2015-07-05 10:29:28 更新

概要

アニメ2期設定


[第一章: 二大ネウロイ、ウィッチーズに迫る! ]


夕方、ロマーニャ基地食堂にて。


芳佳「皆さーん、スイカ貰って来たんです。食べませんか~」


坂本「あれ、宮藤。今日は土方のいる空母アマギを見学しに行ったんだよな?なんでスイカ?」


芳佳「えへへ、途中で農家のおじさんに貰っちゃったんです。沢山ありますから、皆さんどうぞ」


坂本「この数だと・・・二人で一個だな」


ルッキーニ「へぇ。今年はスイカが不作だって聞いたけど・・・。」


芳佳「なんか、スイカの実自体は多くなるそうなんですけど、虫にやられてるのが多いらしくて」


シャーリー「ま、くれたんだからいいだろ。いただきまーす」


坂本「そうだ、部屋にいるサーニャとエイラにも持っていってやろう」


         *


サーニャとエイラの部屋


坂本「入るぞ」


エイラ「どうゾ、あれ少佐、なんですかそのスイカ。」


坂本「宮藤が持ってきたんだ。二人で半分ずつ食べろ」


坂本、無造作にスイカを一個床に置く


坂本「あれ、サーニャがいないようだな」


エイラ「もう夜間哨戒に出ました」


坂本「そうか。じゃ」


坂本退室


エイラ(せめて切って持ってきてくれればいいのに・・・。)


エイラ(それにしてもうまそうダナ・・・今半分食っちまうか・・・。)


エイラ(いや、明日の朝サーニャと一緒に食べるんダ!)


         *


翌朝。サーニャとエイラの部屋にて。サーニャが入室してくる。


サーニャ(哨戒・・・終わった・・・。)


サーニャ(眠い・・・。)


サーニャ「あれ、スイカだ」


サーニャ「食べよーっと」


サーニャが包丁でスイカを切る、まさにその時、一匹の巨大なケムシのようなものがスイカの中から飛び出してきた!


サーニャ「う、うわぁ!虫!」


サーニャ「・・・じゃない、小型のネウロイだ・・・。」


サーニャ「た、倒さないと・・・。でも武器が無い・・・。」


あたふたするサーニャ。ケムシ型ネウロイは真っ白な糸をサーニャの顔に向かって噴射した


サーニャ「うわああああああ」


その声にエイラは目を覚ました


エイラ「どうしたサーニャ」


サーニャ「エイラ・・・目が・・・目が見えないんだ!」


エイラ「なんだって!一体どうして・・・!」


サーニャ「ネウロイよ!虫のネウロイが・・・!」


エイラが辺りを見回した時、既にケムシ型ネウロイは窓から飛び降りていくところだった


エイラ「くそ、逃がしたか・・・。」


         *


その後、会議室にミーナ以外の全員が集合した


坂本「基地内にまだそのネウロイがいるのか・・・。」


エイラ「宮藤!お前が変なもの持ち込んだせいでサーニャは視力を失ったんだぞ!」


芳佳「ごめんなさい・・・。」


サーニャ「やめてエイラ、宮藤さんのせいじゃないわ」


エイラ「サーニャは黙ってて。実際にあのスイカからネウロイが出てきたのは間違い無いんだから。」


ペリーヌ「私達も宮藤さんの貰って来たスイカを食べたけれど、何も無かったわ。全面的に宮藤さんの責任というのは、どうなのかしら」


芳佳「いいんです、私が悪・・・あっ・・・。」


坂本「どうした宮藤?」


芳佳「大変だ・・・実は、土方さんにも同じスイカを一個あげちゃったんです!」


坂本「なんだと!」


そこに、ミーナが入室してきた


ミーナ「たった今入った情報です。扶桑の空母・アマギがネウロイに襲撃されました。バルクホルン、ハルトマン、ペリーヌの3人は救援に向かって下さい」


宮藤「私のせいだ・・・。」


坂本「落ち込んでいる場合ではないぞ、宮藤。こっちも基地内にいる小型ネウロイを倒さねばならない。手分けして探そう。宮藤とリネット、シャーロットとルッキーニ、私とミーナの3チームだ。エイラはサーニャの側にいてやれ。みんな決して一人になるな。では解散!」


          *


バルクホルンら3人が港湾に到着した時、既に襲撃は終わっていた。


バルクホルン「これは酷い・・・アマギは壊滅だ・・・。」


土方「ウィッチの方々、御苦労様です」


エーリカ「おっす」


ペリーヌ「一体何があったんです?」


土方「それが、よく分からないんです。闇夜の中での出来事でしたし、事件を目撃した可能性のある者は全員重傷で意識が無く・・・私はたまたま艦を離れていたため助かりました」


バルクホルン「ゲリラ的な攻撃だな」


土方「現場にはゴムのようなこの糸が」


エーリカ「これは、サーニャが顔にかけられたものと同じだ!」


土方「あと、カメラが偶然にも写したその時の写真が一枚あります。ご覧になる必要は無いものと自分には思えますが・・・。」


バルクホルン「一応見せてくれ」


写真は、真っ黒な背景にぽつんと丸い光が浮かんでいるというものだった


バルクホルン「なんだこれ」


ペリーヌ「お月様・・・のようにも見えますけれど」


エーリカ「月がこんな大きさで写るかよ」


バルクホルン「よしペリーヌ、お前はこの写真を持って基地に戻ってくれ。私とハルトマンは引き続きここで調査を継続する」


ペリーヌ「了解しました」


         *


夕方、基地の会議室にて。坂本とミーナがいる。


坂本「結局、見つからなかったな・・・。」


ミーナ「夜はどうしましょう・・・。」


ペリーヌ「ただ今戻りました。ペリーヌです。入ります」


ミーナ「どうぞ」


坂本「どうだった?」


ペリーヌ「私達が着いた時は既に襲撃は終わっていました。それと、このような写真が・・・。」


ペリーヌは例の写真を取り出した


坂本「なんだこれ。こんなものを見せるために帰ってきたのか」


ミーナ「でもちょっと気になるわ。念のため分析してみましょう」


         *


サーニャとエイラの部屋の前にて。宮藤とリーネが果物を持って立っていると、エイラが中から出てきた。


芳佳「あ、あの・・・。」


エイラ「なんだよ」


芳佳「私のせいでサーニャちゃんがこんなことになって・・・ごめんなさい」


エイラ「ホントだよ。それに、扶桑海軍の方でもお前のせいで犠牲者が出たっていうじゃないか」


芳佳「・・・・・・。」


エイラ「この果物の中にも何か入ってるんじゃないだろうナ?」


リーネ「ちょっとエイラちゃん、そんな言い方・・・。芳佳ちゃんがこうしてちゃんとお詫びしようとしてるのに・・・。」


エイラ「お詫びなんて結構ダ!さっさと帰るんダナ!」


エイラは扉を閉めて芳佳を拒絶した


リーネ「芳佳ちゃん・・・。」


その時、シャーリーが大声で二人を呼ぶのが聞こえてきた


シャーリー「おーい!ケムシ型ネウロイが見つかったぞ~!」


リーネ「行こう、芳佳ちゃん!」


芳佳「うん!」


          *


シャーリー「よぅし、どう料理してやろうか」


ルッキーニ「やっちゃえやっちゃえ~」


シャーリー「オッッッラァ!」ズドドドドド


シャーリーの連射を浴びたネウロイ。すると驚くことにネウロイは巨大化した!


シャーリー「うわぁなんでだ!」


ルッキーニ「魔力を吸収したのか・・・。」


芳佳「うわぁ大変!」


リーネ「芳佳ちゃん!ストライカーユニットで出撃しよう!」


芳佳、リーネ、シャーリー、ルッキーニ、ペリーヌは巨大化したケムシ型ネウロイを討つべくストライカーユニットを穿いて出撃した。


ルッキーニ「あのネウロイ、地上を這ってるだけで飛ぼうとしないね」


シャーリー「急激に巨大化したから飛べないのか・・・。」


芳佳(私のせいでサーニャちゃんがあんなことに・・・。)


芳佳(だから私があいつを倒さないと!)


