2020-11-13 00:19:03 更新

概要

仕事終わりに『艦これ』をすることが楽しみの一人の何の変哲もないサラリーマンの男。
彼はある日通り魔事件に巻き込まれてしまい…目が覚めると艦娘になっていた!?
彼は戸惑いの中新米提督と共に海を守るための戦いへ身を投じることとなる…


前書き

本作品は〜艦娘転生〜男「死んだら艦娘になっていた…」の続きとなっておりますので、そちらをまだ読んでいない方はそちらを読んでからお読みください。


●本作品を読むに当たっての注意事項●

※本作品に登場する松という艦娘は、現在艦これ内に登場している松とは全くの別人であることを事前に、ご了承ください。時間軸は、松が実装される前と考えていただけると助かります。※




『主力艦隊』


〈作戦地点〉


ザザザザザッ……


松「…!見えたぞ!深海棲艦の基地だ!」


叢雲「あれが…!」


龍驤「うわぁ、思った以上にでっかいなぁ…」


球磨「松、早速やるかクマ?」


雷「準備万端よ!」


松「2人とも少し待ってくれ、龍驤、隼鷹、周囲に敵影はあるか?」


龍驤「ちょっと離れたところにはうじゃうじゃおるけど、霧のおかげでこっちの存在はバレてないみたいやで。…見た感じ敵に空母が見当たらへんから、砲撃始めてからこっちが見つかるまでの時間は結構ありそうやな」


隼鷹「……うん、こっちも同じ感じだぜ」


陽炎「基地の中の主力艦隊を倒せば他の深海棲艦もバラバラに散っていくんだっけ?」


熊野「作戦会議ではそう聞いてますけど…」


北上「なんでかってその辺のことも詳しいことは分からないんだよねー?」


叢雲「とりあえずここの主力艦隊を潰せば基地は機能しなくなる。それだけ分かってれば十分よ」


松「…よし、龍驤、隼鷹、作戦通り基地への攻撃を開始してくれ。俺達は主力艦隊がいつ出てきてもいいように準備しておくぞ」


龍驤「よっしゃ!行くでー!艦載機のみんな!」シュパパパパパッ…ブゥーン


隼鷹「よーし!攻撃隊、発艦しちゃって!」シュパパパパパッ…ブゥーン


ーーー


ドォォォン!!…ドォォォン!!


松(始まったか…作戦通りならこれで主力艦隊が出てくるはずだが…)


龍驤「!みんな!基地から敵主力艦隊らしいのが出てきたで!」


松「数は!」


龍驤「…!流石に強い!重巡リ級2、正規空母ヲ級2、それに…戦艦ル級が2や!向こうもこっちに気がついてるで!!」


青葉「せ、戦艦ですか!?それも2体!?」


隼鷹「うわっ!マジだ!?正規空母だけでもきついってのに、戦艦までいやがる!」


叢雲「うろたえる必要はないわ!数ではこっちが圧倒的!戦艦だろうがなんだろうが叩き潰すわよ!そのための連合艦隊なんだから!」


松「その通りだ!俺と叢雲で指揮を出す!みんなはいつも通り動いてくれ!俺達が協力するんだ!絶対に勝てる!」


松(正直かなりきつい…!だが、少しでも萎縮すれば確実に押し負ける!)


全員『…!…了解!!』




『主力艦隊、戦闘開始!』


叢雲「隼鷹と龍驤は先制攻撃を仕掛けて制空権を奪いなさい!…隼鷹!いつも通りやりなさいよ!」


松「相手は正規空母だ!数で負けていたとしても絶対に1機で戦わずに常に2機1組になれ!1機は戦闘、もう1機は援護と役割を分担しながら戦うんだ!」


龍驤「分かった!隼鷹!うちがフォローにまわる!…艦載機のみんな!お仕事お仕事!」シュパパパパパッ…ブゥーン!


隼鷹「おう!ならこっちは攻撃だな!パーッと行こうぜ!パーッとな!」シュパパパパパッ…ブゥーン!


ーーー航空戦中…


隼鷹「いよっしゃあ!!制空権取ったぜ!龍驤、ナイスフォローだ!」


龍驤「そっちこそ、上手い動きやったで!…みんな!敵の残り航空部隊が攻撃に来るで!こっちは向こうの攻撃に専念する!防空戦は任せるで!」


松「よくやった!そっちは2人で戦艦を1機タイミングをずらしつつ確実に狙うんだ!」


龍驤「了解!隼鷹!ずらすタイミングはうちに任せて先に攻撃して!」


隼鷹「よっしゃあ!やるぜー!!」


叢雲「陽炎、熊野、北上は訓練通りの輪形陣を組んで迎撃するわよ!…松!あんた達は援護をして!」


陽炎「訓練通りのやつでいいのね!…やるわよ!みんな!」ズザザザザザッ!


北上「りょーかいっ」ズザザザザザッ!


熊野「配置完了ですわ!」ズザザザザザッ!


松「陣形を組むのが早いな…流石だ…!よし、こっちも負けてられないぞ!雷!俺と一緒に叢雲達が迎撃しやすいようにフォローを!球磨と青葉で打ち漏らした危険な艦載機を優先的に撃ち落としていってくれ!」


雷「任せて!叢雲さん達を助ければいいのね!」ジャキンッ!


球磨「青葉、艦載機の動きを教えてほしいクマ!」ジャキンッ!


青葉「はいっ!任せてください!」ジャキンッ!


叢雲「…来たっ!対空射撃、開始!」ズダダダダダッ!


陽炎「やるわよ!みんな、分かってるわよね!」ズダダダダダッ!


北上「こっちはいつも通りに…だよね」ズダダダダダッ!


熊野「言われなくてもですわ!」ズダダダダダッ!


松(…とんでもない完成度の対空射撃だ…!これも訓練の賜物ってやつなのか…?)


松「って、集中しないとな…っと!」ズダダンッ!ズダダンッ!


雷「助けるわ!」ズダダダダダッ!


青葉「球磨さん!あの艦載機、お願いします!青葉はあっちを!」ズダダダダダッ!


球磨「任せろクマー!」ズダダダダダッ!


ーーー対空射撃中…


松「終わったか…被害状況は!」


雷「ごめんなさい…結構くらっちゃったみたい…」中破!


熊野「私はかすっただけですが、少しもらいましたわね…」小破!


叢雲「っ…私も少し貰っちゃったわ」小破!


松「大破はいないな?雷はこれ以上のダメージは避けるために回避に専念してくれ!」


雷「仕方ないわね…分かったわ!」


叢雲「それで?こっちの攻撃はどうだったのかしら?」


隼鷹「戦艦を重巡が庇って敵重巡一体撃沈、その後のタイミングをずらした龍驤の攻撃て戦艦が中破ってとこだな」


龍驤「松、敵が庇うこと見越してのタイミングのずらしやったんやろ?撃沈は出来へんかったけど、これでよかった?」


松「あぁ、さすが龍驤だ、よくやってくれた」


松(とは言っても…まだ敵の戦艦が2体とも残ってるか…)


球磨「戦艦が2体とも残ってるのはキツイクマ…松、どうするクマ?」


叢雲「そっちは心配ないわ。敵が見えてきたわね…北上、やれるわね?」


北上「新兵器、行きますよー」バシュッ


青葉「え?この距離から魚雷ですか?」


松「…!そうか!甲標的!あれがあれば…」


ズドーンッ!


雷「…!敵戦艦、一体撃沈よ!すごいわ!」


北上「ふっふっふー、これが重雷装巡洋艦の実力ってやつよ」


松「よしっ、これで敵の重巡を1、戦艦を1倒した!このまま砲雷撃戦で先制をしかけて空母を狙うぞ!」


叢雲「私たちの艦隊は右側の空母を狙うわ!そっちは左側をねらって!中破まで持っていくわよ!」


松「了解だ!みんな、聞こえたな!俺たちの艦隊で左側の空母を攻撃する!俺と雷で牽制を、球磨は青葉と龍驤の援護を!青葉、龍驤で確実に削ってくれ!」


雷「分かったわ!」


球磨「任せろクマ!」


青葉「責任重大ですね!頑張ります!」


龍驤「今日のうちは絶好調や!やったるでー!」


松「雷!俺たちは空母を庇えないように両サイドを砲撃する!タイミングを合わせてくれ!」


雷「任せて!……照準完了よ!」ジャキッ


松「よし…撃てっ!」ドンッ!


雷「ってー!」ドンッ!


球磨「空母を動けなくしてやるクマ!…そこだクマ!」ドンッ!


ヲ級「…!!…!!!」


青葉「よし、これなら外しません!敵がよく見えます!」ドンッ!


ヲ級「…!?」小破!


龍驤「完全に動きが止まった!これでお終いや!艦載機のみんな!またお仕事や!」シュパパパパパッ…ブゥーン!


ドーンッ!


ヲ級「…!?…!!!」撃沈!


龍驤「よし!撃沈確認や!」


松「みんな!よくやった!」


叢雲「そっちは撃沈させたのね。こっちは大破させたわ。これで向こうの航空隊は何も出来なくなったわね」


松「そっちもよくやってくれたな、叢雲。これで残りは実質戦艦1と重巡1だな」


叢雲「ま、当然よ。…すぐに敵の攻撃が来るわよ!全員、備えなさい!」


松(敵の攻撃だ…!狙いは…重巡は熊野、戦艦は…雷か!?)


叢雲「熊野!」


熊野「分かってますわ!あのくらい余裕ですわよ!」ズザザザザザッ!


松「雷!戦艦からの砲撃が来るぞ!」


雷「ええ!避けてみせるわ!……!?う、嘘っ!エンジンがっ!?」


球磨「雷!?何やってるクマ!!」


龍驤「雷!!」


青葉「雷さん!避けて!!」


雷「っ!」メツブリ


松「雷!!!」


ドゴーンッ!!!


ーーーーーー


雷「……え?」目パチパチッ


松「…………無事か?…雷……」フラッ 大破!


雷「っ!?ま、松ちゃん!?」ガシッ


叢雲「松!すぐに雷と後ろに下がりなさい!雷、動けるわね!」


雷「え、えぇ!動けるわ!…松ちゃん!こっち!」ダキカカエ


松「雷…怪我は…ないよな…?」


雷「何言ってるのよ!私なんかより松ちゃんが!!」


松「大丈夫だ…まだ、生きてる…それに、雷には守ってもらってばかりだったからな…」


雷「っ!!」ギュッ


叢雲「全員、集中しなさい!まだ敵は依然健在よ!魚雷射程内に入ったら北上、陽炎、球磨の3人で戦艦を落とす!それ以外で重巡を落とすわよ!敵重巡からの魚雷にも注意しなさい!」


北上「りょーかい、すぐに終わらせるよ」


陽炎「り、了解!」


球磨「よくも松をやってくれたなクマ!!」


青葉「分かりました!」


熊野「青葉さん!一斉にやりますわよ!」


叢雲「魚雷…撃てっ!」


ーーードゴーンッ!!!


叢雲「敵主力艦隊、全滅確認。…作戦完了よ。すぐに帰投するわよ」


球磨「雷、変わるクマ!雷も被弾してるんだから無理するなクマ!」


雷「で、でも…」


龍驤「いいから、言うこと聞いとき。今は全員生きて帰ることが優先や」


雷「わ、分かったわ…球磨さん、頼むわね?」


球磨「命に代えても守ってやるクマ、任せろクマ!」カカエ


青葉「松さん!しっかりしてください!すぐに帰投しますからね!」


松「……すまん……頼む…」


叢雲「……こっちで作戦完了の報告はしておくわ」


叢雲(こんなとこで死ぬんじゃないわよ…松)




『ボロボロの帰投』


〈海上〉


ズザザザザザッ!…


叢雲「陽炎、北上、熊野、隼鷹。私たちはここで○○鎮守府と別れて△鎮守府へ帰投するわよ」


陽炎「え、でも松が…」


叢雲「これは旗艦としての命令よ、松に関しては私たちが一緒に行ってどうこうなる問題でもないわ」キッ


陽炎「わ、分かったわ…」


北上「ま、確かに私たちが行ってって話でもないしねぇ」


熊野「仕方ありませんわね…」


隼鷹「それはわかるんだけどよー?叢雲は心配じゃないのか?」


球磨「いや、それで大丈夫だクマ、今回の作戦は助かったクマ。松に変わって礼を言うクマ」ペコッ


叢雲「私達も助かったわ。あんた達がいなかったら作戦は成功しなかったでしょうしね」


青葉「いえ!こちらこそ、最後だって叢雲さんが指揮してくれなかったらどうなってたか!本当にありがとうございました!」ペコッ!


雷「私からも、ありがとうね…」フラッ…フラッ…


龍驤「雷、あんまり無理しなや?何やったら肩貸すで?」


雷「大丈夫よ…!このくらい、松ちゃんに比べれば…!」ググッ


龍驤「倒れそうなら無理やりにでも肩貸して連れてくからな…?」


叢雲「…それじゃ、私達は行くわよ」ザザザザザッ!


陽炎「それじゃ、またね…?」ザザザザザッ!


北上「そんじゃねー」


熊野「皆様、ごきげんよう…」


隼鷹「道中気をつけてなー?」


球磨「それじゃ、球磨達も急いでもどるクマ」


龍驤「うん、それがええな」


ーーー


〈△鎮守府近辺海上〉


陽炎「…本当にあんな別れ方でよかったの?…叢雲だって心配なんでしょ?松のこと」


叢雲「心配といえば心配よ…けどいいのよ、あいつはあの程度で死ぬようなやつじゃないんだから…だから、次に会った時はあんな無様な姿を晒したこと、笑ってやるわよ」


北上「それって要するに松がちゃんと回復するって信じてるってことだよね?ほんと、素直じゃないよねー」


熊野「北上さんは叢雲さんがそう思ってるって分かってましたの?」


隼鷹「なんだ、そういうことかよ!えらく冷たいから心配したじゃんかー!?」


北上「まぁ叢雲って松のこと大好きだからねー。心配しないってのはありえないし、そういうことかなー?って」


叢雲「な、何勝手なこと言ってるのよ!私がいつ松のことがだ、だ、大好きだなんていったのよ!!」


陽炎「それは見てれば分かるわよ?」


熊野「最近はわたくしにも分かるようになってましたわね」


隼鷹「あ!あたしもだぜ!」


叢雲「〜〜!!ーーーさっさと帰投するわよ!」ズザザザザザッ!


陽炎「あ、逃げた」


北上「照れ隠しだねぇ」


熊野「前に陽炎さんが言ってた叢雲さんは意外とわかりやすいって意味が何となく理解出来てきましたわ…」


隼鷹「言葉と顔の表情が噛み合ってないんだよな」


陽炎「ま、私たちはとりあえず松の回復を信じておきましょ」


北上「ま、そういう事だね」


〈○○鎮守府近辺海上〉


球磨「松!そろそろ鎮守府に到着するクマ!頑張れクマ!」ズザザザザザッ!


松「……」


雷「松ちゃん…!」ズザザザザザッ!


青葉「く、球磨さん、大丈夫なんですよね!?松さん、さっきから動いてませんけど!」ズザザザザザッ!


球磨「息はちゃんとしてるクマ!まだ大丈夫だクマ!」ズザザザザザッ!


龍驤「誰かがここまで重傷負うのは初めてやからな…さすがに心配や…」ズザザザザザッ!


雷「…!見えてきたわ!鎮守府よ!」


ーーー


〈港〉


提督「松!!おい!しっかりしろ!…あれほど無理はするなって言ったのに…!」


球磨「すぐに入渠させてあげて欲しいクマ!」


大淀「待ってください、これほどの傷となると…入渠だけで治るかどうか……明石さん、どうですか?」


明石「……ダメです、肉体的なダメージが大きすぎます!すぐに医務室へ連れて行って手当しないと!」


雷「!私が!ーーー」


龍驤「あかんで、雷は直ぐに入渠し、雷だって傷が浅いわけじゃないんやから」


雷「っ!で、でも!」


龍驤「雷」


雷「っ…わ、分かったわ」


青葉「私が連れて行きます!この中じゃ1番力が強いですから!」カカエ


明石「こっちです!」タタッ


青葉「分かりました!」タタッ


球磨「雷、気に病む気持ちはわかるクマ。けど、まずは自分の身が大事クマ。それは分かってるなクマ?」


雷「…えぇ…分かってるわ…入渠、行ってくるわね…」スタッ…スタッ…


提督「…さて、球磨、龍驤、今回の作戦、よく成功させてくれた。とりあえずまずは体を休めてくれ。今回の詳細についてはまた明日聞かせて欲しい。」


球磨「わかったクマー…正直もうヘトヘトだったクマ。遠慮なく休ませてもらうクマー…」スタッスタッ


龍驤「うちも…実はかなり疲れた…休ませてもらうな…」スタッスタッ


提督「……」ギリッ


大淀「よく、すぐに事情を聞いたりしませんでしたね?」


提督「あぁ、みんなも疲れてる。俺個人のやりたいことよりも、提督としてどうするべきか、それだけを考えるようにした…それだけだ」


大淀「…私は、これから医務室に行きますが、提督もご一緒にどうですか?」


提督「…あぁ、一緒に行かせてもらおう」


提督(松…)




『知らない天井』


〈???〉


ーーーーて


松(…なんだ?…声?)


どうーーーーねを、ーーて


松(よく…聞こえない…もっと近づかないと…)


どうかーーを、止めて!


〈医務室〉


チュン…チュン…


松「うぅん……んぁ?……夢…か…?」パチッ


松「……知らない天井だ」


松(まさかこのセリフを本当に言うことになるとは…俺の言ってみたい言葉ランキング5位くらいが解消されたな)


松(…って何アホなこと考えてるんだ俺は。……身体は…動くな…ここはどこだ?それにどのくらい時間が経った…?)ムクリ…キョロキョロ


松「…て、ん?」


雷「スゥ…スゥ……うぅん…?…うん?…松…ちゃん?」


松「雷か…おはよう?でいいのか?それで、聞きたいことがーー」


雷「松ちゃん!!」ダキツキ


松「うぉっと!?……い、雷?」


雷「グスッ…よかった…目が覚めてくれて…!本当に…!グスッ…ごめんね…私の…せいで……グスッ」


松「…心配かけたな、雷…もう大丈夫だ」


雷「グスッ…うええええん!!!」ギュゥッ…


松「……」ポンポン


ーーーーー5分後…


松「…落ち着いたか?」


雷「…ええ…ごめんね…ありがと」


松「そうか…なら、聞きたいんだが、ここはどこで、俺はどのくらい寝てたんだ?」


雷「ここは鎮守府の医務室で、松ちゃんは3日も寝たままだったのよ…?本当に心配したんだから…」


松「3日も…!?…雷、もしかして色々と看病してくれてたのか?」


雷「当たり前よ!…それに、松ちゃんが傷ついたのは私のせいだし……」


松「なにいってるんだ、雷を庇ったのは自分の判断だ。それに、確かに負傷はしたが、俺は今生きてるし、身体だって動く。…なら、仲間を護った結果の名誉の負傷ってやつさ。雷が気にする事はないぞ?」


雷「……ええ、分かったわ…」ウツムキ


松(って言っても雷は気にするよな…)


松「そうだな、それでも気になるって言うなら…」


雷「…!な、何か出来ることがあるなら言ってほしいわ!」バッ!


松「今度、間宮さんのところで何か甘いものでも奢ってくれないか?」


雷「へ…?そ、そんなことでいいの…?」


松「そんな事とはなんだ!間宮さんの料理は世界一なんだぞ?この前食べさせてもらったアイスも絶品だったからな!」


雷「…松ちゃんがそれでいいなら…うん、分かったわ!」


松「よし、決まりだな。」


松(…やっといい顔になったな。やっぱり落ち込んでる姿は雷には似合わない)


雷「それじゃあ私、身体を診てくれてた明石さんに松ちゃんの目が覚めたこと、伝えてくるわ!」タッ


松「ああ、悪いな。よろしく頼む」


雷「松ちゃん!」


松「ん?なんだ?」


雷「ありがとね!!」ニパッ!




『艦娘の回復力』


明石「次は左腕をあげてください」


松「…」スッ


明石「…違和感は無いですか?」


松「あぁ、大丈夫だ」


明石「…よし!これでチェック完了です!今日一日は安静にしていれば、明日にでも起きても大丈夫ですよ!」


松「…明石」


明石「はい、なんですか?どこか不調があるならすぐに言って下さいね?」


松「お前、こんな医者みたいなことできたんだな…」


明石「なっ!?わ、私だって工作艦ですよ!?このくらい出来ますもん!」ウガーッ!


松「あぁ、違う違う。純粋にすごいと思ったんだよ」


明石「え…えぇ〜?そうですかぁ?このくらい出来ますよぉ〜!」テレテレ


松(相変わらず一瞬で表情が変わるな…)


松「それにしても、まだ三日しか経ってないんだろ?もういいのか?記憶があやふやだが、かなりの怪我をしたと思うんだが…傷もいつの間にか塞がってるし」


明石「?…高速修復材を使った治療をしたんですから、むしろ三日は遅すぎるくらいですよ?」


松(?…もしかして、艦娘って…)


松「…明石、聞いてもいいか?」


明石「はい!なんでしょう!」


松「艦娘って普通は骨折とかしたらどのくらいで治るものなんだ?」


明石「そうですねぇ…基本的には治療すればすぐにでも動かせるようにはなりますよ?」


松(やっぱりか…艦娘は治癒力がめちゃくちゃ高いんだ……ん?)


松「…てことはだ、もしかしなくても俺って相当重傷だったのか?」


明石「そうですよ!本当にびっくりしたんですから!全身火傷に身体中の骨は折れてたし、内臓もかなりダメージが入ってて、何とか息はあるって感じだったんですからね!?」


松「ま…まじか、それは雷のあんな反応もうなずけるな…」


松(正直大げさすぎるんじゃ?とか思ってたんだが…)


松「ちなみに、もし俺が受けてたダメージを人間が受けたらどうなる?」


明石「え?そうですねぇ…恐らく身体の原型も残らないんじゃないですかね…」


松「……そりゃ、艦娘が深海棲艦に対抗する唯一の戦力って言われるわけだな…」


明石「けど意外ですね?」


松「ん?なにがだ?」


明石「松ちゃんはそういうこと、勉強済みかと思ってました!」


松「あー、まぁ俺が基本勉強してるのは戦術とかの本だしな」


松(それに、何となく自分がもう人間じゃないって現実を突きつけられる気がして避けてたんだよな…)


明石「松ちゃん頭良いんですから、もっと幅広く勉強してもいいんじゃないですか?」


松「…そうだな、もう少し勉強の幅を広げてみるか…」


明石「さて!検診も終わりましたし、皆さんも会いたがってますから呼んできますね!」ガタッ


松「おう、世話になっちゃったな。明石」


明石「何水臭いこと言ってるんですか!私は工作艦で、松ちゃんのマブダチなんですから当たり前ですよ!」


松「…!……そうかい」ポリポリ


明石「それじゃ、皆さんを呼んできますね!」タタッ


ガチャッ…パタン


松「ははっ、ほんと、優しいやつだな…明石は」




『松の復活』


松(さて、明石がみんなを呼びに行って10分はたったか…?そろそろ来るかもな)


ドタドタドタッ


松(…と、考えてるうちに来たか)


ガチャッゾロゾロ…


雷「松ちゃん!みんな連れてきたわよ!」


明石「皆さんを集めるのに時間かかっちゃいました!」


球磨「おー!松、本当に目が覚めてるクマ!起きてて大丈夫なのかクマ?」


龍驤「ほんまホッとしたわ!全然目覚まさへんからめっちゃ心配したんやで!」


青葉「皆さんほんとに心配してたんですよ?明日の新聞は明るい話題が書けそうです!」


大淀「最近は食事中も心做しか皆さん元気がなかったですからね」


間宮「そうよ?みんな元気なくて私も寂しかったんだから…早くご飯食べに来てね?」


松「みんな、心配かけたみたいだな。俺はもう大丈夫だ。明日から普通に過ごしてもいいみたいだぞ」


提督「本当か…!よかった…!」


松「提督も、心配かけたな」


提督「本当だぞ?こんなことはもうこれっきりにしてくれよ?」


松「戦争なんだから確証は出来ないが…まぁ、努力はする。……ところで、俺が倒れた後、作戦の方はどうなったんだ?」


球磨「それは球磨から説明するクマ!」


ーーー球磨説明中……


球磨「ってことで、作戦は無事に成功したクマ!残ってた深海棲艦も散り散りになって基地は制圧できたクマ!」


松「そうか、よかった…△鎮守府の面々にも今度改めて俺からも礼を言っておかないとな」


球磨「△鎮守府のみんなも…それと態度には出してなかったけど、多分叢雲心配してたからそれがいいクマ」


龍驤「え、そうなん!?」


青葉「叢雲さん、すっごく冷静だったようにしか見えませんでしたね…」


雷「私も叢雲さんは心配してたと思うわ!だってなんかソワソワしてたもん!」


松「叢雲達にまで心配かけちゃってたか…そんな中で冷静に指揮を出してくれてた叢雲には本当に感謝だな…」


球磨「それじゃあ、松と話もできたことだし、球磨達はそろそろ戻るクマ!松、しっかり休むクマ!」


龍驤「やな、今日一日は安静にしとかんとあかんねやろ?しっかり寝とかないとな」


青葉「青葉は松さんが復活した事を新聞にまとめてきますね!」


雷「松ちゃん、また明日ね!」


大淀「それでは、失礼します」


間宮「松ちゃん、明日は食堂で元気な姿見せてね?」


明石「それじゃ、私も工廠に戻りますね!」


松「あぁ、みんな、わざわざありがとうな」


ゾロゾロ…ガチャッ…パタン


提督「…」


松「それで、話があるんだろ?」


提督「…松、俺が話した目標覚えてるか?」


松「…みんなで支え合っていって、最後にはみんなで笑っていたい」


提督「その通りだ…だけど、今回、松…お前が居なくなるんじゃないかって…そう思ったんだ」


松「…提督、今回のことは……」


提督「分かってるさ。松が庇わなかったら雷が危なかった。だから松が庇ったことを、とやかく言うつもりも、それで怪我をしたことに対しても何か言うつもりは無い」


松「なら、どうしたんだ?」


提督「…今回のことで、俺の目標が…本当に夢物語なんじゃないか?成し遂げるなんて不可能なんじゃないか?って……そう、思ったんだ…」


松「…」


提督「それで、松も…そう思ったんじゃないかって…そう思ってな……ははっ、本当に夢物語だよな。こっちは戦争をしてるってのに、何甘ったれたこと言ってるんだって話だよ…」


松「……」


提督「だから松…俺の夢から降りるって言うなら止めない…俺は、もう…」


松「提督」


提督「…なんだ…?」


松「とりあえず先に謝っとく。すまん。」


提督「…?」


松「それから歯、食いしばれ」


提督「えっ…?」


松「オラァッ!」ブンッ!


ドゴッ!


提督「っっ!!」ドサッ


松「提督、見損なったぞ」


提督「ま……松…?」


松「いいか?俺がお前の目標に乗ったのは達成できそうだからだとか、そんな理由じゃない。…お前の本気で目標に向かって進もうとしてるその目に、その姿に魅力を感じたからだ」


提督「……」


松「別に目標が達成できるとかできないとかじゃない…それを目標にするのが一番楽しそうだって…そんな魅力を感じたからなんだ…だから、目標が達成できないかもだなんて弱音を吐くお前を見損なった」


提督「っ…!」


松「いいか!提督!よく聞け!」スクッ


提督「松……?」


松「俺は!まだ生きているぞ!今回の作戦で誰も死んでなんかいない!…提督と!俺の!目標がまだ終わったわけじゃないんだ!」


提督「…!!」


松「だから…挽回のできる失敗なんかで、弱音を吐くんじゃない!」


提督「あぁ…あぁ…!そうだ…!まだ、目標が終わったわけじゃない…!みんな、まだ生きている…!………松!」スクッ


松「…なんだ?」


提督「すまん!」ペコッ!


提督「今の1発と言葉で目が覚めた!…松の言う通りだ!まだ、誰も死んじゃいない!まだ、俺はこの目標を持ち続けるぞ!もう、夢物語と笑われようがなんだろうが、弱音は吐かない…だから、もう一度俺の目標に付き合ってくれ!」


松「…良い目になった…そうこなくっちゃな…!提督、改めてその夢物語、俺たちで叶えてやるぞ!」テサシダシ


提督「……!あぁ!よろしく頼む!」ガシッ!




『松の日常(龍驤編)』


[休日]


〈談話室〉


ペラッ…ペラッ…パタン


松「ふぅ…色々と勉強になったな。この本」つ艦娘について


松(目が覚めてからかれこれ1週間は経つが、本当に次の日から訓練が再開できるほど身体が動かせるようになったこととか…本当に艦娘は色々な面で人間的目線で言うと化け物じみてるな…)


松「この内容はまたまとめとくか……ん?」


龍驤「〜♪〜♪」ペラッ…ペラッ…


松(龍驤か…本を読んでるのか?…珍しいな)


龍驤「ふぅ…」パタン


松「龍驤、何読んでたんだ?」


龍驤「お、松!これか?明石の酒保で売ってた小説やで!」


松「へぇ、あそこ、小説とかもあったんだな。なんて本なんだ?」


龍驤「ふっふっふっ…小説の名前がなかなかインパクトあるで!聞いて驚け!『君の腎臓を喰らいたい』…や!」


松「…サスペンスか?」


龍驤「いやいや、うちもそう思ってたんやけどな?明石が外の人達の間で超人気やー言うて、めっちゃ勧めてきたから買って読んでみてるんやけどさ…これがめっちゃ感動的な恋愛小説やってん!」


松「そのタイトルで恋愛小説?…ていうか、龍驤って恋愛小説とか好きなんだな。」


龍驤「うちもこういうの初めて読んだんよ。けど、恋愛ってこんな感じなんかなぁって思ったらなんか止まらんくてな?これからもこういうの買おうと思ってるで!」


松「へぇ、よっぽどその小説が気に入ったんだな」


龍驤「どうや?貸すから松も読んでみる?この本の良さは誰かに共有したいねん!」


松「ははっ、確かに面白かった本を誰かと共有したいってのは分かるかもな…というか、共有するのが俺でいいのか?ろくな恋愛観も持ってないぞ?俺」


龍驤「ええねんええねん!てか松しかこういうの読んで共感してくれそうなのがこの鎮守府におらへんからなぁ…」


松「あぁ…確かに、球磨は小説とか苦手そうだし、雷はまだ恋愛のれの字も知らないだろうし、青葉は青葉でなんか変な評価の仕方をしそうだな」


龍驤「そういうこと、だからどうや?松も読んでみん?」


松「そういうことなら、読ませてもらおうかな。小説はまだ読んだことないからな」


龍驤「あー、松ってなんかいっつも難しそうな本とか読んでるもんなぁ…面白いん?」


松「面白いぞ?自分の知らないこととかを知れるからな。今度龍驤にも俺のオススメの本を貸そうか?」


龍驤「…ちなみにやけど、その本のタイトルって?」


松「『虫的観点から捉えた砲雷撃戦』ってタイトルだ」


龍驤「虫的観点ってどういう発想やねん!?…てかせめてそんなマニアックなやつはやめて!?」


松「ん?じゃあ『宇宙ひも理論から紐解く航海術』ってのはどうだ?」


龍驤「…松はその本の意味分かったん?」


松「いやそれがな、何言ってるのか全然分かんなくてな。むしろ面白かったぞ?」


龍驤「それ絶対あかんやつやんな!?松そんなんばっか読んでるん!?」


松「うーん、それなら、一般的な内容ではあるけど『航空戦術〜航空戦の勝ち方〜』とかか?」


龍驤「それ!読むんやったらうち絶対にそれがいい!」


松「おぉ…随分勉強熱心なんだな…よし、ならさっき言ったやつ全部貸してやろう!」


龍驤「…うん、もうそれでええよ…」ガクッ


ーー後日


〈龍驤自室〉


龍驤「…全部思ってた以上にしっかりした内容やったな…今度訓練で試してみよ」


龍驤「それにしても……本ってタイトル大事やねんなぁ」




『艦娘や深海棲艦という存在について』


〈自室〉


[時刻]

2000


松(今日までで勉強した艦娘と深海棲艦…それからこの世界のことについてまとめるか…今までなんとなく避けちゃってたからな…)


雷「松ちゃん?何してるの?なにかするなら手伝うわよ!」


松「ん?ちょっとした復習だ。雷は休んでてくれて構わないぞ。」


雷「そうなの?松ちゃんは頑張り屋さんよね!それじゃ、頑張ってね!何か出来ることがあったらいつでも言ってちょうだいね!」


松「ああ、ありがとうな。…さて、やるか」っノート


松(まずはこの世界での艦娘と深海棲艦の存在についてだが…えらく大雑把にしか分からなかったんだよな)


〜松のまとめノート〜


〇艦娘と深海棲艦について


艦娘と深海棲艦は100年前に起きた"深海事変"の後から現れるようになった。


艦娘は深海棲艦から人々を守ることを基本的な理念としており、人類の味方として100年もの間、深海棲艦から人々を護り、戦い続けている。

何故人々を護るかは不明。艦娘達に聞いても、分からないという回答か、それが生きる意味であるから、護らないといけない気がするから。等といった要領の得ない回答しか確認されていない。


それに対し、深海棲艦は人や艦娘を異常な程憎み、殺すことを基本的な理念としていると推察される。

言葉を話す深海棲艦も確認されているが、いずれもまともな意思の疎通は取れず、こちらを憎むような言葉ばかりを話しており、問答無用で攻撃してくる。

そのため、深海棲艦についての生態や、普段の居場所等、詳しいことはほぼ判明しておらず、そのほぼ全てが謎に包まれている存在。


艦娘も深海棲艦のいずれも何故、どこから生まれたのかは一切判明しておらず、早急な究明が求められている。


〇妖精について


"深海事変"以降に一部の人間に視えるようになった謎の生物。

人類に協力的であり、新たな艦娘の製造、装備の作製、修繕等、艦娘に関するバックアップを全面的に行うことが出来るので、艦娘と同様に人間と共生関係を築いてきた。


妖精が視える人間はいずれも「海を守る」「深海棲艦と戦う」等といった明確な意志を持つ人間に限られることが確認されている。

また、妖精が視えるということが提督となる条件とされている。


〇深海事変について


100年前、突如として現れた深海棲艦により現在の東京が攻撃を受けた事件のこと。

当時の武器は一切効かず、圧倒的な力を持つ深海棲艦に人々は為す術もなく、絶望的状況に追い込まれた。

その時、当時の人々が見た事もない装備に身を包んだ艦娘たちが突如として現れ、深海棲艦を撃退したとされている。

それを期に妖精などの姿も確認され、艦娘達との共生が始まった。


当初はその人間離れした力に抵抗を抱く者が多かったが、100年経過した現在では艦娘が街中で見られることは日常と化している。


〇艦娘について


身体的特徴や言動は人間とほぼ変わらないが、女性個体しか確認されておらず、髪色などが特徴的な色をした艦娘が多い。


人間よりも力や肉体の強靱さが"練度"と呼ばれる艦娘特有の特性により戦えば戦うほど跳ね上がっていくことや、遥か昔、人類同士で戦争をしていた頃に実在していた軍艦の名前を持っていること等が特徴としてあげられる。


また、怪我をしたとしても軽度のものなら1時間も掛からず治ってしまい、"高速修復材"と呼ばれる艦娘専用の薬品を使うことにより、傷の治りが更に早くなる。


かつての軍艦としての記憶は残ってはいないはずだが、無意識に軍艦としての記憶に即した言動をしたり、中にはかつて軍艦だった頃の夢を見る者もいる。


ーーーーーカリカリカリッ……パタンッ


松「……ふぅ、こんなとこか…今何時だ?」チラッ


時刻

[0030]


松(もうこんな時間か…もう寝ないとな…)


雷「んぅ…松ちゃん?…終わったの…?」


松「雷?まだ起きてたのか?」


雷「うん…私に手伝えることあるかもって……」ウツラ…ウツラ…


松「全く…無理は良くないぞ?…ほら、もう横になって休んどけ」


雷「うん…」ポスッ


雷「………すぅ…すぅ…」


松「やれやれ……」フフッ


松「……俺も寝るか…おやすみ、雷」




『青葉の休日』


〈青葉自室〉


[時刻]

0500


カリカリカリッ…カリッ…カリカリカリッ…


青葉「うーん…ここの文章はこうした方がいいかな…」カリカリカリッ…


青葉「…ん?朝日…?…って、もう朝…?」


青葉(休日だからって徹夜しちゃった…寝るのも勿体ないし…)


青葉「ネタ集めにでも行こうかな…」ガタッ


ーーー青葉支度中…


青葉「カメラも持った…メモとペンもある……よし!準備万端!記者の時間です!」


青葉(とは言っても、休日のこんな時間に起きてる人なんて…)


青葉「あ!もしかしたら!」


〈グラウンド〉


[時刻]

0530


タッタッタッタッタッ…


青葉(やっぱり居ました!こんな時間に走ってるのは…)


松「…ふぅ……」


青葉「松さん!おはようございます!こんな朝早くからランニングですか!お疲れ様です!」


松「ぅおっ!?…青葉か、びっくりした…!…青葉こそ、こんな朝早くから何してるんだ?今日は休日だぞ?」


青葉「ふっふっふ…記者の朝は早いのですよ!」


松「記者じゃないだろ…?」


青葉「まぁなんでもいいじゃないですか!それでは早速取材させてもらっていいですか!」


松「別にいいが…朝から元気だな?青葉は」


青葉「はい!青葉は元気が取り柄ですから!それでは早速…」


ーーー青葉取材中…


青葉「それでは、ありがとうございました!自主練、頑張ってください!」


松「あぁ。…ところで、次はどこに行くんだ?」


青葉「次は間宮さんのところに行こうと思います!そ!それじゃ、失礼します!」タタッ


松「ははっ、ホント忙しないな」


〈食堂〉


[時刻]

0600


青葉(今の時間は間宮さんが朝ごはんの支度をしてくれてるはず!…居ました!)


間宮「〜♪〜♪」ナベクルクル


青葉「間宮さん!朝ごはんの支度、ありがとうございます!」


間宮「きゃっ!…あら?青葉ちゃん?」


青葉「ども、青葉です!おはようございます!」


間宮「ええ、おはよう、青葉ちゃん。こんな朝早くから元気いっぱいね?」


青葉「はい!記者の朝は早いので!…ところでこの匂い、今日の朝ごはんはスープでしょうか!」


間宮「ふふっ正解よ。正解した青葉ちゃんには…そうね、少しだけ味見してくれない?」


青葉「おぉ!やった!いいんですか!」


間宮「えぇ、どうぞ」っスープ入り小皿


青葉「ありがとうございます!それでは……!」


間宮「どう?おいしい?」


青葉「とってもおいしいです!!これは記事にしないといけません!」メモメモ


間宮「ふふっ、本当に新聞を書くのが好きなのね?」


青葉「はい!青葉が書いた記事で皆さんが喜んでくれるのは、とっても大好きです!」


間宮「私も、作った料理が美味しいって言ってもらえるのは嬉しいからその気持ちはよく分かるわ。…その気持ち、忘れないでね?」


青葉「はい!もちろんです!」


〈談話室〉


[時刻]

0800


青葉(朝ごはんも食べてみなさん好きに過ごしているはずなのでここに来てみましたが…)キョロキョロ


青葉(あっ!人がいました!)


龍驤「…おぉ…そうくるかぁ…」ペラッ…ペラッ…


青葉「龍驤さん!おはようございます!ども、青葉です!」


龍驤「うひゃっ!?…な、なんや青葉かいな…びっくりしたやんか…!」


青葉「龍驤さん!何読んでたんですか?すごく熱心に読んでいましたが…?」


龍驤「これ?…普通の恋愛小説やで?」


青葉「えぇっ!?青葉、びっくりです!龍驤さん、恋愛小説なんて読むんですか!」


龍驤「そんな驚かんでもええやんか!…うちが恋愛とかに憧れたらあかんのかいな…」


青葉「いえいえ!まさか!そんなことはありませんよ!ですが、何故ハマったのでしょうか?」


龍驤「うーん、うちも初めは何となくで読み始めたんやけど…読んでたらいつの間にか夢中になってたって感じやなぁ。最近は酒保とかで新しいの出てないかってよく見に行ったりもしてるな」


青葉「ふむふむ…なるほど…」メモメモ


龍驤「あっ!まさかそれ新聞にする気やないやろうな!?」


青葉「もちろんです!皆さんきっと驚きますよ!」


龍驤「しまった…青葉に話したのは完全に失敗やったな…」


青葉「それでは、青葉は更なるネタ探しに行って来ますね!」タッ!


龍驤「……あ!待て!青葉ぁ!!」タッ!


〈訓練場〉


[時刻]

0830


青葉「ふぅ…」


青葉(何とか振り切りましたね!)


青葉「っといつの間にか訓練場に…」


イカズチ、マダマダイククマー!

エエ!ドンドンキテ!


青葉(ん?この声は…)


球磨「ほら雷!これは避けれるかクマ!?」ドンッ!ドンッ!


雷「まだまだ!いけるわよ!」ズザザザッ!ズザザザザザッ!


青葉「球磨さーん!雷さーん!」テブンブン


球磨「お?…おー、青葉かクマ」


雷「どうしたの?青葉さん!」


青葉「ども青葉です!お二人共、休日だというのに熱心に訓練してましたね!休日はいつもやっているんですか?」


雷「ううん、今回は私から頼んだのよ」


青葉「ふむふむ、その理由、聞いてもいいでしょうか?」


雷「ほら、私前回松ちゃんに庇ってもらっちゃった時、咄嗟に動けなかったでしょ?…だから、もうそんなことにならないように球磨さんに不意をつくような砲撃をしてもらって、それを避ける訓練をしてたの」


青葉「なるほど…ですがあれは中破によるエンジントラブルだったはずでは?動けなかったのは仕方ないような気がしますけど…」


雷「違うの、確かにエンジンがすぐに動いてくれなくて避けることが出来なかったけど…問題はその後なの。……私、戦闘中だったのに怖くて目をつぶっちゃって…もしあの時、諦めずに避けようとすればもしかしたらあんなことにならなかったんじゃ…そう思うの」


青葉「……分かりました!そういうことなら、青葉も一肌脱ぎましょう!」ザザザザザッ


雷「え?青葉さん?」


青葉「1人よりも2人から砲撃される方が訓練になりますよね!青葉もお付き合いしますよ!」


球磨「おー、それは助かるクマ!実は1体1でやってるのにそろそろ限界を感じてたクマー」


雷「青葉さん…!ありがとう!お願いするわね!」


青葉「はいっ!青葉にお任せ下さい!」


ーーー青葉訓練中…


雷「青葉さん、球磨さん、本当に助かったわ!ありがとうね!」


球磨「別に気にするなクマ」


青葉「青葉もいいネタを貰いましたから、そのお礼と思ってください!」


球磨「ネタ集めに熱心だクマー。実は結構感心してたりするクマ」


青葉「青葉が好きでやってることですので、当然です!…それでは、青葉は更なるネタ探しに行ってきますね!」


球磨「おー、頑張れクマ」


〈工廠〉


[時刻]

1400


青葉(さっきの訓練でちょっと艤装の調子がおかしくなっちゃいましたから、明石さんに見てもらいがてら、取材しちゃいましょうかね!)


明石「ふんふんふーん♪」カチャカチャッ


青葉「ども、明石さん!少しいいでしょうか?」


明石 ビクッ!「…な、なんだ青葉ちゃんでしたか…ビックリしましたよ!…どうかしました?」


青葉「ビックリさせるつもりはなかったんですが…すみません!それと、艤装の調子が少しおかしいので見てもらおうと思いまして!」ガチャンッ


明石「ふむふむ…あー、少しフレームが歪んでますね…このくらいなら直ぐに直せますよ!」


青葉「でしたら待たせてもらいますね!…ところで明石さん、先程は何を作っていたんですか?」


明石「あぁ、これですか?お風呂の部品なんですけど、壊れちゃってるみたいで直してたところだったんですよ」カンカンカンッ


青葉「へ?お風呂でおかしいところなんてありましたっけ?」


明石「蛇口から出てくる水量が少しおかしかったんですよ」カチャカチャッ


青葉「あぁ…言われてみれば出てくる少し水量が多かった気が…そんな細かいところまで直してくださってるんですねぇ…」


明石「工作艦として、当然のことですよ!」カチャカチャッ…カンカンカンッ


青葉「いやぁ…頭が下がる思いですね…いつもありがとうございます!」


明石「えへへっそんな正面からお礼言われるとなんか照れちゃいますねぇ……よし、青葉さん、修復出来ましたよ!」


青葉「おぉ!もう終わったんですね!助かりました!」ガチャンッカチャッ…


明石「いえいえ、いつでも来てくださいね!」


青葉「はいっ!それでは、失礼します!」


〈廊下〉


[時刻]

1430


青葉(いやぁ…明石さんって普段はあんな感じですけど、実際はかなり頼りになりますよねぇ……お、あの後ろ姿は!)タタッ


大淀「…」スタッスタッ


青葉「ども!大淀さん!こんにちは!青葉です!」


大淀「…!…青葉さん。こんにちは。いきなり後ろから話しかけるのはやめてくださいね?驚いてしまいますから」


青葉「えへへ、すみません!」


大淀「それで、どうかしましたか?」


青葉「実は、大淀さんに聞きたいことがありまして!…〇〇鎮守府に正式に着任するという噂、本当でしょうか!」


大淀「相変わらず耳が早いですね…ええ、その通りですよ。以前から大本営と掛け合ってはいましたが…以前の作戦でこの鎮守府の評価が上がったからか、ようやく許可が降りましたからね。」


青葉「ではこれで、大淀さんは正式に青葉達の仲間になるということですね!」


大淀「戦闘要員としてではありませんが…ええ…まぁそうなりますね」


青葉「ところで、どうして大本営から○○鎮守府への異動を?大本営に所属なんて、一種のブランドのようなものでは?そのあたり、青葉気になります!」


大淀「そ…それは、その…」


青葉「それは…!?これは特ダネの予感しかしないですよ!さぁ、早く教えてください!」


大淀「…やっぱり青葉さんには話したくありません!私はこれで失礼します!」スタッスタ!


青葉「あぁ!?大淀さん、待ってくださいよー!教えてくださいよー!これじゃ青葉気になって夜も眠れないじゃないですか!」タタッ


大淀「嫌です!着いてこないでください!」スタッ!スタッ!


ーーー10分後…


青葉「結局取り付く島もありませんでしたねぇ…まぁいいです!気を取り直して最後の取材に行きましょう!」


〈執務室〉


[時刻]

1500


青葉「というわけで司令官!何か面白い話、よろしくお願いします!」


提督「急に無茶振りすぎるだろ…」


青葉「えぇ、仕方ないですねぇ…それでは、司令官が提督を志した理由を教えてくれませんか!何気に青葉たち、聞いた事ない気がします!」


提督「別にそのくらいならいいが…面白い話では無いと思うぞ?」


青葉「それは青葉が判断します!教えてください!」


提督「…俺が子どもの頃の話になるんだが、俺は一度行っちゃいけないって言われてた海岸で深海棲艦に襲われたことがあったんだよ。」


青葉「えぇ!?大丈夫だったんですか?」


提督「いや、正直怖くて動けなくなってな…もうダメかと思ったんだが…その時、偶然近くに哨戒任務に来ていた艦娘に助けられてな。…その時に聞いたんだよ」


青葉「聞いた…とは?」


提督「どうして戦うのか?命を狙ってくる深海棲艦は怖くないのか?ってな。俺はその時、命を狙われる恐怖ってのを知ったからな。気になったんだ。そしたらその艦娘の人、なんて言ったと思う?」


青葉「うーん…なんて言ってたんですか?」


提督「"人を助けるための力があるから"。…俺はその姿がめちゃくちゃかっこよく見えてな…俺もそうなりたいって思ってまた聞いたんだ。俺もそんな風になれるかって…そしたらその艦娘の人は、助けるための力に人も艦娘も関係ないって、そう言ってくれたんだよ」


青葉「なるほど…」


提督「とまぁ、そんな経緯で人を助けたい、海を守りたいって思い始めてな。提督を志したって訳だな…要は憧れからってやつだ」


青葉「ふむふむ…これはなかなか面白い話が聞けました!」メモメモ…


提督「お気に召したか?」


青葉「はい!青葉、早速部屋に戻って新聞にまとめてきますね!」


提督「青葉」


青葉「…はい?なんですか?」


提督「…お前、昨日からろくに寝てないだろ」


青葉「えぇっ!?どうして分かったんですか!?」


提督「上手くメイクで誤魔化してはいるが、目の下にクマができてるぞ?…今日はもう休んで、まとめるのは明日にしとけ、これは司令官としての指示だからな?」


青葉「あはは…司令官は誤魔化せませんでしたか…司令官の指示でそう言われちゃったら仕方ないですね…分かりました!今日はちゃんと寝ることにします!」


提督「ああ、そうしとけ」


青葉「はい!それでは、失礼しますね!」


〈青葉自室〉


青葉(とは言っても…少しだけならいいですよね…?)イススワリ


青葉「そう、少しだけ…少し…だけ……」ウツラ…ウツラ…


パタンッ


青葉「……すぅ…すぅ…」


青葉「むにゃ…えへへ、青葉の新聞で……みんな…笑顔に………」




『大淀、正式着任!』


〈食堂〉


[時刻]

0730


ーー朝食後


提督「えー、青葉の新聞でみんな知っているとは思うが…大淀が本日付で大本営所属から、うちの鎮守府の通信担当者として正式な所属となった!大淀、歓迎するぞ!」


大淀「それではみなさん、改めて…本日付で大本営から○○鎮守府へと異動となりました、軽巡洋艦大淀です!みなさん、よろしくお願いします!」


松「あぁ、改めてよろしくな、大淀。大淀が正式な仲間になってくれるのは本当に心強いよ。」


雷「とっても嬉しいわ!これからもよろしくね!大淀さん!」


球磨「むしろ今まで大本営所属だったってこの間知って結構びっくりしてるところだクマ」


龍驤「そうそう、うちも!青葉の新聞読んで初めて知った!……ところで、なんで異動になったん?大本営から地方の鎮守府にって、どっちかって言うと左遷じゃないん?」


青葉「青葉、大淀さんが自分から希望したって聞いてますよ!」


龍驤「ええ!?自分から?大淀、なんで!?」


明石「あ!私も知りたいです!」


大淀「そ、それは…」


提督「大淀、恥ずかしがることなんてないんじゃないか?教えてやれって、きっとみんな喜ぶぞ?」


大淀「お…教えないといけませんか…?」


全員『…』ジーッ<期待の眼差し


大淀「うぅ……こ、この鎮守府の居心地が良くて…ここで働きたいって…そう、思ったからです…」


雷「大淀さん…!」キラキラッ


球磨「確かにこの鎮守府は居心地いいクマ。気持ちはわかるクマ!」


龍驤「確かにそうやけど…そう言われるとなんか照れるなぁ」


青葉「それならそうと青葉に話してくれてよかったじゃないですかー!」


松「ははっ、そう言ってやるなよ。確かに、面と向かって言うには小っ恥ずかしい理由だからな」


明石「大淀さぁん!私嬉しいですぅ!」ダキツキ


大淀「きゃっ!…明石さん!離れて下さい!」グイグイッ


松「明石、テンション上がるのは分かってたが迷惑をかけるんじゃない」ヒキハガシ


大淀「ま、松さんありがとうございます。助かりました…」


明石「うぅ…ならこの溢れる感情は松ちゃんにぶつけることにします!松ちゃぁん!」ダキツキーッ!


松「いや、おかしいだろうが!?こら!明石!引っ付くな!体格差を考えろって何回も言ってるだろう!?」


雷「松ちゃんと明石さんやっぱりとっても仲良しね!」


球磨「あれは仲がいいからっていうより、明石のテンションが上がりまくってるだけクマ」


龍驤「あっははは!相変わらず2人の絡みはおもろいなぁ!」


青葉「おぉ!シャッターチャンスです!」パシャッ!パシャッ!


松「雷と球磨は見てないで助けてくれ!龍驤は笑ってるんじゃない!…それから青葉は写真を撮るな!」


ギャーッギャーッ!


提督「…大淀、言った通りだっただろう?みんな喜んでる」


大淀「…そう、ですね……やっぱり私はこの鎮守府の雰囲気が気に入ってるみたいです。……みなさん!」


全員『?』


大淀「これからも、よろしくお願いしますね」ニコリ




『無防備の自覚』


〈倉庫〉


[時刻]

1000


龍驤「司令官、ここらへんのダンボールどこ置いとく?」


提督「あぁ、その辺のはそっちの棚に入れといてくれ」


龍驤「こっちやな?分かった!…よいしょっと」


松「龍驤、手伝うぞ」


龍驤「お、ありがとー」


松「よっ…と」カガミ


提督「っ!」バッ!<カオソラシ


龍驤(松…!スカートの中見えてる!多分提督に見えてたで!)コソコソ


松「おっと、悪いな龍驤。提督も」


提督「あ、あぁ、こっちこそすまん…」


龍驤「……」


[時刻]

1100


提督「…ん?なぁ松、この資料の資材の数いつもより入荷数多くないか?」


松「ん?どれだ?」カラダヨセ


提督「っ…!……あぁ、これなんだがな」カラダハナシ


松「?なんで離れるんだ、身長差があるせいでよく見えないぞ?」カラダヨセ


提督「資料渡すから!これだこれ!」


松「?……あぁ、これはこの間の作戦の時に数を使ったからな。その分も一緒に補充してるんだ」


提督「そ…そうか……」グッタリ


松「ほんとにどうしたんだ?」


提督「……なんでもない」


龍驤「……」


[時刻]

1200


松「よし…!これで倉庫整理は終わりだな。龍驤、手伝ってくれてありがとうな、助かったよ。」


龍驤「ええよ!気にせんといて!」


松「よかったら昼ご飯一緒に食べに行かないか?今日のお礼に奢るぞ?提督も一緒にどうだ?」


龍驤「お!ほんと?ならお言葉に甘えようかな!」


提督「あー、せっかくで悪いんだが、俺はもう少しやることがあってな。後で食べるから先に2人とも済ましといてくれていいぞ」


松「よかったら手伝うぞ?」


提督「大丈夫さ、そんな時間のかかるものでもないしな。ありがとうな、松」


松「そうか?…なら先に昼ご飯行くか、龍驤」


龍驤「やね!」


ーーー


〈食堂〉


ガヤガヤ


龍驤「…なぁ松」


松「ん?なんだ?」


龍驤「今日見てて思ったんやけどさ、松って無防備すぎひん?」


松「……?無防備?どういうことだ?」


龍驤「ほら、例えば倉庫で荷物持つ時の座り方とか。スカートやのにあんな座り方したら中思いっきり見えちゃうで?一応司令官もおるんやから、気をつけた方がええんちゃう?」


松「?別に提督は男だし、見られて困るもんじゃ………あー…すまん、今のは忘れてくれ」


松(スカートとかにもすっかり慣れて完全に忘れてたけど…俺今女なんだったな…)


龍驤「?…まぁええや、それよりも、松だって女の子なんやから、その辺は注意しとかないと。他にも司令官との距離感が近すぎたりとか」


松「うーん、そこまでだったか?」


龍驤「自覚無いんか…今日だけでもあんなんやったのに普段は大丈夫なん?」


松「……すまん、分からない」


龍驤「こりゃ重症やな…」


松「龍驤は、そういうこと気にしたりして過ごしてるのか?」


龍驤「当たり前やん!女としては当然のことやで?」


松「へぇ…」


松(艦娘の常識ってほんとに何が基準なんだ…?……それにしても、女としては当然。か………よし)


松「なぁ龍驤、頼みがあるんだが」


龍驤「ん?なになに?」


松「俺は正直、そういったこととかは全く分からないんだ。…だから…教えてくれないか?今度の休みの日とかにさ」


龍驤「…!そういうことなら任しといて!うちが松にしっかりした立ち振る舞いを叩き込んだるで!」


ーーー後日、休日


〈談話室〉


龍驤「さて!松に女としての基本を教えるで!」


球磨「教えるクマ!」


松「あぁ、よろしくな……ところで、球磨もいるのか?」


球磨「話は聞かせてもらったクマ!こんな面白そうなこと、参加しない選択はないクマ!」


龍驤「たまたまそこで会って、今日のこと話したらこんな感じや」


松「そ、そうか…まぁ、よろしくな、球磨」


球磨「任せろクマ!」フンスッ


龍驤「よっしゃ!そしたら始めるで!」


松「とは言っても、なにをするんだ?」


龍驤「そうやな…とりあえず、松はそこの椅子に座ってもらえる?」


松「ん?ここか?…っと」イススワリ


龍驤「これは……球磨、どう思う?」


球磨「完全にアウトだクマ」


龍驤「やんな。…てわけで早速やけど松、もうアウトや」


松「え?なんでだ?」


球磨「足を開きすぎだクマ!」


龍驤「そういうことや。それやとスカートの中見えてるで?もっと足閉じて!」


松「えぇ?こんなので見えるのか?……こうか?」アシトジ


球磨「…なんか内股になってて不自然クマ」


松「うーん…こうか?」


龍驤「お、そうそう!座る時とかはそんな感じやで!」


松「えぇ…座る度に意識しないといけないのか……大変だな」


球磨「球磨の場合はスカートじゃ無いからあんまり気にしないでいいけど、それ以外にもまだまだ意識しないといけないところがいっぱいあるクマ」


龍驤「そういうことや、まだまだ教えることあるからどんどんいくで!」


松「お、おう!どんどんこい!」


ーーー1時間後


松「えぇと…地面の物を取る時は…こんな感じか?……とりあえず教えてもらった動作は全部やったが…どうだ?」


龍驤「うーん…ええんか…な?球磨どうやろ?」


球磨「まぁ…及第点ってところかクマ?」


松「おお!本当か!」


龍驤「まだ若干違和感はあるけどなぁ…」


球磨「なんか男が無理に女としての動作をしてるみたいな不自然さだクマ」


龍驤「あぁ!その例えが的確や!」


松「そ、そうか?…結構上手くできたと思ったんだが…」


球磨「まぁ、初めに比べたら全然マシだクマ。それに、今はまだ不自然だけどそのうち慣れるクマ」


龍驤「やね、あとは実践あるのみやな」


松「そうか…2人とも、今日はありがとうな。おかげで何とかなりそうだ」


龍驤「ええよええよ、うちもあんなん見てもうたからほっとかれへんかったしな」


球磨「楽しかったから別に気にするなクマ!」


松(それにしても…女性っていつもこんなに色々な事に気をつけながら過ごしてるのか…女の体には慣れてきたと思ってたが……まだまだだな)


松「まぁ、後は実践…か」


ーーー後日


〈執務室〉


[時刻]

0900


提督「よし、それじゃあ松。今日は秘書艦として一日よろしく頼むな」


松「あぁ、任せてくれ」


松(さぁ、特訓の実践の時だ…!)ゴゴゴッ


[時刻]

0930


提督「松、悪いんだが例の資料持ってきてくれないか?」カリカリカリッ


松「ああ、分かった」


松(高いところにあるな…高いところの物を取る時は……こうだっ!)シュバッ!シュバッ!


提督「……」


提督(…なんかやたらキレキレな動きでファイル出してるな)


[時刻]

1100


提督「松、この資料のここなんだが…」


松「ん?どれだ?」


松(っと、危ない、不用意に近付いたらダメなんだったな)


松「…近づけないから渡してもらってもいいか?」


提督「え…?…お、おう」サシダシ


松「あぁ、ここはーー」


提督(……俺、なんか嫌われるようなことしたか…?)


ーーー業務終了後


松(よしっ…!上手く実践出できてたんじゃないか?)


提督「…なぁ松?」


松「ん?なんだ?」


提督「俺、なんか嫌われるようなことしちゃったか?…もしそうなら言ってほしいんだ。気を悪くしてたなら謝るからさ」


松「……?なんのことだ?」


提督「え?いや、松の様子が今日一日ずっと変だったからさ…なんか距離を置かれてるというか…」


松「そ、そうだったか?そんなつもりは無かったんだが…」


提督「?…じゃあ何かあったのか?」


松「あー…実はな……」


ーーー松説明中


提督「…なるほど」


松「まぁ、ということで早速実践してみたんだが…今日はなかなか上手くできてたと思うんだ、どうだった?」


提督「はっきり言っていいか?」


松「?」


提督「…びっくりするくらい不自然だったぞ!?いちいち動きのキレがやたらといいし、不自然に距離を取ろうとするし!何事かと思ったぞ!」


松「えぇ!?」


提督「……けどまぁ、やろうとしてたことは悪いことではないし…俺からは不自然さが無くなるようにがんばってくれとしか言えないな…」


松(……女として生きるのって…難しいな…)


後書き

2話にわたり読んでくださった方、本当にありがとうございます!
1話では、リアルの事情や、体調を崩したりでかなり間が空いてしまっていました…本当にすみませんでした!

これからも不定期にはなるとは思いますが、あまり長い期間空けるようなことは避けたいと思っています。
拙い文章で申し訳ありませんが、どうかこれからも見守っていただけると、うれしいです!
改めて、よろしくお願いします!

※随時更新枠
11/8
なぜか投稿サイトにログインできない事態が続いていましたが、ようやくログインできました…!
結構焦って色々と試行錯誤していたら結構時間がかかっちゃいましたね…
結局ログインできなかった理由はパスワードが1文字違うだけというオチでしたね


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RMA1341398さんから
2020-11-13 02:27:11

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RMA1341398さんから
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1: SS好きの名無しさん 2020-11-06 23:39:49 ID: S:TmAu1_

とても面白いこれはかなりの良作だと思うかなり好きな物語なので頑張ってアップロードお願いします!(語彙力が…)気長に待ってます

2: SS好きの名無しさん 2020-11-06 23:40:24 ID: S:UYLJpp

とても面白いこれはかなりの良作だと思うかなり好きな物語なので頑張ってアップロードお願いします!(語彙力が…)気長に待ってます

3: バンスケ 2020-11-07 16:22:28 ID: S:hRh2x1

1番さんコメントありがとうございます!
メモに残していたパスワードが間違っていたせいでログインが出来なくなってしまっていました…
普段から自動ログインにしていた弊害が…!
パスワードもきちんと書き直したのでもう大丈夫だと思います!
お待たせしてすみませんでした!

4: RMA1341398 2020-11-13 02:28:03 ID: S:pBFTLJ

素直な感想ですが、すっごい、好きなss
読みやすい。

5: バンスケ 2020-11-13 12:33:04 ID: S:BC-Mcz

4番さんコメントありがとうございます!
自分の作品が好きと言ってもらえるのはやっぱり嬉しいものですね…!
とんでもなくスローペースでの投稿になってしまっていて申し訳ないです
これからもかなり不定期な更新にはなりますが、気の向いた時にでも覗きに来ていただけると嬉しいです!


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1: RMA1341398 2020-11-13 02:28:28 ID: S:23MZbN

松ちゃんをすこれ


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