2018-06-28 01:17:40 更新

概要

お久いぶりです。諸事情により長い間更新できませんでしたが今回より更新を再開します。

今回もキャラ崩壊があるよ!今更だけど!




前書き

刀剣乱舞と艦これのクロスオーバー的ななにかです・・・駄文ですがどうかよろしくお願いしますね。





本丸



乱「・・・ねぇ?聞いてるの?」



審神者「あら・・・ごめんなさいね乱ちゃん」



乱「まったく・・・主さんどうしたの?」



目の前でぷくぅーっと頬を膨らますなんとも可愛らしい生き物は・・・乱藤四郎という所謂刀剣男士だ。・・・・刀剣男士って何か?ふむ・・・簡単にいうと付喪神みたいなもので私のような審神者が生み出す・・・・まぁいいわメンドイし・・・とりあえずかっこよくて可愛くて歴史修正主義者との戦いに必要不可欠な存在って訳よ。



乱「主さん?・・・」



首をかしげこちらを見上げる・・・あらかわいい。



審神者「ごめんなさいね?・・・それでなんだったかしら」



乱「別にいいよ、それで主さんはどうしたの?」



審神者「私?・・・ちょっとね?」



・・・最近は歴史修正主義者もなりを潜めていて暇なのだがどうも最近は静か過ぎる。平和なのかもしれないがそれがかえって気になってしまう。



乱「?・・・でも最近は出陣も無いしぼーっとしたいのもわかるよ」



審神者「ぼーっと・・・まぁそういうことね」



乱「ふふ・・・じゃ今日はボーっとしてようか」



そういって私の膝の上に頭を乗せてくる・・・膝枕か、これって気持ちいいのかしら?あとで誰かにやってもおうかしらなんて考えていると・・・ドタバタと大きな足音が聞こえてくる。



???「大変じゃ大変じゃ~~~!!」



乱「・・・騒がしいね」



審神者「ふふ・・・でも悪くはないんじゃない?」



陸奥守「ぉお~ここにおったかぁ・・・おまさん!大変じゃあ!」



乱「大変なのはわかってるよ・・・それで?」



陸奥守「む?・・・オホン!・・・歴史修正主義者に動きじゃ!」



わざとらしく咳払いをすると芝居がかった言い方で報告する・・・ここはこちらも驚いた方がいいかしら?



審神者「何ですって?」



乱「ふーん・・・今度はいつの時代だい?」



あら乱ちゃん・・・ココは乗ってあげなきゃいけないのに・・・



陸奥守「・・・それがのぉ~2020年らしんじゃが・・・」



陸奥守はすっかりしょげてしまったな・・・まぁいい。.2020年・・・?今までは刀が戦場の主力だった時代に集中していたのが急に何故だ?・・・しかし2020年って何があったかな?えっと・・・確か・・・なんだっけ?



乱「2020年か・・・その時代では何があったかわかる?」



審神者「ん・・・なにかでかい事件があった気がするんだけど」



ダメだ・・・思い出せない。書庫に行って確認しこようかな?



陸奥守「むむむ・・・深海棲艦じゃないがでか?」



審神者「・・・それよ!」



乱「深海・・・棲艦?」



審神者「そう!・・・えっと2020年は深海棲艦と人類の全面戦争の最中・・・てことは?」



陸奥守「まぁ・・・深海棲艦どもを倒して平和にするってことじゃーないがなが?」



審神者「・・・確かにあの戦争で人類の三分の二が亡くなったともいわれているからね」



乱「ありえなくも無いか・・・しかしなんで陸奥守さんは知ってたの?」



審神者「確かにね・・・どうして?」



陸奥守「ん?そりゃ・・・書庫で読んじゅうからね」



審神者「・・・見直したわ陸奥守!」



乱「そうだね・・・流石は陸奥守さんだよ!」



陸奥守「お?・・おう!!」



審神者「なら早速準備よ・・・乱ちゃん、陸奥守!みんなを呼んできて!」



乱「うん!」



陸奥守「おう!任せちょけ!」



ドタバタと大きな音を立てながら二人を皆を呼びに行った・・・この騒がしさなら集まるまでにそうそう時間はかからないだろう。



審神者「しかし・・・深海棲艦か・・・忘れていたわねそんなもの」



ふと自分の髪に手をかける・・・白く美しい輝く私の自慢の髪だ。



審神者「・・・まぁ何とかなるでしょ」



私も出陣の準備をしなければ・・・お弁当と当時の貨幣と・・・あぁ後は余分に資材ももって行ったほうがいいかな?





鎮守府 



提督「ふぅ・・・」



今日も執務は終わった・・・最近は膠着状態になってしまい戦線も伸びきっている、人類も深海棲艦も戦い続けるの疲れてきているのが本音だ。それでも戦いをやめることはしない。それはプライドが邪魔するのか、それとも互いが憎くてたまらないのか・・・それはわからない。



提督「深海棲艦・・・か」



もし互いに落としどころを失って退けなくなっているだけならなんと滑稽なことか・・・だとしても私達軍人は戦わなければいけないのだが・・・



コンコン



提督「どうぞ・・・」



早霜「失礼します」



提督「早霜か・・・どうしたんだ?」



早霜「大本営からの報告書です・・・提督元気が無いようですけど?」



提督「あぁ・・まぁ考え事さ」



考え事といっても解決する事のないものだからな・・・早霜に余計な心配をさせるわけにもいかない。



早霜「考え事・・・ですか?」



・・・とはいっても気になる事はある。最前線で戦う艦娘たちは深海棲艦との戦いどう思っているのだろうか。



提督「そうだ・・・早霜?」



早霜「はい?」



提督「もし・・・深海棲艦と和平を結ぶとしたらお前はどう思う?」



沈黙が流れる・・・まるで時間が止まったかのように早霜は私をじっと見つめる



早霜「・・・・さぁ?」



沈黙を破ったのは意外な言葉だった



提督「さぁ?」



早霜「その時になってみないと・・・わかりません、喜ぶのか安堵するのか・・・それとも」



提督「・・・」



早霜「受け入れられるのかも・・・」



それでは,とつづけると早霜は執務室を後にした・・・受け入れられるか・・・その言葉がやけに耳に残ったな。



提督「・・・報告書でも見るか」



早霜から受け取った報告書に目を通す・・・目に付くのは深海棲艦の新種が確認されたという文字だ。刀のような物を咥えたイ級のようなものらしい・・・この新種・・・なんだか嫌な予感がする。



提督「・・・ふぅ」



ため息を吐きながらふと窓の外に目を向けた。今日は晴天・・・だが私の心はモヤモヤしている。これが早霜の言葉によるものか、新種の事なのかわからない。もう一度報告書に目を向ける・・・すこしでも多くの情報を得て対策を練るために。







深海棲艦拠点




港湾棲姫「・・・」



今日も静かな海・・・いや海はいつも静かだ。煩くするのは私達深海棲艦や人類達で・・・海やそこに生きる生物達はいつもと変わらない日々を過ごしているのだ。



港湾棲姫「はぁ・・・」



レ級「またため息かい?」



後ろから声をかけたのは戦艦レ級と呼ばれる深海棲艦・・・私のような姫クラスでないがその実力は姫クラスに匹敵かそれ以上だ・・・そのためか彼女もまた私達と同じ様に1隻しか存在しない珍しい固体だ。



港湾棲姫「レ級?・・・貴女とは違って私は悩みは尽きないのよ」



レ級「お?・・・アタシだって悩み位あるぞぉ?」



港湾棲姫「はぁ・・・じゃ最近の悩みは?」



レ級「ん?・・・・えっと」



・・・やはり無さそうだ。むしろ無いのが悩みとか言い出しそうで怖い。それよりも頼んでいた未確認兵器について聞いたほうがよさそうだな・・・このままじゃ本題に入るまでまだまだかかりそうだ。



港湾棲姫「・・・それで未確認の敵については調べはついたの?」



レ級「あ・・・そうそうあの新種だが、もしかしたら人類側の新兵器かもしれないなぁ」



港湾棲姫「あれが?・・・あんなの人類が作るかしら?」



蛇だかなんだかが刀咥えた見た目だぞ?人類どものセンスとは少し違う気がするし・・・何と言うか全く違う生き物のような気がするが。



レ級「わからんぜ?バケモノにはバケモノってな」



港湾棲姫「バケモノ・・・ね」



レ級「・・・・すまん」



港湾棲姫「・・・別に」



バケモノ・・・そう人類側からしたら私達深海棲艦はただのバケモノだ。私の額に生えた角やこの大きな手だって人類からしたら随分と異様な物に見えるのだろうか・・・



港湾棲姫「・・・・冷えるわね戻りましょう」



レ級「・・・あぁ」







本丸 出陣門



私が出陣門の前に着くとすでに5人の刀剣男士がすでに出陣準備を終えていた。今回は深海棲艦との交戦も考えてわが隊の中でもより実力の高い刀剣男士を選んだ・・・



審神者「・・・・さて準備できた?」



乱「うん」



次郎太刀「はいよぉ」



小夜「出来てるよ」



青江「あぁ」



歌仙「いつでも出れるよ」



・・・今回は偵察をかねている為出撃は少数だ。今までの時代とは違い拠点を作る場所もないしそれ以前に危険度も高い・・・困難な任務になるだろう。



審神者「・・・皆、今回の任務は大変危険になるわ」



乱「・・・」



審神者「今回の歴史改変主義者の目的は深海棲艦の殲滅であると見立てているけど・・・・」



次郎太刀「・・・確実ではないってかい?」



審神者「ええ・・・もしかしたら」



歌仙「うん?」



審神者「・・・なんでもないわ」



青江「まぁ・・・目的は向こうで調べるとして」



小夜「問題は・・・深海棲艦とやらと遭遇した場合だね?」



審神者「歴史改変主義者が戦えるのなら刀剣男士もいける筈だけどね・・・ただ」



歌仙「相手は飛び道具でこっちは刀・・・これでは長篠の再来になってしまうかな?」



審神者「ええ・・・だから基本遭遇しないように、した場合は無理せず逃げましょう」



これで確認は終わった・・・後は門を開くだけだ。



審神者「さて・・・じゃあ行きましょうか!」



刀剣男士「応!!」



印を結び力を解き放つ・・・目の前の門が大きな音を立て開いた。開いたその先には白く眩い光があふれ出している。



審神者「・・・出陣!!」



あふれ出した白い光が私達を包みこむ・・・目を瞑ると眠るように意識が落ちていった。








戦闘海域



レ級「ちっ!・・・艦娘共が!!」



まさか拠点への帰艦途中で艦娘達と遭遇してしまうとはなんとも運が無い。こちらは弾薬にも余裕も無いし損傷だってあるのに・・・



イ級「!?」



轟音と共に大きな水柱が上がった・・・随伴のイ級に甲標的の魚雷が命中した様だ。アレでは轟沈は確実だろう・・・



レ級「やられた!?・・・くそっ!!」



大井「あら・・・これで終わりじゃないわよ?」



レ級「何だと!?・・・あ!」



葛城「今更気付いても!」



艦載機・・・アレは流星だったか?ここまで接近するのに近づけないなんて・・・



チ級「グ!?」



ヌ級「!」



流星の魚雷と爆撃により随伴艦は全滅・・・不意を突かれとはいえここまで一方的にやられてしまった。こちらの拠点が近いとは言え救援を要請すれば位置がばれてしまう・・・ここは私一人で何とかするしかない。



レ級「・・・とはいえ」



こちらの戦力は私だけ、対する艦娘達は6人・・・幾ら私が強くてもこいつらを全滅させるのは無理だ・・・いや下手したら一方的にやられかねないぞ



霧島「・・・さて残りは貴女だけですよ?」



レ級「・・・」



あのメガネめ・・・随分と余裕だな?どうせやられるならあの余裕ぶっこいた顔を歪めてやろう。



レ級「来いよ・・・クソメガネ」



葛城「あ・・・」



霧島「・・・」



レ級「ん?聞こえてねぇーのかぁ?・・・おぉーい!クソォメガネさんよぉ!?」



指でメガネの形を作り覗き込む・・・するとその先には一見冷静さを取り繕いながらも額に青筋を浮かばせる艦娘がいた。



霧島「・・・おい」



レ級「ん?・・・聞こえねぇぞ?」



後一歩だ・・・これで奴は冷静さを失う筈・・・



霧島「貴女・・・何か隠していますね?」



レ級「あ?」



先程までとは違い実に冷静な目で私を睨みつける・・・



霧島「例えば・・・この先に何か私達知られたくない物があるのではないですか?」



レ級「・・・」



思ったよりしたたかな奴だったようだ・・・これは打つ手を間違えたか?ならばやる事はひとつしかないな・・・



霧島「・・・図星ですか」



レ級「はぁ・・・やるしかねぇか」



尻尾を操作し戦闘態勢をとる・・・何としてでも殲滅させるしかない。



霧島「各艦・・・行きますよ」



葛城「・・・え!?」



レ級「これは・・・?」



電探に反応・・・この反応たしか未確認のバケモノどもだったか?だが艦娘達の反応がおかしいぞ?



