2016-11-28 06:00:06 更新

天海春香は驚いた。

確か彼女は大病を患い、アイドルを辞めたと知らされていたからだ。


春香「あなた 確か病気で引退した筈」


凛「まぁ こっちもいろいろあってね」


そういうと渋谷凛は会話を断ち切り、黒のカーディガンの胸ポケットから袋詰めされたカリ梅を取り出した。

ビリっと勢いよく袋を破り渋谷凛は、カリ梅を口に頬張った。


凛「そちらさんこそ 何でこんな所にいるのさ?」


春香「まぁ こっちもいろいろあってね」


天海春香が渋谷凛の質問をおうむ返しで返すと渋谷凛が通って来た通路から大男が、駆け寄ってきた。


大男「遅れました すまない 凛」ハァハァ


凛「遅いよ プロデューサー」


赤羽根「武内 お前 何でこんな所にいる!!」


武内「赤羽根さん お久しぶりです」


武内「あのー 状況が掴めてないのですか」


武内「起きたら牢屋に居たので」


赤羽根「俺もだ ははっ」


凛「多分 私がここにいる天海春香と対戦してアイドルマスターの称号を賭けるってことじゃない」


貴音「その通りです 渋谷様 対戦は天海様と渋谷様のお二人が戦い 勝った方がアイドルマスターの称号を手にする事が出来るのです」


春香「私 称号なんて要りません」


春香 「借金さえ返してもらえるなら 称号なんていくらでも渡します」


天海春香が交換条件を直ぐ様に受けようとすると、四条貴音がその要求をはね除けた


貴音「天海様 そうはいけません 346プロからの要求は、アイドルマスターの称号を持つ天海様の移籍」


貴音「とどのつまり」


貴音「称号の移行を求めている訳です」


春香「ですからそんなものはいりません」イライラ


貴音「まぁまぁ 落ち着きなさいな」


貴音「346プロからの要求を細かく申し上げますと、ふぁんの方々が納得したうえでの移行を求めているのです」


貴音「天海様の活躍はテレビを通し、全国各地に知れ渡りました。本人がおいそれと称号を返還しますといって、あなたのふぁんは納得する筈がありません」


貴音「だからこそあなた方二人をこの場に集め戦ってもらいたいのです」


貴音「天海様がアイドルマスターになられた時多くの祝言や歓声がありました それと同時に渋谷様の不在のおかげで、天海春香はアイドルマスターになれたようなもの、もし渋谷凛がいたなら結果はどうなっていたか」


