2017-02-21 17:55:49 更新

概要

捨てられた提督は仲間を見つけた居場所を見つけた

過去と未来・・君の居た鎮守府から自分に出来ることを見つけていこう

そしてこれからを共にこれからも歩んで行こう

過去に負けない様に・・

研修生達との日々も後少しで終わりを迎える

毎日毎日が退屈のない日々だった

でも、それも後少しで終わる

研修が終わった時きっと研修生たちも提督も大きく成長出来るだろう

彼等なら


前書き

これは【捨てられた鎮守府と捨てられた提督】の続編の【おんぼろ鎮守府と捨てられた提督】の続編の【おんぼろ鎮守府と歩み続ける提督】の続編の【大切な鎮守府と歩み続ける提督】の続編の【大切な鎮守府と道を照らす提督】の続きになります。まず、それらから見てもらわないと全く分かりません

もう何が何だか分かりませんね!!

専門用語とかは全く分かりませんし、文章もおかしかったりしますが、中傷コメなどはせず、気にいらない方はそっと戻るボタンを押して忘れてください

それでも良い方はどうぞ見てやってコメントを残してやってください

キャラ崩壊注意ですよ!


現在までの西鎮守府の面々


【妙高】


先代の西提督の代からいる艦娘で昔に現在の西提督と出会っており


子供がするような簡単な約束(将来はパパと結婚するの!と言う娘のようなくらい)をして


その約束で西提督と再び出会い妙高は隠居はまだ早いと決め


部分解体の予約をドタキャンして西鎮守府へ居続ける事を決めた


尚、初期艦は妙高ではない


【文月】


ドロップ艦だったが見捨てられてしまうが自力で海を脱出


しかし、浜で力尽きて倒れてしまう


そこをジョギング中の西提督が見つけ連れて帰った(事案発生)


最初は艦娘とは気づかずに親を探していたが艦娘と知り西鎮守府へ受け入れた


最初の頃はよく泣いていたが妙高にあやしてもらいなんとかなった


駆逐艦の中では一番強い


【川内】


西提督との肉体言語(戦い)によりその熱い拳に何かを感じて仲間になる


最初は西提督を暗殺する目的だった


大体諜報活動でほとんど鎮守府に居らず忍者のように気付いたら居るという事もある


東鎮守府にいる妹であるアイドルの那珂を影から応援している


そして批判する奴らを影から・・


【イムヤ】


西鎮守府で野良艦娘期間が一番長い艦娘であり


その所為か生への執着が異常で生きる為なら海の底の藻を食べたり、人に言えない物も口にしたりして何がなんでも生きようとする野性心を持っている


出会いは海の底で空腹の限界を迎えて力尽きようとした時水面に大きな影を見つけて咄嗟に噛み付いたら


西提督のケツだった


西提督の条件反射で殴られて弱っていたのもあり気絶した


そして気付くと西鎮守府にいた


そこから最初こそツンだったが今ではデレとなっている


イムヤは今でも西提督のケツの噛み付いた感触を忘れられず


ムンムンしている


ケツの歯型はお気に入り


イムヤ大事ランキング


1位、西提督のケツ


2位、仲間達(西提督本体や研修生達も含む)


3位、カロリーメイト(メープルシロップ味)


4位、イムヤを釣り上げた釣竿


【愛宕】


一人小型船で遠征に挑戦していた西提督の前に二つの山が浮いていた


仰向けに浮いていた愛宕だった


野良艦娘だったが燃料が尽きてしまい沈む寸前だった


助けようとしたが愛宕に敵と間違われ水中へ引きずり込まれ


なんやかんやで二人して西鎮守府の近くの浜へ流れ着き


海を忘れられずこっそりと海を見に来るライフセイバーの木嶋さんに助けられどうにかなった(その後ライフセイバーの木嶋さんは禁止区域侵入により捕縛され然るべき措置をされたと言う)


今は温厚な性格だが、西鎮守府に来た頃は喧嘩夜露死苦状態だったが妙高に負けて改心した


彼女がよく使うパンパカパーンと言う言葉は他の愛宕が言ってるのを見て真似ているだけで本人も意味はよく分かっていない


【阿武隈】


イムヤの次に野良艦娘期間が長かった艦娘である


彼女もイムヤ同様生きようと必死だった為に阿武隈によく見られる前髪を気にする素振りは全くない


寧ろ前髪を邪魔だと思って切ろうとしたところを他の娘に止められ渋々そのままにしている


本人は坊主でも良いと思っている


出会いは阿武隈から西鎮守府にやって来たのだ


しかし、全てを諦めきった目に痩せ細って今にも倒れそうだった彼女は明らかに生きる気力をなくしていた


生きる事に疲れてしまい自ら解体を望んだが西提督はそれを拒否


温かい食事と住居を提供して段々と元気になった


そしていつの間にか解体される為に来たのを忘れて西提督の恩返しの為に西鎮守府へ着任した


今ではみんなに振り回されて苦労していたりするがその目は昔と違い輝いていた


此処に来る前に何があったのかは不明


【朝潮】


遠征中にいきなり襲って来たのを捕まえて西鎮守府へと連れて帰った


かなり人を恨んでおり説得するも聞く耳を持たず


このままにしておく事は出来ず苦渋の決断により解体する事になった


しかし、荒潮がそれを拒否して助け出そうとする


妙高と西提督に涙を流しながら一人でかかって行く荒潮の姿


そして途中で西提督も加わりの妙高へかかって行く姿に


もう一度だけ信じてみようと決めた


尚かかって行った二人は数秒で無力化された


今では人に対して寛容にはなってるが悪い噂などのある人には厳しい態度をとってしまう


最初の提督への裏切り者の息子の一件による自分のしていた態度を気にして金髪に対して普通に接っする事に少し抵抗がある


【荒潮】


ドロップ艦だったが相手の提督が荒潮の受け入れを拒否その場での処分を言い渡したが


相手の提督がクソ野郎な為に艤装の燃料が切れるまで追いかけ回すように命令して荒潮は逃げ回るがやがて艤装の燃料が切れてしまい溺れてしまう


しかし、周りの艦娘達はそれをただただ見ていただけだった


荒潮の海への恐怖心は此処から来ている


その後偶然通りかかった妙高率いる第1艦隊にギリギリ救助され、命令とは言えこんな事をした相手の艦娘達に妙高の怒りの説教により全員精神的大破


後日その鎮守府には西提督が遊びに行ったらしい


相手の提督は・・・・


最初は艤装を付けていても海へ出る事が出来なかったが妙高の優しくもない訓練により出れるようになったが妙高に少し苦手意識が出来てしまった


でも、感謝はしている


【祥鳳】


西鎮守府に艦載機が引っかかり回収


その後日たくさんの艦載機が強襲


皆の力もあり全てを撃ち落とすと真っ白に燃え尽きた祥鳳を発見


どうやら一機なくなっていた艦載機が西鎮守府にあると知り取り返そうとしていたらしく


その後艦載機を返すと涙を流して喜び西鎮守府に住み着いてしまいなんやかんやで西鎮守府所属になった


艦載機に対してかなりの愛着があり一機落ちると数時間の黙祷をしてしまうので実戦には向かない


でも、西提督船を誰よりも上手く操縦出来るので必要な人材ではある


【雷】


暁、響、雷、電の四人で協力しながらどうにか野良艦娘として海で生きていたが深海棲艦に襲われみんなと別れてしまう


その後単身別の深海棲艦に襲われた所を西鎮守府の艦隊に助けられた


最初こそ警戒していたが姉妹探しに協力してくれるという事で正式には西鎮守府所属ではないが西鎮守府で力を貸しながら姉妹を探している


電はおんぼろ鎮守府に居て本人も残るとの事なのでそのままにしている


最終的には姉妹を連れて再び海へを目指していたが


段々と変わってきている


最近初めての事が多くて戸惑っている


【西提督】


筋肉であり筋肉なのだ


おんぼろ鎮守府所属の面々と予定


【人】


提督(夕立、時雨)、憲兵


【艦娘】


如月、電、不知火、間宮、まるゆ、鳳翔、大井、曙、羽黒


【元艦娘】


明石、夕張


【???】


北上、吹雪


自分を信じて


研修4日目の提督が眠りについて少しして


誤報だという事が分かり残った眠っていない艦娘達は防衛の為に準備していた物などの片付けをしていた


起きている者は数にして半分以下で中には震えて動けない娘やボコボコにされてピクピクしてる娘もいた


誤報だったとしても確かに相手はいた


そして相手に執務室まで侵入を許してしまった


相手が敵でなかったから良かったがもし敵なら大変な事だった


元艦娘だとしても人間と変わらない


彼女達はそれを理解してるだからこそ


その人間に此処までやられてしまった


愛宕防衛ラインは愛宕を除いて全員がボコボコにされていた


幸いな事に傷は一つもなかった


でも、それは相手に手加減をする余裕があったからとも言える


彼女達は悔しさを噛み締めながら中には泣きながら片付けをしてる娘もいた


鎮守府内は完全にお通夜雰囲気だった


そう、悔しさで・・・


と言うのは嘘である


本当はこんな紙にも等しい防衛戦により最低の結果を出した事により


彼女達は怯えていた


我らが秘書艦妙高の怒りを完全に買ってしまった事に


説教は数時間に及ぶだろう


特別メニューの訓練は数週間に及ぶだろう


これは確実だ


そう思うと彼女達は自分も撃たれて眠ってしまえば良かったと何故もっと前に出なかったんだと後悔する者と怖くて仕方なく泣いてしまう娘が出来てしまった


普段は優しいが戦いの事になると鬼になる


でも、その鬼も余程の事がないと起きない


でも今回はその鬼に彼女達は踏みつけながら唾を吐きつけて起こしたのも同然


いつお呼びがかかってもおかしくない状態だ


恐怖のあまり過呼吸になる娘が続出した


これがなかったら彼女達は鼻歌まじりに今日の夕飯何かな?と考えながら片付けをしていただろう


だって相手は敵ではなかったし誰も犠牲者は出ていない大怪我をした者もいない


どんまいと言う事なのだから


でも、現実はそう甘くないこの事態を妙高が見逃す筈がない


そう言うわけで彼女達はビクビクしながら片付けをしていたのだった


その中を一人の少女が慌しく走っていた


その少女は執務室へ向かっていた


その慌ただしさから大変な事が起こったかもしれないと周りの娘達は思うだろうが今の彼女達はその足音にすらびびっている状態だった


少女は研修生の一人で黒髪だった


黒髪は迷わず執務室へ向かー


黒髪「あ、こっちじゃなかった!」


少し迷って執務室へと向かった


ドアの前に貼ってある入室禁止の札を無視してドアを開けた


〜ちょっと前〜


ー西鎮守府執務室ー


西提督「その・・すまん嫌だったよな」


妙高「い、いえ、嫌ではなかったです。寧ろ嬉しかったです」


西提督「え?今なんて」


妙高「なんでもありません!これも秘書艦として当たり前の事ですから」


西提督「そ、そうか」


妙高「そうです!」


西提督「・・・・・・」


妙高「・・・・・・」


西提督「提督がくれたチャンスなんだ・・男を見せろ俺」ボソッ


西提督「妙高!好きだ!」


妙高「へ?すき焼き?」


西提督「違う!好きなんだ!俺は妙高の事が異性として好きなんだ!」


妙高「っ!」耳ふさぎ


西提督「お、おい!」


妙高「今のは聞かなかった事にします・・だから」


西提督「そうか・・すまない。そうだよなこんな男・・気持ち悪いよな、ははは」


妙高「っ!違います!そう言う意味では!」


西提督「無理に言わなくて良い・・気持ちを言えただけでもスッキリ出来たからな・・悔いはない・・」


妙高「違うんです!そ、その」


西提督「少し外を走ってくる」ダッ


妙高「もう!待ってください!」ガシッ


西提督「っ!・・離してくれ少し一人にしてくれないか・・・少しで良いから」


妙高「聞いてください!私も好きです!西提督が好きなんです!」


西提督「すき焼き?・・好き?・・妙高が俺を?俺に言ったのか!」


妙高「貴方以外に此処には誰もー」


ダンボール「」がさがさ


ダンボールオープン


イムヤ「あぁ・・うぅ・・はぁ・」プルプル


妙高「・・・・・・・」ダンボールをそっと閉じる


妙高「貴方以外に誰もいません!」


西提督「お、おう、なら何故」


妙高「人と艦娘の恋愛はよく思われませんし確実にこれから茨の道を進む事になります」


妙高「私は良いんです・・西提督と一緒に居られるなら・・でも!貴方が苦しむ姿は耐えられません」


西提督「俺はお前が居てくれるならどんな辛い事も苦とは思わん」


妙高「みんなから軽蔑の目で見られるのですよ」


西提督「睨み返してやる」


妙高「上層部から嫌がらせもあるでしょう」


西提督「妙高や仲間に手を出すなら容赦しない」


妙高「だから不安なんです!私の所為でみんなを敵に回すなんて馬鹿げています!」


西提督「馬鹿だろうが!アホだろうが!俺はそう決めた!」


妙高「っ!嫌いです!西提督なんて嫌いです!」


西提督「俺は好きだ!妙高が好きだ!」


妙高「も、もう!知りません!勝手に・・」


ギュッ


妙高「っ!」


西提督「離さないからな、もう俺は決めた。お前を守る!何があっても離さない!」


西提督「俺が死ぬまで側に居てくれ」


妙高「・・・・・・」


妙高「嫌です・・・」


西提督「そうか・・・」


妙高「死ぬ時は一緒です・・」


西提督「っ!妙高」


妙高「西提督」


二人の顔が近づく


そうそれはもう言うまでもなくあれだ


お互いの愛のしるしをー


その瞬間


ガチャ


黒髪「西提督さん!先輩が!提督さん・・・が・・っ!」


西提督、妙高「「あ・・・」」


黒髪「こ、これは」


目の前でまさに西提督さんと妙高さんがキスをしようとした瞬間に入って来てしまったようだ


お互い同意の上でなら好きにすればいいと思うけど


黒髪「・・・・」チラッ


ダンボールオープン


イムヤ「あぅ・・・・ああ〜」ピクピク


二股はどうかと思う


あのイムヤさんの顔は女の顔だ


つまりそう言う事なのだろう


ダンボールをそっと閉じた


妙高「あわわ!」


西提督「そ、その聞いて欲しいこれはだな」


黒髪「・・・・・・・」


でも、そんな事は後回し今は


黒髪「西提督さん提督さんが大変なんです!すぐに来てください!」


西提督「っ!何があった!」


黒髪「とにかく来てください!」ダッ


西提督「分かった!」ダッ


妙高「私も行きます!」ダッ


バカップルを連れて先輩の所に急ぐ


イムヤさんは悪いけどお留守番


走りながら事を説明しようとしたけどすれ違う艦娘達が此方を見る度に悲鳴をあげているので声が聞こえない


妙高さんが一喝すると大人しくなるけど泡を吹いて倒れる娘もいた


私も少し・・いえ、かなりびびった


妙高「もう大丈夫よ」


黒髪「あ、ありがとうございます」


黒髪「部屋に戻って来て疲れて寝てしまった所までは良かったんですが、段々顔色が悪くなってきて・・それで・・先輩に何があったんですか!あの傷はなんなんですか!」


西提督「くっ!提督!」ダッ


妙高「急ぎましょう!」ダッ


黒髪「あ、待ってください!」ダッ


西提督「むっ!」


朝潮「西提督さん!」サッ


朝潮「私は今回・・戦場で寝てしまうなどと海軍人としてあるまじき行動を取りました!それだけではなく勝手に脱水症で死にかけるなんて・・どうか罰を!」


西提督「どけ!」


朝潮「嫌です!罰をくれるまでは!せめてその軍刀で私をー」


ガシッ


朝潮「・・・・・」


西提督「面倒だ!このまま行くぞ!」ダッ


朝潮さんを片手に抱えて走る


阿武隈「西提督さん!今回あたしはー」


ガシッ


阿武隈「あれぇ?」


阿武隈さんももう片方の手で抱えて走る


西提督「どいつこいつも罰罰と煩い!くそっ!さっきまでの自分を見てるようだ・・提督・・すまん」


阿武隈「どこ行くのかな?」


朝潮「きっと解体されるんですよ」


阿武隈「そうなのかな・・・」


朝潮「そうです・・」


朝潮「必要な時に寝てしまい勝手に自滅するような奴が必要だと思いますか?」


阿武隈「うぅ・・・確かに・・解体か痛いのかな・・」


朝潮「さぁ、分かりません・・ですが悔いはありません。元々はとっくにされている身ですから」


阿武隈「それもそうだね」


黒髪「解体・・・・・」


小脇に抱えられた二人が物騒な話しをしている


そして私達三人とプラス二人は部屋へと着いた


ー研修生部屋ー


ガチャ


西提督「提督!」


金髪「西提督さん!」


メガネ「・・・・・・」


黒髪「さっきより顔色が悪くなってる・・早くどうにかしないと」


西提督「おい!しっかりしろ!提督!妙高!医者は来れそうか!」


朝潮「?」


阿武隈「?」


妙高「今日は専門の方は遠くへ行ってるという事で来れても明日になると」


西提督「此方で明日まで保たせるしかないか妙高頼めるか?確か医師免許を持っていたな」


妙高「歯科医のですが・・やってみます!」


布団を半分までめくり手際よく先輩を診る


私にも医療の技術があれば・・何も出来ない自分が嫌いになりそうだった


黒髪「・・・・・」


何か出来る事は・・でも、私には・・


出来るのかな?何か役に立てるのかな?


無理かも・・・・


黒髪「あ、あのー」


阿武隈「何が起こってるか分からないけど提督さんが危ないってのは分かる」


朝潮「妙高さん私に出来る事は何かないですか!」


阿武隈「あたしも!」


黒髪「私にー」


妙高「二人は他の娘達に部屋へ待機するように言って来てください!後この事は秘密にしてください混乱状態や部屋に来られても困りますから」


朝潮、阿武隈「「はい!」」ダッ


黒髪「っ・・・」


西提督「で、どうだ?分かったか?」


妙高「呼吸が早くて脈拍は弱いけど速い汗も酷いです・・唇は紫色をしてますし体温がかなり低い・・意識も昏睡状態にあります」


妙高「この感じは多分ですけど・・出血性ショックの可能性が高いです」


西提督「随分具体的だな」


妙高「戦場でもこのような症状をたくさん見て来ましたから大抵は出血によるショック症状でした」


西提督「成る程・・ならやはり背中の傷が原因か・・くそっ!」


妙高「ですが言っておいてなんですが止血はした筈です・・出血量はそんなにはなかった筈です!」


西提督「だが、現に今昏睡状態なんだ。可能性ならそれが一番近いだろ。血が足りてないんだ・・」


金髪「血が足りてないって・・襲撃はなかったんだろ!なのに・・この背中の傷も何があったんですか!まさか、あの時襲って来た女か!」


西提督「女?」


メガネ「・・・・・少女」


西提督「そいつは客人だ勘違いをしていただけだ。彼女はなにもしてない。したのは・・俺だ」


金髪「それはどういう意味だ!」


西提督「・・・・すまん」


金髪「大将に何をした!」


黒髪「ど、どうしよう」オロオロ


金髪「答えろ!!」シュッ


ドゴッ


金髪「ぐぁ!!」


メガネ「・・・・・・」


西提督「お前・・・・・」


黒髪「メガネ・・・・」


メガネ「・・・・今は争ってる暇はない」


金髪「・・・・そうだな。西提督さん後で必ず話しを聞かせてください」


西提督「あぁ、後で必ず」


金髪「メガネありがとなお陰で頭が冷えた」


メガネ「・・・・・・・」


黒髪「よ、良かったです・・」


妙高「・・・・・・」


妙高「まず原因を探らないと口からは吐血の後はありませんし・・背中の傷も包帯に血は滲んでいますが多量に出血のあとはないです。考えられるのはそれ以外にも傷がありそこから出ているとしか」


西提督「全身を隅々まで調べるぞ!」


金髪「大将には悪いが全裸になってもらおう」


黒髪「全裸にまでしなくても・・」


メガネ「・・・・・」布団めくり


妙高「っ!」


金髪「その必要はなさそうだ」


布団で分からなかったが足元が血だらけになっていた


西提督「酷い・・かなりの出血量だ」


妙高「どうして足から・・捕まえた時には足から出血なんてしてなかった筈です」


西提督「とにかく傷の確認と止血だ!」


妙高「はい!」


金髪「何か出来る事は?」


メガネ「・・・・・」コクリ


妙高「綺麗な布を持ってきて傷口の血を圧迫して止めます」


黒髪「あ、ハンカチがあるけど使ってるし・・えっと他には」


金髪「ハンカチがある!使ってないから綺麗な筈だ」


妙高「ありがとう」


メガネ「・・・・触るといけない」ビニール袋


妙高「助かります」傷口押さえ


妙高「これで止まればいいけど・・元々こんなに出血するような傷じゃない」


金髪「他にはなにかないか?」


メガネ「・・・・・」コクリ


妙高「こっちは私に任せて」


西提督「よし、それなら二人は阿武隈と朝潮を手伝って他の娘達を自室へ誘導してくれ。それが終わったら二人を連れて医務室で輸血の準備をしてくれ止血が終わったらそちらに運ぶ」


金髪「分かった。行くぞメガネ」ダッ


メガネ「・・・・・」ダッ


黒髪「っ!」


私も何かしないと


私だけ何も出来てない


でも、何をすれば・・どうしよう


どうすれば!


黒髪「あ、あの・・」


妙高「おかしい!ちょっとした切り傷なのに・・こんなのほって置けばすぐに血なんて止まるのに全然ダメです!押さえてる方が血がたくさん出てる!」


西提督「もっと強く押さえれば俺に代われ」


妙高「お願いします」


西提督「提督!今助けてやるから頑張れよ!」傷口押さえ


黒髪「わ、私はどうすれば」オロオロ


妙高「黒髪」


黒髪「は、はい!」


妙高「貴女が何かをしてくれようとしてるのは分かりますが今の貴女には何も任せられません」


黒髪「っ・・それは私が無能だからですか・・でも!」


妙高「そうじゃありません!それは貴女が自分で思っている事ではないですか?」


黒髪「そ、そんな事・・・」


黒髪「そうですよ・・私は金髪みたいに積極的に動けませんしメガネのように冷静に周りを見る事も出来ませんし・・・先輩のように・・」


何事にも全力で当たっていく勇気もありません


なら、私は何があるか・・・


何もない・・・今まで人に無関心で周りが何をしようが気にしなかった


だって気にしても意味がないから


どうせ周りも私に無関心


でも、西鎮守府の研修での仲間達は違った・・最初こそ興味はなかったけど


一緒に研修生活を続けていくうちに


気になって・・気づいたら


大切な仲間になっていた


金髪もメガネも先輩も


私にとって初めて出来た仲間


だからこそ助けたい!力になりたい!


でも、方法が分からない・・いえ、分からないんじゃない


出来ないんだ


出来る力が知識が私にはなかった


黒髪「私・・邪魔ですね・・・部屋を出ていますね」


妙高「そうですね。邪魔です出て行ってください」


黒髪「はい・・・グスッ・・」


部屋を出て私はドアの横に座り込んだ


ただ、先輩の無事を祈った


これで良かったんだ


私が居たら逆に邪魔になるし


先輩の為に出来る事を出来たんだ


なのに・・・なんで


黒髪「涙が止まらないよ」ポロポロ


なんで・・なんで止まらないの・・私病気になったのかな?


その時ドアが開き誰かが出てくる


西提督「悔しいか?」


西提督さんだった


黒髪「悔しくなんかないです」


西提督「なら、その涙はなんだ?」


黒髪「嬉し涙です!それより先輩はもう大丈夫なんですか!」


西提督「いや、まだ血も止まらない・・幸いのが傷口が小さいから血の出る量は少しずつだがそれでも危険な事には変わらない。輸血をしながらどうにかするしかないから今から医務室へ運ぶ」


西提督「今のこの時代血液はどれも不足している。鎮守府に置いてる分でも金にしたらかなりの額になるがあいつの為なら全てを使っても良い明日まで保たせて病院へ連れて行く」


黒髪「なら、早く連れて行ってください・・私に構ってる時間なんてないですよ・・」


西提督「妙高はな別にお前が無力だから出て行けと言ったんじゃない。それに俺も妙高もお前が無力だとは思わない」


黒髪「慰めなら要りませんから・・」


西提督「まぁ聞け黒髪」


西提督「お前は何故海軍に入ろうと思う」


黒髪「・・・・・守りたいからです。この海を母がそうしていたように私も出来る事をしたかった」


西提督「海軍と言っても色々と役割はある後方支援やクソみたいな雑用をやらされる所もあるし偉そうに毎回意味のない会議を開いては無駄に過ごしている奴等もいる」


西提督「そういう奴らは海なんて中々見ない。俺のように鎮守府を任されている者からすれば海を見ることなんて親の顔よりあるかもしれない」


黒髪「何が言いたいんですか」


西提督「お前は何処を目指す」


黒髪「私も自分の鎮守府を持って戦いたい!でも・・それは無理だって此処に来て嫌と言うほど分かりました」


黒髪「なら、せめて誰かの役に立ちたかった・・それも無理なようですが」


自虐的に笑う


今の私は見れたものではない


先輩が見たらきっとモンエナを大量に持ってくるかもしれない


そしていつの間にか笑っているんだろう


先輩・・・


西提督「ふっ、若いな」


黒髪「え?」


西提督「妙高が出て行けと言った理由はなお前が余りに自分を信じてやれなかったからだ」


西提督「自分を信じてもいない奴には誰も着いて来ない。それは鎮守府で司令官をやって行く上では必ず壁になる」


西提督「無理矢理従わせる事もあるがそう言う奴にはなって欲しくない」


黒髪「それは・・私も嫌です」


西提督「良いか?どんなに困難で泣きたくなっても泣いてはいけない。それはお前の背中を信じて着いて来てる仲間達も不安にさせてしまうからだ」


黒髪「・・・・・でも、私には」


西提督「黒髪、出来ない事を嘆くのは海軍人じゃない。出来なくても顔に出すな。自分を信じてやってみろ」


西提督「仲間達が泣いている中で一人笑っているくらいでいろ・・司令官が泣いて良いのは・・全てをやりきって結果が出た時だけだ」


西提督「いや、本当の嬉し泣きの時にみんなで泣け」


黒髪「私に出来るかな・・なんの取り柄もない私に」


西提督「それはお前次第だ。でも幸運な事に良い手本がいるだろ?まだ研修は終わってない終わらせない!そうだろ?」


黒髪「っ!」


西提督「もう泣くのはお終いだ!涙を拭け!立ち上がれ!お前は海軍人だろ!」


黒髪「っ!」


黒髪はさっき提督からもらったモンエナを取り出し腰に手を当てて一気に飲んだ


ちょっとぬるいけど仕方がない初めて飲む物には結構飲むまでに時間がかかる


不味かったらどうするとか考えちゃうし


モンエナの独特の甘みと強い炭酸それになんか色んな成分により黒髪の沈んだ気持ちを一気に回復させた


黒髪「ぷはぁ!げふ・・中々美味しいです」


これは好みの味です癖になりそうです


西提督「一気に飲むとは・・やるな!」


黒髪「私はもう泣きません!逃げません!西提督さん私に何かさせてください!仲間を助けたいんです!」


西提督「その言葉が聞きたかった!」


妙高「西提督、提督さんを運び出す準備が出来ました」


西提督「よし、行くか!」


黒髪「西提督さん、私も!」


妙高「・・・・・」ジーーー


妙高「うん、マシになりましたね。黒髪」


黒髪「はい!」


妙高「提督さんを今から西提督と医務室へ運びます。向こうも準備をしていてくれていると思いますが時間が時間なのでまだかもしれません。だから、私達は提督さんから離れられません」


妙高「ですが、問題があります。それは提督の血液型はプロフィールにも書いておらず誰も知りません」


黒髪「それは!」


確率はA、B、O、ABの4通りでかけると言う事なのかな?


いや、でも血液型を調べる機会があれば


妙高「生憎血液型を調べる機械はありませんし今から病院へ行って調べていては多分手遅れになります」


黒髪「じゃあ、どうすれば・・まさか!」


黒髪「4分の1で・・」


妙高「そんな事はしません!」


妙高「幸いな事に今一人この鎮守府の何処かに彼の事をよく知ってる方がいます。彼女なら分かるかもしれません」


此処まで言われれば分かる私のするべき事が


黒髪「その人を連れて来れば良いんですね」


妙高「はい、彼女の名前はきさー」


黒髪「よーし!ファイトォオオ!」ダッ


妙高「あ、ちょっと!名前をまだ!」


西提督「ふっ、誰かにそっくりだな」


妙高「本当に・・何とかしてくれるって勘違いしそうになります」


西提督「いや、今の彼女ならなんとかするだろう」


妙高「そうですね。信じましょう彼女を」


西提督「提督・・部下達を残して死んだら許さねえぞ」


西提督「お前のくれたこの命お前なしでは意味がない・・絶対に死なせない!行くぞ妙高!」


妙高「はい!」


黒髪は見つける事が出来るのか!


走れ黒髪


走る黒髪


妙高さんに言われた先輩をよく知る人物を探す為に


しかし、途中で気付いてしまう


名前も姿も知らないと


黒髪「ど、どうしよう!」


聞きに戻る?でも、名前を言ってなかったし妙高さん達も知らないとか?


だとしたら時間の無駄になるし西提督さんが言っていた事を思い出せ


西提督『自分を信じてやってみろ』


黒髪「自分を信じて・・・うん!」


きっと西提督さんは私を信じて頼んだんだ


なら、なんとしてもやり遂げないと!


黒髪「まずはどうしよう・・う〜ん」


とりあえず近くのゴミ箱にモンエナの缶を捨てた


また機会があったら先輩に頼んで貰おう


金髪「黒髪」


黒髪「あ、金髪・・って何してるの?」


金髪「ん?眠ってしまってる艦娘達の回収だ」


愛宕「ふにゅ〜上等だ〜こら〜」睡眠中


金髪「眠ってる奴が多くてな部屋に運んでる途中だ」愛宕背負い


愛宕「こんにゃろ〜〜」ギュッ


ムニュ


金髪「っ!」ちょっと鼻血


黒髪「金髪・・」ジトーー


金髪「い、急がないとな!じゃあな!黒髪も頑張ってくれ!」ダッ


黒髪「言われなくてもやってやります」


メガネ「・・・・・」テクテク


黒髪「あ、メガネ」


メガネ「・・・・・駆逐艦達は任せろ」文月背負い


文月「むにゅ〜〜」ギュッ


メガネ「ふっ・・」鼻血


駆逐艦達「「「・・・・」」」ぞろぞろ


黒髪「うわぁ〜」


メガネって子供に好かれるんだ意外だけどなんとなく納得出来る


でも、見た目が危ない人


本人はそう言うつもりはないんだろうけど


黒髪「たくっ!男達はたくましすぎるっての!」


こんな男達ばかりなら私も・・・


ううん、そんな事なら出会えなかった


今に感謝して


黒髪「ありがとう・・よし!」


二人は頑張って出来る事をしてんだから


他でもない仲間が頑張ってんだから負けられない!


黒髪「私も頑張らないと!」ダッ


しらみ潰しに探す時間はない


考えて!


妙高さんが言っている感じでは西鎮守府の人ではない


つまりお客さんという事で今までで私が見た事ない娘を探せばいい


自慢じゃないけど記憶力には自信があるから一度会ってれば多分だけど分かる西鎮守府の娘は把握してる


多分


さっきの駆逐艦達はみんな見た事があるから西鎮守府の所属


お客さんではない


黒髪「お客さん・・お客さん・・あ!」


まさか、あの襲って来た人かも!


西提督さんは客人だと言っていたしそれに私が先輩の後輩だと分かった時のあの反応


彼女は先輩を知ってる


そして彼女こそが先輩をよく知ってる人なんだ


えっと、私と同じ黒い髪に顔は・・何かを塗っていたと思う


特殊メイク?かな?結構怖かった


あのまま出歩いたら他の娘も怖がると思うし


それに


黒髪「あの時掴まれた時少し汗臭かったし・・」


かなり動いて汗びっしょりになってる筈


女の子ならそんなのは長く耐えられない


彼女はきっとお風呂にいる!お風呂であの変なメイクも汗も落としている筈!


黒髪「急げ!」ダッ


ー風呂ー


黒髪「う〜ん・・いない・・」


お風呂にはお湯すら入っていないし今日使った形跡もない


黒髪「もう!お風呂くらい入りなさいよ!」


此処じゃないとすると一体何処にいると言うのか


黒髪「お腹減ったから食堂?それとも何かの修理とかで工廠?それともトイレ?はたまた買い物とか?」


全てを回ってたら先輩が死んじゃう


ミイラになっちゃう!そうなったらモンエナあげても手遅れ


黒髪「そんなのは嫌だ!」


朝潮「誰か居るんですか?部屋への待機命令が出ている筈ですよ!」


黒髪「あ、朝潮さん」


朝潮「あ、黒髪ですか。こんな所で何をしてるんですか?」


黒髪「人探しをしてまして」


朝潮「人探しですか?誰ですか?」


黒髪「それが名前が分からないんです。提督さんをよく知ってる人物だとしか」


朝潮「どの程度知ってる人なんですか?此処のみんなは提督さんの事は知ってますよ」


先輩って結構艦娘達に人気だったり?


黒髪「その、血液型が分かる人なんですけど」


朝潮「血液型ですか・・という事は皆さん知らないんですね?」


黒髪「はい、その人なら知ってるかもという事で探してるんですが」


血液型を書き忘れたのかどうか分かりませんが先輩には後で文句を言わないと


朝潮「困りましたね。実は私も血液型を聞きにそちらへ向かう途中だったんです。医務室で準備するにも血液型が分からないと準備のしようがありませんから」


黒髪「早く探さないと!朝潮さん場所に心当たりはありませんか?お客さんを此処へ通したとかって言うのは聞いてたりは」


朝潮「聞いてませんしお客さんが来たというのも先程知ったばかりです」


黒髪「そうですか・・・」


朝潮「ですが、よく知る人ですか・・おんぼろ鎮守府の人達なら分かりますがそれ以外にいるのでしょうか?身内であろうと関係ない人は鎮守府へは通せませんし」


朝潮「それに提督さんの身内の方が西鎮守府に来る理由もありませんし、やはりあり得るならおんぼろ鎮守府の人達でしょうか」


黒髪「おんぼろ鎮守府?なんで先輩と鎮守府が関係を?先輩はまだ養成学校の四年生では?」


朝潮「あ、すみません・・・忘れてください」


黒髪「なんなんですか!教えください!手かがりになる事は何でも教えください!時間がないんです!お願いします朝潮さん!」


黒髪「話せない事だとしてもお願いします!絶対に誰にも言いませんから!なんなら!この命をかけますから!」


朝潮「黒髪・・そこまで・・」


朝潮「おんぼろ鎮守府・・提督さんの事をよく知ってるなら彼女達以外には私は知りません」


朝潮「おんぼろ鎮守府と彼は深く関係があります。だから知ってる可能性はあります。勿論彼女達が来てるとは聞いてませんが」


黒髪「彼女達?もしかして艦娘なんですか?」


朝潮「はい、そうです」


普通に研修生であればまず艦娘との縁なんてない


だから、私はよく知る人物を人間だと思っていた


でも、違った


先輩は何時も予想の遥か先を行く


本当に何者なんだろう


でも、これで分かった


黒髪「入渠ドッグです!」ダッ


朝潮「え?」


もし、その彼女が艦娘ならお風呂じゃなく入渠ドッグに行ってもおかしくない!


ー入渠ドッグー


電「絶対に許さないのです!」


如月「まぁまぁ、騙した私達も悪かったんだしね?」


電「如月もなのです!置いて行くなんて酷いのです!」


如月「気がつかなかったのごめんね?」


電「本当なのです?」


如月「本当よ・・」


電「なら仕方ないのです。三日月は許さないのです!」


三日月「私が一番の被害者なのに・・」


如月「ふふふ・・・」


電「如月・・・」


三日月「何か無理してない?」


如月「え?なんで?そんな事は」


電「あるのです。何かあったの?」


三日月「入渠ドッグに入る為に起こしてしまったから変に疲れてしまったんでしょう。入渠ドッグから出たら今度こそゆっくり休んでください」


電「いきなり首をグキッってされて起こされるのは初めての体験だったのです。それで如月もダメージを受けたのです!電は痛かったのです!」チラッ


三日月「うぅ・・ごめんねこう言う起こし方しか知らなくて・・」


如月「・・・そうじゃないの確かに疲れているのだけど・・何か」


三日月「何か?」


如月「胸騒ぎがするのよ」


如月「ただの気の所為だとはー」


ガチャ


黒髪「提督さんが大変なんです!すぐに来てください!!」


如月、電、三日月「「「っ!」」」


如月「気の所為じゃなかったわ!」


黒髪「早く来てください!提督さんを一番よく知っているんですよね!」グイッ


三日月「え?私?ちょっと!待って私はまだそこまでは!お互いゆっくりと!」


電「司令官が!はわわ!急ぐのです!」ツルッ


ゴンッ


電「ぐへっ!」ピクピク


如月「何があったの!」ガシッ


黒髪「今は急を要します!邪魔しないでください!ほら、来てください!」


三日月「で、でも・・ううん!行きます!私が行きます!私が提督さんを一番よく知ってます!」


如月「三日月じゃないでしょ!」ゴスッ


三日月「ふにゃあ!」


黒髪「あ、大丈夫ですか!」


如月「提督は何処?何処なの!答えて!」


黒髪「だから!貴女ではなくてー」


朝潮「如月さん!来ていたんですね。提督さんならそろそろ医務室へ向かっていると思います急いでください!」


如月「医務室ね!行くわよお嬢ちゃん!」首根っこ掴み


黒髪「ひゃぁあああ!せめて!タオルをぉおおお!」


如月「いらないわ!!」ダッ


三日月「・・・お姉ちゃんにぶたれた・・グスッ」


電「」ピクピク


朝潮「私も急がないと!如月さんの着替えもっと」ツルッ


ゴンッ


朝潮「転けましたね・・・痛いです」ガクッ


呪いの傷口


ー西鎮守府医務室ー


如月「提督!」


黒髪「死ぬかと思った・・」


西提督「来たか!って!おい!」


如月「なに?」全裸


黒髪「抵抗したんですが・・無理でした。せめてタオルを」


如月「いらないわ」


黒髪「はぅ・・・・」


西提督「妙高・・頼む」目瞑り


妙高「はい、如月さんそのままでは風邪ひきますよ」


如月「関係ないわ!それより提督よ!」


妙高「駄目です!その様な姿で医務室へは入れられません!着替えは入渠ドッグですね?着替えてから来てください!そのくらいならまだ大丈夫ですから」


如月「でも!」


妙高「文句言わずに従ってください!私は引きませんよ!西提督にそんな姿は見せられません!」


妙高「心変わりしたらどうするのよ」ボソッ


如月「っ!分かったわよ・・・ふふ」


〜数分後〜


如月「これで良い?後、入渠ドッグに居た娘達を連れて来たわ」


朝潮「」くてぇ〜


電「」ピクピク


三日月「お姉ちゃんがぶった・・・」ショボーン


妙高「はい、大丈夫ですが・・なにがあったんですか?」


如月「何もないわ」


妙高「そ、そう」


西提督「もう目を開けられるな」


黒髪「ずっと瞑ってなくても良かったと思うけど・・」


阿武隈「朝潮ちゃんまた寝てる・・疲れているのかな?」


妙高「そっとして置きましょう。空いてるベッドへ」


西提督「電はー」


如月「起こすと煩いだけよ」


妙高「同じくベッドへ」


三日月「お姉ちゃんが・・」ぶつぶつ


妙高「あれは無視で」


西提督「あぁ」


如月「それで提督は何処にいるの?」キョロキョロ


妙高「此方に寝かせています」


如月「っ!」ダッ


提督「」


如月「提督?ねぇ提督返事をして・・ねぇ!提督!」


西提督「落ち着け出ている血の量は少量だ。今すぐどうにかなるって事はない」


如月「一体何があったんですか!さっきまで元気だったじゃない!」


妙高「如月さん提督さんの血液型を教えてください。輸血しないと危険なんです」


如月「血液型・・輸血・・どうしてそんな事に」


西提督「足からの出血が止まらないんだ。だから輸血してどうにか保たせるしかないんだ」


阿武隈「全ての血液型を用意したけど提督さんはどれなの?あたしはAだと思うけどABもあり得るかな?」


如月「・・・・・・ないわ」


阿武隈「え?ないって?」


如月「そこにある血液はどれも提督には合わない絶対に使わないで」


妙高「もしかして提督さんはrh−なんですか?それでしたら少しですがありますから」


如月「違うのよ・・」


妙高「それ以外ですか・・・まさか艦娘と同じとか言うんじゃ」


如月「それも・・違うわ。少なくとも西鎮守府で用意されている中にはないわ」


西提督「では、なんだと言うのだ!このままでは提督が!」


黒髪「あの、落ち着いてください」


西提督「っ!」ギロッ


黒髪「ひっ!」


西提督「す、すまん・・そうだな」


妙高「血液型を書いてなかったのは特殊だから書けなかったという事ですか」


如月「特殊と言うより・・ううん、そうね特殊」


黒髪「どれも合わないって・・おかしいです!だってそれじゃあ提督さんだけ人として仲間外れじゃないですか!こんなの提督さんがあんまりに・・可哀想です!」


如月「そうね・・おかしい・・こんな身体に産まれてしまって・・人として生きさせてあげたかった・・」


如月さんの目からは私でも分かるほど悲しい目をしていた


その目を見た時私の中で諦めるという言葉が出てきた


だって血が足りないのに


その血がなくてしかも血が止まらない


諦めたくない・・諦めたくないけど・・


でも、やがてその目は強い決心を感じさせるほどの強い目へと変わった


如月「でも、どうにか出来るかもしれないわ。ううん、する!」


西提督「なんだ!なんでも言ってくれ!」


妙高「ええ、なんでもしますから」


阿武隈「うん、あたしにも何かさせて」


黒髪「勿論私もです」


如月「みんな・・・」


如月「提督にこんなにたくさん仲間が出来ちゃって・・寂しいけど嬉しい・・良かったね提督」ボソッ


如月「絶対に助けてあげるからね提督」


西提督「それで?どうすれば良い」


如月「まずは前提として血を止めないといけません。提督に合う血は用意出来ますがそれは一度きりです。量としては出血している状態では明日までも保ちません」


如月「ですから止めないと足りなくなります」


妙高「ですが、色々とやってはみたんですが止まらないんです」


阿武隈「こんな症状初めてだよ!もう何が何だか・・」


西提督「傷自体は少し切っただけの傷なんだが」


黒髪「縛って止めるとかは?長い間は駄目だけど少しの間なら」


妙高「もう試しましたが意味ありませんでした」


如月「傷を見せて」


妙高「はい、此処です」


傷は先輩の足首に刃物のような物で少し切れたようになっている


傷は浅いし大きくない


だけど今も血が出ている


如月「・・・・確かにおかしいわね」


西提督「あぁ、本来ならほっておいても治る程度の傷だ」


妙高「ちょっと危険ですが血が固まりやすくなる薬も投与しましたが意味ありませんでした」


如月「・・・・・・そう」


阿武隈「何をしてもまるで回復する兆しが見えない・・あり得ないよ」


黒髪「これじゃあ・・まるで呪いです・・どうする事も出来ない・・」


如月「っ!」


阿武隈「その通りだね・・そうだったらもう駄目だね」


西提督「そんな事!そんな事・・あるわけないと信じたいが・・一番しっくり来てしまう・・」


妙高「もし本当に呪いだとするなら治し方なんてありません・・だって聞いた事もありませんから・・一番厄介ですね」


如月「いいえ、そうでもないわよ?呪いだとするなら一番簡単です」


黒髪「え?そうなの?」


西提督「呪いだとして治し方が分かるのか!」


如月「ええ、呪いをかけた奴を殺せば良いのだから」


西提督「成る程!」


黒髪「そ、そうなのかな?」


物騒だけど・・そうかもしれない


妙高「ですがそれは誰が呪いを付けたか知っていればの話しで、まず呪いかも分かりません」


如月「それを今から確かめます」


妙高「本当に呪いなんて・・」


如月「この足の傷はなんで付いたかは?」


西提督「すまん、分からないんだ」


如月「背中の傷は?」


西提督「それは・・俺だ」


阿武隈「・・・・・そうなんだ」


西提督「すまない・・・」


如月「何を使ったのかを聞いてるの」


西提督「この軍刀だ。本来なら人間は斬れない筈なんだが・・」


如月「提督は斬れるわ。それで軍刀に血は付いた?」


西提督「あぁ、結構付いていたが・・そう言えば付いていた血は誰が拭いてくれたんだ?綺麗になっていたが妙高か?」


妙高「いえ、私は何も自分で拭いたのを忘れたとかでは?」


西提督「いや、あの後から回収する時まで触っていなかった筈だが・・」


如月「ちょっとその軍刀を貸してくれる?」


西提督「あぁ」


西提督さんから軍刀を借りた如月さんは剣を抜いて刃を見る


如月「・・・・・」くんくん


匂いを嗅いで


如月「・・・・・」ペロッ


舐めた


如月「血の味がしない・・だとするならやはり・・」


西提督「お、おい、危ないぞ」


そして


如月「・・・・・」スチャ


自分の腕に刃を押し当て


西提督「なにやってる!」


妙高「それは艦娘に対しては凄く斬れるんです!危険です!」


阿武隈「腕が持ってかれちゃう!」


黒髪「まさか・・諦めて提督さんを追おうと」


如月「そんな事にしないわ。私は絶対に諦めない。私が死んで提督が助かるなら迷わずそうするけどね」


如月「今回は確かめたいだけよ。これで私の予想通りの結果になれば!」


如月は自分の腕を切った


西提督「っ!」


妙高「嘘・・・・・」


阿武隈「あれは西提督さんの軍刀なんだよね?なのに・・」


黒髪「切れてない・・あんなに鋭いの傷一つない」


如月「原因が分かったわ」


如月「巻き込んでしまってごめんね・・」ボソッ


軍刀に向いて一人呟いた


元凶


西提督「なんなんだ原因は」


如月「原因は提督の傷じゃないこれよ」


黒髪「え?」


そう言って西提督さんの軍刀を見る


妙高「軍刀?まさか軍刀の呪いとか言うわけでは?」


如月「正確には違うけど大体そうよ」


西提督「本当なのか・・こいつが・・俺のこの軍刀が提督を・・苦しめているのか?」


如月「うん、間違いないわ」


西提督「すまない説明してくれないか・・今が一分一秒を待ってくれない状況だとは分かってはいるが・・そいつは俺が司令官になる時に貰った大切な軍刀で・・今まで共に歩んで来た相棒なんだ」


如月「・・・・・・・」


如月「提督・・」提督の手を握る


黒髪「・・・・優しい目」


思わず見惚れてしまう程だった


如月「もし、みんなが貴方を嫌っても私だけは味方でいるからね」ボソッ


黒髪「え?」


一番近くに居た私だけが聞こえたと思うけど・・どういう意味なんだろう?


この人は先輩にとってどういう人なのかな?もしかして・・


如月「良いわ。説明するけど提督を助けるのが先よ。だからまずは」


如月「出血の元凶であるその軍刀を折って」


西提督「っ!」


妙高「貴女は!そんなに簡単に言うけどこの軍刀が西提督にとってどれだけー」


如月「黙りなさい!私は西提督に言ってるんです!西提督!提督と軍刀どちらが大事なの!答えなさい!」


如月「返答によっては・・」ギロッ


黒髪「っ・・・」


こ、怖くて動けない・・・さっきまでの優しい目をしていた人と同じだなんて思えない


でも、他の人達はこのくらい平気なのか?


阿武隈「っ!!」プルプル


そうでもないみたいです


如月「元は貴女達が起こした事になんの罰も対価もなしに許されると思ってるの?」


妙高「っ・・それを言われると・・すみません西提督」


西提督「・・・・・・・」


如月「提督は優しい・・だからどんな事があってもきっと許してしまう・・そして一人溜め込んで・・倒れてしまう・・だから私が彼を支えてあげないと彼の足りない部分を補わないといけないの」


如月「提督が許しても私が許しません・・・本当は今からでも暴れてやりたいくらいなのよ?」


如月「でも、それは提督が悲しむからしない・・私が我慢出来るならそうする・・でもね?それは提督が生きていてこその話であって・・」


如月「それを脅かそうとするなら・・誰であろうと・・容赦しません」ギロッ!!


阿武隈、黒髪「「ひゃぁああ!」」ビクッビクッ


妙高「っ・・・・身体が勝手に」後退り


西提督「・・・・・・・」目を瞑り


如月「どうする?相棒と死ぬ?相棒を殺す?どっち?」


西提督「・・・・・・・」


如月「・・・・・・・・」


西提督「すまない!」グワッ!


鞘から刀を抜き妙高へとその刃を向ける


妙高「っ!」


黒髪、阿武隈「「っ・・・」」ガクブルガクブル


西提督「妙高・・お前の力で折ってくれ。艤装展開を許可する!」


妙高「西提督・・・分かりました!」


西提督「行くぞ!」シャキン


妙高「はい!」艤装展開


提督の軍刀「」ピカッピカッ


一緒に持って来ていた提督の軍刀が強く何度も光る


妙高「そうですか・・せめて貴女が」


西提督「すまない!こんな俺は絶対に許すな!良いな!相棒ぉおお!」シュッ


妙高「お願いします・・」提督の軍刀


西提督「っ!」グッ


提督の軍刀を持った妙高を見て構えを変えて全力で斬りかかってきた


この時西提督が持っている軍刀はかなりの重さになっていた。それも常人では持てないほど重く


軍刀が抵抗していたのだ。それが何を意味するのか


西提督「っ!!」


全身の筋肉がフルで動く。いや、とっくに限界を超えている


此処で躊躇う事は彼女を苦しめ友を失う事になる


それだけは駄目だ


それにそんな気持ちで打ち込めば妙高に直撃させてしまう可能性もある


迷いを捨て全身全霊で軍刀を握った


目の前の相手を信じて全力で振る


それだけを考えた


西提督「うぉおおおおお!!」


妙高「っ!」


当たれば妙高でも重症だ。下手をすれば死ぬ


だけど、妙高は西提督を信じている


彼女を苦しませないように一発で決めてくれると


そして今彼女が持っている軍刀もだ


折れてはいるけど私は知っているこの娘の本当の輝きを


だから、怖くない


妙高「・・・・行きます!」シャキン


妙高「はぁああああ!!」


西提督「相棒ぉおおお!!」


ガキンッ!


西提督「ぐっ!」


妙高「くっ!」


お互いの軍刀が大きな音を立てて当たったその衝撃はかなりのものだ


西提督はわざと軍刀に負担の掛かる斬り方をした


逆に妙高は最低限の負担でそれを受け止めた


そして少しして西提督の軍刀は真ん中から砕けちるように折れた


刃から生気が消えるのが分かった


西提督「・・・・・・終わったか」


妙高「・・・・・・はい」


提督の軍刀はヒビ一つなく輝きを失っていなかった


折れた軍刀を慰めるかのように少しの間光り続けた


西提督「・・・・俺はこの日を絶対に忘れない絶対に!」


妙高「はい!私もです」


如月「・・・・・・・・」


阿武隈「・・・・こんな事して意味あったのかな・・こんな・・」


黒髪「分からないです・・でも、なんかよく分からないけど・・辛いです。でも泣きません・・阿武隈さん先輩に何か変化は?」


阿武隈「えっと・・っ!うそ・・血の勢いが弱まってる・・西提督さん!妙高さん!血が弱まってます!」


妙高「え!見せて!本当だ・・少し出ていますが勢いが弱まってる!これなら止血出来ます!」


黒髪「手伝います!」


阿武隈「あたしも!」


妙高「お願い!」


西提督「あぁ・・本当に良かった・・」


西提督「これで良かったんだ・・これで・・」


西提督は折れてしまい柄だけになってしまった軍刀を手にとって言った


西提督「俺はお前の犠牲を無駄にはしない。これから俺は大事な仲間を友をどんな事があっても守る。守り抜いてやる。その為ならどんなに醜くても生きる生き抜いてやる」


西提督「西提督が生涯をかけて此処に誓う」


その軍刀を力強く見つめ強く強く誓ったのだった


刃のない軍刀を鞘に収めた


不思議と鞘から落ちる事はなかった


もう抜く事も手入れをする事も出来ないけど


これからも共に歩もう


そう、心の中で言ったのだった


峠を越えろ


妙高「止血終わりました!ですが血が足りません!すぐに輸血を!」


西提督「如月!提督に合う血液は何処にあるんだ!必要なら俺が走ろう!」


如月「必要ないわ此処にあるから」ガシッ


三日月「ぶった・・ぶった・・お姉ちゃんが斜め45°でぶった・・」ぶつぶつ


如月「三日月の血液なら提督に合うわ」


西提督「三日月が?彼女は元艦娘だぞ?いくらなんでも・・いや、疑ってる暇はないな信じよう如月を・・妙高準備を」


黒髪「元艦娘だったんだ・・」


妙高「もうやってます!三日月さんこのベッドに横になってください」


如月「ほら!しっかりしなさい!」グキッ


三日月「ぐぇ・・あれ?此処は?私は誰?・・・あ、三日月でした」


三日月「・・・・・・」チラッ


提督「」


三日月「っ!提督さん・・顔色が・・こ、これは・・」


三日月「・・・・・」キョロキョロ


三日月「・・・・・」くんくん


三日月「ふむ・・・・」


三日月「私は何をすれば良いの!此処に寝れば良いんですね!」ベッドにダイブ


三日月くらいになると場を少し見ただけで大体状況を把握できる


三日月は今提督が大変な事になっていて自分が必要とされている状況だと察した


如月「察しが良くて助かるわ。三日月貴方の血を提督に分けて欲しいの」


三日月「え?血を?いえ、今は理由なんて聞いてる暇はありませんね。ただ一つ私は元艦娘だけど元は艦娘なんです。人と全く同じ血ではないという事だけは理解してますか?」


如月「ええ、大丈夫よ。その事については貴女より理解してるわ。貴女の知らない事もね」


三日月「へぇ・・・・」


三日月(これって結構裏事情な筈なんだけど・・)


如月「時間がないわお願い妙高」


妙高「じゃあ、血を分けてもらいますね」


三日月「大丈夫です自分で出来ますから腕で良いですよね?」ナイフ取り出し


妙高「え?」


三日月「えい」ザクッ


三日月以外「「「っ!」」」


三日月「どうぞ」血プシューー


妙高「自分の腕を刺してなにしてるの!馬鹿なんですか!」


三日月「え?だからいるんですよね?止まらないうちにどうぞ」


如月「はぁ・・三日月貴女ね・・」


阿武隈「なんと言うか・・バカなんだね」


黒髪「はは・・・・・」


西提督「とにかく傷の手当てだ」


妙高「じっとしていてください!」


三日月「え?え?いらないの?」


妙高「正規のやり方と違います!」


三日月「あ、そんなのがあるんですか勉強になります」


妙高「とにかく止血と手当てを」


三日月「あ、自分でできー」


妙高「やりますから!じっとする!」


すぐに傷の手当てが終わり


三日月から血を採取し始める


イムヤとの戦闘に続き先程の腕からの出血により採取できる血の量はあまりない


気分が少しでも悪くなったらその時点で止めないと三日月も危険な状態になる


三日月「すみません・・輸血なんてした事なかったんで注射で取るんですね」


妙高「当たり前です!貴女のようなやり方では使い物になりません。それより気分は悪くないですか?」


三日月「大丈夫です。それよりまだ足りませんよね?どんどん採ってください」


妙高「いえ、そろそろ止めておきましょう。本音を言う気はないようですし」


三日月「まだ大丈夫ですって言ってますが?」


妙高「嘘ですね冷や汗が出ています。これ以上は危険です」


三日月「平気ですから採ってください!」


妙高「やめます!阿武隈すぐにこの血を提督に輸血します準備を」


阿武隈「はい!」


三日月「っ!これじゃあ提督さんが!」


妙高「大丈夫ですこれだけあれば死ぬ事はないです。残りの足りない分は提督さん本人で補ってもらいます。大丈夫です人間はそう簡単に死にませんから、それにこれ以上採ってしまえば貴女が大変な事になります下手をすれば死にます。それを提督さんがどう思うか考えてください」


三日月「・・・・・本当に大丈夫なんですか」


妙高「大丈夫ですから」


三日月「そうですか・・あの」


妙高「後は任せて休んでください」


三日月「すみません・・後はお願いします」


そう言うと三日月は眠ってしまった疲れと貧血で三日月はくたくただった


如月「三日月・・ありがとう」


西提督「提督もうすぐだからな待ってろよ」


妙高「さて、もうひと頑張りです!」


その後金髪達も戻って来て提督への輸血は途中脈拍が乱れて死にかけはしたものの突然脈拍が正常値に戻り汗も引いて呼吸も安定した


そのいきなりの変わり様にみんながびっくりしていたが提督が助かった事に皆喜んだのだった


あれから一時間後


先輩は全てが正常値で顔色も元に戻って今はただ眠っているだけだった


妙高さんが言うには回復力が高いので時期に目覚めるだろうという事だ


提督「すぅーすぅー」


三日月「ふにゅー」抱きつき


電「っ!!」しがみつき


妙高「この二人何時の間に・・まぁ良いか・・疲れた」


朝潮「記憶が混乱しています・・後頭部が痛いです」


阿武隈「提督さんはもう大丈夫だって事が分かれば良いでしょ?」


金髪「大将が死んだら俺は・・本当に良かった〜」


メガネ「・・・・・」コクリ


皆が落ち着いてきて場の雰囲気も明るいものへと変わっていった


でも、まだ此処でその雰囲気に身を投じるわけにはいかない


何故なら


黒髪「・・・・・・」チラッ


如月「・・・・・・」ガチャリ


如月が医務室を出て行こうとした時


西提督「待てよ。まだ話してもらってないだろ?」


そう、まだ肝心な事を聞いてないから


この事態の説明と先輩の事を


それなのに何も言わず逃げようとした様に見えた


西提督さんが怒るのも無理ない


私は少し怒り気味な声で言う西提督さんの隣に立って言った


黒髪「先輩の事聞いてません」


西提督「逃がさねえからな如月」


場の雰囲気がまた冷たく暗いものになった


その場で一人如月さんだけは自虐的に笑い言った


如月「忘れてくれれば良かったのに」


絶対に忘れない。だって此処からが本番だから


三途の川ウォーズ前編


ー???ー


提督『また此処に来たのかよ・・』


今俺のいる場所は天国へ続く途中の場所で一度来た事があった


あの時は夕立と時雨のいきなりの裏切りにより突き落とされて


それから・・・あ、生き返ったんだ


あれ?でも、此処にいるって事は


提督『俺また死んだのか?』


なんで?何があった俺!全くとして身に覚えがない


提督『黒髪に刺された?』


いや、あり得ない!恨まれるような事はしてないし第一にそんな事をするような奴じゃない


やるなら堂々と正面から・・いやいや!ないない


しかし、此処に居るという事は死んだという事になる


でも、前と違う点が二つある


一つ、俺の身体が透けているという事だ


なんか変な感じだ痛みとかは全然ないけど


二つ、前とは風景が違う


前来た時は綺麗に花が辺り一面ずっと続いており空も雲一つない青空だった


今思えばあの時は日差しも強かった筈だけど全然暑くなかったな


まぁ、死後の世界だから気にしても仕方ないだろう


問題は前と違い花は枯れてしまい空は曇り空で暗い


雷なんか鳴ってるし


まさかの地獄への道とか?


提督『うん、帰ろう!舌を抜かれるとか洒落にならないからな!』


夕立『何処に?此処は確かに前来た場所っぽい』


提督『あ、殺人犯』


夕立『いきなり喧嘩売ってるっぽい!やるならやる!かかってくるっぽい!』構え


時雨『まぁまぁ落ち着いてね?提督は記憶がごっちゃになってるだけだよ』


提督『いや、俺は正常だけど?確かにお前らに突き落とされて・・・あ、生き返ったんだな』


提督『時雨は救世主だな。ありがとな背中を押してくれて』


時雨『ふふ、どういたしまして』


夕立『で?夕立には何か言う事は?』イライラ


提督『突き落としやがって血も涙もない女だ!』


夕立『よしっ!もう本気で怒った!その顔面潰して帆の一部にしてやるっぽい!って!止めるな時雨!』


時雨『そんなグロい事はやめようね?提督も悪気があって言ったんじゃないと思うしね?』羽交締め


時雨『ほら提督も謝って』


提督『へっ?すまん』鼻ほじり


夕立『悪気なしで言える言葉じゃないっぽい!それにその態度ムカつく!』


時雨『とにかく今はこの状況をどうにかしないと僕達も死んじゃうよ?』


夕立『それは困るっぽい!提督ささっと此処から出る!』


提督『そうだな夕立をからかうのは此処までだな』


夕立『くぅーー!からかってたのね!』


時雨『夕立が表情豊かになって僕は嬉しいよ。喜怒哀楽の怒しかないけど』


夕立『もう・・・』


時雨『お?これは喜もあるね』


夕立『そこうるさい!』


時雨『ふふ、ごめんね』


提督『それで此処は本当に前来た場所なのか?』


夕立『たくっ・・そう、勘だけど』


時雨『夕立の勘は結構当たるよ。例えるなら宝くじの連番を10枚買って300円が当たるくらいには』


なんか微妙・・・


提督『まぁ、充分だ。俺もそうかと思っていたしな時雨はどう思う?』


時雨『うん、間違えないよ匂いで分かる!例えるなら宝くじのー』


提督『うん、もう良いから』


時雨『そう・・・』シュン


提督『三人が皆そう思うなら此処はそうなんだろう。だとするなら』


母さんがいると思うんだけど


まさか、三途の川を諦めて天国の門へ?いや、六文銭がないと入れない筈だ


母さんは三途の川がない事に怒り六文銭を全力投球してなくしてるから入れない


何処かにいると思うけど


提督『此処ってどのくらい広いんだろう・・』


夕立『東京ドーム何個分くらいとかでは表せない程はあるっぽい』


時雨『そんなの関係なく永遠に道は続いてると思うよ?終わりを感じない』


提督『探すのに何年も掛かるとかは勘弁だぞ?』


とにかく早く戻らないと黒髪達や西提督さんに迷惑をかけてしまう


母さんを探してもう一回あの道を通ろう


黒い手はまた夕立に頑張ってもらおう


提督『あ・・・・』


ふと気付く


あの時と違う点が多過ぎる事に加えて俺の身体が透けている


もしかして手遅れじゃないのか?


もう既に死んでしまったとか?


なら、こんな事をしても意味はない


大人しく天国への門へ行って・・って六文銭ないじゃないか・・


母さんが投げた六文銭を探すか?


絶対無理だろうな・・・


提督『はぁ・・・』座り込む


夕立『どうしたの?早く探すっぽい』


時雨『疲れたなら少し休むかい?』


提督『いや、違うんだ。もう手遅れなのかもしれないって思うとな・・理由は分からないけど死んだんだろ?俺』


本当・・俺ってマンボウもビックリの貧弱ぶりじゃないか・・黒髪ごめんな・・少し寝るって言ったけど来世までだったよ・・


もし願うなら来世で起こしてくれ


モンエナ一つは供えてくれよ


夕立『まだ死んでないっぽい!』


提督『っ・・なんだよ・・ぽいって・・曖昧だな・・夕立は何時も曖昧な言葉しか言わない。もう少し自分の発言に自信を持て』


夕立『これは口癖っぽい!わざわざ言わせるなっぽい!』


提督『うん、知ってる。あんだけぽいぽいぽい言ったら分かるって』


夕立『ムキーー!からかうな!』


提督『最初の一言で死んでないって言われたら安心しちゃってな』


夕立『え、そ、そうなら仕方ないかも・・うん』


時雨『一言で信じるんだね』


提督『こういう時の夕立は嘘はつかないって思えるからな。よくは分からないけど君達二人の事はよく分かるんだ』


なんでだろう二人には素の自分で接する事が出来る


まるで長年の付き合いの親友?いや違うな恋人?いやそれも違う夫婦?どれもしっくり来ない


俺自身みたいな?一部とか?


分からない・・でも一つ言える事は隠し事をしても意味がないように思える


分からないけど不安にもならない


この関係・・悪くない


時雨『ふふ、嬉しいね。少しは意識してきてくれてるのかな?もしかしたらちゃんと認識してくれるのも近いかも』


夕立『ふん!』


提督『でも、聞いて良いか?なんで死んでないって分かるんだ?なんか俺消えそうなくらい薄いけど』


手をかざすと手を通して前が見える


時雨『薄いから良いんだよ。まだこの場所に完全に来ていない』


夕立『まだ提督は生きてるっぽー・・生きてる』


時雨『きっと君を助けようと皆が動いてくれているんだ』


提督『そうなのか・・はは、なんだよビックリさせやがって・・』


薄いのが良いなんて・・なんて皮肉なんだ


でも、それならなんで俺は此処に?


時雨『でも、此処にずっといればきっと君はやがて薄くなくなる』


今の状況を理解していないなら俺は喜んで此処に居続けると言うだろうな


だって薄くなくなるんだぞ?まぁ、俺のは人よりちょっと髪の毛が細いだけだけど


薄いと思う人も居るし!薄いって事にする!してやる!


提督『どうすれば帰れる』


時雨『ごめんそれは分からないんだ本来此処に来るのは死んだ後の筈だから提督が来る事はあり得ないんだ・・多分』


夕立『多分って曖昧っぽい』


時雨『僕も此処に来るのはこれで二回目だからね分からないんだ。長年世界を見続けて来たけどこればかりはね・・』


夕立『うぅ・・それは夕立にも言える・・』


提督『とにかく此処でじっとしていたら本当に死んでしまう可能性があるって事だな。なら、やっぱり母さんを探すしかない』


提督『一度目も母さんのお陰で帰れた』


向こうでは如月が頑張ってくれた


でも、如月は此処にはいない


提督『行こう』


時雨『探すんだね』


提督『あぁ』


夕立『行くっぽい!』


こうして俺達は母を探して三千里の旅に出た


この荒廃した道を三人で歩いて


提督『なぁ、あれなに?』


夕立『知らない時雨は?』


時雨『僕も分からないかな?』


天使『』ピクピク


羽の生えた多分天使だと思われる人が倒れてピクピクしていた


ピクピクする身体に合わせて羽までピクピクしてる器用だ


羽は身体を包めそうなくらい大きい


モフモフしたい


服装は布を最低限巻いているだけだった


胸が小さいお陰ではみ出る事はなさそうだ


これが巨乳なら目のやり場に困る上にはみ出ている


少し残念な気持ちと良かったと思う気持ちがあり複雑だった


提督『むむ・・・・小さいか』


時雨『小さくてごめんね』


提督『へ?』


夕立『・・・本来の力が出せれば改ニに慣れるのに・・そうすれば』


提督『いやいや、別に俺は』


時雨『うん、分かってるから』


夕立『提督・・・』ジトー


駄目だ分かってない話しを変えよう


提督『あ、あれを見てよ輪っかが頭に付いてるぞ!天使だよ!うん!天使だ絶対!』


時雨『天使さん・・大きくしてください』拝み


夕立『夕立は必要ないし!』強がり


提督『はぁ・・・・』溜息


二人を無視して天使に近づく


夕立『・・・・あのバカ』


時雨『夕立』


夕立『分かってる』


するとさっきまでごちゃごちゃ煩かった二人が黙った


どうしたんだろう


提督『あの・・大丈夫ですか?』


天使『』ピクピク


近くで見ると結構可愛い顔をしている白目むいてるけど


提督『あの!大丈夫ですか!』ユサユサ


天使『っ!』ピクッ


良かった気が付いたようだ。天使ならもしかしたら母さんの場所が分かるかもしれない


起きたところ悪いけど本題を


提督『なぁ、実は人をさがー』


天使『人間だぁあああ!!』グワッ


提督『っ!』


いきなり天使が飛びかかってくる


なんで!なんでなの!起こしたからか?どんだけ寝覚め悪いんだよ!


顔がもう悪魔


提督『いやぁあああ!』


ダッ!!


提督『っ!』


時雨『起こしてごめんね!』ドゴッ


天使『ごほっ!』


夕立『お休みっぽい!』ゴスッ


天使『ぐはぁ!』


天使『うぅ・・これは入ったわ』バタッ


天使が飛びかかって来たと同時に二人が殴りかかった


天使はあっという間に地面に倒れた


助かったけど二人から距離があったと思ったんだけど


提督『二人とも助かった』


夕立『不用意に近づくなんてアホの極みっぽい!』


時雨『うん、これは僕もおこだよ!ぷんぷん』


可愛い・・・


提督『ご、ごめん』


時雨『分かったなら良いよ。でも、あまり心配させないでね?ぷんぷんだぞ!』


提督『あ、あぁ』


それ気に入ったのか?


可愛い(確信)


夕立『さてと・・・おら起きろ』ガシッ


天使『た、助けて・・食われる!天使が大好物って顔してる!』


夕立『あぁ?そんなわけなー』


時雨『食われたくなかったら僕達の質問に嘘偽りなく答えるんだよ?言っておくけど空腹の夕立は僕でも止められないから』


時雨『ね?分かった?』


夕立『・・・・・・・』


提督『ぷっ・・』


夕立『きっ!』ギロッ


提督『・・・・・』目そらし


天使『ひ、ひぃいい!わ、分かりましたから食べないで〜』


時雨『提督どうぞ』


提督『あ、あぁ、悪いけどちゃんと答えてくれれば何もしないからね?ちょっとの間我慢してくれ』


天使『は、はい』


提督『恩に切ります』


提督『では早速ですが此処は何処なんですか?貴女は一体誰なんですか?』


天使『わ、私は天使です。そして此処は天国へ続く道です』


提督『どうやら合っていたようだな』


提督『人を探してんだが分からないか?提督母って言うんだが』


天使『っ!何故その名を!やはりお前もあいつの!』


提督『え?』


天使『お前も消してやる!!』


ゴンッ!


天使『いたっ!』


夕立『口に気をつけろ・・じゃないと消すのはお前っぽい』


時雨『今の言葉を夕立語に訳すとお腹減ってきたって』


天使『ひぃいい!!』


夕立『・・・・・・・もう良いや』


時雨『今のは頂きますだね』


天使『ひぃいやぁああああ!!』


提督『はぁ・・・もう良いだろ離してやれ』


時雨『良いの?何か勘違いしてるように見えるけど』


提督『でも、このやり方はやっぱり嫌だな。夕立離してやってくれ』


夕立『ちっ!』パッ


天使『ひっ・・・た、助かったの?』


時雨『提督に感謝するんだよ?じゃないと今頃はその羽は付け合わせのポテトになってたよ。勿論メインは、き、み、だ、ぞ』


天使『ひいっ!そ、その・・あ、ありがとうございました!』


提督『お礼は良いから教えてくれないか?母さんの事を俺達は此処に来たばかりで何が起こったか分からないんだ』


天使『そうだったんですか!それにあの人の息子さんですか!これは・・もしかするかも』


提督『あの、天使さん?』


夕立『やる?』


時雨『指示待ちだよ』


夕立『ぽい』


夕立、時雨『『・・・』』キラン!


天使『貴方の様な優しい方なら・・あの!力を貸してもらえないでしょうか!あの人を提督母を説得してください!』


提督『え?説得って・・』


天使『あ、全く知らないんですよね?なら説明しますけど・・その前にあの殺気を放ってる二人をどうにかしてもらえないですか?怖くて・・』


夕立、時雨『『・・・』』キラン!!


提督『二人ともsit!』


夕立、時雨『『っ!』』おすわり


提督『これで良いだろ?』


天使『は、はい実は』


天使の話しはこうだった


三途の川を諦めていない母さんが天国の門へ同志達を引き連れて抗議のデモ起こしたのが始まりだった


穴を掘ってもすぐに元に戻ってしまう仕様を変えろと言った


しかし、天使の頂点に君臨するセラフィムであるミカエルはそれを無視して天使達に全員の天国強制連行を指示した


そこから人間と天使の全面戦争が始まった


最初こそ天使達が優位に立っていたが人間達の高度な作戦により手も足も出なくなった


デカイ要塞を建て周りに兵を散りばめて近づけないようにしたのだ


戦っても天使達は人間に負けてしまう


人間達には武器があるが天使達には一応あるけど・・問題があるらしい


そしてこの天使は仲間と戦場へ向かう途中で羽がつって落ちたらしい原因は運動不足だ


そして気付いたら俺達と出会ったと言うわけだ


このままでは様々な負の瘴気が溜まりやがて爆発して此処は滅んでしまい天国までに及んでしまうらしい


そうすれば時期に地獄と繋がり大変な事になるらしい(主に地獄と天国の事務の方が)


そしてもうあまり時間が残されていない


この天候がそれを物語っている


元に戻すには母さんを説得してその大きな瘴気の元である三途の川への執念をなくさないといけない


天使『こんな事を頼むのもおかしいですがお願いします!貴方の母を止めて此処を救ってください!』


天使『これから来る人生を終えた方の安らぐ場所を・・壊させないで』


天使『私の!やっと手に入れた職を奪わないで!!もう面接は嫌だぁああ!』


最後の言葉が一番強い気持ち感じたけど気の所為だよね


提督『・・・・・天使さん』


母さん・・・何やってんだよ


思いつきで唐突に何かをする事はよくあるけど


でも、絶対に人の迷惑になる事はしなかった


なのに・・・・


止めるしかない


提督『母さんの所へ案内してくれるか?』


天使『それじゃあ!』


提督『あぁ、母の責任は息子が負うものだ』


かつて母さんがそうしてくれたように


今度は俺が!


提督『行こう』


天使『はい!』


二人が戦場へと歩を進める


その背中には大きな決意とつよさが感じられた


一人は羽で背中は見えないけど


その一人の背中と一人の羽を寂しそうに見る二人


夕立、時雨『『・・・・・』』おすわり


彼女達は主人の指示待ちだった


提督『あ、二人ともcome!』


夕立、時雨『『っ!』』ダッ


そして四人は提督母の居る要塞へ向かった


長くなるようで短い戦いが始まった


因みにこの時点で現実世界ではようやく黒髪が如月を連れて来たぐらいだったりする


提督の姿が少し濃くなった


知る覚悟


医務室が静寂に包まれる


さっきまでの安堵の声や関係ない雑談は聞こえず


ただ皆が事の成り行きを見守っていた


西提督「今更話してくれないなんて言わないよな?如月」


西提督さんは味方の筈だけど隣にいるだけでも吹っ飛ばされそうな気がした


飛ばされないよね?


金髪やメガネが手で合図をしている


金髪「っ!」パッパッ


メガネ「・・・・・」クイクイ


多分だけど


金髪『そこは危ないからこっちへ来い』


メガネ『メガネ〜』


とでも言いたいのだろう


でも、そっちへ行ったら私はただの傍観者になってしまう


それは嫌だ下手をすれば教えてもらえないかもしれない


それに、大事な仲間の事だから傍観を決め込むのは嫌


しがみ付いてでもこの場に残る


ただ、二人も私を心配してくれているのは分かる


ごめんね二人とも


如月「ふっ・・嘘はつかないわ提督に怒られるもの」


西提督「なら、話してもらおうか」


如月「でも、条件があるわ」


西提督「お前は此の期に及んでまだ条件を出すのか!いい加減にしろ!」


如月「これで最後よ。この話しをするのは西提督さん貴方だけよ他には話せない」


西提督「・・・・分かったそれで良い」


黒髪「っ!」


やはりもしかしたらと可能性は考えていた


さっきから如月さんは私に目すら合わせてくれない


まるで私が西提督さんの隣にいるのに気付いていない


いえ、私なんて眼中にないんだ


隣にはいるけど完全に蚊帳の外なんだ


黒髪「良い性格してますね・・」


例えるならサッカー漫画で主人公とライバルのボールの奪い合い


そして主人公はゴール間近までボールを守って走る


でも、ライバルも負けずと奪おうとする


時間もあと僅かで緊迫している状況


チャンスは一度しかない一か八かの勝負


でも、私という名無しのモブがゴール前の良い位置で待機している


パスさえしてもらえればノーマークの私なら確実にゴールに入れられる


必死にパス!と叫ぶ


でも、主人公は私を無視して一か八かの勝負を選ぶ


何故か?モブの私など眼中にないからだ。それに展開的にもモブの私が入れたら面白くない・・しらけてしまう


こういうキャラは漫画のコマの端にすら書かれない存在で読者にさえ認識してもらえない


だって作者ですら知らないんだから


それが今の私・・・・どんなに近づいても主人公の横を並走していても耳元でパスしろ!と叫んでもガン無視される


ならどうするか・・指を咥えて見てるか?解説役に徹するか?違う!


もう逃げないって決めた!無関心でいるのはもう終わり


逆にどんどん踏み込んでやる!私なりの覚悟を持って


西提督「みんな悪いが医務室から出てくれないか?」


そう言われて西提督さんと如月さんだけが残る状況が出来ようとしている(当事者の先輩にそれから三日月さんとあと一人は眠っているのでノーカン)


私はその場に残る


金髪達が出て行く際に連れて行こうとしたけど私の顔を見て何を思ったのか連れて行こうと掴んだ手を放して小さな声で言った


金髪「頑張れよ」


メガネは相変わらずメガネをクイクイさせていたけど唐突に自分のかけていたメガネを私にかけて出て行った


度が全然入っていなかった。折角なので付けたままにしている


阿武隈さんと朝潮さんも私を止めずに黙って出て行った私の前をゆっくりと通って


その隙に私は二人の影に隠れてベッドの下へと隠れる小さい身体がこの時は役に立った


みんなありがと


西提督「さて、話してもらおうか」


如月「待って・・・出てきなさい」


やっぱりばれてしまうかな・・・


でも、それは想定内


黒髪「・・・・・・」


西提督「黒髪出ろ如月と大事な話しがあると言っただろ」


黒髪「・・・・・・・」


モブが指を咥えて見てるのはモブだと認めてしまった奴だけ


どんなにパスを叫んでも無視をされてしまうなら


黒髪「いえ、私も聞きます。動きませんから」座り込み


主人公とライバルからボールを奪ってしまえば良い


なんならボールを手で掴んでそのまま逃亡と言うのも良いかも絶対に無視出来ない


KOを取るのも良いです


要は無視出来ない程まで踏み込めば良いという事


本当に西提督さんと如月さん相手にKOを取れという事ではない


メガネを一度クイッとさせて知的風に言う


黒髪「さぁ、話してください」


西提督「駄目だ出ろ」


やはりそう言うよね・・怖いけど


逃げない!


黒髪「嫌です!私も聞きます!聞かせてください!先輩の部下として聞く義務があります」


如月「部下・・・ね」


西提督「駄目だ!部下だろうがなんだろうが皆に話せない理由があるのが分からないのか!何のために如月が俺だけに話そうとしてるのか!その意味を考えろ!」


黒髪「考えましたけどそれでも知りたいんです!教えてください!秘密は守りますから」


西提督「駄目だ!出ろ!」


黒髪「嫌です!」


西提督「いい加減しろ!動かないと言うなら無理矢理にでも!」


黒髪「そ、そんな事するならセクハラで訴えますから!本気ですから!」


西提督「あのな・・・それは困るぞ」


如月「ふふ、面白い娘ね」


西提督「ほとんどを提督に任せていたからな提督の部下だと言っても過言ではないだろう。こういうところは似てきている喜ぶべきか迷うがな」


西提督「だが、まだ一年生の研修生でありヒヨッコ以下だ」


如月「将来が楽しみね」


西提督「あぁ」


如月「だからこそこの話しは聞かせられない。研修生ごときに背負える重みじゃない」


如月「提督の事を心配してくれてるのは凄く分かる。でも、分かって提督の為を思うなら知らなくて良いこともあるの」


黒髪「知らなくて良い事があるのは分かります。でも!命に関わる事を知らなくて良いなんて言えません!私は先輩の提督さんの部下でー」


如月「その部下って言うのやめてくれる?」


黒髪「何故です?部下だから部下と言って何が悪いんですか?」


如月「気に入らないのよ・・・勘違いでもそう言われるのは」


黒髪「勘違いって・・どういう意味ですか?先輩は私達の上官で私達もそれを認めてます。何処に勘違いが?」


如月「それは研修での話しでしょ?そんなの上官部下の関係じゃないわ」


如月「結局貴女は好奇心から部下であると言う理由を使って聞き出そうとしているんでしょ?」


黒髪「っ!好奇心じゃなくて!私は本当に先輩が心配で!もし次にこんな事があった時にー」


如月「次はないわ私が守るから、それに貴女と提督の関係も研修が終われば生徒と軍人よ」


黒髪「え?待ってください!先輩だって研修生で!学年は四年生ですが練習生の筈では」


如月「あら?西提督さんこれは?」


西提督「提督は四年生だという事だ間違いはないだろ?」


如月「成る程ね・・」


黒髪「え?どういう事ですか?先輩はもしかして・・」


如月「四年生よ。もう着任する鎮守府は決まってるけどね。だから練習生だという事を忘れていたわ」


黒髪「っ!」


卒業しても中々鎮守府に着任する事は難しいと聞かされているのにもう着任にを約束されている


先輩はやっぱり凄い人だった


黒髪「先輩・・・」ポーッ


如月「へぇ・・・・」ニヤリ


西提督「すまん如月って如月顔がにやけてるぞ」


如月「気にしないでそれより」


黒髪「私も頑張らないと!」


如月「今の顔はもしかして」


西提督「如月、時間も無限にあるわけじゃないそろそろ無理矢理にでも俺が追い出そう」


如月「いえ、ちょっと確かめたい事が出来たわ。答え次第では彼女にも聞いてもらう」


西提督「良いのか?」


如月「もし私の思う通りなら彼女には聞いて欲しい。そして選んで欲しい。ごめんなさいもう少し時間をくれる?」


西提督「分かった。俺は出た方が良いか?」


如月「そうねお願い」


西提督「分かった終わったら呼んでくれ」


西提督「黒髪少し席を外す」


黒髪「先輩・・って、え?あれ?まさか話し終わった!」


如月「まだよ。貴女に聞きたい事があるから少し席を外してもらっただけよ」


黒髪「え?私に?」


如月「単刀直入に言うから嘘をつかないで答えて良い?」


黒髪「あ、はい」


如月「黒髪・・貴女は提督の事好きなの?」


黒髪「ふぇ?好き?すき焼きは好きですよ?」


如月「貴女本当に18?年齢詐欺じゃないの?5歳くらい誤魔化してない?提督を異性として好きか聞いてるの」


黒髪「異性・・・提督さん・・あわわわわ!」


黒髪「な、な、何を言って」


如月「答えて大事な事なの」


黒髪「そ、そんな事言われても」


如月「もういいわ西提督さんに外に出してもらうから」


黒髪「あ、待ってください!答えますから」


先輩は普段はだらしなかったり時たま変な事をしたりするけど、その行動には何か意味があってそれに救われた人もいた筈で


私もそうだったその何気ない行動に私は救われた


後、モンエナくれた


でも、部下達の事を一番に考えて自分の事は後回しにするし悩みがあっても溜め込んで・・話してくれない。それだけは不満


私が言うのも変だけど頼って欲しかった


尊敬もしているし先輩のようになりたいと思った事もあるし今も思ってる


でも、好きかどうかと言われると


嫌いじゃないのは分かる


でも、異性として先輩は・・・ないとも言えないしあるとも言えない


正直言うなら


黒髪「すみません・・分かりません。先輩は嫌いじゃないです尊敬もしていますし一緒に居ても嫌じゃないです。ドキドキしたりした事もありましたがそれが恋なのか不整脈なのか分かりません」


好きなのかもしれない


でも、こんな曖昧な気持ちで先輩を好きだと言えない


もっとはっきりした時に


今は曖昧かもしれないけどこれが私の正直の答え


黒髪「それが答えです」


如月「そう・・そうなの、ふふふ」


黒髪「如月さん?」


如月「ちなみに私は彼を愛してるわ」


黒髪「っ!」ズキッ


今一瞬胸に痛みが


やっぱり不整脈なの!


如月「最後に部下だと言うのはただのそれらしい理由を探して出た言葉で本当は・・違うんでしょ?」


黒髪「それは本当です!私は先輩の部下として・・部下として・・・・っ」


ズキッとまた胸が痛んだ


それ以上さっきの言葉を言う事が出来なかった


言いたくなかった


如月「どうしたの?」


黒髪「・・・分からない。さっきまではそう思ったのに・・」


黒髪「如月さんの言う通り違うのかもしれません・・でも、本当に先輩が心配で好奇心なんかじゃないってのは信じてください」


黒髪「こんなに人に興味を持ったのは初めてで・・どうすれば良いとか分からなくて不安で・・その、そう見えたかもしれませんが・・絶対に違うんです!」


如月「・・そう貴女にとっては私の思うより遥かに大きな一歩だったのね」


如月「もう充分よ。貴女苦労してきたのね・・」


黒髪「・・・・・そんな」


如月「嘘ついても顔はそうって言ってるわよ」


黒髪「そんな事は・・ううん、そうですね。何度産まれてきた事を後悔したか分からないほどには」


如月「何があったの良かったら話して無理にとは言わないけど誰にも言わないから」


黒髪「如月さん・・・」


そんな優しい目で見られたら


気付くと口が動いていた


黒髪「無視されるのは当たり前だったかな・・だから私も無視して周りに無関心になったけど・・そんなのはつもりだっただけで・・本当は構って欲しかった」


黒髪「無関心でいれば何もされなかったけど・・・辛かった悲しかった」


如月「もしかして貴女の父親も海軍関係者だったの?だから無視されたりしたとか?」


黒髪「ううん、海軍関係者だったのは母の方で・・あまり良い噂は聞きませんでした。艦娘のメンタルケアをしていたらしくてそれが他の海軍の人達からしたら兵器相手に何をやってんだってなって・・・味方である海軍からも見放されてあっという間にその噂は広まって・・」


如月「メンタルケア・・・もしかしてこの娘」


黒髪「母も行方不明になって裏切者の仲間なんて言われて」


如月「そう・・・貴女も」


黒髪「でも、此処に来れて先輩達に出会えた事でそう思わなくなって今が楽しくて・・」


黒髪「辛かったけどもう大丈夫ですって今なら言えます」


黒髪「今までの事がこの為の布石だと思うとなんかどれも良い思い出に思えます」


如月「その強さ・・そっくりね」


如月「黒髪、合格よ」


黒髪「え?」


如月「提督の事を話してあげる。ううん、聞いて欲しいの貴女には知る資格がある」


黒髪「如月さん・・はい!お願いします!」


如月「西提督さんを呼んで話すわ」


黒髪「はい!」


穢れた血


西提督「黒髪にも話すんだな」


如月「えぇ、構わないわよね?」


西提督「あぁ、如月が良いなら俺は何も言わないが気になるな」


如月「部下としてではなく将来のお嫁さん候補として聞くなら良いって事よ」こそこそ


西提督「ほう・・・・成る程な」ニヤリ


如月「・・・・・・」


如月「私って何がしたいのかしら・・本当にバカ」ボソッ


黒髪「あの、二人で何こそこそ話してるんですか?」


西提督「な、なんでもないぞ!さぁ、如月話しを始めてくれ」


如月「ふふ、そうね」


如月「その前に確認をさっきも言ったけど絶対に誰にも喋らないでって約束出来る?勿論提督にもよ」


如月「まだ、あの子にはまだこの事実を受け止める事は出来ないから」


黒髪「・・・・・・・」


先輩の知らない先輩の秘密を知るなんて


なんか複雑です・・


西提督「あぁ、この軍刀に誓おう」


黒髪「誓う物はないですけど絶対に喋りません!あ、この先輩に貰ったモンエナの缶に誓います!」


如月「よろしい、じゃあ、まずは何処から話しましょうか」


西提督「なら聞きたいのだが俺の軍刀に何が起こったんだ」


如月「軍刀に艦娘の魂が宿っている事は知ってるわよね?」


西提督「あぁ、解体した時に稀に出てくる艦魂(かんこん)から出来ていると言う事も知ってる」


黒髪「へ?軍刀って生きてるの?」


西提督「覚えておけ軍刀には彼女達の魂が宿っている。もし司令官になって軍刀を手に入れることがあるなら大事にしろ良いな?それはお前の魂であり海軍人の誇りになる」


黒髪「はい!ですが、冠婚(かんこん)で出来てると言うと愛で出来るんですね」


式場とかは儲かってるのかな?


キスすると出てくるとか?


西提督「ふっ、愛か良い表現だ」


如月「あながち間違ってはないわ理解が早くて助かるわ」


黒髪「えへへ」


如月「彼女達は私達と同じで意思がある。今回はその意思が暴走状態になってしまった」


西提督「その要因が提督と関係が」


如月「彼女が暴走したのは提督の血を吸収してしまったから」


西提督「血を?いや、特殊な血だ。何かあるのか?人の血や艦娘の血を受け付けずに元艦娘のを受け付ける」


西提督「元艦娘と人又は艦娘達との違いがあるとするなら・・まさか!だとするなら納得が出来る」


黒髪「??」


一人で納得されても困るのだけど・・


如月「そう、提督の血は人間の血と艦娘の血が混じってるのよ。だから入渠ドッグも使えるし軍刀にも反応をした」


黒髪「先輩艦娘だったんだ!」


艦息?でも、艦はないから、息?


西提督「元艦娘達と同じって事か」


黒髪「成る程!それなら艤装がないのも頷けます!」


如月「ちょっと違うのよ。元艦娘は人間の血を少しずつ決まった量を何度も時間をかけて投与する事で艦娘としての力を失い艤装が外れてしまう。部分解体を用いて生まれる存在で艦娘の血に人間の血が少し混じってる状態よ」


如月「でも、提督は人間と艦娘の血が半々で元艦娘とは混じりの割合が全然違うのよ」


西提督「半々だって?どういう事だ」


如月「提督は艦娘と人との間に産まれた子なのよ。でも、あくまで人間ベースだから艦娘のように艤装を展開したりは出来ないけど」


西提督、黒髪「「っ!」」


西提督「待て!人間と艦娘の間に子は出来ない筈だ!人間と艦娘の血は相性は最悪だと聞いてるお互いが潰しあって最終的には身体の血は全て蒸発してしまう筈では」


西提督「部分解体では何度も少量の人間の血を吸収させて艦娘の血自体を変えてしまうと聞いたが半々はあり得ない」


如月「ゼロじゃないのよ。本当にゼロに近い確率だけど二つの血がお互いを受け入れる事があるのよ」


西提督「あり得ないが・・納得は出来てしまう。だが、もしこんな事が上層部にばれてしまえば・・提督は間違いなく捕まる」


如月「実験台にされるわね・・これからの未来の為の尊い犠牲として」


黒髪「先輩・・・・・」


如月「もしばれても提督が海軍人である間は大丈夫よ。上も鎮守府を任せている人物を簡単にはどうこうする事が出来ないの市民の不安心を煽るのもそうだけど艦娘達を使って反乱なんて起こさせてしまっては大変な事になるから」


如月「それにそんな人がまさか司令官になろうとするなんて思いもしないでしょ?普通なら海軍とは関係ない所でひっそり暮らすものよ」


如月「これは流石元帥ちゃんね。そう言うところはちゃんと考えてある」


西提督「何を考えているか分からんがな今回の研修の意味は大体理解しているが少しばかり贔屓過ぎると思うが」


如月「彼は不器用だから」


西提督「便利な言葉だな」


如月「ふふ、そうね」


半分以上置いてけぼり状態・・・


黒髪「あれ?でも先輩はまだ正式には・・」


如月「細かい事は気にしたらダメよ。時期に任されるんだから同じよ」


黒髪「あ、はい・・・」


西提督「父親は行方不明になったと聞いてるがなら母親は何処に」


如月「提督が産まれて少しして海域攻略問題が起きて仲間を逃す為に犠牲になったのよ」


西提督「そうか・・艦娘の宿命を全うしたんだな。立派な艦娘だったんだな」


如月「・・・・・・っ」


黒髪「私はそうは思いません・・だって自分の子を置いて死んじゃうなんて最低です・・なんで近くにいてあげなかったんですか・・どうして先輩を一人にしたんですか」


黒髪「父親はどうして母親を出撃させたんですか」


黒髪「先輩の父親も母親も最低です」


西提督「軍人としては立派だったが親としては・・そうだな」


如月「っ・・・・・そうね、私もそう思うわ」


如月「本当に最低よ」


西提督「もうそれくらいにしよう提督にとっては大切な家族だ。眠ってるとは言え本人の前で言う事ではない」


黒髪「言い過ぎました・・すみません」


如月「良いのよ本当の事だから」


西提督「この話しは終わりだ。次は提督の血がどうして軍刀を暴走させた。それに暴走とはなんだ」


如月「それを言うには少し血の説明をしないといけないのだけど・・元艦娘の血が現艦娘にとって毒と言うのは知ってる?」


西提督「毒だと?」


如月「私達艦娘には艦娘としての血が流れてる。でも、元艦娘には人間の血も流れているの」


如月「黒髪、A型の人にB型を輸血したらどうなる?」


黒髪「そんなの血液型が合わずに拒否反応が起こって死んでしまいます」


如月「艦娘も同じで現艦娘の血がA型とするなら元艦娘の血がB型みたいなものなのよ」


西提督「なら、艦娘は死ぬのか?」


如月「ううん、死なない。人間にすれば死ぬけど艦娘の血はね獰猛なの」


黒髪「獰猛?襲ってくるんですか!」


如月「違うのよ他の外敵を絶対に許さない吸収してしまうのよ。だから元艦娘の血が入っても時間は掛かるけど吸収されてしまうのよ。人間の血も同じよ」


如月「でも、人間の血は何度も決まった量を吸収させる事で艦娘の血自体が変わってしまうけど」


黒髪「それで元艦娘になるんですね」


如月「そうよ。でも、一度にたくさんの量を一気に入れると吸収が間に合わずに半暴走化してしまう」


西提督「半暴走化するとどうなる」


如月「本人は意識もあるし半暴走してる自覚もなくその時の一番の欲望に強く執着してしまうの戦闘が好きなら戦闘狂になったり、お腹が減って食べ物の事ばかり考えている娘なら暴食する」


黒髪「暴食・・・・」


下手をすれば1日で大きく太る可能性もあると


なんて恐ろしい


西提督「知らなかった・・そんな事があるのか詳しいんだな」


如月「そう言うのを調べていた娘の記憶があるから詳しいだけよ」


黒髪「あ、知ってます。同一艦の記憶を引き継がれるんですよね!記憶は宝とも言いますし羨ましいです」


如月「そう?ふふふ」


西提督「・・・すまない」


如月「良いのよ悪い事だけじゃないし」


黒髪「??」


まさか?まずい事でも言った?


西提督「なぁ、もし艦娘が半暴走化したら・・やはり軍刀と同じようにするしかないのか」


如月「そうだと言ったら?」


西提督「駄目なのか・・・」


如月「ふふ、大丈夫よ半暴走化ならまだ助かるわ」


黒髪「ん?なら?」


まるでそれより先がありその先になると手遅れと言っているようだった


西提督「本当か!どうやってだ教えてくれ!もしいつか半暴走化してしまう娘が現れないとも限らない頼む!」


如月「半暴走化は吸収が遅れるだけで時間が経てば落ち着いてくるわ。会社で例えるなら仕事を一気にたくさん持ってこられてモチベーションがダウンして何時もより時間を掛けてしまっているだけよ」


如月「就業時間も過ぎてしまいこんなに仕事を押し付けた上司に腹を立てながら仕事をしてる状態よ」


西提督「成る程それは内心穏やかではないな。だが、時間が解決してくれるのか・・良かった」


黒髪「でも、ほって置くと少なからず被害はあると思います。暴食状態とかは私なら早く止めて欲しいと思いますし」


如月「途中で止める方法を二つあるわ。一つは縛って逆さ吊りにすれば頭に血が上って大人しくなるわよ」


西提督「暴食状態なら捕まえられそうだが戦闘狂とかなら骨が折れそうだな」


黒髪「私には無理です・・逆さ吊りなんて可哀想で出来ません」


如月「なら、二つ目よ。それは見せた方が早いわね」


西提督「どういう事だ」


如月「さっき三日月達を連れてくる時に医務室の外にダンボールを置いてるの持ってきて」


西提督「あぁ、分かった」


ガチャ


西提督「これか?何処かで見た事あるような」ダンボール


如月「開けてみて」


ぱかっ


イムヤ「あぅーー!あひ〜〜」プルプル


黒髪「イムヤさん・・・」


西提督「執務室に忘れていたが今思えばずっとこうなんだが・・大丈夫なのか?」


如月「実はイムヤさんには二つ目の方法をしてるのよ」


西提督「待ってくれ!それじゃあイムヤが半暴走化していたように聞こえるが」


如月「そうよ。三日月との戦闘で彼女噛み付いて結構血を吸っちゃったのよ」


西提督「なんて事だ・・噛み癖治ってなかったのか」


イムヤさんって犬?


黒髪「もし半暴走化したならイムヤさんは」


如月「そうね・・野生化していたわね」


西提督「野生化して此処まで大人しくなるとは・・その方法は如月がやったのか?」


如月「そうよ。仕方なかったのよ三日月ではそう言う知識はないと思うし」


西提督「知識?」


如月「さっき言ったけど一番の欲望に執着するならその一番を変えてあげれば良いのよ」


黒髪「それって・・」


如月「彼女が戦闘狂なら、それを遥かに超える欲を与えるのよ。例えば性欲とかね」


西提督「っ!まさか!」


黒髪「イムヤさんを!」


如月「ふふ、例えの話しよ?何をしたのかは想像に任せるわ。でも、中途半端な欲は意味ないからよく考えてね?」


西提督「あ、あぁ・・・」


黒髪「イムヤさん・・」 ダンボールそっ閉じ


次会う時は何時ものカッコ良いイムヤさんです


西提督「如月、半暴走化があるなら暴走化もあるんだろ?」


如月「あるわ。暴走化したら意識は完全になくなってしまう欲望も何もかもがぶちまけられて狂った様に死ぬまで暴れてしまうわ」


西提督「死ぬまで・・助ける方は」


如月「ないわ。会社で例えるならあまりの仕事の量に捌ききれずに無理をして過労死してしまい誰も仕事をする人がいなくなってしまった状態よ」


如月「吸収をしなくなってしまい不安定な血に身体も心もついて行けずに壊れる。こうなったらやってあげられる事は誰かを殺して殺人犯のレッテルを貼られる前に殺してあげる事よ」


黒髪「・・・・本当にどうにもならないんですか」


如月「身体は動いていても既に死んでしまっているのよ」


黒髪「そうですか・・・」


西提督「そう言う事が起こらないように気をつけるしかないな。知っているのと知らないとでは起こる確率もぐんと減る黒髪知るという事はこういう事だ。辛いならもう出ても良いぞ」


黒髪「いえ、大丈夫です。全部聞きますから」


如月「無理はしたらダメよ?」


黒髪「はい」


西提督「暴走化の事は理解した軍刀も艦娘の魂で出来ているのだから血を吸ってしまえば暴走してしまう事も分かった」


西提督「だが、イムヤは三日月の血で半暴走化したが軍刀は提督の血で暴走している提督の血も毒なのか?」


如月「そうよ・・でも、さっきも言ったけど元艦娘と違い血は人と艦娘で半々」


如月「元艦娘よりも毒性は強いわ。しかも軍刀にとっては我慢できない程のご馳走になるの」


西提督「ご馳走だと?」


如月「軍刀は血が付いても本来なら平気なのよ。吸う事さえしなければね危険だという事も軍刀は理解してる」


如月「軍刀には自分の血が入ってないから入ってしまえば打ち消す事も出来ず残ってしまう事も分かってた筈よ」


如月「でも、吸っちゃったのよ。分かってても吸っちゃうくらいに提督の血は・・惑わせてしまう」


如月「提督の血には艦娘達を惹きつける何かがあるのよ・・」


如月「こんな事言いたくないけど・・提督が艦娘達に好かれやすいのはこういう事も少なからず関係しているのかもしれないわ」


西提督「いや、それはないだろう。提督が好かれているのは提督の人としての実力だ。でなかったら人間である俺も黒髪も提督を好いていない。そこは信じてやれ」


西提督「俺は中々人は認めないからな!そんな俺を認めさせたんだ提督の実力は本物だ」


如月「西提督さん・・・・」


黒髪「す、好いてるかは別として尊敬はしてます。これが血の所為だとは思えません!」


黒髪「金髪もメガネも先輩を信じてます!こんなに人から好かれているのに血の所為だなんておかしいです」


如月「黒髪・・ありがとね二人とも・・そうよね提督を信じてあげないといけないわね彼は彼だからこそみんなが着いてきてくれる信じてくれる」


如月「私少し疲れてるのかもしれないわね。でも、もう大丈夫よ!」


如月「で?何処まで話したっけ?」


黒髪「本当に大丈夫なのかな・・・」


西提督「提督の血がご馳走だというところだ」


如月「あ、そうだったわねそれで今言っても遅いと思うけど多分彼女は耐えたと思うのよ。吸わないように我慢していたんだと」


如月「だからすぐに血を拭いてあげれば良かったのだけど言っても遅いわね」


黒髪「そんな簡単な事で防げていたんですね」


西提督「何故そう思う・・」


如月「と言うと?」


西提督「何故耐えていたと言えるすぐに吸ってしまったかもしれない。慰めるつもりで嘘を言ってるならやめてくれ」


如月「残念ながら私もそう言う嘘は嫌いよ?そう思ったのは彼女が艦娘としての誇りを捨てていなかったからです」


西提督「誇りを?」


黒髪「埃?」


如月「軍刀を折るとき抵抗された?重くなったりとか」


西提督「あぁ・・いきなり凄く重くなったがどうにかギリギリ持てていた」


如月「彼女が本気で抵抗していたなら人では持てないわ。抵抗していたのはきっと貴方にではなくて暴走化にだったのよ」


西提督「っ!」


如月「最後の最後で貴方を信じて貴方の持てるギリギリまで耐えたのよ。そんな娘がすぐに血を吸ってしまうなんて思えないからよ」


西提督「そうか・・・そうだったか。よく頑張ってくれたな」


腰に下げている軍刀に手を置き微笑んだ


黒髪「・・相棒か」


私にもいつか出来るかなお互いがお互いを信じて戦ってくれる相棒が


先輩の顔が一番に浮かんだけど近くにいるからであって偶然


黒髪「・・・・・ふふ」


如月「今まで言った事を踏まえて結論を答えるわね」


西提督「あぁ、正直色々聞いて混乱してるからまとめてもらえると助かる」


黒髪「メモしていたんですが読めないのでお願いします」


如月「どうして提督の傷が軍刀と関係があったのか、そして軍刀に何があったのか」


如月「軍刀は提督を斬った事で血が付いてしまい耐えるけど吸ってしまい暴走化」


如月「舐めた時に血の味が全くしなかった事から付いた血は全部吸ってしまった量からすれば暴走化するには充分過ぎる程あった」


如月「それから何かしらの方法で提督の足に傷を付ける事が出来た。多分だけど縛られていたから軍刀で紐を切ろうとしてその時に切ってしまったのね」


如月「暴走状態の軍刀は血を欲していた。だから切ったと同時に傷口に血が止まらないように呪いをかけた。これは私が軍刀で自分を斬った時に確信したわ」


如月「艦娘である私が斬れなかった。それ程までに全ての力を使っているしかも継続的な何かにね」


如月「だから折る事で無理矢理その力を解除させた。でも、最後の最後で彼女は正気を取り戻したようだけどね」


黒髪「呪いですか・・なんかあまり納得は出来ないですね」


如月「私も呪いとかよく分からないけど分かりやすく言うとそう言う言葉を使ってしまう軍刀化した艦娘の力はまだあまり解明されていないのよ」


西提督「もし、呪いと言うのが自由に使えるようになるとあまり想像はしたくないが人間同士の争いは更に増えるだろうな。隠しておいた方が良いだろう」


如月「だから彼女達も隠していたのかもしれないわね」


黒髪「こんな力になんの意味が・・」


西提督「さぁな・・どんな物も使いように寄れば武器にも何にでもなる呪いもそうだろう」


如月「以上が私の知っている事と予測を兼ねた答えよ」


如月「元艦娘や提督の血は危険だけどそれこそ大量に摂取する事なんてないと思うし・・それ以外は妖精さんに不安定な存在としてちょっと・・いえ、かなり・・いえ、凄く・・いえ、怪物級として怖がられている以外は普通の人間と変わらないのよ」


如月「だから、二人とも提督をそして元艦娘達を嫌いにならないでください・・お願いします!」


西提督「ふっ、友を裏切る事は絶対にない。それは今も変わらない。元艦娘達だって必死に生きている者を愚弄などしない」


黒髪「私もそのくらいで先輩を嫌いになんてなりませんからモンエナくれましたし元艦娘達も私達と変わりません嫌いになるなんておかしいです」


如月「ありがと・・ありがと・・」ポロポロ


如月「提督良い人達に出会えて良かったね!」ゴソゴソ


お礼を言うと如月さん愛おしいそうに提督の元へ行って布団へ潜り込んだ


その流れるような仕草で潜り込んだのでおかしいとは微塵も感じなかった


そう、それがまるで当たり前のようかのように


西提督「さて、難しい話しは終わりにするか」


黒髪「そうですね」


西提督「おっと、あと一つ重要な事を聞いていないぞ」


西提督「如月最後に一つ、何故三日月の血は提督には大丈夫なんだ?元艦娘の血は提督の血と比率は違うだろ?」


黒髪「あ、そうです!これを聞かないと」


軍刀の話しが濃すぎて忘れてしまっていた危ない危ない


布団から顔だけだした如月さんが眠そうに答えた


如月「提督の母親が睦月型の娘だから。元艦娘になると型によっても血液型が変わるから睦月型の元艦娘の血じゃないと受け付けないのよ。比率に関しては提督にも艦娘の血があるのだから比率が違ってもどちらか一つの純血じゃなければ吸収してくれるわ。提督の血は毒性も強いけどその分獰猛差もマシマシよ〜ふぁ〜」


如月「私は疲れたわ〜もう寝る・・お休み」スポッ


そう言って亀のように布団へと首を引っ込めた


如月「あ、そうそう、黒髪、その眼鏡渡しなさい」


と思ったら布団から手だけだして眼鏡を要求した


黒髪「あ、はい、どうぞ」


ちょっと気に入ってる眼鏡を外してその手に置くと


グシャ!


握り潰した


黒髪「へ?な、何をしてんですか!これは借り物で」


西提督「何かあったのか?」


如月「こっそり会話を録音して後で聴くつもりだったのよ。やるわねあの子」


西提督「うむ、この眼鏡になんか付いてるな」


如月「ボイスレコーダーよ」


黒髪「え?そんな」


私もしかして利用された?


如月「後はそこにビデオカメラが隠してあるわ」指差し


西提督「むむ、油断も隙もないな!気に入ったぞ!」ビデオカメラ破壊


黒髪「何処でこんなの手に入れたのか・・西提督さんカメラごと破壊しなくても・・」


如月「そことそこにもあるわね。そこにも」指差し差し差し


西提督「ふははは!!」破壊破壊破壊


黒髪「はぁ・・・・」


如月「これで安心よ・・お休み」


西提督「如月の方が上手だったな!ふははは!」


なんで西提督さんはこんなに嬉しそうなのか


黒髪「メガネ・・後で文句言ってやる!」


くしゃくしゃになった眼鏡を持ってそう思った


でも・・・・・


黒髪「・・・・・・」


先輩が人間じゃないとか艦娘とのハーフだとかばれたらやばいとか色々聞いたけど


私にとってどれもそんなに深く考えるような事ではないと思う


先輩は先輩でどんな過去があっても私が会って見て感じた先輩が先輩なんだ


この事は秘密にするけど


気付いた時には忘れてるかもしれない


それで良いんです


黒髪「先輩・・これからもよろしくお願いします」


そしてその日が終わったのだった


メガネにくしゃくしゃの眼鏡と西提督さんが破壊した諸々の機器を返したらガチ泣きされたので自業自得とは言え怒れなかった


こうして研修4日目の先輩の知らない話しは終わりです


三途の川ウォーズ中編


ー???ー


永遠に続く花の枯れてしまった花畑で拳と拳で語り合う二人とそれを見守る三人がいた


一人は一心不乱に相手の命を狩ろうと攻撃する者


もう一人は戦う事に抵抗があるようで防御に徹していた


しかし、それも長くは続かず終わりは突然と来た


提督『佐藤さん!話せば分かります!少しで良いから話しを!』


佐藤『黙れ!くらえ!佐藤、ザ、パンチ!』シュッ


提督『当たるか!』サッ


天使『危ない!避けて!』


佐藤『甘い!佐藤二連撃だ!二発目は痛いぞ!』ドゴッ


提督『ぐぁ!』


佐藤『さぁ!寝ろ!』ゴスッ


提督『うわぁ!』


佐藤『この天使に味方する裏切り者めが!』首絞め


提督『ぐぅうう!』


佐藤『抵抗しても無駄だ!我らが姫の創る三途の川の礎となれ!』


提督『あ・・ぐっ・・』


意識が・・・・


くそ!こんなところで・・・・


時雨『・・・・・・』


夕立『・・・・・・』


二人は俺を強い眼差しで見ていた


その目は・・まだ信じてくれるのか俺を・・


そうか・・・そうだな


諦めるなんて俺じゃな