2016-05-27 02:06:38 更新

概要

とある鎮守府の日常を淡々と書き綴るだけのss

初ssなために至らぬ点が多々あるかと思いますのでご注意ください
また、オリキャラ提督、独自設定、キャラ崩壊等がありますのでそれらが苦手な方は読まないことを推奨いたします

不定期更新なのでいつまでも上がらなかったりいつの間にか上がったりします、ご了承ください
シリアスとかR18系は全く書けず。ギャグも・・・まあ、笑ってくれる人がいればいいかな・・・?(


前書き

提督(艦娘によっては司令官)   本名:箕志上 晶(みしがみ あきら)

SSの主人公。名前があるのに基本的に役職名で呼ばれるせいで本人も若干忘れつつある人。
欲しいと思ったら大体二週間くらいでいつの間にか所有してるくらいの武器蒐集家。
最近のトレンドは空気中のフォトンを取り込む系の非実体武器。


叢雲

SSのサブ主人公。デレを通り越して夫婦っぽくなっている方のウサミミユニット。
槍のようなマストでの近接戦をしていたが、老朽化や新しい高角砲の出現により、改二になると同時に射撃主体の戦闘法に乗り換えた。
最近はプラモ作りにハマっている。デンドロビウムとネオジオングを並べるのが夢らしい。


吹雪

SSのサブ主人公。真面目で堅実、良い艦娘のお手本のような子。見せパンではない。
戦い方も教本をそのまま体現したかのようなものだが、駆逐艦にしては妙に一撃が正確で、しかも重い。
料理が趣味。たまに鳳翔さんと一緒に食堂に立って艦娘達の食事を作っている。




SSのサブ主人公。気弱そうに見えてしっかり者の暁型の末っ子。が、最近擦れ気味。
錨での近接戦が慣れ過ぎて砲撃・雷撃が最早おまけとなりつつある。たまに司令官の武器を使う。
長い暇ができると釣りに行く。時々暇してる人を一緒に連れて行っているらしい。




SSのサブ主人公。テレビとゲームとネットとセクハラが大好きな現代っ子。
手を抜けるときはとことん抜くが、やるときはやり、〆るところはしっかりと〆る。
とにかく多種多様なジャンルのゲームに手を出している。イカのTPSが今のトレンド。


五月雨

SSのサブ主人公。天性のドジっ子だがドジっ子なりに頑張ってる健気な性格。
戦闘中でもそのドジが発揮されるが、そのおかげで危険を回避したり強敵を倒したりしている。
読書が好き。特に雨の日にお気に入りの小説を読むのが好きらしいが気が付くと寝ていることが多い。

一応この6人を中心に書いていきたい所存であります


提督「更迭された提督の鎮守府へ着任、ですか」


上官「ああ、君のような優秀な者ならあそこに相応しいだろう」


提督「いえ、私のような若輩者がそのような場所に就くなど・・・」


上官「いやいや、君が就いてこそ意味があるのだよ。そうでないと此方が困るのでな」


提督「・・・その言い方だと、前任者に不満なところでもあったのですか?それとも事故か何かで・・・?」


上官「・・・・・・奴は多大なる戦力を保持していながら、此方の提示する作戦に参加することを頑なに拒んできた。それを私達は謀反・反逆を企てていると判断し、辺境に飛ばしたというわけだ」


提督「はあ、成程・・・」


上官「・・・話は以上だ。早速鎮守府へ向かいたまえ」


提督「・・・はい。それでは、失礼します」



現在より数年前、初夏の頃



提督「あ゛ーやっと着いた・・・くっそ、こんだけ迷うんだったら金ケチらずにタクシー使えやよかった」


提督「地図は、っと・・・・・・よし、ここが俺の配属先で間違いないな」


提督「さて、見回る程度の時間あるし、早速お宅拝見と洒落込むかね。なにがあるかなー」テクテク




~おおよそ二十分後~




提督「・・・・・・あれー、ここって鎮守府の筈なんだけどなー」


提督「工廠に妖精の姿が見えない、どころか鎮守府内ほぼ全部回ってどこにも妖精らしき影すらないとはどうなってんだ?」


提督「・・・まさか、更迭に腹を立ててストライキなり起こしたとかか?だとすると一大事なんだが」


提督「・・・・・・考えても仕方ないか。執務室行こ、取り敢えず書類やらなんやら書かんと」




~執務室前~




提督「で、着いたわけなんだが」



エーット、コノショルイハ・・・ オチャイレタヨー 

    キョウノオチャガシハオマンジュウナノデス マンジュウウマー 

  チョット、チャントスワッテタベナイト・・・



提督「何故執務室から複数人の和気藹々とした会話が・・・いや秘書艦とかなら分かるけど、ここの艦娘って殆どが異動になった筈なんだが」


提督「・・・・・・直接聞こう、あれこれ考えたとしても所詮憶測だし」コンコン


アレ、ダレカキタ コウニンノシレイカンカナ? チョッ、ハヤクユノミカタシテ!


提督「・・・あー、俺ここで待ってようか?」


???「いや、大丈夫よ。入って」



サミーアブナイ! エ?キャー!?

       ガシャーン



提督「・・・・・・ホントにダイジョブ?」


???「・・・・・・このままだとあと数十分は待つ羽目になるから、早く」


提督「アッハイ」ガチャ



叢雲「さて、アンタが後任の司令官ね。いきなりで悪いけど自己紹介から始めさせてもらうわ。私は叢雲よ。宜しくね」


吹雪「あ、は、初めまして、吹雪です!宜しくお願いします!」



提督「ああ、宜しく頼む。・・・で、室外から聞こえた感じだとあと三人いたよな?」


叢雲「いるわよ、もうそろそろ割れた湯呑の片づけから戻ってくると思うわ・・・っと、話をすれば」



漣「おー、あなたが後任のご主人様ですか?綾波型駆逐艦の漣です、宜しくお願いしますね!」


電「あのっ、えっと……電です。どうか、宜しくお願いいたします」


五月雨「ぇ、あ、さ、五月雨っていいます!あの、宜しくお願いします!」



提督「うむ、宜しく頼む。・・・・・・あと、湯呑片す時は足元と手元に注意して周りをよく見なさい」


五月雨「あぅ・・・はい、すみません・・・」


叢雲「・・・それで?勝手に進めたとはいえこっちが名乗ったんだから、アンタも名乗るのが礼儀じゃないの?」


提督「おっと、すまんな。それじゃ、」オホン



提督「本日付で此方の鎮守府に着任致します、箕志上 晶と申します。提督になりたての身で至らない所も多々あるかと存じますが、どうぞ宜しくお願いいたします」



時は流れて現在・・・



叢雲「あら、着任当時の写真なんて眺めて、珍しいわね」


提督「別に昔の思い出に浸ったっていいだろー、減るもんじゃねえし」


叢雲「そうね、仕事は減らないわね。休憩時間はがっつり減ってくけど」


提督「それは困る。さっさと片そう」カリカリ


叢雲「よろしい」カリカリ



提督「・・・・・・しかし、」チラッ



島風「また私がいっちばーん!」


雪風「うぅ~また負けちゃいました・・・もう一回!もう一回勝負です!」


島風「いいよ!にしし、何度やっても私が一番なんだから!」


天津風「ちょっと、まだ走る気なの?よくもまあ飽きないわね・・・」


島風「だってかけっこって楽しいもん!楽しいことは飽きないでしょ?」


天津風「いやまあ、そういう気持ちは分かるけど・・・」


雪風「とにかくもう一回かけっこです!ほら、天津風さんも!」グイグイ


天津風「きゃっ、ちょ、私はもういいわよ!引っ張らないで!」


島風「天津風ちゃんおっそーい!」グイグイ


天津風「島風までやめてよ!待っ、押すな!引っ張るなー!」



提督「・・・・・・」チラッ



卯月「っぴょ~ん!!」バッ


菊月「うわっ!?卯月、いきなり飛びつくな!驚いたじゃないか!それに怪我したらどうする!」


卯月「大丈夫だぴょん!うーちゃんはそんなにやわじゃないぴょん!」


菊月「そういう問題じゃなくてだな・・・!」


卯月「それより~、菊月、一緒に遊ぶぴょん!」


菊月「はぁ・・・私は遠慮しておく。まだ課題も訓練も終わってないからな」


卯月「むぅ~・・・そんなの後でやればいいぴょん!今すぐ遊ぶぴょん!」


菊月「今やらないと後で泣きを見るぞ?お前はいつも後回しにして怒られているだろう」


卯月「うぐっ・・・」


菊月「それに、今日の演習で指摘されたことを改善しないと、いつまで経っても強くなれないぞ?」


卯月「・・・・・・うぅ・・・」ショボン


菊月「っ・・・・・・はぁ、全く・・・遊び終わったらすぐに訓練だぞ?課題は私が見てやるから」


卯月「! 分かったぴょん!そうと決まったら早速暇そうな人を探すぴょん!」


菊月「そこからだったのか!?というか私は暇そうに見えてたのか!?」



提督「・・・賑やかになったもんだねえ」カリカリ


叢雲「そうね、ここ最近で漸く全盛期の騒がしさを取り戻しつつあるわ。戦力に関しては今の方が上だけど」


提督「まぁ当時は海外艦なんて派遣されてなかっただろうしなぁ」


叢雲「どころか、最近になってやっと改二になった人もいるくらいだし、昔より今の方が戦力は整ってるのが普通でしょ」


提督「そりゃそうだわな。事実お前もついこの前改二になったわけだし」


叢雲「あれはびっくりしたわ・・・大本営はどういう基準で選んでるのかしら。っと、これに判子お願い」ペラ


提督「おうよ。・・・・・・そういや、他の鎮守府に流れてったやつらも戻ってくる目途ついたんだっけか」


叢雲「ええ、今アンタが書き込んでるのがそれよ」


提督「わーまじかー、というか駆逐とか重巡ならまだ分かるよ?大和型や長門型までってどういうこったい」


叢雲「しょうがないじゃない、まさか司令官がいない鎮守府に置いておくわけにもいかないし。それに使ってくれる場所に送った方が使わず腐らせるより断然いいでしょーが」


提督「・・・まあそうだわなあ。っと、ちょうど昼時かね。ここらで食堂行こうぜぃ」


叢雲「ん、こっちもキリがいいし、そうしましょうか。確か今日は吹雪が手伝ってたわね」


提督「ほぅ、あいつの作る鯖味噌は美味いんだ。今から楽しみだな」


叢雲「はい、書き込み分。・・・それじゃ、行きましょうか」


提督「ああ」



~そんなこんなで始まります~




何食べるか迷った時は散々悩んだ後にいつも頼んでるものに落ち着く



鳳翔「あら提督。本日はいつもより少し早いですね」


提督「いや何、ちょうど節目で止まったから切り上げてきた」


鳳翔「そうなんですか。ではどうでしょう、納涼を得るために冷やし中華など」


提督「うんにゃ、今日は鯖味噌の気分なんだ。それは、そうだな・・・今夜にでも頂くよ」


鳳翔「成程、そうですか・・・叢雲ちゃんはどうする?」


叢雲「そうねぇ・・・聞いてたら食べたくなったわ。鳳翔さん、冷やし中華をお願いします」


鳳翔「はい、ただいまお持ちしますね。それと提督、吹雪ちゃんはあちらにいますよ」


提督「おぅ、どうも」




提督「よっす吹雪、いつも通りに繁盛してんな」


吹雪「あ、司令官!はい、今日はちょっと新メニューを出してみたらそれが大人気で・・・」


提督「ほほう、新メニューとな。どれどれ」ペラ


「新メニュー!山菜入りカレー南蛮うどん」


提督「・・・カレーうどんか、美味そうなことは美味そうだけどこの時期にゃちと辛くないかね?」


吹雪「あ、あはは・・・それで、どうします?」


提督「うどん、うどんかあ・・・新メニューだし頼もうかなあ。あーいやでも、鯖味噌が・・・うーむ」


吹雪「・・・えっと、とりあえず着席してからお考えになっては?」


提督「ああうん、そうさせてもらうわ・・・これはもう少し考えにゃならん要項だし」



結局、鯖味噌を頼みました



仕事ってのは期日までに終わらせれば何とかなる気がする



提督「あー食った、さてちょっと散歩をば・・・」


叢雲「くぉら。まだ異動受け入れの書類書き終ってないでしょーが」ガシィ


提督「んだよ、あんなん今日終わらせようと来週終わらせようと、最悪月末に終わらせようと来る日は変わらんだろ」


叢雲「書類をウィークリー任務扱いすんじゃないわよ。それにアレ書き終らない限りいつまでもこっち来れないのよ?」


提督「むぅ・・・でもよ、フル回転させて今日中に終わる量かアレ?」


叢雲「・・・無理ね、早くて三日はかかる」


提督「だろ?特に主戦力になっているであろう戦艦や空母勢、アレの異動の説得が難しすぎる」


提督「資材やら手間やらのリスクが高すぎて自分じゃ手に入れられないような強力な仲間をほぼノーリスクで手に入れられる」


提督「普通じゃ貸すのすら惜しいくらいだ、俺だってんなもん持ってたら貸し出したくねえし」


叢雲「取敢えず駆逐の子たちは提出次第こっちに来る予定よ。聞いてみたところホームシック起こしてる子もいるらしいわ」


提督「マジか・・・まあそんだけ前任者に愛されてたんだろうな。羨ましいもんだ」


叢雲「ええ、そうね・・・あいつは良くやってくれてたわ・・・おかげで散々な目に会わされることになったけど」


叢雲「いつだってそうよ。間違った者が正義となり、正しい者が虐げられる・・・理不尽にも程がある」


提督「はいはいそれくらいにしろよなウサミミー」ムニュー


叢雲「いひゃいいひゃいいひゃい!やめへ、ひっはらはいへ!」グニー


提督「まあ兎に角、できることからしようや。何処で何愚痴っても行動せにゃ始まらんぞ」


叢雲「・・・そうね、御免なさい」シュン


提督「いいって、そうやってすぐ反省できることが偉いんだから。さてそれじゃ自分のできることである武器整備から」スタコラ


叢雲「あ、ちょっ、そういうことか!!待てコラぁぁぁぁ!!」ズドドド



模造品や贋作でもやり方さえ間違えなければ普通に強い



提督「さーてと、今日は何を弄り倒すかねえ」ニヘヘヘ


明石「その言い回しと笑い方は間違いなく通報モノですよ・・・」


提督「おぅ明石、艤装の整備は順調か?」


夕張「私もいますよー!今は睦月型の子たちの艤装を調整してるところです!」


明石「何人かは結構無茶な戦い方してるせいで主砲の砲身の耐久力が・・・」


提督「あー・・・分かった、その件に関してはこっちから直接言っておく。今は俺自身の装備を優先したい」


夕張「おぉ!またオモシロ機構が見られるんですか!今度はレザキャですか?それともハウザーですか!?」


提督「いや今日は魔具の調整をと思ってな。ここんとこ使ってやれなかったから火力憶えてないだろうし・・・」


明石「あー、そういやアレのコピー元は悪魔ですっけ?なんであんな物持って来ようと思ったんですか、しかも生きてるし」


提督「いやさー、強い武器って持ってて損はなさそうじゃん?あと厳密には生体っぽい学習機能積んでるだけで生きちゃいないぞ」


叢雲「そうよね、無駄に再現に凝った結果ああなったのよね。明石さんついでにコイツの頭修理してくれない?」


明石「えぇーやですよ、ンガイの森に生身で飛び込む勇気なんてありませんて」


提督「追いついたか叢雲、そしてさらっとひどいことを言う・・・ああ、お前も調整手伝ってくれや、データとか使い勝手とか諸々」


叢雲「・・・私艦娘なんだけど。ただの人間よか身体能力高いんだけど」


提督「だからこそだよ。それに地上で使うことなんてあんまりないしそのあたりもまた教え込まにゃならん」


提督「ついでだからお前らもそれ切り上げて付き合え、好きな武器弄らせちゃる」


夕張「マジですか!?やったー!!パンドラ使いたい放題だー!!」ヒャッホイ


明石「おお、いいんですか!?実はアルテミスとかナイトメアβとかが気になってて・・・」ワクワク


提督「さーて俺は何からやろうかな・・・」


叢雲「・・・もう慣れたけど、こいつら傍から見ると戦闘狂にしか見えないわね」ハァ



戦艦とか重巡洋艦ってアホみたいな怪力のイメージがある、別に脳筋ってわけじゃないけど



扶桑「えーっと、提督はどこかしら・・・」キョロキョロ


提督「ん、扶桑か。どったん?まだ限定甘味は無くなってないし開けてほしい瓶もないぞ?」ブォン


扶桑「ああ提督、こんなところにいらしたのですか。いえ、遠征組が帰還しましたので報告書を・・・」


提督「あ、代わりに報告書受け取ってくれたのか。ありがと、なんかいつも世話になってる気がするな」


扶桑「いえ、提督のためですから。・・・ところで、あちらの方々は一体何を・・・?」


提督ん?」クルッ



ライジングドラゴン! ウオアブナッ!? クラエリヴェンジ! チョッ、シュウチュウネライハヤメナサイッテ!



提督「あー・・・ソードマスターのギルガメスとガンスリンガーのパンドラでトリックスターのアグルドをフルボッコ状態?」


扶桑「は、はぁ・・・それで、提督はリべリオンの素振りを?」


提督「正直あの中に飛び込む勇気ないし、誰か一人倒れたら残った二人の疲弊した方を落としに行こうかなと」



キコエテルワヨコラー! ホラホラヨソミスルトアーギュメントガアタルヨー! ギャーナガレダマキター!



扶桑「あの様子だと明石さんが夕張さんにやられそうですね、アーギュメントのミサイルの追尾性能高いですから・・・」


提督「ふむ・・・だが叢雲が二人に集中狙いされてるのも事実、トリックスターと言えどじりじり削られてるしなあ・・・」


提督「そろそろ救援入るか、ソードマスターで行こうかな・・・扶桑も入るか?まだベオウルフが空いてるぞ」ソードマスター!


扶桑「・・・では、お供します。スタイルは・・・これで」ダークスレイヤー!


提督「お前それ好きだよなぁ。今度閻魔刀使う?フォースエッジもあったりするけど」


扶桑「そうですね・・・できるだけ再現をしたいので、お願いします」


提督「下手に3やらせたのが災いしたか、これは・・・まあ4SEじゃないだけマシか、技そんな多くない分」ボソッ


扶桑「・・・提督?そろそろ叢雲ちゃんが危ないのでは?」


提督「おお、そうだな。んじゃ行くか」グッ



オラァクイックドライブクラエヤ! グワーッ!? マッテアニキバンベオトカシャレニナラナイ!



結果(一応演習判定)

無傷:扶桑(日輪→エネステ流星、攻撃来たらエアトリックで逃げ)、提督(相手の避けた先が扶桑か叢雲になるようにドライブ連打)

中破:叢雲(逃げながらもじりじり被弾)

大破:明石、夕張(共にベオウルフとアグニ・ルドラでフルボッコ)



最近のブームは長女と末っ子がしっかり者で間の二人がポンコツ、なお暁型はその限りではない



提督「はー、あー動いたわー動きすぎて明日キそうだわー」ゴキゴキ


扶桑「それでは、私は出撃に行ってきますので」


叢雲「ああ、そういえば午後から入ってたわね。えーとメンバーと場所は確か・・・」


提督「暁を旗艦に五十鈴、瑞鳳、扶桑で鎮守府近海の対潜警戒任務だな。装備は言ってたっけか?」


扶桑「はい、暁ちゃんと五十鈴さんには高性能ソナーと爆雷、瑞鳳ちゃんには流星改を、私は瑞雲を装備ですね」


提督「言ってあったか、それじゃあ頼むわ。あいつらも強くなってきてるから大破が出たら無理せず帰還するように」


扶桑「はい。それでは、行ってまいりますね」ニコ


提督「おう、行ってらっしゃいな。・・・んじゃ、俺らは片付けするかな」


叢雲「了解よ。ほら工廠組、寝っころがってないで起きなさいな」ペシペシ


明石「うーん、やめてよ叢雲ちゃん、頭のウサミミユニットで叩かないで・・・」ムクリ


夕張「というかそれそういう使い方するもんじゃないでしょ・・・」ムクリ


提督「ほれ、データ取ったしコレ纏めるぞー」


叢明夕「はーい」



提督「さてっと、あらかた纏め終わったかね。相変わらず扶桑のデータが振りきってるな・・・」


叢雲「流石戦艦ね、基礎値からとんでもないわ・・・もういっそ常備化させてみたら?案外嵌るかもしれないわよ?」


提督「個人的には艦娘らにそういうことさせたくないんだがな・・・」


明石「記録終わりましたー。それじゃ私たちは艤装の整備に戻りますので」


提督「おーぅ、お疲れ。付き合わせて悪かったな」


夕張「いえ、ある種の気分転換になったので!さーて、気合入れなおしてガンバルゾー!」オー


提督「ん、それならよかった。俺らも執務に戻るかねえ」


叢雲「やっとその気になったわね。まだ先は長いわよ?」


提督「頑張るさ、明日の分まで」フッ


叢雲「なんでそんな諦めの表情を・・・ああ、筋肉痛か」


提督「そういうこと、間違いなく動けなくなるから今のうちにこなしとかないとな」


叢雲「普段もこれくらいやる気出してくれればねえ・・・」ハァ


提督「ごめんよかーちゃん・・・」


叢雲「誰が母親か、誰が」



海釣りって一回も言ったこと無いんだよなあ、楽しそうだけどなんか怖い



提督「はー・・・時に叢雲よ」


叢雲「どうしたの司令官」


提督「今日って午後の警戒任務以外に出撃あったっけ?」


叢雲「無いわよ。それがどうか・・・ああ、あの三人か。釣竿で出撃とか流石に無いでしょ」


提督「だよなあ、じゃあ釣りの帰りか・・・成果どうだったんだろ」


叢雲「ちょっと、明日の分の仕事もやんなきゃならないんだから呑気に立ち話してる時間も無いわよ?」


提督「なーに、主婦の井戸端会議みたいなもんだ」スタスタ


叢雲「それ下手すると何時間か吹っ飛ぶじゃないの・・・」テクテク



提督「よっす電に吹雪、ついでに漣」


電「あ、司令官さん。さっきはお疲れ様なのです」ペコリ


提督「さっき・・・あー武器調整のアレか。楽しかったわ」キリッ


電「一歩間違えると瀕死ダメージ貰いそうな状況をそう言えるのは多分司令官さんだけなのです」


提督「そっかなー、まあ電が言うんだからそうなんだろうけど。ところでいつの間に捕まってたんだ吹雪・・・」チラッ


吹雪「それが、食堂の片付け手伝ってたら釣竿持たされて・・・」


漣「あと、『ついでに』ってなんですかご主人様、私は食玩のガムみたいな扱いですか?」


提督「むしろたまにそれ目的で買ったりするんだけど。美味くないアレ?」


漣「正直あの値段でガム1つとおまけって考えてみるとぼったくりもいいところですけどねー。あと今度調整混ぜてくださいよ」


提督「人力TASみてーな動きしないんだったら考えてやる」


漣「私のアイデンティティを奪うつもりですか!?」


提督「あんなアイデンティティはフリーズしてしまえ」


叢雲「・・・釣りの成果聞くんじゃなかったの?」ゴゴゴゴ


提督「あ、やっべー叢雲さん激おこぷんぷん丸だわ・・・電、俺を助けると思って釣りの成果を」ガクブル


電「なんで死の淵に立たされたようになってるんですか・・・成果は上々なのです」


吹雪「アジやイワシがいっぱい釣れたので、今夜のおかずに出そうかと思ってます」


漣「あと電ちゃんがヒラメ何匹か獲ってましたから限定メニューで出るかもしれませんよ?」


提督「おぉぅ、すげえなそりゃ・・・毎度毎度ありがとな、電」ナデナデ


電「ん・・・どういたしまして、なのです♪」ニコニコ


提督「あああと、吹雪も。美味い飯をありがとな。感謝してるぞ」ナデナデ


吹雪「あ、っ・・・い、いえ!できることをしただけなので、その・・・あぅ」テレテレ


漣「・・・ご主人様~♪漣のココ、空いてますよ~?」チラッチラッ


提督「あざとい、わざとらしい。0点」ナデナデ


漣「んふー♪そう言いつつ撫でてくれるご主人様マジツンデレっすわー♪」


提督「ツン入れてアイアンクロー決めてやろうか?」ガシィ


漣「すんません調子乗りましたホント勘弁してくだしあ・・・」ガクブル


叢雲「ほら、スキンシップ済んだらさっさと仕事に戻るわ、よっ!」グイグイ


提督「ちょ、止めろ引きずんなって!ああ、じゃあなお前らー!ちゃんと手ぇ洗えよー!」ズルズル


電「・・・あれ、どう見えます?」


吹雪「んー・・・できる部下とやらない上司?」


漣「部下にデレる上司とそれに嫉妬する妻兼秘書」


電「多分漣ちゃんが近いのです」



嫌いなことでも無心で作業してると時間が飛んでいく



提督「えーと、オリョールに出してアルフォンシーノに行かせて・・・遠征はいつも通りでいいかな」テキパキ


叢雲「明日は午前と午後に一本ずつ演習入ってるからそれも考えてね」


提督「都合悪い時に重なっちったなあ・・・そういや、明日が初陣のやつらっていたっけか?」


叢雲「それくらい憶えておきなさいよ・・・葛城と矢矧、酒匂が初出撃ね」


提督「ん、じゃあそいつら三人をオリョールの面子にするか。補佐は・・・龍驤と五十鈴で」


叢雲「アルフォンシーノの面子は割り出しといたわ。吹雪を旗艦に飛龍さん、蒼龍さん、扶桑さん、山城さんよ」


提督「了解。面子がそれとなると演習は水雷戦隊になるかなあ・・・戦艦と空母には早めに戻ってきてほしいもんだよ」


叢雲「そうならさっさと書類書きなさいよ・・・ああそれと、演習の入ってる鎮守府にはこっちから異動した人いるわよ」


提督「・・・マジか。無理にでも顔出さなきゃダメかなやっぱり」


叢雲「そもそも全身筋肉痛で執務休むってことがあり得ないんだけど・・・まあ大丈夫でしょ、ここの子たちなら」


提督「そうかなあ・・・よし面子決定、旗艦に召集かけてくれや」ペラ


叢雲「承ったわ・・・ん、午前と午後の両方出てる子がいるわよ?」


提督「人数いないからな、これでも絞り出した方だ・・・本人が駄目というなら他を当たるさ」


叢雲「というか、私は出さないの?一応私この鎮守府内で最高練度なんだけど」


提督「だからだよ、戦闘を客観的に見て分析できるやつがいると戦術開発が捗るんだ」


叢雲「そういうことね、了解よ。それじゃ召集かけてくるわ」テクテク



~十数分後、執務室~



提督「と、言うわけで。君たちには明日の演習の旗艦をやってもらうことになった」


天龍「なんか久々に戦闘らしい戦闘できる気がするなあ」


提督「ごめんよ天龍、大体遠征に行かせてて・・・」


天龍「いや、旧型艦ならこんなもんだとは思うけどな。まあ明日は旗艦にしてもらえるんだ、存分に暴れられるぜ!」ワクワク


龍田「天龍ちゃん?あんまり前に出て、他の子たちの邪魔になっちゃだめだからねぇ?」クスクス


天龍「わーってるよ。当日は連携重視で行くって」


提督「ああ、そのことなんだが。お前ら戦闘に参加禁止な。後ろから指示出しと最低限の応戦だけにしてくれ」


天龍田「・・・は?」キョトン


天龍「おいどーいうこったよ提督。戦うなってのは流石に酷いと思うぜ?」ギロッ


龍田「あんまりふざけたことを言ってると、その首落としちゃいますよぉ・・・?」ニタァ


提督「んなこと言って、この前作戦無視して一人で突っ込んでった挙句、空母も戦艦も関係なくバラバラにしたのは」


提督「どこのどいつだったっけかなあ・・・?」チラッ


天龍「うぐっ・・・!?」


龍田「・・・て~んりゅ~ちゃぁ~ん?な・ん・で、そんな無謀なことしたのかしらぁ・・・?」ガシィ


提督「おめーも同罪だよ、ケタケタ笑いながら無双してたせいで援軍の駆逐が数人トラウマになってんだかんな」


天龍「・・・マジか龍田?」


龍田「・・・うふ♪」


天龍「笑ってごまかしてんじゃねーよコラ」ガシィ


提督「だから、お前ら戦闘参加禁止。あんなことせんでも強いんだから、後輩の育成頑張ってくれや」


天龍「・・・しゃーねえなあ、誰かよさげなの見つけて身ぃ引くかなあ」ポリポリ


龍田「そんなこと言って、引いた後も理由付けて出てく気でしょ~?」ニコ


天龍「おう、流石龍田だな。俺の事分かってんじゃねえか」ニヤァ


提督「なあ、姉妹漫才終わりにして食堂行かねえ?あと叢雲どこ行ったか知んない?」


龍田「叢雲ちゃんなら『食堂行ってくる、後は任せた』って言って歩いて行っちゃったわよ~」


提督「あいつ丸投げしやがった・・・しゃーなし、俺も行くか。ヒラメ食いそびれる」ガタ


天龍「え、今日ヒラメ出んのか?」


提督「ああ、電たちが釣ってきてたからな。あと今日は魚介系だと思うぞ」


天龍「マジかこうしてる場合じゃねえ!行くぞ龍田ぁ!」バーン


龍田「あらあら、天龍ちゃんったら~」クスクス


提督「ドアぐらい静かに開けてけよ・・・はぁ」テクテク



物を食べるときは静かに食べましょう



漣「・・・食堂が思いのほか地獄だった件について」グッタリ


提督「まさかくじ引きで当ててるとは思わなかったわな・・・びっくりしたわ、ビンゴ大会みたいになってて」


電「電は釣ってきた本人ということで一枠埋まってたのですが、それが逆に申し訳なかったのです・・・」シュン


提督「まあ、暁型四人で分けることにしたんだろ?そういう気遣いできるところがすごいんだよ」←抽選権放棄


漣「ご主人様はなんで放棄したんですか、最後の一枠が当たったのに・・・」チラ


提督「飯を競争して勝ち取るってのがあんまり好きじゃないんだよなあ。見てる分にはすっげえ面白いけど」


漣「むー・・・だったら貰える権利を私にくれればよかったじゃないですかー!」


提督「んなことするくらいだったら俺が食う」


漣「ご主人様のけちー」


電「で、普通の焼き魚定食にした、と・・・」


提督「いいじゃん焼き魚。栄養たっぷりよ?日本人のソウルフードよ?ポン酢と大根おろし最強よ?」


電「いえ、汁物にもイワシのつみれが入っているので魚が被っているんじゃないかと・・・」


提督「美味いもんは被せても美味いんだよ。それ言うとお前も被ってるからな?」


電「あ、そう言えばそうなのです。普通に気付かなかったのです」ハッ


漣「電ちゃんは時々抜けてるよねー、そこがまたかわいいんだけどさ」


提督「まあ取敢えず、テキトーに空いてるとこ座るかねえ」


電「それじゃ、電はお姉ちゃんたちの席に行ってくるのです。またあとで、なのです」テクテク


漣「私はご主人様と食べよっかな。それじゃね、電ちゃん」


提督「おう、ゆっくり食えよー。さて空いてる場所は・・・」



五月雨「提督ー!席をお探しならここ空いてますよー!」



提督「おー五月雨、ナイスタイミング。んじゃ失礼しますよっと」ボスッ


漣「サミーも焼き魚定食?皆好きだねえ、そんな私はチキン南蛮」トスッ


五月雨「漣ちゃんはもうちょっといろんなもの食べた方がいいと思うなー。栄養偏っちゃうよ?」


漣「大丈夫です、朝と昼は違うのを選んでます」キリッ


提督「何の解決法にもなってねえような気もするんだがな」イタダキマス


五月雨「そうだよー、野菜もしっかり摂らなきゃだめだよ?今度おすすめ教えてあげるから、ね?」ニコッ


漣「ああっやめて、そんな天使みたいな笑顔を向けないで、漣蒸発しちゃう・・・」


五月雨「えっ!?ごめん、大丈夫!?溶けてない!?」アセアセ


漣「・・・うん、いっそ清々しいほどに乗っかってくれてありがとう。サミーはネタをネタと見抜く努力をしよう、ね?」


五月雨「えっ?ああ、うん、それはいいけど、怪我とかは無いよね?大丈夫だよね?」オロオロ


漣「いやいつまで引っ張ってんのさ、大丈夫アレ冗談だから・・・」


五月雨「うぅー、冗談で蒸発するなんて言わないでよ・・・わたし本当にびっくりしたんだから」プクー


漣「あぁ^~五月雨ちゃんマジ天使っすわ^~、ねえご主人様もそう思いません?・・・ご主人様?」


提督「・・・あ、え、何?ごめん食うのに集中してて気づかなかった」ゴクン


五月雨「わっ、提督、いつの間に半分も食べてるんですか!?よく噛まないと駄目ですよぉ!」


漣「というか短時間でここまで食べられる集中力がすごいと言うべきなのか・・・?」


提督「取敢えずお前らもはよ食えって。冷めたら美味くないぞ?」



あまりに疲れてたりするとテキトーにツボ押されるだけでも気持ち良く感じたりする



~2330、執務室~



提督「っあ”ー・・・明日の分まで仕事終わり・・・死にそう」グテー


提督「ここまで付き合わせるの悪いと思って叢雲は帰しちまったけど、こんなだったらいてほしかったなあ・・・」


提督「時間・・・うわ深夜近い、寝ないと・・・ああでも最低限マッサージとかしたいし・・・どうしy」


雷「司令官!私がいるじゃない!」ドアバーン


提督「よし帰れ、そして寝ろ」


Верный(以降SS内では響と呼ぶ)「信頼の名は伊達じゃないよ司令官、やるさ」ヒョコ


提督「いや聞いてねーし呼んでもねーよ寝ろよ・・・」


暁「ごめん司令官、なんか雷がいきなり『司令官が私に頼れと囁いてるわ!』とか言って跳ね起きてそのまま・・・」


提督「響は大方その騒ぎに乗っかったんだろうな・・・お疲れさん、ついでにこいつら引き取ってくんない?」


暁「いやそれが、さっき叢雲さんとすれ違って・・・」


提督「・・・まさか叢雲」


暁「うん、『司令官が筋肉痛になりそうで、下手すると明日一日出られないかもしれない』って雷に話してて」


提督「あんのサイコミュ型ウサファンネルがぁ・・・!面倒事増やしやがって畜生・・・」ギリィ


暁「それで司令官、どうするの?多分雷も響も引く気ないし、私も明日一日司令官がいないって言うのは寂しいし・・・」モジモジ


提督「・・・ああうん、もう好きにしてくれ・・・」グデー


雷「んふふ♪分かったわ!私に任せておいて!」ムフー


響「了解。響、出撃する」フンス



~暁型準備中・・・~



雷「さあ司令官、横になって!」E:ミニスカナース


提督「いやナチュラルに俺の部屋に入ってくんなよ、そしてなんでお前らはいろいろとツッコミ所のあるコスプレしてんだよ」


響「男の人をマッサージする時はこういう服装がぴったりじゃないのかい?」E:旧スクール水着(白)


提督「お前に至っては最早犯罪でしかねえからな?あと後ろに控えてるエアマットとローションは何だよ何に使う気だよ」


響「女の子の口からそんなことを言わせるだなんて、司令官はいじわるなんだね・・・///」ポッ


提督「うん、お前はホントに帰ってくんない?」


暁「大丈夫よ、変な素振りした瞬間に止めるから」E:改造スタンガン


提督「確かに止まるけど下手すると止めちゃダメなものまで止まるよねソレ。何、ついに暁までぶっ壊れたの?」


暁「いや、こういうものちらつかせでもしないと止まりそうにないのよ・・・」ハァ


提督「・・・今度間宮で何か奢ってやろうか?」


暁「ありがとう、御馳走になります・・・」


雷「ちょっと司令官!暁姉とばっかりいちゃついてないで、早く横になってよ!」ワキワキ


提督「手の動きがアウトだよ駄目提督製造機一号。というかこれを断るという選択肢はないの?」


雷「もしこの提案を断るなら」


響「お風呂で全身マッサージになるよ」


提督「よし、手短にやってくれ」ゴロン


暁「・・・ごめんなさい、妹たちがほんとごめんなさい」ペコペコ



尚、絶妙なマッサージのおかげなのか翌日は筋肉痛にならずに済みました



朝礼って立ってるうちに眼が覚める人とそのまま寝る人の二種類がいると思う



提督「あー、なんか昨日愚痴ってた気もするが、案外普通に出れた。あと(省略)」ペラペラ


天龍「テキトーすぎだろ・・・」


葛城「・・・すー、むにゃ・・・」スヤスヤ


龍驤(・・・あれ、この子もしかして立ったまま寝とるんか?器用やなぁ・・・)


提督「・・・えー、それでは本日の出撃のメンバーを発表する。名前を呼ばれたら返事をするように。葛城!」


葛城「ひゃいっ!?」ビクッ


提督「一番に呼ばれると思わんかったろ、というか朝礼中に立ったまま寝るなよ、変に器用な奴だな・・・」


葛城「うぅ・・・ごめ、あ、いえ、すみません・・・///」カーッ


提督「無理に敬語使わんでいいぞー。んじゃあとは、矢矧、酒匂!」


矢矧「はい!」ビシッ


酒匂「ぴゃっ!?は、はいっ!」ビシッ


提督「うんうん、酒匂の反応は如何にも新人って感じだねえ。えーあとは、五十鈴、龍驤!」


五十鈴「はい」


龍驤「はいなー」


提督「えー、以上のメンバーで南西諸島方面の東部オリョール海での敵通商破壊部隊の排除に向かい、輸送ラインを防衛してくれ」


五十鈴「提督、オリョールってついこの前も行かなかったっけ?」


提督「ああそれなんだが、奴さんら戦力分けてたらしいんだよ。おかげで復帰が速いわこの前より被害出るわで大損なんだと」


五十鈴「成程、そういうことね。敵部隊の強化とかの可能性は?」


提督「んー・・・あっち方面だし、精々相手方の補給艦が何隻か増えてるだけだとは思うんだがなあ」


提督「・・・まあ、お前らの事だからなんとかしてくるんだろ?」ニヤ


五十鈴「あら、当たり前じゃない。古参の実力を見せてあげるわ」ニヤ


龍驤「せや、それにこの前キミがくれた艦載機があるしなあ。少なくともエリート程度じゃ負ける要素ゼロやで?」ニヤ


提督「それは何よりだ。・・・ああそれと龍驤は葛城の、五十鈴は矢矧と酒匂の指導を中心に頼むわ。そいつら今回が初陣だし」


龍驤「あーキミィ、ちょっちいいかな?うち軽空母、しかも式神式なんやけど、これで葛城の指導になるんかいな?」


提督「ああその件なんだが、どうも大元は式神で巻物か弓かの違いしか無いみたいなんだよなあ」


龍驤「そーなん?」クルッ


葛城「うえぇ!?いきなり振られても・・・確かに、他の先輩方とちょっと違うとは思いますけど・・・」


提督「とまあ、そういうわけだ。五十鈴が矢矧らの担当なのは単純にお前がうちの軽巡で一番強いってだけだけども」


五十鈴「あら、五十鈴が一番?ふふっ、いいんじゃない?」ドヤァ


天龍「提督よぉ、今の発言はちょっとばかりいただけねえなあ?」ジャキッ


龍田「旧型艦だからといって、あんまり馬鹿にしないでくださいねぇ?」ジャキッ


提督「お前らは当たり前のように得物ぶん回してるだろうが、砲雷撃戦と対潜だと五十鈴に軍配が上がるんだよ。白兵に関しちゃお前らが上だ」


天龍田「・・・ならよし」スッ


提督「はぁ、全く・・・こいつらの真似すんなよ、真似しようにも得物ないけど」


矢矧「は、はぁ・・・」


酒匂「・・・んふふー♪」


提督「ん、どうした酒匂。なんか嬉しそうだが、初陣に出るのが楽しみなのか?」


酒匂「うん、艦娘になる前はあんまりお外に出ること無かったし・・・それに」


酒匂「楽しそうな場所でよかったなーって♪」ニコッ


提督「・・・ああ、そいつは何よりだ。ありがとな」


提督「うーっし、そんじゃ機嫌がよくなったところで、今日も一日頑張ろう!解散!」


艦娘s「はい!」



この後、アルフォンシーノ方面のメンバー発表を忘れてたことに気づくまで30分かかった



どの艦種にも絶対に一人は自分の好みの子がいたりするよね



天龍「よっし、そんじゃ駆逐集まれー。今日の演習班を決めるぞー」


皐月「てんりゅー、なんか司令官が慌ててたけど、あっち行かなくていいの?」


天龍「俺らにゃ関係ねえから大丈夫だ、アレはあいつの自業自得だから」


龍田「きっと海域攻略のメンバーの発表を忘れてた、ってお馬鹿さんがするようなミスでもしたんじゃない?」クスクス


天龍「後で数発しばいといた方がいいかなアイツ・・・まあいいや、えーと誰にしようかなっと」キョロキョロ


龍田「・・・あら?睦月ちゃん、ちょっといいかしら?」


睦月「はぁい!なんでしょー龍田おねーさん!」ビシィ


龍田「元気がいいわねぇ・・・望月ちゃんと卯月ちゃんと文月ちゃんが見えないんだけど、どこ行ったか知ってる?」


睦月「えーと、もっちーとふみぃは部屋で寝てると思うのです。あの二人朝弱いから・・・」


龍田「望月ちゃんは叩き起こしてきてくれる?文月ちゃんは優しく揺り起こしてね?」


睦月「睦月に任せるにゃー!」トテテテ


龍田「・・・あ、卯月ちゃんのこと聞き忘れてたわぁ」


天龍「おいおい・・・ちょうどいいや、皐月。なんか知ってっか?」


皐月「んー・・・ボクは知らないや、いの一番に部屋出たし。菊月は何か知ってんじゃない?」チラッ


菊月「なぜそこで私に振る・・・」


皐月「いや、いつもイチャイチャしてるからさー?今朝もイチャついた揚句に出てきたのかなーって」


菊月「いちゃ・・・っ!?なんであんなやつと!」


弥生「とか言いながらなんだかんだで卯月に付き合ってあげてる・・・ツンデレ・・・?」


菊月「違う!断じて違う!ああでもしないとあいつは煩いから・・・!」アタフタ


天龍「あーうん、とりあえずどこ行ったか知ってる奴いないかー」


弥生「スルーするんだ・・・」


三日月「・・・あのー、目撃情報でも大丈夫ですか?」


天龍「おお、やっとまともそうな意見が来たか」


龍田「聞かせてくれるかしら?」


三日月「はい、と言っても本当に些細なことですが・・・朝礼が終わった途端に執務室へ向かう姿を見ました」


天龍「まーた悪戯仕掛ける気かあいつは・・・」ハァ


龍田「まあ、そのうち戻ってくるでしょ。今は演習のメンバー決めないといけないんじゃない?天龍ちゃんこの後すぐ出るんでしょ?」


天龍「おーそうだった。さってと、誰がいいかな・・・」



その後、トイレから戻ってきた如月と長月、起こされてきた文月と望月、帰ってきた卯月を加えた結果

天龍班:睦月、弥生、皐月、長月、望月

龍田班:如月、卯月、文月、菊月、三日月



どんな役割に当てはめても違和感なくこなせるキャラって敵にいると無茶苦茶厄介



提督「吹雪と飛龍と蒼龍と扶桑と山城には悪いことしたなあ・・・埋め合わせ考えとかないと」


電(今日の秘書艦)「全くなのです。司令官さんの一言で鎮守府全体の事が決まるのですから、気を付けてくださいね?」


提督「はい、すみません、しっかりと心に刻み込んでおきます・・・」


電「・・・ところで、筋肉痛になりそうとか言ってましたが、大丈夫なのですか?」


提督「ああ、夜更けに雷と響と暁が来てな・・・マッサージしてもらった」トオイメ


電「・・・心中お察しします、それとお姉ちゃんたちがご迷惑をかけたのです」ペコリ


提督「いや、事実こうしていられるし別にいいんだけどさ。さて昨日に今日の分の仕事やっちったしどうしようかな・・・」


電「釣りにでも行きますか?暇潰しくらいにはなりますよ?」


提督「あー・・・そうだ演習立ち会わなきゃ、名目上居なきゃまずいし。電、スケジュール」


電「はい、えっと・・・現在時刻0645、午前の演習は0730からなのです。少し時間がありますね」


提督「どうすっかなあ・・・まあこういう時に限って何がしか起こるんだけども」


青葉「どーもー朝から恐縮です青葉です!」ドアバーン


提督「ほらな」


電「はなから諦めないでください」


提督「で、何の用だ青葉。強請られるようなことは何一つしてないぞ」


青葉「ふっふっふ・・・これを見て同じ台詞が言えますかね?」ピラッ(ミニスカナースの幼女と白旧スク水の幼女に半裸の男がマッサージされてる写真)


提督「お前も起きてたのかよ寝ろよなんで素直に消灯時間に寝る奴いねえんだよ」


電「司令官さん、青葉さんに言ってももう手遅れな気がするのです」


青葉「あれ割とひどいこと言われてませんかコレ?まあ兎に角、この写真どうします?今ならこれくらいの値段でお売りしますが」←パーの手


提督「ほい、俺の勝ち。それ寄越せ」←チョキの手


青葉「おぉぅ、負けてしまいました!しょうがないですねーじゃあ賞品の写真を・・・ってならないですよ!?」バッ


提督「ちっ、ばれたか」


電「司令官さん、そこはもっと自然にやらないと青葉さんくらいの人は騙せないのです」


提督「マジなのです?」


電「まじなのです。今度お手本見せるのです」


青葉「いや何変な約束してるんですか。というかこれ新聞に載せちゃいますよ?いいんですか?」ピラピラ


提督「だってさ電」


電「こっちに振らないでください。困るのは司令官さんなのです」


提督「・・・なあ電、本当にそう思うか?お前なら分かるだろう、この後起こる悲劇の顛末を」


電「・・・あぁ」ポンッ


青葉「え、何ですか悲劇って。何でそんな納得したような表情と声色で手を打ってるんですか電さん!?」


提督「・・・いいやつだったよ、青葉」ナムナム


電「もし残っているなら骨は拾ってあげるのです」ナムナム


青葉「待ってください!この後何が起こるんですか!?怖いですよやめてくださいよ!」


??&??「あーおーばーさん♪」


青葉「なんですか!こっちは取り込み中で」クルッ


雷「ハイクを詠め」ハイライトOFF、錨装備


響「カイシャクしてやる」ハイライトOFF、錨装備


青葉「」



青葉は瀕死になりましたが、写真をネガとデータごと回収できたので問題ありません。



外見で物事を判断してはいけない、殊更人に関しては



~提督がアルフォンシーノへの出撃を思い出す直前まで遡る~



提督「そういやそろそろ出撃の面子が準備終わ、った・・・」サーッ


電「? 司令官さん、お顔が真っ青ですが、どうしたのですか?」


提督「やっべえもう一つ艦隊出すとこあるんだった!電、全員召集!」ドタドタ


電「はわっ!?なんでそんな大事なこと忘れてたのですか!?」


提督「いいから放送室行って召集かけて!終わったら執務室に戻ってていいから!」ダッ


電「あ、わ、分かったのです!」ダッ



卯月「んっふっふー」ヒョコ


卯月「司令官もあわてんぼうだねぇ、でもそのおかげでいたずらが仕掛けられるぴょん!」


卯月「えーっと、ペンをびりびりするのに換えてー、椅子のクッションに音が出るやつを隠してー」ゴソゴソ


卯月「換えのペンのインクを緑色に換えてー、書類を全部真っ白な紙に換えてー、本物はソファに隠してー」ゴソゴソ


卯月「執務室の入り口の前にクラッカーの紐に繋いだワイヤーを張ってー」ゴソゴソ


卯月「あとは扉を開けた時にペイント弾を発射するようにすれば完璧ぴょん!」ゴソゴソ


卯月「ふふふ、『うーちゃん特製!トラップ祭りin執務室』の完成ぴょ~ん!」キャッキャッ


卯月「・・・・・・」


卯月「・・・これ、もしかしてやりすぎたかなぁ?」


卯月「まあ司令官なら大丈夫ぴょん!きっと引っかかっても怒ったりしないぴょん!」


卯月「さーて菊月でも誘って遊びに行くぴょーん!」バタン タッタッタッ



電「ふー、いきなりの招集命令でちょっと焦ったのです。司令官さんはもうちょっと予定を・・・」ピタ


電「・・・・・・」


電「はぁ・・・全く」ガチャッ


ヒュッ(避けられたペイント弾が飛んでって)  ベチャッ(床に落ちた音)


電「トラップを仕掛けるのなら」ヒョイッ(ロープをまたぐ)


電「もうちょっとひねりを」バサッ(ソファから書類を取る)


電「入れてほしいのです」ポイッ(ブーブークッションを椅子のクッションごとソファに投げ捨てる)


電「・・・別のペンのインクまで換えましたか、そこだけは褒めてあげるのです」ヒョイ


電「取敢えずワイヤーは外して・・・」ゴソゴソ


電「・・・これどうしましょう、やり返すのはあまりしたくないですし・・・」ウーン


提督「うおっ、なんで執務室前の廊下に赤いインクぶちまけられてるんだ・・・?」


電「あ、それは気にしないでください。後で掃除しておきます」


提督「いや何に赤インク使ったんだよ・・・あとそのワイヤーとクラッカーは何に使うつもりだ?」


電「・・・暇潰し?」


提督「何をどうしたらそれで暇が潰せるんだ・・・クッションまでソファのとこに置いてあるし」ヒョイ


電「あ、そのペンはもうインク切れみたいなので、こっちのペンを使ってください」サッ


提督「ん、もうインク切れになったのか・・・じゃあそれ使わせてもらうか、ありがとな」


電「いえいえ、どういたしまして、なのです」ニコッ



~「どんな役割に当てはめても違和感なくこなせるキャラって敵にいると無茶苦茶厄介」の冒頭に戻る~



水雷戦隊でも練度高ければ案外どうとでもなったりする



提督「どうも、この度は演習を受けて下さり有難うございます」ペコッ


佐世保提督(以下佐世保)「いえいえ、こちらこそ、演習の申し出に感謝しております」ペコ


電「こんにちは、秘書艦の電なのです。本日の演習の参加者ではないのですが、よろしくお願いします」ペコリ


佐世保「ああ、よろしく。それで、うちの秘書艦なんですが・・・」


伊勢「ちょっとー提督ー!置いてくなんてひどいじゃ・・・ない・・・」


電「・・・伊勢さん、ですか?」


伊勢「電ぁー!久しぶり!元気してたー!?」ワシャワシャ


電「はわっ、はわわわわわわ!?いきなり頭を撫でないでください、なのですー!」アタフタ


佐世保「・・・御覧の通り、元々其方に居た艦娘でして。どうしても今回の演習に出たいと言って聞かなくて・・・」


提督「・・・もしかして、此方の演習の申し出を受けたのもこの子が原因で?」


佐世保「実を言うと、七割ほどは・・・でも彼女が来てくれたおかげでうちの戦力が増えましたし、日頃世話になっている礼のつもりですよ」アハハ


伊勢「・・・で、あなたがこの鎮守府に着任した提督ですか」ジロッ


提督「おぉぅ、いきなりか・・・言っとくが、前任者の更迭に関しては俺は何も関係ないぞ。寧ろ、俺がここに就いていいのかと疑問になる」ハァ


伊勢「でしょうね。あの人ほど素晴らしい提督に会うことはもうないでしょうから」


佐世保「こら、伊勢!すみません、あんまり悪口言うような奴じゃあないんですが、ここの鎮守府の事となるとちょっと・・・」


提督「・・・いや、気持ちは分かりますよ。ただ、あんまり演習の面子見せたくないなあと・・・」


佐世保「ああ、そういえばそれを忘れてましたね。えっと・・・え?」ペラッ


伊勢「ん、どうしました?」ヒョイッ



こっちの提督:天龍、睦月、弥生、皐月、長月、望月

佐世保提督:伊勢、日向、翔鶴、瑞鶴、高雄、愛宕



伊勢「・・・ちょっと、ふざけてるの?」ワナワナ


伊勢「私たちに!たかだか軽巡と駆逐艦で挑むなんて!明らかにふざけてるでしょ!!」


電「い、伊勢さん!落ち着いてください!これには訳が・・・」アセアセ


伊勢「何、電?言い訳するつもり?」ギロッ


電「ひっ・・・!?」ビクッ


提督「電に当たるなよ・・・それに、こっちは戦力に乏しいんだ。これでも捻り出した結果なんだよ」


伊勢「それでも、戦艦や空母くらいはいるでしょう!?なんでその人たちを・・・」


佐世保「・・・伊勢、少し口を慎め」


伊勢「っ!で、でも提督・・・」


佐世保「慎め、と言っている。いつもの君らしくないな、もう少し落ち着いたらどうだ?また日向にとやかく言われるぞ」


佐世保「・・・それと、相手を侮辱するのはやめるように。いくらなんでも失礼だろう」


伊勢「・・・そうね。ごめんなさい、少し頭に血が上ってたわ」ペコリ


提督「いやまあ、確かにこれ見せられると、なあ・・・取敢えず、演習場に移動しますか?」


佐世保「そうですね、そうしましょうか。行くぞ、伊勢」


伊勢「はい・・・電、さっきはごめんね?」ナデナデ


電「別に、大丈夫なのです。ちょっとびっくりしただけなのです」ニコ



旧型とか旧式って強くはないけど敵の捌き方はすさまじく上手い気がする、場数踏んでる的な意味で



~演習場~



天龍「うへぇ、戦艦と空母と重巡が二人ずつとか・・・確実に仕留めに来てんじゃねえか」


長月「潜水艦を入れてこちらの攻撃を逸らすよりはまだマシだとは思うんだが・・・」


弥生「長月、あんまりそういうこと言っちゃだめ・・・」


皐月「まーなんとかなるんじゃない?これよりひどいやつに当たっても勝ったことあるし」


睦月「それは運が良かっただけだと思うんだけどなぁ・・・」


望月「どーでもいーよー、こっちは徹夜してやることやってたんだから眠いんだけど・・・」


天龍「おめーはゲームやってたからだろうが・・・目は大事にしろよな」


望月「天龍が言うと説得力すごいけど、私もう眼鏡かけてるんだけど?」


天龍「だったらこれ以上悪くならないように努力しろよ。眼鏡代も馬鹿にならないって聞いたぞ?」


望月「そーなんだよねえ・・・私のはまだそこまで度がきつくないからいいけど、鳥海さんとか霧島さんはヤバいって聞くし・・・」


弥生「・・・大淀さんのは、一回だけ見せてもらったことある」


長月「何やってるんだ・・・で、どうだったんだ?」


皐月「あ、一応聞くんだね・・・こういう話は興味ないかと思ってたけど」


長月「将来、いつかそういうものを身に着けるかもしれないしな。今のうちに聞いておいてもいいだろう」


睦月「それ他の人が聞いたら『私これから目を悪くします』って言ってるように聞こえると思うなー」


弥生「・・・なんていうか、その・・・世界から輪郭が無くなったと思ったら、急に頭が痛くなってきて・・・」


長月「・・・なんということだ、眼鏡とは洗脳兵器だったのか・・・!」ガクブル


睦月「お姉ちゃん流石にそこまでは考えなかったなあ」


天龍「眼鏡を怖がり過ぎだろ・・・」



~佐世保サイド~



瑞鶴「・・・向こう、明らかに談笑してない?この絶対的戦力差の前で」ムー


翔鶴「まあ、変に緊張されるよりはいいんじゃないかしら・・・それに、こういう相手に慣れてるのかもしれないわよ?」


高雄「そうね・・・でも、それにしても色々と抜け過ぎじゃないですか?」


愛宕「あんまり侮っちゃだめよ。ああいう子たちほど強かったり、連携がすごかったりするのよー?」


日向「ふむ・・・確かに仲はよさそうだが、これと言って強力な装備を積んでるとは思えないな・・・」


伊勢「・・・いやーそれがさ、ちょっと気になって相手のメンバーの戦績聞いてみたのよ」


日向「伊勢にしては殊勝な心がけだな・・・それで、どうだったんだ?」


伊勢「・・・全員、レ級と対峙して圧勝したことあるみたいで」


日向「・・・は?」キョトン


伊勢「しかもあの刀持ってる子に至っては、戦艦と空母が複数固まってるとこに突っ込んでって全員沈めた挙句、無傷で帰ってきたって・・・」


瑞鶴「ちょっ、流石に嘘でしょそれは!明らかに戦果盛ってるわよ!?」


高雄「伊勢さん、あまりそういう冗談は言わない方が・・・」


伊勢「私だって嘘だって信じたいわよ・・・でも電に聞いてみたらさ、」



電『今回伊勢さんたちが相手にする人たちは、今の司令官さんに代わってからの古参なのです。あまり舐めてかかると痛い目を見ると思うのです』



伊勢「って・・・あの子そういう冗談は言わないし、何より目がマジだった」ガクブル


日向「・・・それは、かなりまずいな」


愛宕「うーん・・・」


翔鶴「? 愛宕さん、どうしたんですか?」


愛宕「いや、あの子たちってどこかで見たような・・・あ」ポンッ


愛宕「ほら、本部から送られてきた資料で『近接戦闘のすゝめ』っていうのがあったじゃない?」


翔鶴「え?・・・ああ、そういえば見ましたね。はっきり言って空母は近づかれたら終わりだからあんまり意味は無かったですけど・・・」


愛宕「あの子たち、その資料に出てた子たちじゃない?ちょうどメンバーも同じよ?」


瑞鶴「え?あの手から炎出したり、剣で斬撃飛ばしてたりしてたやつ?あれCGの演出でしょ、あんなことできたら艤装要らないじゃない」


愛宕「でも、少なくともあれと同じ動きはできるってことじゃないの?」


瑞鶴「あれもワイヤーアクションか何かで、あれは長編の映像作品みたいなやつだったんでしょ、きっと」


日向「だが、佐世保の提督がわざわざそういうものを作ってみせるとは思えないな・・・」


日向「まあ、例えどんな相手でも、私は手を抜かないが」ガシャ


伊勢「・・・今回、ホントに気張っていった方がいいかもね」ガシャ



相手にとって一番怖いのは、今まで戦ってきたどの相手にも当てはまらない動きをする事らしい



__________


睦月「主砲も!魚雷も!あるんだよ!」バゴォ


愛宕「待って!流石に魚雷直接叩きつけはおかしいわよぉ!?」ドゴーン


長月「まだまだ後続があるぞ!」バシャーン


愛宕「ちょっ!?きゃぁぁぁぁぁぁ!!」ドゴーン


高雄「愛宕!?くっ、どうにかして一人は片付けないと・・・」ジャキッ


長月「睦月、今だ!」


睦月「はぁい!行くよスモーク!」バンッ


高雄「っ!?視界が・・・兎に角離脱して敵を」バッ


睦月「はい、ざ~んねんっ♪」ジャキッ


長月「これで重巡は二人とも脱落だな」ジャキッ


高雄「」ドゴーン

__________



__________


皐月「ふふふ、ボクとやりあう気なの?かわいいねぇ!」タタタタッ


弥生「駆逐艦だからって、なめないで!」タタタタッ


瑞鶴「ちょっ、嘘ぉ!?なんで全部落とされるのよ!」バシュッ


翔鶴「瑞鶴!一旦左右に分かれてどっちか片方に狙いを集中させて!」バシュッ


瑞鶴「分かった翔鶴姉ぇ!第二次航空隊、目標は紫の・・・っ!?」ドゴーン


翔鶴「瑞鶴!?そんな、いったいどこから・・・」


弥生「余所見禁止、です」ジャキッ


翔鶴「っ!?いつの間に接敵を・・・」


弥生「駆逐艦は速いから。それと、向こうは移動先に魚雷を撃ち込みました」


翔鶴「・・・戦略負けってわけね」


皐月「ツインテの方は轟沈判定だったよー、そっちは?」


翔鶴「・・・轟沈判定でお願いできるかしら?」


皐月「おー・・・演習で投降する人って今までいなかったなあ」


弥生「・・・戦意喪失、轟沈判定と認めます」スッ


翔鶴「どうも、ありがとう・・・」

__________



__________


伊勢「旗艦を落とせば勝てるわ!行くわよ日向!」ザッ


日向「私は攪乱する、倒すのは任せた!」ザッ


天龍「お、こっち来たか。ようやっと体を動かせるぜ」ジャキッ


望月「そういえば、司令官から戦うなって言われてるんだっけ?難儀だねえ」


天龍「そういうお前は前線まで行ってねえな。ちゃんとやることやれよ?」


望月「いやー向かった面子的に私はやることないかなーって」


天龍「・・・ああ、確かになあ」


日向「戦場で無駄口を叩いているとやられるぞ?」バァン


天龍「普通はそうだろうなあ。だけどよ、」ガキィン


天龍「俺らは普通じゃねえんだよ」ニヤァ


日向「・・・戦艦の砲撃を斬り捨てるのは、確かに普通じゃあないな」


望月「それじゃ、お姉さんの相手は私かな。めんどいから一気に決着つけるよ」バシュッ


伊勢「そんな見え見えの魚雷に当たるほど遅くはないわよ!」


望月「そう、だからこうやって近づいて主砲を直接当ててるんだけどね」ジャキッ


伊勢「・・・えっ?」ドゴーン



天龍「望月は相変わらず無茶な事するぜ、全く・・・」ガキィン ガキィン


日向「それは君も同じなようだが?そろそろ折れないのかその刀は・・・」バァン


天龍「そうだなあ・・・大事にしてるからか、折れる気配もねえんだよなあ。一生付き合ってく物は大事にするもんだ」ガキィン


日向「・・・成程、そうか」スッ


天龍「ん、なんだ。もう終わりか?」


日向「今のを聞いて、私が弾切れになるか君が私を斬り捨てるかの二択でしか終わる方法がない事を悟ったよ」


天龍「ほー・・・英断だな。んじゃ俺らの勝ちってことでいいのか?」


日向「・・・まあ、そうなるな」フッ

__________



演習結果

大破:高雄、愛宕、瑞鶴、伊勢、日向(戦意喪失)、翔鶴(戦意喪失)

中破:なし

小破:なし

無傷:天龍、睦月、弥生、皐月、長月、望月



無茶しすぎるとよくないって言うけどどこまで無茶かは本人による



伊勢「・・・すみません、惨敗しました・・・」ボロッ


佐世保「・・・あの、あなたのとこの艦娘、何か変な物でも食べました・・・?」


提督「いやー、俺自身割と変なことしてるからそれの影響受けちゃいまして・・・やめろと言ってはいるんですが」


佐世保「は、はぁ・・・そういえば映像資料か何かであんな感じの子たちを見たような」


提督「あぁあのDVDですか、あれ悪ふざけで作ったのがどっかで見つかってそのまま大本営に・・・」


佐世保「悪ふざけ、ってことはやっぱり演出でああいうものを?」


提督「いや、なんかゲームの戦闘シーンみたいなものが撮りたいとかで・・・」


佐世保「・・・もういっそ、ああいうのを艤装として使った方がいいのでは?」


提督「勘弁してください、アレ調整するのすごい疲れるんです・・・」


佐世保「私物だったんですか、というかどうやって私物化まで行ったんですか」


伊勢「あのー提督、演習とはいえ大破状態で放置されるの辛いんですが」


佐世保「あ、ああすまん・・・えっと、すみませんが」


提督「ああ、入渠施設と補給資材なら好きに使って構いませんよ。ここ最近はそこまで出撃もしてないので」


佐世保「有難うございます。伊勢、君も含めて全員を入渠させてくれ」


電「それじゃ、電が案内するのです。伊勢さん、こっちです」


伊勢「ありがと、電。それでは提督、失礼致します」テクテク ガチャ バタン


佐世保「・・・さて、本題に入りましょうか。彼女らの異動についてなんですが」


提督「はい、受理して頂けますでしょうか?」


佐世保「ええ、こちらの戦力も当時とは比べ物にならないほどですし・・・」


佐世保「それと、新規でこちらに伊勢型戦艦が来ることになりまして。言い方は悪いでしょうが、交換ということになりますね」


提督「・・・随分と変わったことをしますね。普通はその新規艦をこちらに寄越すかと思ったのですが」


佐世保「・・・彼女たちには私が右も左も分からない頃から補佐してもらいましたし、我が鎮守府では初期艦と並ぶほどの古参です」


佐世保「で、酒の席で聞いてみたんですよ。今まで頑張ってくれた褒美に、何か自分にできることはないかと」


佐世保「伊勢の方はケッコン指輪寄越せだのもっといい酒をくれだの言っていたのですが、日向の方が、」



日向『・・・一度、たった一度だけでいい。あの鎮守府に・・・私たちの「家」に、帰りたい』



佐世保「と、消え入るような、しかししっかりとした呟きが聞こえまして。本人はその後否定し続けているんですけどね・・・」


提督「それで、彼女らの異動を承認した、と・・・成程。どうやら彼女らは、いい司令官の下に就けたようだ」


佐世保「いえいえ・・・まあ、それも今日限りなんですがね。彼女らの事、頼みますよ?」ニコ


提督「・・・言われなくても」フッ


提督「・・・ところで、伊勢型って刀下げてますよね?アレ何かに使えると思いません?」ワクワク


佐世保「お願いですから、兵装の魔改造だけは控えてくださいね・・・」ハァ



風呂はちょっと熱いくらいがちょうどいい



~入渠施設~



日向「ふぅ・・・やはり風呂はいいものだな・・・」カポーン


伊勢「まさか駆逐艦の主砲にやられるなんて・・・」ズーン


瑞鶴「あんたはまだいいじゃないの。私なんて魚雷一発で終了よ?しかも艦載機全部落とされたし・・・」ズーン


翔鶴「なんというか、一人一人の練度がとんでもなかったわよね・・・」


高雄「というか戦い方そのものから違う子が数人いませんでしたかアレ・・・」


愛宕「魚雷叩きつけとか無茶苦茶過ぎよ・・・何をどうしたらあんな戦い方になるのかしら」


佐世保艦娘s「・・・はぁ」


天龍「うぃーっす、誰かいますかっと」ガラ


皐月「おっふろー!」ダッ


長月「あ、おい皐月!走るなよ、危ないだろう!」


瑞鶴「・・・なんで怪我も何もしてないのに入渠しに来てるのよ」


皐月「ここ、ただのお風呂としても使えるようになってるんだよ。ボク達は汗流しに来たってわけ」


高雄「だからこんな広いのね・・・入った時に一瞬どこに出たのかと思ったわよ」


伊勢「・・・ねえ、ちょっと聞きたいんだけど」


天龍「んぁ?なんだよ、別に戦艦様に何か教授できるほど軽巡は偉くねえぞ。ああ皐月、頭洗ってやっからこっち来い」


皐月「ん、ありがとてんりゅー♪」


日向「まるで姉妹だな・・・」


長月「何故かやけに天龍に寄ってくんだよな、皐月のやつ」ゴシゴシ


長月「・・・それで、聞きたいことというのは?」


伊勢「ああうん、あなたたちの戦果の事なんだけどね・・・レ級に圧勝ってあれホントなの?」


長月「・・・一応真実と言っておこう」


日向「一応、とはどういうことだ?」


天龍「アレなあ、提督の私物使ったってだけだから俺らの戦果と言えるかどうかってとこなんだよなあ。皐月、泡流すから目ぇ瞑れ」ザバー


皐月「んー・・・ありがとねてんりゅー、おかえしに背中洗ったげよっか?」


天龍「おう、んじゃ頼むわ」


翔鶴「提督の私物って、その・・・刀とか銃とか?ああいうの深海棲艦に効くんですか?」


長月「いや、司令官に聞いたところ、対深海棲艦用に調整をしないとまともに効かないらしい」カポーン


皐月「あと小銃程度じゃそういう調整してもほとんど弾かれちゃうんだってさ。せめて大砲くらいはないとダメって聞いたよ」ゴシゴシ


瑞鶴「じゃあ何使ったのよ。まさかホントに大砲担いで行ったんじゃないでしょうね」


天龍「んなことすっかよ。えーっとなんだっけかな・・・テオ=エンブレムっつー剣持ってった」


瑞鶴「・・・は?」


皐月「ボクはシモノフPTRS1941っていう対戦車ライフル持ってったよ」


長月「私はレトロランサーを持っていったな。弾がバラけて大変だった」


伊勢「・・・これ、関わっちゃダメな類のとこだったのかもしれない」


日向「・・・まあ、そうなるな」



気が合う人と出会うと必然的に長い付き合いになる



~入渠終了後、執務室前 時刻1130~



伊勢「案内ありがとね、電」


電「いえ、お客様を案内するのも秘書官の役目なのです」


日向「そうは言うが、もう私たちは『お客様』ではなくなるぞ?」


電「そうですか・・・それじゃ、『新人』を案内するのも秘書官の役目なのです」ニコ


日向「・・・そう来るか、一本取られたな」


伊勢「しかし私たちを新人扱いとは、随分偉くなったんじゃないのー?」ナデナデワシャワシャ


電「はわわわ!?やーめーてーなーのーでーすー!」アセアセ


日向「あまりいじめるなよ、伊勢・・・提督、いるか?」コンコン


日向「・・・? 反応がないな・・・」ガチャ



提督「やっぱ一番好きなのはラニの令呪ですねぇ、あの訳の分からない感じがたまらない」


佐世保「そうですか?私は雨生のが好きですが・・・完全に外見ですけど」


提督「いや、令呪はもう外見で選んじゃっていいんですよ、機能的に全く変わらないんですから」


佐世保「そういうものでしょうか」


提督「そういうものなんです」


電「・・・あの、司令官さん。Fate談義はそれくらいでお願いするのです」


提督「ん?ああ、いたのか」


日向「一応ノックもしたんだがな・・・聞こえなかったか?」


佐世保「いやすまんな、案外話せるもので熱中していたばかりに・・・」


伊勢「確かに仕事以外であそこまでハマってるとこみたことなかったような」


佐世保「・・・それと、君たち二人の異動は既に受理している。本日1200より君たちは彼の鎮守府に所属することとなる」


佐世保「思えば、私がまだ未熟な頃から付き合ってくれていたか・・・今まで、ご苦労だった」


伊勢「いえ、私たちもいい提督の所に来れてよかったです。ね、日向?」


日向「そうだな・・・今までありがとう。後任の私たちも大事にしてやってくれ」


佐世保「ああ、それは勿論だ、約束する・・・さて、そろそろお暇させてもらいます」


提督「はい・・・本日は演習を受けて下さり、ありがとうございました。次に会う機会があれば、どうぞよろしくお願いいたします」ペコリ


佐世保「こちらこそ、ありがとうございます。では、また」ガチャ バタン


提督「・・・さて、と。伊勢、日向。大分迷惑かけることになるかもしれんが、これから宜しく頼む」


電「私からも、よろしくお願いするのです」ペコリ


伊勢「うん!よろしくね、提督、電!」


日向「ああ、よろしく」フフッ



艦隊に新しい仲間が加わりました!



ネタが浮かばない、辛い・・・



~伊勢型姉妹が食堂に向かった後、執務室 時刻1215~



提督「・・・そういやさ、電よ」


電「? どうしたのですか?」


提督「いやさ、この鎮守府に居た大和型って武蔵だけじゃんか」


電「はい、そうなのです。残念ながら前の司令官さんの時には二人とも揃えてあげられなかったのです・・・」


提督「あー、それなんだがな・・・だいぶ前になるけどさ、大型艦建造したよな、『武蔵』発見記念で」


電「してましたね、そういえばあれの結果はどうだったのですか?」


提督「まあ待て、もう一つ。大規模作戦の時ももう出し尽くしたからって大型艦建造やったよな?」


電「それの結果もまだ出てないのです。怒らないのでちゃんと伝えてください」ニコニコ


提督「・・・それがさ、俺もなかなか来ないなあって思ってたんだが、佐世保の提督と話してた時に連絡あってなあ」


電「はあ・・・それで、内容は?」


提督「なんでも、艤装は出来たものの素体がいなかったんだと。それでここまで時間かかったんだとさ」


電「成程、そういう事情だったのですね・・・ちなみに誰が来るのですか?」


提督「・・・・・・8時間と6時間40分、あとは分かるな?」


電「・・・えっ?」


提督「いろいろ準備しないとな、伊勢と日向の分の歓迎会も含めて・・・」



あくまで個人の解釈です、本気にしないでください



提督「っと、そろそろ昼飯にするかな。午後の演習に遅れたらヤバい」ガタッ


電「そうですね・・・今日の日替わりは何でしたっけ?」ガタッ


提督「さぁなぁ・・・俺いつも同じもの頼んでるし」


電「いつもチキン南蛮ですよね・・・飽きないのですか?」


提督「三食チキン南蛮でいい」ガチャ


山城「あ・・・提督、ちょうどよかったです」


提督「おぉぅ、山城か。ドア開けた瞬間に目の前にいるなよ、びっくりするなぁ」


山城「いや、そっちが勝手に驚いただけじゃないですか・・・まあいいです、伝えたいことがあったので」


提督「ふむ、じゃあ食堂に行きながら話そうかね。いいか、電?」


電「はい、大丈夫なのです。聞いていい内容かどうかは置いておきますが」


山城「それは大丈夫よ。むしろ頼みたかったところだし」


電「頼みたかった・・・?」


山城「ええ。さっき聞こえてきたのだけれど、新人が来るのでしょう?だったら私達『艦娘』についての講義でも開こうかと思って」


提督「艦娘について・・・か。素体がいるいないの違いについてとかか?」


山城「まあ、そうですね・・・この鎮守府にも元となる素体がいる子と最初から艦娘として生まれてきた子がいますし、そのあたりの事を教えるいい機会だと思いまして」


山城「取敢えず名目として『新人研修』としておきたいので、出来るなら提督の方でも建前でいいのでいくつか考えて下さればと」


提督「うーむ・・・パッと思いつくのだと艦種別の戦闘訓練と近接演習、あとはテキトーなのをいくつか繕う程度かね・・・」


電「あ、講義の先生役はお引き受けしますのです。一応は古参なので」


山城「あら、いいの?まあ頼むつもりでこの話をした手前聞くのは野暮だけど」


電「はい、お任せください。ただ電だけでは回るか少し不安なので、何人か募ってきてもいいでしょうか?」


山城「そのあたりは好きにしていいわ、元々一人だけに頼むつもりではなかったし」


山城「・・・話は変わりますが、お二人は今日は何食べるんですか?」


提督「いつもの通りチキン南蛮だよ」


電「日替わり定食なのです」


山城「案の定ですね・・・たまには別の物を頼んでみたらどうです?」


提督「・・・じゃあ、南蛮蕎麦」


山城「南蛮から離れてください」


電「・・・日替わりはいつも違う内容だからセーフってことにならないですか?」


山城「アウトね」


電「なのです・・・」ショボン



1だけ甲、2~4は丙で5には出撃せず



提督「今思い出したんだけどさ」


電「なのです?」モグモグ


提督「その台詞は返しとしてはどうなのか・・・いやさ、大本営から輸送作戦に参加しろってお達しが結構前にあったじゃん?」


電「・・・ああ、ありましたね。電たちはほとんど前線に出てはいませんが」


提督「そりゃそうだ、うちは主力の護衛と火力支援・・・まあ露払いだな、それ担当だったし」


電「一応突破できる戦力は揃っていましたよね?なんでわざわざ・・・」


提督「あー・・・俺個人の話で悪いが、あんまり乗り気になれないのよね、こういうの。特に手柄欲しいわけでもないし」


提督「だから他のやつに道を譲るために通る場所開けてやったってわけよ」


電「はぁ・・・本音は?」


提督「向こうさんの主力とガチるの面倒だったから戦ってるふりでもしてようかなと」


電「・・・それ、あんまり大っぴらに話さない方がいいのです。多分フルボッコにされるのです」


提督「だよなあ・・・まあ元帥からも支援に回った方がいいって言われてたのもあったし変に意見添えるのもアレだなあって」


電「ちゃんとした理由・・・になるのかは置いておくとして、じゃあなんで私情の方を先に言ったのですか」


電「・・・あれ、そういえば司令官さんは上層部に知り合いがいたのですか?」


提督「言ってなかったっけか、実は元帥と知り合いなんだよ。だからっつってコネ使おうとも思ってねえし使ってもいねえけど」


電「そうだったのですか・・・ちなみにどんな人なのですか?」


提督「どんな人、ってもなあ・・・まあうん、子供?」


電「・・・子供っぽい人、ということなのです?」


提督「いやーぽいっていうかなんというか・・・子供、としか」


電「・・・それ以上の言葉が出ないのならここで聞くのを止めた方がいいのです?」


提督「そうしてくれるとうれしいのです」


電「なのです?」


提督「なのです」



エリート思考って実はよく分かってない



~鎮守府正門前、時刻1400~



??「ここが演習先の鎮守府ね・・・地味に遠かったわ」


??「だから言ったでしょ、地味に時間かかるのよ、地味に」


??「あまり地味という言葉を連呼するな陸奥、その地味な場所に所属していたのはお前だぞ?」


陸奥「それはあなたにも言えるでしょ姉さん、あと提督も言ってるわよ」


長門「いやまあ、それもそうなんだが」


横須賀提督(以下横須賀)「ま、あなたたちや私が何と言ったところで何も変わらないでしょ。さっさと勝って帰るわよ」


長門「・・・何度も聞いたが、提督の中では、此方が勝つことが決まっているのか」


横須賀「当ったり前じゃない、こんな地味を取り柄にしたようなところに横須賀最強の艦隊を率いる私が負けるとでも思ってるの?」


陸奥「もう地味って印象が固まってるのね・・・言っておくけど、全盛期はこの鎮守府が最強って言われてたのよ?」


横須賀「それはここが奇襲にあって壊滅する前の話でしょ?そんな慢心抱えてたくらいなんだからたかが知れてるわよ」


横須賀「ま、どちらにせよ私の艦隊の方が強いのは明らかなんだけどね!」


陸奥「・・・ねえ、どうするの姉さん、これ」ヒソヒソ


長門「・・・いや、もう何も言うまい。それに、今度着任した提督がどのような人なのかも分かっていないしな」ヒソヒソ


長門「正直な話、どれ程の力を持っているのかが分からん、気を引き締めて行こうということを思ってはいるのだが、どうだろうか」ヒソヒソ


陸奥「あー、まあそれは言えてるわね。あれから艦娘も増えたし、とんでもない戦力手に入れてるかもしれないし・・・」ヒソヒソ


横須賀「二人とも何ひそひそ話してるの?面白い話なら混ぜてくれるかしら?」


長門「あーいや、どういう戦術で行こうか少し相談をしててだな・・・ん?」


横須賀「? どうしたの?」


陸奥「・・・あそこ、なんか人集まってない?」


横須賀「へ?」クルッ



ワイワイガヤガヤ ナニコノヘイキスゲー


提督「よーっし、んじゃ始めるぞー」


伊168「準備完了、いつでも行けるわよ!」


伊58「全く、なんでごーやもやらないといけないんでちか・・・」


提督「しゃーないだろ、一応お前も使えるんだから」


伊58「そもそも武器使うっていうのが納得いかないでち、ステゴロできればそれで十分でち」


提督「おう自分の艦種見てから言えやでち公オメー」


伊58「・・・はぁ、しょうがないでち」


伊168「えーと・・・とりあえず撃てるわよ?」


提督「ああすまん、それじゃあそうだな・・・あの遠くに浮いてるブイあるだろ、あそこに括り付いてる的ぶち抜いてくれや」


伊168「了解、それじゃ行くわよ!」



横須賀「・・・あれ、何やってるのかしら」


長門「中心であろう三人は全く意に介してないような感じだが・・・」


陸奥「それに何あの武器、潜水艦の艤装じゃないわよね?」


横須賀「まさか。うちのイムヤもゴーヤもあんなの持ってないわよ」


陸奥「・・・あそこ行って聞いてみる?」


横須賀「そうね、ちょっと聞いてm」


テー!       ドゴォォォォォォォォォォォォォォ

   オォー!  ゴクブトビームハロマン!   ナギハラッタラツヨソウ



三人「」


三人「えっ・・・えっ?」



ちなみに伊168が撃ったのはツインバスターライフル、伊58が持っていたのはGN魚雷発射砲でした



素手格闘っていいよね、見てて戦ってる感がすごい



~ビームぶっ放してから少し経った後、執務室、時刻1420~



横須賀「もう色々すっ飛ばして聞くわ。何であんな物持ってるの?」


提督「・・・趣味?」


長門「なぜ疑問形になる・・・兎も角、お前がここの提督ということでいいのだな?」


提督「余所だったら余所だったでビームぶっ放したりせんだろ」


陸奥「余所じゃなくてもビームは撃たないでよ、あんなの深海棲艦に撃ってもオーバーキルじゃ済まないわよ」


提督「ああうん、少なくとも上半身は消し飛んだぞ」


陸奥「撃ったことあるのね」


提督「いや実は、さっきのアレはその撃ったことのあるやつの強化型みたいなもんなのよ」


長門「上半身吹き飛ばした武器の強化型か・・・どうなるか想像に難くないな」


提督「・・・で、何だったっけ、横須賀第一鎮守府の人ですっけ」


横須賀「ええそうよ、この私が、横須賀最強の艦隊を保持する鎮守府の提督よ!」


提督「ああうん、それはいいとして、なんか人ぞくぞく集まってきてるんだけどどういうことですかね」


横須賀「え、これ合同の模擬訓練ってことじゃないの?」


提督「えっ」


横須賀「えっ」


提督「・・・電、俺そういう感じの事言ったっけ」


電「えーっと・・・あー、残念ながらそういう感じの事が書かれてるのです」ペラ


長門「おお、久しぶりだな電。変わらず元気だったか?」


電「お久しぶりなのです。お二人こそ元気そうで何よりなのです」


陸奥「ええ、ありがとう。吹雪ちゃんや五月雨ちゃんたちも元気にしてるかしら?」


電「はい、それに今日は伊勢さんと日向さんもこちらに来ましたよ」


長門「あの二人がか・・・後で挨拶に行ってくるか」


横須賀「・・・何言ってるの?私達は勝って帰るためだけにここに来てるのよ?挨拶してる時間なんてないわよ」


長門「・・・それはどういうことだろうか、提督よ」


横須賀「どういうことも何も、言葉通りの意味だけど?・・・あ、そうそう、ちょっといいかしら」


提督「ん、何をだ?」


横須賀「いえいえ、ちょっとした賭けよ。あなたが勝ったら長門と陸奥をこの鎮守府に移籍させてあげるわ。私が勝ったら、そうね・・・」



横須賀「この鎮守府の艦娘全員を私の鎮守府に移籍させるっていうのはどうかしら?」



長門なっ・・・!」


陸奥「・・・提督、お姉さん流石に悪ふざけが過ぎると思うんだけど?」


横須賀「あら、私は至極真面目よ?そもそも名目が新人教育なんだもの、これくらい厳しくしないと本気でかかっては来ないでしょ?」


提督「・・・なあ、横須賀の」


横須賀「あら、今更取りやめとかは無しよ?ああでも、流石に全員は可哀想だから二十四人は残してあげるわ、そうすれば四つ艦隊が組めるでしょ?」


提督「いやぁそういうことじゃなくてね、本気で行っていいのかと」


横須賀「たった今そう言ったのが聞こえなかったの?」


提督「そうか、分かった・・・電」


電「はい、何でしょうか?」


提督「演習メンバー変える、叢雲と漣と五月雨と吹雪呼んで来い、出撃には間に合うだろ」


電「了解なのです、旗艦の代理は誰にした方がいいのですか?」


提督「龍田で、後から謝っておくから理由だけ伝えてくれ。あと電、お前も演習に出ろ」


電「・・・了解なのです、それでは」タッタッタッ


提督「・・・今聞いた通り、こちらは吹雪、叢雲、漣、五月雨、電の五人で行かせてもらう」


横須賀「・・・私は本気で来いって言ったのだけれど?まさか駆逐艦がこの鎮守府の最強なんて言うんじゃないでしょうね?」


提督「総合的に見るとそうなるんだよ・・・あと、元帥は今回の演習に呼んでいるのか?」


横須賀「ええ、多分もう到着しているはずだけれど、どうかしたの?」


提督「そうか・・・いや何、どの程度なら許してくれるのかちょっと聞いておきたくてな・・・」


横須賀「?・・・まあいいわ、行きましょう長門、陸奥。他の子たちももう着いてる頃よ」ツカツカ ガチャ


陸奥「え、ええ、分かったわ・・・」ガチャ バタン


長門「・・・すまないな、こういうことになるとは・・・」


提督「ああ別に、ただああいうのは一発へし折っておかないとこの後どうなるか分かったもんじゃねえし」


長門「は、はぁ・・・確かにあの性格は少し直した方がいいとは思うのだが・・・」


提督「あ、それと割とマジに潰しに行くと思うからそのあたりよろしくなー。旧知の仲だろうし手加減は一切してこないだろうから」


長門「っ・・・!心得た、ならばこちらも全力で行かせてもらうとしよう。陸奥にもそう伝えておく」ツカツカ ガチャ バタン


提督「おう、頼んだ・・・さて、面白くなるな。面子はっと」ペラ



横須賀艦隊:長門、陸奥、赤城、加賀、利根改二、筑摩改二



提督「うっわ、何も考えず真っ向から潰しにかかってきてるじゃねえか・・・いっそ潜水艦にするとか言っておけばよかったかな」


提督「うーむ・・・せめてPDWくらいは許可されないと厳しいぞこれ」テクテク ガチャ バタン



上官とか上司とか目上の人が年下って結構ロマンがあったりしない?



~鎮守府正面海域、時刻1450~



ワイワイ  ガヤガヤ



提督「・・・人、多くね?」


横須賀「当たり前よ、マスコミも呼んだもの。ちなみに全国区の生放送よ」


提督「いや規模デカ過ぎんだろ、よく許可されたなこんなん」


横須賀「あら、元帥に直接頼み込んでみたらあっさりと許可くれたわよ?後で聞いてみるといいわ」


提督「マジかよ、あいつめ・・・」


横須賀「それじゃ、1500から開始だから。精々1分は持ってよね?でないとつまらないでしょうし」


横須賀「それとも、今ここで土下座でもしてこちらの数を減らしでもするのかしら?そんなことやっても無駄でしょうけど」クスクス


提督「いいから自分の艦隊の所に行って来いよ、作戦とか話すことあるんだろうし・・・あ、そうだ、一つ聞きたいことが」


横須賀「あら、何かしら?何でも話してみなさいな、受理するかどうかは兎も角」


提督「いやぁ、たった一つ、簡単なことだ・・・俺らは『全力で』行けばいいんだよな?」


横須賀「・・・ええ、そうよ。本気で、全力で、あなたたちの全てを賭けて、かかってきなさい」スタスタ


提督「よっし、言質取った。文字通り全力で行かせてもらおうかなっと」クルッ



??「やあ、お久しぶりです。いつ以来でしょうか?」



提督「・・・本当、唐突に現れますね・・・やめてくれといつも言っているじゃないですか」


??「そうですか、つい面白くて・・・ところで、あなたの秘書艦は?」


提督「そろそろ呼びに来るはずですが・・・ああ、噂をすれば」


電「司令官さん、メンバーの準備は完了しました。あとは武器を・・・あれ?」


電「・・・えっと、司令官さんのお知り合い・・・ですか?」


??「ああ、そういえば初対面でしたね、これは失礼しました。では自己紹介を・・・」スッ


ショタ元帥(以下元帥)「どうも、元帥です」


電「・・・えっ?」チラッ


提督「気持ちはわかるが事実だ。気持ちはわかるが」


元帥「二度も言わないでくださいよ」


電「え、いや、あの・・・子供って言ってたのって・・・えぇー・・・?」


元帥「あはは、新鮮な反応ですねえ」


提督「そりゃそうでしょう、どう見ても小学生中学年、下手すりゃ低学年にしか見えないような男の子が最高指揮官やってんですから」


元帥「まあそうですか、そうですよね。私もなんでこういうことやってるのか全く分かりませんから」


提督「先代の孫というだけでこの立ち位置ですしねえ・・・でも無茶苦茶人気なんですよ、元帥。特にお姉さま方に」


元帥「明らかに下心丸見えな上に時々目をぎらつかせるのが恐ろしいのですが・・・」


提督「慣れてください、実際先代も乗り切りました」


元帥「それは祖父の性格と年齢もあっての事でしょう・・・っと、話し込んですみませんでしたね」


電「へっ!?ああいえ、ここここここちらこそ!!」ペコペコ


元帥「・・・何でしょう、いろんな意味で新鮮ですねこの反応」


提督「電、緊張しまくってんなー・・・あ、そうだ元帥、一応聞きたいことが」


元帥「はい、何でしょう?」


提督「向こうが『全力で』来いって挑発かましてきたんでちょっとへし折りに行きたいんですけど、大丈夫ですかね?」


元帥「ああいいですよ、許可します。あの人は最近ちょっと調子乗ってきているのでポッキリ行っちゃってください」


電「そんなあっさりといいんですか・・・?」


元帥「こういうことも経験させておいた方がいいんですよ・・・ああそれともう一つ」


元帥「今回は新人を2名連れてきています、ようやく適合者が見つかったので・・・この演習を見せた後に挨拶に行かせますね」


提督「トラウマ抱えたりしませんかね?」


元帥「祈ってください」ニッコリ


元帥「あ、新人歓迎会やるなら一緒に参加しますから。ちょっと息抜きもかねて・・・」


電「・・・あの、司令官さん、これは・・・」


提督「慣れろ、割とフリーダムな人なんだ・・・」


元帥「それでは、また後で・・・」テクテク


提督「・・・俺らも早く行くか」テクテク


電「なのです・・・」テクテク



それぞれの事前準備



~横須賀提督サイド、演習開始直前~



横須賀「それじゃ、皆頑張ってね。いたぶる程度にしてあげないとトラウマ抱えかねないからその辺は気を付けて」


加賀「そういうことを言うのなら、態々ほぼ全力を出し切るような編成でなくてもよかったのでは?」


横須賀「いいえ、やるからには何事にも真摯に取り組まないといけないのよ。だからあなたたちを連れてきたの」


赤城「成程、ところでご飯はまだですか?」グゥゥ


横須賀「・・・演習が終わったら向こうの提督にでもねだりなさい」


利根「ボッコボコにした挙句に兵糧攻めまでするつもりなのか、提督よ?」


横須賀「いや、どうせだから節約術を教えようかなと」


筑摩「最早荒治療というものを超えてますよ・・・別の意味でトラウマを抱えそうな」


横須賀「まあ、あれよ、どうにかフォロー入れるわよ・・・」


利根「全く・・・ところで、長門に陸奥よ。さっきからずっと静かじゃが、精神集中でもしておるのか?」


長門「ん、いや・・・手加減を一切してこないだろうと言われてな、どう対処しようか考えていたところだ」


利根「・・・対処も何も、たかだか駆逐艦が5隻じゃろ?」


陸奥「甘いわね、彼女たちを舐めたらこっちがやられるわよ・・・」


横須賀「何、変な隠し玉があるっていうの?あのね、あの子たちは駆逐艦で、こっちは戦艦に空母に航巡よ?」


横須賀「間に膨大なレベルキャップがあったとしても艦種でのスペックは覆せないわ、そうでしょう?」


陸奥「それは、確かにそうだけど・・・」


長門(・・・やはり、用心しておこう。どうにも嫌な予感がする・・・)



~箕志上提督サイド、演習開始直前~



提督「さて、最終確認だ。漣、銃の調子は?」


漣「ばっちりですご主人様!速射できる弾もフルに持ってきましたよ!」E:繚乱の対弩


提督「よし。五月雨、お前は?」


五月雨「大丈夫です、演習程度なら何度でも戦闘可能です!」E:GNライフルビット


提督「OK。吹雪はどうだ?」


吹雪「ん・・・弾薬の管理に若干不安が残りますが、1マガジン程度なら大丈夫です!」E:H&K G11


提督「気を付けてくれよ、それちょっとでも湿気ると使えなくなるからな・・・叢雲、整備は終わったか?」


叢雲「ええ、ついさっき終わったわよ。切れ味も十二分だし、後は当たってくれるように揺さぶるだけね」E:MURAKUMO


提督「おう、期待してるぞ。そんじゃ最後に、電。行けるか?」


電「・・・はい、大丈夫です。予備の液体金属も持ちました、いつでも行けるのです」E:参式斬艦刀


提督「よしよし・・・んじゃ、作戦を説明する。っつってもごくごく簡単なものだ。戦意へし折ってこい」


漣「おぉぅ、驚くほど簡潔。具体的なポジションとかあったらお願いしたいんですが」


提督「ん、そうだな・・・漣と五月雨は対空重視、制空権を取らせるな。叢雲は敵隊列の攪乱、吹雪は後方支援射撃中心」


提督「電、お前は切り込み隊長だ、思いっきり突っ込んで行け。ただし無理はするなよ、これは他の4人も同じだ」


提督「・・・最後に、躊躇するなよ。向こうさんが全力を望んでるんだ、答えないと失礼になる」


提督「以上だ、行くぞ!」


五人「「「「「はい!!」」」」」



横須賀艦隊:長門、陸奥、赤城、加賀、利根(改二)、筑摩(改二)

箕志上艦隊:吹雪、叢雲、漣、電、五月雨



演習、漣・五月雨ペアvs一航船



__________


漣「いやー散弾速射は楽ですわー、今回はもう他の弾いらないんじゃないかな・・・?」ドドドドドド


五月雨「でも、近くに来た艦載機しか落とせないからちょっと不便じゃないかなぁ?」(ライフルビット遠隔操作中)


漣「最低限艦爆と艦攻さえ落とせればそれで十分なのよ、そもそも弾幕で近づかせなきゃそれでいいわけだし」ガシャン ドドドドドド


漣「・・・というか、どう考えてもサミーのそれの方が数十倍えっぐいと思うんだけどなあ」チラッ


五月雨「えっ?そ、そうかなあ・・・確かに遠隔操作ってちょっとずるいと思うけど・・・」


漣「もうずるいってレベル超えてるよ、遠くでレーザーで落とされる艦載機見てると流石に可愛そうになって・・・危なっ!?」ヒュンッ


五月雨「あっ、ちょっ、漣ちゃん!?大丈夫!?」アセアセ


漣「ああうん、顔面直撃コースだったけど特に怪我はしてないよ、ライフルビットの動き乱れてるから集中して」


五月雨「う、うん・・・でもこの乱戦と弾幕のなかであそこまで正確に矢を射るなんて、正規空母ってすごいね・・・」


漣「そーだねえ・・・それに集中力必要だから、多分片方しか艦載機飛ばしてないはずだし・・・」ドドドドドド


五月雨「うん、きっとそうだね・・・漣ちゃん、私が援護するから、どっちか片方落とすことってできない?」


漣「お、おぅ・・・随分とアグレッシブだけど、どしたの、ヘッドショットかまされたのがそんなに癪に触った?」ドドドドドド ガシャン


五月雨「あ、え、えーと、その、あはは・・・」


漣「まあサミーのそういうとこ好きだけどさ・・・うん、ちょっと行ってくるわ。露払いよろしく」ガシャコン(散弾Lv1→演習弾)