貴音「そういう言葉がねっと上でも多く取り上げられております」


貴音「ふぁんは見たいのです!!」


貴音「あなた方お二人 アイドルとしての器は果たしてどちらが上なのかを!!」


貴音「そして 我々賭郎は皆様の要求にあった立ち会いをただ単に準備しただけです」


貴音「さて そろそろげーむを始めたいので

るーる説明を行います」


貴音「皆様もお気づきかもしれませんが、この巨大な水槽がお二人の優劣を決めるすてーじなのです」


そう言うと水槽の水位はみるみると下がり、五分も経たない内に水槽は空になった。


貴音「では 天海様 渋谷様 入場の程をお願いします」


武内「ちょっと待って下さい 私達は入れないのですか?」


貴音「ええ これはお二人の戦いです 部外者は口出し無用でお願いします もし勝負の妨げになると判断した場合 残念ですが粛清という形で処置を執らせてもらいます」


赤羽根「武内 俺たちはここから彼女達を見守ろう なっ」


赤羽根は武内を宥めようとしたが、武内は赤羽根の善意を受け取る程の余裕は無かった。


武内「代わりに 代わりに 私が出るという形には、出来ませんか!!」


貴音「武内様 わたくしには許せないものが二つあります」


貴音「一つは3時のらーめんを食する事を邪魔する事」


貴音「二つ 一度言った事を二度も話す事」


貴音「ですから 次は言いません 渋谷様の代わりに武内様の出場は出来ません」


貴音「これでご理解して下さりましたか?」


武内は理解した 渋谷凛の代わりに出場できない事 そしてこれ以上駄々をこねると自分は、

貴音に粛清させるという事を


武内「すまない 凛 君にこんな目にあわせてしまって」


凛「良いんだよ これは試練だよ 私達二人が大きな幸せを掴む為の」


凛「だから 私は負けない 絶対に」


渋谷凛はそう言い終えると、直ぐ様水槽内に入った。


赤羽根「大丈夫か?なんてこんな状況で言うのはおかしいと思うから」


赤羽根「これだけは伝えたい 春香 俺を一人にしないでくれ」


春香「普通こういうのって 女の子が言いますよね」


春香「大丈夫 あなたや765プロを置いて私は死にません だからあなたは待っててください」


赤羽根「ああ わかった」


天海春香も赤羽根との約束を交わした後、水槽内に入った。


二人が視認したのは、天井に設置している二つのハッチ、一組の椅子が対面に並んでおり、地面には大量の大きな円形状の鉄の塊が綺麗に積み込まれおり、そしてテーブルの上には鉄の板が置かれていた。


貴音「では 少々お待ちを」


すると貴音はハッチのロックを外して、ラッタルを降ろすとそれを伝い、二人の前まで現れた。


貴音「お二人共 ご着席の方をお願いします」


春香「よっこいしょっと」


凛「春香さん あんたババくさいよ」フー


春香「仕方ないでしょう」カアー


貴音「では 失礼ながらお二人には、この手錠で片足を椅子に縛らせて貰います」


渋谷「ちょっと待ってよ これじゃ身動きが取れないんだけど」


貴音「大丈夫です わたくしが提案するげーむはてーぶるげーむですので、身動き取れなくても問題はないかと」


春香(足を固定?逃がさないようにするため? 貴音さんの意図って一体?)


貴音(天海様は一足先に思考に捕らわれましたか 今のうちだけ考えるだけ考えておきなさい どうせげーむが始まったら考える時間なんて限られしまうのだから)


貴音「足を固定しました ではるーるを説明します 一度しか言わないのでご傾聴を」


貴音「お二人の横にあるこの塊 実はこれ酸素ぼんべなのです」


貴音「そしてこの一人25個の酸素ぼんべをお二人で、てーぶるにあるこの10枚のかーどを使って、酸素ぼんべを奪い合って欲しいのです」


貴音「では お二人共 交互にかーどをめくってください」


春香「じゃあ 私は残り物には福があるっていうし 後攻でいいよ」


凛「恐縮です」


貴音「では、お二人共 五枚ずつかーどをお持ちになられましたね?」


貴音「勝負は至ってしんぷる 各々のぷれいやーがべっとたいむにぼんべを賭け、お互いのかーどを一枚だけ出して、それで勝負です」


貴音「つまり最大で五回戦までげーむが可能です そしてぼんべはげーむ毎に一つずつ増えて 五回戦には、ぼんべは五個場に出して貰います」


凛「貴音さんちょっと待って この流れだと私達が水の中で、このげーむってやつをするわけ? それだと」


春香「死んじゃいますね」


貴音「ええ そうです この勝負 どちらかの死をもってげーむは終える事ができるのです」


貴音「そうですね 名を付けるとしたらエアーポーカーといったところでしょうか」


凛「あんた ふざけてるの!!」


貴音「渋谷様 わたくしはただげーむを準備しただけです」


貴音「それに貴女の罪は命を賭けても償い切れないものでしょう それを命程度を賭ければ償う事ができるちゃんすを与えているんです。それに対して罵倒とは、貴女どれだけ自分が偉いと思っているんですか?」


凛「失礼しました」


凛(死ぬのは恐くない でも今だけは絶対に死ねない 死んでも死にきれない)


貴音(渋谷凛のこの異常なまでの生の執着 まぁ女としては、痛い程解りますが)


春香(何か隠し事がある?)


春香(そんな事よりもまずは集中 集中)


貴音「では、敗北の基準というのを説明致します それにはまずは溺死というめかにずむを五段階にして 説明しなければなりません」


貴音「気道内に少しでも水が侵入した場合 本能的に呼吸停止 とてつもないぱにっくに陥ります これが初期段階の壱のぱにっくです」


貴音「続いて 呼吸停止が続き 血中濃度が上昇 痙攣 激しく体がのた打ち回り そして肌が紫色に変色します これが弐の紫です この段階が一番苦しい時なのです」


貴音「そして 意識が喪失 筋肉から力が抜けます これが参の弛緩です 瞳孔が散大し反射機能を消失 この段階ならまだ蘇生は可能です」


貴音「次の段階からは痙攣が止まると 突然っ我を取り戻したかのように深い吸気性の運動運動が始まり そして再び弛緩に移ります これが肆の終末です」


貴音「その後は完全心肺機能停止 伍の死」


貴音「エアポーカーでの敗北は、参の弛緩になった時点で決まります 弛緩により体は椅子から離れ、離れた瞬間即座に相手側の足枷の鍵が出てくる仕組みになっております」


貴音「足枷を外し後 天井のはっちを開けておきますので、そこから水槽を脱出してください」


貴音「そしてここが大事です かーどを表示してからぼんべを賭けてください」


春香「あっ ちょっと良いですか?」


貴音「はい どうぞ」


春香「普通だったらチップを賭けてからカードを出すと思うんですけど」


凛「そうだよ 答えが解ってるのに誰が賭けるのさ」


貴音「お二人共 心配はご無用です このげーむはかーどを出すのが、問題なのではなく出してからが問題なのです」


貴音「では、お二人共 早速水を注ぎますので、細かいるーるは水が溜まりきる前に説明します。では、酸素ぼんべの確認と水中眼鏡の着用をお願いします」


貴音が去ると、水槽は又二人が出会った時を巻き戻すかのようにみるみると水かさが増え、

二人は酸素ボンベの上に乗っけてあるゴーグルを着け、一番上にあるボンベのレギュレーターの使い方を一通り覚えるとお互いカードをひとめくりした。


凛 (ナニ これ!!)


春香(ただの数字の羅列?)


凛(柄もなく ただの数字だけ? トランプじゃないの こういうのって)


春香(他のカードはどうなのかな)


視点


天海春香

47 8 26 63 44


渋谷凛

15 25 45 36 39


春香(一番下の数字が8で、最大が63か あっちはどうなっているんだろう)


凛(合計が160か 五枚のカードの内四枚が奇数 これは向こうも同じような手札?)


貴音「では、細かいるーるを説明します」


貴音「べっと上限は場にでている半分のみ」


貴音「べっとたいむは30秒以内とし、最初の前半と後半を決める際は、各々のかーどの数字が少ないものが先行となります」


貴音「一度使ったぼんべは参加料や賭けの対象に使ってはならない」


貴音「るーるの都合上 ある特定の負けをした場合のみぺなるてぃが発生します」


貴音「まぁ このげーむの副産物みたいなものだと思ってください」


貴音「これを天災と呼びます」


貴音「説明はこれで終わります」


貴音の説明が終わると同時に水位は彼女達の頭まで浸かっていた。


彼女達の五感が捉えたのは


増水させる水の音が耳につんづき


冷水による肌の刺激


目の前の対戦相手が頭上のハッチが開いていることで、ハッチから漏れる光が彼女達を神々しく色鮮やかに魅せた。


水槽内はしばらくすると喧騒から静寂


静かな集中の中にカードの中身、ルール、敵の思考を天海春香は考えていた。


凛(ヤバい 思ってた以上に水が冷たい 早く勝たないと)ボコボコ


貴音「では、お二人共参加料のぼんべをお一つ机に置き、かーどをおーぷんして下さい」


貴音の放送と同時に渋谷凛は15のカードを表示した。


春香(早っ!! もしかしてもうカードの正体解ったの?)ボコボコ


貴音(さすが渋谷様 今の貴女にとってこの手出しは最高の一手でしょう)


貴音「天海様 時間はまだまだ余裕がありますので、じっくりとお考えください」


凛(ちっ よけいな事を)ボコボコ


春香(今 一瞬顔が揺らいだ? 何故?いやそんな事よりも先にカードの中身を解らないと)


春香(そもそも ポーカーなんだから五枚で一組でやるゲームでしょ 普通は)プクプク


春香(うーん じゃあこっちも一番少ない8?

それとも逆をついて63?)


春香(よし 決めた)


長考の結果、天海が出したカードは26だった。


貴音「では渋谷様 べっとの方をお願いします」


渋谷凛はまたしても、カード表示と同じく素早くボンベを積み重ねた。


春香(この人 絶対何かがおかしい)


春香(もしかしたら カードよりもこっちの方を解析した方が良いと思う 根拠はないけど)


春香(多分渋谷さん 何も考えてないと思う)


春香(彼女の性格ならこういうのは考えに考え抜く筈なのにそれを放棄してる?)


春香(あれ もう渋谷さんボンベ交換するの?)


渋谷凛が天海春香より先に酸素を交換した。


渋谷凛

残り酸素ボンベ22 使用済み1


天海春香もボンベに取り付けらているレギュレーターを見ると、まだ5分の1も残っていた


春香(何かしら理由で渋谷さんは自分よりも消費が激しい ここがターニングポイントだね)


春香(とりあえず ベッドはこっちも上乗せしよう渋谷さんがどこまでいけるか知りたいし)


天海春香も渋谷凛のベッドに上乗せしたが、それすらも渋谷凛にとって眼中になく彼女は直ぐ様これに上乗せした。


春香(もうこれを受けるとイッキに勝った方に8個を行くのか ここまできたら降りるのは論外だね)


春香(何故こんなに早く勝負急かしてるんだろう? カードの中身はまだ予測の範疇でしかないって言うのに)


春香(とりあえず受けて、そこからカードの事を考えよう)


天海春香は渋谷凛のレイズ(上乗せ)に対して、

コール(受ける)した。


貴音(決まりましたか)


貴音「では、渋谷様15 天海様26」


貴音「この一回戦の勝者は!!」



「渋谷 凛様です」



渋谷凛

酸素ボンベ27 消費ボンベ1


天海春香

酸素ボンベ20 消費ボンベ0


貴音(流れは渋谷凛の方に行ったか やはり命を賭けた人間は強いものですね)


春香(あっ 負けちゃった)


春香(26が15に負けた あっちは15を持っていたんだ)


春香(15って確か3と5の倍数だよね)


春香(26が13の倍数って事は倍数の多さが勝ち負け基準?)


春香(イヤ違う そこまで複雑にはしてはいないと思う もっと単純 シンプルに)


春香(15で思いついたのが、1から5までの序列数を足したものって事が頭にあるんだけど)


春香(1から5 1から5 貴音「エアポーカーとでも名付けましょうか」 ポーカー 役 手札)


春香(ダメだ やっぱり考えがまとまらない)


春香(冷静に冷静に落ち着いて 自分)


春香(こんな目に遭ってる時に言うのもおかしいけどやっぱり渋谷さん綺麗だなぁ 上から注ぎ込まれる光がなんていうかこう美しくさせるって言うか)


春香(光?あれ今答えがよぎったような)ボコッ


春香(光 役 ポーカー 1から5の和 あれこれってもしかして!!)


春香(あっ あっ)ボコボコボコボコ


貴音(おや どうやら 天海様が先に気づいたようで)


貴音(まあカードの中身が解ってしまったら)


貴音(それはそれで地獄なんですけどね)


続く


このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください