2016-05-14 01:59:34 更新

概要

ファンタジーでおっさんと女の子がイチャイチャするだけのが書きたかった(犯行動機)


男「ちょっと、ちょっと待って」


少女「ふぇ?」


男「先ず襲われる理由を教えておくれよ」


少女「賞金首に情けを掛ける理由はありません!」


男「俺はそんなに有名なのか!」


少女「いい加減良いですか!?行っちゃいますよ!」


男「...そうかい...」



男は素早く何かを呟くと、その手に氷の刃を作り出す


ダイヤモンドのような美しい輝きを放つ氷の剣だ


「氷刃」


少女は知らない


男がそのような二つ名で呼ばれていることを



相対する少女


炎の刻印が入った鋼の剣を構えている


炎の刻印は、武器に炎の力を授ける


とはいえこの剣は大量生産品であり、良く燃えるそこらのゴブリンに強い程度の代物だ


少女は後悔する



ーーこの状況はヤバい



男が武器を構えてから数分、二人に動きは無い


「ぅ...」


小さな声


「うぅりゃぁぁああ!」


やけくそになったのか、少女は携えた武器で男に猛進する


「おっとと」


男は体を半身にずらして目を瞑って突撃してきた少女を軽くいなし


ぽん


通り過ぎて行った肩を軽く押してあげる


「おわぁったぁ!?」


突進の勢いをそのままに、少女は地面と熱いキス


下が原っぱであったことが彼女にとっての救いだろうか


「ったぁ...」


服を泥だらけにした少女が顔を拭って男に猛抗議を始める


「なぁにするんですかぁ!せっかく全力でかかって行ったのにぃ!」


「え、いやあの」


「だいたいそんな仰々しく武器構えてて使って来ないってどういうことですか!」

「おかしいですよね!小娘だからってなめてるんですか!私だってゴブリン位なら簡単に」

刹那、男の体が動く


キィィイイン...


「倒せ...る...?」


少女の持っていた剣の先端が、宙に浮く


男はその瞬間に、少女の後方に移動していた


本体と離別を余儀なくされた剣の切っ先は少女の頬を掠め、重力に従う


頬に流れる一筋の血


すとん、と剣の一部が地に突き刺さる


「え...あ...」


「解っただろ」


頬の血を拭う少女に男が続ける


「俺がいつでもお前を殺せる事」


少女の呼吸が荒くなる


「っぁ...」


どさりと人の倒れる音


「...」




面倒なこった


男は状況をその一言で一瞥しようとするものの、目の前に倒れた年端もいかぬ少女を放っていくわけにも行かず


「はぁ~...」


男は、この重い気分を吐き出すように大きなため息をついた




おじさんと少女




少女「ん...?」


少女「んうぅぅぅう...」ノビー


少女「...」


少女「ありぇ、どこですか此処」


少女「賞金首とたたかってぃぇ」


少女「確かそのあときじぇつして...」


少女「どこでひょうここ」



少女「ぬーん」



少女「んゆ?」



少女「もしかして拉致りゃれました?私」


男「もしかしなくても、な」


少女「...あ、昨日の!」


男「まてまてまて、そう臨戦体制に移ろうとするな、あと呂律回ってないぞ」


少女「うりゅうさいですね!私はあの剣さえあれば...ん?」



少女「私の剣!!!どこでひゅか!!!」


男「あれはなぁ」


少女「どうしたんでひゅか!」


男「処分済みだよ」


少女「何ででひゅか!」


男「俺が昨日折ったよ」


少女「あ、そうでした」


男「ざんねんでした」


男「って事だ、魔法も使えんお前にはまともな抵抗は出来んだろう、しばらくは此処に居てもらう」


少女「うえぇ...」


男「何だその嫌そうな顔、おじさん傷付くぞ」


少女「くっ...仕方がないですね、従ってあげます」


男「どこまでも生意気だなお前」


男「そうだ、お嬢ちゃん名前は」


少女「貴方に名乗る名など...」


男「おま○こって呼ばれたいか、成る程n「少女ですっ!」


男「少女か、ふぅん」


少女「全くデリカシーの欠片も無い人ですね...そんなんじゃいつまで経っても結婚できませんよ」


男「余計なお世話じゃボケ」


少女「いったっ、叩かないで下さいよぉ!」


男「すまんすまん、つい手が滑ってな」


少女「で、私は何をさせられるんですか」


男「そうだな...」


男「家事」


少女「...何かこう、拍子抜けしますね」


男「お前は何を考えてたんだ」


少女「ナニですよ」


男「...」バシッ


少女「いった、また叩いた!」


男「黙っとけマセガキ」


少女「良いじゃないですかちょっと位ぃ...」


男「此処にお前を運んで来たのも気分だ、それ位しかやらせることはないのさ」


少女「まぁ帰り方も解りませんし、暫くはお世話になりますけど」


男「...お前仮にも拐われてるんだけどな」


少女「そんなもんですよ」


男「全く冷めたガキだこと」


少女「お褒めの言葉をどーも」


男「寒いだろ、暖かい牛乳でも飲んどけ」


少女「あ、ありがとうございます」


男「俺は仕事に行ってくる、お前は此処に居ろ」

男「昼飯はソーセージと卵とパンがある、適当に食っとけ」

男「夕飯の食材は俺が買ってくる、俺の言ったメニューを作れ、味は問わん」

男「あ、後風呂の水張っといてくれたら助かる」


男「わかったか?」


少女「はーい」


男「いきなり連れ込んだ人間にこんなことを頼むのは妙かも知れんがな、こっちも生活が大変なんだ、頼むぞ」


少女「」コクン


男「ったく気合いがねぇなぁ...」


少女「ん」


男「...何のポーズだそれは」


少女「行ってきますのハグですよ」


男「...」


少女「ほら」カムカム


ドア バタン



無視されましたね...


何でしょう、優しくないですか?あの人


あ、今のは無視されましたけど


誘拐した人間に自分の家任せちゃうってのもまたおかしいんですけどね?


ご丁寧に昼食用意して頂いて、家事やれば他特に何もないと


逆に怖いですよ


しかもあのおっさん超かっこいいじゃないですか


最初見た時は布の隠れてて判んなかったですけど、あんな渋いおっさん後にも先にも見たことないですよ


正直やばいですよ


何か...どうなるんでしょうね、私




『氷刃』


ぼろぼろになった黒の布を身に纏い、全身黒ずくめの声の低い男


素顔を見た者は無く、住処を知る者も居ない


盗賊であるという事、氷の魔法を操る事のみが一般に知られている


地域毎に存在する戦士ギルドでも危険視されている要注意人物


掲示板を見れば排除依頼が何処かにある程である


襲われた貴族は数知れず、後には血と溶けない氷だけが残るのだという



そんな男は悩む


「...服か」


少女を連れ込んだ...いや、拐ったはいいが、この先生活をさせるとなると、服やなんやは必要になってくる


どうすれば良いのか


己の手を血に汚し、酒を飲む事だけを頼りに生きて来た何十年


女性、それも子供を養う事になるとは思わなかった


「丸くなっちまったもんだ」


昔は女子供も容赦無く切り捨てていたものだが、最近はどうにも情が出てしまう


まぁ独身男のターゲットなど無数に居るので食っていくには問題ないのだが


「はぁ」


それにこのまま家に置いておいていいのかという問題もある


誘拐は誘拐された人間の親族に身代金を要求するためのもので、身元も判らない少女から金銭を生み出すというのは無理な話だ


あと


「...可愛いんだよな...」


可愛いのだ


正直に言って好み


仕事柄まともな女性を見た事が無かったのもあるかもしれないが、女性に関わった事が少ないとはいえあんな年端もいかぬ少女に手を出すとは何とも情けのない話である


話を纏めるのなら、理性が持つかどうか


「俺は少女性愛者じゃない...」


そんな事を呟きながら、男は昼間の商店街をさまよっていた


______



一通り家事を終わらせ、思考を巡らせる


親が婚姻関係を解き、勢いで飛び出してきて冒険者になったのはいいものの、今こんな状況である


家など無いので問題は全くない

寧ろ得意の家事で役に立てるのだ

かっこいいおっさん付き


ただ、何かが足りない


もっと役に立てること


仕事を手伝えればいいのか!


盗賊…だったよね?


でも今回は剣で負けた


なら、



いっその事、魔法でも勉強してみようか



さて、その辺にある本を漁ってみよう





熟文字が読めて良かったと実感する


多少裸のお姉さんが目に付いた以外は、「形を形成する」タイプの魔法が乗ったものばかり

良くも悪くも無骨な魔法です


もっとこう、「どーん!」みたいなまじっくまじっくした魔法はないのでしょうか


ぬーん


あ、安心して下さい、裸のお姉さん達は今や畑の肥やしです


ん?


「透明化」…?



______




漸く家に帰ってこれた


仕事に出向いては帰りに毎夜毎夜山登り


思う


街からここは、遠すぎる



ドアを開け、「戻った」と声を掛ける


いつもなら誰もいない筈の空間から「お帰りなさい!」と声がする


あぁ、不思議な感覚だ


拐った筈の少女が、エプロンを付けて出迎えてくれる

なんとも奇妙な状況


少女「お帰りなさい、ご飯にする?お風呂にする?

そ・れ・と・も…」

男「…夕飯の材料」


少女「っとと、全くノリが悪いですねぇ」

少女「お米とチーズときのこ…ぬーん、リゾットでしょうか」


男「正解だ、頼んだぞ」


少女「りょーかいしましたぁ」


少女「あ、お風呂沸いてるので入っておいて下さいね~」


ぱたぱたと台所へ向かう少女


形容し難い感情

やはり、古典的な新婚さん的な何かに凄くこうぐっときてしまった

ポーカーフェイスを装ってはいたものの、今の状況で耳を触りたくない

バレていないだろうか


触れたくない事象から手と目を離して、普段ならこれから用意する筈の風呂へと向かう


有難い事だ


湯加減を見る


「熱すぎだな…」


まぁそれもまた

疲れた体を激励するにはいいのかもしれない


後書き

王道を往く...SSですかね

修正更新です

ベタなものって書いたことないので、妄想を発散するついでに練習します

R-18...になる予定


このSSへの評価

4件評価されています


SS好きの名無しさんから
2018-08-10 12:25:26

SS好きの名無しさんから
2016-10-31 08:06:48

マツさんから
2016-04-24 21:13:59

SS好きの名無しさんから
2016-01-21 09:21:21

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SS好きの名無しさんから
2016-10-31 08:06:54

マツさんから
2016-04-24 21:13:59

しらこさんから
2016-03-05 10:25:46

このSSへのコメント

1件コメントされています

1: マツ 2016-04-24 21:14:55 ID: TxdHHyzN

この続き 私 気になります(青葉風


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