2016-02-24 00:39:10 更新

概要

彼女たちは悪政を打倒すべく立ち上がった。
しかし、待ち受けているのは敵の猛攻だけではなかった。
裏切り、憎しみ、罠・・・信じている友が愛している恋人さえもが敵となる世界。
絶対的な力を手に入れたその時、彼女たちに待つ運命とは・・・(元裏切りと信頼と欲望と愛情と)


前書き

昔、昔。
人類はオーバーテクノロジーである魔法を手に入れた。
しかし、平和は続かなかった。
ネウロ国は魔法の最先端技術を独占するためバース国に侵攻。
バースを滅ぼすことに成功する。

しかし、仮初めの平和は長く続くはずがなかった。
月日は流れネウロ国内の反乱軍が反旗を翻した。
しかし、革命は失敗。
死者10万人といわれるこの革命は血の遊戯と言われた。


人間は慈悲深く残酷な生き物だ。

生きるために多種多様な生物の命を奪い、またあるときは隣人を助ける。

そして交わることのない永遠の螺旋となる。

だが、人類はやはり愚かで残酷な生き物である。

理想も、信念も、願いさえもなく欲にまみれたその手で血肉を食べ人を愛し己をめでる。

実に皮肉であり実に滑稽である。


鳳暦 582年 ネウロ国、バース国に侵攻開始


同暦 584年 バース国全面降伏。バースは、ネウロに完全吸収。ネウロ公国の成立。バースの王家は一家皆殺しされる。


同暦 586年 反乱防止法制定。反乱軍または、反乱軍に協力する者は徹底的に取り締まりをうける。


同暦 同年  治安制定法成立。機動警察なる組織が新たに設立。国内にスパイを置き取り締まり強化。また、暴動が起きるあるいは、暴動の事前抑制         としてあらゆる武力の行使が認められている超法規的組織となる。


同暦 594年 反乱軍最大の反抗作戦を展開。しかし、密告者の存在などから事前に知っていた機動警察に鎮圧されわずか半日で反乱軍は壊滅打撃          をうけ崩壊。10万人の死者をだし2万人の反乱軍が拘束される。通称「血の遊戯」


鳳暦 596年 1つの時代が始まろうとしていた。




ーーー


反乱軍


最高指揮官ドロワ軍団長


海上部隊専任齋藤司令


情報部専任ジューク中将


陸軍最高司令エンケ司令


空挺団副団長ブリッツ大佐


ローデン地方司令葛城大佐

(園田 海未少佐

 高坂 穂乃果

 矢澤 にこ大尉

 星空 凛 曹長→少尉

 小泉 花陽技術中佐

 南 ことり秘書官)


トライデント ネウロ公国技術士官の手により復元された古代兵器。様々な種類があるらしいが、現在確認されているのは4タイプである。試作品らしい         が・・・。(クライブ・バスター・ガイア・アーチャー)


魔装部隊 対スレイヤー部隊として作られた。強力な雷属性の魔法の扱いに特化しており、スレイヤーを内部から爆散させることが出来る。


飛空艇 古代の遺物とされているが、今なお現役である。隠密作戦にたびたび使用される。


プリアート ジェスタ港に停泊してあった潜水・飛行機能をもった最新飛空艇。推進力は、魔術タンクであり、主に自然系の魔素が必要であるため、一定        時間日の光にさらす必要がある。


ネウロ公国


エリーチカ女王


東条 希内大臣


西木野 真姫親衛隊長及び機動警察隊長及び軍部司令


?? 雪穂隊長 王族直属部隊Phamtom所属


亜里沙技術長官


スレイヤー 公国の決戦型人型二足機動兵器。トライデントを基にして作られており、まだ完成されていない。(真姫専用機としてグリフォンが存在する)


トラギガント 人類最初の決戦型人型二足機動兵器とされている。その性能は今だ、不明である。


ヒロポネ ネウロ公国の兵士内で使われる精神向上剤。実際は、幻覚や幻聴を引き起こす成分が多く含まれてあり、多量摂取したものは廃人となる。


透和石 魔法の対価の代わりとなることが出来る貴重な石。もともとは、バース領からのみ採掘することができた。


親衛隊専用移動空中要塞 ルーネ 親衛隊の作戦展開時に使われる空中移動要塞。隠密性も高く、空飛ぶ戦艦ともいわれている。このほかにも要塞は存在する。


ーーー


穂乃果「ママー。あの人たちだーれー?」


穂乃果ママ「あれは、王族直属の兵隊さんよ?あの、白いカラスがの旗が目印なの。」


穂乃果「へえ・・・。かっこいいね!!」


雪穂「ママー。おなかすいたー。」


穂乃果ママ「もう少し待ってね。今から兵隊さんから大事なお話があるらしいの。」


兵隊「ちゅうもーく!!」


兵隊「今回は我々神軍の呼びかけにより広間に集まってもらいとても皇帝陛下は喜ばれているだろう。このような従順は臣民たちは平等に平和を謳歌するべきであるからな。」


兵隊「しかし!この中に反乱軍がいることがわかった!!」


ええ!?

反乱軍だって!

い、いったい誰が!?


神軍「静かに。特例としていまから10秒以内に反乱軍が名乗り出た場合お咎めなしとする。時間はない。名乗り出よ!」


・・・・。


神軍「時間だ。残念ながらこの中には嘘つきもいるようだ。しかたがない、やれ。」


指揮官らしき人物が支持をすると数人のローブをきた男たちが空に手をかざした。

空に巨大な魔方陣が浮かび上がる。


穂乃果ママ「ふせてええええ!!」


穂乃果と雪穂は、倒されると同時に空から槍の雨が降ってきた。

槍の雨は老若男女関係なしに串刺しにしていく。

槍の雨は一向にやむ気配がなかった。


穂乃果ママ「姫・・・どうか・・・ご無事で・・・。」


穂乃果「ママ?!ママ?!雪穂!雪穂!!」




私がおぼえている最後の家族の記憶は槍に貫かれ腸や脳みそを垂れ流している姿だった。




穂乃果「どうしてこんな時に思い出すのだろう。」


穂乃果は見張りの首にナイフを当てると素早く引いた。

見張りの首から血が噴き出る。


穂乃果「これで最後だ。」


穂乃果はゆっくりと歩くと目的の人物がいる独房の前で立ち止まった。



ーーー




反軍「だめだ!!敵の数が多すぎる!!」


反軍2「敵の二足歩行兵器来ます!!」


海未「ここでスレイヤーの投入?!完全に私たちをつぶすつもりなのですね?」


反軍「隊長!どうしますか・・・?」


海未「・・・っ!後退して態勢を立て直します。」


反軍2「迫撃砲きます!!!」


海未「な!!」



海未は目を覚ますと周りの違和感に気が付いた。

普段から悪態をついている警備兵の声が聞こえないのだ。

その変わり独房の前に人の気配を感じていた。


海未「どなたかしら。」


穂乃果「目隠ししていてもわかるものなのね。」


海未「音があれば十分です。」


穂乃果「そう。あなた、反乱軍の隊長だったわよね?」


海未「・・・。」


穂乃果「沈黙は肯定とみなすわ。ここから出してあげるわ。そのかわり条件があるの。」


海未「条件ですか?」


穂乃果「私を反乱軍にいれなさい?」


海未「冗談が面白いですね。反乱軍は解体されました。」


穂乃果「まだよ。まだ、残っているは。証拠にまだ小規模ながらテロがおきているの。」


海未「そうですか・・・。」


穂乃果「仲間に会いたいとは思わないの?」


海未「・・・。」


穂乃果「私を疑っているのね。安心しなさい。私は私の意思で復讐しただけだから。」


海未「・・・。」


穂乃果「この怒りは・・・正すために使いたいの。」


海未「目隠しをとっていただけませんか?」


穂乃果はゆっくりと海未の目隠しをとった。

海未は眩しそうに目を細めると穂乃果の顔をみた。

その顔が驚愕するのにそれほど時間はかからなかった。


海未「そのオレンジ色の髪・・・。なるほど・・・。わかりました。あなたを反乱軍へ案内します。」


穂乃果「オレンジ色の髪がなにかしら?まあ、いいわ。契約成立ね。」


ーーーー


穂乃果「まさか・・・ここ・・・?」


海未「その通りです。この地下にあります。」


穂乃果「まさか、旧衛士駐屯地の地下に反乱軍がいるなんて誰もおもっていないだろうね。」


海未「それよりも、あなたステルスをつかえたのですね。」


穂乃果「みんな使えるものじゃないの?」


海未「はぁ・・・。いいですか?この世界には上級魔法と下級魔法が存在します。上級魔法は主に自らの体を変化させたり一度に大量の殺害、絶対防御壁のことをさします。下級魔法は、わずかな耐久力の障壁と微攻撃です。」


穂乃果「へえ。すごいんだね。」


海未「ほんとは上級魔法は王族と一部の賢者しか使えないのですが・・・まあ、いいでしょう。」


海未「つきましたよ。」


海未は扉を二回ノックをした。

しばらくするとのぞき窓から誰かが覗く気配がすると扉が開いた。


??「う、うそ!?」


海未「本物ですよ。花陽。私は生きています。」


花陽「うう・・。海未ちゃんが生きてたあああ!!」


??「ほ、ほんとうかにゃ?!」


花陽「本当だよ、凛ちゃん!」


凛「ほ、本当だにゃ!」


海未「皆様ご心配をおかけしました。」


隊長ーーー!!


待ってました!


ずっと信じていましたよ!!


海未「みなさん・・・ありがとうございます。」


穂乃果「いい加減いい?何にも楽しくないんだけど。」


誰だこいつ!


全員が銃を構える。


穂乃果「穂乃果とやりあうの?いいよ。後悔しないでね!」


穂乃果も銃を構える。よく磨かれている銃だ。


海未「みなさん落ち着いてください。彼女が私を助けてくれたのです。」


凛「にゃ?海未ちゃんの命の恩人かにゃ?」


海未「その通りです。彼女は反乱軍に入隊を希望したので私が連れてきました。」


花陽「ま、まあ。海未ちゃんが言うなら間違いないよ。」


そ、そうだな・・・。


隊長が連れてきたんだしな。


海未「花陽。ありがとうございます。」


花陽「ぜ、ぜんぜんきにしないで?」


海未「ところで、司令はどこにいますか?」


凛「たぶん、司令室だと思うにゃ!」


海未「そうですか。行きますよ、穂乃果。」


海未は、穂乃果をつれてうす暗い通路を進んでいった。

通りかかる兵士一人一人が丁寧に海未に敬礼をする。


穂乃果「かなり、大物みたいだね。」


海未「やめてください。そんなことは過去の話です。私のことは海未とお呼びください。」


穂乃果「わかったよ。海未ちゃん。」


海未「・・・まあ、いいでしょう。」


海未「ここが司令室です。ひとつ言っておきます。もし司令が変わっていなければかなりかの変わり者ですので。」


穂乃果「わかったよ。」


海未がノックをする。

部屋の中から「ふぁーい」という気の抜けた返事がする。


海未「園田 少佐。只今ベルケン刑務所から帰還いたしました。」


??「あ、そう。」


??「もう・・・大佐。もっと歓迎してあげてくださいよ。」


海未「いいんですよ、ことり。いつものことです。」


ことり「大佐・・・。明日からチュッパチャッパス抜きにしますよ。」ボソ


大佐「いやあ、よく帰ってきたね。怪我はないかい?」


海未「はっ。この通り心身ともに無事であります。」


大佐「さすが・・・園田家の娘は違うね。」


海未「からかわないで下さいよ。葛城大佐。」


葛城「ははは。ところで・・・。その子は誰かな。」


海未「彼女は・・・。」


穂乃果「へえ。意外だね。あの英雄葛城。血の闘将が反乱軍の1司令部の指揮官になっていたなんてね。」


葛城「君・・・なかなか面白いことをいうね・・・。」


葛城の雰囲気がガラリと変わったのは誰の目から見ても明らかだった。

葛城が棒だけとなったチュッパチャッパスを捨てると新しいのを口に放り込む。


葛城「まあ、いいや。そのオレンジの髪。ふふ・・・・。君バースの産まれでしょ?」


穂乃果「え・・・?」


葛城「ほお。何も知らないのか。まあ、いいや。名前は。」


穂乃果「高坂 穂乃果。」


葛城「高坂・・・。」


葛城が宙を仰ぐ。

ニヤリと笑う気がした。


葛城「いいだろう。君のこの支部への入隊を認めよう。園田と南は少し席をはずしてくれ。高坂。少し、話をしよう。」




ことり「いったい何の話なんだろうね。」


海未「さあ・・・見当もつきません。」


ことり「海未ちゃんは、気にならないの。」


海未「大佐のすることです。必ず意味があるはずです。






と、信じていますから・・・。」


ことり「ふふふ。聞かなかったことにするね。」


ことり「それよりもー、海未ちゃんいなくて大変だったんだよ!!」


海未「そうですか。それでは少し話をしに行きましょうか・・・。」





葛城「さて・・・。高坂。そのいでたち、反乱軍のものではないな。どこで手に入れた。」


穂乃果「どこだっていいじゃん。穂乃果は今までずっと一人だったんだから・・・。」


葛城「ハハハ。そうか、貴様何も知らないんだな。」


穂乃果「なにもってなにを。」


葛城「そのままさ。なにもしらないんだな。」


穂乃果は突然足のところからナイフを抜くと葛城に突き出す。

しかし、ナイフは見えない壁にさえぎられるように動かなくなった。



穂乃果「障壁・・・?いや、でもこの感じ・・・!」


葛城「衝撃波。実に使い勝手のいい魔法だ。」


穂乃果「それは・・・上級魔法のはず・・・!」


葛城はポケットから黒い石をとりだすと穂乃果になげた。

石は、見た目より重い音をたてながら床に落ちた。


葛城「透和石(とうわせき)。14年前ネウロがバースに侵攻した原因だ。」


穂乃果「え?!」


葛城「そもそも、魔法がタダで使えると思うのか?答えはNOだ。魔法は等価交換によって使えるようになっている。」


葛城はそこで言葉を切るとタバコに火をつけた。


葛城「魔法は寿命と交換でつかえるようになっている。」


穂乃果「寿命・・・。う、うそ・・・。」


葛城「ただし、一部の人間はその等価交換の法則を無視して使うことができる。俗にいう王族、賢者といった類だ。」


穂乃果「一部の人間・・・。つまり、上級魔法が使えるってことは・・・。」


葛城「その通り。上級魔法といわれるゆえんは、その莫大な等価交換からきている。」


葛城は新しい煙草に火をつけた。


穂乃果「そ、それじゃ、私は!」


葛城「その話はまた今度にしよう。では、なぜ一階の兵士が上級魔法をつかえたか。そこで出てくるのが透和石だ。こいつは、不思議なことに自らの寿命を払う代償の代わりとすることができるんだ。そして代償となったあとは黒く濁る。」


葛城「馬鹿らしいと思うか?そんな石ころひとつのために国を滅ぼしたんだぞ。」


穂乃果「・・・。」


葛城「お前は明日から園田の下につけ。」


穂乃果「私は・・・私は・・・。」


葛城「以上だ。下がれ。」



ーーー


海未「またっく。今日はくたびれました。ゆっくり休みたいものです。」


海未は自室の扉を開いた。

しかし、中には下着姿の穂乃果が着替えをしている真っ最中だった。

海未の顔が真っ赤になっていく。


海未「は、破廉恥です!!」


穂乃果「破廉恥も何もノックもなしに入ってきたんでしょ。」


穂乃果が強引に海未を部屋に引き入れる。


海未「な、なにをするんですか!」


穂乃果はそのまま海未覆いかぶさるようにベットへ押し倒すとナイフを首元に突き付けた。


穂乃果「穂乃果の秘密を知ってるんでしょ?!」


海未「何の話かわかりません。」


穂乃果「とぼけないで!髪の色の話!あなたもしてた!」


海未「そ、それは・・・。」


穂乃果「知ってるんでしょ!」


海未「言えません!」


海未が穂乃果を押しのける。

穂乃果は壁まで飛ばされた。ナイフは部屋の隅へと転がっていく。


海未「知りませんし、知っていても言えません!」


穂乃果「だったら力づくで!!」


海未「いいでしょう!私を負かせたらお教えしましょう。」


穂乃果と海未がもつれるようにベッドへ倒れこむ。


その時だ部屋の扉が勢いよく開かれたのは。


??「海未!どういうことよ!帰ってきたのはいいけど私たちのスレイヤー隊が全滅って・・・。」


部屋に入ってきた少女はツインテールにピンクのリボン、反乱軍の服をおしゃれに着こなしていた。

一方穂乃果と海未達は、お互いに下着がずれなまめかしい肌があらわになっていた。


??「あんた達・・・なにしてんのよ・・・。」



ーーー


テレビからは、壮大なファンファーレと拍手が鳴り響いていた。


司会『それでは、我ら陛下。エリーチカ様よりお話です。」


絵里『国民のみなさん。ごきげんよう。』


民衆『エリーチカ万歳!ネウロ公国万歳!』


絵里『みなさん、今日の公国の繁栄は皆様方のおかげです。皆様方の労働力のたまものです。本当に感謝申し上げます。』


絵里『しかし、近年私たち公国の平和を脅かす危機が迫っています。そう、反乱軍です。私たちはこの平和を、幸福を守るため戦わなくてはならないのです。』


絵里『どうか力を貸してください!戦いましょう!明日のために!未来のために!ヴァリディーティ!』


民衆『ヴァリディーティ!』


葛城「消してくれ。」


ことり「わかりました。」


葛城「・・・。」


葛城はチュッパチャッパスをもてあそぶと口の中へと放り込んだ。


葛城「まったく。民衆も本当に意味をわかっているのか。」


ことり「意味がわからなくてもやる。それがこの国です。」


葛城「呑気なこった。」


ことり「ふふふ。あの闘将が言っているとは思いませんね。」


葛城「昔の話だ。」


ことり「・・・。穂乃果ちゃんに何を言ったんですか?」


葛城「ふふ・・・。世間話だよ。」


ーーーー


希「お疲れ様エリチ。」


絵里「まったく、民主も馬鹿ね。あんな茶番でだまされるなんて。」


希「まあまあ、これもエリチの実力やん。」


絵里「希・・・。やっぱり正解だったわ。希を内務大臣にして。」


希「やめてや。照れるやん。」


絵里の手が希の頬に伸びる。

希は恥ずかしそうにうつむいた。


絵里「恥ずかしがることないのよ。」


希「こんな、王室でやること・・・。」


無情なノックが王室に鳴り響いた。

絵里は小さく舌打ちをした。


??「失礼します。」


絵里「どうしたの?西木野近衛隊長。」


真姫「いや・・・その・・・。会いたいといっている人が・・・。」


絵里「誰よ?」


真姫「その・・・。」


??「来たわ。」


真姫「・・・!」


絵里「あら、雪穂。なんできたのかしら?」


雪穂「退屈なのよ。王家直属部隊っていうのは。」


絵里「そのかわり、スリリングな仕事を与えているでしょ?」


雪穂「まあね。」


希「高坂 隊長。ここに顔をだすのは控えろっていったやん?」


真姫「そうよ。ここはあなたが来るような場所じゃないわ。」


雪穂「うるさいわね・・・。」


雪穂の背後からオーラのようなものが浮かび上がる。

規格外の魔力が漏れ出しているのだ。


絵里「まあ、雪穂。抑えて抑えて。」


雪穂「チッ。そういえば、あのゴミ虫が吐いたわ。」


絵里「それは朗報ね。さっそく拷問室に行きましょうか。」


ーーー


絵里「あー。本当にいいところね。ここは。」


雪穂「女王様のあなたには似合わないはずの場所なのにね。」


絵里「いいのよ。あの姿は完全なる偽りよ。」


真姫「あ、本当に行くの?」


絵里「なによ。そんなこと言われると冷めるじゃない。いいわ、真姫、あなたはここで待ってなさい。」


真姫「で、でも!」


希「ええんよ。親衛隊長さんはきれいなところだけで。」


真姫「こんなの・・・・。」


絵里たち3人は血なまぐさい扉の中へと消えていった。


絵里「彼女もそろそろかしらね。」


希「真姫ちゃんのことやね?」


絵里「もちろんよ。」


雪穂「安心して。私が確実にしとめる。」


絵里「もちろんよ。頼むわね。」


絵里「さてさて、捕虜君。君の生死は私が握っているわけだけど・・・。知っていることを吐きなさい?」


捕虜「・・・。」


雪穂「吐きなさいよ!」


雪穂が強烈なボディブローをきめる。


捕虜「モガっ!!」


絵里「ほら、言わんこっちゃない。早く言いなさい?」


捕虜「・・・・。」


絵里「しかたないわね。もう少し荒っぽくいきましょうか。」


絵里「リレンド。」


絵里が一言つぶやくと捕虜の腕がありえない方向に折れ曲がった。

みしみしと音をたてながら確実に腕は曲がっていった。


雪穂「早く言いなさい。」


捕虜「モガアアア!」


希「え、エリチ!死んでしまうやん!」


雪穂「うるさい!」


雪穂は剣を抜くと希の首筋にあてた。


雪穂「次邪魔したら切る。」


希「・・・・。」


絵里「ほら、早く言いなさい?」


絵里が捕虜にかぶせたる布袋を取り去った。


捕虜「・・・王政に反乱を・・・反乱軍に栄光を!!!」


絵里「死ね!」


捕虜の体中からミシミシと音が立つと血を吹き出しながら捕虜は倒れた。


絵里「台無しじゃない・・・。」


希「・・・。」


ーーー


にこ「なるほどね・・・。要するにあんた達はもめていて決して情痴を働いてたわけではないのね。」


海未「あ、あたりまえです!そんなことするわけないじゃないですか!」


穂乃果「なによ・・・。あなたのテクなかなかよかったのに・・・。」


海未「なっ!」


穂乃果「穂乃果の体を傷物にしたくせに・・・。」


海未「た、たしかに!!あ、あなたを綺麗だと思いましたが・・・。け、けっして・・・・。そ、その・・・。」


にこ「も、もういいわ。海未・・・・。大人になったのね・・・。」


海未「な、なってません!」


にこ「もういいっての。紹介が遅れたわね。にこよ。よろしく。」


穂乃果「・・・。穂乃果・・・。」


にこ「そう。あなたがあの大物新人ね・・。ふふふ・・・・。」


穂乃果「な、なによ・・・。」


にこ「なんでもないわ。それよりも、そろそろ時間ね。」


穂乃果「なんの時間なの?」


海未「も、もうそんな時間なんですか?」


にこ「あと一時間よ。」


海未「そうですか。では早速行きましょうか。」


穂乃果「どこにいくのよ!」


海未「あなたも付いてくればわかります。この国の現状が。」


ーーー


穂乃果「こんな郊外にきてどうするの?」


にこ「黙ってなさい。そのうちわかるわ。」


前方からトラックがゆっくりと近づいてきた。


穂乃果「あの紋章!王室じゃない!」


穂乃果は後部座席からRPGを取りだそうとした。

しかし、その手を海未が止めた。


海未「大丈夫です。私たちを信じてください。」


穂乃果「それでも!」


海未「信じなさい!」


穂乃果「・・・。」


やがて、トラックは止まるとエンジンを切った。

穂乃果たちが車から降りると一人がトラックから降りてきた。

フードを深くかぶりマントをしているため人相はまったくわからない。


海未「こんばんは。レッドさん。」


レッド「こんばんは。ブルーさん。」


海未「・・・。」


レッド「・・・・。奴らはジェスタから反乱軍を一掃するつもりよ。」


海未「・・・・?ジェスタ?なぜあそこを。」


レッド「ジェスタ湾に最近妙な潜水艦が配備されたの。わかっているのは、名前がプリアートということだけ。」


海未「プリアート・・・。」


レッド「そう。そしてジェスタ港にスレイヤーが集結しているわ。」


海未「まさか、ジェスタの町を丸々消すつもりじゃ!!」


レッド「わからないわ。ただ、あそこは海上交通の要と隣接する町。すこしでも危険なものを排除しておきたいっていうのは間違いないと思うわ。」


海未「だからって!許せません・・・。」


レッド「だからあなた達に話してるんでしょ?革命家さん。」


海未「・・・。」


レッド「どうしたのかしら?」


海未「いえ・・・。なにも・・・。」


レッド「そう。それじゃ、後は頼んだわよ。」


海未「レッドさん!」


レッド「なによ?」


海未「こちらには来ないのですか・・・?」


レッド「・・・私には救いたい人がいるのよ・・・。」


ーーー


海未「以上の点より早急に我々反乱軍はジェスタへの侵攻をすることを具申いたします。」


葛城「ジェスタへね・・・。矢澤はどう思う。」


にこ「正直無謀ね。ジェスタには王国1の軍事港がある。それに斥候を出したところ、第4スレイヤー大隊がいたわ。」


海未「ですが!このまま見過ごせばジェスタの町は・・・!」


にこ「あそこには、第4歩兵師団・第3機甲化部隊・第2艦隊がいるのよ!それだけで、あの港がどれだけ厳重だかわからないの!?」


海未「確かにそうです・・・・。しかし、我々反乱軍が国民の平和をもたらす使命があります!たとえ、無謀な作戦だとしても挑むべきです!」


にこ「はっ・・・。そんなんだからこの前のヴェルツ丘の戦いで部下を無駄死にさせ、捕まるのよ。」


海未「私の・・・。私の部下を侮辱しないでください!」


にこ「侮辱・・??事実をいっているだけじゃない。部下として隊長を収めることが出来ず無謀な作戦を遂行中に死ぬ。どこが栄誉にあたいするの?」


海未「にこ!あなたという人は!」


葛城「黙れ!」


海未&にこ「・・・。」


葛城「喧嘩はここでやるな。目障りだ。」


海未「…申し訳ありません・・・。」


にこ「悪かったわよ・・・。」


葛城「・・・。南。至急円卓会を開く準備をしてくれるか。」


ことり「わかりました、大佐。」


葛城「高坂。お前はどう思う。」


穂乃果「・・・。」


葛城「ジェスタは、もともとバースの領土だ。」


穂乃果「それがなに?穂乃果には関係ないよ。」


葛城「・・・そうか。ならばお前はこの作戦に反対か。賛成か。」


穂乃果「私は、早く復讐を果たしたい。反対する理由はないわ。」


葛城「そうか。」


葛城「以上だ。解散しろ。」



ーーー


海未「にこ!何を考えているのですか!」


にこ「なにって。無謀な戦いを止めて何が悪いのよ。」


海未「だとしても、国民が苦しむかもしれないのにどうして平静でいられるのですか。」


にこ「まだ、可能性の話よ。たしかに、ジェスタ港にはスレイヤーが集まっているわ。だけど、もともとあそこの軍備が多いのはいつものことじゃない。」


海未「くっ・・・。」


にこ「それとも、感傷的になているのかしら?あんた、たしかジェスタ出身よね?」


海未「そ、そんなことは!」


にこ「自分の生まれ故郷が無くなるのは耐えられないのかしら?」


にこ「いい?そんな枷になるものは捨てなさい。これから邪魔になるだけよ。」


海未「私は、決して!」


穂乃果「どうでもいいよ。穂乃果たちが考えるのはいかに効率よく敵を殺すかでしょ。」







穂乃果「・・・どうせ、故郷なんて滅びるのよ。」


海未「・・・・。」


にこ「・・・。」


花陽「うわあああああ!」


突然、扉が開き花陽と凛が入ってきた。


花陽「もう、凛ちゃん!押さないでよ。」


凛「ごめんにゃー。」


にこ「・・・。」


海未「あなた達・・・・聞いていたのですね?」


凛「な、なんだか海未ちゃんこわいにゃ・・・。」


海未「当たり前です!まったくあなた達は・・・。」


花陽「ご、ごめんなさい。少佐。」


にこ「まあ、いいわ。あんた達にも関係ない話じゃないしね。」


穂乃果「はあ・・・。これが反乱軍ね・・・。」


にこ「あんなたは、まだわかってないのよ。このローデン基地がどれだけ強大な力を持っているか。」


穂乃果「力・・・?」


花陽「に、にこちゃん!言っていいの?」


にこ「いいにきまってるじゃない。もう、仲間なんでしょ?よろしくね、穂乃果。」


凛「そうにゃー!穂乃果ちゃんも仲間にゃ。」


穂乃果「仲間・・・。」


にこ「さあ、行くわよ。」


穂乃果「行くってどこに?」


にこ「真下よ。」


ーーー


ことり「大佐。円卓会の準備できました。」


葛城「つないでくれ。」


突然、部屋全体が黒く暗転すると巨大な丸い机のある部屋へと変わる。

空間転移の魔法の応用によって動いているのだ。

既に円卓には5人の男たちがすわっており、男たちの隣には秘書官とよばれる女が立っていた。


葛城「遅れてしまって申し訳ない。」


葛城が自らの席につきながら非礼をわびた。


??「まったく。無礼な奴だ。」


??「まあまあ、そう怒らないでくださいエンケ司令。」


エンケ「君は、葛城を庇うのかね?ジューク中将。」


ジューク「まさか、遅刻を許せるほど私の心は広くないので。」


??「そこまでにしましょう。会議を進めましょう。」


??「いかにも、我々には時間がない。」


エンケ「ほお。ブリッツ大佐と齋藤司令は寛容なお方なようで。我々と違いあんな謝罪で許してしまうのですね。」


齋藤「エンケ司令。私は時間が惜しいといったのだが聞こえなかったのかね?」


エンケ「ほ、ほお・・・。言いますね。」


??「くどい。そこまでにしろ。」


ジューク「こ、これはドロウ軍団長…。も、申し訳ありません。」


ドロウ「ふん。それでは円卓会を始める。葛城大佐。状況の説明を。」


葛城「はい。我々は昨日、確かな情報源よりジェスタ港での異常な動きを察知しました。」


齋藤「異常な動き・・・?」


葛城「はい。現在あの港には第4歩兵師団・第3機甲化部隊・第2艦隊が配備されています。」


エンケ「そんなことは周知の事実。だからこそ我々も攻めきれなく手をこまねいているのであろう。」


葛城「あそこにさらに、スレイヤー第4大隊が配備されました。」


ドロウ「それは確かな情報なのか。」


葛城「間違いありません。うちの斥候も確認しました。」


ざわざわと音がする。だれもが、スレイヤーという言葉に敏感になっていた。


ジューク「だが、スレイヤーといえどもしょせん我々の魔装部隊の前には、赤子どうぜん!恐れるに足らず。」


葛城「お忘れですか、ジューク中将。先のヴェルツ丘の戦いを。」


葛城「優勢だった我々を打ち破ったのはスレイヤーです。奴らの機能は日に日に向上している。」


ジューク「だが!我々にもないわけではなかろう!」


葛城「確かに、我々も鹵獲したスレイヤーを数機保持しています。しかし、やはり性能では劣る。」


ドロワ「話をもどそう。葛城大佐、君は何が言いたのかね。」


葛城「奴らは、ジェスタの町を軍事拠点に変えるため破壊するつもりです。」


ブリッツ「テロリストの攻撃をうけ町は壊滅・・・という筋書きにするつもりか。」


葛城「もし、ジェスタが破壊されたらノーデン山脈しか我々を守る砦はありません。」


葛城「私は。ジェスタの防衛、並びに敵軍事港の破壊を兼ねてジェスタ港への攻撃を具申します。」


エンケ「ま、まて!策はあるのか!先ほどやつらのスレイヤーの脅威を離話していたばかりではないか!」


葛城「今ここで攻撃せずジェスタが破壊されノーデン山脈を越えられ我々の本部が攻撃された時の被害を想定してみてください。どちらが少ないですか?」


エンケ「くっ・・・。」


齋藤「だが、よもや無策というわけでもあるまい。」


葛城「・・・ここにスレイヤーの上位機体。トライデントという機体についての文書があります。」


ドロワ「それも特別な情報源というわけか。」


葛城「ええ・・・。我々はこれを奪取。戦力に加えます。」


沈黙が円卓に流れた。だれしもが考えを巡らせているのだ。


ドロワ「勝算はあるのかね?葛城大佐。」


葛城「もちろんです、軍団長どの。」


エンケ「馬鹿な!あそこをおとすなど無理に決まっている!」


ジューク「そうだ!犬死にするだけではないか!」


葛城「お言葉ですが!私には、確実にかてる計画があります。」


エンケ「では、聞かしてもらおうではないか。」


葛城「今、いうわけにはいきません。」


エンケ「なにだと!貴様!」


ドロワ「まあ、よい。葛城大佐。ローデン基地の兵力はどれほどなのだね?」


葛城「現在3000といったところです。できれば、もう3000いただきたいところです。」


エンケ「たった6000で攻撃するだと?とち狂ったか!私は、絶対兵を出さんぞ!」


ジューク「私も、その作戦には乗れませんな。」


齋藤「残念ながら、先の海戦の影響をうけていてな。参加は難しい。」


ブリッツ「では、私が。」


ドロワ「いいのだな?ブリッツ大佐。」


ブリッツ「かまいません。」


ドロワ「うむ。では、詳細は追って連絡するように。解散。」


エンケとジュークは、葛城をにらみながら部屋を出ていった。

ドロワと齋藤はなにやら話し込んでいる。


ブリッツ「葛城。」


葛城「なんだ。」


ブリッツ「私は、あの日お前を殺さなくてよかったんだよな?」


葛城「・・・正解か不正解なんてあいまいなものさ、後悔していないのならそれでいいのではないか?」


ブリッツ「そうだな・・・。」


ブリッツは名残惜しそうに部屋を出ていく。


葛城「南。」


ことり「どうしましたか、大佐。」


葛城「この国に密告者がどれだけいると思う?」


ことり「密告者ですか・・・?」


葛城「6人に1人だ。」


ことり「まさか、大佐は・・・。」


葛城「使い魔を放っておいてくれ。」


ことり「わかりました。」


葛城「・・・さて、どうしたものか。」


葛城「老人たちの黙示録が先か・・・・私がゴルゴダの丘につるされるのが先か・・・面白い。」


ーーー


穂乃果「こんな地下になにがあるの?」


にこ「いいからついてきなさい。」


海未「久しぶりですね。ここに来るのは。」


にこ「あんたはね。ずっと凛と花陽が整備してくれたのよ。」


凛「そうだにゃー!ね、かよちん。」


花陽「う、うん。」


海未「そうですか。それは、ありがとうございます。」


にこ「ついたわね。花陽、照明つけて。」


穂乃果「こ、これは・・・。」


にこ「ふふ。驚いたでしょ?これは、私たちが今まで鹵獲してきたスレイヤーを独自に強化してきた機体達よ。」


穂乃果「こ、こんなに。」


海未「ですが、この機体は本来日の目にでていい機体ではないのです。」


穂乃果「どうして?」


花陽「それは・・・。」


海未「力がありすぎるからです。おそらく、これを反乱軍のほかの将校がみれば間違いな大反抗作戦を展開させるでしょう。」


穂乃果「それの、どこが問題があるの?民衆の開放が反乱軍の目的でしょ。」


にこ「たしかにそうよ。だけど、誰が好き好んで命を無駄に投げ出すのかしら?少なくとも私は嫌よ。」


穂乃果「・・・。」


凛「その点では、葛城大佐はすごく理解があるにゃ・・・。だけど、かつてバースの闘将と呼ばれた人がどうして反乱軍にいるのかは謎だにゃ・・・。」


花陽「大佐は間違いなく最高の指揮官です。でも・・・だからこそ私たちにはすべてを教えてもらいたいんです。」


海未「花陽・・・。」


穂乃果「穂乃果には、関係ない話だよ。でも、この基地にたしかな戦力があることはわかったよ。」


にこ「ま、今日のところはそれでいでしょう。」


ことり『大至急、矢沢隊と園田隊は司令室に来るように。』


にこ「お呼びね。行きましょうか。」



Chaputer 2


その日ジェスタ港にはノーデン山脈から流れ出てくる濃霧でいつも以上に視界が悪くなっていた。


兵「今日がいつもより視界が悪いな。」


兵2「なに言ってるんだ。反乱軍もまさかここに攻めてくるわけがないだろう。」


兵「それはそうだろうが。」


兵2「そんなに慌てるなって、お前ここい配属されたばかりだろ?緊張しすぎだリラックスリラックス。」


兵「わ、わかっているさ。」


兵2「ははは。仕方ないな、いいか大きく息を吸って、それで・・・。」


突然兵2は、倒れた。兵は、かけより脈を計る。


兵「う、うそだろ!!おい!!起きろ!!おい!!」


兵「甘い匂い・・・。」


兵が気づいた時にはすでに体が動かなくなっておりただ、呼吸が止まるまでのわずかな時間を生きたいと祈るしかなかった。


ーーー


海未「そろそろころあいですかね。」


穂乃果「まさか、濃霧に神経ガスを紛れ込ますなんて。」


海未「たしかに、非人道的ですが効果的な作戦です。」


ことり『園田小隊行動開始せよ。』


海未「園田了解。目標、敵トライデント格納庫。」


海未と穂乃果をあわせた20人は一斉にがけから降下すると鉄の嵐を振りまいていった



ーーー


にこ「作戦通りね。」


凛「そうだにゃ。いい調子だにゃ。」


反乱軍(反軍)「にこ隊長。突入準備完了しました。」


にこ「わかったわ。第2・第3中隊突撃開始。」


反軍「了解しました。伝令!第2・第3中隊突撃開始!」


ガスマスクをつけ武装をした反乱軍がノーデン山脈とジェスカビーチから突撃を始めた。

バース国軍は突然の襲撃に対応することが出来なかった。

反乱軍は順調に制圧を進めていく。

しかし、突如そらから巨大な二足歩行機動兵器スレイヤーが降下を始めたことにより戦況は一気にひっくり返ることとなった。


反軍『スレイヤーー!!助けてくれ!!』


にこ「もう、きたの?!早すぎない?!」


凛「早くいくにゃ。」


にこ「そうね。もう少しで、海未達との合流地点よ。」


兵「止まれ!!小隊攻撃開始!!」


にこ「どきなさい!!」


にこは、飛び交う弾丸をよけ始めた。スロウの魔法を弾丸にかけ肉眼で確認できる速度へと換えたのだ。


兵「ば、化け物か!」


凛「撃ち方はじめ!」


反乱軍の銃撃に兵士たちはなぎ倒されていった。

にこは、走り続け腰のサーベルを抜くと兵士の首へと突き刺した。


にこ「撃ち方やめ。第一看守所を制圧と本部へ報告。以後、第2中隊は看守所の防衛。第3中隊は敵本部への攻撃開始。」


反軍「はっ。」


にこ「この中ね。行くわよ、凛。」


ーーー


ことり「矢澤大尉より入電。看守所の制圧完了並びにスレイヤー隊が出動したようです。」


葛城「ごくろうと伝えてくれ。ブリッツ大佐に連絡魔装部隊降下開始。」


魔装『了解。降下開始。』


ことり「・・・まさか、空からも来るとは思っていないでしょうね。」


葛城「だろうな。飛行船など使っているのは旧式の装備の部隊だけだ。故に効果がある。」


反軍「大佐。魔装部隊降下開始ました。」


葛城「ことり、下の兵たちにスレイヤーを避けるように連絡。」


ことり「ただちにやります。」


葛城「・・・急いでくれ。」


ーーー


魔装「隊長まもなく、降下開始です。」


隊長「うむ。みな、やることはわかっているな。我々は、対機動兵器の要だ。なんとしても、園田少佐達がトライデント奪取までの時間を稼ぐのだ。」


魔装「やー!。」


隊長「降下開始!」


魔装部隊は、一斉に空へと飛び出した。

風は下から上へと強く吹きつける。


隊長「視界確保!」


魔装「スレイヤー発見!数8です!」


隊長「散開!上空から一気に叩く!」


魔装「やー!」


魔装部隊総勢30名は5人一組を作るとスレイヤーの真上へ向かって急降下を始めた。


魔装「スレイヤー発砲!!!気づかれています!!うわあああああ!」


下からは、スレイヤーが放つ22mm弾が飛んできていた。


隊長「姿勢を保て!一気に行くぞ。」


魔装「地表到着まで残り10秒!」


隊長「着地装置起動!いくぞ!!」


隊長「ライボルト!!」


魔装部隊は、手を前へだすと魔法名を唱える。

高速な光はスレイヤーへと向かうと巨大な爆発音をおこした。

魔装部隊は、スラスターを逆噴射させると地表へと降り立つ。


隊長「装備を破棄。散開しろ!まだ、のこっているぞ!」


隊長「チャージ完了後すぐに照射しろ!それまで各個撃破につとめろ!」


魔装部隊は、魔法に特化した部隊であった。巨大な電撃魔法を当てることで起動兵器を電子機器を破壊し内部から爆散させることができる強力な部隊である。しかし、次弾発射までに1分間の間隔をあけなければを撃てないという欠点があった。


隊長「園田少佐!急いでくれ!!」


ーーー


穂乃果「邪魔しないで!」


穂乃果がMP5の引き金を絞る。

凶弾に兵士たちはバタバタと倒れていった。


穂乃果「そこ!」


穂乃果が銃を向ける。そこには、刀をかまえた海未がいた。


海未「私です。」


穂乃果「・・・ここだね。」


海未「そうですね・・・。」


穂乃果が慎重に扉を開ける。

しかし、内側から攻撃されることははなかった。


にこ「もう占領したわ。」


海未「さすがです。」


穂乃果「これが・・・トライデント。」


凛「とにかく、早く乗るにゃ!」


海未「それでは、起動後地表のスレイヤーの撃滅へと向かいます。」



ーーー


穂乃果「どこから入るの。」


穂乃果が胸の部品に触れると大きな穴を開けコックピットがあらわれた。



穂乃果「さあ、起動しなさい!」


しかし、どこを触っても動き出すことはなかった。それまでか、穂乃果は完全にコックピットに閉じ込められた。


穂乃果「なんでよ!どうしていつも、いつも!」


穂乃果「私に力を貸しなさい!!!」


突然メインモニターが光りだすと、穂乃果の首筋に針が刺された。鮮血は細い管を通っていくと機体へと吸い込まれていった。


案内「血液採取完了。魔術回路の適性判断・・・・完了。適性資格所持者確認、これより本機は高坂 穂乃果のと認識、魔術供給源とのコネクト開始・・・完了。安定した供給の維持を要請、装備換装開始タイプ「クライブ」・・・完了、トレイデント起動。」


穂乃果「・・・これでいいのね!!」


穂乃果が操縦桿を握る、わずかに体の力が抜けていくような感覚に襲われるが気にはしなかった。


穂乃果「大剣ブライスソード?それに15mm頭部バルカン、22mmカービンライフル、爆散型ナックル・・・近距離向きね、上等!」


穂乃果は大きくスラスターを吹かせると地上へと昇って行った。


ーーー


にこ「なによ、これ!まったくうごかないじゃない。」


・・・私は、なにもできないままなの。抗うこともせず、ただ家族を仲間を殺されていく・・・奪われていく日々・・。


にこ「私は繰り返したくないだけよ!動きなさいよ、このポンコツ!」


次の瞬間、にこは首筋に鋭い痛みを感じた。不思議と気分が高揚していくのが自分でもよくわかっていた。


案内「「血液採取完了。魔術回路の適性判断・・・・完了。適性資格所持者確認、これより本機の持ち主を矢澤 にこと認識、魔術供給源とのコネクト開始・・・完了。安定した供給の維持を要請、装備換装開始タイプ「バスター」・・・完了、トライデント起動。」


にこ「なによこれ・・・55mmガトリングにホーミング型ミサイル、対地ミサイル、88mmカノン砲、ソニックブレード、22mm拳銃って・・これじゃまるでハリネズミじゃない!これかわいいの?!」


にこ「・・・いいわ。これで力を手に入れられるなら私はかまわない!」


にこはペダルを踏むと一気に上昇した。邪魔な隔壁を破壊すると地上へと飛び出した。


にこ「あんたたちが・・・悪いのよ!!」


バスターはホーミングミサイルをけん制に撃つと間をあけた。スレイヤーの数は3。マシンガンを容赦なく撃ってきた。


にこ「それが・・・どうしたのよ!」


88mm砲がスレイヤーの頭を吹き飛ばした。火花を散らしながらスレイヤーは倒れた。


にこ「まずは、1!」


バスターは、煙幕を焚きながら後退するとミサイルを打ち出した、スレイヤーの左手がもげるのを確認すると再び88mm砲で頭を吹き飛ばした。


にこ「これで、2!」


スレイヤーは近接攻撃をしようと一気に詰めてきた。しかし、バスターはその無防備な体に容赦なく55mmガトリングを撃ちこんでいった。

スレイヤーが爆散するまで数秒とかかることはなかった。


にこ「これで、終わり!」


にこ「はぁ・・・はぁ・・・私は・・・必ず!」


ーーー



凛「にゃにゃ?ボタンありすぎにゃ・・・。」


凛「ええい!全部押すにゃ!」


凛は端から順に押していった。すると、モニターが明るくなり首筋にちくりと痛みを感じた。


凛「いたいにゃ!!」


案内「血液採取完了。魔術回路の適性判断・・・・完了。適性資格所持者確認、これより本機の持ち主を星空 凛と認識、魔術供給源とのコネクト開始・・・完了。安定した供給の維持を要請、装備換装開始タイプ「ガイア」・・・完了、トライデント起動。」


凛「・・?よくわからないけど、動いたみたいだにゃ。これで・・・なになに、高振動波ブレード2丁、40mmバルカン5丁、アンカー2個・・?なんか、かっこわるいにゃ・・・。おお!変形できるんだにゃ!」


凛は再びボタンを押した。

格納庫の床が飛び出すように上昇を始める。


凛「ちょ、ちょっと待ってほしいにゃ!!」


ガイアは飛び出すとなんとか、着地に成功した。しかし、目の前には敵のスレイヤーがすでに待機していた。


凛「ちょうどいいにゃ、変形!!」


ガイアは、2足歩行型から4足歩行型へと切り替わると突撃を繰り出した。4足歩行型・・・ビーストモードのほうが速度が3倍のスピードであった。

ガイアは、そのまま頭のバルカンで敵を沈黙させたのであった。


ーーー


海未「これが・・・トライデント・・・。なるほど・・・大佐・・・・。」


案内「血液採取完了。魔術回路の適性判断・・・・完了。適性資格所持者確認、これより本機の持ち主を園田 海未と認識、魔術供給源とのコネクト開始・・・完了。安定した供給の維持を要請、装備換装開始タイプ「アロー」・・・完了、トライデント起動。」


