書いて」


ヲーちゃん 「ないのね だって提督も必要かな…?って言ってたし」


タ級 「それ提督が一番言っちゃいけない!提督が言ったらもう誰も書かなくなる!」


タ級 「だったらなんで記録してんだ!自分でもいらないと思うなら書く必要ないだろ!」


ヲーちゃん 「海軍にいた頃の習慣が離れないからしてるんだと思うのね じゃなきゃしないのね」


タ級 「提督も海軍にいた頃大変だったな そんな細かく記録しないといけないなんて」


ヲーちゃん 「深海棲艦と違って決まりが多いからね 仕方ないのね」


ヲーちゃん 「レ級はわからないのね?過去に海軍の上官の嫁艦だったから秘書やってたと思うけど」


レ級 「記憶にないのよね 私が曙だっていうこともわからないし、過去に秘書を勤めてた記憶もないわ」


レ級 「過去に私が深海棲艦に沈められたのは覚えてるわ それ以外はなにも」


ヲーちゃん 「一番思い出したくない記憶を思い出しちゃったんだね しかも沈んでからは深海棲艦になっちゃったからよけいなのね」


レ級 「別に嫌な思いはしてないわ 過去のことだと思えば割り切れるし、なにより深海棲艦の生活もさほど悪くないしね」


レ級 「ここ以外の深海棲艦の集落に居たらまた考えは違ったかもしれないけど今のところ嫌だと思ったことはないわ」


ヲーちゃん 「それならよかったのね」


タ級 「…なぁ 私ら深海棲艦って艦娘時代に沈んで恨みや辛みで生成されたものなんだよな」


ヲーちゃん 「そう言われてるけど実際には不明なのね 深海棲艦もまだ謎が多いのね」


タ級 「…もしその理論が本当なら、わたしも元々は艦娘だったということだよな 記憶がないから断定して言えないけど」


タ級 「レ級が思い出したということは私も思い出す可能性があるということだよな もしそうなったら…レ級みたいになるのか?」


ヲーちゃん 「十分にあり得るのね タ級の過去は今のところなにも知られてないからまだ元々艦娘だったかも定かじゃないけどね」


ヲーちゃん 「やっぱり不安なのね?」


タ級 「……あぁ 現にレ級が元々の性格と違くなってるから自分が自分じゃなくなるみたいなことになると不安だ」


タ級 「まだ完全には記憶を思い出してないから落ち着いていられるのかもしれないがこれで全部思い出したらどうなる?」


タ級 「本来、深海棲艦と艦娘は敵同士だ お互い海を賭けて戦争してる」


タ級 「…下手したら仲間内で戦闘になる そうなったらこの基地は崩壊する」


タ級 「わたしは仲間を裏切ることはしたくない レ級も記憶を思い出したとしても戦いたくない」


タ級 「もし艦娘時代の記憶が蘇ったらと思うと不安でしょうがない これは私だけが言えることじゃない 他のみんなも同じだ」


タ級 「私やレ級以外でも記憶を思い出したらどういう行動をするかわからない それで誰か沈んだりなんてしたら……」


ヲーちゃん 「余計なことは考えなくていいのね 変に心配してるとみんなに心配かけるのね」


ヲーちゃん 「もし思い出したら私のところに来ればいいのね そうすれば必ず助けるのね!」


ヲーちゃん 「提督でも平気なのね 私が提督なら思い出したとしても敵として見ないから安心するのね」


タ級 「ヲーちゃん…」


レ級 「わたしも味方するわ 私だけ見てもらうなんてことはしないわ 同じ症状で困ってるやつが居たら助けるわ」


タ級 「レ級……」


タ級 「…そうだな 変に心配することないな 野暮なことを聞いたな」


タ級 「それじゃもし思い出したらお前たちのところに行く その時は頼むぞ?」


ヲーちゃん 「任せるのね!」


レ級 「任せなさい」



プルルルル…プルルルル…


ヲーちゃん 「っん?電話なのね 誰からだろ」スッ



着信 『川内』


ヲーちゃん 「っ!」


タ級 「? どうした?険しい顔して」


ヲーちゃん 「…ちょっと提督の部屋で電話してくるのね 盗み聞きしたら袋叩きにするからね」


レ級 「……っえ」


タ級 「ふっ袋叩き……まじ?」


ヲーちゃん 「マジなのね それじゃしてくるのね」タッタッタッ…


ガチャッ…パタンっ



タ級 「………」


レ級 「…本気で聞かれたくないようね 一体誰からだったのかしら」


タ級 「…わからない だけどあんなこと言われたら聞きたくなるよな」


レ級 「聞いたら袋叩きされるわよ 聞いた内容を忘れるまで殴られるわね」


タ級 「半洒落にならん…」








提督の部屋



プルルルル…プルルルル……


ヲーちゃん 「…聞いてないよね 袋叩きにするって言ったから多分平気だと思うけど」


ヲーちゃん 「……聞いてたら記憶が抜けるまで叩くのね」ピッ


ヲーちゃん 「もしも」


小鬼群 『おそいっ!!』キーン!!


ヲーちゃん 「はぅっ!!」キーン!!


小鬼群 『相変わらず出るの遅いよ!またなにかあったのかと思ったでしょ!』


小鬼群 『出れないなら通話拒否して後でかけ直すとかして!』


ヲーちゃん 「ごっごめんなのね…」


小鬼群 『…まぁいい そんなことはいいとして』


小鬼群 『今こっちにいる指揮官が全海域に偵察隊を送ったから警戒してほしいんだ いろんな海域を占拠するためにまずは敵の位置を把握しないといけないって言って指示した』


