2016-02-09 23:16:55 更新

概要

はじめてのクトゥルフものです。大きな心で見てやってください。
PC推奨。


このSSは 部屋を明るくして PCで見てください




<スマホ対応版>












ギャー ギャー バサバサ・・・






・・・止めろ、止めるんだ。






ザッ ザッ ザッ・・・






・・・俺はお前達のことを理解はしている。だが俺はノンケなんだ、だから勘弁してくれ。



ドンダケー! ジョーダンジャナーイワヨーウ! ダマレコゾウ!



・・・頼む、やめてくれ!誰か!!誰か助けてくれえええええ!!!






???「は~い」






オカマ達「!!?」



グボッ! グエッ! ギャオ!



男「オカマ共を一瞬で・・・あ、アンタは一体・・・!?」






???「・・・」フッ





















いつもニコニコあなたのツッコミ、頼れる相棒!















大澤絵里子「大澤絵里子、です☆」キャピルン

                                                        テテテレ

                                                            テテテレ

                                                                テテテレ

                                                                    テテテレ

                                                                     

野立信次郎「なんだただのオバサンか」ペシッ                             ティンティン 

                                                             ティンティン

                                                                   ティンティン

絵里子「失礼ね、オバサンじゃないわよ」                                              ティン                     



















絵里子「お姉さんだから」







                                                        デデーン♪







Na~nananananana~na~na~nana Na~nananananana~na~♪










Na~nananananana~na~na~nana Na~nananananana~~~~♪













                    ティーララリララティーラリララララ      


                                           BOSS     


                                                       ティーララリララティーラリララララ



                                                                     Oh,yeah~♪
















―翌日・対策室―



花形一平「事件ですか!?」



絵里子「それ私の台詞、微妙に違うけど」



岩井善治「言うてもそのパティーン、アバンで使ってもうてるしな」



絵里子「メタ発言しない!」



木元真実「それで事件なんですかそれとも事件じゃないんですかもし事件じゃないんならなんで呼んだんですか」



絵里子「お願い木元まくしたてないで」



山村啓輔「ボスが自分から『事件だから』って言おうとしたことを踏まえると、確実にじけ「山さんに聞いてないです黙っててください」



山村「ごめんなさい」シュン



絵里子「あ”ー頭痛くなってきた、ボケラッシュは片桐で終わりにして」



片桐琢磨「・・・・・・」



岩井「何もないんかい!」ドン!



片桐「自分、不器用なんで」



絵里子「これでおしまい?じゃあ事件について説明を―――」ギイ・・・



野立「よっ!対策室の諸君」ビシッ



山村・花形「野立さん!」



絵里子「うわー降臨なされたよギャグを司るエロオヤジが」



野立「エロスとジョークの貴公子と呼んでくれたまえ」キリッ



岩井「ぽっ♡」 



絵里子「なーにが貴公子よ、オカマ達のアイドルの間違いじゃないの!?」



野立「・・・ゴホン!」



岩井「え!?何それどういう事!!?」ガタッ!



花形「岩井さんこっちも気になるけどこれから捜査会議ですよ!」



岩井「うっさい黙っとれ!!!」



花形「ええ~」



片桐「・・・カマドル・・・」ボソ・・・






一同「え・・・」






山村「片桐君、いま・・・」



岩井「ギャグ言うたやんな?」



花形「イメージじゃない・・・」



片桐「・・・・・・自分、帰ります///」ガタッ



絵里子「こらこらまだ帰らないの、面白かったから、ね?」ガシッ



片桐「//////」



木元「・・・すっごい顔赤い」



絵里子「はいムダ話はここまで!捜査会議するよ!!」パンパン!






野立「都内3ヶ所で3人が殺害された」



野立「1人はコンビニの店長、1人はOL、1人はフリーター」



野立「殺された場所も、神田・三鷹・立川と三者三様」



野立「今の所、被害者3人に接点はないが、一課は連続殺人と断定して捜査していた」



木元「何でこの3件が連続殺人だって断定したんですか?」



野立「さすがマミリン、いい質問だ」



絵里子「被害者3人の殺害手口と、凶器が一致した」



絵里子「3人とも、自宅に入った所を襲撃され、目潰しをされた上で撲殺されている」



絵里子「その凶器は3件の現場で押収されているバール。鑑識の鑑定結果でも証明されている、間違いない」



片桐「でもそれだけじゃ3件を繋げる理由には・・・」



絵里子「凶器と断定されたバールには3本とも、あるメッセージが書かれていた」



絵里子「『名状しがたいバールのようなもの』・・・これがどういう意味なのかさっぱり分からない」



野立「何かの隠語である可能性を考え、関係部署でも調査を行わせている」



野立「また目潰しの手口も、手製のスタングレネードで成分も一致している。3件が繋がっている可能性は極めて高い」



絵里子「岩井と花形は三鷹、山さんと片桐は神田へ行って、現場検証の後聞き込み!」



4人「はい!!」ガタッ!



絵里子「木元は私と一緒に立川へ、準備して」



木元「了解です」ガタッ



絵里子「はい捜査会議終了!みんな行った行ったー!!」パンパン!






―三鷹―



岩井「さ~て花形きゅんと2人きりやな何しよっかな~」ウキウキ



花形「遊びに来たんじゃないんですから、聞き込みですよ聞き込み――あ!きれいなOLさんだ!」



岩井「なんや自分も仕事にかこつけてナンパかいな!」スミマセーン、イイデスカー?



                                                 ―神田(つーか秋葉原)―



                                                 メイド1「はい、あ~ん♡」



                                                 山村「あ~ん♡」パクッ



                                                 片桐「//////」モジモジ



                                                 メイド2「やだこの人カワイイ~♡」



                                                 山村「(ッ片桐くんがリードしている・・・!)」

聞き込み中・・・


                                                 山村「ねえこのカワイイおじさんと今度デートしない?」



                                                 メイド1「え何このオッサンナンパ?マジキモいんだけど」



                                                 メイド2「つーかウチそういうの禁止だし」



                                                 山村「あれもしかしてここデレツン喫茶だった?ありがとう追加料金払うよ」



                                                 メイド’s「「ありがとうお兄ちゃん~(ハート)」」



                                                 片桐(違う・・・絶対違う・・・)ズズ・・・



OL「ごめんなさい、何も答えられなくて」



花形「いえいえとんでもないです!ご協力ありがとうございます!!」



岩井「めっちゃ元気やでこいつ!」


                                        

OL「じゃあ急いでるんで」


                                                  詐欺られ中・・・

花形「あ、最後に一つだけ!」



岩井「なんや杉○警部みたいなセリフやけど全然クールやないな!」



OL「なに?」



花形「ボクみたいな男、どう思いますか!?」                    



岩井「自分なに聞いてんねん!」                              ―車内―



OL「うーん、ぶっちゃけあんまり興味ないかな、じゃ」              



岩井「いや普通に答えんのかいしかもバッサリ斬りよったで!」



カツカツ・・・



花形「・・・・・・」シュン



岩井「まあそんな気落ちすんなや、よう頑張った」ポン



花形「岩井さん・・・」



岩井「ワシが思いっきりなぐさめたるからな~!!」チュウウウ!


                                                   絵里子・木元移動中・・・

花形「いやそれだけはいいですていうか勘弁して~!!」ギュウウ!






―メイド喫茶の入るビル玄関―



コワモテの店員「ウチ時間制なんで、これ以上ムリなんすよ」



山村「ええ~いいところだったのにせめてもう1回だけ!」



店員「もうお金ないでしょ、それじゃ」カンカン・・・



山村「そんな~」ショボン



片桐「・・・ま、あそこ詐欺っぽかったし、良かったじゃないですか」



山村「良くないよ!片桐くんだけ基本料金でいい思いして!!訴えてやる!!!」フンスー!



片桐(騙されてる自覚はあったのか・・・成長したな・・・)シミジミ






絵里子「何かイヤな感じがする」



木元「外回りにかこつけて遊んでるのはいつもの事じゃないですか、気を揉みすぎると頭薄くなりますよ」



絵里子「うるさいわね!」



木元「でも気になりますよね、接点のない3人が関連性のある殺され方をしているなんて・・・」



絵里子「被害者3人にはなくとも、それぞれが犯人と接点を持っていた可能性もある」



木元「ただの愉快犯なら、それこそ八方塞がりですけどね」



絵里子「その可能性もあるけど、今は断定できない。とにかく、被害者の自宅を調べてみましょう」






―立川・被害者の自宅―



木元「うっわ~」



絵里子「・・・いわゆる『萌えオタ』ってやつか・・・」



木元「殺されたのが玄関で良かったですね。キャラに血が被らないで」



絵里子「不謹慎なこと言わない!さっさと調べるよ!」



木元「はーい・・・」シュン・・・






ガサゴソ・・・



木元「しっかし、整理整頓だけはきっちりしてたんですねー。滅茶苦茶なように見えて法則性がある」



絵里子「生粋のオタクだったようね・・・」



木元「格好とかで分からなかったんですかね?」



絵里子「クローゼットを見たけど、ユ○クロとかそういう所の服が多かった。見た目には気を遣っていたみたい」



木元「・・・『隠れオタ』か『リア充オタ』だったのかな」



絵里子「何それ、あ」バサッ!



木元「あ、ラノベ崩れた、被害者に呪われますよ~」



絵里子「だから不謹慎なこと言わない・・・!?」



木元「・・・どうしたんですか?」



絵里子「・・・犯人像が掴めたかもしれない」






―対策室―



岩井「犯人がオタク!?」



絵里子「その可能性が高い」



花形「根拠は!?」



絵里子「根拠はないけど、状況証拠は出てきた」



絵里子「これは帰りに書店で購入してきた、立川の被害者宅にあったものと同じタイトルのライトノベル」



絵里子「その名も『這いよれ!ニャル子さん』」



岩井「なんや猫でも出てきそうやな!?」



木元「でも猫っぽいのは『2回死ねー!!』の方なんだよねー」ズズー



岩井「何で知ってんねん!?」



木元「被害者のラノベ読んでた」



岩井「いや仕事せいよ!!ってかボスそれ私費で買ったんですよね?」



絵里子「やだな~経費に決まってるじゃない」



岩井「さも当然のように!」



絵里子「これはハワード・フィリップス・ラヴクラフトが創り出した架空の神話『クトゥルフ神話』の用語を多用したコメディー小説」



絵里子「実に面白かった!元ネタ殆どわからなかったけど!!」クワッ!



岩井「なんやハマってもうたんかい!」



絵里子「とにかく、この小説の中に犯人像に繋がる手掛かりがあった」



絵里子「・・・『名状しがたいバールのようなもの』」



花形「出てくるんですか!?そのラノベに!」



絵里子「ええ、主人公の宇宙人『ニャル子』が戦闘の際に使用する武器の名前」



絵里子「犯人はこれの影響を受けて、凶器にその名を冠した」



岩井「やとしたら犯人相当イタい奴やな~!」



木元「でも犯人像特定には十分すぎる手掛かりだと思いますよー」



絵里子「さらに、被害者の目潰しに使用したスタングレネード」



絵里子「もしあれが『冒涜的な手榴弾』だったとしたら、可能性はさらに高まる!」



花形「そこにも意味があったんですね!」



岩井「関心すんなやっていうか手榴弾もあったんかい!!」ガチャ!



山村「ボス~犯人像に繋がる手掛かり見つけましたよ~!」



一同「『這いよれ!ニャル子さん』?」



山村「・・・もう知ってたんだ・・・」






絵里子「つまり、現場検証の後に秋葉原に立ち寄って情報を得たわけね」



片桐「はい。メイド喫茶にも入りました」



山村「ちょっと!それは内緒にって・・・」



絵里子「へ~賢明なことで」



山村「・・・経費で落ちますかね?」



絵里子「落ちるかボケ!」



岩井「自分の事棚に上げたで!」



木元「でもよくそんなピンポイントな情報聞き出せましたね」



片桐「店を出てからオタクのグループの会話にその単語が出てきて、それで・・・」



岩井「どんな時に使うんやそんな言葉!?」



片桐「あと、被害者が経営していたコンビニの店員から話を聞いてきました」



片桐「かなり粗暴な性格で、従業員の評判も良くなかったようです」



絵里子「誰かから恨まれていてもおかしくないという訳か・・・」



片桐「事件の1週間前にも、被害者と揉めて辞めた店員がいたようです」



絵里子「その店員の身元、分かる?」



片桐「はい。名前と住所、電話番号も聞いてきました」スッ



絵里子「『子守秘生雄(こもり ひきお)』・・・」



花形「あとは『冒涜的な手榴弾』ですね!」



岩井「いや『名状しがたい(以下略』あるしこだわらんでいいやろ!」ガチャ!



野立「『冒涜的な(以下略』が出てきたぞ」



岩井「あったんかい!?」



野立「三鷹の現場から採取した爆発物の破片を照合した」



野立「その結果、表面に『冒涜(略』と書かれていたことが判明した」



岩井「ホンマかいな!?」



花形「でもよく破片なんか照合できましたね」



野立「お手製だったからか破裂時にそこまで細かくは粉砕しなかったようだ」



野立「で?急ぎで調べてくれと言われたからそうしたが、これらの証拠がどう犯人像に繋がるんだ?」



絵里子「普通、オタクというものはその個性を表に出そうとはしない。彼らのアイデンティティーは表の世界では見えないところにしまってある」



絵里子「だから周囲から明らかにそう見える場合でも彼らにその自覚は薄いし、あったとしてもそれを自分からさらけ出そうとはしない」



絵里子「ところがこの犯人は、凶器にラノベの用語をあてがい、しかもそんな足の付きやすいモノを現場に残している」



絵里子「まるで自分のオタク知識をひけらかすように」



花形「つまり、犯人は・・・!」






絵里子「そう、にわかオタク!!」






岩井「うん、説得力あるけどなんかしょうもないな!」



絵里子「とにかく、この子守の身辺調査!あと三鷹の被害者の周辺をもう一度聞き込み!!」パンパン!






―翌日―



片桐「葛飾の子守のアパートは既に引き払われていました」



山村「行方を知っている近所の人もいないようです」



絵里子「それで、子守について分かったことは?」



片桐「あまり近所付き合いはなかったようで、ゴミ出しの時に会うくらいだと・・・」



片桐「ただ、時々夜になると出掛けていたそうです」



絵里子「そう・・・」ガチャ!



花形「ボス!三鷹の被害者と子守の接点、わかりました!」



岩井「被害者、会社での付き合い良くなかったらしいけど、2週間ほど前、会社の前で男に迫られてるのが目撃されとったんや」



絵里子「それが子守だという確証は?」



花形「今朝コンビニから送ってもらった履歴書の写真を見せたら、『この男に間違いない』って!」



岩井「裏取ったけど、ちょうどその日に近くの防犯カメラに映っとったで!映像もちゃんと取って来たで!」サッ!



絵里子「あとは立川の被害者との接点だけど・・・」



木元「ボス、立川の被害者・太田丹斗(おおた にと)が参加していたオタサークルに問い合わせてみました」



木元「ビンゴです、オフ会の写真データを送ってもらいました」ピラ



絵里子「・・・被害者全員と犯人が繋がった!」



木元「あと、この写真を撮った後に2人が揉めたらしいです、その場は収まったようですけど」



木元「互いににわかだのファッションオタだの言い争いになったとか」



絵里子「動機も十分か・・・」






―参事官室―



野立「よし、子守を指名手配する」



絵里子「子守の資金は恐らく少ない。都内のネットカフェを転々としている可能性が高い」



野立「分かった、その線で捜させよう」



『本日お伺いするのは、気鋭の書籍販売会社『Eibon』の若き創業者・愛創玖都瑠(あいそう くつる)さんです』



絵里子「・・・最近よく出てるわね、この人」



野立「なんでもクォーターらしいぞ。まあ、俺のこの整った顔立ちには敵わないが」



絵里子「そのナルシストっぷりで負けだっつーの!」






―翌日―



野立「捜査員が子守を発見した」



絵里子「どこで見つかったの!?」



野立「吉祥寺のアニメイトでウインドウショッピング中だったらしい」



木元「ウインドウショッピングがここまで似合わないのも珍しいですね」



野立「現在尾行中だ。潜伏先を特定しだい令状を取って逮捕する」



prrr ピッ!



野立「はい、あなたの恋人、野立でs・・・分かった」ピッ



絵里子「何かあったの?」



野立「・・・尾行に気付かれた。奴はタクシーを奪って八王子方面へ逃走中だ」



絵里子「~~~何やってんのよもう!」



野立「済まない、お前達も向かってくれ」



絵里子「了解!」






―八王子・山中の廃工場―



絵里子「・・・奴はこの中に逃げ込んだのね」



警官「はい、奪われたタクシーもあります」



絵里子「岩井、花形、山さんは左から、私と木元、片桐は右から攻める。行くわよ」ソロ・・・



ザッ、ザッ、ザッ・・・



―廃工場内部―



花形「(・・・自分からこんな所へ逃げ込むなんてバカなんですかね?)」



岩井「(案外、ワシらに勝てると思ってるんちゃうか?)」



山村「(ナメられてるよね。ここはビシっといかないとね!)」



ゴロン・・・



山村「ん?何だコレ?」



花形「手榴弾にも似てますよねーハハ・・・って・・・!」



岩井「これ『冒(略』やないか!?危ない!!!」カッ!



ピカッ!



片桐「今の光・・・まさか!」



絵里子「急ぐよ!3人が危ない!!」



木元「はい!」



ダダダッ!



山村「うう・・・目が視えない!」



岩井「くそっ!子守どこにおるんや!!」



花形「そうだそうだ!出てこい!!」






子守「ここだよ~」ニヤッ






ドカッ!



花形「ぐあっ!」



山村・岩井「「花形(くん)!!」」



子守「へへっ、生意気なこと言った罰だ、苦しむがいい!」ドガッ! バキッ!



花形「ぐっ、うう・・・」ベキッ!



岩井「くそっ、やめろや!もうじき仲間が来る!お前はもうじき捕まるんや!!」



子守「ふん、ボクは捕まらないよ。これもそれまでの余興のつもりだからね」フフッ



山村「なんだって・・・?」



子守「さ~て、飽きてきたし、そろそろフィニッシュといこうかね」ジャカ!



岩井(まさか、拳銃か!?)



花形「うっ、くそぉ!」



子守「ばいば~い☆」ジャキ・・・



ドンッ!



子守「ぐあっ!」カシャン!



絵里子「・・・いい作戦だったけど、自分に酔いすぎたようね。こっちも注意しておかないと」



子守「・・・・・・!」ギリッ



絵里子「おやおやどうしたの?おつむの悪いおぼっちゃん?」ホイホイ



子守「~~~動くなぁ!」ガシッ!



絵里子「ちっ、興奮させて花形から気を逸らせようとしたのに・・・」



木元「少しは理性が残ってたみたいですね・・・」



子守「へへっ、こっちには『名)略』と人質がある。お前達もヘタに動けないぞ」フヒヒ・・・



片桐(あの手の位置じゃバールを狙えない・・・)



木元「やられましたね・・・」



絵里子「・・・」



カツ、カツ・・・



子守「・・・なんだよ!動くんじゃねぇよ!?」



花形「ボス、来ないでください・・・ゲホッ!危ないです・・・」



絵里子「大丈夫、花形。私はやられない」



子守「ふん、そいつはどうかなぁ?」



絵里子「・・・子守、あなたの動機は自分を認めなかった3人への復讐ね」



子守「・・・ああそうだよ、アイツら、俺のことをさんっざんコケにしやがって!許せねえよ!!」



絵里子「自分のアイデンティティや男としてのプライドを傷付けられた気持ちはよく分かる!でも、それで人殺しをするのは許されない!!」



子守「分かんのかぁ!分かってねぇよ!そうやって否定してる時点で!!オマエは何にも分かってねぇよぉ!!!」



絵里子「・・・でも、まだやり直せる。それだけ悔しい気持ちを忘れていないなら、きっとやり直せる!」



絵里子「だから、バールをこっちへ渡し「バールじゃねぇ!『め(略』だ!!』



絵里子「・・・ふふっ、そうだったわね。『名状しがたいバールのようなもの』をこっちへ渡しなさい」スッ・・・



子守「・・・え・・・?」



絵里子「あのラノベ、すっごく面白かったわ。あなたも読んだんでしょ?後で聞かせてくれない?感想を」



子守「・・・・・・」



絵里子「・・・あなたも立派なオタクよ、決して、にわかだとかなんとか言われて否定されるような存在じゃない」



絵里子「だから聞かせて、『ニャル子さん』の感想を」



子守「・・・うっ、ああ、聞かせてやるよ。俺の『愛』を・・・」ヒック






カラン!






―対策室―



絵里子「ふうー」ガチャ



野立「ご苦労だった。ほい缶コーヒー、もちろん『BOSS』だ」



絵里子「センキュー」カシュ



野立「しかしずっと話し込んでたな」グビ・・・



絵里子「ええ、やっぱり喋りだすと凄いわね、『彼ら』は」



絵里子「でも機嫌はいいから、事件のこともすんなり話してくれたわ」



野立「そうか、だが・・・」



絵里子「ええ、聞き出せなかったことがある」グビ・・・



野立「かと言って問い詰めれば機嫌を損ねて口を閉ざしかねないか・・・」



絵里子「そう、」



絵里子・野立「「潜伏先」」



絵里子「なぜ都内のネカフェにローラーをかけても子守が見つからなかったのか・・・」



野立「奴の逮捕時の所持金を見ても、ホテルに泊まっていたとは思えない」



野立「だが、そんなギリギリの生活をしていた割には奴は健康そのもので、身ぐるみも綺麗だ」



絵里子「・・・やっぱりそう思う?」



野立「ああ、奴には金持ちの後ろ盾がいる」



絵里子「お喋りの子守が今でもそれを口にしないのは、本気で慕っているから、でしょうね」



野立「まあ、向こうがどう思ってるかは分からないがな」グビ・・・






―『Eibon』本社―



コンコン!



