2015-03-04 20:58:20 更新

概要

艦娘になってる?!の続き


前書き

皆さんあけましておめでとうございます。拒むことを知らない糞noobです。自分の中では一応前作は完結したのですが要望が多かったのでもう少しだけ駄文書かせて頂きます。心機一転ということで題名変えてみました、『???「艦娘になってる?!」』の続編扱いになります、今後はその2、その3を出さずに書き足していく方法も試していきたいと思います。
艦娘がとても理不尽な目にあったりする描写も稀にありますのでご注意下さい。作者はイケメンな提督と艦娘がイチャラブしてるSSを書こうすると全身から血が吹き出して死ぬのでひねくれた作品が多くなるのかなと思います、ご留意下さい。
文字稼ぎ兼テコ入れの為のキャラ解説を簡単に。


提督(デブ):不知火達第二遠征艦隊が配属していた所の提督です、ちなみに作中では紹介できませんでしたがブルネイ泊地です。その為横須賀への異動が船となります。基本的にクズですが父親が海軍で上の方に昔居たのでコネがあります。



提督(イケメン):横須賀鎮守府提督です。今後出てきます。



橘:このSSの主人公一人です、もともと自衛隊所属でしたが上司との問題で除隊、その後引きこもりデブになってネトゲ三昧していところ艦これの世界に…。本名は橘利房(たちばなとしふさ)、基本スペックは高く痩せていれば普通に強い。



不知火:このSSの主人公の一人です、静かに燃える感じで、本気でキレると周りが見えなくなる。
橘が唯一男言葉を使う仲。橘のことをよく思ってる。



天龍:元第二遠征艦隊の一人。



電:元第二遠征艦隊の一人。



長門:ビックセブン、橘スキー



陸奥:ビックセブン、橘、不知火スキー



叢雲:このSSの主人公の一人です、蛇足ですが作者が一番気に入ってる艦娘です。


今の所はこんな感じです、
お楽しみ頂けたら幸いです。



先の大規模演習からおおよそ3ヶ月ほど経った頃、橘と不知火は食堂の壁に張り出された一枚の紙にただ呆然と釘付けにされていた。余白があまりにも寂しく冷たくも感じた。




橘「……」




不知火「…提督に聞いてきます…」




紙には『橘及び不知火の二名は第二遠征艦隊を解任、横須賀鎮守府へと異動とする。また第二遠征艦隊は艦不足理由に解散とする。』と書かれていた。





不知火と橘が執務室に着く。




不知火・橘「失礼します。」




提督「なんだ?」




橘達の来た理由を理解した上でニヤニヤと笑みを浮かべ提督はといかける。




不知火「ッ!」




不知火が一歩前出ようと身体を揺らした瞬間、橘が腕を出し動きを制する。




橘「…異動の件で相談があります。」




提督「めんどくさいな、さっき天龍にいった通りだ詳しいことはそいつに聴けちなみにもう契約は済んでる変更は認めん。」




不知火「……なの……」プルプル




提督「あ?なんだよ?はやく出て行け、お前みたいに暇じゃねえだ、それともなんだ?俺との夜が忘れられねえかwww?ペットとしてならウチの鎮守府に置いてやってもいいかもなwwww」




よくもまあここまで人を罵る言葉が矢継ぎ早に出るものだと誰もが思った。




不知火「…こんなことがあってたまるもんですか…」




不知火は椅子に深々と腰をかけた『それ』を思い切りにらみ、拳を握り締め全身を使い全力で拳を目の前の『それ』に振り下ろす。




提督「お、お前!な、な、何を!やめろ!ヒィィ!」




『それ』は大きく太い体のどこから出したか理解に苦しむほど高く不快な叫び声をあげる。




<グキベキッ




全身全霊をかけた不知火の右ストレートは見事横から飛び出して来た橘の左頬を抉る。衝撃で橘の艶のある髪が乱れる。




橘「グハッ…」




橘は地面から浮きそうになる足を必死の思いで地につけ、ふらつく身体をやっとの思いでまっすぐにする。訪れる血の嘔吐を気合いで飲み込む。




天龍「橘…」




不知火「えっ…なっ…どうして…橘さん…し、不知火は…」




不知火は何が起きたか把握できず、自分の腕を抱きしめその場にへたり込んでしまう。




提督「……ハッ!ハハッ!ハハハッ!よくやったぞ!橘!ハハハハハハ!」




提督は身の危険が去ったことを確信し普段通りの態度に戻る。




提督「このメスガキが!よくもまあ俺様に手をあげやがったな!…!殺してやる!それに比べて橘!よくやったぞ!どうだ!なんでも言ってみろ!欲しいものならなんでもやるぞ!なんなら今すぐお前を殴った馬鹿を処刑してもいいんだぞ!ハハハハハハ!」




橘は口から出た血を袖で拭き取りながら言った。




橘「…それではその馬鹿を不問にしていただけませんか?」




提督「なっ?!……フン!勝手にしろ!その代わり異動の事実は変わらないからな!わかってるんだろうな?」




一瞬驚くような顔をしたのち提督はさも面白くなさそうに橘の提案を受け入れた。




橘「お情け感謝いたします…異動の件謹んでお受けします。…横須賀でも使命を全うしてきます、それでは失礼しました。」




橘は軽く会釈をすると不知火を立たせ、執務室をあとにした。



ーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーー



ーーーーー



橘と不知火は無言で寮へ向かい歩いている。




不知火「…」




橘「…」




不知火「…橘さん…さっきはごめn…




謝罪を言い終わる前に橘渾身の右アッパーカットが振り向きざまに不知火の顎を捉える。




不知火「ガッ!」




不知火に身体はそのまま中に浮きその後地面に叩きつけられた。




橘「勝手なことをするな!馬鹿不知火!」




橘は不知火の胸ぐらを掴み無理矢理立たせ、そのまま言葉を続ける。




橘「あんな所で提督を殴ってみろ!それこそ異動以前によくて除隊、最悪反逆罪で死刑だ!」




橘「それを馬鹿野郎!本気でぶん殴りやがって!痛えんだよ!ドアホ!」




不知火「…橘さん…橘さんは悔しくないんですか…?」




橘「悔しくないんですかって…お前…悔しいに決まってんだろ…せっかく演習にも勝ってやっとこれからって時に…」




不知火「じゃあ!なんでそんなに冷静でいられるんですか!橘さんは!」




不知火が橘に思い切り頭突き食らわす。もろに食らった橘はよろめき手を放す。




橘「っ…冷静だと?ハラワタが煮えくり返ってるわ!」




再び駆逐艦同士の取っ組み合いの喧嘩がはじまる。




天龍「おい!いい加減にしろ!こんな廊下で!」




騒ぎを知った天龍が駆けつける。




橘・不知火「関係ない天龍は黙ってて下さい!」




天龍「あ?」ブチッ




天龍「同じ遠征艦隊所属で一緒に戦った仲間に『関係ない』だとぉ?あぁぁぁぁん?上等だゴルァ!」




駆逐艦同士の取っ組み合いに世界水準を軽く超える軽巡が参戦した、この廊下で行われた鎮守府ストリートファイトは長門達が止めるまで終わらなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーー



長門「……」




長門「なるほど、異動が引き金で溜まってた鬱憤が出たってわけか…」




長門「だがな?限度があろうが?限度が、お前らの喧嘩を見てた暁は震えて泣いてたぞ?『殺し合いしてる』って言って…」




天龍・不知火・橘「ずびばぜん…」




顔中血とアザだらけにした三人が申し訳なさそうに身体を縮める。




陸奥「…まぁわからなくも無いけれど…あの提督の相手するとストレス溜まるわよね…」




陸奥が三人を擁護する。




長門「…橘と不知火は明日にはもうここを出るのだろう?」




橘・不知火「…はい。」




長門「明日の準備もあるだろう?説教はこのぐらいでいいだろう…」




橘・不知火「すみませんでした、失礼します。」




橘と不知火は自室へと戻って行く。




長門「…天龍…お前は駆逐艦じゃないんだ…もっと自分の行動に責任を取れ…」




天龍「…はい…」




年の差もあってか、天龍への説教は少し長引いた。




ーーーーーーーーーーーーーーー


〜その日の夜〜



荷物をまとめる時も食事の時も第二遠征艦隊のメンツで集まってはいたものの会話は一切なかった。

橘と不知火は黙々と荷物をまとめ皆で黙々と飯を食べた、いかにも最後の晩餐と言った風だ。普段は軽巡寮で寝るはずの天龍も暁達の寮で寝るはずの電も今日は橘達の寮で寝ることになった。