ヲーちゃん 「全海域!?そんなに戦力あるの?全海域に回せるほどの人員いるの?」


小鬼群 『それなりには居るよ 全海域に回すと言っても三体一組で動かすから偵察できる範囲は限られてるけどね』


小鬼群 『でも見かけたとしても絶対に戦っちゃダメだよ 奴らは回避率が異常でほとんどの攻撃を避けるから』


小鬼群 『装甲は薄くて雷装装備しか積んでないけど油断しちゃダメ 攻撃が当たらないんじゃ話にならないからね』


小鬼群 『レーダーでは探知できるから常に基地の周りは作動させといて こっちから攻撃してくることはほぼないから変に攻撃しないでね』


ヲーちゃん 「わかったのね 提督にもそう伝えるのね」


小鬼群 『そっちの様子はどお?今のところなんも変わってない?』


ヲーちゃん 「…外部からはないけど、内部ではかなりあるのね」


小鬼群 『内部?』


ヲーちゃん 「詳しく話すのね」



ヲーちゃん説明中…


ヲーちゃん 「…というわけなのね」


小鬼群 『伊19と並ぶ戦力艦と一騎打ちのケンカ、レ級が艦娘時代の記憶を思い出した、そっちの提督がヲ級の艦娘時代の記憶に勘づいた…』


小鬼群 『うん てんこ盛りだね!予想を遥かに超える問題事だらけだ!』


小鬼群 『レ級が艦娘の記憶を思い出したのにも驚きだけど、なによりも伊19がそっちの基地に所属するトップとケンカしてる方が驚きだよ!』


小鬼群 『今の仲間なんだから我慢しなよ その基地に居ずらくなっちゃうよ』


ヲーちゃん 「無茶言わないで欲しいのね 向こうから喧嘩売ってきたうえに殺す気で来られたらやるしかないのね」


ヲーちゃん 「ただでさえ目つけられてるのに手抜いたら殺されるのね 相手が相手だから手加減もできないし」


小鬼群 『それはそうかもしれないけど…でもさすがに睨みつけまで使うのはやりすぎだよ 元提督でさえ封印してたのに』


ヲーちゃん 「でも元提督も使ったんだよね 川内たちと初めて会った時に」


小鬼群 『回避が異常だからね 元提督の攻撃は全部避けてたから仕方なく使ったんでしょ 私は避けたけど』


小鬼群 『自分がやられるかもしれないときでも優しくするからほんと危なっかしいよ まずいなら相手を倒す気でやってほしいのに』


ヲーちゃん 「それが元提督なのね どんな時でも優しくするのが元提督のやり方なのね」


小鬼群 『たしかにそうだね』


小鬼群 『まぁとにかく、今全海域に偵察隊が回ってるから十分に注意して 見つかったら攻め込むだろうから』


ヲーちゃん 「わかったのね 報告ありがとうなのね!」


小鬼群 『それじゃまたなにかあれば連絡する 気をつけてね』


ヲーちゃん 「わかってるのね 川内も気をつけてね」


小鬼群 『わかってるよ それじゃ』


ブツッ…



ヲーちゃん 「…」スゥ… 使い終わった携帯をしまう


ヲーちゃん 「…全海域は非常にまずいのね 完全に独占しようとしてるのね」


ヲーちゃん 「完全独占されると世界が終わるのね 海はいろんな国が別の国へと行き来するときに使う必要な場所…それが失われたら終わるのね」


ヲーちゃん 「海が独占されれば空も占拠されるのね 飛行機なんか飛ばしてると対空砲なんかで撃ち落とされる…」


ヲーちゃん 「それだけは絶対に防がないといけないのね 元提督のためだけじゃなく、世界のためにもなんとしてでも止めないといけないのね!」ググッ…


ヲーちゃん 「早く提督に知らせないと」タッタッタッ…











タ級 「んー…?この書類はどう書けばいいんだ?全然わからない」


レ級 「…海域の現状報告記録付けね 今んところ近場しか行ってないからなしでもいいんじゃない?どこか攻めてるわけでもないし」


タ級 「そんな適当な…さすがにこれは適当にしない方がいい 現状を記録しておかないと後々困るだろ」


レ級 「その時そのときだからいらないと思うけど…」



…ガチャっ


提督 「おーっす 書類の方はどうだ?うまく書けてるか?」


タ級 「提督 ちょうどいいところに来てくれた!」


レ級 「ほんとにちょうど良いタイミングで来たわね これでか書けるわね」


提督 「ちょうど良いタイミング?なんだ どうかしたのか?」


タ級 「書類の書き方がわからないんだ 海域の現状報告はなんて書けばいいんだ?」


提督 「あぁそれか それは後回しでいい 今のところ書ける内容がないからな」


提督 「…ヲーちゃんは?どっか行ったのか」


レ級 「ヲーちゃんなら提督の部屋で電話してるわ 盗み聞きしたら袋叩きにするって言ってたから今行かない方がいいわ」


提督 「…っえ 袋叩きにされるの?まじで?」


タ級 「うん 本人がそう言ってた」


提督 「(…袋叩きにするほど聞かれたくないなんて 一体誰と話してるんだ?)」


提督 「(聞かれたくないあたり…もしかしてマフラーを付けた新型深海棲艦か?そいつとなら聞かれたくないのも頷けるが)」



ガチャっ…


ヲーちゃん 「おまたせなのねー」


タ級 「っあ 戻ってきた」


レ級 「噂をすればなんとやらね」


提督 「ヲーちゃんちょっといいかな?話しがあるんだが」


ヲーちゃん 「なんなのね?」


提督 「……ちょっと書庫室まで来てもらっていいか?ここだとあれだから」


ヲーちゃん 「なんなのね なにかいやらしいこと考えてるのね?」


提督 「考えてないわ!!なんで書庫室に行くだけでいやらしいことに繋がるんだよ!!」


ヲーちゃん 「いやー書庫室って基本提督とヲ級以外行かないから人気のないところでなにかするんじゃないかなと思ったのね」


提督 「俺がそんなことするとでも思ってるのか?」


ヲーちゃん 「うん する」キッパリ


提督 「否定しろよ!!そんなこと一回もしたことないだろ!!あと誤解が生まれるからやめて!!」


タ級 「…てことは、お互い同意の上でヲ級とはしてるってことか?ふたりで人気のない場所によく行くってことは……」///


提督 「ほらもう誤解されてるよ!してないよ ヲ級とよく行くのは過去の記録を確認したり整理したりするためによく行ってるだけだから!」


提督 「ヲ級は秘書だろ?秘書だからそういうことをしてもらってるんだ 変に誤解しないでくれ」


レ級 「…あやしいわね 提督も男だからそういう事してもおかしくないわ」


ヲーちゃん 「うんうん」


提督 「男というのは否定しないけど俺には心に決めた艦娘がいる そいつ以外とはする気ないよ」


ヲーちゃん 「ふーん…そうなんだ」


提督 「信用してないな…まぁいい それよりも早く行って話がしたい 変なことはしないから安心してくれ」


ヲーちゃん 「了解なのね それじゃちょっと行ってくるからまた書類頼むのね」


タ級 「帰ってきたら今度こそ教えてくれ マジでわからないところがあるから」


ヲーちゃん 「了解なのね」タッタッタッ…


ガチャッ…パタンっ








書庫室



ガチャッ


提督 「……誰もいないかな?」タッタッタッ…


ヲーちゃん 「確認するのね」タッタッタッ…パタンッ


提督 「…」タッタッタッ…


ヲーちゃん 「……いなさそうなのね」タッタッタッ…


提督 「なら平気だな それじゃ伝えたいことを話すよ」カタッ…ストンッ 書庫室に備え付けられてる机の椅子にお互い座る


ヲーちゃん 「了解なのね わたしも伝えたいことがあるからなるべく早めにお願いなのね」


提督 「ヲーちゃんも?わかった それじゃさっそく本題に入ろう」


提督 「鳳翔のことなんだが万が一、奴らが攻めてきて劣勢だった時に限り 装備を渡して手伝ってもらうことにした」


提督 「元最高提督の下について、尚且つ一軍に所属してたから腕は確かなはずだ お前とも仲がいいから少なからず信用はできる」


提督 「みんなは反対するだろうがなんとか納得してもらえるように言いわけをするから安心してくれ それが伝えたかったことだ」


ヲーちゃん 「…鳳翔から協力するって言われたの?提督から協力してくれなんて言わないと思うのね 」


提督 「まさにその通りだ 俺からはさすがに言えないよ 反乱軍指揮官の立場上、そんなこと言えるわけがない」


提督 「檻に容れられて無防備な状態で殺されるなら俺たちに協力して敵を倒すほうがいいと言ってな 自ら申し出てくれた」


提督 「ヲ級を倒すほどの相手だ 腕があるやつが参加してくれるのはありがたい 装備もこまめに整備しないとな」


提督 「俺の伝えたかったことはこれくらいだ ヲーちゃんの伝えたいことはなんだ?」


ヲーちゃん 「私の伝えたいことは新型深海棲艦が全海域に偵察隊を送ったことなのね 前に話した味方の新型深海棲艦が情報を送ってくれたのね」


提督 「ーっなに!?ぜ、全海域に!?」


提督 「まさか奴ら全海域を占領する気か!全海域に回せるほどの軍勢がいるということは軍事力もかなりあるということか…」


提督 「そうなるとかなりまずいな それほどの軍勢が攻めてきたら俺たちの基地は愚か、海軍の方もタダじゃ済まない」


提督 「いくら鳳翔が手伝ってくれてもキツいぞ…全員分の装備が出来ても勝てる見込みがない」


提督 「(ここがバレるのも時間の問題か なんとかバレずにやり過ごしたいがもはやそんなこと言ってられない)」


提督 「(全海域を独占されたらその時点で俺たちの拠点は機能しなくなって崩壊する 資源はもちろん、行動すら取れなくなる!)」


提督 「(なんとかしないと…だが一体どうすれば!)」


ヲーちゃん 「…提督 最後まで話を聞くのね 誰もそんなに軍勢がいるなんて言ってないのね」


提督 「…っえ」


ヲーちゃん 「たしかにそれなりにはいるみたいだけど、さすがに全海域に回すほどの軍勢はいないのね」


ヲーちゃん 「回せても三人一組でひとつの海域に偵察させるって言ってたのね だからまだそこまで警戒しなくても平気なのね」


提督 「そっそうか 三人一組で偵察か ならまだ余裕があるな…」ホッ


提督 「(焦った…かなりの軍勢で偵察して敵を見つけ次第潰しにくるかと思った 三人一組ならそれはない)」


提督 「(だけどすぐ攻めてこなかったとしてもバレたらまずい 偵察隊がどこから見てるかわからないから警戒はしないと)」


提督 「(警戒すると言ってもどうするか 新型深海棲艦は見た目が小さいから肉眼で確かめることは難しい レーダーで探知できればいいがそんなズボラなことはしてこないだろ)」


提督 「(俺なら偵察させるならステルス装備を付けさせて出させる 装備も最低限で抑えさせて絶対的に探知させない)」


提督 「(…即席で高性能のレーダーを作っとこう 効果があるかわからないが)」


ヲーちゃん 「私の伝えたいことはこれで終わりなのね …なにか対策思いついた?」


提督 「…とりあえず即席で高性能なレーダーを作る 探知できるかまではわからないが何個も作って遠征させるみんなに持たせる」


提督 「あとは敵がレーダー使っても探知しにくくなるようにステルス機材を付けさせる 資材調達はしてもらわないとまずいからな」


ヲーちゃん 「迷彩効果のある服は付けなくていいのね?」


提督 「あれ付けると瞬時の動きに支障が出るからあまりな…正直、あまり付けさせたくない」


提督 「それにみんなに不評だし…見た目がわるいとかかわいくないとかで着てくれないしな」ハァ…


ヲーちゃん 「たしかに可愛くないのね まぁそれ以前に迷彩効果のある服がかわいかったらいろいろ問題なのね」


提督 「ほんとだよ かわいくしたら迷彩の意味がない」


提督 「レーダーで探知できなかった用に双眼鏡も作っておくか 倍率もかなり高めにしとこう」


ヲーちゃん 「すぐできるのね?」


提督 「双眼鏡と即席のレーダーなら六人編成のうちひとりに渡せるぐらいすぐできる 明日までにはできるだろ」


提督 「あとは拠点に備えてある探知機もより良くしておこう 固定なら持ち運ばなくていいからいろいろと付けられる」


提督 「主砲よりも先にそっちを作らないとな…資材には余裕あるからとりあえず六人編成にひとりに持たせる分を即席で作って、作り置きしてるステルス装備を装備させてより敵に気づかれにくく見つけやすいようにしないと」ブツブツ…


ヲーちゃん 「…なにか手伝うことあるのね?装備を作るのは無理だけどなにか手伝えることがあるなら手伝うのね」


提督 「ありがとう でも平気だ 装備開発は俺とネ級でするからヲーちゃんはみんなの管理を頼む」


提督 「ヲーちゃんはレ級やみんなと気軽に話しかけるからそれを利用して今の緊迫した空気を沈めてほしい ヲ級とケンカしたのがまだ残ってるから」


ヲーちゃん 「できる限りはするけど…なんか利用してって言い方がいやなのね」


提督 「あっごめん…」


ヲーちゃん 「まぁいいのね それじゃ伝えることは伝えたからなにか言ったらすぐ言って欲しいのね」


ヲーちゃん 「くれぐれも私から聞いたなんて言わないでね?」


提督 「わかってる 気をつけるよ」













夜ー南方海域



ザザァ…ザザァ……


…ザー……


小鬼群 「…」ザー… 酸素魚雷を装備して辺りを探索している


小鬼群 「…」ジジ…ジジ… 電探を使い辺りに敵がいないかを確かめている


小鬼群 「…」キョロキョロ… 辺りを見渡して肉眼で敵を捜索してる


小鬼群 「……キャハハ?」電探を持ってる小鬼群に首を傾げて探知できたかを確認する


小鬼群 「キャハハ…」フルフル 電探で反応はないと横に首を振る


小鬼群 「………」キョロキョロ…


小鬼群 「…キャハハ?」もうひとりの小鬼群に移動するかと話しかける


小鬼群 「キャハハ」コクンッ 移動すると頭を縦に頷く


ザー… 近くに存在する陸地に向かって進んでいく













朝ー工房



提督 「」バチバチ… 装備作成中


ネ級 「」ギィィー!!… 同じく装備作成中


提督 「……ふぅ これで簡易的電探の数は揃った ネ級そっちはどうだ?」コトッ


ネ級 「あとちょっと…よし こっちも終わったよ」カチャカチャ…カタッ 六人編成のうちひとりに持たせる分の双眼鏡を作り終える


提督 「ふー…やっとおわった 明日までには作らないとと思って作ってたが朝になっちまった かなり時間かかったな」


ネ級 「こんだけ作ればこのくらいかかるよ なにもすぐに全編成体分作らなくてもよかったのに」


提督 「すぐにでも警戒しないとバレたらまずいからな 急いで作りたかったんだ」


提督 「よしこれを六人編成のひとりに渡すぞ 渡したら寝よう…徹夜でやってたから眠い」ウトウト


ネ級 「ほんとだよ…私も寝たいよ」ウツラウツラ…


提督 「先に休んでいいよ 俺はヲ級にできたことを伝えて任せるから」スッ… 携帯を取り出してヲ級に電話をしようと…



ガチャッ…


ヲーちゃん 「おはようなのね 提督起きてる?」タッタッタッ…


提督 「ヲーちゃん おはよう こんな朝早くどうしたんだ?」


ネ級 「っ…」ウトウト… 床に座ったまま眠気が襲ってきて睡魔が襲ってきてる


ヲーちゃん 「…先にネ級を部屋まで運んで寝かせてあげた方がいいのね ネ級眠たいなら運ぶのね」


ネ級 「…いや、少しここで寝るからいい ベッドで寝ると汚れる…でもお風呂は起きてからがいい」ボー…


ヲーちゃん 「でもここで寝ると身体中痛くなるのね 敷布団とかあればいいんだけど…」


提督 「座椅子ならあるぞ 少し休むのに燃えにくい繊維で作ったやつがここに」タッタッタッ…カチャッ


ヲーちゃん 「ならあとは毛布なのね さすがにかけるものがないと…」チラッ


ヲーちゃん 「…私のマント貸すのね これで寝るのね」パサッ


ネ級 「いやいいよ 汗だくで鉄粉まみれだから汚れるし」


ヲーちゃん 「汗が冷えて風邪ひかれると困るのね 汚れても洗えばいいだけだから使うのね」パサッ


ネ級 「わぷっ!…強引だね でもありがと」ポスッ


ヲーちゃん 「提督はもう少し起きてほしいのね 指揮を出す前に知らせたいことがあるのね」


提督 「知らせたいこと?ここじゃダメなのか」


ヲーちゃん 「直接見た方が早いのね 基地の外に出て浜辺に行くのね」


提督 「浜辺に?わかった」


ネ級 「すー…すー……」


タッタッタッ…








反乱軍基地近く浜辺



提督 「………」


ヲーちゃん 「…朝散歩がてらに来たらこの跡があったのね 昨日の夜、誰もここには来てないよね?」



砂様に残された足跡 「」ザザァ…ザザァ… 複数人のものと思われる足跡がくっきりと残されている


提督 「…誰も来てないはずだ 夜間遠征も出してないし夜はみんな基本外に出ない」


提督 「出たとしてもひとりで出ると思う 複数人で出るとは思えない」


ヲーちゃん 「足跡的に三人だと思うのね 全部同じ足跡だけどひとりでこんな変な歩き方はしないのね」


ヲーちゃん 「新型深海棲艦は三人一組だからおそらく小鬼群の可能性が高いと見てるのね 提督はどう思う?」


提督 「まったくお前と一緒だ 俺もこの足跡は新型深海棲艦のものだと思う」


提督 「基地の壁材にはステルス機材を付けてるからおそらくそのおかげで俺たちの基地はバレなかったんだろ」


提督 「でもまさかこんなにも早くここを目つけられるなんて…ヲーちゃん ここに基地があることは小鬼群の味方に話してあるのか?」


ヲーちゃん 「話してないのね 私も相手もどこに基地があるかはあえて口に出さなかったのね」


ヲーちゃん 「いくら仲間同士でもいろいろあるからそれはお互い伏せたのね だからここを的確に上陸したのはほんとに偶然だと思うのね」


提督 「…そうか」


提督 「(最低限の探知機は設置してたはずだが…反応してなかったよな もし反応してたら基地全体に警報がなるはずだ)」


提督 「(やっぱりステルス系の装備をしてたのか 偵察隊だから付けてるとは思ってたが)」


提督 「(となるとまた急ぎで今付けてる探知機より良いやつを作らないとな もしこの孤島を調べられたら基地があることがバレる バレることだけは避けないと)」


提督 「このことは誰にも言ってないか?」


ヲーちゃん 「言ってないのね 他のみんなに言ったら騒ぎになるから提督にしか話してないのね」


提督 「良い判断だ 俺も同じ考えだ」


提督 「あまり遠征に出したくないが資源がなくなったら困る 今日の遠征は最小限で出そう」


提督 「ヲーちゃんはレ級を見ながらみんなのことを頼む さすがの俺も徹夜明けだから眠気が…」ウトウト…


ヲーちゃん 「わかったのね 今日ヲ級はどうするのね?」


提督 「ヲ級には工房に置いてある装備の整備を頼む 俺もネ級も寝るから整備するやつがいない」


提督 「整備不良さえなければいいから素人でも平気だ 全員分見ればそれなりに時間かかるだろ」


提督 「…言っちゃ悪いが今のヲ級に管理を任せたくない お前とケンカしてるから下手にさせるとまた切れて暴れかねない」


提督 「レ級のこともあるから尚のことさせたくない なんとかしないといかないんだがあいつが荒れると基地全体的に混乱を産むから任せたらなにされるか…」


ヲーちゃん 「…それは提督が言ってくれるのね?私が言うと突っかかれる可能性が高いのね」


提督 「それは俺が言うから安心してくれ ヲーちゃんが言ったら絶対問題が起きる」


提督 「念のためヲ級にもこのことを話しとく 騒ぎを起こさないよう伝えとく」


提督 「もう起きてるだろうから説明したら俺は寝る なにかあればすぐ起こしてくれ」


ヲーちゃん 「わかったのね」








工房



ネ級 「すー…すー……」


提督 「すぅ…すぅ……」自分も汗とかで汚れてるから部屋で寝ずここで掛け布団だけかけて壁に寄りかかりながら寝てる


ヲ級 「…」カチャカチャ…


ヲ級 「(…うん 飽きた てかなんで私整備なんてしてるんだ)」ドンッ!!


ヲ級 「(たしかに大事なことだがこれ私じゃなくて他のやつでも良かったんじゃないか?しかも演習に行かせてる数を減らしてるから回せるだろ)」


ヲ級 「(しかもだ なんで私ひとりにやらせる?手空いてるやついるだろ 他の奴にも頼めよ)」


ヲ級 「…にしても、まさかここまで新型深海棲艦が来てるとはな 浜辺に足跡が残ってたなんて」


ヲ級 「(あいつらの回避や火力は異常だから攻め込まれたらひとたまりもない 運良く基地は見つからなかったみたいだが)」


ヲ級 「(基地の防衛システムも反応しなかったからステルス機材を積んでることは間違いない 孤島全体に敵が入ってきたらすぐ知らせてくれる提督お手製の電探が常に警備してるのに反応しなかった)」


