2016-05-25 21:39:23 更新

概要

梨子ちゃんが転校するときの心情とか、善子と出会うならこうだろう!とかを自分の妄想を連ねて書きました。
梨子ちゃんの友達とか心情は完全に妄想です。あと風景というか、梨子ちゃんの歩いてる場所は君ここPVで千歌ちゃんがバスに乗っていた場所をイメージ。梨子ちゃんの家の場所等矛盾が多いかもしれませんが温かい目で見てやってください。


前書き

SS初投稿です。誤字脱字や矛盾点は優しく指摘してくださると参考になります…笑。


高校1年の冬。今までなんとなく、とても地味に生活してきた私の耳に飛び込んできたのは、転校の知らせでした。

「ごめんね…梨子。お父さんの仕事の都合でどうしてもって…」


「そんな…やだよ、高校生になってからの転校なんて。」


「仕方ないでしょ…もう子どもじゃないんだから、わがまま言わないで…」

人と話すのが得意ではない私にとって、この1年を通して出来た居場所というのは、ものすごく貴重なもので、それを手放すなんて考えられません。でも、お父さんの仕事の都合と言われれば、私にはもう言い返せる言葉はありませんでした。

そして、とても憂鬱なまま、1年生最後の日になって。

「梨子ちゃん、今日中にはもう出発するんだっけ…?」


「う、うん…」


「もー!そんな落ち込まないのっ!なしこの転校先、静岡でしょ?新幹線乗ったらすぐじゃんか!」


「全く、調子いいんだから…。でも、梨子ちゃん。私たち、離れてもずっと友達だよ。」


「2人とも…ありがとう。」

活発で眩しいようなオーラを放つ女子生徒と、大人しくも美人な黒髪の女子生徒。この2人が私の友達。ちなみに『なしこ』というのは私のあだ名です…。梨子を最初読み間違われて、指摘しても可愛いからってそのまま…。

そう、これが、私の居場所。2人は励ましてくれたけど、やっぱり会いにくくなるのは避けられません。私は転校の知らせを聞いた日から、涙を流さない夜は、一度もありませんでした。


翌朝。私はお父さんの車に乗って、一足先に新居に向かいます。

東京に住んでいると移動は基本電車で、車で長距離を移動するのは少し新鮮な感じがします。

長いトンネルを抜けると、右手に青い海が見えました。今日は天気がいいので、日光を受けて眩しいくらいに光っています。


(すごい…綺麗…。)


私の引っ越し先、静岡県のここ内浦のような田舎の学校では、みんなが小学校から一緒の幼馴染で、全員が少なくとも顔見知りのような状態であると聞きます。


(友達関係が上手くいかなかったら、毎日海を見に行こうかな…。海岸の砂浜にキャンパスを立てて、画家みたいに風景画を描いてみたいなぁ…)


なんて、縁起でもないことを考えてしまっている自分に気づいて、思わず苦笑い…。でも、この辺りに画材屋さんってあるのでしょうか。そう思って左手側に視線を移すと、長い長い坂道の上に学校が見えます。私が4月から通う、浦の星女学院高校です。


(坂道を登って通うのは、音ノ木と同じだ…)


ただ、音ノ木の坂道はもう少し短かった気がします。坂道の麓にはバス停があるので、バスで通う子もいるのでしょうか…。

春から通う学校というと、何か物語が始まりそうな、ウキウキした感じがしますが、私は先ほどの通り、みんなが顔見知りのような環境に馴染めるほど人と付き合うのが上手いわけでもなく、私の目に映る真っ白な校舎は、冷たいコンクリートの塊にしか、感じられませんでした。


学校の前を過ぎて、ますます増えたみかんの木を横目にしばらく車に揺られていると、新しい家が見えてきます。この辺りはやはり田舎なので、住宅街という感じではなく、家が点々と建っているだけです。私の家の周りも畑ばかりで、無理に褒めるとすれば日当たりは良さそうです。…素直な感想を述べれば、虫が多そうですけれど…。


私は力がある方ではないので、引っ越しの場に居ても邪魔になってしまうと思います。なので、どこかに出かけようと思うのですが…。


(そうだ、この辺りに画材屋さんってあるのかな…)


海を描きたいと思っているので、青の絵の具がたくさん欲しいと思っていたところなのですが、来る途中には画材屋さんどころかお店らしきものも見当たりませんでした。やはり趣味で絵を描く者としては、自分の宝物とも言えるものを購入する場所は把握しておきたいです。

見通しもよく、道に迷うことも無さそうなので、私はお父さんに一言声をかけて、町の散策に出かけることにしました。


時刻はお昼前。太陽が高くて、海風が心地よい時間帯です。海沿いの町特有の、潮のいい匂いが鼻腔をくすぐります。

東京だとどこへ行っても人が波のようにいましたが、この町はどこへ行っても人がいません。家に向けて車で来た道をさらに進んでいるのですが、右手には胸くらいの高さの堤防があります。幅も広く、鈍臭い私でももしかすると…。


(ちょ、ちょっとだけ…登ってみようかな…)


堤防の上の平らな所に両手をかけ、引っ越しの役に立たないといった両手で自分の全体重を支え、持ち上げます。


(も、もうちょっと…!ふん…っ!)


ハア…ハア…。なんとか登れました。堤防に上がるだけで疲れるなんて、これだから都会っ子はもやしっ子なんて言われてしまうのでしょうか。コンクリートの欠片?がザラザラと手に付いて痛いです。しかも、体重を支えていたせいで石が少し手に刺さって跡が残っています。しばらくは痛みそうです…。でも…。


(の、登った甲斐がある…。)


先ほどより全身にあたる海風、より開けた視界。そこに広がる全面の海、砂浜、そして水平線と青空…。


(転校するのはとても嫌だったけど、この町は…好きになれるかもしれない。)


私はそう思いながら、先ほどと同じ方向へ向けて、歩き出しました。


こうして1人で風を浴びながら道を歩くなんて、何年ぶりでしょうか。いや、下手すると人生初体験かもしれません。

堤防の幅は思った通り広く、綱渡りのような歩き方をしなくても普通に歩ける広さでした。こんな子どもみたいなことしてるの、他の人に見られたら大変ですけど、人がいないので安心…


(いや、人がいないと道が聞けない!?)


ヤマアラシのジレンマ、葛藤でしょうか。人に見つかりたくないことをしているのに人を自分が見つけて声を掛けなくてはいけないという。どうしましょう…。


(いや、普通に降りればいいのか。)


そうです。私は今日からここに住むことになったのですから、このような機会はきっとたくさんあるはず。


(嫌なことばかりじゃないんだ…)


少しだけ希望が持てました。クヨクヨしてても、この町に住むのは変わりませんから、どうせなら楽しく過ごしたい…。いつしか私は、そんなことを考えられるくらいには、晴れやかな気持ちになっていました。これが海の力…なのかもしれません。


しかし、どこまでいっても人が見つかりません。このままではただの散歩になってしまいそうです。…それはそれで悪くないかもしれませんけど…。

絵画くらいしか趣味のない私としては、早いうちに画材屋さんの場所を知っておきたいです。歩いているうちに見つかるかと思いましたが、今の所お店も一軒もありません…。と、そのときでした。


「もっとこう…色気が欲しいのよねぇ…」パシャー


目の前に、人を発見しました。それはとても喜ばしいこと、なのですが…。

この距離まで近づかないと気がつかなかった自分に驚きました。だって、だってこの人…


善子「んー、悪くないわ♪やっぱりヨハネはみ・りょ・く・て・き…♡」


…自撮りという行為自体は、東京でもよく見かけました。私も友達に誘われて数回したことはあります。…自分から誘うことは決してありませんでしたが。

ただ、この人は…ものすごくこう、ゴスロリというか、小悪魔ファッションというか、端的に言って異質な格好をしています。レイヤーとかいう方でしょうか…。


(ヤ、ヤバい人だ…)


人生で、できれば関わりを持ちたくない人というのはいるものですけれど、この人はその中でもぶっちぎりで関わりたくない部類に入ると思われます。

どうしましょう。スルーするべきなのか、素直にこの人に道を聞くべきなのか…。

迷った末、私は…


梨子「あ、あの…すみません」


善子「でもなんかまだ弱いわね…もう少し…ん?誰よあなた。見ない顔ね?」


梨子「と、東京から越して来たばかりで道がわからなくて…」


善子「と、東京っっっ!?」グイッ


梨子「ひっ!」ビクッ


善子「あなた、東京から来たの?」


梨子「は、はい」


善子「東京って、あの人類が地獄への階段を平然と降りていく、あの街!?」


梨子「ち、地下街のことですか…?」


善子「なるほど…東京から来た堕天使が、このヨハネのオーラに魅了されて思わず声を掛けてしまった…そういうことね?」


梨子「えっと、た、確かにオーラはすごかったですけど…」


善子「魅力があるってのも大変ね〜。それで、道を聞きたいと言ったわね。」


梨子「は、はいっ!」


善子「あなた、名前は?」


梨子「り、梨子です。桜内梨子。」


善子「そう。私は堕天使ヨハネ。それで、リリーはどこに行きたいの?」


梨子「えっと、絵の具とかを売ってる画材屋さんに…って、その、『リリー』って私ですか…?」


善子「当然でしょ♪このヨハネが直々にリトルデーモンネームを付けてあげたの、感謝しなさい♪画材屋はここからだと距離あるけど、いい?」


梨子「(ま、まだ歩くんだ…)だ、大丈夫です。というか、リトル…なんとかって恥ずかしいのでやめ 善子「はぐれないよう付いてきなさい♪」


梨子「あ、ちょっと…」


長い道中、私はずっとその恥ずかしいリトル…あだ名で呼ばれるのでしょうか…。というか咄嗟に名乗っちゃったけど、大丈夫かな…。





善子「リリーは、東京のどの辺に住んでたの?」


梨子「えっと、秋葉原…です。」



善子「秋葉原!?なるほど、道理で邪悪なオーラが満ち溢れているわけね…」


梨子「(ツッコんだら負けなのかな…)えっと、ヨハネ…さんの本名って…」


善子「あなたのその喋り方、堅苦しくて気に入らないわ。特別に、タメ口で喋ることを許可してア・ゲ・ル♪」


梨子「は、はぁ…。えっと、ヨハネ…ちゃんの名前って…」


善子「り、リリー。えっと…あなた何歳なの?」


梨子「(何か、焦ってる…?)17だよ。ヨハネちゃんは?」


善子「悪魔に年齢はないわ!…人間に換算すると15ってとこかしら。」


梨子「私の方が年上なんだ…。なんか意外かも。」


善子「ヨハネが大人びてるって言いたいの?」


梨子「(格好が派手すぎて年齢どころじゃないって言ったら怒るかな…)そ、そんなところ…かな。」


善子「フフン♪分かってるじゃない♪」


梨子「あはは…。それで、ヨハネちゃんの本名って…」


善子「あーあーあー、あ!見えたわよ、あれがあなたの欲を叶える…」


梨子「あ!画材屋さん!」


善子「早くしないと、魔界への扉が閉ざされるわ!」ピュー


梨子「あ、ちょっと、走らないでよぉ…」


長いスカートにもかかわらずスイスイと走っていくヨハネちゃん。変な人だと思ってたけど、少しかっこいいって思っちゃいました。…最後に盛大に転ばなければ、ですが。




梨子「よ、ヨハネちゃん…大丈夫…?」


善子「平気よ、このくらい…慣れてるもの。」


梨子「えっ…。」


善子「ええと、絆創膏は…あった。今月もう3回目ね。」


梨子「さ、さん…!?」


善子「さ、入るわよ♪」


梨子「え、えー…」


善子「画材屋って言っても、この人口の中画材専門じゃあやってけないからね。書道の道具とか、色々置いてあるのよ。私も墨汁切らしてたか

ら、ちょうど良かったわ。」


梨子「そ、そうなんだ。迷惑になってなくて良かった。」


善子「まぁ、別に用事がなくても迷惑には…」ボソッ


梨子「え、ごめん、今なんて?」


善子「なんでもないわ。とっとと済ませて帰るわよ。」


「あんれぇ、善子ちゃんかぇ!」


善子「げっ…」


おばちゃん「やっぱり、善子ちゃんだぁ。何買いにきたんかぇ?」


善子「ちょ、ちょっとばぁば!」


梨子「よ、よしこ…?ヨハネちゃんの名前って…」


善子「あぁ!もう!リリー!!早く買う物決めなさいよ!」


梨子「え、あ、ご、ごめんなさい!」


おばちゃん「あんれまぁ、見慣れん顔やねぇ。越して来た子かぃ?」


梨子「は、はい。東京から…」


おばちゃん「あらぁ〜東京!?遠かったろぉ〜。これおまけ。」


梨子「そ、そんな、悪いですよ…」


おばちゃん「いいのいいの。また来てなぁ。」


善子「…早く行くわよ。」


おばちゃん「善子ちゃんも、これ。」


善子「だから!私はみかん嫌い!!」


おばちゃん「善子ちゃんは冷たいねぇ…。そしたら、あんた、これも持ってき。」


梨子「え、えぇ…そんな…」


おばちゃん「いいから。それじゃぁね。」


ガラガラガラガラ…


梨子「あ、の、ヨハネ…ちゃん。」


善子「善子よ。」


梨子「えっ…」


善子「善子。津島善子。それが私の名前。堕天使だとか悪魔だとか言っといて、善い子の善子だなんて、笑えるでしょ?だから、私は、自分の名前が嫌い。大嫌い。だから、周りにもヨハネって呼ぶようにって…」


梨子「よ、よっちゃん!」


善子「…え?」


梨子「あ、いや、ええと、その…///」カァァ


善子「じ、自分で言っといて照れないでよ!!//」


梨子「よっちゃんだったら、善子でもヨハネでも通用するし、それに、私も可愛いあだ名付けてもらったから、お返しにって…」


善子「…っ。あはは…あははははは!!!」


梨子「え、あ、えっと…」


善子「いいじゃない!どっちにも通用するって、そんなこと言ったの、リリーが初めてよ!!」


梨子「そ、そう…なの?」


善子「そうよ!いい、すごくいい、気に入ったわ!」


梨子「よ、良かった…。…私も自分の名前、あんまり好きじゃないんだ。」


善子「え、そうなの?」


梨子「うん。前の学校でね、なしこなしこって呼ばれてて、親しみ持ってくれてるから、嬉しくもあったんだけど、やっぱりカッコ悪い感じがして。」


善子「そうかしら?素敵じゃない、梨子って名前。私は好きだけど。」


梨子「えっ…///」


善子「い、いや、ちがっ…/// リリーがじゃなくて、名前が好きってことよ!」


梨子「そ、そうだよね!!名前だもんね!…私も、善子って名前、大好きだよ。」


善子「なっ…/// …これは確かに、自分が褒められてるような感覚になるわね…。」


梨子「ほら、恥ずかしいでしょ。…やっぱり、名前って自分を象徴するものだから、名前を褒められたら嬉しいし、恥ずかしいんだよ。」


善子「…そうかも。うん。…ねえ、リリー。」


梨子「なぁに、よっちゃん。」


善子「私…この名前、リリーが好きって言ってくれた名前、大事にする。頑張って、好きになってみる…」


梨子「よっちゃん…!うん!私も、よっちゃんが好きって言ってくれた名前、大事にするね!」


善子「でも、ヨハネはやっぱり堕天使ヨハネよね♪」


梨子「ちょ、よっちゃん、いい事言ったのに台無し!!」


善子「ほーら、付いてきなさいリリー♪あなたは私ヨハネのリトルデーモン第1号なんだから♪」


梨子「そんな恥ずかしい役職に就いた覚えはありません!!よっちゃん待ちなさぁい!!」


善子「リリーの足で追いつけるかしらね〜!」


梨子「なっ…!!待てぇー!!」


…時刻は夕暮れ。よっちゃんを追いかけながら走っていると、道路も、家も、学校も、海も。全部が輝いて見えました。それはきっと、夕陽のせいだけでは、ないと思いました。




善子「ここなの?リリーの家。」


梨子「はぁ…はぁ…。そうだけど…なんでよっちゃん疲れてないの…。」


善子「魔法よ♪」


梨子「よっちゃん家はもっと向こうなの?」


善子「そうよ。今度遊びにきなさい♪」


梨子「え、いいの!?」


善子「いいに決まってるじゃない。そうだ、LINE教えてよ。」


梨子「う、うん!!」


善子「…よし、と。いつでも連絡しなさい。…まだ春休みも残ってるし。」


梨子「うん!また遊ぼうね!」ニコッ


善子「えぇ、じゃ、私も帰るわ。おやすみ、リリー♪」


梨子「うん!おやすみ、よっちゃん♪」


時刻はもう既に夜になっていました。家に入ると、新居の匂いがして、新品の家具が眩しくて。これから新生活が始まるんだと、改めて思いました。

…でも、もう新生活という言葉に、悲しい響きは無くなっていました。だって、私にはもう、頼れる大切な…可愛い友達が、出来たのですから。


後書き

このような駄文を最後までお読みいただきありがとうございます。口調や性格等、矛盾がなるべく減るように心がけたのですが、現時点ではどうしても梨子ちゃん、ヨハネ共に家の場所が一切公開されておらず(ヨハネは都会、とだけありましたが)完全に妄想で書いておりますので、アニメが始まった際には大きく食い違う部分があるかもしれません。転校してきたばかりで自分に自信が持てない梨子ちゃんと、逆に自分の美貌に自信満々な善子の出会い、そして2人の間だけの特別なあだ名の始まりが書きたかったのですが、うまく書けているでしょうか…。善子はともかく、梨子ちゃんも自分の名前にコンプレックスを持ってたりするんじゃないかと思い、このような設定にしました。
また、これからも時間があればラブライブ関連のSSを書きたいと考えていますので、アドバイス等ありましたら頂けると幸いです。


このSSへの評価

5件評価されています


SS好きの名無しさんから
2019-11-04 02:55:26

SS好きの名無しさんから
2018-11-13 17:27:51

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2016-10-12 15:37:19

影武者さんから
2016-09-29 01:28:09

SS好きの名無しさんから
2016-08-01 16:17:27

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影武者さんから
2016-09-29 01:28:15

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