天龍「…」




不知火「…」




橘「…」




電「…」




電気はすでに消され黙っていると不気味さすら感じるほどの静寂が橘達の部屋を包む。




天龍「…今日は悪かった、横須賀でも頑張れよ…」




橘「…はい」




不知火「…言われなくとも」




電「…寂しくなるのです…」




天龍「…あぁ…」




別れの前日に交わされた言葉はたったのこれだけであった。



ーーーーーーーーーーーーーーー


〜翌日早朝〜



橘と不知火は電と天龍を起こさないように静かに部屋出た。冬の早朝はまだ暗く口から漏れる吐息も白い。二人は横須賀行きの輸送船に乗船する為鎮守府の外へと向かう。




橘「…昨日は悪かった……」




不知火「…いえこちらこそ…」




不知火「それにしても割といい仲間に恵まれましたね。」




橘「まったくだ、それだけはこの鎮守府に感謝だな。」




不知火「ですが心残りが一つ……」




橘「奇遇だな?俺もだ。」




不知火・橘「「いつの日か必ずあのデブの息の根を止める。」」




不知火と橘はお互いの顔を見合わせ笑い出す。




橘「アハハ!まさか一緒だとはww」




不知火「フフフ、不知火もビックリです!絶対に殺しましょうね!どうやって殺しましょうか!今から楽しみです!」




橘「おう!そうだな!」




容姿端麗な少女たちの口から物騒な言葉が溢れ出る。




長門「随分と趣味のいい会話をしてるじゃないか?」




天龍「俺達も交ぜろよ!」




電「怖いのです…」




陸奥「女の子がそんな言葉使うものじゃないわよ〜?」




長門達が廊下の曲がり角から現れる。




橘「皆さん?!どうしてここに?!」




長門「朝っぱらから廊下で大声で話せば嫌でもわかるさ。」




陸奥(そんな事言って昨日の夜から張り込んでいたのだけれど…かっこつけちゃって…)




不知火「すみません、起こしてしまって…」




電「結果的にお見送りできるので結果オーライなのです!」




不知火「それじゃ輸送船に向かいましょうか。」




橘「そうだね。」




橘達は3ヶ月という短い期間の思いでを記憶する限り語り合った。




ーーーーーーーーーーーーーーー



4隻の輸送船が鎮守府前の海に停泊していた。




天龍「随分でけぇんだな…」




陸奥「ええ、食料とかいろいろ運ぶらしいわよ?」




橘「食料のついでに運ばれるなんてあまり気持ちのいいもんじゃないな…」




不知火「まあ贅沢は言えませんよ。」




橘「だな。」




<そろそろ出港しますので、準備お願いします!




長門「…だそうだ。」




長門「まぁ…なんだ…これといってプレゼントできるものはないんだが…/////」モジ




橘「?」




長門は橘の身長まで腰を下ろし橘の頬に優しく唇を当てた。




長門「…/////」




橘「…素敵なプレゼントありがとうございます///」テレ




陸奥「ズルい!私もいいかしら…」




似たような儀式が続いた。




長門「よし!スッキリしたぞ!橘、不知火ここの鎮守府は任せろこの長門がいる限りあいつの好きにはさせん!」




不知火「頼みましたよ?」




長門「あぁ、約束だ。」




陸奥「二人とも絶対に帰ってくるのよ!絶対よ!」




橘「はい、心得ました。」




電「寂しくなったら手紙をかくのです!楽しみにしてるのです!」




不知火「はい!」




天龍「…あっちでも作戦終わったらすぐに帰ってこいよな?寄り道なんてすんなよ?下手うって死ぬんじゃねーぞ!」




橘「はい、天龍さんもご武運を。」




天龍に別れの言葉を言い終えた瞬間橘に向かって大きな袋が飛んでくる。




橘「うわっ?!」




橘はその袋を危なくキャッチする。




叢雲「この前のはどうせ全部終わったんでしょう?5カートン入ってるわ!大事吸いなさい!あと私に感謝しなさいよね!」




叢雲「あと不知火!」




不知火「『あと』ってお前…」




叢雲「グダグダ言わない!絶対に帰ってくるのよ?そしたら今度はコテンパンにしてやるわ!」




不知火「わかりました。絶対に帰ってあなたをもう一度失禁させます。」




叢雲「アハハ!その分なら死ななそうね、頑張ってね!」




橘と不知火は船に乗り込み長門達が見えなくなるまで手を振り続けた。



ーーーーーーーーーーーーーーー

〜輸送船内船長室〜




橘「今回横須賀鎮守府まで輸送お願いします!」




不知火「陽炎型駆逐艦二番艦不知火と申します!よろしくお願いします!」




橘「改松型駆逐艦、改めて橘型駆逐艦一番艦橘です。よろしくお願いします!」




船長「ハハハ、威勢がいいな若さだな。」




副船長「……」




四十半ばぐらいで中肉中背の船長と二十歳ぐらいの筋骨隆々とした副船長に向かって橘と不知火は敬礼する。




船長「まあまあそう硬くなるな、我々はただあなた方を送り届けるだけだ。」




船長は常に優しそうな笑顔浮かべ目を細めている。




副船長「ですが!しょ…船長!」




対象的に副船長は常にムッとしたような態度をとっている。




船長「いいんだいいんだ、ずっと気の入れっぱなしだと疲れてしまうだろ?副船長くんも、もう少し緩くてもいいのだよ?」




副船長「…そうはいきません!」




船長「ん〜副船長クンそういうのが良くないよ〜、うん良くない、硬いし重っ苦しい。」




副船長「しかし…」




船長「…まぁ艦娘さん達を部屋に案内してあげて。」




副船長「…はい、わかりました。」




副船長「…おい!そこの女達!ついてこい…」




橘(そこの女って…雑…)




不知火「了解です!」




船長を一人残して一同が船長室から出て行く。




船長「…」




船長「副船長くん…あの性格以外はいいんだが…良くないな〜…なにもなきゃいいんだが…」




聞き手のいない船長のボヤキが船長室に響く。




ーーーーーーーーーーーーーーー




ドスドスといかにも憤りを感じさせる足音を鳴らしながら橘と不知火は部屋へと向かい案内される。

途中通路脇にいた3人船員に出会う。




船員1「あっ!ぐんs…!」




船員1は副船長に睨まれ思わず口が止まる。




副船長「副船長だ、良く覚えておけ。」ギロ




船員1「は、はい!すみませんでした!副船長!」




船員1が敬礼をしながら副船長を見送る。




船員1「…やっぱ怖ぇ〜…」




船員2「なんだお前また言い間違えたんか?馬鹿だな〜」




船員1「お前だって一回思いっきり軍曹ってよんだじゃねーかよ!」




船員3「そんなことよりあの少女は誰だ?」




船員2「見た見た!おにゃのこだろ!」




船員1「可愛いかったなぁ…あの桃色の髪の子…」




船員2「小生は断然黒髪ロングの子ですね。」




船員3(どっちも可愛い…)




この船に美少女がいる。という噂が船内に広まるのはそう時間はかからなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーー




副船長「お前達の装備は先に装備だけで航空機送ったそうだ、だからこの船にはない…」




副船長「なぜお前らは航空機で行かないで装備が優先されるんだ?!おかしいと思わんのかお前らは?」




不知火「私達の命よりも装備の方が価値が高いからでしょう。」




副船長「フン!これだから海軍は!」




橘「いかにも陸軍丸出しって感じだな…」




副船長「なっ?!」




橘「足運びから言動までただの輸送船員じゃないとは思ったけど…まさか陸軍だとは。」




副船長「お前!何処でそれを知った!」




橘「なんだ?本当に陸軍だったのか?そりゃ自己紹介どうもありがとうございます。」




副船長「クッ!気に食わない女だ!」




副船長「まぁいい…この船はお前らは運ぶためだけに来たんじゃない!武器も運べば医療道具も運んでいるんだ、勝手なことはするんじゃないぞ!」




橘「了解。」




不知火「承知しました。」




不知火「そういえばこの船はどのくらいで横須賀につきますか?」




副船長「…そうだな一週間しないぐらいか…」




不知火「随分とかかるんですね?」




副船長「仕方ないだろ?荷物も重量ギリギリまで積んだし、なおかつ深海棲艦のいないルートを通るからな…」




副船長「わかったら黙って船に揺られてろ、決して余計なことはするな。」




橘「わかったけどさ、」




副船長「なんだ?まだ文句でもあるのか?」




橘「あんた階級は?」




副船長「……」




軍曹「俺は軍曹だ、ちなみにさっきの三馬鹿はみな一等兵だ。」




軍曹「満足か?」




不知火「船長は?」




軍曹「は?」




不知火「船長の階級ですよ?どうせあなたより上なのですよね?」




軍曹(出来るだけ言うなと言われていたんだが…言わなきゃ帰してもらえそうにねえな…)




軍曹「船長の階級は少佐だ…これで満足か?」




不知火「少佐?…なぜそんな高位の軍人がこんな…」




軍曹「無駄な詮索はしない方が身の為だ。」




副船長もとい軍曹は胸元から短刀をちらつかせる。




橘「おーこわ、これ以上はやめさせてもらいましょう。」




軍曹「そうしろ。」




軍曹「突き当たりの部屋を好きに使っていい、何度も言うが…




不知火・橘「「勝手なことするな。」」




軍曹「…よろしい。」




ーーーーーーーーーーーーーーー




〜船内橘と不知火の部屋〜




橘(どうして陸軍がこんな所に…それに身分を隠して…)




不知火「橘さん?何難しい顔して?」




橘「いや、なんでもないよ。」




不知火「そうですか?…そういえば不知火達は何のために横須賀によばれたんでしょうかね?」




橘「わからないな…」




<ゴトッ




橘「ん?」




不知火「なんでしょう?ドアの方で…」




<おい馬鹿押すな…




<俺にも聞かせろよ…




<ちょっと狭いぞお前ら…




橘「……」




不知火「……」




不知火「通路脇にいた三人組の声ですね…」ヒソヒソ




橘「…馬鹿かアイツら…」




不知火「不知火にいい考えあります。」




橘「いい考え?と言うと?」




不知火「喘ぎます。」




橘「ファッ?!」




不知火「アッ…橘さん…ソコは…ダメです…ッン!アン…ン!ふぇぇ…」ムヒョウジョウ




<おおおおお!