霧島「葛城さんどうしましたか?」



葛城「例の未確認の深海棲艦ですよ!・・・囲まれてます!」



大井「嵌められた?・・・このクソ共が」



レ級「なに?・・・お前達の新兵器じゃないのか!?」



霧島「ん?」



大井「そんなわけないでしょ?あんなの」



葛城「霧島さん・・・迎撃を!」



霧島「葛城さん・・・包囲で一番薄いの何処ですか?」



葛城「え・・・っと9時の方向ですけど」



霧島「おそらくそこに本隊がいますね・・・別の方角に撤退します、各艦は私に続いてください!」



大井「え・・・それじゃコイツはどうするの?」



霧島「今は無事に帰還することに第一とします・・・それでもというならお一人でどうぞ?」



大井「ちっ・・・冗談きついわ」



一通りの問答を済ませるとそそくさと撤退してしまった。これで艦娘達に拠点がばれる事は無くなったが・・・



レ級「助かって・・・ねぇよな」



艦娘の脅威は去ったが未確認のバケモノの脅威は健在だ・・・さっきのメガネの言う通りなら本隊も居る筈、今度こそ死ぬ気でやるしかない。



レ級「さて・・・・やりますか」






















霧島「・・・・」



包囲を突破に成功・・・損傷もなく全艦無事で撤退できそうだ。だが問題もある・・・例の未確認のバケモノが深海棲艦の物ではない可能性が出てきた。



大井「旗艦殿?ちょっとよろしいですか?」



霧島「・・・なんでしょう」



大井か・・・どうせまた皮肉の1つでも言い出すのだろうか?



大井「あのレ級の言葉・・・どう思いますか?」



霧島「意外ですね・・・」



大井「はい?」



霧島「貴女が深海棲艦の言う事を気にするなんて・・・ただの馬鹿では無かったようで安心しました」



大井「あ?」



葛城「ちょ・・・大井さん落ち着いて!」



こうやってすぐに頭がに血が上るとは・・・戦闘に関しては優秀かもしれないがこれではな・・・



霧島「まぁ・・・実に興味深いですよ?検討の価値は十分にありますね」



大井「・・・クソが」



葛城「もう・・・仲良くやりましょうよ?」



霧島「それについても検討しておきましょう・・・では急ぎますよ?」



後はあの深海棲艦の無事を祈るだけだ・・・何故祈るかって?それはもう・・・この私を侮辱してくれたお礼を存分にしてあげなければならないのだから。









レ級「うぉぉぉぉ!!」



主砲と魚雷、艦爆の全兵装で迎撃する・・・戦ってみて気付いたのだが奴らは火器の類を積んでいないようだ。口に咥えた刃物が唯一の武器らしく接近さえされ無ければたいした脅威ではない。



レ級「ふぅ・・・大分減ったか?」



蛇のような・・・いやなんというか骨ッポイというか・・・私達深海棲艦とも違うベクトルのバケモノだ。



レ級「だけど・・・弾薬がなぁ」



短刀「!」



レ級「な・・・あが!?」



考え込みすぎたか?敵の接近に気づかないなんて・・・とっさに身体を翻したおかげで傷は軽くで済んだが出血してしまっている。このままでは動きが制限されてしまうしそれ以前に拠点に帰ることも出来ないだろう.



レ級「油断・・・しちまったかぁ」



どんどんバケモノ共が群がってくる・・・このままアタシは死ぬんだろうか?深海棲艦って死んだらどうなるのかな・・・



????「・・・お嬢さん、大丈夫かい?」



レ級「・・・ぁ?」



バケモノどもは言葉を話せるのか?視界がぼやけてよく見えないが・・・まるで人間のようだけど。



????「ふむ・・・これは大変だ、傷の手当をしなければいけないね」



レ級「あんた・・・何者だぁ?」



何とか視界が元にもどっってきた・・・ん?コイツはバケモノじゃないぞ?まるで人間の・・・?



????「僕かい?・・・そんなことよりも傷の手当てだよ」



紫色の髪と端正な顔立ち、そしてなんとも動きづらそうな服が特徴的な人間が・・・?たしかここは海上だぞ?普通人間は海面に浮かべない筈だけど・・・それにそこらへんに居たバケモノどもは?一体どうなっているのだ。



レ級「逃げろ・・・バケモノ共が!」



ふと人間の後ろにまだ多くのバケモノが群がっているのが見えた・・・あんな奴人間では太刀打ちできない、お嬢さんと読んでくれたお礼に此処は逃がしてやらなければ・・・



????「バケモノ?・・・あぁ短刀どもか」



レ級「はぁ?・・・短刀?」



????「か弱き女子を襲うとは・・・雅を解せぬ愚か者め」



そう言って立ち上がると腰に携えた棒のような物から刃物を抜き出し正面に構えた・・・



歌仙「この歌仙兼定が・・・せめて雅に散らしてやろう!」



名乗りをあげて走り出すとそれに呼応してバケモノたちも声のような物を上げ襲い掛かった。



歌仙「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」



声と共に振り回された刃物は確実にバケモノ共を捉え両断していく・・・その姿は圧倒的だ。



レ級「なんなんだ・・・あいつ」



歌仙「ふん・・・やっと来たのか?」



打刀「・・・」



レ級「人型?・・・でもあのバケモノの仲間か?」



さっきまでの短刀と言う奴よりも強そうな奴が現れた・・・その体格は屈強で歌仙と名乗った人間よりも強そうに見える。



歌仙「・・・こい、さっさと終わらせてお嬢さんの手当てをしなければならないのでね?」



打刀「!」



互いに獲物は抜いた・・・後は斬り合うだけ。



打刀「!!」



歌仙「おおぉ!!」



・・・勝負は一瞬、歌仙の一振りにより相対した人型は両断され、塵となって消えた。



レ級「あんた・・・本当に何者なんだよ?」



歌仙「・・・なぁに、ただの風流を愛する文系名刀さ」















鎮守府



司令室の窓から見える空は茜色に染まっており、今が夕時である事を物語っている・・・先程の報告の通りならもうそろそろ第1艦隊の旗艦が報告に現れる筈だ。



提督「新型の出現により敵拠点の強行偵察を断念、正しい判断だ・・・やはり霧島に頼んで正解だったな」



結果としては任務に失敗したわけだが・・・新型が出現した段階で危険を察知し早急に撤退したのは正解だっただろう。何の事前情報も無い相手にましてや包囲戦となれば戦況は不利、下手したら轟沈者がでてもおかしくは無いのだから。



コンコン・・・扉をノックする音だ。霧島だろうか?



霧島「霧島です、報告に上がりました」



提督「そうか、入ってくれ」



霧島「失礼します、第1艦隊只今帰還しました」



扉を開けてから私の前に来るまでまさに完璧な動作であった・・・おっと見とれている場合ではなかったな。



提督「・・・それでは報告を聞こうか」



霧島「はい、第1艦隊は0900に出撃後1325に目標海域にて戦艦レ級と交戦しました」



提督「ほう?・・・あのレ級と交戦したのか」



霧島「はい・・・レ級率いる敵艦隊は拠点への帰還途中であった為、優位に戦闘を進める事が出来ました」



提督「そうか・・・」



霧島「レ級を大破まで追い詰めたところに新型が現れ・・・後は先程の通信の通りです」



提督「わかった・・・今回の出撃もご苦労だった・・・ゆっくり」



霧島「報告はもう1つあります・・・」



そういって霧島は私の言葉をさえぎった・・・



提督「うん?・・・どうしたのだ」



霧島「新型のことです、包囲された際にレ級が興味深い発言をしましたので」



提督「興味深い・・・か」



霧島「お前達の新兵器じゃないのか?・・・」



提督「何!?・・・霧島今」



霧島「一語一句間違いなく・・・お前達の新兵器じゃないのか?と言いました」



提督「・・・霧島ご苦労だった」



霧島「いえ・・・失礼します」



扉を閉める音が響く・・・先程までの鳥の鳴き声や喧騒が今はぴたりと止みこの世界は沈黙に支配されているかの様だ。



提督「・・・ふぅ」



新型の深海棲艦だと思われていたが別の可能性が出てきた。第三勢力の兵器?それともわが軍の秘密兵器?・・・可能性としてはこんな物か。だがどちらであっても状況はよくは無い。



提督「・・・最悪の想定をするべきかな」



正直あれがわが軍の新兵器である可能性も低くは無い・・・わが軍、いや人類には艦娘を危険視する連中も多いのだ。深海棲艦と艦娘を殲滅する為の新兵器を開発しているなんて噂がある。そしてもしあの兵器が第三勢力のものなら事態はもっと深刻なりかねない。



提督「とりあえず大本営に報告するか?だが・・・」



アレがわが軍の新兵器ならば?下手したら消されかねない。ここはどうするべきか・・・



提督「・・・探りを入れてみるか」



執務室の窓に視線を向けると茜色の空はその赤みを失い夜へと移ろうとしていた。
















戦闘海域



審神者「・・・ふぅ」



レ級「・・・」



歌仙「どうして僕は正座させれているのかな?」



えっと・・・・状況はかわって歌仙と名乗る男の仲間が現れたと思ったら急にリーダーっぽい女が説教を始めて今に至るわけだが・・・



審神者「勝手に行動した挙句単独で戦い始めるなんて命令違反を起こしたからよ!・・・危険にも程があるじゃないの」



歌仙「それすまないが・・・だがこのか弱き女子を助ける為にやむなくだね」



レ級「・・・」



なんだろうな・・・あれほどの男が海の上で正座させれているなんてなんとも珍妙な・・・



審神者「はぁ・・・まぁいいわもう」



歌仙「そうか・・・わかってくれたか主よ!」



審神者「乱、次郎・・・やっておしまい!」



女がパチンと指を鳴らすと後ろに待機した・・・女?と女の子?が手をわきわきさせながら歌仙に近づく。



次郎「さぁ~て覚悟良いかなぁ!・・・歌仙君?」



乱「主さんの命令なんだ・・・うらまないでね?」



歌仙「ま・・・まて!話せば」



次郎「もんどおぉ・・・・」



乱「無用!」



こちょこちょこちょこちょ・・・・



歌仙「くっ・・・っふ・・・あは・・・あはははは!」



こちょこちょこちょこちょこちょ・・・・



歌仙「ひひ・・・んふっ・・・やめ・・・てくれ!」



レ級「なにやってんだ・・・・」



率直な感想だ・・・折檻でもするのかと思ったがアレじゃまるでじゃれているだけじゃないか。



審神者「題してこちょこちょの刑・・・って奴?意外とキツイのよあれ」



レ級「・・・あんたら何者だ?」



審神者「・・・知らない方が身のためよ?」



レ級「あ?・・・知ったらどうなるってんだよ」



審神者「・・・どうなるでしょう?」



白い髪がふさっ広がり始めると周囲の空気が変わったぴりぴりと空気を通して殺気が伝わってくる。女の目は赤く・・・肌も人間としては生気が無い・・・まるでこの感じは?



レ級「・・・あんた」



審神者「ストップ」



レ級「んぐ!」



気付いた時には首をつかまれていた・・・ヤバイな。今のアタシでは勝てない・・・女の殺気からそれが痛いほど伝わってくる。



審神者「歌仙がせっかく救った命・・・奪わせないでくれるかしら?」



レ級「・・・・わかった」



審神者「ありがと・・・じゃあ私達は行くわね?」



レ級「あぁ・・・」



歌仙「ひー・・・ひー・・・・んふぅ」



次郎「よーし・・・こんなもんだろ」



乱「ちょっとやりすぎたかな?・・・大丈夫?おーい」



審神者「さて・・・皆と合流するわよ!次郎ちゃん!歌仙をおぶってあげて」



次郎「あいよー・・・っと!」



乱「じゃあね?お嬢さん」



レ級「?うん」



まるで嵐のように去っていったな・・・しかし状況が読み込めないぞ?艦娘達はバケモノを深海棲艦とよんで・・・でもアレは深海棲艦じゃないし・・・それに歌仙はそのバケモノを一人で圧倒して・・・そんであの女は・・・



レ級「あぁーーー!!!・・・わっかんねぇ!」



とりあえず今は港湾棲姫に報告だ・・・考えるのは港湾棲姫に任せよう。アタシには考えるのは向いてない、今は無事拠点に戻ることに専念しよう。








鎮守府周辺海域



早霜「・・・異常なしね」



電探とソナーに反応なし、周囲に影も無し。先程提督から新種が現れたと報告があったからもしやと思って警戒を密にしたけれど・・・鎮守府の近くまでは来なかったみたいだ。



磯風「早霜・・・こちらも異常なし、敵性反応なしだな」



早霜「そう・・・なら警戒態勢のまま鎮守府に戻るわ、続いて」



初月「わかった・・・ん?」



初月が何かを見つけたようだな、流石は最新鋭だな索敵能力も高くて助かる。



早霜「どうしたの?」



初月「人間だ・・・ここから南に少し行った所に2人いる」



磯風「南?・・・そんな訳が」



磯風が驚くのも無理は無い・・・ここから南には何もなく海しかないのだ。そしてそこに船や何かの反応はなく人間の反応だけと言うことは・・・



初月「ありのままで言えば・・・人が二人海面に浮いているって事になる」



早霜「そう・・・」



まず普通ならありえない状況だ・・・だが想定するならば深海棲艦に襲われて漂流していると考えられる。その場合は救護をしなければならないが鎮守府の周辺海域は許可がない船舶の立ち入りは禁止さえおり、なおかつこんな危険なところに立ち入る奴はまずいない。



磯風「早霜・・・私は何か嫌な感じがするぞ」



早霜「奇遇ね・・・私もよ」



初月「鎮守府に連絡して援護を待つか?」



磯風「だがもし漂流者であれば急がねば危険だぞ?」



早霜「・・・磯風は鎮守府に報告し予備部隊を展開させて、初月は警戒レベルを最大にして索敵に専念・・・磯風の報告が終わり次第初月を中心に単縦陣で救援に向かうわ」



磯風「わかった・・・」



初月「任せてくれ」



嫌な予感がする・・・相手が深海棲艦であれば問題ないが、もし例の新種が相手になればどうなるかわからない。それに海面に浮く人間らしきものも気になる・・・いつも以上に気を引き締めなければならないな。







鎮守府 執務室





提督「磯風から報告?・・・内容は」



葛城「は、はい・・・漂流者らしき反応を確認、深海棲艦又は新種が周囲にいる可能性あり、わが隊は救援に向かうため増援部隊を要請する・・・とのことです」



提督「葛城、連続ですまないが第3警戒艦隊を連れて出撃してくれるか?」



葛城「わかりました!」



この状況で漂流者?嫌な感じだ・・・早霜のことだから無理はしないだろうが心配だな。葛城も加えた艦隊ならば余程の大部隊でなければ対応できるだろう・・・あとは・・・



大井「あら?何かあったんですか?」



提督「!?・・・ノックは」



大井「しましたけど?・・・無視されていたのはそっちでしょうが」



そう言うとドカッと音を立てながらふんぞり返るようにソファに座った。また霧島の愚痴でも言いに来たのだろうか?



大井「葛城が大慌てで走っていきましたけど・・・敵襲ではないですよね?」



提督「あぁ・・・第1警戒部隊が漂流者を発見したんでな」



大井「それで警戒態勢を強化する為に・・・しかし鎮守府周辺で漂流者なんてどうせ金に目がくらんだ密漁者かクソみたいなパパラッチどもでしょう?そんな奴の為に私達が危険を負うなんて・・・」



提督「割に合わないか?」



大井「ええ」



正直な奴だな・・・だがそこが大井の良いところでも悪いところでもある。こんな台詞、普通人間であり上司である提督には言わないだろう・・・内心思っていてもだ。



大井「・・・ですが」



提督「うん?」



大井「危険をおかして救援する事が提督の為になるのであれば・・・やぶさかではありませんけど」



提督「ふっ・・・そうか」



大井「そうです・・・では」



そう言うと大井はソファから立ち上がった。



提督「今日は愚痴を言わないのか?」



大井「ええ・・・そんな状況ではなさそうですし、いつでも出撃できるように準備してきますよ」



提督「すまんな・・・」






鎮守府周辺海域




磯風「報告終わり・・・早霜」



早霜「わかった・・・初月報告を」



初月「今のところは異常なし・・・人間の反応も消えていない」



早霜「そう・・・では救援に向かいます、続いて」










青江「しかし・・・暇だね」



小夜「あぁ」



青江「・・・今回の任務大変そうだけど、自信はあるのかな小夜君?」



小夜「・・・さぁね」



困ったね・・・主から此処で待機するように言われたけど、ちょっと暇すぎるな。



小夜「・・・」



小夜君はもともと話をするタイプでもないし、それに僕も話が得意なわけじゃないし・・・どうしたものか。



青江「・・・・む?」



小夜「来る・・・・誰?」



小夜君も気付いたようだ・・・この感じは刀剣男士でも主、歴史修正主義者でもないが。



青江「まさか・・・この時代の軍隊かな」



小夜「だとしたらマズイね・・・接触は危険だ」



ふむ・・・ここで僕達がうかつに動けば迷いかねないしかといってこのまま接触するのもまずいし・・・



青江「・・・ヤルかい?」



小夜「冗談・・・!?」



青江「歴史修正主義者!?・・・この感じは」



僕たちに向かってきていた連中が歴史修正主義者達に包囲されている・・・これは助かった?いやこのまま見捨てるわけには・・・



小夜「包囲されているね・・・好都合だね」



青江「だが・・・ねぇ」



小夜「ダメだよ」



青江「ふぅん・・・そうかい」



嫌な感じだ・・・襲われているというのに助ける事ができないなんてね。もしこれが僕のほんの目の前で起きていたのなら巻き込まれたとして助けられるんだけど・・・目の前?こっちまで誘導してしまえば助けれるし命令違反にもならないか。



青江「ふ・・・うぁっと!?」



バランスを崩して海面に倒れこんでしまった・・・その際にちょっとした叫び声と大きな音を出してしまったけど気にしない。



小夜「青江・・・どうしたんだい?」



青江「ちょっと考えこんじゃったかな・・・倒れときに叫んじゃったしこれは気付かれたかもねぇ?」



小夜「ふふ・・・それなら仕方ないね」











考えうる最悪の状況になってしまったか救援に向かうときによりによって新種に包囲されるなんて・・・



初月「くそ!・・・前触れもなく現れるなんて!」



磯風「全くだ・・・しかし速いなコイツらは」



動き自体は直線的で単純だが接近されれば打つ手はなさそうだ・・・数も多いしこのままでは危険かもしれない。



早霜「・・・く!陣形を乱さないように、もう少しで援護も来る筈よ」



初月「わかってる!・・・抜かせるか!」



次々と現る新種を何とか迎撃しているが・・・ん?叫び声と衝撃音が聞こえたぞ?



磯風「声?・・・男の叫び声だ!」



初月「漂流者に危険が?・・・だが!」



早霜「ん?・・・まずい!新種が声のした方に向かって!」



いままでこちらを狙っていた新種が声のした方に・・・何故?声や音自体はかすかに聞こえるぐらいだったのに、私達を無視してまで向かうなんて・・・



磯風「どうする?・・・このままほっとけないぞ!」



初月「漂流者の座標を増援部隊に・・・なに?」



早霜「どうしたの?」



初月「増援部隊も突然現れた新種に包囲されているらしい・・・こちらの援護にはすぐには来れないそうだ」



私達だけで何とかするしかないか・・・増援部隊に関しては鎮守府の援護があるから問題ない。だが漂流者を放っておくわけには行かない・・・先程とは違いこちらから攻撃出来る以上勝機は十分にある、ならば・・・



早霜「追撃する・・・報告だけはしておいて?なんとかして漂流者を助けるわよ」



磯風「わかった!」



初月「行こう!」







先程までこの世界の軍隊を襲ってた歴史修正主義者を大挙して向かってきている・・・奴らが刀剣男士を優先的に倒すように命令されている事を利用してみたが上手くいって何よりだ。



青江「・・・さぁ来たね」



小夜「うん・・・短刀が20体ほどかな」



青江「ひとり10体?」



小夜「いいや僕が15で青江が5だよ」



青江「ほう・・・じゃあ僕が20で小夜君は0ってことで」



小夜「言うじゃないか・・・じゃあどっちが多く斬れるか」



青江「勝負・・・!」




抜かれた刀身が日の光を受けて輝く・・・そんな美しい姿も今だけだ。今から僕は沢山の敵を斬る。そうしたらこの美しい刀身は穢れた血で濡れてしまう・・・血?・・・血で濡れた刀身もまた鈍い輝き放つのでは?そうしたら今よりもっと美しくなるのでは?興味が湧いてきたな。



短刀「!」



青江「・・・ふふ」



まずは一匹・・・まだだ、この程度の血では美しくはなれない。



青江「まだ・・・まだ足りないね」



次に向かってくるは3体・・・先ずは真っ先に飛び掛った短刀1を咥えた刀ごと両断する。次に飛んできた短刀2の突撃をかわし、その瞬間に体を翻し短刀2の尻尾を掴みとる。そして最後に飛んできた短刀3目掛けて掴んだ短刀2を叩きつける。



青江「すると・・・短刀の切り身と粉末が出来上がりってね」



小夜君も順調に戦っているようだ。すでに5体程切り捨てている。



青江「負けられないね・・・さぁさぁもっときなよ!」









初月「・・・これは」



磯風「なんだ・・・この状況」



二人が驚くのも無理は無い・・・目の前で和装した男たちが刀で先のバケモノを切り捨てているのだから。正直私も事態を上手く理解できていないのだ。



早霜「助けは必要なかったみたいね」



ふたりの男がまるで赤子の手を捻るように新種を切り捨てている様を見れば誰でもそう思う。だがこれでかなりややこしい事になったのは確かだ。



早霜「磯風・・・増援部隊にいつでも漂流者を攻撃できる様に援護を要請して」



磯風「なに?・・・だが」



初月「水面に浮いて、なおかつ新種を圧倒できる戦闘力・・・もはや奴等は只の漂流者ではない」



早霜「ええ・・・何があるかわからない以上は警戒を怠らずにね」



磯風「わかった・・・」











青江「さぁ・・・これで」



小夜「終わったね」



周囲を確認する・・・とりあえず歴史修正主義者たちは全滅したようだな。



小夜「さて・・・後は」



青江「あの娘達か?」



早霜「・・・」



さすがに警戒しているようだ。正直僕達としては平和に解決したいしここは友好的な態度で話しかけてみよう。



青江「やぁ・・・御嬢さん方、今日も良い天気だねぇ」



初月「・・・ふん」



磯風「・・・」



ふむ、不機嫌にしてしまったかな?女性にはこのように話しかければイチコロだと主が言っていたのだが・・・困ったな。



早霜「・・・雲ひとつ無いとはいきませんが気持ちの良い天気ですね」



青江「よかったよ、君なら僕達の話を聞いてくれそうだ」



早霜「・・・丁度良かった、私も貴方達のお尋ねしたい事がありましたので」



小夜「・・・あれが僕達の話を聞く態度なのかい?」



ふいに小夜が喋ったと思うと指をさした・・・その先には艦載機と言うらしい物が空を飛んでいた。



青江「あれは・・・たしか艦載機とか言うんだよね?君達の武器だ」



早霜「ええ・・・いつでも貴方達に攻撃できるようにと待機させています、私が危害を加えられた又は疑わしい行動をとった場合は我が艦隊の全戦力で攻撃させていただきます」



あの短時間で僕達を脅威と判断し部隊を展開させるとは・・・それに彼女のあの目は本物だ、下手な事をしたら間違いなく海の藻屑になるだろう。



青江「流石は艦娘・・・負けたよ」



やれやれと手振りを交えため息を吐く・・・



青江「では真剣に話をするか・・・僕達は君達艦娘に危害を加えるつもりはないよ」



早霜「・・・では早くこの海域から退避を、安全な海域まで私達が護衛しますから」



青江「それはできない」



早霜「・・・できない?」



青江「僕達はある任務でこの海域にいる・・・だから動けない」



初月「任務だと?・・・内容は」



小夜「言えない、言える物なら君たちに連絡がいっているだろう?」



磯風「・・・確かにな」



青江「そうだろう?・・・なら僕達は大丈夫だから君達は」



早霜「・・・葛城さん!」



目の前の少女が叫ぶと同時に今までただ飛び回っていた艦載機とやらがこっちに向かって一直線に飛んできた。



小夜「青江!まずい!!」



飛来する艦載機から爆弾が切り離される、こちらは回避行動をとろうとするがこのタイミングで砲撃が飛んできた。



青江「ちっ!・・・投石や銃とは比べ物にならないねぇ!」



爆弾は弾き飛ばし砲弾は切り捨てる・・・何とか防げてはいるがこのままでは限界が来るだろう。



早霜「・・・攻撃中止」



青江「・・・なに?」



攻撃が止んだと思えばいままで後方で待機していた艦娘も合流していたようだ。本当に危険な状況だな・・・コイツは



早霜「どうでしょう?・・・こちらの言うとおりにしていただければこれ以上の危害は加えませんが?」



青江「・・・余裕だねぇ?」



早霜「ええ・・・それではまず貴方達は何者ですか?」



青江「・・・言えない」



早霜「・・・そうですか」



青江「・・・くそ」



まさか此処でやらてしまうとは・・・予想外だったな。



早霜「皆さん、鎮守府に帰りましょうか?」



初月「は?」



磯風「む?」



葛城「はへ?」



あまりにも予想外な発言に・・・ここにいる皆がその少女に驚きを込めた視線を向ける。



青江「君は・・・どう・・・なんで?」



早霜「・・・貴方達からは私達艦娘と近い何かを感じますし、それに・・・」



青江「それに?」



早霜「今貴方達に関わる事は危険・・・そんな予感がするので」



一瞬・・・まるで全てを見透かした目をしていた。まさかな・・・



青江「・・・まぁ君が良いのなら」



早霜「はい・・・では各艦、鎮守府に帰りましょう」



初月「・・・まぁ」



磯風「ふん」



葛城「ぁ・・・うん」



なんともあっけないが、あの少女の意味深な発言で僕達は救われた・・・彼女達不満そうな顔しながらは鎮守府とやらに帰っていった。しかし・・・



小夜「なんだろうね?・・・あの子は」



青江「知っていた?・・・いやでもそんなはずは」



小夜「青江?」



青江「・・・懸念事項だねこれは」
















早霜「・・・」



あの雰囲気・・・どことなく妖精の気配を感じた。なんとなくだが・・・



磯風「早霜・・・さっきのことだが」



早霜「なにか?」



磯風「なぜ見逃した?・・・あいつ等は」



早霜「私達の事を『艦娘』といったわね・・・」



初月「私達は通常、『特殊戦闘艦』と呼ばれているからな」



そう・・・私達は人間と同じ見た目をしているけど身体の頑強さ、組織構造などがまったく違う。深海棲艦に対抗する為に深海棲艦のデータを下に突如現れた妖精の技術で建造された兵器だ。そのなかで海軍は特殊戦闘艦となづけ一応は艦船として私達を扱うことにしたのだ。



葛城「艦娘って私達を運用する将校が使う愛称みたいなものですよね」



早霜「ええ・・・うちの提督が勝手につけたものよ」



艦娘は特殊戦闘艦を運用する鎮守府においてのみ使われる呼称であり、大半の海軍の人間はその存在すらしらない。つまり私達を艦娘と呼んだ時点で鎮守府に出入りしている、または機密情報を持っていることになる。



磯風「やはり、奴らは怪しすぎるぞ?水に浮くしやたらと強いし」



葛城「ええ、正直沈めるつもりで攻撃したんですけどね?まさか無傷とは」



その上にあの戦闘力だ・・・私達が苦戦する新種を軽く蹴散らし、支援艦隊の攻撃をぎりぎりの所で回避するなど普通の人間、いや艦娘でもできまい。



初月「・・・僕としてはあそこで始末するべきとも思ったぐらいだよ」



早霜「そうね・・・でも」



磯風「でも?」



早霜「・・・妖精の気配がしたのよ、おそらく彼らの刀からね」



葛城「・・・・え?」



早霜(本当はもうひとつ理由があるのだけれど・・・これは提督にのみ報告するべきことね)























深海棲艦拠点



港湾棲姫「・・・・レ級が?」



ヲ級改「ええ、敵の奇襲で大破・・・今は修復作業に入っています」



レ級率いる遊撃艦隊が人類側の敵襲によりレ級を残して全滅したとの報告を受けた・・・しかしあのレ級が遅れをとるなんて。



港湾棲姫「いくら相手が艦娘だったとしてもレ級も大破するなんて」



ヲ級改「そのレ級なのですが・・・・おそらく例の敵にやられた可能性があるようです」



港湾棲姫「例の・・・ってあの刀を咥えた?」



ヲ級改「はい・・・レ級の証言と全身の傷からその敵で間違いないようです」



艦娘と戦闘後とはいえレ級程の奴が大破させられるなんて・・・かなり強力な敵の様だ。



レ級「よぉ・・・港湾」



港湾棲姫「!?・・・まだ傷は」



レ級「完全にふさがっては無いが・・・まぁ大丈夫さ」



ヲ級改「レ級・・・無理は」



レ級「素敵な御仁に手当てをしてもらったからな・・・まぁいい」



ふとレ級の目つきが変わる・・・いつものふざけた物ではなくえらく真剣な目だった。



港湾棲姫「・・・なにかあったのね」



レ級「あの例の敵だが・・・人類側の・・・少なくとも艦娘達の兵器じゃないな」



ヲ級改「・・・ふむ」



レ級「そして、刀を咥えた奴の名前は短刀っていうらしい」



港湾棲姫「名前がわかったの!?」



驚いた・・・まさかレ級がここまでの情報を持って帰ってくるなんて。



レ級「あぁ・・・アタシを助けてくれた歌仙って奴がそういってたからな」



助けた?さっきも手当てしてくれたって言ってたが・・・それにかせんとやらは何者なのだろか?



レ級「・・・それに悪い知らせだが艦娘達はこの拠点の存在に気付いてるかも知れんな」



ヲ級改「確かに・・・レ級が帰還途中に襲われことも考えると・・・十分可能性はありますね」



例の敵の出現と艦娘達の敵襲・・・もしレ級の言うとおり拠点の位置が特定されていたとしたら?艦娘達の攻撃を受けるだろうし、例の敵も現れるかも知れない。



港湾棲姫「・・・状況は芳しくないわね」



















鎮守府 執務室



早霜「・・・報告は以上です」



提督「うむ・・・良く無事だったな」



執務室に集まった第1警戒部隊の皆に視線を向ける。被害こそは無いが新種や正体不明の敵との交戦のせいか表情に疲れが見える。



早霜「ええ、やはり新種は脅威ですね・・・苦戦させられました」



磯風「ああ・・・あのスピードは厄介だ」



提督「ふむ・・・」



初月「だが一番の脅威は刀だろう・・・恐らくは一太刀で大破させれかねない」



我が鎮守府でも精鋭の彼女達が言うのだ・・やはり新種は脅威だ。鎮守府近海に現れたこと考えるとしばらくは打って出る事はできないか・・・



提督「ご苦労だった・・・皆、ゆっくり休んでくれ」



磯風「あぁ・・・」



初月「それでは失礼する」



早霜「二人は先に行って・・・私は少し残っていくから」



磯風「・・・わかった、行くぞ」



初月「あぁ」



二人が執務室を後にし早霜が一人残った。まぁこちらとしても新種の件で話をしようと思っていたから丁度いい。



提督「・・・他に報告することがあるみたいだな」



早霜「ええ・・・漂流者についてです」



霧島「例の漂流者・・・興味深いですね」



提督「!?・・・霧島か」



早霜「ノック・・・してくださいね?」



霧島「これは失礼しました、面白そうなお話でしたのでつい」



早霜「・・・提督」



提督「丁度私の方からも早霜に話たい事があってね・・・霧島にはその件で来てもらった」



早霜「・・・霧島さんですか」



霧島「私ではご不満ですか?」



早霜は感情の篭もらない瞳を霧島に向ける・・・霧島も霧島で睨みつけるわけではないが警戒しているように見つめ返している。この二人の間にはなんとも言えない空気が漂っている。



早霜「・・・いいえ」



霧島「そうですか」



早霜がニコリと微笑み霧島もまたニコリと微笑み返す。



提督「では早霜、報告を」



早霜「漂流者と新種の正体・・・もしかしたら知っているかもしれません」



霧島「・・・ほう?」



提督「どういうことだ・・・早霜」
















無人島 本陣



審神者「はぁ・・・全く」



歌仙は一人で突っ走って深海棲艦と接触するし青江たちは艦娘達と交戦してしまうし・・・問題だらけだ。



青江「主?・・・報告したい事があるんだけど」



審神者「あん?・・・何かしら」



青江「・・・そんなに睨まないでおくれよ、話づらい」



審神者「この目つきは元々よ!・・・まったく」



そう言い返すと青江はケタケタと笑いながらも報告を始めた。



青江「ふふ・・・それでね?僕達が接触した艦娘なんだけど・・・」



青江の目つきが鋭くなる・・・嫌な予感がする。



青江「・・・僕達の事知っているみたいだ」



審神者「まさか!・・・・いやでも」



私達の事を知っている人間などいやしない・・・だが任務途中で帰らなかったあの刀剣男士の子孫であれば可能性は・・・



青江「覚えているよね?・・・主も」



審神者「忘れらんないわよ・・・初の任務だったし」



ハァ・・・とため息を1つついて空を見上げる。



青江「どうする?これでかなりやりにくくなったけど」



審神者「そうねぇ・・・」



確かにそうだ・・・こちらの正体がばれているのならより警戒して動かないといけない。



青江「それとなんだけどね・・・」



審神者「ん?」



青江「今回の歴史修正主義者たちだけど・・・狙いは深海棲艦だけじゃないね」



審神者「・・・襲われたのはあなたたちだけじゃなかったの?」



青江「・・・艦娘達の別働隊が奴らと交戦していたよ、小夜君も感じ取っていた筈だ」



・・・狙いは深海棲艦だけではなく艦娘も?あの歴史修正主義者達が標的以外に襲うなんてミスはありえない、ならば艦娘も深海棲艦も両方標的と言う事になるのか?



審神者「奴らの目的は・・・」



情報が足りない・・・今のところではどう判断するのにも情報が無さ過ぎるのだ。しかし手に入れるにしてもどうすれば良いものか・・・



審神者「乱が戻ってくるのを待つしかないか・・・」




鎮守府 執務室



提督「・・・つまり」



早霜「簡潔に言いますと、私の祖先が彼らと同じ刀剣男士なる者だと言う事です」



まっすぐな目でこちらを見つめる早霜は嘘をついているようには見えない・・・だがあまりにも突拍子過ぎる。



霧島「・・・しかしそれなら新種が現れた時点で報告すべきでは?」



早霜「こんな話どうせ作り話だと思っていたんですよ・・・漂流者がいや刀剣男士が現れるまでその話自体を忘れていたんです」



霧島「ふむ・・・しかし彼らが刀剣男士だというなら目的は何でしょうか?」



確かに・・・早霜の話では彼らが刀剣男士であり新種は彼らが戦うべき相手であるとしかわかっていない。



提督「それについて何かわかるか?」



早霜「歴史の改変を防ぐという目的で戦っているのだと聞きましたが」



歴史の改変?・・・ならば新種たちは歴史を変えようとしているというのか?



提督「・・・そうなるとあまり接触を図るべきではないな」



霧島「ええ、しかし新種が現れる以上は遭遇する機会も多いでしょう・・・」



しかしこの話を艦娘全員にするのもな・・・一部の主力のみ話をとどめておくかな。



提督「ふむ・・・早霜のおかげで新種の正体もわかった、霧島と俺の考えすぎだったようで安心したよ」



早霜「考えすぎ?・・・ですか」



霧島「ええ、大本営や人類側の兵器ではないかと考えていたのですがね」



早霜「はぁ・・・」



提督「今日はこれで終わりにしよう、早霜助かったよ」



早霜「はい」



霧島「それでは私も失礼しますね」



提督「あぁ・・・すまんな呼び出してしまって」



霧島「構いませんよ」



二人が執務室を後にすると静寂が訪れた。しかし未来から来た刀剣男士か・・・奴らが守る未来とはいったいどのようなものなのだろうか。



提督「・・・私にとっていや人類にとって幸か不幸か、神のみぞ知るということか」



しかし新種の目的がわかったのだ、大本営に入れた探りは意味が無かった事になるな・・・・まぁ良いだろう。あきつ丸に撤収するように連絡をしなければならないか。














大本営 



あきつ丸「・・・ふむ撤収ですか」



私が所属する鎮守府から連絡が来た・・・新種の正体が判明したためこれ以上の情報収集を打ち切り帰還するようにとだ。



あきつ丸「とは言うでありますが・・・此処の怪しさはグレーどころでは無いであります」



大本営には艦娘・・・いや特殊戦闘艦に対する偏見も多く、それに対抗する為の兵器もどんどん開発されており挙句の果てには対深海棲艦テストとして艦娘部隊を襲撃しようという話も将官の間でも真面目に話されているのだ。




あきつ丸「・・・まぁいいでありますよ・・・!?」



乱「ねぇ?・・・おねぇさん?」



幾ら警戒していなかったとはいえ気を抜いていたわけではない。だが私が一人の少女がここまで近づくのに察知できなかったなんて。



あきつ丸「・・・何者でありますか」



乱「いやだなぁ・・・ちょっと迷い込んじゃてさ?」



首をかしげて言う少女のなんと可愛らしいことか・・・だが明らかに怪しすぎるな、大本営に普通の少女が入れるような隙間はないし警戒も厳重だ。



あきつ丸「・・・う!?」



乱「・・・動いたら手元が狂っちゃうかもよ?」



危険を察し距離を取ろうとした瞬間にこの少女は獲物を私の首にあてがっていた・・・まずい只者ではないぞ。



あきつ丸「目的は・・・なんでありますか?」



乱「情報・・・それと此処から出る方法だね」



先程までの可愛らしい雰囲気は一変し目の前にいるのは暗殺者のような冷たい目をした少女だった。



あきつ丸「・・・ここは協力した方がよさそうでありますね」



乱「ふむ・・・嗅ぎつけられていたかな?」



私達の周囲には殺気を漂わせた数十人に兵士が隠れている。本人達は隠れているようだがバレバレだ。




あきつ丸「そのようでありますね・・・武器を展開しても?」



乱「いいよ?艦娘さんでしょあなた」



あきつ丸「その呼び名は使わない方が良いであります」



乱「・・・どうして?」



あきつ丸「少なくとも今は・・・その呼び名は周知されていないでありますので」



乱「・・・そう」



奴らが動き出すか・・・数は15人ほどか?特殊警備隊なら火器の類は携行していないはずだ。



警備隊1「!!」



あきつ丸「ならば!!・・・一太刀で切り捨てるのみ!!」



腰に携えていた軍刀を引き抜き、一息に振り下ろす。相手は防ごうと刀を構える・・・



あきつ丸「チェストォォォォォ!!」



艦娘の力は普通の人間の数倍にもなる・・・その力で思いっきり振り下ろすのだ、たかが鉄の塊ごと切り捨てる事など訳ない。



警備隊1「あが!?・・・」



乱「・・・やるねぇ」



警備兵の首を掻き切りながら呟いているとこちらにも狙いをつけてきた様だ・・・少々面倒だな。



乱「さぁ・・・ボクと一緒に乱れちゃおうか?」



警備隊3「こいつ!」



振り下ろされた軍刀をかわし隙だらけの心臓に短刀を一刺し・・・引き抜くと綺麗な血しぶきが舞い上がった。



乱「あはっ!・・・ゾクゾクする!」



警備隊4「クソ!」



仲間をやられて頭に血が上っているのだろうか・・・まるで避けてくださいといわんばかりの大振りだ。



乱「ふふ♪」



一気に距離を詰め相手が軍刀を振り下ろす前に胴を薙ぎ払う・・・すると二つに分けられた身体は無残に血を撒き散らしながら転げまわった。



警備隊5「ひぃ!」



警備隊6「なんだ・・・こいつ」



乱「ねぇ・・・まだ終わらないよねぇ・・・お兄さん達?」







大本営 執務室 




元帥「ふむ・・・鼠が2匹入り込んでいたか」



報告によると特殊戦闘艦らしき女が2名発見された様だ。おそらく例の新兵器の情報収集にでも来たのだろうがな。



元帥「鎮守府の連中は艦娘と呼んで馴れ合っているようだが・・・所詮は改造人間、この戦いが終われば問題を起こすに決まっている」



高い身体能力を持ち現代兵器では傷1つつけるのも敵わない奴らがこのまま戦後も大人しくしているとは思えない・・・最悪第二の深海棲艦になりかねないのだ。



元帥「丁度いい・・・新兵器『太刀』を試してみるとするかな?」

















大本営 港




あきつ丸「こっちであります!」



乱「うん!」



先程の警備隊は殲滅できたが此処は海軍の本拠地、とてもじゃないが逃げなければ生き残れない。入り口も封鎖されている為此処から出る道は1つ・・・海上しかない。



あきつ丸「私は乱殿のボートを拝借してくるので少々お待ちを・・・」



乱「ボート?大丈夫さ、ボクも浮かべるからね」



あきつ丸「!?・・・ええいこの際は聞くまい、それでは急ぐであります!」



出撃口のハッチを開けようとコンソールを操作する。だが扉が開くとその先には無数の警備艇が待ち構えていた。



元帥「鼠が・・・ここまで来るとはな」



あきつ丸「!?・・・元帥閣下!」



乱「・・・」



元帥「特殊戦闘艦・・・やはり危険だな、その力でいずれは我ら人類に牙を剥くも知れんか」



あきつ丸「何を!・・・私達も同じ人間であります!」



元帥「何を言うか・・・私はあの日を忘れた事は無いぞ!」



乱「・・・あの日?」



あきつ丸「・・・く」



元帥「だがもはや貴様らの影におびえる必要は無い・・・我らには我ら独自で深海棲艦に対抗する力を手に入れたのだからな」



乱「力・・・まさかね?」



元帥「新型の自律起動兵器『太刀』の力!見せてやろう!」



元帥の号令と共に背後から強烈な殺気を感じた・・・この感覚、なんども戦った事がある奴だ。



太刀「・・・」



乱「歴史修正主義者!・・・だが1体なら!!」



刀を構えると水中から多数の気配を感じる・・・これは!



打刀「・・」



短刀「」



乱「打刀5、短刀15・・・それに太刀が2体か」



これはかなりまずい、艦娘がどれ位やれるかわからないが勝てる見込みは殆ど無いし逃げることも出来なさそうだ。



あきつ丸「絶対絶命・・・でありますな」



乱「ん・・・そうだね」



援護は期待できない・・・どうする?何か策はないものか、何か・・・ん?



乱「・・・風きり音?」



あきつ丸「艦載機の・・・だがこれは」




元帥「・・・深海棲艦の奇襲だとぉ!!?」




警備隊の後方から深海棲艦の艦載機が飛来・・・戦闘艦ではない彼らの警備艇ではなすすべもなく沈められるだけだ。



元帥「く!・・・撤退だ!あとは新兵器に!くそ!このままでは奴らの思うつぼだ!」



あきつ丸「指揮系統が混乱している?・・・今なら!」



乱「いけるね!・・・行こう!」



ヲ級改「こっちだ!こっちに来い!」



何時もなら深海棲艦の言う事など聞かないだろうが、新種に包囲されたこの状況ならすがれるもには何にでもすがりたくなるだろう。



ヲ級改「各艦!深追いするなよ?痛めつけるだけでいい!」



元帥「くそ!・・・特殊戦闘艦風情が!太刀共!奴らだけは逃がすな!」



太刀「!!」



新種共が隊列を組んでこちらに向かってくる・・・今の状況なら数では有利かもしれないが新兵器と謳った奴の実力が読めない以上は下手に手出しはできないか。



あきつ丸「来るでありますよぉ!!」



乱「ここは逃げよう!深海棲艦もいいね!?」



ヲ級改「もとよりそのつもりです!私が何としてでも時間稼ぐ、艦隊は撤退せよ!」



頭部発射口から艦載機を発艦させる・・・艦載機は新種に一直線に向かっていく。



ヲ級改「イメージ・・・飛べぇ!」



太刀「!?・・・クッ!」



ヲ級改の艦載機は常軌を逸した軌道を描き新種に取り付く・・・流石に新種といえどあれほどの動きで取り付かれれば動けない筈だ。



あきつ丸「残存艦隊は撤退成功であります!!貴殿も!!」



護衛用に着けていた主砲を連射し艦載機も発艦させる・・・これでこの深海棲艦も撤退できるだろう。



ヲ級改「すみません、ですがあの艦載機は?」



あきつ丸「・・・大丈夫でありますよ、どうせ着艦できませんし」



今回は普段の改型艤装を持ってきていないため仕方ない・・・それにあの艦載機も型落ちの艦戦だし無駄遣いにもならないだろう。



乱「さぁ・・・急いで!」



ヲ級改「ええ!」



あきつ丸「了解であります!」
































突然の深海棲艦の襲撃に警備艇や兵士の損失は甚大だ・・・そのうえこの様子では特殊戦闘艦も逃がした事だろう。



元帥「・・・逃げたか」



太刀「・・・・」



元帥「太刀・・・奴らを追跡し殲滅しろ!知られた以上はなんとしてでも始末するのだ」



太刀「・・・!」



元帥「ふふ・・・そう、なんとしてでもな?」



奴らを逃がしたのは誤算だったが・・・深海棲艦と協力したのは都合がいい。これでこちらの正義を主張できる。やつら特殊戦闘艦は深海棲艦と共謀し大本営を襲撃したと裏切り者だと・・・人類に仇なす敵であると。













深海棲艦 拠点



港湾棲姫「・・・・はぁ!?」



ル級「!!」



あぁ・・・やってしまった。また睨みつけてしまった。いかんせん元の目つきが悪いせいで怖がられてしまうのに・・・



港湾棲姫「ごめんなさい・・・怒っている訳ではないのよ?ただね?」



ル級「・・・?」



港湾棲姫「うん・・・ではヲ級改が人類と交戦して艦娘を二人保護したのよね?それでこっちに向かってくると?」



ル級「!!」



コクコクと頷くと報告を終えてすぐに部屋を出て行ってしまった・・・あぁ・・・こんな目つきに生まれてこなければ良かった。どこぞの港湾水鬼はあの目つきでどうやってみんなと仲良くしてるだろうか・・・今度あったら聞いてみよう。



港湾棲姫「・・・はぁ」



レ級「よぉ!・・・お?」



港湾棲姫「・・・あんたはまだ比較的可愛げのある見た目だからいいよねぇ?」



レ級「はぁ?」



港湾棲姫「こっちの話よ・・・ヲ級改が帰還するそうよ?」



レ級「ほー・・・じゃ新種の居場所がわかったのか?やるねぇヲ級改ちゃんも」



港湾棲姫「それがね?・・・新種を追跡してたら人類側の本拠地に着いちゃって新種に襲われていた艦娘を2人保護したんだって」



レ級「かー!!やるねぇ!・・・・あ?本拠地?艦娘!?」



港湾棲姫「ええ」



レ級「えぇーーーーー!!!」



港湾棲姫「うるさい!」



拳でレ級の額をちょっと強めに小突く・・・叫びは止まったが今度は痛みでのた打ち回りはじめた・・・これはこれでうるさいな.



レ級「痛!・・・テメェ馬鹿でかい拳しやがって力加減考えろこのワンコ!!」



港湾棲姫「あ?」



気にしている事を・・・この野郎今日と言う今日は許さんぞ!



レ級「クソが!・・・あん?」



港湾棲姫「なによ!・・・さっさと艤装展開させない!やってやるわよ?」



レ級「・・・似てる」



港湾棲姫「はぁ!?」



何を言っているんだ?・・・こいつ、頭を小突いたせいで余計に悪くなってしまったかな?



レ級「・・・アタシを助けてくれた男達のリーダーだよ言ったろ?」



港湾棲姫「・・・あぁ深海棲艦みたいな奴って?」



レ級「そうそう・・・その目つきの悪さと身にまとったオーラっつうの?似てんだよ港湾と」



目つきは余計だ・・・しかし似てるってことは陸上拠点型の深海棲艦ってことかな?港湾水鬼とかなら似てるが北方棲姫はそれほど似てないし・・・



港湾棲姫「ふむ・・・まぁ気になるわね」



レ級「まぁいいが・・・ここに艦娘が来るんだよな?」



港湾棲姫「そうね」



レ級「やっぱお客さんだし・・・色々綺麗にしたほうが良いかな?」



港湾棲姫「・・・そうね」



そういってこの部屋を見渡す・・・私達は人類側から奪った資材で適当に作った部屋を使っているけどこれを艦娘が見たらどう思うのかしら。・・・捕虜と言うわけではないから変なとこに入れるわけにはいかないし・・・



港湾棲姫「空き部屋・・・あったよね?」



レ級「あぁ・・・この横の部屋だな」



港湾棲姫「そこ人類の美的センスにあわせて改装しましょうか」



レ級「それいいな!・・・そうすりゃ仲良くなれかもしれぇねぇし」



港湾棲姫「よし!・・・じゃ早速やるわよ!」



レ級「おう」



そうと決まれば即行動だ・・・たしか家具みたいなやつ倉庫にあったはず・・・それでを部屋に入れて・・・コーディネートして・・・あ・・・・



港湾棲姫「・・・レ級?」



レ級「あ?」



港湾棲姫「人類の美的センス・・・ってわかる?」



レ級「・・・・」































鎮守府 執務室



提督「大本営に敵襲!?・・・おい」



大井「先程届いたんですって・・・これは責任問題とか色々騒ぎたてそうですねー」



私用の高級な椅子を占領する大井はアホくさ!っと続けると読んでいた雑誌のページを進めた。



提督「・・・しかしこちらの警戒ラインは超えられていないはず?では他のエリアからか?」



大井「この夏はチョイ見せ?・・・くだらなっ」



大井はまだ雑誌に夢中なようだ・・・これで今日の秘書艦なのだから困った物だ。ん?大本営からの緊急コードだな・・・なに?



提督「・・・!?大井!」



大井「ああん?なんですか大きな声出して・・・提督?」



大井の緩んだ表情が一気に引き締まる・・・察してくれたようで助かる。



提督「今から言う奴を呼び出してくれ・・・早急にな」



大井「ええ・・わかったわ」



大井が放送で第1艦隊に召集をかける・・・メンバーは霧島、大井、葛城、早霜、磯風、初月の我が鎮守府で最も錬度高い6人だ。



提督「あきつ丸からの報告が無いのも気になる・・・状況次第では戦う相手も考えなければならんな」















洋上 



始めは新種を追跡していたのだがまさか敵本拠地に着いてしまうとは・・・予想外だったな。しかも人類側である艦娘が襲われていた事も驚いた。とっさに助けてしまったが・・・どうしたものか。



あきつ丸「ふむ・・・」



ヲ級改「どうされた?艦娘殿」



あきつ丸「・・・上官に連絡が取れなくて」



ヲ級改「ふむ、それは困った物ですね・・・」



乱「・・・追いつかれた」



そう彼女がぼそりと呟くと周りの空気がぴりぴりしていくのが自分でもわかる・・・これは先程の新種か?それともこの見たこと無い艦娘の気によるものなのか?



ヲ級改「まさか・・・新種か?」



乱「そう・・・逃げられそうにはないよ?」



あきつ丸「ならばやるしかないであります」



ヲ級改「確かに」



乱「やるなら・・・周りの雑魚たちは逃がした方がいいよ?深海棲艦」



確かに今回は駆逐級を主に連れてきた為戦力としては心もとないか・・・



ヲ級改「そうですね・・・・全艦、先に拠点へ戻っていてください」



イ級「!」



命令通りに駆逐艦達は撤退した。よしこれでいいだろう、艦載機を発艦させて先手を打てれば・・・



あきつ丸「来た!まずは遠距離から・・・え?」



乱「ふん・・・こいつらは僕だけで十分さ」



あきつ丸「乱殿!?」



乱と呼ばれた奴が一人で新種に突っ込んでいった・・・なんて事だ。実力が未知数な敵に単艦で突っ込んで行くなんてどうかしている。



ヲ級改「・・・援護しましょう!」



あきつ丸「ええ!」






















乱「居たね」



目の前に太刀が2体、恐らくこっちに気付いているだろうがまだ動かないな。



太刀「フン!」



動いたか・・・こっちを短刀と見くびって1体で戦うつもりらしい。なめられたものだね・・・・



乱「・・・まぁ2体できても僕には勝てないけどね?」



狙いを決めると一直線に駆け出す・・・太刀も刀を構える。なんとも強そうには見えるが・・・見た目だけだ。



太刀「オォ!!」



太刀は構えた刀を振り下ろしこちらを両断するつもりの様だ・・・だがそんなものに当るほどやわじゃない。体を翻し振り下ろされた刀を回避すると通り抜けざまに胴に刀を突き刺す。人間ならばほぼ即死だが太刀のような相手ではもう一撃必要だ。



乱「うぉぉぉ!」



突き刺した刀を軸にして方向転換を行う・・・全速力からの方向転換だったためかなりの力が刀にかかり太刀の体を抉る様に切断していく。方向転換が終わるころには太刀の腹は両断され、中身がこぼれだしていた。



太刀「ァ・・!?」



乱「・・・フン」



身体が両断されてもなお動こうとする太刀の頭を確実に踏み潰すと次の太刀へと目を向ける。この戦いをみて恐怖を感じたのか先程よりも余裕が無いようだ。まぁいいさっさとコイツも仕留めてしまおう。



太刀「・・・!?」



乱「へぇ・・・」



太刀に切りかかろうと刀を構えた時、後方から無数の艦載機が通り抜ける・・・向かうは僕の目線の先だ。



ヲ級改「・・・貴殿の実力は未知数ですので、全力でやらせてもらいます」



まずは第一派の艦載機が機銃斉射で太刀の体に穴を開ける・・・



太刀「ガァ!・・・!?」



ヲ級改「動きは止めた・・・沈める!」



第二派の艦載機は高度からの急降下爆撃、それはまるで艦載機が1匹の獣のように統制された動きで襲い掛かる。



太刀「ァ!?」



機銃掃射と爆撃により太刀は為す術もなく海にその身体を散らしたのだった。



乱「やるじゃない、深海棲艦」



ぱちぱちと手を叩きながら賞賛の言葉を送る。



ヲ級改「・・・貴殿は何者?」



だが対する深海棲艦は目を緩ませることはなかった・・・それどころか一層鋭くなった様に思える。



乱「ん・・・艦娘?」



とりあえず見た目的に近そうだから嘘をついてみるかな?刀剣男士とは言えないし・・・



ヲ級改「違います・・・匂いますので」



乱「ニオイ?・・・ちょっと失礼じゃない?これでも結構気を使っているんだけどさぁ」



ヲ級改「そう言う意味でありませんよ?・・・しいて言うなら艦娘と深海棲艦の匂いがするんです」



乱「・・・へぇ?」



ちょっとコイツは賢すぎるな・・・これ以上は危険。始末してしまおうかな・・・?



ヲ級改「・・・ご安心をこれ以上は詮索いたしませんので」



乱「そう・・・助かるよ」



あきつ丸「・・・そういうわけにはいかないのでありますよ」



ふと声がしたと思うと背中につめたいモノが当る・・・これ主砲か?



乱「・・・あきつ丸さん」



あきつ丸「確かに乱殿は強いですな・・・ですが」



ヲ級改「その戦い方はまるで獣・・・裏をかくのは容易いのです」



ふむ・・・確かに彼女達の言うとおりだ。僕の戦い方は獣のように本能を全面に押し出して戦うスタイルだ。だけど・・・



乱「勘違いしているね・・・獣は本能で戦うのさ」



ヲ級改「何を・・・」



あきつ丸「まずい!・・・主砲を!」



乱「真に研ぎ澄まされた本能は・・・何者にも勝る!」



身体を回転させ刀を主砲に突き立てる。それにより砲身に歪み生じ発射された砲弾は行き場を失って砲ごと爆散した。



あきつ丸「く・・・後ろに着けたのは気付いていなかったのでなく」



ヲ級改「後ろに疲れても負けない実力があったから・・ですか」



しかし幾ら僕でもこの二人を同時に相手にするのは危ない・・・ここは穏便に済ませようか。



乱「まぁ・・・そういうことだね?と言うことで」



あきつ丸「これ以上は互いに利は無いでありますな」



ヲ級改「それでは一先ずはわれらの拠点に向かいましょう」





大本営 



元帥「・・・ふむ」



先程逃げた艦娘と深海棲艦どもは恐らく太刀が切り捨てたはず・・・ならば後は



元帥「残った艦娘と深海棲艦だな・・・」



さぁ・・・太刀をはじめとする新兵器の量産体制を整っている。後はこの私の号令1つ・・・まずは我らの力を見せる機会を整えなければならない。



元帥「あと少しだ・・・あと少しで人類の尊厳は守られる。艦娘などではなく我ら人類によって作られた兵器によって」









鎮守府



提督「集まったか・・・」



霧島、大井、葛城、早霜、磯風、初月の6人が執務室に集まった。



霧島「・・・このメンバーですか」



大井「ご不満ですか?霧島さん」



霧島「いえ?全く心強いなと、特に大井さんと御一緒と言うのがね」



大井「あん?」



葛城「大井さん・・・提督の前ですよ」



大井「チッ・・・」



葛城「・・・はぁ」



提督「・・・よろしいか?」



霧島「おかまいなく」



大井「・・・」



葛城「は、はい」



この3人は戦闘となれば頼もしいのに何故普段はこんなに雰囲気が悪いのだろうか・・・全く



早霜「提督・・・それで?」



提督「あぁ・・・すまない、実は大本営から指令が届いたんだ」



磯風「ほう?大本営からか・・・腕が鳴るな」



初月「そうだな・・・僕も滾ってきた」



早霜「そうね、全力を出しましょう」



比べてこちらは実に頼もしい。初月と磯風は武人気質であるし早霜は思慮深い性格であるので上手くいくのだろう。



提督「ふむ・・・それで今回の任務だがな」



大本営の指令は先日の出撃で発見した敵拠点の攻撃・・・戦力はこの鎮守府から精鋭を1艦隊、そして大本営に開発されていた新兵器による2艦隊、計3艦隊分の大規模艦隊だ。



磯風「ほう・・・大本営の新兵器か」



大井「ふーん・・・つまり大本営の御膳立てをしろって?」



葛城「その言い方は・・・」



提督「・・・ふむ、だが新兵器が深海棲艦に有効であれば私達も楽になるし打って出る事も出来るようになる・・・無駄ではないぞ?」



大井「ふん・・・まぁ」



もともと大井は大本営に対して否定的であるしそう思うのも仕方ないか・・・



霧島「新兵器・・・ふむ」



提督「・・・霧島どうした?」



霧島「いえ、何でもありませんよ」



早霜「・・・」



提督「そうか・・・それでは細かい内容に関して今から配る書類に書いてある、出撃する明日までに読んどくようにな?」



一同「はっ!」



その場はこれで解散とした・・・何せ急な出撃任務であるため準備もあるだろうしな。しかしあきつ丸と連絡が取れないのが気になるか・・・できれば彼女にも出撃してもらいたかったが仕方あるまい。



提督「さて・・・こちらも準備をしなければな」




鎮守府 工廠



霧島「ふむ・・・大本営の指令・・・新兵器・・・そして新種と刀剣男士ですか」



やはり怪しい・・・なんというかタイミングが合いすぎている気がする。先程の大井ではないが私も大本営に対して良い感情は持ち合わせていない所為なのかどうにも怪しく思ってしまう。



早霜「・・・やはり怪しいと?」



霧島「ええ・・・早霜さんも?」



何時の間に後ろに居たのか・・・いくら作業に集中していたとはいえ気付かないとはこの早霜という艦娘やはり侮れないな。



早霜「・・・最悪のケースも想定した方が良いかもしれませんね」



霧島「・・・最悪?」



早霜「ええ、深海棲艦と新種と大本営と戦う位ならばまだしも、この鎮守府の仲間と戦う事も想定しなければ・・・」



そしてこの頭の切れ方も侮れない・・・十分脅威となりえる。



霧島「・・・早霜さんとも?」



早霜「霧島さんは味方だと信じてますよ・・・ねぇ?」



霧島「・・・ならばこれをお見せしても良いでしょうね」



点検していた艤装を装着する・・・これは普段使用している艤装とは違い私専用にカスタムされた物だ。



早霜「それは・・・」



霧島「この鋏で提督の敵・・・その全てを両断してみせますよ」



早霜「・・・頼もしいですね」









深海棲艦 拠点 周辺海域




港湾棲姫「・・・・ふん」



審神者「・・・はーん」



青江「両者にらみ合いのまま・・・って感じかな?」



歌仙「・・・それはいいがこのままでは埒が明かないぞ?」



次郎「まぁ・・・なにか考えがあんだろうけどさぁ」



小夜「・・・ふぁ~」



主とあの港湾棲姫とかいう奴がにらみ合ってから結構経つ気がする・・・いったい何をしているんだろうか。小夜君なんて欠伸してしまっているのに・・・



港湾棲姫「・・・あんた」



審神者「・・・あ?」



港湾棲姫「随分と偉そうね?・・・見た事無い姫級だけど何か用?」



審神者「姫級?なによそれ・・・私は審神者、あんたがここら辺の親玉?」



港湾棲姫「そうよ?・・・だとしたら何かしら?」



一気に港湾棲姫にオーラが変わっていくのがわかる。こいつは凄い、親玉であるのも納得の気迫だ。



審神者「・・・話があるのよ、話がね?」



負けじと主もオーラを変えたな・・・しかしすごいなピリピリがこちらまで伝わってくるようだよ。



港湾棲姫「凄い目つきねぇ?お~こわこわ・・・そんなじゃそこの男の子達も怖がっちゃうわよ?」



審神者「はぁ?・・・あんたには負けるわよ、あんたならそのひと睨みで艦娘沈められるんじゃな~い?」



港湾棲姫「あ?」



審神者「は?」



二人の間に火花がバチバチと音をたてているかのようだ・・・まるで一触即発といったところかな?



歌仙「やれやれ・・・僕からしたらどちらも一緒さ、十二分に恐いよ」



青江「・・・あー」



次郎「あらら・・・」



小夜「・・・南無」



歌仙君・・・君はどうして余計な事を・・・ほらほら後ろを見てごらんよ?



歌仙「ん?・・・・!?」



審神者「歌仙・・・今何て言ったのかしら?」



港湾棲姫「そうねぇ・・・お姉さん良く聞こえなかったなぁ?」



歌仙の背後に鬼や悪魔が裸足で逃げ出すほどの恐怖が迫っている・・・・あぁダメだな歌仙君、もうあきらめるしかない・・・



歌仙「に・・・にげっ!」



審神者「こらぁ!」



港湾棲姫「逃がすかぁ!」



青江「・・・はぁ」



しかし二人とも思ったより仲良いようだ・・・正直目つきも似ているし顔とか雰囲気も恐い・・・まるで家族みたいだと思ったよ。あー奮戦むなしく歌仙君は主さん達に捕まってしまったか・・・うんうん仲良き事はなんとやらってね。



審神者「・・・・まったく失礼な奴ね」



港湾棲姫「ええ・・・こんな優しいお姉さん達捕まえてさ」



歌仙「」



主さんと港湾棲姫は歌仙に対する説教と言う名の暴力的な何かを終えると再び向き会う・・・・



港湾棲姫「それで?・・・何か用なんでしょ?」



審神者「ええ、私の部下が深海棲艦にお世話になっているみたいでね?そのお礼でもと・・・」



港湾棲姫「部下ぁ?・・・あーヲ級改が保護したって子の事かな」



レ級「だろうなぁ、だとしたらもう拠点についてるんじゃねぇか?」



ほうほう・・・乱君は彼女達の仲間と行動をともにしているようだね、少々危険な気がするけども・・・



審神者「へぇ~なら貴女達の拠点に行っても良いかしら?」



次郎「おいおいアンタ・・・流石にそれはマズイって」



静観を決め込んでいた次郎太刀も流石に止めに入ったか・・・確かにこれはマズイな、歴史修正主義者と戦う為にこの時代の連中と協力するなんて・・・下手をすれば歴史修正主義者以上に歴史を歪めてしまいかねない。



港湾棲姫「私はいいけど?ねぇ?」



レ級「まぁな、今更数人増えたって変われねぇって」



小夜「君達良いかもしれないけど、こちらはこちらの事情があってね?」



歌仙「そうさ・・・御嬢さん方には申し訳ないけれど」



審神者「あんたら乱の報告聞いてた?むしろ此処で協力者を得なければ歴史修正主義者は倒せないわよ」



青江「海軍が歴史修正主義者に協力しているんだろう?だけどここで深海棲艦と協力したら・・・」



審神者「・・・大丈夫よ安心なさい」



次郎「・・・わかったよ」



青江「・・・まぁそこまで言われたんだ・・・反対できないね」



歌仙「あいわかった・・・信じよう」



小夜「・・・そうだね」



審神者「ありがと・・・じゃあ港湾?」



港湾棲姫「んーじゃついてきなさいな」






深海棲艦 拠点 



ヲ級改「さぁ・・・ここですよ」



乱「へぇ・・思ったより普通だね」



あきつ丸「まぁ・・・確かに」



ヲ級改「・・・どんな所だと思っていたので?」



あきつ丸「まぁ・・・えっと」



まぁ・・・なんというか洞窟とか?正直こんな文明的な所だとは思っていなかったな。こちらの拠点とそれほど変わりは無いような気がする、他の拠点もそうなのだろうか?



ヲ級改「今ので大体把握いたしました・・・まぁ仕方ありません」



・・・ヲ級改と言う深海棲艦は随分と落ち着いているがどうも空気がぴりぴりしているような気がする。



ル級「!!」



ヲ級改「・・・何か?」



ル級「!!!」



何か話しているようだが良く聞こえないな・・・ただ明らかにあのル級の態度からすると緊急事態であると推測できるが・・・



ヲ級改「困りましたね・・・」



あきつ丸「どうなされたので?」



ヲ級改「人類側の通信を傍受したようで・・・まぁあなたの前で言う事ではないのでしょうが」



傍受?・・・そんな馬鹿な普段なら海軍は傍受されない秘匿通信で連絡を取るはずなのだが。



あきつ丸「ふむ・・・」



乱「解せないって顔だね?」



あきつ丸「え?・・まあ」



ヲ級改「おそらく罠か何かでしょうな・・・それに私達に受け取って欲しいと言わんばかりに送られてきたそうですし」



あきつ丸「・・・内容を確認しても?」



大本営での元帥の言葉正ければ・・・おそらく海軍は深海棲艦も艦娘も殲滅するつもりでいるはずだ。ここは私も彼女達と協力しなければ・・・



ヲ級改「人類に不利になるような事を・・・何故?」



あきつ丸「・・・自分の命を守る為であります、このままでは艦娘も深海棲艦と共に殲滅されてしまうでありますから」



乱「そうだね・・・あの元帥ってやつならやりかねないよ」



ヲ級改「・・・しかし」



あきつ丸「今回の情報を提督に知らせれば艦娘も仲間になってくれるでありますよ」



ヲ級改「ふむ・・・そうすればこの下らない戦いも終わりに近づきますか」



まさか深海棲艦から下らない戦いなんて言葉が出てくるなんて・・・もしかしたら?いや今は元帥の暴走を止める方が先か・・・



ヲ級改「あきつ丸殿・・・お願いしたい」



あきつ丸「了解であります・・・案内を」



乱「僕も行こう・・・協力しろとの命令だからね」









鎮守府 執務室 



作戦指令書には陣形や行動スケジュールの全てが決められている。我が艦娘艦隊が先ずは攻撃しおびき出す、そして大本営の1艦隊が周囲の増援を防ぐ、そして航空隊の空爆で敵艦隊を消耗させ大本営の2艦隊がとどめさす。穴の無い作戦だと思う・・・皆が役割をしっかりこなせば問題なく拠点の制圧ができるだろう。



提督「ふぅ・・・ん?」



秘匿通信?あきつ丸か・・・連絡がなかったがどうしたのだろうか。



提督「・・・・おいおいコイツは」



皆が役割をこの指令書どおりにこなせば絶対に成功する作戦・・・先程までならこれほど頼もしい作戦は無かった。だが・・・



提督「・・・こんな報告を聞いてしまえば、危険でしかないな」



アレの準備をしておこう。最悪のケース通りになれば必ず必要になってくる筈だ。












大本営 執務室



太刀の反応が消えたか・・・まさか失敗するとはな。これでは明日の作戦もどうなるかわからんか・・・



元帥「ふむ・・・奴らが手を打ってくることも想定しなければな」



艦娘と深海棲艦が手を組む・・・それが最悪のケースだ。だが敵が増えるならばその分艦隊をを増やせば良いいかに協力しても数と質ではこちらが上だ。後は鎮守府にいる変わり者共も仕留めよう・・・そうすれば艦娘共は烏合の衆だ。



元帥「ふふ・・・どちらにしても人類の勝利は変わらない、この新兵器の力があればな」






本丸 



大和守「・・・お茶がおいしい」



清光「だなー・・・ん?」



???「久しぶりね・・・二人とも」



すぐ後ろに居たなんて気付かなかった・・・まったくいつから居たのかねこの人はさ。



大和守「相変わらずだね、主さんは気配消し過ぎだって」



???「ごめんなさい、戦場に居たとき癖でね」



戦場?・・・主さんが自分から過去の事を話すなんて。こりゃ何かあったな?



???「清光?」



清光「・・・俺っちの出番かな?」



大和守「だね・・・今度は何処に出撃するんだい?」



???「2020年・・・平成と呼ばれた時代よ」



2020年か・・・随分と最近じゃないか。それにそこには別の審神者が出陣した筈だったけど・・・



清光「・・・詳細は?」



???「メンバーは清光と大和守の二人・・・それに私は着いていけないから現場に着いたら向こうの審神者の指揮下に入って」



大和守「どうしてだい・・・複数の審神者による任務は問題ないはずじゃ?」



???「私は行けないのよ・・・それに」



清光「それに?」



???「あの子が・・・審神者自身で考え立ち向かわなければいけないのよ」



大和守「主さん?」



???「それが・・・正しい歴史なのだから」









深海棲艦 拠点




あきつ丸「ふむ・・・そう来ましたか」



傍受した通信の内容は裏切り者が現れたこと、そして北方海域に出撃指令が下った事だった。だが・・・北方海域に出撃なんて事をわざわざ聞かれる危険を冒してまで伝える必要があるのだろうか。



ヲ級改「どうされましたか?」



あきつ丸「貴殿にお1つお聞きしたい事があるのですが・・・」



ヲ級改「はい?」



あきつ丸「傍受した通信を解読できた事は?」



ヲ級改「ありませんよ?そんな技術はありませんし」



あきつ丸「でしょうね・・・この機器が使用されている痕跡がありませんし」



ならば・・・私達が深海棲艦と共にいる事を想定して?ならばこの情報が嘘である事はわかるはずだ・・・ならば通信を受け取る事が目的としたら?ならば内容はそれらしきものでも問題ない。



あきつ丸「受け取る・・・だけでいい?まさか!」



ヲ級改「何を?」



私の予想通りならまずい事になる・・・恐らく受け取った時点で大本営の目的は達していたのだ。



あきつ丸「・・・おそらくこの拠点の位置がばれた可能性があります」



ヲ級改「な、何!?」



あきつ丸「この通信を傍受した時点でウィルスがこの施設に入り込んでいたんでしょう」



ヲ級改「では・・・此処の位置が完全に?」



あきつ丸「ええ・・・・ビンゴ!ウィルスを見つけたであります」



ヲ級改「すぐに準備を、防衛戦にしろ撤退にしろ動かなければ・・・」



港湾棲姫「・・・話は聞かせてもらったわ」



振り向くと要塞型の姫クラスが立っていた・・・コイツが此処の指揮官か・・・



ヲ級改「港湾棲姫様・・・」



港湾棲姫「敵は何時来るかはわかる?艦娘」



あきつ丸「そこまでは・・・これは偽情報でありますし」



港湾棲姫「そう・・・あんたのとこの提督と話す事はできないの?」



あきつ丸「はぁ?・・・できない事はありませんが」



コイツは一体?提督と話してどうするのだろう・・・話したところで解決するとは思えないし、まず人間である提督が深海棲艦と協力しようとは考えないだろう。



港湾棲姫「指揮官同士で話し合って協力する・・・だからお願い」



あきつ丸「・・・やるだけはやってみるであります」



艤装の通信機器をこの施設に繋げる。これでこの施設を使って秘匿通信が出来るはず・・・あとは提督が出てくれるのを待つだけだ。














鎮守府 執務室



先程のあきつ丸の報告を聞いてしまった以上このまま作戦を始めるわけには行かない、第1艦隊の皆には作戦の変更を伝えなければ取り返しのつかないことになるだろう。第1艦隊のメンバーには悪いが再度呼び出せてもらった。



提督「・・・」



コンコン・・・ふむ来たか?