ヲ級 「(定期点検はしてたから壊れてることはありえない 提督がこの基地のことで手を抜くとは思えない 整備は怠っているはずがない)」


ヲ級 「(あの小さいどもならともかく、あのでかいヤツには勝てる気がしない 46cm連装砲で打ってもまったく歯が立たなかった)」


ヲ級 「(あいつを倒すとなるともっと強力な武器が必要だ 提督が試製51連装砲を作ってくれてるがあれで倒せるとは思えない)」


ヲ級 「(もっと強力な武器を作ってほしいが無理はさせられない ひとつ作るのでさえ大変なのにみんなの分となるとさらにたいへん…無理して体調崩されてもこまる)」


ヲ級 「(作れるヤツがもっといればいいんだが…今から誰かを選んで育て上げるのはあまりにも時間がかかりすぎる 効率よくない)」


ヲ級 「(工作艦はうちの基地にはいない 工作が趣味だったネ級を工作艦代わりに仕立てあげて最低限はなんとかなったが圧倒的に不足してる)」


ヲ級 「(どうしたものか…)」



…ガチャッ


ヲーちゃん 「邪魔するのね」


ヲ級 「…なにしにきた?邪魔しに来たなら出ていけ」


ヲーちゃん 「暇になったから手伝いに来たのね さすがにこの量をヲ級ひとりにやらせるのは酷だと思ってね」タッタッタッ…


ヲ級 「お前の手なんか借りなくてもひとりでできる 裏切り者なんかに主砲を触られたらなにされるかわからん」


ヲーちゃん 「新型深海棲艦を対処してる状況でそんな変なことしないのね 時と場合ぐらい考えるのね」スゥ…


ヲ級 「どうだか」


ヲ級 「…なにを企んでる?」


ヲーちゃん 「別になにも企んでないのね 普通に大変だと思ったから手伝いに来ただけなのね」


ヲーちゃん 「裏切り者だと知られてる時点で仲を取り戻そうなんてさらさらないのね そっちがなにもしてこなければ私も手を出す気はないけどね」


ヲ級 「…」カチャカチャ…ジロッ


ヲーちゃん 「そんな睨みつけなくても真面目にやるのね 今ヲ級と殺り合うより新型深海棲艦を排除する方が先なのね」カチャカチャ…


ヲーちゃん 「海軍の方も提督の対策より新型深海棲艦の対策をしてるはずだから気にすることもないのね むしろ目的が同じなら共闘してもいいくらい…」


ヲ級 「誰がするか 海軍なんかと手組んでたまるか」


ヲ級 「新型深海棲艦を倒してる最中に裏切られるのが目に見えてる とくにお前がいるんだからよけいにな」ギロッ


ヲーちゃん 「あいにくだけど私はここの情報をなにひとつ漏らしてないのね 裏切り者ではあるけどまだ裏切ったということはしてないのね」


ヲ級 「それを信じるとでも?」


ヲーちゃん 「信じる信じないはあなたが決めることなのね 信じたくなければ信じなくていいのね」


ヲーちゃん 「ただそれで裏切ったと証明する確証がないのに攻撃してきた場合には本気で殺るのね 変な行動はしない方がいいよ」ギロッ


ヲ級 「…っち」カチャカチャ…


ヲーちゃん 「…」カチャカチャ…


ヲ級 「…」パチンッカチャカチャ


ヲーちゃん 「…ヲ級 ヲ級の目的はなんなのね」


ヲ級 「そんなの決まってるだろ 全ての海域を独占することだ」


ヲ級 「深海棲艦はみんなそうだ 海を支配して私たちの領土にする それ以外はない」


ヲーちゃん 「それで海軍が邪魔なのね?」


ヲ級 「そうだ 海軍があるから占拠できない 海軍さえ潰してしまえばあとはどうにでもなる」


ヲ級 「…と思っていたがあの忌々しい新型深海棲艦のせいで手間が増えたがな しかもこの私を轟沈一歩手前まで追い詰めたほどだ そう簡単には倒せないだろう」


ヲ級 「海軍よりも厄介だ 海軍もあいつらを優先してるならとりあえずは海軍は置いとくが…」


ヲーちゃん 「…協力すれば私も全力であいつらの対処するのね する気はないのね?」


ヲ級 「ない」ズバッ


ヲーちゃん 「…」


ヲ級 「おまえがなにを考えて私を誘うのかわからない 入っても裏切られることぐらいわかってるだろ」


ヲーちゃん 「それを説得するのが私なのね 敵でも味方についてくれれば私がなんとかするのね」


ヲ級 「甘い考えだな 利用されて終わりだ」


ヲ級 「そう上手くいくと思うなよ 私がどれだけ艦娘に危害を加えたと思ってる?」


ヲ級 「今までこの近くに来た艦娘はもちろん 遠出で見つけた艦娘を大破させてきたんだぞ」


ヲ級 「提督が沈めるなと言うから今まで沈めなかったが私は沈める気でやってた そんなやつを仲間にするか?」


ヲ級 「私ならしない するわけない 裏切ることがわかってるやつを仲間にするわけないだろ」


ヲ級 「バカなこと言ってないでさっさとやれ もしくは出ていけ」カチャカチャ…


ヲーちゃん 「……手出したなら最後までやるのね そんな無責任なことはしないのね」


ヲ級 「真面目なのかバカなのかわからないな …まぁいい やるならやれ」


ヲーちゃん 「言われなくてもするのね」


ヲ級 「…」カチャカチャ…


ヲーちゃん 「…」カチャカチャ…


ヲ級 「(…ほんとにこいつはなに考えてるかわからない まさかこの私に協力要請をかけてくるとは…)」


ヲ級 「(裏切られるとわかっているのになぜ仲間にしようとする?海軍と深海棲艦が共闘するなんて考えられない いいように使って用が済んだらポイされる)」


ヲ級 「(疲れきったところを突かれたらいくら私がいても他のみんなが万全じゃなければさすがにやられる 海軍は一部が疲れても数が多いから挽回が効くからこちらから倒すことはできない)」


ヲ級 「(まさかそれを呼んで利用しようと…?)」チラッ


ヲーちゃん 「…」カチャカチャ…ガチャンッ


ヲ級 「(…いや そんなこと考えてなさそうだな こいつがそんな姑息なことを考えるとは思えない)」


ヲ級 「(いつもど正直で正々堂々戦って実力を見せてくるやつがわざわざ裏を考えるなんて思えない こいつは超がつくほど真面目だ)」


ヲ級 「(ほんと純粋に私を仲間に引き入れてるのか…ばかだ ほんとにバカだ)」


ヲ級 「(ほんとに理解できない 考えれば考えるほどわからなくなる なにを考えてるんだほんとに!)」


ヲ級 「(海軍と深海棲艦が手を取り合うとほんとに思ってるのか?そんな夢物語が現実になると思ってるのか)」


ヲ級 「(ありえない 断じてそんなことが起きるなんて考えられない!!もしそれが現実になれば今までの戦いはすべて無意味になる!なんのために深海棲艦は海を支配しようとしたんだ!!)」


ヲ級 「(私が深海棲艦になった理由だって無駄になる!一体なんのために私は深海棲艦になったんだ!!)」


ヲ級 「(すべてを無駄にさせない 他のみんなは賛成したとしても私は絶対に反対する!)」


ヲ級 「(提督も賛成したら脅してでも私の方に賛同させる 裏切りなんかさせない!!)」ギリッ!!


