2018-05-13 11:50:03 更新

前書き

!注意!

オリジナルキャラ有り

オリジナルの設定有り

設定の一部変更有り

非公式の情報の抜粋

基本アニメ版設定を軸に展開

ネタバレ有り

"ラブライブ!"の世界観とズレる可能性有り

"おまけ"は著しくイメージを崩す可能性有り


以上、よろしければお付き合い下さい。


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ラブライブif主人公 "北河 ひかり" プロフィール



年齢 16才 (高校2年生)

誕生日 2月29日

血液型 A型

身長 162cm

3サイズ B72 W56 H80


好きな食べ物 ない (本当は甘いもの)

嫌いな食べ物 ない (本当は辛いもの)

趣味 テレビゲーム

特技 人の選別眼。目を見ればそいつがどんな人間か大体わかるぞ。

チャームポイント ない、よく男に間違われる。

得意科目 基本どの教科もそつなくこなす

子供の頃の夢 正義の味方、だったかな?

得意料理 日本食なら基本なんでも





備考

高坂穂乃果の唯一無二の幼馴染


冷静沈着な性格の持ち主


外見の第一印象は、花の女子高生と言うよりは、美少年を彷彿させるが、正真正銘の女子高生


相手のことは名字で呼び、心から気を許している相手のみ名前で呼ぶ癖がある


制服姿の際は、ブレザーの前のボタンは開けており、スカートの下にはスパッツを着用


男口調で話し、服装も男物を好むため、プロフィール上のチャームポイントに、よく男と間違われると記している


人の説得に長け、かつ下手な大人の男性よりも力がつよく、「弁解力と力ずくを兼ね揃えている」


彼女の目は常に物事の核心を見抜いている


A-RISEのメンバー、綺羅ツバサ、優木あんじゅ、統堂英玲奈の3人を引き合わせたのも彼女である


幼馴染の穂乃果とは、生まれこそ彼女より遅いものの、彼女の姉のように振舞って同じ時間を過ごしてきた


現在は訳あって祖父の仕送りで生計を立て、一人暮らしをしている


中学生時代になんらかのトラブルがあったのか、それ以来他人はおろか、幼馴染の穂乃果とさえ距離を置こうとする節が見られるが、その理由を知る者は少ない


幼馴染の穂乃果が一人でスクールアイドルをやっていこうとしている姿を見て、彼女のプロデューサーを引き受ける


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ーー音ノ木坂学院音楽室ーー











♪ 愛してるばんざーい!♪



♪ ここでよかった 私たちの今がここにある ♪





♪ 愛してるばんざーい!♪



♪ 始まったばかり 明日もよろしくね まだゴールじゃない ♪











♪ さあ! 大好きだばんざーい!♪



♪ まけないゆうき 私たちは今を楽しもう ♪






♪ 大好きだばんざーい! ♪



♪ 頑張れるから 昨日に手をふって ほら前向いて ♪












真姫「・・・・・」



真姫「はぁ・・・」
















♯4 report4 西木野 真姫







ーー生徒会室ーー



ペラッ




絵里「・・・朝から何?」



穂乃果「講堂の使用許可をいただきに来ました!」



ひかり「部活動に関係なく、生徒は自由に講堂が使えると、生徒手帳に書いてあったのでな」



希「新入生歓迎会の日の放課後やな?」








絵里「何をするつもり?」



海未「それはーー」




穂乃果「ライブです」


海未「・・・!」




穂乃果「4人でスクールアイドルを結成したので、その初ライブを講堂でやることにしたんです!」



ひかり「私はメンバーではないがな」



海未「穂乃果・・・!」



ことり「ま・・・まだできるかどうかわからないよ・・・?」



穂乃果「えー!?やるよぉ!」



海未「待ってください!まだステージに立つとはーー」






絵里「できるの?そんな状態で?」



穂乃果「え・・・!だ、大丈夫です!」



絵里「新入生歓迎会は遊びではないのよ?」



ひかり「まぁな」







希「4人は講堂の使用許可を取りに来たんやろ?」カタッ


希「部活でもないのに生徒会が内容まで、とやかく言う権利はないはずやん?」



絵里「それは・・・」



ひかり「ありがとう、話が早くて助かる」



絵里「・・・ッ!」










ことほの「失礼しました」



穂乃果「やったぁー!」タタタ


ことり「えへへ♪」タタタ



海未「はぁ・・・」








絵里「園田さん」



海未「は、はい?」



ひかり「・・・・・」



絵里「何故あなたも、彼女たちとスクールアイドルをやることになっているの?」










海未「私は・・・大切な友達が困っている時には、何も聞かずに全力で助けになるのが武道の・・・いえ、人の道だと思ったのです、だからーー」



絵里「そう、もう行きなさい」



海未「は・・・はい、失礼しました」ガチャッ バタン







絵里「・・・・・」



ひかり「まさか、私が園田を脅して引き入れたとでも思ったのか?」



絵里「・・・・・」



ひかり「・・・講堂の使用許可感謝する、・・・また会おう」ガチャッ バタン













絵里「・・・まさか園田さんも、あの2人の知り合いだったなんてね・・・」



希「予想外やった?えりち」








絵里「それより希・・・何故あの子たちの味方をするの?」



ガラガラ



希「・・・何度やっても、そうしろって言うんや・・・」



絵里「え・・・?」







希「カードがーー」


ブワッ!



絵里「うわっ!?」



バラバラ!



絵里「・・・!?」



パシッ!






希「カードがウチにそう告げるんやっ!!」




















ひかり「・・・カードが、ねぇ・・・」


コツ コツ コツ














ーー中庭ーー



海未「ちゃんと話したじゃないですか!アイドルのことは伏せておいて、借りるだけ借りておこうと!」



穂乃果「なんでー?」



ひかり「それは、アイドルのことを話に出せば、反対されるとわかりきっていたからだろう」



ひかり「もっとも絢瀬なら、私たちが講堂を貸せと言ってきた時点でそれを疑っていただろうがな」



海未「それは・・・そうかもしれませんが・・・」







ひかり「何にせよ講堂は借りられたんだ、よかったじゃないか」



穂乃果「うんうん!」






ヒデコ「あ、いたいた!」



海未「・・・?」



フミコ「掲示板みたよー」



ヒデコ「スクールアイドル始めるんだって?」



ひかり「・・・なんだと?」




フミコ「海未ちゃんがやるなんて思わなかったー」







海未「・・・掲示板に何か張ったのですか・・・?」



穂乃果「うん!ライブのお知らせを!」



ひかり「おい・・・」











海未「勝手過ぎます!あと一ヶ月しかないんですよ!」


海未「まだ何一つできていないのに、見通しが甘すぎます!」



ひかり「んでもって勝手に宣伝なんざしたもんだから、引っ込みもつかなくなったか・・・」


ひかり「まったくやってくれる・・・」




穂乃果「えー?でもことりちゃんはいいって言ってたよぉ?衣装の準備だってしてくれてるし」



海未「うっ・・・あれを着るのですか・・・?」



ひかり「まぁそこは覚悟しておいてくれ」



海未「な、何を他人事のように・・・!」



ひかり「他人事だからな」











ガラガラ




ことり「あ、穂乃果ちゃん!」



穂乃果「ことりちゃん!お待たせ〜!」



ひかり「どうだ南、そっちの方は?」



ことり「はい、材料は一通り揃えて、あとは作っていこうとしてるところです」



ひかり「そうか、よろしく頼む」







穂乃果「はー、他にも決めておかなきゃいけないことがたくさんあるよね〜」



ひかり「私は何度もそう言ってるぞ」



穂乃果「サインでしょ?街を歩くときの変装の方法でしょ?」



ひかり「どうでもいいことばかりだな」



海未「そんなの必要ありません」






ことり「それよりーー」



穂乃果「え?」







ことり「グループの名前、決めてないし・・・」



穂乃果「おぉ・・・!」


海未「あ・・・」




ひかり「はぁ・・・」










ーー図書室ーー



穂乃果「なかなか思いつかないよねぇ」



ことり「何か私たちに、特徴があればいいんだけど・・・」



ひかり「私が見る限り、お前たち3人、性格はバラバラだからなぁ」



海未「そうですね・・・」



穂乃果「ひかりちゃん、何かいい名前ないの〜?」



ひかり「私にネーミングセンスを期待しないでくれ」












穂乃果「う〜ん、じゃあ・・・じゃあ・・・!」




穂乃果「あ・・・そうだ!」







ーーグループ名募集ーー



穂乃果「これでよしっ!」



海未「丸投げですか・・・」



穂乃果「こっちのほうがみんなも興味持ってくれそうだし!」



ことり「そうかもね」



ひかり「物は言いよう・・・か」








穂乃果「よーし!次は歌と踊りの練習だー!」



ひかり「それはいいが、場所は?」





ーー校舎前ーー



ガシャッ



あはは!


イェーイ!




穂乃果「・・・・・」




ーーグラウンドーー




穂乃果「うーん、ここだと邪魔になっちゃいそう・・・」



ひかり「他の部も練習に使っているからな」





ーー体育館ーー



穂乃果「うわぁ、ここも全部使ってる・・・」









ーー空き教室前ーー



穂乃果「うーん!・・・うーん!」ガチャ ガチャ



ことり「鍵がかかってる・・・」



海未「空き教室は使えないんですね」






ーー職員室ーー



山田先生「空き教室を?何に使うんだ?」



穂乃果「スクールアイドルの練習にーー」



山田先生「お前らが?アイドル?」







山田先生「・・・へっ!」



ことうみ「///」



穂乃果「はっ・・・!鼻で笑った!///」



ひかり「言ってくれる・・・」










ーー屋上ーー



穂乃果「で・・・」



海未「ここしかないようですね」



ことり「日陰もないし、雨が降ったら使えないけど、贅沢は言ってられないよね」



穂乃果「うん」



ひかり「私としては、通い慣れたこの場所なら馴染みやすいがな」



海未「ひかりは、よくここに来ていたのですか?」



穂乃果「ひかりちゃん、お昼休みになるといつもここに一人でいるんだ」



ひかり「いつもあの上で昼寝でもして過ごしていたからな」クイッ







穂乃果「でも、ここなら音も気にしなくて済みそうだね」



穂乃果「よーし!頑張って練習しなくちゃ!」






穂乃果「まずは歌の練習から!」



ことうみ「はいっ!」







穂乃果「・・・・・」


ことり「・・・・・」


海未「・・・・・」










ひかり「んで?曲は?」



海未「私は知りませんが・・・」



穂乃果「私も・・・」



ことり「あはは・・・」





ひかり「・・・はぁ・・・」












ひかり「だから言っただろ穂乃果、必要なものはたくさんあると」


ひかり「曲を作るにしても、作詞は園田が協力してくれるが、作曲できるやつがいなきゃ無理だろう」



海未「私はさすがに作曲は・・・」



ことり「私にも、無理かなぁ・・・」



穂乃果「そ・・・そうだったね・・・あはは・・・」








ひかり「・・・わかった、私のほうで出来そうな人物がいないか探してみよう」



ことり「そんなことが出来るんですか?」



ひかり「私の家庭事情も色々あってな、一応顔が広いつもりでいる、間に合うかどうかは保証できんがな」



海未「すみませんが、ひかりを頼るしかなさそうですねーー」





穂乃果「あ!そうだ!」



ひかり「ん?穂乃果?」








ーー1年生教室ーー



穂乃果「失礼します!」ガラガラ



花陽「・・・?」


凛「・・・?」




穂乃果「1年生のみなさんこんにちは!スクールアイドルの、高坂 穂乃果です!」





・・・・・・・・・・




穂乃果「あれ?全く浸透してない・・・?」



海未「当たり前です!」



ことり「それで、穂乃果ちゃんが言ってた、歌の上手な娘は?」



ひかり「ここにいるんじゃなかったのか?」




ガラガラ



真姫「・・・・・」



穂乃果「あ!」


真姫「・・・?」



穂乃果「あなた!ちょっといい?」ダキッ


真姫「うぇっ?私?」












真姫「お断りします!」



穂乃果「お願い!あなたに作曲してもらいたいの!」


ひかり「確かに急な話で悪いがーー」



真姫「お断りしますっ!」





穂乃果「あ・・・もしかして歌うだけで作曲とかはできないの?」



真姫「・・・ッ!」キッ


真姫「できないわけないでしょ!」


穂乃果「うっ・・・!」






真姫「・・・ただ、やりたくないんです、そんなもの・・・」



ひかり「・・・・・」







穂乃果「学校に生徒を集めるためだよ!その歌で生徒が集まればーー」



真姫「興味ないです!」ガチャッ バタン











穂乃果「"お断りします!"って、海未ちゃんみたい」



海未「あれが普通の反応です」



穂乃果「はぁ、せっかく海未ちゃんがいい歌詞作ったのにーー」



海未「なっ・・・!?ダメですっ!!」



穂乃果「何で!?曲ができたらみんなの前で歌うんだよ!?」



海未「それはそうですが・・・!」





ひかり「・・・・・」カツ カツ カツ



ほのうみ「・・・?」



ことり「ひかりさん?どこに?」



ひかり「・・・ちょっと用事ができた」ガチャッ バタン



穂乃果「・・・ひかりちゃん?」








ーー音楽室ーー



コツ コツ コツ








真姫「・・・・・」


真姫「ん・・・?」






ひかり「よぉ」



真姫「ヴエェッ!?」






ガラガラッ


ひかり「すまないな驚かせて、やっぱりここにいたようだな」



真姫「・・・作曲のことなら断ったはずですよね?」



ひかり「あぁ、それに関しては、うちの幼馴染が迷惑をかけた、代わりに詫びさせてくれ」



真姫「・・・何の用ですか?」



ひかり「いや、別に用事ってほどのものではない、ちょっとピアノを聴かせてもらおうと思ってね」



真姫「はぁ?何でわざわざーー」



ひかり「穂乃果が目をつけた君の腕がどれほどのものかと思ってな、聴かせてはくれないか?」



真姫「はぁ・・・勝手にすれば?」



ひかり「ありがとう」







真姫「・・・・・」







すぅ・・・







♪ 愛してるばんざーい!♪



♪ ここでよかった 私たちの今がここにある ♪





♪ 愛してるばんざーい!♪



♪ 始まったばかり 明日もよろしくね まだゴールじゃない ♪







ひかり「・・・・・」









♪ さあ! 大好きだばんざーい!♪



♪ まけないゆうき 私たちは今を楽しもう ♪






♪ 大好きだばんざーい! ♪



♪ 頑張れるから 昨日に手をふって ほら前向いて ♪








真姫「・・・・・」



ひかり「ほぉ、大したもんだ、思わず聴き入ってしまったよ、これも君が作曲をしたのか?」



真姫「べ・・・別に・・・」





ひかり「いやぁ謙遜することはない、ピアノの方もいい腕だった、ピアニスト志望か何かか?」



真姫「・・・・・」










ひかり「そりゃあ穂乃果も君に目をつけるわけだ」








ひかり「だが・・・」




真姫「・・・何よ?何か文句でもあるの?」





ひかり「いや、文句と言うよりはな・・・」















ひかり「君の奏でた音色が、どこか寂しげに聴こえたのは、何故だろうと思ってな」










真姫「・・・何よそれ・・・」



ひかり「さぁな、邪魔して悪かった」


ひかり「また会おう・・・」ガラガラッ





真姫「・・・・・」







ーー2年生教室ーー




コツ コツ コツ



ひかり「ん?」



穂乃果「・・・・・」



ひかり「どうした穂乃果?元気ないな?」



穂乃果「・・・ひかりちゃん・・・」









絵里『スクールアイドルが今までなかったこの学校で、やってみたけどやっぱりダメでしたとなったら、みんなどう思うかしら?』


絵里『私もこの学校がなくなってほしくない、本当にそう思っているから、簡単に考えてほしくないの』








ひかり「絢瀬のやつ、そんなことを・・・」



穂乃果「うん・・・私、ちょっと簡単に考えて過ぎだったのかも・・・」



ひかり「ようやく気づいたか」



穂乃果「でも、ふざけてやろうって言ったわけじゃないよ、海未ちゃんのメニュー、全部こなしているし、おかげで足は筋肉痛だけど・・・」



海未「確かに、頑張っているとは思いますが、生徒会長が言ったことは、ちゃんと受け止めなくてはいけません」



穂乃果「そうだよね、あと一ヶ月もないんだもんね」



ことり「ライブをやるにしても、歌う曲くらいは決めないと・・・」



ひかり「今から作曲者を探すにしても、間に合う保証はない」



海未「そうなると、歌は他のスクールアイドルのものを歌うしかないと思います」



ことり「そうだよね・・・」



穂乃果「・・・うん」








ーー廊下ーー




穂乃果「・・・・・」テクテク



ひかり「・・・・・」カツ カツ カツ








ヒデコ「どう?練習は?」



穂乃果「あ・・・」



フミコ「ライブ、なにか手伝えることがあったら言ってね」



ミカ「照明とかお客さんの整理とか、色々やらなきゃいけないでしょ?」



穂乃果「え?ホントに?」



ヒデコ「うん!だって穂乃果たち、学校のために頑張ってるんだし」



ミカ「クラスのみんなも、応援しようって言ってるよ!」




穂乃果「・・・そうなんだ・・・!」



ひかり「持つべきものは友だな、穂乃果」





穂乃果「あ、でもみんな、照明とかって使えるの?」



フミコ「うん、実はこの前、ひかりさんにみっちり叩きこまれてね」



穂乃果「ひかりちゃんが?」



ひかり「協力者が欲しかったからな、3人とも飲み込みが早かったぞ、プロ顔負けなセンスだった」










フミコ「頑張ってね〜」テクテク



穂乃果「あ・・・ありがとう!バイバ〜イ!」



ひかり「あの3人に頼んで正解だったな」



穂乃果「よっし!今日も練習、頑張るぞ〜!」タタタタタ



ひかり「おーい!はりきり過ぎて転ぶなよー!」


ひかり「聞いちゃいないかーー」





ひかり「・・・ん?」








真姫「・・・・・」つチラシ



ひかり「・・・あいつは・・・」





真姫「・・・・・」スタスタ




ひかり(私たちの宣伝のチラシを持って行ったな・・・)


ひかり「ん?」





ひかり「・・・生徒手帳・・・落し物か」ペラッ










ひかり「・・・"西木野 真姫"・・・そうか、あの子が・・・」


ひかり「・・・届けてやるか・・・」

















ーー西木野宅ーー





ひかり「・・・予想はしていたが、大した豪邸だ」




ピンポーン



真姫ママ「はい」



ひかり「失礼します、西木野 真姫さんと同じ学校に通う、北河 ひかりと言う者ですがーー」













ひかり「・・・・・」



真姫ママ「ちょっと待ってて、病院のほうに顔出してるところだから」



ひかり「病院・・・」



真姫ママ「あぁ、うち病院を経営していて、あの子が継ぐことになっているの」



ひかり「ええ、よく知っていますよ、西木野大病院でしょう?」



真姫ママ「そう、でもよかったわ〜、高校に入ってから、友達一人遊びにこないから、ちょっと心配してて」



ひかり「そうだったんですか・・・」






真姫ママ「待ってて、今お茶淹れてくるから」


ひかり「いえ、お気遣いなく」



真姫ママ「あぁ、改めてお名前伺っていいかしら?」
















ひかり「・・・"北河"と言えば、おわかりになりますか?」



真姫ママ「"北河"・・・まさかあなたが?」












ひかり「ええ、"北河財閥当主、北河 護皇"の孫娘、北河 ひかりです」



真姫ママ「あらあら、そうとは知らずにごめんなさい」



ひかり「お気になさらず、私もあくまで家を継ごうとしているだけの身ですから」


ひかり「それに、西木野大病院には昔からお世話になっていますので」



真姫ママ「いえいえ、こちらこそ北河さんの援助があるから経営が成り立っているようなものですわ」



ひかり「そんなにかしこまらないでください、所詮私は孫娘ですから」




真姫ママ「あら、じゃあそうさせてもらおうかしら」


真姫ママ「それにしても、世間は意外と狭いものね〜」



ひかり「まったくです」






ガチャッ


真姫「ただいま〜、誰か来てるの?」



真姫ママ「うふ♪」



真姫「あ・・・」



ひかり「よぉ、また会ったな」



真姫「・・・・・」



真姫ママ「お茶淹れてくるわね」











真姫「何の用?家にまで押しかけて来て・・・」



ひかり「あいよ」つ生徒手帳



真姫「え?」



ひかり「落し物だよ、届けに来たんだ」



真姫「な、何であなたが?」



ひかり「なに、単なる偶然さ」










真姫「あ・・・ありがと」






ひかり「私たちの活動に興味を持ってくれたようだな」



真姫「は?何のことよ?」



ひかり「ポスター、見てただろ?」



真姫「私が?知らないわ、人違いじゃないの?」










ひかり「生徒手帳、どこに落ちてたか教えてやろうか?それと、持って帰ってくれたチラシ、ここから見えてるぞ」



真姫「あ・・・///ち、違うの!」


真姫「ちがっーー」ガッ






真姫「いっ・・・たぁーー」グラッ


真姫「わあぁぁっ!?」ガタッ!




ひかり「お・・・おい大丈夫か?」



真姫「へ・・・平気よ、まったく!変なこと言うから!」



ひかり「そんなに変だったか?勝手に動揺しただけにも見えたがな」クスクス



真姫「・・・・・」ムーッ









真姫「・・・作曲の件、まだ諦めてなかったのね」



ひかり「こんなことを頼める人間は少ない、あっさり諦める訳にもいかなくてな」



真姫「しつこいですね」



ひかり「すまない」



真姫「・・・わ、私、ああいう曲あまり聴かないから・・・聴くのはクラシックとか・・・ジャズとか・・・」




ひかり「ほぉ、なんでまた?」



真姫「・・・軽いからよ、なんか薄っぺらくて・・・ただ遊んでるみたいで・・・」



ひかり「ひどい言われようだな、まぁ確かに端から見てれば、そういう風に見えるかもな」








真姫「・・・それに・・・私ね、大学は医学部って決まってるの」



ひかり「ほぅ・・・」



真姫「・・・だから・・・私の音楽はもう・・・終わってるの・・・」




ひかり「・・・・・」



真姫「・・・・・」















ひかり「ふっ・・・ふふふふ・・・」


真姫「・・・?」





ひかり「ははは・・・あははは!」



真姫「な、何がおかしいのよ!?」



ひかり「西木野、お前はおもしろいやつだ」



真姫「はぁ?」



ひかり「お前は、本当に心にもないことを言うのが得意だな」



真姫「な・・・何が・・・?」










ひかり「だって、さっきから言ってることと思ってることがまるっきり逆じゃないか」



真姫「どういうことよ?」








ひかり「"私の音楽はもう終わってる"と言ったな?」


ひかり「そう言うわりには毎日音楽室に通って、ピアノの弾き語りをしているらしいじゃないか、穂乃果から聞いたぞ」




真姫「・・・!///」



ひかり「それに、ピアノを弾いている時の西木野の目、ものすごく充実していた」








ひかり「・・・まだ自分の音楽を、終わらせたくは無いんじゃないのか?」



真姫「・・・・・」
















真姫父『なんだ、1位じゃないのか』


真姫父『なに、真姫は勉強では学校で一番だからな』




真姫父『ピアノができるよりずっとすごいさ』



まき『・・・・・』















真姫父『真姫はえらいな、いつも勉強ができて』



真姫父『このままなら西木野病院の名女医さんだぞ』








まき『・・・うん』







まき『・・・おおきくなったら、おいしゃさんになるの・・・』ニコッ

















真姫「な・・・何を知ったふうに・・・!」



ひかり「あぁすまない、私はそういうふうに思っただけだ」




ひかり「確かに西木野の場合は、家を継ぐこともあるからな」


ひかり「私も祖父を継ごうとしている身、少なからず気持ちはわかっているつもりだ」



真姫「・・・フン!」












真姫「え?ちょっと待って」



ひかり「なんだ?」



真姫「家を継ぐって言ったら、普通は次の代じゃないの?あなたの親は?」


















ひかり「・・・私の両親は、もういないんだ」



真姫「え・・・」




ひかり「私が小学生の頃に2人とも亡くなっている、父は事故で、母は病気で・・・」




真姫「あ・・・」




ひかり「だから私は、祖父のところに引き取られて、そこで祖父の仕事を見続けていた」


ひかり「それだけで祖父が家を継がないかという話を持ちかけられたのはありがたいことだが、それが自分のやりたいことかと聞かれると疑問を抱く」



ひかり「・・・西木野も、そうなんじゃないのか?」




真姫「わ・・・私は別に・・・」









ひかり「・・・まあいいさ、自分の中で答えが決まっていればな」



真姫「・・・・・」







ひかり「そういえば西木野、さっき私たちがやっていることが遊んでるみたいに見えると言ったな?」



真姫「・・・それがどうかした?」



ひかり「さっきも言ったが、確かに端から見ればそういうふうに見えるかもしれんな」



ひかり「穂乃果のやつも言っていた、"お祭りみたいに、パーッと盛り上がって、楽しく歌ってればいいのかなぁ?"とかな」



ひかり「だが実際、そんなに甘い代物ではないんだよ」



真姫「・・・・・」






ひかり「なぁ、腕立て伏せ出来るか?」



真姫「はぁ?」



ひかり「出来ないのか?」



真姫「ヴェ・・・!で、出来るわよそれくらい!」








真姫「1・・・2・・・3・・・これでいいんでしょ?」



ひかり「なるほど、穂乃果より出来ているな」



真姫「当たり前よ!私はこう見えてもーー」



ひかり「じゃあそのまま笑顔を作れ」



真姫「え?何で?」



ひかり「いいからやってみろ」





真姫「・・・・・」



真姫「う・・・うぇえ・・・う・・・うぇええ・・・?」グッ グッ








ひかり「・・・言いたいことがわかるか?」



真姫「何のことよ?」



ひかり「まぁ、それでも穂乃果よりは出来ていたな」





真姫「まったく・・・」パンパン




ひかり「・・・・・」スッ



真姫「え・・・何よそれ?」



ひかり「こちらで用意した歌詞だ、お前に渡しておく」



真姫「だから私はーー」



ひかり「目を通すかどうかは西木野が決めればいい」


ひかり「お前の出した答えが、お前自身の意思によるものなら、私はそれに従う」



真姫「・・・答えが変わることはないと思うわよ?」



ひかり「ならばそれでいい」



ひかり「だがな西木野、これだけは忘れるな」






ひかり「"常に自分の道を決めるのは、周りの人間や状況ではなく、自分自身の意思であるべき"だ」



ひかり「そうでなければ必ず、どんな形だろうが後悔がつきまとうことになる」スタスタ



真姫「・・・・・」









ひかり「・・・毎日、朝と夕方に神田明神の階段でトレーニングをしている・・・」



真姫「え・・・?」






ひかり「・・・今のは、私の独り言だがな」







ひかり「さて、私も合流しなきゃならんから、失礼するよ」スタスタ




ガチャ バタン




真姫「・・・・・」




















スタスタ



真姫ママ「あら真姫ちゃん、またお出かけ?」



真姫「うん、ちょっとね・・・行ってきます」


ガチャ バタン




真姫ママ「あらあら♪」



















ーー神田明神ーー



真姫「・・・・・」









穂乃果「もぉーダメぇー!!」はぁ・・・はぁ・・・



ことり「もう・・・動かない・・・!」はぁ・・・はぁ・・・



海未「ダメです!まだ2往復残ってますよ?それとも諦めますか?」





穂乃果「もう!海未ちゃんの悪代官!!」





ひかり「それを言うなら、鬼教官ってとこだな」スタスタ



海未「ひかり」



ひかり「やっているようだな、やはり園田に任せて正解だったよ」




海未「えぇ、一度目標を定めたのなら、それに向かって全力で臨んでいただかなくてはなりません、そのための尽力は惜しみませんよ」



ひかり「その調子で頼むよ、鬼教官殿」



ことり「ふぇぇ・・・!」















真姫「・・・・・」



???「・・・・・」グワッ






ワシッ






きゃあぁぁっ!!






ひかり「・・・?」



穂乃果「なに・・・?」



ことり「さぁ・・・?」













真姫「な・・・な・・・!」


真姫「何するのよ!?」




希「まだ発展途上と言ったところやなぁ」



真姫「はぁ!?」ガバッ



希「まだ望みは捨てなくて大丈夫や、大きくなる可能性はある」



真姫「何の話!?」






ひかり「まったくだよ、東條」スタスタ




真姫「あっ・・・!///」






ひかり「・・・何やってんだよ?」



希「まぁまぁ気にしない気にしない♪」



ひかり「気にするだろ普通・・・お前、男だったら通報されてるぞ」









ひかり「それにしても、こうまで早く来てくれるとは思わなかったよ西木野、興味を持ってくれたのか?」



真姫「わ・・・私は別にたまたま通りかかっただけでーー」



ひかり「おいおい、さすがにそれは苦しいんじゃないか?」



真姫「うぅっ・・・///」










希「・・・・・」



真姫「な・・・なによ?」



希「恥ずかしいなら、こっそりという手もあると思うんや」



真姫「だ・・・だから何ーー」









希「わかるやろ?」スタスタ



真姫「・・・・・」


ひかり「・・・・・」












ひかり「ったく東條のやつ、美味しいとこだけ持って行きやがって・・・」



真姫「・・・・・」






ひかり「見学してくか?」



真姫「・・・!」プイッ


スタスタ











ひかり「・・・やれやれ」















ーー翌日、ひかりの家ーー




クサフグ「・・・・・」スイスイ



ひかり「・・・よし、じゃあ行ってくるぞ」コンコン



クサフグ「・・・・・」プクーッ








ひかり「・・・ん?」ガサガサ










ひかり「・・・これは・・・?」つCD












ひかり「ふっ・・・そうか・・・」








ーー音ノ木坂学院2年生教室ーー



海未「入ってた!?」


ことり「本当!?」





穂乃果「あったよぉー!」


穂乃果「一枚!」








ひかり「どうしたお前ら?」スタスタ



ことり「グループ名の応募がひとつだけあったんです!」



ひかり「なんだと?」










ペラッ



ーーμ'sーー



穂乃果「ゆ・・・ゆぅず?」



ひかり「そりゃμ's(ミューズ)って読むんだよ」



穂乃果「あぁ!石鹸!?」



海未「違います」



ひかり「おそらく、神話に出てくる女神からつけたんだろう」



穂乃果「へぇ・・・」




ことり「いいと思う!私は好きだな♪」




ひかり「ずいぶんシャレた名前だな、悪くない」



穂乃果「・・・μ's・・・」









穂乃果「うん!今日から私たちは、μ'sだ!」














希「・・・・・」ニコッ



スタスタスタ









ひかり「それともう1つ、μ'sのお前たちにプレゼントだ」スッ



ことり「CD?」



海未「それは一体?」



ひかり「ここじゃ聴けないから、ついてこい」






ーー屋上ーー





パカッ


カチャッ





穂乃果「・・・いくよ・・・!」



ことうみ「・・・・・」





♪ エンディングテーマ START:DASH!! 真姫ソロ piano ver ♪




♪ I say… ♪



穂乃果「こ・・・この歌声・・・!」



♪ Hey,hey,hey,START:DASH!! ♪



穂乃果「すごい・・・歌になってる!」



♪ Hey,hey,hey,START:DASH!! ♪





ことり「私たちの・・・」


海未「私たちの歌・・・」





ひかり(ピアノの音色が、変わった・・・)





穂乃果「わぁ・・・!」



♪ うぶ毛の小鳥たちも ♪


♪ いつか空に羽ばたく ♪


♪ 大きな強い翼で飛ぶ ♪



ピピピッ


ポン





ひかり「む・・・?」



音ノ木坂学院

アイドル部 μ's (ミューズ)


RANK999


Congratulation!ヽ"( ´ ∀`)ノ"







海未「票が入った・・・?」



ひかり「・・・ふっ」スタスタ



♪ 諦めちゃダメなんだ ♪


♪ その日が絶対来る ♪


♪ 君も感じてるよね ♪


♪始まりの鼓動 ♪





穂乃果「さぁ!練習しよう!」




ことり「うん!」


海未「ええ!」











真姫「・・・・・」ニコッ








ツカツカ



ひかり「よぉ」



真姫「・・・!///」







ひかり「・・・今度は、お前の口から聞きたいものだな」



真姫「・・・フン」プイッ








ひかり「いつでも待っている」


ひかり「また会おう・・・」スタスタ







真姫「・・・・・」











♯4 report4 西木野 真姫 「コトバとココロ」 fin















おまけ




ーーひかりの家ーー




ひかり「・・・・・」



クサフグ「・・・・・」プクーッ



ひかり(・・・そういえば今日だったな・・・)









俺「おい」



ひかり「・・・・・」



俺「おい」










ひかり「・・・・・」カチャッ


♪ I say… ♪


♪ Hey,hey,hey,START:DASH!! ♪



俺「お嬢ちゃん、俺との話を無視するために真姫ちゃんを使わないでよ」












ひかり「・・・また来たのか?」



俺「もちろん!さぁ、何でも質問してくれたまえ!」



ひかり「お前な、毎回毎回ちゃんとした質問があると思うなよ?」











Q1



ひかり「今回のメインは西木野だったな」



俺「あぁ!真姫ちゃんに関してはみんな思っただろうって感じにはしたつもりだよ」



ひかり「そりゃあどういうことだ?」



俺「真姫ちゃんは口では否定してたけど、本心ではずっと仲間になりたかったんだよ」



ひかり「はぁ・・・?」



俺「いや、ひかりちゃんにもわかったでしょ?あの娘の行動を見てたら、明らかに仲間に入りたいってのがさ」


俺「でなきゃ口で否定しておいて、作曲してくれたり、練習を覗きに来たりしないでしょ?」



ひかり「私もそう思ったから西木野に手を差し伸べたんだ、まだ応えてくれてはいないがな」



俺「みんなは真姫ちゃんが"チョロい"からって言うけど、俺は"口で否定してるけど、本当はみんなの言うとおりにしたい"から、なんだかんだ言いつつ、いつもYESって言ってくれるんだと思うんだよね〜」








俺「まぁ今回の話だと、ちょっとわかりにくかったかなぁ?」



ひかり「確かに、西木野を語り切るにはまだ甘かったかな」







Q2



俺「そういえばひかりちゃん、君っていいとこのお嬢様なんだってね?」



ひかり「"北河財閥、跡取り候補の孫娘"だ」






俺「まぁ知ってるんだけどさ」



ひかり「なんだよ・・・」










俺「あと、小学生の頃に両親を亡くしたって聞いたけど」



ひかり「あぁ」



俺「そのあとおじいちゃんのとこに引き取られたんだよね?いつどうやって音ノ木坂に戻ってきたの?」







ひかり「すぐに穂乃果に"戻って来て"って泣きつかれたんだよ」



ひかり「私は無理な願いだと思ったんだが、お祖父様がその無理を聞いて下さってな」



俺「へぇ」



ひかり「中学に上がる前に、今住んでるここ、賃貸物件を手配して、生活費も援助して下さっている」



ひかり「だから私は今も、音ノ木坂に一人暮らしをさせていただいているというわけだ」
















俺「まぁ知ってるんだけどさ」



ひかり「だからなんなんだよ!?」





Q3




ひかり「質問・・・とは違うが、コメントが1つ来てたな」



俺「え?ホント?」



ひかり「あぁ、だが悪い知らせだ」



俺「あらら?何て?」











ひかり「"オリキャラは、邪魔、いらね"と・・・」



俺「・・・そっか・・・すまないねひかりちゃん、君にわざわざ読まさせちゃって」



ひかり「気にしないでくれ、"ラブライブ!"は本来、彼女たち9人で完成された作品だ、こういう意見が出るのも無理はない」



俺「・・・ありがとう、ひかりちゃん、でも始めたからには最後まで続けたい、俺はそう思ってるよ!」



ひかり「そうか、期待してるよ」



俺「今回は残念ながら評価されていないコメントだったけど、誰か1人でも応援してくれると、俺は嬉しいな!」



ひかり「あぁ、そうだな」








俺「よし、今日はこんなとこかな」



ひかり「あぁ・・・」













俺「・・・お嬢ちゃん?そろそろ今回はおひらきにするよ〜?」





ひかり「あぁ・・・」









俺「お嬢ちゃん聞いてる?俺帰っちゃうよ?いいのかい?」















ひかり「・・・で?」






俺「いやぁ、そろそろ別れを惜しむ言葉のひとつあってもいいんじゃないかなぁとーー」


ひかり「ない」




俺「ひどいなぁ・・・俺もう来なくなっちゃうかもよ?」


ひかり「来てほしくもない」






俺「そっかー、いつになったらひかりちゃんが俺に心を開いてくれるのかーー」


ひかり「ない」





俺「それじゃまたね、バイバ〜イ!」







クサフグ「・・・・・」スイスイ



ひかり「・・・・・」カチャッ






♪ I say… ♪


♪ Hey,hey,hey,START:DASH!! ♪






ひかり「・・・♪」



クサフグ「・・・♪」スイスイ







おわり


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