<エロい!エロいぞ!




<生きてて良かった…神様ありがとう…




橘が勢い良くドアを引く。




船員1・2・3「「「うわぁぁぁ!なんだ!」」」




よほどドアにぴったりと耳をつけていたのか、半ケツになった三人がとてつもない勢いで部屋になだれ込む。




橘「お前らナニしてたんだ?」ゴゴゴ




船員1・2・3(あっ…死んだ)




船員1・2・3「申し訳ありませんでした!ほんの出来心で!なんと謝罪したら…」




三人は深々とその場に土下座をする。



橘「…」




橘「…まぁわからないこともない、こうも女日照りだとそうなるのもわからなくもない。」




船員1「えっ?」




船員2「へ?」




船員3「それは本当に?」




不知火(なんで男の気持ちがわかるんだ…)




橘「あぁ本当さ、それにこのことがあの軍曹にバレたらマズイだろ?」




船員1「ぐ!軍曹にはいわないでください!」




船員2「殺される…」




船員3(なんで軍曹って知ってるんだ?)




橘「こっちのピンクが許したら私も許そう。」




不知火「不知火ですか?!別に不知火は何をされた訳でもありませんし…いいですよ?」




橘「だと。」




船員1・2・3(天使か…)




船員1・2・3「申し訳ありませんでした、このご恩必ず何処かで返します…」




橘「わかったから軍曹にバレる前にどっか行きな。」




船員3「そういえば…なぜ副船長のことを『軍曹』って知ってるんだ?」




不知火「本人に教えてもらいました。」




船員3「なるほど…どうりで…」




不知火「わかったら出て行って下さいね、一等兵殿。」




船員3(俺もバレてんのか…)




船員3「失礼しました!」




橘「とんだ来客だったな…」




不知火「全くです。」




横須賀へと向かう輸送船では、この事件と橘が船酔いでゲロを吐きまくるぐらいで、これといった問題はなく順調に進んだ。




ーーーーーーーーーーーーーーー



〜横須賀への輸送6日目〜



海の上での朝はとても寒い、強い潮風に髪をなびかせながら船員達が甲板で談笑している。



船員1「…というわけで!俺は巨乳派ですね!」




船員2「控えめな美しさがわからない可哀想な奴め…」




船員3(ぶっちゃけ顔…)




船員3(…?なんだあれ?)




船員3「…おい?アレ見ろ、なんだあれ?」




船員1「なんだよ!俺は今こいつと巨乳派貧乳派頂上決戦を……ん?」




船員2「…嘘ッ…だろ…?アレって……」


















<ドォォォォォン




輸送船の一隻突然爆発し船の真ん中から真っ二つに折れる。燃料に引火したのか二度目の大爆発を起こし跡形も無く船が吹っ飛ぶ。





船員3「敵襲ゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」




ーーーーーーーーーーーーーーー



〜橘・不知火の部屋〜




早朝橘達はまだ布団の中で寝ている、不知火はピンク色のラグジュアリー、橘は囚人服風のラインの入ったパジャマを着ている。




不知火「…ダメですよぉ…橘さぁあん…こんなところでぇ…」ムニャ




橘「ガー…ガー…」スヤスヤ





<ウォォォォォォン




腹を突き上げるような重いサイレンが船内に鳴り響く。




<敵襲!敵襲!船員は直ちに甲板に退避!繰り返す!敵襲!我々は敵の襲撃を受けている!これは訓練ではない!>





橘「?!なんだ!ウワァ?!」




橘は驚きのあまりベットから転げ落ちる。




橘「敵襲だと?おい不知火!起きろ!」




橘は不知火の身体を乱暴にゆする。




不知火「…なんですか?不知火はまだ眠いのです…ふぁ〜あ…」




橘「なにのんきなこと言ってるんだ!敵襲だ!早く甲板に行くぞ!」




不知火「えー…眠いものは眠いのです…」




不知火は寝起きが悪くまるでいうことを聞かない。




橘「おい!しっかりしろぉ!」




不知火「チューしてくれたら…目が覚める気がしますよぉ…?」




不知火は上目遣いで橘を見つめる。




橘「…ッチ!わかった!」




橘は不知火の頭の後ろに手を回す。




不知火「えへへ…」




橘「そぉい!」




橘渾身の頭突きによる鈍い音が部屋に響く。




ーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーー



ーーーー




橘「なんだ…これは…」




橘と不知火が甲板に出るとそこには地獄のような光景が広がってい

た、絶え間無く聞こえる苦痛に喘ぐ声、肉の焼ける匂い、男の怒声、四隻いた船は2隻が既に海の藻屑となり、漏れ出した燃料で辺りは火の海になっていた。




船員1「なにやってたんですか!遅いから心配しましたよ!」




橘「ごめんなさい、いろいろあって…」




不知火「……っ〜」オデコオサエ




船員2「どうしたんですそのおでこ?真っ赤じゃないですか!何処かにぶつけたんですか?!」




不知火「いえ、不知火の不徳の致すところです、お気になさらず、それより状況は?」




軍曹「見ての通り、地獄だ。」




船員1「軍曹?!」




軍曹「その名で呼ぶなと…まあいいそんなことを言ってる場合じゃなかったな。」




軍曹「我々はいま敵の襲撃を受けている、証言によるとイ級型敵駆逐艦二隻、ル級型敵戦艦一隻、これは定かではないが敵艦載機の証言もある、」




橘「敵…しかも戦艦だって?!」




橘「敵のいないルートを選んだんじゃないのか!」




少佐「まぁまぁ…そう怒らないで、せっかくの美人が台無しですよ?」




軍曹「少佐!」




少佐「残った一隻が敵を引きつけてくれています、今のうちに少しでも逃げましょう、それしか私達にはできません。」




少佐はいつもどうりの落ち着いた表情でなだめるように、しかし力強くそう言う。




軍曹「ですが!少佐!見捨てるのですか?彼らを!」




少佐「そうだ。」




軍曹「でも!あの船には!」




少佐「私は軍人だ、私情に流されるようではこの職業は務まらんよ、それに彼らとここにいる彼女達艦娘、どちらが生き残る方が日本の為か…それは彼らが一番よく知っているはずだ。」




軍曹「……」




軍曹は糸が切れたようにその場に座りこんでしまう。




不知火「…艤装さえあれば!」




橘「……」




船員1「あ…あっ…ううっ…」




少佐「泣くな、彼らに失礼だ。」




船員1「…うわあああああああ!ちくしょおおおお!」




船員1は顔をくしゃくしゃにしながら今もなお深海棲艦の囮をする輸送艦に向かい敬礼をする。




少佐「機関始動!全速前進!彼らの死を無駄にするな!」




船員2「絶対に仇はとってやる…」




船員3(………)




何の武装も持たない輸送艦は深海棲艦にまるで弄ばれるかのように一つまた一つと船体に穴を開けていく、それでも必死の抵抗を見せ、できるだけ長く、できるだけ橘達から遠くへ、という執念が伺える、橘達から輸送艦が見えなくなって少し経った後に爆音とともに大きな火柱がたった。




少佐「…逝ったか…戦友よ安らかに眠れ…」




軍曹「少佐……前方に敵の艦影発見…空母ヲ級…敵の増援です…」




船員1「ハハハ…ハハハ…もう終わりだ…」




船員2「少佐!もう船を捨てましょう!泳いで逃げればもしかしたら!」




少佐「やめておけ…」




その瞬間船員の一人が船へと飛び込む、




船員4「俺は泳いで逃げます!」




少佐「やめろ!戻ってこい!」




船員4「大丈夫です!体力には自信が…えっ…」




船員4はいきなり起きたことに反応が追いつかない、船員4の膝から下がなくなり辺りが血の海になった。




船員3「ふ、フカだ……」




船員4「ぎゃああああああ!痛い痛い痛い!助けて!軍曹!少佐ァァ!」




船員4の血の匂いに誘われ次々とフカが現れ船員4の身体を食いちぎっていく。




不知火「オェェ…オロロ…」




不知火は堪らず嘔吐する。




少佐「馬鹿野郎ッ…」





船員4「ぎゃあああ!俺の!俺の腕ガアアアア!少佐!痛いです!お願いします!殺してくだざああい!撃ってくださあああ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」




少佐「クッ…!」




<パーン




物言わぬ肉塊と化した船員4はそのまま余すことなくフカ達の腹に入った。




船員2「あっ…俺もああなる…ところだったのか…」




<後方より駆逐艦二隻、戦艦一隻接近、前方より敵艦載機接近。20分ほどで交戦域に到達します!