ペリーヌ「ちょっと宮藤さん!?前に出過ぎよ!



芳佳「宮藤芳佳、突撃します!」


芳佳、エンジンをふかして突撃。だが案の定、ネウロイの放つ糸に体を絡み取られてしまった


芳佳「うう・・・身動きが取れない・・・。」


シャーリー「宮藤が危ない!ネウロイを攻撃するぞ!」


ルッキーニ「ちょっと待って、地上に誰かいない?」


ペリーヌ「え、何ですって?」


リーネ「あっ、あれはサーニャちゃん!?」


サーニャ「私も・・・何か・・・しないと・・・。」


シャーリー「あんなところにサーニャがいるのでは、うかつに撃てんな・・・。」


その時、坂本少佐から無線が入った


坂本『みんな気をつけろ!もう一体ネウロイが来るぞ!』


シャーリー「なんだって!?」


現れたのは、巨大な鳥型のネウロイだった。そしてその頭部に光っているのは・・・。


ペリーヌ「あれは、写真に写っていた丸い光・・・!この鳥型ネウロイの目だったのですね!」


坂本『なるほど、アマギを襲った奴か・・・。そいつはケムシ型ネウロイがいるところに現れるようだな』


鳥型ネウロイ襲来時の突風によって、芳佳に絡み付いていた糸は全てほどけた


芳佳「今度こそサーニャちゃんを守らないと!」


芳佳は鳥型ネウロイをサーニャから遠ざけるべく、奴を海へ誘導した


芳佳「ケムシ型ネウロイの方は皆さんに任せます!」


坂本『おい宮藤!一人で行動するな!』


リーネ「あっ、鳥型ネウロイがどんどん芳佳ちゃんに近づいていく・・・ぶつかる・・・!」


芳佳「うわっ、シールドっ!」


咄嗟の回避行動も空しく、鳥型ネウロイの嘴が芳佳の腹を切り裂いた。芳佳は力尽きて海に向かって落ちていった。


ペリーヌ「きゃああああああ」


坂本『どうした、どうなっている!?』


シャーリー「宮藤が・・・宮藤が・・・。」


リーネ「芳佳ちゃんが、撃墜されました!」


[第二章: 少佐が死んだ!芳佳も死んだ!]


芳佳を倒した鳥型ネウロイは、ゆっくりと基地の方に戻ってくる


リーネ「芳佳ちゃんを助けに行かないと!」


ミーナ『駄目!もうすぐ夜が来るわ、海の中を捜索するのは危険よ。それよりリネット、ルッキーニ両名はサーニャを救出してください』


リーネ「そんな!」


坂本『私だって辛い。だがミーナは最も合理的な判断をしている』


ルッキーニ「了解・・・。」


シャーリー「我々は鳥型ネウロイを攻撃すればいいんですね?」


坂本『いや、敵は強力だ。不用意に接近することを禁ずる。しばらく下がって様子を見よう』


シャーリー「くそっ、どうすることも出来ないのか!」


鳥型ネウロイは上陸すると、真っ先にケムシ型ネウロイを攻撃し始めた。


ペリーヌ「ネウロイがネウロイを・・・?」


力の差は歴然だった。鳥型ネウロイはケムシ型ネウロイをあっさり倒し、その嘴で倒した相手の肉をついばみ始めた


シャーリー「ネウロイがネウロイを食ってる・・・!」


坂本『相当やばい奴だな・・・。』


その頃、サーニャ救出のため地上に降り立ったルッキーニは無事サーニャを見つけていた


ルッキーニ「サーニャ!危ないよ!」


サーニャ「その声は・・・ルッキーニ・・・。」


そこに、鳥型ネウロイが暴れたために崩れた城壁の破片が降ってきた


ルッキーニ「うわ、うああああああ」


サーニャ「きゃああああ」


リーネ「ルッキーニちゃん!サーニャちゃん!大丈夫!?」


坂本『どうした、二人とも・・・!』


リーネ「二人が石の塊の下敷きに・・・!」


一方、捕食を終えた鳥型ネウロイは悠々と帰っていった。サーニャ、ルッキーニはリーネらによって助けあげられたが意識が無かった。


         *


エイラとサーニャの部屋。サーニャがベッドに横たえられている。リーネ、坂本が入室した時、エイラは荷物をまとめている。


リーネ「エイラちゃん、何してるの・・・?」


エイラ「サーニャを空気のいい病院に移すんだ。オークマ山ってところにあるんだ」


坂本「我々がついていながらサーニャがこんなことに・・・。上官として責任を感じている」


エイラ「謝るなら宮藤に謝ってほしいよ。サーニャが失明したのだって、アマギが襲われたのだって、ルッキーニが怪我したのだって、みんなあいつのせいじゃないか」


リーネ「エイラちゃんそれは・・・。」


エイラ「あいつ、今頃何をしているのか・・・。」


リーネ「芳佳ちゃんは・・・。」


リーネ「・・・・・・・。」


坂本「宮藤は・・・未だに行方不明だ」


エイラ「!」


エイラ「・・・・・・・・。」


エイラ「まさか逃げてしまったんじゃないだろうナ。」


リーネ「エイラちゃん!」


リーネ「エイラちゃんの馬鹿!」


リーネ退室


坂本「おい、エイラ・・・。」


エイラ「私もそろそろ失礼する。サーニャを連れてくんでな」


エイラ「じゃ」


坂本「宮藤は・・・。」


エイラ「?」


坂本「宮藤は逃げるような奴じゃない。だが恐らく・・・死んでいるだろう」


         *


夜、会議室で坂本とミーナが二人きりで話している。


坂本「これではストライクウィッチーズはバラバラだ・・・。」


ミーナ「みんなショックを受けているのね・・・。」


坂本「こうなったのには私の責任もある。あの鳥型ネウロイは、絶対に私が倒す」


ミーナ「美緒・・・。」


その時、電話が鳴った


ミーナ「はい、隊長のミーナです。・・・え、何ですって!?すぐ向かいます」


坂本「どうした?」


ミーナ「オークマ山で旅客機が鳥型ネウロイに襲われたそうよ。」


坂本「よし、みんなを起こそう」


ミーナ「いや、みんなさっきの戦闘で疲れているわ。ここは私達二人と、港湾で待機していたバルクホルンとハルトマンを呼びましょう」


         *


翌朝オークマ山中腹・旅客機墜落現場にミーナ、坂本、バルクホルン、エーリカの4名が到着した。旅客機は既に大破して骨組みだけになっていた。


ミーナ「うわぁ・・・無残ね・・・。」


エーリカ「人の死体が1つも見当たらないよ?」


バルクホルン「人間を食うのが狙いだったってことだろ?」


坂本「ともかく、旅客機墜落以降ネウロイの目撃情報は入っていないから、奴はこの付近にいるはずだ。奴を倒す方法を考えよう」


エーリカ「人を食べるってことは、相当低空飛行しないと駄目だよね」


バルクホルン「いっそ、そのまま地上に留まってくれたらいいんだけどな・・・。」


坂本「それだ!」


ミーナ「?」


坂本「トリモチ作戦だ!奴の体にトリモチを絡み付かせて動きを封じるんだ!」


バルクホルン「なるほど!」


ミーナ「早速本部にいるペリーヌ中尉にトリモチを持って来させましょう」


          *


数時間後、ペリーヌ、シャーリー、リーネがトリモチを持って出動、オークマ山に到着。同じ頃、エーリカによって湖で休んでいる鳥型ネウロイが発見された。


ミーナ「トリモチ作戦、開始!」


ペリーヌ、リーネが鳥型ネウロイの上にトリモチを落とす。トリモチはうまく鳥型ネウロイと地面の木々に絡まり、動きを封じた。


ミーナ「一斉攻撃!」


ウィッチーズの7人、一斉に砲撃を鳥型ネウロイに加える。


ペリーヌ「くそ、あまり効いていませんわね・・・。」


シャーリー「遠距離から攻撃していても意味が無い!ミーナ中佐、突撃命令を!」


ミーナ「危険だわ!ただでさえあなた達は魔法力を消耗しているのに・・・。」


坂本「私が行く」


ミーナ「美緒!」


坂本「私の烈風斬を近距離で放てば確実に奴のコアを壊せる。それに、宮藤の仇は私が討ちたいんだ!」


ミーナ「美緒・・・。」


坂本「みんな、援護射撃を頼む!」


エーリカ「了解!」


坂本、鳥型ネウロイに向かって突っ込んでいく。


坂本(コアは敵の喉元か・・・!)キュイイイイン


坂本(一発勝負だ、ネウロイ!光線でも何でも来い!)


坂本「うおおおおおおおおおお!」


その時、鳥型ネウロイが口から火を吹いた。


坂本「火炎攻撃だと!?」


坂本「しまった!刀では火は斬れない!」


坂本、火に包まれる。


坂本「うわあああああああ」


ペリーヌ「少佐ぁぁぁ!」


もがき苦しむ坂本に鳥型ネウロイの嘴が迫る!背中を切り裂かれ、坂本は湖に墜落していった。


ミーナ「美緒!」


シャーリー「少佐!」


リーネ「少佐!」


鳥型ネウロイはトリモチを振り払うと、分が悪いとみたのか、飛んで逃げていってしまった。


ペリーヌ「少佐が死んだ!芳佳も死んだ!」


不滅のストライクウィッチーズの副隊長・坂本美緒が死んだ。残された地球の未来は、一体どうなってしまうのであろうか。


[第三章: ミーナ中佐愛の奇跡!]


バルクホルン「くそっ、犠牲を払ってまで戦ったのにまたネウロイを逃がした!」


ミーナ「あ......」フラフラ


シャーリー「中佐、大丈夫ですか?」


ミーナ「私のことは心配しないで・・・ちょっと体調が悪いだけだから」


ペリーヌ(中佐は責任感の強い人だからな・・・今回のことはとてもショックだろう)


バルクホルン「ここで中佐にまで倒れられたら困ります。ちょっとは休んでください」


ミーナ「でも・・・。」


エーリカ「中佐」


ミーナ「・・・分かったわ。私は少し戦線を離れます。皆さんバルクホルン大尉の指揮下に入って下さい」


エーリカ、ペリーヌ、シャーリー、リーネ「了解」


坂本少佐死亡の知らせは、オークマ山病院にいるサーニャとエイラにも伝えられた。


サーニャ「外は雨が降っているの?エイラ」


エイラ「うん」


サーニャ「坂本少佐の死体も濡れてるのかな・・・?」


エイラ「雨が降ったら何でも濡れてしまうのは仕方のないことダナ」


サーニャ「可哀想・・・。」


エイラ「それもこれも、ウィッチーズがふがいないのが原因さ。特に宮藤芳佳は・・・」


サーニャ「エイラ、そんな言い方良くないわ。みんな一生懸命やってるじゃない」


エイラ「何を言ってるんだサーニャ、私達は被害者なんだぞ」


サーニャ「少佐だって被害者よ。彼女は命を落としたのよ」


エイラ「・・・・・・。」


サーニャ「エイラ・・・みんなのところに戻りなよ」


エイラ「でもそれじゃあ、サーニャが一人に」


サーニャ「私だって軍人よ」


エイラ「・・・・・・。」


考え直したエイラはストライクウィッチーズに復帰した。


その頃、各国陸海空軍は必死になって鳥型ネウロイの行方を捜索していた。だがまさに神出鬼没、各地に出現して暴れる鳥型ネウロイの動きを予測出来る者はいなかった。


ロマーニャ基地、会議室。バルクホルン、エーリカ、ペリーヌ、シャーリー、リーネ、エイラが集っている。


シャーリー「ある時は沿岸の食肉倉庫、ある時は動物園」


ペリーヌ「被害は増えるばかりね・・・。」


エイラ「分かってるのは、奴は肉を食べてエネルギーを得るということだけ」


エーリカ「じゃあ、いっそロマーニャ中から一斉に肉をなくしたらどうだ?」


バルクホルン「何馬鹿なことを!タンパク質は我々人間に欠かせない栄養源DA!」


リーネ「そもそも鳥型ネウロイはどうやって肉のある場所が分かるんでしょう?」


シャーリー「きっと奴は目がいいんだよ」


エイラ「臭いってこともあるかもしれないナ」


エーリカ「じゃあ音ってこともあるだろ」


ペリーヌ「はぁ・・・。」


バルクホルン「・・・よし、この際出来ることは何でもやってみよう。ペリーヌ、各地の肉を取り扱う業者に連絡するんだ」


ペリーヌ「はい」


ストライクウィッチーズの通達により、町から肉が消えた。


         *


一方、ミーナ中佐の部屋にて。ベッドに宮藤芳佳が横たわっている。


ミーナ(私って駄目な軍人ね・・・。)


ミーナ(みんなには海の捜索を禁じておいたくせに、自分一人で宮藤さんを探しに行ってしまうし)


ミーナ(挙げ句の果てに指揮官としての仕事を放り投げて1兵卒の治療にあたってるなんて・・・。)


ミーナ(でも後悔はしてないわ)


ミーナは不思議な光線を芳佳に向かって放った。


ミーナ(今ので最後の魔力か・・・。)


ミーナ「宮藤さん、あなたに新しい力を与えました。」


ミーナ「宮藤さん、起きなさい」


芳佳、目を開けて起き上がる


芳佳「ミーナ中佐・・・私は?」


ミーナ「あなたは危うく命を落としかけるところだったのですよ」


ミーナ「早く任務に戻りなさい。みんなが待っていますよ」


芳佳「はい」


ミーナ「お待ちなさい宮藤さん」


ミーナは机の上に置いてあったブレスレットを手に取った


ミーナ「このキングブレスレットは私の全魔力を注いで作ったものです。あなたの新しい武器ですよ」


芳佳「全魔力?ってことは、ミーナ中佐は・・・!」


ミーナ「私のことは気にしないでもいいのよ」


芳佳「中佐はもう・・・飛べないの・・・?」


ミーナ「宮藤さん、あなたはネウロイを倒すことに専念なさい」


芳佳「・・・・・・。」


ミーナ「さぁ早く!」


芳佳「・・・はい!」


         *


ロマーニャの街にて。ルッキーニが歩いている


ルッキーニ「やっぱりここは落ち着くな・・・。」


ルッキーニ「まだ戦場には出られないけど、歩けるようにはなったよ」


ルッキーニ「なにか面白いこと無いかなぁ」


ルッキーニ「・・・あれ?」


ルッキーニ「ネウロイの気配?」


ロマーニャの街に飛来する鳥型ネウロイ!知らせを受け、バルクホルン、エーリカ、ペリーヌ、シャーリー、リーネ、エイラが出動した。


シャーリー「ついに街への浸入を許してしまったか・・・。」


ルッキーニ「あ、ウィッチーズだ!」


リーネ「ルッキーニちゃん!危ないから軍の輸送車の中に隠れてて!」


ルッキーニ「分かった!」


バルクホルン「よし、総攻撃だ!」


一斉に発砲を始めるストライクウィッチーズ。鳥型ネウロイは火炎放射で対抗した。火に包まれるロマーニャの街


ルッキーニ「熱い・・・苦しいよう・・・!」


シャーリー「あっ、ルッキーニが!」


リーネ「私が助けに行く!」


ネウロイ「キイイイイイン」ゴオオオオオ


リーネ「うわっ・・・火が・・・ゴホッゴホッ」


エーリカ「リーネ!」


ストライクウィッチーズの攻撃に怒り狂う鳥型ネウロイ。ルッキーニ、リーネが危ない!


・・・あっ、芳佳だ!宮藤芳佳だ!


芳佳(坂本少佐がいて)


芳佳(ミーナ中佐がいて)


芳佳(そして私、宮藤芳佳がここにいる)


芳佳(絶対に私が倒す!ネウロイ!)


芳佳「てぇぇぇぇい!」


芳佳はコアのある鳥型ネウロイの首に取りついた。激しく抵抗するネウロイ。


リーネ「芳佳ちゃん!」


エーリカ「宮藤!」


ペリーヌ「宮藤さん!生きてたのね!」


シャーリー「でもあいつ、武器何も持ってないぞ」


バルクホルン「無茶な!」


案の定ネウロイに吹き飛ばされる芳佳。


芳佳「よし、今こそキングブレスレットを使う時!」


芳佳がキングブレスレットを外して投げると、鳥型ネウロイの全身に電流が走った。


シャーリー「すごい、遠距離からあんなにダメージを・・・。」


芳佳が攻撃を終えて戻ってきたキングブレスレットを手に取り、もう一度使おうとした時だった。


ルッキーニ「助けてくれーー!」


芳佳「あ、ルッキーニちゃん!」


芳佳「助けないと!」


芳佳はキングブレスレットをバケツに変えると、燃え盛る火に向けて水をぶっかけた


リーネ「ルッキーニちゃん!大丈夫!?」


ルッキーニ「こわかったよぉ」


だがその間に鳥型ネウロイは逃げてしまった。芳佳とストライクウィッチーズの面々は地上に降り立った


リーネ「芳佳ちゃあああああん!」


ペリーヌ「宮藤さん!」


芳佳「みんなごめんなさい!心配かけて・・・。」


バルクホルン「こいつぅ!」


芳佳「ミーナ中佐に助けられたんです」


エーリカ「中佐に?」


芳佳「そう、ミーナ中佐にね!」


         *


オークマ山病院、サーニャの病室


エイラ「入るゾ」


サーニャ「どうぞ」


芳佳「お邪魔します」


サーニャ「その声は・・・芳佳ちゃん!」


サーニャ「生きてたんだぁ」


芳佳「サーニャちゃん、本当にごめんね」


サーニャ「もういいってば」


カナリヤ「ピギャアアアアアア」


芳佳「あ、病室でカナリヤ飼ってるんだ、かわいー」


エイラ「小鳥の鳴き声が聞こえる方がサーニャも元気出ると思ってな、私が買ってきたんだ」


カナリヤ「ピギャアアアアアア」


芳佳「でもなんか暴れてるようだね・・・。」


サーニャ「ここ最近毎日暴れることがあるのよ。今日はこれで2回目」


エイラ「カナリヤってそんなに暴れるもんなのか?」


芳佳「ちょっと待って。サーニャちゃん、昨日カナリヤが暴れたのは何回?」


サーニャ「うーん・・・2回よ」


芳佳「一昨日は?」


サーニャ「えーっと、やっぱり2回だ」


エイラ「坂本少佐が死んだ時も丁度同時刻に鳴いてたんだ」


芳佳「やっぱり・・・。」


エイラ「宮藤?何か分かったのか?」


芳佳「同じオークマ山だから、ここから坂本少佐が死んだ現場までは近い」


芳佳「つまり、カナリヤはあの鳥型ネウロイが近くにいると暴れるんだ」


エイラ「なるほど」


芳佳「そして、毎日2回きっかり暴れるということは、あのネウロイが毎日2回この近くを飛ぶということ」


サーニャ「毎日往復しているのね・・・ということは!」


芳佳「そう、この近くにあのネウロイの巣があるんだ」


芳佳からの報告を受けたバルクホルン隊長代理はエーリカ、ペリーヌ、シャーリー、リーネを率いて再びオークマ山に向かった。調査の結果、ネウロイは火口の中に巣を構えていることが分かった。丁度鳥型ネウロイは巣にいないようだった。


シャーリー「あの丸いのは何だろう・・・?」


バルクホルン「恐らくネウロイの卵だろう。あれが鳥型ネウロイになるのか・・・。」


ペリーヌ「今のうちに潰してしまいましょう」


エーリカ「おっ、そうだな」


リーネ「えいっ」ズドーン


5人の攻撃によってネウロイの巣は滅茶苦茶に破壊された。そこに鳥型ネウロイが戻ってきた


エーリカ「うわぁ」


リーネ「巣を荒らされて怒ってるんだ・・・!」


バルクホルン「戦闘用意!」


だが戦闘準備が整う前に鳥型ネウロイは高速で接近してリーネとペリーヌに体当たりを食らわせた


ペリーヌ「きゃあああ」


バルクホルン「大丈夫か!」


リーネ「怪我はありません。ただストライカーユニットが損傷したので私とペリーヌさんは地上に離脱します」


エーリカ「2人減って3人か・・・。」


その様子を芳佳とエイラは地上から見ていた


芳佳「大変!バルクホルンさん達が苦戦してる!助けなきゃ!」


エイラ「でもどうやって!?今日はサーニャの見舞いに来ただけだからストライカーユニットなんて持ってきてないぞ」


その時、サーニャから通信が入った


サーニャ『二人とも、部屋に戻ってきて』


サーニャの病室


芳佳「どうしたの、サーニャちゃん」


サーニャ「ベッドの下、見てみて」


エイラ「ベッド?・・・これは!」


芳佳「ストライカーユニット!」


サーニャ「こんなこともあろうかと持ってきておいたの。一機しか無いけど・・・。」


芳佳「私に穿かせて!サーニャちゃん、エイラちゃん!」


エイラ「分かった、負けんなよ」


サーニャ「頑張ってね」


芳佳「ありがとう!」


芳佳は窓際に立つと、ストライカーユニットを装着した


芳佳「宮藤芳佳、発進!」


芳佳は天高く舞い上がると、鳥型ネウロイに向かっていった。


芳佳「私のあとについてこい、ネウロイ!」


鳥型ネウロイは挑発に乗り、芳佳のあとを追い始めた。


芳佳「よし、一騎討ちだ、バードン!」


芳佳「キングブレスレット!」


芳佳がキングブレスレットに手をふれると、そ魔力が発動され、芳佳の体が2つに分裂した


シャーリー「分身の術・・・?」


バルクホルン「あいつにそんな魔力が・・・。」


左右に分かれて飛ぶ二人の芳佳。そんな強烈な幻覚に、鳥型ネウロイはすっかり目をまわしてしまった。そしてその先にあるのは、火山の岩肌!


ネウロイ「キュエエエエエエエエン」パリーン


鳥型ネウロイは岩肌に激突し、その衝撃でコアは砕け散った


エーリカ「宮藤が・・・勝った・・・。」


芳佳は、オークマ山中腹の坂本少佐の死体のところに降り立った。


芳佳「可哀想に少佐・・・野ざらしになって・・・。」


そこに、飛行機に乗ったミーナ中佐も現れた。二人は坂本の体をミーナの持ってきた棺桶に入れた。その様子を遠くで見つめるエイラ、ペリーヌ、リーネ。


ペリーヌ「少佐・・・。」


エイラ「私とサーニャはむしろ幸運だったのかもしれない・・・ミーナ中佐は、死んだ自分の仲間を連れに来たんだ・・・。」


サーニャ「中佐が・・・中佐がいるのね?」


3人のもとに、サーニャがすたすたと歩いてきた。その目はぱっちり開いていた


エイラ「あれ・・・サーニャ、目が見えるのか?」


サーニャ「うん。まだちょっとぼやけるけれど」


リーネ「良かったね、サーニャちゃん・・・良かったね!」


その時、芳佳とミーナが棺桶を運ぶため飛び上がった。


ペリーヌ「少佐・・・。」


ペリーヌ「少佐ぁーーーー!」


リーネ「少佐ーーー!」


エイラ「少佐ーーー!」


サーニャ「少佐ぁぁぁぁ!」


ウィッチ達は、果てることなく彼女の名を叫び続けた。



後書き

もうお分かりだと思いますが、このSSはウルトラマンT第17~19話のリスペクトです


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2020-12-03 07:46:38

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1: SS好きの名無しさん 2015-11-06 08:47:49 ID: p6qyY0ow

キャラの口調ぐらい把握してから書けこの屑


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