2016-01-10 15:58:52 更新

概要

観覧注意:グロテスクな表現が含まれています。
 モンハンコラボの進撃の巨人ssです。




 ―――――――――――――――――――


 エレンが八歳の時


 ―――朝エレン宅―――


アルミン「」トントン


エレン「はーい」ガチャン


アルミン「エレン、おはよう!」


エレン「おう、アルミンか。俺んちに来るなんて、珍しいな。何かあったのか?」


アルミン「それが、図書館で変な本を見つけたんだ」


エレン「変な本?」


アルミン「うん。取り敢えず、上がっていい?」


エレン「ああ、いいぞ」


アルミン「お邪魔しまーす」


カルラ「あら、アルミンくんじゃない。いらっしゃい」


アルミン「どうも」ペコ


 ―――エレンの部屋―――


エレン「で、変な本ってのはなんだ?」


アルミン「変な本っていうのは、この図鑑のことなんだ」


エレン「図鑑?」


アルミン「うん。見たこともない生き物が載ってるんだ」


エレン「うわっ!なんだこりゃ!?フルフル?ナメクジみたいで気持ち悪いな………」


アルミン「他にもこんなのがあるんだ」


エレン「すげぇ!!リオレウス?トカゲなのに羽があるのか!?」


アルミン「しかも、これに載っている生き物は全て巨大なんだ!!一番小さそうなランゴスタって虫でさえ、1.5メートルもあるんだ!!」


エレン「1.5メートルの虫!?そんなもん、一体何処にいるんだ!?」


アルミン「それが、書いてある生息地が聞いたことも無い地名なんだ」


エレン「………確かに、聞いたことも無い地名だな……」

 

アルミン「一体、何処の地名なんだろう………



エレン「父さんに聞いてみるか?父さん医者だから、生き物には詳しいぞ」


グリシャ「エレン、呼んだか?」


エレン「あ、父さん!ちょっとこの図鑑見てくれ!」


グリシャ「どれどれ?おお、これはモンスター図鑑じゃないか」


エレン「これに載っている生き物って、何処にいるんだ?」


グリシャ「モンスターは、壁外にいるんだ」


エレン「壁外?」


グリシャ「壁外というのは、彼処にある壁の外のことだよ」

 

エレン「え!?壁の外って………」


アルミン「か、壁の外には、何があるんですか!?」


グリシャ「壁の外には、色々なものがあるぞ」


エレン「本当か!?」


グリシャ「ああ。壁の外は、一生掛けても見尽くすことができないくらい広いんだ」


エレン「ずっと歩いていったら、何があるんだ!?」


グリシャ「ずっと歩いていったら、元の場所に戻ってくる。この世界は球だからね」


エレン アルミン「!?」


エレン「え!?どういうことなんだよ!?」


グリシャ「まあまあ、落ち着け。詳しく話してやるから」


   その後、グリシャによって、この世界の歴史が語られた


   かつて、人類は狩りを主として生活していた


   大きな街ともなれば、農業が行われていることはあったが、それは極少数だった


   しかし、今から500年前、ある街の王が、巨大な壁を築き、安全な農業領域を確保する計画を実行した


   最も内側の壁、ウォール・シーナが完成すると、各地の裕福な資産家は安全な領域を求めて壁内に移住した


   更に、ウォール・ローゼ、ウォール・マリアが完成すると、殆どの人類は、狩猟生活を捨て、壁内に移住した


   だが、全ての人類が狩猟生活を捨てた訳では無かった


   ハンターと呼ばれる人々だ


   彼らは狩猟を愛し、今でも壁外に村や街を築いて生活している


   外の世界には様々なものがある


   大陸を囲う広大な海、極寒の氷の大地、何処までも続く砂の平原………


   それらを探検し、様々なモンスターを狩る


   それこそが、ハンターにとっての生き甲斐なのだ


エレン「すげぇ………父さん!俺もハンターになりたい!!」


アルミン「僕もなりたいです!!」


グリシャ「残念だが、二人はハンターになれないんだ」


エレン、アルミン「え………?」


グリシャ「壁内には人がたくさんいるからね。みんながハンターになったら、モンスターがどんどん狩られて、絶滅してしまう」


グリシャ「だから、ハンターになることが禁止されているんだ」


エレン「そうなのか………」


グリシャ「でも、壁外を探検する方法ならあるぞ」


エレン「本当か!?どうやったら壁外を探検できるんだ!?」


グリシャ「壁外を探検したいなら」


 ―――――――――――――――――――


エレン「俺は、遂に夢を叶えた!」


 ―――――――――――――――――――


グリシャ「兵士になればいい」


エレン「兵士?」


グリシャ「ああ。普段街にいる、あの兵士だ」


グリシャ「兵士になれば、壁外で仕事をすることもあるんだ。環境の保全とか、希少な素材の取引とか」


エレン「と、とにかく、兵士になりゃぁ、壁外に行けるんだな!?」


グリシャ「ああ、そうだ」


エレン「俺、決めたよ。俺は兵士になって、壁外に行く!アルミン、お前はどうする?」


アルミン「僕も兵士になるよ!」


エレン「どうやったら兵士になれるんだ!?」


グリシャ「十二歳になってから、訓練兵団に入る。そして、三年間訓練して強くなったら、立派な兵士になれるぞ!」


 ―――――――――――――――――――


教官「本日、諸君らは「訓練兵」を卒業する……その中で、最終試験である、壁外遠征参加試験を合格した者を順に発表する。

   首席、ミカサ・アッカーマン

   2番、ライナー・ブラウン

   3番、ベルトルト・フーバー

   4番、アニ・レオンハート

   5番、エレン・イェーガー

   6番、ジャン・キルシュタイン

   7番、マルコ・ボット

   8番、コニー・スプリンガー

   9番、サシャ・ブラウス

   10番、クリスタ・レンズ

   11番、アルミン・アルレルト

 以上11名!」


教官「本日は、これにて第104期「訓練兵団」解散式を終える………以上!」


 ―――夜 食道―――


訓練兵「いーよな、お前らは参加試験に合格してよ!どうせ環境調査に参加するんだろ?」


ジャン「ハァ?当たり前だろ。何のために10番内を目指したと思ってんだ」


マルコ「僕は、やめとこうかな。参加して本当に死んだら嫌だからね」


ジャン「ったく、お前は臆病だなぁ」


ジャン「で………お前らは」


ベルトルト「僕は参加するよ」


アニ「………環境調査なんて、馬鹿馬鹿しくて、行く気になれないよ」


ベルトルト「でも、調査中に死者が出た事例は、過去に一件も無いんだよ」


アニ「そうじゃないよ。私は、壁外に行く事のどこが楽しいのかが理解出来ないのさ」


ベルトルト「アニ………君は…」


ジャン「ほっとけほっとけ、行かねぇヤツは行かねぇで良いんだよ」


 ―――入団式当日 ウォール・マリア南部兵団拠点―――


兵士「訓練兵整列!壇上正面に倣え!」


エルヴィン「私は、ウォール・マリア南部兵団部長エルヴィン・スミスだ」


エルヴィン「訓練兵が正規の兵士として入団する本日、先ず初めに私が言うべきことは、やはり壁外遠征の話に他ならない」


エルヴィン「新兵の中にも、壁外遠征参加試験に合格した者が何人か居るだろう。無論、合格者の遠征への参加は自由だ。」


エルヴィン「多くの者は、壁外に対して良い印象を持っているだろう………毎年、合格者の殆どは、遠征に参加している」


エルヴィン「だが、もう一度確認してもらいたい。壁外が恐ろしく、過酷な場所であることを」

   

エルヴィン「壁内最強の兵士である、リヴァイ兵士長を知っているだろう。彼は以前、壁外の村でハンターをしていた。その村には、彼を含め、腕利きのハンターが7人居た」


エルヴィン「しかし、ラージャンの襲撃を受け、村は物の5分ほどで壊滅した。そして、ハンターを含む92人の村人が犠牲となった。5分で92人だ。それほど、人類とモンスターの間には力の差が存在している」


エルヴィン「壁外で危険生物に遭遇すれば、我々もそうなりかねないだろう。遠征の参加を希望する前に、もう一度自分に聞いてみてくれ。いざという時、死ぬ覚悟があるかどうかを」


 ―――入団式後―――


アルミン「エルヴィン部長があんな事を言ってたけど、エレンはどうする?」


エレン「参加するに決まってるだろ」


アルミン「そう言うと思ったよ」


エレン「アルミンも参加するだろ?」


アルミン「勿論!」


エレン「だよな」


アルミン「本当に遠征楽しみだね!」


エレン「ああ、そうだな!」


アルミン「そう言えば、入団式でリヴァイ兵長の話が無かったね」


エレン「そう言や、そうだったな。後で挨拶しておくか」


アルミン「そうだね、遠征ではお世話になる筈だから。でも、リヴァイ兵長の現役時代の話は聞いちゃ駄目だよ。あの事は辛かっただろうから」


エレン「おう、分かってるぜ」


 ―――昼 食堂―――


エレン(この人が………)


アルミン(リヴァイ兵士長………?)