軍曹「詰み……か……」




橘「…軍曹さん短刀、持ってましたよね?」




軍曹「……それがどうした。」




橘「貸してください。」




軍曹「なんだ?自害にでも使うか?ハハッ…」




橘「いえ、戦います。」




軍曹「ふざけるな!」




橘「ふざけているのはお前だ!負けると分かったらすぐに諦める、それでも男か貴様ァ!」




橘「いいから黙って貸せ!」




軍曹「こんななまくらじゃ、すぐに折れるさ…」




橘「刀が折れたらぶん殴ってやる!腕が千切れたら、蹴っ飛ばしてやる!足が千切れたら噛み付いてやる!女だからと馬鹿にするな!増援?上等だ!まとめてかかってこい!俺が相手だ!」




軍曹「お前……」




不知火「橘さん……」




船員1「……自分より年下の女の子がここまで言ってるんだ、ここでやらなきゃ男が廃るぜ!」




船員2「小生の本気見せてやるよ…」




船員3「勝つ、勝って無事に帰る。」




少佐「…待て。」




橘「?」




少佐「積荷に秘密輸入したドイツの兵器がある、あくまで通常兵器だ何処までやれるかわからんが…」




軍曹「行くぞ!積荷のある区画まで走れ!」




船員1・2・3「了解!」




橘「……」




不知火「私達も行きましょう!」




軍曹達は走って船内へ消えた。




少佐「…すまない…皆…私のせいで…」




少佐は冷たい潮風を全身に受け甲板で一人立たずむ。




ーーーーーーーーーーーーーーー

〜積荷のある倉庫区画〜




橘「こ…これは…なぜこんなものが!」




不知火「凄い…武器の量…」




橘の目の前には木箱に入れられた大量の武器があった。




橘(何故ドイツからこんなにも輸入を…)




軍曹「おい!時間が無いぞ!早く運べ!」




船員達は素早い手つきで箱を破壊し、中の武器を取り出す。




船員1「かっけぇ…機関銃だ…狙撃銃もある…」






船員2「こっちには手榴弾もあるぞ!」





船員3「グレネードランチャー……」




橘「自分達が運ぶ物なのに知らなかったのですか?」




軍曹「ああ、基本少佐以外誰も知らないし、知らされていない、この船はそう言うきまりだ。」




軍曹「各員武器に弾薬を補充したら即時甲板に戻って戦闘体制を維持しろ!」




船員1「準備完了!甲板に移動します!」




船員1は声を張り上げ軍曹に敬礼をし走っていく。




船員1「っ?!いてっ!」




船員1は途中の段差に足をかけて転ぶ、そのまま勢いで木箱の山に突っ込む。




<ドシャアア




積み上げられた木箱は勢いよく崩れる。




軍曹「何をやってんだ馬鹿野郎!」




船員1「すっ!すみません!」




不知火「……なんです……これ……」




崩れ落ちた木箱の奥から『それ』は現れた。




ーーーーーーーーーーーーーーー

〜甲板〜



<敵駆逐艦二隻、敵戦艦一隻後方より高速接近!あと20分しないで戦艦の有効射程距離です!>




圧倒的不利を告げる艦内放送がはいる。




<前方より敵艦載機接近!5分ほどで交戦域に到達します!>




少佐「……」




少佐は膝をつきただ呆然と海を眺めている。




少佐「……すまない……」





軍曹「少佐!ただいま戻りました!」



軍曹は肩に銃を掛け、体中に弾薬を巻きつけ手には何やら部品を一部を持っていた。




少佐「…軍曹クン?!なんだそれは!」




軍曹「倉庫にあったんで分解して持ってました!」




少佐「分解?!アハトアハトか!無理だ軍曹クン!アハトアハトをここで撃ったら反動でアハトアハトは海に落っこちるぞ!」

(アハトアハト/8.8cmFlak:8.8cmの対空、対戦車砲)




軍曹「ボルトと溶接で船に直接固定します。」




少佐「なっ…」




軍曹「お前ら組み立て急げ!」




船員一同「了解!」




船員達はガチャガチャと工具を取り出し組み立て、溶接を始める。




少佐「…ハハッ…即席の主砲を輸送船に取り付けるだと…聞いたこと無いぞ!」




軍曹「俺もあのクソガキに言われるまで思いもしませんでしたよ…」




そう言って軍曹は橘に目を向ける。




軍曹「戦いましょう!志半ばで死んだ奴らの分まで!」




少佐「……そうだな、よし!皆その場でいいから聞け!」




船員達が動きを止め鋭い目つきで少佐を見る。




少佐「もう既に三隻の輸送船が我々を、いや!ここにいる彼女らを守るために死んだ!それは我々とて例外ではない、彼女ら艦娘は人類最後の希望だ、彼女ら艦娘の盾となれ!喜んで命を投げ捨てろ!我々は今から通常兵器での対深海棲艦への反抗作戦を開始する、各員一層奮闘せよ!」




船員一同「了解!」




空気を震わせるほどの声を海に響かせる。




<敵機来襲!戦闘機です!二時の方向!>




空を覆い尽くすほどの敵機が輸送船に向かって飛んでくる。




船員1「機関銃を持っている奴はついて来い!ハエ共を叩き落とすぞ!」




機関銃を持った船員1達が艦首に集まり陣形を組む。




船員1「落ちろ!落ちろォォォォ!」




<パパパパパパパパ




敵機からも雨のごとく弾丸が降り注ぐ、負けじと船員も打ち返した。船と敵機の間を無数の弾丸が飛び交う、弾が命中し次々と敵機は火を吹いておちる。船員もうめき声を上げバタバタと倒れていく。




船員1「グッ!……まだまだァァァァ!」




船員1の体も多数の弾丸に貫かれる。フラつく体に鞭をうち、がむしゃらに空へと射撃を行う。




船員1(寒い…体の感覚がねえや…ハハッ…まいったな…)




船員1の機関銃の弾が尽きるのと同時に最後の敵戦闘機は海へと落ちた。




船員1「……ざまぁ……みやがれ……」ドサッ




冷たい灰色の甲板を紅く染め、船員1は動かなくなった。




<敵機直上!>




爆弾を抱えた敵の艦載機が輸送船の真上で爆弾を投下する。




不知火「いつの間に?!」




敵機から投下された爆弾がヒューと高音を上げながら輸送船に向かって落ちる、乗組員ほぼ全員が爆発の衝撃に備えその場にしゃがむ。




不知火「当たれええええ!」




不知火は落ちてくる爆弾に向かい機関銃を両手に持ち引き金を引く、機関銃は軽快な発射音で吠える。




<ボォォン




不知火の撃った弾丸が爆発を捉え間一髪で空中で爆発する。




不知火「あ、当たった……」




<艦爆接近!このままだとまた直上にきます!>




船員2「弾幕張れ!撃て撃て!銃身が焼き切れるまで撃ちつづけろ!」




敵艦爆は不規則な動きで弾幕をするりと抜ける。




船員2「嘘だッ…なんだあの軌道…」




敵艦爆は艦の直上に到達し爆弾の投下体制に入る。




橘「させるかァァァァァァァ!」




橘は手榴弾のピンを抜きそれをサッカーボールのように蹴り上げる。




<ドォォォォン




橘の蹴り上げた手榴弾は艦爆の高さまで上がり爆発する、艦載機の抱えた爆弾に誘爆し敵機を一掃する。




橘「ヨッシャァ!」ガッツポーズ




<敵艦攻接近!空母ヲ級の艦載機運用数からみてこれが最後の艦載機群です!>




軍曹「マズイぞ…敵駆逐艦と敵戦艦もきやがった…」




駆逐イ級は我先にと全速力で輸送艦に向かってくる。その後ろからゆっくりと戦艦ル級が近づいてくる。




軍曹「戦艦の主砲をまともに食らったら終わりだ!死んでもよけろ!」




船員3(死んでも…か…)




少佐「本艦はこれより魚雷回避のため不規則な運動を行う!振り落とされるなよ!」




前後を敵機と敵艦に挟まれる形に追い込まれる。




船員3「12時の方向!真正面から艦攻接近!魚雷投下しました!回避お願いしまあああす!」




少佐「了解!取り舵いっぱい!」




船は船体を曲げ紙一重で魚雷をかわす。




少佐「っぶねー…」




軍曹「8時方向に航跡!魚雷接近!」




少佐「8時方向?!避けられない!各員対ショック姿勢!」




船員3「任せろ…」




船員3はグレネードを海面に向かって撃ち込む。




<ボォォォォォン




魚雷は艦まで届く前に大きな水柱をたてた。




船員2「敵艦攻が逃げるぞ!」




船員2「また魚雷を補充して反復攻撃するきだぞ!」




橘「逃がすかよ…」




橘は息を深く吐き狙撃銃のスコープを覗き込む。




橘「そこだっ!」




<パァァン




橘の放った弾丸は艦攻のど真ん中を貫き艦攻は爆散する。




橘「…ふぅ〜」




<敵機全滅!敵艦載機の脅威は排除されました!>




船員達が歓喜の声を上げる。




船員2「艦載機がいなきゃ空母なんざただの的だぜ!」




船員2が高らかに勝利宣言をした瞬間、船体が嫌な音をさせて軋む。




少佐「なんだ?!」




<駆逐イ級に撃たれました!左舷後方に被弾!浸水発生!>




船が傾き沈み始める。




少佐「ダメコン急げ!左舷後方隔壁閉めろ!右舷に注水!平行に戻せ!」




少し経つと少佐の命令通り、艦は平行に戻る。




軍曹「アハトアハト設置完了!いつでも撃てます!」




少佐「よし!標準を敵駆逐艦に定めろ!」




軍曹と数人の船員がアハトアハトの向きを駆逐イ級へと向ける、




軍曹「ってぇぇぇ!」




<ボォォォン




アハトアハトは轟音を上げ船を大きく揺らし駆逐イ級に向かい火を吹く、巨大な薬莢が吐き出され危うく軍曹に当たりかける、吐き出された砲弾は水面を裂き吸い込まれるようにイ級に命中する。




軍曹「…なんて威力だ。」




不知火「これならイケる!」




砲弾をまともに食らったイ級は跡形も無くその身を四方に散らした。




少佐「動きを止めるな!次が来るぞ!」




少佐の宣言通りもう一隻のイ級が輸送艦に高速で近づく。




軍曹「次弾装填完了!撃てえええ!」




<ボォォォン




イ級は急激にスピードを落とし砲弾を避ける。




軍曹「なっ?!止まった?!」




<ボンボン




イ級の口の中から砲がせり出し、船を砲撃する。砲弾は機関部を破壊する。




<機関部損傷!出力低下!>




みるみるうちに船の速度は落ちていく、後方から追撃してくる影もだんだんと大きくなり、自然と死を覚悟させる。




少佐「マズイ…マズイぞ…考えろ!考えろ!」




少佐はガタガタと震える体を抑え、思考を巡らす。




しかし敵は考える間も与えず攻撃してくる、イ級が急接近し後部甲板に乗り上げる。




船員3「えっ…?」




船員3達は目の前に広がる駆逐イ級の姿にただ呆然と見ていることしかできない。




船員2「馬鹿野郎!逃げろおおおお!」




最後の言葉も言う暇を与えずイ級の口から放たれる砲弾が後部甲板を焼き尽くす、後部甲板は丸焦げになり船員3達は元からそこに置いてあったようなオブジェのように炭化した。




船員2「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!ちくしょおおおおおおお!」




軍曹「おい!何をする気だ!」




橘「やめて下さい!」




船員2は持てる限りの弾手榴弾を体に巻きつける。橘がやめさせようと腕を掴む。




船員2「小生なら大丈夫ですよ、そんなことより絶対に生きて下さいね?生きて国を、小生達の仇とって下さいね?お願いしますよ。」ニコ




橘「……」ゾッ




先程までに取り乱し様が嘘のように爽やかに笑い橘の手を払いのける、軍曹と少佐に軽く敬礼をすると全力で機首から後部甲板まで走り抜ける。



橘(…なぜ…あんな顔が…できるんだ!)




軍曹「やめろおおお!」




船員2「深海棲艦め!糞食らえだ!」




船員2はその勢いのままイ級の口に飛び込み手榴弾のピンを抜く。




船員2「ばんざあああああ




言い終わるより前にイ級口の中で船員2の体が弾ける、




<ボン




イ級の口内で爆発の音が鈍く響く、イ級はそのままブクブクと音を立て海中へと姿を消した。




硝煙と人の焼ける匂いが入り混じった空気だけが残された者たちが感じられる戦友の亡骸だった。





この船に、もはや敵戦艦を相手取って戦おうという考えの人間は誰一人いなかった。皆の目は穴だらけになった者、丸焦げになった者、バラバラになった者を写し自身の未来を想像する。




<機関部完全停止…>




超低速ではあるが前進を続けていた輸送艦が遂に完全に活動を停止する。




少佐「……私は貴官らと最後まで共に戦えたことを誇りに思う……」




軍曹「…」




不知火「…」




橘「…」ムクッ




橘はいきなり立ち上がりフラフラと歩き始める。




不知火「…橘さん?何を…」




橘「…俺にはまだ体がある、弾がある、それを撃つ機械もある…だったらやることは決まってんだろ…」




橘はアハトアハトに弾を装填する。




軍曹(無理だ…あの威力では戦艦の装甲は…)




橘「くたばれバケモノ…」




橘は標準を徐々に接近するル級に合わせ引き金を引く、轟音と共に吐き出され砲弾はル級に直撃しあたりに大きな水しぶきをたてた。




橘「みんなを返せ…お前らが殺した…みんなを返せええええええ!!!」




橘は怒りに身を任せ次々と砲弾を撃ち込見続ける、砲弾の衝撃によってできた飛沫によって辺りに霧がかかる。




橘「まだだ!こんなもんじゃ足りない!もっとだ!!」




それでも橘は撃ち続ける、失った悲しみを消し飛ばすように。





絶え間無く撃ち続けたアハトアハトにも限界が訪れる、砲弾を撃った反動でボルトが外れ、溶接は砕け、アハトアハトはそのまま海へと転げ落ちる。




橘「クソッ…」




橘は海中に沈みゆくアハトアハトから目をそらし、霧の中のル級へと視線を戻す。




橘(さすがに戦艦といえど…あれだけ撃てば…)




橘の期待をあざ笑うかのようにかすり傷一つつけることなく颯爽と霧を裂きル級が現れる。




橘(嘘…だろ…)




橘はガクリとその場に座り込む。




ル級が全砲門を輸送艦に向ける、ル級の砲口が紅く煌めく。




橘「ちくしょおおおおおお!!!!!」




橘は己の無力を呪った、橘は握りしめた拳を何度も何度も鋼鉄の地面に打ちつけた、灰色の甲板が真っ赤になるまで殴り続けた。




橘「貴様ァァァァ!絶対に許さない!絶対に殺す!ウワアアアアアアアアア!」




不知火「橘さん!やめて下さい!もう…もう…グスッ…」




不知火は橘に抱きつき橘を止める。




<ドォォォン




ル級から砲弾が発射される。




橘「クソォォォォ!!!!」




橘以外の船員は全員目をつむって最後の時を待った、ただ一人橘だけは自分を殺す『ソレ』を死んでも忘れないよう瞬き一つせず睨み続けた。























不思議なことが起きた、直撃寸前に砲弾が進路を変えのだ。




?「まったくうるさいわよ…私はこんなグズに負けた覚えないのだけれど?」




折れてしまいそうなくらいに線の細い体、潮風になびく蒼く長いさらりとして艶のある髪、赤みを帯びた宝石のような瞳、相手を小馬鹿にするような挑発的な口調。




橘達は考えるより先に喋っていた。




橘・不知火「「叢雲?!」」




叢雲「ハイハイ感動の再会は後でね?チャチャっと片付けて来るからそこで泣きながら見てなさい!」




叢雲はル級へと一直線に向かう。




不知火「相手は戦艦ですよ?!あなたは…




叢雲「馬鹿にしないで、何もないあんたより役にたつわよ。」




不知火「なっ…」




橘「……ハハハ!相変わらずだな…」




不知火「ですね…フフッ…」




接近戦を挑もうとする叢雲をル級が簡単に近づけるわけもなくル級は轟音を鳴らし叢雲に全砲門で砲撃をする。




叢雲「遅いわね!」




叢雲はそのままの勢いで跳躍、ル級の頭上を体を捻りながら飛び越える、と同時に砲撃をル級の頭上に叩き落とす。




ル級はいきなり目の前から敵が消えると同時背中に強い衝撃を受けたことで軽くパニックをおこす、




叢雲「さすが戦艦ね弾が弾かれちゃうわね…でもッ!」




叢雲はル級の背中に着地する、そのままル級の首に足を巻きつける。ギリギリと音をたててル級の首が絞まる、苦しいのだろうか、ル級は必死でもがき苦しむ。




叢雲「終わりよ。」




叢雲はル級の後頭部に殴りつけるように連装砲を構える。




<ドン




ル級の頭は粉々に吹っ飛ぶ、叢雲は返り血をもろに浴びる。




叢雲「…うっわ…血まみれじゃないの…サイアク…」




叢雲は服に着いた肉片をある程度払い落とすと何事もなかったかのように輸送船に目をやる。




叢雲「どーよ?」ピース




橘「むらくもおおおおおおお!!!!!」




不知火「ほんっと!死ぬかと思ったんですよ!もっと早く来てくださいよ!」




叢雲「これでも飛ばして来たのよ!うるさいわね!」




<ワーワーギャーギャー…


ーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーー



ーーーー




少佐「あれが海上の女神…我ら人類の最後の希望艦娘か…恐ろしい程強いな…」




軍曹「まったくです…」




お互いの無事を喜び会っている橘達を横目に少佐達は重々しくため息をついた。




汚れちまった艦娘にプロローグ終了




横須賀鎮守府近海にドボンドボンと音をたて元戦友だったモノを海低へと沈めていく。




少佐「わざわざ奴らの葬儀までしてもらってなんて感謝したらいいか…」




橘「いえ、彼らがいなければ私たちは今頃生きていません…」




不知火「…すみません…何もできませんでした…」




叢雲「……」




叢雲(もっと早く来ていれば…クッ!)




軍曹「やめろ、悔やんでもあいつらは生き返らないし、あいつらもそんなこと望んでないはずさ。」




軍曹「あいつらの分まで生きろ、生きてこの戦争を終わらせてくれ…」




橘(一番辛いのは軍曹達だろうに…)




橘「了解しました!横須賀鎮守府までの運送ありがとうございました!」




不知火「ありがとうございました!」




二人は涙で目を真っ赤にし、敬礼を返した。




少佐「うむ…それでは…」




軍曹「達者でな。」




軽く敬礼を返すと少佐達はこの場を後にした。



ーーーーーーーーーーーーーーー

〜横須賀鎮守府〜




叢雲「まったく…通常兵器でよくもまあ深海棲艦に喧嘩売ったわね?」




橘「さすがにアレは死んだと思った…」




不知火「これからの移動は絶対空路にしたいです。」




橘「…そういえば叢雲?」




叢雲「な、なによ?」




橘「なんで助けに来たの?」




叢雲「は?助けに来るなっていいたいわけ?!」




橘「そうじゃなくてさ?なんでわかったのさ?」




叢雲「ウグッ?!」




不知火「不知火も気になります…」ジト




叢雲「…はぁ〜…いいわよ言うわよ…」




叢雲「あのデブ提督聞いたの!で教えてもらってここまで来たのよ!」




橘(あの性格でよく素直に教えてくれたもんだな…?相当うまく交渉したのか?)




不知火(聞く…?教えてもらった…?)




不知火(あっ…これは体に聞きましたね…間違いない…)




叢雲「なによその目は?まさか疑ってるんじゃないでしょうね?」




疑惑のジト目がなおも叢雲に向けられる。




叢雲「あんったら!




<あれ?叢雲じゃない?どうしてここにいるのよ?




叢雲渾身の怒声は無垢なる疑問文にかき消された。




叢雲「誰よ!今大事n……ぼっさん?ぼっさんじゃない?!久しぶりね?!」




曙「曙よ!あ!け!ぼ!の!」




叢雲「いいじゃない?ぼっさんはぼっさんよ?」




曙「なんですと!!!このムラムラ!!!」




叢雲「ムラムラ…ですって?!もう許さないわよ?!」




橘(こりゃまた濃い奴がきたな…)




ーーーーーーーーーーーーーーー

〜横須賀鎮守府某所〜




少佐「おい待て貴様。」




横須賀提督(以後Y提督)「なんでしょう?」




軍曹「あん?なんでしょうだと?ぶっ殺すぞてめえ?」




Y提督「やだやだ…これだから血の気の多い陸の猿は嫌いなんですよ…」




軍曹「もう一回言ってみろ!」




少佐「軍曹!」




軍曹「……すみません……」




Y提督「躾けはちゃんとしておいてくださいね?大佐?アッイケネ今は少佐殿でしたっけ?」




少佐「……」




少佐「…ああ、君に虚偽の報告をされて階級が下がったよ…」




少佐「…今はそんなことを話に来たんじゃない。」




Y提督「というと?」ニヤニヤ




少佐「君の鎮守府から安全だと言われたルートを通って来たんだが?」




Y提督「それで?」ニヤ




少佐「見事に深海棲艦が居て部下が死んだ!」




Y提督「尊い犠牲だ……ッブ!アハハハwwwwもう限界wwwこんなん笑っちゃうに決まってるだろwww」




軍曹「下衆めッ…」ギリッ




少佐「なぜそんな嘘をついたんだ…?」ブルブル




Y提督「そんなの簡単さ?君たちに死んで欲しかったのと、ある一定の範囲の制海権をとっていると上に報告すると給料が増えるんだ!だから今回は嘘の報告をしたんだ!」




Y提督「まぁ君たちの無能な部下が私の私腹を肥やすんだから光栄でしょ?」




軍曹「許さない…一回殺して生き返らせてもう一回殺す…」カチャ




軍曹が剣を構える。




<ターンターン




銃声が鳴り響き軍曹が崩れ落ちる。




少佐「なっ?!」




Y提督「一人だと思ったの?やっぱり馬鹿でしょ?」




物陰からぞろぞろとコートに身を包んだ人間が現れる。




Y提督「こいつら全員陸軍にいい思い出が無い奴らでさぁ…どうしてもって言うから連れて来ちゃった…アハハ!」




少佐「敵は人間だったか…」




<パン




銃弾が少佐の体を貫き、少佐もその場に崩れ落ちる。




Y提督「荷物配達お疲れ様、あの子たちは僕が責任を持って…アハハハ!まあ楽しみにしといてよ、じゃあね。」




<パンパンパンパンパンパンパン




Y提督は既に生き絶えた少佐の頭を地面に押し付けるように踏み付け何度も体に弾を撃ち込んだ。



Y提督「ふぅ…スッキリしたぁ…」




Y提督「これからは忙しくなりそうだな!」




Y提督は部下に死体の片付けを命じると心から楽しそうにそう言い放った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーー






橘「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」




顔を真っ青にし口から泡を吹き苦しそうにもがき崩れ落ちる不知火、暴虐の限りを尽くされすでに息絶えた叢雲、首の骨が折れ頭をガクガクと揺らしながら提督に犯される橘であった屍肉。それらを上から見下ろす形でもう一人の橘はその惨劇を見ていた。