ヲーちゃん 「……」ピリッ…


ヲーちゃん 「(ヲ級からものすごい殺気を感じるのね 尋常じゃないほど出て背中が寒い……)」ゾクッ…


ヲーちゃん 「(やっぱり一番厄介なのはヲ級なのね 提督はなんとかなるけどヲ級だけは一筋縄じゃいかない)」


ヲーちゃん 「(過去に仲間から侮辱されて自ら深海棲艦になったんだからそんな簡単には納得するはずないとはわかってたけど…)」


ヲーちゃん 「(でもなんとかしないといけないのね 提督のことは元提督に任せてるから私はヲ級を納得させるのね)」


ヲーちゃん 「(侮辱されたことを忘れろとは言わないけど話せばなんとかなるはずなのね なんとしてでも納得させないと!)」


ヲーちゃん 「(……絶対にやりたくないけど、最悪の場合は………)」


ヲ級 「………」カチャカチャ…


ヲーちゃん 「…ヲ級 ひとつだけ警告しておくのね」


ヲーちゃん 「わたしはあきらめが悪いからしばらくはヲ級を説得するのね 敵として見てるけど仲間にしたいという気持ちもあるのね」


ヲーちゃん 「……でも私があきらめたときは覚悟するのね もしその時が来たら………」スゥ…


ヲーちゃん 「【死ぬことよりも恐ろしい地獄を見せてあげるね?】」ニタァ 万遍な笑みでヲ級を見る


ヲ級 「ーっ!!?」ゾクゥッ!!バッ 不気味な気を感じ取り即座にヲーちゃんから離れる


ヲーちゃん 「…どうしたのね?ヲ級 いきなり私から距離を取って なにか感じた?」スゥ… すぐに表情は戻り元の顔へと完全に戻る


ヲ級 「ーっ…」ガタガタ…


ヲ級 「(な、なんだ今の気は?ヲーちゃんがにやけた顔を見せてきたら体が勝手に…!!)」タラー…


ヲ級 「(震えも止まらない…まさか、この私が恐れている……?ただヲーちゃんがにやけただけで……!?)」ガタガタ…


ヲーちゃん 「…震えてるのね 体が悲鳴をあげてるのね」クスッ


ヲーちゃん 「そんなに怖かった?私のにやけ顔 普通ににやけただけなんだけど」


ヲーちゃん 「まぁ普段にやけないから見慣れてないよね にやけるとどうしても相手が怖がっちゃうから」


ヲーちゃん 「わたしがにやけた顔は狂気じみてるって言われるのね 不気味で背筋が凍るような感覚を味わって恐怖に落ちる…」


ヲーちゃん 「ヘタしたら仲間同士で殺されるかもしれないとまで言われたのね さすがにそれはショックだったのね」


ヲーちゃん 「それ以来万遍な笑みでにやけることはしなくなったのね 相手をこわがらせるわけにいかないし、なによりそれがトラウマになってもこまるからね」


ヲーちゃん 「でもあなたの場合は違うでしょ?ただ恐怖に落ちただけでトラウマや戦意喪失までは落ちてないのね」


ヲーちゃん 「ヲ級程の実力を持ってるやつがそんなことだけでやれるわけがない やられるわけがない…そうでしょ?」ニタァ


ヲ級 「…あぁそうだ たしかにお前のにやけ顔は怖かった 今までに感じたことない恐怖を感じた」


ヲ級 「睨んだだけで相手を大破させるのも脅威的だがにやけただけでこの私を怯えさせるとは…」


ヲ級 「だがそれと同時にお前だけはぜったいに倒さないといけないとも思った お前を生かしてたら私の計画が台無しになる」


ヲ級 「それだけは絶対にさせない 確実にお前を殺す!」ギンッ!!