リヴァイ「………お前ら、何の用だ?」


エレン「遠征前に一度挨拶をと思い、ここに来ました!」


エレン(顔は如何にも兵士長………なのに身長が………)


リヴァイ「………あまり俺に期待するなよ。壁外じゃ俺の実力は中間辺りだからな」


アルミン「そうなんですか………?」  


リヴァイ「………全く、この国の法律にはどうも納得いかねぇ」


リヴァイ「倫理だの環境保護だの言って、禁猟法を制定。国にはハンターが一人も居ない上に、兵士は実技訓練が出来ない。お陰で兵士は50メートルの壁と、其れに付いている防衛設備に頼りっぱなし。」


リヴァイ「リオレウスやリオレイアなら対処出来るだろうが、古龍に襲われたら一巻の終わりだな。とにかくクソな状況だぜこりゃ」


エレンアルミン「………………………」


ハンジ「やあリヴァイ、何を話しているの?」


リヴァイ「この国のクソな法律について文句を言っていただけだ」


ハンジ「そんなこと聞かせたら、新兵が可哀想じゃないか」


リヴァイ「元を辿れば、話を切り出してきたのは新兵の方だ」


ハンジ「全く………あ、自己紹介をしていなかったね。私は環境調査に同行する、生物学者のハンジ・ゾエだよ」


エレン「自分は、エレン・イェーガーです」


アルミン「僕は、アルミン・アルレルトです」


ハンジ「二人共良い名前だね。所で、君達は壁外遠征参加試験に合格してるのかな?」


アルミン「はい、僕もエレンも、試験には合格してます」


ハンジ「じゃあ、遠征前に、おさらいしておかないとね」


ハンジ「君達は、イビルジョーを知っているかい?」


アルミン「あの大食いの竜ですよね?」


ハンジ「そう!その通り!彼は異常な程の食欲を持っており、周辺の生物を絶滅させてしまう事もしばしばある」


ハンジ「何故そこまで食べるのか?それはイビルジョーの高い体温に理由がある!彼は高い体温を保たないと死んでしまう!しかし、イビルジョーは爬虫類………なのに高い体温を保つ、すなわち恒温動物!実は、この特徴は他の竜にも当てはまることだ!体温の維持は、体が大きいというだけで解決される筈だ!環境に合わせて進化した結果、恒温動物になったとは考えにくい………一説によると、竜は爬虫類と鳥類の中間なのではないかと言われている。リオレウスなんか、体の形が鳥類その物だ!イビルジョーも、形は鳥類とあまり似ていないが、恐らく鳥類に近い種なのだろう。そしてそして、分類学について聞いたら、あの話も気になるよね?そう!古龍の謎だよ!彼等は、生物上の分類がハッキリとしていないんだ!何故だと思う?色々あるけど、大体共通して言えることは、四肢ではなく六肢を持っていること!足が四本、そして背中の羽が二枚で計六つ!実に不思議だ!脊椎動物は皆四肢を持っている!彼らは爬虫類のような見た目をしている!なのに何故!?何故彼等は六肢を持っているのか?ここからは、私の想像を混じえて話すね。全ての龍の祖と言われている龍がいるんだ。誰も見たことも聞いたことも触ったことも嗅いだことも味わったこともない伝説中の伝説と言われている。実在しないモンスターだろうと思われているが………私は、その龍の正体が、人工的に生物を作ることに成功した科学者なのではないかと推測する。つまり、古龍は人工的に作られた生物兵器のようなものであり、他の生物との共通点が少ない理由は、人工的に作られた生物だからなのだと思う。これを示唆するような根拠が一つ有るんだ。未だ高度な古代文明が栄えていた頃、竜騎兵という兵器が作られていたんだ。それは、竜の素材を使って作られた、言わば生物兵器。なんと、昔は生物を人工的に作る技術力があったんだ。古龍を作るとなると、より高度な技術が必要になる筈だけど、作れなくはなさそうだよね。もし!もしも、この説が正しいとしたら、古代文明の破滅の元になった、人類と竜の戦争は、人為的に起こされた可能性が出てくる!つまり、竜騎兵を作るために多くの竜を殺す人類を、嫌っていた人がいたんだ!その人が古龍を作って人類を破滅させたということだよ!祖なる龍………彼が本当に龍なのだとしたら、彼は龍の体を持った人間なのか………?もしかしたら、自らが作った龍の内部に、自身の体、ないしは脳を埋め込み、永遠の命を手に入れ」以下省略


 ハンジ博士の話は永遠と続いた。


 ーーー遠征当日朝 ウォール・マリア門前ーーー


ペトラ「待ちに待った壁外遠征ね!」


エレン「はい!子供の頃からの夢が叶います!」


グンタ「あんまり、はしゃぎ過ぎるなよ」


エレン「はい!」


壁上の兵士「よし!周辺に危険生物は居ないぞ!」


エルヴィン「出発だ!全員前進せよ!」


馬「ヒヒーン!」パカラッ パカラッ


 ーーー壁外 草原ーーー


エレン「陣形の一番外側に居るのに、草食動物以外確認出来ませんね」


ペトラ「何時もこんな感じよ」


エレン「そうですか………」


ペトラ「失望したって顔だね」


エレン「はい!?」


ペトラ「珍しい反応じゃないよ」


ペトラ「壁外は、エルヴィン部長の言うような、危険生物だらけの場所じゃないのよ」


グンタ「大体、そんな頻繁に危険生物に遭遇していたら、今頃俺達は生きてないぞ?」


エレン「確かにそうですね」


エレン(………リオレウスくらいなら、簡単に見れるんじゃないかって思ってたんだけどな………何もないのが一番なのかもしれねぇけど)


ーーーアルミンの班ーーー


馬 タタタッ タタタッ


ネス「!?」


   ネスは馬を停める


シス「どうしましたか?」


   シスも馬を停める


ネス「兵士が倒れているぞ」


シス「息はありますか?」


ネス「息はある。気絶しているだけのようだ」


   周囲を見渡すと、他にも3人の兵士が倒れている


ネス「危険生物が出現したのかもしれない。アルミン!赤の煙弾を射ってくれ!」


アルミン(荷馬車)「はい!」サッ


   アルミンが煙弾を射とうとした時


???「」ピュッ


   アルミンの煙弾は???に奪われる


アルミン(………何だ………何が起こっている………!?)


   混乱するアルミン


ネス「どうした?早く射ってくれ」


   アルミンと離れているシスとネスはアルミンの異変に気付かない


   ???は二人の背後に突如姿を現す


アルミン「二人共危ない!!」


???「ハーーーーーーーーーー」


ネス「」バタッ


シス「」バタリ


   ???が吐いた霧を吸った二人は、その場に倒れ込んでしまう


   アルミンは急いで馬を走らせる


アルミン「まさか………そんな………」


アルミン「ヤツだ………間違いない………ヤツだ………」ガクガク ブルブル


アルミン「ネス班長教えてください………どうすればいいんですか!?ヤツは」ガクガク ブルブル


   ???は突如、走行中のアルミンの前に姿を現す


   驚いたアルミンはバランスを崩して落馬する


アルミン「うっ!」バタッ ゴロゴロ


   体に痛みが走る


   顔をしかめながら、ゆっくりと目を開ける


   ???の姿は何処にもない


荷馬車 ガサガサ


アルミン(………荷馬車を漁っている?狙いは食糧か?)


   音が聞こえなくなる。


   辺りが静寂に包まれる。


   アルミンは立ち上がり、荷馬車の中を確認する


アルミン「やっぱりだ。食糧がやられている」


   アルミンは黒の煙弾を射とうとする


   しかし、???に煙弾を奪われたことを思い出す


アルミン「クソッ………とにかく、このことを他の人に伝えないと」


ーーーエレンの班ーーー


兵士「口頭伝達です!!右翼索敵壊滅的打撃!!右翼索敵一部機能せず!!以上の伝達を左に回して下さい!!」


グンタ「聞いたかペトラ。頼むぞ」


ペトラ「分かったわ」


エレン(右翼側!?確かアルミンはそっちだ………いや待て、何で煙弾が一発も上がってないんだ!?射つ隙も与えないほどヤバいヤツが出たのか!?)


