2016-12-30 23:16:14 更新

概要

多少のオリジナリティ感を出しています


前書き

設定↓
時代:2016年

鎮守府:舞鶴鎮守府

艦娘:軍事機密、日本では表向きは女性自衛官及び女性の志願者がいくつものの試験を受け艦娘と慣れるとされている
当初は戦闘機や艦船からの砲撃で対処していたが、終わりの見えない戦闘と搭載兵器のコストの高さから見直しが行われ
第4次オイルショックを切っ掛けに対深海棲艦用の兵器開発が各国で始まる
日本が最初に人類初の水面直立歩行装置を開発
深海棲艦の硬度から第二次大戦時の軍艦の主砲などがモチーフで対深海棲艦砲が開発され、人でも打てるように小型化された
しかし、各国で艦娘のシステムはそれぞれ違う

深海棲艦:6年ほど前にアラビア海域で姿を表して以降、爆発的に各地の海域で確認されるようになった
タンカーや輸送船などを襲撃してくる為、石油価格が高騰し世界各国では第4次オイルショックと呼ばれる程で
原油価格を5ドルから12ドルへ引き上げる事態になった原因




テクテクテク………


雷「ふぅ…ここが私が配属される鎮守府ね!話によると、ここの司令官は新人らしいけど私はそんな事気にしないわ!」


執務室前………………………


雷「ここまで来るのに妖精さんや憲兵さんしか会ってないけど…少し不安…でもここで悩んでも仕方が無いわ!」


コンコン


?「入っていいよ〜」


雷「着任しました!吹雪型(特型)23番艦の雷(いかずち)よ!かみなりじゃないわ!そこのとこもよろしく頼むわねっ!」


提督「よろしく〜、因みに俺がここの鎮守府の提督だ、横にいるのは秘書艦の…」


叢雲「特型駆逐艦、5番艦の叢雲よ、いい加減に私の名前を覚えなさいよ!!」


提督「なっ!ちゃんと覚えとるわ!俺が紹介する前にお前が勝手に先言ったんだろうが!」


叢雲「黙りなさい!朴念仁の癖に!」


提督「なんだとぉ!?」


雷「あ、あのぉ…」


提督「あっ、すまないすまない見苦しいところ見せちゃったね」


雷「全然大丈夫よ!仲が良さそうでよかったわ」


提督「ハハッ、因みに聞いているだろうがここの鎮守府は私が着任したばかりって事もあってな余り艦娘が居なくて

工作艦の明石と補給艦の伊良湖と軽空母として現役を引退した定食屋の鳳翔さん

戦闘員としては駆逐艦の叢雲と時雨、軽巡洋艦の川内だ

他に大淀という軽巡洋艦がいるが主に本部からの任務を連絡する任務娘として仕事している。

叢雲!」


叢雲「何よ…」


提督「雷(かみなり)に鎮守府を案内してやれ」


雷「私は雷(いかずち)よ!!」ガタッ!


叢雲「わかったわ、これはアンタの為じゃ無くて雷(かみなり)の為なんだからね!」プイッ!


雷「だから私は(ry」


提督「ハイハイわかったから、案内してあげてね〜」


雷「ねぇ、司令官? ……あれ? 聞いてるー?」


提督「それじゃあ雷(かみな…」


雷「…」プルプルッ


提督「嘘嘘!冗談だよ!冗談!雷(いかずち)!ちゃんと覚えてるから!!」


雷「もう司令官なんて知らないっ!」プンプン!( *`ω´)


叢雲「ほらっ、雷!行くわよ」スタスタ


雷「あっ、待ってよ!」タッ!


提督「…フッ、また賑やかになりそうだ」


………………………


あれから、ここに所属する艦娘達に挨拶して色々していたら既に夜を迎えていたわ

そして夜の10時頃

私はこれからの事を日記に書く事にしたの


………………………………………………

7月25日 月曜日 晴れ☀️


今日は無事、ちんじゅふに着任したわ!

ここの司令官の第一いんしょうはじょうだんと悪ノリばっかりで少し不安だったけど

1日すごしてみて、悪い人じゃあないみたい!

こせい豊かな人ばっかりなちんじゅふですが、私!雷はこれから精一杯がんばるわよ!*(^o^)/*

………………………………………………


次の日の朝


ここの鎮守府は朝7時半から朝礼があるらしいの

朝礼って言ってもまだここの鎮守府はそこまでの人数がいないのでグラウンドでは無く体育館をつかって朝礼を行うらしいわ!


パーッ!パーッ!パーッ!


早朝の起床ラッパが全館内に響き渡る


雷「ハッ!もう時間なの〜?」


時雨「おはよう雷」


雷「時雨っちおはよう!って何で髪がボサボサじゃないの!?」


時雨「僕は起床ラッパが鳴る前に起きて、手入れしているんだよ」


雷「そ、そうなんだ〜」


時雨「最初は仕方が無いよ、でも皆同じことしているんだよ」


雷「つ、次から早く起きないとね!」


時雨「それじゃあ早く制服に着替えて体育館に行くよ」


雷「はーい!いっきますよー!!」


私はすたこらさっさと制服に着替え体育館へと急ぐ

横目で窓を覗くと一面海が広がっていて、桟橋には海上自衛隊の護衛艦が停泊していて

そこで自衛官が早朝訓練の真っ最中だった


体育館に着くと艦娘を始めここの職員達が整列していた、やっぱり皆んな早いわね


川内「どうしたの時雨?いつもより遅いよ?貴女らしくも無い」


時雨「雷に朝の説明をしてたんだよ」


川内「そっか〜、てか今日こそ夜戦あるかな!?」


時雨「今の僕たちの戦力で夜戦だなんて到底できないと思うなぁ」


川内「そ、そんなぁ〜」


時雨「今は1-2を攻略するのが目標だしね、気長に待っていればそのうちに夜戦ができるよ」


川内「仕方が無いわね…」


雷「そういえば叢雲は?」


川内「あぁ、叢雲なら秘書艦だから提督の補佐をしているよ」


提督「皆さんおはようございます!」


一同「おはようございます!」


提督「本日はエリア1-2南西諸島沖を攻略するのが目的だ、敵勢力は前回とそこまで大差は無いが気を引き締めて掛かるように」


叢雲「敬礼!」ビシッ!


一同「ハッ!」ビシッ!


叢雲「私から連絡がもう一つ、今日昼頃に2名の艦娘が着任するので、そのつもりでお願いします」


一同「ざわざわ」


雷「着任ってこう毎回報告されるの?」コソコソ


時雨「ここの鎮守府は報告するみたいだよ、しないところもあるけれど、司令官がその方が仲良くなりやすいだろうって」コソコソ


雷「なるほどね〜」コソコソ


叢雲「アンタ達!静まりなさい!!」


一同「…」


叢雲「…今日の予定は提示板に張り出されるから確認して動くように、以上!敬礼!!」ビシッ!


一同「ハッ!!」ビシッ!


叢雲「ヤメッ!解散!!」シュタッ!


一同「ガヤガヤガヤガヤ」


時雨「それじゃあ朝食食べに行こうか」


雷「えぇ!朝の食事が何か楽しみ!」


食堂………………………………………………


ここの食堂はここの隊員には無料で定食が食べれる


鳳翔「はい、塩サバ定食二つお待ちしました〜ごゆっくり召し上がってくださいね〜」


雷「うわぁ美味しそうね!」キラキラ


鳳翔「ありがとう雷ちゃん、塩サバ定食は2番目に人気メニューなのよ」


雷「そうなんですか!」


時雨「一番人気なのは、お任せメニューなんだけどね」


雷「お任せメニュー?」


時雨「そう、鳳翔さんが好きなメニューを作ってくれるんだ、ここの隊員達はそのシステムが妙に懐かしくなって頼むらしいよ」


雷「懐かしい?」


時雨「簡単に言ったら、母の味というかメニューというか、そんな感じかな」


雷「なるほど〜」


鳳翔「提督もよくお任せメニューを注文するわ、あら噂をすれば」


雷「あっ!司令官!!おは…ようごい…ます?」


提督「おっ、雷と時雨に鳳翔さん!おはよう」


??「Hello〜」


雷「あのぉ…隣の金髪の方は…」


提督「あぁ、紹介してなかったな」


ウォースパイト「Queen Elizabeth Class Battleship 二番艦、Warspiteです。よろしくお願いしますね。生粋の英国生まれ、英国育ちの戦艦です」


時雨「海外艦ですか」


雷「なんだろ、英国って聞いたら親近感が湧いてきたわ」


鳳翔「久しぶりですね、ウォースパイトさん」


ウォースパイト「oh!! housyou! long time no see!」


雷「知っているのですか!?」


鳳翔「えぇ、何せ一か月前に会いましたから」


時雨「ウォースパイトさんとはいつ頃からの付き合いなんだい?」


提督「あぁ確か俺が大学三年生、イギリスに留学していた時に知り合ったんだよな」


時雨「提督が学生時代って事は、結構前だよね」


提督「そうだな、あれからもう6年も前になるのか」


ウォースパイト「あの時は貴方も私もどうしたらいいのか、わからなかったですね」フフッ


雷「えぇと、お二人はどんな関係で?」


提督「なんていうか、親友みたいな感じ?」


ウォースパイト「Close friend!」


提督「当時俺は国際関係の仕事に就きたかった、それには英語が出来なければならないからイギリスのロンドンに留学していたんだ」


鳳翔「あら?その事は初耳ですわ」


提督「言わなかったからな、丁度留学して二週間たった頃ロンドンで海軍のイベントが開催されていて、俺はその近くで警備のバイトをしてたんだけれど」


ウォースパイト「oh.恥ずかしいからやめてください!」///


提督「当時彼女は海軍の艦娘訓練生で新人生代表だ、そんなエリートがまさか曲がり角で衝突するという漫画みたいな事を」ププッ


ウォースパイト「もぉ!いいんじゃないですか!」


鳳翔「仲が良さそうでなによりですね」フフッ


時雨「それでウォースパイトさんは着任するのかい?」


雷「それは気になったわ!」


提督「それなんだが、今、日英間の交流会があって彼女は一週間ちょっとここに停泊し、我が艦隊としてうごいてくれるだそうだ」


ウォースパイト「簡単に言えばHelperみたいに思っていくれたらいいわぁ」


雷「すごいわ!英国の戦艦が味方ならすぐに鎮守府海域を攻略出来そうね!」


ウォースパイト「それが、残念ながら私は参加出来る戦闘は少ないの」


雷「え?なんで?」


ウォースパイト「資材が底つくからよ」


提督「あぁ、残念ながら俺らの鎮守府は他の鎮守府のように資材倉庫が一万、十万といった桁の貯蓄は無くウォースパイトの様な戦艦が毎度出撃すると直ぐに資材がすっからかんになるんだ」


時雨「そればかりは仕方が無いね」


鳳翔「それでも一週間程は大切な仲間だという事に変わりないのだから、仲良くしましょうね!」


雷「えぇ!そうね!」


提督「ウォースパイトも、仲良くしてあげてくれよ」


ウォースパイト「ふふっ、わかってますわよ」ニコッ


♪♪♪♪〜〜


提督「この曲は…」


ウォースパイト「えぇ、祖国の国家ですわね」


提督「そういえば海自の方にも英国の護衛艦が停泊するんだったな」


ウォースパイト「たしかね23型フリゲート艦が2隻程来日しているはずよ」


提督「まぁ余りここと関係無いけどね」


そして時間は過ぎていき、ようやく初めての任務の時間がやって来たわ!


………昼頃………執務室


川内「さて!任務の時間ね」


時雨「今回の任務でウォースパイトさんはまだ参加しないそうだよ」


雷「だよね〜だってまだ序盤のエリアだもんね」


川内「でも新しい艦隊が二人一緒に参加するみたいだよ、提督に聞いたら任務説明と一緒に紹介するらしいけど」


雷「あぁ気になるわね〜」


川内「まぁまぁ、それじゃあ入るわよ」コンコン


提督「おぉ来たか、入れ」


川内「入るわよ〜」


提督「さて、今回の南西諸島沖は本来なら叢雲いれて四人で行ってもらうつもりだったが…

意外に着任予定の二人が早く到着したので一緒に同行してもらう」


川内「なるほどね、今叢雲が案内しているところかしら?」


提督「まぁそんなところだ、クラスは駆逐艦と軽巡洋艦と二人と聞いている」


雷「よかったね時雨!仲間が増えたよ!」


川内「おいやめろ」


時雨「た◯ちゃんネタはここまでだよ」


コンコン


叢雲「提督、艦隊を連れてきたわよ」


提督「おっ来たか、入れ」


叢雲「了解、失礼するわ」ガチャ


提督「オーケー、それでは自己紹介してくれ」


神通「あの……軽巡洋艦、神通です。どうか、よろしくお願い致します……」


雪風「陽炎型駆逐艦8番艦、雪風です!どうぞ、宜しくお願い致しますっ!」


川内「おぉ!!神通!!会いたかったぞ!」ギュ!!


神通「ね、姉さん…は、恥ずかしいですよぉ」///


雷「暁型3番艦の雷よ!同じ駆逐艦同士よろしくね!」


雪風「はい!よろしくお願いします!」二パー


時雨「ちなみに僕は白露型駆逐艦2番艦の時雨だよ」


雪風「みんな優しそうな人で雪風は幸せです!」


叢雲「こらこらあんた達、時と場所をわきまえなさいよ!」


提督「ゴホッ!…それでは軽巡洋艦2隻と駆逐艦4隻で南西諸島沖に出撃してもらう

海自のシーホークが偵察した所、出没する敵は、駆逐艦、軽巡に加え雷巡となっている

雷巡チ級は、強力な雷撃をしてくるので注意が必要だ

そこまで強敵は出ないが深追いはするなよ

ここでのモットーは"生きて帰るみんな家族"だ、忘れるんじゃねぇぞ!」


一同「ハッ!」


提督「旗艦は叢雲、頼んだぞ」


叢雲「えぇ、任せなさい!」


川内「それじゃあ出撃するわ!」


提督「カタパルトまで見護りに行くよ、くれぐれも無事にな」


雷「もぉ司令官、心配しすぎだって!」ハハハ


時雨「僕たちがそう簡単にやられる程弱く無いよ」


ウォースパイト「それでは皆さん頑張ってくださいね」


川内「へ?だ、誰ですか!?」


提督「また説明しないといけないのか…」


叢雲「だから言ったでしょ!?面倒な事になるって」


提督「まぁかくかくしかしかで」


川内「なるほど〜わかったぽい〜」


神通「姉さん…キャラが違いますよ」


川内「それじゃあ一週間だけって事は、またイギリスに帰っちゃうの?」


ウォースパイト「そういうことになりますわね」


雪風「でもまた会えますよね!?」


ウォースパイト「それは勿論ですわ!」


提督「ウォースパイトが参加すれば簡単に終わる話なんだがなぁ…」


ウォースパイト「私が言うのもおかしいですが…今の段階ではチートっというものですわ」


提督「それもそうだな」


叢雲「いるだけでもチートですけどね…」


提督「気にしたら負けだよ」


蒸気カタパルト………………………


シュォオオオ!!!!!


雷「うぅ、緊張してきたわ…」


時雨「大丈夫だよ雷、僕たちがついているよ」


叢雲「それぐらい緊張感あったほうが気が引き締まっていいわ!」


川内「ほら!神通ももっとシャキっとしなよ!」


神通「うぅわかってるわよね姉さん」


雪風「しれぇ!無事に帰ってきたら褒めてほしいです!」


叢雲「んなっ!?」


提督「あぁ、いくらでも褒めてやるからしっかり頑張るんだぞ」


雪風「はい!しれぇ!」


提督「他の者も一緒だぞ!ひと暴れして来い!」


叢雲「第1艦隊出撃するわ!」


シュゴォオオオオオオ!!!!!


………………………………………………

……………………………

……………………


ウォースパイト「行っていきましたね」


提督「あぁ」


ウォースパイト「雪風ちゃん…すごく死亡フラグ建ててたけど心配ね」


提督「彼女は幸運艦なんだ、そんな簡単に沈むかよ」


ウォースパイト「戦艦ならね」


提督「バト◯シップのミズーリじゃないんだからさぁ」


ウォースパイト「ここは気長に待ちましょう」


提督「そうだな」


…………………南西諸島沖………………………


叢雲「こちら叢雲、今12:00時に南西諸島沖の海域に進入します」


提督『こちら提督、了解』


雷「思ったより遠かったわね…」


時雨「そうね、でも敵さんは僕たちを休ませるつもりはないようだよ」


川内「見つかったよ!来る!敵駆逐艦ロ級が二体!」


叢雲「たかがロ級よ!軽く蹴散らしてやるわ!」


ロ級「ガアァ!!」


川内「全砲よーい!撃て!」ドォン!!


ロ級「ウギャアア」バァン!!


川内「よし!一体仕留めた!」


神通「残り一体です!」


雪風「いつでも来いです!」


ロ級「グァアアア!!!!!!!」


神通「雪風ちゃん!後ろです!!」


雪風「大丈夫です!雪風は沈みませんっ!」


すると雪風ちゃんは海中から浮上し、真後ろから攻めてきたロ級を軽々とかわし目の前を通り過ぎた

そこで雪風ちゃんは主砲では無く魚雷を打ち込む

至近距離だったのでロ級は、かわす時間も無く着弾し撃沈した


雪風「幸運の女神のキスを感じちゃいますっ!」キラキラ


時雨「かわいい顔をして、やってる事はえげつないよ」


叢雲「雪風!今のやり方は自分も爆風に巻き込まれる可能性があるわ!」


雪風「といいますと?」


叢雲「自分も被害受ける可能性があるって言いたいの!だからこんな荒行はやめなさい!」


雪風「大丈夫ですよ!」


叢雲「は?」


雪風「雪風は沈みませんっ!」


叢雲「そう…でもね!このやり方だといつか死ぬわよ!」グワッ


川内「あの雪風って子、そうとう自分に自信がありそうだね」コソコソ


神通「実際つよいですよ…」コソコソ


川内「でも、あの戦法は本来の魚雷の使い方じゃない、相手が駆逐艦程度だから勝てたものの、その相手が雷巡だと一発で沈まない可能性がある」コソコソ


神通「敵の攻撃も至近距離で被弾する可能性もあるってことですね」コソコソ


川内「そういうことよ」コソコソ


時雨「揉めているとまた敵に襲撃される、その前に前進するべきだよ」


叢雲「む、それもそうね、前進するわ!」


雷「……」


雷『緊張してて何もできなかった…次こそは活躍してみせるんだから…』


前進すること10分ほど………………………


神通「敵機発見!軽巡洋艦ホ級二体と駆逐艦ロ級一体です!」


雷「今度こそ当てて見せるわ!」ガチャ!


雷「はーい!魚雷!いっきますよーっ!」ドドド!


ススス……………………スカッ


雷「は、外れた!?」


叢雲「切り替えて!ほらっ!敵の魚雷が迫ってくるわよ!」


雷「えっ!?」


ズズズッ!!


雷「ヒィッ!?」


敵の魚雷は間一髪のところで真横を通り抜け、かわしきった


時雨「キャッ!!」ドォン!


川内「時雨被弾!大丈夫!?」


時雨「う、うん大丈夫だよ」よろっ


時雨は、よろつきながら黒煙が出ている主砲を構える


叢雲「こんな物かしらっ!!」ズバッ!


ロ級「ギィヤァアアア!!!!!」


叢雲「駆逐艦は片付けたわ!こちらの被害は!?」


雷「時雨が!時雨が中破したわ!」


叢雲「了解!時雨は戦闘を控えるように!」


時雨「くっ、仕方がないね…」


そんな中、雪風は敵の軽巡洋艦に次々と攻撃を仕掛けていた


雪風「そんなものなの!?」ドォン!


ホ級「ググゥ!」


雷「すごい…一人で軽巡洋艦を押している…」


雪風「まだです…まだ大破です撃沈していません…」


ホ級「グァアアア!!」


神通「雪風ちゃん!退いて!!」


雪風「ッ!」


雪風は、何かに気付いたのか瞬時にその場を離れる

そこには神通が発射したと思われる魚雷がそこにあった


ズゴォオオオン!!!!!!


ホ級は黒煙を上げながら撃沈していった


雪風「ありますございます!」


神通「い、いえ、私は別に…」///


川内「何照れてるんだよぉ神通!今の魚雷はナイスタイミングだったよ!」


雷「み、みんなすごい…また私は何もできなかった………ん?」


黒い何か「……」ススス


黒い何か「……シヌガヨイ」ガチャ!


雷「て!敵襲!!!!!」ドォン!ドォン!


叢雲「なんだって!?」


黒い何か「チッ」サッ!


時雨「今のは…雷巡洋艦チ級!!」


チ級「…カンノイイヤツメ」


叢雲「こちら叢雲、提督!雷巡洋艦チ級が姿を現しました!指示をお願いします!どうぞ」


提督『こちら提督、その雷巡洋艦がこの海域のボスだ、ありったけの弾を撃ち込んでやれ!』


叢雲「了解しました、皆!こいつがラスト目標よ!なんとしても打ち倒すわよ!!」


神通「雷ちゃんの砲撃のおかげで小破になってますが、油断大敵です…」


時雨「雷、ちょっといいかな」コソコソ


雷「え?別にいいけど」コソコソ


時雨「作戦があるんだけど、手伝って欲しんだけれどいいかな?」コソコソ


雷「わかったわ、それで作戦は?」コソコソ


時雨「かくかくしかじか……」コソコソ


雷「…なるほどね、それじゃあ任せたわよ」


私は右回りし雷巡洋艦に発砲する、もちろん敵は避けるために左回りする


チ級「ソノテイドノ、メイチュウリツデ、シズムワケナイ、ダロ」


するとチ級は魚雷らしき物を発射させた


川内「神通!!危ないっ!!」


神通「ハッ!!?」ドォゴォオオン!!!


川内「じぃんつぅう!!!!!」タッ!


神通「うぅ………姉さん…」ボロッ


川内「神通…あんたいつの間に(胸)成長して…」ジッー


神通「姉さん…私の心配じゃないのね………」


川内「ち、違うわよ!!これは事故よ!」


神通「私…被弾したので、どちらかと言えば事件ですよね…」


一方でその頃…………………


雷「このっ!当たれっ!」ドォン!ドォン!


雪風「あのままだと、弾が無くなるだけですよ!」


時雨「それはどうかな」


ススス………………………


チ級「ッ!?マサカ…」


時雨「そう気付いてしまったか…だけど気付いた時は既に遅しだよ」


チ級「グァアアア!!!!!」ドォゴォオン!


時雨「そう、どこに逃げても当たるように放射状に魚雷を発射したんだ」


叢雲「今よ!一斉砲撃!!」ドォン!


ドォゴォオオン!!!!!


チ級「ギィヤアア!!!」ブクブク


敵の雷巡洋艦は断末魔をあげながら沈んでいった


叢雲「こちら叢雲、敵は勢力を無効化!!ミッションクリアよ!」


提督『こちら提督、お疲れさん!無事に鎮守府に帰投してくれ』


叢雲「了解!帰投するわ!」


雷「やったわね!時雨!」


時雨「うん、偶々魚雷がcritical hitしたから大ダメージを与えれたんだけれど」


川内「いや、時雨っちは良くやったよ!」


時雨「そう言ってくれるというありがたいな」ニコッ


雪風「…ごめんなさい、無駄だなんて言ってしまって…」


時雨「ううん、作戦を伝えてなかった僕にも非があるから別にいいよ」


雪風「うぅ………」


叢雲「それはそうと、神通さん」


神通「はっ、はい!」びくっ


川内「何ビビってるのよ…」


叢雲「中破したから、胸見えちゃってるわよ」


神通「え?…キャァアアア!!!!!」///


叢雲「出来るだけ隠すそうにしてくださいね、提督が興奮してしまいますから」


神通「は、はぃ………」///


そして鎮守府執務室………………………


ウォースパイト「提督、お昼にしましょう!私、Handmadeサンドウィッチを作ってきましたわ!紅茶と一緒に召し上がれ!please!」///


提督「お、おぅ!手作りなのか、ありがとう!それではいただくよ」


ウォースパイト「それではテーブルに移動なってください」


提督『ウォースパイトって、こんな気が効く人だったけ?まぁいいか』


ウォースパイト「紅茶はvery hotになっておりますのでお気を!」


提督「うぉっ!あっづぅゔ!!!」ビチャ!


ウォースパイト「だ、大丈夫ですか!?今お拭きします!」


提督「あ"ぁ!お、俺のお稲荷さんがぁあ!!」


ウォースパイト「もう少しのpatienceですからね!」チョンチョンフキフキ


提督「辛抱ってか、この紅茶熱過ぎだろ!」


ウォースパイト「そうですか?提督って案外猫舌なのね」フキフキ


提督「それより、この体制はマズくないか?」


ウォースパイト「別にやましい事してないわよ?」


提督「いや、お前がドアに背を向けてしゃがんだ状態で俺のお稲荷さん部分を拭いていると、誰か入って来たときに」ガチャ!


叢雲「提督!!艦隊が………」バァン!


提督「あ、」


叢雲「は?」




提督「……………………\(^o^)/オワタ」


叢雲「なぁ"にしとぉんじゃあ"ぁ!ボォゲェええええええ!!!!!!!」ドォゴォオオン!!


提督「エ゙エーイ!!!!!」(^O^☆


妖精「はいだらー!はいだらー!らりるれ火事だー!」


川内「ドゥンドゥンやろうじゃねぇか!」


神通「姉さん…またキャラが変わってますよ…」


そして数分後……………………


提督「……酷いじゃないか」ボコッ


時雨「そうか、口が利けないんだね。さ、なんでも言ってごらんよ」ライトオフ


提督「俺何もしてねぇよ!」


雷「ま、まぁ、司令官が何もしてないって言ってるんだからっ!ねっ!」


神通「て、提督…だ、大丈夫ですか?」


提督「大丈夫じゃないです…」ボロっ


神通「あっ!提督!お、おでこに擦り傷が」


提督「まぁそれぐらいあるかもな…」ボロっ


神通「丁度絆創膏持ってたので、は、貼っておきますね!」


提督「ッ!?」ドキッ


神通「よいしょよいしょ」チラチラ


提督『ちゅ、中破しているからか、チラチラ見える谷間がっ!目の前にっ!みえっ!見え!』

ハァハァ


川内「提督、鼻息あらいけど一体どこ見てるの」


提督「知らんな」


叢雲「…報告させてもらうけど、今回の任務は無事に成功、こちら側の被害は時雨と神通さんが中破で他は無事よ」


提督「了解、時雨と神通は入渠するように」


時雨「わかった、休ませてもらうよ」


神通「提督も休んでくださいね?」


提督「みんないい子だなぁ」


叢雲「アンタとちがってね!」


提督「だからあれは事故なんだって!!」


叢雲「ふんっ!どうだか!」


提督「なぁ、ウォースパイトからもなんか言ってくれよ!」


ウォースパイト「提督のお稲荷さん、すごかった」///


提督「まてコラ」


叢雲「処刑」キラッ


提督「待ってくれ!取り敢えずその槍をしまえって!」


叢雲「問答無用!!」


雪風「待ってくださいっ!」ガバッ!


提督「ゆ、雪風…」


叢雲「そこを退きなさい雪風!コイツ殺せない!」


雪風「しれぇを殺させないです!」


川内「……なんだこれ?」遠い目


雷「さ、さぁ?」


その後、ウォースパイトさんが誤解を解いて無事に提督は殺されずに済みました


夕方……間宮屋…………


雪風「しれぇ!アイスありがとうございます!」ペロペロ


提督「まぁ、ご褒美をあげるって約束だったからな〜」


雷『あきらか騙されているわよ司令官…』ペロペロ


伊良湖「お疲れ様です。給糧艦伊良湖です。美味しい最中いかがですか?」


提督「おぉ、伊良湖さんちぃーす」


伊良湖「ち、ちぃーす」///


雷「司令官!伊良湖さんが困ってるじゃない!」


提督「そ、そうなのか?すまない」


伊良湖「い、いえ!そんなことは!」


提督「お詫びに最中三つ貰えるかな?」


伊良湖「はい!ありがとうございます!」


提督「はい、千円札、お釣りはいらないから」


雪風「おぉ!しれぇは太っ腹です!」


雷「かっこつけた感があるけど別にいいかな」


??「あら皆さんお揃いで、提督も来てたのね」


提督「あっ間宮さん、帰ってきてたんだ」


間宮「今日の朝頃に関西国際空港に着いたところですよ」


伊良湖「お待たせしました!最中三つです!って間宮さん!帰ってきたのですか!?」


間宮「久しぶりね伊良湖、元気にしてたかしら?今日、フランスから帰ってきたわよ」


提督「あっ紹介しよう、給糧艦の間宮さんだ、因みにここの店の店長でもある」


雷「よろしくお願いします!」ぺこり


雪風「お願いします!」ぺこり


間宮「はい、よろしくね〜」ニコ


提督「どうだった?フランスは」


間宮「まぁスイーツのレベルが高いですね、本場って事もありますが…」


雷「何故フランスに行っていたのですか?」


間宮「んー、研究ってところかしらね、本場のフランスに行けば何かいいアイデアが思いつくんじゃないかなって」


提督「で、行ってきて良いアイデアを盗んでこれたのか?」


間宮「えぇ、できるだけのことはメモして記録してきましたわ」


雪風「ーん!最中美味しいです!」


提督「あっ!こら!アイスを食べ終わってからにしなさい!」


伊良湖「ふふっ、なんだか提督お父さんみたいですね」


提督「そうか?おれはお父さんって言われる程老けてないと思うけど」


間宮「でも提督もう26歳ですよ、別におかしく無い年です」


提督「あぁ、時が経つのはえーよ」


雷「司令官は好きな人いたの?」


一同「っ!?」


提督「ん?あぁいたよ」


雷「その人は今でも好き?」


提督「…好きというよりなぁ…思い出の中にいるというか、まぁ年に一回に会いに行くぐらいかな」


雷「どういうこと?」


提督「まぁどうでもいいじゃないか」


『ッ!!そんな!嘘だろ!あぁ神様…』


提督「…………」


『あなたは生きて…』


『…………! 生存者だっ!生存者がいるぞ!』


提督「…………クソが」


「……とく?………………提督!?」


提督「…………ッ!?ど、どうした?」ダラダラ


間宮「どうしたこうも無いですよ!呼びかけてもひたすら黙りになるんですから!」


伊良湖「凄い汗ですけれど…大丈夫ですか?」


提督「あぁ、大丈夫だ、少しトイレ借りるわ」


伊良湖「あ、はい!ご自由に…」


提督「さんきゅー」バタン


雷「…」


雪風「…」


伊良湖「大丈夫でしょうか…」


間宮「提督のあんな顔初めてみたわ」


雷「…謝らなきゃ!」タッ


伊良湖「ちょっ!雷ちゃん!」


雪風「…しれぇ」


……………………………………………

………………………………

……………………


雷「司令官…ドアごしだけど、さっきはごめんなさい」


提督「雷か、別に大丈夫だよ?それにお前は悪気があった訳じゃないだろ?」


雷「でも…」シュン…


提督「そうだ、さっきの質問に答えとかないとな」


雷「もう言わなくても!」


提督「答えはな、い…」


雷「なっ!」///


提督「……ぷっ!」


雷「へ?」


提督「嘘嘘!ドッキリだよ!ドアごしでもわかるくらい反応わかりやすすぎだろ!」ハハハッ!


雷「だ、だましたのね!」


提督「演技だよ!演技!」


雷「もうっ!司令官なんて知らないっ!」プンプン


提督「そんなに怒るなよ!」


雷「ふんっ!」スタスタ


提督「待ってくれよぉ〜」


スタ……


提督「…はぁ、あんな小さな子には重たすぎる話だもんな」


………………………………

………………………

………………


伊良湖「あ、帰ってきました!」


雷「もうっ!最低!」プンプン


雪風「どうしてそんなに怒っているのです!?」


雷「調子に乗りすぎよ!司令官は!だってドッキリだって!」プンプン


雪風「ドッキリ?」


雷「私たちがどんなけ心配したと思っているのよ!」プンプン


間宮『そっか…提督はこの子達に心配させないために…』


雪風「それはちょっと酷いかも」


間宮「このことは私からしっかり言っとくから、二人は先に寮に帰ってなさい」


雷「へ?なんでですか?」


間宮「時間、もう門限近いでしょ」


6時30分


雪風「あっ!本当です!」


間宮「叢雲ちゃんに怒られるわよ〜」


雷「それだけは嫌ね…」


雪風「それじゃあ帰ろ?」


雷「そうね、それではまた!」


間宮「気を付けてね〜」


………………………………………

………………………………

………………………


伊良湖「…提督、結構無理してますよね…」


間宮「まぁ…提督の過去は相当辛いことがあったんだと思うわよ」


伊良湖「でも駆逐艦の二人には早すぎるって判断したんでしょうね」


提督「あぁ、全く…悪気はないんだろうけどなぁ」


間宮「提督っ!?大丈夫なのですか!?」


提督「あぁ、少し水を貰えるか?」


伊良湖「あっ!はい!」スタタッ!


提督「はぁ全くすまない…」カチカチ


間宮「ど、どうしたのですか!この薬の量!」


提督「なに、心配しなくともこの薬は麻薬じゃない」


間宮「そこは心配していませんよ!」


提督「ちょっとしたアドレナリン剤さ…」


伊良湖「はいっ!お水をお持ちしました!」


提督「うっす、ありがとうさん」ゴクゴク


伊良湖「この薬って、抗うつ薬ですよね?」


提督「…………」


間宮「ちょっ!?伊良湖!?」


伊良湖「私、ここに来るまで病院に勤める事があったので少し薬の種類を覚えてます」


提督「……昔の話だ、ほっといてくれ」ギロッ


伊良湖「ッ!?」ゾクッ!


間宮「…」ガタガタ


提督「…………」スタスタ


………………………………………………………

7月26日 火曜日 晴れ ☀️


今日はたくさんの出会いとけいけんがあった

まさかイギリスのせんかんと知り合いになれるとは思わなかったけれど、それもまた運命なんだろうと思うわ!( ^ω^ )


それに初めてせんとうにさんかしたけれど、まったく動くことができなかった

仲間たちのアシストがなければ、どうなっていたことすらわからなかった


何より今日一番やってはいけない事をしたのは、司令官のいやな事を思い出させてしまったこと…

最初は司令官の悪ふざけかと思っていたけれど、どうもそれはどうかわからなくなってきたわ…

こんどから気を付けよ!

………………………………………………………


そしてあれから2日たち……………


提督「はぁ…眠たいなぁ」


叢雲「こら、あくびは嚙み締めるものよ!」


提督「えーと、たしか今日着任するのは三人か」


叢雲「朝朝礼で言ったばかりでしょうが!」


提督「駆逐艦と重巡洋艦と軽空母だったな」


叢雲「えぇそうよ、丁度先日に第三艦隊が解放されたし良い感じじゃない?」


提督「まさか那珂ちゃんが最後になるとは思わなかったよ」


〈那珂チャーンデース!!


叢雲「…何か聞こえるけど…」


提督「外で宣伝するなと伝えてくれるか?」


叢雲「え、まぁ、わかったわ」ガチャ


…………バタン!


提督「それにしてもどんな子がくるかな?…」


コンコン♪


提督「ん?入って良いよ」


祥鳳「失礼します!軽空母、祥鳳です。はい、ちょっと小柄ですけど、ぜひ提督の機動部隊に加えてくださいね!」


提督「ほ〜い、よろしくね〜、今秘書艦が居ないから少しだけ待ってもらえるかな」


祥鳳「はいっ!了解しました!」ビシッ


提督「あ〜、ここまで硬くならなくて大丈夫だから少し肩の力落として楽にしてていいぞ」


祥鳳「そ、そうですか…わかりました」


提督「それと知っての通りここの鎮守府は規模としてそこまで大きくないから君が最初の空母なんだ」


祥鳳「はい、ここの鎮守府に着任する際大本営から通達がありました」


提督「そんな訳で、他の空母が着任するまでの間に他のクラスの寮に住むかそれとも空母寮で一人で住むかどっちがいい?」


祥鳳「そうですね〜、まだここの人達と会っていないので今日中に答えをだすので、それまで待ってもらっても大丈夫ですか?」


提督「それもそうだな、職員にそう伝えておくよ、ここの人達は個性こそ豊かだが全員悪い奴らではないし、すぐ親しくなれるさ」


祥鳳「それだと助かりますね」


コンコン


提督「ん?入れ」


雷「はーい!司令官!今日私が手作りでチョコを作ってみたわ!食べてみて!」ガチャ


提督「おぉ、上手く出来ているじゃないか!誰に教わったんだ?」


雷「空き時間も見計らって伊良湖姉ちゃんに教わったんだ!」


提督「よくできましたっ!」ナデナデ


雷「えへへ〜」///


祥鳳「本当だ!可愛いらしく◯ンパンマンの顔が型取られていますね!」


雷『あれ?見ない顔ね、また提督の昔の知り合いかしら?』


提督「丁度良かった紹介しよう、今日新しく着任した軽空母の祥鳳だ」


祥鳳「よ、よろしくね」ニコッ


雷「よろしくです!私は暁型三番艦の雷です!」ビシッ


提督「お互いに仲良くしてくれよ、それじゃあ早速頂こうかな」パクッ


雷「ジッー」ドキドキ


提督「おっ、中々いけるぞ!美味しい美味しい」


雷「ほ、本当!良かったぁ」パァーッ


提督『本当は少しだけ甘かったが、せっかく作ってくれたんだし、それだけで充分だな』


提督「祥鳳もどうだ?一つ」


雷「ッ!?」ガタッ!


提督「ん?どうしたんだ雷?」


雷「…な、なんでもないです………」


祥鳳「わ、私は別に…だって雷ちゃんは提督の為に…」


雷「別に大丈夫ですよ!祥鳳さんも召し上がってください!」ニコッ


提督「ほら、雷も言っているんだし一つどうだ?」


祥鳳『多分雷ちゃんは提督にアピールする為に持って来たんだと思う、でもここで断ったら提督にも失礼に値するわ、なら答えは一つ!』


祥鳳「それでは一つだけ…」パクッ


雷「…どう?」


祥鳳『……どうしよう、メチャクチャ甘いんですけれど!』←渋い・苦い物好き


祥鳳「うん、とても美味しいよ」プルプル


雷「やったー!」


祥鳳『正直に言えないなんて私もまだまだね』


雷「それでは司令官っ!祥鳳さん!みんなにも渡してきますね!」バタンッ!


提督「…………」


祥鳳「…………」


提督「祥鳳さん」


祥鳳「はい、提督」


提督「正直な感想だと?」


祥鳳「非常に甘かったです」真っ青


提督「だろうな、はいお茶だぞ」


祥鳳「すいませんお言葉に甘えさせてもらいますね」スーッ


提督「俺は何方かと言えば甘党だけれど、その俺でさえも甘さ過ぎだと感じたんだ、お前からしたら相当の甘さだっただろ?」


祥鳳「…はい、だって私、甘いもの苦手ですもの」


提督「左様でしたか、申し訳ない」


祥鳳「いいえ、とんでもないですよ」


一方その頃……………………


廊下


雷「私の手作りチョコどう?」ドキドキ


叢雲「甘すぎる!!!!」


雷「えっー!!」ガーン!


あれから私の料理は比叡カレー並だという噂が流れる事になるけど、それはまた別のお話

全く、失礼しちゃうわ!!!

……………………………………………………


執務室 昼頃


叢雲「はぁ…提督、確かに雷を傷付けないようにする為の配慮だったのは分かるけど」


提督「…」


叢雲「あのチョコは甘すぎよ」


提督「確かに甘かったけどそこまでか?」


叢雲「アンタは甘党だから別にいいかもしれないけれど、こっちにしてみたら馬鹿甘かったんだから!」


提督「そういわれてもなぁ…」


叢雲「アンタが少しでも甘過ぎると思ったらよっぽど甘いんだから気付きなさいよ!」


提督「ほら、お茶でも飲んで口直ししな」


叢雲「それがいくら飲んでも喉が乾くのよねぇ…でも頂くわありがとう」ゴクゴク


ドタドタ!!!


提督「ん?誰か来たのか?」


摩耶「よ!親米提督!アタシ、高雄型重巡洋艦3番艦の摩耶さまだ。よろしくなっ!」バァン!!


叢雲「ッ!?」ブゥッ!!


提督「び、ビックリしたなぁ!!いきなりなんだ!」


摩耶「さっき言っただろうが!一回で聞けクソが!」


叢雲「ゲホッ!ゲホッ!」


提督「お前の名前の事じゃなくてな、ちゃんとノックしてだな…それに言葉遣いなんとかしろっ!」


摩耶「あぁ、わりぃ」


提督「まったく、おい叢雲大丈夫か?」


叢雲「し、死ぬかと思ったわよ…」ゼェゼェ


摩耶「そんな、吹いた位でたいそうだなぁ」


叢雲「なんですって!?そんな事、アンタが普通に入ってきたらいい話じゃない!?」


摩耶「あぁ?やるのかよ?」


叢雲「上等よ!このガサツ女!」


提督「おいおい落ち着けって、変な空気になってるだろ」


二人「そんなこと知ってるわ!」


提督「あ、はい…」


叢雲「表に出なさい!頭に来たわ!」


摩耶「逆にボコボコにしてやんよ!」


提督「馬鹿馬鹿、まず二人とも駆逐艦と重巡洋艦だろ勝負にならない」


叢雲「何よ!私が負けるとでも言いたいの!?」


提督「そうだ!」


叢雲「ッ!?」


提督「お前は強い、だが武装も丈夫さも規模が違う」


叢雲「チッ!」


提督「摩耶も大人気ないだろ、それに叢雲の言った通り言葉遣いに気をつけろ!」


摩耶「へぇいへぇい、わかりましたよ」チッ


提督「ほんでだ、この鎮守府には重巡洋艦として羽黒がいるから仲良くするだぞ」


摩耶「なんだ、私が最初じゃなかったのか」


提督「羽黒が昨日着任してくれて、本当に良かったと思うよ!」


摩耶「それってどういう事だぁ!?あ"ぁん?」


提督「だってお前が最初の着任したらしたで、「あ"ぁん?なんで他に誰もいねぇんだよ糞提督が!」とかいうだろ?」


摩耶「そんな私は何処ぞのツンデレ(曙)じゃないから流石にそんな事はいわねぇよ」


提督「どうだか…まぁ着任したばっかりなんだし、仲間達に挨拶してきたらどうだ?」


摩耶「そうだな、それじゃあそうさせて貰うわ」


提督「それじゃあ案内人を用意するよ」


摩耶「あ?まさかこの糞ガキとかいうんじゃないだろうな?」


叢雲「誰が糞ガキじゃ!ヤンキー崩れが!」


提督「心配しなくても、そんな犬猿の仲にさせるわけ無いから安心しろ」


摩耶「それじゃあ誰が…」


提督「あぁ、もしかしたら明日の出撃"夜戦"するかもなぁ〜」


バァン!!!!


摩耶「ッ!?」ビクッ


叢雲「フゴッ!」グシャ!


川内「呼ばれた気がしたので窓から突撃してジャジャン!!…あれ?」


提督「あぁ、とりあえず今踏んでいる叢雲から降りなさい」


川内「あっ!!ごめん!叢雲!」


叢雲「」ブクブク


摩耶「あっ、失神してやがるぜ」


提督「まぁ川内、お前を呼んだのは夜戦でも出撃でも無くて、摩耶に鎮守府の仲間の紹介と施設の案内をしてやってくれ」


川内「へ?」


摩耶「という事だ、よろしくな」


川内「拒否権はないみたいだし了解したわ、摩耶さん!私は川内っていうのよろしくね!」テクテク


摩耶「川内はいつ頃に……」バタン


提督「終わったら割った窓ガラスを掃除しろって聞こえてねぇよな」


提督「………」チラチラ


叢雲「」ブクブク


提督「…………」テクテク


提督「今日の色は?」ピラッ


叢雲「」ブクブク


提督『うむ、今日はピンクと来たか』


提督「仕方がない、ソファに寝かしといてやるか、よっこいしょっと」


叢雲「うぅ」


川内とのごっつんこのおかげで叢雲は次の出撃は腰の不調で辞退する羽目になりました


叢雲「あの夜戦馬鹿がぁ!!」包帯ぐるぐる巻き

…………………………………………………………………………………………

……………………


夕方頃………………射撃練習場


バァン!! バァン!! バァン!!


雷「うぅ、中々当たらないわね…」


羽黒「最初の内は仕方がないよ!雷ちゃん!今日はこの辺で」


雷「いや!まだまだやるわ!」


羽黒「とはいっても、もう4時半ですよぉ〜」


雷「諦めたらそこで試合は終了よ!」バァン!


??「あ、あのぉ…………」


バァン!! バァン!!


??「すみません……」


バァン バァン!!!!


??「はわわわ、気付いてもらえないのですぅ」


羽黒「ん?」チラッ


??「あっ!あわわわ…」ビクビク


羽黒『……どうしてあんなに怯えているのでしょうか』


羽黒「ちょっと、雷ちゃん!」ツンツン


雷「へ?どうしたの?……って!あぁ!!!電じゃない!!」


電「ようやく気付いてもらえたのです…」ショボーン(´・ω・`)


雷「どうしたの!こんな所に…あっ!もしかして新しく着任したのって!」


電「そうお姉ちゃん…私が暁型駆逐艦4番艦、電なのです…」


羽黒「そっかぁ、私は妙高型重巡洋艦の4番艦の羽黒です」


雷「これで雷電と姉妹がそろったわね!」


電「お姉ちゃんが着任してて安心しました」


羽黒「わざわざここに来たって事は挨拶まわりって所かしら?」


電「はい…司令官が挨拶して来いって」


羽黒「でもおかしいわね、普通なら誰かが一緒について行くのに」


雷「あっ!言われてみれば」


電「たしか、今秘書艦が怪我をしたので代わりに川内さんが勤めていたのです…」


雷「そう…司令官、川内さんの事を好きなのかな」


羽黒「えっ!?そ、そうなのですか!」


雷「最近よく司令官と川内さんが一緒にいる姿をよく見るきがするの」


羽黒「そ、それは付き合いが長いだけじゃあ」


雷「確か叢雲が着任して二番目の艦娘が川内さんだっけ?」


電「確かそのような事を司令官が言ってた気がするのです」


羽黒「でも付き合いが長いだけならウォースパイトさんが一番長いんじゃ?」


雷「あの人と司令官の関係はイマイチよくわからないわ」


電「お、お姉ちゃんは司令官の事が好きなのですか?」


雷「な、なななんでそうなるのよ!」


羽黒『わ、わかりやす過ぎる…』


雷「そ、そういう電こそ!司令官の事が」


電「今日会ったばかりの人にそれはないなのです」


雷「」(´・ω・`)


羽黒『あ、しょげちゃった…またそれが可愛いぃ』///


〈うぉおおおおおおお、だから資材を無駄にできないんだって!


電「何か聞こえるのです…」


雷「この声は…司令官?」


〈夜戦!!夜戦!!


羽黒「もうわかりやす過ぎですよ…」


ドタドタドタドタ!!!!


提督「いつまで追いかけてくるつもりだてめぇ!」


川内「こんどこそ夜戦させてもらうわよ!」


提督「まず今日は出撃なかっただろうが!」


川内「そうやって先延ばしするのは目に見えてるのよ!」


提督「あぁ!!もうしつこいな!」


川内「いつになったらこの魚雷を使えるのよ!」スチャッ


提督「おいまて!基地内で魚雷を投げる奴がいるか!やめろ!」


川内「情け無用よ!!」ヒュッ!


電「まず魚雷の使い方が間違ってる気がするのですよ!」


〈ドッカン!!ドッカン!!!


提督「魚雷を無作為に投げんな!!」


雷「このままだと施設が破壊させるわ!」


電『破損理由が駄々をこねたって聞いたことないのです…』


提督「仕方がねぇ…羽黒!!」


羽黒「は、はは、はいっ!!」


提督「20.3cm連装砲で演習用の砲弾を装填し川内を大破させろ!」


羽黒「そ、そんな!味方を撃つだなんて!」


提督「今の川内に話は通じない!このままだと取り返しのつかない事になるぞ!」


羽黒「しかし…」


提督「安心しろ!死にはしない!気絶するだけだ!」


羽黒「…わかりました!大丈夫!行けます!」スチャッ!


川内「うぉおおおおおおお」ポイッポイッ


羽黒「川内さん、お許しください!」ドンッ!


〈ドォゴォオ!!!!


川内「ウンギャーーーー!!!!」ピョーン


電「花火のように飛んで行ったのです!」


川内「」チーン


雷「かわいそうな川内さん…」


羽黒「ところで司令官さんは?」


電「あ、そういえば姿が見えないのです!」


ヒューーー


雷「もしかしてこっちに飛んできているのって……」


提督「たすけてぇええええ!!!」ヒューー


羽黒「し、司令官さん!!?」


羽黒『そうだ、司令官さんがこんな状況になったのは私のせいなんだ…だから私には司令官さんを助けないといけないんだ!』


電「こっちに向かってきているのです!」


羽黒「司令官さん!私が支えてみせます!」


提督「うぉおおぉ!」ヒューー


ドォゴォオン!! 煙がたちこもる


雷「ゲホッ!ゲホッ!司令官!羽黒さん!大丈夫!?」


提督「あぁ、大丈夫だ…ん?」


提督『なんだ?俺のチョコバナナが柔らかいなにかに…ハッ!』


電「…これが噂の69…別名ウロボロスなのです…」///


羽黒「う、うぅ、し、司令官さん…お怪我はありませんか…」小破


提督「し…」


羽黒「し?」


提督「白パンツだ…」


羽黒「って…ああっ!?だめ…見ないで…見ないでぇぇぇぇ!!」///ガチャ!


提督「へ?」


羽黒「イヤァアア!!!」ドンッ!


提督「ギィヤアア!!!!」ドォゴォオ


雷「し、司令官!!!」


この事件が切っ掛けで提督が痔持ちになったのは言うまでもない

そして川内は大破の状態で食料庫に突き刺っているところを発見されました。


……………………………………………………


7月28日 木曜日 曇り


今日は勉強と訓練ばっかりで正直頭が痛かった

でも新しく着任した人達がキャラがこいかったから退屈はしなかったわ!


そして昼の空き時間を利用して、伊良湖さんから教わってチョコレートを作ってみたの!

提督の為に作ったつもりだったのだけれど、計画通りにはならかったのは残念…

でも提督は喜んでくれたし、皆笑顔になったから良しとしましょう!(≧∇≦)


でも一番嬉しかったのは妹の電が着任したこと、今日から同じ部屋に寝泊まりすることになったわ!

残りは後二人…待ってるんだから!!

………………………………………………………


雷「これでよしっ!明日も早いしもう寝ようかしら」


電「お姉ちゃん、毎日何を書いているのですか?」


雷「あら電、いつの間にお風呂からあがったのかしら?」


電「ついさっきなのですよ、お姉ちゃん集中しすぎです」


雷「そんなに集中してたつもりはなかったんだけどなぁ〜、因みにこれは日記よ」


電「日記?」


雷「そうよ、こうして毎日記録を書いておくと後々何かあった時に見返す事が出来るでしょ?」


電「なるほど!少し読ましてほしいのです」


雷「ダメよ電、これは他人に見せるものじゃないの、自分の為に書いているんだからプライバシーの侵害になるわ」


電「それじゃあ私も書くのです!」


雷「でも電、日記を書くためのノートは?」


電「…持ってないのですよ」ズーン


雷「そうだと思った、仕方ないから私の予備ノートをあげるわ」


電「え!いいの!お姉ちゃん!」


雷「ただし!次からちゃんと購買部で買うのよ」


電「ありがとうなのです!」キャッキャッ


雷『全く…これだから妹は可愛いんだから』エヘヘ


雷「私はもう書き終えたから場所を譲るわ、この部屋は机と椅子が一つしか無いものね」


電「お姉ちゃんは?どうするの」


雷「私は午前中から出撃任務があるから、それに備えて寝るわ」


電「おやすみなさいーお姉ちゃん」


雷「書き終えたら、ちゃんと電気を消すの忘れないようにね」


電「はーい」


…………………………………………………………………………………………………

………………………………


早朝 廊下


時雨「全く、川内さんのつぎは僕が秘書艦か…」


時雨『川内さんには困ったもんだよ、射撃訓練所付近で爆発によって出来たクレーターの後処理で資材がどんなけ犠牲になったと思っているのかな』


執務室前


時雨『でも秘書艦は提督との距離が一番近くいられる役職でもある、まぁ悪い気はしないね』///


時雨がドアノブを触ろうとした瞬間


時雨『ん?何か話声が聞こえる…』


提督「はい…は、はい、そうですか…すみません」


時雨『一体誰と話してるんだろ?少し待ってみよ』


提督「そ、そんな!元を辿れば私のせいなのですから…いえ、や、やめて下さい、そんな事を言わないで、本当に申し訳ございませんでした」


時雨『謝っている?大本営の上司へ?そのわりには…』


提督「はい、また、っ!?…すみません失礼します」


時雨「失礼するよ提督」ガチャ


提督「あぁ、時雨かぁおはよう」


時雨「はい、おはようございます…提督」


提督「ん?どうしたんだ?」


時雨「盗み聞きした事は謝ります、その上で質問しますが提督は一体誰に謝っていたんだい?」


提督「…聞こえていたか」


時雨「はい…」


大本営=防衛省


提督「そう、さっき防衛省の上司から提出した書類にミスがあったという苦情があってね」


時雨「へー」ジーッ


提督「その事で怒鳴られてしまってね」


時雨「それで半泣きになっているのかな?」


提督「へ?まじで?」


時雨「うん」


提督「まじかぁ」ゴシゴシ


時雨「騙し切ってるつもりの提督に悪いけど、答えは顔に出てるよ」


提督「っ!?」


時雨「本当の事を言いたく無いのなら、僕はそこまで問い続けるつもりは無いよ…でも提督は嘘を付くのは向いていない事をわすれないでね」


提督「……」


時雨「それじゃあ提督はその充血した目と腫ぼったいまぶたが治ったら体育館に向かうよ、それまで僕は秘書艦の仕事を覚えるから」


提督「……俺も今日の予定と作戦を見直しておこう」


数分後………………………


提督「すまん、もうこれでいいか?」


時雨「……まぁ大丈夫でしょう、それじゃあ行きましょう」


提督「……どうだ?秘書艦いけそうか?」


時雨「いやぁ、やる事が多すぎだよ聞いたこと無い仕事ばっかりじゃないか」


提督「それが秘書艦という仕事だからなぁ」


時雨「ほんと、こんな仕事を続けてた叢雲を尊敬するよ」


提督「あぁ、それにあいつの場合は自分の仕事は勿論の事、俺の仕事のチェックというお節介な程に気配りしているんだ」


時雨「お節介って失礼じゃない?そのおかげで今までミスがなかったんだから」


提督「それもそうなんだが…いくら戦闘に特化している艦娘とはいえども小学生か中学生くらいの幼い身体なんだ、そんな生活をしていたらいつか倒れてしまう」


時雨「だったら仕事の量を減らしたら?」


提督「それも試しにやってみた、だけど彼女は自分で仕事を探してこなしていったんだ」


時雨「もはやプロフェッショナルだよ…」


提督「だからそんな言い方したら悪いと思うけど、このタイミング怪我してて良かったと思う」


時雨「サボれるからじゃなくて?」


提督「そんな間抜けな理由じゃなくて、身体を休ませるには丁度良かったんだと思う」


時雨「確かにそうかもね」


提督「ベットに横になって直ぐに爆睡したのが、その疲労感を物語っている」


時雨「提督…」


提督「今日は駆逐艦、軽巡洋艦の2隻が着任予定だろ」


時雨「うん、そのように記録されてるけど」


提督「そうか、わかった」


時雨「…」


時雨『提督…貴方の過去に踏み入るには、相当の覚悟がいるみたいだね…』


………………………………………………………………………………………………

……………………………


午前10時半 執務室


提督「えーと、これより製油所地帯沿岸部の海上輸送ラインを防衛の為出撃してもらう」

時雨「海上自衛隊の情報によると、ここの海域は重巡洋艦クラスと戦艦クラスの目撃情報があり、前回の戦闘とは比べ物にならない程になると予想される」


提督「だが、勝てない相手では無いはずだ

そこで重巡洋艦の羽黒・摩耶、軽空母の祥鳳、軽巡洋艦の神通、駆逐艦の雪風・雷の編成だが」


摩耶「よっしゃ!腕が鳴るぜ!抜錨だ!」


神通「あのぉ」


提督「ん?どうした神通?」


神通「那珂姉さんは…」


摩耶「解体されたんじゃね?」カーンカーン


神通「嘘だぁ!!」ズーン


提督「こらこら、心配しなくとも解体してないし彼女には川内の看病という仕事がある」


時雨「因みに僕は叢雲の看病だよ」


神通「それなら良かったぁ」ハァ


祥鳳「初めての戦闘…緊張します」


提督「祥鳳、まず肩の力を落とせ無駄な体力を

使うな、死ぬぞ」ポンッ


祥鳳「…私は」ガタガタ


提督「よく見ておけ、駆逐艦の二人はお前より幼いのにあんなにも元気なんだ」


雷「頑張るわよ!雪風!」


雪風「はい!駆逐艦を舐めるなです!」


祥鳳「…えぇ」


提督「そこで年上のお前がビクついていたら示しがつかないよな」


祥鳳「…はい」


提督「でもな、何も死に急げとは言ってない」


祥鳳「…」


提督「仲間をしんじるだ、いいな」ポンッポンッ


祥鳳「…提督」///とろ〜ん


提督「祥鳳、行けるな?」


祥鳳「は〜い…」///


摩耶「いつまで祥鳳の肩を掴んでるだクソ提督」


提督「…ん?別にいいだろ、肩の力を落とすために」モミモミ


祥鳳「はぁん」///


摩耶「…自覚なしかよ、タチ悪過ぎだろ」ハァ


羽黒「仲良い事は良いですね」ニパァー


時雨「提督、もうそろそろ」


提督「あぁ、旗艦の発表だが…羽黒、お前が旗艦だ」


一同「ッ!?」


羽黒「………ん!?」


雷『思ったらいけないんだけど』


雪風『一番そういうのに』


神通『遠い存在だと』


摩耶『思ってたんだけど』


祥鳳『……ね』


羽黒「え、え"ぇえええええ!!!!」ガビーン


提督「お前が適任だと判断したまでだが?」


羽黒「な、なんで私なんですか!?ま、摩耶さんの方が適任かと思う…のですが」


時雨『確かに、普通ならそう思うだろう』


提督「えーと、確かに摩耶の方が自己主張が出来るだろう、でも現場では自己主張より周りの状況判断を如何なる時にでも冷静に、物事を見れる人が重要になる」


摩耶「それが旗艦を羽黒に任せた理由か?」


提督「そうだ、お前達の時代では精神論とかどうとかという時代だったかもしれないが、今の時代は技術と情報戦だ」


羽黒「わ、私にできるかな」


提督「"ありえない"ことありえない」


羽黒「ッ!?」


提督「できないんじゃ無い、やろうとする努力だ」


羽黒「は、はい!」


雪風「流石しれぇ!かっこいいです!」


時雨『……かっこつけたね、ぜったい』


羽黒「わかりました!司令官さん!お期待にそえるよう頑張ります!」


「ポイント稼ぎおつ〜」ボソッ


提督「ん?今誰か言ったか?」


神通「いえ、私は何も聞こえなかったです」


摩耶「私もだ、てかもうそろそろ出撃と行こうぜ」


提督「それもそうだな、武装はカタパルトに置いてある、十分に取り掛かってくれ!」


一同「ハッ!」タッ!!


……………………………………………………………………………………………

………………………


その頃、伊良湖屋


ウォースパイト「oh.私に話があると言うので来てみたのですが…だれもいませんね」


間宮「お待ちしていました、どうぞ中へ」ガラッ


ウォースパイト「まぁ中にいらしたのですね、わかりました」


…………………………………


間宮「お茶をお持ちしました」


ウォースパイト「thank you!Japanese tea ですね、ありがたく頂戴しますわ」


間宮「それでは本題に入らせてもらいますが」


ウォースパイト「of course、なんでしょう?」


間宮「提督の過去についてです」


ウォースパイト「ッ!?」


間宮「何か知っているご様子ですね」


ウォースパイト「因みにその聞きたい理由は?」


間宮「提督は時々薬をお飲みになっています、その薬は鬱病患者やトラウマ患者がお飲みになる薬でした

提督に過去のことを聞くわけにはいかない、なので付き合いが長いとされるウォースパイトさんにお聞きしたいしだいです」


ウォースパイト「…私も彼の全てを知っているわけではありません」


間宮「というと?」


ウォースパイト「その前に、この話は他の人には話さないようにしてください」


間宮「わかっております」


ウォースパイト「まず彼には、彼女がいたの」


間宮「彼女ですか?」


ウォースパイト「えぇ、大学一年生から仲がよくて二年生になる頃には付き合い始めていたらしいわ」


間宮「でも聞いた話ですとロンドンに留学していたのでは?」


ウォースパイト「それは三年生の時ね、ロンドンでの留学生活が残り3日辺りに差し掛かった時に、彼の彼女が来英してきたの

名前はNaoka.と言って、セミロングの茶髪だったわね」


間宮「直花…」


ウォースパイト「その最終日の昼頃に彼らはロンドン、ヒースロー空港でブリティッシュ・エアウェイズの航空機で経由地点のトルコのイスタンブール・アタテュルク国際空港に着陸、そのまま羽田空港にいくつもりだった」


間宮「…まさか」


ウォースパイト「…イスタンブールまでは良かった、でも離陸して日本に向かう空路がまずかったの」


間宮「イラク戦争…」


ウォースパイト「そう、あの時はイラク戦争の真っ最中、アメリカの爆撃機と勘違いしたイラク空軍がスクランブルをかけた

それに逃げるかの如く、機体はどうにかして国境を越えることに成功したの

でも機体は水面から200メートル程しか離れていなかった」


間宮「もしかして、深海棲艦を知るきっかけになった」


ウォースパイト「英航空機アラビア海墜落事件空母級の艦載機の餌食になって航空機は水面にそって不時着した」


間宮「あの機に提督が乗っていたなんて…」


ウォースパイト「当時艦娘という物はありませんでしたものね、私も当時は海軍のフリゲート艦の乗組員でした」


間宮「私たち…日本の艦娘は何故か過去の記憶が無いのです…」


ウォースパイト「たしか、戦闘に支障が出ないように記憶が抹消されると聞いたのですが…」


間宮「えぇ、だから念入りに何回も書類にサインをして最終確認をして艦娘になったと聞いています」


ウォースパイト「そこまでしなくてもいいと思うのだけれど…」


間宮「日本は海洋国家ですからね」


ウォースパイト「あ、話を戻すわね…その当時パキスタンに米軍基地があって、米軍がすぐさまに救難活動に入ったわ

そこで初めて人類と深海棲艦が対峙した」


間宮「たしか勝負は圧勝でしたよね?」


ウォースパイト「えぇ、制空権は圧勝でしたわ

ですが海上にちょこまか動き回る彼女達に戦闘機の機関砲は中々当たりませんでした


少しの隙をついてヘリで破損した機体に生存者がいないか隊員達を送り込んだ、しかしその隊員達は戦艦棲姫と思われる敵によって全滅


その後、機内から海面に呼び込んだ後F-18戦闘機の対艦ミサイルによって轟沈させた事になっているわね」


間宮「そこまでは知りませんでした…私は大まかな流れしか」


ウォースパイト「提督は体に数ヶ所鉄骨に刺さって重傷の状態で運び出された、他に数名助かっているけれど、そこに彼女の姿は無かったらしいわ」


間宮「その事で提督はトラウマを抱えているのですか?」


ウォースパイト「それもあると思うけど、もっとも辛かったのは帰国してから意識不明が一ヶ月半続いて、目が覚めた頃には付きっ切りで看病してくれてた妹さんが自殺していたそうよ」


間宮「そ、そんな事が…」


ウォースパイト「学校でのイジメや精神的な辛さからなるものらしいわ…目が覚めた頃には、彼女と最愛の妹さんが死に一人ぼっちになってしまった、あの頃の彼は酷いものだったわ」


間宮「態々日本まで会いに来たの?」


ウォースパイト「そうよ、生存者名簿に彼の名があってずっと電話をかけたのに繋がらなくて、痺れを切らして休暇を取ってjapanに行ってあげましたの

でもその時の彼は、すっかり痩せてしまって睡眠薬を頼って寝ている始末だったの」


間宮「予想はしていましたが、本当にそうだとわかると辛いものですね…」


ウォースパイト「あの頃は……


…………………………………………………………………………………………………

………………………


さかのぼる事5年半前………………


大阪 北区


ウォースパイト「全く…日本は色々とmixとは聞いていましたけれど、これ程とは…腰の骨が折れますわ…」


〈こちら梅田、梅田駅です出口は右側です


ウォースパイト「日本の地下stationはこんなにも人だらけで迷路みたいです…」


ガヤガヤ ガヤガヤ


ウォースパイト「確かこちらが…JRosaka stationで、そっちがYodobashi cameraで…あっちがHankyu Umeda stationで…えーと」


ウォースパイト『たしかNakatsu stationの近くにあるって聞いたのですが…』


ウォースパイト「hey!excuse me!」


「…はい?」


ウォースパイト「えーと、Nakatsu stationはどこにありますか?」


「あー中津駅ってゆーても二つあるやけれど、どっちの方や?」


ウォースパイト「えーと…」


「なんや?わからへんのか?」


ウォースパイト『私が習った日本語と少し違うのですけれど…』


ウォースパイト「….s.sorry」


「あっ!?もしかして大阪弁がわからへんのかいな?」


ウォースパイト「えーと、は、はい」


「そっか丁寧に教えるわ、まぁ阪急の中津駅は歩きだと道が複雑でわかりにくいと思うから、悪い事は言わないから阪急梅田駅から一駅です電車に乗る事をお勧めです、海外の人なら尚更…」


ウォースパイト「なるほど…」


「それから地下中津駅だけれど、国道176号線にそって川に向かって歩いていくと、大きく二つに分かれると思うけど曲がらないで真っ直ぐ行くとそこに付きますよ」


ウォースパイト「あ、ありがとうございます」


「ええってことよ!ほな気を付けや!」


ウォースパイト「お気遣い感謝します!」ペコ


ウォースパイト『それじゃ、とりあえずHankyuの方のNakatsu stationに向かいましょう』


移動する事30分程………………………


ウォースパイト「stationについてから探し回りましたけれど…彼の親友によると、ここで合っているのですよね?」


それは私が予想していたより違って、賃貸マンションで普通だった


しかし、彼の名前が記されたポストには電力会社や水道からの請求書などで入れる所が無い程に詰められていた


日本の大学では今の時期は夏休みらしいが、この様子だと出歩いたりしていないのがわかった


せめて苗字が同じの人違いであってほしいと願った


「あんた、あの人の知り合いかい?」


ウォースパイト「え?」


「彼の過去に関してはお気の毒だと思うけれど

大家の私としちゃ迷惑してんのよ」


ウォースパイト「あの航空事故の生存者だという事を知っているのですか?」


「えぇ、当時記者やマスコミの人達で一杯だったからね〜、警察が報道規制していたといえどもお構い無しだったよ」


ウォースパイト「今の彼は見た事ありますか?」


「いや、あれから一切外に出なくなってしまったよ、いわゆる引きこもりだよ」


ウォースパイト「そう…ですか」


「あんちゃんが彼の知り合いならマスターキーを貸してあげるよ」


ウォースパイト「master key?」


「そう、インターフォンを押してもいつも応答無いから使ってもいいよ、その代わり彼に会ったら家賃とか、その他もろもろ払うように伝えておいてくれよ」


ウォースパイト「oh、of course…」


ウォースパイト『海外留学するぐらいだから金には困って無いはずだけれど…どうしたんだろ?』


大家と別れた後、少し錆び付いた階段を登り渡された鍵の部屋番号まで行くと

確かに表札に彼の名前が記されていた、しかしドアから生臭い匂いが漂っていた


ウォースパイト「…ここまで来たのです、今更英国に引き返すつもりはありません!」


ピーンポーン♪ ピーンポーン♪


ウォースパイト「…大家の話通りで応答がありませんね、仕方がありません」


ガチャガチャ ガチッ


ウォースパイト「これで開いたはず、失礼します…」ギィイ


ブーン ブーン


ウォースパイト『ヒッ!は、ハエが沸いてるじゃない!…正体はこのゴミ袋ですか、この生臭い匂いもあれが原因ですね…』


ウォースパイト「あのー誰かいるのですか?」


〈おぉ!1着 ロジユニヴァース !2着…


ウォースパイト『ラジオの音声がする…ドアの向こう側からね』


ウォースパイト「…」ガチャ


そこには、薄汚れた服にボサボサな髪型にひたすらボーっとして胡座をかいていた彼の姿が、そこにあったのだ


〈6着 シェーンヴァルト 7着 ゴールデンチケット でした!!1着のry


ブチッ!


提督「…ん?」


ウォースパイト「酷いあり様ね…まるでスラム街の様よ」


提督「…ウォースパイト……どうしてここに」


ウォースパイト「貴方が返事を返さないから様子を見に来たのよ…」


提督「住所を教えた記憶はない…英国の偵察衛星でも使ったのか?」


ウォースパイト「貴方の友達から教えてもらったのよ、それより貴方…酷いクマよ」


提督「……そっか、気付かなかったよ」


ウォースパイト「ここ最近寝てないでしょ…そんなんじゃ体が持たないわよ」


提督「俺は…寝てもいいのか?」


ウォースパイト「what!?」


提督「寝て起きる時…今度は何が失うんだ?」


ウォースパイト「ッ!」


ウォースパイト『迂闊だったわ…彼の妹さんは……』


提督「……あぁ」


ウォースパイト「でも仕方が無い事じゃない!?あれは」


提督「お前に何がわかる?」


ウォースパイト「…え?」


提督「直花は…直花は俺の眼の前であいつらに食われたんだよ」


ウォースパイト「く、食われた!?」


提督「あぁ、あいつらのペットか何なのかは知らないが…化け物にな」


ウォースパイト『微かだが小刻みに震えている…怯えているのよね?』


提督「思い出すだけでもこの傷が疼く…」


ウォースパイト『中二病のように聞こえるけど、本当に疼いているのよね?』


提督「うぅ、直花…榛名…ごめんなぁ」ポロポロ


ウォースパイト『榛名…彼の妹さんの名前かしら』


ウォースパイト「…あぁもうっ!そんなに悔やんでも彼女や妹さんはcame Backして来ないですよ!!」


提督「うぅ」


ウォースパイト「まず!ゴミだらけじゃないですか!他の部屋から掃除しますから貴方はこの部屋を少し片付けてください!いいですね!?」バタンッ!


提督「ちょっ!?」


………………………………………………………………………………………


ウォースパイト「…あぁもう嫌になっちゃうわよ!…ん?この部屋は…彼のMy roomかしら?失礼します…」ギィイ


その部屋は真っ暗で何も見えなかったので明かりをつけると、そこに広がっていたのは壁に貼り付けられていた

アラビア海域の地図に、当時の飛行ルートなのか赤のマーカー線を引いていた

他にスクラブルした軍用機の写真、パキスタンから事故現場に到達時間予想表など


そして机には事故の事を伝えているの世界各国の新聞紙の山に、自衛隊の書類など色々あった


ウォースパイト『もう時が止まったままじゃ無い……あれ?この記事だけ、くしゃくしゃにした跡がある…何々』


ウォースパイト「海上自衛隊、対深海凄艦部隊を創設開始…志願者を募るが、しかし女性の方のみとする…なるほど、それでこのチラシがくしゃくしゃになっていたのね…」


…………………………………………………………………………………………

…………………………


現在


ウォースパイト「という事があったのよ」


間宮「そうな事が…」


ウォースパイト「提督は、あの廃人の頃の事を忘れたがっているわ、だから無闇にあの人の前で連想させるような…例えば廃人という単語やアラビア海域事故関連に関すること…

あともう一つ注意して欲しいことが」


間宮「なんでしょうか?」


ウォースパイト「あの事故の時、リーダー格と思われた戦艦凄姫…実は完全に撃沈出来ていなかったという可能性が浮上しているの…

つい最近、インドネシア海軍のフリゲート艦が彼女らしき深海凄艦に襲撃され中破されたという報告があったわ」


間宮「それじゃあ、あの戦艦凄姫が生きているということですか?」


ウォースパイト「そういうことですわ、仮に彼女に遭遇してしまったら本来鎮守府に連絡せず、黙って撤退するか戦力が充実しているなら隠密に沈めて差し上げてください」


間宮「それは提督の為ですか?」


ウォースパイト「それもありますけれど、提督は未だにあの戦艦凄姫の事を許していないはずです、仮に遭遇した事を彼に言ってしまうとどうなってしまうのか想像がつきません…

これは貴女達、japanese battleships の為でもあります」


間宮「わかりました、肝に銘じておきます」


伊良湖「…大事なお話の所申し訳ございませんが…ウォースパイトさん、放送で執務室まできてほしいそうです」


ウォースパイト「そうですか…thank you、態々教えてくれて」


伊良湖「いえいえ!そんな!」


ウォースパイト「フフッ、そう謙虚にならなくてもいいのよ」


間宮「…ウォースパイトさん、本日はありがとうございました……」


ウォースパイト「そんな、お礼とされるような事はして無いわよ?この話が彼の…いや、今は提督でしたわね、提督の為になるなら私は本望ですわ」ニコッ


伊良湖「私から一ついいですか?」


間宮「駄目よ伊良湖、ウォースパイトさんは今から執務室に行かないといけないの!」


ウォースパイト「いえ大丈夫ですわ、その代わり手短にお願いしますね」


伊良湖「提督がお薬を服用している事はご存知ですか?」


ウォースパイト「えぇ、それは彼が自衛官になった時から知っております」


伊良湖「という事は…会いに行った時にはまだ薬は服用されていなかったのですか?」


ウォースパイト「うーん、あの頃は鬱病の一歩手前だったわね…彼自身精神科行くのを拒んでいただけれど、いつ行ったのかしら…」


伊良湖「今も服しているという事は…まだ完治していないのでしょうか?」


ウォースパイト「私は医者じゃないからそこまでわからないけれど、見た感じですと鬱は完治しているけどトラウマはまだ残っていると思うわ」


伊良湖「そうですか、ありがとうございます」


ウォースパイト「それでは、もうそろそろ行きますね、美味しいお茶ご馳走様でした」ニコッ


ギィイ パタンッ!


間宮「……伊良湖」


伊良湖「はい!」


間宮「さっきの質問はなんだったの?質問の意図が分からなかったのだけれど」


伊良湖「いえ…」


間宮「何か引っかかる事でもあるの?」


伊良湖「実は…」


…………………………………………………………………………………………………

……………………


午前11時頃 製油所地帯沿岸


摩耶「でえぇぇい!!」ドォン!!


軽巡へ級「ヴァアアァ!!」


摩耶「どんなもんよ!!」ドャア


雪風「神通さん!後ろに魚雷!」


ススッ


神通「ヒィッ!?」ドカァン!


ゴゴォオオオオ


羽黒「…間一髪でした」プスプス


神通「…って、は、羽黒さん!どうして!?」


羽黒「神通さん!大丈夫です!仲間達の背中は私が守ります!」ドォン!!


駆逐ハ級「ギィアアア!」ドカァン!!!


祥鳳「私だって航空母艦です!行きます!!妖精さん!」


妖精A「まかせとけ!敵は駆逐クラス二頭だ!ターゲットロックオン!01 02 ファイヤー!」ドドド!!


妖精B「03 ファイヤー!!」ドドド!


駆逐ロ級「グゥオオ!」ブクブク


妖精A「よし!目標を叩き落とした!!!あとは任せたぜ!爆撃部隊!」


妖精C「こちら爆撃部隊!今から爆弾投下する!」


妖精D「弾着!!今ッ!」ヒュゥ〜〜


ドカァンン!!!!!


駆逐ロ級「ギィアアアア!!!」プスプス


妖精B「こちら戦闘部隊、初弾命中駆逐クラス二頭の撃沈を確認、他敵影無し…終わり」


祥鳳「よしっ!作戦成功です!」


雷「…凄い」


雪風「今回、私達の出番は無いかもです…」


摩耶「全く…相手にならないぜ!」


羽黒「慢心してはいけません…次辺りで戦艦クラスとの戦闘になるかもしれません」


祥鳳「妖精さんお疲れ様!」


妖精A「姉貴!南西方面に敵らしき反応がありました!恐らくあの航跡は戦艦クラスだと思われます!」


祥鳳「了解…皆さん!戦艦クラスは南西方面にいる模様です!」


摩耶「でかした!よしっ!やってやろうぜ!」


神通「態々…強敵と殺り合わなくても…今回の依頼は制圧じゃなくて護衛です」


摩耶「何弱気になってんだ!どちらにせよそいつらは沈められる運命なんだ!」


羽黒「と言うと?」


摩耶「私らが殺らなくとも、他の部隊に殺されるのがオチだ!要は寿命が縮むか伸びるかでしか無いんだよ!」


羽黒「そうかもしれませんが、悪魔で任務は護衛です、深追いする必要はありません」


摩耶「んだと!」


祥鳳「でもそいつらは、護衛対象に向かっている模様…」


摩耶「ふっ、決まりだな」ニヤ


羽黒「…仕方がありません、艦隊出撃します!」


20分後………………………………………………


神通「…羽黒さん」


羽黒「ん?どうしました?」


神通「さっきの戦闘の魚雷…大丈夫でしたか?」


羽黒「大丈夫ですよ、重巡洋艦が簡単に沈みませんよ!」ニコッ


雷「雪風…ちょっといい?」コソコソ


雪風「なんでしょう?何か作戦でも思い付いたのですか?」コソコソ


雷「次の戦闘…恐らくさっきの陣形だと、また何もできないまま終わってしまうと思うの」コソコソ


雪風「うん、私もそう思う…」コソコソ


雷「だから二手に分かれて囲むようにして魚雷を発射させようと思うの」コソコソ


雪風「…なるほど、敵の不意を突くわけですね」コソコソ


雷「だから少し距離を置いて…」コソコソ


雪風「それでいきましょう」コソコソ


摩耶「…?」


摩耶『あの二人、何コソコソ話してんだ?……まぁいいか』


祥鳳『初戦でしたが…調子が良いです!!この戦果を聞いたら提督褒めてくれるかしら』///


妖精A「…姉貴、完全に女の顔になってやがるぜ…」


妖精C「ん?あの敵影…こちらにむかってる?」


妖精B「報告!敵影らしい物がこちらにむかってくる!戦闘部隊は戦闘態勢に入る!」


祥鳳「…ハッ!?報告!敵影らしき物がこちらに接近中!」


羽黒「了解しました!皆!戦闘態勢!!」


一同「ハッ!!」


妖精A「間違いねぇ!深海棲艦だ!これから攻撃に移る!」


祥鳳「了解です!全艦隊!出撃!!」


妖精A「よっしゃあ!!やってやるぜ!」


妖精B「敵は…駆逐、軽巡、雷巡、戦艦!戦艦クラスです!」


ブゥオオオン!!!!!


妖精D「くそっ!打ってきやがった!」


妖精C「敵機から対空攻撃、満足な先制攻撃にならないかもしれないが…仕方が無い」


妖精A「たが、的がデカいと当てやすいもんだぜ!」


妖精B「あぁそうだな」


妖精A「うぉおおお!!」ズガガガガ


ドォゴォオ!!!!


妖精C「くそっ!被弾!」


祥鳳「大丈夫!?てったry」


妖精C「大丈夫です!まだ飛行可能ですから!」


妖精D「駆逐クラス一体撃沈、軽巡クラス中破、雷巡クラス小破、報告以上」


祥鳳「わかりました!お疲れ様です!一時撤退してください!」


妖精一同「了解!」


摩耶「よっしゃあ!!やってやるぜ!」


羽黒「こちら羽黒、敵勢力と衝突の為攻撃開始します、どうぞ」


提督『こちら提督、了解だ敵勢力を殲滅せよ!ただし無理はするな、大破が出たら直ぐに報告せよ、どうぞ』


羽黒「こちら羽黒、了解しました!」


神通「今度こそ役に立ってみせる!うちます!」ドォン!


駆逐ロ級「ギィアア!!」ドォゴォオ!!


神通「よしっ!一体仕留めたわ!」ガッツポーズ


摩耶「殺されてぇかぁ!!」ドォン!!


ドォゴォオ!!!!


妖精B「雷巡クラス撃沈を確認しました…あと少しです」


羽黒「おかしい…」


神通「おかしいとは?」


羽黒「余りにも上手く出来過ぎているとは思いませんか?」


神通「確かに…ですが、こちらが優勢なのは明らかです!」


摩耶「…ところで駆逐艦の二人はどうした?」


羽黒「あっ!?いつの間に!ど、どこに行ったの!?」アタフタ


摩耶「くそっ!なんてこった!」


…………………………………………………………………………………


戦艦ル級「…」ガコッ!


戦艦ル級「ヨソミシテイルト、イノチトリダ」


ブゥオオオ


戦艦ル級「!?」


妖精A「撃たせるかよ!!ボケェ!!」ガガガガ


戦艦ル級「チッ!ザコノブンザイガ!」


軽巡へ級「ワスレ…ルナ」ガチャ!


妖精A「なにっ!?対空砲だと!?」


軽巡へ級「ハテロ…」ドドドドッ!!


妖精A「クソッ被弾!姉貴!もう操縦が効かねぇ!」ゴォオオ!


祥鳳「えっ!?妖精さん!何故ここに!?」


妖精A「へへっ!!おかしいと思ったぜ!」


妖精B「どういうことだ!?」


妖精A「簡単な話だ!雑魚たちを逢えて向かわせる事によって自分の有効射撃範囲内に集めさせるよう誘導させたんだ!」


祥鳳「ということは、囮だったの!?」


妖精A「そういうことだ!姉貴!今から俺は大和魂を見せてやるぜ!」


妖精C「まさか…そのまま機体ごと突っ込む気か!?」


祥鳳「そんな!やめてっ!」


妖精A「うぉおおおおおおお」グゥオオオオオ


軽巡へ級「ナニッ!?」


ドォゴォオ!!!!


…………………………………………………………………………………


祥鳳「そ、そんな…」


妖精D「あの馬鹿…やりやがった!」


摩耶「どうした!?祥鳳!!何があった!」


祥鳳「よ、妖精さんが…」


神通「あ、あれは!戦艦ル級!」


祥鳳「あっ!そうだった!みんなここから離れてっ!」


摩耶「なんだって!?」


ドンッ!………ヒューー


羽黒「ッ!?みんな離れて!!」


神通「マズイッ!」


ドォゴォオォオオオ!!!!!


………………………………………………………………………………………………


雷「あっ!?みんなが!……早いことしないと」


雷『幸い向こうはこちらに気付いてないみたい…やってやるんだから!』


………………………………………………………………………………………………


雪風「確か雷が発光信号を送って来たら作戦決行でしたよね…」


ドォゴォオ…………


雪風『戦艦ル級が向こうに気が散っている時じゃ無いとこの作戦は成功しない…もう少しの辛抱ですっ!』


………………………………………………………………………………………………


摩耶「クソッ!結構もらってしまったぜ…」中破


羽黒「被害報告…お、お願いします!」中破


祥鳳「ゲホッ!ゲホッ!」大破


神通『圧倒的にこちらが不利…私だけで勝てる相手じゃ無い…』無傷


神通「皆さん…私が敵を引きつけます、その間に母港に撤退してください」


三人「ッ!?」


摩耶「ば、馬鹿言ってんじゃねぇ!!私達はまだそこまで落ちてないぜ!」


神通「祥鳳さんが…限界です」


祥鳳「ゲホッ!」吐血


摩耶「ッ!?」


祥鳳「そ、そんな事したら貴女が…」


神通「この中で高速で動けるのは私です、足には自信があるんですよ!」ニコッ


羽黒「…わかったわ」


摩耶「ッ!?は、羽黒!おまっ!」


羽黒「その代わり、わ、私も残ります」


神通「…」


羽黒「…わ、私は旗艦です、仲間を置いて行くなんてことは…できません」


神通「わかりました…」


羽黒「摩耶さん!祥鳳さんを守ってください!」


摩耶「…わかった」


祥鳳「す、すいません」


神通「それでは…いきましょう!」


羽黒「…えぇ!」


………………………………………………………………………………………………


戦艦ル級「ン?ニタイガ、ムカッテクル……オモシロイ…ヤッテヤル」ドンッ!!


羽黒「あぶなっい!」ドォゴォオ


神通「流石戦艦ですね、今までの敵とは威力が全然違います」


羽黒「こ、ここで怖じ気付いたら駄目…当たってぇ!!」ドォン! ドォン!!


戦艦ル級「クッ、コンナテイドカ…」


羽黒「な、なんで硬さ…」


神通「あまり効いてない…」


戦艦ル級「アソビモ、ココマデダ!」ガコッ


羽黒「マズイッ!至近距離っ!」


戦艦ル級「マズ、ヒトリメ」ドォン!


羽黒『て、提督…ごめんなさい、役に立てなかった……』


ドォゴォオ!!!!


羽黒「……………へ?」


神通「し、死ぬのはまだ早いです…よ」大破


羽黒「じ、神通さん!?」


神通「これで…借りは返しましたよ…」フラッ


羽黒「神通さん!!」ボスッ


戦艦ル級「ナカナカ、シブトイデスネ…モウソロソロ、イライラシテキマシタ」ガチャ!


スススッーー


戦艦ル級「コレデ、サイゴダ、クタバry」ドォゴォオォオオオ!!!!


羽黒「ッ!?」


羽黒『ル級の両端から爆発が!まさか…』


雷「魚雷全弾命中したわ!!作戦成功よ!」


雪風「やったね!雷ちゃん!!」


羽黒「雷ちゃん!?雪風ちゃん!?」


戦艦ル級「グハッ、グゥオオオオオ!!」プスプス


雪風「第二波魚雷攻撃もありますっ!」


ドォゴォオォオオオ!!!!


雷「これで!どうよ!」ガチャ


戦艦ル級「キ、キサマラ!」


雪風「こんなけ近ければ、外れることは無いですっ!」ガチャ!


雷「貴女の負けです、覚悟!!!」ドォン!ドォン!!


ドォン!!ドォン!!ドォン!!ドォン!!ドォン!!ドォン!!


戦艦ル級「ギィヤァア!!!」


ドォゴォオォオオオ!!!!


雪風「the endですっ!」


神通「…戦艦ル級撃沈確認、私達の勝利です」


摩耶「…あいつら、まさか意図的に私達から離れて…」


祥鳳「まぁいいじゃないですか…作戦成功なんですから…」


羽黒「こちら羽黒、作戦成功しました…」


提督『こちら提督、良くやった!…どうした?声が震えているぞ?どうぞ』


羽黒「こちら羽黒、被害報告…祥鳳と神通が大破…」ポロ


提督『た、大破だと!?』


羽黒「私と摩耶が中破、駆逐艦の二人は無傷…」ポロポロ


提督『…直ぐに鎮守府に帰投しろ、話はそれからだ』


羽黒「はい、わかりました…」ポロポロ


羽黒『そうだ、提督が起こるのも無理もない…だって被害報告しなかった…』


「なに、しけた顔をしてんだ」


羽黒「っ!?」


妖精A「はぁはぁ、しぬかと思ったぜ」


羽黒「し、死んだはずじゃ!」


妖精A「なに勝手に殺しちゃってんだ」


羽黒「だ、だって…」


妖精A「あの時、間一髪のところで脱出したんだ、その代わり死にかけたけどな」


羽黒「そうだったんですかぁ」


妖精A「悪いけど、俺を拾って姉貴のところまで連れて行ってくれないか」


羽黒「わかりました、今からみんなと合流します」


………………………………………………………………………………………………


祥鳳「よ、妖精さぁん!!」ブワッ


妖精A「よ、よせやい!泣くこったぁねぇだろ姉貴!」


妖精B「しかし、よく生きて来れましたね」


妖精D「全くだよ、ほんと死に急ぎ野郎なんだから」


羽黒「無事で良かったです」


妖精C「しかし、あっちはあっちで険悪なムードでっせ」チラッ


摩耶「お前らどう言うつもりだ!勝手に連帯から離れて、どれだけ迷惑が掛かったと思ってるんだ!」


雷「私達だって…何も出来ないまま終わりたくなかったです!」


摩耶「口答えするつもりか!?あ"ぁ!」グワッ


雪風「そもそも私達の作戦が無かったら今回の敵は倒せなかったはずです!」


摩耶「それとこれは話は別だろうが!」


雪風「それにこの作戦の事を皆さんに説明したところで反対されるのは目に見えていました」


神通「まぁまぁ落ちついてください!」


摩耶「落ち着いてなんていられるわけないだろ!私達はこの二人の作戦の為に囮として扱われていたんだぞ!?」


雷「それは言いがかりです!!そんなつもりじゃないです!」


羽黒「静かにしてください、な、仲間内で言い争っていたって…仕方がありません」


摩耶「…クソが」チッ


羽黒「摩耶さん、情に熱く仲間思いなのはわかります…で、ですが」


摩耶「…」


羽黒「彼女達のおかげで作戦は成功したのは揺るぎない事実です」


雷「は、羽黒さん…」


羽黒「で、ですが!この事は提督に全て報告させてもらいます!」


雪風「えっ!?」


羽黒「提督は…恐らくお怒りになる…かもしれませんが仕方がありません」


雷「うぅ…」シクシク


神通「まぁいいじゃないですか、彼女達もこうして反省しているんですから」


羽黒「これは旗艦としての責務です…」


神通「そ、そうですか」


祥鳳『こんな言い方しているけれど、恐らく一番怒られるのは羽黒さん、あなた自身だという事に気付いているんだろうな…』


羽黒「それでは、母港に帰投します」


………………………………………………………………………………………………

………………………


鎮守府 執務室…


コンコン


提督「…入れ」


羽黒「し、失礼します…」ガチャ


摩耶「失礼するぜ!」


祥鳳「失礼します…ね」


祥鳳『うわぁ…空気が重い…』


神通「失礼します…」


雪風「しれぇ!雪風帰投しましたっ!」タタッ


羽黒「ゆ、雪風ちゃんっ!?」


雷「駄目よ雪風、まずは報告が先よ」ガシッ!


雪風「うぅ…」


神通「…ふぅ」


提督「…ではまず、報告を聞こうか」


羽黒「はっ!はい!それでは…ry」


提督「…わかった、とりあえず作戦は成功だ、

防衛省のお偉い方々も喜びになられるだろう」


一同「ハッ!!」


提督「時雨、この報告書をデータ化させといてくれ、そこのパソコンを使ってくれても構わないから」


時雨「了解しました」カタカタ


提督「さて今回のMVPは…祥鳳、お前だ」


雪風「えっ!?」


提督「なんだ雪風?」ジロッ


雪風「い、いえ…」


祥鳳「わ、私ですか!?」キョロキョロ


提督「お前以外に誰がいるんだ…後でギフトを贈っておくから楽しみにしておけ」ニコッ


祥鳳「はっ!はい!」びしっ


摩耶「まぁ仕方がないか…」


提督「でだ…羽黒」


羽黒「はっ!はい!!」


提督「何があったのか説明してくれないか」


羽黒「…実は……ry」


提督「…この報告で何か異議がある者はいるか?」


一同首を振る


提督「そうか…羽黒、雪風、雷はこの場にのこれ、それ以外は入渠して来い」


神通「し、失礼しました…」


祥鳳「失礼しました」


摩耶「…」


提督「どうした摩耶?」


摩耶「いや…なんでもねぇよ」バタン!


シーン


提督「では本題に入ろうか」


羽黒「はい…」


提督「まず、雷と雪風…勝手に鶴賀陣形か?方円陣形か?本艦隊の陣形に従わない作戦を立てたのはどっちだ?」


雷「はい…私よ」オロオロ


提督「そうか、どうしてこの様な事をしようと思い立った?」


雷「私達駆逐艦も役に立ちたかったからよ…」オロオロ


提督「あのな雷?」


雷「…はい」オロオロ


提督「世間ではお前の様な人の事を何と言うか知っているか?」


雷「…」オロオロ


提督「自己中っていうんだよ!!」


雷「っ!?」ビクッ


提督「言わてる意味がわかるか!?」


雷「…はい」ポロポロ


提督「雪風!お前も同罪だ!」


雪風「…はい!」ビクっ


提督「お前、本当に分かってんのか?」


雪風「はいっ!雪風は」ヒクッ


提督「どこかで自分関係無いと思ってないか?」


雪風「そんなことは」ヒクッ


提督「だったらこっち向けよ、なに余所見してんだ?おい」


雪風「はい…」ポロポロ


提督「人が話している時は必ず人の目を見ろって訓練学校で習わなかったか?」


雪風「はい…」ポロポロ


提督「事前に他のメンバーに作戦の意図を伝えていたなら、全然問題は無かった」


二人「はい…」ポロポロ


提督「勝手な行動することによって迷惑するのは誰だ?」


雪風「し、しれぇ」ポロポロ


提督「俺じゃねぇよ、羽黒とか他のメンバーだろうが」


雪風「はい…」ポロポロ


提督「お前、はいはいばっかり言ってるけど本当にわかってんのか?」


雪風「わかってます…」ポロポロ


時雨「…提督、もうそれぐらいで許してあげてもいいんじゃないかい?」


提督「あ?」


時雨「彼女達も戦闘に疲れているんだ…これぐらいで勘弁してあげてほしい」


提督「…次同じような事をしてみろ」


二人「はい…」ポロポロ


提督「れっきとした処分を言い渡すぞ…社会はそんなもんだ、下がれ」


二人「し、失礼しました」ポロポロ


バタン


提督「はぁ…羽黒よ」


羽黒「は、はい…」ビクビク


提督「本来なら怒鳴り散らすつもりだったが」


羽黒「…」ビクビク


提督「よくよく考えたらお前は初戦で旗艦をやらせてしまった俺にも非がある」


羽黒「へ?」キョトーン


提督「最初は緊張して周りが見えなくなってしまうものだ…」


羽黒「それでは駆逐艦の二人も…」


提督「あいつらはお前と違って戦闘経験はある、そういう面ではあいつらの方が先輩なわけだ」


羽黒「うぅ…」


提督「もう今の段階で任務は終了なんだ、お前はもう旗艦じゃない…楽に肩の力を落とせ」


羽黒「こ、怖かったです…」ビクビク


提督「そうか…丁度お前に渡すものがある」スタッ


羽黒「?」


提督「これを戦闘任務の時は常に持ち歩く様にしておけ」ガチャ


羽黒「これは…拳銃と弾薬ですか?」


提督「そうだ、中の弾薬は閃光弾となっている…もしも勝てないと思った時はこれを敵に目掛けて撃て、その間に撤退しろ」


羽黒「は、はい」


提督「因みにこの弾薬は救難信号だ、この弾が発信して直接鎮守府、もしくは自衛隊の基地に送られる、なにかしら助けが来れるかもしれない」


羽黒「し、司令官さん…私がその様なものを貰っても…」


提督「?」


羽黒「今後、おそらく…戦艦や正規空母…私なんかより優秀な人達がやってきます…なのでこれは彼女達が来た用に」


提督「お前、自分が直ぐに一線を外れると言いたいのか?」


羽黒「…」


提督「言っておくけど、俺はお前を外すつもりは無いからな」


羽黒「っ!?」


提督「今日の報告書の内容、及び旗艦として必要な対応や状況判断…そこから判断したしだいだ」


羽黒「そ、そんな、私なんか」


提督「なんかだなんて言うな、もっと自分に自信を持てよ、まぁお前のそのしおらしさが、また可愛らしく良いとこでもあるんだけどな」


羽黒「か、かわいいだなんて…そ、そんなぁ」///プシュ〜


時雨『またこの人は自覚が無いからタチ悪いんだよ…そうやって勘違いさせるんだから…』


提督「あれ、顔が赤いぞ?しんどいのか?」顔を近付ける


羽黒「はは、はわわわ…」///プシュ〜


提督「ん?なんだ?汗が凄いぞ?暑いのか?」


羽黒「ち、ちちゅれいしましゅ!!」ピュー!


バタンッ!!


提督「…何か怒らせる様な事をしたか?」チラッ


時雨「僕に聞かないでくれないかい?」シラー


提督「…?」


時雨「でも雪風と雷に関しては言い過ぎだと思うよ」


提督「そうか?あれぐらいキツく言わないと」


時雨「提督の時代と今と全然違うんだよ、僕が言うのもおかしいけど、ちゃんとフォローを入れてあげないと余計悪化するよ」


提督「そう…すべてやる事を終えたら様子を見に行ってくるとする」


時雨「今行かないとのかい?」


提督「もうそろそろ着任する予定の艦娘がこちらに来る頃だ、俺が不在なのはまずいだろ?」


時雨「まぁはい、確かに…」


提督「さぁてと、防衛省への報告書を書くとするかぁ」


時雨「未だにその"防衛省"と言う呼び方は慣れないな」


提督「そうかお前ら、防衛省の事を"大本営"と呼ぶな」


時雨「うん、僕たちは当時の軍艦の時代に合わせられた艦娘だから…大本営と呼んでしまうのです」


提督『あえて聞かないが、提督である俺でさえ艦娘のメカニズムが全くわかってない

表向きの発表は、艦娘は全国から集められた女性志願者及び女性自衛官を艦娘へと鍛えさせたとされているが、本当の所わからない』


時雨「…今、羽黒さんの報告をデータ作成を終えたので、そちら提督のパソコンへ転送するよ」カチカチ


提督「お、流石仕事が早いな」


時雨「それが秘書艦の役目だからね」


コンコン


提督「ん?誰だ?……入ってもいいぞ」


天龍「失礼するぜ提督!オレの名は天龍型一番艦、天龍だ!フフフ、怖いか?」


提督「…」


時雨「…」


天龍「…お、おい黙られると困るぞ」


提督『左目の眼帯に、謎に悪魔の様に生えた角に、この口調…間違いない、中二病だ!!』


天龍「おい、今失礼な事を考えてんだろ」


提督「そ、そんな事ないぞ!俺は決してお前が突然 "邪王真眼の使い手" とか言い出しても驚かないからな!」


天龍「誰が中二病だ!!どこぞのダークフレイムマスターじゃねぇよ!」イライラ


時雨「え、違うのかい?」


天龍「ちっげぇよ!これは兵装だ!」プンスカ


提督「まぁいじりはこれくらいにして、軽巡は川内三姉妹がここに着任しているから挨拶しておくといい」


天龍「なんだ龍田のやつは来ていないのか?」


提督「龍田?あぁお前の同型艦だったな、彼女ならまだこの鎮守府に着任していないな」


天龍「そっか、まぁいいけどな」


提督「意外に素っ気ないだな、心配しているのかと思ってたんだが」


天龍「あいつはしっかりしているから別に心配なんてしてないな」


提督「そうか、時雨、言いたい事わかるな?」


時雨「はいはい、いつもの新入りさんのご案内だよね?」


提督「わかってるじゃないか、それでは天龍よ時雨と一緒に鎮守府を回ってくれ」


天龍「了解、それじゃあよろしく頼むぜ!」


時雨「僕は臨時秘書艦の時雨だよ、本来ならry」バタン


…………………………………………………………………………………………………


提督「……行ったか」ゴクンッ


提督『薬を服用しているところを見られたら面倒な事になるのは目に見えている事だ

俺は、あの深海棲艦があそこで死んだとは思えない…そんな気がするんだ…トイレ行ってくるか』バタンッ!


…………………………………………………………………………………………………………………………………


昼頃 食堂


雷「って事があったの!」


鳳翔「あらあら、それはそれは」


雪風「私達がいなかったらこの作戦は成功しなかったのに…」


鳳翔「でも二人共勝手に部隊に報告せずに行動したのですから、作戦より基本的な事で提督や摩耶さんは怒ってたんじゃないかしら?」


雪風「それは悪いとわかっているんですけれど…少しぐらい褒めてくれたっていいじゃない!」


雷「司令官は分からず屋よ!」


鳳翔「まぁまぁ、余りここまで攻めないであげてね」


雷「どうして?」


鳳翔「…耳をすませてごらん?」


二人「?」


…………………………………………………………………………………


自衛官A「はぁ、またあいつら派手に壊してきやがったぜ」


自衛官B「なんせ大破が2隻ほどの損害なんだろ?中破も2隻と」


自衛官C「本来あの海域で大破するなんて早々ないんだろ?あの新人提督、どんな教育してるんだ?」


自衛官B「しらねぇよ、あいつは飛び級で提督に就任したんだろ?あんな若僧には未だ早いだろうよ」


自衛官A「そもそもよ、あんな小娘に日本を守らせているこの世の中が終わっているぜ」


自衛官C「しっているか?日本だけでも艦娘の犠牲者数がとうとう50人を超えたそうだぞ」


二人「っ!?」


自衛官B「まじか、それなのに防衛省は今年の防衛予算の1割は艦娘の開発に当てているそうだ、勿論この事を国民に公開してないしな」


自衛官A「公開だなんて出来るもんか、国民の税金を使っているんだもんな」


自衛官C「でもよ俺らは死ぬ程働かさせているのに、あいつらは何の不自由もなく生湯に浸かって生活しているだぜ?」


自衛官A「まだ海域で戦闘している時はいいけどよ、それ以外遊んでいるだけだろうが」


自衛官B「何より一番気に食わないのは、あの提督だ!あんな若僧の下にだなんてごめんだぜ!」


自衛官C「シーッ!聞こえてたらどうする!?」


自衛官A「この鎮守府はまだ犠牲者が出てないけどよ、ただの腰抜けじゃねぇか?この出撃回数の少なさが物語っているぜ」


自衛官B「他の鎮守府なら1日に4回ほど出撃して主力は殆ど無キズだそうだ!勿論犠牲者数は多いが防衛省が気にしないほどの戦果をあげているそうだ」


自衛官C「まじかよ、まじここの提督無能じゃねぇ?」


二人「……」


鳳翔「これが、ここの鎮守府の現状よ…提督は若過ぎが故に高年層中年層の自衛官のウケがかなり悪いの、だから仲間が少ないのよ」


雷「…この事は司令官は知っているの?」


鳳翔「そしりゃ知っているでしょうね、こんなけ不評なら嫌でも本人の耳に入ってくるでしょう」


雪風「しれぇはそれに対して何もしないのですか?」


鳳翔「何かすれば余計悪化する事をわかっているのでしょうね」


雷「でも司令官はどうしてここまで出撃しないのかしら?いくら艦隊の数が少なくても二回は出撃できるはずよ」


鳳翔「恐らく私達艦娘が万全の状態で出撃させる為じゃないかしら?」


雪風「どうしてそんな事を…」


鳳翔「艦娘が轟沈してしまう理由として、二番目に入るのが披露なの」


雷「一番目は何なの?」


鳳翔「それは…忘れちゃいました」苦笑い


雪風「忘れてしまったのは仕方がないのです…」


鳳翔『一番目が、"捨て艦戦法"だなんて言える訳が無いじゃない…この子達に知るには早すぎる』


捨て艦戦法…


弱い艦・低レベルの艦を身代わり及び被害担当艦として進軍させるという用兵法である。


身を挺して旗艦への攻撃を防ぐ為に、かばいやすい輪形陣で進軍し、高レベル旗艦の周りを拾ったばかりの艦や上記の使用予定がない「捨て艦」を囮として攻撃させる事で旗艦を保護し、本来の目的を成功させること。


旗艦は絶対に轟沈せず、大破すると強制的に帰還するという条例を逆手に取った戦法である。


もう海戦及び遠征にも使えない艦娘を解体するのにも金がいるので、片道ほどの燃料を積み囮として使わせるのだ


鳳翔『この国は、あの戦争を何も反省していない…まるで特攻じゃない…』プルプル


雷「鳳翔さん?どうかしたの?凄い険しい顔をしてるけど…」


鳳翔「へ?…少し考え事をしていたの」ニコッ


雪風「しれぇはそこまで私達の事を考えていたの…」


鳳翔「えぇ、ここの提督は作戦より部下の命を優先しているし、大丈夫ですよ」


鳳翔『そうですよね?提督?』


ガチャッ!! チリンチリン♩


鳳翔「いらっしゃいませ!…あら見ない顔ですね?新入りかしら?」


天龍「おぅ!俺の名は天龍ってんだ!フフフ、怖いか?」


時雨「全く、何回その台詞を言えば気が済むんだい…」


雷「なんというか…」


雪風「でかい…」


天龍「へ?でかい?…まぁでかいだろ?」←身長だと思っている


雷「この余裕振り…」


雪風「ぜ、絶対抜いてやるんだから!」←おっぱいの事


天龍「フフフ、精々頑張るんだな」


雷「ぐくぬ…」


天龍「ところで今日出撃だったんだろ?」


雪風「あ、はい!そうですけれど…」


天龍「結果は聞いているぜ、無事成功したそうじゃないか」


雷「そうなんだけれど、提督は怒って…」


天龍「無断で行動したんだろ?話は聞いているぜ」


雪風「そこまで怒られるような事をしたつもりは無いんですよ!?」


天龍「それが問題なんだ、今回は無事成功し死者も出なかったかもしれないが…もし失敗した時の事や何らかの非常事態になった時、どうするつもりだったんだ?」


二人「!?」ビクッ


天龍「どうやら想像できたそうだな、無断行動はそれ程重い事なんだ」


鳳翔『天龍ちゃん、意外とセンスあるのね…教育係りとして向いているかもしれないわね』


時雨「ほんとそうだよ」


鳳翔「っ!?し、時雨ちゃん!いつの間に…」


時雨「ついさっきだよ、天龍さん…僕を置いて先々と行くから大変だよ」


鳳翔「あは、はは…」


時雨「でも見た感じだと二人の問題は解決したみたいだね」


鳳翔「天龍ちゃんがしっかりと注意していましたよ、指導って言うべきなのかしら?意外にお上手なんですよ」


時雨「保育士とか向いているんじゃないか?」


鳳翔「想像出来ちゃいますね、フフッ」ニコッ


天龍「わかったか?ちゃんと仲間のみんなに謝るんだぞ!」


二人「ハーイ!」スタスタッ


鳳翔「まるでお姉ちゃんみたいね、フフッ」


天龍「な、何言ってるんですか!?お、俺はそんな柄じゃないっすよ!!///」カァ


時雨「保育士でもなってみるといいよ」


天龍「んなもん!向いてねぇよ!!」カァ


鳳翔「天龍ちゃん可愛いんだから〜」


天龍「///」テレテレ


………………………………………………………………………………………………

……………………………


その頃 鎮守府管轄下造船所


〈オラーイ オラーイ オッケー! ガシャン!!


ウォースパイト「これで以上ね」


明石「この大きなコンテナが7つ…一体何を」


ウォースパイト「これは提督へのお手土産ですよ」


明石「もちろん両政府公認です…よね?」


ウォースパイト「…」


明石「…」


ウォースパイト「…」ダラダラ


明石「…あのぉ、黙られると凄く不安なのですが…」


ウォースパイト「no problem!ok?」


明石「大問題ですよ!?何してるんですか!?」ガビョーン


ウォースパイト「ちなみにこのコンテナには、どれもバレるとヤバいブツなので、くれぐれも気を付けてください」


明石「提督は知っているの?」


ウォースパイト「もちろんですわ、その代わりに色々裏取引がありましたが聞きます?」


明石「い、いや、やめとくよ」ダラダラ


ウォースパイト「何名かのエンジニアを置いておきますから、彼らからの指示を元に組み立てて下さい」


明石「そう言われましても…ん?」


〈ピー!! ピー!! そうそこに設置してry


明石「大型トラック?の上にビニールで覆い被せて何をしているんです?」


ウォースパイト「軍事機密なので隠しているのですが、短距離弾道ミサイル…MGM-52 ランスを取り付けているところです」


明石「だ、弾道ミサイル!?そ、そ、そんなものがバレたりしたら」ガタガタ


ウォースパイト「間違いなく国際問題になるでしょうね」


明石「なんで冷静なんですか!?」


ウォースパイト「提督の野望はそれ程のものって事よ」


明石「ど、どういう事です?」


ウォースパイト「貴女達の提督は、この国の裏を見てしまったとでも言っておきましょうか」


明石「へ?」


〈グゥオオオ ガタガタガタガタ ガチャッ


ウォースパイト「どうやら設置作業が終わったようですね」


〈すぐに格納庫に隠してください! 早く!


ブゥオオオオオン!!


明石「にしてもMGM-52 ランスは90年代で退役しているはずでは?」


ウォースパイト「そうよ、だからAmericanの裏会社から安く買い取ったのよ」


明石「買い取ったって事は…」


ウォースパイト「もちろん、アメリカも知らない事よ、Soviet–Afghan War〈アフガン紛争〉の時にAfghanに持ち込まれたランスを麻薬組織か不法に回収してたものよ」


明石「そんなもの動くんですか?どれだけ大規模な麻薬組織でもメンテナンスはできないでしょ?

安価で簡易なスカッドミサイルでもメンテナンスしてないと直ぐに使い物にならないんです」


ウォースパイト「それについては大丈夫よ、united kingdomのエンジニアは優秀ですから」


明石「はぁ…にしても、提督…一体何を…」


………………………………………………………………………………………………

……………………………


そして 午後4時過ぎ


執務室


コンコン


提督「入ってええよ」


ガチャッ!


親潮「失礼します!陽炎型駆逐艦四番艦、親潮です。司令、第十五駆逐隊、どうぞよろしくご指導ください。

お願いいたします!」 ペコッ!!


提督「へぇ〜駆逐艦なのにしっかりしているね、提督的にはポイント高い!」


時雨「某ボッチの妹さんみたいな事を言わないでくれるかな、聞いてる僕が恥ずかしいよ」


親潮「あ、あはは…」


提督「陽炎型なら雪風がここにいるぞ、仲良くしてやってくれよ」


親潮「…は、はい」


提督「ん?どうした?余り乗り気じゃないようだが?」


親潮「実は司令、私雪風の事…少し苦手で…」


※公式及び史実でこの様な設定はありません↑


提督「それはまたどうして?」


親潮「雪風の、あの性格が苦手なもので…」


提督「そうか?俺は別に嫌いじゃないし、明るくていいと思うけど…あ、別に俺はロリコンじゃないぞ」


時雨「あれ、僕はてっきりそうかと思っていたよ?」


提督「ちげぇよ!さっきからお前当たりキツくないか!?」


時雨「ほら、話をもどしてあげたら?」


提督「…それで話を戻すけど、どこが嫌なんだ?」


親潮「何と言ったらいいのか…自分可愛いですよという感じが出ているのというか…」


提督「それを言うなら那珂ちゃんもそうじゃないのか?」


〈ナカチャンデスー!!


親潮「あそこまで馬鹿で露骨だと別にいいんですけれど」


提督「酷い言われ様だな、那珂ちゃん…」


〈カーン カーン カーン


親潮「彼女の場合、ポイント稼ぎというか…」


時雨「まぁ貴女の言いたい事は僕もわかるよ」


提督「そうなのか?」


時雨「雷や電みたいに単純で、叢雲みたいにしっかり者で素直な性格ならまだ良いのだけれど、雪風だけ…ときおり何を考えいるのか分からない時があるんだ」


提督「ほ、ほう…」


時雨「この先日の遠征はまさにそう、回航中に敵駆逐艦に襲撃された時、那珂さんがまだ敵と近くにいるのに、お構い無く魚雷を発射したんだ」


親潮「そ、そんなことが…」


時雨「おそらく彼女…多重人格かと思うんだ」


提督「…わかった、気を付けるよ」


親潮「…でも、一様仲間なのは事実です!

いくら苦手でも任務に支障をきたす訳にはいきませんので、ある程度の付き合いをしていくつもりです!」


提督「ほんとしっかりしているいるよ君は…俺も見習わないとな」


時雨「本当だよ司令官、ちゃんと今日中に溜まっている書類を終わらせるんだよ」


ブルルル!! ブルルル!!


親潮「あの司令官、電話が鳴っておりますが」


提督「おぅ、防衛省専用の電話か………はい、こちら舞鶴鎮守府ですが……」ガチャッ!


親潮「防衛省専用?」コソコソ


時雨「緊急時や有事の際に備えて特別に設置された大本営直の電話の事よ」コソコソ


親潮「いわゆるホットラインの様なものですか?」コソコソ


時雨「意味合いは違うけど、システムはそんな感じだよ」コソコソ


提督「はい…それはまたどうして?………あ、はい……こちらとしては問題ありませんが…はい、了解しました……失礼します」ガチャッ!


時雨「…で、大本営からの通達は何だったんだい?」


提督「…えーと、なんか横須賀鎮守府に着任予定だった艦娘が…どうしてか反対が多く着任拒否られ、こちらで引き取って欲しいそうだ」


親潮「きょ、拒否られるなんて事あるんですか?」


提督「中々無いことなんだけどなぁ…」


時雨「そもそも大本営から寄越してくれているのにどうして反対者が多数なだけで、その意見が通るんだい?」


提督「横須賀鎮守府は他の泊地や鎮守府と違って、俺みたいな新参者一人でどうにかなる所じゃないんだ

提督の周りに幹部将校達が数名がいるんだけれど、その幹部全員が政界に影響があるような人達が占めている」


時雨「なるほどね…」


親潮「それで、その艦娘はこちらで引き取るんですか?」


提督「あぁ、なんせ戦艦と聞いている…うちに必要な即戦力だ!」


親潮「そんな戦艦クラスの人がどうして拒否られたのしょうか…」


提督「考えられるのは二つある」


親潮「二つ?」


提督「一つ目が、単純に雇用体制が整っていなかったから…簡単に言えば定員オーバーしてる感じかな」


親潮「そうなんですか…」


提督「二つ目は、その横須賀鎮守府のお偉いさんが、その艦娘にいい印象がなかったからだ」


時雨「どういう事?」


提督「ドイツの戦艦シャルンホルストのようにあだ名が死神だの、イタリアの空母スパルビエロみたいに駄作艦…いわゆる史実で印象や性能が悪い艦は悪いイメージがある」


親潮「でも史実ではそうでも艦娘がそうとは限らないのでは?」


提督「確かに艦娘の伊勢や日向といった航空戦艦は、史実では戦艦だけで留まっているから完全に元にしている訳ではない…」


時雨「でも当時の事を知っている年配の方が反対していると」


提督「そんなところだ…」


親潮「酷い話ですね、同じ艦娘として許せないです!」


提督「俺としては、その艦娘は徹底的に鍛えるつもりだ」


時雨「それはまたどうしたんだい?」


提督「俺はこの国…いや、腐った汚職政治家や賄賂ばっかり貰っているだけの防衛省の人間共が嫌いだ」


二人「っ!?」


提督「この際だ、邪魔者として扱ったその艦娘を鍛え見返してやろうとな」ニヤァ


時雨「それって提督としてどうかと思うんだけどなぁ」


親潮「良いじゃないですか!見返してやりましょうよ!」


時雨「ちょっ、親潮…」


親潮「だって腹が立って仕方が無いんです!」


提督「面白くなってきたぜぇ、やってやろうぜ」


時雨「もぅ…なんでもいいよ」ハァー


………………………………………………………………………………………………

………………………


数分前 海上自衛隊横須賀基地


バタバタバタバタバタ!!!!


自衛官1「ほら早く乗れ!」


??「はぁ、人使い荒いわよ全く…」


自衛官2「何文句言っているんだ!本来なら今頃貴様はry」


自衛官1「よせ、これ以上言ったって無駄だ」


??「それにしても陸軍の輸送ヘリに物資と一緒に乗せられるだなんて…」


自衛官3「駄々をこねるな艦娘のくせに」


??「へぇ、言うじゃない…戦場も行った事ないクセに」


自衛官1「けっ、史実が役に立たなかった事だけあるな、弱い犬ほど吠えよるわ」


自衛官2「無駄話はそこまでだ、せいぜい頑張るんだな、向こうでどんな仕打ちを受けるかだなんて見えているがな、この"不幸艦"が」バタンッ


ブゥオオオオオン!!!!


〈今から舞鶴鎮守府へ向かう、約二時間半の飛行となる…その間体を休めるなりしておけ


??「はいはい、言われなくともそうしますよーだ」


山城『横須賀の街の夜景が見える…扶桑姉様と私の母港だったのにね…これからは舞鶴が母港となるね…イヤホンを付けて曲でも聞こう』ピッ!


《one ok rock / Re:make 》


山城『この曲を聞くとテンションが上がるから好き…バックに入る程度の私物は持ち込み可能なのは助かるわね…はぁ林檎製のイヤホンは音質が良い…』


【残量残り20%を切りました、停電力バッテリーに切り替えますか?】


山城「…不幸だわ…」ピッ!


バタバタバタバタ!!!


………………………………………………………………………………………………

……………………………


それから二時間後


舞鶴鎮守府 ヘリポート


バタバタバタバタバタバタ!!!!


提督「予想より早く到着したみたいだな…」


電「はわわ…こんな近くでヘリコプターを見たの初めてなのです!」


提督「そうなのか?」


雷「訓練学校ではヘリコプターだなんて見る機会なかったのよ」


提督「へぇ〜意外だな、それじゃ目で焼き付けておけよ」


摩耶「にしてもどうして陸のヘリが飛んで来たんだ?別に海上のヘリでも良かっただろ」


提督「物資を届けるついでだそうだ、コスト削減というやつだ」


摩耶「という事は乗り心地はあまり良くないだろうな」


提督「かもな、今日は基地の案内と飯を食べさせたら直ぐに寝かせてやるさ」


摩耶「その方がいいだろうぜ」


バタバタバタバタバタバタ!!!!!


シューーーゥ ウィイイイン


雷「あっ!ハッチが開くわよ」


コツコツ……


自衛官A「おいあれ…」コソコソ


自衛官C「間違いねぇ、不幸艦で有名な」コソコソ


自衛官H「戦艦山城だ…」コソコソ


山城『…予想してたけど、反応は向こうと一緒か…どうせ罵声が飛んでry』


提督「長い時間ご苦労様!俺がここ舞鶴鎮守府の提督だ!!貴艦の活躍を期待すると共に舞鶴鎮守府着任を歓迎する!!」


山城「へ?…」


提督「向こうで不幸艦だのと言われたんだろ?気にする必要はない」


山城「それはありがたい事ですけれど…提督の部下はそんな事思ってないみたいだけれど」


自衛官達「っ!?」ビクッ!


摩耶「提督の言った通りだ、気にする必要は無いぜ」


提督「安心しろ俺も嫌われているから」


山城「それはまたどうして?」


提督「知らね、俺が若いからウザいとかじゃね?」


山城「それより……扶桑姉さま、見ませんでした?」


提督「あれ…俺の事無視…」


雷「扶桑姉様?見てないわよ」


山城「はぁ、…不幸だわ…」


電「あっ!基地内を案内するのです!」


雷「私も行くわ!」


山城「ありがとう、お二人さん」


テクテクテク……


摩耶「まぁ、そんなに落ち込むなよ」ポンポン


提督「はぁ不幸や…」


摩耶「方言出てるぞ…」


提督「俺だって落ち込むんやぞ!馬鹿たれ!」


摩耶「誰かー黒潮か龍驤を呼んでくれ」


………………………………………………………………………………………………

………………………


ほぼ同時刻 病室


時雨「調子はどうだい?」


叢雲「えぇ、だいぶマシになったわ、明日には復帰できそうよ」


時雨「そりゃあ良かったよ、どうも秘書艦という仕事は僕にあってないようだ」


叢雲「へぇ〜それはまたどうして?」


時雨「デスクワークに馴れてなかった事もあるけれど、何より目と背中が痛いよ」


叢雲「明日ゆっくり休みなさい、貴女は明日は半休でしょ?」


時雨「うん、そうさせてもらうよ」


バタバタバタバタ………


時雨「もう来たんだ、予定より早い到着だよ」


叢雲「え?何か来るのかしら?」


時雨「うん、実は………」


叢雲「………なるほど、それでヘリが」


時雨「今、提督が迎えに行っていると思うよ」


叢雲「あ、そういえば今日出撃じゃなかった?」


時雨「結構苦戦したみたいだけれど、作戦は成功したよ」


叢雲「成功にしては浮かない顔をしているけれど?何か問題でもあったのかしら?」


時雨「まぁ…色々ね、ただ提督がキレた」


叢雲「へ?あいつが?」


時雨「うん、雷と雪風が無断で行動して部隊を危険にさらしたから…」


叢雲「無断ってどんな事をしたのよ?あいつがキレるって相当よ?」


時雨「うーん、かくかくしかじかで…」


叢雲「そりゃ怒るわよ!なんでそんな事をしたのよ!」


時雨「彼女たちも役に立ちたかったんだと思うよ、僕たち駆逐艦は火力が弱いから他の巡洋艦と比べると出る幕は少ないもの」


叢雲「それで自分達が死んだら本末転倒よ!特に私達の提督は、他の鎮守府と違って仲間思いだから余計…」


時雨「他の鎮守府って、またここと違うのかい?」


叢雲「へ?…あぁ、他は結果が全てだから内容がどうこうより戦果が良ければ良いって感じなのよね…」


時雨「なんでその事を叢雲が知っているんだい?」


叢雲「何かと秘書艦の仕事をしていると、色々な情報が入ってくるのよね…知って良い事もあるけれど殆どが表に出ない内容ばかりよ」


時雨「でも僕の時はそんな機会無かったよ?」


叢雲「恐らく提督は、わざとやらせなかったのでしょうね」


時雨「わざと?」


叢雲「内部の事を知っている人が増えると、何かと宜しくないと判断したんでしょうね、あいつの事だから報告書の作成ばかりやらされたんでしょ?」


時雨「そうだけど…」


叢雲「この世の中は、思ったより残酷よ?」


時雨「へ?いきなり何を言い出すんだい?」


叢雲「いや、今のは忘れてちょうだい」


時雨「……?」


………………………………………………………………………………………………

……………………………


………………………………………………………

7月29日 金曜日 晴れのち曇り


今日は製油所なんとか、とこに出撃した

そこで、くちく艦と重巡洋艦や空母の差を目の当たりした


そこで雪風と私はヒミツで作戦を考えて実行して、無事敵戦艦をゲキチンさせる事に成功し任務を遂行したわ!


でもマヤさんと司令官は凄く私達へ怒った、無断行動が原因とはいうけれど、どうしてそこまで怒られなければ、ならないのか分からなかった


でもほうしょうさんや天龍さんの話を聞いたら、よくわかった気がする


最後になったけれど、夜にじえーたいのヘリで新しい仲間の山城さんが着任したわ!

正式に初めての戦艦クラスで司令官や他のみんなはカンゲイしてたけれど

本人は何かあるたびに不幸だと呟いていたけれど過去に何かあったのかしら?

………………………………………………………


電「お姉ちゃん!!聞いてなのです!」


雷「ん?どうしたの電…Gちゃんでも出たの?」


電「そんな物が出て来たら悲鳴をあげてるなのです!それより明日、暁ちゃんが着任するみたいなのです!」


雷「な、なんだってー!」


電「司令官さんから聞かされたのです!ぜひお姉ちゃんにも伝えて欲しいって!」


雷「え?司令官が?」


電「えぇ、なのです」


雷『どうしよ、あの後余り話してなかったかも…』


電「お姉ちゃん?」


雷「私、執務室に行ってくる!」タッ!


電「あっ!お姉ちゃん!今は…」


タタッ!!………


電「お風呂に入っているなのです……」


………………………………………………………


執務室前


雷『そうよ、悪いのは私なんだ…ちゃんと司令官と話すのよ!』


雷「司令官!!失礼します!!」バァン!!


祥鳳「っ!?」クンカクンカ


雷「…」


祥鳳「……あわわ」クンカクンカ←提督の軍服


雷「ご、ごゆっくり」


祥鳳「まっ!?待って!!いかずt」バァン!!


シーン


雷『…どうしよ、見てはいけないの見てしまったわ…』


祥鳳「うわぁん!雷ちゃん!違うのこれは!」


雷「大丈夫ですよ、誰にも言いませんから…」テクテク


祥鳳「まっ!待ってぇ!!」


雷「まぁ、司令官も勘違いさせるような事をするから仕方がないのかも…」テクテク


雷『…司令官を探そ』


………………………………………………………


桟橋


雷「……」キョロキョロ


雷『まぁこんなところに、いる訳ないか』


ブゥオオオオン!!!!


雷「ッ!?」ビクッ!


キュィイイイン!!!!


雷「バイク…一体誰が……」


摩耶「誰かと思ったら雷じゃねえか!もう良い子は寝る時間だぜ?」


雷「へ?あ、はい」


摩耶「ん?このバイクが気になるのか?」


雷「」コクコク


摩耶「これはR25ヤ○ハの250ccバイクだ、どうだ?イカすだろ?」


雷「どうたんですか?このバイク」


摩耶「これは元々提督のバイクなんだが、今乗る暇がないって事で私に譲ってくれたんだ、私自身好きな機種だったからありがたい話だよ」


雷「そうだったのですか….」


摩耶「そういや、なんでこんなところにいるんだ?」


雷「実は司令官を捜してて」


摩耶「提督?執務室にいるじゃねぇのか?」


雷「それが不在で…」


摩耶「ほう…そういや今何時だ?」


雷「おそらく10時ごろかと」


摩耶「だったら今頃風呂に入っていると思うぜ、いつもこの時間帯に入っていると言ってたぜ」


雷「そうなんですか!?ありがとうございます」ペコッ


摩耶「別に礼を言われるような事をしてねぇよ」


雷「それと摩耶さん!」


摩耶「ん?」


雷「今日の任務の事は申し訳ございませんでした!」


摩耶「あぁ…俺はお前らの気持ちは分からない事もないんだけどよ、簡単にいえばワンマンプレーになるなって事よ、サッカーやバスケと一緒でチームプレイが大事なんだから」


雷「はい!ありがとうございます!」


摩耶「それに、敬語はもう無しだ、どうも話難い」


雷「わかりました!」


摩耶「だから敬語は無しだって言っただろうが!!」


雷「わ、わかったわ」


摩耶「それでいい!…それと夜も遅い、早く寝ろよ」ブルルルン!!


ブゥオオオオン!!!!!


雷『たしか風呂場にいるって言ってたわね』


………………………………………………………


入浴場


提督「ふぅ、いい風呂だったわ」


雷「あっ!司令官!」


提督「へ?雷じゃねえか、もう寝る時間だろ?」


雷「その!あのぉ、」


提督「?」


雷「今日の任務申し訳ございませんでした!」

ペコッ


提督「うおっ!べ、別に謝らなくてもよかったのに、俺も言い過ぎたと思ってるんだから」


雷「そ、そうなの?」


提督「あ、あぁ、それと暁が明日着任だぞ?」


雷「あっ!その事なんだけれど、どうして私に伝えるように電に頼んだの?」


提督「だって暁型でお前が最初に着任したんだ、お前にその事を一早く伝えたかったんだ」


雷「そういうことだったんだ」


提督「明日は凄いぞ!戦艦クラスと軽・重巡洋艦も着任だ!」


雷「なんでそんなに大本営は、艦娘を送ってくれるんでしょうか?」


提督「恐らく防衛省に出張で行っている大淀さんのおかげかな」


雷「大淀さんがどうして出張に」


提督「彼女は優秀過ぎるんだ、だから交渉として防衛省の人間は色々と支援してくれる代わりに大淀さんを貸してくれと言い出したんだ」


雷「それで大淀さんを渡したんですか!?」


提督「そんな人聞きの悪い事を言うな、違う違う彼女が自らその条件を呑んだんだ、でもそろそろ帰ってくる頃だけどな」


雷「あれ?そうなんですか?」


提督「あぁ、時期が決まってたからな…その間彼女の仕事も俺がしないといけないハメになったが…」


雷「そうだったのですか…時雨が仕事を溜めすぎと言ってたからてっきり…」


提督「溜めているのは事実だけど、他の鎮守府の提督よりかは遥かに仕事の量は多いわな」


雷「知らなかった…」


提督「そう気を使う必要はない、俺と大淀さんで決めた事なんだ…仕方がない」


雷「だからやたら物資が来るんだ」


提督「でもまたすぐに無くなるさ」


雷「?」


提督「次の海域は今日よりかなりハードになると予想される」


雷「えっ!?」


提督「戦艦クラスは勿論のこと、重巡クラスや空母も出るとされる」


雷「」


提督「だから次はウォースパイトと山城を使う」


雷「ウォースパイトさんを!?」


提督「彼女だって艦娘だ、一回ぐらい戦闘したいはずだ」


雷「でももし彼女の身に何かあったら国際問題になるんじゃ」


提督「彼女は強い、彼女に掛かれば今ここにいる艦娘が一斉に襲い掛かっても打ち負かすだろう」


雷「そ、そんなに!?」


提督「いい機会だから、明日はウォースパイトと演習してもらう、そこで実力の差を目の当たりするといい」


雷「大袈裟に言ってるしか思えない…」


提督「まぁな、12対1だもんな無理もない」


雷「それでもウォースパイトさんの方が強いと言うの?」


提督「そうだ、何せ彼女は英国の代表艦だ…こちらでいうと大和に相当する」


雷「や、大和さん!?」


提督「ドイツならビスマルク、アメリカならミズーリかアイオア、イタリアならイタリアかローマだ、ロシアならマラートとかがそうだな」


雷「エリート集団だわ…」


提督「まぁ、一番相手にしたく無いのはロシアかな」


雷「なんで?」


提督「あそこの艦娘は数が少ない分、一発が凄い威力がある…と言われている」


雷「…そうなんで身構えているの?」


提督「二週間ほど先になるが、日露交流の際にウチの艦隊とロシアの艦隊が演習予定になっているんだ」


雷「あっ、なるほど」


提督「それより、早く寝なさい…明日もはやいんだ」


雷「そうするわ…おやすみ司令官!」タッ


提督「おぅ、おやすみ」


………………………………………………………………………………………………

………………………


深夜 2時ごろ 浴場


提督「はぁ…なんだか前も浴びたのに、また汗をかいちまった…この時期はすぐに汗をかくからなぁ」ボケー


ガララララ!!


提督「もう一回浴びるか……ん?」


川内「へ?」全裸


那珂「へ?」上半身裸


提督「……へ?」


川内「あ、提督じゃ」


那珂「キャアアアアア!!!!!!」


川内「ちょっ!那珂うるさいよ!」


那珂「お姉ちゃんは仁王立ちしてないでオッパイと、またを隠して!!提督はここから出て行って!」ブンッ!


提督「おまっ!待って!これは事故だ!だから桶を投げるな!!」カコーン


那珂「出て行ってください!!」ブンッ!


提督「いてて!!わか、わかったから!」ガララ


提督「はぁはぁ、廊下に散乱した桶は俺が片付けるのか?これ」チラ


【男湯】


提督「これ、間違えているのあいつらじゃねぇか!」


提督「間違えてんのお前らじゃねぇか!」ガララ


シーン


提督「あれ?どこいった?」チラチラ


〈ガヤガヤ


提督「まさか…いや、アイツら忍者みたいなもんだし気付いてお隣の女湯に入ったんだな!」


提督『にしても着替えぐらい持って行けよアイツら…ん?』


薄い生地のTとピンクのブラジャー


提督『なるほど…川内のヤツ意外とあるんだな…また』クンカクンカ


提督「はっ!?そんな事してないで入るか」脱ぎ脱ぎ


ガララ


提督「凄い湯気で全然見えないけど、毎日入ってると場所わかるもんだ、それにしても散々だったぜ」チャポン


〈お姉ちゃん!私が身体洗っている間に伸ばさないでね!


提督『どっちがお姉ちゃんなんだかなぁ…またそういうところが可愛らしいんだけど…ん?』


川内「ぷぷっ!この煙なら私がどこにいるかだなんて分からないはず!隠れて脅かしてやるんだから!」コソコソ


提督『…なんでこいつが目の前にいるんだ!』


川内「よしっ!ここでいいや!」


提督『うおっ!あぶね!』


川内「なんかあたっているけど、大丈夫でしょ!」


提督『大丈夫な訳あるか!おまえが踏んでいるのは俺の太ももだよ!それに色々とまずい!

俺が間一髪で鼻まで浸かったのは良いけど…』


川内「♩♫」


提督『目の前に!!オッパイが!オッパイ!

後ろは浴槽縁で下がらないし…』


川内「それにしても湯気がすごいね、浴槽のふちまで行こうっと!」


提督「ブゴッ!」フニッ


川内「ん?浴槽のふちってこんな形だったけ?まぁいいかー」


提督『オッパイ!オッパイバンザーイ!』パフパフ


川内「なんかブクブクしてるけど、ジャブでもついたのかな?」


提督『もうそろそろヤバい、息が出来ない』パフパフ


川内「…ん?あっ!?て、ていとk」


提督「言わせねぇよ!」ガシッ!


川内「ンッーー!ンッーー!」


提督「勘違いするんじゃねえよ、ここは男湯だ女湯じゃない…間違えたお前らが悪い、オーケー?」


川内「ンッーー!ンッーー!」コクコク


提督「そうか…離すぞ」


川内「ンハァ…て、提督…びっくりしたよ」


提督「それはそっちのセリフだ…」


〈お姉ちゃん!!まさか伸ばせてないでしょうね!?


バシャン!


二人「っ!?」


那珂「お姉ちゃん!いるよね?」


川内「いるわよ!」グイッ!


提督「ブゴッ!」


那珂「ん?今すごく男の人の声が聞こえなかった?」


提督『しぬ!顔全体まで沈めやがった!押されてるぶん浮上もできないし溺れさせるきか!』


川内「気のせいじゃないかなぁ?桶でもおちたんじゃないかなぁ、アハ、ハハハ!」


那珂「はい?」


提督『あ、怪しすぎる…』ブクブク


那珂「…まぁいいや、お姉ちゃんはどうするの?もう上がる?」


川内「いや、私はもう少し浸かるよ…今日はそんな気分なんだ」


那珂「そうなんだ、それじゃあ私は先上がって洗面所でパックしてるから」


二人「っ!?」


那珂「どうしたの?急に顔が引きつったりして」


川内「できたら、やるんなら自分の部屋でやってほしいんだけど、あれ怖いよ」


提督『早くしろ!死ぬ!』ペタペタ


川内「あぁん!!」///


那珂「!?」


提督『なんちゅ声出してんだ!!』


那珂「だ、大丈夫!?」


提督『早く那珂を行かせろ!!』サワサワ


川内「んんん! だ、大丈夫!だから先に上がっといて!」


那珂「で、でも…」


川内「姉の事が聞けねぇのか!!」グワッ!


那珂「ひっ!?わ、わかった!わかったから!怒らないで!!」スタスタ


ガラガラ ピシャッ!!


川内「ハァハァ」


提督「んがぁ!!!」バシャン!!


川内「て、提督!!」


提督「てめぇ!殺す気か!?」


川内「て、提督こそ!どこ触ってるの!」


提督「何いってやがる!?こっちは死にかけたんだぞ!?」


川内「私だって提督に!赤ちゃんの出来る大事なt」


提督「ごめんなさい、本当にすみませんでした」←察した


川内「あ、うん///」


提督「てか、ちけぇよ!離れろ!」グイッ!


川内「あぁん!だから、や、ヤメェ///」


提督「だから何で押しただけで、こんな声が出るんだよ!?どこの対魔忍だよ!?」


川内「オッパイ!オッパイ触ってるの!」


提督「あ、…」


川内「このすけべ!!いつまで触ってるの!」


提督「わりぃ」モミモミ


川内「ちょっ!?も、揉むなぁ…///」


提督「…ハッ!?な、なにしてんだ俺!!」サッ!


川内「うぅ…」///


提督「せ、川内…それはその」


川内「いいよ…」


提督「へ?」


川内「提督なら…私は別に…///」


提督「バカ!そんな事を簡単に言うんじゃない!!」


川内「私はふざけて…なんて」


提督「そういうのは好きな人とやるものだ!」


川内『でも提督、オッパイ揉んできたり、あそこ触ってきたりしたくせに…』


提督「だから…そのわかったか!?」


川内『ん?てか逆に考えたら提督から触ってきた事は…まさか…』プシュ〜


提督「おーい、聞いてるのか?」


川内「…へ!?な、なな、何!?」


提督「だからよぉ自分の身体は大事に…って!?」


川内「てーとく!!」ガバッ!!


提督「ちょっ!?ルパンダイブっておまっ!まてっ!」ツルッ!


ゴンッ!?


川内「っ!?」ビクッ!


シーン


川内「て、ていとく?」ペチペチ


提督「」ドクドク…


川内「え、何これ…血?」


川内『う、うそ…そんなの嘘よ…て、ていとくがこんな…』ポロポロ


…………………………………………………


数分後


提督『やべ…メッチャ頭いてぇ…ガンガンする』


「とく…ていとく……てよ」


提督「……へ?」


川内「提督!!起きてよ!!わたし!まだ何も提督伝えてなかったのよ!!」ユラユラ


提督『悪いけど…すこしまだ気を失ったふりしとこ、何か言いたそうだし』


川内「てーとく!!……わたしのせいだ…私の…提督、責任とるから」ポロポロ


提督『……………へ?責任?』


川内「私だって知ってるんだよ?赤ちゃんの作り方だなんて…提督、せめて子孫だけでも…」


提督『やべ…とんでもない事をするんじゃないだろうな?』


川内「てーとく、私のオッパイよ」フニッ


提督『なぜ俺の顔に押し付けるんだよ』


川内「もう遅いかもしれないけど…いっぱい感じてね」


提督「ばかやろう…」


川内「へ?て、てーとく?」ウルウル


提督「自分の身体を大事にしろって、さっき言ったばかりだろうが」ムクッ


川内「う、」


提督「う?」


川内「ふぇええん!!てーとく!!」ギュッ!


提督「ちょっ!せ、川内!」


川内「……」


提督「せん…だい?」


川内「…すぅすぅ」zzz


提督「全く…肝心な事、きけなかったなぁ」


川内「えへへ…てーとく♫」zzz


…………………………………………………………………………………………………

……………………………


7月30日 土曜日


朝礼


提督「以上で、話は以上だ」ドヨーン…


叢雲「姿勢を正して!敬礼!!」ビシッ!


一同「ハッ!!」ビシッ!


叢雲「なおれ!!解散!」


〈ガヤガヤ ガヤガヤ


羽黒「どうして司令官さんは、あんなに眠たそうだったのでしょうか?」


摩耶「さぁ?ただの睡眠不足だろ?」


天龍「それより!初の任務だぜ!」


那珂「よーやく遠征任務以外の仕事ができるよ!」


神通「よかったですね!那珂お姉さん」


那珂「那珂ちゃん頑張っちゃうぞ☆」キラッ


神通「そのいきですよー!」


神通『言えない、提督は那珂お姉さんの事を苦手と感じているだなんて…言えない』


川内「てーとく…」ポケー


那珂「あれ?どうしたのお姉ちゃん?ボーッとしてるけど」


川内「…へ?そ、そう?別に普通だけど?」


那珂「どうせあの後、湯船に浸かり過ぎたのでしょ?」


川内「へ?そうかな?」


那珂「絶対そうだよ!だって顔が真っ赤だもん!!」


川内「そ、そんなに?」


摩耶「なんだ?風呂で何かあったのか?」


川内「ッ!?」プシュー!


天龍「うおっ!トマトみたいに真っ赤になったぞ!?」


川内「な、ななな、何もなかったし!」カアァァ///


神通『メッチャクチャ怪しいです…』


提督「アハ、ハハハ…」


叢雲「全く…何をやってるんだか…」ハァ


時雨「またしても提督病の患者が…」


親潮「全く、風紀が乱れるわ…」


電「わ、私はこの雰囲気は好きなのです!」


雷「またしてもライバルが…」ジィー


祥鳳「あぁ…私の提督が…」ゴゴゴ!!


摩耶「別にお前の物でも無いけどな…あ、自分の世界に入ってやがる」


羽黒「これは提督も大変ですね〜」ポケー ……


………………………………………


山城「ねぇ時雨?」


時雨「ん?どうしたんだい?」


山城「ここの鎮守府は、いつもこんな感じなの?」


時雨「今日は異常だけど、まぁいつも賑やかだよ」


山城「そう…こんな雰囲気で提督は何も思わないのかしら」


時雨「…というと?」


山城「緊張感が足りないのよ!こんな状況だといつか死者が出るわよ!」


時雨「なにも、常そうじゃないよ?戦闘時には充分な程の緊張感が出てるよ」


山城「そうであってもらわないと困るわよ」


時雨「もしかして初めての戦闘にビビっているのかい?」


山城「なわけないでしょ、軍人が戦闘の前にビビってどうするのよ」


時雨「どうだろうね、初めての戦闘に緊張しない人なんているのかな?」


山城「時雨…何が言いたいのよ、言いたい事があればハッキリと言いなさいよ貴女らしくもない」


時雨「別に、ただ警告しておこうかなって」


山城「警告?」


時雨「自分に慢心しているほど、早死しやすいという事だよ」


山城「余計なお世話よ」プイッ


時雨「…10時30分に演習開始だよ」


山城「それぐらい把握しているわよ…」スタスタ


時雨『…一匹狼そのものだね』


〈うおっ!あぶっね!目が合うところだったぜ


〈気をつけろよ、不幸がうつるぜ?


〈それはゴメンだよ


〈アハハハハ!!!!


時雨『いや…余りの環境が彼女をそうさせたのかもね…』


………………………………………………………………………………………………

………………………………


10時30分頃 舞鶴鎮守府近海


バタバタバタバタバタバタ!!!!!


提督〈いいか!朝礼で言った通りだ!1チーム6人で2チームに分かれてもらう!

メンバーは話し合いの中で決まっているはずだ


鳳翔〈みんな頑張ってくださいね〜


提督〈なお親潮には、戦闘はまだ早いと判断したらからこちらと一緒に見学する事になっている


親潮〈ヘリの中から申し訳ありませんが!確り勉強して次に生かしたいと思います!


提督〈という事だ!開始の合図は見学に来ているイギリス海軍のフリゲート艦の空砲の発砲音で開始とする!

それでは健闘を祈る!


……………………………………………………

バタバタバタバタバタバタ!!!


第一艦隊


旗艦:羽黒


他 神通 天龍 電 叢雲 雪風


第ニ艦隊


旗艦:山城


他 摩耶 川内 那珂 雷 時雨 祥鳳 【特別】


また、第一艦隊からの出撃となる


天龍「よっしゃああ!やってやるぜ!!」


叢雲「フフフ、第二艦隊の出る幕ないかもしれないわね」


天龍「俺の言い方パクらないでくれるか?」


神通「まぁまぁ…落ち着いて…」


電「はわわ…緊張するのです…」


雪風「訓練通りやればいいよ!落ち着いて電!」


電「はふーはふー」


羽黒「手加減…しませんよ…ウォースパイトさん!」ガコッ


ウォースパイト「of course!全力でかかって来なさい!」


チカチカチカチカ


羽黒『英国艦が合図している…もうそろそろね、今日は新しく零式水上偵察機を搭載してます…弾着観測射撃を狙います!』


ドォゴォオ!!ドォゴォオ!!


一同『きたっ!』


……………………………………………………………………………………………………


羽黒「皆さん!単縦陣で行きます!決して部隊から離れないでください!」


一同「了解!!」


羽黒「水偵いきます!」ブゥオオオオン!!


ウォースパイト「始まりましたね、それじゃあ私もいきますか!」ギュオオオン!


親潮「あれ?ウォースパイトさんの偵察機?変わってますね」


提督「違うよ、あれは偵察機じゃない」


親潮「…?」


ギュゴォオオオオオオン!!!


提督「あれはハリアーⅡだ」


……………………………………


ビューーーン!!!


天龍「ありゃなんだ!?音が後から聞こえてきたぞ!」


叢雲「ハリアーⅡ!?どうして…そうか!イギリスだから!?」


摩耶「おい提督!あれってありなのかよ!?音速を超えているぞ!」


提督『戦場は常識に囚わられない…だろ?』


摩耶「そ、そうだけどよ…」


神通「雪風ちゃん!!後ろ!!」


雪風「えっ!?」


ブゥオオオオン!!!


雪風「きゃっ!」ヨロッ


ビューーーン!!


叢雲「ハリアーⅡは攻撃機のはずよ!機関砲は付いてなかったはず!」


ウォースパイト「それは二型じゃなくてnormalの方ですよ、murakumo」


叢雲「なんでもありね!」


ウォースパイト「どう?提督?…いや、admiral?」


叢雲「提督の事をアドミラルって呼んだのは敬意のつもり?」


ウォースパイト「いいえ?そこまで考えてませんよ、ただadmiralの方がいいでしょ?」


羽黒「……」ガコッ ウィーン


ブゥオオオオン


ウォースパイト「?」


羽黒「今です!弾着観測射撃!!当たって!」ドォオオオン!!


ヒューーー


ウォースパイト「SGE-30! ゴールキーパー!!対空射撃!!」


ガガガガガ!!!


ドォゴォオ ドォゴォオ


羽黒「そ、そんな…」


天龍「砲弾を迎撃しやがった…」


ウォースパイト「危ないところでしたよ…」


雪風「近代化改造しすぎでしょ!?」


提督「まさか…ゴールキーパーまで搭載しているとは…」


鳳翔「そんなイージス艦のような艦娘に、勝ち目あるのですか?」


提督「あるといえばある」


鳳翔「それはどういった作戦で?」」


提督「まぁまぁ…ここは彼女たちの出方を見ましょう」


ウォースパイト「さぁて、こちらも反撃しましょうか」ニヤッ


羽黒「ウォースパイトさん…何か仕掛けるつもりです!皆さん気を付けて!」


ウォースパイト「ファイヤー!!」パカッ!


ドォゴォオ!!!


天龍「なんだ?あの飛翔体は…」


叢雲「まさかっ!?皆対空砲準備して!!」


天龍「なんだとっ!?」


叢雲「ハープーンミサイルよ!!」


神通「避けちゃ駄目なんですか!?」


叢雲「無理よ!避けきれない!!」


羽黒「みんな!対空用意!!」ガチャ!


電「は、はいなのです!」ガチャ!


雪風「かかってきなさい!」ガチャ!


ビューーーン!!!


叢雲「あの方向は……まさか…電!標的は貴女よ!!」


電「こ、ここ、こないでぇえええ!!!」ズガガガガ!!!


ビューーーン!!!!!!


雷「いなづまぁあ!!!!!」


電「っ!?」


ドォゴォオオオオオン!!!!!!


ウォースパイト「ターゲット、クリア」


ゴォオオオオオ


提督『電、大破…轟沈判定だ』


天龍「く、クソォオオオオ!!!やりやがったな!!!」ギュイイイン!!


叢雲「あっ!!待ちなさい!!」


雪風「私もいきます!」ギュイイイン


叢雲「貴女達!!無断な事は…」


神通「無理もありませんよ」ボソッ


叢雲「なんですって!?」


神通「あんな兵器を目の当たりしたんです…平然でいられる方がおかしいです」


天龍「うぉおおおおおお!!」ドンッ!ドンッ!


ウォースパイト「主砲がぶれてちゃ当たらないわよ!」ギュイイイン


雪風『戦艦な分…動きはとろいです…だったら』ギュイイイン


天龍「あれ?雪風は?」キョロキョロ


雪風「すみません天龍さん…」ボソッ


天龍「なっ!?おまっ!いつの間に!」


雪風「そのまま前進してください」ボソッ


天龍「へ?」


ポンッ!! ススゥーー


天龍『あれは…魚雷?そうか俺の身体で魚雷を

隠したのか…』


雪風「雪風は沈みませんっ!!」ドンッ!!


天龍『あれで気を紛らわせて魚雷に気が付かせないようにしているのか…なるほど』


羽黒「仕方がありませんっ!主砲!副砲!攻撃始め!」ドンッ!ドンッ!


ギュイイイン!!!!


神通「ハリアーきます!!」


ガガガガガ!!!!


叢雲「チッ、あのハリアー…中々鬱陶しいわね…一番気になるのは、あのハードポイントに付けられた爆弾よ」


神通「爆弾?」


叢雲「レーザー誘導爆弾…あれは厄介よ」


神通「誘導してくるの!?」


叢雲「そうよ、ハリアーに気が言っていない時が一番怖い時よ、それに…私の予想だけれどハリアーは一機だけでないと思うわ」


神通「え!?あんな化け物が、まだいるのですか!?」


叢雲「さっきハリアーが出てきた所覚えてる?」


神通「あ〜はい、」


叢雲「あれが格納庫なら恐らく、あと2機程あると思うわ」


神通「一機だけでもこのざまなのに…どうすれば…」


叢雲「それに羽黒が全力掃射したあの砲弾も、ゴールキーパーによって狙撃される…」


天龍「クソが!!どんなけ頑丈なんだよ!イージス艦みたいな装備しているくせに!」ドンッ!


ウォースパイト「その代わり貴女達は数という利点があるでょ?」


天龍「…仕方がねぇ、あれで行くしかねぇ!」


ウォースパイト「何をするつもりで?」


天龍「こうだよ!」ギュイイイン!!!


一同「っ!?」


ウォースパイト「何を考えているか知らないけど、迎え撃ってみせるわ!ハリアー!!」


シュゴォオオオオオオ!!!


雪風「ハリアーがそっちに向かいました!」


天龍「関係ねぇさ!そのまま突っ切るぞ!」


ガガガガガ!!!!!


時雨「天龍…もうかなり被弾している…まさか特攻する気なのか?」


ウォースパイト「これが大和魂という物なのかしら?いいでしょう!主砲!副砲!一斉射!」

ドンッ!ドンッ!


天龍「っ!?」


ドォゴォオ!!!!


提督「天龍…大破しているが轟沈はしてない…だがもう間近だそ」


親潮「天龍さん!このままじゃ!」


天龍「一つ言っておくぜ…お姫様」


ウォースパイト「?」


天龍「慢心してはいけないだせ…ゴホッ!」


ウォースパイト「どういうことかしら?」


天龍「じきにわかるさ」


ウォースパイト「…まさかっ!?魚雷!?」


天龍「もう遅いぜ!!くそったれ!」


ウォースパイト「くっ!!」


ドォゴォオオオオ!!!!!


雪風「やりましたっ!!魚雷命中です!!」


山城「なるほど…さっき二人が交差し天龍が砲撃している時に、砲撃の際に発生する黒煙で魚雷の発射シーンを隠したのね…」


摩耶「そして天龍は魚雷が外れないように、ウォースパイトの注意を引き移動させなかったと…彼女の絶対的な自信を利用したわけか」


山城「まして日本の魚雷は酸素魚雷、航跡が見えないから尚更見えなかったのよ」


提督『お、ウォースパイトが小破したか』


羽黒『あれ?水偵機の通信が途絶えたけど…電波の調子が悪いのかな?』


ゴゴゴゴゴゴォオ


ウォースパイト「……Let's just say he's not a happy camper.」ガチャッ!

【ご機嫌があまりよくないとだけ言っておきましょう。】


天龍「へ?なんて言ったんだ?」


ウォースパイト「Shut up!!」ドンッ!

【だまれ!!】


天龍「っ!?」


ドォゴォオ!!!!


提督『天龍轟沈判定だ…』


雪風「天龍さん!!」


摩耶「あいつ…完全にブチギレているぞ…」


叢雲「雪風!!出来るだけ距離を離して!何をしてくるか分からないわ!」


雪風「ゆ、雪風は沈みませry」ヒューン


ドォゴォオオオオ!!!!


羽黒「えっ!?」ビクッ!


提督『雪風轟沈…』


神通「な、何があったのですか!?ウォースパイトさんは何もしてないのに!!」


羽黒「…恐らくさっきのはハリアーによる投下爆弾です」


叢雲「おまけに誘導型ね…面倒な」


羽黒「もしかして…水偵の通信が途絶えのは…」ゾクッ


ブゥオオオオン!!!


神通「あ、あれは!」


叢雲「水偵が炎上墜落していく…」


羽黒「そ、そんな!!」


叢雲「仕方がないわ!旧式と現代の戦闘機とは性能が全然違うんだから」


ゴゴゴゴゴゴ!!!!


神通「ハリアーきます!!」


羽黒『何か、何か考えるんだ私!!…!』


叢雲「対空砲もハリアーに届かない…どうすればいいのよ!」


羽黒「皆さん!!こちらに集まってください!」


二人「えっ!?」


羽黒「理由は後でお伝えします!時間がありません!」


神通「わ、わかりました」


ゴゴゴゴゴゴォオオオ!!!


叢雲「なにか作戦でもあるの?」


羽黒「上手くいくかわからないけど…やらないよりかましです!」ガコッ!


摩耶「羽黒のヤツ、主砲と魚雷発射管を海面に向け出したぞ!?どうする気だ?」


羽黒「皆さん衝撃に注意してくださいっ!」ドンッ!


バシャァアンンン!!!!!


時雨「なるほど…考えたね」


雷「へ?時雨わかるの?」


時雨「うん、自分の手前の海面に魚雷を発射し、その魚雷を爆破させる事で衝撃により水柱を発生させる

それによって、ハリアーは目標を見失う…それにあのハリアーは対艦ミサイルやミサイルポットを装備してなかったみたいだし…」


親潮「司令…」


提督「しかし、ハリアーはVTOL機だ…どうする?羽黒…」


ウォースパイト「それでハリアーの攻撃は防げたかもしれないけど、その間私が何もしないとは限らないわよ!」ドンッ!ドンッ!


ゴォオオオオオ!!!


親潮「そんな!?通り過ぎず水柱前で空中停止した!」


ウォースパイト「Checkmate!」


ヒューン!!


ブゥオオオオン!!!!


羽黒「今よ!皆!一斉射!!」


ドンッ!ドンッ!ドンッ!!!


親潮「相打ち!?」


提督「いや、違う…これは」


叢雲「考えたわね羽黒!」


雷「水柱を利用してその場からバレずに距離を離してのね!」


神通「い、一様…魚雷も発射しました!」


ウォースパイト「shit!!ゴールキーパー対空準備!!ハープーン・シースパロー発射始め!サルボー!!」


ゴォオオオオオ!!!!!


叢雲「…また来るわよ!ハープーンが!」


神通「…正直、打つ手なしですね」


羽黒「えぇ、だけど…悪あがきしもいいでしょ?」ニコッ


叢雲「…フフッ、そうね」ニヤ


ヒューン!!!!


ウォースパイト『重巡洋艦の砲撃でここまで届くはずがない…最後の決死の抵抗…かしら?』


ヒューン!!!!!


ウォースパイト「っ!?まさかっ!?」


叢雲「もう遅いわよ!」


羽黒「初めから目標は貴女じゃない、そう…目標はハリアーⅡです!!」


神通「この砲撃の数です…逃げようがありません」


叢雲「それに垂直状態…終わりよ!」


ドォゴォオ!ドォゴォオ!ドォゴォオ!!


神通「ハリアーⅡの左翼に被弾!機体コントロールを失い墜落していきます!」


叢雲「よしっ!やったわね!!」


ゴォオオオオオ!!!!


羽黒「…後は任せましょう」


叢雲「そうね…」


神通「お土産を置いていきましたので…」


叢雲「お土産?」


神通「のちにわかりますよ…」


ゴォオオオオオ!!!!!!


ドォゴォオオオオオオオンンン!!!!!!!


【第一艦隊 全滅】


摩耶「よくやったよ…アイツら」


雷「そうですね…」


山城「次は私の番よ、気合い入れて行きます!」


那珂「…」ガタガタ


川内「おーい、おーい、大丈夫か?」


那珂「ふへっ!?」ビクッ!


川内「緊張しすぎだって!肩の力落としてー」


那珂「そうね、深呼吸だね」スーハァスーハァ


川内「そうそう、こんな感じで」


摩耶「そういや祥鳳は?」キョロキョロ


時雨「そう言われてみれば見てないね」


川内「あ、祥鳳さんなら…あそこにいますよ?」


祥鳳「…」ボソボソ


摩耶「あいつ…何やってんだ?」


雷『そういえば祥鳳さん、第一艦隊の戦闘が始まっても何も言わなかったような…』


摩耶「祥鳳、出撃だぞ?」ポンッ!


祥鳳「えぇ…わかってます」


摩耶「?…だったらボーッとしてないで、早くこっちに来いよ」


祥鳳「わかりました」


……………………………………………………

【第二艦隊 出撃】

……………………………………………………


摩耶「やいやい!摩耶様がきてやったぞ!」


時雨『…どこの時代遅れの不良だよ』


ウォースパイト「実は私、貴女との戦闘はしたくありませんでした…Yamashiro」


山城「意外ね…それはまたどうして?不幸が移るから?」


ウォースパイト「Yamashiro、貴女は自分のことを自虐的に見過ぎよ」


山城「…ほっといて」


ウォースパイト「私は貴女のことを尊敬しているのよ?」


山城「尊敬ですって?」


ウォースパイト「そう!扶桑型は、実に和のアート的だわ!!あの芸術的な艦橋はまさにそうよ!」パァー


山城「ほぅ…」ピクッ


ウォースパイト「そんな艦船をボロボロにしてしまうなんて…なんて罪深いのでしょう」


那珂『多分…彼女は悪気があって言ってないのよね…』


山城「そぅ、貴女は私に勝ったつもりでいると?そういうことね」ゴゴゴォオ!!!


摩耶「やっぱりあの人…天然だわ」


雷「どうしてそんなギクシャクした感じからスタートするんでしょうか」ハァ


川内「夜戦あるかな…」


提督〈因みに川内…夜戦は無いからな!


川内「な、なんだってー!!」


雷「もうこのくだりはいいわよ…」


祥鳳『さっきの戦闘を見ている限りでしたら、恐らく彼女は…残った二機のハリアーⅡを発艦させるはず

通常通り艦載機を発艦させたところで勝ち目は無い

仮にハリアーⅡの追跡を逃れたとしても、彼女の対空装備によってスクラップにされるのがオチよね…

彼女に有効なのは、わかっていることで魚雷だってこと…』


雷『あの祥鳳さんが…真剣な顔をしている…また司令官の事をかんがえているのかしら?』


山城「いいわ提督、始めましょう」


提督〈忘れたのか山城!?合図は英国艦の主砲の空砲だって事を!!


山城「そんな事知ってるわよ…早くさせろって言っているの」


提督〈無茶を言うよ無茶なを…


鳳翔「まぁまぁ提督」


川内「あっ!ライトが点滅しているから、開始の合図の1分前だよ!」


摩耶「いよいよだな!!よぉし!行くぜ!抜錨だ!!」


雷「電の仇!打ってやるんだから!」


ゴゴゴォオ………


山城「なんだか雲行きが怪しい、一雨来そうね……不幸だわ」


那珂「スゥーハァースゥーハァー」


ドンッ!!!!


提督〈作戦開始だ!!


【第二艦隊 作戦開始】


祥鳳「艦載機発艦してくださいっ!」


ブゥオオオオン!!!!!


ウォースパイト「あれは…ZEKE〔零式艦上戦闘機〕ね…いいわ!木っ端微塵にしてあげる!」

カパッ!


ゴゴゴォオ!!!!


摩耶「やっぱりで出て来たか!ハリアーⅡ!」


雷「やっぱり予想通りの二機だわ!」


山城「艦載機発艦!瑞雲!」ガチャ!


ブゥオオオオン!!!


ウォースパイト「ハリアー!ZEKEを迎え撃ってやって!」


A「roger!!」ビューーン!!!


祥鳳「艦載機どんどん発艦初めて行ってくださいっ!」


ブゥオオオオン!!!!


摩耶「私らも仕掛けようぜ!」


山城「待って!」


摩耶「え?なんでだよ!」


山城「彼女の装備を忘れたの?単純に撃つだけなら弾の無駄よ」


摩耶「じゃあどうするんだよ!」


山城「まぁ見ていたらわかるわよ」


…………………………………

その頃 空の上では


ドォゴォオオオオン!!!


妖精A「クソッ!落雷だ!天候が悪すぎるだろ!!」


妖精B「あぁ全くだ!」


ブゥオオオオン!! ドォゴォオ


妖精A「3番機が墜落した!ちくしょう!ここら一帯にハリアーが潜んでやがる!」


妖精C「視界も悪い上に、この気候でレシプロ機の俺たちにはかなり不利だ!」


妖精A「そうだな、しかし俺たちの任務はハリアーの撃墜じゃない」


妖精B「あぁ、悪魔で"引き付け"ばいいんだ」


妖精A「うぉおおお!!!大和魂を見せてやれぇや!!」ブゥオオオ!!!!


………………………………………………


ウォースパイト「さぁて!こちらも攻撃を開始しますか!」ガチャ!


山城「いい?私が指示を出すまでは1発1発の単発で牽制し続けます、そこで彼女に悟られないように適当に陣形はばらけて行くように

駆逐艦は常時魚雷を放って、軽巡洋艦は不規則な航海をして彼女を焦らせてほしいの」


一同「了解」


山城『彼女の行動は瑞雲によって観測されている、その情報は祥鳳の艦載機に伝えられる…』


祥鳳『山城さんの瑞雲によって伝えられた情報を元に艦載機は作戦開始タイミングを見計らう…けして失敗は許されない!』


山城「作戦、ボルテッカー…開始するわ!」


摩耶「ぼ、ぼるてっかー?」


雷「まるでピカチュウが使いそうな名前だね」


山城「そう…雷!貴女は名前がそうであるようにピカチュウみたいに素早っこく動き回るのよ!」


時雨「それはまたどうしてなんだい?」


山城「動きながら説明するわ…駆逐艦の特徴の一つ…速度が早いってところよ、それを活かして着々彼女に近付いて魚雷を放つ、放った後はすぐさま離れる、それの繰り返しよ」


祥鳳「なるほど、それでボルテッカーって名前をつけたのね」


時雨「なるほど、了解わかったよ」


雷「ピカピカチュ!!」


時雨「別にピカチュウになりきる必要はないよ」


山城「全く…緊張感がないんだから…」チラ


川内「ポチャ!チャ!」


那珂「ソーナンス!!」


山城「こ・い・つ・ら・も・か」


摩耶「それじゃあサカキを倒しに行くか!」


山城「サカキってだれ!?」


摩耶「知らないのか?ロケット団のボスだよ」


山城「ポケモン詳しくないし…」


ウォースパイト「ミミロォル♪」


摩耶「誰がミミロルをやれと言ったんだ」


ウォースパイト「さて茶番はそれぐらいにして…ファイヤー!!」ドンッ!


那珂「キャッ!?う、打ってきたよ!」


時雨「いくよ雷!でんこうせっか!」


雷「で、出来るわけないでしょ!!あぁ!もう!」パシュ!


ウォースパイト「japanの魚雷は航跡が見えないから見つけるの大変なのよね」


山城「正直駆逐艦の砲撃は彼女に殆どダメージはない…かと言って重巡や私が砲撃した所で、対空装備で無力化される…有効攻撃手段が魚雷だけは流石にまずいわね」


摩耶「にしてもどうしてアイツは殆ど攻撃してこないんだ?」


山城「彼女の攻撃の一つ一つが、確実に命中させ轟沈に追い込むかわりに、弾数が極端に少ないわ、だから恐らくミサイル攻撃してくるとしたら今じゃないかと思うの」


摩耶「どうしてだ?普通なら俺らを先に沈めさせると思うんだが」


山城「駆逐艦の特徴は速度が早い所だ、恐らく戦艦の砲撃では当たる確率は低い…それに対して私たち戦艦や重巡は速度が遅い分砲撃で充分と判断したって所かしら」


摩耶「だとしたら、随分と舐められたものだな!」


山城「でも今攻撃した所で撃ち落とされる、だから今は来る時が来るまで待っといてほしいの」


摩耶「…しゃーないな」


摩耶『にしても本当に私らの所に砲弾が降ってこないな』


一方で上空では…………………………………


妖精A「しかし結構堕とされたな、7機ぐらいイカれたぞ」


妖精B「それに対して奴は、まだバルカン砲しか使ってないぞ、どうすればいい!」


妖精A「まて、俺らの目的は悪魔で引き付ければいいんだ!撃ち落とす必要はない!」


妖精C「引き付るって言ったって!どれぐらい引き付ければいいんだ!このままだと全滅するぞ!!」


ブゥオオオオン!!!!!


妖精C「言ってるそばから来やがった!クソ野郎が!」


妖精H「こちら爆撃部隊 !こちら爆撃部隊!

応答しろ!応答しろ!」


妖精A「こちら要撃部隊!どうかしたんか!」


妖精H「雷撃部隊とも準備が出来たと通達があった、あと少し我慢されたし」


妖精A「我慢ってどれぐらいだ!」


妖精H「およそ五分ぐらいだ、持ちこたえてくれよ!」


妖精B「ハリアーっていってもM0.9ぐらいの速さはある、ある程度引き離さないと意味がないぞ!」


妖精C「それって俺に言っているのか!?」


ブゥオオオオン!!!!!


妖精C「あぁシツコイ男は嫌われるぞ!!」


ゴォオオオオオ!!!!!


妖精A「なんだ!?」


妖精B「二機目がそっちに向かったぞ!目標はお前だ!早く逃げろ!!」


妖精A「全く…冗談じゃあねぇぜ!!」グォーーー!!


妖精K「こちら雷撃隊、目標からおよそ20マイルほど離れた所を飛行中、本部隊は円形陣形へと展開を完了したが、作戦を実行してもよろしいですか?」


妖精B「こちら要撃隊、ハリアー二機を推定38マイルほど引き離しているが、向こうが勘付いて引き離す可能性がある、出来るだけ手短に済ませくれるとありがたい」


妖精K「了解しました、今から囲い込み漁作戦を開始する!」


妖精B「了解!そして爆撃隊!状況は?」


妖精H「悪天候な為機体は安定しないが、目標の現在位置などは水偵が全て発信してくれている、レシプロ機だからブレは激しいが何とか行けそうだ!」


妖精B「作戦内容は覚えているな?」


妖精H「あぁ、機体をそのまま目標に向けて垂直落下し、そこで爆弾を投下するんだよな!?」


妖精B「そうだ、作戦名…フクシアだ」


妖精H「因みに何でフクシアって名前なんだ?西洋関係の何かか?」


妖精B「いや、単純に爆弾を投下し機体が浮上する様が花の咲き方に似ているという理由だそうだ」


妖精H「誰が考えたんだそんな事」


妖精B「姉貴だが何か?」


妖精H「そうすか…」


妖精B「因みにフクシアは花言葉で、信じた愛や恋の予感などと言った意味があるらしい」


妖精H「まさに今の姉貴が考えそうな事だよな」


妖精B「姉貴…いつもの感じからは想像出来ないほど険しい顔をしていたからなぁ、よっぽど提督に良いところを見せたいんだろうよ」


妖精H「そういえばこの前の任務の時の結果、

姉貴がMVPだったな」


妖精B「でも姉貴には悪いが、敵は多いぞ」


妖精H「全くだ、わかっている人だけで3名はいるぞ」


妖精B「雷と羽黒と川内か…」


妖精H「今のところはな、だけどああ言う奴は今後ともドンドンフラグを建てていくぞ」


妖精B「間違いねぇや」


妖精A「おーい!!結構引き離したぞ!まだ準備が終わらないのか!?」


妖精H「おっと悪い!今準備が完了したところだ!今から作戦を開始する!」


妖精A「了解!ハリアーがお前らの所にたどり着くまでの時間はおよそ15秒だ!時間との勝負になるぞ!」


妖精H「聞こえたかお前ら!!時間との勝負だ!対空訓練を受けて無い俺らに、勝ち目は無いに等しい!敵艦の対空攻撃を受けて火を噴き始めたら爆弾を投下し離脱しろ!いいな!」


一同「了解!!」


妖精H「よっしゃああ!!行ったろうぜ!フクシア作戦開始だ!」ブゥオオオオン!!!


妖精B「爆撃隊が作戦開始した、雷撃隊も作戦開始してくれ」


妖精K「雷撃隊了解!作戦開始する」


妖精B『もうそろそろだな』


妖精B「こちら航空管制、姉貴…フクシア作戦と囲い込み漁を開始した、敵艦付近の艦を引き返すようにしてください、巻き添いに合います」


その頃海上では……………………………………………………………………………………………


祥鳳「了解…彼女達を撤退させます、それと貴方達を私は信じています」


妖精B「こちらもご武運を」


すると祥鳳は、山城に近付き状況を報告した


祥鳳「…ということです」


山城「了解…いよいよ反撃開始ね」


川内「なにか…嫌な予感がする」


那珂「どうしたの?いきなり嫌な予感だななんて」


川内「彼女の甲板のハッチが開いているのよ、しかも今まで開いていなかった…」


那珂「それって結構やばいめじゃん!?」


ウォースパイト「…トマホーク、攻撃始め…」


ドドドドドドォオオオオオ!!!!!


一同「っ!?」


時雨「あれはっ!アスロックじゃない!トマホークだよ!!」


那珂「お、お姉ちゃん!こ、こっちに来てるって!!」ビクビク


川内「那珂、魚雷借りるね」シュッ!


那珂「え、魚雷なんか借りてどうするつもりなの!?」


川内「そんな事、決まってるわよ!手裏剣に使うのよ!」ビューーン!!!


那珂「使い方絶対違うって!!」


ゴゴゴゴゴゴォオオ!!!


川内「合計4発…そのうちの2発の目標はやっぱり私ね、残りの2発は知らないけど…

トマホークを至近距離で爆破したら爆発に巻き込める…だったら魚雷を使えばいいのよ!」


川内はそう言うと、手で掴んでいた魚雷を飛んでくるトマホークに目掛けて投げ飛ばした


摩耶「魚雷を投げただと!?」


雷「でもミサイルに当たらなかったよ!」


川内「今よ!!」ドンッ!ドンッ!


那珂「魚雷に目掛けて主砲を発砲した!」


ドゴォオン!!!!!


川内「誘爆させたまでよ!軽巡洋艦を舐めたら痛い目みるよ!」


ビューーン!!!!


雷「黒煙から残りの一発が出てきたわ!」


川内「あれは…標的が私に向かってない…同じ方面にいるのは…」


ビューーン!!!!!!


川内「っ!? 那珂!!標的にされているのは貴女だよ!!」


那珂「えっ!?」


ゴゴゴゴゴゴォオオ!!


那珂「に、逃げなきゃ…なのに…」


ゴゴゴゴゴゴォオオ!!!!


川内「何しているの!!早く逃げて!」


那珂「足が言うこと聞かないよ…」ガクガク


川内「くそっ!間に合わない!!」


ドドドドドドォオオオオオ!!!!!!


川内「ナァカァアアア!!!!!!」


ゴゴゴゴゴゴォオ


摩耶「くそっ!残りの2発は!?」


祥鳳「二手に別れて、一つが雷達へ…残りの一つがこちらに向かってきています!」


山城「チャフ射出!!」シュッ!!


鳳翔「チャフ!?いつの間にそんなものを…」


提督「恐らく山城の奴…本来横須賀に着任予定だった事もあって、多少の近代化改修をしてあるな」


親潮「司令、チャフってのは?」


提督「チャフってのは、反射する物体を空中に散布することで、レーダーによる探知を妨害をする事を目的とした回避システムだよ、いわゆるデコイってやつだ」


山城「恐らくこれで大丈夫なはず…だけど彼女達は…」


雷「う、うそ!?こんな時に対空砲が弾切れって!」カチカチ


時雨『私達にはチャフなんて装備してない、だとしたら私達のうちの一人が離脱する事になる…』


カチカチ


時雨『僕の主砲に関してはジャムっている状態だ、それに残り燃料も少ない』


ゴゴゴゴゴゴォオオ!!


祥鳳「あの方向は雷へ向かっています!」


雷「そ、そんなっ!?」


ゴゴゴゴゴゴォオオ!!!!


時雨「雷!!伏せて!!」ガバッ!!


雷「っ!?」


ドドドドドドォオオオオオ!!!!!!!!


摩耶「ど、どうなったんだ!?」


雷「ど、どうして…時雨」


時雨「ハハッ、僕の主砲はジャムっててね今後の戦闘で足手まといになるのは僕の方なんだよね」


雷「それで、私を庇ったということ!?」


時雨「一足早く失礼するよ、後は任せた」


提督〈那珂、時雨、轟沈判定だ!


雷『轟沈とはいえミサイルは演習用だし、本人は目の前で普通に生きているから、違和感しかないんだけれど…だって時雨、普通に浮いているだけだもん』


時雨「し、仕方が無いよ、これは演習なんだ、そんな哀れな目で見ないで!」


雷「わ、わかっているけど…」ジトー


ブゥオオオオン……


一同「っ!?」


祥鳳「きたわね…」ニヤッ


ウォースパイト「what!!?どうしてこんな数のValが!!」


祥鳳「Val…九九式艦上爆撃機が来るとは思っていなかったでしょ?」


川内「Valってのは?」


山城「Valってのは、海軍の九九式艦上爆撃機を連合国軍によってつけられたコードネームよ」


ウォースパイト「ハリアーは何をやっているのですか!?comeback!!

ゴールキーパー!!Anti Air Auto!!【対空自動モード】シースパロー!!発射!サルボー!!!」


ガガガガガガガガガ!!!!!


ゴゴゴゴゴゴォオオ!!!!


妖精H「対空攻撃が激しい!!無理だと思ったら爆弾を投下して離脱だ!それに急降下爆撃となる!Gに気を付けろ!!」


妖精一同「了解!!!」


祥鳳「雷!!川内!!そこから離れて!巻き込まれますよ!」


雷「わ、わかったわ!」


川内「了解!!」


ボンッ!!ボンッ!!


摩耶「やっぱりミサイルは外さねぇか、次々と撃ち落とされてるぞ」


祥鳳「でもそんなにミサイルの数は無いはずよ!!」


妖精A「こちら要撃部隊!ハリアーが引き返した!繰り返す!ハリアーが引き返した!」ザーッ


妖精K「了解!雷撃隊は後20秒で到達するが、なんだか雑音が聞こえるが大丈夫か?」


妖精A「いや、もう本機は墜落する!日が吹き始めた!」


妖精K「なに!早く脱出しろ!」


妖精A「今そうしている!ところだ!」バシュッ! ドンッ!


妖精K「爆発音が聞こえたが脱出したのか?」


妖精A「…」


妖精K「おい!聞こえているか?」


妖精A「あぁ、大丈夫だ!今パラシュートを開いたところだ!同じく他の操縦士も脱出した!」


妖精K「そうか無事成功してよかった」


妖精C「しかし、アイツら…いきなり俺らを正確にバルカン砲で撃ち落として来やがった」


妖精K「やっぱりそうか」


妖精C「今まで遊んでいたってことだよ!」


妖精A「そう怒るな、耳に響く…」


祥鳳「要撃隊の方々、お疲れ様でした!」


妖精A「大丈夫だ姉貴!それよりそちらの状況はどうなってる?」


祥鳳「えーと、今は…」


ヒューーーーーン…………ドンッ!ドンッ!


プシャァアアア!!!


妖精H「やっぱり半分程墜落したか…しかし!

後少しで投下高度に入れる!」ブゥオオン!!


ウォースパイト「What the hell!!シースパローが…」


妖精H「よし!ミサイルが止んだ今がチャンスだ!!投下体制に入れ!!」


一同「了解!!」


ガコッ!! ヒューーーーーン!!!!!


妖精H「投下した物から浮上しろ!!」ブゥオオオオン!!


ギュゥォオオオオオン!!!!


雷「凄い…」


鳳翔「まるで航空ショーみたいですね!」


提督「まさか、こんな作戦を考えていたとは…中々予想に反してやってくれる」


ウォースパイト「ゴールキーパー!!」


ガガガガガガガガガ!!!!!


ヒューーーーーン!!


ドカァアアアン!!!!!


ウォースパイト「ゲホッ!ゲホッ!何発か貰ってしまったわ…」モクモク


親潮「司令、どうしてウォースパイトさんはその場で止まったままだったのですか?移動してよけれたですよね?」


提督「恐らく神通が最後に離した魚雷と、彼女達が度々放った魚雷のせいだろう」


親潮「魚雷ですか?第二艦隊の魚雷ならわかるのですが、どうして神通さんの魚雷が関係あるのですか?」


提督「彼女にとって最も不気味な存在なのは、航跡の見えない酸素魚雷だ、もちろん神通が最後に放った魚雷は特別な物じゃ無いのだけれど、彼女を惑わさせるのには丁度良かったんだろう」


親潮「それでウォースパイトさんは変に警戒していたのですか、なるほど」


ギュゥォオオオオオン!!!!!


摩耶「ハリアーが来やがったぞ!!」


祥鳳「大丈夫です、当分敵機は私達に攻撃してこないと思う」


摩耶「どうしてそう言えるんだ?」


祥鳳「ハリアーの武装をみてください」


摩耶「あ、ミサイルしか付けてないな」


祥鳳「ここに帰ってくる前には爆弾を積んでいたけど、今その姿は無い」


山城「途中で捨てたということよ」


摩耶「重量の事か?」


山城「そう、流石にあんな物を4つ程両翼につけていたら減速するわ」


ブゥオオオオン…………


摩耶「祥鳳、これもお前の艦載機か?周りを艦載機によって囲まれいるが」


祥鳳「そう、これが私の目的よ!」


山城「ウォースパイトを中点として艦載機が囲み包むような感じに接近して魚雷を投下する、よって四方八方から魚雷が中点に目掛けて進んで行く」


摩耶「なるほど…考えただけでも恐ろしいな」


ゴォオオオオオ!!!!


シュバッ!!


川内「うおっ!びっくりした!!」


山城「焦ってサイドワインダーを発射したみたいだけれど、私達からも機体が見えている時点で手遅れね、すでに魚雷発射された後よ」


雷「もはやエースコンバットみたいね」


祥鳳「恐らく後30秒後に着弾予定です!」


摩耶「てかよぉ、その作戦ならここにいる私たちも危なく無いか?」


祥鳳「それは大丈夫です、あの魚雷は目標地点の半径500メートル圏内に入るまでは、海の深く潜ってるの」


山城「因みに、私達がいるここは762メートルだから大丈夫よ」


ウォースパイト「ゲホッ!!あ、貴女達はこんな勝ち方して平気なの!?」


山城「どういうこと?」


ウォースパイト「貴女達の中には一切発砲してない者までいるじゃない!?こんな艦載機だけでのやり方で正々堂々と戦ったと言えるかしら?」


雷『ミサイルとか打ちまくってる貴女に言われたくないわね…』


山城「ここの提督は言いました」


ウォースパイト「?」


山城「戦場は常識に囚わられないってね」


提督『山城…聞いていたんだな」


ウォースパイト「…そうよ、その通り、にしても意外ね」


山城「意外?」


ウォースパイト「貴女の性格からして、admiralの言うことを聞かないイメージがあったのですが」


山城「別に彼の言うことを聞いているつもりは無いわ、でも」


ウォースパイト「でも?」


山城「悪く無いと思っているだけよ」


ウォースパイト「Wow!」ププッ


山城「何よ、何か文句でも?」ジトー


ウォースパイト「貴女のadmiral、相当の朴念仁だから頑張りなさい恋する大和撫子」


山城「は、はぁ!?」


提督「どう言うことだ?」


鳳翔『それに気付けないから朴念仁と言われるのよ…』ハァー


祥鳳「またもライバルが…」ズーン


雷「敵がまたしても…」


摩耶「いいよこの雰囲気、もう沢山だ」


妖精B「もう勝負に決着しそうだな…お疲れ様でした」


ウォースパイト「ハリアー、もういいわお疲れ様」


山城「案外諦めが早いのね」


ウォースパイト「まだトマホークが残っているけど、チャフがあるようじゃあね、私自身中破しているし…それに貴女は不幸艦じゃなくてどちらかと言えば幸運艦よ」


山城「英国人特有の礼儀のつもりかしら?」


ウォースパイト「違う違う、第一艦隊が仕掛けた魚雷の破片が電波アンテナに当たって航空網が分からなくなっていたの、もし電波が生きていたら爆撃隊の機影がレーダーに移ってハリアーに指示を出していたわね」


山城「ハリアーにもレーダーがあるんじゃないの?」


ウォースパイト「確かにハリアーに備わっているけど今の戦闘機と違って大きくないから見落としてしまうのよ」


山城「いつか正々堂々と決着しようじゃない、そんな近代装備つけてないで」


ウォースパイト「フフッ、またいつか機会があればね」


スススッ…………………


ドッカァーーーーーーーーーン!!!!!!


摩耶「…すげぇ水柱だ、これが演習用じゃなければ確実に死んでたぞ」


川内「そりゃあ魚雷数本一斉に爆発したんだ、威力は絶大だよ」


提督〈お前ら!ウォースパイトが大破、轟沈判定となった!それにて演習を終了する!


山城「こちら山城、了解…鎮守府に帰投する」


雷『にしても前半後半とも凄い戦闘だったわ…なによりこの数に対してウォースパイトさんは一人で相手していたの事に実力を感じる…』


鳳翔「提督?この演習をさせたのには訳があるのでしょ?」


提督「ん?特にこれと言った事は無いけどなぁ」


鳳翔「ふ〜ん」


提督「ただ、この感じなら次のステージに移ってもいいんじゃないかと思っているよ」


鳳翔「次のステージ?」


親潮「わ、私も気になります!」グワッ!


提督「んーとな、次の1ー4が今までと違って難易度が高くなる、正直昨日の状態だと厳しいと思っていたが何とかなりそうだ」


親潮「そんなに危ない海域なのですか?」


提督「あぁ…ついでに言っておくと、この任務を達成して初めて防衛省から勲章を貰えるんだ」


鳳翔「その勲章を手にする事によって、基地の規模を拡大させる事もできるのよね?」


提督「そうでもあるな…」


ブルルル!!! ブルルル!!!


親潮「司令、お電話が鳴ってますが」


提督「みたいだな…なんだ?大淀からだと?」


鳳翔「大淀さんからですか?何かあったのですかねぇ」


提督「はい俺だ…ん?………な、なに!?わかった…今からそちらに向かう、了解」ピッ!


鳳翔「急用ですか?」


提督「あぁ、本部から各地の提督全員緊急招集をかけているだそうだ、何かあったんだろう」


鳳翔「この後の予定とかはどうします?」


提督「そうだな、とりあえずこの後予定は通常通りで行うが、代理提督として叢雲をやらせる着任予定の艦娘は鎮守府に到着次第、基地内を案内させてあげろ」


鳳翔「了解しました、提督はそのままヘリで本部まで?」


提督「いや、とりあえずヘリで大阪国際空港で行き、用意されたジェット機で東京の羽田国際空港に行く」


親潮「時間から見て司令は向こうで1日宿泊するですか?」


提督「そればかりは分からないかな、会議が長くなるようだったらそうなるかもしれない、長くなったとしても明日には帰ってくるよ」


親潮「わかりました!」ビシッ!


鳳翔「お土産待ってますよ、フフッ」


提督「参ったなぁ、東京ばな奈でも買っていかないとな」ハハッ


鳳翔「大淀さんにお会いしたら、よろしくと伝えてといてください」


提督「わかった、よろしく伝えておくよ」


………………………………………………………


約一時間後 執務室


………………………………………………………


提督「ということで、よろしく頼むよ」


叢雲「まぁ、今回ばかり仕方が無いわよ!何せ緊急招集なんでしょ?」


提督「悪いな、折角の半休なのに」


叢雲「何言っているのよ、私は今まで入院してた身なんだから体力有り余っているわよ」


提督「ほんと、お前は大した奴だよまったく」


叢雲「どういたしまして」


提督「それじゃあ行ってくるな」バタンッ!


コツコツ コツコツ


ウォースパイト「どこかに行くのかしら?admiral」


提督「ウォースパイトか、その呼び方慣れないから困るな」


ウォースパイト「慣れないと後々困るわよ?」


提督「別に英語が喋れないわけじゃないんだからさぁ」


ウォースパイト「わかってるって、それよりどうするつもり?」


提督「なにが?」


ウォースパイト「だから、dollのことよ」


提督「今調査中だ、それとこのことはここで話さないでくれ」


ウォースパイト「わかってるわよ、ただ上手くやっていけるか心配で」


提督「お前は俺の姉貴かよ」


ウォースパイト「どちらかと言えば世話の焼ける幼馴染的な感じじゃない?」


提督「うるっせーよ」


ウォースパイト「わかってると思うけど、これ以上の事は私でも無理よ?」


提督「わかってるよ、もう十分やってくれた」


ウォースパイト「気をつけてよ、本当に」


提督「…ありがとう」


電『はわわ…思わず隠れてしまいましたけど、なんだかとんでもない事を聞いたきがするのですよ!』


提督移動中………


ピッ!


提督「もしもし俺だ、今から鎮守府を出て大阪国際空港に向かう、会議開始時刻は何時からだ?………4時半だと?いまが12時過ぎだから…恐らく間に合うと思うが、羽田に2時頃待ち合わせしよう、了解、切るぞ」ピッ!


羽黒「司令官さん?どこかに行くのですか?」


提督「本部から招集があってな東京に行ってくるわ」


羽黒「そうですか…少し荷物持ちましょうか?」


提督「そうか?でも大丈夫だよ、そんなに荷物無いし」


羽黒「でしたら途中まで見送りに行かせてください!」


提督「べ、別にいいけどいきなりどうしたんだ?」


羽黒「あっ!べ、別に!…な、なんとなく」


提督「?まぁいいけど」


祥鳳「そうはさせません!」グワッ


羽黒「っ!?」ビクッ!


提督「しょ、祥鳳!?ど、どこから現れたんだ!?」ビクッ!


祥鳳「ヒ・ミ・ツです!それより羽黒さん一人だけ抜け駆けだなんてせこいですよ!」


羽黒「そ、そんな…抜け駆けだなんて」


祥鳳「勝手は祥鳳が許しません!」


羽黒『あきらか何処かで聞いた事あるセリフなんですが…』


提督「まてまて、抜け駆けとか何の事なんだ?」


二人「っ!?」ガタッ!


提督「へ?何この反応」


二人『まさか気づいてないとは…どこまで鈍感なんでしょうか…』ズーン


提督「あのー」


羽黒「そ、それは置いといて!行きましょうか!?」


提督「お、おぅ」


祥鳳「なっ!?わ、私も行きます!」


明石『…うちの提督は身長も高く、顔も整っているんだけど、そういうのに鈍感なんだよね〜まるで何処かの漫画の主人公並みのラッキースケベの持ち主だし…』


天龍「何コソコソとしているんだ?」


明石「っ!?」ビクッ!!


天龍「へ?」


明石「い、いやぁ〜別にどうって事ないんだけどねぇ〜」アセアセ


天龍「へ〜、ところでさ」


明石「はい、どうしたの?」


天龍「俺の眼帯の調子がおかしいんだけど見てもらえるか?」


明石「それ、機械だったんだ…スカウターなの?」


天龍「俺はサイヤ人か」


…………………………………………………………………………


約三時間後後 羽田空港


大淀「お待ちしておりました、提督」


提督「おう、久しぶりだな大淀!そっちの生活は慣れたか?」


大淀「えぇ、そりゃあ半年ぐらい住めばね」


提督「東京に行けば変わると思っていたけど、大淀は大淀のままだな、スーツ姿だとOL社員みたいだぜ?」


大淀「それ、褒めているつもり?」


提督「そのつもりだが?清楚で綺麗だなって思ったんだけど」


大淀「あ、そう」プイッ


提督「おいおい、なんで不機嫌なんだよ」


大淀「そーゆう所、貴方も変わらないのね」


提督「なんか変な事言ったか?」


大淀「自分の胸に聞いて見なさい!」


提督「はぁ!?」


大淀『貴方は当初2年半前に、新設されたばかりの舞鶴鎮守府に着任した時から…誤解を招くような事をばかりするんだから…』


「大淀さん、もうそろそろお車に」


大淀「わかりました、提督はお先にお乗り下さい」


提督「りょーかい」


バタンッ!


ヴォオオ!!!!!


………………………………………………………


提督『大淀とは久々の再会となったけど、えらい上の人間になっていたんだなぁ、話は聞いていたけど、まさか政府用の車両でくると思わなかった』


大淀「どうかなさいました?」


提督「い、いや…結構出征したんだなぁって」


大淀「あら?そのようにみえます?」


提督「本部の人間を動かせるなんて、ごく一部の人しか無理だからな」


大淀「ま、それなりに出征したんじゃない?」


提督「防衛省に艦娘はいるのか?」


大淀「いるわよ、大和さん武蔵さんに、開発チームの夕張さん、空母の信濃さん、陸自でしたら戦車のヒトマルさんやチヘさんなどがいますよ」


提督「そうか陸自も取り入れたんだったな、孤島防衛の為に」


大淀「えぇ、尖閣諸島などと言った無人島に上陸された時に対処できるよう、陸自も低コストで戦車のように幅を取らなくて済む、艦娘とよく似た戦娘部隊を結成させました」


提督「それより、なんでこんな急に招集がかかったんだ?」


大淀「実はこの招集、提督だけでは無くて陸海空全てに置いて偉いさん方全員招集がかかっているみたいで…」


提督「でも最近何も無かっただろ?」


大淀「えぇ、"表側"の報道ではですがね」


提督「…マスコミにはまだ流していないような事か」


大淀「そうです、どのような話をするのか知らされていないけど」


提督「その会議に君は参加するのか?」


大淀「貴方の秘書としてね」


提督「因みに今回の会議は、どれぐらいかかりそうだ?」


大淀「結構夜遅くまでかかりそうですけど?」


提督「そりゃそうか、ホテルの予約をしないとな」


大淀「そんな事をしなくたって私の家に泊まればいいじゃないですか?」


提督「そうだな大淀の家に泊まれば…ってエ゙エーイ!!?」


大淀「ちょっと!変な声を出さないでください!」


提督「そ、それは申し訳ないよ!」アセアセ


大淀「私は問題ありませんけど?」


提督「俺に問題ありだ!!ええのんか!?男をホイホイ入れてしまってかまへんのんか!?」


大淀「落ち着いてください!関西弁出てしまってますよ!」


提督「ハァハァ、た、確かにその方が宿泊代はかからなくて済むけどよ」


大淀「せっかく久々の再会なんです、募る話もあるでしょ?」


提督「まぁ、それじゃあ言葉に甘えて」


大淀「ふふっ、それじゃ会議が終わったら一緒にね!」


提督『大淀、普段は丁寧語で返してくれているが、テンションが上がると鎮守府時代の口調に戻るんだよな、そこがまた可愛げがあっていいよね』


………………………………………………………

防衛省 大広間会議室



提督「それにしても広い場所だな、楕円形の繋がれた机に各座る場所に名札が置かれているなえーと、俺が座る場所は…」


大淀「窓側で前から4番目です」


提督「本当だ、ありがとう」


大淀「お気になさらず」


提督『にしても、本当にお偉いさんばっかり座っているな…陸海空の幕僚長も座っているし、まだいないけど席には防衛大臣と外務大臣に総理大臣まで…外務大臣って事は海外も関係あるんだよな』


「よ、久しぶりだな親友」ポンッ


提督「お、お前は…T提督!」


T提督「大淀さんもお久しぶりです、隣にいるのは秘書の日向です」


日向「日向よ、一様覚えておいて」


大淀「大淀よ、よろしくお願いしますね」ペコ


T提督「会議までまだ時間はある、少し外で話さないか?」


提督「そうだな、よし!行くか」


……………………………………


提督「ところで同型艦の伊勢は元気にしているのか?」


T提督「あぁ、相変わらずバカばっかりしているが、あれでもうちの主力だからな」


提督「元気なのはいい事じゃないか」


T提督「そうだけどよ…お前…うちの伊勢に何かしたのか?」


提督「何もしてないが、なんでだ?」


T提督「半年前に俺の呉鎮守府で会った時以来、伊勢の様子がおかしいんだ」


大淀「どんな風に?」


T提督「たまに、あの人と会うのはいつなのか聞いてくる」


日向「プライベートでも偶に同じような事を呟いているよ」


提督「は、はぁ…特に何もした覚えがないんだけどな」


大淀「貴方、また誤解を招くような事を…」ゴゴゴ


提督「な、なんでそうなるんだ!?俺はただ、河川敷で落ち込んでいた伊勢を慰めただけだぞ!?」


T提督「もうわかったから喋るな」


大淀「また誤解を招くような事を言ったのね」


日向「まあ、そうなるな」


T提督「そんなんじゃあ彼女が悲しむぞ?」


提督「あ''ぁ?」ギロッ


T提督『あ、しまった失言だ…』


大淀「彼女って?」


T提督「き、君のことだよ、ほらっ?嫉妬しているだろ?」


大淀「はぁ!?///」カァア


日向「ハハッ、面白いな君達は」


提督「なんのこっちゃ?」


日向「罪な男だよ、君は」


提督「えー」


T提督「瑞雲マニアが何を言っている」


日向「何を言っている、君こそいくら修理してもロクマル SH60K は積めないぞ」


T提督「一言も付けるって言ってないわ!」


大淀「そっちも、そっちで大変そうね」


提督「確かに…だけど楽しそうならいいじゃねえか」


日向「そうだせっかく会ったんだ、特別な瑞雲をあげよう」ガサゴソ


提督「へ?」


日向「どこにあったかな…あ、あったあった」プニプニ


T提督「なんで谷間に詰め込んでるんだよ…」


提督「こ、これは、瑞雲の形をしたチョコレートだ!」


大淀「本当だわぁ、凄くリアル!少し溶けてるけど」


T提督『そりゃあオッパイにあったからな』


提督「食べていいかな?」


日向「もちろん」


提督「どれどれ…お、カカオが多めに入っているのか?甘さが抑えられているぞ」


T提督「甘党のお前には合わないんじゃねぇか?」


提督「いや、中にシロップが入ってあるんだ、燃料を再現したのか?」


日向「そうだ、よくわかったな」


提督「まぁね♪ しかしよく出来てるなぁ感心するよ」


T提督「やめてくれ、褒めるとこいつは直ぐに調子に乗るから」


大淀『なんとなく想像できるから怖い…』


提督「お、日向さんチョコレートがついてるぞ」


日向「そうか?どこだ?」


提督「ほらそこそこ、黒インナーだからわかりづらいかもしれないけど」指差す


大淀『提督の後ろから掃除のおばさんが向かってくる…嫌な予感がする』


「あイタタ…腰が痛めてちゃってるから困るのぉ…あ、台車が!」コロコロ


T提督「おい!後ろ!」


提督「へ?」


ドンッ!!


提督「うおっ!?」前に押し出される


日向「っ!?」後ろに倒れる


ドサッ!!!


大淀『もう…見なくてもわかるわよ』ハァー


提督「いてて…な、なんだこの柔らかいマシュマロみたいな…」フニフニ


日向「あ、あぁ…」


提督「柔らかくて甘いかおり…って!?うおっ!?」フニュ


日向「んっ……チョコレートは取れたか?」


提督「え、と、とれたんじゃないかな?」


大淀「いい加減離れたらどうですか?クソ提督」ゴゴゴ


提督「す、すまない!!」サッ!


日向「大丈夫だよ、心配はいらない」


T提督「おっと!足が滑った!」ドサッ!


日向「フンッ!」ブンッ!!


T提督「グハッ!!な、なんで俺だけ…」ガクッ


日向「貴方にだけは触られたくありません」


大淀『綺麗な回し蹴りね…てか、それだけの身体能力があるのなら、絶対提督を避けれたはずだよね…』


日向『触ってわかったが、彼の筋肉の付き様からみてかなり鍛えられている…益々興味深い』


提督『聞きたいけど…言えない…黒インナーだから分かり難かったが、何故ノーブラなのかが気になる…』


大淀「提督、鼻血でてますよ」


提督「あら?本当だ」フキフキ


T提督「く、くそぉ、今度こそいけると思ったのに」


日向「何を言っているんだ」


T提督「毎日ドゥンドゥンやろうじゃねぇか」


日向「どうだ?警察に知らせてやらうか?」


T提督「それだけは、おやめ下さい」


「何をしている!早く脱ぐ!」


提督「は?」


大淀「会議が始まるから、早く入れって言っているんじゃないですか?」


提督「あー、成る程…T提督早くいくぞ」


………………………………………………………


会議室


総理「こうして貴方たちを、ここ集めてさせていただいたのには訳があります、まずは状況説明からしてもらいます」


防衛大臣「今ガソリン価格が高騰しているのは皆さんご存知かと思いますが、供給源でもある中東でサウジアラビアとイランを含む戦乱が勃発し始めたと大使館から連絡が入った、石油価格が更に高騰すると予想される」


「こんな時期にかよ…」ザワザワ


防衛大臣「私達政府は第一次オイルショックの境遇をいかし、メディアに報道規制をかけています、しかし時間の問題だと思われる」


外務大臣「既にヨーロッパでは、フランス、イタリア、ドイツではガソリン価格が高騰し始め経済に大きな影響が出始めている…」


佐世保代表「問題はそれだけでは無いですよね?」


防衛大臣「たしかに、アメリカの国力が低下している事だ」


政府関係者「アメリカがシェールガスの輸出を辞めてから少したつが、経済面でアメリカ大手投資銀行が破綻などが重なり、今となっては1ドル70円にまで円高が進んでいる

向こうの地元のスーパーには、3日分の在庫しか無い、何が阻害となって流通が遅れたりしたらあの国は非常に大変なことになる」


T提督「現に自国優先の方針へ転換し、在韓米軍が完全撤退したもんな」


外務大臣「そんな中、世界で力を付けてきているのが中国だ

現在、埋蔵量がすでに判明している鉱物は153種で、総埋蔵量は世界三位

石炭、鉄、銅、アルミニウム、モリブデン、鉛、亜鉛、水銀など主要な鉱物の埋蔵量はすべて世界有数だ

そのうち、石炭埋蔵量は 約10000億トン

鉄鉱の埋蔵量は約464億トンで、石油、天然ガス、オイルシェール、イオウなどの鉱物もたくさん埋蔵、石油は主に西北地区に、次は東北、華北地区と東部沿海の大陸棚にも埋蔵され

特にレアメタルの埋蔵量は、国外の総量よりも多いのが現状だ」


防衛大臣「軍事力で今となっては世界1位だ、奴ら中華思想が現実になろうとしている

東南アジアでは中国の圧倒的な兵力の前では思いっきった行動が出来ないでいる

正直我が国もアメリカがシェールガスの輸出を禁止された為、かなり厳しい…

そこで日本政府は北海道の稚内とロシアのサハリンを繋ぐパイプラインを繋げることにした」


総理大臣「そこで君達の仕事だ、パイプライン建設中に深海棲艦に襲撃され無いよう、護衛してほしい」


海上幕僚長「それは建設を終了した後も護衛しないといけませんか?」


防衛大臣「その必要はない、パイプライン付近の海域に高圧電線を仕掛け爆雷を設置する

海上自衛隊は艦娘を派遣し領海内の警備に当たれ

陸上自衛隊は稚内駐屯地二個戦車師団を派遣、航空自衛隊は対潜哨戒機を展開し、ドサクサに紛れてロシアの原子力潜水艦を入れさせないようにしろ!」


提督「艦娘を派遣するのですか?護衛艦では無くて」


陸上「護衛艦と違って艦娘はいくらでも代わりはいるからな」


大淀「は?」ギロッ


陸上幕僚長「君、発言をつつしみためえ」


陸上「ハッ!申し訳ございません」


航空「いくらクローンとは言えども、人間は人間だ」


提督「落ち着けよ大淀、まだ切れるところじゃ無い」ボソ


大淀「わ、わかってます…」


防衛大臣「クローンの事を知っているのは、ここにいる人含めごく僅かの関係者だとしても、余り言わないように」


海上幕僚長「いいか、我々はここで痴話喧嘩しに来たわけじゃ無いんだ、早く本題に入りたまえ」


防衛大臣「あ、あぁ、話を続けるが北海道に艦娘を派遣させたのは、ロシアを挑発させないようにする為でもある

ロシア側はウラジオストクから巡洋艦を派遣しサハリンのソコル空軍基地にSU30戦闘機を8機増数させ深海棲艦に対処すると大使館を通して連絡が来ている

問題は次だ…深海棲艦殲滅の為に給油地点として新千歳空港を開放しろとの事だ」


航空幕僚長「ふざけるな!そんな事を許されると思っているのか!?あの国とは平和条約すら結んでいないんだぞ!?」ガタッ!


防衛大臣「かわりにウラジオストク州のコムソモリスク空軍基地を開放すると言いだしている」


航空幕僚長「断固反対だ!そんな案件!奴らの爆撃機が北海道の上空を飛行するだなんて、考えたくもない!」


「それに国内の在日米軍の数は少なくなったものの、まだ韓国の様に撤退していません。

アメリカは黙って見ているでしょうか?」


海上幕僚長「今現在の米軍基地は、岩国と普天間の領有権を返還しグアムに撤退したが、佐世保や嘉手納や横須賀といった主要基地は今も残っている、自国の事や中国の監視もある中これ以上の問題を増やして欲しくないでしょう」


総理大臣「それではロシアの要求は拒否という形でよろしいですか?」


一同「異議なし」


海上幕僚長「少し失礼、艦娘はどこの鎮守府から派遣するかだが…横須賀鎮守府…君の艦で構わないか?」


米倉提督「はい、問題ありません、こんごう」


こんごう「ハイ提督」


米倉提督「第三艦隊に準備をさせろ、バルーンは5つだ」


こんごう「了解しました!」カタカタ


防衛大臣「それともう一つ、まずはこの映像を見てください」ピッ


〈Api! Terus menembak!! ガガガガガ

撃て!撃ち続けろ!!


防衛大臣「これはインドネシア陸軍のMI35ハインドから撮影された動画だ、インドネシアは欧米諸国やロシアと違って艦娘はまだ開発段階だ

今は海軍の巡洋艦や空軍の戦闘機が、深海棲艦の対処をしている」


日向「本当に圧勝だな…固定砲で玉砕だ」コソコソ


T提督「当たればな、だが素早い動きをする奴らの艦載機や駆逐艦はミサイルで対処しているだろ?」コソコソ


〈Hal ini? Apa bayangan hitam itu permukaan laut?

おい?あの海面の黒い影は何だ?


〈ザバァアアアン!!! グゥオオオオン!!!!


一同「っ!?」


「なんだ!?あの化物は!」


「額部分に人の顔に、ワニのような顎に100メートルほどの長い首…人面首長竜…」


提督「お、おい…近くの小さな島か?動いて無いか?」


T提督「んな馬鹿な!島が勝手に動くはずが」


〈Berani terlihat baik! Hal ini bergerak pulau! ... 'S Tail dengan itu! Rakasa dan ada ekornya di utara dan selatan pulau!

よく見てみろ!島が勝手に動いているぞ!…それに尻尾だ!島の南北に挟んで奴とその尻尾がある!


〈ゴォオオオオオ!!!! ズバズバズバ!!!


「水上ブレス…みたいなものを吐きやがった」


防衛大臣「映像はこれで途切れているが、この映像は世界各国の軍部に伝えられた、国連はこの怪物の名前を、Leviathan、と名付けた」


大淀「海の怪物でリバイアサンですか」


防衛大臣「この映像はメディアには流さない、それは国連が決めたことだ、パニックを防ぐためでもある…

そもそも、現場のフィリピン海最南端の海域にあのような島がなかった事から、奴の背中かと思われる」


海上幕僚長「だがあの島には人工物らしきものもあったが?」


防衛大臣「推測ではあるが、建物自体かなり古く苔や海藻が付着しているところから見て、地震か何かで沈んだ町の一部かと思われる

そして、不思議な事に映像の分析から島から奴ら姿と艦載機が発着していた事がわかった」


陸上幕僚長「あいつらの親玉と見るべきか?」


航空幕僚長「逆に我々で言う、鎮守府てきな存在かもしれませんぞ?」


外務大臣「発展途上国は集中して、核を使えと言っているだそうだ」


提督「核…」


長門「核なんて使うまでも無い!」ドンッ!


海上幕僚長「静粛にしろ!」


提督『長門…今まで沈黙を守っていたが、オーストラリアに出張中の大和の代理として出席していたみたいだが、やはり核に対する嫌悪感があるみたいだ』


「使うまでもない?あんな馬鹿げた大きさにどう立ち向かおうというんだ?」


長門「N2爆弾なら核爆発に匹敵する威力があるというじゃないか!」


「あれはまだ試作段階だ、それに今は開発国のアメリカがそれどころじゃないし、中止になる可能性が高い」


防衛大臣「落ち着いて、ここで言い合っても我が国は核を持っていない以上どうすることもできない」


米倉提督「旧世代の艦娘は黙ってろよ」


長門「なんだと!?」ガタッ!


米倉提督「自分でも気付いているんだろ?自分がいかに無力なのかを」


大淀「貴方言い過ぎよ!!」


米倉提督「大淀さん、貴女は世代的にも珍しくクローンでは無い艦娘だ、出征したからって調子に乗らない事だな」


大淀「最低…」ガチガチ


提督「…ところで貴方の隣にいる秘書の金剛は何も思わないのか?」


こんごう「何も思わないネ!私が何体いたとしても私は特別なのです!」


提督「特別?」


米倉提督「そうだ、最新型DDG こんごう…イージス艦の技術を艦娘に移植させたんだ

低コストで確実に敵を仕留めることが出来る、優れものだ」


提督「近代化改修計画か」


米倉提督「私の鎮守府、横須賀鎮守府は太平洋の海域を任せられているのだ、お前らのような瀬戸内海や日本海といった深海棲艦の数が少ないお飾り鎮守府と違うんだよ」


T提督「お飾り鎮守府ね」


提督「とはいえ旧世代の艦娘をまるで囮のように扱っているのはどう思っている?」


米倉提督「囮とは言い方が悪いね、俺は少しでも彼女達に戦場に出させてやりたいだけなんだよ?ほら?部活でいう練習試合みたいなもんだ」


大淀「あきらか経験の無い新米を激戦区に行かせるのが練習試合ですか…野球で例えるなら力の無い公立高校がシード校の大阪桐蔭高校や星稜高校に当たるようなものよ」


米倉提督「何を真剣に考えている、旧世代でたかがクローンだ、太平洋の海域ではもはや通用しない、そんな物が役に立つ方法は最新鋭の艦娘を護衛することぐらいしか仕事がない訳だ、最新鋭と比べて非常にコストが安い、たかが数機が沈もうが問題ない」


大淀「く、くるってる」


こんごう「hey!貴女!今なんて言いましたか!?」


提督「落ち着け大淀…会議中だ」


大淀「で、でも…」


提督「落ち着けって言っているだろ」


大淀「はい…」


「そもそもなんで兵器に感情移入してるんだ?」ボソボソ


「さぁな、大淀さんはクローン開発前の人だからクローンじゃないんだけど…尚更わからんよ」コソコソ


米倉提督「よく聞いておけよ、これが現実だ貴女の理想郷とは違ったかな?」


大淀「っ!?」グワッ


提督「いい加減にしろ!」ガシッ!


大淀「…」スッ


提督「大変お騒がせしました、申し訳ございません」ペコッ


海上幕僚長「良い判断をしたな、それでいい」


総理大臣「それで、話を変えるが…JXReyは進んでいるのですか?」


防衛大臣「はい、今レールガンと原動力開発を進めいます」


提督『JXRey…japanese experimental Reyの略だ、某ゲームに登場した水陸両用兵器を元にして新兵器開発を進めている


背景としてはアメリカの国力低下と在日米軍の撤退し始めた事にある


恐竜みたいな形状で設計上ではあるが、JTIDS(統合戦術情報分配システム)を搭載することで非常に高い索敵能力を有しており


武装は、両膝に装備した3連装対艦・対戦車用ミサイル、背部の6連装小型ミサイル、両腕部の機銃、頭部口腔部に内蔵した水圧カッターなど。撃ち上げ式コンテナミサイルを装備している

装甲はチタンを使用している


それとは別にレールガンの開発も進めている自国防衛は当たり前…自衛隊の隊員が少ないなか上手くやっていくには出来るだけ人手がかからない方法でやっていくしか無い』


提督『それから色々と話し合いが行われ、今後の大筋の流れを決定していった』


………………………………………………………

…………………………………………


午後9時頃 防衛省前


「お疲れ様でした」ビシッ


提督『ここに来たのは2年半振りだが、警備も厳しくなったな…今は警察ではなく陸自の隊員がライフルを構えながら門番しているのか』


大淀「提督…私だけなのでしょうか…」


提督「何が?」


大淀「あそこにいた人達の殆どが、何を言っているのかのような目で私を見てた…私の言っていることはおかしいのでしょうか…」


日向「そんな事はない」ポンッ


大淀「日向さん…エグっ」


日向「もう大丈夫だ、思いっ切り泣いても」


大淀「う、うぅ……」ギュー!


日向「よしよし…」


T提督「しかし、嫌な国になったな」


提督「…国民はその事を知らないんだ、まだ捨てるのは早いだろ」


T提督「そこまでは言ってねぇよ」


提督「にしても俺たちだけ…だったな」


T提督「何が?」


提督「艦娘を人として扱っていたのは」


T提督「…他の提督の秘書艦は人の形をしたサイボーグみたいで、全く表情が変わらなかったな」


提督「クローン製造場所はトップの人間しか知らない、知ってたらどうこう出来るわけがないんだけど」


T提督「まぁな」


長門「大淀?何を泣いているんだ?」


一同「っ!?」


大淀「す、すみません、取り乱してしまいました」ペコッ


長門「いや、別に構わない…私はもうここの者ではない」


提督「どういう事だ?」


長門「上の者が私のことを邪魔者だと感じたからだろ、ついさっき海上幕僚長に呼ばれあっさりと首を切られたよ」


T提督「これからどうするつもり?」


長門「これからも無いよ、なにせ明日には解体される」


日向「解体だと?」


大淀「そんなのって…」


長門「そうだ、そして何も知らない私が排出され数ある鎮守府のどこかに行かされるのさ」


提督「という事は長門、貴女もクローンか?」


長門「そうだ、クローンでも長門としては初代だがな」


提督「それって、貴女以外にまだクローンは出されていなかったのか?」


長門「というより、現役の時クローンは今ほど安定して作れなかったし、色々な状況があって私は解体されず退役し防衛省の役員になって、

簡単に言えば私がくたばらなかっただけの話よ」


T提督「とはいえクローンならオリジナルは存在してたんだろ?」


長門「あぁ、そうらしいけど詳しい事は知らないんだ」


提督「ところで貴女は何か用があって来たんでしょ?」


長門「誰もそんな事言ってないが?」


T提督「諦めな長門さん、コイツは隠し事に関しては敏感なんだ」


T提督「乙女心以外はね」ボソッ


提督「なんか言ったか?」


長門「実はお二人に願い事があって来たのだ」


大淀「願い事ですか?」


長門「あぁ…クローン製造場とサーバーシステムを破壊波状してほしい、最後の私の願いだ」


T提督「ほ、ほぅなるほど、予想はしていたけどね…」


日向「まぁ、そうなるな」


大淀「やりましょうよ提督!これ以上の犠牲者を増やさない為に」


提督「断る」


一同「っ!?」


長門「なっ、」


大淀「ど、どうしてよ!」


提督「俺たちの仕事は国民を守ることだ、私情は持たんではいけない、それだけだ」


長門「フッ、それもそうだな」


T提督「ちょっ!おまえ!」


長門「いいんだ、彼の言う通りだ」


提督「最後の夜だ、二万円やるから好きなことをしろ」スタスタ…


日向「…」ジーッ


大淀「ちょっ!?待って!」タタッ!


T提督「お、おい!」タタッ


…………………………………………………………………………………………


千代田駅前


大淀「どういうつもりよ!提督!」グワッ!


T提督「あれは流石に引いたぞ…」


日向「…」


提督「ここまでこれば大丈夫だろ日向」


日向「そうだな…」


大淀「ど、どういう事です?」


日向「さっきの場所で見知らぬ人に監視されていた」


二人「っ!?」


提督「恐らく防衛省の人間、長門と接近して何かやらかさないか監視だろ」


T提督「だから早く引き上げたのか…でも長門は明日には解体処分されてしまうぞ?」


提督「俺が二万円をあげた事を覚えている?」


T提督「あぁ、それがどうかした?」


提督「二枚の一万円札の間に大淀の名刺を挟んでおいた」


大淀「私の名刺ですか?」


提督「そう、それにただの名刺ではない君の住所をメモをした名刺だ」


大淀「ちょっ!?何勝手に渡しているんですか!?」


提督「この際仕方がない、彼女をそのまま解体されるのは非常に惜しい」


大淀「惜しい?」


提督「そうだ、彼女ならクローン製造について詳しく知っていそうだ」


T提督「ちょっといいか」コソコソ


提督「なんだ?」


T提督「トイレ行こうぜ?」


提督「は?」


T提督「いいから行こうぜ!」グイグイ


提督「ちょっ!おま!」


大淀「トイレですか…」


日向「どうも怪しい」


大淀「怪しい?」


日向「あぁ、T提督は公共のトイレは使わないんだ」


大淀「そうなんですか?潔癖症なんですね」


日向「酷い潔癖症ではないんだが、清掃に厳しくて正直疲れる」


大淀「は、はは…」


T提督「まさかと思うが、クローン製造について聞いてどうするつもりだ?」


提督「何を疑っている?」


T提督「彼女、もしくは妹を…生き返らすつもりじゃないよな?」


提督「…考えた時期もあった」


T提督「そんな事を実行するつもりなら、俺は全力でお前を止めるぞ?」


提督「大丈夫だ、そんな事をするつもりはない…それに生き返らすといえども、それはクローンだ本物本人じゃない」


T提督「それならいいが」


提督「それと、お前とはここでお別れになりそうだ」


T提督「なんだって?」


提督「奴らだ…」


T提督「やってる事はまるでKGBだな」


提督「また、連絡する…」


T提督「何かあったらいつでも言ってくれ」


提督「それじゃあ彼女たちのところに戻るか」


……………………………………………………………………………………………………


大淀 自宅


長門「しかし驚いた、奴らの存在によく気付いたな」


提督「こういうのに敏感なもんでね」


大淀『乙女心にはビックリするくらい鈍感なくせに』


提督「で、クローン製造場の場所はしっているのか?」


長門「そこまでは私も知らないんだ、だけど計画に関与した人は知っている」


提督「それは誰なんだ?」


長門「同志社大学院、生命医科学部元教授だ」


提督「同志社大学だと?」


長門「他にも関与している人はいるが、この人が一番の責任者だった」


大淀「その人は今は?」


長門「すまないがそこまでの足取りは知らないんだ」


提督「それで話は変わるけど、本当は生きたいんだろ?」


長門「何を言っているんだ、本部が言った事は絶対だ軍人としてな!」


提督「理論を聞いているわけじゃない、君自身の思っている事を聞いているんだ」


長門「…それは」


大淀「生きたいんですよね?軍人として」


長門「軍人というよりか…教官としてかな」


提督「教官?」


長門「あぁ、実は今部下が3人いるんだが、中々個性豊かで教え甲斐のある奴らだ…だが」


大淀「だが?」


長門「仕事として佐泊鎮守府に行った事があったんだが、そこ着任していた駆逐艦の子達が倉庫の怯えていた」


提督「怯えていたのか?ハラスメントの一種か?」


長門「ハラスメントというレベルではない、一種の特攻だった」


大淀「特攻!?防衛白書にはそのような事は禁止されているはず」


長門「そうだ、話を続けるが本部からその海域に深海凄艦がいないか調査依頼があったそうだ

そこの提督は主力艦隊を派遣する事を拒んだ、何故ならその海域付近は姫クラスの深海凄艦が潜んでいるからだ、そこで思いついた事は何も育成していない駆逐艦の艦娘を派遣することにしたそうだ」


大淀「ひどい…」


提督「それで、その艦娘はなんと?」


長門「助けてほしいと、ここから逃げたいと、涙ぐんで私に悲願してきた、未だに忘れもしない駆逐艦…長月 卯月 皐月 」


提督「まぁ、軍法に違反してないからなぁ」


大淀「そうだとしても!なんでそんな事を出来るんですか!」


提督「言い方は悪いが、彼らから見ればプレデターみたいなものだ」


大淀「あれは無人機ですよ」


提督「そうだ、大量生産されている艦娘は無人機と同じ扱いなんだ」


大淀「…そんな、」


提督「でも彼女達は知らないはずだ、そんな事実、自分はこの世界でたった一人しかいない記憶を消されただけで両親共いると思っているんだ」


長門「艦娘採用注意欄にも書かれている内容だな」


大淀「でもあれは普通一次選考で落ちますよね?」


提督「そうだ、でも表では何名か受かっていると発表しているけど勿論全くの嘘だ」


長門「その後、駆逐艦の子達は出撃の時は笑顔で提督に挨拶して行った、それから数時間後彼女達は運良く全員帰投して来たが、全員重症で担架に運ばれていた

まだ喋る程の体力が残っていた卯月が全ての出来事を報告したが、傷に響いたのかその場で力尽きた…その提督は敬意はあったのかその場にいた隊員を敬礼をするように言い敬礼した

しかし、その目は悲しみの目ではなく使い果たした家電を見るかのような目だった」


提督「言っちゃ悪いけど、その提督はまだマシな方だ、激戦区にちかいほどそこの鎮守府の提督は残酷だ」


大淀「米倉提督の事ですか?」


提督「あいつ程狂ってる者はいないと思う」


大淀「すみません、私はその部でないので分からないのですが…」


提督「あいつは戦略の立て方は日本一と言っていいぐらい上手だ」


長門「だが、勝利の為に手段は問わない」


提督「実はT提督とあいつとは古くからの付き合いなんだ」


大淀「そうだったんですか!?」


提督「あぁ、T提督は昔もあんな奴だけど米倉提督は変わってしまったが…それはいいとして

今から防衛省に行く、長門!ついてこい!」


長門「へ?」


大淀「な、何する気ですか!?」


提督「長門とその部下含む艦娘をうちで引き取る事を伝える」


大淀「何を言っているんですか!?さっき監視されていたんですよ!?何を考えているんですか!?」


提督「お前と最初会った時に言った事を覚えているか?」


大淀「まさか本当に…」


提督「言ったろ?俺は今の軍部は嫌いだ、だからぶっ潰す」


大淀「どこぞのガキ大将じゃないんですから…」


提督「大淀、明日の伊丹行きの便を5名で予約してくれ」


大淀「ご、5名っ!?」


長門「ま、待て!私はまだ部下に何も言って無いぞ!」


提督「でも置いて行く訳にはいかないだろ?」


長門「そりゃそうだ!私の可愛い教え子達だぞ!」


提督「だったら連れ行くしか無いだろ?」


長門「てかそもそも、許可が降りなかったらどうするつもりだ?」


提督「亡命だ、とりあえずついてこい!」ドタドタ


長門「答えになってないだろ!」ドタドタ


バタンッ!!


大淀「……」


大淀『もう少し落ち着いてほしいです…』


………………………………………………………………………………………………………………


防衛省


提督「という事で、よろしいでしょうか?」


海上幕僚長「君か呉鎮守府の提督のどちらかが来るかと思っていたが、見事に予想的中したよ」


提督「それは喜ぶべきでしょうか?」


海上幕僚長「それは君の自由だ、にしても…いきなり艦娘4体寄越せといわれても、欲張りすぎじゃないか?」


提督「4体じゃなくて、4名です」


海上幕僚長「は?」


長門「申し訳ございません!幕僚長!!お気に触りましたら私のせいです!!」ペコッ


提督「なっ!?」


海上幕僚長「上下関係がしっかりしている所は本当にオリジナルとそっくりだ、さすが長門だ」


提督「ふーん」


海上幕僚長「君は見習った方がいいと思うぞ、その態度」


提督「そうすか、僕は基本認めた人以外改めない性格ですので」


長門「おい!なんて事を!」ヒヤッ


海上幕僚長「ハハハッ!君みたいなタイプは初めて見たよ、最近教科書に書かれたようなコピー人間ばっかりだったが、君は違うようだ」


提督「恐縮です」


海上幕僚長「最新鋭の英国艦との演習結果は、既に在日英国大使から聞いている、お前なら任せても大丈夫だろう…了解、長門」


長門「ハ、ハイッ!」


海上幕僚長「解体は見送りだ、お前の部下と共に舞鶴に行ってこい」


長門「よ、よろしいでしょうか?」


提督「幕僚のおっちゃんが言っているんだ、大丈夫に決まってる」


長門「バカ!幕僚長といえ!」


海上幕僚長「おっちゃんか…老けたものだな」


提督「ちなみにお前の部下って…」


長門「浜風 萩風 矢矧だ」


提督「そいつらは今どこに?」


長門「寮にいると思うが…彼女達には私から伝えておこう」


提督「了解、本日はありがとうございました」


海上幕僚長「別に構わんさ、それに似合った仕事をしてくれることを願っているよ」


提督「ハッ!」ビシッ!


海上幕僚長「それはそうと、もうそろそろだな」


提督「ロシアとの演習の事ですか?」


海上幕僚長「そっちではない、ほれ?君もやったろう?提督候補生の研修期間だ」


提督「そういえば、もうそんな時期ですか?」


海上幕僚長「舞鶴は君が初代だからわからんと思うが、普通提督になるには厳しい審査を受け研修期間と言われる下積み期間を受けなければならない」


提督「自分も受けましたが…」


海上幕僚長「君の場合はもっとも別枠だ」


長門「別枠?」


提督「実は俺はアメリカで研修に行っていたんだよ」


長門「アメリカですか…どうしてまた」


海上幕僚長「日米共同対策として米国に派遣させたんだよ、どうして君達が派遣されたのかは前任しか知らないがね」


長門「君達って他にもいたのですか?」


提督「T提督と米倉提督と俺の3人だ」


長門「だからあの時、長い付き合いと」


海上幕僚長「まぁそういう事だから、心づもりしといてくれ」


提督「了解しました!」ビシッ!


………………………………………………


駐車場


提督「で、どうする?乗って行くか?」


長門「お気遣いはありがたいのだが、これから私の部下…いや後輩のいる寮に行かなければならないのだ」


提督「電話じゃダメなのか?」


長門「いや、そういう事は直接言うべきであろうと思う」


提督「そうか、明日の7時半に羽田空港に集合する、8時半発伊丹行きに乗るから…それと兵装については心配しなくても向こうに着く頃には届いているそうだ」


長門「何から何まで、すまないな」ペコッ


提督「なに、俺の気まぐれにすぎないよ」ガチャ


ブゥオオオオン TAXI


長門「それでは明日よろしく頼む、提督」ビシッ


提督「おぅ…あ、文京区まで頼む」


…………提督 移動中……………


ブルルル♫ ブルルル♫


提督「もしもし、叢雲か?」


叢雲《私の携帯へ電話してるのに、他に誰が出るのよ…それより今どこにいるの?


提督「今は新宿にいる」


叢雲《新宿って事は防衛省?


提督「まぁそんなところかな、それより着任予定の艦娘は着任したのか?」


叢雲《えぇ、無事に着任したわよ…戦艦榛名に軽巡洋艦北上に駆逐艦暁よ


提督「なるほど了解、明日また4隻着任するから」


叢雲《はいはい、4隻着任ね…って!?よ、4隻!?


提督「ばかっ!電話越しに叫ぶな!」


叢雲《そりゃあ叫ぶわよ!!そんないきなり言われても部屋の用意ができてないわよ!?


提督「急シップで頼む」


叢雲《ふざけるんじゃないわよ!今何時と思っているの!?10時半よ!10時半!!


提督「明日阪急で高級ケーキを買ってくるから頼むよ!」


叢雲《くっ!食べ物で釣ろうかって、そうはいかないわよ!


提督「高級ブランデー」


叢雲《仕方がないわね〜ど、どうしてもって言うならやってやらない事はないわ!


提督「みんなと協力してするんだぞ?」


叢雲《言われなくともそうするわよ!一人で出来る事じゃないでしょ!?


提督「そうだな…」


《司令官!!聞こえる!?


提督「うるさっ!この声は雷か!?」


雷《うるさいって何なのよ!せっかく話してあげてるのに! ってちょっ!?雪風!?落ち着いて!


雪風《せこいのです!雪風に変わるのです!


叢雲《だぁーっ!うるさいわね!


提督「……きっていいか?」


《あっ、ちょっ!……ガサガサ…あー、もしもし、聞こえるかしら?


提督「?この声は山城か?」


山城《そうよ?わるい?


提督「いや、さっき駆逐艦の子達がはしゃいでたから予想外で」


山城《そう、まぁいいわ…提督?貴方に謝らないといけない事があるの


提督「何かしたのか?」


山城《そういう訳じゃないけど、私、着任した時…提督に失礼な態度を取ってしまった事を謝りたいの


提督「へ?別に気にしてなかったんだけどな」


山城《貴方がどうより、私が謝りたいからそうしているの!私は兵隊として肝心な部分を見落としてたわ…


提督「確かに上司を敬う事は悪い事じゃない、だけど俺はそんな風潮は余り好きじゃない」


山城《それは薄々と感じてたわよ、それじゃあこれからもよろしくね、提督


提督「お、おぅ」


時雨《提督病がまたしてもだね


山城《し、時雨!?い、いつの間に!?


時雨《結構前からだよ、顔が真っ赤だよ?


山城《う、うるさいっ!


提督『いい感じに、まとまってきたな…笑顔が絶えない職場ってのはいい事だな』


……………………………………


大淀 自宅


提督「はぁ、11時半か…まだまだ寝るには早いと思ってしまう俺は職業病なのかもしれない

さっさと大淀から借りた鍵で中に入ろう」


ガチャ!


提督「ただいま〜今戻ったぞぉ!…って、無視かよ…」


〈シャーー ふふ〜♫♪


提督「なんだ、風呂に入っているのか…さっさと風呂に入って寝たかったが…あ、確か彼女と酒を飲む事を忘れてた…」


ピロンッ♪


提督「大淀のパソコンからか?電源消して無かったのか…ん?メール着信してる…勝手に見るのは悪いし…ってデータホルダー?なんだこれ?」カチカチ


提督『これは…同僚と遊びに行った写真か?雷門に東京スカイツリー…色々あるな、ってこれは舞鶴鎮守府創設した時の記念写真か…鳳翔、明石、間宮、伊良子、大淀、叢雲、俺、7人でスタートしたんだったな…創設後の準備が大変だった…二番艦の川内が来たのは、最近で約二ヶ月前だし…』


ガラガラ…


提督「おっと、上がって来たぽいな、元の画面に戻しておこう」カチカチ


提督『しかし、俺のスマホのアルバムはそれといった写真が無いな…』ピッピッ


ガチャッ!


大淀「ふぅ〜気持ちよかった〜って!提督!?いつの間に帰ってたの!?」ビクッ


提督「あぁ、ついさっきにな」クルッ


大淀「バ、バカッ!こっち見ないでよ!今バスタオル姿なんだから!」


提督「すまんすまん、それで服を掛けたいからハンガーを借りてもいいか?」バサッ


大淀「えぇ、そこにあるものを使って」


提督「それじゃあ俺も風呂に入るとするか」脱ぎ脱ぎ


大淀「やっぱり消えないのね…その傷」


提督「そりゃあそうさ、飛行機の鉄鋼が腹部を数ヶ所貫通したんだ…腸が飛び出てたのに生きてる事すら奇跡だよ、それじゃあ風呂借りるな」バタンッ!


大淀「…てかっ!もう少し興奮するとか無いの!?そんなに魅力無いか!?クソ提督がぁ!!」ンガー!!


数分後……………………………………


提督「ふぅスッキリした〜って、酒くさっ!」


大淀「ちぃーす提督〜先飲んじゃってま〜す♪」


提督『か、完全に酔ってらっしゃる…』


提督「こらこら、女性がそんなはしたない姿をしてはいけませんよ」


大淀「てぇいとくも飲みなぁよぉ」


提督「俺も是非そうしたいところだけど、今はあなたのことが心配でそれどころじゃないかな?」


大淀「…提督」


提督「ん?また訳のわからんことを言うんじゃないだろうな?」


大淀「まだ彼女のことが好き?」


提督「…お前、酔って無かったな…」


大淀「上出来でしょ?」


提督「はぁ、まんまと騙された」


大淀「で、どうなの?」


提督「…答えなくちゃダメ?」


大淀「私がどんな気持ちで聞いたと思ってるの?」


提督「…わからないんだ」


大淀「もういい加減にしてよ!2年半前の時からずっと同じ答えしか返ってこないじゃない!」


提督「それの何が悪い!!わからないものはわからないんだ!」


大淀「…それじゃあ言い方変えるわね、今貴方にとって彼女は一体どんな存在?」


提督「今って言われてもな…守りたかった人…かな」


大淀「そう…この際言っておくわね」


提督「?どういうこと?」


大淀「こっちに来て」


提督「お、おぅ」


大淀「…」ギュッ


提督「お、大淀っ!?何をっ!?」アタフタ


大淀「死なないでね」


提督「いきなりどうしたんだ!?さっきはキレたり、情諸不安定だぞ!?」


大淀「私の意見としては、提督は危ない橋を渡りすぎてる、事前連絡も無く監視されてたところに行くなんてどうかしてる」


提督「でも勝手に連れて行く訳には行かないだろ?それに明日だと遅いし」


大淀「話聞いてたかしら?連絡してからって言ったのよ、それに他に別の手段もあったでしょ?」


提督「…何も無かったんだからよかったじゃん」


大淀「私がどれだけ心配したと思っているのよ…」ボソッ


提督「何か言ったか?」


大淀「何も無いわよ!」ギュー!


提督「いでててて!!そ、そんなに締め付けんな!!古傷が開く!」


大淀「あ、ごめんなさい」パッ


大淀「提督、今のところは何も疑いの目はそっちに向けられて無いわ」


提督「そうか…よかった」


大淀「それにしても、よくイギリスの科学者を引っ張り抜けましたね」


提督「ウォースパイトに感謝だな」


大淀「REX計画…本当にやるつもりなの?」


提督「この国が開発しているRayに対抗するにはそれそうの兵器が必要となるだろ?」


大淀「でもこれは本来4年前にアメリカで計画設計図が出されたけど多額な金がかかる事から没になったものよ?」


提督「その時からアメリカは落ち込んでただろ?それに基本的なものはRayからパクればいい」


大淀「言っておきますけど、Rayとは原動力以外根本的に設計が違いますからね」


提督『REX計画

4年前にアメリカ、ペンタゴンで計画上でしか存在しなかった核搭載二足歩行戦車、

恐竜みたいな形状で装甲はセラミックス複合装甲の為

理論上、高性能な成形炸薬弾でもなければ有効なダメージを与えることは出来ない

武装として弾体射出用大型レールガン、30mmガトリング砲、自由電子レーザー砲、対戦車誘導ミサイルを装備予定

機動性はRayに劣るものの、レールガンなど代わりに武装は上回っている』


大淀「で?開発状況は?」


提督「イギリスから部品を輸送し、経由地点の大半はフィリピンで骨組みを作り日本に輸送されてくる、その骨組みを舞鶴で組み立てると完成に近づくと思う」


大淀「でも原子力には核燃料が使われているのよね?」


提督「あぁ、ディーゼルエンジンも考えてたんだけど、あの馬鹿でかい物を動かすには動力が足りなかったんだ」


大淀「でもRayはディーゼルエンジンですよ?」


提督「丈量が違うんだよ、丈量が」


大淀「なるほど…てか提督?」


提督「ん?」


大淀「こんな話より明るい話でもしませんか?」


提督「話しだしたのは君だよ?」


………………………………………………………


その頃 舞鶴鎮守府では


………………………………………………………

7月30日 土曜日 晴れ


今日は午前中にウォースパイトさんと演習があった、その後は休みにだったけど司令官は演習が終わるなり東京に行ってしまいました


たいていの人は昼寝してしまったけど、むらくもや山城さんや羽黒さんは起きて仕事をしてました

今日着任する艦隊の相手をしないといけないとか


そしてなりより暁が着任した事が一番でかい事よ!これで3人が揃ったわ!


………………………………………………………


暁「ねぇ雷?司令官ってどんな人なの?」


雷「どんな人って言われても…そうね、情に熱い人で仲間思いな性格かな」


暁「そうなんだ、でも叢雲に聞いた時は変態野郎って言ってたけど?そうなの?」


電「それはラッキースケベが多いだけなのですよ」


暁「ところで明後日なんでしょ?出撃」


雷「そうよ、私達の出番は無いけど」


暁「そうなの?」


電「もう出撃メンバーは決められているのですよ、旗艦は山城さんで、他はウォースパイトさん、摩耶さん、羽黒さん、祥鳳さん、川内さん、って決められているのですよ」


暁「そういえばイギリス艦が来ていると本部から通達があったわね、まぁ仕方ないね」


その頃、経巡洋艦寮では…………………………


神通「姉さん!明後日頑張ってくださいね!」


川内「話によると今回の海域はバリバリ夜戦ができるみたいだね!」


神通「姉さん…あまり調子に乗らないでくださいよ…」


那珂『どうしよ、この中で一番弱いの私じゃん…』


北上「まぁまぁ、そう落ち込まないでさぁーぐーたらしようよー」


那珂「貴女は着任そうそうマイペース過ぎます!!」キィー!


北上「そうかなぁ?まぁしょうがないよねぇー」


天龍「…提督よ、ここは個性が強すぎるぜ」


祥鳳「もうそろそろ空母仲間来てくれないかしら…」


天龍「そういや、ここ最近妙にボーキが減るスピードが早いと叢雲が言ってたんだが、何か知らないか?」


祥鳳「知らないけど…ここの鎮守府で空母は私だけだから、そんなに減らないはずなんですけれど…様子を見に行きます?」


天龍「そうだな、念のため彼女の隊員を数名連れて行こう」


…資源貯蔵場………………………………………


摩耶「それで私が呼ばれたわけね」


天龍「そういうこと、89式小銃の使用は提督代理の叢雲の許可が下りてるから問題ない」ガチャ


摩耶「聞いたかお前ら!これは警備だ、何かいても射撃はするな!いた場合は無線で連絡しろ!」ガチャ


隊員達「ハッ!」ガチャ!


天龍「因みにこの部隊はどうしたんだ?」


摩耶「なんかね、自衛官なんだけど何故が慕ってくるんだよね」


天龍「カリスマ性は提督より優れてるな」


摩耶「そういうなって、それじゃあ任務開始だ!」スタタッ


祥鳳「私が来た意味あるのかしら?…」


数分後…………


ガツガツ…ムシャムシャ…


摩耶『っ!?何かいる!?』


「どうしますか?突撃しますか?」


摩耶「まぁまて、まずはコソ泥か動物か何かを確認してからだ、暗視ゴーグルを貸せ」


「ハッ!」サッ


摩耶「どれどれ、この影は…人か?服装からして女性?」


天龍「どうする?囲い込むか?」


摩耶「あぁ、突撃したらライトを付けろ…3……2……1……Go!!」ピカッ!


??「っ!?まぶしっ!」


摩耶「そこまでだ!両手を上げて狭間付け!」ガチャ!


天龍「ん?この服装…もしかして?赤城?」


摩耶「なんだって?」


赤城「まっ、まって!!撃たないで!」アタフタ


「………えーと、どうします?」


摩耶「まだ構えとけよ…」


天龍「はぁ…一航戦が何をやっているんですか」


赤城「ちがうの!腹が減ってしまって!」


摩耶「とりあえず提督が帰ってくるまでは独房に入れておくか?」


天龍「そうだな」


赤城「ま、まって!話だけでも!」


摩耶「明日になったらいくらでも聞いてやるから、大人しく付いて来い!」


……………………………………………………

次の日 日曜日 羽田空港


ブゥオオオオン!!


提督「ここでいい、ありがとう」バタンッ!


大淀「すいません、私は直ぐに防衛省に戻らないといけないので…」


提督「大丈夫だ、しっかり頑張ってこいよ!」


大淀「はいっ!」ブゥオオオオン


提督「あいつも忙しいんだな…」


長門「おはようございます提督」ビシッ!


提督「うおっ!ビックリした!後ろから話し掛けてくるなよ!」ハァハァ


長門「おっと、すまない…それと後ろの3人が私の後輩だ」


浜風「駆逐艦、浜風です。これより貴艦隊所属となります。」 ビシッ!


萩風「陽炎型駆逐艦17番艦、萩風、参りました。司令、ご指示をお願いします。」


矢矧「軽巡矢矧、着任したわ。提督、最後まで頑張っていきましょう!」


提督「OK、それじゃあ行くとしますか」



午前11時頃 鎮守府………………………………



親潮「てぃ!!」スパンッ!


電「はいなのです!」スパンッ!


提督「バトミントンとは懐かしい事やっているじゃないか?」


親潮「あ!司令官!お帰りなさいませ!」


提督「あぁただいま」


親潮「あっ!長門教官!」ビシッ!


長門「おー、親潮元気にしてたか?」


親潮「はい!」


提督「なんだ、知り合いなのか?」


親潮「長門教官とは訓練生の時からお世話になりました!また会えるなんて光栄です!」


長門「そうかぁ、私もまたお前と一緒に仕事が出来て嬉しいぞ!」


親潮「え?長門教官?一緒という事は着任したのですか?」


提督「そうだ、色々あって長門と後ろの3人は舞鶴鎮守府に着任する事になった」


親潮「本当ですか!?」


電「仲間が増えたのです!!」


提督「萩風と浜風、同じ駆逐艦の仲間だ募る話もあるだろう、一緒に行動していいぞ」


萩風「えっ、構わないんですか?」


提督「あぁ、行ってこい!」


電「じゃあ寮に行くのです!」


浜風「よ、よろしくお願いします」


矢矧「…本当に自由なんですね……」


長門「あぁ、驚いたものだ」


提督「よく平和ボケとか言われるけど、彼女達には争い以外の物も学んでほしいと思っている」


矢矧「争い以外?」


提督「そう、道徳的な事をね…」


………………数分後後 執務室……………………


提督「にしても結構増えたよな、叢雲よ」


叢雲「確かにね、賑やかになってきたわ」


コンコン


提督「はい、どうぞ」


天龍「提督、ちょっといいか?」


提督「ん?どうかしたのか?」


天龍「あれ?叢雲から聞いてなかったのか?」


叢雲「あ、忘れてたわ」


提督「え?何を?」


天龍「まぁいいか、来てくれた方が早いかもしれないし」


提督「そうなのか?何か問題が起きたのか?」


天龍「そうだ、侵入者だ」


………独房…………………………………


摩耶「よぉ来たか提督!」


提督「侵入者がいると聞いたが、本当か?」


摩耶「なんで嘘をつく必要があるんだ?それより事の流れを説明するとだな」


提督「おう」


摩耶「お前が東京に行ってから、妙にボーキの消費が早い事に気が付いて最初は機械の故障かと思ったんだが、いざ駆け付けてみると」


提督「誰かいたのか?」


摩耶「天龍、やつを連れて来てくれ」


天龍「了解、ほら入った入った」ガチャッ!


赤城「お腹が空きました…」


提督「一航戦の赤城じゃないか、もうしかして侵入者って?」


摩耶「あぁ、ここのボーキを貪り食っていた張本人だ」


赤城「侵入者だなんてとんでもありません!私はちゃんと正式に着任予定の鑑娘です!」


提督「そんな話、聞いてないが?」


赤城「そんな訳ありませんよ!これが証明書です!」ピラッ


提督「何々…本当だ嘘偽りもない舞鶴鎮守府着任証明書だ」


摩耶「なんだって!?」


提督「天龍、この証明書を持って事務まで確認取って来てくれ」


天龍「了解、わかり次第連絡する」


赤城「ほら言った通りでしょ!?」プンプン!


摩耶「まだそうだと確定した訳じゃない、そもそも着任したなら何故執務室に行かず貯蔵庫でボーキを食べていたんだ?」


赤城「お腹が空いては戦はできません」シラッ


摩耶「…」


提督「そう言い切られても…別に勝手に食べる事が良いって訳じゃないからね」


赤城「お腹が空きました」グゥ〜


提督「…赤城を解放してあげよう」


摩耶「マジで言ってるのか!?提督!?」


提督「最初は工作員かスパイか疑ったが、おそらく白だろう」


摩耶「いいのか?本人だったとしても勝手にボーキを食べてたんだぜ?」


提督「まぁ、過去に勝手に敷地内で魚雷を投げまくっていた夜戦バカもいたし、別にいいだろ」


摩耶「全く、甘ちゃんだな提督は」


ブゥオーーン!!ブゥオーーン!!!


摩耶「何の音だッ!」ガタッ!


提督「クソッ!レットアラートだ!今すぐ工廠に行って出撃準備だ!」


摩耶「わっ、分かった!」バタバタ


執務室………………………………………


叢雲「空自のawacsから深海棲艦の艦載機と思われる機体を傍受、こちらに向かって来ているとの事!」


提督「ということは空母機動部隊か?」


叢雲「えぇ、おそらく」


提督「奴らからのお出ましってことか、いいだろう受けて立つ!」


叢雲「海自の護衛艦は近辺の海域に展開しもしもの時のために備えるとの事、提督?どうするの?」


提督「今から放送入れる……全隊員につぐ!敵は空母機動部隊だ!出撃艦娘はウォースパイト、山城、摩耶、祥鳳、赤城、親潮、それ以外は待機だ!」


叢雲「えっ!?」


赤城「わ、私ですか!?」


提督「正規空母なんだろ?五航戦以上の一航戦の誇りを見せてみろ!」


赤城「それは私じゃなくて加賀です」


提督「もうなんでもいいから行ってこい!」


赤城「は、はぃ〜!」スタタ!


叢雲「だ、大丈夫なの?」


提督「敵が空母ってわかっている以上、対空対策が必要だ、もしダメでもウォースパイトの対空がある」


叢雲「半分かけね」


提督「まぁいいじゃないか、どうなるかな」


……………………数分後、日本海………………


親潮「なんだろう…空気が重たい、二人を除いて」


ウォースパイト「Yamashiro!貴女と一緒に戦えて嬉しいわ!」


山城「えぇ、そうね…」


山城『朝小指ぶつかった所まだ痛いし、不幸だわ…』ドヨーン


祥鳳「赤城さん…私猛烈に感激してます!」


赤城「へ?」


祥鳳「ようやく仲間が増えたんです!それが嬉しくて嬉しくて!」


赤城「は、はぁ」


祥鳳「今までスカスカだった艦載機が今はこんなにストックが!」


赤城「それは大変でしたね…」


摩耶「はぁ…真面なのはお前ぐらいじゃねぇのか?」


親潮「…ノーコメントで」


ウォースパイト「とりあえず先制攻撃しときますか、トマホーク三発 fire!!」ゴゴコゴゴ!


赤城「す、すごい…これが21世紀の戦闘…」ゴクリッ


ウォースパイト「トマホークは狙った獲物は逃がさない!」


祥鳳「私達の艦載機も戦闘を開始ましました!数的にこちらが圧勝です!」


摩耶「そりゃあハリアーがいればな…」


親潮「見えないところで戦闘が始まってるってなんだか不思議ね」


ウォースパイト「…そうですか、わかりました……みなさん、どうやら戦艦級と空母級が一体づつ負傷しながらこちらに向かっているそうです」


摩耶「了解!親潮!ようやくらしくなって来たぜ!」


親潮「そうみたいね!やってやるわ!」


山城『どうせ…彼女がやってくれるでしょミサイルかなにかで』


ヒューン


摩耶「なんだあれ?こっちに向かってくるぞ!」


赤城「奴らの艦載機です!おそらく自爆攻撃してきます!」


ウォースパイト「ゴールキーパー!」ウィーン


親潮「違う…向かっているのは…山城さん!避けてください!」


山城「へ?」ボーッ


ヒューーーーーン!!


山城「げ!?」


ズドォオオオン!!!!


ウォースパイト「Yamashiro!!」


山城「…痛いじゃない、よくもこんな汚物をぶつけてきたわね…」ゴゴコ!


祥鳳「あ、やべ」


赤城「どうかしたの?」


祥鳳「いや、山城を怒らしたらどうなるか…」


空母ヲ級「キサマラカ?コノry」


山城「消え去れぇ!!!」ドォゴォオオオオオン


ドォゴォオオオオオン!!!!


シーーン


摩耶「本当に消えてしまった…」


親潮「どこぞの王様バリのセリフだったわね」


ウォースパイト「っ!? まだいるわ!軽巡ト級のこちらに猛スピードで向かってきてるわ!」


ト級「グゥオオオオオ!!!」ブウォン!


摩耶「なっ!?」


摩耶『コイツッ!いつの間に!?しかもなんだよこの振り上げた腕!』


親潮「摩耶さん!!避けて!」


摩耶「フゴッ…ゲホッ」ドスッ!!


ウォースパイト「マズイ!モロ腹わたにhitしたわ!」


山城「何ボケーっとしてるの!」ドンッ!!


ト級「ギャアアアア…」ブクブク…


赤城「摩耶さん!大丈夫ですか!?」


摩耶「」


親潮「マズイ…完全に白目向いてるし、服の上からでも分かる程、肋骨が三本ほど折れてる」


赤城「っ!?そ、そんな!」


山城「こちら山城!提督聞こえる!?」


提督『どうした!!何があった!?』


山城「軽巡ト級が肉弾戦を仕掛けてきて、摩耶が肋骨を三本ほど折れてしまったの!救助隊を要請するわ!」


提督「待ってろ、そこを動くな」


山城「え、えぇ」


数分後………


パタパタパタパタ!!!!


親潮「シーホーク!こっちよ!」ブンブン


提督「摩耶!?大丈夫か!?」


山城「提督っ!?大丈夫な訳ないでしょ!?」


提督「だよな…彼女をこっちに!」


祥鳳「私達は?どうします?」


提督「帰投だ!それに敵影はもう見られない」


ウォースパイト「念のためハリアーを護衛につけておくわ」


提督「分かった、お前らは早く鎮守府に帰投しろ!」バタバタ!!


機内………………………


「ヤバイですね、完全に心拍数が低下してます…」


提督「電気ショックを続けろ!」


「ハイッ!」ピッー!!


摩耶「」パシュッ!!


提督「絶対死なさせないからな!」ギュッ


「触らないでください!感電します!」


提督「あ、すまない」


提督『このようなことが、これからも増える可能性がある…これからどうなるか考える必要があるな…今は十分な程の兵力はある…人間をなめるなよ…』



後書き

次回に続きます↓
予定として↓
摩耶ルート…摩耶「私が解体だとっ!?」

川内ルート…川内「提督が奪われてしまう!」神通「はい?」

祥鳳ルート…祥鳳目線で進んでいく
羽黒ルート…純愛もの

長期予定↓
雷ルート…昼ドラ
長門ルート…シリアス傾向
矢矧ルート…比較的にやさしい
榛名ルート…おい、艦これしろよ
深海ルート…グロ注意

曖昧↓
ビスマルク 萩風 大淀 伊勢 能代


このSSへの評価

5件評価されています


Верныйさんから
2019-07-14 03:07:19

SS好きの名無しさんから
2019-01-13 19:57:07

SS好きの名無しさんから
2017-07-24 19:25:53

SS好きの名無しさんから
2016-10-21 09:27:43

FLANさんから
2016-09-28 00:39:54

このSSへの応援

6件応援されています


SS好きの名無しさんから
2022-01-03 07:17:13

SS好きの名無しさんから
2019-02-22 00:00:25

SS好きの名無しさんから
2016-10-26 19:50:08

SS好きの名無しさんから
2016-10-05 22:29:56

FLANさんから
2016-09-28 00:34:54

SS好きの名無しさんから
2016-09-20 09:32:22

このSSへのコメント

6件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2016-08-30 09:49:22 ID: IXLfbJrM

1ー2攻略中ほどの序盤でスパ子着任してるって凄い鎮守府だな…

2: 餡蜜 2016-10-05 15:05:32 ID: CQZwrLXj

ランチは昼ごはんだから朝のランチはへんかなーって

3: SS好きの名無しさん 2016-10-10 10:48:07 ID: -YNXoIbH

シャルホルストはドイツだろうが

4: SS好きの名無しさん 2016-10-21 09:45:55 ID: Ca9gI6rX

ハリアーⅡには25mmガンポットが
ついてる

5: SS好きの名無しさん 2016-11-02 22:23:21 ID: QRgZK7u7

設定とかそういうのは個人の自由だからなにも言うつもりないんだけど盛り上がってるときの誤字脱字はホントもったいないから軽くでいいから見直してほしいな、がんばってー

6: SS好きの名無しさん 2016-11-08 02:04:31 ID: foW1Vv4Y

唐突のチャー研ネタは草


このSSへのオススメ

1件オススメされています

1: SS好きの名無しさん 2016-10-21 09:38:54 ID: Ca9gI6rX

設定がガバガバ、キャラの性格に兵器の運用がメチャクチャ。エアプで中途半端な知識で書いてる感じがする。


オススメ度を★で指定してください