2014-12-05 20:59:53 更新

概要

前作 カヲル「アダムさまの言うとおり」:Qhttp://sstokosokuho.com/ss/read/599


一部修正しました。
全4部作です。完結しました。


前書き

なんで?なんで僕は人を殺せたの?なんで僕は、誰も助けようとしないの?コタエヲキカセテヨ


目の前にそびえる大きな女性。



いつも見る赤い目の少女を連想させ、神々しくも思えた。



シンジ「なんだよ、これ。」




カヲル「無くなったエヴァの変り身、リリスの分身にしてこの世界を変えるためのトリガーだ。」


隣から声がする。


いつの間にかカヲルくんがいた。




シンジ「ーーな、なんなんだよ。」


シンジ「何だってんだよぉ!」


カヲルくんの胸ぐらを掴む。


シンジ「どんだけ人を殺しさえすれば気が済むんだよッ!」


マリ「そんなこと言っちゃってぇ、ホントはノリノリのくせにぃ」


みたことの無いメガネの女性。


シンジ「なんだよ、お前。」


マリ「今世紀の神、とでも言おうかな。」


シンジ「言ってる意味がわかんないよ…」


マリ「それしか言いようがないにゃん」


カヲル「さぁ、シンジくん、式波さん、始めようか」


カヲル「新世紀の、始まりの儀式を」








ズオォォォオオオッ



ジオフロントがカタチを変える。


床が割れ、巨大な正方形のフィールドが出来上がる。



カヲル「君は知らなかったと思うけど、君たち同様、この会場まで登りつめた人達が何人かいる。」


カヲル「彼らと君たちは選ばれた人間だ。」


アスカ「ま、待ちなさいよ、あんたらの目的は何なのよ?」


アスカ「こんなに人を殺しておいて…」



カヲル「そう言えば、言ってなかったね」


カヲル「僕らの目的は人類を救い、導くものだ。」


カヲル「その目的は3つ。」






カヲル「1つ、シンジくんの願いのため。」



カヲル「2つ、新たな時代の幕開け。」



カヲル「そして3つ、新世紀の神の創造。」



シンジ「…待ってよ、僕のためってどういうことだよ!?」


カヲル「君が心の奥で望んでいたんだ。」


カヲル「これまでの不条理なゲームも、君の願いどおりなんだよ」


シンジ「そんなの願ってないよ!」


カヲル「表ではそうなのさ、君の心の奥はそう願ったのさ、」



シンジ「そんな……僕のせいでみんなが殺されたみたいな言い方しないでよ…」


マリ「粗方、間違いじゃないよん」


アスカ「そんな……、じゃぁ、ホントは死なないで済んだとでも言うの!」


カヲル「いや、新世紀の創造には神の児達の願いを叶えなければならない。」


カヲル「そして君は、シンジくんと一緒にいるという願いが叶えられている。」


アスカ「なっ…。」




カヲル「会場が出来上がったようだ。」



カヲル「さぁ、行こうか」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




僕とアスカをいれて残り参加者は6人だった。



白いフィールドには6つイスが円状に並べられている。



アスカ「あのさ、シンジ」


シンジ「なに?」


アスカ「……やっぱいい」



多分アスカは僕のせいで人が殺されたことについて話したかったんだと思う。


僕のせいで皆死んだのか


いや、違う。





僕がこの手で殺したんだ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



全員が集まる。男女ちょうど3人ずつか、





カヲル「ここまで登りつめた君たちにはまず感謝を言いたい。」



カヲル「そして、今行われるのが君たち最後の試練だ。」


カヲル「生き残れるのは、一人。」


カヲル「その一人が新世紀の神となる。」


アスカ「新世紀新世紀言ってるけど、なんなのよそれ?」


カヲル「元々この世界は僕とこのメガネの『今世紀の神』によって創り出された。」


カヲル「そして今、この世界は破滅しようとしている」


カヲル「新たな世界を創造する為に神が二人必要なんだ」


カヲル「神になるには生きることへの欲望、つまり他を犠牲にできる君達が適任だったってわけさ」



マリ「一人は既に決定してまーす。それが今目の前にみえる『綾波レイ』だよん」


シンジ「まさか…綾波は僕の目の前で死んだんだよ!!生きてるわけ…」


カヲル「君は知っているはずだよ碇シンジくん、君が最後に教室で会ったのは綾波シリーズのクローンだ。少し細工したけどね」


シンジ「そんな…」


マリ「さぁさぁ早く最後のゲームを始めるにゃ」



カヲル「そうだね…」




カヲル「さぁまずは自己紹介、このゲームのオーナーを務める渚カヲルだ」


カヲル「今回の、そして最後のゲームは

『椅子取りゲーム』だ。」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ルール




1.人数分のイスが用意されている。イスには夫々、番号が降られている(人数の数に応じる数)。


2.そのうち一つハズレのイスがある。


3.全員で話し合い、どこに誰が座るかを話し合う。


4.ハズレのイスを見つけるために、幾つかのヒントが提示される。


5.ハズレのイスに座ったものは抜け、残った人でこれを繰り返す。


6.毎度ひとつずつイスは取り除かれ、ハズレのイスもランダムに変更される。


7.最後の一人が勝者となる。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



アスカ「シンジ、」


シンジ「なに?」


アスカ「…恨みっこ無しだからね」


シンジ「うん」


カヲル「さぁ最初のハズレのイスのヒントだ。」



・3番は当たり。


・2番がもし当たりとした場合、6.4番のいずれかがハズレ。


・ハズレはその数に6をかけて3で割ると『あまり』が出ない。





シンジ「…」



シンジ(簡単…過ぎる…)


シンジ(この簡単な問題において、どれだけ人を騙してあの席に座らせるか…)



男「オレ…わかっちゃったよ」


シンジ(バカッ‼言うな!)


男「とどのつまり、これは6か4なんだよ」


アスカ「それぐらい、誰にでもわかるわよ」


女「そ、そうよ!6と4に誰が座るかが問題なのよ…」


男2「なら…4番には僕が座るよ…」


男「ほ、ホントか!?」


男2「ぼ、僕はね!?ずっと4っていう数字に救われてきたんだ、だからこそ今度も僕を救ってくれる!!!」


男2「僕は神の児なんだ‼死ぬはずがない‼‼」


女子2「ここまで来ると…こぉやって気が狂ったやつもいるのか…」




正直に言おう。このヲタク風味な男が座る4こそがハズレである。





シンジ「なら、僕は6番に座るよ」


アスカ「シンジ!?」


シンジ「それなら、皆も生き残れるだろ」


アスカ「でも……」


シンジ「大丈夫」


男「それなら、他は適当座ろうぜ‼」


女2「う、うん!」





マリ「全員が座ったかにゃ?それじゃ結果はっぴょぉ〜う!!」



僕が完全に6が安全だと思った理由はヒントの三番にある。



・3番は当たり。


・1番がもし当たりとした場合、2.5番のいずれかがハズレ。


・ハズレはその数に3をかけて6で割ると『あまり』が出ない。




イスの番号xとして3番を整理すると


X×3÷6


となる。つまり



X÷2


の答えが整数になると言っている



この時点で既に1.3.5は当たりとなる。


そして2番目のヒントによって2も当たり


残るのが4.6となる。



ここまでがあの男と他の奴らの考えだ。




で、ここでオレは3番目のヒントに違和感を覚えた。



もし自分がオーナーなら、こんなハズレに沿った数字を出すだろうか、



6がハズレだとすると、こんなヒントをつくるだろうか、と



3をかけてなどまどろっこしいことなんてしない



もしオレがこのヒントを考えるならこんなヒントを使わない。



自分が作った時、なんと無くこれがハズレなんだ連想させる数字を組み込んでいるのが見え見えである。


6が確率から外れたわけではないが、大いに無いと考える




カヲルくんらしい人の心を考えさせる問題だ、だが










マリ「ハズレはぁ…



どぅるるるるるるる…



じゃん!









4番にゃあ!」



男2「はぁ!?」


男「ざまぁねぇな、運だけであがってきたお前がな、」



男2「うわぁぁぁああああああ!」



ぶしゃっ


彼の頭が砕け散った。



女2「もう慣れたとおもってたけど……やっぱ惨い。」



マリ「他の皆様おめでとぉ!次にいくよん」


男の遺体がいつの間にか消えてる。




アスカ「まさかだとおもうけどさ、」


アスカ「…まさかあんた、4番がハズレってわかってたんじゃないの?」


シンジ「そうだよ。」


アスカ「へぇ!?」


シンジ「まさか、わからなかったの?アスカ?」


アスカ「そ…そんな…わけ」


シンジ「そっか」


アスカ(いつもムカつくシンジだけど、いつもとまた違う…)




マリ「じゃあ、次いくよー」



イスがガラガラ動き書いてある番号も変えられていく



マリ「問題っ!ででん!」













マリ「違った!ハズレヒント!」




3が当たり


3は当たりとすると、1.4のいずれかがハズレ。



4を当たりだとしたら2も当たり



5が当たりだとして、さらに2も当たりならば、3はハズレである。



どれかひとつが嘘である






の5つにゃ。」




シンジ「ややこしいな…」


女「んもうわかんなくなってきた」


男「ミスったら…死ぬんだもんな」


女2「正直言って私、神様になんかなりたく無いわ」


女2「でも…死ぬのも嫌。」



シンジ「僕に全てを任して欲しい。」


女「な、なんでよ。」


シンジ「もう、僕は死にたいんだ…」


シンジ「こんな争い、したく無いんだよ」



男「でもなぁ」


アスカ「…わかった。私はバカシンジに賭けるわ」


女「わたしも。碇くんなら信用出来るし」


シンジ「ありがとう。」


男「なんだよ、みんなぁ。碇が裏切ったら死ぬんだぞ」


シンジ「、なら君は信じなくていいよ」


男「……。」


女2「じゃあ、碇くん、どれがハズレか、わかったの?」


シンジ「うん、1番だよ」


女2「?どうして?」


シンジ「……それは


男「いいよ碇、1番座れや。」


シンジ「うん、」




今すげーまずかったのがわかるだろうか。


1番がハズレだとは決して言えないからである


と言うかどーみたって3番が確実だ。


こいつらの様子を見て、どんくらいこいつらが理解してるかを様子見する。


これはヒントをいくら早く見抜き、いくら早く安全を確保するかがゲームの魂胆。




全員が座る。


3番には女子が座ったようだ。




アスカ「ねぇ、シンジ」


アスカ「あれ、…嘘でしょ?」


女「え?」



マリ「ハズレはぁ…





シンジ「そうだよ」



3ばぁん!」



女「うそでしょ…?」



ブシャッ



男「おい、どうゆうこったよ…」






シンジ「いひっ…



アハハハハハッ!!!」


シンジ「お前ら最高だよぉ!なんも考えないで座っちゃうんだもんなぁ〜ぁ!!」


男「碇ぃ!」


シンジ「おっと…前にも僕を殴ろうとして殺してやったやつがいるよ…」


男「んだとぉ!?」


アスカ「いつ?…いつよそれ!?」


シンジ「アスカが知らないとこで、僕はトウジもッ!ケンスケもッ!委員長も殺したんだよ!」


シンジ「いやぁ…ホントたまらない……」


アスカ「うそ…」


シンジ「嘘じゃないよ」


アスカ「なんでよ…。アタシのコトはッ!!助けてくれたじゃない!!」


シンジ「気まぐれだと思うよ」


シンジ「なんかさぁ…覚えちゃったんだよ…人が死ぬ喜びってのをさぁ」


アスカ「パシンッ!」



アスカがオレにビンタする



アスカ「変わったね…アンタ」


シンジ「何度も死にかけたからね」



ーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーー残り4人。もう僕の信用はゼロになった。



カヲル「では、3番目だ。






2番がハズレ




以上だ。」




男「おい、碇、2番座れよ。」


シンジ「…………」


男「座れよッ!!」


バシンッ




シンジ「……殴ったな?」


男「…なんだよ」


シンジ「ブツブツ……」


男「なんなんだよぉ!大人しく償えェ!」


シンジ「…………殺す。」


グッ


男「あっ…がはッ!!……」


アスカ「ぇ……」






首がミシミシといい始め、男は白目をむく。



シンジ「この感触……」


思わず股間を握り、興奮させる。


アスカ「嫌……」



女「…………」



死んだ男をハズレへ座らせる。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



目の前には女の生首が転がっていた。


あとはオレとアスカだけだった。



カヲル「最後の選択だ。」


イスが一つだけになる。


カヲル「座った人が勝者だ。」



シンジ「…………」


アスカ「…………」



アスカと僕が並んでイスを見つめる



アスカが横の僕を見つめる。










なんで殺すの?



気持ちがいいから。




なんで殺すの?


僕だけの世界じゃないと思えるから



なんで殺すの?


だって殺す瞬間は僕だけを見てくれる





なんで殺すの?



なんで殺すの?



なんで殺すの?





ワカラナイ


イッショニイタイトダレモイッテクレナイ



ワカラナイ



ダレモボクダケヲミテクレナイ



ワカラナイ




ジブンノタメカモワカラナイ




じゃあ、なんで生きるの?




ワカラナイ



ダッテイキルノガルールダカラ



何で誰も愛さないの?



ワカラナイ


アイシテモムダナンダ



ダレモボクヲリカイシテクレナイ



僕の行為に耳を傾けない



僕だけを見てよ




助けてよ




助けてよ



助けてよ、アスカ。





なんで、今ここにいるの?


なんの為に生きてるの?


なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?なんのため?






シンジ「僕を助けてよ…。」



シンジ「人思いに殺してよ……」




頭が空っぽになった。


今までやったことが、本当に自分がやったことなのか。


もうなにもわからない。




イスに座っても死ねないんだ。





座ってよ、アスカ。









アスカ「嫌……。」


シンジ「…………ッ!!」








僕は否定されたんだ。




なんで?





愛してよ




僕を見てよ




オレガコワイノ?




怖くない




ウソね




オマエハオレヲリカイシタノ?



してない。





しようとはした。





ウソね。




僕を殺さないでよ。





ダカラコロスノ?




僕は




僕は





いつ、間違ったんだろうか

















また殺してしまうのか



アスカを押し倒し、力強く締める





もう、抑えられなかった





自分がなにをして、なにを求めてるのか、






ワカラナイ。







アスカ「…………」



僕の頬をアスカが撫でる



なんで?








アスカは何を思ったのんだろう。




オマエダケシカミテイナイ




アスカは何を求めたんだろう。




オマエダケシカミテイナイ




アスカは何を願ったんだろう。




オマエダケシカミテイナイ





アスカは









コロシタクナイ

















シンジ「うぅ…………。うわぁぁあ…。うぁぁあああ!!」




ヒトトノフレアイ




それが




オレヲコワス







誰かと一緒にいたかった。



誰かに優しくしてほしかった。




アスカを殺したくなかった。










巨大な白い巨人の体が砕け、僕らに雪のように、僕らを見つめるかのように降り注ぐ。




私のこと好き?



















アスカ「気持ち悪い。」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー






マリ「これで良かったの?」


カヲル「これがリリンの選んだ結末というコトさ」



カヲル「世界は一つじゃない。他者を理解し、認め合う数だけ世界がある。」



マリ「ワンコくんと姫は……今そこにいるというコトね」



カヲル「僕らがやることはもうない」





カヲル「さぁ、帰ろう」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー






暑い夏の日だった。




「あの、碇アスカさんの病室はどこですか?」



「碇さんは………えっと、207号室です」



「ありがとうございます」






「遅いわよ」




「ごめん、仕事が終わらなくて」




「まぁ……まだ産まれたわけじゃないし」



「そうだね」


「あのさ」


「なに?」


「約束して欲しいんだけどさ、」


「うん」






「絶対にさ、








私のこと、守ってよ」





fin






後書き

無理矢理にでも12月4日には出したかったのでギリギリの状態で出させていただきました。だいぶあれた内容なので酷評でも全然構いません。


このSSへの評価

2件評価されています


SS好きの名無しさんから
2014-12-06 21:31:32

SS好きの名無しさんから
2014-12-05 12:49:33

このSSへの応援

2件応援されています


SS好きの名無しさんから
2016-09-25 09:37:12

SS好きの名無しさんから
2014-12-06 21:31:33

このSSへのコメント

1件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2014-12-05 13:12:04 ID: nMqKp_YP

完結お疲れ様。評価は完結しなきゃできないからね。まず、この作品はエヴァじゃなくてオリジナルでやったほうがよかったかも?エヴァを使う必要性がほぼないし、そのほうがよみやすい。ただ4話の椅子取りゲームなんかはよかった。
ssは評価もコメントもつかないssが多いけど、そんなに良くはないけど何か気になる作品だったので色々コメントさせてもらいました。
もっと面白い作品を書きたいならブーン系はどうかな?ssと同じでスターシステムだし、顔の表現もできるし。今、したらばのブーン創作で新100作ってるから作品よんでみたら。
おすすめは「裁判は全ケツでお願いします」、「人魚の木乃伊のようです」、ホテルサイドニアなど読んだことなかったらあがっているのは全部よんでみて。凄く面白いから。
長くなったけど、これからもがんばって作品を書いてみてください。


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください