2016-05-12 22:17:49 更新

概要

いろは「家族旅行?」の続編3つ目をこりずに書くことにしました!


前書き






いろは「家族旅行?」


第1章的なものです。こちらから先に読まないとわけわからない作品です。続編小ネタ集も2つあります。







ーとある居酒屋ー



八幡「結婚記念日?」


葉山「ああ。そろそろだろ。いろはと結婚した日」


八幡「ああー………………そういえばこれぐらいの時期だったような…」


葉山「完全に忘れてるな…」


八幡「いやだって結婚した日なんて。祝った事ねえぞ」


葉山「まったく祝ったことないのか?」


八幡「あ、いや…結婚1年目か2年目ぐらいはそんなこともやってたような…よく覚えてねえけど」


葉山「八幡…」


八幡「そ、そんな大切なものなのか?いちいち結婚した日を祝ってなんの意味があるんだ」


葉山「雪乃と同じこと言ってるな…」


八幡「あー言いそうだなあいつ」


葉山「まあ、雪乃は置いといて」


八幡「(置いとくのか)」


葉山「結婚記念日も誕生日みたいなものさ。毎年やってるとこも多いと思うぞ」


八幡「毎年はすげえな」


材木座「俺のところは毎年祝っておるぞ」ドヤァ


八幡「でも40にもなって今さら結婚した日祝うとかそんな恥ずかしいこと俺にはできねえよ」


材木座「お、俺のところは毎年…」


葉山「今だからこそだよ。結婚して少なくとも19年…まあ20年近くはたっただろ?お互いここまで支え合ってこれたことを祝ったらいいじゃないか」


材木座「あ、あの…」


八幡「めんどくせえ…そういう隼人はやったのか?」


材木座「我も話にいれてぇええええええええええええええええええ!!!!!!」


八幡「おお、なんだお前いたのか」


材木座「ずっといたよ!最初からいたよ!」


葉山「あはは…ごめんごめん。義輝」


八幡「全然気づかなかったわ。一人称違ってたし」


材木座「こ、この歳で我っていうのはどうかと思い、直そうとしているのだ」


八幡「それもう材木座じゃねえじゃん」


材木座「一人称変えただけで!?」


葉山「まあまあ八幡もそのへんで。それで義輝。さっきの話だけど毎年してるのか?」


材木座「うむ!我が妻がどれだけ忙しい日でも結婚記念日だけは必ず祝おうと言うのだ」


八幡「あーあいつなら言いそうだな」


葉山「結衣はそういうタイプだね。絶対」


材木座「われ…俺も記念日というのにそこまで意識はなかったが案外いいものだぞ。なによりお互いの気持ちを再確認できる」


八幡「ふむ…」


戸塚「お、遅れてごめーん!」


八幡「気にするな戸塚ァ!!」ガタ


葉山「反応早いな…」


戸塚「この前会ったぶりだね八幡!」


八幡「おう!」


戸塚「隼人くんと義輝くんも久しぶり!」


葉山「ああ。久しぶり!」


材木座「うむ!」


葉山「またこっちで暮らすと聞いたんだが」


戸塚「うん。仕事の関係でね」


葉山「そうか。それは嬉しいことだな。またこうやって集まれたし」


戸塚「僕も嬉しいよ!」キラキラ


八幡「ああ…俺も含めおっさん共ばかりで汚い絵だったが、天使が舞い降りたな」


材木座「美しさがまったく衰えてない…。不老不死か」


八幡「そう言われても仕方ねえな…あれは」


葉山「これだけ高校時代の男子仲間が集まれたし。翔も来れたらよかったんだけどね」


八幡「ああー戸部か。あいつ生きてんの?」


葉山「勝手に殺すなよ…」


戸塚「翔くんは他県にいるし。難しいかもねやっぱり」


葉山「あいつともまた飲みたいな。なあ、八幡」


八幡「いや俺は別に…」


葉山「なんだかんだ4コマで仲が良かったじゃないか2人は」


八幡「どこがだよ。なんだよ4コマって」


戸塚「それでなんの話してたの?」


八幡「ん?ああ…ええっと。材木座いらなくね?帰らそうぜって話だったかな」


材木座「うぇ!?」


葉山「結婚記念日の話をしてたんだ」


戸塚「結婚記念日?」


材木座「ねえ?八幡。われ…俺いらない子?いらない子なの?」グイグイ


八幡「やめろ近づくな。冗談だから。マジやめろ。今の歳だと本気でうぜえ。昔もうざかったが」


材木座「冗談か!ならよかった!」


葉山・戸塚「(よくないと思うけど…)」


戸塚「そ、それでなんで結婚記念日?」


葉山「ああ…そろそろ八幡といろはが結婚した日なんだ。でも今までそういう日は祝ったことないらしくてな。だから今年はちゃんとお祝いしたらどうかって話になったんだ」


戸塚「なるほど」


八幡「戸塚は祝ったりしてるか?」


戸塚「んーそうだね。毎年はできてないけど。できる限り結婚記念日の日は時間を作ることにしてるよ」


八幡「戸塚もか…」


葉山「俺も今年はしようと思ってるんだ」


八幡「んー……結婚…記念日か…」


葉山「なあ八幡。最近、いろはと、妻と2人でいられる時間あったか?」


八幡「……ないな。それぞれ仕事やら家事があるし。子供たちもいるしな。祝い事も子供たちの誕生日ぐらいだ」


葉山「まあ結婚してもう長いし、今までやってこなかったからお互いそれが日常になってるんだろうけど。…たまには2人っきりで、ゆっくり話してみるのもいいんじゃないか?」


八幡「………そう…かもな。やってみるか」


戸塚「僕もそれがいいと思うよ!」


葉山「決まりだな。……あ、というかせっかく彩加もきたのに全然料理注文してなかったな」


戸塚「あ、忘れてたよ」


八幡「乾杯しないとな」


材木座「宴だぁああああっ!!!!」


八幡「まだ帰ってなかったのかお前」


材木座「( ゚д゚)!?」








かんぱーい!!



八幡「記念日って……何すればいいんだ?」


葉山「そうだな。家でケーキ買って祝う所もあるし、旅行やちょっと豪華な外食に行ったりもあるだろうな」


八幡「旅行は前に行ったばっかだしなあ…子供たちいたが」


戸塚「後はプレゼントあげるといいと思うよ!」


八幡「ふむ… プレゼントか…」


葉山「この際サプライズもおもしろいかもな」


八幡「んなこと俺にできるかねえ…」


葉山「まあとにかく簡単でいいと思うよ。妻を喜ばすことさえできればね」


八幡「ああ…そうだな。とりあえず記念日まで日にちもまだあるし。いろいろ考えてみるよ」


葉山「やる気じゃないか」ニヤニヤ


八幡「う、うっせ。俺も……あいつにはいつもいつも本当に感謝してるしな…///」


材木座「惚気か。デレ幡」


戸塚「ラブラブだね〜」


葉山「奥さん想いだな」


八幡「くっ…///ほ、ほら肉!肉食うぞ!」


葉山「あははっ…そうだな。食うか」


戸塚「うん。今日はめいいっぱい楽しもう!」


八幡「なんてたって材木座の奢りだしな。今日は」


材木座「えっ?」





………


……






ー比企谷家ー





おとは「あれ?」


いろは「どうしたの?おとは」


おとは「雨降ってるよ」


いろは「あら本当ね。天気予報はずれたわね」


おとは「パパ、傘持ってったっけ?」


いろは「あー家にパパの傘あるわね…てことは持って行ってないわね…」


おとは「けっこう雨強いし、やみそうにないね…」


いろは「んー…おとは傘持ってパパ迎えに行ってあげてくれない?」


おとは「ええ〜!タクシーでは帰らないの?」


いろは「けっこう近場で飲んでるらしくて。たぶん雨降っててもタクシー使わず濡れてでも帰ってきそうなのよ…」


おとは「うう…この後、見たいテレビがあるんだよね……お姉ちゃーん!」


さとは「(= ̄ ρ ̄=) ..zzZZぐごー!ぐがー!」


おとは「わかりやす!?」


いろは「はあ…」


おとは「お姉ちゃ〜ん。絶対起きてるでしょ〜、そして聞いてたでしょ〜」グイグイ


さとは「い、痛い痛い。引っ張らないで」


いろは「さとは。お願いできない?」


さとは「なんで私が…。お父さんなら大丈夫だよ。なんかこう…いい感じに雨避けるよ」


いろは「いやお父さんそんな少年ジャンプに出てきそうなキャラじゃないから。普通の人間だから」


おとは「お姉ちゃん!パパのために!ね?お願い!>_<」


いろは「お父さんのためにお願い!きっとお父さん喜ぶわよ!」


おとは「そうだよ!喜ぶよ!」


さとは「わ……わかったよ…。しょうがないけど行くよ。しょうがないけど。喜ばれなくてもいいけど別に。こ、ここで断ってお父さんに風邪引かれても困るし、私のせいにされても困るし」プイ


おとは「(ちょろい!)」


いろは「(ちょろいわね)」


いろは「本当?ありがとう!さとは!」


さとは「はいはい」


いろは「えっと場所はね…」









さとは「よし行くか……傘、傘っと…」


さとは「傘………」


さとは「……」














店員「ありがとございやしたー!」



葉山「ふぅ…少し食べ過ぎたな」


材木座「われ…俺も満腹である」


八幡「お前は食いすぎだ。少しは控えろよ」


材木座「そんなことをしては痩せてしまうではないか」


八幡「痩せろって意味で言ったんだが…」


戸塚「あれ?」


八幡「ん?どした?」


戸塚「雨降ってるよ」


八幡「え、マジかよ」


葉山「あーけっこう土砂降りだな」


戸塚「みんなどうやって帰るの?」


葉山「俺はその辺でタクシー呼んで帰るよ」


材木座「うむ。おれ…我もそうしよう」


八幡「おい反対になってんぞ」


材木座「むぅ…正直もうめんどくさい…」


八幡「諦めはえーな」


八幡「戸塚はどうするんだ?」


戸塚「僕は折り畳み傘あるから、このまま駅に行くよ」


八幡「マジかよぬかりねえーな。さすが天使」


戸塚「天使は関係ないと思うけど…天使でもないし…。八幡はどうするの?」


八幡「俺は…ここから家近いしタクシー使うのもなあ…走って帰るよ」


戸塚「え!?ダメだよ風邪ひいちゃうよ!傘入れてあげようか?近いなら送ってくよ!」


八幡「いやそれはさすがに悪いだろ。駅は逆方向だし…」


戸塚「だ、だけど…」


八幡「(あれ?待てよ?ここで送ってもらえば戸塚と相合傘ができるのか!?いやいや待て待て八幡よ。歳を考えろ歳を…お互い40歳だ…興奮なんかしてたら完璧にやばい奴だろ。だがしかし、相手は戸塚だ。永遠の天使戸塚だ。これはもういくしか…)」




さとは「お父さん。なにニヤニヤしてるの。気持ち悪いよ」



八幡「うぉ!?びっくりしたあ…」


葉山「君は確か…さとはちゃん?」


さとは「こんばんは(葉山くんのお父さんだ。相変わらずイケメンだ)」


材木座「おお!八幡の長女ちゃんか!」


さとは「(えっと…誰だっけ?)」


八幡「おい、やめろその呼び方。ちゃん付けやめろ。てか娘の視界から今すぐ消えろ」


材木座「酷すぎない!?」


戸塚「八幡を迎えに来てくれたの?」


さとは「は、はい(え?もしかして噂の戸塚さん?美人すぎて怖いんだけど)」


戸塚「そっかそれじゃあ僕は必要ないね」


八幡「えっ、いや俺は戸塚と…」


葉山「わざわざ迎えに来てくれるなんてすごくいい娘じゃないか」


八幡「え、あ、ああ。そうだな。いやでも俺は戸塚と…」


葉山「それじゃあ俺たちはとっとと退散しようか」


材木座「また会える日を楽しみにしておるぞ八幡!」


戸塚「またね!八幡!」



八幡「えー…」



さとは「お父さんの友達ってなんだかすごいね。………どうかしたの?」


八幡「儚い夢が今、散った(戸塚と相合傘…)」


さとは「それはよかったね。それより早く帰ろ」


八幡「よくねえーよ…本当に迎えにきてくれたのか」


さとは「お母さんとおとはが行けってうるさいから」


八幡「そうか…ありがとな。来てくれて」


さとは「べ、別に…これぐらいいいよ…。はい。傘」


八幡「おう。ありがと」


さとは「……」


八幡「ん?……そういやお前。傘は」


さとは「今渡したじゃん」


八幡「いやこれは俺の傘だろ。お前の傘だよ。お前の。手ぶらにしか見えないんだが」


さとは「…………わ、忘れた」プイ


八幡「は?どうやったら忘れるんだよ…なにしにきたんだお前」


さとは「い、いいでしょ。そんなこと。とにかく忘れたから…その、傘入れて」


八幡「いいのか?父さんと相合傘になるぞ?嫌がりそうな年頃だと思うが」


さとは「大丈夫。息止めてるから」


八幡「ねえそれパパが臭いってこと?ねえ?パパ泣くよ?雨よりすごいの目から出るよ?」


さとは「冗談だよ。泣かれたら本当にキモいからやめて」


八幡「最近当たりがキツすぎやしませんかね…」


さとは「……///」ギュ


八幡「っとと…」


さとは「早く帰ろ…眠たい」


八幡「そんなくっつかなくても良くないか?」


さとは「ぬ、濡れちゃうじゃん」


八幡「けっこう余裕あると思うが…まあいいか」


八幡「んじゃ帰るか」


さとは「うん」



八幡「…」テクテク


さとは「…///」テクテク



八幡「お前なんか顔赤くないか?」


さとは「き、気のせい」


八幡「そうか?………あ、さとは。場所変われ」


さとは「え?なんで」


八幡「こっからそっち車道だから。危ないだろ」


さとは「いや子供じゃないんだし…」


八幡「雨の日の車道側を甘く見るな」


さとは「ああ…そっち…。いやいや今時ないでしょ漫画じゃあるまいし」


八幡「いいから変われ。それでお前に風邪でも引かれたら心配で仕事が手につかん」


さとは「………いつも捻くれてるくせにそういう所でお母さん堕としたんだね」


八幡「堕としたとか言うな。普通だろこのぐらい。ちなみに母さんは最初から俺を車道側に追いやり「よろしくお願いします♫」と完全に盾扱いされた」


さとは「さすがだね…」









ザァーザァーザァーザァー




八幡「てか降りすぎだろ」


さとは「風も強いね」ギュ


八幡「おい、あまりくっつかれると歩きにくいんだが」


さとは「臭いから喋らないで」


八幡「頼むからその唐突な貶しやめてくんない?てか俺そんな臭いの?喋ることすら許されないの?」



ブワッ!!



八幡「おっととと…」


八幡「風やべーな本当に。傘もってかれそうになったぞ。すまん、さとは。濡れなかったか?」


さとは「平気。それよりお父さんが濡れちゃってるよ」


八幡「あーまあこんぐらいいいだろ」


さとは「はい、ハンカチ」


八幡「おお、よく持ってきてたな」


さとは「雨だし少しは濡れるかもと思って念のため持ってきておいただけだよ」


八幡「お前も案外気が利くじゃないか」


さとは「なに言ってるの私はいつでも超気が利くよ。気が利きすぎてクラスで空気になれるレベル」


八幡「そんなことしてなけりゃもっとモテるんだろうけどな…お前は」


さとは「私なんかがモテたら全世界の女の子はモッテモテだよ」


八幡「お前それ絶対女子の前で言うなよ…」


さとは「お父さんとか結局、学生時代モテモテだったんでしょ。人に好かれるくせにぼっち名乗るとかぼっちの風上にも置けないね」


八幡「言いたい放題だなお前。てかお前も誰かしらに好かれてるだろ。そして誰よりも俺はお前を1番愛してる」


さとは「なんですかそれ口説いてるんですか急にそんなこと言われるとなんだか心臓がドキドキして気持ち悪いので無理ですごめんなさい」


八幡「娘を口説いてどうすんだ…。母さんの真似はやめろ」


さとは「一度言ってみたかったんだよねこれ」










八幡「さとは」


さとは「なに?」


八幡「学校はどうだ?」


さとは「なにその父親気取りの質問」


八幡「父親なんですが!」


さとは「えっ?」


八幡「おい、傘から放り出すぞ」


さとは「冗談だってば」


八幡「お前の冗談さっきから心臓に悪すぎだぞ」



八幡「んで、どうなんだ」


さとは「普通」


八幡「またそれかよ」


さとは「だって普通だし」


八幡「ま、なんにもないならそれはそれでいいけどな」


さとは「普通が一番だよ。ラノベ主人公もよく言ってる」


八幡「あいつらは普通普通詐欺だから」


さとは「心配しなくても…大丈夫だよ。お父さん」


八幡「……そうか。なあ、さとは」


さとは「なに?」


八幡「いつでも頼ってく




車「ブオーーン!!」


バシャァアッ!!!!!




八幡「………」ボタボタ


さとは「………」


八幡「いつでも頼ってくれよ」ボタボタ


さとは「…………」



さとは「……ハンカチいる?」




………


……






いろは「…おかえりなさい」


八幡「…ただいま」ビッシャビシャ


いろは「はぁ…なんでさとはを迎えに行かせたのに全力で濡れて帰ってくるんですか…」


八幡「す、すまん」


おとは「お姉ちゃんなにがあったの?」


さとは「……い、いろいろあった」


いろは「とにかくそのままじゃ風邪引きますよ。早くお風呂入ってください」


八幡「そうだな…ックション!」


さとは「お父さん、大丈夫?」


八幡「ん?別にお前のせいじゃねえよ気にすんな」


さとは「うん…」


おとは「パパ!なんだか水も滴るいい男だね!カッコイイ!!」


八幡「お、マジか?パパかっこいい?イケメン?どうだいろは!俺かっこいいらしいぞ!」


いろは「どうでもいいですし気持ち悪いので風邪引かないうちに黙ってとっととお風呂に入ってください。あとそれ以上床を濡らしたら本気で怒りますよ」ギロッ


八幡「…………ご、ごめんなさい」


おとは「ママって時々マジで怖いよね」


さとは「この家で1番怒らせちゃいけないからね…」




八幡「ハッックション!!!」




さとは「(お父さん…大丈夫かな…)」





ー次の日ー



八幡「どうだ…?」


いろは「……」


八幡「……」


いろは「38.6度。風邪ですね」


八幡「はあ…」


いろは「まあどう考えても昨日びしょ濡れになったせいですねこれは」


八幡「くそ…まさかあの程度で風邪ひくとは…」


いろは「もう若くないんですから。あなたも」


八幡「歳はとりたくねえなあ。てかそんなことより…」


いろは「でもよかったじゃないですか」



いろは「今日が土曜日で」



八幡「それが大問題だわ」



いろは「仕事休まなくてすんだじゃないですか」


八幡「貴重な休日を風邪なんかに邪魔されるほど屈辱的なことはないぞ」


いろは「うーん、そういうもんですかね〜」


八幡「…やっぱ病院行った方がいいか?」


いろは「当たり前です。ちゃんと診てもらってお薬もらいましょう。私もついていきますから」


八幡「くそう…俺の休みが…」


いろは「準備してきますね」


八幡「ああ…」








おとは「あ、ママ!パパ大丈夫なの?」


いろは「ちょっと熱があるけど大丈夫よ」


さとは「本当に大丈夫?」


いろは「大丈夫大丈夫。これから病院行く準備するから」


さとは「そう…」


いろは「2人とも今日休みなんだし遊びに行ってきてもいいわよ?」


おとは「えー、パパが心配だよ!今日は家にいる!なんか手伝えることあったら言って!」


さとは「私は…別に…どちらにしろ外に出る予定なんかないから…手伝うことあったら手伝うよたぶん」


いろは「あなたたち…うふふ…ありがとね!」








いろは「ただいま〜」


八幡「んじゃ俺、部屋いるわ…」


いろは「はい」


おとは「おかえり〜」


さとは「おかえり」


いろは「ただいま。あの…2人にお願いしたいことがあるの…」


おとは「え、なになに?」


いろは「こんな時にあれなのだけれど少し用事を思い出してね…出なきゃいけないの」


おとは「そうなの?」


いろは「うん。なるべく早く帰るようにするから…2人とも少しの間パパを頼めない?」


おとは「お安い御用だよ!」


さとは「わかった」


いろは「ありがとう!まあ薬飲んであとは寝るだけだと思うから手間はかからないと思うけど。よろしくね。八郎はついでに連れてくから安心して。じゃ、行ってくるわ」


おとは「いってらっしゃーい!」








おとは「失礼しまーす(小声)」


八幡「ん?ああ、おとはか。どうした」


おとは「ごめん寝てたかな」


八幡「いや起きてたぞ」


おとは「熱大丈夫?」


八幡「ああ平気平気。こんぐらい余裕…っとと」クラ


おとは「お、起き上がらなくていいよ!パパは寝てて!」


八幡「す、すまん…。そうだ。いろはから聞いたよ。看病してくれるんだってな。べつに俺なんかほっといて遊びに行ってくれてもよかったのに」


おとは「そんなこと言わないでよパパ。私たち本当に心配してるんだから。特にお姉ちゃんは」


八幡「…そうか。さとははどうした?」


おとは「1階で本読んでるよ」


八幡「そうか。看病は嬉しいがお前もテレビでも見てていいぞ。俺も今から寝ようと思ってるしな」


おとは「うん、わかった。時々見に来るからね!何かあればすぐ言ってね」


八幡「ああ。そん時は頼らせてもらうよ。……おとは」


おとは「なに?」


八幡「こんな優しい子に育ってくれてパパすげえ嬉しいよ。パパは幸せものだな」


おとは「な、なに急に…///」


八幡「ありがとな」


おとは「ま、まあパパの愛する娘はいつだって愛するパパの味方だから!あっ!今の


八幡「ポイント高いな。愛してるよ、おとは」ニコ


おとは「はうぅ…///」


八幡「顔赤いぞ…?」


おとは「な、なんでもない!それじゃ私もどるから」


八幡「お、おう」



ドア バタンッ!



八幡「……?……まあいいや、寝るか…」











八幡「…..zzZZ」


八幡「んあ……ふわぁ……んんー」ノビノビー


八幡「よっこらせ…ふぅ……まだちょっとだるいな…」


さとは「……」ペラ


八幡「…」


さとは「…」


八幡「うおっ!いたのかお前!?」


さとは「そんな大声だしたら身体に悪いよ」


八幡「まさかずっといたのか…?」


さとは「…まあ」


八幡「そうか。なんかすまんな」


さとは「……私こそ…ごめんなさい」


八幡「は?なにが」


さとは「私が昨日、自分の傘をわざと忘れ……自分の傘を忘れてなかったら、普通に2人で傘さして帰れたし。あんなことにならなかったかもしれないし…」


八幡「なあ、今わざと忘れたって言わなかった?」


さとは「言ってない」ギロ


八幡「そ、そうですか」


さとは「だからとにかく…ごめんなさい」


八幡「昨日も言ったろ。気にすることねえよ別に」


さとは「でも…」



ドア ガチャ



おとは「入るよー。あ、お姉ちゃんやっぱりずっとここにいたんだ!パパも起きたんだね!お姉ちゃんパパが寝てる時に変なことしてないー?」


八幡「え、変なことしたのか?」サッ


さとは「す、するわけないでひょ」


八幡「なんで噛むんだよ…」


おとは「様子見に来たけど、お姉ちゃんいるならいっか。パパお腹すいたでしょ!おかゆ作ってあげるね!」



ドア バタンッ



八幡「元気だなーあいつは。騒がしい通り越してこっちまで元気になってしまうわ」


さとは「おとはは天使だからね」


八幡「お前は相変わらずシスコンだな。でも世界で1番可愛い妹は小町だからな」


さとは「お父さんのシスコンぶりには負けるよ…」


八幡「んでさっきの話だが…まあ、気にすんな。むしろ今、娘たちに看病されて幸せで仕方ないからな」


さとは「うん…わかった。なら看病がんばるよ」


八幡「なんだ素直だな。父さんのために頑張ってくれるのか?」


さとは「たまには…ね」


八幡「そうか。ありがとう。さとは」ニコ


さとは「…///」


八幡「さとはもやっぱり優しい子だな。いい嫁さんになれるわ。嫁には絶対出さんが。俺がガキの頃なら惚れてたね」


さとは「も、もうわかったから…///」


八幡「それじゃあさっそく頼らせてもらうか。すまんがお腹すいたからなんかくれない…………か………………………………」


さとは「どうかしたの?」


八幡「な、なあ、さっきおとはが来た時に最後なんか言わなかったか?」


さとは「え、お父さんに変なことしなかったかって話?だ、だからなにもしてないってば」


八幡「いやいやその後」


さとは「うーん……確か…おかゆを作っ………あっ………」


八幡「それは、おとはが、料理をするということか…?」


さとは「………」





八幡「今すぐおとはを止めろ!!さとは!」


さとは「わ、わかった!」ダッ




ドア ガチャ!




八幡「!?」


さとは「!?」



おとは「パパー!おかゆできたよー!」



八幡・さとは「(お、おそかったぁああああ)」



おとは「おとは特製おかゆだよ!自信作!」



八幡「と、特製…」



おかゆ「ぐつぐつ」ゴゴゴゴゴゴゴッ



さとは「(なんかおかゆがぐつぐついってる…)」


八幡「そ、そうか。おかゆか。あ、あはは…うまそうだなあ」


おとは「えへへ///……ささ!食べて食べて!」


八幡「あ、いやでもパパちょっと今はお腹すいてないなあ……なんて…」


おとは「えっ…」シュン


八幡「ああいや!すいてる!お腹すいてる!今すいた!超お腹すいた!」


おとは「ほんと!よかったあ!」パア


八幡「(助けてさとは助けて)」


さとは「(む、無理…)」


おとは「どうぞ♫」



八幡「………な、なあ。おとは。これは…おかゆ…だよな?」


おかゆ「え?うん!そうだよ!」


八幡「(さとは。おかゆってこんな真っ黒だっけ?米が黒いぞ。どうやったら黒くなるんだ)」


さとは「(…あ、あれだよ。特製だからだよ)」


八幡「…」チラ


おとは「〜♫」ニコニコ


八幡「………(た、食べるしかない…か。ああ…思い出すなぁ…結衣の時もこんな感じだったなあ……)


さとは「(それにしても禍々しいおかゆだなあ…)」ジー


おとは「どうしたの?お姉ちゃん。そんなにおかゆ見て?あ!もしかして美味しそうだからお姉ちゃんも食べたくなっちゃった?えへへ…作った甲斐があったよ!大丈夫だよお姉ちゃん!ちゃんとお姉ちゃんのもあるよ!」


さとは「ち、違!ま、待って!私はいらな…」


おとは「えっ……いらないの…美味しくなさそうってこと…?」ウルウル


さとは「いります。超いります」


八幡「(哀れ…)」


おとは「そっか!はい!どうぞ!」ドン


さとは「(こっそり逃げようかと思ったのにすでに持ってきてたんですね…)」


おとは「さあ!2人とも!おあがりよ!」


八幡「さとは…」


さとは「うん…」



八幡・さとは「「(南無三!!!!!)」」



ガツガツガツガツガツガツッ!!!!




おとは「おお!2人ともいい食べっぷり!」




八幡「……ごちそうさま」


さとは「……ごちそうさま」


おとは「お粗末!どうだった?」


八幡「すごく美味しかったぞ。さすがおとはだ」ニコ


さとは「おとははいいお嫁さんになれるよ」ニコ


おとは「も、もう!2人して!褒めすぎだよ〜///」



おとは「そうだ!おかわりいる?」



八幡・さとは「「大丈夫です。ありがとうございます」」



おとは「そう?じゃ、片付けてくるね!」




ドア バタン





八幡「…」


さとは「…」


八幡「…」


さとは「お父さん」


八幡「なんだ」


さとは「手繋いでいい?」


八幡「ああ、もちろんだ」ギュ


さとは「お父さん。今まで…ありがとう。お父さんがお父さんでよかったよ…」


八幡「さとは。産まれてきてくれ…ありがとな。本当に……楽しい…人…生だっ………た…」




バタッ


バタッ




……………


………


……






八幡「………んっ」パチ


いろは「起きましたか。あなた」


八幡「ここは…どこだ…」


いろは「寝室ですけど」


八幡「天国…じゃないのか?俺は…生きてるのか?」


いろは「あ、あなた?もう一度病院行きます?」


八幡「あ、いや…大丈夫だ…」


八幡「(おとは…由比ヶ浜結衣を超えたかもな…)」


八郎「あーぶー」


八幡「おお、八郎きてくれたのか」


八郎「あ〜」


いろは「ふふ…八郎も心配してたみたいですね」


八幡「そうかそうか。可愛いやつだな〜。今帰ってきたのか?」


いろは「ええ、今さっき」


八幡「そうか。おかえり」


いろは「ただいまです」


八幡「そうだ。さとはは?生きてるか?」


いろは「なんでいるかどうかじゃなくて生きてるかどうかなんですかね……リビングのソファーでだらけてますよ」


八幡「そうか、よかった」


いろは「よくないですよ。さとはもさっき起きた時生きてるって素晴らしいとか言い出すし、なにかあったんですか?」


八幡「壮絶な戦いだったんだよ…」


いろは「はぁ…?もう…ちゃんと安静にしてたんでしょうね」


八幡「ああ、寝たらだいぶ楽になったよ。永遠に寝てしまうかと思ったが」


いろは「ならよかったです。まったく熱なんかにやられて子供たちに心配かけるなんて。あなたもまだまだですね。子供たちにちゃんと看病してくれてありがとうって言うんですよ?」


八幡「ああ、わかってるよ。なんだかんだ、あいつらに元気もらったしな。子供ってすげえわ」


いろは「そうですね私もいつも助けられてますよ、あの子達の元気な姿には」フフフ


八幡「それにしても………ふっ…………熱なんかに…か」ニヤニヤ


いろは「な、なんですか」


八幡「いや…昔、お前が熱で寝込んだ時のことを思い出してな」


いろは「…あ、あれは!///な、なんで思い出すんですか!い、今すぐ忘れてください!///」


八幡「いや〜あの時のいろはの姿、子供たちに見せてやりてえわ」


いろは「ダメダメダメ!絶対ダメです!あなた!絶対に言わないでくださいよ!」


八幡「あははっ…わかったわかった。言わねえよ。親の威厳に関わるからな」


いろは「もう…///」


八幡「あ、そうだ…」


いろは「?」


八幡「(結婚記念日のこと……いや…でもまだなんも決まってないしな…)」


いろは「なんですか?」


八幡「いや、なんでもない(まあまた今度でいいか……それに……)」


いろは「…?そうですか?……では、あなた。楽になったとはいえまだまだわかりませんから。ゆっくり休んでてくださいね」


八幡「ああ、わかった。ありがとうな」


いろは「いえいえ」



ドア バタン



八幡「…」



葉山「この際サプライズもおもしろいかもな」



八幡「(サプライズ…か…)」








〜〜〜 おまけ番外編 〜〜〜




これはまだ、八幡といろはが結婚する前のお話


2人が同居している小さなアパートでの出来事




いろは「せんぱぁ〜い」


八幡「なんだ」


いろは「私、身体が熱くて仕方ないんです…」


八幡「いろは…」


いろは「もう…我慢できないんです…お願いです…」


八幡「ああ…」


いろは「せんぱい…優しく…してくださ




八幡「近寄るな。うつる」 ガッ




いろは「むぎゅうっ」


八幡「はぁ…まあ普通に熱だな」


いろは「も〜うどうして押しのけるんですか〜」


八幡「馬鹿やってないで大人しく寝ろよ。お前今けっこう高いんだぞ熱」


いろは「うぅ…」


八幡「ほら、これ薬な」


いろは「ありがとうございます……」ゴク


八幡「今日は大学は休め。ちゃんとおとなしくするんだぞ」


いろは「はい」


八幡「んじゃ俺、大学行ってくるな。今日は昼には帰れるから」


いろは「えっ」


八幡「よっこらせ」


いろは「ま、待ってください!」ガシ


八幡「うおっ!?」



バタンッ



八幡「いつつ…こら!足を掴むなよいてーな」


いろは「なんで大学行くんですか!」


八幡「いや…学生ですから…」


いろは「彼女が熱で寝込んで…るん……れすよ〜」フラフラ


八幡「お、おい。フラフラじゃねえか。寝とけって!」


いろは「うぅ…せんぱぁい…」


八幡「あ?」


いろは「どこにも行かないでください…側にいてください…」ウルウル


八幡「うっ…」


いろは「寂しいです…先輩がいてくれないと死んじゃいます…うぅ…」ウルウル


八幡「わ、わかった。わかったから泣くな。布団に戻れ」


いろは「えへへ…やったあ…」


八幡「ほら、もういいからとりあえず寝とけって」


いろは「…そう言って私が寝たらどこか行くんじゃないですか?」


八幡「もう諦めたよ大学は。どこにも行かねーから。安心しろ」


いろは「むぅ……それでは先輩。手を繋いでてください」


八幡「は?お前が寝てる間ずっとってこと?マジで?」


いろは「うわぁあああ〜ん!やっぱりどっか行く気なんだー!私を置いて行く気なんだー!!」ジタバタ


八幡「ちょ、暴れるな!わかったから!繋ぐから!」ギュ


いろは「えへへ…先輩の手…冷た〜い」


八幡「冷たいのかよ。…それにしてもお前、豹変しすぎだろ…。だれだよお前」


いろは「ええ〜、私は…私ですよ〜。なんですか〜口説いてるんですか〜ごめんなさい〜」


八幡「なんも言ってねえよ…しかもフラれるのかよ…」


八幡「(熱のせいで頭回ってねえな。あざとさがないというか…素直というか…)」


いろは「……先輩も一緒にお布団で寝ましょうよ〜」


八幡「い、いや俺はいいから」


いろは「じゃあキスして…くだ……さい……」


八幡「じゃあってなんだよ。今キスなんかしたらうつるだろうが」


いろは「…..zzZZ」


八幡「って寝てるし……」



八幡「はぁ…にしても初めていろはが熱でたとこ見たが……なんだこのガキみたいな甘え方…周りには絶対見せられんなまったく」




いろは「うへへ…せんぱぁい…むにゃ…」ギュ


八幡「…………可愛いんだから…敵わないよなあホント…くそう」










いろは「ん、んん〜っ………あれ?」パチ







八幡「そろそろ起きる頃かな?」




バタンッ!



八幡「え、なんだ今の音」ダッ



八幡「いろは!大丈夫か!」



いろは「うう…」


八幡「お、おい!大丈夫か!救急車呼ぶか?」


いろは「なんで…」


八幡「え?」


いろは「なんで側にいてくれなかったんですか!」


八幡「えっ」


いろは「起きたら先輩が隣にいなくて…私…どれだけ不安で…寂しかったか…うう…」


八幡「はぁ…悪かったよ。側にいなくて。お腹空くと思っておかゆ作ってたんだよ。てか1時間は繋いでたんだぞ…?」


いろは「むぅ…」


八幡「ほら、布団もどれ」


いろは「せんぱい、抱っこ〜」


八幡「マジかよこの距離でですか…てか抱っこかよ…せめておんぶにさせてくれ」ヨッコラセ


いろは「せんぱい暖か〜い」ギュウ


八幡「へいへい、よかったですね…」










いろは「先輩が作ってくれたんですか?ありがとうございます」


八幡「ま、たまにはな。って言ってもおかゆだけだし。たいしたもんじゃねえよ」


いろは「それでも嬉しいです」ニコ


八幡「そ、そうか…///いつもお前にご飯作ってもらってたし、俺あんま料理うまくねえし口に合わないかもしれないが、食べてくれ」


いろは「はいっ。では、あーん」


八幡「は?」


いろは「あー」


八幡「なんで口開けてんの?歯医者じゃねえぞ俺」


いろは「なにつまらないこと言ってるんですか…。あーんですよ。あーん。食べさせてくださいよう〜」


八幡「恥ずかしいから嫌だ」


いろは「それなら口移しでもいいですよ」


八幡「難易度上がってんじゃねえか。しかも風邪うつるし」


いろは「いいじゃないですか…こういう時ぐらい甘えたって…」


八幡「いやいつも甘えてくるが………今日はすごいけど」


いろは「…」ムス


八幡「……ったく、わかったよ。ほら口開けろ」


いろは「えへへ…先輩はやっぱり優しいですね」


八幡「……うるせ」








いろは「ごちそうさまでした。おいしかったです」


八幡「おう」


いろは「せーんぱい、一緒に寝ましょうよ〜」


八幡「またお前は…どんだけ甘えてくるんだよ」


いろは「だって私は先輩の彼女ですも〜ん」


いろは「先輩…愛してるって言ってください…」


八幡「は?なにいきなり?無理無理恥ずかしい」


いろは「うえぇ…私のこと愛してないんだぁ…ぐすっ」


八幡「嘘泣きはいいから」


いろは「うう…うえっ…ぐすっ」


八幡「え!?マジ泣き?マジですか!?」


いろは「先輩に嫌われたら…私…もう生きていけな…


八幡「愛してる!超愛してるよいろは!!」


いろは「本当ですかあ?」パア


八幡「ほんとほんと」


いろは「うへへ…愛してますか…へへ…」


八幡「はぁ…」


いろは「もう一度言ってください」


八幡「はいはい。愛してるよ。いろは」


いろは「うう…やだ……気持ち悪い…」


八幡「」


いろは「汗で身体中ベタベタする…」


八幡「あ、汗ね。そうか。汗ね」


八幡「(危うく首吊るとこだったわ。急に話変えやがって)」


八幡「ほら、タオル持ってきたぞ」


いろは「ありがとうございます〜」


八幡「ふぅ…(看病してるこっちがドッと疲れてきた…)」


いろは「…」


八幡「どうした?早く拭けよ。ああ、脱ぐから外出てろってこと?」


いろは「いえ…今更そんなことで先輩を追いやったりしないですよ…むしろ…」


八幡「むしろ?」


いろは「拭いて…ほしいです…///」


八幡「は!?」


いろは「…」スルスル


八幡「いや待て待て!拭くって俺が身体拭けってのか?」


いろは「はい」


八幡「はい、じゃねえよ…」


いろは「いいじゃないですか。夜なんて私の身体好き放題やってるじゃないですか。あんな感じでいけばいいんですよ」


八幡「す、好き放題って…てかどんな感じだよ…」


いろは「先輩……お願いします…///」スッ


八幡「くっ…」


いろは「早くしないともっと風邪ひいちゃいますよ〜…」


八幡「わ、わかったよ…」


八幡「ゆ、ゆっくりいくからな?」


いろは「は、はい///」


八幡「力加減大丈夫か?」


いろは「ん……気持ちいいです…///」


八幡「そ、そうか…痛かったらすぐ言えよ…」


いろは「はい…今は大丈夫です」


八幡「…」フキフキ


いろは「〜♫」


八幡「ご機嫌だな…」


いろは「えへへ…このまま前も拭いてもらいましょうかね?///」


八幡「そ、そこは自分でやれ!」


いろは「ぶー、いまさらじゃないですか。夜は私の身体を好き放題…


八幡「だからやめろそれ言うの」


いろは「むぅ…」


八幡「(はぁ…神経削がれるわ…)」








八幡「後ろはだいぶ汗拭けたな」フキフキ


いろは「せんぱい…今日はありがとうございます…」


八幡「なんだよ急に。別に気にすんな」


いろは「いつも先輩に迷惑ばかりかけて…ごめんなさい…」


八幡「…」


いろは「先輩…大好きです…ずっと……ずっと…側に…」


いろは「…」


八幡「…いろは?」


いろは「……すぅ…すぅ…..」


八幡「寝たのか。またなんてタイミングに…」




八幡「…」


八幡「俺も大好きだよ、いろは」ナデナデ




いろは「ん〜むにゃ…」


八幡「迷惑だなんて…思ってねえよ。お前との生活は本当に楽しいよ…。だからこれからもずっと俺の側に…」





八幡「え、てか半裸なんだけどこいつ。まだ身体拭いてんだけど。え、これ前はどうすんの?俺が拭くの?拭かなきゃダメなの?」






………


……





ー次の日ー



いろは「お、お騒がせしました」


八幡「まったくだ。今後2度と風邪ひくな」


いろは「ああ…思い出すたびに恥ずかしいです…」


八幡「まあ、昨日のお前の甘え具合はやばかったな」


いろは「い、言わないでください///」


八幡「でも可愛げがあってよかったけどな。素直で可愛いかったぞ」ニヤニヤ


いろは「か、からかわないでください///てかそれだと普段の私が可愛くないみたいじゃないですか!」


八幡「ははっ、まあ元気になってよかったな」


いろは「ちょ、逃げないでください〜」




俺はもうこいつが側にいてくれないとダメみたいだ


ずっと、ずっとこいつの、いろはの側にいたい


幸せにしてやりたい


俺のこの気持ちは、お前への気持ちは


本物だ


今はまだ覚悟ができてない


でも、絶対言うから


俺たちが新たな一歩踏むための言葉を


その言葉を。絶対言うから


だから


もう少しだけ待っててくれ






いろは「ところで最後私が寝てしまったときまだ全部身体拭けてなかったですよね…私が寝た後どうしたんですか?」


八幡「……」


いろは「先輩のえっち」





〜〜〜おまけ番外編〜〜〜 ー完ー









〜ある日の下校時〜







さとは「………」


??「………」


さとは「………」


??「……ニャア」


さとは「………」



ダンボール【拾ってください】



さとは「…」


猫「ニャァ…」


さとは「に……」


ネコ「?」


さとは「……にゃあ」


ネコ「ニャァ〜」


さとは「にゃあ〜」


ネコ「ニャア〜ニャア〜」


さとは「かわいぃいにゃぁ〜」ニヘラ


秋人「なにやってるんだ比企谷」


沙代子「なにやってるの?さとはちゃん?」


さとは「………………なんでここにいるの葉山くん、本牧さん」


秋人「いや帰り道だし」


沙代子「さとはちゃんが見えたらから…というかここ学校の目の前だよ?」


さとは「聞いてた?」


秋人「なにを?」


さとは「えっと…その…」


沙代子「さとはちゃん」


さとは「な、なに?」


沙代子「とっっても!可愛かったよ!」


秋人「ぶふっ」


さとは「な、なんのことかわからないよ」


秋人「い、いやもう、本当…ふふっ…あの比企谷が…にゃ、にゃあって…にゃあって…」クプププ


さとは「……///」プルプル


沙代子「だ、だめだよ。葉山くんそんなに笑っちゃ」


秋人「あ、ああ。ごめんごめん。悪かった比企谷………ぶふっ」


さとは「全然謝る気ないでしょ…」


沙代子「あはは…そ、それより!猫だよ!猫!これってやっぱり…」


秋人「猫をダンボールに入れて拾ってください……完全に捨て猫だな」


沙代子「ひどい…」


ネコ「ニャアニャア〜」


さとは「……」


ネコ「ニャア〜」


さとは「……(可愛い)」ニヘラ


沙代子「さとはちゃん…顔に出てるよ…」


秋人「なんというか母さんに似てるな。そういうところ」


さとは「あの完璧美人な雪乃おばさんと私が似るわけないでしょ」


秋人「母さん猫となると人が変わるから…」


沙代子「この子…ずっとここにいるのかな…」


さとは「……」


秋人「…」


ネコ「ニャア〜」


沙代子「助けてあげたいけど…うちはもう犬がいるから…」


さとは「………葉山くんのとこは?雪乃おばさん猫好きなんでしょ?」


秋人「ね、ねねねね猫を飼うのは…ちょっと…勘弁してくれ…」ガクガク


さとは「ああ…そういえば葉山くんは猫苦手な設定だったね」


秋人「設定とか言うなよ…。とにかくうちも無理だな……可哀想ではあるけど」


沙代子「あの……さとはちゃんのところは?」


さとは「うちは………わからない」


秋人「比企谷は…この子をどうしたいんだ?」


さとは「……できることなら…飼いたい。前から猫飼いたいって思ってたし…」


秋人「なら聞いてみたらどうだ?比企谷のご両親は優しいしいけるかもしれないぞ」


さとは「お父さんが…なあ…」


沙代子「猫ダメなの?アレルギーとか?」


さとは「いやそういうのじゃないと思うんだけど……昔、それとなく猫飼いたいって言ったことがあるんだけどあまりお父さん乗り気じゃなかったから…」


秋人「なるほど…」


沙代子「なにかあったのかな?」


秋人「とにかく聞いてみるしかないな。飼うためには」


さとは「そうだね…。んー。でもどう言おう。いきなり猫拾ってきたなんてさすがにびっくりするでしょ」


おとは「私におまかせあれ!」


沙代子「わっ、びっくりした…」


さとは「いつからいたの…おとは…」


おとは「ついさっきからだよ!」


先輩「おとはちゃーん!またねー!」


おとは「は〜い♫さよならで〜す♫」フリフリ


同級生「ひ、比企谷!またな!」


おとは「うん!またね!同級生くん♫」フリフリ


さとは「相変わらずあざといね…本牧さん、あんなのになっちゃダメだよ」


おとは「あんなの!?」


沙代子「あはは…」


秋人「それで、おとはちゃん。おまかせあれっていったいどうするんだ?」


おとは「ふっふっふ。それはですね……。お姉ちゃん」


さとは「ん?」


おとは「頑張ってね♫」



さとは「えっ…?」









ー比企谷家ー



八幡「ただいま。はぁ…疲れた…」


いろは「おかえりなさ〜い」


八幡「ふぅ…」ボフ


八幡「ああ…ソファーに座ると眠くなるな…」


さとは「お、おかえり」


八幡「ああ、ただい…………ま……」


さとは「…」


八幡「さとは……その………猫耳はなんだ?」


さとは「…」プルプル


さとは「ふぅ………よし」


八幡「?」


さとは「にゃ、にゃあ〜」


八幡「」


さとは「にゃあ〜」


八幡「お、おい」


さとは「にゃああ〜」ゴロン


八幡「おいっ、膝の上に寝転がるな」


さとは「ゴロゴロ〜」スリスリ


八幡「え?なに?……まさか撫でろってこと?」


さとは「にゃぁあ〜」スリスリ


八幡「わ、わかったから。やめろそのスリスリ」ナデナデ


さとは「にゃぁあわわわ〜///」


八幡「なんなのこれ…」



〜物陰〜



コソコソ…



おとは「さっすがお姉ちゃん!名演技だよ!」


秋人「父親の前で猫の真似なんてそんな気持ち悪いことできないとか言ってなかったか?」


沙代子「かなりノリノリだね…」


おとは「あんな可愛いんだもん。きっとパパも本物の猫も飼いたくなるよ!これで!」


沙代子「そうかなあ…」


いろは「お父さんの困り顔がなかなかおもしろいわね」


おとは「あ、ママ!」


秋人「すいません突然お邪魔させてもらったうえ変なことに付き合わせてしまって…」


いろは「なんだかおもしろい展開だし気にしないで」


沙代子「(さとはちゃんのお母さん美人だなあ…)」


おとは「ママは…いいんだよね?猫」


いろは「…そうね。パパがいいなら私は別にいいわ飼っても。だからパパ次第ね」


おとは「よかったね!第一関門突破だよ!」


ネコ「ニャア〜」


いろは「ていうかもう家の中にまで連れてきてるのね…」






八幡「おい…もういいだろ…さとは。説明してくれ」スッ


さとは「あっ」


八幡「なんだよ」


さとは「別に」ムス




おとは「(もっと撫でて欲しかったんだね)」


秋人「(撫でて欲しかったのか)」


いろは「(撫でて欲しかったのね)」


沙代子「(さとはちゃん可愛い〜)」




八幡「んで、どういうことだ」


さとは「……お父さん、ネコ可愛い?」


八幡「それはさっきのさとはネコに対して言ってるのか?それならくっそ可愛いかったぞ」


さとは「そ、そうじゃなくて…///普通のネコの話」


八幡「はあ?……まあ、可愛いと思うぞ」


さとは「そう…」


八幡「なんなんだよ」


さとは「猫…欲しくない?」


八幡「ああ…なんだ。猫飼いたいのか?」


さとは「う、うん…」


八幡「別にいいぞ」


さとは「……え?」


八幡「いやだから、別にいいぞ。飼っても」


さとは「ほ、ほんとに?」


八幡「ほんとほんと」


さとは「ほんとにほんと?腐った目に誓って?」


八幡「なんでそこに誓うんだよ…。だからいいっていってるだろ。なんでそんな聞くんだ」


さとは「もうちょっと嫌がると思ってた…」


八幡「はあ?なんで?」


さとは「だってお父さん、猫の話するとなんだか落ち込んだ顔するから」


八幡「あー……」


八幡「子供の頃な、猫飼ってたんだよ。俺や小町、家族はみんなそいつを本当に可愛がってたんだ。家族のように」


さとは「…」


八幡「まあ普通に寿命だったよ」


八幡「稀に長寿なやつもいるがそれでも猫の寿命はそんな長くないのはわかってた」


八幡「わかってたけど………いやーほんと……あんな泣いちまうとは思わなかったよ…ははは…」


さとは「お父さん…」


八幡「もう昔の話だし引きずってるつもりはなかったんだが無意識に猫の話になるとあいつを思い出してたんだな」


さとは「お父さん…私やっぱり…」


八幡「気にするな。だからといって猫を飼うことがもう嫌になったわけじゃねえから。あいつとはもう…ちゃんと別れたから」


さとは「…」


八幡「たかが猫で大袈裟だったかな?」


さとは「そんなことないっ。たかがとか言わないで」


八幡「…ああ、そうだな。まあそういうことだ。飼いたいなら飼ってもいいぞ」


八幡「ただし1つだけ条件がある」


さとは「?」


八幡「しっかり面倒見ること。最後の最後までな。できるか?」


さとは「うん…もちろんだよっ」


八幡「ならいいさ」ニコ


さとは「お父さん……ありが


おとは「パパァアアアアアアアッ!!!!」ダキ


八幡「おぶぅ!?……おとは!急に抱きついてくるな危ねえな!」


おとは「パパ…わ、わだじ…猫ちゃんと飼うから…ちゃんと…ぐすっ…」


八幡「聞いてたのかよ…てか泣くなよ」


秋人「よかったな。比企谷」


沙代子「よかったね!」


八幡「お客までいるし…」


いろは「お疲れ様です。あなた」


八幡「お前もグルかよ…」


いろは「私も猫は好きですから」


さとは「ねえ、おとは」


おとは「ん?」


さとは「……私が猫耳つけた意味あったの?」


おとは「……」


さとは「………」


おとは「お姉ちゃん!さっそく猫に名前をつけようよ!」


さとは「スルーですか…。はぁ……無駄に恥かいた…」


秋人「可愛かったぞ。比企谷」


さとは「わ、忘れて///」プイ


八幡「いやいや名前より先に猫だろ。明日ペットショップ行くか」


おとは「猫はもういるよ?そこに」


八幡「は?それダンボールだろ」


ネコ「ニャア〜」ヒョコ


八幡「…」


ネコ「ニャア〜?」


八幡「マジか…捨て猫かよ…」


おとは「ダメ?」


八幡「いやダメじゃないが…それなら明日にでも病院行かなきゃな」


おとは「え?なんで?」


八幡「いつから捨てられてたのか知らねえけどなんも食ってないだろこいつ。水もねえし。それになにか病気持ってるかもわからん。まずは健康かどうか調べないと」


さとは「なんだかすごいね。お父さん」


八幡「これぐらいは普通だ。これからはお前たちがしっかり面倒みるんだぞ。もちろん少しは俺も手伝うが」


さとは「うん、わかった」


おとは「ありがとう!パパ!」


秋人「丸く収まったようだし、俺たちは帰ろうか」


沙代子「そうだね」


いろは「さとは、今更なのだけれど…こちらは?」


さとは「あ、えっと…」


沙代子「す、すいません!初めましてですのに、まったく自己紹介もせず!」ペコペコ


いろは「いえいえ、私も聞くタイミングなかったから」


沙代子「私は本牧沙代子と言います。さとはちゃんのクラスメイトでさとはちゃんの友達ですっ!!」


いろは「友達!?」


八幡「ほう」


さとは「あ、いや友達…というか…と、友達かな…いや友達みたいな…」


沙代子「友達だよね!」


さとは「あ、うん…たぶん」


いろは「あなた!あなた!さとはが女の子の友達を連れてきましたよ!友達ですよ友達!今日は赤飯ですね!」バシバシ


八幡「わ、わかった。わかったから叩くな」


いろは「さとは」


さとは「なに?お母さん」


いろは「よかったわね。大事にしなさいよ」ニコ


さとは「……うん」


八幡「本牧さんはしっかりしてるな」


沙代子「いえいえ!私なんて」


さとは「本牧さんは生徒会だよ」


いろは「へー!なにやってるの?」


沙代子「書記です」


八幡「ああ、似合ってるな。仕事できそうだ」


沙代子「いえまだまだ全然ですよ…お母さんはもっと仕事できたらしいですし」


いろは「お母さんも生徒会だったの?」


沙代子「はい。両親2人とも総武高で役員だったそうです。お父さんが副会長、お母さんが書記です」


いろは「おお、すごいね〜…………って、あれ?…総武…?……本牧…?」


八幡「どうかしたのか?」


いろは「(本牧ってまさか…それによく見ればどことなくこの子…)」


沙代子「…?」


いろは「(なんですかもう…教えてくれたらよかったのに…まあ卒業してから会ってませんでしたもんね)」


いろは「ふふっ…」


沙代子「あの…なにか?」


いろは「ううん。なんでも。私もね、昔、生徒会で生徒会長やってたのよ」


沙代子「生徒会長!?すごいですね!」


いろは「生徒会頑張ってね。書記ちゃん」


沙代子「しょ、書記ちゃん?なんだか恥かしいですよそれ…」


秋人「本牧さん。外も暗いし早く帰ろう。家まで送るよ」


沙代子「あ、うん。ありがとう葉山くん」


さとは「痴漢に気をつけてね本牧さん。特に葉山って人には」


秋人「ピンポイントで俺じゃないか…そんなことしないぞ」


さとは「男はお父さん以外みんなケダモノだって昔、お父さんが言ってた」


いろは「あなた…」


八幡「な、なんのことだかさっぱりですね」










おとは「さて、話に戻るけど、名前をつけようよ!」


いろは「そうね。この子はメス?オス?」


さとは「女の子だね」


いろは「なら可愛らしい名前がいいわね」


八幡「可愛らしい名前ねえ…小町とかどうだ?」




いろは「…」


さとは「…」


おとは「…」


八幡「じょ、冗談だ」





さとは「難しいね」


八幡「子供に名前つけるようなもんだしな」


おとは「はいはい!」


いろは「何か思いついたの?」


おとは「ケルベロスがいいと思


八幡「却下だ」


さとは「却下」


いろは「却下ね…」


おとは「ええ〜」


八幡「外見で考えてみるのはどうだ」


さとは「外見って言っても…黒猫ってことしか」


さとは「クロちゃんとか?」


八幡「無難だな」


いろは「なんか簡単すぎないかしら?」


おとは「はいはい!漆黒と書いて《クロ》…


八幡「却下だ」


おとは「ぶー(´・з・`)」


いろは「私としては黒猫だし黒って部分は名前に入れたいわね」


八幡「うーん…」











ー数時間後ー




八幡「じゃあ【くろみつ】でいいか?」


さとは「はぁ…疲れた…やっと決まった…」


おとは「私の意見全部却下だったよ…」


いろは「可愛らしいというよりおいそうな名前になりましたね」


くろみつ「ニャア〜」


おとは「でも確かに黒蜜のように黒くて甘い声だよ!」


さとは「だいぶ無理やりだね…」


八幡「くろみつ。お前は今日から俺たちの家族だ」


いろは「ほら、八郎。新しい家族よ〜」


八郎「あーぶー」


くろみつ「ニャア〜」


八郎「あ〜?」


くろみつ「ニャア〜ニャア〜」


八郎「キャッキャッ」


くろみつ「ニャア〜オ〜」


おとは「わ〜もう仲良しさんだね!」




さとは「お父さん」


八幡「ん?」


さとは「本当にありがとう」


八幡「…気にすんな」


くろみつ「ニャア」ピョン


八幡「おっと…」


くろみつ「ニャア〜」スリスリ


いろは「あらあら好かれてますね。ぼっちと動物は相性がいいんですかね」


八幡「いやなんでだよ…」


くろみつ「ニャア〜」


八幡「これからよろしくな。くろみつ」


おとは「よろしくね!クーちゃん!」


さとは「よろしく、クロ」


いろは「よろしくね、クロちゃん」


八幡「いやフルネームで呼べよお前ら…今までのなんだったんだよ…」




くろみつ「ニャア〜♫」







〜〜〜 おまけ番外編2 〜〜〜





これは、子供たちのとある休日の物語である…











ー比企谷家ー



〜リビング〜



彩香「うーん…」


おとは「どうしたの?どこかわからない?」


彩香「は、はい…この問題なんですけど…」


おとは「…ほ、ほほう。……な、なるほどね。うん。なるほど」


彩香「わかりますか?」


おとは「う、ううううん。も、もちろん!私にまかせなさい!」


彩香「わあ!さすがです!おとは先輩!」


おとは「あはは…ちょっと待ってね…」



おとは「(えっと昔の教科書教科書!たしかーえー見たことあるような気がするんだけどー)」パラパラ



おとは「…(まったくわかんない。数学ならまだなんとかなるんだけど…)」ダラダラ


彩香「あ、あの…汗すごいですけど大丈夫ですか?」


おとは「だ、大丈夫大丈夫!えーとその問題はね…えーと…なんていうかな、イメージが大切だと思うんだ。そうイメージ。まずは問題の内容を頭の中でイメージしてしっかり理解していく的な感じ的な…」


彩香「イメージ……そうか!ありがとうございます!おとは先輩!僕、頑張ってみます!」


おとは「え?あ、う、うん。がんばってね」


おとは「(い、今のでわかったの?とにかくなんとか乗り切った…)」


彩香「あの、おとは先輩」


おとは「ん?なに?」


彩香「ありがとうございます。せっかくの休みの日ですのに僕の受験勉強なんかに付き合っていただいて…しかも家にまで招待させてもらって」


おとは「いいのいいの!約束だったしね!」


彩香「僕…絶対、総武高校受かってみせます!」


おとは「その意気だよ!」


彩香「あ、そういえばまだお家の方に挨拶してないんですけど…」


おとは「あ、今は親いないの。ママは八郎と買い物。パパはその買い物の荷物持ちに連行されてるんだ」


彩香「そうなんですか」


おとは「まあ、あとはいるのは…」




ドア ガチャ



さとは「おはよう……」


おとは「あ、おはよう!お姉ちゃん!今日は早いね!まだ朝だよ?」


さとは「うん、ちょっとね…。さて…マッ缶マッ缶っと…」


さとは「…」ゴクゴク


さとは「ぷはぁ…………」


さとは「……」


さとは「……」


さとは「あれ、友達?」


おとは「気づくの遅いよ…まだ寝ぼけてるの?」


さとは「少し…」


おとは「この子は私の後輩だよ!」ドヤ


さとは「なんでドヤ顔なの…」


彩香「は、初めまして!戸塚彩香です!中学3年生です!」


彩香「(お姉さん…綺麗な人だなあ…)」


さとは「おとはの姉のさとはです…」


さとは「(可愛い子だなあ…)」


おとは「彩香くん可愛いでしょ〜」


彩香「ええ!?そんな僕、男の子ですよ」


さとは「えっ」


おとは「ん?どうかしたの?」


さとは「お、男の子…なの?」


彩香「は、はい」


さとは「ま、マジですか…」


おとは「あはは!私も最初はびっくりしたよ!」


さとは「(あ、でも戸塚って…ああ…そういうことか…あの人の息子か…なら納得。それにそういえばおとはが前に彩香くんって男の子と仲良くなったとか言ってたな)」


さとは「男…男か…」


彩香「?」


さとは「(まあ…なんかこの子ならいいか…)」


さとは「おとはのこと、よろしくね」


彩香「え?あ、は、はい!」


さとは「…マッ缶おかわりしよ…」


おとは「おお…お姉ちゃんがなにも言わなかった…」


彩香「え?何か言われる時があるんですか?」


おとは「うーん…恥ずかしい話なんだけどね。昔、私が男の子と遊んでたら、パパとお姉ちゃんがその男の子をすっごい睨みつけて…







八幡「お前狙ってんのか?あ?おとはのこと狙ってんのか?」ボソボソ


さとは「…」ゴゴゴ←おとはに近づくな的なオーラ



男の子「ひ、ひいっ」






おとは「い、いややっぱやめよう…この話は…」


彩香「あはは…僕も聞かないほうがいいような気がしてきました…」



さとは「2人はなにしてたの?」カシュ…ゴクゴク


彩香「あ、おとは先輩に勉強を教えてもらってたんです」


さとは「ブフッ!ゴホッゴホッ!」


おとは「うわ!お、お姉ちゃん!コーヒー吹き出してどうしたの!?」


さとは「ごめん。ちょっと聞き間違いたよ。えっと…戸塚くんがおとはに勉強教えてくれてるんだよね?」


おとは「なんでそうなるのさ!?私、先輩だよ!?」


彩香「い、いえ…僕が教えてもらってるんです」


さとは「……」


おとは「なにかなお姉ちゃんその「それはやべーだろ」とか思ってそうな顔は」


さとは「………大丈夫なの?おとは」


おとは「もちろん!」ドヤ


さとは「(おとはって年下の前では見栄張りたがるんだろうな……まあついでに、おとはも勉強になるだろうしいいか…中学の問題だけど…)」


おとは「さ、がんばろ!彩香くん!」


彩香「はい!よろしくお願いします!」





〜数分後〜





おとは「おねぇ〜ちゃ〜ん。助けて〜」ウワーン


さとは「はあ…やっぱダメだったか…」






さとは「どの問題?」


彩香「は、はい。ここなんですけど…」


さとは「あー。それは…」





彩香「なるほど!ありがとうございます!」


さとは「あと、こことここ、ここも間違ってるよ」


彩香「え!?す、すみません。見直してみます…」


さとは「うん」


おとは「はあ…やっぱりお姉ちゃんすごいなあ…」


さとは「教えるのは苦手だけどね…」


彩香「そんな!すごくわかりやすかったですよ!」


さとは「そうかな…」


おとは「ごめんね。彩香くん。私あんまり役に立てなくて…お姉ちゃんに見てもらった方が…」


彩香「なに言ってるんですか、おとは先輩。僕なんかのために一生懸命勉強を教えてくれるおとは先輩には感謝しかありませんよ」キラキラ


さとは「(うわ…笑顔キッラキラだなこの子)」


おとは「そ、そっか…///」


彩香「はい!」


おとは「こ、こーんな可愛い先輩に勉強見てもらえて彩香くんは幸せものだね♫」


彩香「はい!本当にありがとうございます」キラキラ


おとは「…うぐっ、眩しい…」


さとは「いつものあざとさはどこいったの」


おとは「彩香くんだとどうもやりにくいだよね…」


彩香「これからも…お願いしていいですか?」ウワメヅカイ


おとは「へ?も、もちろん…///」


さとは「(なんと自然な上目遣い…これがお父さんの言っていた天使の血族か………)」





…………


………


……





ー同時刻ー





〜葉山家〜





秋人「おはよう、母さん」


雪乃「あら、秋人。おはよう」


優美子「おはよ〜秋人〜」


秋人「優美子おばさん、来てたんですね。おはようございます」


優美子「雪乃に料理教えてもらおうと思ってさ」


雪乃「今更あなたに必要かしら?結婚してからもう何年も台所にいるでしょう」


優美子「いや〜まだまだよ。雪乃みたいにアタシも料理上手くなりたいの。だからお願いします」ペコ


雪乃「私も別に料理を極めたつもりはないのだけれど…はあ…わかったわ。できるだけのことはするわ」


秋人「あれ、そういえば父さんは…?」


雪乃「今日は仕事だそうよ」


秋人「そうなんだ。あ、俺。これから出かけるから」


雪乃「あら、そうなの?」


優美子「へ〜、なに?デート」


秋人「そんなんじゃないですよ。たぶん」


優美子「なーんだ」


雪乃「もしかして、さとはさんかしら?」


秋人「母さんエスパーだったの?」


雪乃「仲がいいのね。あなたたち」


秋人「まあ…一歩前進したかな…」


優美子「さとはって…ヒキオのとこのか」


雪乃「ええ」


優美子「へー、頑張れよ。秋人」


秋人「そうですね…。……頑張りたいですね」


雪乃「遅くならいうちに、なるべく夕方には帰るのよ」


優美子「雪乃あんたまた過保護な。秋人だってもう高校生なんだから朝帰りぐらい許してやりなよ」


雪乃「料理の話はナシにしましょうか」


優美子「秋人、あんた夕方には帰ってくんのよ絶対。親泣かせたら私が泣かせるよ」


秋人「言われなくても朝帰りなんてしませんよ…」




秋人「それじゃあ行ってきます」




…………


………


……







〜再び、比企谷家〜





おとは「せっかく来たんだし勉強ばっかじゃなくてちょっと遊ばない?」


彩香「確かに息抜きも必要かもですね」






さとは「おとは、私ちょっと出かけてくるから」


おとは「ええっ!?!?!?!?」ガタッ


彩香「わっ」ビク


さとは「どうしたのそんな大きい声だして」


おとは「どうしたもこうしたも雪ノ下も!お姉ちゃんが休みの日のしかも朝から出掛けるなんて!?テンペーチーの前触れだよ!!」


さとは「天変地異ね…。そこまで驚かなくてもいいでしょ。私だって休日に外出たりするよ、家の庭とか」


おとは「あ、もしかしてデート?」


さとは「そんなことできる相手がいないよ…」


おとは「わかった。葉山先輩でしょ」


さとは「…」


おとは「お姉ちゃんって時々わかりやすいよね」


さとは「うるさい。べつにデートとかじゃないから」


おとは「え〜ほんと〜?」


さとは「も、もう時間だから」


さとは「行ってきます」



ドア バタン




おとは「逃げたか…」


おとは「…はぁ…恋はまだまだ先が長そうだなあ」


彩香「姉妹仲がいいんですね」


おとは「そうかな」


彩香「はい。本当に」


おとは「まあお姉ちゃんは私の自慢のお姉ちゃんだからね」


彩香「すごい美人な方で緊張しました…」


おとは「おお!お姉ちゃんの魅力がわかるとは見どころあるね!」


彩香「まさに美人姉妹って感じですね」


おとは「そうそう、美人……姉妹!?私も?」


彩香「はい。もちろん」


おとは「お姉ちゃんは確かに美人だけど…私はべつに…」


彩香「先輩もですよ!」


おとは「…そ、それは…えっとえっと…な、なにかなそれは口説いてるのかなこんなところで急に言われても心の準備もなにもないから今はまだごめ


彩香「おとは先輩だってすっごく美人で可愛いですよ」ニコニコ


おとは「うっ…///(な、なんて裏表のない笑顔…)」




ピーンポーン




彩香「あれ?」


おとは「…可愛い…可愛いか…」



ピーンポーン



彩香「あの、おとは先輩」


おとは「…よく言われるのに(…彩香くんに言われたらなんでこんなに…私…)」


彩香「お、おとは先輩!」


おとは「ふぇ!?な、なに?」



ピーンポーンピーンポーンピーンポーン



彩香「インターホン…鳴ってます」


おとは「あっ…気づかなかった…誰だろ?」




ガチャ




小町「やっほー」


元気「おはようございます!」


おとは「おお!小町お姉ちゃん!ゲンキ!いらっしゃい!」


小町「突然きてごめんね」


おとは「なにいってるんですかいいですよそんなこと!」


小町「兄さん呼んでもらえる?」


おとは「あ、今パパ買い物に行ってるんですよ。ママと一緒に」


小町「ありゃ、休日だから絶対家にいると思ったんだけどそのパターンがあったか」


元気「おじさんいないみたいですよ」


??「へーあいつが家にいないことなんてあるんだ」


おとは「およ?」


小町「あ、ごめんね。今日はもう1人きてるのよ」


??「久しぶり。おとはちゃん」


おとは「わっ!沙希お姉ちゃん!久しぶり!」


沙希「いや、もうお姉ちゃんって歳じゃないし。おばさんでいいって前も言ったじゃない」


おとは「沙希お姉ちゃんは沙希お姉ちゃんなの!」


沙希「はぁ…まあいいけど」


おとは「今日はみんなでどうしたの?」


小町「沙希姉さんがうちに遊びにきてたんだけどせっかくだから連れて来てみました」


沙希「べつにフラッと寄ってみただけなのに…まさか比企谷のとこに連れてこられるとはね…」


おとは「私は久しぶりに沙希お姉ちゃんと会えて嬉しいよー!」ギュウ


沙希「おっとと…」


小町「さすが沙希姉さん。子供に好かれるね」


沙希「わ、私はべつに…」


おとは「沙希お姉ちゃんすっごい優しくて大好きだよ!」


沙希「そ、そう…///」


おとは「あ、いつまでも玄関じゃあれだよね!どうぞどうぞあがってください!すでに1人お客さんいるけど」


小町「あら、じゃあ私たち邪魔じゃない?」


おとは「大丈夫だよ!それにたぶん沙希お姉ちゃんとか見ればすぐ誰の誰だかわかると思うよ!」


沙希「…?」



…………


………


……






〜材木座家〜




勇気「母上〜おはよう〜」


愛「おはよう〜」


結衣「おはよう!勇気!愛!」


勇気「あれ?父上は?」


結衣「パパは昨日、徹夜だったから寝てるの」


愛「え〜パパ上と遊びに行こうと思ったのにー!」


勇気「思ったのにー!」


結衣「ごめんね…。パパ疲れてるから起こさないであげて」


勇気「うう……わかった。愛ちゃん!2人でどこか行こ!」


愛「うん!」


結衣「ありがとね。2人とも。お外に出るなら車とかに気をつけてね!勇気、愛をしっかり守ってあげてね」


勇気「もちろん!我にまかせて!」


愛「違うもん!我が勇気くん守るんだもん!」


結衣「う、うん。あのさ、その我っていうのやめない?まあ勇気ならまだいいかもだけど愛は女の子なんだし…」


勇気「愛ちゃんお友達とお話してる時は自分のこと愛って言ってるよ!」


結衣「え、そうなの?」


愛「おとはお姉ちゃんがお友達の前ではその方が可愛いって言ってたから!」


結衣「それはおとはちゃんに感謝しないとね…(というかそのまま使い分けなくていいから「我」だけはやめてほしいんだけどね…)」


結衣「はぁ…こんなに義輝さんのが伝染するなんて…」


勇気「愛ちゃん!そろそろ行こ!」


愛「うん!ママ上!行ってきます!」


結衣「あ、うん。いってらっしゃい!夕方には帰ってくるんだよ!」




愛・勇気「「はーい!」」




勇気「どこいこっかー?」


愛「うーん…あ、あそこ行きたい!」




……………


…………


……






〜またまた比企谷家〜




彩香「こ、こんにちわ」ペコ


沙希「なるほどね…」


小町「おお、可愛い女の子だね。どうよ元気!」


元気「なんで俺にふるのさ…た、確かにすごく可愛いけど」


彩香「いえ…あの…僕、男です」


小町・元気「「またまた〜………………」」


小町・元気「「マ、マジで?」 」


彩香「はい。はじめまして、戸塚彩香といいます。中学三年生です」


小町「戸塚?あーまさか!戸塚さんの息子さん!?」


沙希「いや、普通すぐ気付くでしょ。見た目で。激似だよ」


小町「た、確かによく見てみれば…」


沙希「こっちに帰ってきてるとは聞いてたけど、子供たちはすでに仲良くなったんだね」


元気「お、俺…男にすごく可愛いなんて言ってしまった…しかも同い年…」


おとは「まあまあ、元気だしなよゲンキ。彩香くんじゃ仕方ないよ」ポンポン


小町「お勉強してたの?」


彩香「はい!おとは先輩に見てもらってたんです」


小町「あーじゃあ邪魔しちゃったかな…」


おとは「いや勉強はだいぶやったからこれから息抜きに遊ぼうかって話してたんだ!」


彩香「はい。だから全然邪魔なんかじゃありませんよ」


小町「そうなんだ。ならよかった。でもうーんどうしようか。兄さんたちがいたら沙希姉さんとお茶でもしようかと思ってたんだけどいないんじゃなあ…」


沙希「突然だったし仕方ないね。まあお茶ならまた今度でもいいでしょ」


小町「それもそうだね。よし、私と沙希姉さんは帰ることにするよ。元気はせっかくだし遊んできなさいよ」


元気「え、でもいいんすか?」


おとは「私は別にいいよ!」


彩香「僕もです」


元気「ならお言葉に甘えるっす!」


おとは「沙希お姉ちゃん!今度またゆっくりお話しよ!」


沙希「もちろん、いいよ。楽しみにしとく。じゃあ…



沙希・小町「お邪魔しました」










元気「改めてよろしく!川崎元気だ!元気って呼んでくれ!」


彩香「うん!元気!僕のことも彩香って呼んで!」


元気「わ、わかったよ。あ、彩香」


元気「(なんだか女子を名前で呼んでる気分だ…)」


彩香「?」ニコニコ


元気「同い年…だから同じ受験生だな」


彩香「そうだね。お互い頑張ろうね!」


元気「おう!」


おとは「ちょっと2人とも!私のこと忘れないでよ!」


元気「わ、忘れてないっすよ!」


彩香「わ、忘れてませんよ!」


おとは「ほんとかなー?……じゃあなにしよっか。この家で遊ぶのもいいけど…」


元気「外で遊ぶのもいいかもっすね」


彩香「うーん…」


おとは「(外で遊ぶといえば…お姉ちゃん、今頃なにしてるんだろ。葉山先輩とラブコメしてたらおとは的に超ポイント高いんだけどなー…期待しても無駄かな…お姉ちゃんだし…)




