2016-11-10 12:53:33 更新

概要

時間軸は原作1巻から。

執筆者自身、とあるを見たのが数年前なので色々と矛盾があるかもしれない。


これはあり得たかもしれないもう一つの未来




第1話 最強の肉体にクラスチェンジ!?


上条「ふぁ~」


上条「よく寝た」ムクッ


上条「つか、今日は補習じゃねぇか!」


上条「寝坊だぁぁ!!不幸だ!」


現在時刻は8時20分、補習開始は8時30分

普段の上条ならば確実に間に合わない。


上条「でも、行かないと先生にドヤされるしなぁ」


上条「ハァ、行くしかないか…」


上条は制服に着替え。足早と学校に向かった。


上条「なんか、制服が小さい気が…気のせいか?」


上条「まぁいいか。そんなことよりダッシュで行かなきゃ」


そいうと上条はクラウチングスタートの態勢に入り一気にダッシュを決めた。

その瞬間、地面は歪み抉れクレーターを作り。その走行速度は音、光までも置き去りにした。

それを目視することは不可能に等しく、時間という感覚を薄めて集中し極めて一瞬、あったかなかったのかも分からない。ごく一部の、そう「感」で感じることでしか認識することができないほどの早さであった。


上条「いやぁ、体の調子がいいな」


学校に着くまでに0.00087秒

どんなに普段、不良から逃げ回り、逃げ足の早い上条でも15分弱は掛かる最短通学路を一瞬にして完走したのである。


上条はまだの己、変化に気づいていない。


教室に入ると既にそこには青ピが居た。


青ピ「上やん、偉い早いやないか!」


青ピ「か、上やん!?」


青ピ「」


青ピは信じられなかった。目の前には上条の面影を残すものの、ほぼ別人の得体の知れない筋肉の、いや肉塊があったのだから。


上条「おはよう」


青ピは悟った勝てないと。

そして次の瞬間には────


青ピ「弟子にしてください!」


服従していた。


────放課後────


上条は青ピ、小萌先生、果ては学校に部活動で来ていた生徒を服従させた後、帰路に着いていた。


上条「そういや今日はスーパーのタイムセールがあったな!」


上条「今からならギリ間に合うか」


そう言うとクラウチングスタートからダッシュを決め込み、またまたクレーターを作っていた。


タイムセール、普段なら学園都市に大多数、居るのか居ないのかも分からない。主婦達の戦場であった、が。今日、歴史が変わった。変わらざる負えなかった。


主婦の1人はこう語る。


「化物のそうそれだね」


「彼を見た時に悟ったよ。王者だってね。」


「戦う?君は勝てない相手に戦いを挑むのかい?」


「勝機がある戦いならいい。でもあれはダメだね。」


「相手が人間じゃないなら戦いという土俵は成立しないのだから。」


上条は今までに味わった事の無い達成感を味わっていた。


上条「なんか、皆道を開けてくれたなぁ」


上条「たまに良い事もあるもんだなぁ」


上条「上条さんは感動で涙が出そうです。」


上条がウキウキルンルンランラン気分で帰っていると。1人の少女が立ちはだかる。


御坂「見つけ…た??」


御坂が見たのは昨日とはまるで別人の筋肉男なのだ。この反応は正しいと言える。


上条「げっ!ビリビリ!」


御坂は自分の忌々しいトゲトゲ頭の青年しか言わない呼称を聞いて安心したと同時に驚愕した。人は1日でここまで変われるのかと。


御坂「あ、アンタ!一体なにがあったのよ?」


上条「はぁ?何言ってんだ?特に何も無いけど?」


昨夜、御坂は上条にあらぬ因縁を吹っかけ、勝負を挑んだものの軽くあしらわれてしまった。

その為、今日、彼の帰りを待ちリベンジマッチを果たしに来たのだ。


上条「あー?もしかして昨日の続きか?」


御坂「え?いや、えーと、あはは」


普段の御坂なら即答で「あたりまえでしょ!」の一言位、かますのだが、御坂自身の本能が告げている「死ぬぞ」と。


御坂「い、いや、やっぱり止めとくわ」


御坂「今日、調子悪いし」


逃げ出す、この判断は正しい。上条はまだ己の変化に気付いてはおらず。普段通り御坂と相見えた時、確実に殺す事になっていたのだから。

言わば、己自身の実力に気づいていない為、手加減が出来ないのだ。そんな状態の上条と戦えば死は必須だったのだ。


上条「そ、そうか?風邪か?気を付けて帰れよ」


御坂「う、うん。」


上条は御坂に別れを告げて寮へと帰宅した。


珍しく、何も無い平穏な1日を過ごした。


飯を食い、風呂に入り、適当なテレビを見て眠る。久々過ぎて忘れていた平穏を心置きなく堪能した、彼はやがて眠りについた。


しかし疑問に思ったことは無いだろうか?何故、己の肉体の変化に気づかないのか?


風呂に入る瞬間に気づく筈だ、洗面所にある鏡で、風呂にある鏡で。


実は上条の住む一室だけ、上条の通っている学園の予算上、鏡をピンポイントで設置できなかったのである。


この事実が不幸か否か、定かではない。


1話完


第2話「魔術師ボコる」


────寮────


上条「はぁ、今日も今日とて補習か」


上条「不幸だ」


上条は人よりもメンタルが強い。原作ではメンタルの強さから強敵に立ち向かい、辛くも勝利する場面が何度もあった。


そんな、上条が最強の肉体を手に入れたらというお話。


上条「仕方ない布団でも干して学校に行くか」


窓を開けると既に布団?が干されていた。

…。布団ではなくシスターさんだった。


「…ヘッ…ヨ」


上条「え?」


「お腹が減ったんだよ!」


目の前のシスターはどうやら腹が減っていたらしい。っていっても貧乏学生の上条とって食料は命と同じくらい大切なのもであり。食料はなるべく分け与えたくなかった、のだが。


「うまいんだよ!」ムシャムシャ


上条「そりゃ、良かったな」


上条は処理に困っていた腐ったパンをくれてやった。こんなもので喜んでるだ。安っぽいやつだ。


上条「へぇ、インデックスって言うのか」


イン「そうなんだよ!」


上条「…」


上条「明らかに偽名じゃねぇか!!」


イン「偽名じゃないもん!本名ってわけでもないけど」


上条「まぁ、なんでもいいけどよ」


上条「なんで、うちのベランダなんかに引っかかってたんだ?」


イン「カクカクシカジカ」


上条「なるほど…」


上条「魔術師に追われてきたと」


上条「インデックス、そりゃ無理だよ魔術なんてあるわけないだろ?」


イン「むっ!あるもん!」


上条「なら証明してみろよ」


イン「私の着てる修道服は歩く教会って言ってどんな、攻撃も効かないんだから!」


そう言うとインデックスは仁王立ちし。


イン「殴ってみなよ本当に効かないんだから」


上条「いやいや、流石に女の子を殴るのはちょっと」

後の平等パンチ開発者もこの頃はまだ、女性を思いやる事が出来ていたみたいだ。


上条「あー、でも俺の右手には幻想殺しが宿っていてどんな、異能力も打ち消せるんだ。」


イン「ふーん、じゃ試してみなよ!君の能力が本物ならね!」


そう言われて上条は少し腹が立ったので右手で小突いてやった。あくまでも上条からした小突く程度だが常人からしたらその程度では済まない。


─スドンンンンッッッ────


凄まじい、衝撃音と共にインデックスの体が吹き飛んだ。


上条「インデックスゥゥゥ!!!」


インデックスは裸の状態で壁に穴を開け寮の外に放り出されていた。


上条はインデックスを寮に入れ謝罪し、自分の出来る範囲で応急処置を施し、インデックスに学校に行く事を伝え、寮を後にした。


遅刻ギリギリの時刻。今日こそ遅刻を覚悟していたが。学校に遅刻せずに着くことができた。


因みに今日のタイムは0.0078秒

時間が縮んだのは上条自身が己の身体に無意識で慣れてきているからだろう。


しかし、学校での補習はやはり分からないままであった。


いくら最強の肉体を手に入れていたとしても

頭脳が良くなる、なんて事はないのだ。


放課後、寮に帰ると自分の部屋の前に掃除ロボットが群がっていた。


俺の部屋そんな汚かったけ?なんて呑気な事を考えながらロボット達をかき分けながら進むとインデックスが倒れていた。

背中から血を垂らして…。


上条「だ、誰がこんな事を!?」


???「僕達、魔術師だけど」


上条が後ろを振り返ると黒い修道服を着た男が居た。顔にバーコードのタトゥーを入れていた。


上条は思った普通の神父は顔にバーコードのタトゥーとか入れてる訳ない。


つまりコイツはインデックスを、追っている魔術師、もしくわ通りすがりの強姦魔(仮)


上条「強姦魔かッ!!!」


???「ち、ちがっ」

そう思うが早し。

上条は考えるより早く強姦魔(仮)を殴っていた。


ところで上条の住まう寮の一室は地上から数階の所にあるのだが、上条は強姦魔(仮)にかかと落とし浴びせる事により。地下数階の辺りまでうめ落としていた。

────スゴゴゴッッ────

上条「ウァァァァ」


上条は強姦魔(仮)にマウントを取り顔面をフルパワーで殴りつけていた。


上条「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラツツツツ!!」


ズゴンズゴンズゴンズゴン────


今まで聞いたことがないような音を上げる。


上条が1回パンチすると学園都市で震度7、いやそれ以上の地震が起きたのは言うまでもない。


この時、強姦魔(仮)は絶命していた。


それでも上条は悲しくて事切れた死体を殴り続けたのであった。


第2話完


第3話「我流北斗神拳!!!の巻」


強姦魔(仮)をぶっ殺した後、半壊した寮からインデックスを救出したら。


インデックス「や、やりすぎなんだよ…」

と言われてしまった。正直、上条もやり過ぎたと思うし、自分自身がこんなに力を持っていたとは思わなかった。まぁ、その力は与えられたものだが。


イン「そ、その、あの人はどうしたの?」


上条「多分、死んだ。」


イン「え」


上条「初めてだよ人を殴り殺したのは…」

上条の瞳は明らかに闇を孕んでいた。


イン「だ、大丈夫なんだよ!恐らくだけどあの人は生きてるんだよ!」


上条「なんで、分かるんだ?」


イン「不規則だけど、あの人の魔術の残り香を感じるんだよ」


上条「アイツ、やっぱり魔術師だったのか、その割には魔術を使ってこなかったな」


そう、実は強姦魔(仮)は生きていた。上条に、かかと落としを喰らって直ぐに魔術で作った自分の分身と身体を入れ替えていたのだ。


と、言ってもかかと落としのダメージはもろに受けている。左半身の骨は再生不可能に近い程、粉々に粉砕していた。


???「か、神崎、奴は相手にするな」


神崎「いえ、そうも行きません、インデックスを盗られ!仲間である貴方がやられた以上」


神崎「ステイル、貴方をそこまでした敵をほおってはおけない!」


神崎「大丈夫、貴方の敵は討ちます」


ステイル「い、いや神崎、相手は───


神崎と呼ばれる女はステイルの話を最後まで聞かずにその場から去った。


───人間じゃない」


ステイル「…神崎、死ぬなよ」


ステイル「ていうか、病院とかに運ぶのが先じゃね?」



ところ変わって一方、その頃、上条は

背中の傷の治療の為にインデックスを小萌先生の所に預け、外に出ていた。


上条「俺が居ちゃ異能を打ち消して治療ができないか…」


上条は仕方なく暇を潰すしかなかったのである。

そこで本屋に立ち寄り、立ち読みでもすることにした。

手に取った本は「北斗の拳」この本が

彼の運命を変えた。


彼はあっという間に全巻を読み終えた。そして頭の中で漫画に出てきた。技をイメージトレーニングしていたのである。


本来ならば北斗百裂拳や、岩山両斬波等は人間には出来ない代物なのだが。彼の肉体はそれを可能とした。

そして彼はこの時、作中に出てくる技を全てを網羅し習得したのである。


言わば───我流北斗神拳───


本を読み終え、インデックスの様子を見に行こうと夜に小萌のアパートに戻った。


そこには完治して眠っているインデックスと怒った顔の子萌が居た。


小萌「上条ちゃん、取り敢えず今日は事情を聞きません!」


子萌「でも、明日ちゃんと事情を説明してくださいね!」


子萌「取り敢えず、先生は色々あって疲れたので、寝るのです」


と言うと小萌は眠りについた。


上条「ありがとう先生」


これからどうするか考えながら上条も眠りについたのであった。


第3話完


第4話「強過ぎた男」


───翌朝───


イン「当麻、当麻!」


イン「起きるんだよ!当麻!」


上条「あぁ、おはようインデックス」


上条「具合はいいのか?」


イン「うん、バッチリかも!心配掛けてごめんなさいなんだよ」


上条はインデックスが完治した事、元気になった事に安堵した。


と、そこには小萌先生は居なく。


上条「小萌先生は?」


イン「今日のご飯の買い物に行くって」


イン「帰ってきた時に事情を詳しく教えてほしいって言ってたんだよ」


上条「そうか…」


小萌先生を巻き込む訳にはいかない。

事情は説明できないな。

上条は心の中で謝罪した。


「ごめん、先生」


小萌は数時間後に戻って来た。

何か聞かれるかと思ったが、小萌は何も聞かずに上条達に御飯を振舞った。

子萌が話を聞くのを忘れてしまったのか、敢えて聞かなかったのかは定かではないが。


月詠小萌、彼女は出来る女なのだ。


──────

───────────

───────────────

上条とインデックスは銭湯に向かっていた。


イン「おっふろ~♪おっふろ~♪」


上条「なぁ、そう言えばインデックスっていつから日本に来たんだ?」


イン「んー、多分だけど1年前かな?」


上条「多分って、ご自慢の完全記憶能力はどうしたんだよ」


イン「私ね記憶喪失なんだ」


イン「約一年前からの記憶が無いの」


上条「記憶喪失、そうだったのか…」


とすると、一年前からあの魔術師達から逃げていたのか、いつ殺されるかも分からずに、眠れない夜もあっただろう。涙した夜もあっただろう。そう思うと上条の中に怒りが込み上げてきた。


イン「と、当麻、怒ってる?」


上条「え?いや怒ってないけど?」


イン「嘘、怖い顔してたもん!」


上条「はぁ、んなことないって」


上条「それより、インデックスは銭湯に入ったことあるのか?」


イン「残念ながら無いんだよ」


上条「そっか、なら大きな風呂に驚くかもな」


イン「あ、それと小萌がコーヒ牛乳をお風呂上がりに飲むって言ってたかも」


上条「あぁ、あれな」


イン「当麻、コーヒ牛乳って美味しいの?」


上条「あぁ、まぁインデックスのようなお子ちゃまには美味しいかもな」


イン「むぅ、バカにしてる?バカにしてるよね!」


イン「ふん、もう当麻なんて知らないもん」

そう言うとインデックスは足早に去ってしまった。

上条「あ、待てインデックス!」


上条「…アイツ、銭湯の場所知ってんのか」


と、インデックスとはぐれた途端に上条の周囲から人の気配が消え失せた。


上条(人が居ない。)


この時、上条は既に臨戦態勢に入っていた。


上条(来る)


「人払いのルーンですよ」


そこには、自分の身丈程も大きな太刀を持った女が立っていた。

神崎「人払いのね」


上条「ふーん。人払いルーンね」


上条「ってことは、オマエも魔術師って訳か」


神崎「えぇ、私は神裂火織、貴方の事は調べさせてもらいました」


神崎「上条当麻、インデックスを渡しなさい」


上条「断る、と言ったら?」


神崎「出来ればもう一つの名を名乗りたくないのですが」


上条「もう一つの名?」


神崎「おや?ステイルから聞いてませんか?」


神崎「魔法名ですよ。我々魔術師は魔法名を名乗らないと魔術を使ってはいけないそうです」


神崎「だから、名乗らせないでほしい」


上条「ほう、だけどそれでも断ると言ったら?」


神崎「仕方がありません力づくで首を縦に振らせます」


神崎「七閃」

そう言うと神崎は己の太刀を一瞬にして抜き

目に見えぬ斬撃を放った。


上条はこの斬撃を避けると瞬時に技の分析を開始していた。


上条には見えていた。

彼は最強の肉体を手にしているのだ。その斬撃が当たったところで無傷で済むし。実際のところ痛くも痒くもない。


彼の肉体は拳から髪の毛の一本一本まで最強なのだ。


無論、眼球も最強である。

彼女の音速を越える斬撃の正体を見破っていた。


上条(ワイヤーか)


そう、斬撃の太刀を抜くモーションはフェイク。本当の攻撃はワイヤーで行っていたのだ。


神崎(私の攻撃をいとも容易く躱すなんて)


神崎(この男、強い!)


上条「なぁ、アンタ本当に魔術師なのか?」


神崎「何故、そのような事を聞くのです?」


上条「今の攻撃が魔術によるものじゃないからだ」


神崎(七閃の正体まで見破るとは!)


神崎「いいでしょう、今のはほんの小手調べです、ここからは本気で行きます。」


神崎「魔法名は───


上条「遅い」


ドリュウウウウウウンンンッッ


「岩山両斬波」


上条は一瞬、ノーモーションで足の親指を地面に叩きつけることにより岩山両斬波を放ったのである。


岩山両斬波とは、拳を地面に叩きつける事によって生じる衝撃波を相手にぶつける技である。

しかし、上条はそれ足の親指でやってのけたのである。


その速度は光速を超え予知能力でもない限り躱すのは不可能であった。


神裂火織は標高3333mまで舞い上げられていた

鼻は折れ、爪先から右肩に掛けては複雑骨折、幾つか内蔵もやられていた。


これでも、上条は手加減したつもりであった。


上条「加減が難しいなぁ…」


ドガンッ──


神裂火織が不時着すると上条が

「なんだ、生きてたのか」


──この男、最強である──


第4話完


第5話「科学側」


上条はこの場からどうやって逃げ出すかそれだけを考えていた。相手、しかも女性を死の寸前まで追い詰めているのである。人払いのルーンの力もあって通報などされてはいないものの、その効果が切れれば逮捕は待った無しである。


上条「い、いやぁ本当に加減が難しいなぁ」


上条「あ、あはは…」


神崎からは返事がない。一応、呼吸はしてる為、生きているようだが。


上条「じゃ、俺はこれで」


そう翻すと上条は既にクラウチングスタートの体制に入っていた。


神崎「…マッテ…ハイ」


上条「!?」


上条(い、生きてた!!)


上条は安堵した、呼吸こそ確認したものの、このまま放置していたら確実に死んでいたであろう。


上条「あ、そのごめんな」


上条「加減ができなかったんだ」


神崎「…タスケテ…ビョウイン」


上条「」


神崎は病院に連れていけと言いたいのだろうが

この怪我をどう説明する?そんな事したら確実に逮捕されてしまう。それはごめん被りたい。


上条(そ、そういやトキは秘孔で病人を治療していたな)


──この時、上条に電流走る───


上条(そうだ!秘孔で俺が治せばいいんだ!)


神崎「…ハヤク…ジヌゥ…」


上条「大丈夫だ!絶対に助けてやる!」


上条は取り敢えず亜血愁を突いてやった。

この秘孔は出血や激痛を止める秘孔である。


神崎「い、痛くない!」


上条「う、動かないでくれ止血しただけでアンタの怪我は治ってない」


上条(あ、あれ北斗の拳に怪我を治す秘孔なんてあったけ?)


上条(そういえば、そんな秘孔、1度も出てこなかった)


上条(どうしよう)


上条が焦っていると、妙案を閃く。

──そうだ!激振孔だ!


激振孔とは、心臓の動きを活性化させ心臓を破裂させる、殺人秘孔であるが上手く使えれば、心臓の活性化によって脅威の回復力を得られる使用者によって顔を変える秘孔である。



上条(失敗したら殺してしまう。)


上条(で、でも放置してたら確実に死ぬ命)


上条(ダメ元でやるしかない!)


「激振孔」


神崎の心臓の動きが活発化したお陰で身体の傷、骨、内蔵はみるみる治り。神裂火織は完全復活をとげた。


上条「よ、良かった成功だ」


神崎「た、助かりました」


上条「じ、じゃ俺はこれで」


上条は直ぐに立ち去りたかった。当然である殺人未遂を犯したのだ。気まずすぎる。


神崎「ま、待ってください!」


神崎「インデックスの事について説明させてください」


────────────────

─────────────

────────


上条「そんなこが…」


神崎「ええ、インデックスは一年周期で記憶を消さなければ死にます」


神崎の説明によると。

神裂火織、ステイルという、黒神父がインデックスの同僚である事。必要悪の教会という組織に属してる事。

インデックスが魔導書の記憶に使っている脳の容量が85%残りの15%では一年で埋まってしまうと。

許容量を越えると死に至ると───


上条「アンタらは…それでいいのかよ?」


上条「アンタらはインデックスの思い出が消えていくのをただ、指を加えて見てるだけでいいのかよ!」


神崎「私達だって、どうにかしようとして色々な事を試しました!」


神崎「でも、ダメだったんですよ」


神崎「どうにもならなかったんですよ」

神崎の声が弱々しくなっていた。やはり今でも彼女の事を救えないのが悔しいのだろう。


上条「なら、こっち側ならどうだ」


神崎「こっち側?」


上条「科学側だよ、魔術側がダメでもこっちには科学の力がある」


上条「俺が絶対にインデックスを救ってみせる」


神崎「…分かりました」


神崎「ですが、後、3日です期限は後3日」


神崎「それ以上はインデックスの脳の許容量が持ちません」


神崎「その時は諦めてください」


上条「くっ」


神崎「それでは良い悪あがきを」


そう言うと神崎は夜の街に消えて行った。

それと同時に学園都市本来の喧騒が戻ってきた。


第5話完


第6話「その幻想をぶち殺す」

取り敢えず上条は図書館へと向かった

まずは脳の構造から学ばなければ無いそう思ったのだ。


経絡秘孔には確かに記憶に関わる秘孔が多数あるがそれは根本的な解決にはならないだろう。

記憶を消す秘孔を突くならば、今まで魔術師がしていた事と同じ事をすることになる。それだけは避けたい。

インデックスの思い出を消さなくてもいい方法じゃなければ意味はないのだ。


そして上条は脳が120年余り記憶することができる事。また、脳は容量不足によりパンクしたりしない事を学んだ。


しかし、あの魔術師が言っていたことと矛盾する。だが、彼女が嘘をついてたとは思えない。


上条(首輪か…)


103000冊の危険な魔導書を保有した少女がいつ裏切るかも分からない状況にはしたくない。つまりインデックスを監視、束縛する為に付けた首輪ということに上条は気付いた。


上条(一年周期で首輪による呪いが発動してそれを封印しなければないということか)


だが、インデックスの身体を見た時には魔術による刻印のようなものは無かった。

ならば外から見えない所───

────体内にあるのか


だとしたら早目に確かめないとまずい

内蔵に刻印があるなら対処に時間が掛かる。時間があまりない上条にとってはインデックスに刻まれた刻印がどこにあるのかそれを明白にしなければならなかったのだ。


上条(いいぜ、インデックスの思い出を消そうとするものは全部)


上条(その幻想をぶち殺す!)


上条は小萌のアパートに戻るためにクレーターを作ったのだった。


第6話完


第7話「思い出は消えない」


アパートに戻ると

インデックスは既に就寝していた。


小萌は外に出ているのだろうか、姿は無かったが、どちらにしよ好都合だ。


上条「い、インデックスその悪いけど身体を調べさせてくれ」


初めて触る少女の身体に興奮を覚えつつも

インデックスの身体をまさぐり、もとい調べはじてた。


上条(こ、これが女の身体)


上条(柔らかい)


上条も男なのだ。


上条(い、いや体の表面を調べても意味は無い)


上条(体内を調べないと、でもどこを?)


上条(ち、膣…いやいや)


上条(それは、まずいぞ、それじゃ俺が変態みたいじゃないか)


上条(いやいや、落ち着けそこ以外にもあるはずだ体内に通ずる部分が)


上条(こ、肛門は第二希望にしとくとして)


上条(そ、そうか口内だ!)


この際、何が第二希望なのかは置いとくとして

意外とヘタレの上条は口内から調べることにした。


インデックスの口を開き、中を見てみると

喉奥の方に刻印が刻まれていた。


上条(ここか!)


上条(この首輪さえ壊せば!インデックスを救える!)


刻印に、触れると


──パリンッ────


異能が壊れる軽い音がした。


その瞬間、インデックスの身体が跳ね上がり宙に浮いた。


インデックス「警告、禁書目録の首輪、その破壊を確認。再生…失敗。首輪の再生は不可能。『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を優先します」


上条「…いよいよラスボスって訳か…」


そこには目に魔法陣を宿したインデックスと

上条当麻――地上最強の男が相見えていた。


上条「なぁ、インデックス」


上条「まだ、オマエを縛っているものから解放されないのか」


上条「オマエをまだ救えてないのか」


上条「ならよ、インデックスの思い出や記憶」


上条「それら、全てを自由に操る事が出来ると思ってんなら」






―――その幻想をぶち殺す―――







そう、上条が覚悟を決めた瞬間

それは放たれた。


光の一線。


異能の何か。


しかし効かない。


何故か?


それは上条当麻が最強だからだ。


上条「うぉおぉおおおおぉぉ!!!」


雄叫びを上げる。目の前の少女の記憶や思い出を歪める何かを破壊する為に。


そして右手を突き出す。


上条「破ッッッ!!!」


それは一種の衝撃となり


光の一線に向かって行った。


しかし、光の一線は消えない、その速度を一瞬、緩ませるものの消えはしなかった。


上条は理解する


上条(持続する攻撃か…)


上条「くっ」


上条は右手、その攻撃を受け止めた。


バンッ

その瞬間、扉が開かれる。


ステイル「こ、これは一体!?」


神崎「インデックスには魔術が使えない筈」


どこかで、上条とインデックスを監視していた

魔術師も現れた。


上条「簡単なこったろ…。」


上条「ようは、オマエらが騙されてたんだよ」


神崎「そ、そんな」


ステイル「僕達がして来た事は一体…」


ステイルと神崎は苦虫を噛み潰したかのように顔を歪めた。


光の一線を右手で食い止めながら

上条は叫ぶ。


上条「そんな顔をすんなよ魔術師!」


上条「そんな絶望した顔をすんなよ!!」


上条「オマエらインデックスの友達なんだろ?」


上条は続ける。


上条「コイツを倒せば、全て終わるハッピーエンドだ!」


上条「インデックスを本当に救ってやれるんだ!!」


上条は止まらない。


上条「少しくれぇ長いプロローグで絶望してんじゃねえよ!」


上条「オマエらも脇役なんかで終わりたくねえだろ!!」


上条「なら立てよ!インデックスを救って笑って終わるエンドを迎えようじゃねえか!!」


上条は一線を振り払い

走る。


インデックスとの距離を縮める


上条「うぉぉぉおおおおぉ!!!」


その一瞬。

その移動は目視は勿論、感じる事さえも許されず認識する方法は何一つ無い

本物の瞬間移動へと昇華した。


距離は零


――――――パリンッ――――――


そう上条はインデックスを縛り付けるもの全てを破壊した音だ。


インデックス「術式の消去を確認――


―――再生は不…可」



上条(全てが終わった。)


上条(インデックス…。)


ゆっくりと進む時間の中で

上条は何を思ったかは分からないが

インデックスの事、愛する恋人のように頬を愛撫するのであった。


ステイル「す、全て終わったのか」


ヒラリと羽が舞い落ちた。


一枚、また一枚と羽が降ってきた純白の羽が。

それは天使の羽と見間違うほどの美しい羽であった。


神崎「これは―――」


神崎「上条当麻、今すぐそこを離れてください!!」


第7話 完


エピローグ


――病院――


「おぉ!やっと目覚めたか!!」


「ふ、ふぁ~。あ、あれ当麻??」


上条「なんだよ、寝過ぎて忘れちまったか?」


インデックス「忘れるわけないんだよ!なんたって私には完全記憶能力があるんだから」


上条「ハハッ、そうだったな」


上条「そうだインデックス、リンゴ剥いてやるよ」


上条は病院に、訪れていた。

インデックスの御見舞のためだ。

何故、インデックスが入院しているかと言うと

インデックスの最後の術式を破壊する時にインデックスの頭骨を割ってしまったのである。

危うく、殺人犯になりかけたが

学園都市のとんでも技術でインデックスは一命を取り留めた。


それから神崎とステイルは自分達の上司にインデックスの件を問い質すとかで

直ぐに帰国してしまった。


そのお陰でインデックスの入院費は上条持ちである。


インデックス「当麻」


上条「ん?」


インデックス「ありがとうなんだよ!」


上条「何がだよ?」


―――いろいろ、と!」


その後の検査で分かったが

インデックスは光の一線やらを出していた時の記憶は完全に失っているようだった。


ついでに言うとあの羽は上条にはやはり効かなかった。


インデックス「なんか良く分からないけど」


インデックス「でも、当麻が頑張ってるのは覚えてるんだよ!」


上条「へいへい、で、何を覚えてるんだ?」


リンゴを剥きながら上条は聞く

インデックスはあの瞬間は忘れているのだ。


インデックス「頭の中には思い浮かんで来ないから」


インデックス「何がってちゃんと言えないけど」





でも、心の中に覚えてるんだよ!




―――だから、ありがとうなんだよ!




第一部


魔術編 完


後書き

次は一方通行編を書きます

読んでくれた人
ありがとう


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2018-02-12 02:32:38

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