グンタ「まさかとは思うが、古龍が出たのかもしれないな」


エレン「!? 古龍って………!?」


グンタ「ここは平地だ。索敵はしやすい。なのに、敵を発見出来ずに被害を受けている」


エレン「まさか………」


グンタ「………オオナズチだ」


ーーー右翼側の班ーーー


兵士1「何処だ!?何処から来る!?」ガクガク ブルブル


兵士2「落ち着け!!ヤツは角を損傷すると、姿を消せなくなる。姿を現した一瞬を狙うんだ。ヤツに立体機動装置のアンカーを刺し込んでやれ!」


   緊張感が漂う


兵士1「………何処から来る………来るなら来い………」ガクガク ブルブル


オオナズチ「」出現


兵士2「今だ!」パシュッ!


兵士1「」パシュッ!


   オオナズチはアンカーをかわし、舌でワイヤーを掴む


   バランスを崩した二人は落馬する


兵士1「うわぁっ」バタッ ゴロゴロ


兵士2「くそっ」バタッ ゴロゴロ


兵士3「二人共大丈夫か!?」


   兵士3は馬を降り、二人の下に駆け寄る


   突如、オオナズチは兵士3の前に姿を現す


オオナズチ「………」


   オオナズチは無言で兵士3に歩み寄る


   足音は限りなく無に近い


兵士3「………」ガクガク ブルブル


   恐怖で足がすくむ


オオナズチ「ハーーーーーーーーーー」


兵士3「」バタリ


   霧を吸った兵士3は倒れ込む


   オオナズチは荷馬車を漁る


オオナズチ「」ガサガサ モグモグ


ーーーエレンの班ーーー


   黒の煙弾が上がる


グンタ「エレン、煙弾を射ってくれ」


エレン「はい!」サッ バン!


エレン「それにしても、本当にオオナズチが………撤退しなくていいんですか?」


グンタ「国の周辺に、あんな危険な生物を居させるわけにはいかない。俺達兵士は、ヤツを狩らなければならない。それが兵士としての役目だ」


   黄色と青の煙弾が上がる


グンタ「精鋭部隊集合の合図だ。エレン、お前は後ろで予備の伝達係だ」


エレン「はい!」



ーーー陣形の後方ーーー


アルミン「エレン!」


エレン「アルミン!みんな!無事だったか!」


ミカサ「エレン、怪我は無い?」


エレン「俺は大丈夫だ」


ジャン「なあ、エレン。状況が全く分からないんだが、何がどうなってるんだ?」


エレン「オオナズチが出たらしい」


ジャン「は!?嘘だろ!?」


エレン「嘘も何も、この様子を見りゃ何となく分かるだろ」


サシャ「何故撤退しないのですか?」


エレン「国の近くに危険生物を居させるわけにはいかないから、精鋭部隊が前で戦ってるんだ」


クリスタ「オオナズチを狩るつもりなの?」


エレン「ああ、そうだ」


ライナー「右翼側で負傷した人達はどうなるんだ?」


ベルトルト「それなら、今兵士が一人、国に戻って応援を呼びに行ったから、直に回収される筈だよ」


コニー「なあ、みんなの言っていることが全く分からないんだが」


アルミン「要するに、姿が見えない龍が出たってことかな」


コニー「何となく分かったけど………本当に、そんなヤツを狩れるのか?」


アルミン「見えないといっても、常に見えない訳ではないからね。それに、もうすぐ森だ。立体機動で総攻撃を仕掛ければ、倒せないこともないんじゃないかな」


ーーー森の中ーーー


馬 タタタッ タタタッ


エレン「!? 馬車が置いてあるぞ!まさか、誰かやられたのか!?」


アルミン「オオナズチは荷馬車の食糧を狙っているから、きっと囮として使われたんだよ」


エレン「そうか………?ならいいけどよ」


   アルミンの予想は外れる


エレン「おい!見ろ!リヴァイ兵長が倒れてるぞ!」


ジャン「嘘だろ………!?」


   辺りを見渡す


   リヴァイ以外にも数人の兵士が倒れている


ライナー「精鋭部隊は全滅か!?」


ミカサ「血が全く落ちていない」


ジャン「お互い無傷って訳か………」


エレン「大変だ!オルオさんの口から血が!!」


ライナー「内臓をやられたのか!?」


エレン「分からない!でも、血が止まらないんだ!!」


   オオナズチはベルトルトの前に姿を現す


全員「!?」


   オオナズチは口から霧を吐いた


オオナズチ「ハーーーーーーーーーー」


アルミン「吸っちゃ駄目だ!!」


ベルトルト「」バタリ


   霧を吸ったベルトルトは倒れ込む


   オオナズチは姿を消す


   新兵達は酷く混乱する


ライナー「ベルトルト!」


アルミン「マズイ、疲労ブレスだ!」


ジャン「クソッ、とにかくこの場を離れるぞ!」


ライナー「お前、何言ってやがる!?ここで倒れている人達を見捨てるって言うのか!」


ジャン「モタモタしてたら、全滅するかもしれねぇんだぞ!?回収するにしても、オオナズチがこの場を離れてからだ!!」


ライナー「それまでほっとくって言うのか!?ここは森の中だぞ!?直ぐに肉食動物が来るぞ!?」


ジャン「戦うっていうのか!?透明人間を相手にするようなもんだぞ!?」


ジャン(待てよ、透明人間?まさか、あいつの素材で防具を作れば、透明人間になれるんじゃないのか!?)


ライナー「兵士には、引けない状況がある!そのくらい、お前にだって分かるだろ!?」


ジャン「そうだな!ハハハハハ!!オオナズチめ!何処からでもかかってきやがれ!」


   オオナズチは姿を現す


   舌を伸ばし、サシャのポーチに入っているこんがり肉Gを奪い取ろうとする


   とっさにサシャはオオナズチの舌を掴む


サシャ「私のお肉ぅぅぅぅぅ!!!」ギュウウウ


オオナズチ「グル!?グルルルル!?」ビク ビクビク


   サシャの予想外の行動により、オオナズチは舌を引っ込められなくなる


ジャン「サシャ!肉なんて渡しちまえ!」


サシャ「嫌ですぅぅぅぅ!私のこんがり肉Gがぁぁぁぁ!!!」


ジャン「オイ!お前も一緒に飲み込まれちまうぞ!」


ライナー「まて、これはチャンスかもしれない」


   ライナーは立体機動でオオナズチの背中に乗る


ライナー「動くなよ………」シャキ


   ナイフと取りだし、オオナズチの背中に突き刺す


オオナズチ「グルルルルルル!!」バタン!バタン!


   オオナズチは激しく暴れ始めた


ジャン「あの馬鹿、何やってあがる!?」


アルミン「あれは、壁外のハンターがよくやる狩猟方だ。でも、素人の僕達があんなことしたら………」


オオナズチ「」バタン!バタン!


ライナー「」バキッ


   ライナーはオオナズチの背中に潰された


オオナズチ「グルルウウウウ!」バサン!


   オオナズチは口から毒を吐く


   サシャとライナーは毒を吸ってしまう


クリスタ「ライナー!サシャ!」


   クリスタは二人の元に駆け寄る


アルミン「行っちゃ駄目だ!危ない!」


   オオナズチは、ぐったりと倒れる


アルミン「ライナーの攻撃でダメージを受けたのか?これは、チャンスだ!」


   アルミンは走り、ブレードを振り上げる


アルミン「角さえ傷つければ!」


   オオナズチは、突如立ち上がる


オオナズチ「ハーーーーーーーーーー」


アルミン「」バタリ


クリスタ「」バタリ


   オオナズチは姿を消す


ミカサ「アルミン!」


   ミカサはアルミンの元に駆け寄る


   オオナズチは同じ場所姿を現す


   口から霧を吐く


オオナズチ「ハーーーーーーーーーー」


ミカサ「」バタリ 


エレン「ミカサ!アルミン!」


ジャン「クソッ、何もかも罠ってことかよ………」


コニー「なぁ、あいつはまた、気絶したやつを餌にして、俺たちを倒そうとしているのか?」


ジャン「分からねぇが、可能性は高いな」


コニー「だったら………」パシュッ


   コニーは立体起動で飛び立つ


コニー(未だ同じ場所に居れば………頭の位置は大体分かる!)


   オオナズチは同じ場所に姿を現す


   舌を伸ばし、コニーの立体起動装置のワイヤーを掴む


コニー「………は?」


   オオナズチは思いきりワイヤーを引っ張る


   木からアンカーが抜ける


   コニーはそのまま地面に激突する


コニー「」バタン!


