2016-03-27 22:09:08 更新

第二話[コナンと特命係]


同日午前12時00分、警視庁特命係執務室


薫「右京さん、紅茶を入れておきましたよ」

右京「おや?ありがとう、君にしては気が利きますね」

ここは警視庁の陸の孤島と呼ばれている『特命係』そこには2人の男がそれぞれ好物の飲物を楽しみながら

隣にある『生活安全課』が押収したDVDのチェックを行っていた。

角田課長「よう、暇かっ?」そう尋ねたのは生活安全課 課長の角田六郎である。

TV「侍戦隊シンケンジャー!」

角田課長「こりゃあ、相当暇だね。」TVに映る和風な戦隊を笑いながら見、そう言う

薫「課長がチェックしろって言ったDVDの中に入ってたんですよ!」

角田課長「しかしよう、この戦隊は毎週、悪人と闘ってるのに比べりゃ、お前らは平和だよな。」

右京「しかし、この人たちは給料をもらってる訳では無いですし、大変でしょうね。」

角田課長「お前らもこの際、無償のアルバイトで『特命戦隊』なんて作ってみちゃどうだい?

どこかかで聞いたような名前を出す課長に長年この特命係にいる亀山 薫は苦笑いで返す。

かつては捜査一課にいた彼だが『とある事件』で失態を犯し、この警視庁の陸の孤島と呼ばれる

『特命係』に移動させられ『人材の墓場』と呼ばれる杉下 右京の相棒を務めている。

角田課長「そういやあ、知ってるか?今度、一課が捜査している事件野容疑者、序審裁判で

裁かれるらしいぜ!」

薫「そういやあ、美和子もそんなこと言ってましたよ。」

右京「ほう・・・序審裁判で扱われていた事件は今まで、そのほとんどが諸葛管内で起きた事件

と言う事は今回は警視庁管内で起きたと言う事ですね?」

角田課長「まあそう言うこったな。目暮警部殿が張り切ってたぜ」

そこまで聞くと右京は外出の準備をして部屋を出ようとする。

薫「おっ!右京さん、行くんですか?」

右京「君はどうしますか?」

薫「もちろん、行きますよ。」

そう言って出ていく二人を特命の部屋でくつろぎながら、角田課長は見送っていた。


同日午後12時00分、警視庁地下1階・留置所


龍一「それじゃあ、事件当日の事を詳しく聞かせて下さい。」

???「・・・・はい。」


事件は11月20日、午後7時に起きた。

被害者は『大津敏之』金融会社『大津』の社長。

死因は鈍器による撲殺


目撃者の証言とその場に居合わせた事を合わせて逮捕されたのが

運牙無 凶絶(ウンガナイ キョウタ)22歳である。


龍一「僕って相変わらず、不利な証言しか出ない依頼人に縁があるんだな・・・・。」

右京「ちょっとよろしいですか?」

龍一「わっ!何ですか?あなたは!?」

突然、後ろから声をかけられ、ぎょっとした龍一に対して右京は言葉をつづける。

コナン「(あれ・・・この人は確か?)」

右京「あなたは遺体発見当時気を失っていたと聞きましたが本当ですか?

凶絶「・・・・はい。」

龍一「えっ!本当ですか?」

薫「ええ、一課の高木から聞いたんで間違いないです。」

コナン「おじさん達ってもしかして特命係の杉下さんと亀山さん?」

右京「ええ、そうですよ。」

薫「『おじさん』じゃないけどな。」と付け足す。

右京「君は噂の少年探偵コナン君ですね?確か毛利君のラッキーカードでしたね。」

薫「この子があのコナン君ですか!?思ったよりも幼いですね。」

龍一「あのう・・・・あなた方は?」割り込むように入ってきた2人にしびれを切らして、そう聞くと

右京「これは失礼、警視庁特命係の杉下です。」

薫「同じく亀山です。」手帳を見せて自己紹介をした、2人に龍一も

龍一「弁護士の成歩堂です。」と名刺を渡し

真宵「助手の真宵です。」と真宵も自己紹介する。

龍一「でっ、君があの毛利小五郎さんのラッキーカードなのかい?子供なのに凄いね。」

コナン「うん、偶然が多いけどね。」

龍一「!!!!」一瞬、龍一は時が止まったように思えた。

この少年の発言に対して『ある物』が見えたからである

真宵「ナルホド君、どうしたの?」

龍一「いや・・・・何でもないよ(気のせいじゃなさそうだけど、今はいいかな。)」

右京「ところで先ほどの続きですがあなたは何者かに殴られて気を失ったと考えていいんですね?」

凶絶「はい、僕は社長に呼び出されて事務所に行ったんですが、そこで倒れている社長さんを

見つけたんです。

薫「でっ、気付いた時には逮捕されていたと。」

凶絶「はい・・・・。」

龍一「すみませんが、今は僕が面会中ですので刑事さん達の質問は後に」

コナン「(ハハハ・・・・だよな。この刑事さんばっか質問してるし)」

真宵「ナルホド君、もっと積極的にならないと駄目だよ。」

龍一「僕が悪いのか・・・・?」

場の空気に耐えれなくなったのか、書類を鞄に入れて立ち上がる。

真宵「現場に行くの?」

龍一「うん、大体の事はそこの刑事さんに聞いてもらったしね。」

龍一「最後に聞きます。あなたは大津敏之さんを殺していないんですね?」

凶絶「「僕は幼い頃から不運な目に合って妹共々苦労して来ました

でも、人の命を奪おうと思った事は一度もありません!!」

龍一「わかった。君の無実、僕が必ず証明して見せる、ジッチャンの名に懸けて」

コナン&右京、薫「・・・・・・・。」

真宵「ナルホド君、それは違う人じゃないの?」

龍一「いやあ、僕の先輩だし(番組的な意味で)。」

龍一「コホンッ!とにかく、依頼を受けたからにはあなたを全力で弁護します。」

凶絶「宜しく、お願いします。」

右京「噂通りの人みたいですね。」二人の会話を聞いて右京が笑みを浮かべていた。

コナン「(なるほど、これがこの人の強さみたいだな。)」同じく笑みを浮かべるコナン。

龍一「じゃあ、俺達は現場に行くんで失礼します。真宵ちゃん、コナン君、行くよ。」

そう言うと三人は留置所を後にし、右京と薫、そして容疑者である凶絶だけがその場に残る事になった。

薫「でっ、俺達はどうしますか?」

右京「もちろん、僕たちも現場に行きますよ。」


第三話に続く


後書き

次回は『逆転裁判』のお騒がせタッグが登場、伊丹の高木刑事もコンビも登場します。


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