…………


………


……







さとは「あの………葉山くん…」


秋人「ん?」


さとは「えっと……その…」


さとは「…」




さとは「つ、付き合って」















秋人「って昨日、放課後に比企谷に言われた時には本当にびっくりしたよ」


さとは「…なんで?」キョトン


秋人「いや、なんでもないよ」ハア


さとは「付き合ってもらってありがとう………私の買い物に」


秋人「ああ、いいさ。それぐらい」


秋人「それより比企谷」


さとは「ん?」


秋人「意外と私服いいじゃないか。ぼっちで引き篭もりでぼっちで目も腐りかけてるくせに似合ってるぞ」


さとは「意外とは余計だよ。てかぼっち2回言ったでしょ今。絶対褒める気ないよね。出直してきなさい」


秋人「可愛いよ。比企谷」ニコ


さとは「………イケメンに言われると腹立つ。出直してきなさい」プイ


秋人「どうしろというんだ…」


さとは「というか少し離れて歩いて」


秋人「さすがに傷つくんだがそれは」


さとは「葉山くんどこ行っても女子たちに注目されるからその人たちの視界に入りたくない」


秋人「そういうのは比企谷も同じなんだがな…」


さとは「?」




そこらへんの男子「あの子すっげえ可愛いくね?…目が腐りかけてるけど」


そこらへんの男子2「うおっマジだ!っべー!マジやっべー!…目が腐りかけてるけど」




さとは「葉山くん、どういうこと?」


秋人「(ま、気づいてないだろうなあ…)」


秋人「いや、なんでもないよ」


さとは「…?変なの」




さとは「着いたよ」


秋人「ん?ああ…ここで買うのか?まあいろいろ揃ってるもんな」


さとは「うん」







〜らら○ーと〜




秋人「誕生日プレゼント…だったか?本牧さんの」


さとは「…うん」


秋人「俺も買おうかな。最近は本牧さんともよく話すようになったし」


さとは「最近なんだ。前から仲良いのかと思ってた」


秋人「彼女とは同じクラスとはいえ話す機会はあまりなかったからね」


秋人「でも今は、比企谷を通して話すようになったよ。でも彼女、比企谷の話ばっかしてるぞ。相当、比企谷と話せるようになったのが嬉しかったんだな」


さとは「そ、そう…///」




秋人「それにしても比企谷が誰かにプレゼントをあげるなんて想像もつかないな」


さとは「失礼な。私だってプレゼントぐらい渡すよ。家族とか家族とかにね」


秋人「じゃあ「友達」にあげるのは初めてだな」


さとは「…」


秋人「どうしてプレゼントを渡そうと?」


さとは「…別に。気まぐれだよ。ちょうど本牧さんの誕生日が近かったから」


秋人「なんだ気まぐれか。俺はてっきり、もっと本牧さんと仲良くなりたいからかと思ったよ。でもただの気まぐれか。そうかそうか」ニヤニヤ


さとは「なんでそんなニヤニヤしてるのさ…」


秋人「それで、なにをプレゼントするかは…?」


さとは「全然決まってない。なにをあげればいいのかよくわからない」


秋人「それで俺を呼んだのか?プレゼント選びの手伝いとして」


さとは「うん」


秋人「女の子へのプレゼントなんて俺なんかより同じ女の子の比企谷の方がいいの選べると思うが」


さとは「私をそこらへんの女の子と一緒にしないで。自慢じゃないけど、ぼっちを極めた私にいまさら今時の女の子のセンスなんてわかるわけがないよ」


秋人「本当に自慢じゃないな…」


さとは「おとはに頼もうとも思ったんだけどあの子も用事があったから」


秋人「妹さんの次に頼ってもらえるなんて嬉し…


さとは「葉山くんならいつも女の子はべらせてるし女の子に詳しいかなって」


秋人「言い方酷いな…」


さとは「とにかくその…頼りにしてるから……お願いします」


秋人「…ああ、わかったよ」


秋人「よし!とりあえず店回ってみようか」


さとは「うん」





秋人「比企谷」


さとは「なに?」


秋人「頼ってくれてありがとな」


さとは「………うん」












秋人「誕生日プレゼントか…ここはいろいろ揃ってるから選択肢は多いが…」


さとは「揃いすぎてて逆に困るね」


秋人「本牧さんの好きなものとかは知らないのか?」


さとは「…知らない」


秋人「趣味とかは?」


さとは「………知らない」


秋人「難しいな」


さとは「私…なにも知らないんだね…本牧さんのこと」


秋人「…これから知っていけばいいさ」


さとは「………うん」


さとは「まあでも半端な情報だけで知った顔をされるのもやだよね」


秋人「い、いやそれはそうだが」


さとは「よその落花生を千葉県民にむかって送るようなもんだね」


秋人「例えが千葉すぎてよくわからん…」


さとは「…本当にどうしようかな」


秋人「普通に服でもいいし、エプロンとかハンカチとか…これから寒くなるしマフラーや手袋もいいかもな」


さとは「なるほど…」


秋人「いろいろ見てみるか」


さとは「うん」











さとは「このエプロンどうかな?」クルッ


秋人「…」ポカーン


さとは「なんで黙ってるの葉山くん」


秋人「え、あ、ああ。よ、よく似合ってるよ」


さとは「いや私じゃなくて本牧さんにどうかってことなんだけど…」


秋人「あ、いや、すまない。そうだよな。んーもっとおとなしめがいいかもな。というか少し子供っぽくないか…?」


さとは「そう…?可愛いと思うけど…」


秋人「…」


さとは「さっきからどうしたの」


秋人「いや…比企谷って家じゃだらだらナマケモノのような、いやナマケモノの方がマシかもしれないほどに引き篭もりのような生活してそうだが」


さとは「いきなり酷いですね」


秋人「エプロンはよく似合うんだな」


さとは「なんでそう思うのか理解に苦しむよ…目が腐ってるんじゃない?」


秋人「比企谷にだけは言われたくないな…」


秋人「でも本当に、家庭的な女の子っぽくて…」


秋人「俺は好きだな、エプロン姿の比企谷」


さとは「な、なにそれ口説いてるの?無理ですごめんなさい」


秋人「素直に褒めただけじゃないか…」


さとは「…///」


秋人「ん?顔赤いぞ?大丈夫か?」


さとは「な、なんでもない…。次いこ」


秋人「あ、ああ」












秋人「なるほど、メガネか」


さとは「うん」


秋人「確かに彼女は普段はあまりしないが授業中ではよくしていたな」


さとは「でもメガネなんてどれもいっしょに見えるよ…」


秋人「ふむ」スチャ


秋人「これいいな」


さとは「……。(なにやってもオシャレに見えるね…腹ただしいイケメンリア充だ)」




そこらへんの女「ちょっ!見てあのイケメン!」


そこらへんの女2「や、やっば!ねえ声かけてみなよ!」


そこらへんの女3「あんたが行きなさいよ!」



キャッキャッ!!





さとは「…」


秋人「ん、どうした?」


さとは「なんかイライラするから顔殴らせて」


秋人「理不尽すぎるだろ…」


さとは「よく考えたら本牧さんの今の視力がわからないから難しい」


秋人「それもそうだな」




さとは「なかなか決まらないね」


秋人「うーん。難しく考えず直感に任せるのもいいかもしれないな」


さとは「直感……直感かあ…」





さとは「あっ」





……………



………



……







アリガトーゴザイマシター





秋人「いいの買えたじゃないか」


さとは「うん…」


さとは「…」


秋人「どうかしたか?」


さとは「…気に入ってくれるかな?捨てられないかな?」


秋人「いや本牧さんに限ってそれはありえないだろ…」


さとは「そ、そうだよね…」


秋人「きっと喜んでくれるさ。だから自信もて」


さとは「…わかった」




秋人「ふぅ…疲れたな。これからどうしようか」


さとは「帰る」


秋人「目的を果たしたらすぐそれか…」


さとは「することないでしょ。お昼ご飯も途中で食べたし」


秋人「でも、せっかく来たんだし…




愛「あー!秋人お兄ちゃんだー!」


勇気「さとはお姉ちゃんだー!」



秋人「おお、愛ちゃんと勇気くんじゃないか」


愛「やっはろーでござるー!」


勇気「やっはろーでござるー!」


さとは「(なにそのバカっぽい挨拶…)」


愛「なんで2人でいるのー?」


さとは「なんでって…別に…」


愛「わかった!デートだ!」


勇気「デートだ!」


さとは「違う。断じて違う」


秋人「(即答だな…)」アハハ


愛「えー?違うのー?」


さとは「違う違う」


勇気「嘘だー!前におとはお姉ちゃんが2人は結婚を前提にお付き合いしてるって言ってたもーん!」


さとは「私の知らないところで何言ってるのうちの妹は…」


秋人「それで2人はどうしたんだい?」


愛「ペットショップでワンちゃん見てたの」


勇気「猫も見た!」


秋人「2人で遊んでたのか。本当に仲がいいね」


愛「お兄ちゃんたちはなにしてたのー?デート?」


勇気「デート?」


さとは「(粘るなこの双子…)」


秋人「買い物してたんだけどね。もう終わったからこれからどうしよかなって話をしてたんだよ」


さとは「だから、帰…


愛「じゃあいっしょに遊ぼうよ!」


さとは「えっ…」


秋人「おお、いいね。遊ぼうか」


勇気「やったー!」


さとは「い、いや私は…」


愛「ダメなの…?」ウルウル


勇気「ダメなの…?」ウルウル


さとは「うっ………」


秋人「ま、たまにはいいじゃないか」


さとは「はあ……わかったよ…」


愛・勇気「「やったー!」」











さとは「…」


勇気「〜♫」ニコニコ


愛「〜〜♫」ニコニコ


秋人「…」


さとは「ねえ…」


秋人「ん?」


さとは「これ、手繋がなきゃダメなの?」


秋人「2人がしたいって言うんだからいいじゃないか。別に俺と手を繋いでるわけじゃなくて2人を間に挟んでいるし嫌じゃないだろう?」


さとは「これはこれで恥ずかしいんだけどなあ…」


勇気「なんだかこうしてると父上と母上みたいだね!」


さとは・秋人「「えっ…」」


愛「さとはお姉ちゃんがママ上で!秋人お兄ちゃんがパパ上だね!」



勇気「母上〜♫」


愛「パパ上〜♫」





モブ「まあまあ微笑ましい家族ね」


モブ2「ご両親お若いわね〜」


モブ3「きっと新婚さんよ!いいわね〜」





秋人「あはは…お、俺も恥ずかしくなってきたよ…///」


さとは「…///」












愛「着いた!」


さとは「ゲームセンターか…来るの久しぶりだな」


秋人「こういうとこで遊んだりするのか」


さとは「たまにね」


秋人「確かに1人でもわりと楽しめるしなゲームセンターは」


さとは「なんで1人で遊んでること前提なの…。正解だけど…」


勇気「あれやろうよ!」


秋人「エアホッケーか。人数も揃ってるしいいかもな」


勇気「さとはお姉ちゃん!いっしょにやろ!」


さとは「いいよ」


秋人「じゃあ、愛ちゃんは俺とだね」


愛「うん!秋人お兄ちゃんがいれば百人力だよ!」


秋人「あはは、百人力なんて言葉よく知ってたね。まあそうだね。俺も勝つ気でいくよ」