橘「なんでだ…どうしてこうなった…」





???「全く酷い有様だ…」





橘「これは…なんなんだ?お前は…誰だ!!!」





???「これは実際に君とその仲間におきたことじゃないか?」




橘「嘘だ!!」





???「私が嘘をついてどうするんだい?」




橘「そんな…そんな…」




???「これが現実だ受け止めたまえ。」




橘「お前は!お前は誰だ!この惨劇を見てなにも思わないのか!!」




橘は透明なガラスのような板の上から惨劇の起きている部屋を覗いている。




???「なにも思わないわけじゃないさ…おっ?不知火が死んだな。」




橘「なっ?!」




不知火はビクンと大きく震えるとそのまま動かなくなった。




???「まぁ長く苦しむよりは…」




橘「黙れ!!!」





橘「お前は…誰なんだ…。」




???「私の名前はそこまで重要じゃないさ?それより君はどうするんだい?」




橘「どうするってお前…」




???「質問が悪かったかな?じゃあ質問を変えよう、君はどうしたいんだい?」




橘「俺は…俺は…」
























ーーーーーーーーーーーーーーー




〜横須賀鎮守府作戦会議室〜




作戦会議室に所狭しと艦娘が並んでいる。




橘「わざわざこんな人数集めてどうすんだ?」




不知火「提督がきましたね…」




Y提督「わざわざ遠くから皆よく集まってくれた!」




Y提督「単刀直入に言おう、近々深海棲艦への反抗作戦を開始する!」




反抗作戦と聞き驚き隠せない様子の艦娘達がザワザワと話し始める。




Y提督「言うまでもなく強敵だ、皆準備を怠らないように!以上だ!解散!」




Y提督「あっ?!駆逐艦の子達はちょっとまって!」




戦艦、空母、重巡、軽巡と次々と退出して行く。




Y提督「君たち駆逐艦には六隻編成で本体より先に現場に向かってもらう、前哨戦だけあって気合を入れてくれ!」




駆逐艦一同「了解!」




Y提督「よろしい!解散!」




駆逐艦一同はぞろぞろとへやを出て行く。




橘「随分大仰な作戦だな…」




不知火「まぁ気を抜かず頑張りましょう!」




橘「だな!」
















橘が死ぬまであと2日



〜駆逐艦寮〜



橘「どうも、ブルネイからきました。橘と言います、今回の作戦はお互いに協力して頑張りましょう。」




不知火「不知火です。ご指導ご鞭撻、よろしくです。」




夕立「こんにちは、白露型駆逐艦「夕立」よ。よろしくね!」




曙「特型駆逐艦「曙」よ。よろしくね。」




吹雪「はじめまして、吹雪です。よろしくお願いいたします!」




五月雨「五月雨っていいます! よろしくお願いします。護衛任務はお任せください!」




曙「…って感じよね?自己紹介なんて?」




不知火「まあそうですね。」




夕立「でも駆逐艦だけで編成って珍しいっぽい?」




吹雪「いいじゃないですか?!その分頑張っちゃいますよ!」




五月雨「私も!私も頑張りますっ!」




吹雪「あのー…橘さん?」




橘「ん?」




吹雪「間違いだったら申し訳ないんですが…」





吹雪「ブルネイから来たんですか?」




橘「そうだけど?」




吹雪「これ知ってますか?」ピラ




橘「何これ?」




吹雪は一冊の雑誌を取り出す。




不知火「なんです?これ?」




曙「はぁ?知らないの?『週間鎮守府』よ?」




不知火「シラヌイ」キリッ




曙「ブホォ!!!」




橘「ちょっwwwwおまっwww」




不知火「えっ?そんなに…?」




曙「……ゴホン!要するに格鎮守府のニュースが掲載されてるのよ!」




曙「で!その記事の中のここ見てみなさいよ!」




橘「ん?なになに〜『大本営の教える絶対にバレない嘘のつき方?』」




不知火「これじゃないですか?『ブルネイ提督瀕死?!一体誰が?!』って…これ…」




橘「えぇ…あのデブなにしでかしたんだ…」




曙「違うわよ!鈍臭いわね!」




橘「『道中夜戦怖すぎワロタwww』ってやつ?」




不知火「『7.7mm機銃で軽巡沈タッタwww(画像あり)』でしょう?」




曙「あー!もう!これよ!」




曙はそう言って小さな記事を指す。そこにはブルネイ鎮守府の大規模演習結果が載っていた。




橘「…これがどうした?」




曙「本当にしらないのね?」




曙「ここには名前まで詳しく載ってないけれど、足柄を大破させたのって駆逐艦なのよ?凄くない?!素手でよ?!」




曙「私達駆逐艦の中じゃちょっとした英雄みたいなものよ?私達でも重巡の相手ができるって勇気がもらえるじゃない!」




橘「あっ…そうなの…」




不知火「なんなんですか?これは?」コソ




橘「俺が知るわきゃないだろ…」コソ




橘(めんどくさいことになりそうだな…)




曙「なにコソコソしてんのよ?」




橘「いやなんでもないです…」




曙「ともかく!この無名の駆逐艦があたしたち駆逐艦の理想なのよ!」




不知火「理想も何も目の前に…」ボソ




吹雪「えっ?!やっぱり橘さんがこの記事の駆逐艦なんですか?!」




橘「えっ…っとまぁ…」




吹雪「すっすごいいいいい!!!こんなとこで伝説の駆逐艦に出会えるなんて?!」




夕立「じゃあ不知火ちゃんもそのうちの一人ってことっぽい?!凄い!」




曙「嘘っ…でしょ…」




五月雨「今度お話聞かせて下さい!あとサイン下さい!」




橘「えっ…ちょっ…」




橘は歓喜の波にのまれる。




不知火「ドーモ曙サン、あなたの理想である駆逐艦不知火です。」ニタ




曙「ばっ?!馬鹿ッ!」カオマッカ




不知火「アハハ!」




曙「笑うなあああああ!!」




このあと曙に間宮のアイスで機嫌を治すのに苦労した。























橘が死ぬまであと1日





〜作戦当日〜



橘「さてっと…いきましょうか。」




橘(駆逐だけの作戦…か…)




不知火「ええ、みなさん準備は?」




吹雪「問題ありません!」




五月雨「大丈夫だよ!」




夕立「夕立も大丈夫っぽい!」




曙「おーけー」




橘「よし!これより敵艦隊の偵察にいきます、あくまで偵察だけです、情報によると特に問題無しとのこと、油断、無理、せずいきましょう!」




一同「了解!」




6人の缶が煙を吐きゆっくりと水平線へと進んでいった。




Y提督「……」




Y提督は執務室の窓から橘達を見下ろしていた。




Y提督「何人帰ってこれるかな?」ニヤリ





夕立「ふぃ…疲れたっぽい…」




橘「そう?みんなは?」




不知火「不知火は大丈夫です。」




曙「私もよ。」




五月雨「もっちろん私は元気です!」




吹雪「私も…大丈夫…です…」




橘(ダメっぽいな…)




夕立「もー休憩にしたいっぽい!」




橘「じゃもう少し頑張ったらね。」




夕立「え〜!橘ちゃんの意地悪〜!」




橘「まぁまぁ…」




夕立「しょうがないから頑張るっぽい…ん?なにこれ?」




<カツン




夕立の足に丸い鉄球のようなものがぶつかる。




橘「?!夕立ィ!?」




夕立「えt




<ボン




夕立の身体がバラバラになって飛び散る、血の雨と臓器のシャワーで辺りを紅に染めた。




橘「そんなッ?!機雷だと?!」




不知火「夕立さん…そんな…」




五月雨「えっ?えっ?は?」




曙「クソッ!」




吹雪「イヤァ…イヤアアアアアア!!!!」




橘「落ち付け!吹雪!」




吹雪「嫌!死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないシニタクナイシニタクナイ!」




吹雪は勢いよく逃げてしまう。




不知火「パニック状態です!なんとかしなk」




<ボン




グチャリと音を立てて吹雪の上半身が橘達の所へ帰って来た。

濁った目を涙で一杯にし、泣きそうな顔のまま彼女の時間は止まっていた。




橘「……」




不知火「…帰りましょう…」




曙「何よ…これ…」




五月雨「どうして皆さんそんなに冷静でいられるんですか!どうかしてますよ!」




橘「うるさいぞ五月雨」




五月雨「仲間が二人死んでるのに!なんで!」




橘「黙って。」




五月雨「いいえ!黙りません!どうして涙の一つも出ないんですか?!」




五月雨「あなた方はそんなにッゴホッ!ガッ!」




不知火の拳が腹に食い込む。




五月雨「…」ガクッ




不知火「ごめんなさい…」




橘「不知火ありがとう…」




不知火「いえ…」




橘「曙さんは?大丈夫?」




曙「大丈夫じゃなかったら私もなぐられるんでしょう?それに誰か死ぬことぐらいわかってた…」




不知火「……」




橘「…そうか…」




曙「だってそうでしょう?練度の低い駆逐艦が捨て艦作戦に使われただけでしょ…」




橘「…」




ーーーーーーーーーーーーーーー

〜鎮守府〜



<駆逐隊帰投しました




Y提督「吹雪と夕立は?」




橘(白々しいな…クソ野郎が…)




不知火「…」




Y提督「…そうか…五月雨のその状態は?」




曙「パニックになりかけたから気絶させて来たのよ。」




Y提督「そうか…ご苦労、橘と不知火は話があるから執務室に来なさい。」




橘「…はい…」




不知火「了解です。」


























橘が死ぬまで五分前



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


任務の報告を終えた曙が廊下をとぼとぼと歩いている。




曙「……」




??「曙!」




曙「…っ?!」




叢雲「大丈夫?」




曙「…なんだ…叢雲か…」




叢雲「むっ?!『なんだ』とはなによ!」




曙「…」




叢雲「…あんた……吹雪と夕立は…」




曙「言わないで…」




叢雲「っ…ごめん…」




曙「…いいのよ私こそ…」




曙「先に言わせて…ありがとうね叢雲…」




叢雲「な?なによ?改まって!気持ち悪いわね!」




曙が小走りで叢雲に駆け寄る。




<ドサッ




曙はそのまま叢雲に抱きつく。




叢雲「?!……辛いわよね……」




叢雲も曙の腰に手を回す。




曙「……ごめんなさい……ごめんなさい叢雲…」




曙は顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくる。




叢雲「…そんな…あんたが謝るこt




<サクッ




叢雲「………えっ?」





〜執務室〜




Y提督「まぁ…座ってくれ。」




橘「はい。」




不知火「失礼します。」




Y提督「これでも飲んでてくれ、金剛からのいただきモノだ、味は保証するよ。」




Y提督はそう言って紅茶を二人に差し出すと、資料の山をかき分けに席を立った。




不知火「…いい香り…」




橘「だな…」




二人は紅茶に口をつける。




Y提督「これだ、見つかった。」ピラ




Y提督は一束の封筒を机の上に置きそれを広げた。




橘「なんです?これ?」




Y提督「…これは今回の大規模反抗作戦の文章だ。」




不知火「上層部からの伝達、武装の一覧、備蓄資材の調達記録…これって…」




Y提督「ああ…極秘資料だ…」




橘「なぜそんな大切な物を私たちに?」




Y提督「…今回の作戦には無理があった…それをわかっていて…俺は…」




Y提督「その償いだ…」




橘「提督…」




Y提督「気の済むまで見てくれ…現場の君たちの方がこの情報を役に立てることができるはずだ。」




不知火「ですが!こんなこと上に知られたら!」




Y提督「いいんだ!いいんだ…たかが俺の命一つ…部下も守れないで…だから頼む見てくれ、もう二度とこんなこと…」




橘「……では失礼して。」ペラペラ




橘(これは…凄いな…各鎮守府ごとに艦娘がリストアップされている、戦闘から補給まで細かく…これは?!)




