2019-04-22 19:36:58 更新

概要


完結!(完結日 2019/4/22)

この作品は作者の許可なしにお使いしたものです
一度連絡を入れたんですが返答が帰ってこなかったのですが、自分はこの作品を気に入り続きを書きたいと思い書きました
何かあり次第即削除致します


前書き

この作品はsora様と言う方の作品の続きを書いたものです
許可は取っていません
自分は文学に関しては得意と言える方ではないのでそこはお許しください











提督室



コンコンッ


提督「…誰だ…」


大淀「大淀です、入ってもよろしいでしょうか?」


提督「チッ…ああ、入ってくれ…」


大淀「失礼します(えぇー!?何で舌打ちされたの!?)」


提督「…何の用だ…」


大淀「上層部から、この前の作戦についての書類が届きました」


提督「そうか…他には?」


大淀「いえ、特には…」


提督「じゃ出ていってくれ」


大淀「…わかりました」バタン








通路ー提督室前



バタンッ…


大淀「(何であんなに提督は人が嫌い何ですかね…?)」 タッタッタッ…


明石「おや、大淀さん、どうされました?」タッタッタッ


大淀「いえ、提督がなぜ彼処まで人嫌いなのかを知りたいだけです」


明石「そういえば、提督って極度の人嫌いですねぇ?」


大淀「はい、なので提督の過去を知りたいんです」


明石「私も提督の過去は興味がありますねぇ」


大淀「こんなことは言いたくないのですが、提督の過去を探るのを手伝ってくれますか…?」


明石「えぇいいですよ?私も提督の過去が気になってきましたし」


大淀「ありがとうございます」ペコッ


明石「頭を下げないで下さい 私は好きでやっているんですから」


大淀「わかりました」


明石「それで、一体誰からあたりますか?」


大淀「そうですね…初期艦の吹雪さんをあたるのはどうでしょう」


明石「いいですね 初期艦だったら色々知っていそうですしね」


大淀「それでは早速聞いてみましょう」


タッタッタッ…








倉庫ー資材保存庫



吹雪「えっと、これはこっちに…」 資材の整理を行っている


コンコンッ


吹雪「はーい!どなたですか?」


大淀「大淀です 吹雪さんに聞きたいことがありまして」


吹雪「大淀さんですね?入ってどうぞ」


ガチャッ


大淀「失礼します」


明石「失礼しますね」


吹雪「あ、明石さんも一緒なんですね それで、何を聞きにきたのですか?」


大淀「実は提督が人嫌いになった理由について知りたいんですが…」


吹雪「」ピクッ


大淀「? 吹雪さん?」 吹雪か眉を動かしたのに気づく


吹雪「いえ、気にしないで下さい それと大淀さん その質問なんですが答えることは出来ません」


大淀「どうしてですか?」


吹雪「どうしてもです」


明石「そこをなんとか!」ドケザッ!


吹雪「明石さんが土下座しても無駄です これ以上このことを聞くつもりなら、いくらお二人でも容赦出来ませんよ」ギロッ


大淀「…わかりました」


明石「ここは諦めましょう」


大淀「…それでは、失礼しました」


パタンッ…










大淀「こわっ!何ですかあの駆逐艦!戦艦並の眼光でしたよ!?」


明石「落ち着いて下さい大淀さん」


大淀「いやいや、不知火さん並の眼光でしたよ!?」


明石「まあ、私達も知ってほしくないことを知ろうとしているのですから?」


大淀「まあ、確かに知ってほしくないことは私にもありますが…」


大淀「あそこまで人嫌いでいられるとこれからの業務に支障がでるんですよ」


明石「確かにそれは困りますね」


大淀「ということで!次は提督が用事で出掛けたときに集まるとしましょう!」


明石「あくまで諦めるつもりはないんですね…」


大淀「それじゃ、一旦解散です!」












とある日ー通路



提督「…大淀」


大淀「はい、何か?」


提督「…これから俺は会議がある 帰りは遅くなるだろう その間俺の私室には誰にも入れないでくれ…もちろんお前も入るな わかったな」


大淀「お任せ下さい(提督には悪いですが、入らせて頂きますね)」


提督「…それでは、行ってくる」


大淀「行ってらっしゃいませ」


タッタッタッ…


大淀「…さて、行きましたね それでは明石さんを呼んで早く調べましょう?」


タッタッタッ…






提督の私室近く通路(明石を呼んで向かう途中)



タッタッタッ…


明石「…そういえば、大淀さんって提督の私室に入ったことはあるんですか?」タッタッタッ…


大淀「いえ、私も長いこと関わってはいますが一度も提督の私室には入ったことはありません」タッタッタッ…


明石「ということは…誰も知らない秘密を解き明かすことが出来るのですね!」


大淀「そ、そうですね…」


明石「あ、これが提督の私室の扉ですか?」


大淀「えぇ そうだと思います」


明石「じゃ、早速…」ガチャッガチャッ


明石「あれ?開かない」


大淀「鍵がかかっているのでしょう 誰にも入られたくないのでしょう…」


明石「そんなときは~?マスターキー!」チャラッ どこからともなく鍵を取り出す


明石「それじゃ開けてやりますよ~!」


ガチャッ


明石「よし!開いた!」カチャッギィィ… 扉を開ける


大淀「えっと、部屋の中はっと…」タッタッタッ…


大淀「あ、あと扉に鍵を閉めてください 出来る限り音をたてずに動いて下さいね?」


明石「わかりました」パタンッ…ガチャッ 鍵を閉める


大淀「それでは提督の人嫌いな理由を見つけ出しましょう」


明石「はい!」








提督の私室ー捜索して数時間…



大淀 「うーん…特にこれといったものはありませんね?私室を探せば何かあると思ったんですが…」ガサガサ…


明石 「そうですね 日記なんかあれば1番手っ取り早いんですが…」ガサガサ…


大淀 「…おや、これは…?」ガサガサ…スッ 書類などがしまってある棚から少し厚い1冊の本を取り出す


明石 「なにか見つけましたか?」


大淀 「…この本 なにかおかしくありませんか?」スッ 明石におかしいと思う本を見せる


明石 「っえ?…あれ、なんか変ですね これ…本ですか?」


明石達が見たものは、本の形をしているが天(頭=本の最上部)が一枚一枚になっていなく、まとまっていた


大淀 「いえ、これは本ではないと思います おそらくこれは…」


パカッ 本と思われるものを開くと、そこには一冊の本が入っていた


明石 「…ダミーですか 本の形をした箱とはなかなか手の込んだことをしてますね?」


大淀 「この本は日記帳でしょうか?かなり使い込まれている形跡があります」


明石 「…そこに提督の過去が書いてあるんでしょうか?」


大淀 「…見てみましょう」ペラッ



〇月×日


「あぁ…今日もあいつらがきた 本気で腹立つ…苛正しい、苛正しくて頭が痛い なんであいつら生きてんだよ 早くしねばいいのに…いっその事殺してやろうか?いや、それをやったら人間の野郎どもがうるさいからやめておこう まったく、ほんとふざけた世界だ なぜあんな奴らを野ざらしにする必要がある 野ざらしにする意味がわからん ほんと今日は厄日だ っち!」



〇月×日


「…あぁ 今日も頭が痛い いや、正確に言えばいつも痛いか 痛くない日なんて存在しなかった あいつらが生きてるせいで俺はいつも頭痛がしてたまらない なんであいつら生きてんだよ まじでおかしい あいつら生きてる価値ないのに…」



〇月×日


「…もういやだ またあいつらがきやがった ほんとにいい加減にしろよ まじで苛立って胃に穴が開きそうだ なんであいつら来るんだよ マジで殺してぇ」



〇月×日


「…以下同文 もう書くことすらない 書き続けてもなんの意味もない 変わりないことを書き続けてもなにも楽しくない もう書くのをやめよう また変わる時があったらなにか書き入れるとしよう そうならない限りは以下同文と書き続けよう」


〇月×日



「以下同文」



大淀 「…あいつらが来たとは一体誰のことでしょうか 文章に必ず書いてありますが」


明石 「名前などが書いてませんからね?誰かわかりませんね」


大淀 「他のページも以下同文としか書いてませんね これではなにがあったかわかりません」ペラッペラッ… ページをめくっていくが同じ文しか書かれていない


明石 「…他に探した方が良さそうですね」


大淀 「そうですね 他を探しましょう」パタンッ


…カチャカチャッガチャッ


大淀&明石 「「っ!」」サッ 大淀はすかさず後ろに日記だと思われるものを隠す


吹雪 「…なにやってるんですか?お二人とも しかも提督の私室で?」鍵を使って中に入ってくる


大淀 「いっいえ!?別になにもしてませんよ!」


明石 「提督の部屋を掃除しようとちょっと中にいただけですよ!?」((((;゚Д゚)))))))アワワワ


吹雪 「掃除しなくて結構です 早く司令官の部屋から出てください」


大淀 「わっわかりました 行きましょう明石さん」


明石 「はっはい!」


タッタッタッ… 部屋から出ていこうと…


ガシッ


大淀 「っ!」ドキッ!! 肩を掴まれる


吹雪 「…大淀さん さっきから後ろに隠しているものはなんですか?なにかのノートに見えますが」


大淀 「っえ!?あっこれは…その…」


明石 「そっそれより吹雪さん!この後の作業はどうなってるんですか?私達何も聞かされていないんですが」


吹雪 「明石さんはいつも通り工房で換装の設備です 大淀さんは全体的に鎮守府の状況確認をして記録した書類を私に提出してください」


明石 「わっわかりました!それでは作業に入りましょう大淀さん!」


大淀 「はっはい!」


タッタッタッ!!…


吹雪 「…」
















明石 「はぁ…はぁ…なんとかごまかせましたね」ハァ…ハァ…


大淀 「そっそうですね…おかげで助かりました ありがとうございます明石さん」ハァ…ハァ…


明石 「いえ、私も強引に話しを終わらせたのでまだ平気とは言えませんよ もしかしたら後を付けてたり…」クルッ… 後ろを振り向く


大淀 「…来てる様子はありませんね?」


明石 「みたいですね 今は大丈夫みたいですね?」


大淀 「はぁー…それにしても、これどうしましょう?」


明石 「急に吹雪さん入ってきましたからね しまってる暇がありませんでしたね」


大淀 「戻さないとなくなったことがバレたら真っ先に疑われるのは私たちですからね 吹雪さんに見られてしまったので…」


明石 「…確かにそうですね 早く戻さないとまずいですね?」


大淀 「とりあえず、吹雪さんが部屋から出て行ったらすぐ行きましょう」


明石 「そうですね」 タッタッタッ…


不知火 「なにがそうなんですか?」タッタッタッ…


大淀 「っ! 不知火さん」


明石 「あぁいえ!別になんでもないですよ?不知火さんにとってはくだらない話ですから!」


不知火 「そうですか?それならいいんですが」


大淀 「不知火さん 少しお聞きしたいことが」


不知火 「なんでしょうか」


大淀 「確か不知火さんはここへ来たのは最初の方でしたよね?提督の過去のことをなにかご存知だったりしませんか?」


不知火 「…」


明石 「…知ってるんですか?」


不知火 「…知らないと言ったら嘘になりますが正直、話す気になれません」


大淀 「なぜですか?」


不知火 「話すなと言われていますからです …それに、正直あのような事が会ってなぜ司令官をやっているのかがわかりません なぜこのような仕事を…」


明石 「…っえ?」


不知火 「かなりひどいことがあったとだけ答えておきます それ以上は私の口からでは言えません」


大淀 「…わかりました それだけでも教えてもらいありがとうございます」


不知火 「いえ、それでは私はこれで」タッタッタッ…


明石 「…かなりひどい事があった、ですか 余計に気になりますね?」 タッタッタッ…


大淀 「そうですね 今の発言を聞いて、さらに気になってきましたね」


明石 「…どうしますか まだ調べますか?」


大淀 「もちろん調べます 提督の過去を知るまでは調べ尽くします」


明石 「バレたら解体されるかもしれませんよ」


大淀 「…」


明石 「…まっその時はその時で受け入れるしかありませんけどね?友は道連れと言いますからね」


大淀「明石さん…」


明石 「とりあえず その日記と思われるノートを気づかれないうちに片付けないといけませんね」


大淀 「そうですね 提督は遅くなると言っていたので時間はまだあります」


大淀 「吹雪さんが提督の私室から離れてくださればすぐしまいに行けるので明石さんは吹雪さんが行ったかを見てきてもらえないでしょうか?」


明石 「わかりました もし吹雪さんが提督の私室に行こうとしてたらなんとかするのでその間に戻して来てください」


大淀 「わかりました それではお願いします」


明石 「はい!」


タッタッタッ…


大淀 「…上手く行けばいいですが…」













提督の私室近く通路



明石 「…」タッタッタッ…


明石 「(…なんでしょうか この感じ…)」タッタッタッ…


明石 「(提督の私室へ向かおうとするとなんか嫌な感じがしてきます…)」タッタッタッ…


明石 「(…もしかして、まだ吹雪さんが居るのかな?)」タッタッタッ…


タッタッタッ…


明石 「…いない もうどこかに言ったんでしょうか?」キョロキョロ 提督の私室の前に到着するが吹雪の姿は見当たらない


明石 「(今なら大淀さんを呼んで日記を戻せそうですね?)」


明石 「(…一応中も確かめておきますか?鍵はかかってると思いますが」スゥ…


ガチャッ


明石 「…っえ?鍵が空いてる…」ギィィ…


ガシッ!!


明石 「っ!?」ドアを開けた瞬間腕を掴まれる


吹雪 「…待ってましたよ 明石さん」ギィィ… 提督の私室から手を伸ばして明石の腕をつかむ


明石 「ふっ吹雪さん!?」


吹雪 「あなたが来ることはわかっていましたよ 大淀さんも来ると思っていたんですが…まぁいいでしょう」


吹雪 「今すぐ司令官の日記帳を渡してください 今渡せば司令官にお伝えしないことを約束しましょう」グググッ!!


明石 「いだだだだだっ!!!!吹雪さん!握り閉めてる力が強いです!」ギュゥゥッ!!


吹雪 「なら今すぐ渡してください 渡せば離します」


明石 「私は持ってません!持ってるのは大淀さんです!!うぅ腕が折れる!!」ミシミシッ!!


吹雪 「今大淀さんはどこに?」


明石 「呼べば来るはずです!大淀さん今すぐ来てくださーい!!」 タッタッタッ!!…


大淀 「今向かっています!」タッタッタッ!!…


大淀 「申し訳ありません吹雪さん!提督の私室から勝手に日記帳と思われるものを持ち出してしまって お返ししますので明石さんを離してください!」スッ 日記帳を渡す


吹雪 「…確かに司令官の日記帳ですね?いいでしょう お離します」スッ… 明石の腕を離す


明石 「いーたたたたたっ!本気で折れるかと思いました…」ズキズキッ…


吹雪 「…」スッ 提督の日記帳を受け取る


大淀 「明石さん大丈夫ですか!?怪我とかしていませんか!」


明石 「だいじょうぶです 折れるかと思いましたが大淀さんのおかげでおられずに済みました」イタタッ


吹雪 「…ちなみに聞きますが 日記の内容はお読みになられたんですか?」


大淀 「…」


明石 「…」


吹雪 「…どこまで見たんですか?教えてもらえないでしょうか」


大淀「…最初の今日もあいつらが来たと言う所から以下同文が複数ページに書き込まれている所までは見ました」


吹雪 「本当ですか?」


明石 「本当ですよ 嘘はついてません」


吹雪 「…わかりました 信じましょう」


吹雪 「ただし、この日記帳に書かれていた内容は誰にも話してはいけないという事だけは覚えておいてください もし話したら…」


吹雪 「【処刑されると思ってください】」


大淀&明石 「「っ!」」


吹雪 「それとこれ以上司令官の過去を調べようとするのはやめてくだい もしやめないと言うなら私直々にあなた達がやめると言うまで拷問をかけます いいですね?」ギロッ


大淀 「…わかりました」


明石 「了解です…」


吹雪 「では、私は提督が帰ってくる前に日記帳を片付けるのでお二人は仕事に戻ってください」ガチャッ


タッタッタッ…パタンッ


大淀 「…」


明石 「…駆逐艦なのに本当に怖いですね?まだ調べようとするなら吹雪さん自身が拷問をするなんて…」


大淀 「ほんとですね 睨まれた時は今すぐにでも殺されるんじゃないかと思いましたよ」


明石 「…どうしますか?まだ調べますか?」


大淀 「…とりあえず今は持ち場に戻って仕事をしましょう 夜また集まって話しをしましょう」


明石 「わかりました」


大淀 「それでは一時解散です」


明石 「はい!」


タッタッタッ…


…ガチャッ


吹雪 「…」大淀達の後ろ姿を見てる


ギィィ…パタンッ













夜ー大淀の部屋



大淀 「…」カリカリ… 報告書をまとめてる


コンコン


アカシデス ナカニハイッテモイイデショウカ?


大淀 「いいですよ 中に入って」


シツレイシマス


ガチャッ


明石 「…」タッタッタッ…パタンッ


大淀 「あっ鍵も一応閉めといてくれませんか?なにかあった時困るので」


明石 「あっはい わかりました」ガチャッ


大淀 「適当に座ってください どこでもいいですよ?」


明石 「そうですか?それではベッドに腰掛けちゃいますね」ヨット ベッドに腰かける


大淀 「…誰も近くには来てないですよね?」


明石 「一応警戒しながら来ましたがとくに誰も」


大淀 「…そうですか なら話しても平気ですね」


大淀 「明石さんはまだ提督の過去を調べたいと思いますか?私は調べたいと思いますか」


明石 「…本気ですか?これ以上調べて、吹雪さんにバレたら殺されますよ?」


大淀 「確かに殺されるかもしれないわ…でも、それでも調べたいんです」


大淀 「提督は過去になにがあったのか…提督がなぜあそこまで人間を嫌うのか それを知りたいんです」


明石 「…考えをなおす気はないみたいですね?」


大淀 「ありません 明石さんはもうやらないなら私だけでも調べます」


明石 「誰がやらないと言いましたか?」


大淀 「…っえ?」


明石 「友は道連れと言うじゃないですか 私も最後まで調べさせていただきますよ!」


明石 「それにバレたら処刑されると言ってましたが艦娘なんですから沈んだと思えばいいだけの話です なにも怖がることはありませんよ?」


大淀 「…明石さん…」


明石 「死ぬ時は一緒です!なので一緒に調べましょう!」


大淀 「…はい!」


コンコン


大淀&明石 「「っ!?」」ビクッ!!


…シグレダヨ キョウノショルイヲモッテキタヨ


大淀 「っえ!?あっし、時雨さん?いいですよ 中に入って?」


シツレイシマス


ガチャッ


時雨 「…あれ?明石さんも来てたのかい?」


明石 「はっはい!ちょっと用があったので来ていました!」ドキドキ…


時雨 「そうなんだ」


大淀 「時雨さん 書類を提出しに来たついでにちょっとお時間いいですか?」


時雨 「なんだい?」


大淀 「実は提督の過去のことなんですが…」


時雨 「…提督の過去?」


明石 「はい 私たちで提督の過去を知ろうとしてるんですが…なにか知ってることはありませんか?」


時雨 「うーん…悪いけど僕はわからないな たしかに提督は過去になにかあったみたいだけど、何か知ってるかと言われたらなにも」


大淀 「そうですか…それなら仕方ありませんね?お時間を取ってすみません」


時雨 「いや、それは別にいいんだけど…なんで提督の過去なんて知りたいんだい?」


明石 「なんとなく気になるんですよ なぜあそこまで提督は人間嫌いなのかを知りたいんです!」


大淀 「あそこまで人間を嫌っているのになぜ提督をやっているのかを知りたいんです」


時雨 「…なるほど?たしかにそれは気になるね」


明石 「時雨さんも一緒にどうですか?私たちといっしょに調べませんか?」


時雨 「…そうだね?たしかに提督が人間嫌いなのは知ってたけど、なんで人間嫌いなのに提督をやってるのか気になるね?」


明石 「それじゃ!」


時雨 「でも、調べても平気なのかい?まして提督の過去を調べたりしたら何か言われるんじゃないかい?」


大淀 「…」


明石 「…」


時雨 「…どうしたの?2人して黙って…」


大淀 「…いえ、その…」


明石 「…なかなかするどいですね?時雨さん まさにその通りですよ」


時雨 「っえ?」


大淀 「…じつは、私達2人で調べてたところを吹雪さんにバレてしまって…」


明石 「これ以上調べるようなら吹雪さん自ら拷問をかけると言われたんです」


時雨 「っえ!?吹雪から拷問を!?」


大淀 「私たちが調べるのをやめると言うまでやり続けると言ってました その時の吹雪さんの目は本気でしたのでおそらく本当にするかと思われます」


明石 「駆逐艦なのに凄い眼光でしたよ?たとえで言うなら不知火さんみたいな眼光をしていましたよ」


時雨 「…たしかに不知火の睨みはかなり怖いね?僕もあまり見たくはないな…」


大淀 「無理にとは言いません いやなら断ってもいいんですよ?」


明石 「まぁ私たちはバレる覚悟でやりますけど!」


時雨 「…そうだね?」ウーン


コンコンッ


明石&大淀 「「っ!」」ドキッ!!


イカズチヨ!ナカニハイッテモイイカシラ?


大淀 「あっ雷さんね?いいですよ」


シツレイスルワ!