五月雨「うん・・・それじゃ、いーち!」ヒュン


漣「にーの!」グッ


二人「「さんっ!!」」ダッ

__________



__________


赤城「・・・すみません、どうやら外したようです」


加賀「いいえ、少なくとも向こうの動体視力と危機察知能力が分かっただけでも万々歳です」バシュッ、バシュッ


赤城「はい、ですが・・・この爆撃と機銃の嵐の中、普通に捌ける時点でもう大分知れてると思うのですが」


加賀「・・・確かに、そうですね・・・この試合、私たちに勝ち目はあるのでしょうか」


赤城「あら、加賀さんがそんなこと言うなんて珍しいですね・・・不安ですか?」


加賀「・・・赤城さんも、あの武装を見たでしょう?明らかにオーバースペック過ぎますよ」


赤城「ええ、だからこその物量作戦です。幸い、消費に糸目はつけなくてもいいらしいので♪」バシュッ バシュッ


加賀「・・・それは、こちらの鎮守府で好きなだけ食べていい、と?」バシュッ


赤城「きっとそういうことでしょう。どうですか?」


加賀「・・・はい、流石に気分が高揚します」キラキラ



「そっかー、じゃあ高揚ついでに」



漣「轟沈判定貰ったぁぁぁぁ!」バァン


赤加賀「っ!?」バッ


漣「反応が遅いって!」ブンッ


赤城「ぐ、っぁ・・・っ」ドスッ バァン   バシャン


加賀「赤城さんっ!?くっ・・・!」ギリ


漣「はい、残念。そっちが射るのと私が撃つの、どっちが速いか・・・って、明らかに矢の方が速いなあ、手ぇ離すだけだし」チャキッ


加賀「・・・そうね、せめてあなただけでも落とさないと」ギリギリ



五月雨「はい、チェックメイトです♪」ヒュン



加賀「・・・いつの間に、後ろに」


五月雨「今さっきですよ。漣ちゃん、そっちどう?」


漣「あー・・・鳩尾に銃口叩きつけて撃ったからそこそこ効いたかな?取敢えず引き揚げよ」グイッ


赤城「っ、げほっ、ごほっ・・・あれ、私・・・」


漣「撃たれてよろめいて、そのまま顔面から水面に突っ込んだんですよ。大丈夫ですか?」


赤城「・・・ああ、そっか。私は負けちゃったのね・・・」


五月雨「はい、残念ながら・・・で、あなたはどうしますか?ちゃんと撃たれて終わりますか?」


加賀「・・・はい、そうしてください」


赤城「ちょ、加賀さん!?態々そんなことしなくても、戦意喪失とかにすれば・・・」


加賀「・・・いいえ、駄目です、赤城さん。私だけ無傷というわけにもいきませんから」


漣「・・・あーじゃあ、それでいいなら・・・ていっ!」ガスッ(脛蹴り)


加賀「~~~~~~~~~~~~っ!!!??」


漣「うわ、声にならない悲鳴だ」


五月雨「・・・漣ちゃん、流石にそれはないと思う」


赤城「躊躇なく脛を蹴飛ばすって・・・」


漣「・・・うん、やった後で言うのもなんだけど、デコピンとかにすればよかったなあ」


加賀「じゃあなんでやったの!!?」サスサスサス


赤城「わー、あの加賀さんがすごい声で怒鳴ってすごい勢いで脛擦ってる・・・」


漣「何このレア映像、カメラ持って来ればよかった」


五月雨「・・・あれ、でもこれ確か生放送なんじゃ・・・それも全国区」


加賀「」サーッ


漣「あ、青くなった。面白いなーこの人」


赤城「・・・あの、ところで、向こうの様子ってどうなってますか?」


五月雨「あ、えーと・・・多分気にするまでも無いんじゃないかなあって」チラッ


赤城「・・・取敢えず、陸に揚がりませんか?」


漣「そうしましょー・・・肩貸しますよ」グイッ


赤城「ありがとうございます・・・」


五月雨「・・・加賀さん、立てます?」


加賀「・・・すみません、手を貸してください・・・」



現在の状況:横須賀艦隊残り4、箕志上艦隊残り5、箕志上艦隊リード



演習、吹雪・叢雲・電vs利根型・長門型



__________


利根「なんなのじゃあやつら!?明らかにスペックがおかしすぎるじゃろ!?」バァン バァン


陸奥「撃ったのを確認してから避けるし弾丸を刀で斬り落とすし、もう無茶苦茶じゃない!!」ドォン ドォン


筑摩「艦載機もあのマシンガンで全て落とされてしまいますし、どうすれば・・・」バァン バァン


長門「くっ・・・兎に角動け、近づかせるな!あれでも駆逐艦だ、向こうのスタミナ切れを狙えば勝機はある!」ドォン ドォン


筑摩「・・・仕方ありません、奥の手を使いましょう」スッ


利根「筑摩・・・?奥の手とはなんじゃ?」バァン


陸奥「・・・まさか、囮になるとでも言うんじゃないでしょうね?そんなの許可できるわけがないでしょう」ドォン ドォン


長門「・・・しかし、そうでもしないと一人も落とせずにこちらの弾切れで終わる。賭けるしかないだろう」


筑摩「ええ・・・何より、これは『演習』です。実戦じゃできないようなことでもしないと勝てませんよ」


利根「し、しかしじゃな・・・!」


陸奥「・・・覚悟は、できてるのね?」


筑摩「・・・はい」


長門「よし・・・狙うのは叢雲だ、あいつのスピードがかなり厄介だ」


筑摩「はい、了解です・・・ごめんなさい、利根姉さん」


利根「・・・筑摩、吾輩も全力で援護する・・・頼んだぞ」


筑摩「っ、はい!」


陸奥「頃合いを見て合図を送るわ・・・一気に突っ込んで、敵を引きつけて」

__________



__________


叢雲「・・・砲撃の手が休まったわね」


吹雪「作戦会議でもしてるのかな・・・?」ガシャン(リロード)


電「ちょっと助かったのです、いくらなんでも戦艦の砲撃は腕に堪えるのです・・・」


叢雲「だからスピードを確保しなさいって言ってるのよ、避けるだけだから楽よ?」


電「島風ちゃんも驚くような速さで左右に移動するとか最早人外の域なのです・・・」


吹雪「いや、砲撃を刀一本で防いでる電ちゃんも相当キてると思うんだけど」


電「・・・ん、言ったそばから」ギィン


叢雲「・・・さっきより弾幕がちょっと薄いわね・・・もうそろそろ弾切れなのかしら?」ヒュッ


電「ならいいのです、誰も斬らないで終わるのが一番なのです・・・そういえば、漣さんと五月雨さんはどうしてるのですか?」ギィン ギィン


吹雪「えっと・・・あ、もう揚がってる、あっち終わったんだ」タタタタタッ


叢雲「じゃあなんでこっち手伝わないのよ!遠距離手段吹雪のイロモノマシンガンしかないのよ!?」ヒュッ ヒュッ


吹雪「イロモノって言わないでよ!ちょっと排莢できなくて放熱性低くて毎分2000発撃てるだけだよ!」タタタタタタッ


叢雲「十分イロモノだっつの!なんでマシンガンサイズでLMGより多いのよ馬鹿じゃないの!?」ヒュッ ヒュッ


電「一応この刀も遠距離攻撃はできるのですが、どちらにせよやった後少し不便になるのが・・・」ギィン


吹雪「あっちはあっちで満足して引き上げるとは思ってなかったしなあ・・・あっ」タタタタタッ


叢雲「ちょっと、どうしたの?」ヒュッ


吹雪「ごめん、次のマガジンが海水被っちゃってたみたい!ちょっと待って!」


電「ケースレスにそれはかなり致命的なのです・・・」ギィン ギィン


叢雲「・・・なんで海が天敵のような銃使ったのよ」


吹雪「試射はしたんだけど、どうしても実戦で一度使ってみたくて・・・えへへ」ガシャン


電「はぁ・・・ん?」



筑摩「はぁぁぁぁっ!!」ブンッ



電「はわっ!?」サッ


吹雪「いきなり突っ込んできた!?」


叢雲「トチ狂いでもしたのかし、らっ!」ヒュン


筑摩「っ!艤装が・・・」ガゴォン バシャン


叢雲「これで、一人戦闘不の・・・」


吹雪「っ!?叢雲ちゃん!」グイッ


叢雲「へ?きゃぁ!?」ヒュン


電「・・・囮作戦、みたいですね」ギィン ギィン


筑摩「・・・失敗、してしまいましたか。ごめんなさい、利根姉さん・・・」


叢雲「取敢えず、一人轟沈判定ね・・・ありがと吹雪、でもいきなり引っ張らないでよ、びっくりするじゃないの」


吹雪「ごめん、でも咄嗟だったからつい・・・」


電「・・・よし、ちょっと突っ込んでくるのです」ジャキッ


吹雪「え、電ちゃん?」


叢雲「あー・・・アンタらが変なコトするから、電ちょっとキレたわね」


筑摩「え?それってどういう・・・」


電「大丈夫なのです、ちょっと艤装を叩き斬ってくるだけですので」グッ


筑摩(・・・あれ、この子が持ってたのってこんな歪んだ形の剣じゃ・・・)



電「斬艦刀、大・車・輪、なのです!」ブンッ



__________



__________


長門「・・・流石に、甘かったか」


利根「どうするのじゃ、これで向こうと数は同じ、最早勝ち目などないぞ!?」


陸奥「もう、こっちも近接に持ち込んで零距離で主砲を当てるぐらいしないと・・・え?きゃぁぁぁ!?」ザンッ


利根「陸奥!?なんじゃいきなり、どこから・・・!?」キョロキョロ



電「もう一人、貰ったのです!」ヒュン



利根「へ?のわぁぁぁぁぁぁぁ!?」ザンッ バシャン


長門「なっ・・・!?」


電「・・・これで王手、なのです」ピタッ


長門(っ・・・刀の切っ先が、首に・・・)


電「そちらの残りの戦闘可能な艦は長門さんだけなのです。速やかに敗北を認めれば、これ以上被害が増えることはないのです」


長門「・・・もし、私がお前を撃つ素振りをみせたら、どうするんだ?」


電「撃たれるより先に艤装を斬り落とします。それに、私が撃たれても」



叢雲「まだ、私たちが残ってるのよ」



長門「・・・もう後ろにいたか、随分と速いな・・・」


叢雲「この兵装、スピードが命なのよ。これくらいの距離は一瞬で詰められないとまともに攻撃すらできやしないわ」


吹雪「・・・それで、どうしますか?既に照準は合わせてあります、いつでも戦闘不能にできますよ」ジャキッ


長門「・・・ああ、分かった。私たちの、負けだ」


電「・・・どこかの戦闘馬鹿より物わかりが良くて助かります」スッ


叢雲「ああ、あの馬鹿ね・・・なまじ強いから余計に面倒なのよ」


長門「・・・その戦闘馬鹿とやらは誰なんだ?」


電叢雲「「天龍」」


長門「どこのあいつも同じなのか」


吹雪「しかも近接に限れば軽巡の中で最強クラスですしね、こっちの天龍さん・・・」


長門「そ、そうなのか・・・ふむ、一度手合せをしてみたいものだ」


叢雲「やめときなさい、正攻法じゃ確実に負けるから」


電「・・・取敢えず、みなさんを曳航するのです」


長門「ああ・・・いや、陸奥は私が連れて行こう、一部無くなったとはいえ戦艦の艤装は重いからな・・・」


吹雪「じゃあ、すみません、お願いします。私は利根さんを背負うので・・・」


電「それでは筑摩さんは私が」


叢雲「いいわよ、私が連れてくわ。MVPは大人しく体休めてなさいな」


電「あ・・・はい、ありがとうなのです」


長門「さて・・・提督の事だ、ここから荒れるぞ・・・」

__________



演習結果

大破:赤城、利根、筑摩、陸奥、長門(戦意喪失)

中破:加賀(脛)

小破:無し

無傷:吹雪、叢雲、漣、電、五月雨



今更だけどこの鎮守府って理不尽の塊じゃねえか



~演習終了後、客室~



横須賀「・・・あり得ない。あり得ないあり得ない、認めない認めない認めない!!」バンッ


横須賀「なんなのよアレは!?なんであんな物持ってんのよ!なんであんな物を艦娘が使えるのよ!!」バンバン


提督「あんましテーブル叩くなよ、壊れると困るんだ」


横須賀「あーもう・・・あーもう!ホントなんでこんな格下相手に・・・!」


提督「まあまあ、紅茶どうぞ」


横須賀「飲んでられるかっての!!」


コンコン


提督「ん、来たか」


横須賀「来たって誰よ、あの武器使えって渡してきた人でもいるわけ?」イライラ


提督「イライラすんなよ・・・いや、アレ使っていいのかって聞いたらOK出してきたからさ、いったれと思って」


横須賀「・・・じゃあ、その扉の向こうにいるのが首謀者なのね?」


提督「いや首謀者って程じゃないと思うんだが・・・まあいいや、今開けますよーっと」ガチャ



??「あ・・・すみません、あなたがこの鎮守府の提督ですか?」



提督「・・・あー」チラッ


元帥「やっほー」


提督「何隠れてんですか・・・」


元帥「いや、どんな反応するかなって。あ、この二人が新人ですよ」


提督「二人・・・?」


元帥「え?」クルッ


シーン・・・


提督「・・・貴方とこの艦娘以外に誰もいませんけど」


元帥「・・・あれー?」


??「え、あれ?確かにいたはずなんですが・・・」キョロキョロ


提督「・・・あー、うん。青葉さんやーい」



青葉「ども!恐縮です、青葉ですぅ!」バンッ



横須賀「にゃぁぁぁぁぁぁ!?」


提督「今日は壁から来たか。毎度毎度この鎮守府の隠し通路どうなってんだ?」


青葉「いつでもスムーズな隠密行動ができるようにするための処置です!ちなみに一部屋につき最低四箇所ありますよ」バタン


提督「魔改造されすぎだろ、後で埋めとけ・・・ああ、それとな。新人が一人どっかに取り残されてんだと」


青葉「ほうほう、その人を連れてくればいいんですね?」


提督「頼むわ。特徴は、えーっと・・・」チラッ


元帥「?・・・ああ、えっと、栗色のセミロングで赤いスカートであと・・・言うのもアレですが、背丈は小さめです」


青葉「ふむふむ・・・了解しました、それでは少しお待ちを!」バンッ バタン


横須賀「ゆ、床が開いた・・・」


提督「この分だと天井とソファあたりが怪しいな・・・まあ兎も角、お二人とも中へどうぞ」


??「あ、はい、それでは失礼します」


元帥「失礼しますー」


横須賀「・・・え、えっ?はぁ!?」ガタッ


提督「うぉ、どしたよ急に、そんな滅多に見れない珍しいもん見たような反応して」


横須賀「いや、その通りなんだけど!?なんでこんなところに大和がいるのよ!」


提督「結構前に建造出したら嘘かと思う結果でなあ・・・もう一人の方見たら多分お前同じようなこと言うぞ」


??(大和)「もう一人って、大鳳さんの事ですか?」


横須賀「・・・は?」


元帥「フリーズしましたね」


提督「アレかな、着任待ってるのかな」


元帥「んー・・・じゃあどうします?移籍させますか?」


提督「いや、本人に委ねましょう。向こうの方がいいって言ったらそれで」


横須賀「あーもうわけわかんない・・・ところで、その子誰?アンタの息子?」


提督「えっ」


横須賀「えっ」


提督「・・・お前、元帥と会ったこと無かったのか?」


横須賀「・・・へ?」


元帥「あー、そういえば直接会ったことはないですね。なんか『ナメられないように』とか言われて代理が立ってますから」


提督「ああ、あの愛宕さんそうだったのか・・・道理で表に出てこないなあと。あれ、じゃあなんで今回は?」


元帥「正直な話、大本営よりも安心感があるんですよねここ。武装的な意味で」


提督「いやまあ武器は各種取り揃えてありますけども」


元帥「ついでに言うと、友人に会うのにわざわざ代理行かせるのも失礼ですしね」


提督「はぁ・・・そんなものですか」


元帥「はい、そんなものなんです」


提督「・・・ところで」チラッ



横須賀「」チーン



提督「おぉぅ、思考停止してる」


元帥「戻ってくるまで待ちましょうか。大和、あなたも座りなさい」ポフッ


大和「え?いやでも・・・」チラッ


提督「ああ、立ちっぱなしも辛いだろうし、座っててくれ。今紅茶淹れるから」


大和「は、はい、ではお言葉に甘えて・・・」ポフッ


元帥「紅茶は確か金剛が仕込んだんですよね?」


提督「ええ、本人に遠く及ばないですけどね。ついでにこの前大規模作戦の支援に出してから音沙汰なしですし」


元帥「それに関してなんですが、実はとある鎮守府が引き留めているようで・・・」


提督「・・・よくもまあこの期間引き留めてられますね、大方何か物で釣ったんでしょうけど」


元帥「まあ、情報は後で話しましょう。今は紅茶です紅茶」パタパタ


提督「脚パタパタしないでくださいよ・・・」



大和(・・・何だろう、この空間)



フラグ建てても上手く拾えている気がしない



大鳳「す、すみません提督、つい武器庫に興味が湧いてしまいまして・・・」


提督「個人的にはお前が連れてこられるまでの時間の方にツッコみたいんだけど」


元帥「もしかしたら一分かかってないかもしれませんねー、背丈が小さ目が効いたんでしょうか」


大和「流石に本人の前で言うのは・・・」


大鳳「・・・どうせ駆逐艦ぐらいの見た目ですよーだ」プイッ


提督「ほら拗ねちゃったじゃないですか、どうすんですか」


元帥「あー、えーっと・・・どうしましょう?」


提督「流石に扱い分からなすぎでしょうそれは」


横須賀「・・・はっ!あーびっくりした、年端もいかぬ少年が自分の上司の夢を見た・・・」


元帥「夢じゃないですねー」


提督「現実を見据えろ」


横須賀「なんかずっと私に厳しくない・・・?そんなに気に食わないことしたっけ・・・」


提督「やったろーがよ、演習勝手にデカくした挙句謎ルールつけやがってコノヤロー」


元帥「実は貴女の他の鎮守府に対する態度が結構問題になってまして、ちょうどいいんで〆てもらいました」


元帥「で、反 省 し ま し た か ?」ニッコリ


横須賀「ハイ、スミマセンデシタ・・・」gkbr


提督「・・・そういえば、武器庫行ってたって何やってたよ、あそこ観光するような場所じゃねえだろ」


大鳳「何言ってるんですか!私からすれば遊園地みたいなものですよあそこは!!」バンッ


大鳳「ありとあらゆる種類、メジャーからマイナー、果ては分類できないようなものまで揃えておいて!」


大鳳「なんなんですかアレは!桃源郷ですかあそこは!?」


提督「・・・こういう性格だったかー」


大和「銃器マニア・・・でしょうか?」


横須賀「どっちかというとオタクに分類されそうな・・・」


元帥「ちなみに使うこともできますよ、試射場もあるし」


大鳳「えっ、眺めるだけでも十分なのに手に取って撃ってもいいんですか!?」


提督「ああうん、流石に自由に使われると恐ろしいことになるから種類ごとに許可証取らないとダメな風にはしてあるけどな」


提督「まあ簡単なコトやるだけだし、確かお前の武器ボウガンだろ?だったらすぐ取れるから大丈夫だ」


大鳳「提督、私一生貴方についていきます!!」ガシィ


提督「お、おう・・・」


元帥「おー、全力で引いてるとこ初めて見た」


大和「なんというか、すごいですね、色々と・・・」


横須賀「・・・大和、あなたここでやっていけそうなの?」


大和「・・・頑張ります」


提督「あーそうだ二人とも、ある意味着任したての奴らがいるから、案内とかは後で纏めてやるとして」


提督「取敢えず、自己紹介を改めてしてもらってもいいか?」


大和「あ、はい!それでは・・・」スクッ


大鳳「あ、わ、私も・・・」



大和「大和型戦艦、一番艦、大和です。提督、よろしくお願いします!」ビシッ


大鳳「装甲空母、大鳳です。よろしくお願いします!」ビシッ



~艦隊に新しい仲間が加わりました!~



この世界の妖精さんは手のひらサイズです



提督「さて、んじゃどうしようかなっと・・・へーいあおばー」


シーン・・・


提督「・・・流石に二回目は来ないか、ふむ・・・がっささーん」


衣笠「衣笠さんの事呼んだー?」ガチャ


横須賀(あ、普通にドアから来た・・・)


提督「なんでお前ら絶対片方は呼べば来る位置にいるの・・・?」


衣笠「青葉が代わりに待たせるのよ、まあすぐに帰るけど」


提督「そーなのかー、取敢えず仕事。大和と大鳳に部屋割り当てといて。確かまだ空き部屋あったはずだし」


衣笠「はいはーい、衣笠さんにお任せ!二人とも、どこか希望はあったりする?」


大和「えーと・・・特に場所に希望はないです」


大鳳「私も特には・・・あ、できれば日当たりがいい方が」


衣笠「オッケー!あ、二人部屋に出来たりするけどどうする?」


大和「・・・提督、武蔵が来る予定ってありますか?」


提督「ああ、知り合いの所に就いたらしくてな。後で連絡取ってみるわ」


大和「でしたら、二人部屋でお願いしてもよろしいですか?」


大鳳「私は一人部屋で大丈夫です」


衣笠「よし、それじゃ着いてきて!じゃあ提督、また後でね!」ガチャ バタン


提督「青葉によろしくなー、っと。さて・・・ん?」チョイチョイ


妖精(バーナー)「ヤァ、ドーモ」


提督「ああ主任、珍しいなこんなところにいるって」


妖精「セイビオワッタカラツタエニキタヨ」


提督「整備・・・あー、VOB頼んでたなそういえば。ありがとな、よりにもよってめんどくさいやつを」


妖精「イヤイヤ、イッシュノオンガエシミタイナモノデスシ」


横須賀「恩返しって、アンタ何かやったの?」


提督「んー・・・実はこの鎮守府、俺が来たときには妖精が一人もいなくてさ」


元帥「皆がみんな、前の人についてくーって言って誰もいなくなっちゃったんですよね」


横須賀「致命的すぎない?よくそんな状態でここまで持ってこれたわね」


提督「だから最初は出撃を建前にはぐれ妖精探しに行ってさー、大シケの時に出たのは辛かったわ」


横須賀「ちょっと待った、その口ぶりだとアンタも海に出たの?」


提督「おう、鉄屑は転がってたから靴だけ作ってな、それ付けて出てった」


横須賀「アンタ正気?艦娘と一緒に海に出るとか最近は良く聞くけど・・・」


提督「いいこと教えてやる、演習でうちの艦娘が使ってた規格外の装備、あれ全部俺の私物だ」


横須賀「・・・あぁ、むしろ巻き込まれないように注意する側ね」


提督「んでまあここで問題になるのが、はぐれ妖精ってとにかく数見つからないのよ」


元帥「あの子たちは鎮守府が出来たらいつの間にかいますからね。ねー?」ナデナデ


妖精「ウニャー」ナデラレ


提督「ちなみにこいつもはぐれじゃないぞ」


横須賀「え、じゃあいつの間にいたわけ?」


提督「いや、元帥命令でブラック鎮守府ぶっ潰してくるついでに引き取った」


横須賀「マジで何やってるの」


妖精「ジッサイタスカッタヨ、マエノトコハヨウセイヅカイアラクテ」


横須賀「そういうのあるの?」


妖精「アルヨー、アトハウサバラシニナゲトバシタリフミツブシタリ。シナナイケドツウカクハアルカラツラインダヨネ」


横須賀「うわー、それはひどい・・・」


元帥「それと前は権力振りかざして好き勝手やってる人とかもいたんですけどね、さくっとやってもらいました」


提督「大体の奴らが金で何とかしようとしてくんだよな、すげえ滑稽だぞ」


横須賀「あんまり聞きたくないその話・・・というか、妖精探しに出撃したって言ったわよね?整備とかどうしてたの?」


提督「ああ、途中で夕張が来るまで全部俺がやってたよ。変な武器よりは簡単だったわ」


妖精「テイトクサンテギワイインダヨネ、サスガブキコレクターッテカンジ」


横須賀「・・・なんか、もう色々とすごいわ」


元帥「ちなみに彼、提督になった時期も貴女より一年ほど先ですよ。海軍に入った時期はそれより前ですし」


横須賀「・・・えっ」



その頃、金剛率いる箕志上艦隊



初雪「zzz・・・」


深雪「・・・なあ、白雪」ピコピコ


白雪「ん、何?」ペラ


深雪「あたしらって一体何時からここにいるんだっけ?」ピコピコ


白雪「えーっと・・・2ヶ月くらい?」


初雪「・・・2ヶ月と23日5時間59分・・・」ムクリ


深雪「おー、やっと起きたか」


白雪「まさか、ずっと数えてたの・・・?」


初雪「ううん、逆算した・・・あ、今6時間達成」


深雪「相変わらず変なとこですげえよなあ・・・そういや金剛さんたちは?」


白雪「多分紅茶の入れ方でもレクチャーしてるんじゃないかしら」ペラ


初雪「ここじゃ、無駄なのにね・・・んぅ」モゾモゾ


深雪「補給は最低限、小破程度じゃ入渠もさせず、少しでも気に入らないことがあったら暴行、拷問、性的虐待」


深雪「さらには捨て艦や大破進撃も当たり前のようにするって、もうテンプレのようなブラック鎮守府だよなあ」


白雪「本当、こんなことしてよく生きてるわよね、ここの司令官・・・」ペラ


初雪「・・・戦果は挙げてるから、何か粗を見つけないと、口出しできないんだって・・・」


初雪「でも、世間じゃここは鎮守府代表みたいな感じだから、小さい事じゃ罰も与えられないんだって・・・」


深雪「・・・まあ、あたしらはそんなとこで呑気にスマホゲーやってんだけどね。お、Sレアゲット」ピコピコ


初雪「ん・・・これ、深雪が育ててるキャラと一番相性いいよ」モゾ


深雪「マジか、久々にあたりが来たなあ・・・ところで白雪、さっきから何読んでんの?」


白雪「司令官・・・晶さんに面白い本ないかって聞いてみたら、これ貸してくれたのよ」


白雪「マイナーなラノベらしいんだけど、案外面白くて」ペラ


深雪「ほーん・・・内容は?」


白雪「現在進行形の黒歴史持ってる妹がいる兄の受難、って感じかな?」


初雪「裸マント、ハロウィンにやろうとしたら止められた・・・」


深雪「いや、流石にアレはねーって・・・」



箕志上艦隊inブラ鎮・その2



~ブラック鎮守府・食堂前の廊下~



金剛「ムー・・・相変わらず上達しないネー」


赤城「そもそも、覚える気が無いんですよここの提督は・・・いい加減帰りませんか?」


金剛「ノー!こうなったら、私においしい紅茶を飲ませるかここを壊滅するまで帰らないネー!」


赤城「随分と極端すぎる二択ですね・・・何をどうしたらそうなるんですか」


金剛「うー・・・早く帰って、テートクの紅茶が飲みたいネー・・・」ガチャ



赤城「・・・いつ来てもがらんとしてますね、この食堂」ヒソヒソ


金剛「まず間宮がいないことがおかしいと思うヨ・・・普通は一つの鎮守府に一人必ずいることになってるからネー」ヒソヒソ


赤城「考えられることは解雇でしょうか・・・?でも態々そんなことする理由が見つかりませんし・・・」ヒソヒソ


金剛「・・・取敢えず、ココ空いてるし座るデース」ポスッ


赤城「そうですねー・・・」ポスッ


金剛「で、これからどうするネー?建前ももうそろそろネタ切れヨー?」


赤城「そうなんですよね・・・向こうからすると私達はイレギュラーな火力叩き出してるから手放したくないでしょうけど」


赤城「バーサーカーじみてる白雪ちゃん、相手の動向すら最小限で仕留めていく初雪ちゃん、最早砲すら使わず白兵戦の深雪ちゃん」


赤城「それに加えて、歴戦の戦艦である金剛さんがいるんですものね」


金剛「Oh、それを言ったらアカギもすごいデース!艦載機使わずに敵をデストロイする姿は圧巻だったヨー!」


二人「「・・・・・・」」ピタッ


ヒソヒソ   アノフタリナンデアンナニ・・・

  ドウシテフタリダケ・・・   ワタシタチハコンナニ・・・


金剛「・・・怨嗟の声が重いデース」


赤城「かなり自由に動いてますからねえ私達・・・出撃拒否までしてますし」


金剛「・・・そういえば、カコどうしてるデース?来て早々拒否してから見てないネー」


赤城「あー・・・部屋に戻るついでに探しましょう」ガタ


金剛「Hmm・・・どこにいそうですカネー?」ガタ


赤城「案外屋根で寝てたりするんですよね、あの人」


金剛「今更ながら、カコが今まで風邪引いてないのが不思議で堪らないネー・・・」ガチャ



加古「あ、やほー。ちょうど探してたんだー」



金剛「・・・Oh」


赤城「噂をすれば、ですね・・・今までどこにいたんですか?」


加古「あぁーそれね・・・ちょっと部屋に戻ってからにしてくんない?」


加古「これまでの行動も含めて、諸々話したいこともあるしさー。なっ?」ポン



時雨「・・・・・・」



金剛「Oh、この子はどうしたのデース?」


赤城「・・・加古さん、まさかそっちの道に」


加古「違うから、あたしゃまだ深雪と電みたいにはなってないから」


時雨「えっ・・・?」


加古「へ?」


時雨「・・・そう、か。あの言葉は、嘘だったんだね・・・いや、いいさ。僕の価値は所詮その程度だっt」


加古「いやいやいやいきなり何言ってんのさ!?あたしはただ聞きたいことがあるって連れてきただけで・・・」


金剛「Oh・・・カコ、欲求不満だったんですネー。しばらく私に近づかないでくれますかね」


加古「待って!?ホントに待って!?」


赤城「・・・はぁ、全く・・・加古さん、今のはこの子の演技ですよ」


加古「え?」チラッ


時雨「っ、くっ・・・ふふっ・・・!」プルプル


加古「全力で笑い堪えてるよ、そこまでツボったのかね・・・」


金剛「Oh、おちゃめさんネー」


加古「素に戻りかけたくせによく言うよ・・・」


時雨「っ、はぁぁぁ・・・久しぶりにこんな笑ったよ、ありがとう加古さん」


加古「こういうことで礼言われても喜べないなあ・・・」


赤城「落ち着いたところで、早く部屋に行きましょうか」


加古「・・・そだね」


金剛「そうするデース」



箕志上艦隊inブラ鎮・その3



~箕志上艦隊の部屋~



深雪「・・・で、この子が情報提供者ってことか」


加古「まあ情報提供って言っても、警備状態とか部屋の位置とか、艦娘の起床時間聞くだけだけどなー」


時雨「・・・どちらにせよ、ここを潰してくれるなら喜んで協力するさ」


金剛「本当は紅茶でも淹れてあげたいんですけどネー、自販機のでSorryネ」コトッ


時雨「え・・・どこで買ってきたのさ、これ?この近くに売ってる場所ないはずだけど・・・」


赤城「・・・金剛さん、本当にいつもどこに隠してるんですか」


金剛「フフ、私のソデは四次元Pocketネー!お菓子もあるヨー?」サッ


加古「お、アルフォートだ。これもらい」


深雪「じゃあプリッツ貰ったぜぃ」


赤城「私はアーモンドチョコを・・・時雨さんも好きなのとって構いませんよ?」


時雨「え!?あ、うん・・・じ、じゃあ、これを・・・」っポッキー イチゴ味


赤城「ほう、イチゴ味ですか・・・そういえば、白雪さんと初雪さんはどうしました?」


深雪「ああ、二人なら見回りって建前の周辺の構造把握に行ってるよ。今日ので簡易的な地図ができるかな」


加古「おー、あたしがいない間にそんな面白そうなことやってたのか」


赤城「私も初耳ですね・・・もしかして真夜中にやってたんですか?」


深雪「まあねー、あたしと白雪は交代でやってるけど初雪は夜型だからいつも出てたよ」


金剛「Oh、それでいつもSleepyだったんですネー」



白雪「っと、戻ったわよ・・・あ、金剛さん、赤城さん、加古さん!戻ってたんですね」ガタン


時雨「え、なんで窓から・・・」


初雪「廊下はあんまり歩きたくない、闇討ちされるかもしれないから・・・んしょっと」


加古「初雪は夜になると元気になるな」


初雪「夜は私の時間だからね。今なら空も飛べるはず」ガタン


深雪「カタパルトで飛ばなかったっけか?こう、投石器みたいな感じで」


時雨「何があったのさ、それ・・・」


白雪「窓閉めたわね?さて・・・えっと、そちらの方は?」


金剛「そういえば自己紹介もまだだったネー」


加古「あー、あたしも聞いてないな、そういえば」


赤城「いや、せめて加古さんは聞いててくださいよ・・・」


時雨「あー・・・えっと、僕の名前は時雨だよ。よろしく」


白雪「白雪です、よろしくお願いします」


深雪「あたしは深雪だよ、よろしくな!」


初雪「初雪。よろしく」


加古「加古ってんだー、よろしく」


金剛「金剛型戦艦の一番艦、金剛デース!よろしくお願いしマース!」


赤城「航空母艦、赤城です。よろしくお願いしますね」


時雨「・・・いきなりだけどさ初雪、さっきから気になってたんだけど、いいかな?」


初雪「ん、何?」


時雨「その手に持ってる銃は何かな?」


初雪「ああ、これ。ベレッタM92っていう銃。司令官に貰ったの」


時雨「司令官・・・君たちの元居た鎮守府の司令官かい?」


初雪「うん、すごくいい人。ゲームしてても怒らない」


深雪「ちなみにあたしはコンバットナイフ持ち込んでるよ、小型の奴だけど戦うには十分だからね」


時雨「・・・なんでそんなもの持ってるんだい?」


深雪「まあ自衛用かなあ。持ち込めたって意味じゃここのチェックが甘すぎたってだけだけど」


時雨「ふぅん・・・ところで、二人以外には誰が持ってるの?」


金剛「Umm・・・素手で事足りますしネー」


赤城「まあ、弓引いてるので腕力はある方ですが・・・」


加古「あたしも素手だね、武器あった方が強いことは強いけど」


白雪「潰せばいいんですもの、武器なんて必要ないじゃないですか」ニッコリ


時雨「うん、約一名おかしい回答が来たね・・・」


深雪「触れない方がいいぜぇ、白雪は猛者だからな・・・」


白雪「この経緯についてはまた今度話してあげますよ」


時雨「また今度・・・か。来ればいいね。さて、それじゃあ情報を話そうか」



箕志上艦隊inブラ鎮・その4



時雨「・・・ふぅ。僕が知ってることはこれで全部だよ。参考程度にはなったかな?」


深雪「いやぁ、参考なんてもんじゃないねえ・・・空いた隙間が全部埋まっちゃったよ」


加古「あんまり夜には出歩いてない感じだね・・・今何時くらいだっけ?」


白雪「2200ですね・・・あんまり時間経ってなかったんですね、体感的には深夜を回ってると思ったんですけど」


赤城「・・・・・・!」ピクッ


赤城「・・・確かこの時間帯は、出歩く人が全くいないはずですよね?」


時雨「うん、そうだけど・・・どうかしたのかい?」


金剛「シー・・・Be quiet, please. 」


初雪「・・・近くにいる?」ジャキッ


赤城「・・・いえ、遠ざかりました。少なくともこっちには来ていません」


深雪「今のあたしらの会話は聞かれちゃまずいからねえ・・・あ、ところで時雨。なんか決起集会みたいなもの無かった?」


時雨「決起集会・・・?」


深雪「ああ、別に反逆準備とかでもいいんだけどさ、なんかそういうのあったりっていうの聞いてないか?」


時雨「・・・ああ、ここ数日の間に提督を殺そう、みたいな話はあったね。僕は参加してないけど」


加古「それは失敗したときの罰が怖いからか?それとも、単にどうでもいいから?」


時雨「うーん・・・後者かな。どちらにしろ、誰かいつかやっただろうし、今まで無かった方が不思議だったし」


深雪「ほーん・・・そんじゃあ一応連絡入れておくかなあ」ピッピッ prrrrrrr prr ガチャ


提督『はいもしもし、こちら第四鎮守府ですが』


深雪「ああ司令官、あたしだよ、深雪」


提督『・・・まさか連絡来ると思ってなかったな、てっきり抜け出してくるものかと』


深雪「いやーそれが艤装取り上げられちゃって・・・」


深雪「それで、本題に入るけどさ、あたしらこの数日内が関の山っぽいんだよね。どうにかならない?」


時雨「え、なんで君たちも・・・」


白雪「結構自由にしてきましたからね・・・お世辞にもいい関係を築けたとは思えませんし」


赤城「ここの提督の言いなりにならないという時点で、脅威に成り得ますしね・・・正直、味方にやられるのは御免です」


提督『どうにかっつったってなあ・・・あー、じゃあ明後日あたりにそっち向かうわ。それでいいか?』


深雪「お、いいねえ。何人くらいで来る?」


提督『んー・・・何人いりゃよさそうだ?』


深雪「そうだねえ・・・3人、司令官がいるなら2人でよさそうかな?」


提督『んじゃ適当に人員見繕っておくわ・・・ああそうだ、こっちの面子が増えたぞ、帰ってきたら歓迎会開くつもりだから楽しみにな』


深雪「おーいいねえ!こっちは金剛さんが持ってきた携帯食料でなんとか凌いでたからさあ」


時雨「・・・ずっと携帯食料だったのかい?」


加古「最近のレーションって結構味がいいんだよなあ」


時雨「いや、それよりも・・・金剛さん、どれだけ持ってきてるのさ」


金剛「乙女にはいくつも秘密があるものデース・・・」クネクネ


初雪「しぐしぐ、あれは秘密というより、七不思議」


時雨「へ、へぇ・・・」


提督『そんじゃ、また明後日にな』


深雪「うん、じゃあなー!」ピッ


深雪「取敢えず明後日まで生きてれば大丈夫だってさ」


初雪「楽勝」


白雪「それじゃあ、今日の所は休みましょうか・・・時雨さんはどうします?」


時雨「え・・・?」


白雪「このまま私たちと来ますか?それとも、自分の部屋に戻っていつも通りの日常を過ごしますか?」


時雨「・・・・・・」



時雨「・・・・・・僕は、君たちと行くよ。戻っても地獄があるだけだ」


時雨「だったら、自分で動いて、結果が残せるほうに行くよ・・・それに、向こうから見たら、敵に情報を売った裏切り者だしね」


加古「よっし、じゃあ今日はもう寝ておいた方がいいと思うよ。寝ずの番はあたしと初雪がやっておくからさ」


初雪「うん、頑張る」グッ


時雨「うん・・・ありがとう、久しぶりに眠れそうだよ」


加古「・・・まあ、約二名速攻で寝ちゃってるけどねー」



金剛「ムニャムニャ・・・I'm just sleeping now・・・」zzz


赤城「スヤスヤ・・・」zzz



白雪「寝つきはいいですからね、この人たち・・・」


深雪「あたしらも寝るかな・・・時雨、こっちで一緒に寝ようぜ!」


時雨「え、あ、うん・・・いいよ・・・」


白雪「それじゃ、私と深雪ちゃんの間に、川の字になって寝ましょうか」


深雪「寝ぼけて変なところ触るなよぉ~?」ニヤニヤ


時雨「へっ!?いや、僕はそんなことは・・・!」アタフタ


深雪「・・・なんか思ってた反応と違うなあ」


白雪「遊んでないで、早く寝なさいよ・・・お休み、時雨さん、深雪ちゃん」


深雪「おう・・・お休み白雪、時雨」


時雨「・・・ああ、お休み、二人とも」



加古「うーん・・・何だろうね、この蚊帳の外感」


初雪「夜間警戒はこういうもの、だと思うけど」


加古「そっかー・・・じゃあ仕方ないなあ」


初雪「取敢えず朝まで、頑張ろ」


加古「そだねえ・・・今日も何事も無く朝を迎えますようにっと」



人選は完全な趣味



~箕志上提督の鎮守府~



提督「・・・ふむ、さってどうすんべ」


叢雲「今の電話、深雪からでしょ。乗り込むのに何人必要って言われたの?」


提督「おう、3人・・・俺が来るなら2人でいいとさ」


叢雲「ふぅん・・・それで、何人で行くの?」


提督「念を入れて3人と俺で行く。今から名前言う奴らを放送で呼んでくんねえかな」


提督「ついでに俺が少しの間出掛けるって言っといてくれや。代理は漣で頼む」


叢雲「了解したわ。それで、誰を呼ぶの?」


提督「えっとな・・・」



~数分後~



提督「・・・さて。集まってもらったのは他でもない、この前の大規模作戦に参加したメンバーについてだ」


提督「どうやらあいつらは悪名高い例のブラック鎮守府に居るらしい」


提督「状況を聞いたが、艤装を取り上げられ、この数日内が関の山だそうだ」


提督「・・・まあ正直、あいつらだけでいいような気もするが、あそこ叩き潰す名目が出来ただけ良しとしようか」


提督「で、本日の0000、つまり日付が変わった時に向こうへ向かおうと思うんだが、どうだろうか?」



伊58「・・・まず一つ、なんでごーやたちなんでちか」


伊168「全く、気持ちよく寝てたところを叩き起こされたんだけど?」


子日「それに、隠密目的ならごーやさんたちでいいはずだよね?なんで子日も呼ばれたの?」


提督「あー・・・んじゃでち公のから言おうか」


伊58「できれば名前で呼んでもらえるとうれしいんでちけど。その呼び方は妙な寒気がするでち」


提督「ん、そーか。んじゃゴーヤのからな」


提督「まあ子日の言うとおり、潜水艦は隠密に向いてるからだなあ」


提督「あとゴーヤ、お前の場合は何故か魚雷積むより素手の方が強いからだよ。潜入は軽装の方がいいしな」


提督「ちなみにこれは子日も同条件だぞ。あとはドロップに見せかけて向こうさんの艦隊に近づくためかね」


伊58「久しぶりに殴り合いができるでちか!わくわくするでち」ゴキゴキ


伊168「んー、それじゃあ何か水中で撃てる物持ってってもいいかしら?流石に素手は辛いし」


提督「出来れば近接武器の方がいいかな・・・少なくとも、水中から撃つ機会は無いぞ」


伊168「えぇー・・・しょうがないなあ、じゃあ大剣借りてもいい?」


提督「おう、整備は済ませてあるからな、何でも持ってけ」


子日「ねーねー提督ー、子日はただの囮なの?」


提督「何言ってんだ、十二分に戦力になる癖してからに」


子日「えー、だって子日駆逐艦だし、海の上じゃないとまともに戦えないよ?」


提督「・・・そう言いつつ、いつ何時戦闘があってもいいようにもバタフライナイフ隠し持ってんのはどこの誰だよ」


子日「提督がくれたやつだもん、持ってるのは当たり前でしょ?」チャキッ


提督「あと多少ぶっ飛んでるやつを地上組に入れたかったんだよな。お前仲間撃つのに抵抗ないだろ」


子日「やだなあ、『味方』撃つのは躊躇するよ?そういう時に限って目の前に『障害物』があるだけだもん」


提督「・・・よし、それでこそだ。やっぱお前好きだわ」


子日「ありがと♪子日も提督の事大好きだよ!」


伊58「いちゃつくなら用事済ませてからにするでち」


提督「おお、悪いな・・・あれ、イムヤどこ行った?」


伊58「先に倉庫に向かったでち。ごーやたちもさっさと向かうでち」


提督「よっし、んじゃやりますかね・・・」



~作戦開始~



潜水艦の機能はスク水にある説



提督「んじゃ、子日はとりあえず普通に艤装背負ってくれな」E:海パン


子日「ごめんちょっと待って、流石にこれは流せないって」E:艤装、バタフライナイフ


伊58「あー、提督はごーやたちと出るときはいつもこんな感じでちよ?」E:素手


伊168「なんか高性能の水着らしいわよ?よく知らないけど」E:カブレライトソード


提督「これすげえぞ?ざっくり言えば『潜水艦娘とほぼ同じになれる水着』だ。潜水艦娘みたいに水圧にも耐えきれるし息も長く続くようになる」


提督「さらに言えば水中での意思疎通も可能になるんだが、これ以外の服着たりすると効力が無くなっちまうってのが欠点だな」


子日「へー・・・要するにすごい水着ってこと?」


提督「そういうことだ。まあ色々言ったが結局ただの海パンな上に、作るのに資材アホみたいに食うんだよなあ・・・」


提督「おかげで試作はこれ一着だけだし、二着目以降も作る気力も需要もねえんだよ」


子日「うーん、結構いい具合で売れると思うんだけどなあ・・・ちなみにどれくらい資材かかったの?」


提督「大型建造で全部最大値で資材ぶち込む感覚で兵器開発したら偶然できたんだよ、だから実際のレシピも分からん」


伊168「しかも叢雲ちゃんにこっぴどく叱られて、それ以来同じことができないんだよねー?」


提督「うっせー・・・さて、んじゃ出る前に憲兵に・・・っと、いつの間にメールが」ピッピッ


伊58「こんな時間に、いったい誰からでち?」


提督「あー・・・初雪からだ。向こうさんの出撃予定が全部書いてあるな・・・良くこれリスト化する気になったもんだ」


子日「一番近いのってどこだろ?あんまり遠出すると燃料無くなっちゃいそうだし」


提督「鎮守府正面海域・・・キラ付けかね?まあちょうどいい、ここの主力のあたりに紛れるかね」


提督「んじゃ改めてっと・・・あ、もしもし憲兵さん?いやーこんな夜更けにすみません、ちょっと色々ありまして・・・」



~数分後~



提督「ええ、はい。それでは・・・ふぅ、これでよしっと」ピッ


子日「憲兵さんたち、なんて言ってた?」


提督「前々からヤバいと思ってたけど圧されて行動できなかったんだと。憂さ晴らしも兼ねて全力でやるそうだ」


提督「ところでゴーヤたちが見えないんだが、どこ行ったよ」


子日「もう先に海に入ってるよ。後は提督と子日が行くだけ」


提督「おっと、待たせちまってたか・・・さてと、行くかね」


子日「どんな人たちがいるんだろーなー・・・ちょっとは戦えるといいなあ」



実は筆者はキラ付けをやったこと無いです



~ブラ鎮の正面海域、主力付近~



榛名「・・・・・・」ドォォン


イ級「グガァァァ・・・!!」轟沈


榛名「・・・提督、敵主力の全滅を確認しました」


ブラ鎮提督(以下黒督)『そうか、ならさっさと帰還しろ』


榛名「・・・はい。ドロップ艦はどうしますか?」


黒督『あー?チッ、その場で処分できねえからめんどくせんだよな・・・盾にするから連れて帰ってこい』


榛名「・・・はい」


榛名「・・・でも、姿が・・・」キョロキョロ



子日「うーん・・・?ここどこだろ・・・」


榛名「あ・・・えっと、貴方は?」


子日「子日だよぉ!お姉さんは誰?」


榛名「・・・榛名です。急いで移動しないとまた敵に襲われますよ。こっちに鎮守府があるのでついてきてください」ザァァァァ


子日「うん、わかった!」ザァァァァ



~水中~



伊58「(よし、かかったでち。あとはついていくだけでち)」


伊168「(でもあの人、なんだか淡々としすぎてなかった?)」


提督「(はつらつとして戦闘する奴もそういないだろ)」


伊58「(まあそうでちけど・・・というか提督が普通にごーやたちと会話できてるのがすごいでち、ホントどうなってるんでち?)」


提督「(水着の効力だってば。ついでに今更過ぎるぞ、何度お前らと潜ってると思ってんだ)」


伊168「(あともう一つあるんだけど。なんでさっきから前も見ずにずっと海底見て泳いでるの?)」


提督「(だって上見たらパンツ見えちゃうじゃん、場合によっては前見ても見えちゃうじゃん・・・)」


伊58「(なーに小学生みたいなこと言ってるんでち、どうせ見られても分かんないでち)」


提督「(俺の心の問題なんだよ、罪悪感がハンパねえんだよ)」


伊168「(取敢えずこのまま尾行っと・・・それにしても、流石高速戦艦ね。移動が速くて見失わないようにするだけで精一杯だわ)」


伊58「(全くでち。もう少し尾行する側の気持ちを考えてほしいでち)」


提督「(無理だろそれは・・・うーむ、しゃあない。もう実行に移すか)」ザパァ


提督「えーと、大体数十mほどか・・・これでも気づかれる時あるから困るんだよなあ」


提督「まあどうせ火力装備だろうし大丈夫か、っと」ピッピッピッ


提督「よっし、あとはなるようになれだ」ザブン ブクブク・・・



子日「・・・!」ゴソゴソ ピッ


 From:提督

 件名:そろそろだ

 手に持ってる主砲はこっちで回収する。頼んだぞ子日


子日(これ予め作っておいたのかなあ・・・?まあいいや)ボチャン ボチャン


榛名「・・・?どうしt」


子日「はい、動かないでね?ちょっとでも変な素振り見せたら斬っちゃうからね?」チャキッ


榛名「え・・・?」ガシャン


子日「はい一回目、一回やるごとにどんどん深く斬りつけるからね」スパッ


榛名「痛っ・・・!ぅ・・・」


子日「あーあと通信機器も壊しておくね?邪魔だし万が一連絡されると嫌だから」チャキ ドスッ


榛名「・・・・・・何が、目的ですか」


子日「んー・・・あなたたちがいる鎮守府にさ、別の鎮守府の艦隊が来てない?」


榛名「・・・はい。金剛お姉様を旗艦に」


子日「うん、メンバーは知ってるよ。私はその艦隊の鎮守府から来てるもん」


子日「だから連れ帰るっていうのと、そっちの鎮守府潰すっていうのが目的かなあ」


榛名「・・・はい?」


子日「だから、鎮守府潰すの」


榛名「・・・えっと、一人で、ですか・・・?」


子日「・・・あー」チョイチョイ


榛名「・・・?」



伊58「ぷはっ・・・案外早かったでちね」ザパァ


榛名「!?」


伊168「うーん・・・ちょっと暴力に対して従順になりすぎてるような?」ザパァ


榛名「え・・・潜水艦・・・?」


提督「そんだけ日常的に暴力振るわれてるって事だろ、全く度し難いな」ザパァ


榛名「え!?えぇぇ!?」


提督「わー、新鮮な反応」


伊168「制海権取ってるとはいえ、深海棲艦がいる海で水着着た男の人が現れたら驚くでしょ・・・」


提督「ほー・・・んじゃまあ、えーと・・・榛名、かな?」


榛名「っ・・・なんで、名前を・・・?」ビクッ


提督「んやぁ、大本営にいた頃に艦娘名簿暗記してたからな。外見デカく変わってなけりゃ分かる」


子日「子日が来たときも自己紹介する前に当ててたよね・・・ちなみにどれくらい外見変わるとダメなの?」


提督「・・・ガングロギャル?」


子日「それはもう中身から変わってると思うよ・・・」


榛名「・・・あの」


提督「ああ大丈夫、俺らはお前らを助けるために来たようなもんだから」


提督「既に憲兵は呼んで待機させてるし、明日の朝あたりに大本営から人来るはずだから、安心してくれな」


榛名「え、あ、はい・・・」


提督「っつーわけで協力してくれ。何、簡単だ。子日をドロップ艦として連れてってくれればいい」


提督「いつも通り報告をして、いつも通り過ごせばいいんだ。今日を耐え凌げば地獄は終わる」


提督「・・・やれるか?」


榛名「・・・・・・て」


提督「?」



榛名「はる、な、を・・・っ、信じて、くれますか・・・?」ボロボロ



提督「・・・ああ、何なら頭撫でてやるし抱きしめてやる」ニコ


榛名「・・・っ!はいっ!」



伊168(あー、またこういうの増やして・・・)


伊58(ホントなんなんでちか、いっそ五月雨あたりに刺されればいいでち)


子日(どんどん大所帯になってくなあ、提督将来大丈夫かな?色々と)



ブラ鎮というものが上手く書けない、もうこれただのヤンキーやんけ



~榛名、ブラ鎮へ帰還 現在執務室~



榛名「・・・報告は以上です」


黒督「ああ、んじゃもう下がっていいぞ」


榛名「・・・はい」スタスタ


黒督「・・・あ、そうだ。なあ榛名」


榛名「・・・はい、何でしょうか?」


黒督「いやー、ちょっと気になることがあってねえ・・・」


黒督「通信機、壊れてたよね?」


榛名「っ!!」ビクッ


黒督「んー?どうしたのかな?俺は『なんで』通信機が壊れたか聞いてるだけだよ?」


榛名「・・・その、あの通信後に奇襲にあってしまって・・・榛名は無傷でしたが、通信機に弾丸が」


黒督「あぁ・・・?」ツカツカ


榛名「っ・・・」ビクビク


黒督「お前さ、大切な備品に何してくれちゃってんの?何が無傷でしただよ、あの海域で戦艦に傷一つつかねえのは当たり前だろ?」


榛名「あ、あの・・・すみm」


黒督「あ゙ぁ!?謝って済むと思ってんのかテメエ!?」


榛名「ひっ・・・!?」


黒督「ったくよぉ、お前は使えそうだから残しといてやったのに・・・こりゃもう駄目だな、処分処分っと・・・」


榛名「っ、あの、提督、それだけは・・・処分だけは、やめてください・・・」


黒督「あ?兵器の分際で何口走ってんの?使えないから捨てんのは当たり前だよな?」


黒督「それとも何、他に使い道があんの?だったら言ってほしいんだけどなー」ニヤニヤ


榛名「っっ・・・!!」


黒督「・・・チッ、ったくよぉ・・・おい」


朝潮「はい」


黒督「コイツに薬打ち込んで地下室に転がしとけ、テキトーに使うから」


朝潮「はい、分かりました」ガシッ


黒督「あーあと、コイツが拾ってきたやつも同じようにやっとけ、どうせ駆逐艦だろうし使い捨てにちょうどいいわ」


朝潮「はい、では失礼します」


榛名「・・・・・・」


朝潮「・・・榛名さん、さっさと移動してください。『また』使われたいんですか?」


榛名「っ!!・・・はい」


ガチャ バタン


黒督「あーあー、どうすっかなあ通信機・・・また上官に調教したヤツ流して資材と一緒に貰うかね」



秘書官が朝潮だったことに別段意味はない



朝潮「・・・・・・」テクテク


榛名(このままじゃ駄目、どうにかして逃げないと・・・)テクテク


榛名(でもどうやって・・・?変な素振りを見せれば朝潮ちゃんは間違いなく『あれ』を使ってくるし)


榛名(誰かに助けを求めても、同じ目に合うのが嫌で見て見ぬふり・・・)


榛名(どうすれば・・・)



子日「・・・あれ?榛名さんどうしたの?」



榛名「えっ・・・!?子日ちゃん、なんでここに・・・!?」


朝潮「・・・邪魔をしないでください、でないと」ヒュッ スパッ


朝潮「・・・え?」ツー・・・


子日「もー、いきなり話しかけないでよ。うっかり目を突き刺しそうになっちゃったでしょ?」チャキッ


朝潮「待って下さい、なんでそんなものを」


子日「・・・煩いなあ」ドッ


朝潮「が、っ・・・!?」ドサッ


榛名「あ、朝潮ちゃん!?」


子日「首の後ろって殴るとホントに気絶するんだ・・・さてと、榛名さん」


榛名「は、はい!」


子日「金剛さんたちの部屋ってどこだか分かる?」



~箕志上艦隊の部屋~



金剛「Oh、ネノヒー!こんなところまでよく来たネー!」ギューッ


子日「ちょっ、金剛さん、締まってる締まってる・・・」バシバシ


金剛「Oh、Sorryネー」パッ


白雪「いや、呼んだのは私達だけど、まさか一人できたの・・・?」


子日「ちゃんと提督も来てるよ?夜になったら行動するってー」


子日「その前に取ってきてほしいものあるって言われてね・・・あ、あった」ガサゴソ


深雪「ん、なんだそれ?」


子日「榛名さんに使おうとしてた薬だと思うけど、見せてみないことには分からないかなあ」


金剛「ハルナにこれ使おうとしたデスカ・・・これは流石にぶん殴らないと気がすまないネー・・・!」ワナワナ


榛名「あの、金剛お姉様、榛名ならもう大丈夫ですから・・・」


深雪「こんなもの使われて大丈夫なはずないって・・・よく今まで大丈夫だったね」


子日「・・・もしかして、使われ過ぎて薬物耐性がついたとか?」


白雪「・・・ここ出たら全員に検査をしてもらうように司令官に伝えますか」


朝潮「・・・ん、ぅ・・・ここh」


白雪「ふッ・・・!」ゴスッ


朝潮「ぐぅ・・・っ!?」ドサッ


白雪「よし、金剛さん、何か縛るものはありますか?できれば猿轡も欲しいです」


深雪「当然のように意識刈り取ったなあ」


金剛「ロープは麻紐でもいいですカー?」スルスル


深雪「金剛さんに関してはいつも通りだからいいや・・・」


白雪「よっ・・・と、これで大丈夫かな?」ギュッギュッ


子日「一応ここにこのまま閉じ込めてて、後で取りに来るから」


深雪「扱い雑だなあ・・・あ、じゃあ榛名さんも騒ぎが収まるまでここに隠れてればいいんじゃね?」


榛名「え、でも・・・」


白雪「それもそうですね、一人二人増えたところで変わりませんし」


金剛「一人目は既に入り浸ってるネー」


榛名「一人目・・・?」



時雨「呼んだかい?」モゾモゾ


榛名「あ、え・・・時雨ちゃん!?今までどこにいるかと思ったら・・・」


時雨「思いのほか居心地が良くてね・・・初雪がいい感じの抱き枕になってるんだ」


榛名「は、はぁ・・・」


深雪「動くのは夜になってからだからまだ寝てていいぜー、その時になったら起こすし」


時雨「ん、じゃあそうさせてもらうよ・・・」モゾモゾ


金剛「Oh、どうせならハルナも一緒に寝るデース!」ダキツキ


榛名「え、ふえぇ!?いや、でも」アセアセ


金剛「大丈夫デース!きっとぐっすり眠れるヨー?」


榛名「・・・じゃ、じゃあ、ちょっとだけ・・・」


金剛「うんうん、素直が一番ネー!」


子日「それじゃ、子日はこれ持ってっちゃうからね。詳細は提督がメール出してくれるから」


深雪「おう、頑張れなー」


白雪「あまり無茶しないでね?」


子日「大丈夫、提督とごーやさんといむやさんが来てるし」


深雪「えげつねえな・・・」


白雪「大丈夫かなあ、ここの人たち・・・司令官とイムヤさんはいいとして、ゴーヤさんが・・・」


深雪「まあ無抵抗の相手殴るような趣味してないし大丈夫だろ・・・多分」



廃棄された薬って成分分かってても使いたくない



~鎮守府近辺、憲兵詰所の一室~



子日「てーとくー、持ってきたよー!」タッタッタッ


提督「サンキュー、こっちもちょうど道具揃えてもらったところだ」E:イタリア憲兵服


子日「・・・コスプレ?」


提督「見た感想それか・・・いや、なんかくれたんだよこれ」


子日「借りたんじゃないんだ・・・」


提督「なんでも、交流の時に渡されたらしい。でも誰も着る奴が居なかったんだと」


子日「当たり前でしょ、ここ憲兵さんの詰所だもん。全員自分の持ってるんだもん」


提督「まあ言ってコスプレ用の薄い生地なんだけどな、一応本物と同じつくりだけど」


子日「凝ってるなあ・・・で、結局その薬どうするの?」


提督「無論ちゃんと調べるさ・・・取敢えず資料から似たようなの見つけるかなっと」ペラペラ


子日「そんなふわふわしたやり方で大丈夫なの・・・?」


提督「何とかなるだろ、どちらにせよ薬使ってる時点でヤバいやつ確定だからぶっちゃけ種類は二の次だ」ペラペラ


提督「っと、あったあった。やっぱ廃棄品か」


子日「どこで手に入れたんだろう、普通手に入らないはずだよね?」


提督「どころか、最近の奴らはこんなのがあったことすら知らんよ・・・大方、軍事科学者にパイプ繋がってたんだろ、後で炙り出さないと」


提督「んー・・・ざっくり言うと、昏睡または洗脳用の薬って感じだなあ」


子日「または、ってどういう事?」


提督「量と濃度でちょっとした催眠からほぼ植物状態まで何でもござれな劇薬だったらしいな」


子日「ふーん・・・あ、朝潮ちゃんそれであんな風な目してたんだ」


提督「ん、どんな感じだった?」


子日「うーん・・・なんていうか、瞳を一つの色に塗りつぶした後に真ん中に黒い点を穿って、その周りに赤い二重丸書き込んだ感じ?」


提督「・・・ああ、一致するな。間違いなくこれだわ」


提督「薬に頼らなきゃ艦隊動かせないってどんな頭してんだよ、猫よりひでえぞ」


子日「・・・そういえば、潜水艦の人たちは?」


提督「なんか訓練つけてほしいって言われて向こうに連れてかれたぞ。今頃木刀ぶん回してるんじゃねえの?」


子日「おー・・・ねえ、子日もそっち行っていい?」


提督「いいぞー、そうだな・・・2230までに食堂に集合、それまでに作戦考えとくから。皆にも伝えておいてくれ」


子日「はーい!あ、そうだ、深雪ちゃんたちに会ったよ!」


提督「おー、元気してたかあいつら」


子日「いつも通りだったけど、一人増えてたよー」


提督「ふむ、そうか。新人歓迎会のグレード上げなきゃな」


子日「それじゃ、訓練所行ってくるねー!」タッタッタッ


提督「向こうさんに迷惑かけるなよー・・・さて、久々の夜襲だ。気合入れますかね・・・」



色々考えたけど、サクッと終わらせることに



~憲兵詰所、食堂 時刻2230~



提督「えー、全員集まったかなっと。んじゃ作戦を発表します」


提督「真正面からガーッと行って鎮圧、以上。それじゃ行きますか―」スタスタ


伊168「いや待って!?雑すぎでしょ流石に!」


伊58「シンプルすぎてもうわけわかんなくなってるでち」


提督「いや、ここの提督は最悪俺らが窓から行ってボコせばそれで終わりだし・・・」


提督「どっちかっつーとココの艦娘が今夜あたり起こすであろう暴動抑える方に力注いでもらいたい」


提督「で、多分艤装持ち出して肉片すら残さないつもりで来ると思うので、憲兵の皆さんも出来る限り武装して行ってください」


提督「んで、そうだな・・・ゴーヤ、イムヤ。お前ら憲兵について行ってくれ。本気で暴れられるとヤバいから」


伊168「分かったわ。でも結局コレ使わなさそうなのよね・・・」ガシャ


伊58「盾として使えばいいでち。というか武器持ってるだけごーやよりかはマシでち」


伊168「いや、素手で銃弾パリィするような人に大剣担いだだけでアドバンテージ取れると思えないんだけど」


伊58「武器持った分リーチ長いでち」


伊168「振る隙与えてくれればの話だけどね」


提督「で、と。子日は俺と二人でココの提督を捕えに行く。一応ナイフ持ってけ」


子日「はーい。・・・ちなみに、どれくらいまでなら大丈夫?」


提督「あー?あー・・・やるにしても骨一本くらいにしてくれ、あんまり痛めつけられても困る」


提督「えーと・・・まあこんなところかね。何か異論、質問のある人は挙手を」


シーン・・・


提督「よし。それでは、30分後の2300に作戦開始ですので、各々準備をお願いします。解散!」



その頃、箕志上艦隊は



~箕志上艦隊の部屋、時刻2250~



深雪「さて、夜も深まってまいりましたが。一体ここからどういう風に作戦が展開されるのでしょうか、解説の初雪さん」


白雪「いや、あなたそれ何キャラなの?」


初雪「そうですねー、おそらくは司令官の連絡待ちということになるでしょうね、実況の深雪さん」


白雪「あなたもそのキャラで行くの?言っておくけどここでプロレスはしないからね?」


深雪「えーそれでは、現場の白雪さんに聞いてみましょう。白雪さーん!」


白雪「いや、あなたたちも現場入りはしてるからね?というか本当に何実況なのよコレ」


深雪「いやー、やっぱツッコミ役がいると安心するぜぇ」


初雪「白雪、また腕上げたね」


白雪「いやいやいや・・・私そういう役割りでここに居るわけじゃないし・・・」


三人「「「・・・・・・・・・」」」


深雪「暇だなー」


白雪「しょうがないよ、だって・・・」チラッ



金剛「ヘーイテートクゥー、それは私のダージリンデース・・・」スヤスヤ


榛名「zzz・・・はい、はるなはだいじょうぶですぅ・・・」スヤスヤ



白雪「普段賑やかしやってる人がコレだし、加古さんと時雨さんは見回り行っちゃうし、赤城さんは鎮守府周辺の哨戒してるし・・・」


初雪「人数が一気に減っちゃったよね」


朝潮「ぅ、ん・・・あれ、私・・・」


白雪「よっ、と」グッ


朝潮「ぐ、っ・・・!?」バタン


初雪「さっきから必要以上に白雪が朝潮絞め落としてるのも一因な気もするけど」


深雪「流石にやりすぎだってーの、今一瞬正気取り戻してそうだったじゃねーか」


白雪「あ、いや、その・・・万が一叫ばれると厄介だし・・・ね?」


深雪「口塞ぐなりなんなりでいいんじゃね?それ」


白雪「・・・あー」ポムッ


深雪「あーってお前・・・」


初雪「やっぱりバーサーカーだね、白雪」


深雪「伊達に五月雨とリミッター外れてるコンビ組んでるだけのことはあるよなあ」


白雪「あ、あはは・・・」


深雪「全く・・・ん、メールだ」♪~(戦果が勝利S以上の時のBGM)


初雪「音消しといたほうがいいよ、バレると困るし」


深雪「まあこの一回だけだろうし大丈夫だって。えーっと司令官からだ、何々・・・」


 From:司令官

 件名:作戦内容は決まった

 俺と子日が元凶どうにかするから、お前らはここの艦娘の説得と保護を頼む。

 憲兵にも手伝ってもらってるから行動に困ったら指示を仰いでくれ。

 あとゴーヤの目付を頼む。正直あいつが一番ヤバい要素だ。


深雪「・・・また大雑把だなあ、楽でいいけど」


白雪「保護ってどうすればいいのかな・・・?」


初雪「取敢えず、ごーやさんは任せた白雪お姉ちゃん」


白雪「こんな時だけお姉さん呼びするんだから・・・まあ実際、この面子だと抑え込めるの私だけだからいいけど」


深雪「んじゃあまず、金剛さん達と朝潮起こして、加古さん達に合流になるかなあ」


白雪「説得は憲兵さんたちと一緒にやった方がいいかな、私たち信用されてないだろうし」


初雪「・・・場合によっては『鎮圧』かもね」ジャキッ


深雪「んー・・・まあそん時はそん時だし、気楽に行こうぜぇ」チャキッ


白雪「それじゃ、頑張りましょうか」



暴れるところが見たかった人には申し訳ないですが



~ブラック鎮守府前、時刻2315~



赤城「・・・さっくり終わりましたね」サラサラ


深雪「いや、まさか赤城さん達探してる間に全部終わってるとは・・・」


白雪「尋常じゃないくらいのスピード解決でしたね・・・」


赤城「まあ、長引くよりはいいですよ。幸い一人のかすり傷すらありませんでしたし・・・よし、これで全員ですね」サラサラ


深雪「はいはい、どんな感じですかーっと・・・うっわ、全員外傷がヤバいなあこれ。医者追いつくの?」


赤城「高速修復材はおろか、緑色のバケツ見るだけで拒否反応起こす子もちらほらいましたからね・・・全く、酷い事ですよ」


白雪「暫くは更生施設通いですね、これは・・・取敢えず、司令官に報告してきますね」


赤城「はい、行ってらっしゃい・・・そういえば、金剛さん達はどうしてます?」


白雪「さぁ・・・司令官に紅茶淹れてもらって休息取ってるんじゃないでしょうか?」


深雪「子日と加古さんは見たぜ、憲兵さんたちに稽古つけてた。後であたしも混ざりに行こっかなー」


赤城「夜が明ける頃には全員人外レベルの動きになってそうね・・・」


白雪「では、行ってきます」タッタッタッ


赤城「・・・ちなみに、提督の様子はどんな感じでした?」


深雪「んあ?あーいや、実はすれ違ってすらいなくてさー。まあここの司令官の悲鳴は聞こえてきてたから大体は想像つくけど」


赤城「確かに、それもそうですね・・・まあ、この場で命取られなかっただけマシだと思いますが」


深雪「それは人次第だと思うよ?この後のこと考えると、あたしは舌噛んででも死ぬけどね」


赤城「・・・いや、どちらにせよ提督はもう片方の選択肢の方がマシだと思わせるようなことしますね、絶対」


深雪「・・・そういえばうちの司令官はそういう人だったぜぇ」

__________



__________


提督「ふー・・・無駄に暴れたなあアイツも。まさか拳銃撃ってくるとは思わんかった」


榛名「いや絶対にしみじみと言う事じゃないですよねそれ!?本当に大丈夫なんですか!?」


提督「だいじょーぶだいじょーぶ、ひとやすみひとやすみ、しなやすしなやす」


時雨「流石に片腕やられて死ななきゃ安いは無いと思うんだけど・・・」


提督「いやー、俺両利きだからさ、別にどっち使えなくても気になんないんだわ」


提督「大方、痛手与えてやれとか思ってやったんだろうけどなーアイツ。余計にこっち煽るだけになったのは笑えるわ」


金剛「ハイ、これでFinishネ!ちゃんと後で病院に行ってヨー?」


提督「おう、すまんな金剛。まさか久方ぶりの再会で紅茶も淹れてやれなくて」


金剛「No problemデース!会うだけでも私は十分ネー!」ギューッ


提督「はっはっは、愛い奴め」ナデナデ


榛名「・・・・・・むぅ」


提督「・・・ん、金剛、それくらいで。次は榛名にもしてやらにゃならん、そういう約束なんだ」


金剛「Oh、約束なら仕方ないネー」パッ


榛名「ひぇっ!?い、いえ、私は、その・・・」アタフタ


提督「・・・・・・」スッ


榛名「っ・・・!」ビクッ


提督「・・・そんな固まらんでくれよ、別に殴るわけじゃあない」ポフ ナデナデ


榛名「・・・・・・」スッ ギュッ


提督「・・・悪いな、今まであんなのを野放しにしちまって」ナデナデ


榛名「・・・っ、ひぐっ、えぅぅぅぅぅ・・・!」ボロボロ


提督「大泣きだな・・・そりゃそうか、ずっと耐えてきてたんだから」ナデナデ


時雨「・・・えっと、その・・・てい、とく?」クイクイ


提督「ん、どうした時雨?」


時雨「・・・あの、後で僕にも、お願いしていい、かな・・・?」モジモジ


提督「ああ、いいぞ。取敢えず榛名が落ち着いてからでいいか?」


時雨「うん、大丈夫・・・」


金剛「テートク、すごくモテモテネー。いっそハーレムでも作りますカー?」


提督「どーだろーなー・・・我欲強いの多いし何人が賛同してくれるのやら。そもそもそんな甲斐性持ってねえからケッコンカッコカリもしてねえし」


金剛「でも、カッコカリですヨ?」


提督「だけどケッコンだろ?」


金剛「・・・テートクは他のテートクと考えが逆な気がするネー」


提督「気のせいだろ、多分」



利き腕じゃなくても片腕塞がるとできること1/3くらいになる



白雪「しれいかーん、リスト化完了しまs」ピタッ



時雨「・・・不思議だね、こうしているとすごく安心するんだ」(on膝)


榛名「榛名、幸せです・・・♪」(左腕ホールド)


金剛「二人とも即堕ちレベルのデレっぷりネー」(右肩寄りかかり)


白雪「・・・出直しましょうか、私」


提督「ああいや、今でいい、今がいい・・・リストどんな感じだ?悪いが口頭で頼む」


白雪「あ、はい・・・所属している艦娘の数は70、大型艦が多いですね。全員薬物の使用痕と青痣や蚯蚓腫れなどの外傷ありです」


榛名時雨「っ・・・」


提督「・・・その全員ってのは、榛名と時雨もか?」


白雪「はい、特に榛名さんは外傷が他の方より多く、時雨さんも薬物痕が比較的・・・」


金剛「提督、ちょっと席外しますね」スッ


提督「まあ待てや、口調が素になってんぞ」ガシッ


榛名「ちょっ、提督!右腕、右腕安静にしてないと!」アタフタ


時雨「撃たれた後なんだから動かしちゃだめだよ!傷口が開くかもしれないじゃないか!」アタフタ


提督「いや、過去受けた傷の中じゃまだ軽い部類に入るんだがなコレ。銃弾も中に残ってねえし」


白雪「そういえば何回か深海棲艦の砲撃受けてますよね。よく今まで生きてますね・・・」


提督「ギリギリで急所から外す方法ってのはだいぶ前に習得してはいるんだがな、痛みだけにゃ慣れねえわ」


提督「まあそれはそれだ。金剛、少し落ち着け。今更あいつに制裁加えたって何も起こりゃしないぞ」


金剛「むぅ・・・それでも、一発叩き込まないと気が済まないネー!」


提督「それでもだめだぞー、あいつは社会的に死んでもらわないと」


時雨「・・・社会的にって、どうするんだい?」


提督「そうさなぁ・・・晒し上げて吊し上げてこき下ろしてー、後何しようかね。取敢えず軍事裁判にはかけるが」


提督「あいつは失脚と同時に世間から蔑まれ、嘲笑れ、下の下の下まで落とされなきゃならない。正直それでも足りないくらいだが」


金剛「それくらいするなら多少砕けてても大丈夫な気がするネー」


提督「ああ、ぶっちゃけると肉塊にしたうえで生かして、寿命迎えるまで死んだ方がマシな痛み味わわせたいがな。それやるの面倒で」


榛名「・・・提督、すみません、ちょっと・・・」ヨロ


提督「あー、想像させたか、そりゃすまんことしたな・・・座って休んでてくれ。白雪もごくろうさん、こっち来て休んどけ」


白雪「あ、じゃあお言葉に甘えて・・・このお茶菓子、どこから出したんですか?」


提督「いつもの四次元金剛袖からだ、美味いぞ」


金剛「後でケンペーさんにも持って行ってあげまショー!」


白雪「いっそ七不思議に入れていいんじゃないでしょうか・・・あ、そういえば大本営に電話したんですよね?」


提督「ああ、十数分くれれば監査艦が来るとさ。ついでに検査と治療の手配もしてくれるとも」


白雪「そうですか・・・監査艦ってどなたが来るんでしょうか?」


提督「そこぼかしてたな・・・まあ俺の知り合いじゃないのは確かだろうな、面子はだいぶ変わったはずだし」


榛名「提督は、大本営にお知り合いがいるんですか?」


提督「ああ、元大本営勤務ってのは確か榛名には言ってたな。その頃の知り合いだな」


時雨「ふぅん・・・ってことは、提督はエリートなのかい?」


提督「うんにゃ、全っ然。ただ事務処理能力高かったからそれ中心で任されてた」


榛名「成程、そうなのですか・・・あの、こんなこと聞くのは失礼ですが、なぜ海軍に入ったのですか?」


提督「あー・・・いや、当時の元帥が近所に住んでてなあ、仲良かったんよ」


榛名「・・・へ?」


提督「んでまあ、当時の時点で割と腐ってるやつ多いのが分かってたらしくてなあ。なるたけ自分で選んだのを入れたかったんだと」


提督「まあ要約すると、俺はお眼鏡に適ったってわけよ。その人のお孫さん・・・今の元帥だな、そいつにも懐かれてたし」


提督「だから入った理由が殆どコネのようなもんなんだよなあ・・・」


時雨「・・・なんだか、知っちゃいけない部分を聞いた気がするよ」


榛名「・・・そうですね」



大本営編、いつか書きたいなあ



村雨「・・・はい、チェック完了。あとは任せてもらっていいわ」


加古「ん、あんがと。まさか艦が船に乗ってくるとはねえ」


村雨「大人数の輸送だとこれが一番楽なのよ、文句あるの?」


加古「そういうわけじゃないけどさ、違和感ない?あたし未だに車に乗るのも若干戸惑うんだよね」


村雨「そもそもそういう移動手段使うこともそうそうないけどね・・・」


加古「そりゃそーか・・・いやでも、これでようやっとぐっすり眠れそうだよ」


村雨「あなたはいつどこでも寝てるイメージがあるんだけど、違うの?」


加古「いやー、これでもあんまり寝てないんだよね、あたし。自衛のための夜警やらしなきゃいけなかったしさー」


村雨「結構大変だったのね・・・ところで、ここの提督はどうやって向こうに運べばいいかしら?」


加古「さぁ?ドラム缶にでも詰めてみる?案外人って丈夫だからさー」


村雨「あぁ、まあここの子たちの目につかないならそれでいいかもね。丈夫って言うのは検討させてもらうわ」


加古「んー?一応うちの提督基準で丈夫って言ってんだけど、やっぱおかしい?耐久力は人並みだーってよく言うけど」


村雨「自己申告が一番信じられないんだけど・・・そもそもその提督はまだここに残ってるの?」


加古「ああ、えっと・・・お、ちょうど向こうから来たよ」


村雨「ん・・・え、あれ?」



提督「・・・おぉ、マジか。会うと思ってなかったわ」


村雨「・・・私もよ。久しぶり、元気にしてる?」


提督「まあぼちぼちかね、さっき銃で右腕ぶち抜かれた程度だ。そっちはどうだ?」


村雨「うん、あなたならその程度って言うわよね、それくらいなら。こっちも特に変わり無しよ、数人が教える側になったくらいね」


提督「そうか・・・思ったより変わってないんだな」


村雨「ええ、そうね。あなたが抜けてから魂も一緒に抜かれてった子が結構いたけどね」クスクス


提督「やめてくれ、事務員がそんな好かれるわけねえよ」


加古「・・・えっと、いきなりぶっこむけどさ。二人ってもしかしてそういう関係だったり?」


提督「んな訳ねえよ、こいつが俺に惚れる要素一個もねえぞ?」


村雨「自分を過小評価するのは相変わらずなのね・・・残念ながら、私は恋人ではないわよ」


加古「ほー・・・いや、なんかすごくそれっぽい雰囲気出してたから」


提督「昔からこいつは妙に色気振りまいてんだよ・・・」


村雨「それに、前元帥直々の命令で『艦娘の精神ケア』も任されてたから、ねー?」ツンツン


提督「いつっ、やめろ、傷口つつくな・・・ケアっつっても駄弁ったりゲームしたりとかそんな程度だったけどな」


村雨「それでも、当時は随分と支えになったのよ?何人か本気で惚れてたんだから」


提督「ねえよ、あれは恋慕じゃなくて親愛だろ。よくつるむ友人みたいなもんだ」


村雨「ま、そうだけどね。でも、特に懐いてた二人はきっと違うんじゃない?」


加古「わー、完全に置いてけぼりだよあたし。すっかり二人の世界に入っちゃってまあ」


村雨「あら・・・ごめんなさいね、こんなところで昔の知り合いに会うと思ってなかったものだから、つい」


加古「いや、楽しそうだしこのまま去ろうともしたんだけどね」


提督「頼むからいてくれ、でないとコイツに取って食われる」


加古「流石に大袈裟じゃないの、それ・・・」


提督「・・・過去に二回、夜這いしかけられてんだよ」


加古「・・・マジ?」


村雨「未遂に終わったのを含めると五回よ」


提督「うわー、その情報いらなかったなあ畜生!」


村雨「まあ、若気の至りってやつよ。今はやる気ないから大丈夫」


加古「たまーにこういうのいるから怖いんだよなあ・・・しかもさっきの話聞いてる限りだと教官でしょ?大丈夫なのコレ」


村雨「流石にそこは真面目にやってるわよ・・・ま、たまにこっちに顔出しなさいな」


提督「そんな暇あるかねぇ・・・」


加古「作ればいいんじゃないの?執務は誰かに押し付けてさ」


提督「いやいやいや、まさか顔出しに行くだけで代理立たせるわけにはいかんだろ」


村雨「んー・・・そうね、それじゃちょっと協力するわ」


提督「何にだ?今の流れで何を思いついた?」


村雨「それは後でのお楽しみ、ね?・・・そろそろ行くわ、それじゃあ、また今度会いましょ?」


提督「ああ、んじゃ向こうの奴らによろしく伝えてくれー」


加古「じゃあねー、次会ったら提督の昔話聞かせてよ、この人全然自分のこと話さないからさー」


村雨「ええ、機会があれば、ね」



提督「・・・行ったか。なんかどっと疲れたわ」


加古「ま、いいじゃん。案外楽しかったんじゃない?」


提督「そうさなあ・・・取敢えず帰るか」


加古「あいさー・・・そういや新歓どうする?」


提督「あー・・・榛名と時雨がこっちに正式着任するまでお預けかね」


加古「・・・あ」


提督「ん、どうした」


加古「・・・帰り分の燃料ってあったっけ」


提督「・・・あ」



この後、ちゃんと帰還分の燃料が見つかり、全員鎮守府へ帰る事が出来ました



帰還から数日経過



提督「・・・そういや、結局演習メンバー変えてから龍田達に会ってないな」カリカリ


漣「割と今更感ありませんか、それ?」ペラ


提督「割といろいろあったからな・・・なんか不平不満言ってなかったか?」


漣「んー・・・特には聞いてないですね。いっそ今から行ったらどうです?」ペラ


提督「そうさなあ・・・んじゃ行くかね」ガタッ


提督「ところで漣、お前さっきから何読んでんの?」


漣「SW2.0ルールブックⅠ改訂版、今度私GMで卓囲むことになりまして」ペラ


提督「執務しろよ・・・」


漣「ふっふっふ、ご主人様代理の時に今日の分まで終わらせているのだ!」


提督「ああ、ならいいや。ちなみに卓の面子は?」


漣「初雪ちゃん、龍驤さん、暁ちゃん、子日ちゃんですね」


提督「誰一人としてヒーラーがいねえなあ」


漣「まあ単発のつもりですし、ストッパーもいるしで何とかなると思いますよ?」


提督「そうか、まあ頑張れや。んじゃ行ってくる」ガチャ


漣「はーい」

__________



__________



~鎮守府、射撃演習場~



提督「・・・案の定いると思って来てみりゃ、どうなってんだこれ」


龍田「あらぁ?お久しぶりね、提督」E:M1911


三日月「あ、司令官!お疲れ様です!」ビシッ


提督「いや、別に敬礼はせんでいいよ・・・しかし意外だな、長物の扱いに定評のある龍田が三日月と一緒に拳銃撃ってるとは」


龍田「私だって、拳銃くらいは使うわよ?ただ薙刀振りまわした方が速いだけよ」


提督「まずそこがおかしいんだよなあ・・・しかしどっちが教えてる側なんだ?」


龍田「・・・提督?その質問は流石に怒るわよぉ・・・?」


提督「だってお前、飛び道具当てた事って数える程度しかないし・・・」


龍田「うぐっ・・・」ギクッ


三日月「さっき龍田さんから『武器を選り好みするわけにもいかないから教えてくれ』と頼まれたんですよ」


提督「ほー・・・別に隠すことか、これ?」


龍田「・・・だって、銃もまともに当てられないって、致命的じゃない?だからある程度は矯正しておきたくて・・・」


提督「いやー、自分から武器捨ててるやつもいるし、今更だろ」


三日月「まあそれで、取敢えず拳銃からやってはいるんですが・・・」


提督「言葉濁すってことはそんなにアレなのか?」


三日月「いえ、命中率自体はいいんですが、その・・・構えてから撃つまでの速度が・・・」


提督「あー・・・もうそれは数こなして慣れるしかねえわ」


龍田「うぅ・・・」ショボン


提督「・・・まあ、三日月も三日月でおかしいけどな。フルオート拳銃全弾クリーンヒットってどういう腕だよ」


三日月「? そうですか?」E:グロック18


提督「この精度は艦娘故か・・・ところでさ、あいつらは何やってんの?」チラ



卯月「うーん・・・当たらないぴょん・・・」E:レミントンM870


菊月「ショットガンで当たらないは流石に無理があるんじゃないか・・・?」


如月「大きい銃は扱いも難しいんだから、無茶しない方がいいわよ?」E:ブローニングM2重機関銃


菊月「もっとおかしいよなそれは。そもそも設置式の重機関銃なんて海上でどうやって使う気だ?」


如月「使えるようになって損はないでしょ?それにこれ、射程も長いし精度もいいから案外使えるわよ」


文月「んー・・・私はこっちの方が好きかなあ」E:AK-47


菊月「・・・まあまだまともか。しかしそれ扱えるのか?」


文月「艤装よりちょっと重いくらい?ちゃんと的にも当てられるよー、それぇ!」タタタタタッ


如月「・・・全弾命中。うん、大丈夫なようね。今度試験受けてみたらどう?」


卯月「ふみぃはすごいぴょん!銃口もぶれてなかったぴょん!」


文月「えへへー♪」



提督「なんだあれ、天使のような悪魔?」


龍田「体格と武装がミスマッチよねぇ」


三日月「姉さんたちはすごいなあ・・・私ももっと頑張らないと!」ジャキッ


提督「お前はもう十分だからそれ以上おかしくならないでくれるか?」


龍田「んー・・・提督、もしよければ教えてくれます?」


提督「ん?あー・・・まあいいか、取敢えず拳銃からな。ええとまずは・・・」



~この後、龍田さんは咄嗟に的の中心に当てられる程度にはなりました~



教官兼監査艦



~鎮守府、廊下 時刻1200~



提督「案外時間経ってると思ったら1時間ちょいだったか、どんだけ凝縮して物教えてたんだろうな俺」


提督「あいつらも昼飯食いに行っちまったし、どうすっかな・・・まあどうするっつっても執務せんといかんけど」


提督「しかし向こうの駆逐4人は最後まで俺に気づかなかったな・・・」


雪風「あ、しれぇ!やっと見つけた、ちょっとこっちに来てください!」タッタッタッ


提督「おー、どうした戦闘妖精」


雪風「雪風は空飛びません!漣さんが呼んでるので、早く来てください!」


提督「漣が・・・?何だろ、判定の処理に詰まったのかな」


雪風「いえ、監査がどうとか言ってました!」


提督「監査・・・?抜き打ちで来たのかね、まあ行くか」テクテク



~鎮守府、執務室前~



提督「・・・・・・・・・・」


雪風「・・・しれぇ?どうしたんですか?」



ココノテイトクサンハドコ?ハヤクアワセテヨ!

   イヤ、チョットオチツイテッテ、イマオチャイレルカラ

オチャハイイカラハヤクテイトクサンヲダスッポイ!



提督「・・・どっかで聞いた声なんだよなあ、どうしようかな、ここでUターンして食堂行こうかな」


雪風「でも、しれぇがいないとだめなんじゃないんですか?」


提督「それっぽいから尚の事困るんだよ・・・しゃーない腹括ろう、対ショック準備もしないと」


雪風「 ? 」


提督「すぅー・・・はぁー・・・よし、入るぞー」ガチャ


漣「あ、ご主人様!やっときましたか!」


夕立「ここの提督さんっぽい?抜き打ちの監査に来ま、し、た・・・?」


提督「・・・あー、その・・・よう」


夕立「・・・・・・・・・・」グッ(クラウチングスタート)


漣「ん?」


雪風「え?」


夕立「っっっぽぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおい!!!」ダッ


提督「ごっふぅぁっ!?」ドゴォ ズシャァァァァ


漣雪風「わああああああああ!?」ビクゥ


夕立「晶さん!晶さんお久しぶりっぽい!ぽい!」ギューッ


提督「あ、ああ・・・人の鳩尾に突っ込んできた後そのまま押し倒すのはやめような・・・」ナデナデ


夕立「ぽいー♪」スリスリ


雪風「・・・人って突然すぎると何もしゃべれなくなるんですね」


漣「あのー、ご主人様?そちらの方は一体・・・」


提督「あぁ・・・うん、そうだな。どうせだから飯食いながら話すか。ほれ、お前も来い」


夕立「え、御馳走になってもいいっぽい?」


提督「時間が時間だし、何より腹減ってるだろ?あと人多い方が後々説明がめんどくさくなくていいし」


漣「うわ、一々聞かれる手間省きに行きましたよこの人・・・一応秘書艦なので私も同行しますよ?」


雪風「あ、雪風も一緒に行きます!ご飯は多い方が楽しいですから!」


提督「おー、いいぞ。さて、向こうついたら何から話そうかね・・・」



~鎮守府、食堂~



漣「・・・成程。つまりそこの監査艦・・・夕立ちゃんは、ご主人様が大本営勤めの頃のご友人、と」(チキン南蛮定食)


提督「まあな」(肉野菜炒め定食)


雪風「それで、夕立さんは抜き打ち監査と称して、しれぇに会いに来た、と」(焼きそば、ライスセット)


夕立「そうっぽい!」(カレーライス)


雪風「大本営それでいいんですか?」


提督「まあ大分緩めだけどな、昔よかマシだ。あの頃は最早生物とすら思わねえ輩がその辺にいたし」


夕立「大本営もオペレーターによって扱いが違ったっぽい・・・酷い時には爆弾抱えて特攻したりとか」


夕立「でも、晶さんのおかげで皆毎日生きていられたんだよ!晶さんは夕立達の恩人だよ!」


提督「まあ、こんな感じで、妙に懐かれてるんだよなあ」


漣「ほー・・・そういや加古さんが向こうでしてた会話言いふらしてたけど、特に懐いてた二人ってのの片割れだったり?」


夕立「んー・・・そうっぽい?」


雪風「そこをぽいって言っちゃうんですか・・・そういえば、監査は結局どうするんです?」


夕立「ご飯おいしいし、異常なしでいいっぽい?」


提督「テキトーすぎだろ、せめてどっか見回れよ」


夕立「だって晶さんのとこなら大丈夫に決まってるっぽい!」


提督「・・・なあ、せめて役職で呼んでくんねえかな。さっきからお前が名前呼ぶたびに周りの視線が一斉にこっちに来るんだよ」


夕立「ぽい?・・・じゃあ、提督さん、大本営からお手紙届けに来たっぽい!」ガサガサ スッ


提督「服の中に仕込むなよ、鞄かなんかで持ってこい・・・なんか妙に温いなあおい、えっと何々・・・」ペリペリ ピラ



 駆逐艦の教官の一人から、大本営の艦娘育成教官への推薦がありました。

 つきましては、艦娘数名と共に大本営への出頭及び教官としての着任をお願いします。

 まあ要するに艦娘の先生になってください、頼みましたよ?

 こっちも準備があるのでそれが終わり次第電話で通達します。

 それでは、お体にお気をつけて。

                                   元帥より



提督「・・・いろいろあるけど、とりあえず一つ。軽すぎないか?」


夕立「まあそんな感じっぽい、それじゃあお願いするっぽい!」


提督「なんかこの前のブラ鎮潰したあたりからまともに鎮守府にいる時間減ってねえか、俺」


漣「え、またどっか行くんですか?今度は海外にでも飛ばされるんですか?」


提督「いや、大本営に来て教官やれとさ。ただの提督になにしろってんだよ・・・」


雪風「でも、しれぇはさっき龍田さんに銃の使い方教えてましたよね?だから大丈夫だと思います!」


提督「得物が違いすぎるわ、精々陣形教え込むくらいしか無理だわ」


夕立「あ、そこはもう終わってるから演習やチームワークが今の課題っぽい」


提督「マジかよ・・・ああもう、いいやもう・・・」


漣「ま、諦めることですね。なんならついていきますから」


雪風「そういえば、夕立さんはいつくらいまでいるんですか?」


夕立「んー・・・もう少しここにいるっぽい!」


雪風「じゃあこれ食べ終わったら一緒に遊びましょう!」


夕立「っぽい!」


提督「ここだけ見ると可愛いんだがな・・・」


漣「・・・ねえご主人様、夕立ちゃんって元からあんな感じだったんですか?」


提督「性格はああだったが、昔は目の色緑だったし髪に赤いグラデは入ってなかったな・・・まあ改二にでもなったんだろうよ」


漣「ふぅん・・・ちなみに、私の改二ってあったりは」


提督「・・・大人しく待とうぜ、な?」


漣「・・・はい」



今更な施設紹介



~鎮守府、執務室 時刻1430~



提督「えー、お前らに集まってもらったのは、この鎮守府の施設の案内の為である。ほいじゃ時間惜しいし早速行くぞー」テクテク


長門「いや待て、流石に質問の一つくらいは許して欲しい」


提督「あー・・・んじゃ、質問や意見のあるものは挙手」


長門「・・・・・・」スッ


漣「はい、長門型戦艦一番艦長門さん。どうぞ」


長門「そこまでつけるのか・・・?」


漣「いや、一応いるかなーと」


長門「はぁ・・・では、質問だが。なぜ私が呼び出されたのだ?今更説明されるようなものは・・・」


提督「やー、実はあるんだよね、それが・・・多分お前らも使うことになるだろうし、その時に説明入れるのがめんどいから今やったれって」


長門「・・・成程、それは分かった。ではもう一つよろしいか?」


漣「長門さん、挙手をお願いします。できれば声も上げてくれるとより分かりやすいです」


提督「本人がもう一つって言ってんだから態々させようとするなよ・・・」


長門「・・・じゃあ、はい」スッ


提督「お前も律儀だなオイ」


漣「はい、長門型戦艦一番艦長門さん。どうぞ」


提督「お前もそれ毎回言うの?」


長門「では、二つ目の質問だ。なぜ私しか呼び出されていない?」


夕立「夕立もいるっぽい!」


雪風「雪風もいますよ!」


長門「・・・訂正だ、何故私達三人しか呼び出されていない?」


提督「あー・・・夕立は建前上監査に来たんだが、どういうわけかそこの戦闘妖精と遊び倒そうとしてたからな。雪風はそのついでだ」


提督「長門、お前を呼んだ理由はさっき言ったとおりだ。で、他のやつらなんだがな」


漣「実はこれ、現在生中継中なんですよね。他の皆さんは食堂備え付のテレビでこれ見てますよ」


提督「ちなみにカメラマンは衣笠だ。一言も発言はしないが俺らのすぐ後ろについてくるそうだ」


長門「・・・じゃあ私がいる必要性は無いような気がするのだが」


提督「リアクション役欲しくてなあ・・・雪風と漣はもう何度か使ってるし、夕立は多分期待するようなリアクションしないだろうし」


提督「あ、何か用事があるなら拒否ってもいいぞ」


長門「あー・・・いや、私も暇を持て余していてな、誰かに頼んで鎮守府を見て回るつもりだったのだ」


提督「そうか、ならちょうど良かったな。んじゃ、行くか」


長門「ああ」



~艦娘寮前~



提督「えーと、んじゃまずここから行くか。はい、見ての通り艦娘寮だ」


長門「そういえば、ここは艦種ごとに部屋が分かれていなかったな。横須賀だと大体姉妹艦と相部屋だったが」


漣「うちは前任から好きな人と相部屋組める状態ですよ。今のご主人様がシステムをそのまま引き継いでるんです」


提督「ちなみに一定数以上の申請があれば大部屋に改造するぞ」


長門「それはやりすぎなのではないか?」


提督「頑張ってもらってるんだ、これくらいはしないとな。まあ今のところそういうのは来てないが」


雪風「雪風は天津風さんや島風さんと相部屋です!」


漣「私は一人部屋なんですよね、早く七駆のみんな来ないかなー」チラッ


提督「・・・一人なら当てはある。まあ待ってろ」


夕立「ところで、あきr・・・じゃない、提督さんはどこで寝てるっぽい?自室?」


提督「・・・執務室にさ、ソファーあるじゃん?来客用のふっかふかのやつ」


夕立「・・・流石にベッドで寝なよ。せめて布団敷くとか」


提督「善処させてもらおう」


雪風「絶対にやらないパターンですねコレ」


漣「この人自分の事にはホント無頓着だからなー」


提督「あー、あと話すことは・・・あぁ、一定の戦果出してるなら何やっても自由ってのがあったわ」


長門「何やっても、というのはどういう事だ?」


提督「文字通りだ、出掛けてもゲームしても、最悪一日部屋で寝てても構わん」


長門「・・・よくそれで鎮守府を運営できているな」


提督「残念ながらこれで成り立ってんのが現状なんだよな。むしろ、お前らが忙しい方がヤバいだろ」


長門「・・・まぁ、それは言えてるが」


提督「あとはー・・・この鎮守府、どこかしらおかしい奴らしかいないから、そこ気をつけろとだけ」


長門「ふむ・・・例えば、そこにいる漣、雪風、衣笠はどうだ?」


提督「漣はとりあえず、私物の武器をほぼ全部扱える。この時点でもうおかしい」


漣「いやー、照れますな」エヘヘ


提督「褒めてねえよ・・・雪風はまあ、死神っつった方が分かりやすいかね」


雪風「しれぇ、雪風は死神じゃないですってば!」


提督「俺が言ってるのがあくまで外見の話だ。あと身の丈超える大鎌軽々扱っといてそれはねえよ」


雪風「あ、あはは・・・」


提督「衣笠はー・・・んー、平均的に見て普通の『衣笠』より頭一つ抜けてるって感じかね。特筆するべきところはないけど普通よりおかしい」


長門「最後だけ雑だな・・・」


提督「実際そんなもんなんだよな。まあここはこんなもんで、次行くかー」


夕立「えーっと、寮は特に異常なし、と」カキカキ


雪風「あ、ちゃんとリストは持ってきてるんですね」


長門「・・・そういえば、夕立は提督知り合いだと聞いたが。彼女はどうなんだ?」


提督「ん?んー・・・」ジー


夕立「? ぽい?」ジー


提督「・・・いや、ここの艦娘じゃねえし、そもそも会ってない期間長すぎて分からんわ」


夕立「それもそうっぽい!」


長門「そうか、すまない」


漣「いや、長門さんが謝る事じゃありませんて」


提督「んじゃ、次行こー・・・の前に、CMです」


雪風「いや、無いですから。次ですよー」



施設紹介その2



~工廠~



提督「ここが工廠、まあ機能やらは知ってるよな」


長門「ああ、勿論知っている・・・しかし、無人なのは初めてだ。いつも明石と夕張がいると思っていたが」


提督「文字通り食堂に全員集合してるぞ。今回に限っては妖精さんも向こうだな」


漣「ご主人様の私物もここの地下倉庫に収納されてますね。使う際は倉庫に向かうエレベーターに身分証兼用のカード通してください」


長門「カード・・・?」


提督「・・・あ、そういや渡してなかったわ。はいこれ、お前の身分証。免許みたいなもんだから持ってないとヤバいぞ」


長門「そ、そうなのか・・・ありがたく受け取らせてもらおう」


提督「あとは、明石経営の酒保が併設されてるのもここだ、売り場に無い物は注文すれば遅くても一日で届く」


雪風「届くまでの最短記録は二時間のすごいところです!お酒も売ってますよ!」


提督「酒は鳳翔のとこ行った方が早いけどな、あそこは酒類は最優先で入るから」


長門「成程、便利だな・・・しかし、なぜ酒保が工廠と併設なんだ?食堂や甘味処ならまだ分かるが」


提督「ああ、単純に移動時間省きたかったんだとさ。あと『食堂にコンビニあるのってどう思います?』って聞かれて了承した」


漣「それじゃご主人様、私たちは先に中に入ってますね」テクテク


雪風「夕立さんは雪風と一緒に行きましょう!」タッタッタッ


夕立「っぽい!」タッタッタッ


提督「おう、あんまりはしゃぐなよー」


長門「ん、まだ何かあるのか?」


提督「・・・他にはない施設のうち、一つ目がここにある。それが『射撃演習場』だ」


長門「射撃演習場・・・?普通の演習場とは違うのか?」


提督「ああ。向こうは演習や訓練に使ったりするが、こっちは私物武器のうち銃や飛び道具の訓練をする場所になっている」


提督「先言っとくけど、装備開発はおろかここから艤装持ち出すことすら身分証使うことになるから、ここに来るときは『それ』忘れないようにな」


長門「ああ、分かった。肝に銘じておく」


提督「さて、それじゃ射撃場に行きますかね」テクテク



~射撃演習場~



提督「はい、ここが射撃演習場だ。まあ見たまんまだな」


長門「ふむ・・・ん、あれは・・・」



雪風「漣さんはすごいですねー・・・どうやったらそんなに当てられるんですか?」


漣「いやー、どっちかというと私は数撃ちゃ当たるタイプだからなー・・・単発はあんまり好きじゃないんだよね」E:ルガーP08


夕立「ふーん・・・例えば、どういうのが好きっぽい?」


漣「やっぱ重火器っしょ!ミニガンとか浪漫たっぷりだし!」E:M134


夕立雪風「「おぉー!!」」



フゥーハハハーハァー!   ズドドドドドドドドドドド


提督「・・・あのトリガーハッピーはほっとくぞ」


長門「あ、あぁ・・・ところで、夕立は身分証かそれに代わるものを持っているのか?」


提督「いや、多分雪風のカードで入ったんだろうな。一人が通して扉が閉まる前に体滑り込まるとかで」


長門「しっかりしていると思ったら変なところで甘いな・・・」


提督「まあまずカードなけりゃ入れないし、入ったところで一般人がどうこうできるアイテムでもねえから別にどうってことはないが」


提督「・・・あぁ、そうだ。ここの倉庫に置いてある武器には全て使用制限が設けられてる」


長門「使用制限か・・・確かに、アレを見ると頷けるな」


提督「威力もそうなんだけどな、そもそも使うのに制限があるんだよ。あんまりバカスカやられちゃ弾代もかかるしな」


長門「成程。制限を解除するにはどうすればいいんだ?」


提督「許可申請出して、試験に受かればいい。その身分証に許可あるかどうかも書き込まれるからちゃんと持ってこいよ」


長門「身分証というよりは電子マネーカードやタイムカードに見えてきたな・・・」


提督「あ、電子マネー機能もついてるぞ。チャージさえすれば鎮守府内は勿論、公共機関の利用も可能だ」


長門「やたらとハイテクだな・・・考案者は誰だ?」


提督「発案は俺、製作は明石と夕張だ。ちなみに、給料全部それに入れて財布すら持ち歩かない奴もいたりする」


長門「もしかして横須賀の鎮守府より技術進んでるのではないのか・・・?」


提督「こんなことやっておきながら出撃はここで艤装つけて正面まで歩いてって海に飛び込むんだよな」


提督「あーそれと、今んとこ全部の武器の使用許可持ってるのは吹雪、叢雲、漣、電、五月雨の五人だけな」


長門「それであんな物騒な物を試射しているのか」


提督「あれはだいぶ特殊な部類だから割と細かく決めたんだけどな・・・まあ、勉強したかったら今の五人に頼めば間違いはない」


提督「まあこんなもんかね。おーいお前ら、それくらいにしといて次行くぞー」


三人「「「はーい!!」」」



施設紹介その3



~食堂~



提督「一旦屋内に入りまして、ここが食堂だ。まあここは特筆するべきところはないな」


漣「どうしましょうご主人様、正直私がすることが何もないです」


雪風「まあ今更紹介されたところでーっていうのもありますし、しれぇが全部話してくれますしね」


提督「あー・・・それじゃ、ココで待ってるか?鳳翔あたりが茶ぁ入れてくれてるだろ、多分」


提督「夕立、お前はいろいろ報告しなきゃなんねえんだから来なきゃダメだぞ」


夕立「その辺は分かってるっぽい!」


漣「そうですねー・・・じゃあ待ちますわ。おみやげお願いしますね」


提督「何を土産にすりゃいいんだよ・・・」


雪風「夕立さん、また後でお会いしましょう!」


夕立「っぽい!また後で遊ぶっぽい!」


長門「・・・で、どうするんだ?中に入るのか?」


提督「食堂の機能なんて大体同じだしなぁ・・・あ、甘味処も兼ねてるってのがあったか」


長門「それも余所と大体同じじゃないか?」


提督「んー・・・あ、あと吹雪がたまに厨房に立ってるとか、赤城がおおよそ軽巡くらいしか食べないとかあるけど」


長門「・・・前者は兎も角後者は嘘でも厳しいな」


提督「マジなんだよそれが・・・本人に聞いても分かんねえしどっかで隠れて食ってる訳でもねえし、個人差ってことで落ち着いたけど」


長門「・・・次、行くか」


提督「・・・だな」



~居酒屋「鳳翔」前~



提督「えー、ここが鳳翔が経営してる居酒屋だ。鎮守府内はここでだけ酒飲んでいいってことになってる」


長門「あぁ、こっちにもあるのか・・・というより、鎮守府に鳳翔さんがいるなら増築許可でも下りるのか?」


提督「いや、流石に非公式だ。建ってるところは大体鎮守府が自腹でどうにかしてるんだよ」


夕立「ふーん・・・ここもそうなの?」


提督「うちは野良妖精さんの腕見るために作らせてみたんだが、まさかこうもしっかりと作ってくれると思ってなかった」


提督「ちなみに鳳翔が使いやすいように地味に増改築繰り返してたりする。この前は確かIH入ったんだっけかな」


長門「ふむ・・・あれ、そういえば提督はカウンターバーは持っていないのか?」


提督「ああ、あの簡易的にバー作れるやつだろ?あるっちゃあるが鳳翔の許可は貰ってるぞ」


長門「そうか・・・鳳翔さんが厳しいのか?」


提督「そういうわけじゃなく、単に一か所で酒飲んでくれた方が何かあった時にしょっぴきやすいからな」


長門「・・・その言いぶりだと過去に何回かそういう事があったのか?」


提督「まあな。そのせいで迂闊にカウンターバー出せなくなって、結果ここでしか飲めなくなったってわけよ。お前らも気ぃつけろ」


夕立「お酒はみんなが飲ませてくれないっぽい・・・」


長門「私はあまり酒が好きではないのでな、それは大丈夫だ・・・ちなみに、問題を起こした艦娘というのは?」


提督「・・・これ放送されてんだけど?」


長門「ちょっとした公開処刑のようなものだ」


提督「そうか・・・代表的なのは響とゴーヤ、被害がヤバかったのは五月雨、龍驤、山城あたりかね」


夕立「結構意外な人の名前が出てるっぽい・・・何やったの?」


提督「響は一応酒は強いんだが酔うとな・・・絡み酒やら夜這いやら、果ては全裸になって真冬の海に飛び込んだこともあったり」


長門「・・・また、随分と派手にやらかしてるな」


提督「ゴーヤも響と比べりゃまだ理性的な方だが、何かで一度タガが外れると暴れまくって手が付けられなくなる」


提督「で、五月雨。響が水だと嘘ついてスピリタス飲ませた時になー・・・あれは本気でヤバかった、正直死を覚悟したくらいだ」


夕立「響ちゃんいろいろやってるっぽい・・・そんなにとんでもなかったの?」


提督「・・・あいつ、バーサーカーだからな。一旦ぶちギレたら全力で抑え込みに行かないと敵味方共に壊滅する」


長門「あの五月雨がか・・・想像もつかないな」


提督「単純な破壊力だけなら白雪と並んで駆逐艦中トップだからな、アレ以降五月雨の前で酒は出すなって規則が出来たくらいだ」


夕立「出すのもアウトなんだ・・・」


提督「龍驤は金銭面じゃなくて精神面なんだが、確か胸の話に発展して自爆したらしく、暫く拒食症状だったレベルでメンタル死んでたな」


長門「確か、龍驤は軽空母のトップだったか・・・しかし、こう言ってはなんだが、空母なら他にも数名いるし、なんとかなったのでは?」


提督「それがな、当時は空母を主体として回す作戦でな・・・一つ穴が抜けたおかげで非戦闘員だった鳳翔が出る羽目になってなあ」


長門「余程、龍驤という存在が大きかったんだな」


提督「当時はうちの空母の育成担当だったからな・・・何とか自力で復活したものの、あの状態が続いてたらと思うとぞっとするわ」


夕立「・・・で、最後は山城さんっぽいけど、何やらかしたっぽい?」


提督「あー・・・アイツな、酔った勢いのまま茶に薬盛って俺に飲ませて、既成事実作ろうとしたんだよ」


長門夕立「「・・・は?」」


提督「こええよ、飲んだら意識飛んで気づいたら素っ裸でベッドで朝だからね・・・あの時ほど青葉の監視カメラに感謝したことは無かった」


夕立「・・・一応聞くけど、山城さんと最後までしたの?」


提督「いんや、ギリギリで扶桑が助けに入ってな、何とか諸々が守られた」


提督「ベッドに寝てたのは扶桑が医務室まで運んでくれたらしくてな、全裸だったのは服着せてから運ぶ考えが浮かばなかったんだと」


長門「・・・苦労しているな」


提督「まあなー、てかなんでこんな会話になったんだろうな。なんかすまん」


夕立「取敢えず次行くっぽい、次」


提督「そうさな、さっさと終わらせようか」



施設紹介その4



~鎮守府内、大浴場前~



提督「はい、ここが風呂兼用の入渠施設だ」


長門「こっちは一つになっているのか。向こうは入渠とは別に風呂場があったが」


提督「まあそこらへんは完全に鎮守府の趣味だわな・・・」


夕立「お風呂の時間ってどうなってるの?」


提督「特に決めてない、本人らのタイミングに任せてる。いつ何時何回入ろうが好きにしていいぞ」


夕立「ふーん・・・提督さんはいつ入ってるっぽい?」


提督「俺は別の所に風呂設けてある、入ろうとして戸開けたら全裸の艦娘がいましたーなんてなったらヤバいしな」


長門「そういえば執務室に檜の風呂を備え付けることもできたような・・・そういう類か?」


提督「あー・・・まあそんなとこだな。どうであろうと俺はここを使ってない、というより使うわけにはいかないって感じか」


提督「・・・なんか、こう、アレだな。話すこと無いな」


長門「鎮守府ならば必ずある施設だからな、そう大きく異なるような場所でもない」


提督「まあそうだよな・・・さて、それじゃとびきりの場所に行くぞ。ついてこい」



~鎮守府内、VR室~



提督「着いたぞ。他にはない施設の二つ目、『VR室』だ」


長門「ぶい、あーる・・・?この機械群のことか?」


提督「バーチャルリアリティ、まあ要するに疑似体験ができるってこった」


提督「このレーシングゲームの筐体のようなものに乗ってメット被れば誰でも参加できるぞ。ゲームのようなもんだな」


提督「ちなみに入ってすぐ戦闘ってわけじゃなく、一旦装備やらを選べる場所・・・待機画面に飛ぶ」


長門「あー・・・つまり、格闘ゲームのキャラ選択画面のようなものか?」


提督「おう、そんな感じだ。でーまあ、なんでこんなもん置いたかというと、単純に練度上げの為だな」


夕立「練度上げ・・・ってことは、出撃の代わりっぽい?」


提督「平たく言うとそうなるな。あんまりハイペースで出撃すると資材の消費がな・・・」


長門「ふむ・・・ふと思ったのだが、これは安全なのか?」


提督「あー・・・まず、死ぬことはない。致死量のダメージ受けたらセーフティが働いて強制的に待機画面に飛ぶ」


提督「そのダメージ自体もある程度は抑えられてるけどな・・・流石に100%通したら脳への負担がヤバい」


夕立「・・・そんなことやって、ホントに実戦と同じくらい経験積めるの?」


提督「無理に決まってんだろ」キッパリ


長門「随分ときっぱり言ったな・・・だとすると、これは意味がないのではないか?」


提督「いや、一部の特殊な状況で戦闘体験させるにゃこれが一番ちょうどいいんだよな」


夕立「特殊な状況・・・?」


提督「そうだな・・・鬼級・姫級とのタイマン勝負とか、vsレ級艦隊とか?」


長門「・・・前者は兎も角、後者は確かに疑似体験でしかできそうにないな」


提督「能力の上昇具合を予測してレ級フラグシップ改とかもできるぞ、全員全力でかかってやっと6:4くらいの勝率だった」


夕立「無謀なコトしてるっぽい・・・そういえば、VRの機械ってこれだけなの?」


提督「いや、例によって地下に続いてるぞ。確か250人同時に使用できるくらいの台数あったな・・・」


長門「いくらなんでも多すぎないか・・・?」


提督「これからも人員増えてくだろうし、これくらい無いと間に合わなそうでな・・・」


提督「さて、これで施設紹介は終わりだ。どうだった?」


長門「とりあえず、他の鎮守府よりもかなり変わってると言うことは再認識できたな」


夕立「チェックも完了、異常なしっぽい!」


提督「よっし、んじゃ食堂に戻るか。アイス食おうぜアイス」


夕立「っぽい!」ピョンピョン


長門「それは私もいいのか?」


提督「ああ、どうせだし奢るわ。衣笠、お前にもな。カメラマンお疲れ様」


長門「・・・あ、ところで提督」


提督「んあ?」


長門「カメラが回っているところで『奢る』なんて発言してよかったのか?」


提督「・・・・・・あっ」



この後、結局食堂の全員にアイスを奢る羽目になった提督であった・・・



伏線は生やすもの、設定は明かしていくもの



~鎮守府、執務室~



暁「しれいかーん、ちょっと聞きたいことが」ガチャ


提督「んあ?」E:眼鏡


暁「・・・司令官ってそんなに目が悪かったっけ?」


叢雲「ああ、コイツ本読んだりパソコンやったり、兎に角集中したい時は伊達眼鏡かけるのよ」


提督「伊達じゃないぞ、左目がド近視だから左だけ度入れてんだ。右目も遠視だけどこっちはかなり軽いからそのままにしてる」


暁「どうしようもないわね・・・いや、司令官が司令官になる前に何やってたんだろうとか家族どうしてるとか気になっちゃって」


提督「またえらく唐突だな・・・家族の方から行くか。両親はもう天寿全うしてる」


叢雲「随分とさらっと言うわね」


提督「変に重いよりはいいだろ。あとはそうだな、妹がいる。俺が軍に入る前に艦娘適正があるとかで徴兵されたけどな」


提督「まあ沈んでなきゃどっかで元気にやってるんじゃなかろうか」


暁「ふーん・・・妹さんってどんな人なの?」


提督「あー・・・潮と羽黒を足して二で割ったような性格。容姿はでかい潮って感じ」


暁「その二人、まだ会ったこと無いのよね・・・叢雲さん、どんな感じなのか説明お願いできる?」


叢雲「ネガティブ一辺倒ね。ひたすら人に謝り続けるビジョンが見えるわ」


提督「そんなことはなかったが、引っ込み思案だったなあ。よく引っ張り出して友人らと遊んだもんだ」


提督「そのうちの一人が俺より先に提督業やってんだもんなあ、連絡取ってびっくりしたわ」


暁「えっと、武蔵さんがいるって言ってた鎮守府だったっけ?」


叢雲「そうね、既に話はつけてあるらしいからあとはこっちに来るだけらしいわよ?」


提督「んー・・・そんじゃ前歴行くか。あんまり話したくはないんだけどな、面白くねえから」


暁「人の過去にあんまり面白さ求めるのもおかしいんだけどね」


提督「どの辺から話すか・・・艦娘が出始めた頃ってまだ傭兵が多くてな、海軍も何人か抱えてたらしいんだわ」


叢雲「あー、確か資料室か何かで見たわね、それ。アンタもそうだったの?」


提督「いや、野良の方だったな。たまの休みで近所の仲良かった爺さんに会いに行ったら提督になってくれって言われた感じだ」


暁「あ、もしかしてあの武器って・・・」


提督「おう、傭兵やってた頃の奴だな。つっても最初持ってたのは刀一本と拳銃一丁だったから今ここに就いて増えた感じだ」


提督「後言っとくと、妹が徴兵されたのは傭兵やり始める前の話だ。思い返すと妹の前で泣いたのはあそこが初めてだな」


暁「・・・妹さんが徴兵されて、それで吹っ切れて傭兵に?」


提督「いや、手に職つけなきゃなあって思って」


暁「・・・えぇ・・・?」


叢雲「その頃からアンタはアンタだったのね・・・」


提督「そういや、なんでいきなり俺の家族やら仕事の話になったんだ?」


暁「あー・・・雷がやたらと世話焼きじゃない?それで響が『君はお母さんか何かかい?』って言って」


提督「いろいろと意見が出そうなツッコミだな」


暁「それで、『誰がお父さん・お母さんっぽいか』で話し合いになって」


叢雲「選択肢大分狭くないかしらそれ。特に前者」


暁「で、電が『そういえば司令官さんは身の上話をほとんどしたことないのです』って言って、代表して聞きに来たわけ」


提督「話さない理由は簡単だ、聞かれなかったからな」


叢雲「本当に簡単な理由よね」


暁「そうね・・・あと夕張さんが『ミスティー・レディー艦載機で作りたい』ってぼやいてたわよ」


提督「バイドエネルギーを無害な代替燃料に変えられるのか聞いてみ?十中八九黙って計画破棄するから」


暁「残りの1は?」


提督「・・・コジマ粒子どうにかしたのを流用するって言ってくれ、それでだめなら諦めるだろ」


叢雲「どうにかできるの?それ」


提督「正直どうにもならないだろうし、どうにかなったとしてもラジコンに近くなるな。無害でもあんなもんに妖精さん乗せらんねえわ」


暁「まあ取敢えず伝えてくるわ。話してくれてありがとね」ガチャ バタン


提督「おう、頼んだわ」


叢雲「今日の分の仕事片付けて暇してたとこにいいタイミングだったわね、あの子」


提督「だな・・・結局誰が親っぽいかの話し合いは誰が候補出たんだろうな」


叢雲「鳳翔さんとか間宮さんとかじゃないの?大穴で龍田さんとか」


提督「父親は天龍あたりだろうなぁ、アイツ面倒見いいし」


叢雲「あー・・・なんか暇潰せるものってないの?」


提督「んー・・・じゃあ、明日の分の仕事するか」


叢雲「・・・そうね、この際仕事でいいわ」



式神使うのって結構便利そう



提督「あー・・・たまにはニコチン摂ろうかな、でもなー子供の前で煙草吸うのもなー」


龍驤「吸いたいんなら吸ったらええやんか、多分誰も気にせんで」


提督「お、鎮守府の子供筆頭だ」


龍驤「誰が駆逐艦や!しかも代表ですらないんかい!」


提督「でもお前、酔って自滅してから胸気にしなくなっただろ?それも個性だーとかなんとか言って」


龍驤「胸も背丈もどうでもええけど、艦種だけは守っていきたいんや、これが最後の砦なんや・・・」


提督「まあそれはそれとして、どうよ、葛城と大鳳は?」


龍驤「大鳳は中破でも飛ばせる分ビビらず進んでっとるわ。葛城はもうちょい臆病さどうにかすればええんやないかな」


龍驤「しっかし弓っちゅーのはええな、射ったらそのまま発艦やろ?式は一々巻物広げな飛ばせへんからなぁ」


提督「一応葛城も式だけどな。でもそっちの方が軽装で済むじゃんか、物持ってくなら軽い方がいいだろ?」


龍驤「せやけど、非常時に艦載機使わんで攻撃できるのはやっぱデカいわ。葛城は何も持ってっとらんかったけど」


提督「そもそも艦娘が普通の武器使うことがそうないからなあ、うちが特殊すぎるだけで」


龍驤「せやな、艦娘から9パラやらカスール弾飛ぶのは確かに普通やないわ」


龍驤「というか、マジでどっから持ってきたんやあんなん。明らかにただの拳銃に対深海棲艦処理しましたーで済む威力ちゃうでアレ」


提督「あーアレな、出来る部分は艦娘の艤装と同じ素材で作ってあるんだよ。だから艤装使うのと同じ分の強さはあるぞ」


龍驤「え、それホンマなん?道理で馴染むわけやわ・・・」


提督「ってお前主砲持ったこと無いだろーがい」ペシッ


龍驤「あーせやったわ、そりゃ失礼いたしましたー!」ケラケラ


二人「「・・・・・・」」シーン


龍驤「人いないと寂しいもんやな、こーゆーの」


提督「全くだわ、何が悲しくて誰もいない廊下でツッコミしなきゃなんねんだろ」


龍驤「まーあと言うとしたらアレやな、はよ瑞鶴迎え入れるとかやな」


提督「ん、ああ、葛城が何か言ってたのか」


龍驤「言ってたでー、一航戦がどうの戦績がこうの・・・アレや、恋する乙女の顔してたで」


提督「マジか、そうか・・・確か『ココ』の五航戦の二人と加賀は大本営にいたっけな、向こう行ったついでに引っ張ってくるわ」


龍驤「お、何やキミぃ、また鎮守府開けるんか?どうせならウチも連れてってぇな、楽できるやんか」


提督「元帥に呼ばれたんじゃどうしようもないんだよなあ・・・それに呼ばれた理由は向こうでの仕事だぞ?今から不安だわ」


提督「あと、一航戦は既にうちに三人もいるのにな。知らねえのかなアイツ」


龍驤「葛城が就いた時に赤城は余所に捕まってたし、仕方ないやろ。それにウチと鳳翔はあくまで元やで?」


提督「お前も鳳翔も全く鈍ってないくせによく言うわ・・・まぁ教師役として二人くらい連れてくつもりだから、候補にゃ入れてやるよ」


龍驤「センセー役なあ・・・あ、駄目や、赤城も鳳翔も抜かせへん。代理がおらんわ」


提督「それ言うとお前も抜けちゃダメなところなんだがな、貴重な制空要因だし何より鳳翔にこれ以上負担かけたくないし」


龍驤「それは同感やわ、負担って思わへんだろうけど。後で赤城に頼んでくるわ」


提督「おう。そんじゃ部屋に戻るかねっと」


龍驤「あ、暇なら付き合ってくれへん?この後漣んとこで集まってキャラ作成なんやけど経験者いた方が何かと都合ええんよ」


提督「あ?あー・・・そういや面子にお前入ってるんだったか。んじゃ御邪魔させてもらおうかね」


龍驤「よっしゃ!じゃあ駄弁っとらんではよ行こか」


提督「そうだな・・・そういやお前、どんなキャラ作る気だ?」


龍驤「んー・・・無難に壁でええか」


提督「無難って何だっけ・・・」



キャラ数多いと出番の調整が難しい



~鎮守府、初雪・深雪の部屋 時刻2330~



提督「・・・なあ、マジでなんで俺この部屋にいるんだ?」


初雪「長女に頼まれた。皆用事で引き留められないって」


提督「皆ってのはアレか、吹雪、叢雲、漣、電、五月雨の五人か」


提督「でも用事って何だろうな、叢雲は天龍田と女子会で五月雨は白雪と特訓ってのは知ってるが」


初雪「吹雪は漣に料理教えるって。電は深雪と一緒にどっか行ったよ」


提督「・・・ああ、深雪はこの前まで向こうにいてご無沙汰だったろうからな。それは俺にかまけてる時間ねえわ」


提督「で、隙あらば人目から隠れて寝てそうな俺を監視するために部屋に招き入れたと、そういうわけかな初雪くんや」


初雪「そゆこと。でも私だけじゃないよ」


提督「ほう、あと誰が来るんだかな・・・」


加古「やほー、あたしだよー」ガチャ


望月「カードゲームとボードゲーム適当に持ってきたよ、これで徹夜しよー」ヒョコッ


提督「徹夜か・・・まあ明日の分の仕事は惰性で終わらせたからな、それで他のやつらも出払ったんだし」


望月「うわ、それマジ?どんだけワーカホリックなのさ・・・」


提督「暇でやること無かったんだよ、別にいいだろ」


加古「やることないからって仕事はどうかと思うんだけど・・・まあ取敢えずゲームしよっか、何からする?」



~数分後(じゃんけんの結果、順番は提督→望月→加古→初雪)~



提督「またリバースかよ、お前らどんだけ記号カード溜めこんでるんだ」リバースによりパス


望月「しょーがないじゃん、手元に来ちゃったんだし。次加古さんだよ」


加古「この二人に挟まれたのが運の尽きだね。まあ手助けくらいはするよ」赤・スキップ


初雪「え、スキップ・・・?リバース出そうと思ってたのに」スキップによりパス


提督「よっし、やっと手番だ。取敢えず復讐開始」赤・ドロー2


望月「おっと、その手は見えてるよ」黄・ドロー2


加古「あたしも持ってんだよねー」黄・ドロー2


初雪「うわ、一気に来た・・・」6枚ドロー、パス


提督「因果なものよなあ」黄・6


望月「・・・司令官さぁ、さっさとケッコンカッコカリしちゃわないの?」青・6


提督「突然来たなオイ・・・んーまあ、する気はある。実は指輪も揃えてあるし」


加古「ほー、ついに決めるのかぁ。で、五人のうち誰とするのさ?」青・2


提督「そこまで固定なのか、練度的にも好感度的にもそれくらいしか渡せねえけどさ」


初雪「今、司令官が誰に指輪渡すかの賭けをやってて、倍率膨れてきてるんだよね・・・」赤・2


提督「マジか・・・ちなみに大穴誰だ?」赤・9


望月「五月雨と漣がタイ、電が同点だね」赤・7


加古「逆に一番低いのが叢雲かなぁ、中には事実婚だから指輪誰にも渡さないんじゃないかとか言われてたよ」緑・7


提督「じゃあもうそれでいいかな」


初雪「その逃げは駄目だよ・・・色指定、青」ワイルドカード


提督「あ、じゃあこれで」ワイルドドロー4


望月「あちゃー、司令官が持ってたか・・・まあ私にゃ効かないけど」ワイルドドロー4


加古「うっわ、えげつな・・・そういえば罰ゲームってどうする?」8枚ドロー、パス


初雪「ん・・・じゃあ、ビリが性癖暴露で」青・5


二人「「!?」」


提督「おーぶっ込むなあ、じゃあビリが手札五枚以上残してたら追加で全裸で鎮守府一周な」


三人「「「!!?」」」


提督「話ちょっと戻すけど、お前らってケッコンダービー(仮)はどれに賭けたんだ?」青・3


望月「あー?んー・・・司令官が渡しそうなあたりに」青・2


加古「あたしは大穴で漣にしたなあ」黄・2


初雪「もっちーと同じとこ、話し合った結果そうなった・・・」黄・スキップ


提督「・・・これはアレか、俺を落としにかかったな?」スキップによりパス


望月「全裸も性癖も嫌だからね、ちょっと本気で行かせてもらうよ・・・」黄・4


加古「流石にこれは手助けのしようもないからなあ・・・ごめん提督」青・4


初雪「ふふふふふふ・・・」青・スキップ


提督「そうか、じゃあ容赦はしねえや」スキップによりパス



~数分後~



提督「はい、あーがりっと」緑・7、三位


初雪「一番の優越感・・・」一位


加古「いやーでも、罰ゲームえげつないよなあホント・・・」二位


望月「うわあああああああああああああああああああ!!!」ビリ、手札2枚


初雪「さあ早く話したまえ」


提督「己が欲望を吐き出すがよい・・・」


加古「ノリノリだね・・・」


望月「あー・・・えっとさ、ホットパンツでもミニスカでもいいからさ、履かせるじゃん」


三人「「「うん」」」


望月「でさ、オーバーニーを履いてもらうわけよ」


三人「「「うんうん」」」


望月「・・・ソックスがちょっとだけ食い込むくらいの肉付きと絶対領域が同時に味わえてこれだけでもう結構いける」


初雪「へー、ほーう、ふーん・・・もっち―そんな感じなのかーそっかー」ニヤニヤ


望月「ああもう、くっそ恥ずかしいんだけど・・・」


加古「さ、次何やる?」


提督「麻雀でいいんじゃね?」


望月「こっちはこっちで気にも留めねえちくしょー・・・」


提督「今度は何麻雀にしようかね」


加古「敢えての着衣は?」


望月「・・・乗った、初雪負かす」


初雪「ん、いいよ、返り討ちにする」


提督「衣装はいつの間にかできてたコスプレ室にあるから、ビリは全裸で取ってきてここで着替えるってことで」


望月「・・・そんなに裸見たいわけ?」


提督「いや、深夜と言えば全裸かなって」


加古「どんな認識してんのさ・・・」



~この後朝まで無茶苦茶ゲームした~



久々の姉妹



~鎮守府、扶桑・山城の部屋 時刻0800~



ザァァァァァァァァァァ・・・・・・



扶桑「・・・・・・」ズズッ


山城「姉様、お茶菓子です。どうぞ」スッ


扶桑「ありがとう、山城。今日は何かしら?」コトッ


山城「緑茶に合うように水羊羹にしてみました」


扶桑「・・・ん、おいしい。いつも悪いわね」


山城「いえ、姉様の為ですから・・・!」


扶桑「ふふ、ありがとう・・・ところで、山城」


山城「はい、なんでしょうか、姉様?」


扶桑「いえ、ちょっとしたことなのだけれど・・・窓から外のベンチを見て頂戴」


山城「?・・・ええ、いいですけど・・・」チラッ


__________



ザァァァァァァァァァァ・・・・・・



提督「・・・・・・」(雨合羽着てベンチに座ってる)


提督「あー・・・さみぃ。早く迎えに来てくんねえかなあ」


提督「まさか忘れてるなんてことはないだろうな・・・もしそうだったとしたらどうしようか」


提督「・・・あー、さみぃ・・・」



ザァァァァァァァァァァ・・・・・・


__________



山城「」


扶桑「・・・何が見えるかしら」


山城「・・・提督がベンチに座ってますね」


扶桑「あなたにも見えるってことは私の幻覚じゃないみたいね・・・」


山城「あれ何があったんですか、どういう紆余曲折を経てああいう状態になったんですか」


扶桑「・・・迎えに行って、聞いてみましょうか」


山城「・・・そうですね、もう一人分のお茶も用意しないと・・・」



~数分後~



提督「やー、助かったわ。朝からずっとああで参ってたんだよな」


山城「馬鹿ですかあなた、馬鹿なんですか」コトッ


提督「自他共に認める馬鹿だからな俺は。茶と茶菓子ありがとう」ズッ


扶桑「それで、なんであんなところにいたんですか?」


提督「・・・あーそうだな、雨好きだから、って理由じゃ駄目か?」


扶桑「・・・後半の言葉が無ければ納得しました」


提督「そうか・・・いや、昨日徹夜でゲーム大会っぽいことやってな。最後の罰ゲームがアレだったんだよ」


山城「本当に何やってるんですか・・・体壊したらどうするつもりですか?」


提督「風邪引いても執務はこなすぜ、その後の事は全く考えてないけどな!」ハッハッハッ


山城「いや笑い事じゃないですよ!?あなたに倒れられると迷惑を被る人がいっぱいいるんですからね!?」


提督「悪かったってば、そんなにカッカせんでくれよ・・・」


山城「あんな事してたら怒りもしますよ!だいたい、提督はいつもいつも・・・」


ワーギャーワーギャー ドタバタドタバタ


扶桑「・・・ふふっ」クスクス


山城「? どうしたんですか、姉様?」ギリギリギリギリ


提督「いでででで、ギブっ、ギブギブギブギブ!四の字はマジで痛いって、ストップストップ!」バンバンバンバン


扶桑「いえ、配属初期に比べて随分丸くなった、と思って」


提督「どこが丸いんだよ・・・いててて」


山城「・・・確かに、最初の頃よりは優しく接してますよ、私。昔だったら外にいたのを見なかったふりします」


提督「ああ、それは困るな・・・」


扶桑「それが今じゃ、私以上に提督をお慕いしてて・・・ね、山城?」


山城「・・・それは訂正してください。姉様が一番であることは変わっていませんし、これからも変わりません」


提督「おー、相変わらずの姉様スキーだなお前」


山城「ちなみに提督は姉様と同じ一位の所にいます」


提督「それ聞くとホントに変わったなあと思うわ、昔じゃ嘘でも口に出来ねえような台詞だし」


扶桑「ふふっ・・・そういえば、提督。先程、雨が好きと仰っていましたが・・・」


提督「ああ、雨好きは本当だぞ。今降ってるくらいが一番だな。次点で曇りだ」


扶桑「そうなのですか・・・最下位は?」


提督「雪。量にもよるが交通網止めやがる」


山城「割と現実的な理由ですね・・・」


提督「まあ嫌いな理由としてはこれだけなんだがな。積もらないで降るだけならまだいいんだよ」


山城「そうですか・・・ところで提督、海はどうなってました?」


提督「あー・・・現時点じゃそうでもないが、こっから荒れるかもしれん。昼まで様子見、雨が止まなかったら念のため明後日になるまで出撃停止かね」


山城「なら、明日は座学に切り替えるというのはどうでしょうか?といっても、簡単なプリントをやらせるくらいですが」


提督「・・・成程、それいいな。どうせなら抜き打ちテストとかにしようぜ」


山城「いいですね、自主勉してない子がギリギリ落ちるくらいの難しさで・・・」


扶桑「・・・本当に、仲がいいわね。今ちょっと疎外感を感じてるわ」


山城「え、あぁぁ、すみません姉様!」


提督「どうせだから、扶桑も協力してくれ。放送は後で入れりゃいいし」


扶桑「・・・ええ、そうですね。ここまで聞いてしまっていますから、どちらにせよ共犯ですよ」クスクス


山城「じゃあ、どのあたりの問題を出しましょうか・・・」


提督「取敢えず絵の名前当てと救済の二択問題をいくつか入れるぞ」


扶桑「なら、先ずはそれの問題内容から・・・」



テスト結果:全員合格!


提督「ま、アレで落ちる奴はいないわな・・・」


山城「大分甘くしちゃいましたしね・・・」


扶桑「やっぱり銃の分解図を載せた方が良かったですね・・・」


~内容はご想像下さい~



ギャップ



~鎮守府食堂、甘味処「間宮」~



夕立「・・・・・・」ジー



金剛「Huu・・・今日も紅茶が美味しいネー」カチャ(砂糖2つ、ミルクあり)


赤城「今日のお茶請けはクッキーですか・・・あれ、でも金剛さんはスコーン派ですよね?」(砂糖2つ、ミルクなし)


金剛「Yes!でも好き嫌いはNoだからネ、今日はアカツキに作ってもらいましタ!」


暁「ただ、作るのは初めてだったからちょっと砂糖の量間違ってるかもしれないわ・・・」(砂糖なし、ミルクなし)


赤城「・・・ん、大丈夫ですよ。ちゃんとおいしいです」サク


暁「ありがとうございます・・・んー、お菓子作りって難しいわね」カチャ ズズッ


金剛「ンー・・・でも、アカツキは料理ができるじゃないですカー」


暁「料理できるって言っても煮込むだけとか焼くだけのが殆どなのよね、精々インスタントに一品添えられるくらいよ」


赤城「料理は気持ちですよ。それに美味しく作れるならそれに越したことはないですし」


暁「うーん・・・今度司令官に教わろうかしら、確か自炊は出来るって言ってたし」


金剛「Oh、なら私も一緒に行くネー!日本食も上手に作れるようになりたいからネー」



夕立「・・・・・・」ジー



三人「「「・・・・・・」」」


金剛「ユーダチ、さっきからずっとこっち見てるデース」


暁「なんか、特に赤城さんと私を見てるのよね・・・何かやっちゃったかしら私達」


赤城「いや、別に何かしたような記憶は・・・もしかして無意識に失礼な事をしてしまったのでしょうか?」


三人「「「うーん・・・」」」


暁「・・・よし、このままじゃもやもやしたままだしちょっと聞いてくるわ」ガタッ


金剛「Oh、チャレンジャーネ・・・」


赤城「暁ちゃん、頑張ってください」



夕立「・・・・・・」ジー


暁「・・・あの、こんにちわ」


夕立「こんにちわっぽい!」


暁「・・・えっと、同席しても?」


夕立「大丈夫っぽいー」


暁「ありがとうございます、じゃあ失礼して・・・」ポスッ


夕立「・・・・・・」ジー


暁「・・・あの、えっと・・・私何かやっちゃいました?」


夕立「・・・ぽい?」キョトン


暁「いや、ずっと見られてたし・・・てっきり知らないうちにとんでもない事してたのかなって」


夕立「あー・・・いや、その、うーん・・・なんて言えばいいのか」


暁「・・・?」


夕立「・・・暁ちゃん、なんでそんなにレディっぽいの?」


暁「えっ?」


夕立「だって、料理もできるし、お菓子も作れるし!紅茶だってストレートだし!」


暁「・・・いや、料理は手順さえ分かってれば誰でもできるし、紅茶はストレートが好きってだけで」


夕立「・・・コーヒーは?」


暁「ブラックだけど」


夕立「・・・嫌いな食べ物」


暁「特に好き嫌いは無いわね、しいて言うならあんまり甘すぎるものとかはちょっと苦手かも」


夕立「やっぱりレディっぽい!レディ力がスカウターで測定不可っぽい!」


暁「そんなオーラ力みたいなもの出てないわよ・・・そもそもレディの定義なんてすごく曖昧よ?」


夕立「・・・ぽい?」


暁「私はただ、ありのまま過ごしてるだけ。レディらしい振る舞いなんて一回も意識したこと無いし、まずそのレディが分からないもの」


夕立「少なくとも、私がよく知ってる暁ちゃんとは真逆の立ち位置っぽい」


暁「そうなのよね・・・突然変異でもしたのかしら」


夕立「赤城さんはすごい少食だし、白雪ちゃんはステゴロで戦ってるし、皐月ちゃんはスナイパーだし・・・どうなってるっぽい・・・?」


暁「・・・んー、じゃあ、一緒にお茶しない?話してれば分かるかもしれないわよ?」


夕立「! お呼ばれするっぽい!」ガタッ


暁「よし、それじゃカップもう一つ持ってくるわ。先に座ってて」


夕立「ぽいっ!」



~謎は結局解けませんでしたが、友情は深まりました~



友人提督と



~鎮守府、執務室 時刻2350~



提督「・・・・・・暇だわぁ」ボケーッ


提督「いや、だったら寝ろって話だけど、ついさっきまで紙の上で活字と戦ってたせいで頭冴えてんだよなあ」


提督「やってたゲームもついこの間トロコンしちまったしなあ、もうちょっと遊んどけばよかった」


提督「・・・独り言は虚しいな。もう諦めて無理やり横になるか・・・」ガタッ



prrrrrrrrrrrrr   prrrrrrrrrrrr



提督「・・・変なタイミングで来たな。しかし誰だよこんな真夜中に・・・もしもし、こちら第四鎮守府」ガチャ


友人提督(以下友督)『お、起きてた。よっす、久しぶりだな!』


提督「・・・現在此方の回線は使用されておりません」


友督『あ?何言っt』


ガチャン


提督「・・・よし、俺は何も聞かなかっt」prrrrrrrrrrr   prrrrrrrrr


提督「・・・チッ」ガチャ


友督『なあ、流石に酷くねーか今の』


提督「知らねえよ、こんな時間にかけてくんのが悪いだろ。俺は今から無理やり夢の中ににフライアウェイしなきゃなんねえんだよ」


友督『無理やりってことは結局寝ねーじゃねーかお前・・・まあいいわ、ちょっと聞きたいことあってな』


提督「駆逐艦を釣る方法なら期待すんなよ、うちのはあらゆる意味で特殊なのしかいないから当てにならん」


友督『違っげーよ大本営に呼び出された件だよ、お前んとこも多分なんか来てんだろ?』


提督「あー・・・あぁ、来てるな。なんか教師役やってくれって言われた。お前もそのクチか?」


友督『・・・は?』


提督「ん?」


友督『いや、こっちは臨時の定期報告としか聞いてねーんだけど・・・』


提督「え?」


友督『いやいやいや、マジでマジで。ついでに秘書艦と新米連れてきてくれとも言われたぐらいで』


提督「・・・なんで俺だけこうなんだ」


友督『知らねーよ、大方大本営の艦娘あたりがどうこうしたんだろ』


提督「あぁ、当たりだよお前コノヤロウ・・・」


友督『え、マジ?やった、なんか賞品くれ』


提督「元帥の秘書艦口説いていい権利」


友督『わりぃ、まだ三途の川渉りたくねーんだわ』


提督「お前それ愛宕に聞かれたらブチ転がされるぞ?」


友督『だってなんか殺気放ってくんだもんあの人・・・まあそれは兎も角、秘書艦だからうちは朝潮連れてくんだけど、新米はどーすっかなーって』


提督「それで俺に聞こうってか・・・あー、確かこの前武蔵が来たとか言ってたし、それでいいんじゃね?条件合致するだろ」


友督『や、それはそーなんだがな?元はそっちにいた奴だしここ来る前は大本営にいたしで連れてくのどうなんだろーなと』


提督「んなもん引っ張ってきゃいいじゃねえか、人一人持ち上げるくらいは鍛えてんだろ?」


友督『・・・お前さ、オレと自分の身長口に出してみ?』


提督「あ?あー・・・お前は確か170ギリギリ行ってなかったよな。俺は・・・分かんねえや、180は超えてないのは確かってくらいだが」


友督『・・・武蔵、オレの身長越してんだよ、ぴったり頭一つ分』


提督「・・・そういや、大和もだいぶ背ぇ高かったな。さすが超弩級戦艦」


友督『おう・・・あ、お前んとこも何人か連れてくつもりだろ?誰にすんの?』


提督「まあ順当に考えて叢雲、あと航空戦の教艦として龍驤って感じだな。それとある程度の携行武器」


友督『相変わらず用心深いな・・・いや武器バカかこれは?』


提督「・・・で、用事これだけか?」


友督『あー・・・隙見て向こうで何人か引き抜いてこようかと思ってんだけど、お前どうよ?』


提督「ん・・・二人、いや四人は先約済ませてある」


友督『手ェ早すぎだわお前・・・しかもオレ、お前に直で会って武蔵引き渡すつもりだったから結局戦力落ちるじゃねえかよー』


提督「いや、知らんし。いい訓練生でも見つけて連れてったらいいだろ」


友督『じゃあ目利きのお前が選んでくれよー、オレそのあたり苦手なんだよー』


提督「お前昔から配られたカードでどうにかして勝つの上手かったじゃん、その手法で行けよ」


友督『あー・・・まあそうすっかな。向こうにさ、夕雲型っているかな?』


提督「いるんじゃね?目ぇ付けてないからあんまり知らんけど」


友督『よっし、新人連れてこられるように頑張るかー!んじゃありがとな、またな!』ブツッ ツー ツー


提督「・・・あいつせめて俺が反応するまで切るの待てよ」ガチャン


提督「そうか、武蔵くるなら大和も・・・いや、まだうちでの訓練終わってねえからなあ。できれば訓練環境変えたくねえし」


提督「・・・諸々考えるのは起きてからでも遅くねえや。寝よ」



旅立ちの朝



~鎮守府正面、朝礼 時刻0630~



提督「えー、というわけで今日から結構な間大本営でなんやかんやすることになったから後頼んだわお前ら。以上」スタスタ


矢矧「・・・ぇ、いやいやいやいや!?ちょっと待ってください!!」


葛城「いくらなんでも雑すぎでしょ!?何よ結構な間とかなんやかんやとか!!」


陸奥「後半に行くにつれて雑になってるわね・・・いや全体的に雑だけれど」


提督「まあなんやかんやの部分は兎も角として、本当に明確な期間が良く分かってねえんだよ・・・週かもしれんし月かもしれん、最悪は年か・・・」


日向「そこまで長くならないのを祈るしかないか・・・それで、代理と付き添い・・・いや、護衛は誰にするんだ?」


提督「あぁ、代理は吹雪、望月、電、初雪でローテ、秘書艦は暁、漣、扶桑、五月雨でローテだ」


日向「・・・それ、色々と大丈夫なのか?」


提督「一応うちの事務処理力上位メンバーを上から配置した状態だぞコレ。ちなみに筆記一番速いのはもっちー」


提督「護衛っつか付き添いは叢雲と龍驤な。二名は工廠の武器庫から行動を阻害しない程度の携行武器を装備していくように」


叢雲龍驤「「了解しました」」


提督「よし。えーじゃあ、提督代理とその秘書艦に任命されたものは本日中に業務を確認し、明日から開始するように。以上、解散!」



~鎮守府工廠、武器庫内 時刻0710~



龍驤「なーキミィ、ホンマに武器持ってってええんか?」っベレッタM92FS


提督「あー、まあ一応な。別にお前らは衝動でぶっ放すような奴らじゃねえだろ」っトンプソンセンター コンテンダー


龍驤「せやけど、どっかの鎮守府ちゃうで?大本営やで?そこんとこ平気なん?」っワルサーP99


提督「あの中はまだ大丈夫なんだがな。時々、変な奴らがデモ起こしてたりしてるからそれの自衛用だ。弾はゴム弾持ってけよ」っ十四年式拳銃


龍驤「ほー・・・アレやろ、艦娘も深海棲艦と同じ存在だー即刻解体しろーっていう奴やろ?頭沸いとんちゃうかあいつら」っダガー


提督「最近はそれに加えて、女性それも子供を戦わせるなんてどうかしてるーとかなんとかいう奴らとかも出てきてるな」っS&W M36


提督「ただこっちの場合は割と正論ついてる場所があるからもう何とも言えねえ」っナックルダスター(二つ)


叢雲「あとは深海棲艦保護団体って言うのも出てきてたわね。確かに似てる子もいるけど、安易に結びつけるのはどうなのかしら」っ自前の槍マスト


龍驤「まーいつの時代も変な宗教はあるっちゅーことやな。てか装備そんなんで大丈夫なんか叢雲」っスタンガン


叢雲「いや、拳銃一丁は持ってくわよ・・・どっちかというとそっちにしたいわその質問。どんだけ武器仕込んでく気よ」っシグ・ザウエルP226


龍驤「まああるだけ便利やん?ついでに言うと刃物系も殺傷性無い模造品やし」


叢雲「スタンガンとナックルダスターは擁護できないわよ・・・あと模造品って言っても刺さるから」


提督「行動阻害しない程度っつったんだけどな、暴徒鎮圧に向かうんじゃねえんだぞ龍驤」っチャクラム


龍驤「いやさっきからイロモノ武器取りまくってるキミに言われたかないわ!どんな重武装で乗り込む気や!」


提督「行動阻害しねえからいいんだよ」っルガーP08


叢雲「単発銃に旧式銃に投げ輪って、リボルバーとナックルダスターがマシに見えるわね」


提督「これ俺の身体検査するやつ面倒だろうなぁ、どこ叩いても武器でてくんだもん」っデリンジャー


叢雲「じゃあ程々でやめときなさいよ・・・」


提督「昔取った杵柄ってやつさね。まあ取り出すつもりも毛頭ないが、向こうさんが飛び道具使ってきた場合の保険ってことで」っスペツナズ・ナイフ


龍驤「それくらいうちらがどうにかするわ、そこらの銃弾はふつーに跳ね返すで?」


提督「それされたら男が廃るってもんよ・・・っと、まあこんなもんだな」


叢雲「やっと終わったわね・・・そろそろ時間よ、行かないと」


龍驤「そういや送迎やったな、なんか無駄に豪華な車来るんとちゃうか?」


提督「こっちから向かった方が絶対早いのにな」



~鎮守府正面玄関 時刻0730~



リムジン運転手「箕志上 晶様、護衛艦叢雲様、龍驤様、ですね?こちらにどうぞ」ガチャッ



提督「うわぁ、リムジンだ・・・こっ恥ずかしいなコレ」


叢雲「ほら、アンタがフラグ建てるから・・・」


龍驤「え、ウチか?ウチが悪いんかコレ?」


提督「・・・乗るか、とりあえず」


叢雲「・・・そうね」


龍驤「・・・せやな」



~リムジン車内、現在移動中・・・~



龍驤「ほー、中こんなんなっとか・・・あ、シャンパンあるで!」


提督「俺炭酸飲めないの知ってて言ってるだろお前・・・」


叢雲「結構広いわねー・・・音楽かけられるしテレビついてるのね、車なのに」


提督「最近の車はカーナビでテレビ見られるけどな、それより画面デカいなーこれ」


龍驤「そりゃ画面デカいやろ・・・そういやこれいつ着くんやろ」


提督「距離が距離だからなぁ、渋滞に捕まらなきゃ夕方手前には着くんじゃないか?」


叢雲「運転手さんも大変ね・・・ていうか龍驤、アンタこれ飲むの?」


龍驤「いや、流石に飲まへんよ、金かかったら嫌やし」


提督「・・・・・・あ」


二人「「ん?」」


提督「・・・夕立」


二人「「・・・・・・あっ」」


龍驤「ちょっ、どないすんのや!あんまり馴染み過ぎて置いてってしもたやんけ!」


叢雲「今から引き返してもらうわけにもいかないし・・・」


提督「・・・あーすみません、運転手さん」


運転手「はい、どうしました?」


提督「一番近いパーキングでいいので止まってもらえます?人置いてきちゃったんで」


運転手「え、いやしかし、急がないといけないのでは?」


提督「ああ大丈夫です、この距離なら何とかなると思うので」


運転手「は、はぁ・・・分かりました」


提督「・・・さて」ピッピッピッ  prrrrrrrr



~鎮守府、執務室~



吹雪「えー、それじゃあ・・・」


prrrrrrrrrr   prrrrrrrrrr


吹雪「ん、誰だろ・・・はい、こちら第四鎮守府、司令官代理の吹雪です」


提督『よう吹雪、ちょっと頼みがあるんだが』


吹雪「あ、司令官!どうしたんですか?まだ移動中だと思うのですが・・・」


提督『いやー、致命的なことにな、夕立置いてきちまった』


吹雪「・・・え?はぁ!?」ガタッ


提督『あいつ妙に馴染んでてふっつーに忘れてたわ、歳とるって嫌だねえ』


吹雪「いやいや、そんな悠長な事言ってる場合ですか!?どうするんですか!!」


提督『ああうん、だからさ、金剛あたりにアレ付けて送ってもらえるとうれしいんだけど』


吹雪「アレ?あれって一体・・・あ、もしかして」


提督『そうそう、それそれ。使い捨てからランクアップしたから燃料が辛いけどまあなんとかなるっしょ。今いる場所は・・・』



~そこから数分後、某パーキングエリア~



提督「・・・・・・」


・・・・・・クー


提督「・・・来たかな」



金剛「・・・・・・エエエエトクうううううううううう!!」ズシャァァァァァ


提督「よう、目が回るほどの超高速運送はどうだった?」


金剛「念のためにゴーグル付けててよかったネー、これが無いといろいろ失くしてたデース・・・」E:VOB


夕立「ぽい゛ぃ゛・・・」グッタリ


提督「まあダウンするわな・・・んじゃ荷物預かるわ」


金剛「Umm・・・テートク、命張ったんだから私にもご褒美が欲しいデース!」


提督「んー?あーじゃあ、なんか好きなの一つ、お前が決めていいぞ」


金剛「・・・Really?」


提督「いえすいえす」


金剛「・・・じゃ、じゃあ一緒にオフロで!!」カァァ  キュイイイン・・・


提督「・・・んん?」


金剛「約束だからねーテートクゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・」バシュゥゥゥゥゥ・・・


提督「あ、飛んでっちった・・・なんかとんでもないことになった気がするなあこれ。一瞬素に戻ってたしあいつ」


提督「・・・取敢えず」チラッ


夕立「ぅぅ・・・おなかがぐるぐるしてるっぽい゙ぃ゙ぃ・・・」グッタリ


提督「・・・回復待ちかー」



~十数分後に夕立は復活し、無事大本営に着くことが出来ました~


後書き

このSSが面白くなくっても!ゲームの事を嫌いにならないでください!(カーンカーンカーン
割と結構な数の艦娘書くことになるから飽和とか出番の偏り出ないようにしないとなあ・・・
各章の長さに関しては気にしないでください、手ぇ加えると増減が激しいんです

見返して気になった部分とかは書き換えたりしてます、ご了承ください

批判やらなんやらがあれば遠慮なくどうぞ

続編↓


このSSへの評価

16件評価されています


おぷくさんから
2016-04-25 08:59:01

SS好きの名無しさんから
2016-04-03 19:49:04

SS好きの名無しさんから
2016-03-01 12:32:58

F4TB0Yさんから
2016-02-28 01:57:40

SS好きの名無しさんから
2016-02-27 21:30:45

matuさんから
2016-02-04 15:52:00

SS好きの名無しさんから
2016-01-06 06:08:49

SS好きの名無しさんから
2015-12-29 11:18:03

ニコチンさんから
2015-12-23 12:39:35

ラインさんから
2015-12-22 20:02:55

SS好きの名無しさんから
2015-12-19 13:26:42

ポテ神さんから
2015-12-14 13:43:09

SS好きの名無しさんから
2015-11-12 16:32:07

yamame_2K22さんから
2015-08-11 21:57:45

SS好きの名無しさんから
2015-08-05 23:08:54

SS好きの名無しさんから
2015-08-05 02:47:25

このSSへの応援

14件応援されています


SS好きの名無しさんから
2016-04-11 20:55:54

SS好きの名無しさんから
2016-04-03 19:49:08

SS好きの名無しさんから
2016-03-01 12:32:52

F4TB0Yさんから
2016-02-28 01:57:42

SS好きの名無しさんから
2016-02-27 21:30:42

matuさんから
2016-02-04 15:52:00

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2016-01-23 00:24:13

SS好きの名無しさんから
2016-01-06 06:08:51

SS好きの名無しさんから
2015-12-29 11:18:05

ラインさんから
2015-12-22 20:02:59

ポテ神さんから
2015-12-14 13:43:15

yamame_2K22さんから
2015-08-11 21:57:48

SS好きの名無しさんから
2015-08-05 23:08:47

SS好きの名無しさんから
2015-08-05 02:47:27

このSSへのコメント

22件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2015-08-05 23:08:39 ID: mvNcTp0D

大丈夫です面白いです嫌いになりません安心してください。(^_^)ノ
青葉出して~(゚∀゚ゞ)

2: SS好きの名無しさん 2015-08-08 13:03:52 ID: 26JnHbIj

青葉出してくれてありがとうございます。<(_ _)>

3: SS好きの名無しさん 2015-12-19 13:26:18 ID: Qg0CKMZv

溜め書きなのかな?

4: そぬよみの 2015-12-21 03:40:10 ID: DgLQ02-a

>>3さん
溜め書きというのもありますがそもそも遅筆気味というところも・・・
あれ、じゃあなんで俺ssなんて書き始めたんだ(困惑)
できれば、気長に待って下さると幸いです

5: SS好きの名無しさん 2015-12-21 22:12:00 ID: 67M3SwfO

乙です。楽しいので、頑張って続けて下さいまし。

6: そぬよみの 2015-12-22 02:33:41 ID: hNXxrUaS

>>5さん
有難うございます!精一杯頑張らせていただきます!

7: SS好きの名無しさん 2016-01-30 01:25:48 ID: bihqFwI6

できれば村雨を出してほしいです。

8: そぬよみの 2016-02-04 00:34:23 ID: olbdSNMW

>>7
村雨了解しました!

9: matu 2016-02-04 15:53:08 ID: 1JW0_e28

出てきていないならゆうしぐで

いきなりリクエストすいません

更新ガンバッテクダサイ

10: そぬよみの 2016-02-06 22:41:02 ID: ObZni0aI

matuさん
ありがとうございます!時雨は出ているので後は夕立ですね。
無論二人を絡ませますよ!

11: matu 2016-02-27 20:05:56 ID: POApma0e

黒提・・・L96とWA2000もって〇ろす

12: SS好きの名無しさん 2016-02-27 23:23:53 ID: YPNTZG40

体験←大剣ですか?

13: F4TB0Y 2016-02-28 01:59:32 ID: qPEn52wC

すごく面白いです!
元ネタがわかる武器と分からない武器が
(; ・`д・´)

R-TYPEの艦載機まだかなぁ?(チラッチラッ

艦娘のリクエストさせて頂きます!
川内お願いします!

14: SS好きの名無しさん 2016-02-28 07:24:39 ID: heZItCBm

お、更新きた。楽しみだ

15: そぬよみの 2016-03-01 02:51:33 ID: o8HsHBDP

matuさん
こういうのは生かさず殺さずじわじわするのが楽しいんやで(にっこり
黒督の所業はいろいろ考えてはいたのですが、それだけで自分自身が
軽く吐き気催すようなものだったので諸々割愛状態になってしまいました。
出来れば脳内補完ということで一つお願いしたいです。

>>12
うわあああああああああやっちまったあああああああああああああ!!
そうです大剣です、盛大に誤字ったまま気づかず更新してしまいましたorz
今後こういった誤字や脱字箇所等も大量に出てくるかとも思いますが、
どうか温かい目で見守っていて下さると幸いです・・・。

F4TB0Yさん
ありがとうございます!
武器のチョイスは自分が面白いと思った物からテキトーに選んでるので
割とマイナーな物から出てきたりもします。
R-TYPE艦載機、そういうのもあるのか・・・!
川内了解しました!

>>14さん
ありがとうございます!
更新を待って下さっていたことが何よりありがたいです・・・!

16: SS好きの名無しさん 2016-03-03 19:35:20 ID: zdDH0xv3

おっと、この更新を待っていた!(某駆逐艦)

村雨の登場に歓喜の私
あと可能なら三日月にももっと活躍の場を・・・(血涙)

17: そぬよみの 2016-03-03 22:24:48 ID: v31wABrj

>>16
ありがとうございます!
実は大本営からの監査艦は誰を出すか決めあぐねていたので、村雨の
リクエストを貰った時にこれだ!と思い、そのまま書き上げました。
三日月了解しました!
そういや演習班龍田組の面子はあれから出せてないなあ・・・
埋め合わせとして何か書かないと(使命感

18: SS好きの名無しさん 2016-03-04 08:45:21 ID: vU_10_lp

提督の過去はやりますか?


19: そぬよみの 2016-03-04 19:41:46 ID: M_ejY1do

>>18
一応構想はあるので、どこかで捻じ込もうとは思っております

20: おつえもん@不定期更新 2016-03-05 19:01:04 ID: OzQNMKzh

グロッグ.....?

グロックじゃないでしょうか(震え声)
自分も俄だから違うかもですが(;・∀・)

21: そぬよみの 2016-03-07 01:43:36 ID: _BQkKGCA

おつえもんさん
グロックですね(震え声
またも盛大に間違えてますね、ご指摘ありがとうございますorz
ちなみにグロッグを調べてみたところ、ラム酒を水で割った飲み物の名前で、
名前の由来は水割りラムを考えた提督のあだ名だそうです。

22: そぬよみの 2016-04-10 02:05:14 ID: HDZmATMZ

すみません、エラーで終わり頃の部分が消えてしまいました・・・orz
書き溜めメモも削除してしまったため、このあたりからの内容が
がらりと変わります、ごめんなさい・・・


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1: matu 2016-03-01 14:07:28 ID: e8X5NgHQ

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