2016-01-03 04:59:45 更新

概要

前々から色んなSSを書いてますが、艦これは初投稿です。
年末の暇な間だけ、書こうと思います。


不幸達の一コマ


注意

このお話は5000字弱の話です。


キャラクターの性格は適当です。


オチは特に無いよ。




001

まず、話を語るには舞台を整えなければいけない。基礎が大事なんだ。


このお話の舞台となる場所、それは… 単冠湾泊地。ここは他の鎮守府や泊地と違って『提督が存在しない』変わった場所である。


艦娘達が自立して、支え合ってここで暮らしている。ちなみに、ここでは提督の代わりが秘書艦兼提督になっており、提督の肩書きは二の次である。まぁ、実際のところ秘書艦が指示をしなくても勝手に遠征、出撃、演習を行っているのだが…


活動的な艦娘もいれば、その逆もいる。今回のお話はその活動的ではない艦娘達の日常の一コマ。





002

単冠湾泊地、特殊寮…

単冠湾の艦娘達の寮も特殊である。


通常の寮は駆逐艦隊寮、軽巡艦隊寮…と、分けられているがここでは、通常の寮の他に関連性のある『特殊寮』が設けられている。


少し紹介すると…


『ベアーズ』


『しまかぜ』


『牧場』


…と、種類がある。

今回のお話では、特殊寮の中でも最も『不活動』と呼ばれる『不幸寮』の会話だ。




カセットテープ

『不幸寮内の会話』



扶桑「…山城、もうクリスマスね…」


山城「そうですね、今年も何もありませんでしたね…」


扶桑「まだ、お昼の3時過ぎよ、そう嘆くことはないわ。今年こそはきっと良いことがあるわよ…」


山城「ないですよ、どうせ今年も部屋に篭って部屋に篭っている仲間と嫉妬や愚痴をこぼしながら過ごすんですよ、夕方になるにつれて、なんで今日はクリスマスなのに自宅に篭ってゲームとかケーキを食べてるんだろう…、外はなんで賑やかなのに自分の周りは寂しいのだろう…なんでクリスマスなのにもう正月のお飾りを集めているんだろう…はぁ…不幸だわ…」


扶桑「ぐふっ!?」小破


山城「あぁっ!?姉様大丈夫ですか!!」


扶桑「だ、大丈夫よ…、少し心が抉られた程度よ…」


山城「それ大丈夫じゃないですよね!?」


扶桑「…正月のお飾りはまだ2個…、そして残り時間は5日弱…」


山城「面倒ですよね…。そういえば今日は一度も陸奥さんを見ていないんですけど、姉様は見ませんでしたか?」


扶桑「んー、見てないわねぇ…、大鳳なら見ているんじゃないかしら?」


大鳳「………」カチカチ…


山城「いや、あれは絶対見てませんよ。あの人お昼前からずっとネット麻雀してますよ…」


扶桑「昔は結構真面目だったのに、いつの間にかやさぐれてあんなになって…可哀想に…」


大鳳「よし、立直!…えっ?追っかけ?しかも差し込まれた!?…チッ。…やっぱり麻雀は運ゲーだな…」ハァ…


扶桑「あのぅ、大鳳?陸奥を見なかったかしら?」


大鳳「え?陸奥さん?………。たぶん、翔鶴さんが知っているんじゃないですかね?」


山城「なんで同じ寮のメンバーの場所を知る為に仲間内でたらい廻しにされないといけないんですかね…」


扶桑「しかも、翔鶴は今お出かけ中だったわね。そろそろ帰って来てもいい頃だと思うけど…」



ガチャ…



翔鶴「ただいま戻りましたー」


扶桑「噂をすれば、おかえり。翔鶴、陸奥を見なかったかしら?」


翔鶴「あー…、そういえば陸奥さんは今日爆発してましたね。入渠中でしたよ?」


扶桑「…陸奥も相変わらずの不幸ね」


翔鶴「頭の第3砲塔が爆発したそうで…」


大鳳「そういえばこの前の爆発は二の腕の第3砲塔だったっけ?」


山城(…まず頭の第3砲塔ってなんですか…、あと二の腕も)