橘「不知火、ここ。」




不知火「?!さっきの作戦の司令書?!」




Y提督「そうだ…あの海域には機雷があることを上層部は知っていた、知っていてお前達を行かせたんだ…」




橘「…クソッ!なんだって?!ここの司令書を見る限りじゃ『コスト削減の為駆逐艦を使用せよ』だと?!ふざけるな!私たちは数字でしか見られていないのか?!」




Y提督「すまん…」




不知火「…提督が謝ることではありませんよ…」




Y提督「…ありがとう…」




Y提督「さて、時間だ。」




Y提督は橘の手に握られた資料を取る。




橘「えっ?」




Y提督は取った資料を元の資料とまとめ封筒の中に再び入れた。




橘「提督?まだ私見たいのですが?」




不知火「不知火も…」




Y提督「いやいいんだ。」




橘「訳が分からないのですが…?」




Y提督「時間なんだ。」




橘「時間って…何の?!」




<ドサッ




不知火がその場に勢いよく倒れる。




橘「えっ?」バタリ




橘(何が?おかしい?身体がうごか…なんだ?えっ?)




Y提督「時間なんだ、『毒が体に回りきる』」




橘(毒?!なんで?いつ?…まさか?!)




Y提督「紅茶美味しかった?」ニタァァ




橘「…ク…ソ…ヤロ…」




Y提督「あはははは!!!いいねえ!いい表情だよ!」




Y提督「でもなんでこんなことって顔してるよね?それはね?」




Y提督「ほら入ってきていいぞ〜!」




<ガチャ




そこにはあり得ない姿があった。一つは身体中刺し傷だらけで絶命している叢雲。

もう一つはその屍の髪の毛を乱雑に鷲掴みしているブルネイの提督であった。(以降B提督




橘「叢雲?…う…そ…そん…な…」




B提督「ぶははは!この雌豚か?もう死んでるぜ?ぶははは!愉快!愉快!最後なんてもう泣いて許てぇ!なんて言ってたなぁ?まぁ許さねえでぶっ殺したけどな!ガハハ!ガハハハハハ!」





橘「あんた…瀕死…じゃ…」




B提督「この雌豚が散々痛めつけてくれたからな!だがもう完全復活したのさ!あといいことを教えてやる、俺とY提督は旧友でな?太いパイプがあるんだよ?」




Y提督「ってことだね。わかった?」




橘(嘘だ!叢雲が!あの叢雲が死んだ?そんな…そんな…)




不知火「グッ!ゲェ!」




不知火は顔を真っ青にして泡を吹いている。




Y提督「あっ、これ分量間違ったな…これもう死ぬな。」




B提督「嘘だろ〜マジかよ〜遊べねーじゃんwww」




B提督「あっ忘れるとこだった、お前も来いよ!」




橘(お前?まだ誰か協力者が?)




B提督に呼ばれそれは入ってきた。




橘「……なんで……なんで……」




曙「…ごめんなさい…ごめんなさい…叢雲にひどいことしたのも私…」




B提督「良く調教できてるだろ?ヤク漬にしてクスリなしじゃ生きられない体にしてやったのさ!もうヤクのためなら誰でも殺すしどんな男の上でも踊るようになったぜ!ははは!」




曙「ごめんなさい!」タッタッタ




曙は執務室から逃げるようにかけていった。




B提督「ったく勝手に出て行きやがって…後でおしおきだな。」




B提督「っとそうだ!死ぬ前に橘ちゃんにお相手頼もうかな?拒否権ねえけどなww」




橘「…黙れこの短小包茎野郎」ニヤ




橘は力なく中指を立てながらそういう。




B提督「なんだと!この雌豚のくせにいいいいいいい!!!!」




<ガスガスガスガス




B提督は体重をかけて思い切り橘の頭めがけて足を振り下ろす。




<ガスガスガスガスベキャ




Y提督「あっ首イッた。」




B提督「クソ!死にやがった!本当に使えねえやつだ!」




B提督「死んでもすぐなら平気かな?」




Y提督「うわぁ、ネクロフィリアかよ…」




B提督「うるせえ!」



ーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーー



ーーーーーー



ーー








???「という感じで君は死んだんだよ。」




橘「…」




???「五回目みるかい?」





橘「いやもういい…」




???「じゃあどうするか決まったんだね?」




橘「ああ…決めたよ…」




橘「俺はーーーーー」




???「そっか…それはそれなりに辛い世界だと思うよ?」





橘「いいんだもう決めたんだ…」




???「そっか…じゃあ頑張って。」




橘「ありがとう、ところで君の名前は?」




???「私の名前はあまり重要じゃ」




橘「聞きたいんだ」




???「…しょうがないな…特別だよ?私の名前はエラーn







その瞬間辺りはまばゆい光に包まれる、徐々に薄れゆく橘の意識。

































汚れちまった艦娘 END


救済のある続き書けたら書く


後書き

ここまで読んでいただき感謝の極みでございます、多くのコメント、応援ありがとうございました、コメントや応援の通知があるたび心踊ります。




一応「汚れちまった艦娘に」というSSは終わりさせていただきます。基本的に自分の書きたいSS書けたので大満足です。観覧者様にモヤモヤとかイライラとかそういった感情を抱いて貰えればこの作品は成功です。前期した通り続編出せたら出します。ここまで書けたのも全て皆様の応援とコメントのおかげです。大変ありがとうございました。
最後にここまで読んで下さったあなたに最上の感謝を。


このSSへの評価

13件評価されています


SS好きの名無しさんから
2021-02-28 22:35:43

SS好きの名無しさんから
2015-11-16 17:41:51

SS好きの名無しさんから
2015-04-11 04:38:57

SS好きの名無しさんから
2015-01-28 16:07:31

SS好きの名無しさんから
2015-01-20 05:46:57

SS好きの名無しさんから
2015-01-15 01:37:15

2015-01-14 20:39:02

白灰さんから
2015-01-14 02:44:23

minaiさんから
2015-01-12 11:31:34

クルードさんから
2015-01-12 07:35:16

SS好きの名無しさんから
2015-01-12 02:19:30

SS好きの名無しさんから
2015-01-11 22:26:35

SS好きの名無しさんから
2015-01-11 05:05:12

このSSへの応援

11件応援されています


SS好きの名無しさんから
2021-02-28 22:35:44

SS好きの名無しさんから
2015-11-16 17:41:52

SS好きの名無しさんから
2015-10-26 09:51:56

葉っぱの妖怪さんから
2015-02-26 03:04:07

SS好きの名無しさんから
2015-01-15 01:37:18

SS好きの名無しさんから
2015-01-14 02:32:08

Yorktownさんから
2015-01-12 15:02:40

クルードさんから
2015-01-12 07:35:19

SS好きの名無しさんから
2015-01-12 02:19:34

SS好きの名無しさんから
2015-01-11 22:26:38

SS好きの名無しさんから
2015-01-11 05:05:08

このSSへのコメント

17件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2015-01-11 05:06:01 ID: bAikHVZL

船員たちのキャラがとてもいいと思いました。
これからもがんばってください

2: カチューシャ二世 2015-01-11 08:48:45 ID: 026c0O76

曙はまだかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!

3: SS好きの名無しさん 2015-01-12 00:59:33 ID: MSVGpcO9

船員4「おれは、黒ロングだな」

4: SS好きの名無しさん 2015-01-12 02:20:23 ID: 4mWj0Df1

毎度毎度楽しみすぎて毎日更新を確認してますはい。どうか次回作もよろしくお願いしまする。

5: SS好きの名無しさん 2015-01-12 10:05:00 ID: 4-2nLA2m

陸軍が海軍よりかっこいい‥‥だと?

6: SS好きの名無しさん 2015-01-12 15:31:11 ID: uLXLXgJ0

船員4のこと書いたら死んでたでござる

7: SS好きの名無しさん 2015-01-20 08:21:45 ID: gbkN64jK

これは軍の黒いところだな、橘はかてるといいな

8: SS好きの名無しさん 2015-01-21 10:01:17 ID: HB7Nu_eq

少佐ぁぁぁぁぁぁ!!

9: SS好きの名無しさん 2015-01-23 23:01:52 ID: NY9ZKt8n

少佐ときくと諸君私は戦争が(ry がでてくるw

10: 拒むことを知らない糞noob 2015-01-24 22:46:03 ID: UbCQy5iU

書き溜めデータ吹っ飛んだ…

11: SS好きの名無しさん 2015-01-25 04:37:18 ID: wjxB2_I-

ファ!?

12: SS好きの名無しさん 2015-01-27 17:52:06 ID: 6I1l1BCE

し、死刑宣告!?

13: SS好きの名無しさん 2015-02-22 11:21:53 ID: sUk7J6MO

救済切望

14: SS好きの名無しさん 2015-02-23 04:11:44 ID: JlolYQRT

強くてニューゲームという感じで全てを知っている橘が不知火たちと出会うところまで戻るというのはどうでしょうか?

Y提督よ。てめぇのところに仲間の姫たちを向かわせた。さっさとくたばれ

15: SS好きの名無しさん 2015-02-26 01:57:06 ID: bZYfxDFN

陸軍省と参謀本部にバレたら憲兵を差し向けられるな。

16: 拒むことを知らない糞noob 2015-02-27 00:24:32 ID: ieCZLp65

貴重なコメント参考にさせていただきます、てか5000pvいってやんのwwビビるわww


17: SS好きの名無しさん 2018-05-07 16:26:09 ID: pptu5wem

続きはどれですか?


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください