2017-11-30 16:39:35 更新

概要

新米提督がブラック鎮守府で昇進を目指すお話


前書き

※謝罪※
1ヶ月近く全ての作品が閲覧不可能になっていたことにつきまして、お詫び申し上げます。様々な諸事情がありまして、試験であったり気の迷いであったり、何より20万近くで購入したpcが三ヶ月足らずで壊れ、更に修理不可能だと告げられて無気力状態となったりと、様々な事が重なりましてこのような状態となっておりました。自分語りをすることはあまり好ましいことではないのですが...改めまして、深く謝罪申し上げます。


提督「長かった…提督に着任するまでの道のり…」



提督「前任のお下がり鎮守府か…先輩や同期からは笑われたな」



提督「…ふざけるなよ…絶対見返してやる」



提督「ブラック鎮守府とか言うのが効率的らしいな…それで楽勝だろう」



提督「最後に笑うのはこの俺だ!」



提督「ハッハッハッハッ!!」



ママアノヒトー シッミテハイケマセン!



提督「…とりあえず鎮守府へ向かうか」






~○×鎮守府~




提督「鎮守府に着いたが」



提督「…ここであってるんだよな?」



提督「想像していたのと違うな…規模こそあれど、ボロボロじゃないか」



提督「迎えも居ないし、艦娘らしきものも見かけないぞ…」



提督「まぁ、とりあえず中に入ってみるか」













ー鎮守府内廊下ー



提督「酷いな…所々床が抜け、窓ガラスは割れて、本当に鎮守府として機能してるのか?」



提督「というか、外はともかく中で艦娘を見ないのもおかしいよな…」



提督「執務室まで行こう。もしかしたら初期艦とやらが居るのかもしれない」



提督「まぁ、戦力を幾つか引き継ぐ話だったんだから、それはそれでおかしいんだが…」












ー執務室ー



提督「…誰もいないじゃないか」



提督「家具もないし…なんだこの殺風景な光景は」



提督「本当にここは鎮守府なのか?何かの手違いじゃないのか?」



提督「…工廠に希望を賭けるか」




ー工廠前ー



提督「ここ…だよな?」



提督「とりあえず開けて」ガチャ



提督 ガチャガチャガチャガチャ



提督「…」





提督「まぁ、鍵はあるが」スッ ジャラジャラ





提督「えーっと…これかな?」ジャラグサッ ガチャッ



提督「おっ、開いたな…」ギィーッ





バタン!





提督「臭っ!暗っ……」



提督 (なんだこの臭い…生臭いというか…)



提督「おーい、誰か居ないのか?」スタスタ





??? ヒュッ!





提督「うおっ!」スカッ



提督 (何だいきなり…熱い?)スッ



提督 (…嘘だろ、俺斬られたのか!?)ツー



提督 (なにが起きてるんだ!)





提督「…誰かいるのか?」





???「ハァ…ハァ…」スチャッ





提督 (暗くて見辛いが、不味い構えてるな…鎮圧術を思い出せ…)



提督 (相手が獲物を振りかぶる瞬間を狙って…)





??? フリアゲ




提督 (今だっ!)ガシッ





???「!」





提督 (腕を叩いて武器を落とし、捻って背面へ、そのまま首に手を回してホールド!)スッ グッ



???「うあっ…くそっ…!」ジタバタ



提督 (何て力だ…もしかして艦娘か?)ググ



提督 (何であれ話を聞きたいな…)



提督「俺は提督だ…そっちは何者だ?」



???「!…今更」



提督「?」



???「今更何しに来やがった!」グググッ!



提督「!」



提督 (何て力だ!振りほどかれる!!)



???「!」ガクッ



??? (体が…動いてくれよ…!)



提督「…?」



???「 」



提督「気を失ったのか?」



提督「こいつは…おぶって行くか」オブリ



提督 (軽っ!…こんなものなのか?)





ムニッ





提督「…」



提督「ふぅ…」



提督「さっさと行こ」








提督「これは…倉庫だよな」



提督「中に誰か居ないか?」ゴンゴン



提督「…」






シーン






提督「…他には居ないのか?」



提督 (もし艦娘だとして、こいつだけだと言うのはあり得なくもないが…)



ギィー…ガラガラ






提督 (!…開いたぞ…)







?? ソー



提督 (隙間から何かがこちらを覗いている…)



??「…天龍さん?」



提督 (天龍?…背負ってる奴の事か?)



提督「いや、俺は提督だ」



??「!て、天龍さんは!?」



提督「悪いが、今は(俺の背中で)眠って貰ってる」



?? (そんな…!天龍さんが…殺されて…)



提督「大人しくしてくれれば、危害を加えるつもりは





?? スチャ





提督「ん?」



??「か、帰ってください…」



提督 (こ…これは携帯式の艦砲…艦娘か!)



提督 (こんなもので撃たれたら肉片どころじゃないぞ…)





提督「…」





提督 (って、なんで俺がこんな目に遭わなきゃならんのだ!)



提督 (だんだん腹が立ってきたぞ…提督たるもの、艦砲ごときに恐れをなしているようでは未熟、いや半熟!!)



提督「撃てばいい。だが、そんなもので俺を殺せると思うな…」ジロ




※120%死にます




??「ヒッ…」アトズサリ



提督「今そっちに向かう…」



?? (そんな…弾なんてないのに…)



?? (天龍さんを倒す相手なんて…)



?? (皆…ごめんなさい…!)





ギィー





提督「…なんだこれは」





ウウ…





イタイ…





アシ…ワタシノ…






提督 (死体…いや、生きているのか…?)



提督 (…どうすればいいんだ?)



?? ビクビク



提督「…おい」




?? ビクッ




提督「こいつを頼む」スッ



??「…?」



??(天龍さん!…死んで…いや、気を失ってる…?)



提督 タッタッタッ








提督 (艦娘の自然治癒能力は殆ど無い)



提督 (治癒は入渠に頼りきりだが、一旦入渠すれば瀕死の状態であっても回復する)



提督 (…だが逆を取れば、入渠しなければ回復することが無いと言うことだ)



提督 (入渠ドックの場所は…)



提督 (ここか!?)






ガチャ






提督「…」






ジャラジャラ グサッ ガチャ













提督「…やっていられん」



提督「はぁ…水が出ないし、そもそも資材も無いとは…」



提督「何なんだここの鎮守府は…ん?」チラッ



空のバケツ



提督「…」ジッー



提督「高速修復材だ!それさえあれば…」






ーバケツ保管屋ー



提督「くそっ、どれもこれも使用済みじゃないか…」ドンガラガッシャン



提督「…おっ、これ底に少し残ってる」



提督「…って、残飯を漁るホームレスじゃないんだぞ!!」フリカブリ




提督 ピタッ




提督「いや…使えるかもしれない…」



提督「他にはないのか?底に少しでも残っているものは…」ガサゴソ






















提督「高速修復材は奇妙な事に、時の経過による一切の劣化が存在しない…」



提督「バケツの半分の半分もないか…だが、無いよりは幾分マシ…」



提督「ここであいつらを失えば、提督としての活躍は不可能だ…」



提督「なんとかしなければ!」タッタッタッ














?? (天龍さん…目を覚まさない…)



提督 (今さら死なないでくれよ…)タッタッタッ



?? (!…あの人、また来た…)



提督「よし、まだ生きてるか…」



提督「おい、そこのお前」




?? ビクッ




??「は…はい…」



提督「これでそいつの傷口を撫でてやってくれ…」スッ



??「へっ?」



?? (布…?柔らかくて湿ってるけど…)



?? (こんなので…)ナデナデ



?? (…!傷が治って…!?)








提督 (高速修復材を染み込ませた布…応急処置くらいにはなるだろう)



提督「まずは…」



提督 (…足が一本無い、こいつからだ)



提督「包帯で縛ってはあるが…」ホウタイホドキ



提督「傷口は腐ってはないが、やっぱり塞がってないな…」ナデナデ



提督「…おっ、塞がった」



提督 (本格的な入渠はやっぱり必要か…)



提督 (欠損した足も治癒できるのか?)



提督 (…っと、次だ次)














提督「…一通り終わったな」



提督 (心なしか表情は安らかになった気はするが…)



?? (…この人、提督って言ってたけど…)



提督 (こんな不衛生な場所で寝かしておくわけにはいかない…)






提督「おい、こいつらを外に出せるか?」





?? ビクッ





提督 (…挙動の一つ一つに驚いて…なんだこいつは)



??「ぅあ…その…」



??「外には…怖い人が一杯いるから…」



提督 (怖い人?)



提督「…そうか、ならここにいてくれ。俺はちょっと行ってくるから」タッタッタッ



??「えっ…ぁっ…」



?? (行っちゃった…何、あの人…)











ー車内ー




提督 (色々謎はあるが…)



提督 (深く考えてる余裕もなさそうだし、今はできることをしておこう)






ブーン








ー鎮守府ー




?? (傷は治ったけど、皆目を覚まさない…)



提督「おい」



?? ビクッ



提督「こいつらを運びたいんだが」



??「え…?」



提督「ここは少し不衛生だからな…」



提督 (よくみると血がいっぱいでこわいぞ)



?? (運ぶ…?)



??「…どこにですか?」



提督「執務室に」



??「?」








ー執務室ー




提督「よしっ…全員運び終えたな」



提督 (しまった、こいつらちょっと汚いぞ。新品の布団が…)



??「これ…どこにあったんですか?」



提督「いや…この有り様だからな。買ってきた」



提督 (自腹でな)



??「…」






提督「お前も休んだらどうだ?」



?? ビクッ



??「…いえ、私は」



提督「顔に生気を感じないぞ。こいつらは俺が見ておくから」



??「で、でも…」



提督「心配はいらない。俺もお前らを失うと今までの事がパーだからな」



??「…」



?? (この人も、私達を道具として…)



?? (…でも、その方が寧ろ、今は安心できるかな)



??「では…申し訳ありません」



提督「いや、気にしなくていい」



??「…柔らかい」ポフッ



?? (…暖かい)



?? スースー



提督「…」















提督「こいつら起きないな」



提督「今何時だ…うわっ、フタフタマルマルじゃないか!」



提督「飯作らなきゃ…」ガサゴソ



提督「水も電気も通ってないって、おかしいだろ…っと、カセットコンロにやかんにカップラーメン…」



提督「ん?こいつらどうやって生活してきたんだ…?」チラッ



提督「大体、何で隠れてたんだ?」カチャッ ボッ



提督「分からないことだらけだ」



提督「…なんにせよ先ずは水と電気だな」



提督「あぁ蝋燭の火が!…」



提督「…提督って、辛いな」










次の日







提督「あー寝れるわけない。寒い」ガタガタ



提督「こいつら起きないな…」



提督 (…寝顔可愛いな)



提督「…」



提督「いやこんなことしてる場合じゃない水道ガス電気の件を問い合わせよう」



提督「電話があるな」



提督「…電気がないな」



提督「公衆電話まで歩くか…」スクッ



提督「痛っ…うわ、なんだこの腕の傷…」



提督「あっ、斬られたのか…包帯巻いとけば治るだろうか」



提督「まぁ、いいや。さっさと行くか…」










ー再び執務室ー



提督「と、割りと簡単に済んだな…」



??「…ん」スクッ



提督 (おっ、別の奴が起きた)



??「!」



提督 (ウサギの髪飾り(?)可愛いなー…)



??「…だ、誰、ですか?」



提督「あぁ、後任の提督だ。以後、よろしく頼む」



??「こ、後任…?」



?? (私達…捨てられてないの…)



??「あ、あれ?傷が…」



提督「修復材が僅かに残っててな…」



??「…私の足」



提督「それは修復出来なかったみたいだ…すまないな」



??「…」



??「…か、解体ですか?」



提督「えっ?」



??「お、囮になれない駆逐艦は、解体だって…」



提督「はぁ?」



?? ビクッ



提督 (いやいやいや…おかしいだろそれは常識的に考えて)



提督「いや、そんなことはしないぞ」



??「…そ、そうなんですか…」



提督 (囮…駆逐艦が囮…うーん?そんな戦法は教わらなかったが…)



??「あ、あの…」



提督「ん?」



??「…な、直していただいてありがとうございます」



提督「いや、そこまで畏まらなくても…」



提督 (凄い怯えられてる様に感じるんだが…俺そんなに酷い顔だっけ…)



??「!ご、ごめんなさい!!」



提督「え、えっ?」



??「ごめんなさい!不機嫌にさせたのなら謝ります!!」



提督「いやそんな



??「ごめんなさい!ごめんなさい!!」



提督「いや、だから



??「ごめんなさい!ごめんなさい!!」



提督「お、落ち着いてくれ!」ガシッ



??「ひあっ!」



提督「何もしない!」



??「あ…」



??「…」



提督「…落ち着いたか?」



??「うぅ…」ポロポロ



提督 (謝ったり、突然泣き始めたり…情緒不安定だな)



提督 (どうすればいいんだ…こんなの想定してないぞ…)



提督 (とりあえず撫でてみるか…)



提督「…」ナデナデ



??「ひっ!…」ビクッ



提督「…」ナデナデ



??「…?」フルフル



提督「…」ナデナデ



??「…」フルフル



提督 (…これはどうなのだろうか)



??「…」



提督 (あまり触るのもあれだし、止めるか…)スッ



??「あっ…」



提督「?」



?? ビクッ



提督 (却って怯えさせてしまったか?)