ヲーちゃん 「やってみるのね 殺せるならね?」ニタァ


ヲーちゃん 「まぁそれとは別に早く整備するのね ちゃっちゃと終わらせて暇を作るのね」


ヲ級 「んなのわかってる 手抜くなよ」


ヲーちゃん 「そんなことしないのね 新型深海棲艦を倒すまでは裏切らないのね」


ヲーちゃん 「倒し終わっても裏切る気はないけど…ヲ級がわたしの説得に応じてくれればそんなことしなくて済むのね」


ヲ級 「お前の話なんか聞くわけないだろ 私は自分の計画を完遂させるために動いてるんだ」


ヲ級 「だからいつかは殺し合いになる その時まで今は一時休戦だ」


ヲーちゃん 「…そうなのね わかったのね」


ヲ級 「…」カチャカチャ…


ヲーちゃん 「…」カチャカチャ…













基地付近近海



ザァー…


ホ級 「…」ザー… 辺りを見渡して警備中


イ級 「…」ザー…


ロ級 「…今のところなにもいないですね」ザー…


チ級 「そうだな 今のところはな」ザー…


ワ級 「このまま何事もなければいいですが…」ザー…


カ級 「フラグを立てるな なにかあるのは困るんだ」ゴポポ…


ホ級 「たしかに」


イ級 「…」コーン…コーン… 装備してるレーダーを使って敵がいるかを確かめてる


チ級 「…どうだ?反応はあるか」


イ級 「いいえ反応ありません 半径二十km以内にはいないようです」


イ級 「ステルス機材を付けられてたらさすがにわかりませんが電探は異常なしです」


チ級 「わかった」


ホ級 「こちらホ級隊異常なし 他はどうだ?」ジジッ…


無線機 『こちらも異常なし 引き続き捜索する』


無線機 『こっちも異常なしだ とくに問題はない』


無線機 『鳥だったら飛んでるぞー』


ホ級 「鳥ならこっちでも飛んでるわ ふざけてないで真面目にやれ」


無線機 『はーい』


ホ級 「他のところも異常ないようだ 引き続き警備するぞ」


全員 「「了解っ!!」」


ザー…













提督室



タ級 「…なぁレ級 なんで私はまた秘書をやってるんだ?」カリカリ…


レ級 「わたしが知るわけないでしょ ヲーちゃんに言われたからやってるんでしょ」


タ級 「レ級も頼まれてたよな 手伝ってくれよ…」


レ級 「私が見てもわからないわよ…」


タ級 「適当でいいから書いてくれ!私ひとりじゃ荷が重すぎるよ秘書の仕事なんて!」


タ級 「秘書経験のないわたしに頼むことじゃないぞ ヲーちゃんは適当にやってると言ってたが今後のことを考えたらちゃんと書かないと…」



ジジッ…ジジッ…


タ級 「っ! 無線機か 偵察隊か?」スゥ…カチッ 提督室に備え付けられている無線機に手を伸ばし小波数を合わせ受話器を取る


タ級 「もしもしこちらタ級 応答を頼む」


ホ級 『こちらホ級偵察隊 現在怪しい影ひとつないことを報告』


ホ級 『他の隊も異常なしだと通信でやり取りをした 現在は安全だろう』


タ級 「了解 異常がないなら帰還してくれ 一時間後別の部隊に偵察を行かせる」


タ級 「今日のお前たちの仕事は終わりだから帰ってきたら自由だと伝えられてる 明日に支障ないようにしてくれ」


ホ級 『了解 それじゃ帰還する』ブツッ


タ級 「…異常なしか なにもなくてよかった」カチャッ


タ級 「今日の記録に付けておかないと 現時刻、異常なしっと」カリカリ…


レ級 「…様になってるじゃない ちゃんと報告聞いて記録するの」


タ級 「あとで提督に報告するとき見せるからな これはちゃんとしとかないと」カリカリ…


タ級 「口で説明してもいいが紙に書いて見せた方が手間が省ける…これでよしっと」


タ級 「レ級も今のところ問題ないか?見た感じ異常なさそうだが」


レ級 「問題ないわ とくになにか思い出してもないし身体に異常も起きてないわ」


タ級 「了解 それも記録しておくよ」カリカリ…


タ級 「なにかあったらすぐ言えよ?無理して体調崩されても困るから」


レ級 「えぇ ちゃんと報告するわ」













夜ー新型深海棲艦の基地



コツコツコツコツ…


小鬼群(川内) 「…」コツコツコツコツ…


小鬼群(川内) 「…」コツコツッ


ガチャッ


小鬼群(川内) 「邪魔するよ」


? 「…相変わらずノックしねぇ野郎だな貴様 何度言えばわかる?」


小鬼群(川内) 「別にいいでしょそんなこと それより今日の報告書だよ」バサッ


? 「……ご苦労 やはりお前の字は見やすくていい ほかのやつが書くと汚くて読めん」


? 「お前他の奴らに字の練習させろ 全員ちゃんとした字を書けるようになればお前だけに任せなくて済む」ペラペラ…


小鬼群(川内) 「無理だね あいつらすぐ忘れるから何度教えても無駄だよ 現に何回も教えてるし」


小鬼群(川内) 「仲間のことは覚えてるのに不思議だよね わけがわからないよ」


? 「最低限の知識はあるようでいいがな これで仲間にも攻撃するなんてことになったら容赦なく俺は殺してる」


? 「まっお前だけでも書ければいいか 奴らの書いた汚い報告書をお前が書き直ししてくれれば問題はない」


小鬼群(川内) 「私からしたら負担しかないけどね」


? 「ちげぇねぇな」ペラペラ…


? 「…んだよ とくにめぼしい情報ないのかよ つまらねぇな」パサッ


? 「しかも誰も戦闘してないのか せめて一組ぐらい戦って死んでこいよ」


小鬼群(川内) 「死んでこいって…それ私の前で言わないでくれるかな?はっきり言ってイラつくんだけど」ビキッ


? 「お前がイラついたところでなーんも怖かねぇよ …まぁでも一応謝っておこう お前は他の奴らと違って話しや字が書けるからな」


? 「お前以外はまともじゃねぇから扱いづらくてたまらん 今はお前に死なれると困るからお前だけは生きて帰ってこい」


小鬼群(川内) 「腹立つ言い方だね なに私の生きる権利あんたが持ってるの?聞いたことないんだけど」


? 「ここの管理下は俺がしてる お前たちを生かすか死なすかは俺の自由だ」


小鬼群(川内) 「ずいぶんと自分勝手なことだね そんなんだとみんないなくなるよ」


? 「ここから出ても行き先ないのにどう居なくなるって言うんだ?俺たちは第三勢力なのに」


? 「深海棲艦とも敵同士でここから出ても路頭に迷うだけだ 逃げたくても逃げられんよ」


小鬼群(川内) 「ひとの弱みを握るなんて最低だね」


? 「なんとでも言え」チャラ… 首に下げてる756の数字がぶら下げられたネックレスを揺らせる


小鬼群(川内) 「…ねぇそのネックレスって一体なんなの?ずっと気になってたけど数字の飾りをぶら下げて」


? 「これか?これはおれの存在を証明してるんだ」


? 「これがなくなったら俺は俺じゃなくなる 存在するのに存在しなくなるだ」


川内 「…どういうこと?なくなったら存在しなくなるって」


? 「そのままの意味だ とにかくこれは俺にとって大事なものだ もう説明させるな」


小鬼群(川内) 「…わかった」


? 「もう今日は休め 明日もあいつらの面倒を任せるぞ」


小鬼群(川内) 「自分で命令させればいいのに…命令すれば聞くんでしょ?なに言ってるかは理解できないみたいだけど」


? 「いちおうな 聞くには聞くがなにか問われた時になに言ってるかはわからんからわかるかと言って終わらせてる」


小鬼群(川内) 「一方的だね…」


小鬼群(川内) 「…はぁ まぁいいや それじゃ先上がらせてもらうよ」タッタッタッ…ガチャッ


? 「…なぁ ちょっと聞いてもいいか」


小鬼群(川内) 「なに?」


? 「……おまえ、この数字が飾られたネックレスをしてるやつ 見たことあるか?」チャラ…


小鬼群(川内) 「…ないけど いきなりどうしたの?」


? 「いやなに このネックレスのことを聞いてくるやつは今までいなかったからなんで気になったのかと思ってな」


? 「お前以外のやつはみんななに言ってるかわかんねぇから知らんが聞いてきたやつはお前が初めてだ どこかで見たことあんじゃねぇのかと思ったんだ」


? 「もし知ってたら教えろ 【とくに1と6のネックレスしてる奴なら尚のこと言え】」


小鬼群(川内) 「1と6?…なんか他の奴と違うの?(1と6…元提督が付けてたネックレスと一緒だ!)」


? 「そいつは俺の息子だ 出来損ないのな」


小鬼群(川内) 「っ!?」


小鬼群(川内) 「(息子!?元提督が!?うそでしょ!?)」口に出そうになったがグッと堪えて頭の中で叫ぶ


小鬼群(川内) 「(元提督の親は昔戦争で死んだって聞いたのに…なんで生きてるの!?それに出来損ないって…)」


小鬼群 (川内) 「…息子が出来損ないってどういうこと?生まれて来なければよかったってこと?」


? 「いやちがう 生まれてはよかった あいつはかなりの戦力になって前線には必要不可欠な存在だった」


? 「だが性格が残念だった 俺の息子は戦闘民族なのに優しさを持っていた」


? 「死んで当たり前の戦争にあいつは仲間を守ることを専念して前線に立っていた…俺の息子でありながらふざけた野郎だ」


? 「仲間なんて気にしてると自分の身を滅ぼす 弱いものは見捨てて強いものだけが残ればいい」


? 「そう何度も教えたのにあいつは頑として聞かなかった 仲間を失えば戦力を失うと反論してよく殴り合いをしていたよ」


小鬼群(川内) 「わたしもその息子に賛成だけど 仲間を失ったら戦力を失うし弱くてもできることはある」


? 「それがいけないんだ 弱いやつは弱いまま、役に立てることなんて限られてる そんなことをやらすなら切り捨てた方がいい」


? 「戦場は甘くねぇんだよ てめぇは素人か?」ギロッ


小鬼群(川内) 「どっちが素人なんだか 私から見ればあんたの方がよっぽどトーシローに見えるけどね」


? 「…言うじゃねぇか ならどっちが正しいかやってみっか?」ムクッ…


小鬼群(川内) 「いいよかかってきな 本気で潰すから」ギロッ


? 「………」ゴキゴキッ!!


小鬼群(川内) 「…」ボゥッ!! 片目から青い炎を出して本気になる


ピリピリ…!!!! 周りに張りつめた空気が漂い気迫だけで置いてあるものや壁にヒビが入りそうな程緊迫している


小鬼群(川内) 「…」スゥ… 先手を取ろうと手を構え…


? 「…ほぉ?この俺の睨みに臆さないとは なかなかやるじゃないか」


? 「少々お前のことを見くびっていた 構えを解け」


小鬼群(川内) 「解くならそっちが先じゃないかな?殺気が出っぱなしだけど」


小鬼群(川内) 「解いた瞬間に隙を突こうとしてるでしょ バレバレだよ」


? 「……くくっ」


? 「くくく…かーっかっかっか!!おいおいまじかよ まさかそこまで先読みしてくるたァ思ってなかった お前相当の手練だな?」


? 「そこまで手練だと深海棲艦になる前の記憶残ってるだろ じゃなきゃそんな思考にならない」


? 「教えてみろ お前元々なんだったんだ?まさか駆逐艦じゃないだろうな」


小鬼群(川内) 「さぁてね どうだろうね?私は昔の記憶なんて存在しないよ」


小鬼群(川内) 「もし覚えてたとしても教える気なんてない ましてあんた相手だと特にね」ギロッ


? 「言うじゃねぇか この俺には特に言いたくないなんて、昔の俺ならぶん殴ってでも吐かせてただろうな」


? 「…まぁいい 今はそんなことどうでもいい お前が誰であろうと関係ねぇ」


? 「強いことには違いない この基地で三番目に強いのはお前だからな 戦力となるやつを今この状況で失うわけにはいかない」


? 「命拾いしたな 強くてよかったな」スゥ…ストンッ 殺気出すのをやめて椅子に座る


小鬼群(川内) 「どっちが命拾いしたんだか それじゃ今日の執務終わりにするから」ガチャッ


? 「あぁ ゆっくり休め また明日も頼むぞ」


小鬼群(川内) 「気が向いたらね」タッタッタッ…ギィィ


パタンっ…


? 「………」


? 「…あいつ、俺の息子だって言った瞬間に動揺してたな 俺の息子知ってるのか?」


? 「無理矢理聞いてもよかったが今は別にいい あいつよりもまずは海を取らなくてはな」


? 「海を支配出来ればあとは徐々に各国の領土を支配する 俺に逆らうやつは皆殺しだ!」


756 「コードネーム・756 通称ナゴロの俺がすべてを支配してやる あのバカどもの連中の夢を叶えるなんざ俺はどうでもいい 俺は俺の好きなことをする!」


756 「あいつらからの支配下が外れた今 俺は自由を手に入れた!命令されてた日々から逃れることができた!」


756 「あんな奴らから毎日のようにくだらない命令を聞かなくてもよくなった 毎回のように無謀な作戦を言いやがって」


756 「あんなちっぽけな領土盗ったところでなんも変わらない 盗るならもっと豪快に…!!」ニヤリ


756 「いろく…お前も殺さないとは 我が息子でありながら確実に邪魔をしてくる」


756 「戦い方を教えたのは俺だからお前など敵ではない お前の動きなんざハエが止まるようにわかる」


756 「いくら実力があろうとも動きを見破られていたら俺の手のひらの上で踊るだけ…お前は俺の手で殺してやる!」


756 「お前はどこにいる?あの小鬼群は記憶が残って俺の息子を知ってるということは海軍か?」


756 「あいつだけ他の小鬼群とは違って戦闘力が異常だった 大鬼群は別としてあいつだけ酸素魚雷以外にも積んですべて使いこなしてたからな」


756 「主砲や副砲、電探に艦載機 他の奴と違ってあいつだけ全部使える…陸軍や空軍じゃ使わない装備 その結果海軍しかない」


756 「海軍か…なかなかやっかいじゃないか 日本の海軍は強いからな 今の戦力じゃまだどうにもならん」


756 「まして各国と連合なんて組まれたら流石の俺でも死んじまう 【せっかく生き返ったのにそれは無駄にしたくない】」


756 「開発班に強化武器を大量生産させないとな すぐ侵略するために!」ニヤリ













海軍本部ー上官室



上官 「…ふむ どうしたものか」トントン… 机を指でつついて悩んでいる


上官 「(まさかa meverickの親父が生きてるとは思わなかった たしかにあの日、あ奴の親父は埋めたはずだが…)」


上官 「(聞いてから何日も経ってるがあれからずっと考えている…だがなにも思いつかん)」


上官 「(あ奴は最悪の場合はと言っていたができればそれはしたくない 実の父親をあ奴の手で殺めるなんて…)」


上官 「(じゃがあ奴の親父は一度決めたことを曲げないと言っていた 新型深海棲艦の指揮官になったということはなにか理由があってなったに違いない)」


上官 「(その理由まではわからない…いや理由を知ったところでどうにかできるとは思えない 理由はとりあえず置いておこう)」


上官 「(……一体どうすればいい なんとかしなければあやつは迷いの隙が生まれてやられる!)」


上官 「(じゃがこれはわしが決めていいのか?あ奴の親父をどうするかはあやつが決めるのが一番 部外者のわしが決めていいことではない)」


上官 「(まして実の父親で命に関わること…そんな簡単には決めれん)」


上官 「(わしが決めれることではないが手助けしたい 義理だがわしはあ奴の義父!あやつが実の父親を殺すと言うならばわしはそれを望む)」


上官 「(もうあやつに絶望を見させたくない 過去に仲間や家族を失い、伊19と川内も失って……)」


上官 「……なにがあってもあやつは守らねばならん 今後、深海棲艦と海軍の関係を良くするためにも生きてもらわねばならん」


上官 「たとえわしの命が朽ちようとも未来に繋がれば喜んで捨てる あやつが望まなくても!」


上官 「…良い応えを待ってるぞ a meverick」



ジリリリリ…ジリリリリ……ガチャっ


上官 「もしもし わしじゃが」


元帥 『わしだ上官 しばらくだな』


上官 「元帥か まだ寝とらんかったのか こんな夜更けになんの用じゃ?」


元帥 『いやなに 久々にお前さんの声を聞きたくてな とは言っても数日話してなかっただけだがな』


元帥 『おまえとは付き合い長いから歳をとるとどうも心配でならない そんな簡単に死ぬようなやつじゃないとわかっているんだがな』


上官 「義理息子娘を置いて死ねるか a meverickはいいが小春が立派になるまでお迎えが来ても追い払う」




この作品の続きは【反乱軍提督 6】になります 今後ともよろしくお願い致します。


後書き

反乱軍基地に存在する深海棲艦


ヲ級(秘書艦)
ヲーちゃん(副秘書艦&偵察班)
タ級(戦闘班)
戦艦棲姫(戦闘班)
レ級(戦闘班)
ル級(戦闘班)
ホ級(戦闘班)
南方棲戦鬼(戦闘班)
南方凄戦姫(戦闘班)
イ級(遠征&壁役班)
ワ級(遠征班)
駆逐棲姫(調理班)
港湾棲姫(医務班)
重巡ネ級(工作班)


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