愛創「どうぞ」 ガチャ



野立「失礼します」スッ・・・



絵里子「・・・」



愛創「こちらへお座りください」



絵里子「ありがとうございます」スッ



愛創「・・・警察の方々が、どうして私のところへ?」



野立「いえ、お忙しいところに非常に無礼だとは思ったのですが・・・」ハハ・・・



野立「あなたに、逃亡幇助の疑いがあればそれも致し方ないかと」キリ・・・



愛創「・・・」



絵里子「先日発生したバールによる連続殺人事件。その犯人は今朝送検されました」



絵里子「・・・しかし、我々には疑問が残った。金銭の不足していた犯人が、どうやって数日間裕福な生活を送っていたのか」



愛創「・・・お聞かせ願えますか?」



絵里子「まず、犯人の逮捕されるまでの足取りを辿りました」



絵里子「その足取りに一定の法則性はみられませんでしたが、出没した土地を調べてみると興味深いことがわかりました」



絵里子「あなたが専属の作家を住まわせている社宅のようなものが必ず存在していたんです」



愛創「・・・なるほど・・・」



野立「その社宅に定住するわけでもなく、頻繁に移動が必要な作家のための『寝床』のような扱いだから、ひっきりなしに人が入れ替わって、周辺住民の印象にも残らない」



絵里子「・・・あなたはそこに、子守を寝泊りさせていたんですね」



愛創「・・・」



絵里子「今令状を取って、各地の社宅に鑑識を向かわせています。一応クリーニングはしているでしょうが、子守が宿泊していた痕跡は、必ず見つけ出します」



愛創「・・・やはり、隠し通せませんでしたか・・・」



絵里子「一体どうして!?一代で築いた会社の施設を使わせてまで殺人犯を匿ったりしたんです!?」



愛創「匿う、ね・・・」



絵里子「?」



愛創「とんでもない。私は彼の罪を大きくしたかった、それだけなんですよ」



絵里子「・・・どういう事です・・・?」



愛創「・・・こう言えばお2人は驚きますよ・・・」





































愛創「私は、『クトゥルフ神話』の親、ハワード・フィリップス・ラブクラフトの子孫なんです」






































絵里子・野立「・・・・・・!」



愛創「・・・『クトゥルフ神話』が世間に知れ渡った理由をご存知ですか?」



野立「いえ・・・」



愛創「曽祖父の弟子が、その『体系が存在する』ことを認めてしまったからですよ」



絵里子「・・・・・・」



愛創「本来ならば、『クトゥルフ』は作家同士で共有され、読者には秘匿され続けるはずだった」



愛創「だが、その暴露がきっかけで、その神秘性・恐怖心が失われ、しょせんは『創作表現の一手段』に成り下がってしまった!」ワナワナ



愛創「それだけにとどまらず、日本に渡ったクトゥルフは何故か『萌え』に変貌し、キモオタ共の性処理道具に変貌した!!」



愛創「私は!偉大なる曽祖父の生み出した『神話』を冒涜する日本のオタクが許せなかったんだ!!!」ガン!



絵里子「それは違う!!」



愛創「!?」



絵里子「彼らは冒涜などしていない!確かに他者から見れば歪んでいるのかもしれないけど、彼らは『クトゥルフ』を愛している!」



絵里子「なにも『萌え』だけじゃない。その元になったご先祖様の愛のこもった『クトゥルフ神話』も、彼らに愛されています!」



絵里子「それも分からずに、勝手にオタクを憎んで陥れて・・・!」



絵里子「本当にご先祖様の『神話』を冒涜しているのは、あなたの方です!!」



愛創「くッ・・・!」



野立「・・・・・・」






ウーウーウー ファンファンファンファン・・・






―バー―



チン!



野立「いや、今回はどうなるのかと思ったよ」



絵里子「何?私達を信用してないの~?」



野立「いやそっちじゃなくて、こんなムチャクチャな設定からよく感動展開にもっていけたなって」



絵里子「そっちかよ!」



野立「・・・だが、オタクというのは悲しいもんだな・・・」



野立「たとえ自分は明るく生きてても、周りのレッテル張りで窮屈な思いをせざるを得ない」



野立「なのに何故、彼らはオタクであり続けるんだろうな・・・」



絵里子「・・・そ~んな馬鹿げた人達のために自分を殺したくないからよ!」



絵里子「だから、好きなものを正直に好きだといえる彼らを尊敬して、受け入れないといけないんじゃないかな、私達も」



野立「・・・俺には到底難しいな、そんな生き方」



絵里子「アンタはところかまわず女のケツに『好きだ』っつってんじゃないのよ」



野立「それも受け入れてくれる~?」



絵里子「誰が受け止めるかスケコマシ!」



野立「あ~あ、せっかくの感動の空気が台無しだな」



絵里子「誰のせいよ!」



野立「よし!じゃあ気分をかえて連想ゲームをしよう」



絵里子「急だなおい!」



野立「最初のお題はー、う~んそうだな・・・」











野立「天海祐希が言いそうな人名」






絵里子「アウン・サン・スーチー!」




~Good Bye!~




【速報】コナン映画に天海祐希


後書き

えーと、まずはホンットにすんませんでしたァァァァァ!!
もうタグで釣って完全に騙す気だったよ!てか何でこんなの思いつくんだこんちくしょうが!

今回、新たな表現にも挑戦してみました。これでよかったのかな~とか不安もありますが、今できる限界でやりつくしたと思っています。
事件はリアルタイムで起こっている感、演出できたかな?

絵里子と野立のコンビはいつでも痛快ですね!2期の1話は腹抱えて笑ったわwww
あとあの頃の戸田恵梨香が可愛かったなあ・・・(何言ってんだコイツ)。
この変態的意見に賛同してくださるかたの評価・コメントお待ちしてます。

原作の筋改変より、オリジナルでストーリー作ったほうが執筆速度速いって一体・・・

2/9 天海さん、コナン出演おめでとうございます!


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