提督「…困ったことがあったら、何時でも言ってくれて構わないからな」



?? コクリ



提督 (根本から恐れられている訳ではなさそうだ)



提督 (ぼちぼち皆起きる頃だろうか、飯を作るか…)



提督 (まぁ、インスタントだけどね)



??「…」



?? (頭…)



提督「そう言えば、名前を聞いていいか?」



??「…島風です」



提督「そうか。島風、これからよろしくな」



島風「…はい」



提督「他の奴の名前も聞いていいか?」



島風「…はい」



島風「天龍さん、大井さん、ごーやさん、榛名さん、睦月ちゃん…」



提督「分かった、ありがとな。島風」



島風「はい…」



提督「じゃあ、インスタントがあるんだが…島風はどれがいい?」



島風「?…いんすたんと、ですか?」



提督「あぁ、ラーメンにうどんに焼きそば色々あるぞ」



島風「…?」



提督「?」



島風「す、すいません…分かりません」



提督「あっ、インスタントを知らないのか…ごめんごめん」



島風「らーめんとうどん…やきそばも分かりません…」



提督「えぇ?…食べたことないのか?」



島風「食べる…?」



提督 (嘘だろ。もしかして…)



提督「…なぁ、食べるって知ってるか?」



島風「…?」



提督 (ここの鎮守府は艦娘に食事を…道理でこんなに痩せ細るはずだ…生気がないのも納得だぞ)



提督「島風、すぐ食べるぞ。湯を沸かすから待っていてくれ」



島風「?」









提督「できたぞ。うどんだ」



島風「!」



提督「食べ…られるか?」



島風「分かりません…」



提督 (うーん…多分箸も持てないだろうなぁ…)



提督 (今はとにかく食べさせるか…)



提督「島風、口を開けてくれ…」



島風「へ、変なことしませんか?」



提督「…しないよ」



島風「…」



島風 アーン



提督「いいか…?いくぞ…?」ソー



島風 パクッ



島風「!」



提督「な、なにか不味かったか!?」



島風「ううん…えっと!」



島風「すごく…すごくいいです!」



提督「いい?」



島風「あの…えっと…」



提督「…美味しいか?」



島風「それです!…美味しい…!」



提督「そうか、よかった…まだあるからな。好きなだけ食べるといい」



島風 コクコク



提督「あぁ…流石に飲み物は飲めるよな?」



島風「お、教えてくれれば…」



提督「ここにペットボトルって言う容器に入った水があるから…」








島風「あ、ありがとうございました…」



提督「いやいや…これが普通だ」



島風「ふ、普通…ですか?」



提督「あぁ…前の提督がどんな事をしていたのかは分からないが…」



提督「今後はこの生活が続くことになるから…出撃も当分先だ」



島風「…た」



提督「?」



島風「…た、頼っても、いいんですか?」



提督「あぁ、何でも言ってくれ。俺はお前達の提督だからな」



島風「て、提督…」



提督「ん、何だ?」



島風「提督…」ギュッ



提督「どうした?手を握って…」



島風「提督…助けて…」



提督「?」



島風「皆…助けて…」



提督「…あぁ、そのつもりだ。心配しなくていい」ナデナデ



島風「提督…」ウトウト



提督 (食べたら眠くなるか…回復もしてないしな)



提督「島風、まだ寝ていていいぞ…ゆっくり休め」



島風「て…いと…く…」



島風 スースー



提督「…」ナデナデ



提督「とりあえず一人…あとは5人…」ナデナデ



提督「斬ってきた奴、天龍だったか。そいつが特に…気を付けなければな」






ー次の日ー






提督「なんでこんなことになってるんだ?」



提督「着任手続きを終えて、艦娘が居ると聞かされただけで…」



提督「大本営に連絡をしてみるか…」



??「う、うぅん…」ムクリ



提督「お…起きたか…名前は確か…」



提督「そう…睦月…だったか?」



睦月「…あ」



睦月「は、はい…」



睦月 (あ、あれ?名前伝えてたかな…)



提督「ご飯は食べたことあるか?飲んだことは?」



睦月「え、えっ…?」



睦月「の、飲む…か、海水なら…何回か…」



提督「ご飯食べよう。あと、ここに水があるから…」














睦月「あ…ありがとう…ございました…」



提督「…」



提督(これに本当に有難味を感じてるのなら異常だと思うんだが…)



提督「疲れは取れたか?」



睦月 ビクッ



睦月「は…はい…」



睦月(ま…また…出撃かな…)



提督「そうか…それはよかった…」



睦月「…そ、それだけですか?」



提督「ん?」



睦月「しゅ、出撃とか…遠征とか…」



提督「いや、予定はないな」



睦月「どうしてですか!」



提督「お、おぉ?」



睦月「皆こんな状態で…し、資源が必要で…」



睦月「なのに…」



提督「…そうだな」



睦月「…」



提督「その通りだ。皆を頼むぞ」ポンポン



睦月「ふぇっ?」



提督「…」ガサゴソ



睦月「あ、あの…?」



提督「ん?」



睦月「ど、どこへ行くんですか?」



提督「資源をもらいに」



睦月「どこへ?」



提督「いや、鎮守府は何もここ一つって訳じゃないからな」



提督「まぁ、貰えたらいいな程度だが…」



睦月「だ、だから私が出撃して…」



提督「…弾も燃料もないってさっきから言っているだろ?」



睦月「弾がなくても、燃料がなくても、渡航して資源の回収くらいは…」



提督「資源の有無は確実じゃないしなぁ」



睦月「貰いに行くのも確実じゃないです!」



提督(な、なんだか急に饒舌になったな)



提督「リスクは貰いに行く方が低いから…」



睦月「艦娘なんて道具です…前の提督はリスクなんて…」



提督「…」



提督「と、とにかく出撃も遠征もダメだ。しばらく予定はない」



提督「資源貰えるように頑張るから、皆を見ておいてくれ…分かったか?」



睦月「…はい」



提督「よし…頼んだ」










提督(鎮守府の周辺の鍵は…閉めておくか。怖い人達ってのがよく分からなかったからな)



提督「はぁ…気まずかったな。話が重いよ…」ジャラジャラ



提督「でもまぁ、ここがどんな鎮守府だったか大体分かったな…」ガチャ



提督「やっていけるのか…辞表もなぁ…」





島風『提督…助けて…』





提督「…まぁ、頑張るしかないなぁ」












睦月(夜になったけど、帰ってこない…)



睦月(…そうだよ。どうにもならないから…)



島風「う、うぅん…」



睦月「あっ、島風ちゃん!よかった…目が覚めたんだね」



島風 キョロキョロ



島風「あ…れ…?」



睦月「島風ちゃん?」



島風「…提督は?」



睦月「提督は…私達を置いて出ていって」



島風「違うの!…頼っていい提督の方…」



睦月「頼っていい…?」



睦月(あの提督のことかな…)



睦月「…その提督も、私達を…」



ガチャ



提督「いや、すまない。遅れた」



睦月「!」



島風「提督!」ダッ



提督「おぉう、島風…おそよう?」ギュ



島風「提督…置いてかないで…」ジワッ ギュゥゥ



提督「あぁ…ごめんごめん…」ナデナデ



提督(結構打ち解けてくれたな…よかった)



睦月「か、帰ってきたんですか…?」



提督「あぁ、そうだ。資源も手にいれたぞ」



提督「入ってくれ」



駆逐艦×4「…」



睦月「し…資源?」



睦月(艦娘は…資源…)



睦月(…解体して、資源にしちゃうのかな)



睦月「…」



島風「あっ…」ヨロッ



提督「おっと…」ガシッ



提督「島風、足が方っぽ無いんだから気を付けてな」



島風「うん…」ギュウ



提督「えーと…じゃあ、紹介から?」



睦月「…紹介?」



提督「あぁ、この子達のな…」



提督「島風、寝かすぞー…」スッ



島風「うん…」ゴロン



提督「よし…あー…おいで」



駆逐艦×4 テクテク



提督「電、雷、響、暁…以上4名が新しく着任するから…以後よろしく」



睦月(あ、あれ?…解体…)



電「電です。よろしくなのです…」



雷「雷よ!いつでも頼っていいのよ!!」



響「響だよ」



暁「暁よ!三人のお姉さんだから…ご迷惑お掛けするわ!」



提督「じゃあ、資源をドッグへ運んでくるから、仲良くやっておいてくれ」



睦月(資源は別にあったんだ…よかった…)



雷「司令官!私も手伝うわ!!」



提督「えっ…いや、でもなぁ…色々疲れてるだろ?」



提督「それに、そんなに量はないしな」



雷「だーめーなーの!私も手伝うわ!!」プンプン



電「あ…あの…私も…」



暁「二人が行くなら私も行くわ!だってお姉さんだもの!!」



響「…」



提督「お、おぉ…そ、それなら手伝ってもらうか…」








ードックー



提督「ふー、直ぐ終わったな…ありがとうな。皆」ナデナデ



雷「!」



暁「一人前のお姉さんだから当然よ!れでぃね!!」



電「むしろ、こういった雑用は私達がやるべきだと思うのです…」



響「…」



雷「司令官!雷は便利でしょ!!」



雷「ねぇ!もっと他にやることはないの!?」ピョンピョン



提督「んー…もうないな。休んでくれてていいぞ…」



提督(鎮守府の修復とか言うのは無茶だよな)



雷「あるはずよ!考えて!!」ピョンピョン



提督「そ、そうは言ってもなぁ…」



提督「…あぁ、そうだ。ご飯を食べよう」



雷「司令官のご飯ね!手伝うわ!!」



提督「いや、インスタントおんりーだから特には…」



雷「いんすたんと?」



提督「お湯があればすぐ作れる、便利な食べ物だ」



雷「お湯を沸かせばいいのね!司令官はそんなことしなくていいのよ!雷を使って!!」



暁「妹に任せっきりはよくないわ。お姉さんでれでぃの私がやるわ!」



電「わ、私も…」



響「…」



提督「い、いや…大丈夫だから」








ー執務室ー



ガチャ



提督「資源運び終わったぞー…」




榛名



伊58



大井



天龍




提督「…ど、どうも」



提督 (ついに目が覚めたか…)



雷「司令官!ここで止まってたらお部屋に入れないわ!」



提督「あ、あぁ。ごめん、雷」スッ



睦月「え、えぇと…」



島風 スースー



天龍「…」



提督「…今回新しく着任した提督だ…以後よろしく」



榛名「…窮地に陥っていた所、救っていただきありがとうございます」



榛名「…戦艦、榛名です。よろしくお願いします」



提督 (気不味すぎる)



伊58「…潜水艦、ゴーヤでち」



大井「軽巡洋艦、大井です」



天龍「…軽巡洋艦、天龍」



提督「…」



提督 (何を言えばいいんだ)



雷「司令官!いんすたんとってこれ?」ガサゴソ



提督「あ…うん。それだよ、雷…」



電「はわわ…勝手に触らない方が…」ゴニョゴニョ



暁「司令官!雷に悪気はないのよ!!」



響「…!」アタフタ



提督「いや、構わないよ…」



提督(ナイスだぞ君達)



提督「えーと…とりあえず食べよう!」











提督「ほい。あーん」



島風 ズズー



提督「旨いか?」



島風「うん!」モグモグ



雷「しれーかん…食べなくていいの…?」



提督「あぁ、腹も減ってないしな」



島風 ズズー



提督「気にしないで食べてくれ」



電(久々のお食事なのです。美味しいのです)モグモグ



暁「とっても美味しいわ!ありがとうございます、司令官!」モグモグ



提督「お、おう…」



榛名「あの、本当に…いいのでしょうか…」



天龍 ジー



提督「いいも何も…」



響「…おいしい」ボソッ



大井「…少なくとも異物はないですね」



提督(ちょっと酷すぎない?)



提督「あ、あぁ…とにかく、無理にとは言わないから食べて欲しい」



榛名「それでは…頂きます…」













提督「えーと…」



艦娘s「…」



提督「俺は他の鎮守府へ用があるから…」



提督「自由にしてくれて構わない…脱走とかは止めて欲しいが…」



雷「しれーかん!雷も行くわ!きっと何か役に立てる筈よ!!」ピョンピョン



提督「いや…もう夜遅いしな…長旅で疲れてもいるだろう」



雷「なら、しれーかんも休んで…」



提督「もう少しで必要な量の資源が集まるから…ありがとう、雷」ナデナデ



雷「…わかったわ」シュン



島風「提督…帰ってきてね?」



提督「あぁ…勿論だ…」



提督「じゃあ…えーと…行ってくる」



睦月(…あれ?あの人…休んでない?)













ーnext dayー



島風「…」ソワソワ



雷「…」ジッー



電(…あの二人、ずっと窓から外を見てるのです)



睦月(島風ちゃん、片足なのに…辛くないのかな…)



天龍「…島風、足に負担が掛かるぞ…寝てろ…」



島風「…提督が来ないもん… 」



天龍「帰ってくるとは限らねぇぞ…」



島風「嫌…帰ってくるもん…」



天龍「島風、余計な希望を持つな」



島風「…なんで…どうしてそんなこと言うの…」ジワッ



睦月「て、天龍さん…」



天龍「…前の野郎も最初はああだった」



天龍「俺はあいつを信用できない…するつもりもない…」



天龍「希望を持てば、裏切られた時のショックがでかくなるだけだぞ…だから…」



ガチャ



提督「いやーすまない…」



天龍「!」



睦月「!」



雷「しれーかん!」ダッ



島風「提督!」



提督「悪いな…とっくに着いてたんだが、車の中で寝てた…」



雷「しれーかん!」ダキッ



提督「おう雷…おはよう…」



雷「遅いわよ…しれーかん…心配で…」グスッ



提督「あぁ、ごめんごめん…」ナデナデ



天龍「…」



島風「提督…島風も…」ムスッ



提督「あぁ、悪かった。そっちに行くよ」



島風「…提督…おかえりなさい…」ギュ



提督「ただいま。島風」ナデナデ



睦月「…島風ちゃんと雷…ちゃんは、ずっと提督を待っていたのですよ」



提督「おぉ…そうだったのか…ごめんな、二人共」



雷「しれーかんがいればそれでいいの…」ギュー



島風「…ん」ギュー



提督(…他の艦娘からはあまり歓迎されてないのか)



提督(いや、よく考えれば日も浅いし当然だな)



提督「…よし、ご飯食べる前に入渠するか」



島風「にゅうきょ…?」



睦月「えっ…で、でも資源が…」



提督「あぁ、ある。そのために走り回ったんだからな」



睦月「ど、どうやって…?」



提督「そんなことは気にしなくていい。入渠のついでにお風呂な。着替えも買ってきたから」



提督「ほら全員行ってくれ…俺は飯作るから…」



提督(聞けば入渠は衣類を脱ぐらしいし…)



提督「あ、脱いだ服は籠があると思うから入れといてくれ」



天龍「…」










ー入渠所ー




電「すごいのです!広いのです!!」



響「…」



暁「は、走ったら駄目よ!」ソワソワ



睦月(誰も走ってないのに…)



島風「私の足、治るの!?」



天龍「あぁ、良かったな。島風」



天龍(…しばらく使ってなかったのに、何でだ?)








ー執務室ー



提督「…」



やかん ポーッ



提督「…Zzz」



ガチャ



島風「てーとくっ!!」ダキツキ



提督「ぐわ」ドンガラゴッシャン



島風「見て見て!島風の足!速いでしょ!!」



提督「う、ぅーん…もう少しマシな起こし方が…」



島風「速い!?」スッポンポン



提督「うわ!島風!服を着てこい!!」



島風「…ねぇ…速かったでしょ…?」



提督「…速かったよ」ナデナデ



島風「!…提督、ありがとう!」ギュ



提督「あぁ、頼むから服を着てくれ」



ガチャ



雷「しれーかん!元気になったわ!!」



電「ありがとうござました、なのです!」



響「すぱ…ありがとうございます」



暁「司令官、ありがとうございます…です」



睦月「し、島風ちゃん…服!」



伊58「入渠完了でち」



榛名「榛名…入渠、終了致しました。ありがとうざいます」



大井「軽巡洋艦、大井。終了致しました」



天龍「…天龍、入渠終了しました…島風、服着せてやるから来い」



島風「はーい」



提督「…長い間入渠をさせられず申し訳なかった」



榛名「そんな…新しく着任したばかりで、資源もなく…こんなに早く入渠させて貰えるなんて…」



雷「そうよ司令官!休んでるのを見たこと無いわ!休んでいいのよ!!」



睦月「…確かに、休んでるのは見てないです」



電(最初に会ったときより、窶れている様に見えるのです)



提督「いや、十分寝たから…それよりご飯だ」



提督(そろそろインスタントが無くなるな。厨房が使えるなら出来るだけ自炊しなければ)



提督(金は幾らでも…と言う程でもないが。問題は資源だな)









提督「はい、あーん」



島風「あーん」



提督「…自分でできないか?」



島風「提督が速いの」モグモグ



提督「?…そ、そうか」



雷「しれいかん!食べてないわ!」



提督「あ、あぁ。大丈夫だから」



雷「絶対駄目よ!あーん!!」スッ



提督「えぇ…」



雷「…しれいかん?」ウル



提督 パク



提督(…こんな小さな子に…虚しくなるな)モグモグ



睦月(…でも、確かにあの人、あまり食べてない)



睦月「…わ、私のもよかったら」スッ



提督「いや、本当に大丈夫だ」



睦月「…」ウル



提督 パク



提督「美味い。ありがとう睦月」モグモグ



睦月(…この人、あまり悪い人じゃないのかも)



提督「…じゃあ、俺はまた出掛けてくるから」



島風「えぇー…提督…休もうよ」



雷「そうよしれいかん!」



提督「いや、食料の備蓄が無くなりかけてる。資源も大方使ってしまったからな」



睦月「…でも、着任してから録に休んでないですよね」



提督「まぁ、そのうち休むさ」



大井「…」



天龍「…」



島風「提督…」ギュ



雷「しれーかん…」ギュ



提督「いや、こればかりは譲れない。悪いな二人とも」パッ



提督「じゃあ…榛名、皆を頼む」



榛名「は、榛名が…榛名なんかでいいのしょうか…」



提督「信用してる。頼んだ」



榛名「…はい」









島風「私の脚…えへへ…」スリスリ



暁「長くて綺麗な脚ね!レディだわ!!」



島風「そうでしょ!」



天龍「…」



大井「ねぇ」



睦月「へ?…はい」



大井「あの提督は、何日前に着任したの?」



睦月「えぇと…4日くらい…前だった気がします…」



大井「休んでる所、見てないっていってたわよね?」



睦月「は、はい」



大井「そう…ありがとう」



睦月「?」








大井「島風」



島風「?…何ですか」



大井「提督はここままだと、死んでしまうかもしれないわ」



島風「え、ええっ!」



大井「でも大丈夫、ゴニョゴニョ…」



島風「!…提督の為ならやります!!」



大井「良い子ね…」ナデナデ








ー次の日ー



ガチャ



提督「ただいま」ニモツドッサリ



榛名「!…お疲れ様です。提督」



島風「!…お帰りなさい!!」ギュ



雷「しれーかん!今度こそ休んで!!」グイグイ



大井「…」



提督(皆居るな…よし)ニモツオキ



提督「…そうだな。じゃあ、すまないが休ませてもらうよ」ナデナデ



提督「…別の部屋で寝るから、島風、雷、手を離してくれ」



島風「提督…一緒に寝ようよ…」



雷「い、雷は司令官の言うことに従うわ!」パッ



提督「あぁ…えーと、すまない。それは無理だよ島風…」



島風「なんで…島風のことが嫌いなの?…あっ…ご、ごめんなさい…」パッ



提督「いや!違うから、島風!」



島風「ごめんなさい…提督…嫌いにならないで…」ウルッ



睦月「提督…島風ちゃんを泣かした…」



提督(ヘルプヘルプ!!!)チラッチラッ



榛名 ニコッ



天龍 ムスッ



伊58 ジトー



雷 ショボン



電 ハワワ



大井 ジーッ



暁 Zzz






提督「あ、あぁ!よく考えたら他の部屋には布団がないからな!すまない島風!布団を使わせてくれ!!」



島風「うん!」



提督「じゃあ、ちょっと俺もにゅうきょ(風呂)してくるから」



島風「それなら島風も一緒に入る!」



提督「いや、それは不味いから…」



島風「…」ウルッ



提督「み、皆がいいって言うのなら」



睦月「島風ちゃんは誰にも止められないです…」



雷「司令官にもにゅうきょは必要ね!」



電「そ、そうなのです」



榛名「榛名は…提督を信じてますから…」



天龍「…島風が言ってるんだ…俺はどうにもできん」



伊58「…」



響「はらしょー」



暁 Zzz



大井 クスッ



島風「…提督?」



提督「そうだないっしょにはいるかおいでしまかぜ」



島風「うん!」








ー只の風呂場ー



提督(はぁ…)



島風「♪~♪♪」チャポチャポ



提督(なんだろうな…遊ばれてる?)



提督(本当は朝飯の準備や、資源の整理に服の洗濯をしたかったんだが)



提督(休むと疲労が一気に来るな…早くしないと…)



島風「…提督」スス



提督「!…お、おう」



島風「無理しないで…死なないでね…」



提督「死ぬ?」



島風「提督が居ないと…島風…」



提督「…大丈夫だ。約束しただろう?」ナデナデ



島風「…うん」



提督(…今日は休むか)









ー執務室ー



ガチャ



提督「すまない…飯にするか…」



島風「提督ー…寝ようよ…」



提督「いや、そうは言っても飯はな…」



大井「それなら、私達の方で用意できますので提督は休んでいてください」



提督「うーん…インスタントだから比較的簡単だが、できるのか?」



大井「手順は把握させて頂きました。任せてください」



大井「水を沸かして、具をいれて、容器に注ぎ、待つだけ…ですよね?」



提督「そうだな。すまない、じゃあ任せた」



提督「俺は少し寝させてもらうよ…」ヨコタワリ



大井「はい…しっかり休んでくださいね」










ー執務室・別室ー



提督「で…本当に一緒に寝るのか?」



島風「うん!」



提督「う、ううむ…」



雷「しれいかん!枕がないでしょ?雷の膝を使って!」ヒョコ



提督「うおっ、雷まで…」



提督(俺が疚しいことを考えすぎてるだけなのだろうか…)



提督(いかん…少し横になっただけで疲れが…)



提督「…」ガクッ



雷「しれいかん!?」



島風「提督!?」



提督「…Zzz」



雷「…おやすみなさい」ホッ



島風「提督…」



大井「できましたよ…って、もう寝てしまいましたか…」



大井「島風、雷、ご飯よ」



雷「しれいかんは?」



大井「そっとしておいてあげましょう。相当疲れている筈だから」









大井「上手くつくれたかしら…」



暁「美味しいわ!上手ですね!!」パクパク



榛名「凄いです…榛名にはとても…」パクパク



伊58「あの提督が作ったのと同じ味でち」パクパク



大井「上手くいった様なら良かったわ…」









睦月「そういえば、電ちゃん達はどうしてここに来たの?」パクパク



電「…そ、その」



睦月「!…あ、えっと無理に話さなくても…ごめんね!!」



電「…電達は、前の司令官に棄てられたのです」



睦月「…ごめんね」



電「いえ…でも、ここの鎮守府にこれてよかったのです」



電「ここの司令官さんは、とっても優しくて…」



電「でも、少し怖いのです…優しすぎて、怖いのです…」






















雷「…?」



雷「…ここ…どこ…?」



提督「…」



雷「あっ、しれーかん!」タタタ



提督「来るなよ、鬱陶しい…」



雷「へ?」



提督「しつこいんだよ…お前は…」



提督「何でもかんでも司令官、司令官…ベタベタとくっつき…」



雷「えっと…ど、どうしてそんなこと言うの…?」



雷「い、雷は、司令官、のために…頑張って…」



提督「空回りし過ぎなんだよ。駆逐艦だろお前は」



提督「便りになるわけでもなし、そのくせ自己主張は激しい」



提督「いいか、誰もお前をな、必要としていないんだよ」



提督「はっきりいって邪魔」




雷「邪魔…雷は…必要…ない…の…?」




提督「あぁ、そうだな。今週にでも解体するか」



雷「雷は…いらないの…?」



提督「準備しとくから、そのつもりで頼むな。維持費もバカにならんし、遠征なら睦月型があるから」



雷「いらない…雷は…いらない…」



提督「じゃあな」














提督「おい」








提督「大丈夫?」











ー深夜ー



提督「大丈夫?」



雷「!」



提督「…魘されてたけど…どこか痛いとか?」



雷「…司令官」



提督「静かにな…皆寝てるから…」



雷「…司令官は…雷は邪魔?」



提督「そんな訳無いだろう。色々助かってるよ」



雷「…例えば?」



提督「えぇと…が、頑張ってるのは分かるさ」



雷「雷は、いらない?」



提督「…」



雷「司令官…答えてよ…」ウルッ



提督「…」ナデナデ



雷「…ねぇ」ポロッ



提督「答えてどうするんだ?」ナデナデ



雷「…」ポロポロ



提督「じゃあ」ピタッ



提督「正直に言おう」



雷「!」ビクッ



提督「すごく助かってる。いつも気遣ってくれてありがとう。雷」ナデナデ



雷「…」



雷「…うぅ」ポロポロ



提督「あぁ、涙で顔がグチャグチャじゃないか…」フキフキ



雷「ぐすっ…ひぐっ…」ポロポロ



提督「…」ナデナデ



雷「ほ、ほんどは…わがってるの…」ポロポロ



雷「い、雷は…なんにもでぎないの…」ポロポロ



雷「だよっでるのは…いかづぢのほうで…」ポロポロ



雷「じれいがんに…めいわぐばっかりがけて…」ポロポロ



雷「いづもいつも…じれいがんで…」ポロポロ



提督「雷、別に俺を頼ってくれても構わないんだぞ?」



雷「で、でも…いがづぢはなにも…がえせないがらぁ…」ポロポロ



提督「いや、もう十分返して貰ってるよ」



提督「雷が傍に居るだけで、どれだけ助かることか」ギュ



雷「うぅ…じ、じれいがんは…やさしずぎるのよ…」ポロポロ ギュー



雷「…ありがとう…じれいかん…」



提督「此方こそ、ありがとう。雷」ナデナデ



雷 ギュゥゥゥ ボロボロ



提督「…」ナデナデ



電(…目が覚めちゃったのです)



電(…)














ー早朝ー



提督「あー寝るとだめだな…よっこらしょ…」



雷 スースー



島風 スピー



提督「…」ソソソ



ガチャ



電「…」











ー調理室ー



提督「使ってないとか言ってた割には道具は揃ってるな…」ガサゴソ



提督「さて…カレーでいいか…困ったらカレーだよな…」



提督「でかい鍋だな…よっこら…」



電「お手伝いするのです」



提督「おお、ありがとう…よっこらしょ」



提督「…って、うお!」



電「おはようございます、なのです」



提督「…何か用か?」



電「え、えっと…お手伝いをしようと…」



提督「あぁ、すまない。俺一人で十分だよ、ありがとう」



電「な、なら!昨日のお姉ちゃんのことで…」



提督「昨日の…?あぁ、雷のことか…」



提督「…まぁ、誰だって不安になる時があるんだろう」



電「し、司令官さんは…」



提督「ん?」



電「どうして優しくしてくれるのですか…?」



提督「優しい…?」



電「…前の司令官さんは、私達はもう役に立たないって、言って…」



電「で、でも司令官さんは十分助かってるって…」



提督「…」



電「…分からないのです…電達は…居る意味が…」



電「司令官さんは、今はこれだけしか居ないから、優しくしてくれてるだけなのですか?」



電「ここの鎮守府は大きいのです。司令官さんが偉くなって、いっぱい艦が増えたら、また捨てられるのですか?」



電「だとしたら…電達の…存在する意味は…」



提督「…そうだな」



電「…」



提督「やっぱり、野菜の皮剥くの手伝ってくれないかな?」



電「へ?」



提督「量が多くて…すまない」



電「いや…その…あの…」



提督「意味はあるから」



電「!」



提督「意味が無いのに存在するものは無い」



提督「難しいけどな。これ以上いってもややこしくなるだけだし…」



電「…」



提督「俺には電が必要だから、じゃあだめかな」



電「…今だけ、なのです?」



提督「違う。これからずっと」



電「…」///



提督「…言い方があれだな。すまない」



電「も、もういいのです…司令官さん」



電「その答えが聞けてすっごく嬉しいのです!」



提督「ごめんな…口だけ達者で…」



電「口だけじゃないのです。電は見てたのです」



電「…司令官さん、これからもよろしくお願いします。なのです」



提督「あぁ、此方こそ」













提督「まさか米を忘れるとは…」



電「でも、かれー?は出来たのです!」



提督「カレーだけ食べてもなぁ…まぁ、しょうがないか」



電「お疲れ様、なのです」



提督「電もありがとう。助かったよ」



電「…そ、そのお願いがあるのです」



提督「ん?何だ」



電「電にも、雷お姉ちゃんにしていたようにして欲しいのです…」



提督「雷にしていたように…」



提督「これでいいかな」ナデ



電「はわ…」///



電「も、もういいのです!ありがとうございますなのです!!」///



提督「ちょっと触った程度だが…満足してくれたなら良かった」












ー執務室ー



ガチャ



提督「ふー…」



島風「提督!おかえりなさい!!」ダキツキ



雷「な、何も言わないで行っちゃうなんて酷いわ!」グイグイ



提督「お、おう。ごめんな二人とも…」



大井「おはようございます。皆さん起床済みですよ」



提督「そうか。態々ありがとう」



大井「いえ、このくらいしかできませんから」



電「司令官さんは、皆さんのご飯を作ってくれていたのです」ヒョコ



大井「そうだったのですか?申し訳ありません。次からは私に声をかけてくれれば…」



睦月「あ、わ、私も手伝えます!」



提督「あぁ、いや。電が手伝ってくれたおかげで楽だったし、そんな畏まることじゃないから」



提督(結構会話をしてくれるようになったな…一部を除いてだが)



天龍「…」



伊58「…」



提督(過去に提督関連の何かがあったと思われる以上、迂闊に踏み込む訳にはいかない…)



提督(鎮守府の復興自体は進んでいるが…大本営とのコンタクトは今だに取れてない)



提督(鎮守府として機能する日はほど遠いな…)



提督「じゃあ、今日はカレー



伊58「ひっ!」ビクッ



提督「ん?」



伊58「い、嫌でち…カレーは…オリョクル…ハチ…イムヤ…イク…!い、嫌でち!!」ガクブル



天龍「っ!て、てめぇ!!」



島風「!提督!ゴーヤさんをいじめないで!」



榛名「て、提督…少しは信用していたのに…」



睦月「?」



暁「大丈夫よ!私が守るわ!!」



響 オロオロ



提督「お、おい。何がなんだか」



大井「…一先ずここは下がってください。私が説明しましょう」











提督「成る程…カレー洋という海域があったのか…すまないことをしたな…」



大井「故意ではなくてよかったです」



提督「こんな状況で、突然出撃させる訳ないだろ…」



大井「そうですね…伊58には私から説明しておきます」



提督「あぁ、ありがとう」



提督「それでだな…カレーのことなんだが…」



大井「えぇと…海軍カレーという言葉は記憶にはあるんですが…」













ー食堂ー



提督「はい、あーん…」



島風「んっ」パクッ



島風「…んー」モグモグ



提督「あれ…味付け不味かったかな…」



島風「ううん!」



提督「おぉ…じゃあ、何かあるのか?」



島風「えぇとね…」



島風「…分かんない」



提督「?…そうか」



島風「でも、いんすたんとより好き!」



提督「そうか、よかった…」



雷「島風ちゃんだけずるい!私もしれーかんを頼るわ!」



雷「あーん!」



提督(!…頼ってくれるのか)



提督「…ありがとな、雷」ナデナデ



雷「ちょ、ちょっと!なでなでしてなんて言ってないんだから!!」///



暁「し、司令官にあまり迷惑をかけたらだめよ…」



響 コクコク



提督「いや、全然迷惑じゃないから…はい、あーん」



雷「んっ…美味しいわ!」



暁「…」



響 ジー



提督「本当はご飯も食べさせてやりたいんだがな」



睦月「これでもすっごく美味しいです!」



大井「カレーとは…このような物なんですね」



提督「海軍カレーはもっと旨いんだと思うぞ」



榛名「あの…提督…」



提督「ん?」



榛名「も、申し訳ありません…榛名…誤解とはいえ、大変失礼なことを…」



提督「あぁ、全然気にしないでくれ。失礼とまでいかないしな」



榛名「…提督は、お優しいのですね」



提督「いや、そんな…これが普通だと思うんだがな…」



伊58「…えっと、ゴーヤも誤解して申し訳なかったでち」



提督「いや、何も知らずに発言したこちらに非がある…すまなかったな」



天龍「…」



提督(会話をしてないのは…彼女だけだな)



提督(こちらから話すのもいいが、やはり伊58の件もあるし、迂闊に行動するのは…)



島風「提督!あーん!!」スッ



雷「しれーかん!あーん!!」スッ



提督「!…あ、あぁ、ありがとう」












ー夜ー



艦娘s スースー



提督「…皆寝たか」



提督「部屋を移動しよう」








ー別室ー



提督「伊58の件で、俺がこの鎮守府の後任を勤めるには知識不足だということが分かった…」



提督「卒業をしたからといって、満足に出来るという訳じゃないんだな」



提督「はぁ…せめて大本営とコンタクトが取れれば」



提督「書類とかはもう送ったんだが、音沙汰無しだし…」



提督「…疲れたし」



ダダダダダダダ!!



提督 ビクッ



提督「な、なんだ?…何か音が…」



提督「怖…心霊現象かな?」



提督「…じょ、冗談だよな?」



提督「何か怖くなってきた…部屋に戻ろう…」





ー廊下ー



提督「…あれ、こんなに長かったかな」



提督「あっ、逆だ…執務室は反対か…」



ダダダダダダ!!



提督 ビクッ



提督「またか…なんの音だ…」



ダダダダダダダ!!



提督「…なんか段々と近づいてくるような」



ダダダダダダダ!!!



提督「…向こう側からなんか走ってくる」



提督(やべー!動けない!!)



?「!!!!ダキツキ」



提督「うわっ!!!」ビクッ



?「グスッ…エグッ…ふぇぇん…」ポロポロ ギュー



提督「…ん…その声は…」



暁「じれぇがぁん…!!」ボロボロ



提督「あ、暁!?…どうしたんだ…?」







ー別室ー



提督「俺と二人きりで話したくて、後を追ってきたら暗くて広くて迷ったと…」



暁「ぐすっ…」コクコク



提督「言ってくれれば何時でも話は聞いてやるのに…」フキフキ



提督「それにしても、4人の中で割りとしっかりしてた暁もこんな表情するんだな…」



暁「ぐすっ…!」



提督「おっと…ごめんな。意外でさ…話ってなんだ?」



暁「…暁は」



暁「…あ、暁は」



暁「…なんでもないわ。ごめんなさい、司令官」



提督「…ちょっと無理があるな」



暁「…?」



提督「そんな表情で、しかも涙を流しながら言われても説得力はないかな」



暁「涙…?」



暁「…!…あ、あれ…?」ボロボロ



暁「ち…違うの…暁は…レディーだから…泣かないんだから…」ボロボロ



提督「…暁、正直に、言いたいことだけを言ってくれればいいよ」



提督「俺は皆の提督だ。頼ってくれて構わない」



暁「…」ボロボロ



提督「…」



暁「じれぇがぁん!」ダキツキ



提督「おっと…どうした?」ナデナデ



暁「あ、暁は!全然レディーじゃないの!!」ボロボロ



暁「皆のおねぇちゃんだから、頑張らないといけないのに!」ボロボロ



暁「暁、頑張ってしっかりしてたの!でもやっぱり暁には無理なの!」



提督「…!」



暁「暁は頑張れないの!電や雷や響みたいに!」ボロボロ



暁「もう分からないの!暁はどうしたらいいの!!」ボロボロ



提督「…何もしなくていいさ」ギュ



暁「…」ボロボロ



提督「暁は十分頑張ってる。思い返せば、皆を心配してたこともあったな」



提督「雷の時や、伊58の時も庇っていたの覚えてる」



提督「立派なレディーだよ」ナデナデ



暁「…うわあぁぁん!!」ボロボロ



提督「ごめんな…気づいてやれてなくて…」ナデナデ