2015-11-21 18:35:53 更新

男が歩いていました。

今日は休日で、一人ブラブラと歩いています。

十字路の横断歩道に差し掛かり、男の進行方向は赤信号です。

勿論、男は立ち止まりました。

待っている人たちはそこそこいて、


(この中を歩くのは嫌だな)


と思い、隙間をうまく通って先頭へ行きました。

何とか一番前に着き、自分が渡らない側の信号機を見ると、点滅しています。


(三秒だっけか?。懐かしいな)


昔、国語で習ったお話を思い出しています。

信号が赤になり、車道の信号も数秒を置いて、黄色→赤になります。

男は良いだろうと、青になる前に渡り始めました。


「うわぁ!」


男は声を上げました。何かに押されたからです。

それの後に、ドーンと何かと何かがぶつかる音がしました。

でも、前のめりに倒れた男は、大変、憤っていて、それ所ではありません。


(畜生!。ぶつかっておいて、一言も無しかよ!。

しかも、誰一人、気に掛けてくれやしねぇ!)


男は手を突いて体を起こしました。

そして、何故、周りが自分に気を使ってくれなかったのか、直ぐに理解します。


「うわぁ・・・。車が派手にやってるよ・・・」


ガードレールも、フロントも、そのガラスも、めちゃくちゃです。

そして、自分の居る場所が、横断歩道から大きく外れている事に気が付きます。


「俺はどんな押され方したんだよ・・・」


横断歩道に人集りが出来ていて、そこから叫び声が聞こえてきます。


「誰か!。早く救急車よべ!。人が轢かれた!」


男はゾッとしました。


「俺、守られたんじゃね?。

 爺ちゃんかな?。ばぁちゃんぁかな?」


男はそこで立ち上がり、野次馬するのも趣味が悪いと歩き出します。


「にしても、倒されたときはビックリしたが、怪我もしてないみたいだし良かったわ。

 それに、俺は無痛症だから、怪我してても気が付かねぇんだよな。

 帰ったらちゃんと、体中を調べるか」


そんな独り言を呟き、雑踏へと消えていった


後書き

シャワーを浴びていて、頭を洗っているときに考え付いた話です。
この手の話って、きっと、既にあるんだろうな、と思いつつも、書いて見ました。
まんま同じ作品があったら教えてください。


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2015-11-21 20:30:34

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2015-11-21 19:47:40

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