提督「誰か」



霧島「霧島です、第1艦隊全員揃いました」



提督「入ってくれ」



霧島「はい」



大井「何ですか?先程は書類がなんたらだけでしたのに」



嫌に高圧的だな・・・もしやタイミングが悪かったか?だが不満ではないにしても大井以外も皆戸惑っている様に見える。それも仕方ないのだが・・・



提督「済まんな・・・あきつ丸から報告があってな」



霧島「ほう・・・なんとなく読めましたよ」



霧島がメガネを中指でクィっと持ち上げる。隣にいる早霜も同様に思っているようで目を閉じ静かに頷いた、



早霜「それでは私達が戦う相手が決まったんですね?」



葛城「戦う相手?・・・なんの話ですか?」



提督「あぁそれだが・・・丁度良くあきつ丸から通信が入っているな、直接報告してもらおうか」



机に取り付けられたスイッチを操作するとモニターに電源が入り画面ニ映像が写り出した・・・だがここで予想外の事が起きたのだ。



港湾棲姫「・・・?これでもう話して良いの?」



あきつ丸「はい、というかもう繋がっているであります」



・・・画面に映りだしたのはあきつ丸ではなく深海棲艦だった。



提督「あきつ丸ぅ!?」



あきつ丸「あ、提督殿お久しぶりです」



あきつ丸は姿勢を正して答えてくれたがどうにも状況が悪い・・・まさかあきつ丸が深海棲艦と行動を共にしているとは。



早霜「・・・なるほど」



霧島「・・・面白い事になりましたね?」



あきつ丸「ん?早霜殿と霧島殿・・・ほうほう第1艦隊の面々ですか」



港湾棲姫「・・・こいつらが私達を苦しめた連中なのね・・・ん?」



このあきつ丸の横にいる深海棲艦・・・なんともいえな雰囲気と言うのだろうか?美しい白い髪に引き込まれそうになる瞳・・・こんな素敵な女性が敵だったとは。



あきつ丸「提督・・・どうされました?」



提督「・・・美しい」



大井「なぁ!?」



葛城「えぇ!?」



霧島「・・・ふむ、提督の好みはああいう女性ですか」



提督「い,いや!そういうつもりでは!」



港湾棲姫「あはは・・・まぁ私のほうは構いませんよ提督殿」



ふむ、何とも慈愛に満ちた微笑・・・失礼な事を言ってしまったいうのに許していただけるとはなんと懐の深い女性なのだろうか。



あきつ丸「・・・港湾棲姫殿、先程までそんな喋り方じゃ」



港湾棲姫「あきつ丸さん?」



あきつ丸「・・・あー提督殿も提督殿なら港湾棲姫殿も港湾棲姫殿ですね」



提督「ん!ではあきつ丸報告を頼む」



わざとらしいかもしれないが此処で話を変えなければ、作戦に支障をきたしてはならないのだからな。



あきつ丸「はい、つい先程この施設宛にウィルス入りの偽情報が送られてきたであります」



霧島「ウィルス?」



あきつ丸「ええ、こちらに入り込んだ機器の現在位置を送信するウィルスであります」



早霜「つまりそちらの場所が完全にばれてしまったと?」



あきつ丸「はい、おそらくすぐにでも動き出す可能性が・・・」



港湾棲姫「それで・・・お願いがあるんです」



お願い・・・少々きな臭くなったきたか。おそらくは協力して欲しいとでも言うのだろう。



提督「・・・なんでしょう」



港湾棲姫「提督殿に私達と一緒に戦っていただきたくて・・・」



提督「大本営と?私達が?」



港湾棲姫「はい・・・あきつ丸さんからの報告によると大本営は新兵器を用いて深海棲艦と共に艦娘をも殲滅しようとしているんです」



霧島「・・・予想通りですね」



早霜「新兵器・・・となると刀剣男士達とも協力出来そうですね」



審神者「・・・まさかそこまで知っているなんてね、正体バレバレじゃないの」



また一人深海棲艦が現れたか?港湾棲姫と少し似ているか・・・ふむ,しかし何と言うか他人の様な気がしないな。



審神者「どうも・・・私が刀剣男士を率いている審神者よ?よろしく」



提督「私は艦娘達を率いる提督だ、よろしく頼むよ」



港湾棲姫「・・・私も紹介しますね、当海域の深海棲艦を指揮する港湾棲姫です」




深海棲艦 拠点 



港湾棲姫と提督・・・此処にこの大戦において最も貢献した二人が揃ったわけだが・・・やはりおかしい、これでは私が知っている歴史どおりに動いている。普通ならこんなの異常事態だ。本来のこの時間軸上に存在しない筈の私達がここまで干渉したというのにそれでも意に関せず歴史どおりに物事が進んでいく。



審神者「・・・」



いや意に関せずと言うより、まさにこれが歴史どおりと言わんばかりだ・・・まさか?



港湾棲姫「?どうされました?」



審神者「・・・あんたまだ猫被ってんの?」



港湾棲姫「あ?」



提督「・・・港湾棲姫殿?」



港湾棲姫「・・・いえいえ、何でもありませんよ?」



提督「はぁ・・・」



こりゃ完全に一目ぼれ、しかも互いになんて・・・もしここで私が港湾棲姫のアピール邪魔し続けたらどうなるのだろうか?歴史が変わってしまうのだろうか?それともそれこそが正しい歴史として進んでいくのだろうか?



審神者「・・・わけわかんない」






大本営 執務室



元帥「・・・そうか、ご苦労」




ウィルスが無事届いたそうだ。これで深海棲艦の拠点の位置が判明したわけだが・・・予想外の出来事もあった.



元帥「ふふ・・・丁度いい、どうせ艦娘も共に戦うつもりだったのだからな」



こちらの追撃部隊は壊滅したがそのおかげ艦娘と深海棲艦が同じに拠点いると言う都合の良い事実が出来た。これにより大本営いや人類が艦娘を攻撃する口実も出来上がった・・・あとはこの事実を知ったであろう艦娘達を沈めれば全てがこちらの想定どおりに進む。



元帥「さて、すぐにでも出撃準備を整えようか・・人類による人類の為の戦いのな」




鎮守府 



提督「それでは、協力の件ですが・・・」



港湾棲姫「はい・・・」



大本営はやはり艦娘を敵視していた。それでも今までは艦娘に頼らやらざるえない状況であったために行動に移すことは無かった・・・それが何かしらの手段によって新兵器を作り出し深海棲艦に対抗する力を得た事でそれも変わる。予想はしていたが動き出すのが速すぎる・・・おそらく新兵器の量産体制も出来上がってるはずだ。その状況では艦娘だけでは数的不利は覆すことはできない。ならば・・・・



提督「・・・いいでしょう」



早霜「それが最善でしょう・・・提督」



霧島「えぇ、遅かれ早かれ大本営とは戦わなければいけない・・・そんな気がしていましたし」



この二人は賛成してくれる・・・・だが後の皆は・・・



初月「・・・敵は大本営か、博打だなこれは」



磯風「私は分の悪い賭けのほうが燃えるんだ・・・むしろ大歓迎さ」



初月「あいにく僕は博打は手堅くいくタイプでね・・・」



磯風「ほう?では大本営の味方でもするのか?」



初月「言ったろ?博打は手堅く・・・提督に着かせてもらうよ」



磯風「・・・ふふっ」



初月「提督なら勝つよ・・・なぜなら」



磯風「私たちがいるんだからな」



初月と磯風は一緒に戦ってくれるようだ・・・あとは葛城と大井だな.



葛城「国のため、家族のためと思って特殊戦闘艦になったのになぁ・・・」



大井「だったら艦娘やめて故郷ににでも帰んなさいよ」



葛城「大井さん・・・」



大井「私には家族なんていないし、お国のためなんて他人様に誇れる動機はないからいいけど・・・」



葛城「・・・」



大井「アンタは違うんでしょ?なら・・・」



葛城「大丈夫ですよ・・・ここで逃げたら、大切な仲間を見捨てなんてしたら家族に顔向けできません。だから・・・」



大井「葛城・・・あんた」



葛城「皆さん、いや仲間とともに戦いますよ、それが大本営だって人類だって・・・何が来たって戦って見せます」



大井「ふ、ふん・・・あっそ」



葛城「大井さん心配・・・してくれたんですよね?」



大井「はぁ?」



葛城「大井さんは本当はいい人だって・・・私わかってますから」



大井「・・・な、なんのことやら」




大井と葛城もともに戦ってくれるようだ・・・これで第1艦隊はそろったか。だが他の艦娘のこともある、皆を食堂に集めこれからの方針を説明しなければいけないな。




港町 某所



????「・・・」



ふと意識がよみがえる。私は遠い昔に愛する人と死に別れ眠りについたはず・・・そっと体を起こし周囲を見渡すと見覚えのある景色があった。



????「ここは・・・たしか」



最後に見た景色と一緒、つまり私はずっとここで眠っていた様だ。



????「もう目を覚ますことは無いと思っておりましたが・・・わからないものですね」



刀剣男士であった私は刀の姿となり眠りについたはず・・・だが今は人の身で目を覚ましている。

それは刀剣男士である私が必要である人類の正しい歴史が危機に陥っているという事実。それを防ぐために私の力が必要なのだろう。



????「・・・ならばこの時代と未来を守るために戦いましょう」








鎮守府 食堂



提督「以上だ・・・質問は?」



普段なら乙女の姦しい声であふれる食堂もさすがにこの状況では重い空気が覆われている。今まで友好的ではないにしても共に戦ってきた大本営に狙われ、敵として戦ってきた深海棲艦と共に戦うと言われれば仕方あるまい。



提督「・・・無理に戦う必要はない、逃げたとしても誰も責めないし大本営についたとしてもだ」



皆静かに話を聞いている。今の大本営に艦娘である彼女らの居場所はなく、逃げるとしても逃げる場所もない。今の状況では戦うしか道はないが・・・



提督「戦いに参加しないという選択肢もあるぞ・・・つまり」



早霜「大丈夫です」



提督「む?」



霧島「皆決意は固いようですよ?」



提督「・・・そうか」



私を見つめる皆の顔は決意に満ちていた。自分の命を守り人類を守るためには今ここで大本営と戦うしかないのだと。



提督「わかった・・・ではすぐにでも鎮守府を出る。総員出撃準備だ!」



一時とはいえこれで艦娘は人類に牙を剥くことになった。だがそれは艦娘と人間との間に確執を生んだあの日とは違い互いの未来を守るためである。互いが手を取りあい助け合える未来を守れるなら今はどのような誹りを受けようとも戦うだけだ。


後書き

人類側

提督: 真面目な性格と確かな艦隊運営の手腕を持つ、ある事件をきっかけに偏見にさらされる事になった艦娘達を一人の人間として扱うことで海軍の中でも変わり者とされている.

早霜: この鎮守府ではもっとも古参であり提督からの信頼も厚い艦娘。錬度では霧島に劣るが戦術、戦略に長ける。またある任務で除隊した刀剣男士の子孫である

霧島: 着任自体は最近であるがその高い戦闘能力と狡猾さで鎮守府1の戦果を挙げる艦娘。決して悪い性格では無いのだが思った事を正直に話しすぎる事と目つきの悪さから怖がられている。霧島がいう専用の艤装はAGPの艤装のことで鋏とはAGP霧島独自のギミックの事

大井: 着任は早霜に次いでの古参。霧島曰く頭は悪いが単純な戦闘能力はかなりの物。頭に血がのぼりやすく、良く霧島の皮肉に反応しては葛城に止められている。提督に対して少なからず好意を持っている。

葛城: 着任は霧島よりは先だが主力艦娘のなかでは最も艦娘暦が短い。性格は真面目で数少ない常識人であり、またサポートを主眼に置いているため戦果自体はあまり上げていない。だが実力はかなりのもので単艦でヲ級改と互角の戦いを演じるほど。

磯風: 武人のような性格で駆逐艦の中では最も多くの敵艦を沈めており高い実力持っている。

初月: 対空戦闘に主眼を置いた艤装を扱う。特に射撃能力に優れ艤装との相性も高い 


深海側

港湾棲姫: 早霜たちが所属する鎮守府に近い拠点の司令官的な立場にある。自分の手と目つきにコンプレックスがあり目つきに関して普段から心がけることでごまかしている。部下の前では冷静だがレ級と絡むと素が出てしまい乱暴な口調になる。人類との戦争には否定的。

レ級: 一体しか確認されていない希少な固体で戦闘力は姫クラスかそれ以上・・・港湾棲姫とは長い間共に戦っており仲が良くその分喧嘩もする。人類に対して否定的な感情はなく仲良くなってみたいとちょっぴり思っている。

ヲ級改: レ級同じく一体しか確認されていない希少な固体、ヲ級と似ているがその戦闘力は比べ物にならないほど。冷静沈着でどちらかと言うと感情的な港湾棲姫とレ級のサポートに回る。過去何度か交戦した事がある葛城をライバルと意識しており機会さえあれば話してみたいと思っている。

刀剣勢

審神者: 白い肌と白く美しい髪を持ちスタイル抜群で戦えばその戦力万人に匹敵し、策を練ればその知謀まさに神の如し、冷静沈着で思慮深くまるで大和撫子の完璧な美人審神者(本人談)実際は激情家で性格も大和撫子と程遠いが腕っ節と見た目に関しては本人の申告どおり。

乱籐四郎: 種別は短刀でボクっ娘かと思いきや男の娘。そのカワイイ見た目のため出会った人物はみな女だと思っている。刀剣男士のなかではトップクラスの実力を誇り経験も豊富。

次郎太刀: 花魁のような格好をした刀剣男士。種別は大太刀。普段は大酒飲みで快楽主義者であるが一度戦いとなると知勇に優れる刀剣男士随一の実力を披露する。

にっかり青江: 種別は脇差。やや間延びする口調だが冷静沈着で高い実力を誇る。どちらかと言うと参謀役を受け持つ事が多い。

小夜左文字: 種別は短刀。戦闘となると冷酷で戦闘狂の一面が出てくるが本来は心優しい性格である。

歌仙兼定: 種別は打刀。実力はあるが一言多く、自分から全力で地雷を踏み込んでいくタイプ。



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SS好きの名無しさんから
2016-01-28 00:29:56

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SS好きの名無しさんから
2016-01-28 00:29:57

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4件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2016-01-28 00:30:41 ID: rZxJQl3n

刀艦対立SS?

2: ふくろう 2016-01-28 00:38:19 ID: iT8wnhqV

1さんコメントありがとうデス


まだ構想中ですけど艦娘と刀剣男士との戦いにはならない予定ですねー

3: SS好きの名無しさん 2016-03-02 21:40:04 ID: I5SRQWAI

このSSがきっかけで刀剣乱舞を知りました!おもしろいです!もしリクエストをうけつけているのであれば、大和守安定?をお願いします!できればです。無理はしないでくださいね...?

4: ふくろう 2016-03-02 23:15:18 ID: TocBZtmE

3さんコメントありがとうです~

なんでしょう・・・やさしさが染みわたりますね~
プラスで何人かチョイ役で出すつもりではいたのでそちらでよろしければ出すかもですね~


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