扶桑「あー…あるわね、私もパゴダマストが爆発して入渠した事あったし」


山城「パゴダマスト爆発したんですか?!」


扶桑「ええ、そうよ。…あれは不幸だったわ…」


山城(そのうち私のパゴダマストも爆発するのかしら…)ブルブル))


大鳳「で、翔鶴さん。私が頼んでおいた物は買ってきましたか?」


翔鶴「勿論。はい、トランプ。やっぱり冬はコタツでトランプよね」


山城「…お出かけってトランプを買う為だったんですか」


翔鶴「うん。でも、このトランプ見てみてちょっと面白いから」


山城「…面白い?(図柄が変わってるとか?)」





003




カセットテープ

『不幸寮内の会話2』


翔鶴「このトランプは近くのお店で買ったんだけど、このトランプの特徴は各カードに艦娘が描かれているの!」


扶桑「あら、本当ね…。………私のカードが見当たらないのだけれど…」


山城「姉様、わ、私のもありませんでしたから!気を落とさずに!」


翔鶴「あれ?私のはなくてなんで瑞鶴のカードはあるのかしら?」


大鳳「ちょっと!私がハートのAのカードになってますよ!!ほら!」


扶桑「やっぱり不幸寮のメンバーはトランプのカードにすらされないのね…」


大鳳「いや…だから私のカー…」


翔鶴「瑞鶴はあるのに…瑞鶴と私、どこで差がついたのかしら…」


大鳳「………」


山城「どんどん暗くなっていきますね…、ここは切り替えてどんなカードがあるか確認しましょう!た、例えばジョーカーは誰なのかなー?」


扶桑「ジョーカーは…金剛ね。…後でババ抜きをしましょうね…」


大鳳(今、絶対金剛さんの図柄でババ抜きって決めたよね)


翔鶴「ハートのカードには如月、夕雲、千歳、天津風…」


大鳳「あー…、だからハートの図柄ね」


山城「で、ジャックのカードは天龍、木曾、時雨、隼鷹、武蔵…」


翔鶴「で、スペードは赤城、加賀、吹雪、睦月、島風、陽炎…」


大鳳「最後にダイヤが…ん?龍驤、熊野、熊野、熊野、熊野、熊野…」


熊野2とぉおおおお!!!

熊野3とぉおおおお!!!

熊野4とぉおおおお!!!

熊野5とぉおおおお!!!

熊野6とぉおおおお!!!

熊野7とぉおおおお!!!

熊野8とぉおおおお!!!

熊野9とぉおおおお!!!

熊野10とぉおおおお!!!


山城「なんでダイヤの2から10まで熊野なのかしら…」


大鳳「さぁ?金とかに興味ありそうなキャラが少なかったからじゃないかな」


山城「しかもね、何故か熊野のカードだけキラキラ状態なのよ…」


大鳳「うわ…、ホログラム入ってる…」


翔鶴「………」プルプル…


扶桑「どうしたの?翔鶴」


翔鶴「い、いや……っく、それ、それでポーカーとかしたら…ぷふっ!」


扶桑「?」


大鳳「ポーカーねー…、確かに熊野のカードがストレートで揃ったら…くくっ」


山城「しかもフラッシュも付いてるから…」


翔鶴「すとぉおおお!!れーとふらっしゅ…ぷくくっ!あははっ!」



不幸達「「「あははははっ!!!」」」




………。


熊野「…くしゅん!あら、誰かがこの熊野の噂をしていますわね」


鈴谷「そうだね、多分馬鹿にされているんだろうね」



………。




004


カセットテープ

『不幸寮内の会話3』


扶桑「じゃあ、そろそろババ抜きをしようかしら」


翔鶴「普通のババ抜きですか?」


扶桑「…?」


大鳳「そうですね、普通のババ抜きをしてなにが楽しいんですかねー」ニヤニヤ…


扶桑「何が言いたいのかしら大鳳?」


大鳳「間宮券を賭けて勝負だ!!」


山城「…でたわ、大鳳の賭け事」


翔鶴「いえ、今回は私も賭け事に賛成です」


山城「えっ、翔鶴も?珍しいわね…」


翔鶴「今年のお正月は瑞鶴と二人で間宮さんのぜんざいを食べるので…」ニコニコ…


山城「いやいや、あなた手持ちに20枚程間宮券ありましたよね?」


翔鶴「なんで自分の手持ちの間宮券を出さないといけないんですか?」


山城「えっ」


翔鶴「他人の間宮券で私は美味しくタダぜんざいが食べたいんです!」


山城(く、クズだぁ…)


扶桑「ま、まぁ…私は別に構わないけれど…、山城が良いって言うか…」


山城「うっ…(どうする私…!賭け事なんてあまりしたくないけれど…)」


大鳳「大丈夫ですよ山城さん、手持ちに一枚残るくらいまで毟り取りますから」


山城「全然大丈夫じゃないわよ!!」


翔鶴「そうですよ、私達はただ純粋に間宮券が欲しいだけなんです…」


山城「いや、賭け事に純粋とかほざかれても説得力ないんですけど?!」


扶桑「…山城」


山城「な、なんですか扶桑お姉様?」


扶桑「心配いらないわ、賭け事なんて負けた後に考えれば良いわ、だから…ね?ババ抜きしましょ」


山城「クズの発想だー!!?」



この後、扶桑、山城、大鳳、翔鶴はババ抜きを行ったけど案の定扶桑と山城が間宮券が一枚になるまで大鳳と翔鶴に絞り取られたそうだ…





005


新年明けて。



単冠湾泊地、野外某所。


鹿島「えーと…、あけましておめでとうございます!今年も頑張りましょうね!私の今年の目標は…」




扶桑「あふ…、山城ぉ。後何分で新年の挨拶が終わるのかしらぁ?私はもう足が限界よ…」


山城「姉様、まだ始まって10分も経ってませんよ…」




鹿島「…私が今年最初に驚いた事は陸奥さんが新年早々腰の第3砲塔が爆発した事ですねー…(^^;;」



山城(また爆発したの?!)


大鳳「うわぁ…酷いわね。爆発しなければ良い人なのに」


山城「大鳳。それ、褒めてるの?貶してるの?」


大鳳「…褒めてますよ?」


山城「少し間があったんですがそれは…」




鹿島「あっ、時間ですね!あんまり長いと秘書艦の長門さんに怒られてしまいますね、えーと、新年の挨拶は私、鹿島でした!」



パチパチパチ…



翔鶴「不幸です…」


山城「いきなりなんですか」


翔鶴「聞いてくれます?」


山城「いや、別に聞きたく…」


翔鶴「年越し前にぜんざいを食べようと間宮さんのところに行ったらですね」


山城「私の話は聞く気ないんですね」


翔鶴「朝から人気で売り切れだったんですよ!!どう思いますか?!」


山城「どうと言われても…(ざまぁみろとしか)」


翔鶴「原因は駆逐艦の奴等がぜんざいを頼みまくった所為ですって!」


山城「奴等って、口が悪いですよ!」


翔鶴「うぅ…、今度赤城さんと一緒に暴れるんですから…!」


山城(まぁたタチの悪い事を…)




長門「そこ、うるさいぞ!お喋り位我慢できんのか?!」



山城「あ…す、すいません」


翔鶴「全く、私を巻き込まないでくださいよ山城さん」


山城「はぁああああ?!!」ガタッ!



長門「山城!さっき注意した筈だが?」



山城「うっ…すいません(翔鶴…あなた、私の恨み手帳の順位を繰り上げるわよ…?)」



…色々と不憫な目に遭っている山城。年が明けて少しはマシになれば良いけれど。不幸に負けずに過ごすんだ山城!頑張れ山城!



扶桑「山城ばかり出番が多くて良いわね…私だってケッコンカッコカリをすれば!」


大鳳「そんな予定は、提督が着任しない限りありませんけどね」


扶桑「ですよね…」





おしまい。


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NRHRさんから
2021-05-18 01:55:36

SS好きの名無しさんから
2016-02-14 16:56:58

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