   オオナズチは姿を消す


エレン「そんな………嘘だろ………」


ジャン(くっ………こいつ、頭の良さが並のモンスターの比じゃねぇ。オオナズチのスケスケの防具を作って、女湯を覗こうなんて考えた俺か馬鹿だった………)


エレン「………っ」タッタッタ


   エレンはアルミンとミカサの方へ走る


ジャン「オイ!バカ!死に急ぎ野郎!またやられちまうぞ!」


エレン(ヤツが何処かへいっていたなら、アルミンとミカサを治療する。もし、未だ同じ場所に居たなら………)


   オオナズチは同じ場所に姿を現す


   口から霧を吐く


オオナズチ「ハーーーーーーーーーー」


エレン(要は吸わなきゃいいんだろ?)


   エレンは片手で口と鼻を塞ぐ


   もう片方の手に持っているブレードを振り上げる


エレン(死ね!)


   オオナズチの角を切り裂く


オオナズチ「ギャァァァァァァ」


   オオナズチはその場に倒れ込む


ジャン「エレン!お前、よくやったな!」


   エレンはアルミンとミカサの治療をしようとする


エレン「元気ドリンコの材料は………ああ!クソッ!素材が足りねぇ!」


   オオナズチは立ち上がり、ジャンを睨み付ける


ジャン「オイオイ、何で俺なんだよ………!?」


   オオナズチは静かに飛び立ち、ジャンに突進する


ジャン「こいつ、早すg」バタッ


   オオナズチの突進を受けたジャンは、10メートルほど転がる


   二人の治療に集中しているエレンは、オオナズチの静かな動きに気付かない


   オオナズチは走り、エレンに突進する


エレン「!?」


   気付いた時にはもう遅かった


   ミカサを抱えていたエレンは、ミカサと共に5メートルほど転がる


   エレンの意識はハッキリしている


   だが、骨を折ったのか、足に激痛が走る


   オオナズチはゆっくりとエレンに近付いてくる


   オオナズチの怒りが、殺気と共に伝わってくる


エレン「ははははははは!お前は!なんッッにも!!できねぇじゃねぇかよ!!」


エレン「俺は何も………なんっにも出来ないままだったよ!!」


エレン「うわあああああああ!!」


   ミカサがゆっくりと目を開ける


ミカサ「………エレン」


エレン「っ!?」


ミカサ「………そんなことないよ」


ミカサ「………エレン………聞いて………伝えたいことがある………」


ミカサ「………私と………一緒にいてくれて………ありがとう………私に………生き方を教えてくれて………ありがとう………私に………」


ミカサ「マフラーを巻いてくれて………ありがとう………」


エレン「………そんなもん、何度でも巻いてやる」


   エレンはブレードを持ち、立ち上がる


エレン「これからもずっと、俺が何度でも」


   足に激痛が走る


エレン「アアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」


   そう叫んだ瞬間、空から黒く巨大な物が降ってきた


   強い風が吹き、エレンは尻餅をつく


   エレンはオオナズチの方を見る 

  

   そこには、゙黒い龍゙が居た


   ゙黒い龍゙は、オオナズチの首に噛み付いている


エレン(補食されているのか………?)


   オオナズチの首から血が吹き出る


   ゙黒い龍゙の顔が血で染まる


オオナズチ「………グル………グルル………」


   オオナズチは力無く声を出す


   ゙黒い龍゙はオオナズチの首を噛みちぎる


   オオナズチの頭が、ボトリと音を立てて地面に落ちた



   「オマエ ハ ワレ ノ ナカマ」



エレン「………な、何だ!?」


   エレンど黒い龍゙の目が合う



   「オマエ ハ コロシ ガ ダイスキ」



   エレンは、あの日の出来事を思い出す


 ―――――――――――――――――――


エレン「死んじゃえよ、クソ野郎」


エレン「お前らなんか………こうだ!!こうなって当然だ!!」


エレン「戦え!!戦うんだよ!!」


 ―――――――――――――――――――


エレン「………違う………俺はただ、守りたかっただけで………」



   「ウソ ダ オマエ ハ イマ コノ リュウ ヲ コロソウ ト シタ 」



エレン「違う!俺は仲間を守りたかっただけだ!殺したくなんかないんだ!」



   「ワレ ト トモ ニ タクサン コロソウ」




   「タクサン コロセバ トテモ タノシイ」



エレン「止めろ!俺は人殺しなんかじゃない!」



   「オマエ コロシ ガ キライ ナノカ?」



エレン「そうだ!俺は人なんか殺したくないんだ!」



   「ソウカ ソレ ハ イイ ワレ ガ オマエ ノ ナカマ ヲ タクサン コロシテ オマエ ヲ クルシマセテ ヤロウ」



   ゙黒い龍゙はゆっくりとアルミンに歩み寄る


   アルミンの上で右足を上げる


   エレンは激しい恐怖に襲われる


エレン(止めろ………)ブルブル


   まるで声帯を取られたように声が出ない


   息が音を立てて喉を通り過ぎていく


アルミン「」グシャ!!


   ゙黒い龍゙の足は、アルミンの足を潰した


   アルミンの叫び声が響き渡る


   ゙黒い龍゙はアルミンに手を伸ばす


   アルミンを持ち上げ、頭を噛みちぎる


エレン「………っ………っ」



   「コロシテヤル」



   ゙黒い龍゙はミカサを持ち上げる



   「モット コロシタイ」



   ゙黒い龍゙はミカサの腹を噛みちぎる


   内臓が飛び出る


エレン(嫌だ………止めてくれ………)



   「ミンナ ミンナ コロス」



エレン「止めおおおおおお!!!」


アルミン「エレン!!」


エレン「!?」


 ―――ウォール・マリア シガンシナ区 病院 夜―――


   気付くと、エレンは病院のベッドの上にいた


アルミン「大丈夫なの?オオナズチに襲われたあとから、ずっとうなされてたけど、どんな夢を?」


エレン「何だっけ?………あれ………?忘れた」


扉 ガチャン!


ミカサ「エレン!」


アルミン「ミカサ!?腕を折ってるんだから、あんまり無理しない方が」


ミカサ「エレンがうなされていると聞いた。ので、今すぐ来るべきと判断した」


ミカサ「エレン、調子はどう?」


エレン「………」


ミカサ「エレン?」


エレン「悪ぃ、何があったのか、いまいち思い出せないんだ」


アルミン「そっか………頭を打ったみたいだから、そのせいかな?」


エレン「………アルミン、水を持ってきてくれないか?喉が凄い乾いてる」


アルミン「分かった。ちょっと待ってて。ミカサはちゃんと寝てないと駄目だよ。足だって怪我してるんだから」


ミカサ「っ、でも」


エレン「俺はお前の弟でも子供でもねぇんだぞ」


ミカサ「………」


エレン「俺のことは心配しなくても大丈夫だ」


ミカサ「」コクッ


扉 ガチャン


エレン「………」


エレン(………クソッ、何にも思い出せねぇ)


   ふと、エレンは、自分のズボンのポケットに何かが入っていることに気付く


エレン(? 何だこれ?)


   エレンはポケットに手を入れる


   手が何かに触れる


 

   「コロシテヤル」



エレン「っ!?」


   思わず手を引っ込める 



   「モット コロシタイ」



エレン(………そうだ………思い出した………)



   「モット モット コロス」



エレン(あの時と同じだ………)


   恐る恐るポケットに手を入れる


   手が何かに触れる


   あの恐ろしい声は聞こえない


   何かを掴み、そっとポケットから出す


   鶏の卵ほどの大きさの゙黒い塊゙が出てきた


   ゙黒い塊゙は不気味なオーラを放っている


   エレンは黒い塊が何なのか考える


   その答えは出ない


   出るはずがなかった………








   




 キョダイリュウノゼツメイニヨリデンセツハヨミガエル


 多数の飛竜を駆逐せし時


  伝説はよみがえらん


 多数の肉を裂き 骨を砕き 血を啜った時


  彼の者はあらわれん


 土を焼く者


  鉄〔くろがね〕を溶かす者


   水を煮立たす者


 風を起こす者


  木を薙ぐ者


   炎を生み出す者


 その名はミラボレアス


  その名は宿命の戦い


   その名は避けられぬ死


 喉あらば叫べ


  耳あらば聞け


   心あらば祈れ


 ミラボレアス


  天と地を覆い尽くす


   彼の者の名を


  天と地を覆い尽くす


   彼の者の名を


 彼の者の名を


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真喜さんから
2017-04-06 12:20:49

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2016-05-05 21:56:47

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真喜さんから
2017-04-06 12:20:50

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