ガチャッ


雷 「大淀さん 今日の遠征の書類を持ってきたわ!」タッタッタッ…スッ


大淀 「たしかに受け取りました ご苦労さまです」スッ


雷 「…あれ?時雨さんと明石さんも居たの?」


時雨 「うん 僕も書類を提出しに来てたんだ?」


雷 「ふーん?」


明石 「雷さん ちょっと聞きたいことがあるんですが?」


雷 「なに?」


大淀 「提督の過去ってなにかご存知ないでしょうか?」


雷 「…」


時雨 「…知ってるのかい?」


雷 「…知らないと言えば嘘になるわ?でも、知ってるのは一部だけ」


大淀 「お聞きしてもよろしいでしょうか?」


雷 「…ちょっと待って」タッタッタッ…


ガチャッ


雷 「…」キョロキョロ… 大淀の部屋に繋がる通路を見渡す


時雨 「…? なにをしてるんだい?」


雷 「…本当はね?話しちゃいけないって言われてるの 吹雪さんに司令官の過去を他言無用に念入りに言われて…」パタンッ


明石 「…やっぱり、口止めされてるんですか」


雷 「…うん」


大淀 「…徹底的に提督の過去を話させないようしてますね?スキがありませんね」


明石 「ですね このままでは提督の過去を知るのは難しそうですね」


雷 「…なんで司令官の過去を知ろうとしてるの?」


明石 「提督があそこまで人間を嫌っているのに提督をやってるのが不思議に思って知ろうと思ってるんです」


大淀 「私と明石さんで提督の過去を知ろうと調べているんですがなかなか情報がなくて…」


雷 「…なるほどね たしかにそれは言えてるわね?提督の過去を知ってる人は吹雪さんと不知火さん…私も一部知ってるだけで全部は知らないわ」


雷 「…聞いたら後戻りはできないよ?バレたらなにされるかわからないわよ」


大淀 「その覚悟はできています っね?明石さん」


明石 「はい!バレたらバレたでその罰を受け入れるまでです!」


時雨 「…僕も参加させてもらおうかな?提督の過去がどんなのか気になるし!」


大淀 「協力してもらえますか!」


時雨 「できる限りはするけどあまり期待しないでね?」


明石 「全然いいですよ!協力してくれる方が増えてくれるだけでもありがたいです!」


雷 「…それなら私も協力するわ!一部だけじゃ私も気になるし、全部知るまで手伝うわ!」


大淀 「本当ですか!?ありがとうございます!」


明石 「いきなり2人も増えるのは大きいです!これなら調べる範囲が広がりますね!」


雷 「それじゃ私が知ってることを話すわ?」


大淀 「お願いします」


雷 「…司令官は小さい時、かなりいじめを受けていたらしいわ?」


明石 「いじめ…?」


雷 「小学校、中学校、高校に渡ってずっといじめを受けていて司令官の肌には無数のあざや傷が残っているわ」


時雨 「無数の傷…」


雷 「司令官が服を脱いでるところを見たことあるから傷だらけだったのは覚えてるわ 殴られた跡や蹴られた跡…それに、腕には切り傷ができていたわ」


大淀 「腕に切り傷?まさか!?」


雷 「…たぶん司令官は何度か自殺を図ってるわ リストカットしてね」


明石 「…」


雷 「しかも両腕に10回ぐらい切った跡が残ってたから本気で死のうかと思ってたんだと思うわ 実際には聞いてないからわからないけど私はそう思うわ」


時雨 「…なんでそんなことを知ってるんだい?」


雷 「吹雪さんと司令官が話してるところを偶然聞いたのよ 司令官はずっといじめを受けていたって?」


雷 「その後はもう最悪だったわ 偶然とはいえ聞かれたのがバレて私は拷問室に連れていかれたわ」


大淀 「っえ!?拷問室にですか!?」


雷 「えぇ、とは言ってもただ誰にも話さないよう念押しに言われただけで拷問は受けてないけどね?」


明石 「そっそれなら良かったです まさか拷問されたのかと思いました…」


雷 「…でも、あの時の吹雪さんの目は本気だったわ おそらくこの事がバレたら私は拷問室で爪剥ぎとか指折りとかされるわね」


時雨 「つっ爪剥ぎ!?」ゾクッ


明石 「指折り…!」ブルッ


大淀 「…それはシャレになりませんね」


雷 「私が知ってるのはこのぐらいよ あとのことは…」


大淀 「…そうですか」


雷 「それとこのことは吹雪とかには内緒よ?バレたら私…」ブルッ


明石 「わかってます それは私たちも一緒なので安心してください」


大淀 「一部だけでも教えてくれてありがとうございます 雷」


雷 「少しでも役立てて良かったわ!」


時雨 「…あとはこの先のことだね?提督はなにがあって指揮官になったのか…」


大淀 「そうですね この先のことは誰かに聞くより調べた方が安全そうですね」


明石 「調べるとなると…やっぱり、提督の私室を調べた方が早いですかね?」


大淀 「それもあるますけど、もう一つあります」


時雨 「それは?」


大淀 「あまり良いとは言えませんが…たしか元帥は提督のことをよく見てたと聞いたことがあります」


雷 「それなら私も聞いたことあるわ 元帥さんは人間嫌いの司令官を良く見てたって?」


時雨 「てことは提督は元帥さんと仲が良いということかい?」


大淀 「いえ、見てたと言うだけで提督はウザイだの消えろだのと言っていつも元帥から離れていたみたいです」


明石 「…それはそれですごいですね?元帥に悪口ってそうそう言えませんよ」


時雨 「たしかに」


大淀 「まず最初は調べに調べて、なにも手がかりがなかった場合には元帥に聞いてみましょう」


明石 「はい!」

時雨 「わかったよ」

雷 「わかったわ!」













数日後ー夜 大淀の部屋



大淀 「…どうですか?皆さんなにか情報は入りましたか?」


明石 「…それが…」


時雨 「…いろいろと調べたんだけど」


雷 「まったく進展なしよ…」ハァ…


大淀 「…そうですか」


明石 「大淀さんはどうでしたか?なにか情報は…」


大淀 「残念ながら皆さんと同じです」ハァ…


明石 「…そうですか」


雷 「まいったわね?このままじゃ司令官の情報 なにも手に入らないわね」


時雨 「そうだね 情報を探るにしてもあまりにもなさすぎて拉致開かないね?」


明石 「どうしますか?大淀さん 他になにか良い案はありますか?」


大淀 「うーん…そうですね?」ウ-ン


雷 「…元帥さんに聞いてみる?」


時雨 「知ってたとしても話してくれるかな?吹雪が話させないようしてるから厳しいと思うよ」


明石 「でも、このままではなに一つ情報が入りませんからね?試しに聞いてみる価値はあると思いますが…」


全員 「「うーん…」」


大淀 「…仕方ありません ダメ元で聞いてみましょう?」


明石 「聞いてみますか?」


雷 「それ以外にないものね?それにかけるしかないわね」


時雨 「そうだね」


大淀 「それでは、今から元帥に電話をしてみますのでみなさんは通路を見張ってもらえないでしょうか?万が一、吹雪さんや提督が通ったりしたらまずいので…」


明石 「了解です!」


時雨 「教えてくれるといいね?」


雷 「ほんとね?」タッタッタッ…ガチャッ


パタンッ…


大淀 「…えっと、たしか元帥の電話番号は提督の代わりに伝えなくてはいけないことがあった時に教えてもらったはずなのでデータが残ってるはず」スッ ピッピッピッ… 携帯を取り出して元帥の電話番号を探す


大淀 「…あった これですね?」ピッ


プルルルル…プルルルル…


ガチャッ


元帥 『もしもし 元帥だが?』


大淀 「お久しぶりです元帥 横須賀鎮守府に主属してる大淀です」


元帥 『おぉ!横須賀の大淀か 久しぶりじゃのう?元気にしておったか?』


大淀 「はい 元帥も元気そうでなによりです!」


元帥 『それなら良かった!それでどうしたんじゃ?こんな時間に?』


大淀 「…実は、元帥にお聞きしたいことが?」


元帥 『わしに聞きたいこと?』


大淀 「はい 私たちの提督の過去について聞きたいんですが…」


元帥 『…』


大淀 「…知ってるんですね?提督の過去」


元帥 『…知らないと言えば嘘になる だが、その事は…』


大淀 「口止めされているんですよね?吹雪さんに」


元帥 『…』


大淀 「私は提督がなぜあんなにも人間嫌いなのに提督をやっているのかが気になるんです」


大淀 「しかも小学校から高校までずっといじめ続けられていたにも関わらず、なぜ提督はこのような職業に着いたとか知りたいんです」


元帥 『…誰から聞いたんだ?あ奴がいじめ続けられていたこと』


大淀 「ある駆逐艦から聞いたとだけ答えておきます もちろん吹雪さんではありません」


元帥 『…ちょっと一服させてくれ』スッ


大淀 「わかりました」 シュボッ


元帥 『…』チリチリ…


元帥 『ふぅー…』モクモク…


元帥 『…わしも少ししか知らないが、それでもいいか?』


大淀 「構えません 少しだけでも情報が欲しいんです」


元帥 『…わかった それじゃ…』ジリリリリ…


元帥 『っん?固定電話のほうか ちょっと待ってくれ?』


大淀 「はい」 ガチャッ


元帥 『もしもし?元帥じゃが』


元帥 『…っ! ふっ吹雪!?』


大淀 「っえ!?」


元帥 『どっどうしたんじゃ?こんな時間に…』


元帥 『…あやつの事を話していないか?いっいや、話してないぞ?あ奴の事はお主に誰にも話すなと言われているから話してないぞ?』


元帥 『っえ?今誰かと話してないかって?そっそんなことないぞ?誰とも話してないぞ?』


元帥 『…近々明石もしくは大淀から連絡があるかとしれないから絶対に話すな?話したら…殺す!?』


大淀 「ころっ!?」


元帥 『ふっ吹雪?一応、わしお主の提督の上司なんじゃが…っえ?そんなこと関係ないって…怖いやつじゃのう』


元帥 『…わかった 聞かれても話さないようするからそんな念入りに話さんでもいい』


元帥 『話しはそれだけか?…そうか それじゃのう』ガチャッ


大淀 「…先を越されましたか タイミング悪い時に…」


元帥 『そうじゃのう?まさかこのタイミングで吹雪から電話来るとは思わんかったわい』


大淀 「…これでは話を聞けそうにありませんね?もし話したことがバレたら元帥は…」


元帥 『…』


大淀 「このような時間に電話をしてもうしわけありません元帥 それでは…」


元帥 『…まて』


大淀 「…っえ?」


元帥 『お主はそれでいいのか?あ奴の過去を知りたいんだろ?』


大淀 「…確かに聞きたいですが…」


元帥 『それにあ奴の過去を知っておいてもらった方があ奴と話をする時に触れてはいけない話題などがわかるだろ?』


大淀 「そもそも提督は誰かと話そうともしないので話題もなにも…」


元帥 『…まぁ、それは置いておこう』


大淀 「置いていいんでしょうか…」


元帥 『とにかくじゃ あ奴の過去を知っておいても損はないはずだから、わしも命をかけてお主に伝える いいな?』


大淀 「…わかりました それでは宜しくお願いします!」


元帥 『了解じゃ!』


元帥 『…お主はあ奴の母親と父親がどういう方だったかを知ってるか?』


大淀 「いえ、まったく知りません…有名な方だったんですか?」


元帥 『あぁ あ奴の母親と父親は今は引退しているが元々は提督をやっていたんじゃ』


元帥 『しかも、誰もが知ってる過去最高指揮官と言われていた元大湊警備府と元舞鶴鎮守府の提督じゃ』


大淀 「っえ!?あの過去有名な南方海域争奪作戦に成功させた方たちの息子さんだったんですか!?」


元帥 『そうじゃ あ奴はその息子で親達の受け継ぎをするために過去いじめ続けられていたにも関わらず提督になったんじゃ』


元帥 『相当嫌がっていたらしいぞ?どうせ艦娘も俺のことを虐めてくるんだから親のようにはなれないと何度も言っていた』


元帥 『だがあ奴の両親はそれを認めず無理にあ奴を提督にした もちろん両親の権限を使ってまでな?』


大淀 「…」


元帥 『それとあ奴がいじめを受けていた理由は生活が裕福なことに嫉妬した奴らがあ奴を虐めていたらしい』


元帥 『両親の方に手をあげれば国家権力でなにされるかわからんから子供の方に全部いっていたらしい…しかも、同級だけじゃなく まったく関係ない民間人にも石を投げられたり、打たれたりされていたみたいだ』


大淀 「…なぜご両親はそれを止めなかったんでしょうか?あざや傷があればなにかあったんじゃないかと思うはずでは…?」


元帥 『そこまではわしにもわかりかねる あ奴の両親がどう考えていたかまでは…』


大淀 「…」


元帥 『わしが知ってるのはここまでじゃな あとの事はわからん』


大淀 「いえ、それだけでも構いません 教えていただきありがとうございます」


元帥 『役に立ててなによりだ』


元帥 『…大淀 あやつの事を頼むぞ?あ奴は悪意があって皆に冷たくしてるわけじゃないんだ それだけはわかってくれ』


大淀 「それはわかっています そのような事があったんですからあんな性格になっても仕方ありません」


大淀 「それでは元帥 くれぐれも吹雪さんに気づかれないよう気をつけてください?」


元帥 『その言葉、お主にそのまま返そう お前さんも気をつけるんじゃぞ?』


大淀 「…わかっています それでは」


ブツッ


大淀 「…」スッ


大淀 「…まさか提督が元大湊警備府提督と元舞鶴鎮守府提督の息子だったとは思いませんでしたね?提督はなにも言ってないので今のいままで気づきませんでした」


大淀 「…なぜご両親は提督がいじめられているのを助けなかったんでしょうか?あざや傷が毎日のようにできてるなら普通気づくかと思う気が…」ウ-ン


ガチャッ


大淀 「あっ明石さん達ですか?今ちょうどお話が…っ!!!?」


吹雪 「…お話が、なんですか?大淀さん」


明石&時雨&雷 「「」」吹雪に腹に蹴りを入れられて気絶している


大淀 「ふっ吹雪さん!?いつからそこに!?」


吹雪 「さぁ?いつからですかね 元帥に聞きたいことがあると言うところからでしょうか?」


大淀 「(ほぼ最初の方から!?てことは、先程元帥に電話をしたタイミングが悪かったのはすぐそこで聞いていたから!?)」


吹雪 「大淀さん 私は忠告したはずです」


吹雪 「これ以上司令官の過去を知ろうとするなら私の手で拷問をかけると…」


吹雪 「言いましたよね!!」ギロッ!!


大淀 「ひぃっ!!」ビクッ!!


吹雪 「しかも明石さんに続いて時雨さんや雷まで協力して…雷にも忠告したはずなんですけど?」


吹雪 「悪いですが大淀さんも皆さんと一緒に拷問室に連れていき 私自ら拷問をおかけします」


吹雪 「もちろん爪剥ぎや指折りもします 今さら提督の過去を調べるのをやめると言っても無駄ですからね?」タッタッタッ…


大淀 「ひっひぃっ!!!?」ガクガク…


吹雪 「最後には解体してあげますので安心してください 苦痛を残したまま死ぬことはありませんので?」ガシッ


大淀 「いっいやぁぁ!!!!!?」ズルズル… 足を掴まれて引きずられていく


吹雪 「これ以上提督の過去を知ろうとしたあなた達が悪いんです 恨むならご自分を恨んでください」タッタッタッ…


明石&時雨&雷 「「」」ズルズル… 全員えりを掴まれて引きずられていく


大淀 「いやぁあっ!!!!!!だれか!!誰かァァ!!!!!?」ズルズル…


吹雪 「無駄です 今この近くに住む方達は全員食堂で間宮さんのアイスを食べています」


吹雪 「このようなところを見られては私も危なくなりますからね まぁバレたら口止めするまでですけどね?」タッタッタッ…


大淀 「明石さん!時雨さん!雷さん!起きてください!!早く逃げないと私たち死んでしまいます!!!?」


明石&時雨&雷 「「」」ズルズル…


大淀 「みなさん!!お願いですから起きてください!!お願いですから!!!!!!」


吹雪 「起きませんよ 皆さんの腹部に思いっきり蹴りを入れて気絶させたのであと30分ぐらいは気絶したままですよ」


大淀 「そんなっ!!!?」


吹雪 「だいじょうぶですよ 痛いのは一瞬だけですから?」タッタッタッ…


大淀 「いやあぁぁっっ!!!!!!だれか!!誰かァァ!!!!!!」ズルズル…


タッタッタッ!!…


不知火 「大淀さん!」タッタッタッ!!…


大淀 「不知火さん!!」


吹雪 「っ!」


不知火 「…吹雪さん 一体何をしてるんですか?大淀さん達のえりや足を掴んで?」


吹雪 「…不知火さんには関係ないことです 部外者が口出ししないでください」


不知火 「部外者ではありません 同じ鎮守府に種族するものなので部外者扱いされるのはおかしいかと思います」


吹雪 「では、不知火さんには関係ないので口出ししないでください」


不知火 「では聞きます 明石さんたちを気絶させて、大淀さんの足を掴んで引きずっていますがこれはなにをしているんですか?あまりよくない光景かと思われますが?」


不知火 「ちなみに聞きますが…大淀さんたちをどこに連れていこうとしてるんですか?お答えください」ギロッ


吹雪 「…っち!」ドサッ


大淀 「いたっ!」 吹雪から手を離してもらい足が床に落ちる


明石&時雨&雷 「「」」同じく手を離してもらい床に倒れ込む


吹雪 「別にどこにも連れていこうとしていませんよ?少しイタが過ぎたので私の部屋でお説教をしようとしてただけです」


不知火 「気絶してる明石さんたちにお説教しても意味がないかと思われますが?」


吹雪 「…」


不知火 「…吹雪さん あなたが司令官を守る理由は知っています…ですが、限度というのを考えた方がいいかと思います」


吹雪 「あなたには関係ありません 私は誰がどんなことを言おうと考えを変えるつもりはありません」


不知火 「ですが、今のやり方でやり続けたら皆さんに疑いをかけますよ?」


吹雪 「だからなんですか?疑われるようなことをしてるんですから疑わられるのは当たり前です」


吹雪 「疑うのでしたらどうぞ疑ってください 私はどんなに疑われても構いません」


吹雪 「司令官の過去と比べたら疑われる方がよっぽどマシです!不知火さんだってわかっていますよね?司令官が過去になにがあったか」


不知火 「…それはわかっていますが…」


吹雪 「なら私が司令官を守っても構わないはずです 一々口出ししないでください!」


不知火 「…」


吹雪 「…今回は不知火さんに免じて許します ですが」


吹雪 「次こんな真似をしたら明日の明朝を見られると思わないでください」ギロッ!!


大淀 「っ!!!!」ビクッ!!


不知火 「吹雪さん 一々念押しに言わなくてもいいかと思いますが?」


吹雪 「あなたには関係ありません それでは私は忙しいので失礼します」


タッタッタッ…


不知火 「…」


大淀 「…不知火さん ありがとうございます おかげで助かりました」


不知火 「いえ、それは構わないんですが…大淀さん 一つ言っておく事があります」


大淀 「…これ以上提督の過去を調べるなですか?」


不知火 「わかっているなら話が早いです これ以上司令官の過去を探るのは自分の身のためでもあります」


不知火 「今回は私でなんとか助けれましたが次はこうはいきません これ以上はやめておいた方がいいことを進めます」


大淀 「…」


不知火 「司令官の過去は本当にひどいものです 司令官の過去を完全に知ってるのは私と吹雪さんだけですがこの話をしたら誰でもひどいと言います」


不知火 「大淀さんはもしこれが自分のことだった場合、そんなひどい話をいろんな方にバラされるのは嫌ですよね?」


大淀 「…そうですね もし自分のことでしたら嫌ですね?」


不知火 「それと一緒で吹雪さんは誰にもバラされないよう常に司令官の過去を探ってる者がいないかを確かめているんです」


不知火 「今からでも遅くありません これ以上司令官の過去を探るのは辞めることを進めます」


不知火 「これ以上調べたら今度こそあなた方は拷問をかけられます そうなった場合には私でもどうしようもできません」


不知火 「…どうしますか?今やめるなら私から吹雪さんに直々にお伝えしますが?」


大淀 「…」


不知火 「…」


明石 「…いえ、やめません」


大淀 「っ! 明石さん!」


不知火 「気がついてたんですか?」


明石 「えぇ 吹雪さんが行ったぐらいのところからですが…いつつ!」ズキッ


大淀 「大丈夫ですか明石さん!たしか吹雪さんに腹部に蹴りを入れられたと…」


明石 「はい 正直シャレになりませんでしたよ…まさか走って私や雷たちに蹴りを入れて一瞬にして気絶させるんですから…大淀さんに知らせる暇もありませんでしたよ」イタタ


明石 「吹雪さんが駆逐艦だから気絶しただけで済みましたがこれが戦艦とかだった場合には骨は愚か、上半身と下半身が離れてますよ?」


不知火 「そこがせめてもの救いでしたね 吹雪さんが駆逐艦で本当に良かったですね」


明石 「はい…それと、助けていただきありがとうございます 不知火さん」


不知火 「次はないと思ってください …それで、まだ司令官の過去を探ろうとするんですか?」


明石 「えぇ 1度調べると決めたことは完全に知るまでやめません」


明石 「それに大淀さんだってやめる気はないと思いますよ?1度吹雪さんにバレてしまったんですが私を巻き込まないよう1人で調べようとするぐらいでしたからね」


明石 「友は道連れって言うじゃありませんか!死ぬ時は一緒です!」ニカッ


大淀 「…明石さん…」


不知火 「…やめる気はないんですね?わかりました それでは一つだけ忠告しておきます」


不知火 「調べるのは構いませんが絶対に司令官の親元を調べようとしないでください それだけはお願いします」


大淀 「…っえ?なんでですか?」


不知火 「それは言えません ですが、それだけは絶対にしないでください もしそうした場合は…」


不知火 「【吹雪さんは本気で切れて周りを巻き込みながらあなた方を殺しに行くと思います】」


大淀&明石 「「っえ!!!?」」


不知火 「そうなった場合には私でもどうにもなりません 吹雪さんは司令官を守るためならご自分の命を捨てる覚悟でお守りするはずなので絶対にしないでください いいですね?」


大淀 「…わっわかりました 気をつけます」


不知火 「お願いします それでは」


タッタッタッ…


大淀 「…」


明石 「…両親に聞いたら本気でキレるなんて…両親との間に何かあったということですよね?」


大淀 「おそらくそうだと思います そうじゃなければ吹雪さんが切れる理由がありませんからね?」


大淀 「…一体なにがあったんでしょうか 詳しく知りたいですね?」


明石 「そうですね それと大淀さん 先程元帥に電話してなにか情報は入りましたか?」


大淀 「はい やはり元帥も吹雪さんに口止めされていたみたいですが教えてもらいました」


大淀 「あとでお伝えしますので今は時雨たちを部屋に運びましょう?いつまでも床に寝かせるのはかわいそうです」


明石 「わかりました」













深夜ー提督室



提督 「…」


…コンコンッ


フブキデス ナカニハイッテヨロシイデショウカ?


提督 「…いいぞ」


ガチャッ


吹雪 「失礼します」


提督 「…何の用だ?」


吹雪 「司令官の過去のことでお話があります 聞いてもらえますね?」


提督 「…手短に言え 長話はしたくない」


吹雪 「大淀さんたちが提督の過去を知ろうとしてます どう致しますか?」


提督 「…ほっとけ 別に俺の過去を知ったところでなにも変わらん」


吹雪 「いいんですか?ご自分の過去なにがあったかを知られてしまうんですよ?」


提督 「知られたからなんだって言うんだ?んなどうでもいいこと」


提督 「俺の過去を知ったところでなんの意味がある?知られても俺にはなんも損することはない」


吹雪 「知られたらその事を聞いてくるかも知れませんよ?」


提督 「いつも通り無視したり聞かなければいいだけ 誰がどんなことを言おうと俺の人間嫌いなことは変わることはない 自分以外の奴らは全員大っ嫌いだ」


吹雪 「…私のこともですか?」


吹雪 「司令官は私と不知火さんだけには過去なにがあったかを打ち解けてくれましたよね?なのに私や不知火さんのこともお嫌いなんですか?」


提督 「…人間嫌いなことには変わりはない お前や不知火も嫌いだ」


提督 「誰も信用できない たとえお前らに打ち解けていてもな?」


吹雪 「…」


提督 「わかったらとっとと出ていけ 気が散る」


吹雪 「…わかりました 失礼します」


タッタッタッ…パタンッ


提督 「…」








吹雪の部屋



吹雪 「…」


吹雪 「(…司令官 なんであなたはあそこまで人を嫌うんですか?たしかに司令官の過去を聞けば自分以外の方を嫌いになるのは当たり前です…ですが)」


吹雪 「(それは過去の話であって今はだれも司令官のことを虐めたりしてないんですから関係ないじゃないですか?このままだといつか指揮に影響が出てしまいます)」


吹雪 「…」


吹雪 「(…大淀さんたちには悪いことをしてしまいましたね 本当は私だってあんなことはしたくありません 拷問だってただ言葉で言ってるだけでやったこともない上にしたくもありません)」


吹雪 「(明石さんたちには思いっきり蹴りを入れてしまいましたが大丈夫でしょうか?怪我はおろか、骨などを折ってないでしょうか?いくら駆逐艦とはいえ、艦娘の力はかなり強いので折っていないか心配です)」


吹雪 「(…でも、仕方ないんです 大淀さんたちが司令官の過去を知ろうとしてるのがいけないんです 私は悪くありません…)」


吹雪 「(みなさんが知ろうとしていなければ…わたしはこんなことをしなくて済んだのに…)」


吹雪 「…」


…コンコンッ


シラヌイデス スコシオハナシガアリマス


吹雪 「…どうぞ」


ガチャッ


不知火 「失礼します」


吹雪 「何のようですか?先程は私の邪魔をして…非常に機嫌が悪いんですが?」


不知火 「それは吹雪さんがやり過ぎたからです さすがにあのような言葉で止めさせるのはどうかと思います ご自分の身を苦しめることになりますよ?」


吹雪 「関係ありません わたしは司令官のためならこの命、捨てても構いません」


不知火 「…人の決めた事を文句を言う気はありませんがそれはさすがにやり過ぎです」


不知火 「今その命を捨てたら、今後司令官の過去をバラされないようする方がいなくなってしまいます そうなった場合にはどうするんですか?」


吹雪 「…そっそれは…」


不知火 「それに私は吹雪さんにいなくなってほしくありません 私以外にもあなたがいなくなってしまったら悲しむ方はいます それでも限度を考える気はありませんか?」


吹雪 「…」


不知火 「…まぁ、それはさておき 大淀さんたちのことなんですが?」


吹雪 「…まだ調べようとしてますか?」


不知火 「はい これ以上調べるなら吹雪さんは容赦なくあなた方に襲いかかってくると脅しを入れたんですが、それでも調べると言ってました」


不知火 「司令官の親元には絶対に電話するなとは言っておきました 念押しに言っておいたのでおそらく親元には電話しないかと思われます」


吹雪 「…そうですか 親元だけには電話しなければ私はキレたりはしません…ですが、」


吹雪 「もし親元に電話して司令官の過去を聞いた場合には私は本気でキレます!」


吹雪 「誰がなんと言おうと司令官の親元に電話をかけた場合には容赦なく殺します!!それだけは絶対に許しません!!」ギリッ!!


不知火 「それは私も一緒です 私も司令官の親元に電話をした場合には容赦なく殺ります」


不知火 「あの方々だけは私も許せません 司令官は過去にイジメなどを受けていたというのに自分の跡継ぎをさせるために無理矢理提督業をさせて…本当にイラつきます!」ギリッ!!


吹雪 「本当ですよ 親だからといって自分の息子が過去にひどいことがあったことを無視して無理矢理自分の跡継ぎをさせるなんて最低にもほどがあります!」


不知火 「本当に殺したいですね?今からでもあの方達のもとに行って首を取りに行きたいです」


吹雪 「ほんとですよ 私は首を取る前に爪剥がしや指折りなどをしてから殺したいです あの方達だけは生かしておけません!」


不知火 「ですが、それをやれば私たちだけではなく 司令官の方にも害が及びます 私たちの指揮官なので上の者からなにかしら罰を与えられてしまいます」


吹雪 「だから殺しに行けないんですよ?もし司令官に罰がいかないのであれば私はもうとっくのとうに殺しに行ってますよ」


不知火 「同感です 私も行ってます」


吹雪 「…ほんとに、司令官はかわいそうですよね?親のいうことを無理やり押し付けられて…本当にイラつきます!」ギリッ!!


不知火 「それでどうしますか?電話しない限りは調べさせてよろしいんですか?」


吹雪 「あまり調べさせたくありませんがあの方達に電話をしない限りは限度を考えて許可させます」


吹雪 「ですが、あの方達に電話したり、知りすぎてしまった場合には抹殺させてもらいます」


吹雪 「【司令官さんの真の目的まで知ってしまった場合には私は知った者達を全員皆殺しにします】」


不知火 「流石にそこまで知ってしまった場合には私も手伝います 司令官の真の目的は私たちしか知りませんからね」


吹雪 「【ちなみに司令官の裏日記ノートは今どこにありますか?】」


不知火 「【いつもの場所 隠してある司令官の屋根裏部屋の金庫の中に閉まってあります】」


不知火 「司令官は毎夜、裏日記ノートになにかを記載しています …まぁ、大体は想像できますが?」


吹雪 「それだけは絶対に見つからないようにしなければいけませんね 主に大淀さんたちを警戒しないといけません」


不知火 「そうですね 私もなるべくあの方達を見張るようしておきます」


吹雪 「お願いします」













朝ー工房



明石 「…さて、今日はどうしますか」


明石 「私以外の方は全員遠征や演習、出撃で不在して私しかいませんね?」


明石 「私は工房で装備の開発や整備をしたりしてますが…さほど多いわけではないんで、午前中で終わっちゃいますね?」


明石 「午後からどうしようかな?私1人で調べてもいいけど、1人だと心細いと言うか寂しいというか…」


明石 「うーん…」


…コンコン イナズマナノデス ナカニハイッテモヨロシイデショウカ?


明石 「いいですよ 中に入って」


ガチャッ


電 「失礼します」


明石 「どうしたんですか?私になにか用ですか?」


電 「はい ちょっと装備を見てほしいのです」ジャキッ


明石 「12.7連装砲ですか?どこかおかしいんですか?」


電 「いえ、おかしいわけじゃないんですが…」


明石 「?」


電 「…」キョロキョロ


明石 「…電?」


電 「…今ここにいるのは電と明石さんだけですか?」


明石 「っえ?そうですが…?」


電 「…ちょっとお耳をお貸しください」


明石 「?」スッ


電 「じつは、ここに来たのは装備のことではないのです 雷お姉ちゃんが今日、明石さんは1人になるので もしかしたら1人で調べるかもしれないから一緒に手伝って欲しいと言われたのです」ヒソヒソ


明石 「っえ?…まさか、電も提督の過去を調べようとしているんですか?」


電 「はいなのです 電も司令官さんの過去を雷お姉ちゃんから聞いてましたが、本当にひどいものだとわかったのです」


電 「電も調べようとしてるのですが、お姉ちゃんが危ないからだめだと言って許可してくれないのです 司令官さんの過去を調べてることを吹雪さんにバレたら大変な事になると…」


明石 「たしかに危ないですね 調べてることを吹雪さんにバレたら大変なことになります」


明石 「あまり無理して調べようとするのは勧めません バレた時のリスクが高いので、もし調べるならもう少し考えた方がいいですよ?」


明石 「現に私や大淀さんも二度バレてひどい目に遭ってます 本気で解体されるかと思いましたよ」


電 「それでも電は調べたいのです!」


電 「司令官さんは過去にそんなひどい目に合っているのに、このような業務をしてかわいそうなのです!」


電 「今はまだ業務に支障が出てないのでいいですが、いつかは出てしまうのです なので起きる前に何とかしておきたいのです!」


明石 「電…」


電 「お願いなのです!明石さん 電では頼りないかと思いますが私にも協力させてほしいのです!」


明石 「…バレてからじゃ遅いですからね?」


電 「わかっているのです!バレる覚悟でやるのです」


明石 「…そうですか わかりました」


明石 「【では、電はおとなしく私たちを見守っててください】」


電 「…っえ?」


明石 「これ以上人数が増えたらバレる可能性が増えますからね 電は雷に情報をもらいながら知るようお願いします」


電 「ちょ、ちょっと待ってほしいのです!それはつまり、電では足でまといになるからと言うことですか…?」


明石 「いいえ そういうわけではありません」


電 「だったらなぜ!」


明石 「たしかに人数が増えた方が情報は集まりやすいです ですが、その分吹雪さんや提督にバレる可能性が少なからず上がります」


明石 「それに電は雷の妹ですから、電になにかあった時に一番悲しむのは雷です 私たちが見てないところで吹雪さんになにされるかわかりませんからね?なので協力して欲しくないんです」


明石 「別に電が足でまといとは思っていません 逆に協力してくれるなら大歓迎なんですが、電がいなくなったら身近な方で悲しむ方がいますから手伝わせたくないんです」


電 「…明石さん…」


明石 「なので変な意味で受け止めないでください 電が役に立たないから協力してもらいたくないわけではないのでそれだけは理解してください」


電 「…わかったのです 明石さんがそういうのでしたらそうするのです」


電 「でも、もしおひとりでは大変と思った時には電を呼んでほしいのです その時は電もお手伝いするのです!」


明石 「わかりました では、その時はご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」


電 「はいなのです!」


電 「それでは、電はこの辺で失礼すします お仕事中にごめんなさいなのです」


明石 「かまいませんよ では!」


タッタッタッ…パタンッ


明石 「…」


明石 「…はぁ…本当なら手伝って欲しかったですね?調べるにしても、1人だとやっぱり心細いです」


明石 「かと言って、バレた時に電がひどい目に遭わないという保証がないから無理に協力して欲しくないんですよね?雷も同様だけど…」


明石 「…まっとりあえずは仕事をやってから、この後調べるかを考えるとしましょう まだ終わってませんからね?」


明石 「さてと、お仕事お仕事〜!」カチャカチャ…













お昼ー工房



明石 「…」バチバチ…バチバチ… 武器の溶接を行っている


明石 「…ふぅ?これでだいたい片が着きましたね」カタッ


明石 「あとはみなさんが帰ってきた時に渡してあげれば終わりですね?やっぱり早く終わってしまいましたね 午前中で終わるとは思ってたけど、本当に終わっちゃいましたね?」ググー…


明石 「…お腹減りました 一旦シャワーを浴びてから食堂に行きますか?さすがに油とかで汚れたまま食べたくありませんからね」


明石 「今シャワー空いてるかなぁ?」タッタッタッ…


…コンコンッ シラヌイデス イマハイッテモヨロシイデショウカ?


明石 「どうぞ?中に入って」


シツレイシマス ガチャッ


不知火 「…おや?どこかに行こうとしてたところですか?」


明石 「はい シャワーを浴びてからお昼を食べに行こうかと思ってました!」


不知火 「そうでしたか それならあとの方が良さそうですね?急ぎのようではないので出直します」


明石 「あぁいえ!別に今でも構いませんよ?なにか私に用でしょうか?」


不知火 「はい この後のことで少しお話が?」


明石 「この後ですか?なにかあるんですか」


不知火 「ない…と言えば嘘になります …ですが、これを話したら明石さんは確かめようとする可能性があるので話すかどうか迷っているんです」


明石 「…なにかあるんですか?」


不知火 「【…急遽 司令官の親元がここに来ることになりました】」


明石 「っえ!?提督の親元がここに!?」


不知火 「はい しかもあと1時間後に来るそうです」


明石 「1時間後!?本当に急ですね!」


不知火 「なので今日の捜索は絶対にしないでください 司令官の親元の話だけは絶対に聞いてはいけません」


明石 「…聞いたら、吹雪さんに殺されるということですか?」


不知火 「吹雪さんだけではありません 私も殺しに行きます」


明石 「…っえ?」


不知火 「わたしはそこまで厳しくする気はありませんが司令官の親元の話だけは絶対に許しません もし、その話を聞いた場合には」


不知火 「吹雪さんと一緒で聞いた者達を殺しに行きます」


明石 「…まさか、不知火さんも殺しに行くと言ってくるとは思いませんでしたね?親元の話だけは不知火さんも許さないんですか」


不知火 「はい あの方たちの話だけは私と吹雪さん以外には絶対に他言無用 聞かれてはいけません」


不知火 「なので調べる前に言っておきます これは警告です」


不知火 「司令官の親元が来た際には絶対に調べないでください 調べた際には殺しに行きます …いいですね?」


明石 「…わかりました 肝に銘じておきます」


不知火 「お願いします それでは、失礼します」


ガチャッ…パタンッ


明石 「…本当に急な話ですね もうすぐでここに提督の親元が来るなんて…大淀さんたちが居たら、おそらく調べてますね?」


明石 「今回は1人なのでやめておきましょう それに不知火さんに調べたら殺しに行くとも言われたのでなおさら調べるわけには行きませんね」


明石 「…とりあえず、ササッとシャワー浴びてご飯食べに行きましょう」タッタッタッ…













通路



明石 「ふぅ…今日も間宮さんのご飯美味しかったですね?なんであんなにも美味しいんでしょうか!」(*>∀<)♪


明石 「あの料理ならずっと食べ続けても飽きませんね 明日も間宮さんの料理にしよっと!」



タッタッタッ…


?&? 「「…」」タッタッタッ…


明石 「…おや?」


明石 「(前から来るお2人…見た事ありませんね?しかも私服でここを歩いていますが…?)」


? 「こんにちは 工作艦明石くん」スッ 敬礼をして挨拶をする


明石 「っえ?あっはい!こんにちはです!」スッ


? 「あらあら?そんなに固くならなくてもいいのよ もっと肩の力を抜きなさい?」


明石 「あっすみません …えと、失礼ですが、あなた方は…?」


提督の父 「わたしは元大湊警備府提督に属していたものだ 今は引退してるがな?」


提督の母 「わたしも元舞鶴鎮守府に属していたものです ここに属している母に当たるものです」


明石 「えぇっ!?提督の親元さんですか!?これは失礼しました!あの有名な方々に自己紹介をさせてしまって!」


提督の父 「はははっ!別にいいよ 自己紹介は誰でも普通にしなければいけないことだからそんな律儀にしなくてもいい」


提督の母 「そうよ?それに今はもう私たちは引退してるのだからそんなに礼儀正しくしなくてもいいわよ」


明石 「いえ!いくら引退してると言っても過去最高指揮官と呼ばれていた方達に礼儀正しくしないわけにはいきません!」


提督の父 「君は真面目だな でも、その心意気は悪くないことだ?」


提督の母 「そうね むしろ持ってて損することはないわ?」


明石 「(…この方達が提督の親元?一見普通に見えますが、なにを吹雪さん達は怒っているのでしょうか?)」


明石 「(見た感じ普通に話しても暴言や口調が荒くはなく、普通に話しをしてくれますが…一体吹雪さんたちはなにを警戒してるんでしょうか?)」


提督の父 「ところで、我が息子の指揮はどうだ?あの者はちゃんと艦娘と仲良くやっているか?」


明石 「っえ?えっと…」


明石 「(どうしよう…ここは正直に言った方がいいんでしょうか?それとも嘘ついてちゃんとやってると言った方がいいでしょうか?)」


明石 「(…あまり嘘をつきたくはないですが仕方ありませんね 本当のことを言うと吹雪さんになにされるか…)」


明石 「…はい みなさんと仲良くして良き指揮を出しています さすがは最高指揮官と呼ばれていた親元さんの息子さんです!」


提督の父 「…」


提督の母 「…」


明石 「…あれ?どうかしましたか?」


提督の父 「…本当に、そう思っているか?」


明石 「…っえ?」


提督の母 「正直に答えて 本当はどうなのかしら?」


提督の父 「あの子がうまくやっているとは思えない 本当はどうなんだ?」


明石 「っえ!?えっと…それは…」


提督の父母 「「…」」


明石 「(…どうしよう まさか親元さんもうまくやってないと思っているなんて思いもしませんでした)」


明石 「(正直に答えるのはいいんですが答えたら答えたで吹雪さんたちになにされるか…どうすればいいんでしょうか?)」


提督の母 「…うまくいってないようね」


提督の父 「君はすぐに顔に出るね 本当のことを話していいのかって顔に出てるよ」


明石 「っえ?っあ!すっすみません…」


提督の父 「別にかまわないよ それでどうなんだ?今の君の顔からしてうまくいってないと思ったが実際には?」


明石 「…えっと、それは…」 タッタッタッ…



吹雪 「…なにをやってるんですか?明石さん」


明石 「っ!!!?」ゾクッ!!


提督の父 「…吹雪くん」


吹雪 「お久しぶりです親元さん 司令官なら司令室にいるので野暮をうっていないでまっすぐ向かってください」


提督の母 「…吹雪さん あの子はうまくやってるかしら?みんなと馴染めてる?」


吹雪 「はい 馴染めています あなた方が心配しなくとも司令官はちゃんとやっています」


提督の父 「…本当か?」


吹雪 「何度も言わせないでください それともなんですか?ご自分の息子がうまく馴染めていないとでも思っているんですか?」


提督の母 「…」


提督の父 「…」


吹雪 「…最低ですね ご自分の息子を信じていないなんて?それでも親ですか!」


明石 「ちょっ!?吹雪さんさすがにそれは言い過ぎですよ!相手はあの過去最高指揮官と呼ばれていた方々にそのような口調を!」


吹雪 「黙っててもらえませんか?殺しますよ」ギロッ


明石 「っ!!!!!!」ゾクッ!!!!!!


明石 「(すっ透き通るような目で…ものすごい寒気が!)」ブルッ!!


提督の父 「ふっ吹雪くん さすがにそれは言い過ぎじゃ…」


吹雪 「あなた方には関係ありません それより早くお会いになるんでしたら早く司令室に行きますよ?こんなところで時間を潰さないでください」


提督の母 「…わかったわ あなた早く行きましょう?」


提督の父 「あっあぁ そうだな」


提督の父 「すまないな?明石くん 息子の元に行くよ」


明石 「はっはい…」


タッタッタッ…


明石 「…」


不知火 「…さきほど言いましたよね?司令官の親元が来ると」タッタッタッ…


明石 「っ! しっ不知火さん!」


不知火 「しかも親元とお話しするなんて…と言いたいですが、先程から見てましたが偶然にあのお2人に会ってしまって、向こうから話してきたのは知ってるのでわたしはなにも言う気はありませんがね」


明石 「見てたんですか!?全然気がつきませんでした…」


不知火 「それは気づかれないよう見てましたからね 気づかないのは当然です」


不知火 「それよりも、吹雪さんはおそらく司令官の親元が帰った後に親元となにを話してたかを聞きに明石さんの元に行くと思われます」


不知火 「一応私からも言っておきますが聞きに来たらその時は正直に答えてください いいですね?」


明石 「わっわかりました」


不知火 「それでは」


タッタッタッ…


明石 「…」


明石 「…まさか不知火さんに見られていたとは思いませんでしたね?全然気がつかなかった…」


明石 「…それにしても、元最高指揮官と呼ばれていた方々にあの口調で話す吹雪さんも凄かったですね?一応元上司に当たる方にあのような口で話したら怒られるのに…」


明石 「…今日はおとなしく工房でなにかしてましょう」タッタッタッ…













夕方ー工房



明石 「…」カチャカチャ…


明石 「…できたー!」


明石 「やっとできました!あとはこれで動けば完璧です!さっそく動かしてみましょう!」スッ


明石 「スイッチオン!」カチッ


ドローン 「」ブゥゥン…


明石 「よし!飛行には異常はありませんね!カメラはどうかな?」ピッ


リモコン画面 「」ウィンッ ドローンに取り付けられているカメラの映像が移り出す


明石 「よし!カメラもばっちり!あとは…」カチッ


ドローン 「」ウィーン…カチカチッ ドローンに取り付けられている機械の手が動き出す


明石 「ふぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!これも完璧です!!もう完璧しか言いようがありません!!」


明石 「ほんとに軽いもの程度しか使えないけどこれさえあれば遠くからでもあんなことやこんなことがやり放題です!」


明石 「…まっ厳密に言えば提督の情報を探るために作ったものですがね?」


明石 「いやしかし、本当に素晴らしいものができましたね!これなら商品化も夢じゃないですね!」カチカチッ


コンコンッ


オオヨドデス アカシサンイラッシャイマスカ?


明石 「っお!やっと帰ってきましたか!居ますよ 中に入ってどうぞ!」


シツレイシマス ガチャッ


大淀 「…なにやってるんですか?」


明石 「これですか?これは今流行りのドローンですよ!これさえあれば遠くから提督の偵察ができるので作ってみました!」


大淀 「もうブーム去ってますが…」


明石 「…ところで、雷と時雨は?」


大淀 「2人はまだ帰ってません 私とは別の任務なので帰りは夜になるかと思われます」


明石 「そうですか 早く帰ってきてくれるといいんですが?」


大淀 「…なにかあったんですか?」


明石 「もう大ありですよ!まだ帰ってないので司令室に居ますが今提督の親元が来てるんですよ!」


大淀 「っえ!?提督の親元が!?」


明石 「はい! …ですが、念には念を入れられて吹雪さんだけではなく、不知火さんにも調べるのを止められています」


大淀 「…やはり調べないよう言われましたか 抜かりありませんね」


明石 「しかも提督の親元の話しを聞いたら不知火さんも殺しにかかると言ってました」


大淀 「っえ!?不知火さんもですか!?」


明石 「はい さすがにそのことを知ってしまった場合には吹雪さんと2人で殺しにくると言ってました なので親元の話しは知らない方が身の為だと思います」


大淀 「…これは是非にとも聞きたかったんですが不知火さんも動くとなると本当に調べないようにした方が良さそうですね さすがにあの2人でやりに来られたらシャレになりません」


明石 「そうですね その方がいいかと思います」


コンコンッ シグレダヨ アカシサンナカニイルカイ?


明石 「いますよ 中に入ってどうぞ?」


シツレイスルヨ


ガチャッ


時雨 「…あれ?大淀さん帰ってきてたの?気づかなかったよ」


大淀 「わたしも先程帰ってきたばかりですよ 今日は出撃お疲れ様です」


明石 「お疲れ様です」


時雨 「2人もお疲れさま …それと明石さん そのラジコンと思われる物はなにかな?」


明石 「これですか?これは今流行りのドローンですよ!小型カメラ搭載されてる上に軽いものだけですが物を持ったり動かしたりすることも出来るんです!」


時雨 「…ドローンって今流行っていたかな?昔は流行ってたけど」


大淀 「もうブーム去ってます…」


明石 「そんなこと関係ありませんよ!これを使って提督の情報を探ろうと思って作ったんですからブームなんて関係ありません!!」


大淀 「では何故今流行ってるなんて言ったんですか…」


明石 「ノリです!」o(・ω´・+o) ドヤァ…!


大淀&時雨 「「…」」


明石 「…二人して黙らないでください 何かしら反応してくださいよ」


時雨 「…話し戻そうか?」


大淀 「そうですね」


明石 「スルーですか!?もはや話しすらしてくれないんですか!?」


大淀&時雨 「「はい(うん)」」


明石 「ひどいです!!」ガーンッ!!


大淀 「それで、そのドローンを使って提督の情報を探ろうと言ってましたがどうやって探るんですか?映像だけでは探りにくいのではないでしょうか?」


明石 「そこの点はご安心を!無線機に使われているマイクと赤外線を付けているので音量もキャッチできるようにしています!」


時雨 「…抜かりなしだね?」


明石 「本気で提督の情報を知ろうとしてますからね!このくらいは準備しておかないと完全には調べられませんよ!」


大淀 「バレないでしょうか?もし調べてる時に吹雪さんが電探使ってキャッチされたら…」


明石 「そこもご安心を!このドローンには高性能のステルス機能を付けているので駆逐艦が装備できる電探では絶対に見つかることはありません!」


大淀 「もはやなんでもありですね…」


時雨 「たしかに…」


明石 「いいじゃないですか!それよりもお2人にご相談があるんですが?」


大淀 「? なんですか?」


明石 「…提督のご両親のお話 聞いてみたいと思いませんか?」


時雨 「…っえ?提督の両親の話し?」


明石 「あっそう言えば時雨には言ってませんでしたね?実は今提督の両親が来てるんですよ」


時雨 「っえ!?そうなの!?」


大淀 「はい 今提督の部屋にいるみたいですよ?それで両親の話しを聞いてみたいと言ってましたが…まさか!」


明石 「はい このステルス機能が付いたドローンで調べようと思います!」


時雨 「大丈夫なの?たしか提督の両親の話しを聞いたら吹雪が殺しにくるって…」


大淀 「吹雪さんだけではありません 不知火さんも殺しにかかってきます」


時雨 「…っえ?」


明石 「不知火さんにも提督の親元の話だけは聞くなと言われているんです もし聞いたら本気で殺しにくると言っていたんです」


時雨 「不知火さんも!?まさか不知火さんも吹雪と同じ考えだとは思わなかったよ…」


大淀 「私も思いませんでした まさか不知火さんもそのような考えだったとは思いもしませんでした」


明石 「私だって思いませんでしたよ?てっきり不知火さんは私たちの味方だと思っていたのに…」


大淀&時雨 「「いや、それはさすがにない」」


明石 「アルェー?」(・3・)


大淀 「…それでどうするんですか?提督のご両親の話…聞くんですか?」


明石 「私は聞こうと思っています お2人はどうしますか?無理にとは言いませんが…」


時雨 「…リスクが高過ぎるね」


大淀 「そうですね もし万が一、バレた時のことを考えると調べるのはかなり危険ですね

まして不知火さんも同じ考えみたいなので…」


明石 「…わかりました ではお2人は待機しててください 私は1人で調べに行ってきます」


時雨 「それはだめだよ!1人でなんて危なすぎるよ!」


大淀 「そうですよ!さすがに危険すぎます!」


明石 「大丈夫ですよ?バレなければいいだけです!」


大淀 「それでこの前バレたばかりじゃないですか!お忘れになりましたか?」


明石 「この前はこの前、今は今です!それにこのドローンはステルス性なのでそう簡単には見つかりませんよ!」


時雨 「でも絶対とは言えないんだよね?いくらステルス性だと言っても肉眼で見られたらバレるよね?」


明石 「そこもご安心を!このドローンにはなんと擬態機能も付いてるんです!その時の周りの色に応じて変色することが出来るんです!」


時雨 「本当にもうなんでもありだね!」


大淀 「もはやツッコミ切れません…」


明石 「さて!それではさっそく外に飛ばして司令室の窓から盗聴を…」


プルルルル…プルルルル…


明石 「っん?私の携帯に着信が来るなんて珍しいですね 誰からでしょう?」スッ


着信 『非通知』


明石 「…非通知?一体誰からだろう ちょっと電話しますね?」ピッ


大淀 「どうぞ」


明石 「もしもし どなたでしょうか?」


? 『…明石くんかね?』


明石 「っ! その声…まさか提督の親元さんですか!?」


大淀&時雨 「「っえ!?」」


提督の父 『そうだ 先ほどはすまない まさかあのタイミングで吹雪くんが来るとは思わなくてな』


明石 「いえ!そんな滅相もありません!それよりなぜ私の携帯番号を?」


提督の父 『不知火くんに教えてもらったんだ 今隣にいるから変わるよ』


不知火 『変わりました不知火です 明石さんで間違いありませんね?』


明石 「はい間違いありません どうしたんですか?なぜ提督の親元さんに私の携帯番号を教えたんですか?」


不知火 『それは後で提督の親元から聞いてください それよりあなた方は本当に殺されますよ?そのようなものまで用意して司令官の部屋の窓から盗み聞きしようとなんて…本当にバレたら私でも手をつけられませんよ?』


明石 「っえ!?なんでその事を!?」


不知火 『実はその部屋に盗聴器が仕掛けてあるんです それも高性能になっていて電波をキャッチされないように作られているのでなかなか見つけることもできません』


明石 「っえ!?この部屋に盗聴器を!?」


大淀&時雨 「「っえ!!!?」」


不知火 『もちろん吹雪さんの方にもあなた方の話しが聞かれています …ですが、今回は私の方で吹雪さんの方にはいかないようにしておいたので安心してください』


明石 「あっありがとうございます 盗聴器を付けられていたことに関しては礼を言いませんが吹雪さんの方に情報をいかなくさせてくれたことは感謝します」


不知火 『構いません それより、今近くにいるのは大淀さんと時雨だけですか?』


明石 「はい 2人は先程帰ってきて私の部屋に来たんです それがどうかしたんですか?」


不知火 『雷はいないんですか?』


明石 「まだ帰ってないみたいでこっちにはいませんね」


コンコンッ ガチャッ


雷 「じゃーん!ただいま戻ってきたわ!」


明石 「あっちょうど帰ってきましたね」


大淀 「おかえりなさい雷」


時雨 「おかえり」


雷 「あれ?大淀さんに時雨 もう帰ってたの?」


大淀 「はい 私たちは一足先に帰ってました それにしてもちょうど良いタイミングで帰ってきましたね?」


雷 「…ちょうど良いタイミング?」


時雨 「うん 今不知火さんから電話が来てるんだ 提督の親元のことでね?」


雷 「っえ!?司令官の親元の話しを!?でもたしか 司令官の親元の話しは聞いちゃダメって…」


明石 「そうなんですが不知火さんから電話をしてきてくれたのでおそらく平気かと思います!」


不知火 『吹雪さんを除いでですがね』


明石 「…バレたらただじゃ済みませんね」


不知火 『それより明石さん 皆さんにも聞こえるようにスピーカーモードにしてくれませんか?』


明石 「はい わかりました」ピッ


不知火 『皆さん 私の声が聞こえますか?聞こえるなら返事をしてください』


大淀 「はい ちゃんと聞こえています」


時雨 「聞こえてるよ」


雷 「聞こえてるわ!」


不知火 『大丈夫そうですね』


不知火 『それでは今からお話することをよく聞いておいてください 一度しか言いませんので聞き逃さないようしてください』


不知火 『今から皆さんに提督の親元の話しをします もちろん提督の親元本人の口からお伝えしますので無礼がないようお願いします』


不知火 『それではお願いします』


提督の父 『…電話を変わった 提督の父です』


提督の父 『君たちの話しは不知火くんから聞いてる 君たちは自分たちがなぜ息子を提督にしたかを知りたいみたいだね』


明石 「はい なぜあそこまで人間嫌いでいじめを受けていたにも関わらず、無理やり提督にしたのかを知りたいんです」


提督の父 『…表向きに言えば、息子はあぁいう性格だから艦娘たちと仲良くして、性格を治すことを望んでいた』


大淀 「表…?では、裏はなんですか?」


提督の父 『…息子の夢を叶えさせないためだ』


雷 「…っえ?」


時雨 「夢を…叶えさせないように?」


提督の父 『あぁ 君たちはあの者の夢、将来の夢を知ってるかい?』


大淀 「…いえ、ご存知ありませんが…?」


提督の父 『…あの子の将来の夢は』


提督の父 『【殺人鬼になることが夢だと言っていたんだ】』


全員 「「っえ!?殺人鬼!?」」


提督の父 『あぁ 小学校、中学校でも将来なにになりたいかを聞いた時に殺人鬼になりたいと言っていたんだ』


提督の父 『散々あの子を虐めてきたやつを殺したいと言って、誰をどういう風に殺すかを書かれた殺人鬼計画ノートまで作り始めたんだ』


提督の父 『もちろん自分と母はそれを何度も捨ててきた 息子が殺人鬼になって欲しくないのもあるが、殺人を犯してこの先の人生を台無しにして欲しくないから無理に自分たちと同じ、海軍指揮官にさせたんだ』


提督の父 『…だが、やはり治すことは出来なかった しかも今現在でも殺人鬼ノートを作っているらしく、前よりも計画が進行しているらしい』


提督の父 『…失敗したよ 海軍指揮官にさせた事で頭が良くなり、さらに計画を立てやすくしてしまった…こんなことになるなんて思ってもなかった』


明石 「…あの、先ほど進行しているらしいと言ってましたがなぜ疑問形なんですか?提督の親元さんは提督が殺人鬼ノートを作っていることを知っていなかったんですか?」


不知火 『それは私が教えました 司令官が殺人鬼ノートを作成していることは私と吹雪さんが知っています』


不知火 『もちろんそのノートがある場所も知っています …ですが、その場所に行ったら確実に司令官か吹雪さんにバレるので破棄することはできません』


雷 「…そのノートがある場所ってどこなの?」


不知火 『この鎮守府の屋根裏です 普段は司令室の天井に階段が隠されていますがその場所に置いてある金庫の中にしまってあります』


不知火 『さすがに金庫のパスまではわかりませんが鍵ならいつも司令官が持っているのを目にしているので確実です』


大淀 「…なぜその事を私たちに?」


不知火 『…』


大淀 「不知火さん 私はあなたの考えていることがわかりません」


大淀 「あなたは提督の親元の情報だけは聞かないよう言っていましたよね?もし聞けば、吹雪さんと一緒に私たちを殺しにくると念入りに言っていたのになぜ教えてくれるんですか?」


不知火 『…それは…』


提督の父 『…自分が頼んだんだ』


明石 「親元さんが?」


提督の父 『あぁ 実は、不知火くんは元々自分のところに属していた艦娘なんだ』


時雨 「っえ!?そうだったのかい!?」


提督の父 『不知火くんだけではない 吹雪くんも元々自分のところに属していた艦娘なんだ』


提督の父 『息子の面倒を見てもらうために初期艦としてつけたんだが…吹雪くんは息子から過去なにがあったかを聞いたら、自分の考えに反発し、息子の味方をするようになってしまったんだ』


提督の父 『もちろん息子が殺人鬼になることは望んでいない それだけは止めようとしているらしいが自分に協力することはなくなってしまったんだ…』


提督の父 『…失敗したよ まさか吹雪くんが息子側につくとは思ってもいなかったからな?』


不知火 『かなり怒っていましたよ 私も怒っていないといえば嘘になりますが吹雪さんほどではありません』


不知火 『そんな理由のために司令官の過去を気にしないで、親元さんの権限を使って海軍指揮官にさせたことを吹雪さんは激怒しています』


提督の父 『…』


明石 「…それで、結局私たちにそのことを話したのはなぜですか?聞かないように言い渡されていたのになぜ話してくれたんですか?」


不知火 『…じつは、あなた方にお願いがあるんです』


大淀 「お願いですか?」


提督の父 『あぁ 本来なら不知火くんと吹雪くんでやってもらう予定だったんだが…吹雪くんが敵となってしまった今、不知火くんだけではどうしようもできないんだ』


提督の父 『【…息子のノート 殺人鬼計画ノートの破棄を手伝ってほしいんだ】』


時雨 「っ!」


雷 「…それはまためんどうなお願いね?そのノートってこの鎮守府の屋根裏にあるのよね?」


不知火 『はい それは間違いありません 屋根裏に入ると机と本棚が置かれていて床に金庫が置いてあります』


大淀 「その金庫には鍵とパスワードを入れないといけないんですよね?鍵はなんとかするとしてもパスワードがわからないんじゃ…」


不知火 『そこは明石さんに頼みます』


明石 「っえ!?私ですか!?」


不知火 『はい その金庫はダイヤル式なので音を聞けばおそらくわかるかと思います』


不知火 『明石さんは同じ材質で作った金属でも音でどっちが良い物かを聞き分けることができますよね?』


明石 「…まぁ、一応わかりますけど…」


不知火 『それと同じです そのやり方でパスを解いてください』


明石 「いやいやいやいやっ!!その基準はおかしいですよ!?」


明石 「金庫を開けるやり方と作った装備を確かめるやり方とは全然違いますからね!?同じにしてもらっては困ります!」


不知火 『お願いします明石さん それしか方法はないんです』


不知火 『パスまではさすがにどうしようもできません パスを解くには明石さんの力が必要なんです!お願いします!』


明石 「そっそんなこと言われましても…私は金庫を使ったこともなければ触ったこともないんですよ?それで頼まれましても…」


大淀 「私からもお願いします明石さん!この中でできるのは明石さんしかいないんです!お願いします!」


時雨 「お願いだよ明石さん!僕たちじゃ無理なことなんだ 明石さんにしか頼れないんだ!」


雷 「お願い明石さん!みんなで司令官を止めましょ!」


明石 「…みなさん…」


明石 「…わかりました なんとかやってみます!」


大淀 「ありがとうございます明石さん!」


明石 「パスワードは私がなんとかします!あとは鍵をどうするかですよね?」


不知火 『鍵は任せてください こんなこともあろうかと形だけとったものがありますのでそれに鉛などを溶かしたものを入れて作ればすぐにできます』


雷 「用意周到ね」


時雨 「となると、あとの心配は吹雪と提督にバレないようにしないといけない事だね」


大淀 「そうですね バレたら終わりですからね」


提督の父 『そこは自分がなんとかしよう 自分が息子と話をする時は必ず吹雪くんが一緒に付くから2人を足止めしよう』


明石 「それならもう完璧ですね!2人にバレる心配さえなければもういけますよ!」


不知火 『いえ、もう一つ問題点があります』


大淀 「…っえ?まだあるんですか?」


不知火 『はい 正直、これが一番の問題点なんですが…』


時雨 「…一番の問題点?」


不知火 『…先ほど、司令官の殺人鬼ノートがある場所は屋根裏と言いましたよね?』


大淀 「えぇ そう聞きましたが?」


不知火 『【その屋根裏に行くためには司令官の指紋が必要なんです】』


雷 「指紋?」


不知火 『はい 屋根裏に行くためには司令官の人差し指の指紋が必要なんです いつも司令官は人差し指で開けていたのでそれは確実かと思います』


不知火 『それをどうやって手に入れればいいか…司令官の指を切り落として持ってくるわけにはいきませんし』ウーン…


明石 「それなら簡単ですよ?指紋ならすぐに採取できますよ」


全員 「『…っえ?』」


明石 「指紋というのは人の油ですからね アイシャドウやチョークを使えばすぐに指紋は取れますよ」


不知火 『そっそれは本当ですか!?』


明石 「はい ただ問題点としては提督がどこで人差し指をなにに使っていたかがわからなければ採取できません」


明石 「別の指ではいけないので確実に提督が人差し指を使っている物から採取しないといけないので、それを探さないければ採取できてもどうしようもできません」


明石 「あっちなみに指紋認証機から取ることは不可能ですよ 指紋認証機の指を乗せる部分は特別な材質で作られているので指紋が残りません」


明石 「汗とかで跡が残っていたとしてもそれを採取することはできません 跡の場合は完全に残っているわけではなく、一部指紋が消えてる場合が多いので少しでも消えていたら指紋として機能はしません」


大淀 「…すっすごい 明石さんが探偵に見えてきました」


明石 「なぜに探偵ですか!?」


時雨 「だって指紋を採取するのにそんなことを知ってるなんて警察レベルだよ?探偵だと思われてもおかしくないよ」


明石 「探偵と警察は全然違いますからね!?それに指紋を採取する方法を知ってるだけでオーバーですよ!」


雷 「例えるならあの有名な毛利小〇郎ね!」


明石 「例えで名探偵コ〇ンのキャラになりますか!?」


不知火 『…えっと、話しを戻してもよろしいでしょうか?』


明石 「あっはい どうぞ?」


不知火 『では話を戻します』


不知火 『明石さんは司令官が人差し指で使ってる物さえあれば、指紋を採取することができるんですね?』


明石 「はい それさえあれば採取できます」


不知火 『…わかりました 今から用意します』


大淀 「…用意できるんですか?」


不知火 『はい 私と吹雪さんは司令官の任意さえあれば、部屋の出入りを許可されているんです』


不知火 『任意がなくとも、なにか理由があれば納得してくれるのでなにかしら理由をつけて司令官がいつも使ってるボールペンなどを取ってくれば指紋を採取できますよね?』


明石 「ボールペンでしたらなんとかいけます お願いできますか?」


不知火 『任せてください それではまた後ほど連絡しますので私が司令官のボールペンを取ってくるまで、下手な動きは見せないようお願いします』


大淀 「わかりました 気を付けてくださいね?」


不知火 『わかっています それでは親元さん 司令官が司令室に行かないよう引き付けておいてください』


不知火 『戻ってきてしまったら作業を行うことができません バレたらもう止めることは出来なくなってしまいます』


提督の父 『…わかった どこに引きつければいいかな?』


不知火 『一階の食堂に引きつけて、なにか話しをすればいいと思います 司令室は三階なので階段を下ろした時に出る音もなんとかごまかせるかと思います』


提督の父 『わかった では早速行動に移そう』


不知火 『はい それではまた後ほどおかけします では』


ブツッ プーップーップーッ…


明石 「…切れましたね」スッ… 携帯を懐に戻す


時雨 「そうだね それじゃ、僕たちは不知火さんから連絡があるまで待機してようか?」


大淀 「そうですね 良い知らせがくることを願っていましょう!」


雷 「おぉー!」






? 「…はぁ 私は警告しましたよね?次調べたら、あなた方を殺すと…」工房の扉前で耳を傾けめいる


? 「…あなた方が悪いんですからね 警告したのに、それでも調べたあなた方が悪いんですからね?」


? 「…屋根裏に入った瞬間、覚悟してくださいね」タッタッタッ…













数時間後…



夜ー工房



雷 「〜♪」カチャカチャ 明石が作ったドローンで遊んでる


時雨 「…」(´-ω-`)))コックリコックリ… 待ちくたびれて居眠りこいてる


大淀 「…なかなか連絡がありませんね まだ取りに行けてないんでしょうか?」カリカリ… 自分の部屋まで行って書類を持ってきてまとめている


明石 「うーん…たぶんまだ取りに行けてないんじゃないでしょうか?こんなに時間がかかっているということは?」


大淀 「…大丈夫でしょうか?バレていなければいいんですが…」


明石 「多分平気ですよ 不知火さんならバレずに取ってきてくれますよ!」


大淀 「…それならいいんですが…」



プルルルル…プルルルル…


全員 「「っ!」」


明石 「噂をすればなんとやらです!この着信は!」スッ


着信 『不知火』


明石 「不知火さんからです!電話取るので静かにしててください」ピッ


明石 「もしもし明石です」


『…明石さんですか?』


明石 「はいそうです どうでしたか?上手く持ってこれたでしょうか?」


『…はい なんとか取りに行けました』


明石 「それはよかったです!それではすぐに指紋採取するので持ってきてもらえないでしょうか?」


『…それならもう扉の前に置いてあります ちょっと訳あってすぐに行動に移さなければいけないことが出来てしまったので鍵とボールペンだけ置いてあります』


明石 「っえ?そうなんですか?わかりました それではすぐに指紋採取して私たちも行動に移しますがもう動いて平気でしょうか?」


『…はい大丈夫です それでは、よろしくお願いします』


明石 「任せてください!」


ブツッ…


明石 「…」スッ…


大淀 「…不知火さんはなんて?」


明石 「不知火さんは急遽なにかをしないといけなくなったみたいで、扉の前にボールペンを置いといたからあとは頼むと言ってました」


時雨 「なんで扉前まで来たのに渡さなかったんだろう?ここまで来たら普通に渡してくれてもいいと思うな」


雷 「ほんとよね?なんか不知火さんらしくないわ」


明石 「…まぁとりあえずは扉前に置いてあるボールペンから指紋を取りましょう 取らないことには始まりませんからね」


大淀 「そうですね 早く取って屋根裏部屋に行きましょう」


明石 「ボールペンボールペンっと?」タッタッタッ…


ガチャッ


明石 「…っと?ありました これですね」スッ… 工房前に置いてあった鍵とボールペンを自分の指紋がつかないようぼっち部分を掴んで手に取る


明石 「それでは、早速指紋採取に取りかかるとしましょう!」


時雨 「…ねぇ明石さん 指紋採取するところって見せてもらってもいいかい?どうやってやるのか見てみたいんだ」


明石 「構いませんよ?でも、やり方は至って単純なのでつまらないかと思いますよ?」


雷 「それでも見たいわ!やって見せて!」


明石 「…わかりました」


明石 「ではまず、用意するものはアイシャドウとセロハンテープだけです!」


大淀 「それだけですか!?とてもそれだけで指紋が取れるとは思いませんが…」


明石 「まぁまぁ!最後まで見ててください!」


明石 「そしたら最初に、アイシャドウの粉を指紋がついてるだろうと思う場所に振りかけます!」パラパラ…


明石 「次にこの粉を振動で振り払えば…!」トントン


雷 「っあ!指紋がくっきり出てきた!」


時雨 「すごい…こんな簡単に指紋って出てくるんだ?」


大淀 「…」驚きのあまりになにも言葉が出ない


明石 「あとは出てきた指紋をセロハンテープでくっつけて取れば!」ペタッ ピー…


明石 「はい!提督の指紋採取完了です!」


時雨&雷 「「おおーっ!」」パチパチ


大淀 「…明石さん 艦娘やめて探偵事務所を立てる気ありませんか?」


明石 「いやいやこれだけで探偵事務所を立てるのはおかしいですよ!?ただ指紋を取っただけじゃないですか!」


時雨 「明石さん そんなことより早く行って吹雪たちにばれる前に提督の殺人鬼計画ノートを取りに行かないと!」


明石 「そうですね それでは早く行きましょう!」













提督室



ガチャッ


明石 「お邪魔しまーす」


大淀 「…提督はいませんね まだ提督の親元さんと話をしてるみたいですね?」


雷 「みたいね それじゃ、帰ってくる前に早く取らないとね!」


時雨 「でも、隠し階段を出す為の指紋認証機ってどこにあるんだろ?見た感じなさそうだけど…」


明石 「うーん…指紋認証部分だけなら指の第一関節部分ぐらいの大きさぐらいしかありませんからね?もしそれだけが取り付けられていたとしたら探すのが困難ですね」


大淀 「すぐに見つかればいいですが…」


雷 「はいはーい!ここは雷様に任せて!」


3人 「「…っえ?」」


雷 「そういうものってのはね?大体隠されてるがあたりまえなのよ 表に出てるなんてことはまずないと思うわ!」


雷 「私の予想だと、その指紋認証機がある場所は…」タッタッタッ…


雷 「…」コンコンコンコン… 歩きながら壁を叩いていく


3人 「「…」」 コンコンコンコン…


雷 「…」コンコンコンコン…


トントンッ


雷 「…ビンゴね!」ググッ… 音が違った壁部分を力を入れて押す


クルッ…カチャンッ 雷が押してた部分の壁がくるりと回って指紋認証機が現れる


明石 「っえ!?本当に指紋認証機が出てきた!?」


時雨 「すっ凄いよ雷!よくそんなところにあるって分かったね!」


雷 「いやぁ!よくテレビでそういうのが壁とかにあるケースが多かったからもしかしたしたらと思ってやってみたら当たってたわ!」


大淀 「…雷 次の配属先は探偵事務所を推薦しますがどうしますか?」


雷 「いややらないからね!?それだけで探偵になれないわよ!?」


大淀 「明石さんと一緒ならいけますよ お二人とも次の配属先は眠りの〇五郎さんがいる探偵事務所にしておきますね?」


明石 「いやいやいやいや!勝手に決めないでください!?行きませんからね!」


大淀 「そうですか?それは残念です」


明石 「…てか、さっさと指紋を認証させて早く取りに行きましょう」


時雨 「そうだね 早くしないと戻ってきちゃうかもしれないからね」


明石 「それでは早速!」スッ 先ほどテープで採取した提督の指紋を取り出す


明石 「これを指紋認証機に乗せて、その上から黒い紙を被せれば…!」パサッ 指紋の付いたテープを指紋認証機に乗せて、その上から黒い紙を乗せる


指紋認証機 『ピピッ!』


ガシャンッ


隠し階段 『ウィーン…』天井に隠された階段が徐々に下りてくる


ウィーン…ガシャンッ!! 隠し階段が床に付いて完全に降りてくる


大淀 「…本当にありましたね 隠し階段…」


時雨 「この上に提督の殺人鬼ノートがあるんだよね?」


雷 「そのはずよ それじゃ、みんな行くわよ!」


3人 「「はいっ!」」













提督の隠し部屋



明石 「…中は意外と広いですね?範囲的に10坪ぐらいですかね?」(1坪は畳2枚分です)


大淀 「そうですね そのくらいはありそうですね?」


雷 「でも、なにもないわね?こんなに広いのに机と金庫しかないわ」


時雨 「寂しいね こんなに広いのに、空いてるところがもったいないよ」


明石 「…さて、問題のノートが入ってる金庫というのはそこに置いてあるやつのことですよね?早く開けて取り出しましょう」


大淀 「すぐに開けれるんですか?」


明石 「さすがにすぐにはできません 失敗したらまたやり直しなのでかかっても20分ぐらいかと思います」


雷 「20分!?そんなに早く開けれるの!?」


明石 「早くはないかと思いますが…」スッ… 懐から心音機を取り出す


時雨 「? それは医者が使う心音機かい?」


明石 「はい これを使って金庫のパスを調べるんです!」スッ… 心音機を装備して心音を確かめる胸当てを金庫に当てる


時雨 「そんなのでわかるのかい?とてもじゃないけど、心音機でわかるとは思えないけど…」


明石 「まぁ見ててくださいって!」クルクルクルクル… ダイヤルを回して初期段階に戻す


明石 「…」クル…クル… 遅め遅めに回転させながら耳をすませる


3人 「「…」」明石の行動を見ている


明石 「…」クル…クル…


…カチャン


明石 「っ! 1桁目は3回まわしての3ですか メモって置かなくては…」カリカリ…


雷 「っえ!?もう1桁目わかったの!?」


明石 「はい 3回まわしての3で音が鳴ったので確実です 次は逆回転させてっと?」クル…クル…


時雨 「…音なんて聞こえたかい?全然聞こえなかったけど…」


雷 「私も聞こえなかったわ いつ音が鳴ったの?」


大淀 「おそらく心音機を使わないと聞こえないほどの音が鳴ったんじゃないでしょうか?本当に小さな音が?」


時雨 「…明石さん 次の配属先、泥棒でもいいんじゃないかな?」


雷 「たしかにその方がいいかもしれないわね!似合ってるかも!」


大淀 「では、次の配属先は泥棒にしておきますね?」


明石 「…」クル…クル… 集中していて大淀たちの話は聞こえていない


大淀 「…集中してるみたいですね 返事が帰ってきません」


時雨 「少し黙ってようか 騒がしくしてると明石さんの邪魔になるもんね?」


雷 「でも、なにも話さないでいると視聴者が飽きちゃうわよ?無言のままやり過ごしてたら見る人少なくなっちゃうよ?」


時雨 「メタいよ…」


大淀 「メタいですね…」


…カチャン


明石 「っ! 2桁目は7回まわしての7ですか メモメモっと?」カリカリ


大淀 「どうですか明石さん 今のところ順調ですか?」


明石 「今のところは順調です これならすぐに開きそうです」


時雨 「それならよかった ちなみにあと何桁かってわかってるのかい?」


明石 「それがですね?金庫によって数が違うのでわからないんですよ」


雷 「っえ?そうなの?それじゃあと何桁あるかってわからないってこと?」


明石 「はい 少ないやつで2桁から多いもので20桁以上あるものもあります」


大淀 「そんなにですか!?てことは、あと多くても18桁あるということですか…?」


明石 「そういうことです」クル…クル…


カチャン


明石 「っ! 5回まわしての5ですか メモメモっと」カリカリ


時雨 「…ねぇ このパスワードの並び…もしかして、言葉になってないかい?」


大淀 「…っえ?」


雷 「3、7、5…なにか言葉になってるかしら?」


時雨 「3、7、5…次の数字が6、4でみ、な、ご、ろ、しの言葉になるけど違うかな?」


明石 「あっ…たしかにそうですね?その並びだと皆殺しになりますね?」


大淀 「提督も人を殺そうとしてるので接点は合いますね もしかしたらそれかもしれませんね!」


雷 「明石さん そのパスワードでやってみて!」


明石 「わかりました!」クルクル…


…カチャン


明石 「っ! 6回まわしての6で音がなりました!」


時雨 「やっぱり!僕の予想通りだったね!」


大淀 「すごいです時雨さん!次の配属先を探偵事務所にしておきますね!」


時雨 「だからなんでこれだけのことで探偵事務所に移動させようとするんだい!?僕は艦娘だから探偵事務所になんか移動しないよ!」


大淀 「…残念です」


明石 「てことは最後の数字は4回まわしての4ですね!答えがわかっているなら簡単です!」クルクル…


プルルルル…プルルルル…


大淀 「あら?こんな時に電話 いったい誰でしょう?」スッ


着信 不知火


大淀 「不知火さん?どうしたんでしょうか こんなタイミングに…」ピッ


大淀 「はいもしも…」


不知火 『大淀さん!皆さんを連れて逃げてください!!!!』


大淀 「…っえ?」


明石 「開きました!」ガチャッギィィ… 金庫の鍵をすべて解除して開ける


バタンッ!!!!


全員 「「っ!!!!!?」」出入口の扉が勢いよく開けられて振り返る


不知火 「がはぁっ!!!!」ドサァッ!! 投げ飛ばされて地面に叩きつけられる


大淀 「しっ不知火さん!?」


吹雪 「…私は言いましたよね?これ以上司令官のことを調べたら、明日の明朝が見られると思わないことを伝えましたよね!!」ギロッ!!


明石 「ふっ吹雪さん!!」


吹雪 「もうあなた達を許しません 今度こそは私の手であなた達を殺してあげます!覚悟してください!!」ジャキッ 12.7cm連装砲を明石たちに向けて構える


時雨 「(まずいっ!)」スッ 太ももに付けている61cm三連装魚雷に手をかける


大淀 「ふっ吹雪さん落ちついてください!一度話し合いを…!!」


吹雪 「死ねぇっ!!!!」ドゥンッ!!


時雨 「みんな伏せて!!」ブンッ!! 61cm三連装魚雷の弾を吹雪が放った12.7cm連装砲の砲弾にめがけて投げつける


明石&大淀&雷 「「っ!!」」スッ


ドガァァァッ!!!! 12.7cm連装砲の砲弾と61cm三連装魚雷の弾がぶつかり合って起爆する


吹雪 「」ダンッ!! 爆風の中に突っ込んで時雨の目の前に現れる


時雨 「くぅっ!!」スッ すぐさま12.7cm連装砲を横にして胸部分を守る


吹雪 「死ね…!!」ジャキッ 目の前にいる時雨に12.7cm連装砲を構える


ドゥンドゥンドゥンドゥンッ!!!!!!


ババババァァッ!!!!!!


時雨 「くぅぅっ!!!!!!」小破 12.7cm連装砲を盾にしていたため小破まで抑えられる


明石 「時雨さん!」


時雨 「明石さん!大淀さん!雷!ここは僕が食い止めるから早く殺人鬼ノートを粉砕してくるんだ!長くは持たない!」


大淀 「っえ!?でっでも、そんなことしたら時雨が!」


時雨 「いいから早く行って!提督の計画を実行させないためにここまで来たんでしょ!今ここで全員殺されたら水の泡だ!」


時雨 「君たちの手で抹消するんだ!早く行って!!」


明石 「…時雨さん…」


雷 「ふん!なに時雨だけかっこよくなってるのよ?一人だけ目立とうなんて そんなの許さないわよ!」


雷 「私も吹雪さんを食い止めるわ!二人でやった方がさらに時間稼ぎになるでしょ?」ニィッ


時雨 「…っえ?」


吹雪 「ふん たかだか駆逐艦二人が私に立ち向かおうなんて…なめられたものですね?」ギロッ


吹雪 「いいでしょう 二人合わせて1分で終わらせてあげます 生きて帰れると思わないで下さい」


時雨 「やれるものならやってみな!」


雷 「自分だって駆逐艦なのによく言うわよ!いくわ!!」ダンッ!!



大淀 「明石さん!急いでここから出ましょう!ここで粉砕するのは難しいので外に出ましょう!」


明石 「はっはい!あっでも、不知火さんが…」


不知火 「…だっ大丈夫です 私のことは気にせず、行ってください…つっ!」ズキッ


大淀 「だっ大丈夫ですか!?どこか損傷してるなら治療を…」


不知火 「いいから早く行きなさい!時雨たちの時間稼ぎを無駄にする気ですか!早くここから出て計画ノートを破棄して来なさい!」スクッ… 負傷しながらも立ち上がる


明石 「…不知火さん…」


不知火 「吹雪さん!悪いですが私も本気で行かせてもらいます!」


不知火 「行きます!!」ダンッ!!


大淀 「行きましょう明石さん!時雨さんたちが時間を稼いでる間に破棄しに!」


明石 「…はい!」タッタッタッ!!…


吹雪 「させませんよ!」スチャッ ドゥンッ!!


バァンッ!!!!バタン… 提督室に繋がる降りる階段を壊して降りられないようする


明石 「っ!? 階段が!?」


大淀 「でもここから提督室の高さなら普通に降りられます!行きますよ!」バッ 屋根裏の入口から提督室に降りる


明石 「はい!」バッ


タッタッタッ…


吹雪 「…行ってしまいましたか まぁいいでしょう?後で始末すればいいだけです」


吹雪 「まずはあなた方を始末することが先ですね 司令官の計画を邪魔する者は誰一人許しません!」


時雨 「どうしてそこまでして提督の計画を進行させようとしてるんだい!提督が殺人鬼になったら捕まっててしまうよ!」


吹雪 「かまいません それが司令官の夢ならその夢を叶えさせるまでです!」


吹雪 「司令官は今まで酷いことがあったというのに親元はそれを無視して指揮官にさせたんですからその代償だと思えば安いものです!」


吹雪 「それに指揮官にさせたら頭が良くなることだってわかっていたはずです!それなのに指揮官にさせたんですから悪くさせたのは親元です!」


吹雪 「夢を叶えさせたのは親元のせいとも言えるでしょう!司令官はその夢を叶えるために進みに行っただけです!なにも間違ったことはしていないはずです!!」


雷 「大間違いよ!いくら虐められてたからって人を殺していいことにはならないわ!」


雷 「それに犯罪者になったところでいいことなんてないわ!犯罪者になったらもう普通に生きていけなくなっちゃうわ!」


吹雪 「それが司令官の望んだ道です 司令官が自分で決めたんですからそれをだれかが文句を言う権利なんてありません」


不知火 「…何を言っても無駄のようですね ならば仕方ありません」


不知火 「少々…加減が効きませんが私もお相手致しましょう 元大湊警備府エースと呼ばれていた私の実力 再びお見せする時が来るとは思いもしませんでした!」ニタァ


時雨&雷 「「っ!!!!!?」」ゾクゥ!!


吹雪 「いいでしょう それならわたしも本気を出させてもらいます 元舞鶴鎮守府エースと呼ばれていた本気の実力を…!!」フシュー…


不知火&吹雪 「「…」」ゴゴゴゴゴッッ!!!!!!…


時雨 「…えっと、これは僕達…邪魔かな?」タラー…


雷 「…邪魔っていうか…もはや眼中にない感じが…」タラー…


不知火&吹雪 「「」」ダッ!!


ゴスンッ!!!!


不知火 「…」フシュー… 12.7cm3連装砲を吹雪の持ってる同じ装備とぶつかり合い攻撃を防がれる


吹雪 「…いつぶりですかね あなたとやり合うのは?もうかなり経っていますよね」


不知火 「そうですね かれこれもう5年…いや、もう10年以上前でしたか?それ以来ですね」


吹雪 「お互い意地を張って戦っていましたね?今となっては懐かしいです」


不知火 「たしかにどちらも負けんばかりとやっていましたからね 結局、体力がもたずに同士討ちでしたがね」


不知火 「…ですが、今回は違います 今は本気で殺し合うためにやることです 体力が切れようが関係ありません 本気で殺しに行きます!」ギンッ


吹雪 「私もあなたを殺す気でいきます 決着をつけるために!」ギロッ


不知火&吹雪 「「」」ダッ!!


タッタッタッ!!…ドゴォォォンッ!!!!!! 壁にでっかい穴を開けて外の地上まで降りていく


時雨&雷 「「っ!!!!!?」」Σ(゚ロ゚;)



ドスゥンッ!!


不知火 「…ここなら広いでしょう 全力で殺り合いましょう!!」ギロッ


吹雪 「いいですねぇ?ここなら私も本気出せそうです!!」ギンッ


不知火&吹雪 「「死ねぇっ!!!!!!」」ブンッ!!!!


ゴスゥンッ!!!! 拳と拳がぶつかり合う


不知火 「オラァっ!!!!!!」ブォンッ!!!! 凄まじい勢いで吹雪の腹部に蹴りを入れる


吹雪 「フンッ!!!!」ガシッグイ!!!! 横に体を傾けて、不知火の蹴りを避けつつ足を掴み勢いを利用して引っ張る


不知火 「」スチャッ!! 吹雪に引っ張られたのを利用して12.7cm連装砲を吹雪の顔面に目がけて構える


吹雪 「っ!」ピクッ


不知火 「死ね」ダァンッ!!


吹雪 「」バッ!!キュルルルル… すぐさま両手を近づいてくる砲弾に手を向け、飛んできた砲弾を爆発させずに素手で受け止める


不知火 「ウラァっ!!!!!!」ブゥンッ!!!! 吹雪が受け止めた砲弾に目がけて思いっきり拳を振るう


ガギィィッ!!!!!!


バアァァァンッ!!!!!! 不知火の拳が砲弾に当たり、小規模な爆発が二人を巻き込む


雷 「っ!!!!!? 不知火さん!?」


時雨 「だっだいじょうぶかい!?」


モクモク…ヒュー 爆発で起きた煙が風に揺られて晴れていく


不知火 「…」ツー… 砲弾の爆発で頬に浅い切り傷ができて血が垂れてくる


吹雪 「…驚きましたよ まさか私が受け止めた砲弾に目がけて自ら拳を入れてくるなんて…通常なら同士討ちしてましたね」タラー… 砲弾の爆発で腕に浅い切り傷ができて血が垂れてくる


不知火 「そのつもりでやりましたからね 同士討ちしてくれたらもうやる必要がなくなりましたからね」


吹雪 「叶わない願いでしたね…ふんっ!!」ヒュンッ 酸素魚雷を不知火に向けて投げつける


不知火 「…」パシッ 投げつけられてきた酸素魚雷を手で受け止める


吹雪 「」シュンッ 一瞬の隙をついて不知火の背後を取る



時雨 「っな!?一瞬にして後ろに!?」


雷 「不知火さん後ろ…!!」



吹雪 「死んでください 不知火さん!!」ドゥンッ!! 12.7cm連装砲を不知火の顔面に向けて放つ


不知火 「」チュンッ…グワ!! 砲弾が頬をカスって右手を吹雪の首元に目がけて近づける


吹雪 「っ!!(やばいっ!!)」タンッ 後ろに手を使わずにバク宙して首元を掴まれるのを避ける


不知火 「っ!」シュンッ 吹雪がバク宙回転して首をつかみ損ねる


吹雪 「」ダンッ!!スチャッ 勢いをつけて不知火に近づき、12.7cm連装砲を構える


不知火 「…」ニヤッ


タンッ…ガツンッ!!


吹雪 「っな!?」不知火がバク転して構えていた12.7cm連装砲を蹴られて上に持ち上げられる


不知火 「終わりです」スチャッ


吹雪 「やばっ!!(間に合わない!!)」


不知火 「さよなら」ダァンッ!!!!


バアァァァンッ!!!!


吹雪 「があぁぁぁっ!!!!!!」胸部に直撃して大破


吹雪 「あ…あぁぁ……」フラ…フラァ……


バタンッ…


吹雪 「」地面に倒れて瀕死の状態で気を失う


不知火 「…ふぅ…なんとかなりましたね 危うくやられるところでした…」トサッ あまりに負担がかかりすぎて地面に座り込む


不知火 「(気を抜いていれば本気でやられてました…やはり吹雪さんは侮れない…)」ハァ…ハァ…


時雨 「不知火さん!」タッタッタッ!!…


雷 「だっだいじょうぶ!?なんとか勝ったみたいだけど…」タッタッタッ!!


不知火 「…えぇ なんとか…ですが、もう二度とお相手したくないですね…」ハァ…


不知火 「(これで一つの脅威はなくなりましたね あとは大淀さんたちが上手くやっていれば…)」


パァンッ!!


3人 「「っ!!!?」」


パンパンッパァンッ!!!!


時雨 「…なんの音?なにかの発砲音…?」


雷 「…でも、私たちが使う主砲とは違う音よね?かなり小さい音…」


不知火 「…まさか!」













鎮守府内ー1階通路



パァンッ!!


明石 「くぅっ!!」ザシュッ!! 肩に銃弾を撃ち込まれる


大淀 「明石さん!!」


提督 「…っち!肩にしか当たらなかったか 弾が切れちまったよ」


明石 「〜っ!!!!」ズキズキ…


大淀 「明石さん大丈夫ですか!立てますか?」


明石 「ーっ大丈夫です!足ではなく肩に打たれたので歩くことに関しては支障はありません」


大淀 「そっそれならよかった…」


提督 「さぁ そのノートを返してもらおうか?そのノートだけはなくなるわけには行かなくてね」


提督 「そのノートがなくては殺戮計画が実行できない だからそのノートを返せ」


明石 「だめです!返すわけにはいきません!」


明石 「提督が殺人鬼になるなんて、そんなのいやです!それに提督は元最高指揮官と呼ばれていた方々の息子なんですから余計に殺人鬼になんてなって欲しくないです!」


提督 「もう遅い 俺はもう手を染めた もう立派な殺人鬼だよ?」


明石 「…っえ?」


大淀 「もう手を染めたって…まさか!?」


提督 「【そう…もう親父は殺した 俺の目の前でな?】」


明石 「っな!!!?」


大淀 「なんてことを…!」


提督 「あいつは邪魔でしかなかったからな せっかく人が今まで作った計画表を何度も捨ててきた 実にふざけた野郎だった」


提督 「そして今回もそのノートを捨てようとしたからもう我慢の限界だった 人が今まで殺さんとしたのに、それを良い気になりやがって…!」


大淀 「なにが良い気になっていたんですか!提督の親元はあなたにそんな道を歩いて欲しくないと思ってそのようにしたんじゃないんですか!!」


提督 「俺にとっては余計なお世話だ 人の気持ちもなにも知らないで、俺を軍人にしたんだからな?」


提督 「俺は何度も嫌だと言った 何度も断ってきた それなのにあのクソ親父共は俺を無理やり海軍指揮官にした そんな勝手なことをしたんだから罰を受けるのは当たり前」


大淀 「…提督 あなたはばかなんですか?親元がそのようなことをした理由も知らないなんて…大バカですね!」


提督 「なんとでも言え さぁ?早くそのノートを渡せ 渡せばお前達の処分は解体しないでやる」


提督 「…まぁ 記憶は全部消させてもらうけどな?生きる屍状態にしてやるよ」


明石 「…それは、もう死んでると一緒じゃありませんか?生きる屍なんて生きてるに入りませんよ」


提督 「生きてるには違いない 生かしてやるだけありがたいと思え」スー…スチャッ 懐から短刀を取り出して鞘から抜き取る


提督 「早く渡せ さぁ!」


大淀 「…明石さん ノートを貸してくれませんか?」


明石 「…はい」スッ


大淀 「…提督 あなたはこのノートが欲しいんですよね?計画を実行するために」ツカミ スッ


提督 「そうだ 俺の計画は絶対にやらなくてはいけない そうしなければ俺の気が収まらん」


大淀 「どうしても計画を実行しなくてはいけないんですか?」


提督 「当然だ ぜったいにやらなくてはいけない それが俺の使命だからな!」


大淀 「…そうですか なら!」パサッ… ノートを開いて最初のページと最後のページを除いたページ部分に手をかける


ビリィィィッ!!!!!! ノートのページ部分をすべて厚紙から破りとる


大淀 「…これを全て燃やすまでですね」カチッ 懐からライターを取り出して燃やし始める


提督 「っな!?」


大淀 「本当は焼却炉で燃やそうかと思いましたが仕方ありませんね あなたの目の前で燃やしてあげます」チリチリ…


提督 「てってめぇ!今すぐ消せ!!早く消せ!?」


大淀 「いやです そんなバカげた計画を実行されては困りますので燃やさせてもらいます」ボッ!! 紙に火が移り燃え始める


提督 「やめろォォォ!!!!」ダッ!! すぐさま大淀の元に走ってノートを取り返そうと…


大淀 「」バサッ 紙を上に投げてバラバラにばらまく


提督 「あぁ!?けっ計画書が!?俺が何年もかけて作ってきた計画書が燃えていく!?」


提督 「くそっ!消えろ!消えろ!!」バサッバサッ!! 上着を脱いで火を消そうとはたく


大淀 「ムダですよ バラバラになった紙についた火を消すなんて不可能です」


大淀 「紙は燃焼性が非常に良く、まとまっていれば燃焼性は非常に悪くなりますが一枚一枚になった紙についた火を上着ではたいて消そうとしてもよけいに燃えるだけですよ」


提督 「…てめぇ!!!!」ギリッ!!


大淀 「これでまた1から考えなくてはいけませんね?次に完成するのは何年後になることやら?」


提督 「」シュン!!


ドスゥッ!!!!


大淀 「くぅっ!!!!」腹に懐刀を刺される


明石 「大淀さん!!」


提督 「ーってめぇ!!マジで殺す!!!!」ズボッ…グサッ!!


大淀 「うぅっ!!!!」


明石 「やっやめてください提督!!大淀さんが死んでしまいます!!」


提督 「殺すんだよ!!人が何年も考えてきた計画をこいつはぶっ壊したんだ!!殺さねぇと気がすまねぇよ!!」ドスッ!!ドスッ!!ドスッ!!


大淀 「があぁっ!!!!!!」


明石 「大淀さん!!!!」


明石 「(はっ早く助けないと大淀さんが!!でも、利き手がやられてるからどうやって助ければ!?)」


提督 「オラァ死ねよ!!早くくたばれよ!!!!」ドスッ!!ドスッ!!ドスッ!!!!!!


大淀 「あっアァァ…!!!!!!」


明石 「…仕方ありません 使い慣れてませんが…」スッ…


スチャッ


提督 「…っえ?」


明石 「…」カチャッ リボルバーのハンマーを下におろす


大淀 「…あっ明石さん?それ…」ハァ…ハァ…


明石 「…さよなら 提督」スゥ…


ドゥンッ!!!!!!


提督 「があぁぁっ!!!!!?」ブスゥ!!!! 右肺に弾丸を撃ち込まれる


提督 「あっあぁぁ!!!!あぁぁあァァァァァァ!!!!!!」ジタバタ 弾丸を撃ち込まれた右肺を抑えて激痛に襲われて暴れる


明石 「…撃つ場所がズレましたか?やはり撃ち慣れていないと反動でズレてしまいますね」スチャッバァン!!


提督 「ぎゃあァァァァァ!!!!!!」さらに右手に撃ち込まれて暴れる


明石 「暴れないでください 暴れると狙えません」バァンッバァンッバァンッ!!!!!!


提督 「アッアァァ…!!!!!!」次々と撃ち込まれて激痛に襲われ意識が遠のいていく


明石 「よくもわたしの大事な親友に何度も短刀を刺してくれましたね?絶対許しません」カチャカチャ…スチャッ 弾を装填して提督に向けて構える


明石 「何度も刺したんですからその痛みを味わってください 何度も何回も!」ダァンッダァンッダァンッ!!!!!!


提督 「…もっもうやめ……」プルプル…


明石 「今度こそさよなら 提督」スゥ…


大淀 「あっ明石さん!!」ガバッ 明石に抱きついて引き止める


明石 「…なぜ止めるんですか?大淀さん この人はあなたに何度も短刀を刺して殺そうとしたんですよ?」


明石 「この人は生かしておけません トドメを刺すので離してください」


大淀 「だっだめです!そのようなことはさせません!」ハァ…ハァ…


大淀 「明石さんが提督を殺してしまっては…あなたは解体されてしまいます!いくら提督が私を殺そうとしたからと言っても、いいわけにはなりません!」


大淀 「私はあなたが解体されるなんていやです!なので落ち着いてください!」ハァ…ハァ…


明石 「…大淀さん…」


提督 「…はは、今さら…なに言ってるんだ?もう…解体処分は……決定だ………ごふっ!」ビチャッ


提督 「俺に手を、出してる時点で…完全にアウトだ……残念、だったな!」ハハッ


明石 「…そうですか ならお互いさまですね?」


明石 「あなたの計画もここで終わりです わたしも解体されるならあなたもその体では犯罪を犯すことはできません」


明石 「仮に傷が治ったとしても後遺症は残るでしょう 手足の自由が効かなければ、いやでもやろうとは思えないはずです」


提督 「…ぷっ!」


提督 「あーっはははは!!ははははははっ!!!!」


大淀 「…っえ?」ゼエ…ゼエ…


明石 「なにがおかしいんですか?急に笑い出して…頭おかしくなりましたか?」


提督 「ははははっ!!いやぁ おまえがばかな事言ってるからつい笑いが出ちまったよ…いつつ!」ズキッ


明石 「…どういうことですか?」ピクッ


提督 「…なぁ なんで俺があの計画ノートを作ってたか知ってるか?あれは今まで俺をいじめてきたやつを何番目にどう殺そうかを書いてあるんだよ…」ハァ…ハァ…


提督 「そのノートがあれば、世界中のクソ野郎どもを後回しにしてやれたのに…はは!お前こそ殺人鬼だなっゲホッ!!!!」ビチャッ


大淀 「…提督 さっきからなにを…?」ゼエ…ゼエ…


提督 「【…もう計画は実行されてるんだよ 数年前からな?】」


明石&大淀 「「…っえ?」」


提督 「ははははっ!!!!もう順番なんてどうでもいい!みんなまとめて殺してやるよ!!」スッ 懐から見るからに怪しげなボタンひとつしか付いてないリモコンを取り出す


カチッ


警報装置 「ビー!ビー!ビー!ビー!」


明石 「っ!? 警報!?」ビー!ビー!ビー!ビー!


大淀 「提督 いったい何をしたんですか!!」ゼェ…ゼェ…


提督 「あははは!もう終わりだ!憎き奴らだけじゃなく、この世のみんなが消し炭になるぜ!あと数分後には世界は火の海だ!!」


提督 「今から百発の核ミサイルが発射される!!日本だけじゃなく全国に火の海が降り注ぐぜ!!」


明石 「かっ核ミサイル!?しかも百発も!?」


大淀 「しかも他の国にまでって…くぅぅ……」ドサッ…


明石 「大淀さん!!」


提督 「ははははははっ!!!!計画は狂っちまったがこれはこれで結果オーライだ?あとは今から発射される核ミサイルで全員死んでくれれば…ガはァ!!!!」ビチャァ!!


提督 「…くそぉ……意識が………」スゥ… 体力の限界で気を失う


明石 「…」ビー!ビー!ビー!ビー!


明石 「(…まずいことになりましたね まさか核ミサイルを作って準備してたなんて…しかも全国に行くようにしてるとは思いませんでした)」


明石 「(どうにかして止めないと!でも、大淀さんを置いてはいけない さきに大淀さんの治療をしてから…!)」タッタッタッ!!…


大淀 「…い、行って…ください……!」ゼェ…ゼェ…


明石 「っ! 大淀さん!気がついてましたか!今からドッグまで運びますので…!」


大淀 「私のことはいいです!それよりも早くミサイルをっがは!!」ビチャ


明石 「大淀さんを置いてそんなことできません!早くドッグに行かないと!」


大淀 「この音が聞こえないんですか!?私よりさきにやることがあるでしょ!」ビー!ビー!ビー!ビー!


大淀 「今この状況を放っておいたら世界が滅びます!滅びなかったとしても日本は確実に滅びるのが見えてます!!だから…」


大淀 「…爆弾を止めてきてください お願いします…」ゼェ…ゼェ…


明石 「…大淀さん…」



時雨 「明石さん!大淀さん!大丈夫かい!?」タッタッタッ!!…


雷 「今助けに…って言いたいけど、もう終わってるみたいね」


不知火 「2人とも この警報音は一体?」ビー!ビー!ビー!ビー!


明石 「提督が核ミサイルを発射させるボタンを押したんです!あと数分後に発射されるみたいです!」


時雨 「かっ核ミサイル!?あと数分後に発射って…!?」


雷 「まずいわね 核ミサイルが発射されるなんてシャレにならないわ!司令官いつの間にそんなものまで用意してたのよ!」


不知火 「着弾点はどこか言ってましたか?」


明石 「…全国と言ってました」


全員 「「ぜっ全国!!!!!?」」


雷 「うっうそでしょ!?全国って規模がでかすぎるわ!!なんでそんな幅広くしてるのよ!?」


時雨 「てかそんなものをいつから用意してたんだい!?核なんてそんじゅそこらから手に入れられるようなものじゃないよ!」


不知火 「…提督の親元の名前を使ったんでしょう そうでもしなければ集めることはできません!」


明石 「なのでわたしが止めに行ってきます!不知火さんたちは大淀さんのことをお願いします!」


不知火 「そのケガでできるんですか?それにその核ミサイルを制御する場所だって知らないですよね?」


明石 「…」


不知火 「…おそらくこの鎮守府の地下施設に核ミサイルを制御する装置があるはずです 急いで行きましょう!」


明石 「…っえ?」


不知火 「時雨 雷 おふたりは大淀さんをお願いします 核ミサイルはわたしと明石さんでなんとかします!」


時雨 「わ、わかった!」タッタッタッ…スゥ 自分の右肩に大淀の腕を引っ掛けて持ち上げる


雷 「ミサイルのことは頼んだわよ!」


不知火 「任せてください!」


大淀 「…明石っさん……頼みます……」ハァ…ハァ…


タッタッタッ…


不知火 「…」ビー!ビー!ビー!ビー!


明石 「…不知火さん なぜ地下に核ミサイルがあると判断したんですか?なんの情報もないのに地下にあるというのは…」ビー!ビー!ビー!ビー!


不知火 「…あくまでも予想です ただ、司令官がすぐに見に言えるようなところで私たちの目につかない場所で見ていたとしたら地下だと判断しただけです」


不知火 「断定はできません もしかしたら間違っているかも知れません …期待はしないでください」


明石 「…わかりました とりあえず行ってみないことには始まらないので確かめに行ってみましょう!」


不知火 「はい!」


タッタッタッ!!…













B1ー核ミサイル制御施設



ビー!ビー!ビー!ビー!



ウィーン…


不知火 「ありました!やはりここが制御施設です!」タッタッタッ!!


明石 「…本当にありましたね 核ミサイルも…」


制御施設の窓からは小型の核ミサイルが見える限りだと何十本と並べられている


不知火 「幸いにも地下施設のロックは非常事態が発生したと同時に解除されていたので容易く入ることが出来ました あとはこれを止めれば!」カチャカチャ… 地下施設に取り付けられている制御装置を弄る


制御装置 『ピピッ!緊急停止装置を作動します 作動するためにはパスワードが必要です』


制御装置 『パスワードは3つ必要です 1つ目のパスワードを入力してください』


制御装置 『パスワード1 あなたの計画は?』


不知火 「これは世界滅亡ですね 1は簡単ですね」カチャカチャ…


制御装置 『入力完了 パスワード1解除しました』


制御装置 『続いて2つ目のパスワードを入力してください』


制御装置 『パスワード2 金庫のパスワードは?繋げて言葉にしてください』


明石 「3、7、5、6、4なので皆殺しです!」


不知火 「皆殺しですね わかりました」カチャカチャ…


制御装置 『入力完了 パスワード2を解除しました』


制御装置 『続いて3つ目のパスワードを入力してください』


不知火 「よし ここまで順調ですね?あとは最後のパスワードを入れれば…!」


明石 「(…なにか嫌な予感がする 提督がパスワードをこんな簡単なものにするでしょうか?)」


明石 「(まして、提督の計画や金庫のパスワードを使うなんてなおのことありえない…提督ならもっとみんなにはわからないようなパスワードにするはず)」


明石 「(…まさか 最後のパスワードだけは!)」


制御装置 『パスワード3 …』


不知火 「…っえ?」


ビー!ビー!ビー!ビー!


アナウンス 『ミサイル発射まで…あと、五分 皆さん、急いで撤退をお願いします 繰り返し申し上げます…』


不知火 「…いっ今…なにも言っていなかったような…もっもう一度!」ピッ


制御装置 『パスワード3 …』


不知火 「…のっノーヒント?3まで来てそんな…」ビー!ビー!ビー!ビー!


明石 「…やはりそうですか なんとなく予想していました」


明石 「1と2のパスワードの解除コードがあまりにも簡単すぎだったので3で何か仕掛けてくるとは思っていましたが…当たってしまいましたね」


不知火 「…明石さん 3つ目のパスワードのヒントがないのでわかりません…一体、どうすれば……」


明石 「…時間を伸ばすことは可能ですか?解除はできなくても時間を伸ばすことができればなんとかしてみます」


不知火 「…できるんですか?パスワードを解除しなくても…まだ止める方法はあるんですか?」


明石 「…期待はしないでください 爆弾解除みたいに配線コードがあればそれを切って解除することが可能かと思います」


明石 「ですが私も爆弾解除とかやったことないので絶対とはいえません しかも作成設計図などもないからよけいに…」


不知火 「…ですが、パスワードがわからない以上それに賭けるしかなさそうですね わかりました!」


不知火 「なんとか時間を伸ばしてみます 明石さんは地下2階に行って発射装置のコードを切ってきてください」


不知火 「そのケガですみませんがお願いします」


明石 「分かりました!それではそちらのことはお願いします!」タッタッタッ!!…


不知火 「任せてください!」カチャカチャ…













B2ーミサイル発射台装置場



ビー!ビー!ビー!ビー!


アナウンス 『ミサイル発射まで…あと、3分 逃げ遅れている者は直ちに緊急脱出装置で脱出してください 繰り返します』ビー!ビー!ビー!ビー!


ウィーン…


明石 「はぁ…はぁ…っこれが 核ミサイル発射台…」タッタッタッ!!


核ミサイルは一つ一つの発射台に設置されていていつでも発射ができる状態に設置されている


明石 「…これっ全部解除するの…無理じゃないですか…? よりによって一つ一つ別々の発射台に核ミサイルがセットされてる…」


明石 「(全部まとまっていればすぐに解除ができると思っていたのに…数百発の核ミサイルの発射台を一つ一つ、全部解除することなんてできるわけ……)」


ピー!


アナウンス 『発射時間が延長されました 発射まであと30分 これ以上の延長は出来ません 逃げ遅れている者は直ちに脱出してください』


明石 「…っえ?時間延長」


ザー…


不知火 『明石さん聞こえますか なんとか時間を伸ばすことはできました これで少しは余裕が出来たと思います』


不知火 『すみませんがわたしはここまでのようです これ以上のサポートはできそうにありません そちらに行ったところで機械関係のことはさっぱりでして…なので後はお願いします』


明石 「…わっわかりました!あとは任せてください!」


明石 「(いけないいけない!なに弱気になってるのわたし!)」パンパン! 頬を叩いて喝を入れる


明石 「(いくら核ミサイルが一つ一つの発射台に付けられているからって無理なんてことはない それにわたしがやらないと世界が炎の海になる!)」


明石 「(不知火さんががんばって時間を延長してくれたんだからその頑張りを踏みにじるわけにはいかない 絶対に止めないと!!)」


明石 「…よし!明石 抜錨します!!」






ビー!…ビー!…ビー!…ビー!…


不知火 「…なんとか時間延長できましたね よかった…これならきっと、なんとかなるはずです」


不知火 「わたしも手伝いに行ければよかったんですが…機械に関してはさっぱりなわたしが行ったところで明石さんの足を引っ張るだけ…情けないですね」


不知火 「元大湊警備府エースと言われたわたしがこんなことでつまずくなんて…落ちたもんです」


不知火 「(それにしても不思議ですね 核ミサイル発射解除コードは最後ノーヒントで組み込んでいたのになんで時間延長コードはヒントを付けていたんでしょうか)」


不知火 「(しかもパスワードは司令官の親元の名前…もはや隠す気がないパスワードでした なぜわたしか吹雪さんでしたらすぐに解けるようなパスワードにしたんでしょうか)」


不知火 「(わからない…なぜ司令官の親元の名前をパスワードにしたのか てか、そもそもなぜ時間延長機能なんて付けたんでしょうか すぐ発射するなら時間延長なんていらないはず…)」


不知火 「(…考えれば考えるほどわからなくなりますね 本当になにを考えてこんなことをしたのか……)」


不知火 「…明石さん おねがいします!」











ビー…ビー…ビー…ビー…



明石 「ーっ…よし!これでこのミサイルも解除できた あと残り約90本!」カチャカチャッ タッタッタッ…


明石 「(よし 今のところは順調だ!この調子なら30分以内で全部解除できそうです!まだ時間はある!)」カチャカチャ…パカッ 核ミサイルの発射台に取り付けられている電線コードがまとめられている収納ケースの蓋をはずす


明石 「(幸いにも核ミサイルを制御する線が遠隔操作の時限式コードと制御室からボタンが押された時にすぐ発射されるコードだけだったのでとりあえず遠隔操作の方を切れば止まる)」カチャカチャ…


明石 「(ボタンの方のコードはまだ押されてないからなにかのはずみで誤反応が起きるとまずいから無闇には切れない…こっちは専門家に任せないと)」パチンッ


核ミサイル制御装置 「ピー 時限装置解除しました」


明石 「よし 次!」タッタッタッ…


明石 「(…にしても、なんでミサイルの制御は一つ一つ繋げてあるのにこんなにも簡単な構造にしたんでしょうか?これじゃすぐに解除されてしまうのに)」カチャカチャ


明石 「(こんな面倒なことをせずに配線を連動させればよけいな手間は省けたはず わざわざ一本一本を制御装置まで引っ張る必要はなかったのになぜ?)」カチャカチャ…パチンッ


明石 「…わからないですね なぜこんな面倒なことをしたのか」タッタッタッ…


明石 「まぁそんなことは後で考えましょう 今はミサイルの制御装置を解除しなくては!」カチャカチャ…


ズキィッ!!


明石 「いつっ!!」ビクッ


明石 「(かっ肩が…!さっき拳銃で撃たれたところが!)」ズキズキ


明石 「(腕に負担をかけすぎたんでしょうか これだと解除に影響が!)」


明石 「ーっえぇい!そんなこと言ってられない!私がやらないといけないんだから痛みなんてどうでもいい!」


明石 「早く解除しないと!」カチャカチャ…


明石 「(私がやらないといけないんだ!私がやらないで誰がやるんだ!開発や機械関係に一番詳しいのは私なんだから私がやらないでどうする!)」


明石 「(肩が痛いからって辞めるわけにはいかない!今やめたら核ミサイルが発射されて世界が滅ぶ!そんなことは絶対にさせない!!)」


明石 「ぜったいに止めないと!」パチンッ


ズキィィッッ!!!!!!


明石 「いぃっ!!!!!!」カタンッカラカラ… 持っていたリッパ(配線などを切るハサミ)を床に落とす


明石 「いたっいたたたた…!!さ、さっきより痛みが……!!」ズキズキ…


明石 「(まっまずい…右手が……力が、入らない……)」


明石 「(さすがに左手だけじゃ作業が遅れる…いや、正確に言えばまともに作業が行えない!)」


明石 「(このままだとミサイルが…一体、どうすれば……!!!!)」



…アカシサン!


明石 「…っえ?」



大淀 「…大丈夫ですか…手伝いに来ました…!」ハァ…ハァ… 腹部に包帯を巻きながら明石の元へやってくる


明石 「おっ大淀さん!?なぜあなたがここに!」


大淀 「爆弾を止めに来たんです!明石さんが頑張ってるのに、私だけ休んでるわけにはいきません!」ハァ…ハァ…


明石 「そのケガではムリですよ!無理しないで大淀さんは休んでてください!」


大淀 「それは明石さんも一緒です!明石さんだって肩を撃たれて怪我してるじゃないですか!」


明石 「私の方がまだ軽いです 大淀さんの方は重症じゃないですか!今だって立っているのがやっとの状態じゃないんですか?」


大淀 「…」スッ…


チョンッ


明石 「いぃっ!!!!!!」ズキィィッ!!!!!! 傷ついてる肩に指を当てられて激痛が走る


明石 「いだだだだだっ!!!!!!…おっ大淀さん なにを…!!」ズキズキッ!!!!!!


大淀 「…明石さんも変わりませんね その様子だと右腕はほとんど動かせない状態じゃないんですか…?」ハァ…ハァ…


明石 「…」ズキズキ…


大淀 「…明石さん 今時雨と雷は基地内に鳴り響いている警報音でパニックになってる皆さんの対象をしています」


大淀 「不知火さんには吹雪さんと提督のことをお願いしてきたので今手が空いてる人は私たちしかいないんです みなさんが動いてる中、私だけ休んでるわけにはいきません!」


大淀 「なので私も手伝います 機械関係は素人なのでどのくらいできるかわかりませんが一人より二人でやった方が効率的ですよね!」


明石 「…たしかに二人の方が効率いいですね …わかりました」


明石 「ではすみませんが大淀さん 辛いと思いますが一緒にお願いします!」スッ 予備の工具を大淀に渡す


大淀 「はい!」スッ


明石 「では大淀さん 最速にミサイルの解除方法を教えるので見ていてください」


大淀 「わかりました」


明石 「構造はいたって単純で蓋を開けると中には配線が2本あります 配線の色は赤と青で別れていて、その2本のうち赤の方を切ってください」


明石 「赤は遠隔操作の配線なのでこちらを切れば止まります 青の方はボタン操作の配線なのでまだ押されていないので切ったらどうなるかわかりません なのでそちらは切らないでください」


大淀 「…すごく単純ですね なぜそんな簡単に作ったんでしょうか」


明石 「そこまではわかりませんがこれなら素人の私でもわかったので逆に考えれば単純でよかったと思っています」


明石 「では大淀さん お互い負傷してますがなんとしてでもミサイルを解除しましょう!」ズキズキ


大淀 「はい!」ハァ…ハァ…



バァンッ!!


明石&大淀 「「っ!!!!」」キュインッ!! 床に銃弾が当たり跳弾してどこかに飛んでいく


提督 「ーっ…そんなこと、させねぇぞ!」ゼェ-…ゼェ-… 体を引きずって負傷している右手で拳銃を構えている


明石 「提督!」


大淀 「あなた、まだ抵抗を!」


提督 「わるいな 俺は恨みをいつまでも引きずるタイプでな?俺をいじめてきた奴らの恨みを晴らすまでは、やめるわけにはいかないんだよ!」ハァ…ハァ…


提督 「今お前らにミサイルを解除されたら計画が台無しだ!そんなことは絶対にさせねぇっごほぉ!!!!」ビチャァ!!


提督 「ごフッぐふ!フゥー…フゥー…ぜったいに、殺してやる!!」ハァー…ハァー…


明石 「…そんなことはさせません あなたの計画は絶対に実行させません 私たちが止めさせてもらいます!!」スッ…スチャッ リボルバーを懐から取り出して構える


大淀 「っ!」スッ 明石から借りたレンチを構える


提督 「もうムリだ!今俺を殺したところでミサイルは止められねぇ もう時間もボタンも押す必要がなくなった!」


大淀 「…っえ?それはどういうことですか まだ時間はあるし、ボタンだってまだ押して…」


提督 「…あれを見てみろ」スゥ…


明石&大淀 「「…っえ?」」クルッ



核ミサイル制御コード 「」バチバチ… 先ほど明石が解除したミサイルの青配線が銃弾の勢いで切れている


明石 「ーっな!?青配線が切れてる!?なんで!?」


大淀 「…まさか、さっきの銃弾が跳弾してあそこに!?」


提督 「そうだ!偶然にも俺の銃弾が反射してそこに当たったんだ 偶然というものは怖いもんだな!」


提督 「しかもあのミサイルの着弾点…東京だな!日本の首都を狙う核ミサイルだ!」ニヤッ


大淀 「東京!?よりによってそのミサイルが発射を!?」


提督 「アーッハハハハハ!!!!これでもう準備は整った ボタン操作の場合、タイムリミットは5分!遠隔操作と違うところは時間を伸ばせないところだ!」


提督 「今も時間が減っていってる!もう日本は終わりだ!!」


提督 「アーッハハハハハ!!!!!!」



ビー!ビー!ビー!ビー!


アナウンス 『核ミサイル25番、発射まで…あと、三分 直ちに避難をしてください 繰り返します』


明石 「っ…」ギリッ


大淀 「…そんな……ここまで来て、止めることが出来ないなんて……」ガクッ


明石 「ーっくそ!!」ガンッ!! 持っていたリボルバーを床に叩きつけて捨てる


提督 「アハハハハ!ハハハハ!!アーッハハハハハハ!!」ゲラゲラ


提督 「無様だねぇ いいよその顔!絶望に満ちた顔最高だねぇ!!」


提督 「やっぱり最後に笑うのは俺だな!最後の最後で俺の計画が成功するなんて、天は俺を味方している!」


提督 「…だが、これだけじゃ物足りないな 今回は偶然にも跳弾した弾が当たったがそれは俺の実力にはならない」


提督 「ふっ!やっぱり自分の手で成功させるのが真の成功というものだな 偶然じゃ真の成功とは言えない」


提督 「…明石、大淀 お前らに一度だけチャンスをやる!もしこれで俺に勝てばこれをやるよ!」スッ 懐から先程とは違うボタン一つしかついてないリモコンを取り出す


明石 「…それは?」


提督 「この施設の電源スイッチだ このボタンを押すとこの施設の電源が一気に全部切れる…もちろん ミサイルの電源も全部な!」


大淀 「っえ!?そのボタンで!?」


明石 「それはほんとですか!?」


提督 「あぁほんとうだ もし俺に勝てたら、このボタンをお前らにやるよ 勝てたらな!」


明石 「…なんの勝負をするんですか?」


提督 「おまえ、ポーカーのやり方はわかるか?」


明石 「ポーカー?はいわかります ある程度のルールなら…」


提督 「細かいルールは必要ない ただペアだけを競うだけのルールさ!」(外国ではトランプのマークで強い弱いがあるらしいですがこのポーカーはそれはなしです)


提督 「もちろん数字の強さもなしにする ほんとにペアだけで競うからまちがえるなよ?」


提督 「俺はポーカーが好きなんだ よく動画で見てたんだがあれは心を引かれたよ!あんなにもおもしろいゲームがあるなんて知らなかった!」スッ… 懐からトランプを取り出して手元に持ってくる


提督 「だがあれは二人以上いないとできないゲームだった…携帯ゲームで一人コンピューターと遊んだりしたがあれじゃつまらなかった」


提督 「だから俺は一度でもいいからだれかとやりたかったんだよ 死をかけたポーカーなんて最高じゃねぇか!」シュッシュッシュッ…


提督 「どうせ俺ももう少しで死ぬんだ…最後ぐらい楽しませてくれよ」ハァ…ハァ…


明石 「…普通に遊ぶなら、いつでもお相手してあげたのに」ボソッ


大淀 「ほんとですね…」ボソッ


提督 「っあ なんか言ったか?」


明石 「なんでもありません それより早くやりましょう!時間がありません」


提督 「へへっ!あぁ 早くやろうぜ!やっとできるぜ…やっと、相手がいるポーカーができるぜ!」シュッシュッシュッ… カードを交互に一枚一枚配っていく


明石 「…」ペラッ


大淀 「…」ペラッ



明石のカード ♥1、♠5、♠8、♦9、♣5


大淀のカード ♥3、♥9、♦7、♣J、♣K


提督のカード 不明



明石 「(ワンペア…これは弱いですね さすがにワンペアで勝負するのはまずいですね)」


大淀 「(バラバラですね…数字の大きさは無視すると言ってたので弱い数字は無視できるとしてもこれはまずいですね)」


提督 「へへへっ!良いカード引けたぜ これなら負ける気がしねぇ!」ハァ…ハァ…


提督 「ちなみに言っておくがカードの交換は一回までだからな 何度も交換できないからよく考えて交換しなっごふ!」ビチャッ


明石&大淀 「「…」」ハァ…ハァ… 痛みに耐えながら交換するカードを考えている


明石 「(…ここはワンペアを生かして5以外全部交換に出した方がいいですかね これでまた5を引ければスリーペアになりますが…)」


大淀 「(バラバラだから全部交換という選択肢もありますが流石にリスキーですかね 全部交換してペアができなかったらノーペアになってしまいます)」


大淀 「(ですがたとえ全部じゃなく、三枚〜四枚交換しても引けなければ意味がない 連番(ストレート)にするにしても中間の抜けた数なのできつい…)」


大淀 「(フラッシュ(同色)にするにしても同じ柄は二枚しかないからこれもキツい 非常に厳しいですね)」


ビーッビーッビーッビー!!!!!!


アナウンス 『核ミサイル25番 発射まで…あと一分 緊急退避してください 繰り返します』


提督 「ほらほら!早くしねぇとミサイルが出ちまうぜ?交換するカードが決まってねぇなら俺から交換しちまうぜ?」


明石 「…いいですよ 先に交換しても」


大淀 「どうぞ先に交換してください」


提督 「おっそうか?なら遠慮なく」スッ…パサッ カードを一枚捨てる


明石 「(なっ一枚!?捨てたカードがたった一枚だけ!?)」


大淀 「(嘘でしょ!?カード一枚だけ交換ってことは可能性的に強目のペアが揃ってる確率が高い!)」


大淀 「(四枚残しの場合、考えられるペアはツーペア、ストレート、フラッシュ、フルハウス、ストレートフラッシュ、最悪…ロイヤルストレートフラッシュも考えられる!)」


明石 「(もしペアが揃っていたらかなり強いですね 今の私のカードではツーペアにも勝てないから最低でもスリーペアは欲しいところです)」


提督 「一枚ドローっと!」スッ…


明石&大淀 「「…」」提督の様子を伺っている


提督 「…っ! へへっ!いいの引いたぜ!これなら余裕で勝てるぜ!」ニヤッ


明石 「(っ! まっまさか!?)」


大淀 「(引いたんですか!提督のキーカード!?)」


提督 「ほら お前らの番だぜ?早くカード捨てて引きな!」ハァ…ハァ…


明石 「…わっ分かりました」スゥ…


明石 「(仕方ありません ここはもう安定でいきましょう!5以外全部交換にかけます!)」パサッ ♥1、♠8、♦9のカードを捨てる


大淀 「(明石さんはカードを3枚交換…てことは手元に持ってるカードだけで考えるとワンペア 数字は関係ないから大きい数字を残しておくわけがありませんからほぼ確実ですね)」


提督 「ほぉ?3枚か…なるほど ワンペアか」ニヤッ


明石 「…一々言わなくて結構です 黙っててください」スッ…


ペラッペラッペラッ…


明石 「…」スゥ… カードを三枚引いて自分の手元に持ってくる


大淀 「…」明石の様子を伺っている


提督 「…」チラッ


明石 「ーっ…」苦い顔をしてあまり良くない表情を見せる


大淀 「ーっ!!(キーカード…引けなかったんですか!)」


提督 「…へへ!その様子だと良いカード引けなかったみたいだな すげぇ苦い顔してるぞ?明石」


明石 「ーっ…うっうるさいです 黙っててください…」ッチ!


提督 「へへ!さぁ大淀 あとはお前だけだ?早くしねぇと時間が来ちまうぜ?」


大淀 「…わ、わかっています!」


大淀 「(どっどうしましょう…このカードでどうやって良いカードを引けばいいでしょうか?このカードじゃほぼ絶望的です……)」


大淀 「(フラッシュを狙ったとしても同じ柄のカードが三枚必要になる その同じ柄のカードを三枚一気に引くなんて、引ける確率はかなり低い…博打にも程がある!)」


大淀 「(かといってストレートを狙ったとしてもこれも絶望的…中間の数字がないからこれにかけるのはもっと無理がある……そんな都合よく連番カードを引けるなんてことはありえない!)」


大淀 「(なら別の役を揃えるのはどうでしょうか?二枚だけ残して三枚捨てて、引いた三枚の中に残したカードと同じカードがあればワンペア、ツーペア…いや、運が良ければスリーペアも……)」


大淀 「(…ムリですね 普通にどう考えてもフラッシュやストレートを狙った方がまだ確率はありますね 同じ数字のカードを同時に引く方が博打ですね……なら、どうすれば………)」



ウゥーッウゥーッウゥーッウゥーッ!!!!!!


アナウンス 『核ミサイル25番 発射まで…あと30秒 警戒態勢に入ってください 繰り返します…』



大淀 「…もう、賭けです!」パサッ 手札を全て捨てる


明石 「っな!ぜんぶ交換!?」


提督 「あーっはははは!!まさかのまさか、お前ぜんぶバラバラだったのか!?運が悪いなぁ!!」ケラケラ


提督 「だが全捨てはあまりよくないぜ?全捨てだと一から全部揃えないといけないからなかなかキツいぜ?」ニヤニヤ


大淀 「うっうるさいです!黙っててください!」


大淀 「(おねがい!良いカード来てください!)」スッ…


ペラッ…


トランプ 「♣A」一枚目


大淀 「(♣のA…次は)」ペラッ…


トランプ 「♦K」二枚目


大淀 「(うっ…あまり良くない数字 さっ三枚目は…)」ペラッ…


トランプ 「♣4」三枚目


大淀 「(ーっ…こっこれはやばい!よっ四枚目!)」ペラッ…


トランプ 「♥K」四枚目


大淀 「(っ! ここでワンペア…でも、あと一枚!これで同じのを引ければスリーペアに!)」ペラッ…


トランプ 「♠K」五枚目


大淀 「(よし!スリーペアになった!全部交換してよかった!これならまだ正気があります!)」手札は♥K、♠K、♦K、♣A、♣4


提督 「よぉし これで全員交換が終わったな それじゃオープンだ!」パサッ


大淀&明石 「「…っ!!!?」」



提督のカード ♥2、♠︎2、♣2、♠︎A、♦A


大淀 「…ふっフルハウス…そんな……」パサッ… 力が抜けて持っていたトランプを床に落とし撒き散らす


提督 「あーっはっはっはっは!!!!!!やっぱり勝ちが確定したときはほんといいねぇ!フルハウスに勝てるカードなんてなかなか来ねぇからもう勝ったも同然だと思ってたよ!」


提督 「大淀 お前のカードはスリーペアみたいだな?たしかにスリーペアは中間辺りに強いがそんなペアじゃフルハウスなんかには勝てないぜ!」


提督 「やっぱり最後は俺が勝つみたいだな!正義は必ず勝つじゃなく、悪は最後に勝つってか!あーっはっはっはっは!!!!!!」


明石 「…はっ!何言ってんですか?提督 だれが勝ったですって?」


提督 「…っあ?」


大淀 「…明石さん……?」


明石 「…私のカード まだ見てもないのに勝ったと思うのは早い判断ではないでしょうか?早とちりしすぎでは?」ニヤッ


提督 「…なんだと?」


明石 「たしかにフルハウスは強いです フルハウスに勝てるペアは揃えるのに難易度が高いですが揃わないわけではありません 低くても確率はあります!」


明石 「提督がフルハウスなら私はこれです!」パサッ


提督 「ーっな!!!?」


大淀 「うそっ!!!?」



明石のカード ♥5、♠︎5、♦5、♣5、JOKER(ババ)



明石 「ファイブカード!これが私のカードです!」


提督 「ーっ…うっうそだろ?ファイブカード、だと…?そんな……ありえねぇ……っ!!!?」


大淀 「明石さん!!」


明石 「さぁ 約束通りそのスイッチを渡してください!勝負には勝ったんですから約束は守ってください!」


提督 「…っち ほらよ」ポイッ


明石 「っと!」パシッ 電源装置を受け取る



ウゥーッ!!!!…ウゥーッ!!!!…ウゥーッ!!!!…


アナウンス 「核ミサイル25番 発射まで…あと十秒…」


大淀 「明石さん!早くスイッチを!!」 キュウ…ハチ…


明石 「これで、止まってください!」スゥ… ナナ…ロク…



カチッ


アナウンス 「五…よn」ブツンッ


ブツンッブゥゥン… 基地全体の電源が落ちて全停電して、B2内は真っ暗になる


明石 「やった!ミサイルが止まった!」


大淀 「やりましたね!明石さん これで日本は救われ…」



ピー!


アナウンス 「非常事態発生 基地全体、停電を起こしました 基地全体の停電は非常に危険です」


アナウンス 「【よって、非常電源システムに切り替わります 非常電源システムが作動してる間に修理をしてください】」



ウィーン…パッ 電気が回復して鎮守府に電気が流れ回る


アナウンス 「核ミサイル25番 発車まで…あと五秒」


明石 「っな!!!?また動きだした!?」 ヨン…


大淀 「そんな!!!?」 サン…


提督 「あーっはははは!なに驚いた顔してんだ!鎮守府に予備電源システムがあるのは普通だろうがよ!!」ケラケラ ニー…


明石 「ーっキサマァ!!!!」 イチ…


アナウンス 「ゼロ」



バシュゥゥゥッ!!!!!!


核ミサイル25番 「」シュゥゥゥッ!!!!!! ミサイルは勢いよく空に向かって発射される


明石 「きゃあっ!!!!」ブワンッ ミサイルが発射されると同時に爆風が吹いてきて吹き飛ばされる


大淀 「きゃあぁぁっ!!!!」ブワンッ



シュゥゥゥ!!!!!!… ミサイルは空高く飛んで煙を上げながら小さくなっていく











ミサイル 「」シュゥゥゥ!!!!…



艦娘 「なっなにあれ!?鎮守府から巨大なミサイルが出てきたよ!」


艦娘 「さっきからなんなのよ!警報がなるわ鎮守府の電気は落ちるわミサイルが発射されるはでもうわけがわからないよ!」


艦娘 「おぉおちついて!とりあえず深呼吸して!」


ワーワーギャーギャー!!!!!


不知火 「…最悪、ですね……止められなかったんですか………」ガクッ


時雨 「あぁ…!!そんな……!!!!」


雷 「…もう、おわりね どこに落ちるかわからないけど、もし外国に落ちたとしたら世界戦争が起きるわ そうなったら日本は……」


不知火 「ーっ…!!!!!!」ギリッ!!!!



ホントニハッシャサセタンデスカ アノヒトハ…


三人 「「っ!!!!」」バッ


吹雪 「まさか核兵器まで用意してるとは思いませんでしたね これはさすがに予想外です…」フラッ…フラッ… 腹を抑えながら不知火たちのもとへ歩いていく


不知火 「吹雪さん!」


時雨 「っ!!」スッ 構えを取り警戒態勢に入る


雷 「…」スチャッ 12.7cm連装砲を吹雪に向けて構える


吹雪 「そんなに警戒しなくてもこの状況でやらないので安心してください 今やっても確実にやられます…」ハァ…ハァ…


不知火 「…なにしにきたんですか 司令官の夢が叶ったことに高笑いしに来たんですか?」


吹雪 「あいにくですがそんなつもりでここに来たわけではありません そんなことのために負傷状態でわざわざここまで来ません」


時雨 「なら何しに来たんだい?そんな負傷状態でここに来るなんて何かあるから来たんじゃないのかい?」


吹雪 「えぇ さすがに核兵器に手を出すのは少々イタが過ぎてると思ってここまで来たんです」


雷 「…っえ?」


吹雪 「しゃべるのつらいんで短縮に言わせてもらいます もしあの核兵器を止めたいのなら方法があります …聞きますか?」


不知火 「…っえ?」


時雨 「…あるのかい?発射された核ミサイルを止める方法はあるのかい!?」


吹雪 「あります …ただ、チャンスは一度だけです それを失敗したらもう無理です それでもやりますか?」


不知火 「ーっやります!それにかけましょう!」


雷 「もうそれしかないみたいね 私もそれにかけるわ!」


時雨 「吹雪 核ミサイルを止める方法を教えてくれるかい?早く止めないと爆発しちゃうよ!」


吹雪 「…わかりました では司令室の屋根裏部屋に行きましょう あそこに止めるための設備があります」


雷 「…っえ?あそこ 他にも何かあった?机と金庫ぐらいしかなかったような…」


吹雪 「その机にミサイルを止めるための設備が取り付けられているんです …まぁ、設備が取り付けられてるといってもその机にミサイルを発射させる装置があるだけですがね」


時雨 「っえ!?ミサイルを発射させる装置!?どういうことだい!ミサイルを止めないといけないのになんでミサイルを発射させる装置のところに行かないといけないんだ!」


雷 「そうよ!まさかミサイルとミサイルをぶつけて爆発させようって考えじゃないでしょうね!!それはあぶないわ!」


不知火 「…吹雪さん それはもう無理なんじゃないでしょうか?核ミサイルが発射されてからもう五分くらい経っています」


不知火 「向かい同士ならまだいけましたが今から放つミサイルも同じところから発射されるのでもう間に合わないかと…」


吹雪 「だいじょうぶです 外しさえしなければ絶対に止められます!発射されてから5分ならまだ間に合います」


吹雪 「それにミサイルにミサイルをぶつけると言っても爆発させるわけではありません 爆発しないミサイルをぶつけるんです」


時雨 「…っえ 爆発しないミサイル?」


雷 「どういうこと 爆発しないミサイルなんて撃っても意味ないじゃない!やっぱり笑いに来たのね!」スチャッ 再び装備している12.7cm連装砲を吹雪に向けて構える


吹雪 「…」ハァ…ハァ…


不知火 「…吹雪さん 爆発しないミサイルと言うのは一体どういうものなんですか?爆発しないのでは止めることができないのでは…」


吹雪 「…辛いので短縮に話すと言いましたよね 信用できないならできないで構いません このままミサイルがどこかに落ちるのを待っていてください」


時雨&雷 「「っ!!」」


吹雪 「信用できるなら爆発しないミサイルを核ミサイルに向けて打ってください …これが最後の警告です」ハァ…ハァ…


不知火 「…」


時雨 「…」


雷 「…」


吹雪 「…」


不知火 「…信用、しますよ?」


吹雪 「…信じるかはあなた達次第です それより早く急ぎましょう 間に合わなくなります!」


不知火 「はい!」


時雨 「…ウソだったら、その首胴体と切り離すからね?」ギロッ


吹雪 「好きにしてもらって構いません 【どうせ私は解体処分が決まってるんですから…】」ハァ…


雷 「…っえ?処分ってどういうこ…」


吹雪 「無駄話してる暇はありません 早く行きますよ!」


雷 「…わかったわ」


タッタッタッ…













…B2 ミサイル発射台装置場



明石 「…うぅっ!くそ…」ハァ… 壁に寄りかかってミサイルを止められなかったことを後悔している


大淀 「ーっごふ!はぁ…はぁ……」ゼー…ゼー… もう動く気力すらなく、床に寝っ転がっている


提督 「…へへ!お前らの絶望に落ちた顔…最高だよ 最後は俺が笑えて、ほんとに気分がいいぜ…かはっ!」ビチャッ 床に寝っ転がって血をダラダラと流しながら大淀たちの表情を見て堪能してる


明石 「…うるさいです 黙っててください…もう、終わりなんですから……っ!」ググッ


大淀 「…ほんと、もう終わりですね 首都がやられたら…もう日本は、終わりです……ぐふっ」ビチャッハァ…ハァ…


大淀 「…せっかく、ここまで来たのに…最後はこうなってしまうんですね……最悪、ですよ!」ギリッ!!


明石 「…大淀さん……」ハァ…ハァ…


提督 「その悔しがる顔、たまらないな 見ててスカッとするぜ…だけど、さっきの勝負は俺が負けたとしてもっー…保険があったからちょっとずるいな……」ハァ…ハァ…


提督 「…なぁお前ら 一緒にポーカーをやってくれた礼だ…最後のチャンスを与えてやるよ……かはっ!」ビチャッハァ…ハァ…


明石 「…っえ?」


大淀 「…チャンス…?」ゼー…ゼー…


提督 「じつはな…俺の屋根裏部屋に机があるだろ?あの机にはちょっと細工してあってな…いや、細工されたと言った方がいいか」


提督 「あの机にミサイル発射装置が取り付けられてるんだ 一発だけだが、核ミサイルを止めることができる装置がな…」ハァ…ハァ…


明石 「ーっえ!?ミサイルを止める装置が!!!?」


大淀 「しかも一発だけ…今の状況なら願ってもないチャンスです!」


提督 「ただし、そのミサイルには追尾機能は付いてない もし狙うとしたら全部計算して当てないといけないがな…ぐふっ!!」ビチャッ!!


提督 「…着弾点をまちがえたらもう終わりだ あとあまり時間はないぞ?早く行かないと東京に核ミサイル落ちちまうぞ…」ハァ…ハァ…


明石 「…なら、早く行かないといけませんね 早く行って止めなくては!」ヨイショッ…


大淀 「…ーっ! ふぅっ!」ググッ…!!スクッ 痛みをこらえながら立ち上がる


明石 「大淀さん あなたは休んでてください それ以上動いては危険です!」


大淀 「ーっそういうわけにはいかないわ 私もいって、ミサイルを止めないと!」ダラダラ…


明石 「その体では無理です!それ以上動いたら失血死してしまいます!タダでさえ、もうかなり流れ出てるというのに!」


大淀 「…それでも、いかないといけません 明石さんだって肩をケガしてるじゃありませんか その肩で狙いを定められるんですか?」ハァ…ハァ…


明石 「そっそれは…」


大淀 「それに座標を合わせるのに明石さんではうまくいかないかと思います 戦闘を得意としないうえにほぼ中仕事をしていた明石さんには難しいんじゃありませんか…?」ゼー…ゼー…


明石 「っ…」ハァ…ハァ…


大淀 「…行きましょう 私たち二人でっ!ミサイルを止めなければいけません!」


大淀 「二人でならなんとかなります!なんとしてでも、次こそは止めなくてはいけません!」


大淀 「ケガをしてるから無理しない方がいいなんて言ってる場合じゃありません!やらなくてはいけないんです!今やらなくてはっ日本が崩壊してしまいます!!」


大淀 「そんなことは絶対にさせてはなりません!だから、わたしも同伴させてもらいます!!」ハァ…ハァ…


明石 「…大淀さん……」


提督 「…その方がいいんじゃないか?二人で一緒にやった方が効率はいいと思うぞ …まっそのケガでうまくできるかは知らんがな…」ゼェー…ゼェー…


明石 「…やってやりますよ ぜったいに止めてみせますよ!」


明石 「行きましょう大淀さん ミサイルを止めに!!」


大淀 「ーっはい!」


提督 「…せいぜい止められるよう頑張れよ 止められたら…俺の計画を台無しにすることができるんだからなっゴフッ!!」ビチャッ!!


明石 「…」


タッタッタッ…



提督 「…」ハァ…ハァ…


提督 「…へへ!なんで教えたんだろうな 最後の最後で…止められるかもしれないのにっゴホ」ビチャッ


提督 「はぁ…はぁ……ーっ …多分あいつら、止めるな…何となくわかる気がするぜ あの二人なら絶対に止められる…そう思ってたのに教えちまったよ…」ハァ…ハァ…


提督 「バカだな おれ…せっかく、俺の計画が成功するかもしれないっていうのにーっ…教えちまうなんて…」ハァ…ハァ…


提督 「…でも、止められたとしてもいいか 最後にコンピューターじゃない奴らとポーカーができたんだ あのバカどものことよりも…そっちが達成できてよかった!」ヘヘッ


提督 「悔いはまだあるが…まぁいいか どうせ奴らも歳が来ればいつかは死ぬんだ 人間必ず死ぬ時が来るんだから、死ぬ時が長引いたと思えばいいや」ハァ…ハァ…


提督 「…どうせこのままっ生きてても処刑されるのがオチだ 最後ぐらい…自分で終わりにしないとな」スッ…カチャッ 拳銃を頭に突きつけて構える


提督 「…ははっ!こわいな いざ死ぬとなると…震えが出てくるぜ 皆こんな感覚を味わって死ぬのか…?」ブルブル…


提督 「…へへっ!親父…今から行くぜ」スッ…



…バァンッ!!!!














提督室ー屋根裏部屋



…カタンッカンカンカン…



不知火 「…ふぅ やはり階段が壊されてしまったのではしごで登るしかありませんでしたね」ヨイショッ


時雨 「そうだね 誰かさんが階段壊すから」ジロッ


吹雪 「…結果的には登れたんですからいいじゃありませんか それよりあの机の引き出しを開けてください」


雷 「えっと…大きい方?」


吹雪 「そうです 細長い引き出しです その中に制御装置が設置されてます」


不知火 「…」スッ…カタッ 机に取り付けられている長細い引き出しを開けようと…


ガチャッ


不知火 「…あれ?」


時雨 「どうしたんだい?不知火 早く開けてよ」


不知火 「…鍵がかかってます 開けられません」


吹雪 「…っえ かぎ?」


雷 「吹雪 鍵を開けて!」


吹雪 「…そんなはずありません わたし鍵なんてつけた覚えありません!」


不知火 「…どういうことですか ならなぜ鍵がかかっているんですか!」


吹雪 「それは私が知りたいです!なぜ鍵が…っ! まさか…!!」


時雨 「なにか心当たりあるの?」


吹雪 「…もしかして、バレてたんでしょうか?うまく隠したつもりだったんですが…」


雷 「…どういうこと?バレてたってこの装置があることがバレて司令官が鍵をつけたってこと?」


不知火 「ですがそれだと疑問が湧きます ミサイルを止める装置があることを気づいたのになぜ鍵を付けるだけのことをしたんでしょうか 司令官なら完全にその装置を壊すはずです」


吹雪 「…そこまではわかりませんが…」


時雨 「…みんなどいて 僕が力づくで開けるよ!」ガシッ 机の引き出しを掴んで引っ張ろうと…


吹雪 「っあ!?だめです!力ずくで開けてはいけません!」


吹雪 「その制御装置は精密なものなので無理にこじ開けたりしたらその衝撃で壊れる可能性があります!もし壊れたら止められなくなります!」


時雨 「っえ!?そっそれじゃどうすればいいんだい!開けられなかったら装置が動かせないじゃないか!」


不知火 「…こんなとき、明石さんがここにいれば…」



ーっいますよ!


全員 「「…っえ?」」



明石 「はぁ…はぁ……片手使えないと登るのキツイです!」ハァ…ハァ…


大淀 「わたしはもっとキツイです…でも、やっとここまで来れましたね ここまで体力がもってよかったです」ハァ…ハァ…



雷 「明石さん!大淀さん!」


不知火 「二人とも無事でしたか!よかった 生きていて…」ホッ…


時雨 「明石さん 片手負傷してるところわるいけどお願いが!」


明石 「だいじょうぶです あなたたちが話していた声がちょうど聞こえたのでわかっています!」スッ すぐさまマイナスドライバーを取り出す


吹雪 「…っえ マイナスドライバー?まさかそれで鍵を…?」


明石 「従来の鍵なら可能です!ディンプルキーでなければ!」スゥ…


ドスッ!! 鍵穴にマイナスドライバーを挿し入れる


時雨 「えぇっ!?鍵穴に挿した!?」


雷 「しかも勢いよく入れたわ!だいじょうぶなの!?」


不知火 「…」


明石 「ーっ…」カチャカチャ… マイナスドライバーを細かく動かして鍵を開けようとしてる


明石 「(…この感覚 ディンプルキーじゃありませんね 普通の従来型の鍵穴だ!これならいける!)」カチャカチャ…


吹雪 「…どうですか 開きそうですか?」


明石 「もう少し時間を…っ! 開いた!」カチャッ


ガラッ


引き出しの中 『カラッポ』


時雨 「…っえ なにもない…?」


吹雪 「いえ ありますよ」スッ…


ピッ 引き出しの奥に手を当てると音が鳴る


ウィーン…ガチャンッ! 底部分が開いて折りたたまれていた飛行機の操縦機とテレビモニターが自動に組み立てられて出てくる


雷 「っな!?引き出しのそこから操縦機が出てきた!?」


不知火 「このようなものが設置されていたなんて…吹雪さん あなたは最初からこの装置のこと、知っていたんですか?」


吹雪 「…」


不知火 「…まぁそれはさておき 早く核ミサイルに向けて撃ちましょう!追尾機能がついてないので標準を合わせなくてはいけませんがこれだけの手勢がいればなんとかなるはずです!」


大淀 「そうですね 早く狙いを定めないと!」


明石 「吹雪さん 使い方を教えてください!この装置はどのように使えばいいんですか」


吹雪 「…まずはそのテレビモニターでレーダーを使ってください 現在核ミサイルがどこに飛んでるのかを探知してください」


明石 「探知ですね わかりました!」ピッピッ


レーダー 『ーっ… …ピピッ!』ピッ 現在核ミサイルが飛んでる位置をレーダーに表示される


明石 「でました!現在東京の真上を飛行中 速度は約500km!着弾点到達まであと…5分!?」


雷 「5分!?そんな!」


時雨 「5分じゃ間に合わないよ!今から打っても どうやっても間に合わないよ!」


不知火 「ーっ…!!」ギリッ


大淀 「…せっかくここまで来たのに、やっぱり核ミサイルを止めることはできないんでしょうか…」ハァ…ハァ…


明石 「ーっくそ!」ガンッ!!


吹雪 「…」


大淀 「…吹雪さん どうにかして間に合う方法とかはないんですか…?」ハァ…ハァ…


大淀 「他にもあるはずです もしあるなら教えてください!」ゼェ…ゼェ…


吹雪 「…」


大淀 「吹雪さん!!」フー…フー…


吹雪 「…その操縦機に取り付けられてる赤いボタン それを押せば約1分で核ミサイルに到着します」


明石 「1分!?それはほんとですか!」


吹雪 「はい ただ…一つ問題点があります」


時雨 「問題点…?」


吹雪 「そのスイッチはミサイルに取り付けられてるブースターを一気に噴出させるリミッター解除させるボタンです」


吹雪 「使えば確実に1分で核ミサイルのもとに着きます …ただし、狙いがかなり難しくなるのが欠点です」


雷 「狙いが難しくなる…?早くて着弾点がズレるってこと?」


吹雪 「違います 速度を無理やり早めているので狙った場所ではない所に行くことがあるんです」


吹雪 「たとえばこの基地にミサイルを落とそうとしますよね 速度を出さなければ確実にここへ落とせますが遅いと迎撃ミサイルで撃ち落とされる可能性があります」


吹雪 「なので迎撃ミサイルで撃ち落とされる前に速度を早めます …ただ、速度を早めると普通の速度とは違うので風の抵抗などで着弾点がズレてしまいます」


不知火 「てことはどんなに狙ったところで速度を早めたらそこには落ちないと言うことですか それはまたなんとも運任せな…」


明石 「それでもやるしかありません!間に合わせるためにはブースターを使うしかありません!」


大淀 「…そうですね 使わざる得ないですね 使いたくありませんが使わなければ間に合わない…」


大淀 「…賭けましょう!」


明石 「狙いは…だいたいこの場所でしょうか?」ギリリ…


不知火 「もう少し左に寄せてはどうでしょうか そこなら当たるかもしれません」


明石 「もう少し左に…」ギリリ…


時雨 「あと着弾点まで3分…そろそろ打たないと」


雷 「明石さん急いで!」


明石 「わかっています!そんな急かさないでください(こっこんなものでいいでしょうか…?)」ギリリ…


不知火 「ストップ!その場所でいいかと思います」


明石 「はっはい!」ビクッ


大淀 「…狙いはほぼ完璧ですね この位置ならおそらく核ミサイルに当たりますね」


吹雪 「でもブースターを使ったら確実にズレます ズレないことを祈るしかありません」


明石 「ーっ…そっそれじゃ、押しますよ?」スッ… 操縦機に取り付けられている赤いボタンに手をかける


時雨&雷 「「うん!」」


明石 「ーっ…」プルプル…


不知火 「…明石さん?」


大淀 「…っ!」ハッ


明石 「(ここで外したら…狙いをつけた私のせい!発車ボタンを押したわたしが責任を取らないといけない!!)」ゴクッ


明石 「(こんな責任重大なことを任される時が来るとは思わなかった…もし外したら、東京に住む人たちが…!!)」プルプル…


大淀 「はぁ…はぁ…ーっ」スゥ…


ギュッ…


明石 「っ! …大淀さん?」大淀にボタンを押そうとする手を握られる


大淀 「…だいじょうぶです きっと成功します!もし外れたらわたしも責任取りますから」


明石 「っ!」


時雨 「…そうだね 明石さん一人に任せるのはおかしいよね?それじゃ僕も責任取るよ」スッ


雷 「なら私だって責任取るわ!もし外れても一人で責任負わせるなんて変だもの!」スッ


明石 「時雨さん 雷…」


不知火 「…ふふっ!たしかにそうですね 一人にまかせるのはおかしな話ですね」


不知火 「もし外れたら皆さんで分け合いましょう そうすれば少しでも気が楽になります!」スッ


明石 「不知火さん!」


吹雪 「…一度は敵でしたがこうなっては仕方ありませんね どうせ私も長くない命なんで私も責任取らせてもらいます」スッ


明石 「吹雪さん!」


不知火 「それじゃ皆さんで一斉に押しますよ わたしがカウントいうので合わせてください!」


大淀 「いきますよ!」


時雨 「ーっ!」グッ


不知火 「3!」


雷 「ーっ!」グッ


不知火 「2!」


大淀 「ーっ!」グッ


不知火 「1!」


明石 「ーっ!」グッ


不知火 「0!」


全員 「「いっけえぇぇ!!!!!!」」ダンッ!!



核弾頭阻止ミサイル 「」バシュゥゥゥッッ!!!!!! ミサイルは空高く飛んで勢いよく核ミサイルのもとに向かう


艦娘 「なっ!またミサイルが出たわよ!」


艦娘 「もうわけわかんない…なんで鎮守府からミサイルが二発も発射されるの?てかどこにしまってあったのよ」


艦娘 「しかもさっき出たミサイルと今出たのはどこに向かってるの?サイズ的にもかなり広い範囲を焼き尽くすほどの威力を持ってるわ!」


艦娘 「提督もいないし 秘書の吹雪もいないし…この状況どうすればいいのよ!」



ワーワーキャーキャーッ!!!!!!













東京都周辺



民間人 「おっおい!なんだあれ!?」


民間人 「なんか空飛んでるぞ!なんじゃありゃ!?」



核ミサイル 「」バシュゥゥゥッ!!!!!!


民間人 「みっミサイル!?なんでミサイルが飛んで!?」


民間人 「やべぇぞ!!みんな逃げろー

!!」


全員 「「ワーワーキャーキャー!!!!!!」」








自衛隊本部ーミサイル対策部隊本部



ビー!ビー!ビー!ビー!…



自衛隊員 「非常事態発生!現在東京都上空にミサイルと思われしき飛行物体が勢いよく飛んできています!」


自衛隊員 「着弾点は今の加速状況からして東京都のど真ん中に落ちると推測!あと数分で落ちます!」


自衛隊長 「すぐに対空地ミサイルを放て!上空で爆発させるんだ!」


自衛隊員 「ムリです!今からじゃ間に合いません!」


自衛隊員 「それに上空で飛んでるとはいえ、もう地上に降りかかっています!今から撃っては間に合いません!」


自衛隊長 「っく!一体誰がこんなことを…」



ビー!ビー!ビー!ビー!…


自衛隊長 「また警報!?今度はなんだ!」


自警団員 「みっミサイルの後方からさらにミサイルを確認!しかもものすごい勢いで飛行中!!」


自衛隊長 「もう一発!?一体どうなってんだ!なんでこんなにもミサイルの発見が遅れたんだ!」


自衛隊長 「(どうする!?このままじゃミサイルが着弾して、東京は火の海に飲み込まれて消滅する!)」


自衛隊長 「(今から迎撃ミサイル打ったところで待ち合わない!逆に今打って迎撃しても真上まで飛行して来てるから、迎撃したところで意味がない!)」


自衛隊長 「(一体どうすれば…!!)」


自衛隊員 「…っ! たっ隊長!後方から来たミサイルからなにか変なものが!」


自衛隊長 「なにっ!?」






民間人 「みっミサイルが落ちてくるぞー!!」


民間人 「逃げろーっ!!!!」


民間人 「ワーワーギャーギャー!!」



核ミサイル 「」シュゥゥッッ!!!!容赦ない速度で民間人がうようよと居る東京都の頭上から落ちて…



核弾頭阻止ミサイル 「」シュゥゥッッ!!!!



ーっバサァッ!!!!


核ミサイル 「」シュゥゥッ!!!!… 核弾頭阻止ミサイルから包囲網が出てきて網の中に入り絡まる


核弾頭阻止ミサイル 「」シュゥゥッッ!!!!… 東京都の頭上を通っていき離れていく






自衛隊長 「…」


自衛隊員 「…かっ核ミサイル 後方から来たミサイルからでた網に入り、どこかへ飛んでいきました…?」


自衛隊員 「…どっどうなってんだ?まったく意味がわからん」


自衛隊員 「…助かった…のか?」


自衛隊長 「…っは!?みっミサイルの目的地を捜索しろ!どこに落ちるのかすぐ確かめろ!」


自衛隊員 「はっはい!」カチャカチャ…


自衛隊長 「…一体、何がどうなってんだ?もう一発来たと思ったら 最初に飛んできたミサイルを包囲網で包んで持っていたが…?」


自衛隊員 「ーっ…でました!現在ミサイルは海に向かって飛行中 飛行速度などから計算した結果、着弾点は日本海のど真ん中だと思います!」


自衛隊長 「日本海のど真ん中…?なぜそんな所に着弾を…?」


自衛隊長 「…まぁいい そんなことは後で考えよう!」


自衛隊長 「全部隊に伝達しろ!今から核ミサイルを爆発する前に回収する!なんとしてでも爆発前に撤去するんだ!」


自衛隊員 「「了解!!」」













明石 「……やった、んでしょうか?」


時雨 「どっどうだろう…レーダーには東京を過ぎて日本海の方に進んでるけど……」


大淀 「……二発ともレーダーに反応してるので、爆発はしてないかと……」ハァ…ハァ…


雷 「…成功、したの……?」


吹雪 「成功しましたよ 見事、迎撃ミサイルから出た包囲網に核ミサイルが入って日本海に進んでいきました」


不知火 「しかもこの速度でだんだんと高度が下がってきてるので、このまま落ち続けたら着弾点は海ですね」


明石 「っや やったぁぁぁ!!!!!」


大淀 「成功したんですね…よかった…っ……」フラッ…


時雨 「っ! 大淀さん!」ガバッ


雷 「たいへん!!かなり出血してるわ!急いでドッグに連れていかないと!」


不知火 「その前に医務室である程度治療してからドッグに入れてください その方が治りが早いです」


時雨 「わ わかった!」


明石 「私が治療します!早く行きましょう!」


雷 「大淀さんしっかりして!」


タッタッタッ…



吹雪 「…さてと、わたしは最後の仕上げと行きましょう 大淀さんも明石さんが居れば平気でしょうし」


不知火 「…仕上げというのは、何をするつもりですか?」


吹雪 「なんでもいいじゃないですか 不知火さんには関係ありませんよ」


不知火 「この騒動は司令官が起こしたものです あなたが背負う必要はありませんよ」


吹雪 「っ…」ピクッ


不知火 「…図星のようですね 吹雪さんは司令官を守ろうとしただけで、核兵器のことに関しては関わってないんですから罪を被る必要はありません」


吹雪 「…ですが、わたしはあなたたちを裏切りました 現司令官がいじめを受けていたにも関わらず、まして殺人鬼になろうとしていた者を元司令官たちは指揮官にしたんですから…」


吹雪 「それを止めようとしてきたあなた方に手を出してしまいました しかも完全に殺す気で反抗してしまいました…不知火さんもわたしが本気であなた方を殺そうとしていたの…わかりましたよね?」


不知火 「…」


吹雪 「…ミサイルの件と鎮守府内で起きた暴動の件はわたしと司令官が持っていきます あとのことは…頼みます」


不知火 「……わかり、ました あとのことは…任せてください」


吹雪 「お願いします」


タッタッタッ…


不知火 「ーっ…」ギリッ…


不知火 「(…止めなくては 今止めなくては…吹雪さんが捕まってしまいます 今止めなくては…ーっ!)」ググッ…


不知火 「(…でも、止めることができない 今ここで止めたとしても…吹雪さんが足を止めてくれるとは思えない……)」


不知火 「(なにかちゃんとした理由があれば止まってくれるかもしれませんが…一体なんて言えば……っ!!!!)」ギリッ



…待ちなさい 吹雪


吹雪 「っ!」


提督の母 「…行ってはダメよ 吹雪」タッタッタッ


吹雪 「…元司令官」


提督の母 「こんなことになったのは全て私たちのせい あの子を無理やり指揮官にしたのがいけなかったの」


提督の母 「嫌がっていたのに…頭を良くすれば犯罪者になるとわかっていたのに、それでも私たちはあの子を指揮官にした」


提督の母 「だからあなたはなにも悪くないわ 悪いのは私たちだから責任を取ろうとなんて思わなくていいわ」


吹雪 「…で、ですが!わたしはみなさんに傷をつけました 傷を付けたどころか、殺す気でやろうとしました!」


吹雪 「元司令官からも、息子のことを頼まれたというのに私はあなたたちを裏切って…」


提督の母 「あなたは優しいわね吹雪 昔から変わらず、元私のところにいた頃も責任を自分一人で背負うところ」


提督の母 「過去にもあなたはみんなの責任を自分だけの責任にしたことがあったわね 第一艦隊で貴女が旗艦、ボス戦であなたは開幕雷撃戦に失敗して大破 他の艦娘たちも大破して撤退」


提督の母 「他の子たちも開幕雷撃戦に失敗してた子がいたわ それどころか、空母の方たちも開幕に失敗してた…なのにあなたはそれを自分のミスだと報告してたわね」


提督の母 「旗艦なのに的確な指示が出せず 開幕を失敗…そのうえ、まともな指揮が出せずに全員大破して被害増大で撤退…」


提督の母 「他の子たちも失敗してたのにあなたは全て自分のせいにした 旗艦である仕事を上手く果たせなかったと自ら罰まで受けようとしてた…そうよね」


吹雪 「それは…」


提督の母 「その気持ちはすごくいいと思うわ 仲間思いで優しい…わたしはそういう性格好きよ?」


提督の母 「でもね吹雪 ムリに何がなんでも自分のせいにしようとしなくてもいいの 今回の件はあなた一人だけの問題じゃない…一番悪いのは私たちだから」


提督の母 「ムリなお願いしたのがいけなかったわね 元最高指揮官と呼ばれていた名が泣けてくるわ」


吹雪 「ーっ…」ググッ…


提督の母 「…吹雪、不知火 あなた達にお願いがあるの」


提督の母 「最後のお願い…聞いてもらえるかしら」


不知火 「っ!」


吹雪 「……なんでしょうか」


提督の母 「私はこれから核ミサイルの件を自白しに行くわ この騒動を引き起こしたのは私の息子だと」


提督の母 「あなた達はこの鎮守府に着任してる者たちにその事を伝えて 数日間は指揮官不在になるから、その間はあなた達に代理指揮官をお願いするわ」


吹雪 「………」


不知火 「………」


提督の母 「…お願い、するわね?」


吹雪 「…それは、最高指揮官の権限を使ってまで…ですか?」


提督の母 「…それは言わないといけない?」


吹雪 「………」


提督の母 「…それじゃ、私の権限を使うわ」


提督の母 「あとのことは任せたわよ 吹雪 不知火」


吹雪 「…」


不知火 「…わかりました 権限をお使いになるのでしたら……従います」


提督の母 「吹雪もいいわね?」


吹雪 「ーっ…」ギリッ…


提督の母 「…私の権限よ 聞きなさい」


吹雪 「………」


提督の母 「…ーっ吹雪!」


吹雪 「ーっ聞けません!」


吹雪 「なんで、なんでそんな事を聞かなくてはいけないんですか!なにも元司令官が悪くなる必要なんてないはずです!」


吹雪 「元司令官が悪くなったら…海軍の印象が悪くなってしまうじゃないですか!元最高指揮官と呼ばれていた方が、息子が悪事を働いたなんて世間に知られたら…!」


提督の母 「…吹雪……」


吹雪 「だったら部下である私が代わりに悪事を働いたといえば、今回の件は流れるはずです!元最高指揮官と呼ばれていた方がでなければ 世間にそこまでの不評も出回ることはありません!」


吹雪 「元上司を守るのが元秘書の役目です!だから私が責任を取れば…!」


提督の母 「吹雪 それは違うわ」


提督の母 「秘書というのは、私の仕事をサポートをする存在よ あなたはまじめだから私は秘書として選んだの」


提督の母 「罪を擦り付けるために選んだわけじゃないわ 勘違いしないで」


吹雪 「ですが!」


提督の母 「いい加減にしなさい!」ギンッ!!


吹雪 「っ!!」ビクッ


提督の母 「私が責任を背負うと言ってるのだからあなたが取る必要なんてないの!いいわね!」


吹雪 「ーっ…司令官……」ツツー…


提督の母 「…もう一度言うわ 私の権限を使って」


提督の母 「私が全責任を背負うわ あなた達には新たに着任する指揮官が来るまで、この鎮守府のことは任せるわ」


吹雪 「ーっ…!!」ポタッポタッ…


不知火 「…了解しました」


提督の母 「…吹雪もいいわね?」


吹雪 「っ…わかりっました……元司令官の命令をっ聞き入れます!」グシッ


提督の母 「ありがとう 吹雪」ニコッ




こうして、日本全体を騒動させた事態は治まった



提督の母は国民に、今回の騒動はわたしの息子が起こしたことを国内だけに発表した 国外には漏れないよう色々と裏を通して日本だけで留めることができた



外部に漏れたりすると核兵器を持たないはずの日本で持っていたと知られれば、国際問題になりかねない…それだけはなんとか阻止した



国外に漏れることはなかったが、やはり国民の民衆はミサイル所持及び発射させたことで批判を訴えた



まして海軍が核兵器を持ってるなんておかしい話しだのなんだのと、民衆の暴動が起こったが国の鎮圧部隊が民衆を黙らせて暴動は治まった



提督と提督の父は艦娘たちが発見したときにはもう息を引き取っていた 提督は頭に銃口を突きつけたと思われる火傷跡があり自殺と判明 提督の父は資材倉庫で後頭部に銃痕があり、脳を殺られて殺害されたことが判明した



大淀は腹部に何度も短刀(懐刀)で刺され重症 ドッグで修復する前に治療をしてある程度治療後、ドッグで完全治癒し 復帰 全治二ヶ月かかった



明石は利き手を銃弾で撃たれ負傷 命に別状はないものの、全治一ヶ月かかった 完全に治ってからも後遺症はなく、完全に復帰



時雨は多少のケガをしてたものの、目立った外相はなく ドッグにて完全治癒 雷は無傷で生存



吹雪、不知火は多少のケガをしてたが ほとんど治療はいらず、数日で復帰した



ほかの艦娘に関しては、混乱していたがとくに被害はなく 不知火と吹雪がみなに現状を報告して治まった



残りの核ミサイルは提督の母が日本の首相に、直接核ミサイルを所持していることを報告し 自衛隊や爆弾処理班、核ミサイル処理班たちを要請してすべて回収してもらった



まさか日本の首相に直接電話をかけて核ミサイルの撤去を依頼するとは不知火たちは思いもしなかった それ以前に提督の母が日本の首相と知り合いだったことも初耳だった



提督の母の罪は本来なら名誉剥奪の死刑が絶対であったが、首相自らの弁護もあって執行猶予ありの無期懲役が決定された 本来なら息子の提督が罪を受けるはずなのに、提督の母は息子のせいにしないで全て自分のせいにした…



それからしばらくして、鎮守府が上の者から核などの撤去や事件の情報収集などが終わったから再開させると言い渡されて 新しい提督が配属されるまで不知火たちは指揮官代行を命じられたため、二人で鎮守府をまとめていた



吹雪は提督の母が自分のせいにして捕まったことを今でも後悔していて、最初の方は警察に、私が真犯人だと大騒ぎさせるようなことを言おうとしていた



だが、それを読んでいた不知火はそれを全部止めた 時には時雨や雷、大淀や明石にも止められた



交代制で吹雪を見張って 不自然な行動を表しては止めて、最初の方はほんとに大変だった…



…だけど、今なら吹雪の気持ちがわかるかもしれない 大淀は提督に殺されそうになったとき、明石が犯罪者になってまで助けてくれようとしていた



大事な親友…そう言って、片手にリボルバーを構えて 上司である提督に何発も発砲して大淀を助けようしてくれた



これがもし逆の立場なら同じことをしていたかもしれない 大淀にとって明石は大事な親友…明石がやられていたら、大淀は提督を殺していたかもしれない



一時はどうなるかと思ったが、騒動から数ヶ月が経って 鎮守府全体は落ち着いていた



吹雪も時間はかかったものの、元提督の命を本気で受け入れて 次の世代の者のために心を入れ替えた



大淀も明石たちも傷が治ってからは、すぐ自分の持ち場に戻って仕事をして いつでも新しい指揮官が来ても平気なようにしていた



そして、数ヶ月が経ったころ……











ブロロー…キキィッ



ガチャッ



新人提督 「…ここが、俺の勤務場所か」


新人提督 「送りご苦労 助かったよ では」パタンッ



ブロロー…



新人提督 「…さてと、まずはここにいる秘書艦に会わないと…っん?」



吹雪 「…」タッタッタッ…



新人提督 「(…あの子はたしか、前提督の秘書をやってた……)」


吹雪 「…あなたが、新しくここは配属された司令官でしょうか?」


新人提督 「そうだ 今日からこの鎮守府の指揮官を任された者だ」


新人提督 「君は前提督の秘書と見受けるが…あってるか?」


吹雪 「はい わたしは前提督の秘書 吹雪型一番艦 吹雪です」ビシッ


吹雪 「過去のことはご存知かと思われますが、なにとぞよろしくお願いします」


新人提督 「うむ!よろしくな」




ー提督が鎮守府に着任しました これより艦隊の指揮に入ります!ー










〜END〜



後書き

提督の過去情報履歴


・提督の日記帳にはあいつらがきてイラつくと連呼して書いてあったが一体あいつらとは一体…?
・雷の情報だと、提督は過去にいじめを受けていたらしく、小学校〜中学校〜高校と続いてずっといじめを受けていた 提督の身体に無数のあざや傷が残っているとのこと
・吹雪&不知火の会話だと、鎮守府には隠し部屋があるらしく そこには裏日記という物があるとのこと、その裏日記は一体どういうものなのか…?
・上官の情報だと、提督の親が過去最高指揮官と呼ばれていて、過去最高指揮官の権限使って提督を無理やり海軍指揮官にしたと言われている いじめにあっていたのは事実のようだ
・提督の父の情報だと、息子(提督)は過去に殺人計画を建てていたらしく、ノートに誰をどこでなにで殺すかを書いていたらしい 今現在も、不知火の情報だと計画を建てているとのこと


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