海未「・・・サイコシールドに4連装バルカン、ビーム薙刀に可変型アロー・・・まるで私が搭乗することをねらっていたかのようですね・・・。」


海未は、サイドペダルを踏みつけた。

最終ロックは解除され、アローがぐらりと大きく揺れた。


海未「私は・・・運命というものには屈服しません!」



ーーー

通信兵「全トライデントの起動を確認。作戦を第2フェイズへ移行します。」


ブリッツ「よし・・・やったな。葛城。」


葛城「ああ・・・ブリッツは引き続きここで指揮をとってくれ。」


ブリッツ「待て葛城!貴様はどこへ行く。」


葛城「私は、南とともに降下する。安心しろ、裏切りはしない。」


ブリッツ「か、葛城!!・・・違うだろ・・・!」


南「・・・いいんですか?あんな態度で。」


葛城「かまわん。無意味な感情などなんの役にも立ちはしない。」


南「・・・私が、大佐の力になりたいと思うのも無意味な感情ですか?」


葛城「・・・意地悪を言うな。」


南「・・・やはり、大佐は優しいですね。」


葛城「・・・事態は一層緊迫したものになるだろう。おそらく、今回の襲撃もトライデント奪取も公国には筒抜けだったはず。それが成功したということは・・・。」


南「もうすこしです。」


葛城「さて・・・どうしたものか。下劣なネズミ探しと黙示録の阻止。どちらにせよ、死をもってのみ止めることが出来る悲劇。皮肉なものだ。」


ーーー


ジェスカ港及びジェスカ基地をめぐる戦闘は、わずか3時間で公国軍が撤退したことで終結した。

反乱軍の圧倒的勝利である。

ドロワは、そのまま葛城にジェスカ港守備隊長に任命。

葛城は、ローデン基地に続き二大基地を任されたのであった。

この出来事は、瞬く間に広がりありとあらゆる憶測を呼んだ。


「ネウロ公国 軍事司令部司令室」


秘書官「西木野様!西木野様!」


真姫「ああ!もう、うるさいわね。何事よ。」


秘書官「大変なことが起こりました!」


真姫「なにが起こったのよ。」


秘書官「はっ。ジェスカ基地が反乱軍より攻撃を受けました!死者7000人以上、守備隊長のドーンは基地を放棄。現在ジェスカ海溝を移動中のことです!」


真姫「そ、そう・・・。ジェスカが落ちたのね・・・。」


秘書官「いかがなさいますか・・・。」


真姫「そうね・・・。追撃部隊を編成。ドーンからは話を聞きたいわ。なんとしてもファントムより先に回収をして。エリーチカ様には、私が話をするわ。」


秘書官「かしこまりました。」


秘書官「失礼します。」



真姫「・・・。そう、やり遂げたのね。」


「ネウロ公国王宮王の間」


絵里「ジェスカが落ちた・・・?」


真姫「申し訳ありません。女王陛下。」


絵里「あそかは、真でも守りなさいと言ったじゃない!」


真姫「申し訳ありません。」


絵里「どうするのよ、あそこに最高機密の重要物もあったのよ!」


真姫「申し訳ありません。至急追撃部隊を派遣し、ジェスタの奪還を試みます。」


絵里「・・・いや、いいわ・・・。ふふふ。そうね、焦ることないわ計画が早まったことなだけじゃない。」


真姫「女王陛下・・・?」


絵里「いいわ、ジェスタはそのまま革命軍にあげなさい。これ以上の被害拡大を防ぐように。」


真姫「はっ。かしこまりました。では、私はこれで。」




絵里「ドーン将軍。」


真姫「・・・?!」


絵里「生きて帰ってこれるといいわね・・・。」


真姫「・・・!」ゾク


ーーー



エンケ「ええい、うるさい。誰だ。」


ジューク『緊急事態です、エンケ司令。』


エンケ「何事だ。手短に頼むぞ。」


ジューク『葛城が、ジェスタを落としました。』


エンケ「・・・!」


ジューク『そのまま団長に守備隊長に任命されたようです。』


エンケ「おのれ!!!」


ジューク『司令!どうか、お気を沈めてください。」


エンケ「これのどこが沈められるというのだ!」


エンケ「まさか・・・成功させるとは・・・葛城!」


ジューク『早急に手を打たねば我々の地位が危ないです・・・。』


エンケ「案ずるな。種は巻いてある。」


ジューク『なんと!さすがは司令。して、その種とは。』


エンケ「まあ、あわてるな。芽吹く時ではない。貴様にも協力してもらうぞ。」


ジューク『もちろんですとも、司令。』




Chaputer 3


花陽「予備戦力を含め、現在運用可能な機体はトライデント5機スレイヤー7機、車両が戦車を含め15台です。」


ことり「先日の敵輸送船団掃討作戦のダメージが大きいようですね。」


葛城「技術班は、よくやっている。問題は、我々へ雑務を押し付ける上のありかただ。」


ことり「しかし、断ることもできない・・・と。」


葛城「・・・。」


ことり「大佐の難しいお立場も理解しています。しかし、兵は疲弊しきっています。休息が必要です。」


葛城「・・・。」


ことり「大佐!」


葛城「小泉、例の船はどうなっている。」


花陽「は、はい。現在8割は修復完了しています。」


葛城「うむ・・・。いずれ、使う日が来るだろう。整備を頼む。」


花陽「わかりました。」


花陽は、敬礼をすると部屋から出ていった。

ことりと葛城の間に気まずい沈黙が流れる。


ことり「大佐・・・。」


葛城「南。よくわかっていると思いが、今革命軍の中で力を貸してくれるのはブリッツだけだ。ジュークとエンケは相変わらずの態度。齋藤もなかなか本性を現さない。団長も同様だ。」


ことり「今、下手に動くと疑われかねないと・・・。」


葛城「先日の敵輸送船団の積み荷はしっているか。」


ことり「いえ・・・。」


葛城は、液体の入ったガラスの瓶と石を引き出しから取り出した。

ことりの顔色がみるみる変わっていく。


ことり「透和石!」


葛城「こんなものが急いで必要となる・・・考えられるのは大規模な公国の作戦・・・。」


ことり「この液体は・・・?」


葛城「ヒロポネ。公国の兵士内で精神向上剤で流行っているが・・・実際は、精神向上剤の何倍もの濃度のモノ・・・。こんなものをつかったら薬漬け生活から抜け出すことは不可能だろう。」


ことり「どうしてこんなものを・・・。」


葛城「これには、もうひとつ幻覚や幻聴を誘発させ錯乱状態にさせる成分も含まれている。おおかた、心無い兵士でも作る気なんだろう。」


ことり「戦争に残虐性を増させるということですか。」


葛城「・・・。」


葛城「わかっただろう。もう、時間がないんだ。」



ーーー


雪穂「入ったわよ。」


??「何回言えばわかるの。ノックをしなさい。」


雪穂「うるさいわね。殺すわよ。


雪穂は、腰のサーベルを抜くと狂気に満ちた笑みを浮かべた。


??「やれるものならやりなさい。すぐにあなたの仕業とばれて一生追われる身になるでしょうね。そして、あなたが力を手に入れる日は永久に失われる。」


雪穂「・・・。」


??「わかったなら、はやくその物騒なものをしまいなさい。」


雪穂「勘違いしないで亜里沙。私は、あなたを利用しつくすだけだから。」


亜里沙「やれるものならやりなさい。そのうち気づく日が来るわ。どちらが上だったかを。」


雪穂「・・・つまらない女。」


雪穂は、書類の乗っている机をかき分けて座った。。

亜里沙は、一瞬嫌そうな顔をしたが何も言うことはなかった。」


亜里沙「トライデントが盗まれたようね。」


雪穂「・・・。」


亜里沙「予備機は少ないわよ。」


雪穂「あれは、私が載るはずだったものよ!どうして、クズどもが載れるの。」


亜里沙「知らないわよ。言えることは魔法回路の適性人物だった、ということよ。」


雪穂「嘘よ。」


亜里沙「本当よ。あれに自分の意思で乗ることはできないわ。あれが乗人を選ぶ限り。今回はどういうわけか、たまたま魔法回路があった人物が複数いた、それだけの話よ。」


雪穂「チッ・・・。」


亜里沙「安心しなさい、しょせんあの5機はプロトタイプ。性能ではこれに勝てるわけがないわ。」


亜里沙は、コンソールをいじると大きなシャッターを開けた。

中にはまがまがしい黒でコーティングされた機体が静かに立っていた。


雪穂「これは・・・?」


亜里沙「そうね・・・。トライデントの母体であり人類の英知の結晶。またを、戦乱の火種にして最悪の兵器。トラギガント。もちろん、あなたがこれに乗れる可能性は100%じゃないわよ。雪穂。」


雪穂「ふふ・・・ふふふ!!おもしろいじゃない!!必ず乗りこなすわ!」


亜里沙「・・・。」


雪穂「・・・今月の分置いておくわ。」


亜里沙「雪穂!」


亜里沙「まだ・・作るの?私は、科学者だけれども、人体に直接影響のある物はあまり作りたくないわ。」


雪穂「・・・もう、引き返せないわ。」



ーーー


反軍『敵の駐屯地を目視。これより、砲撃を開始してください。』


にこ『了解。距離を修正、誤差をさらに修正・・・・完了。88mmカノン発射準備完了。ファイア!』


巨大な地響きが伝わってきた。バスターは、砲塔をスライドさせるとからとなった薬莢を排出した。


にこ『次弾装填開始。続いて、ホーイングミサイル・・・ファイア!』


火柱は立て続けに上がると、高度1000mほどまで上昇し方向を変え飛んでいった。


反軍『敵の対地兵器及び対空兵器の撃破確認。突撃します。』


凛『援護するにゃ!』


反軍『全軍、星空少尉の後に続け!』


大規模なスレイヤー部隊を引き連れガイアは走り出した。

公国軍は残された戦力として対空兵器を撃ち始めた。

しかし、小火器の威力はたかがしれておりスレイヤーの機体に傷すらつけることもかなわずひたすら蹂躙され続けていた。


反軍『このまま押し切れ!』


反軍『おおお!!!』


戦闘はわずか、20分で幕を閉じた。

これにより、反乱軍ジェスタ地方を完全に制圧することに成功。

新生バース帝国として独立を果たし、さらには公国首都である、アーブイ進行への大きなあしがかりを作ったのである。


穂乃果『・・・簡単に制圧したわね。』


海未『当たり前です。我々はこの日のために訓練を続けてきたのですから。』


穂乃果『…。』


にこ『あんたたち、待ちなさい!8時の方向より高速熱原体を感知。こっちへくるわ。』


穂乃果『撃つ!』


クライブがライフルを放った。遠くの空が光ると巨大な爆発音が聞こえてきた。


にこ『敵・・・!』


機体は、穂乃果たちの600m離れた地点で地表へと降り立った。


??『私は、公国軍親衛隊長西木野よ。』


海未『・・・。』


にこ『あの白い機体・・・間違いないわ。親衛隊よ。』


真姫『成敗!』


白いスレイヤーは各々散らばると襲い掛かってきた。


にこと海未はそれぞれ2機ひきつけると左右へと展開した。

親衛隊長機が、クライブに襲い掛かる。


真姫『おそいわね!私のグリフォンに勝てるものですか!!!』


穂乃果『うるさい!!』


グリフォンとクライブの剣がぶつかり合う。

グリフォンは増加されている左右のブースターを器用に使って側面からの攻撃を展開していた。

クライブは、近づけまいとバルカンでけん制しながら、グリフォンの足を切り落とそうと切りかかった。

しかし、グリフォンはそのままクライブの腕をつかむと背負い投げの要領で地面にたたきつけた。


穂乃果『ぐは・・・!』


真姫『チリになりなさい!!』


グリフォンは腕から巨大なショットガンを取り出すと撃ち始めた。

一発あびるごとに、クライブの機体は大きな悲鳴をあげた。


穂乃果『こんなところで!!』


クライブは、すばやく横に飛ぶとグリフォンの懐へ飛び込んだ。

そのまま押し倒すと、ショットガンをもぎ取り背負い投げの要領で放り投げて地面にたたきつけると殴り始めた。


穂乃果『うわああああああ!私の敵は!いなくなれええええ!!』


真姫(メインカメラが!!)


真姫『そこを・・・どきなさい!!』


グリフォンは、右足を振り上げクライブに直撃させた。

クライブがよろめいてる間に抜け出すと右手で思い切り殴りつけた。

小規模な爆発が起こりクライブが吹っ飛ばされる。


穂乃果(爆破装甲(リアクティブアーマー)!)


真姫『はぁ・・・はぁ・・・なかなかやるじゃない。あなた名前はなんていうの?』


穂乃果『・・・。』


真姫『私は、真姫よ。親衛隊長西木野真姫よ。』


穂乃果『高坂穂乃果よ。』


真姫『高坂・・・ふふ!!そういうことね。決めたわ、あなたは必ずここで殺す!!』


グリフォンは、ブースターをフルスロットにすると突っ込んできた。

クライブは、ぎりぎりでかわすとそのままライフルを抜く。

グリフォンが突っ込んだ岩は爆発を起こすと粉々になった。突然小型のミサイルがクライブへと襲い掛かった。


穂乃果『どんだけ、装備持ってるのよ!!』


数発被弾したもののクライブは態勢を立て直すと正確に射撃をする。

グルフォンの左腕が爆散した。


真姫『やるじゃない・・・!』


膠着状態が続いた。

お互いがにらみ合ったまま動かずただ時間だけが過ぎ去っていく。


ピピピ・・・


真姫『誰よ!』


兵士『撤退命令です。隊長』


真姫『・・・チッ。』


真姫『勝負はお預けよ。』


穂乃果『待ちなさい!』


グリフォンは大量の煙幕を展開し始めた。

煙幕が晴れたころにはすでにグリフォンの姿は消えていた。



ーーー


親衛隊専用移動空中要塞 ルーネ


側近「おかえりなさいませ、隊長」


真姫「ふう・・・。なkなか派手に壊してしまったわ。修理をお願い。」


側近「わかりました。」


側近『整備班は至急グリフォンの修理にあたれ』


真姫「私の留守中に変わったことはなかった?」


側近「その・・・。」


真姫「なによ、はっきりしなさいよ。」


側近「いえ・・・その・・・。」


雪穂「おかえりなさい、隊長。」


雪穂は、だらしなく椅子に座りながら叫んだ。

足元にはキャンディのごみが散らばっている。


真姫「・・・どうしたのかしら?ここにはあなたが殺すような人はいないと思うのだけど。」


雪穂「そう警戒しなくてもいいわよ。私だって殺し以外の仕事があるときもあるのよ。」


真姫「へえ・・・例えばどんな?」


雪穂「査察・拷問・監視・略奪・破壊工作・スパイ・・・・今回は、そうね。援軍といったところかしら。」


真姫「援軍・・・?私は、第7海軍を呼んだはずなのだけど。」


雪穂「あぁ、実はね第7海軍の艦長のシーマが戦死したのよ。それで、代わりに私が来たの。」


雪穂がニヤリと笑う。

瞬間、真姫の背筋に悪寒がはしった。


真姫「あんた・・・まさか!」


雪穂「おっと、憶測はやめてね。けど・・・あの艦長反乱軍とつながっていたのよね。」


雪穂は椅子から立つと真姫の真横に立った。


雪穂「案外、あなたも内通者…だったりして?」


真姫「・・・!」


雪穂は奇妙な鼻歌を歌いながら去っていった。


ーーー


葛城「・・・。」


穂乃果「・・・。」


葛城「生きて帰ってきたがあえて言わせてもらおう。無駄な戦闘はするなとあれほど言ったはずだ。」


穂乃果「・・・。」


葛城「トライデントは貴重な期待だ。それに、高坂。お前も貴重な戦力に変わりはない。」


穂乃果「・・・。」


海未「返事をしなさい、穂乃果。」


穂乃果「・・・。」


葛城「まぁ、いい。わかっていると思うが我々反乱軍常に厳しい戦いを強いられている。」


葛城「圧倒的に足りない兵力、兵站、兵器、技術、医薬品。そんな中で我々がやっていくには一つの共通意識が必要だ。それは無駄な戦闘は避け穏便に素早く敵をせん滅すること。この意味をそろそろ知りたまえ。」


穂乃果「だったら、あの状況どうすればいいのよ!」


ことり「デレク!」


ことりの魔法で穂乃果は壁まで吹き飛ばされる。

殺意のこもった凶悪な目がことりへとむいた。


葛城「そこまでやらなくてもいい。」


海未「ことり・・・お願いしますから杖を収めてください。」


ことりは、海未の言葉を聞くとしぶしぶ杖を懐へとしまった。

穂乃果は、壁を殴りつけると葛城の前へと戻る。葛城はそんな穂乃果をちらりと見るとホログラムを出した。


葛城「公国親衛隊隊長にして公国軍最高司令官。西木野真姫。彼女の出自は不明だが今や公国の軍事面でのトップとなっている。しかし、武闘派の彼女はその地位にありながらも今でも戦場を駆け巡るおてんば娘としても有名だ。」


ことり「彼女の乗る機体S-05S通称グリフォンは、撃墜数48というありえない数字をたたき出しています。わかっているだけの武双でもガトリング、小型ミサイル、ホーミングブーメラン、高周波ブレード、爆破装甲・・・おおよそ、機体自体がかなり強力に強化されているようです。」


海未「ですが、我々の奪取したトライデントのほうが性能は上ではなかったのですか?」


ことり「それについては小泉技術中佐が調査中です。」


葛城「スレイヤーも機械といえど搭乗者の魔法量に左右されるものだ。西木野というものの魔法量は・・・かなりあったとすれば・・・トライデントと互角・・・あるいはそれ以上の力を発揮したとしても不思議ではない。」


穂乃果「もういいわ。それで私に何が言いたいわけ?」


葛城「・・・とにかく無駄な戦闘は避けろ。わかったか。」


穂乃果「了解しましたよ、司令官殿。」


葛城「・・・高坂。」


穂乃果「・・・?」


葛城「・・・西木野はなるべく生け捕りを狙え。有益な情報を持っている。」


穂乃果「・・なんでそんなこと知っているのよ。」


葛城「・・・話は以上だ。」



ーーー


葛城「まさか、こんなにも早く再び円卓会議が開かれるとわな。」


ことり「大佐の活躍があったからこそですよ。」


葛城「・・・・。」


目の前のありとあらゆるものが縦に伸びる。

瞬間まるで切り取られたかのような感覚に襲われながらも円卓会議の席えへと座らされていた。


ジューク「これはこれは・・・勇敢なる大佐。今回もずいぶんと重役出勤ですね。」


エンケ「まったく、たかが数回勝っただけで英雄気取りか。」


齋藤「やめないか。われらで争ってどうする。」


ジューク「なに、新人の若造に礼儀を教えるだけのことですよ。」


エンケ「まったく、齋藤指令は、葛城に対して少し甘くないですか?」


齋藤「・・・。」


エンケ「なにか、われらに言えないことでもあるのですかね・・・?」


葛城「非礼をお詫び申し上げます。齋藤指令とは、同じ出身地だったため親しいだけの関係です。けして、我々に不和をもたらすような秘密ごとなどございません。」


ジューク「ふん。まあ、いい。なにかあれば情報部が調べるだけのこと。」


ドロワ「待たせたな。」


ドロワの到着により、一行は起立をする。


ドロワ「うむ、では始めようか。」


ドロワの一言で全員が椅子へと座る。


ドロワ「では・・・まずか、葛城大佐。よくやってくれた。これで我々も十分な軍備を兵站を整えることが出来る。」


葛城「恐悦至極でございます。」


ジューク&;エンケ「・・・。」


葛城「現在、ローデン地方、ジェスタ地方は完全に公国から離反。我々の配下となっています。住民からの避難もすくなく比較的スムーズにいきました。」


ドロワ「うむ。ところで、齋藤指令。海上要塞のほうは。」


齋藤「はい、現在9割の修復に成功。潜航機能はまだ使えませんが十分実践投入可能なレベルかと思われます。」


ドロワ「うむ・・・。では、本日の議題に入ろう。まず1つ目だが・・・最近我が軍内で奇妙な薬が流行っておる。」


ブリッツ「奇妙な薬・・・。」


ジューク「ここからは私が。何人かの兵に事情徴収を口をそろえて戦闘前にうつと普段の2倍の動きが出来るといっておりました。そこで、我々情報部も同じ薬の入手に成功しました。」


ジュークは、袋に入った注射器を差し出す。中には琥珀色の液体が入っていた。


ジューク「この薬は、元は公国内の兵士で流行っているものと同じであり我々の軍の兵士がどのように入手したかは不明です。公国内では、ヒロポネという名で使われています。実際のこの薬は、かつて魔法活性剤としてつかわれ後に人体の影響を懸念され使われなくなったマスターといわれるものでした。


ジュークが手を鳴らすとスクリーンが下がり映像が映し出された。


ジューク「このように、マスターは人体の魔法回路を強制的に開き運動能力をはじめ魔法能力、知性等を短期的かつ矯正する薬です。しかし、この薬の適合者は10000人に1人といわれており、多くは3回の投与で廃人となります。」


齋藤「なんと・・・。」


エンケ「なんと・・・恐ろしい・・・。」


ドロワ「中将ありがとう。これ以上我々の中でこの薬を広めてはならん。入手経路等は、情報部に任せる。各部隊内で使用者が出た場合は即刻隔離、取り調べを行うように。」


全員「はっ。」


ドロワ「さて・・・本題に入ろうか。齋藤司令。」


齋藤「ここからは、私が引き継がせていただきます。現在、我々はデーレ海の3分の1を絶対防衛圏内としています。これは、公国の所持する海域の約8分の1にあたります。我々はまだ、海の覇権を握ったとはとうてい言えない状況です。」


齋藤「しかし、幸運にもデーレ海は活断層の異常なまでの活発性の影響もあり非常に多くの海底トンネル、または海溝が存在します。この海溝は多くが外海へと続いており我々の行う輸船団奇襲作戦もこれを使って行われたものが多かったです。」


齋藤「では、改めて本題に入らせていただきます。現在公国軍は国内の不満を抑えるためにも我々を滅ぼそうと絶対防衛圏ぎりぎりのところに・・・ルネ島に部隊を集結させています。現在総戦闘力は、10万5000・・・・これから増えることも考慮すると15万は行くと思われます。対して我々の戦闘力はわずか3万、公国は約5倍の戦闘力で戦闘をするでしょう。そこで、我々はそれに対抗しなくてはなりません。」


エンケ「その戦闘を避けることはできないのか。」


齋藤「難しいでしょう。我々は、策を練り抵抗することしか選択肢はありません。」


全員「・・・。」


葛城「仕方がないと思います。我々も無駄死にするつもりはないですが敵の侵攻を見逃すこともできない。ならば現存戦闘力でいかに勝つかを考えなくてはいけない・・・違いますか?」


ブリッツ「齋藤司令・・・。つまり何が言いたいのでしょうか・・・?」


齋藤「・・・。」


ドロワ「わしが言おう。明後日、我々は絶対防衛圏への侵攻を阻止するべくルネ島に存在する的勢力を一気にせん滅!そのまま北上したのち、首都陥落をねらう!」


エンケ「な・・・!」


ジューク「大反抗作戦!」


ブリッツ「・・・!!」


葛城(このタイミングでだと・・・。)


ドロワ「我々はいま、十分な兵力を手に入れた。数では劣るかもしれん、だが我々には新兵器トライデントがある!百戦錬磨の猛者たちがいる!これ以上の好機を逃す手はあるだろうか。ルネ島は小規模の島であり奇襲を仕掛ければ確実に公国の指揮系統はダウンするだろう!」


ドロワ「我々の希は何だ。悪しき政治を引きずり出し正しき世をつくることではないのだろうか。今こそ決断の時である。」


全員「・・・。」


エンケ「なるほどなるほど。いいでしょう。」


ジューク「ついに我々の悲願の時ですね・・・!」


ブリッツ「わかりました。」


葛城「・・・了解です。」


ドロワ「うむ。では、作戦は追って伝える。本日は解散だ。」


ーーー


側近「まもなく、公国首都に到着です。」


真姫「・・・わかったわ。」


兵「管制塔より、こちらルーネ着艦許可を。」


管制塔「着艦許可了解。3番ゲートへの侵入を許可する。」


ルーネはその巨体をゆっくりと地上へ降ろすと静かにエンジンを止めた。

真姫は、目を細めながら外へとでる。


絵里「おかりなさい、親衛隊長。」


真姫「じょ、女王陛下。」


絵里「かしこまらなくていいわ。今回の任務ご苦労様。」


真姫「もったいないお言葉です。」


絵里「それで・・・例のものは取れたかしら。」


真姫「はい、トライデントの戦闘データは技術長官に送付済みです。」


絵里「そう、後で確認しておくわ。」


雪穂「私も帰ったんだけど。」


絵里「あら、おかえりなさい。あなたはどう?」


雪穂「まあまあってところかな。」


真姫(何の話だ・・・?)


絵里「真姫・・・実はね話があるよの。」


真姫「話・・・ですか?」


絵里「そう、あなたとの話・・・2人で話しましょう?執務室へいらっしゃい。」


真姫「わかりました。」







希「・・・。」


雪穂「助けなくていいの?」


希「な、なにをいうとるん。何の話や。」


雪穂「ふーん。」


雪穂「まあ、なんでもいいけど。」


ーーー


エンケ「くそ!」


ジューク「し、司令。大丈夫ですよ。」


エンケ「いったい何が大丈夫だというのだ!」


エンケ「わしが今までやってきたことがすべて水の泡となるのだぞ!」


エンケが机の上の書類をばらまいた。

ジュークがおびえた顔をする。


ジューク「し、しかしこの戦いで勝つとは限りません。あの葛城とてこの人数差を打開する策を持っているか怪しいものです。」


エンケ「わしは、我々の軍へのひがいも危惧しているのだ!わかりきったように言うな!」


ジューク「ひいい!」


エンケ「待てよ・・・そうか・・・なるほど、なるほど!中将!やつを葬る策を見出したぞ!」


ジューク「さ、さすがは司令!策とは・・・?」


エンケ「そうあわてるな。なーに、戦場では事故がつきもの。予測もできないようなものがな・・・・。」


ーーーー

レッド「つまり、我々は事前に反乱軍が攻めることをまかっている。だが、あくまでも敵の小規模の作戦としかおもっていない、おそらく両翼からたたけば系滅までもっていけるわ。」


ブルー「そうですか。あなたも危険な中連絡してくださり。」


レッド「・・・いいのよ。これは私の臨んだ国の形ではないわ。」


レッド「国は国民によって成り立っている。国が国民を成り立たせているのではないわ。それを忘れて私利私欲に走り残虐非道の限りを尽くせる王の形が・・・それを許せる臣を私は許せないわ。」


ブルー「やはり・・・あなたは・・・。」


レッド「くどいわよ。私は私で守りたい人がいるの。だから・・・それまでは。」


ブルー「・・・。」


レッド「将軍は・・・元気?」


ブルー「ええ、相変わらずですが。」


レッド「それでいいのよ。そうだからこそ私はあの人に命をささげられるの。」


ブルー「好きなのですか?」


レッド「そうね、それは少し違うわ。私はあの人に心酔してるの。尊敬でもあるし愛でもあるし・・・。」


ブルー「不思議な方ですからね。」


レッド「そうね。」


ブルー「次あうときは戦場です。」


レッド「私も手は抜かないわ。憎いもののために戦うとしてもそこに守りたいものもあるから。」


ブルー「わかっています。」



レッド「それじゃ。」


彼女たちはかたくてを握りあうとそれぞれの道を進んでいった。



Chaputer 4


ことり「我々の今回の任務は右翼から敵をたたく奇襲作戦です。」



反乱軍陣形                           ルネ島











                                      第一次攻撃隊

       


                 左翼進撃部隊                                   右翼奇襲部隊


                                     第二次迎撃部隊        右翼守備隊及び機動部隊


         海上打撃部隊

               左翼補給部隊              主力攻撃部隊           第三次空挺部隊


                  

                             本陣作戦司令室及び第四次機動部隊



葛城「南、続けてくれ。」


ことり「はい。我々は右翼奇襲部隊です。ドロワ団長率いる主力部隊が主力攻撃部隊第四次機動部隊に。齋藤司令率いる海上部隊が第二次迎撃部隊と海上打撃部隊に。ジューク中将率いる部隊が左翼補給部隊と第二次迎撃部隊に。エンケ司令率いる部隊が右翼守備隊と第三次空挺部隊に。ブリッツ大佐の率いる空挺団が左翼進撃隊と第三次空挺部隊に配備されています。第一次攻撃隊ですがエンケ司令とジューク中将の混成部隊として配備されています。」


ことり「作戦は、まず第一次攻撃隊が正面突破を試みます。続いて左翼進撃部隊が一気に島の左側を包囲、その後我々右翼奇襲部隊が奇襲をかけます。奇襲成功後は信号弾を上げ機動部隊、第二次迎撃部隊の出撃を待ちます。ここまでで質問はありますか?」



にこ「つまり、私たちは奇襲といいながらも第二陣が来るまでのおとりってことよね?」


ことり「・・・間違いありません。」


凛「でも、凛たちが成功させなきゃこの作戦は失敗だにゃ。」


にこ「それは・・・わかってるわよ。」


葛城「上は我々を疑っているということさ。ここで戦果を出さなきゃお役御免。かえっても即死刑。」


全員「・・・。」


葛城「無理はするな。だが与えられた仕事はまっとうしろ。」


全員「はい!」



ーーーー


花陽「メンテナンスは完了しています。今回は長時間の作戦になる可能性があるので予備燃料をつけておきました。これで飛行時間は2倍になりましたが、みなさん・・・自分の魔力量をしっかり計算に入れておいてください・・・。」


海未「ごちゅうこくありがとうございます。」


にこ「あたりまえよ、死ぬつもりなんてないわ。」


凛「かよちーん!帰ったら一緒にラーメンいくにゃ!」


花陽「凛ちゃん・・・・。」


花陽「集合。」


整備課はそれぞれの仕事を中断するとパイロットの前に整列をする。


花陽「我々の誇り高き戦士たちが今、出撃する!敬礼!」


それぞれが右手を額の前にあてる。

誰も近寄れない神聖な雰囲気を作り出していた。


海未「我々パイロット一同力の限り戦ってまいります。」


それぞれが走り自分の愛機へと登場を始める。


海未『穂乃果』


穂乃果「なに。」


海未『・・・無理はしないでください。』


穂乃果「・・・海未ちゃんを助けたかしを返してもらうまで死なないわ。」


にこ『あんなたち本当仲いいわね。』


にこ『まあ、穂乃果が着任した初日に手を付けるくらいですものね。』



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2015-09-23 18:59:23

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2015-05-17 08:16:42

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