2016-09-17 21:44:43 更新

概要

・初ss
・キャラ崩壊あり
・夜更新(遅更新)
・新約9巻の再構成
・文章力無し
・いきなりの痛い厨二タイトル
以上がおkな方だけ読んでいただけると幸いです。


chapter1絶望のノウェンベル

――――――黒一色の世界――――――


……………………………………………………………………………………

…………………………

…………………

…………

……



黒一色。まさに少年の目覚めた世界は、そうとしか言い表せなかった。あまりの黒さに平衡感覚まで失いそうになるほどに。


上条「……つ、なんだ……ここ?」


じきに体に感覚が戻ってくると、少年は起き上がる。そこで何があったのかを、徐々に思い出す。


上条(確か、あの時俺と御坂やバードウェイ達で、オティヌスの槍の製造を止める為に、『船の墓場』に向かったはず……)


そこへ、1人の少女が現れる。


オティヌス「ふん、やっと目が覚めたか、人間。」


そこには、既に槍を携え『魔神』となった少女がいた。そして少年は、少女に尋ねる。


上条「っ!?お前、、、!」


オティヌス「神に対してお前とは、随分偉くなったものだな。と言っても貴様には何を言っても、伝わらんか。」


上条「オティヌス!一体何をした!」


不運な事に少年はまだ気づかない。いや、気づけない。この黒一色の世界がもとあった、『自分達のいた世界』だと。


オティヌス「気づかないのか?お前達の世界は1回滅んだんだよ」


あまりの言い草に少年は言葉も出なかった。


上条「……嘘だ、ろ…?」


しかし少年には、少女の言い分を否定するだけの材料がなかった。黒一色の世界には、そう言わせるだけの『絶望』しかなかったのだ。


オティヌス「お前らは、失敗したんだよ。槍の製造を、食い止めると事にな。まぁ、最初から完成していたがな。」


上条「そんな……じゃあ、御坂にレッサー、バードウェイは……」


オティヌス「死んだよ」


上条「他のみんなも……」


オティヌス「言っただろう?世界は滅亡したと。」


あまりの言葉に、少年は漠然とした。

この世界にはもう、少年が守ると誓った人々はいないのだ。それが、今まで人を救う事によって、繋がりを広げてきた少年にとって、何を意味するかは明白だった。


オティヌス「生憎、お前の右手は、この世界の『セーフティ』でな。お前という器に入れておく必要がある。そこでだ、無理に貴様に反発されてはこちらも困るのでな、貴様という器はそのままに、その精神を破壊して、管理しやすいようにしようと思うんだ。」


他人事の様な言い方に少年が呆気にとられていると、少女は、指を鳴らした。


――――――――――――――――――


瞬間、世界が輝きを放ち、少年は意識を失った。


――――――――――――――――――


少年が目覚めたのは、学校の教室だった。時刻を見ると、まだHR前である事に気づいた。


上条(あれ?いつの間にか寝ちゃったのか?)


周りには既に、自分の席を立ちグループを作って、駄弁る生徒達がいた。


上条(土御門がいない……休みか?)


少年の騒がしい隣人こと、土御門元春は席にを居らず、荷物なども無かった事から恐らく、休みだろう。


上条(吹寄は勉強中……青ピはゲームに夢中か……)


大きなおでこと2つの果実が特徴的な吹寄制理は、自身のマジメな性格故か、既に勉学に励んでいた。


対する青い髪にピアス、という一見チャラそうな外見をした少年は、手元の携帯型ゲーム機に夢中であり、今彼に話しかけても恐らく応じないだろう。


上条(暇だな……。ていうか青ピの奴、学級委員のクセにゲームなんかしてていいのか?)


つくづくなぜ学級委員になったのかが、不明な人物である。

そうこう思ってる内に少年は先程の出来事について思い出す。


上条(さっきのアレは夢か?それとも今見てる光景の方が夢なのか?)


夢にしては鮮明すぎるあの光景を、一刻も早く忘れようと、HRの準備をした時――


小萌「はいはーい、HRなのですよー。」


教室の開閉音と古き良きチャイムの音と同時に身長わずか135cmの教師、月詠小萌が現れる。ちなみに彼女の声が聞こえた瞬間、今までゲームに夢中であった青い髪の少年は即座に視線を彼女へ向けた。


小萌「それでは、出席確認を取るのです!Aちゃん!」


A「はい」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


小萌「青髪ちゃん!」


青ピ「ハイ! やっぱ小萌先生のコールは最高やでぇ。」


この時の少年の独り言は全員にスルーされた。そして、いよいよツンツン頭の少年の番になった時、


小萌「これで野郎共は終わりですね、次は子猫ちゃん達なのです!」


明らかな、異変があった。


上条(あれ?先生俺の番忘れてる?)


普段この先生に限ってそんな事はないだろうと思いつつも、少年は声を上げる。


上条「あのー?小萌先生、上条さんがまだ呼ばれてないんですが……」


静寂。そう、誰も少年の言葉には反応しなかった。


上条「ちょっと!先生、まだ俺が―」


小萌「1時間目は古文なのでしっかり準備するのですよー?」


簡単なHRを終えると、教師は教室を去ってしまった。


上条(先生が冷たい……?)


少年は無視された事に焦るが、とりあえず古文の準備をすませる。準備を終えた少年は、青い髪の少年にさっきの事について語りかける。


上条「なあ、青髪。なんで小萌先生はオレの事無視して行ったんだろ?」


しかし青い髪の少年も、反応することは無い。


上条(青髪まで?……待てよ、もしかしてこれはドッキリだ!きっと土御門あたりが、計画してそれを……)


ガラガラガラと、ドアの開く音と共に、アロハシャツを羽織った、金髪を少年が現れた。彼は席に着くと、青い髪の少年と話し始めた。


土御門「おはよう青ピー。」


青ピ「おはようつっちー。」


どうやら皆、この少年の遅刻については突っ込まないようだ。


土御門「相変わらず世界三大テノールもビックリするような声だにゃー。」


青ピ「つっちー。人間には知らなくていいことと知っても後悔することがあるんや」


2人の会話に、少年が割り込む。


上条「そう言えば土御門。お前なんで今日遅れてきたんだ?」


しかし、やはり2人は反応しない。


上条(やっぱり……ドッキリだな。)


少年は立ち上がる。


上条「みなさん!この上条さんを騙したいのはよーく分かった。でも、数々の戦場をくぐり抜けてきたこの上条さんは、そう簡単には騙せませんことよ?」


誰も少年の話を聞いていなかった。というよりもはや見てさえいなかった。


上条「だーかーらっ!もうドッキリは充分なんだっ――」


キーンコーンカーンコーンというチャイム音が鳴り、古文の教師が入ってくる。


教師「はい、じゃー号令ー」


上条(ったく、皆どうしたんだ?いたずらにも程があるぞ……)


結局、その日少年は誰とも話さずに授業を全て終えた。


――――――――放課後―――――――


上条「ったく、今日は皆どうしたんだよ。」


少年が独りでブツブツ呟いていると、


オティヌス「まさかあれを夢で済ませるとはな。相変わらず貴様のお気楽思考には、拍手してしまうほど感心したよ。」


『魔神』の少女は吐き捨てる様に少年に語りかけた。


上条「ッ!!?」


ガタンと、少年は地面に尻餅をつく。


上条「な、なんでお前が……」


オティヌス「ハァ……全く、神に溜息をつかせるとは大したものだな。まだ理解出来ないとは。いいか、ここは『誰も上条当麻を見ない世界』だ。私が貴様の精神を破壊する為に、生み出した位相だよ。」


上条「位相……?」


オティヌス「流石にいきなり、『位相』なんて言葉を理解してもらおうなんて、思っちゃいない。説明してやろう。いいか、世界とはそもそも、科学などのまっさらな世界に、宗教や神話などの『位相』というフィルターをかけたものだ。私はこの『位相』を自由に生み出し、様々な世界を作りだしてる。」


少年はもはや聞くというより、受け流しに近い形で聞いていた。話自体が難しいのではなく、もはや先程の『夢』での出来事せいで、思考自体が追いついてないのだ。


オティヌス「そして、この世界には『誰も上条当麻を見ない』。いや、もはや『認識さえしない』というフィルターをかけたのだ。」


そこで少年は理解した。


上条「誰も俺を見てくれない世界……」


この世界の残酷さを


―――――――スーパー―――――――


上条「はぁ……不幸だ……」


少年は溜息をつきながらも、テキパキと特売の商品を入れていく。


上条(あの後オティヌスは消えちまったけど、俺の精神を破壊するだって?ちきしょう、せめて誰かと話せればいいのに、それさえ出来ないんだもんな。……不幸だ。)


少年があまりにもぼーっとしているせいか、隣にいた主婦と手がぶつかった。


上条「あっ……」


主婦「今日は鍋だから、肉と、野菜とぉ……」


そう、相手に例え悪意がなくとも、彼女達は上条を認識しない。そもそも眼中に無いのだ。


上条(触れたりは出来てもやっぱり会話とかは無理か。)


結局、何も収穫得ずに少年はスーパーを後にした。


―――――――学生寮――――――――


ガタンという音がなり響き、家主が帰宅を部屋に知らせる。


上条「ただいまー」


どうやら居候は既にいないらしく、部屋は静まりかえっていた。


帰ってきた少年は、まず食材を冷蔵庫に詰めていく。また、その際に賞味期限の短いものを選んでいき、晩御飯の準備をする。ちなみに今日の夕食のメニューは肉なし野菜炒めの様だ。


上条(これからどうしていけばいいんだろう……一生この世界で生きていくのか?いいや、ダメだ。俺は必ずオティヌスを倒して、元の世界へ帰るんだ。)


少年がトントントンと、野菜を切っている内に、手元が狂い少年は指を切ってしまった。


上条「……ッ!いてて。ボーっとし過ぎたな。」


傷口を軽く舐め、絆創膏を貼ると、少年は料理を再開した。食卓にできた料理を並べ食べ終わると、食器を水につけシャワーを浴び、少年は就寝した。


――――――― 一週間後――――――


少年は最早疲労していた。一体なぜ、幻想殺しの保有者であると言うだけで、自分はこのような仕打ちを似合わなければならないのか。それは、間違いなくその幻想殺しのせいだろう。しかし、現状は打開策も出せずに日々を消化していくだけで、これといった成果は出なかった。


上条(ハァ……もう1週間か。このままじゃ何も出来ずに一生を終えちまう。)


~~~~~~~~昼休み~~~~~~~


上条(今日もぼっち飯か……)


少年は席に座ったまま弁当箱の封を解く。周りは既に購買部へ行ったようだが、少年には意味がない。

スーパーならセルフレジがあるが、購買部はおばちゃんに直接話しかけ購入する制度なので、少年は無視されてしまう。


残った生徒も机をくっつけ、集まりあって食事をしている。



その光景を少年は心底羨ましく思った。


上条(やっぱり普段は気にしてなくとも、やっぱり皆と喋ったり一緒に食事したり出来ないのは辛いなぁ。)


上条(……ダメだ。ここで屈したらオティヌスの思い通りだ。今は、今はひたすら耐えるんだッ……。)



―――――オティヌスside――――


オティヌス「……ボチボチだな。」


『魔神』は何処とも知れぬ場所で1人眺めていた。


オティヌス(ヤツの思考はまだ私に屈しまいと、必死に自分を奮い上がらせているようだが……。最早辛いと言う単語を思い浮かべるほど、心にきているようだな)


オティヌス「……順調だ……」ニヤリ



少年に一番近くて遠い場所で、『魔神』はほくそ笑んでいた。


――――同時刻、???side――――


「そろそろかの?」


誰も気づかない、誰も認識できない、正真正銘『孤独』である位相で、怪物が新たな産声を上げた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~


chapter2アイデンティティ_右手と少年



上条「ハァ……今日も学校か……」


学生なら誰もが思い浮かべるような事を、少年は少し変わった心情で、呟いていた。

学校へ毎日行っても無視され、1人で板書を必死に写し、昼食を済ませ、家に帰る日々……正直退屈していた。

最初に来た時から気づけば一ヶ月がたとうとし、あたりはクリスマスムードとなっていた。


上条(クリスマスなんてリア充イベント、今の俺には無関係……)


少年が歩きながらそんな事を思っていると、見慣れた人影が見えた。


?「おーい、上条ちゃーん!」


上条(今日の晩飯どうしよう……)


?「かーみじょーうちゃーん!!!」


上条(ん?あの黄色いシルエットは……)


?「よ!上条ちゃん。」


そこに立っていたのは、かつて『グレムリン』でオティヌスと共に組織のトップに立っていた、雷神トールであった。


上条(雷神、トール??)


トール「おいおい、なんとか喋ってくれないと寂しいぜ?」


上条(なんでコイツ、俺を認識できるんだ?)


少年はいささか混乱していた。約一ヶ月ぶりに会った、『自分を認識出来る人』


上条(あー……。誰とも話してないから声がでない……)


上条「……ゴホッ、あ〜、ぇ〜と、確かトールだっけか?」


トール「おう!そうだ。ちょいとワケありで学園都市までやって来たんだ。」


上条(???)


自分が見えるどころか、返事までしてしまう彼は、前の世界の彼にも見えたがどうやらそうでもないらしい。


上条「お前……『グレムリン』はどうしんだ?」


トール「ぐれむりん?なんだそりゃ。俺はただ単に用を済ませにに来ただけだぜ。」


上条(用事?なんだ?それよりどういうことだ、グレムリンを知らないなんて。これも罠か?)


少年がつかの間、思考をしていると、金髪の少年はこう言い放った。


トール「何も近々、『クリスマスイベント』だのなんので、学園都市が何かするらしいからな。イベントにはもっぱら興味はないが、情報によると『魔術』を使う可能性があるらしい。その調査見てえーなもんだ。」


上条(クリスマスイベントか……行くつもりは無かったが魔術が絡むなら、なにか掴めるかも)


上条「ん?やばい!遅刻だ!じゃ、じゃーなトール!」


トール「ん?んん、じゃーな。」


実際、担任から無視されてる彼は出席しても、日数に入らない上に、そもそも名簿に名前があるのかどうかさえ怪しいのだが……生憎少年はその事に気づかない。


―――――――学校終わり――――――


上条「ふぅ……やっと終わった……」


学校が終わり、些か疲れている少年の帰り道にはいつもと違い人の通りが少なかった。単純明快、道路で工事をしていたために。


上条(まじかよ……回り道しないと……)


そういう事もあり、少年は回り道をして帰宅する事にした。


―――――――とある公園――――――


ふと、少年が立ち寄った公園で、よく見る人影に出会った。


上条(御坂か……?)


反射的に草むらに潜り込んだ少年は、彼女を観察する。新しい世界での彼女も、前と全く同じかのように思えた。だが、そこには少年の知る史実とは違う点が一つ。


上条(誰だ?)


隣に男が立っていた。


上条(あ の 男 は 誰 だ ?)


少年にとって、驚愕の事実だった。彼女が、まさか男と仲良く並んで歩いてるなんてり


普通に考えれば友達や、知り合い。それに彼女がlevel5という点で見れば研究者などの可能性もあるのだが、どうやらそうではないらしい。


上条(明らかに会話の様子がおかしい。こう、まるで恋人の様な……)


そして少年の悪い予感は的中する。


御坂「でさ……この前の第三次世界大戦で、妹達(シスターズ)と出会ったの!でその時その子達があなたに礼を言って欲しいって。」


?「えー?別に俺は礼がしてもらいたくて実験を止めた訳じゃないんだけど……まあ、そう言ってもらえるなら嬉しいよ。」


上条(なんだあの男、まるで自分が、絶対能力者進化実験を止めたかのように、言いやがっ……)


しかし、少年は一番聞きたくない事実を聞いてしまった。


御坂「でさ、今度のデート、どこ行く?」


?「ん?そうだなぁ……なら第五学区の……」


少年にはまるで時間が凍りついたかのように感じた。


上条(な!?嘘だろそんな、あの御坂が……)


少年が動揺してる内に、彼女らは立ち去って行った。


※あくまで、?の姿は介旅と偏光能力を合わせたような外見だと思って下さい。性格は前条似で。


少年は隠れていた草むらから出ると、吐き捨てる様に言った。


上条「クソっ!何なんだよ、俺のやった事は都合よく穴埋めか?これじゃ、これじゃまるで俺が……」


少年は拳を固め、歯軋りしながらこう言った。


上条「俺が……最初から誰にも必要とされてなかったみたいじゃないか……」


少年は考える。あくまで必要だったのは能力の方で、自分は必要なかったんだと。


上条(今日は、もう帰ろう……)


気づけば時刻は8時を過ぎ、そろそろ学生の往来は消え、本格的に夜が始まろうとしていた。


――――――――――――――――――


少年は学生寮の一室に着くとドアノブを回し、静かに部屋に入った。


上条「……」


荷物を置き、こたつに入ると、テレビをつけた。


TV「続いてのニュースです……」

TV「こちらの料理は今大人気の……」

TV「今、若手刑事が、事件の真相に迫る!」


適当にチャンネルを回していく少年。


オティヌス「何やってるんだ。お前」


それは、唐突に、前兆もなく、現れた。


上条「!……なんだお前か」


少年はうんざりした顔で言う。


オティヌス「お前も随分とつまらなくなった物だな。最初の威勢はどうした?まさかこんなので心が折れたのか?ハッ、まだ世界をお前のために作りかえて1回目というのに。歯ごたえのない奴だ。」


上条「よくしゃべるな。」


オティヌス「お前が喋らなくなっただけだよ」


両者の間に、しばし沈黙が流れる。

スゥと息を吸うと少年は口を開いた。


上条「もうさ、疲れたんだよ。こんなの。どうせ俺がお前を倒しても、残るのはなんだ?世界中の賞賛か?国民栄誉賞の受賞か?それとも俺の銅像が世界各地に立つのか?無いんだよ、そんなこと。」


表情の読めない顔で聞き流す『魔神』


上条「さっき、気づかされたんだよ。あ、俺いなくても支障ないんだ、って。完全記憶能力をもつインデックスや、level5の奴らと違って、俺自体に存在意義がない。」


少年はじっと自分の右手を見つめながら言う。


上条「必要だったのはいつもこの『右手』で、俺は必要とされてなかった。そもそも俺が死ねば、こいつは他の物に宿ってくんだろ?つまり使用者は俺に縛られてない。俺じゃなくても扱えるんだ。」


『魔神』は口を挟む。


オティヌス「で?今頃気づいたところでどうする?このまま寂しい人生を送るか?自殺でもするか?だがこれだけは覚えておけよ人間。今の『幻想殺し』の『所有者』はお前で、世界の基準点として生かされてるだけだ。『幻想殺し』を他の者(物)に移したところでお前は用済みとなり、死ぬ。何故、お前が今ものうのうとこうやって息を吸えてるか、考えることだな。」


そういった『魔神』は、瞬く間に消えてしまった。


――――――――――――――――――

オティヌス(おかしい……この世界に、力の影響を受けてない者が2つある……)


オティヌス(しばらくはこれらを調べてくしかなさそうだ……。もう一回世界を作り直すか?いや、おそらくあの『幻想殺し』の所有者にはこの世界がピッタリだ。やはりここは水面下で世界の『バグ』を潰していくしかないな。)


――――――――――――――――――

その頃、学生寮


上条(思えばいつも、この右手に振り回されてきた)


TVからは安っぽいドラマの音が流れ続け、気づけば時刻は22時を回っていた。


上条(この右手がなければ、こんな世界で1人、孤独に生きる必要なんてなかった。)


右手に力を込める。


上条(右手のせいで、いつも不幸に見舞われて、命の危険をおかし、色んな奴らにこき使われてきた。)


もう、ここにはいないシスターの顔を思い浮かべる少年。


上条(そりゃ、最初は自分から突っ込んで、引っ掻き回して、俺の納得するように事件を解決させてきた。)


頭によぎるのは、数々の激戦。

第三次世界大戦、

学園都市での様々な事件。

『グレムリン』騒動。


上条(本当はこんな右手、なければ……きっと、普通の生活を送って、普通の幸せを掴めた。命をかけた戦いに身を投じる事もなかった。俺が大役を背負う事もなかった。)


上条(俺はただ、平凡のままでありたかった)


でも、いいの?


上条(っ……!)


本当にいいの?

数々の戦いは、確かに少年にとって苦だったかもしれない。決して日常で役立つものでなかったかもしれない。


でも、そこであった出逢いは?

いいの?


きっと、オティヌスを倒せば、少年の仲間は暖かく受け入れるだろう。


上条(でも、それは俺じゃなくたっていいじゃないか)


おもむろに立ち上がり、台所から包丁を引き抜く少年。


上条(こんな右手っ……!切ってなくなればいい!)


でも、言ってたじゃないか。

『魔神』は確かに、『幻想殺し』のないお前に価値はないと。

そうした場合、お前は死ぬ、と。


包丁を落とし、その場にへたりこむ少年。


上条「俺は……まだ、生きたい。」


脳裏をよぎるあの言葉。


「とうま!」

「ちょ、ちょっとアンタ!」

「おい!上条当麻!」


自分を必要としてくれるあの場所。

暖かい場所。


上条「俺はもう1度あの場所に、あの場所に……帰りたい……!」


世界の誰にもわからない場所で、1人、慟哭した。


――――――――――――――――――

chapter3クリスマス_聖夜のメシア




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1: SS好きの名無しさん 2016-02-01 17:29:34 ID: zyzBShJk

シリアス期待です。
最終的には、上オティになると嬉しいです(個人的に)。

2: Ahogarasu 2016-02-01 18:27:08 ID: OFxuW37D

↑初SSなので期待に応えられるか分かりませぬが、上オティにはなる予定です

3: Ahogarasu 2016-02-03 21:30:25 ID: Sy6fwXR0

やっとスレタイ回収まで行けました!これからも頑張って行くのでお願いしますm(_ _)m

4: SS好きの名無しさん 2016-07-18 21:08:13 ID: qE042vsd

上オティのss久々にみました、ゆっくりでいいので頑張ってください。

5: Ahogarasu 2016-09-17 01:32:44 ID: rOy3Pd0w

>>4
間が空いてすいません。ゆっくりどころか終わるのに数年かかりそうな遅さですが頑張ります。

6: SS好きの名無しさん 2016-09-18 17:23:44 ID: sJ9scoms

最終的にオティヌスが上条に謝ればいいでしょ

7: Ahogarasu 2016-09-18 19:38:46 ID: TOZT-v8h

>>6
一応ある程度構想はできてて、あとは結末とかを考えてますね。オティヌスを最終的に善として書くか、最後まで悪として書くか。ただ、上オティにするので、どう転んでもいちゃつきます

8: Ahogarasu 2016-11-24 16:44:58 ID: glUruQiM

次回の更新は12月になりそうです


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