2017-11-26 19:22:54 更新

概要

タイトルいじってますが、ぷらずまさんのいる鎮守府(闇)の3章です。





警告タグの性的描写はキャラが性的単語をいう程度です。本格的な描写は作品通してなっしん。


前書き

注意事項
【勢い】
・ぷらずまさんと称しているだけのクソガキな電ちゃんの形をしたなにか。

・わるさめちゃんと称しているだけの春雨駆逐棲姫の形をしたノリとテンションの女の子。

もう矛盾あっても直せない恐れあり。チート、にわか知識、オリ設定、独自解釈、日本語崩壊、キャラ崩壊、戦闘描写お粗末。SS初投稿、魔改造、スマホ書きスマホ投稿etc.

ダメな方はすぐにブラウザバックお願いします。


【1ワ●:鎮守府の怖いうわさ!わるさめちゃんが来た!】

 


1



乙中将「電ちゃんとはまた違う意味でキツイね…………」

 

 

日向「…………」

 

 

わるさめ「手足とか首とか折られた程度じゃ死なねーから」

 

 

わるさめ「例えば、わるさめちゃんが」

 

 

わるさめ「ここら一体を消し飛ばす時限爆弾を体内にセットしているとしたらどうでしょうネ☆」

 

 

日向・伊勢「……」

 

 

わるさめ「乙中将までいるし、わるさめちゃん大戦果☆」

 

 

丙少将「その法螺で脅してなにを要求するつもりだ」

 

 

わるさめ「……」

 

 

わるさめ「わるさめちゃん、訳があって深海棲艦の陣営にいるんだよね」

 

 

わるさめ「ビジネスライクっていうのかなー。チューキちゃんに丙少将を暗殺してきて、と頼まれたんだゾ☆」


 

日向「……」ジャキン

 

 

わるさめ「深海棲艦側にいるだけで深海棲艦と志を共にした仲間じゃないから、その艤装しまってネ?」

 

 

乙中将「こっちの味方でもないの?」

 

 

わるさめ「ケースバイケース。わるさめちゃんはわるさめちゃんの目的のために、行動しているわけで」

 

 

わるさめ「その目的は」トランスッ

 

 

わるさめ「この深海棲艦艤装に蝕まれている身体を元に戻すことだゾ☆」

 

 

わるさめ「ちなみに春雨は轟沈したことになってるねー……」

 

 

わるさめ「沈んだ艦娘はなぜか死体が見つからないことも多いからねー」

 

 

わるさめ「艦娘を死んだことにするって簡単だよね☆」

 

 

丙少将「駆逐艦電の、同種か?」

 

 

わるさめ「あー……あの鬼逐艦とは一緒くたにして欲しくねーといいますか」

 

 

わるさめ「さっきもいったけど、ぷらずまとわるさめちゃんは犬猿の仲っス…」

 

 

わるさめ「そして聞きたいことはたくさんあるとは思いますが、ぺらぺらとタダでしゃべるほど、わるさめちゃんは気前よくねーです」

 

 

わるさめ「取引しよーぜ?」

 

 

わるさめ「丙少将を数日、意識を奪います。殺しはしないよここ重要」

 

 

わるさめ「その代わり、だーれも知らない深海棲艦の秘密を教えて……」

 

 

わるさめ「あ・げ・る・よ☆」

 

 

日向「馬鹿いえ、決戦を控えている」

 

 

丙少将「こちらは貴様を煮るなり焼くなりできるが。取引に応じると思うか?」

 

 

わるさめ「こっちは取引しようっていってあげてるのに、力に物をいわせて……ってさー」

 

 

わるさめ「人間ってみんな賢い分だけ深海棲艦より性質悪いよね」

 

 

丙少将「信用できる要素がない」

 

 

わるさめ「変わらないから」

 

 

わるさめ「変わらないんだよ」

 

 

わるさめ「交渉決裂っスー」

 

 

乙中将「で、どうするの?」

 

 

わるさめ「あー……将校ども、お前らダメだ。恐らくぷらずまのやつも私のことも分かってくれてねえ」ウツムキ

 

 

わるさめ「心は人を辞めてないけど」ジャキン

 

 

丙少将「口から……銃口っ!?」

 

 

ドオンッ


 

わるさめ「あるるぇ……?」バタッ

 

 

日向「戯け」

 

 

日向「丙さん、さすがに今のは許可を求めずに攻撃させてもらったぞ」

 

 

丙少将「いや、いい判断だ。伊勢が庇って海に落としてくれなければ怪我していたかもな。助かったよ」

 

 

伊勢「反応できて良かった……」

 

 

伊勢「乙中将もご無事で?」

 

 

乙中将「お陰様で。ありがとね」

 

 

丙少将「さて」

 

 

わるさめ「……く」

 

 

丙少将「私は執務室に戻るが、こいつは閉じ込めておけ。見張りは日向が適当に鎮守府内に待機しているものを2名、選んでいい。監視を怠るなよ」コツコツ

 

 

日向「了解だ」

 

 

わるさめ「甘い甘いとんだ甘ちゃんどもだぜオイ!」

 

 

日向「……なんだこいつは」

 

 

伊勢「気でも触れた……?」

 

 

わるさめ「脚からも打てるんだゾ☆」

 

 

ドオン

 

 

わるさめ「はい命中! そして海に逃げちゃうゾ。さらばだっ☆」

 

 

丙少将「……ふと、ももから?」

 

 

伊勢「っ、日向、私は丙さんを医務室に運びます!」

 

 

日向「逃がすか! そのまま沈め!」


 

わるさめ「煙玉もプレゼントだ☆」


 

2

 


わるさめ(……いたた)スィイー

 

 

わるさめ(乙中将のやつ、かな)

 

 

わるさめ(なんであの煙のなかでフォークなんか投げて当てられるのぉ……つかフォークなんか持ち歩いてんのかよぅ……)

 

 

わるさめ(しかも、再生の鈍い右目に……)

 

 

わるさめ(あんなザコどもに高い代償を払う羽目に)

 

 

わるさめ「ま、切り替えよ☆」

 

 

わるさめ(そろそろリコリスママ達が攻めこんで来ているはずだし) 

 

 

わるさめ(どさくさに紛れて離脱しないと右目だけじゃ済まなくなっちゃう)

 

 

わるさめ「もう一人、頼まれているんだよね」

 

 

わるさめ「いざっ、お楽しみ☆」

 

 

わるさめ「ぷらずまさんのいる鎮守府(闇)へー!!」ヒャッハー

 

 

3 鎮守府(闇)にて

 

 

提督「はい、了解しました」

 

 

提督「……ええと」クルリ

 

 

提督「丙少将が負傷したみたいです」

 

 

提督「死なずに済むようで、軽傷です。今作戦の総指揮は乙中将が代わりに、とのことです」

 

 

響「誰だい」

 

 

響「丙さんをやったのは」

 

 

不知火「……」戦艦クラスの眼光

 

 

提督「マジカル駆逐棲姫わるさめちゃんと名乗ったそうです。見た目はダークな感じの白露型五番艦、春雨さんだとか」

 

 

響「……暗殺を試みるだなんて、まるで人間同士の争いのようだね」

 

 

提督「乙さんいわく、ここの鎮守府(闇)も作戦に組み込むとのお達しなので」


 

提督「これから戦闘準備に入ってもらいます」

 

 

提督「不知火さん達はどうしますか。ここで留まるのなら自分の指揮下に、行くのならルートの指定が乙中将から」

 

 

不知火「大至急、支援に向かいます」

 

 

不知火「陽炎と暁を呼んできます」

 

 

不知火「お世話になりました」ペコリ


 

――――パタン



4

 


乙中将「それじゃ後は任せたからね」鉢巻きギュッ

 

 

扶桑「ええ、でもなんだか今日は不幸の気配がします……」鉢巻きギュッ

 

 

山城「全くです扶桑お姉様、こういう時に限って当たりますよね……」鉢巻きギュッ

 

 

飛龍「二人とも止めてよ……」鉢巻きギュッ

 

 

蒼龍「勝てますよ。今まで不幸に見舞われても、この艦隊は深海棲艦戦では負けなしですし」鉢巻きギュッ

 

 

扶桑「ところで初霜ちゃん達はここに向かっているのですよね。無事にたどり着けるでしょうか……」

 

 

乙中将「鎮守府(闇)に留まるようにいってある」

 

 

乙中将「あそこが潰れると大損害になる」

 

 

山城「あの鎮守府が潰れて大損害、ですか?」

 

 

飛龍「どう考えてもここの鎮守府が落とされるほうが痛手のような」

 

 

乙中将「そんな気がするんだよ。だから追加で呼んである初霜さん達は向こうに留まるようにいってある。初霜さん達の指揮は向こうの司令官に委ねたよ」

 

 

蒼龍「この人の勘は山城さんの不幸の予感に勝るとも劣らずなんですよね」

 

 

扶桑「初霜ちゃん、大丈夫かしら」

 

 

山城「あのゲスの極み乙女艦隊に組み込まれるだなんて、あの子も不幸ね……」



山城「あの提督ですからね。最悪の場合…………」

 

 

山城「演習を見た限り、あの提督の指揮下にだけは入りたくないわね……」

 

 

山城「丙少将のが天と地ほどの差でマシだわ……」

 

 

扶桑・飛龍・蒼龍「同じく」

 


5



初霜「あの……」

 

 

提督「はい」


 

初霜「応援に向かわなくてもよろしいのでしょうか?」

 

 

提督「その前に事前に確認しておきたいので、正直にお答えください。怒りはしないと約束しますので」

 

 

提督「自分がどのような司令官か知っていますか」

 

 

初霜「……私達を駒として扱う司令官、ですね」

 

 

提督「その上でもう一つ。どんな指示でも自分に従ってもらえますか?」

 


初霜「……いいえ」

 

 

初霜「無意味な死や同士討ちの命はお応えできかねます」

 

 

提督「では旗艦の初霜さんの判断で行動してください。応援が必要と思うのならば、どうぞ遠慮せず向かってください」

 

 

初霜「……乙さんからはあなた達の鎮守府に待機し、あなたの命令に従え、という指示をもらっています」

 

 

提督「では、命令で」

 

 

初霜(この人なんなんですか……)

 

 

初霜(今後の戦局を左右する大規模な作戦中の大戦火が起きているのに)

 

 

初霜(味方ですよね。なのに、まるで我関せず、です……)

 

 

初霜「……阿武隈さんですよね?」チラッ

 

 

阿武隈「………うん(メソラシ」

 

 

初霜「……」

 

 

阿武隈「ここの提督さんは、こ、こういう人としか」

 

 

阿武隈「でも、なにか考えはあるんだと思うよ。きっと」

 

 

金剛「らっちもにっちも明かないネ!」

 

 

金剛「ヘイ! その考えというのを話してくだサーイ!」

 

 

瑞鶴「今は別作戦で私と阿武隈以外は出払っているし、あの作戦優先なんでしょ?」

 


提督「もちろん」

 


金剛「すでに手は打ってあって私達は必要ないから好きにしろってことデスカー?」

 

 

榛名「金剛お姉様、まずはこの提督さんが遂行している作戦をお聞きになってはどうでしょう?」

 

 

榛名「作戦内容によっては私達を動かすこと事態に支障を来す、のかもしれません。何分連絡を入れたとはいえ、急なことですから」

 

 

金剛「教えてくだサーイ!」

 

 

初霜「そうですね。待機であれ、出撃であれ、私達でお力になれたのなら本望なのですが」

 

 

提督「自分、深海に興味がありまして」

 

 

初霜「はい」

 

 

提督「ぷらず……電さん達に撮影してもらっています」

 

 

提督「作戦名は深海ウォッチングです」

 

 

初霜「すみません」

 

 

初霜「私の頭ではそれがどうすれば現場で戦っている皆さんの助けになるか分かりません」

 

 

提督「誰にも喋らない、と約束していただけますか?」

 

 

初霜「誓います」

 

 

金剛「同じく誓いマース!」

 

 

榛名「榛名も誓います!」

 

 

提督「かくかくしかじか」

 

 

初霜「深海棲艦を沈めるのではなく、誕生原因を探ってそこから潰す、と」

 

 

初霜「軍が成果をあげられていない分野ですが、確かにあの電さんのいるこの鎮守府では違う結果が得られるかもしれません」

 

 

初霜「価値のある試みだと驚嘆しました」

 

 

初霜「ですが……」

 

 

金剛「今の作戦には関係ないネ!?」

 

 

金剛「そんなのは後からでも出来マース! TPOって知ってマスカ!?」

 

 

提督「……ではこの地点に出撃してください」

 

 

提督「瑞鶴さんと阿武隈さんも一緒に」

 

 

瑞鶴「どしてそこ?」

 

 

阿武隈「電さん達の近くですし、護衛ですか?」


 

提督「いえ、現戦線が乱れたら深海棲艦がこちらに流れ込んでくる恐れ、そして場合によってはお仲間がこの鎮守府のほうに撤退してくるかもしれません。その場合、通るのはこの辺りです」

 

 

提督「龍驤さんに彩運を飛ばしてもらっていますが、初霜さん達がお力になってもらえたら、まあ、色々とはかどると思います」

 

 

初霜「了解しました」

 

 

榛名「でも、この鎮守府に艦娘が間宮さん以外は出払うというリスクがあります、よね?」

 

 

提督「雷さんがいます。構いません」

 

 

提督「後、深海棲艦を絶対に通さないでください。できれば命に代えても」

 

 

初霜「そのような命であれば問題はありません。皆さんはどうですか?」

 

 

金剛「問題ないデース!」

 

 

榛名「榛名も大丈夫! です!」

 

 

初霜「問題は最近異動してきた……」

 

 

瑞鳳「………」キッ

 


6

 


提督「瑞鳳さん、その度は誠に申し訳ありませんでした」ドゲザ

 

 

瑞鳳「……いいですよ」

 

 

瑞鳳「二度とあんな風に私達を道具扱いしないと誓ってもらえるのなら、ですけど」

 

 

瑞鶴「こればっかりは弁解できないわね……」

 

 

提督「誓わせていただきます」

 

 

瑞鳳「ならいいんです」

 

 

瑞鳳「初霜さん、私も構いません。全力でその場で戦います」

 

 

提督「白露型五番艦の春雨さんによく似た風貌の敵がいます。もしかしたらこっちに来るかもしれませんので、この人だけは絶対に通さないでください」

 

 

提督「電さんの敵verでして、丙少将を負傷させています。見つけ次第、時間を稼ぐに切り替えてください。沈めるでは、あなた達では無駄死にになる危険性が高い。こちらのぷらずま……電さんに機を見計らって交戦させます」

 

 

瑞鶴「でもおちびって、大破しているのでは」



提督「それでもこちらでは最もそのわるさめさんに勝てる戦力です」



初霜「了解です」

 

 

提督「後、うちの瑞鶴さんと阿武隈さんはカカシ程度にお見積もりください」

 

 

瑞鶴「誰がカカシよ! 私はもう艦載機発艦させられるわよ!?」

 

 

阿武隈「あ、あたしだってもう砲撃できるんですけどお!! 当たるかは分かりませんけど、数打てばきっと!」

 

 

榛名(申し訳ないですけど……)

 

 

初霜(お二人ともとても)

 

 

瑞鳳(レベルの低いことを……)

 

 

金剛(いっているような気がするネ……)

 


7

 


わるさめ「おー、あれは金剛さん達かな。入れ違いか。海に出ちゃってるー」


 

わるさめ「……ま、気付けないよね」



わるさめ「つーかここ艦娘どころか人すらいないんだけど、廃墟じゃないよね……侵入は楽で助かるけど」


 

間宮「え、春雨、さん……?」

 

 

わるさめ「…………」

 

 

わるさめ「●ω●」ハルサメチェンジ

 

 

春雨「もしかして間宮さん、ですか?」

 

 

間宮「は、白昼夢かしら。撃沈したはずで……」

 

 

春雨「えっと、春雨の前任者ではないでしょうか?」

 

 

春雨「本日付で着任しました白露型五番艦春雨です、はい。輸送作戦はお任せください」

 

 

春雨「…………です」

 

 

間宮「あ、そ、そうですよね。ごめんなさい。給糧艦間宮と申します」ペコリ

 

 

間宮「これからよろしくお願いしますね。私のお店に来てくださればお好みの料理なんでも作りますよ」

 

 

春雨「ありがとうござい、ます。でも先に、司令官さんのところに行かなくちゃ」

 

 

春雨「お恥ずかしいのですが、ちょっと迷っちゃいまして……」

 

 

間宮「ふふっ、ここはちょっと造りが他の鎮守府と違いますしね。案内しますよ」クルッ

 

 

わるさめ「隙あり☆意識昏倒チョップ!」

 

 

間宮「きゃんっ!」バタリ

 


わるさめ「間宮さんいい人なんだけどなー、相変わらず抜けてるっスねー……」 

 

 

わるさめ「つーかこの反応、状況を知らされてないのかな。うっわ、死んでもいいとか思われてそう……」



わるさめ「……さて、間宮さん巻き込みたくないしー、とりあえず起きないうちにどっかに監禁してー」

 

 

わるさめ「あの悪童がなついたとかいう司令官のご尊顔を拝みに行くゾっ♪」



【2ワ●:中枢棲姫勢力VS乙丙連合艦隊】



1

 


乙中将(うーん)

 


乙中将(丙さんとこの、強いんだけど……)



乙中将(前に演習て戦った時よりも士気がいまいちなのは、丙さんが負傷したからかな……)

 


乙中将(リコリス、中枢棲姫、重巡棲姫、戦艦棲姫、空母棲姫、水母棲姫、北方棲姫、それとレ級とネ級、ヲ級改、後はル級、その他はまあ)

 


乙中将(……)

 


乙中将「日向さん、左陣の艦隊を500メートルほど後退して前線を下げて」

 


日向「戦艦棲姫が鎮守府に近付くぞ」

 


乙中将「そいつは天城さんと加賀さんに注視させてこまめに報告入れてもらってる。かなり妙だけど、戦う気がないか様子を伺っているみたいだね。飛ばした砲撃、片手の指で数えられるほどだから」

 


乙中将「温存ではないと思う。こちらは今、主力を全て出してる。この鎮守府に待機している子に空母棲姫や戦艦棲姫を撃沈させるような力はないし、あのレベルの知能がいる時点でここの戦力とか把握できていると見て」

 


乙中将「つまり日向さん達を撃破したら向こうは勝ちなんだ」

 


乙中将「将校の鎮守府。戦力は丙乙連合艦隊。姫や鬼といえどこっちは決して遊び感覚で倒されるような艦隊じゃないよ」

 


乙中将「深海棲艦の傾向的に力を温存するということは、なにか後で有効に使う場面でもあるのか」

 


乙中将「この戦いの後、更に進軍する予定でもあるのか。そのどちらかが濃厚」 

 


日向「そして報告だ。切り込んだ雪風が戻ってきて、レ級がやけに流暢な言葉で」

 


日向「『カ級を捕らえたやつらを早くどうのこうの』と、いっていたとか。雪風の聞き間違えかもしれんが」

 


乙中将「カ級を捕らえた、やつら?」

 


乙中将「……、……」

 


乙中将「日向さん、この鎮守府が戦艦棲姫の射程距離に入らないギリギリまで後退して欲しい」



乙中将「敵が左に半円を描くように移動を始めたら、常に向き合う形にして、少し様子を見て」

 


乙中将「向こうがこの鎮守府に向かってくるようなら迎撃。扶桑達T字有利で送る。陽炎、不知火、暁、響も後で加えるから」

 


日向「任せてくれ」



乙中将「そのまま向こうが戦線を離脱していったら、追撃はせずにその場で遠距離射撃に留めて」

 


乙中将「距離は絶対に詰めないで」

 


日向「分かったが、解せんぞ」

 


乙中将「カ級を捕まえたやつら、でしょ」

 


乙中将「ここら辺りでそんなんやる連中はあの鎮守府しか思い浮かばないよ」

 


乙中将「それでなぜ深海棲艦から狙われるのかは知らないけどさ」

 


乙中将「恐らくこの鎮守府を潰しにかかろうとしていたけど、この鎮守府より優先して潰しておかなければならないなにかが出てきたんだと思う」

 


乙中将「戦力が集まりきる前に全面攻勢に出たのも」

 


乙中将「丙さんを暗殺するタイミングが、わざわざ厳戒態勢を敷いた後だったのも、それなら説明できるしね」



乙中将「…………」 



乙中将「敵が離脱していけば、その方向には蒼龍と扶桑と待機している艦娘を10人つけるから」

 


乙中将「日向さんは飛龍達と合流して表の敵を左翼から崩して」

 


乙中将「11時間も経てば甲さんのところから支援艦隊が到着する」



乙中将「向こうは必死になってるんだ。綻びのある作戦だからね。そこから勝てる」



乙中将(……向こうに撤退、の可能性もあるけど、まだ伝える段階ではない、かな)



乙中将「早いとこ表の敵を散らして、追撃戦に移行する。後ろに逃がした相手を鎮守府(闇)が手こずるようなら、連携して叩き潰すのが早い」

 


日向「……試したところ、戦艦棲姫の艦隊が早速、左半円を描くようにして南東方向に向かってるな。隙あれば、といった動きだ」

 


乙中将「……当たりかー。ま、指示した通りにお願いね。またなにか動きがあれば」

 

 

乙中将「飛龍、蒼龍」



乙中将「直に追撃戦になると思うから、その時は偵察機を飛ばして探りを入れて。レ級ネ級、中枢棲姫、リコリス棲姫、この辺りの情報が欲しい」



乙中将「それと流れていった姫を攻撃対象に鎮守府(闇)の援護を友永隊と江ノ草隊で」



飛龍「了解、友永隊を向こうのフォローに回します」



蒼龍「了解、江ノ草隊も同じく」



乙中将「うん。それじゃよろしく」



ガチャッ

 


丙少将「乙さん」

 


乙中将「起きるのはやすぎでしょ……」

 


乙中将「幸運なことだけど、十分に指揮を取れるような状態じゃないんだから安静にしてなよ」

 


丙少将「……幸運では、ないと思います。脚です。しかも、この通りの怪我、です。あいつ、恐らく人を殺す度胸はありません」



丙少将「……口を挟むようで申し訳ないのですが、逃がしていいのですか」

 


乙中将「聞こえてたんだ。とりあえずそこの椅子に座りなよ。辛そうだ」

 


丙少将「……すみません」ストン

 


丙少将「狙いが向こうだとすれば進路を明けておくことで、策を展開しやすいのは確かですが」

 


乙中将「沈め損ねたら、その分だけ向こうに負担がかかるってこと?」

 


丙少将「あいつの鎮守府の戦力には電がいますが、どんな風に動くか分からないのが怖いところでしょう。そして提督のあいつは無理だと判断したら、最悪、乙中将の初霜さん達が」

 


丙少将「殺されます」

 


丙少将「味方によって」



乙中将「……大丈夫。狙いが分かった以上、ここの戦闘は半日もかけないから」



乙中将「これ以上こちらから向こうには流させなければ、それまで持たせられる戦力だよ。持たせるよう、そう彼には命令してある」

 


乙中将「初霜さん達が沈むのなら仕方のないことさ」

 


丙少将「……」

 


丙少将「……分かり、ました」

 


乙中将「まだ少し喋るのも辛そうだ。ここにいてもいいから、ゆっくりしなよ」

 

 

丙少将「……了解、しました」


 

乙中将「いうべきことはいったから、少し話を変えよう」

 

 

乙中将「この深海棲艦勢力、おかしいよ。雪風ちゃんのあの報告からして……」

 

 

丙少将「雪風の史実効果と認定された幸運能力ですからね……。雪風が聞いた、を重視するのは実に乙さん、らしい」



乙中将「鼻の利くうちの猟犬と狂犬を連れてくるべき、だったなー……まあ、いいや」



丙少将「まるで、知能……いや、理性がこちら並みにあるレベルで、艦隊を動かして、ますよね……」

 

 

乙中将「よくもまあ、隠し通してきたものだよね……」

 

 

乙中将「目的のために戦略を使える深海棲艦勢力なんて野放しにしておけない。数の差を頭で繋ぎ止めてたんだし……」


 

乙中将「わるさめちゃんは派遣されたっていってたし、ボスじゃないよね。あのレベルが従うとなると」

 

 

乙中将「向こう側にまだいるね」

 

 

乙中将「ぷらずまさんやわるさめちゃんのような特異な存在。それもかなり頭のキレるやつ」

 

 

乙中将「ヤバ過ぎる」



丙少将「しかし、なぜこのタイミングでそれを主張するような決定的な真似を。物を考えられるのなら、致命的な情報を与えることだと分かるはず……」

 

 

乙中将「僕らとの決戦より優先して潰しておくべきことができて、形振り構っていられなかった。とりあえずそれ」

 

 

丙少将「信じ、られません。深海棲艦は強ければ強いほど仕留める意味が大きい。なのに、こちらに殺すのが惜しいと思わせるほどの、深海棲艦勢力」 

 


乙中将「あの鎮守府(闇)……」



乙中将「一体なにしたんだよ……」

 

 



乙中将「……あ、中佐からだ」



2

 


提督「以上がこちらのしていた実験内容です」



乙中将「高確率で死ぬ恐れのある人体実験……丙さんの顔がヤバい」

 

 

乙中将「試み自体は面白い、ね。うん、この戦いが終わった後で隅から隅まで読ませてもらう」



乙中将「後、こっちの勢力は撤退の動きが出てきた。かなり奇妙だけど、これ以上戦う気はない、みたいだね……」



乙中将「それと中佐の案は採用」



乙中将「そちらに流れた姫は捕まえる。知能が高そうだ。もしかしたらこちらと意思疏通できるかも」

 

 

乙中将「こちらの情報からしてその可能性が高いのは流れていった戦艦棲姫だね。こちらの勢力はある程度追撃戦で探るから、そっちのほうはお願いね」

 

 

提督「確認しておきたい点が2つあります」



乙中将「なに」



提督「当たりの場合、通常の戦艦棲姫、いや深海棲艦達のおざなりの精度とは違い、あのふざけた火力をこちらと同じレベルで当てて、避けてくる、ということです」

 

 

提督「そして二点目ですが」



提督「……いいのですね」



提督「乙中将の第2艦隊を自分が指揮しても」



乙中将「当たり前だけど最大限殺さないでよ。撃沈しても、ちゃんとしっかりゴーヤちゃんに初霜さん達を救助させること」



提督「了解。ですが、自分は命狙われています。そして対策が不十分です。自分が殉職するところは真実になるかもしれません」



乙中将「わるさめちゃん対策にすぐに電ちゃんを戻すのは無理、なんだよね?」



提督「すでに伝えてはありまして引き上げ作業に入っております。が、乙中将から報告を受けるまではわるさめさんが自分を狙う可能性は時間の都合上、捨てていましたから」



乙中将「……こうしてこちらに実験内容が洩れているし、その実験を阻止するのが目的なら、穴が多すぎるし、ね。知能を隠す、に切り替えて然るべき。そっちを今更狙う理由が分からない、よね」



提督「乙中将は、この勢力を我々が買いかぶりすぎていると思われますか」

 

 

乙中将「相手の知能が想定以下とは思えない。むしろまだなめてる」



提督「です、よね」

 

 

乙中将「……陽炎さん達はそちらに回そうか?」



提督「いえ、探りに力をいれるべきはそちらの勢力です。駆逐艦はそちらで使ってもらって、その分、艦載機に余裕が出来ればこちらに送っていただきたいです」



乙中将「そ。すでに飛龍と蒼龍に指示してあるから問題なし」



提督「自分がこの作戦中に戦死したら、こちらの指揮も丙少将に引き継いでもらいたいのです」

 

 

乙中将「了解。ま、丙さんが適任だよね」



乙中将「死なないでよ?」



提督「いえ、自分は高確率で死にます。ならば自らも突撃します。自分の死すら利用して向こうの情報を引き出す気概です。その価値はあるでしょう?」

 

 

乙中将「……、……」

 

 

提督「自分が死んだら」


 

提督「代わりにここから先の海をあの子達に見せてあげて欲しいのです。今乗っているこの子達の船が」

 

 

提督「幽霊船になったとしても、その船を暁の水平線にまで」

 

 

乙中将(……なるほど、鎮守府(闇)は司令官も含めて能力に見るべきところはあっても、個々に欠陥がある、と)

 

 

乙中将(でも……)

 

 

乙中将(司令官が一番ぶっ壊れてら)

 

 

乙中将「……確かに聞き届けた」

 

 

乙中将「武運を祈る」

 

 

【3ワ●:わるさめちゃんVS提督 戦艦棲姫空母棲姫連合艦隊VS龍驤初霜連合艦隊】



1



龍驤「やっと浮上してきたー!」

 


ザバッ



ぷらずま「……」

 


伊58「大丈夫でち?」

 


ぷらずま「なにかが、身体、に……」



ぷらずま「……この程度でくたばる私では、ねー、ですが……」ゴバッ



卯月「む、ぐろー……なんか身体がところどころえぐられてるぴょん……」



龍驤「吐血しとるし、大丈夫か……」



ぷらずま「…………、…………」



ぷらずま「●ワ●」



龍驤「その顔、出来るなら大丈夫そうやな……」



ぷらずま「やはり、視界はほとんどききませんでした。危うくそのまま深海をさまようところだったのです」

 


ぷらずま「なんとかカメラだけは回収しておきましたし、カ級はゴーヤちゃんに任せておくのです」

 


ぷらずま「司令官さん、聞こえているのです?」

 


提督「はい」

 


ぷらずま「任務完了なのです。今から帰投します」

 


提督「……丙少将が襲撃されました。わるさめさんという方です。ぷらずまさんの知り合いですね」



提督「どうも自分も狙われているみたいで」



ぷらずま「……」



提督「さきほど雷さんが間宮さんの姿が見当たらないといっていたので」

 


提督「わるさめさんに忍び込まれたかもしれません」

 


ぷらずま「!」



ぷらずま「こちらを狙う意味がよく分からないのです……」

 


提督「……です、よね」

  


ぷらずま「向かいながら聞きます。大丈夫そうなのです?」



提督「いや、自分を狙うというのはかなり可能性を低く見積もっていたので対策が不十分です」



ぷらずま「雷お姉ちゃんを護衛には」



提督「自分が死んでもこれから先は将校にお願いしてあります。なので、あえて待ちます。あの子から情報を取得するためです。生き残れるかは賭けですね」



提督「自分も現場で戦う必要があります」



提督「そして自分は陸にいますので、雷さんにはすでに抜錨するよう指示を出しました。艤装のない雷さんはただの子供ですから。そして敵の戦力は単体だとしてもぷらずまさんと同じクラス。貴重な兵士の無駄死に、です」

 


提督「将校も含め、こちらは向こうの意図を読みきれておりません」



提督「そして対策してない部分を丁寧に突いてきました。なので、高確率で自分は殉職すると思われます」



提督「中枢棲姫勢力、恐すぎますね……」



ぷらずま「混乱しているのは分かったのです」



ぷらずま「…………、…………」



ぷらずま「……わるさめさんの情報を渡します」



ぷらずま「使える深海棲艦艤装は知らないのですが、妙な特殊能力があります。確か」



ぷらずま「ステルスギミック」



ぷらずま「いくら馬鹿でもこの機能を使って忍び込む、と思うのです」



提督「……丙少将のところにも忍び込まれるレベルですし、うちでは防げませんね……」



ぷらずま「元の体に戻りたがっているのです。今はどーか知りませんが」



提督「……どうも。乙中将からも聞きましたが、その頃から今までその目的がぶれていないなら当てにできそうですね。わるさめさんがその方法を知らない場合や使えずにいる場合の生存の可能性が飛躍的にあがりました」



ぷらずま「……いえ、ごめんなさい、なのです。あいつには借りがあって、あいつのことは軍に隠していたのです」



提督「……、……」



提督「この戦いの後、自分が生きていたらお話があります……」



ぷらずま「?」

 

 

提督「あなたは、壊れ過ぎてる。本当のことをいっているのに、それが偽りであることをぷらずまさん自身が気付けて、いません」



ぷらずま「よく分かりませんが、私もあなたにも同じことをいいたいのです」



ぷらずま「あの地下室でいいましたよね。この壊れた私を最後には海の藻屑として捨てて欲しい、と」



ぷらずま「あなたは、その最後の海まで私を連れて行ってくれる、と信じているのです」



ぷらずま「あなたを鎮守府(仮)で初めて見た時、運命の存在を私は知りました。思わずガン見してしまったのです」



提督「……、……」



ぷらずま「では、わるさめさんの襲撃をがんばって耐え凌いでください」



2

 

 

提督「龍驤さん、今の通信聞こえてましたね?」

 

 

龍驤「司令官が直接、狙われる。そこまで頭が回る敵相手にしとるんやろ」

 

 

提督「そこで待機で。直に初霜さん達が来ると思うので合流してください。雷さんも向かわせています」

 


龍驤「合流した後は迎撃でええの?」

 


提督「いえ、総指揮である乙中将から任務を渡されました」

 

 

提督「流れてくる戦艦棲姫の鹵獲作戦です。向こうの戦艦棲姫にはぷらずまさんと同じく知能があると推定。この戦争における最上位クラスの機密を保持している可能性があります」

 

 

龍驤「……過去最強クラスの敵ってことやな。数は?」

 

 

提督「敵は空母棲姫艦隊6隻、戦艦棲姫艦隊12隻が向かってきています。最悪、もっと増えます」

 

 

龍驤「了解やで。それで鹵獲のための指示は?」

 

 

提督「戦力はぷらずまさんと同じくRank:SSと想定。あなた達では時間稼ぎを、鹵獲するのはぷらずまさんです。今は本人いわく自分が死ぬのが惜しいらしく戻っていますが、こちらの事が済めばすぐに送り返します」

 

 

龍驤「……戦争終結に繋がるかもしれない相手の鹵獲やろ。それなのにキミを? そっちの敵のが重要?」

 

 

提督「……こちらの敵も確かにかなりの重要存在ではありますが、どうなんでしょうね」

 

 

龍驤「あの子、もしかして……」

 

 

龍驤「ただのガキ、なん?」

 

 

提督「もしくは自分達が知らない情報を持っているゆえ、です。今そこは置いておきます」

 


提督「ぷらずまさんが戻るまで相手を殺す攻め方はダメです。これは時間稼ぎにもならない撃沈危険が高い分の悪い賭博です。そして相手を撤退させてもダメ。上手く戦闘を続けてください。龍驤さん司令官の経験もありますよね。今のメンバーでそのやり方は省いても?」

 

 

龍驤「構わないよ。で、保険な。それでもたなかったら?」

 

 

提督「その場にいる兵士の命を時間稼ぎに有効活用するか、一か八かのこのメンバーでの鹵獲です。判断は現場に任します。使い捨てる場合、その順番は……」

 

 

龍驤「…………」

 

 

卯月「その時はうーちゃんが最初に行く」

 

 

卯月「司令官お前、今アブーやみんなに死ねっていおうとした」

 

 

提督「……」

 

 

卯月「司令官、この鎮守府(闇)は戦争を終わらせる、を目的にしているならば、まだスタート切ってない。なぜか分かるか」

 

 

卯月「頭のお前が馬鹿で無能の欠陥司令官だから。だってそんなことしたら、例えこの戦争を終わらせても」

 

 

卯月「お前を殺すためにうーちゃんが新しい戦争を始めるとは思わないの?」

 

 

提督「……、……?」

 

 

卯月「アブーを立ち直らせた。そこは評価するぴょん」

 

 

卯月「でもうーちゃんから見てアブーを口説いていた時、お前は感情を理屈で知っていても、心では分かっていないって、そう思った」

 

 

卯月「そこを知ったかぶりで生きているとは認めん。人間の命を扱う人間だとは認めない」

 

 

卯月「お前の場合ネジを落としたわけじゃなさそう」



卯月「欠陥品ゆえ」



卯月「不要だと自分で削ぎ落とした」



卯月「サイコパス」

 

 

卯月「今すぐ新しく作ってはめろ」

 

 

提督「……、……あ」

 

 

提督「……っ!」

 

 

 

 

――――すみませんすみませんすみません。

 

 

 

――――全て自分が至らないせいです。全て自分が対策できていなかったせいですね。一重に自分の力不足が原因、です。

 

 

 

――――なので、今からもっと考えます。




――――必ずや勝利を、


 


卯月「違うぴょん! 聞いてた感じ将校ですら予想できなかった展開だし、司令官のいった作戦自体に文句をいっているわけじゃなくて……!」

 

 

 

 

――――あ、それならっ、

 

 

 

――――卯月さんのいいたいことは分かりますから答えられます。

 

 

 

 

 

 

 

――――回答は、今の状況的に

 

 

 

 

 

 

 

――――子供みたいな理由でだだをこねるな、と。

 

 

 

龍驤・卯月「っ!」

 

 

龍驤「……切るわ。キミも上手く時間稼いで生き残るんやでー」

 

 

卯月「ぷっぷくぷ……ここまでか。ここまでの欠陥品か……」

 

 

卯月「一応聞くけど、うーちゃん子供みたいな理由でだだこねた……?」

 

 

龍驤「こねとらんよ。大切な人を失いたくない。その理由は決して子供ではない。むしろ立派な人間や」

 

 

龍驤「ただあいつも間違ってない。うちらは兵士としておるんやから」

 


龍驤「まるで、戦争みたい」


 

龍驤「ここらがあいつの課題やねー。あの回る頭と洞察力を持って、そこら辺も心で見られるようになれば」


 

龍驤「うち的には最高の司令官」

 

 

龍驤「それで今、あいつの闇が見えたから、治す方法も見えてきた」 

 

 

龍驤「抱え込んで思い詰めるタイプやで。それで物事を悪い方向ばかりに考えて、自分に欠片ほどの非でもあれば、自分のせいです、という」

 


龍驤「だから、考える」 



龍驤「あいつはきっと孤独が好きやと思う。自分を守るために人を遠ざけたがる。だから、割り切った関係が好き」

 

 

龍驤「そんな感じと龍驤さんは見たで」

 

 

龍驤「軍学校の時、もっと厚かましく構っていくべきやったかなあ……」

 

 

卯月「まー、帰ったら司令官のぽんこつ修理任務の予定を立てるぴょん」

 

 

龍驤「卯月は優しいんやね。将来は龍驤さん並にええ女になるで」

 

 

卯月「うーちゃんの士気下げるのも作戦……?」

 

 

龍驤「演技でも嬉しがってや……。うちのやる気もあがったのに」

 

 

龍驤「ま、それじゃうちに任せとき。あいつには悪いけど、誰も沈ません指揮を取るわ。賭博性高くてあいつの指示より確実性はないけどなー」

 

 

卯月「……龍驤も欠陥品だったかー」

 


龍驤(……というかそもそもなんでこの鎮守府なんか狙ってくるんやろ。明らかに向こうの鎮守府のが潰しておいて得やん)

 

 

龍驤(……カ級を捕まえた時、あの妙な駆逐棲姫に目撃されてた? でも、あの時卯月の電探知には引っ掛からんかった。目が良いってレベルやないし、考えても分からへん……)

 

 

龍驤(仮に目撃されとったとして……)

 


龍驤(その理由から、ここを潰すと判断して動く深海棲艦……きっつい冗談や……)



龍驤(……なにか映ってる?)



龍驤「……深海妖精」



龍驤「……ほんとにいる、かも」


 

伊58「ふう。ごめん。カ級はリサイクルするってことだったけどゴーヤでは引き上げ切れなかったでち」

 

 

龍驤「ええよ、状況が変わった。ゴーヤ、気を引き締めや。過去最強クラスの戦艦棲姫が来るで。しかも鹵獲しろ、という無茶命令や」

 

 

伊58「そうでちか。それで作戦はー?」


 

龍驤「肝が座っとるなー……」

 

 

伊58「ここに異動してから腹をくくるのは得意になったでち」

 


龍驤「ええことや」

 

 

龍驤(お、偵察機が敵と瑞鶴、アブー、初霜、金剛と榛名か。瑞鳳もおるやん。やりやすい)

 


龍驤「よっしゃ、生きて帰るで!」

 


3

 

 

初霜「……18隻、姫は戦艦棲姫と空母棲姫ですね」

 

 

龍驤「瑞鳳と瑞鶴、制空権の確保やで。これで大分、時間は稼げるはず。3分の2ほど使いきってもええから」

 

 

瑞鶴「艦載機発艦させてる、けど、すごい堕とされてる!」

 


瑞鳳「あの戦艦棲姫が引き連れてる群れ、対防空艦隊です!」

 

 

龍驤「その対防空艦隊から剥ぐ。純粋な防空仕様は裏返せば弱点を補ってるよーって主張やし」

 

 

龍驤「前には金剛と榛名がおるいっても、移動拠点である二人が戦艦棲姫の長射程に入ったらあかんよ!」

 

 

彩雲「ビシッ!」モドッテキマシタ

 

 

龍驤「ナイス生還。記録映像見せて」

 

 

龍驤(戦艦棲姫の装備は同じ、16inch三連装砲、16inch三連装砲、12.5inch連装副砲、電探……)

 

 

龍驤「こいつ、あくびして……る?」

 


龍驤「……ほーう、こいつ……」

 

 

龍驤「どうやら当たりっぽい」

 

 

龍驤「卯月、仕事やで。ちょっとうちの護衛」

 

 

卯月「状況が変わったぴょん?」

 

 

龍驤「知能レベル差異と判断。うちらのやり方が変わった。空母棲姫は初霜達と援護につけたアブーに任せてあるから、この戦艦棲姫、うちらで削ってある程度壊しとく」

 

 

龍驤「そこを乗り越えるのが山やね」

 


4


 

初霜「後続の空母棲艦隊ですね。艦載機を落としますっ」

 


ドン!

 ドン!

 


初霜(……)

 


金剛「はっつん! 危ないデース!」

 


戦艦棲姫「……」

 


ドオオオン



初霜「あ、しまっ」

 


阿武隈「撃ち落とします!」

 


ドン!

 


初霜(神業です……砲弾に砲弾をぶつけるなんて)

 


初霜(でも、阿武隈さんの砲撃、なぜか敵には当たらないんですよね……)

 


初霜「金剛さんも、狙われて、ますっ」

 

 

金剛「この程度! 戦艦のパワーで殴り落としマース!」

 


阿武隈「電探に味方の艦載機反応ありです! 二航戦飛龍と蒼龍の友永隊および江ノ草隊です!」



金剛「さすが乙ちゃんネ! コングラッチュレーション!」



初霜(……深海棲艦は数で押されるのは珍しくないですけど)

 

 

初霜(向こうの戦艦棲姫、進行を止めない。真っ直ぐ、進んでくる。それも私達ではなく、鎮守府のほうに。戦艦棲姫には電探ありますし、距離を詰めれば駆逐艦の攻撃範囲に入る、のに、位置取りの戦闘傾向が欠片もない)


 

初霜(通常の戦艦棲姫と違う……なるほど、にわかに信じがたかったですが、知能レベルが差異していると見るべきです、ね)

 

 

初霜(燃料、弾薬の消費ペース的に維持には限界がある。このメンバーなら倒しにかかるのがベストだと思うのですが、大局を見据えての)

 


初霜(戦艦棲姫鹵獲作戦)


 

初霜「金剛さん、榛名さん、友永隊と江ノ草隊とともに予定通り空母棲姫艦隊を仕留めます」

 

 

金剛・榛名「了解!」

 


初霜(向こうからまだ深海棲艦が流れてくる危険性が高いというのなら尚更、今いる敵の早期撃沈を目指すべき)

 


初霜(空母棲姫はどうやら知能は通常レベル)

 

 

初霜(過去に例を見ない異常、事態です)


 

初霜(鉢巻き、強く締めておこう)ギュッ



5



わるさめ「……ふうん、耐えさせているんだ?」

 


わるさめ「なんで倒しにかからないのお? あのメンバーなら姫の一人や二人を沈めるのは現実的だよね?」

 


提督「……確かに」

 


提督「指示を出しても?」

 


わるさめ「無能で馬鹿なの? ダメに決まっていまちゅよねー?」ゴリゴリ

 


提督「銃口を押し当てないでもらえますか。痛いです」

 


わるさめ「……痛そうな声じゃないし怖がっている風でもない。わるさめちゃん、気味が悪いっス……」

 


提督「死にたくはありませんし、自分が狙われる線はないかと思ってました」

 


わるさめ「司令官を闇討ちするのって効果的なんだぞー。丙少将のところは憎悪かな。士気はあがってるらしいけどー、いつもより動きは雑になってるんじゃねー?」

 


わるさめ「艦娘って自分のとこの提督好きなやつ多いしねー」

 


わるさめ「提督は提督で艦娘に八方美人のええかっこCのキザ男が多いしねー」

 


わるさめ「司令官さんをやっちゃいました☆」

 


わるさめ「そのお知らせをここから入れたらこっちに有利に働きますしおすしー? 現場で戦っている艦娘が取る指揮って、部屋に込もって大局を見ている司令官の指示より穴が多くなるし」

 


わるさめ「……ま、本命の理由は別だけど、気付いていなさそう」

 


わるさめ「そこは教えてあげないゾ☆」

 


提督「…………」

 


わるさめ「ねえ、振り向いて?」

 


わるさめ「あいつがなつく司令官がまともなわけないし、お顔が見たいな☆」



わるさめ「前のブラ鎮提督の裏顔知っていてなついてたのあいつだけだよー」

 


提督「……」クルリ

 


わるさめ「目が腐ってない? なんか青白いし、体調悪そうっス……」



提督「……あなたは」

 


提督「人間ですか。それとも深海棲艦ですか」

 


わるさめ「……っ」ゾクッ

 


わるさめ「その目、鏡で見たことあるなあ」

 


わるさめ「死のうと思っていたあの頃の私、その更に先かな」

 


わるさめ「人が自殺を実行してしまう時のような」

 


わるさめ「上部だけ色塗って中身空っぽの目に似てる」

 


提督「……む」

 


6

 


提督「そういう風にいわれたのは初めてです」

 


わるさめ「あなたがやっている行動的に深海棲艦を滅ぼすために提督しているのかと思ったけど、違うんじゃない?」

 


提督「……」

 


わるさめ「答えて?」



わるさめ「時間稼ぎはいいよ。ぷらずまを戻らせてるんでしょ。陸で私とやりあえるのあいつか艦載機くらいだけど、さすがにこの部屋までは飛ばせないし、わるさめちゃんはその程度で沈みませんしー」

 


わるさめ「ま、おしゃべりに付き合うゾ?」

 


わるさめ「ほら自分語りターイム」

 


提督「では、市民の命を守る、とか」


 

わるさめ「ふむふむ」

 


わるさめ「……そうだね」

 


わるさめ「人間って馬鹿だよね。あなた達が守る景色のなかで生きる人達は、自分が死ぬことなんて考えてないよ」

 


わるさめ「平和でも運が悪い、で死ぬちっぽけな命のくせに」

 


わるさめ「遠くの国では人が殺し合ってさー、近くの場所でも殺されているのにねー」

 


わるさめ「自分は大丈夫だろう、と根拠といえない根拠で安心してる」

 


わるさめ「その時にならないと、自覚できないようになっちゃってる」

 


わるさめ「平和ボケだ☆」

 


提督「仕方ありません。難しいですから」


 

提督「平和は戦争よりも」

 


提督「生が死よりも難解なのと同じく」

 


わるさめ「…………」

 


提督「理解し、得るためには命は惜しくはありません。自分は深海棲艦達との戦いを終わらせるためにいます」

 


わるさめ「艦娘はそのための道具?」

 


提督「……そのほうが効率的でした」



わるさめ「でした、過去形?」



提督「卯月さんの言葉的にこれから先、変える必要性が出てきました。優しく、思いやり、心を理解する必要が。そのほうが最短距離ならば、自分はそうします」



提督「その上で、決死せよ、でないと支障が出ると判断します」



提督「彼らも同じでしょう。この戦争を終わらせたい。そのために」

 


わるさめ「……へえー」

 


わるさめ「ふーん……」

 


わるさめ「あなた」

 


わるさめ「割とシンプルのくせに」



わるさめ「くっそ不器用☆」

 

 

わるさめ「確かにあのぷらずまが好きそう。あー、つってもわるさめちゃんはぷらずまのやつとしゃべったこともあんまりねーけど、なんかそう思う」

 


提督「……、……」



提督「その解釈が理解できません。あなたは頭がおかしいですよ」

 

 

わるさめ「わるさめちゃんは自分よりも艦娘のためにーっていう上官は信じないようにしているからね」

 

 

わるさめ「うさんくせーや」

 

 

わるさめ「多分、あいつも同じじゃない?」

 


わるさめ「人間は自分のために生きてるから。愛とかそういうのは血の繋がり以外は信じられないよ」

 


わるさめ「私が醜い心や容姿になったら。あなたを殺そうとしたら。あなたの大事な人を殺してしまったら」

 


わるさめ「それでも私を愛してくれますか?」

 

 

わるさめ「君のため、と人間にいわせ続けさせることは無償ではあり得ないから」

 


わるさめ「あくまで自分のためであり、それが君のためにもなる。その形がわるさめちゃんの好きの理想形態だゾ☆」

 


わるさめ「それが逆転した愛は長続きしないっスよー。数多くの失望を自分ではなく、相手に押し付ける形になるだろうから」

 


提督「……」

 


わるさめ「わるさめちゃん、騙されてから人を見る目は鍛えてきたつもり。戦闘の強さよりも、ね」



わるさめ「あなたの場合は失望を相手に押し付けるんじゃない。まず自分のせい、だと考えて最善を尽くそうとする。立派だけど、単なる馬鹿の無能。その進み方じゃないかなー」



提督「……、……?」



わるさめ「引き込もってないで街でも散歩してこいって」

 


わるさめ「目的地に向かって最短距離をただただ真っ直ぐ進むことだなんて、標識を見ないと車に轢かれるよね。壁にぶつかりまくるだろ」



わるさめ「でも、その真っ直ぐ進む歩き方、わるさめちゃんは好きだよ。なんとかしてあげたくなるー……」

 


わるさめ「あなたいいねー。わるさめちゃんが恋しちゃうタイプだよ。あなたに失望を押しつけないよう愛されるより愛したい」

 

 

わるさめ「つまり殺されるより殺してえ!」ヒャッハー

 

 

提督「勘弁してもらえますかね……」

 

 

わるさめ「少しは怖がれよー……」

 


わるさめ「というか、最初の質問をはぐらかしたよね。どうして倒しにかからなかったのか」

 


提督「あの戦力には攻めるよりも、守るほうが確実に長持ちしますから」

 


わるさめ「そうだね。殲滅のために攻めたら近距離の砲撃、雷撃戦になるから倒せるにしても何隻かは沈むかもだねー」

 


わるさめ「でも戦線維持はすり減るだけの決め手にかける悪手だよね。現に今……」

 


わるさめ「……ま、いっか」

 


提督「待ってください。あなたのその身体の秘密を教えます」



わるさめ「時間稼ぎうっざ☆ さよならー」



ドオン!



6

 


わるさめ「あるるぇー、通信どういじるんだっけー……これかな、ま、現場の誰かに伝わればいいや」

 

 

わるさめ「もしもーしっ!」

 


わるさめ「マジカル駆逐棲姫☆わるさめちゃんだゾ☆」

 


わるさめ「丙少将の次のターゲット! 鎮守府(闇)の司令官は私がぶち殺しました! ざまー! ぷぎゃー!」

 


 

 

 

うるさいぴょん死ね!


 

 


わるさめ「ったりめーだろ! 殺したよ! 残念でした☆」



わるさめ「ん? はい……?」


 

わるさめ「待て待てわるさめちゃんシンキングターイム…………なんだこの反応はー……」



わるさめ「まさかもしかしてー……この鎮守府の提督……!」



提督「……」無言でシャットダウン



提督「効果的です。司令官の暗殺は」

 

 

提督「現状うちは例外ですけどね……」

 


提督「うちの鎮守府、特殊でして」

 

 

わるさめ「なんで普通に動いてしゃべれるのぉ!?」

 


提督「……いや、あなたが撃ったの、お腹ですから、まあ、死にはしなかったんですかね」 

 


わるさめ「いやいやいや!」

 


わるさめ「死んでもおかしくないだろ! というかわるさめちゃんだって覚悟を決めて撃ったんだけど!?」

 

 

提督「ここで終わるかと思ったのですが、あなた人を殺す度胸ないんですね。即死箇所を撃たないとは」

 


提督「ぷらずまさんにバラしてもらったカ級を服のなかに忍ばせてます。極薄とはいえ、深海棲艦ですから、その程度の銃撃には耐えられます。でも、なんだか撃たれたところが痛くて」

 

 

わるさめ「なら頭に」

 


提督「帽子にも仕込んではありますが、頭はヤバいですね」

 


わるさめ「剥き出しの顔面だ!」ジャキン

 

 

雷「とうっ!」タックル



ドン!



わるさめ「痛いっ! そして銃撃が外れた!」



提督「雷さん……抜錨して現場に行ってくれ、と伝えたはずですが」



雷「ほらね、やっぱり司令官さんは私がいないとダメじゃない!」キラキラ



わるさめ「このチビ、雷かー……ぷらずまのやつとよく似ていてわるさめちゃん腹が立つっス……!」



雷「……腹が立つのはこっちよ。あなた、ダメのなかのダメ。あの頃の電を見ているみたい」



雷「誰か助けてって、瞳で叫んでる」



わるさめ「……ロマンティック☆ぷっちーん」



わるさめ「なるべく性能隠そうと思ってたけど全力でやる。ここの鎮守府ごとお前らの命をあの世までマジカル☆輸送してやら!」


 

 

――――トラ☆ン、

 

 

 

 

 

ぷらずま「……はあ」

 


ぷらずま「相変わらずポンコツなようでなによりなのです」



わるさめ「っ!」



ドオオン!

 


7

 

 

戦艦棲姫(んー、さっきのやっぱり偵察機よねえ……やば、あくび見られたかも)

 

 

戦艦棲姫(わるさめのやつが逃げ切れる間の時間稼ぎを……やる気出ないわ、早く撤退したい)

 

 

戦艦棲姫(制空権は取られて空から小粒が降ってきてるし、これ……)

 

 

戦艦棲姫(私もピンチよね……相手への被害は最小限に、だったわね。でもこれ相応にやらないとやられるかも)

 

 

戦艦棲姫(……そして妙な連中)

 

 

戦艦棲姫(金剛、榛名はあの進行からして……空母棲姫狙いか。初霜は戦艦の護衛。ひっかかるわね。タフなあの子達は私とやったほうがいいでしょ。先に空母棲姫を沈めるのが悪い手だとは思わないけど……)

 


戦艦棲姫(龍驤達をそちらに向けたほうが)

 

 

戦艦棲姫(こちらが普通の深海棲艦ではないってバレてると思うし、相手は将席のクラス)

 

 

戦艦棲姫(……、……)

 

 

戦艦棲姫(……なめられてるのかしら)


 

戦艦棲姫(もしかして私を捕まえようとしてる動きなのこれ?)

 


戦艦棲姫(なら連れてきた周りの子達ももう耐えきれないし、やらなきゃならないわね……)

 

 

 

 

 

龍驤さんやで戦艦棲姫!!


 

 

 

 

戦艦棲姫(……声大きいわね)



戦艦棲姫(……龍驤、と)

 

 

戦艦棲姫(あのオシャレな子は誰……?)

 

 

戦艦棲姫(電探確認……あれ、艤装がなんか変ね。よく分からないけど、空母護衛の駆逐艦、かしら?)

 

 

戦艦棲姫(ま、いいでしょ。龍驤と駆逐艦は確か割と後釜はいるはずだし)

 

 

戦艦棲姫(砲撃、開始と)

 

 

ドオオン!

 

 

ドンドン!

 

 

戦艦棲姫(砲弾に砲弾を重ねて落とす……?)

 

 

戦艦棲姫(まごうことなき神業ね……何者よ、あの駆逐艦……)

 

 

戦艦棲姫(それにあの二人、なかなか根性あるわね。戦艦棲姫の私に怖れず愚直に最短距離で向かってきてる……)

 

 

龍驤「艦載機、発艦!」

 

 

戦艦棲姫(……彗星か)



戦艦棲姫(駆逐艦が砲撃体勢ね。甘い甘い。普通の深海棲艦じゃないし、回避も性能もそちらと同じレベル……)

 

 

ドンドン!

 


戦艦棲姫(っ痛! あの駆逐艦、砲撃精度が)

 

 

戦艦棲姫(今の砲撃の着弾からして、完全にこちらが通常の深海棲艦ではないって分かって……回避方向に合わせられたか……?)

 

 

戦艦棲姫(あー……そういうこと。確信したわ。バレてる)

 

 

戦艦棲姫(なら、いいか。びっくりして驚かせてあげたくなってきたわね。砲撃、開始)

 

 

ドンドン!

 

 

 

龍驤(あの角度、発艦した彗星を堕とそうとしてるんか……)

 

 

龍驤「会話には応答してくれへんね。確定的な情報は渡さないって腹かな?」


 

卯月「今の回避の動き、1発目は通常の深海棲艦に当てるように撃ったぴょん」

 

 

卯月「でもそれを避けて艦娘想定した理屈で撃った2発目に当たったってことは、頭で考えて動いてる説が濃厚」

 


龍驤「さすが。被弾しないよう戦艦棲姫と空の敵艦載機に気を付けてな。うちが中破まではなんとか砕くわ」スイイー

 

 

ドンドン!

 

 

龍驤「あ、卯月任せるで!」

 

 

ヒュルル

 

 

卯月「分かってる! 龍驤、3発目は無理! 上だぴょん!」


 

龍驤「は、3発目の砲弾!? 撃ってきたの2発やろ!?」クルッ

 

 

ドオオン!

 

 

龍驤「っ……」

 

 

龍驤(……とっさにまともに直撃は避けたとはいえ、被弾の被害小破や……)

 

 

龍驤(あの彗星を撃ち堕とすために撃った砲弾、こっちに当てるために空に向かってかなりの山なり軌道で撃った砲撃だったんか……?)

 

 

龍驤(それが着弾するタイミングに合わせた時間差砲撃……神業やんか……)

 

 

龍驤「うちらみたいな戦術、思考回路、戦艦棲姫の耐久、装甲、火力。確かにヤバいわ……」

 

 

卯月「気を配るけど、初霜が撃ち堕とし損ねた艦載機もあるから、うーちゃんの護衛に過度な期待はしないで欲しいぴょん」

 

 

龍驤「大丈夫。指示した通りのタイミングで艦爆を誘爆狙ってな」

 

 

龍驤「艦載機、発艦!」

 

 

8


 

戦艦棲姫(発艦したの、彗星だけ?)

 

 

戦艦棲姫(艦爆は私の装甲を砕けるけど。艦娘の子は艦攻や艦戦に混ぜるパターンが多い)

 


戦艦棲姫(機銃を装備してるし、こいつもしかして……)

 

 

戦艦棲姫(艦攻と艦戦を積んでないのかしら?)


 

戦艦棲姫(なるほどなるほどー。向こうにとっては予想外の襲撃で対策が不十分の戦闘、と)

 

 

龍驤「――、――」

 

 

ドンドン!

 

 

戦艦棲姫(ま、相手しながら考えて)

 

 

戦艦棲姫(でもでも)


 

戦艦棲姫(確か空母適性者は艦載機操縦妖精と意思疏通できるけど、それは、空母艤装の性能の一環)

 

 

 

戦艦棲姫(あいつを攻撃しろ、とか、この艦載機を守りながら進めとかって、全ての艦載機において、単純な動きしか出せないはず)

 

 

戦艦棲姫(おかしいわ。こいつの一部の艦載機、私を攻撃してこない。タイミングを伺ってる? ずっと空を舞ってるし)

 

 

龍驤「――、――」

 

 

戦艦棲姫(それになにか喋ってる。艦載機を飛行甲板に戻らせて、また発艦させてるわね)

 

 

彗星「ビシッ」


 

戦艦棲姫(……あの2機の艦爆は狙ってる。12.5inch連装副砲で……)

 

 

ドンドン!

 


ドオオンドオオン!


 

戦艦棲姫(外れた艦爆による水柱……冷たい、視界が)

 

 

龍驤「――、――」

 

 

ドオオン!

 

 

戦艦棲姫「被弾、く……そ!」

 

 

戦艦棲姫(……艦爆落とす地点は、私の進路制限、水柱で視界遮ってからの完璧なタイミングの艦爆)

 

 

戦艦棲姫(ただの空母適性者に出来る限界を超えたこの繊細な指示……)

 

 

戦艦棲姫「……、……」

 

 

龍驤「――、――」



戦艦棲姫「あなた、提督の素質も……」

 

 

戦艦棲姫「攻撃手段において妖精を経由する空母適性者においての最上位装備……」


 

戦艦棲姫「妖精可視の才能あるのか……」


 

龍驤「――、――」


 

戦艦棲姫(戻らせた艦載機を、かなり早く式神に戻してる……?)

 

 

戦艦棲姫「意思疏通のレベルも高いわね」

 

 

戦艦棲姫「なにあの逸材……」

 


戦艦棲姫「ま、種は分かったし、あなたは仕留めておこうかしらね」

 

 

戦艦棲姫「外さないわよ。他の知能の低い深海棲艦みたいにミスばかりしないわ」

 

 

龍驤「そうやろな。沈ませてみ。とうっ!」ポイッ

 

 

戦艦棲姫「その巻物飛行甲板を投げてどうするっていうのよ……」



戦艦棲姫「沈みナ……さイ!」

 

 

ガガ!

 

 

ドオオン!

 

 

龍驤「被、弾……直、撃……」

 

 

――――バチャン

 

 

戦艦棲姫「……っ!」

 

 

戦艦棲姫「さっきの機銃、投げた飛行甲板に撃ったのね……」

 

 

彗星さん達「ビシッ」

 

 

戦艦棲姫(広がった巻物飛行甲板から紙切れがひらひらと……くっそ、当たって砕けろか)

 

 

戦艦棲姫(避けきれない)

 

 

戦艦棲姫「でも、直撃は避けて……!」

 

 

卯月「させるか!」

 

ドンドン

 

卯月「その艦爆密集地帯、爆弾に囲まれているようなものだぴょん!」


ドオオン!

 

 

戦艦棲姫「っ! 艦爆機への射撃による誘爆っ……」

 

 

戦艦棲姫「大、破寄り中破の……装備損傷……!」

 

 

戦艦棲姫「……沈、むかも、これ?」

 

 

戦艦棲姫「……調子に、乗らないでよ」

 

 

戦艦棲姫「なにも知らないくせに……」

 

 

9


 

提督「卯月さん金剛さん聞こえますか。撤退してください」

 


金剛「はっつん、大破したから返したけど、無事に帰投して入渠しマシタかー?」

 

 

提督「自分もわるさめさんに襲撃されてたので確認はできてません」

 

 

卯月「おお、生きのびたのかー。戦艦棲姫中破まで追い込んだけど」

 

 

卯月「龍驤沈んだよ?」

 

 

提督「生死の確認はゴーヤさんからすでに。龍驤さんは大破撃沈です。ゴーヤさんを下げてたのは救出作業のためです」

 

 

提督「支援艦隊が時期に到着するようでして、丙少将のところはかなり優勢でこちらに援軍をすぐに送ってくれると」

 


提督「向こうの深海棲艦は撤退の動きがあるようです」 



提督「その正面の姫二人は孤立しています。どこに逃げても」

 


提督「こちら側の兵力とぶつかります」



提督「疲弊したあなた達のほうに来るでしょうが」

 


提督「もう構いません。この鎮守府のほうへ誘導してあげてください」

 


提督「距離が縮まる分」

 


提督「ぷらずまさんがはやく戦闘できるので」

 


金剛「この勢力について終わったらいくつか詳しく説明してもらうからネ?」



提督「ええ。ぷらずまさん到着後、全員素早く戦闘海域から離脱です。ぷらずまさんが機嫌がよろしくない模様なので巻き添えを食らわないように、です」



金剛「了解デース!」



【4ワ●:跳躍する時代】

 


1



わるさめ「ぷらずまあ!」

 


ぷらずま「●ワ●」ナノデス♪



ぷらずま「わるさめさん」



わるさめ「●ω●」デスハイ♪



ぷらずま「調子に乗って攻めてきた姫に慈悲を与えるため、出るので」

 


わるさめ「外していって☆」

 


ぷらずま「ここで大人しく拉致られていてください」

 


わるさめ「っく、よくもー……」



ぷらずま「……」



わるさめ「わるさめちゃん一生の不覚っす……」

 


ぷらずま「このダボが……」

 


ぷらずま「テメーの存在を軍に秘匿してあげたのに、表舞台に出てきやがったこと」



ぷらずま「その挙げ句、私の司令官さんを殺そうとしたこと……!」



わるさめ「なついてるっスねー……」

 


わるさめ「それほどのやつなの?」



ぷらずま「あの司令官さんの目的は、丙少将を負傷させて、あなたがこちらに向かっているとのことで、あなたから情報を得ることになりました」

 


わるさめ「え、そうなの?」



ぷらずま「……」

 


ぷらずま「あの人の価値は深海棲艦側にいるあなたには分からないのです」



ぷらずま「状況を考えて欲しいのです」

 


ぷらずま「現にあなたを捕まえて」

 


ぷらずま「向こうの鎮守府は勝利A」

 


ぷらずま「こちらは今からぷらずまが出て勝利なのです」

 


ぷらずま「お目当ての深海映像も無事に持ち帰ってきました」

 


ぷらずま「経緯はどうあれ、それが今回の結果なのです」

 


わるさめ「●ω●」



わるさめ「…………へえー」

 


わるさめ「ま、どーでもいいや。あんたのこともあの司令官のこともー」

 


ぷらずま「……あの司令官さんと話をしてみてください」



わるさめ「したゾ☆」



ぷらずま「深海にいる妖精、この言葉に覚えがないのならわるさめさんには聞く価値があるのです。恐らく私たちの身体の秘密の鍵、なのです」



わるさめ「……深海に、妖精? なんだそれ」



ぷらずま「……それでは」



2

 


初霜「高速修復材ありがとう、ございます」

 


初霜「すぐに戦線に戻って……と、それ」

 


初霜「なんなん、ですか。海、底?」

 


提督「駆逐艦電を沈めて撮影した深海の映像です」

 


初霜「……え、なんで」

 


初霜「電さんの周りにいるのって」

 


初霜「妖精……でしょうか」

 


初霜「深海に妖精が、どうして」

 


提督「初霜さん……」



提督「あなたにも、見えるんですか」



初霜「はい。妖精可視の才はありまして、一応、提督のほうの学も修めては、います」



初霜「それでこの、妖精は……?」



提督「これを見たの2週目なんですけどね、深海棲艦がどうやって産まれるのか、その秘密が遂に……」



初霜「!」



提督「当たり……しかも」



提督「理想の形での発見」

 

 

初霜「私達に」

 

 

初霜「暁の水平線が見えた、と」

 

 

初霜「そしてこの、妖精は」

 

 

提督「見ている限り、やはり深海棲艦は艤装と、肉体が必要です」

 


提督「艦娘は建造により、肉体をベースに艤装を身につけますが」

 


提督「深海棲艦はその逆、みたいですね。工程からして艤装をベースに肉体を身につけています」

 


提督「確定です」

 

 

初霜「私……艤装を身につけた人間とは逆に」

 


初霜「深海棲艦は人間を身につけた艤装ということでしょうか?」

 


提督「恐らくは。深海棲艦の知能レベルが個体によって激しく差違するのは、そこらのせい、なんですかね」

 


提督「妖精自体が謎が多すぎてうさんくさい生命だとは思っていました」

 


提督「が、まだ調査不足です」

 


初霜「それでもすごいわ! 大発見じゃないですか!」

 


初霜「この情報があれば、軍も今まで以上に本格的に深海棲艦との戦いに終止符を打つ動きを出すはずです!」

 


提督「深海棲艦にも色々と種類があります。それはどういう条件で分岐していくのか。そして深海の妖精はどのくらいの数がいて、彼らをどうにかできる手段はあるのか。そもそも深海に妖精がいるのはなぜ」

 


提督「まだまだ調査不足は否めません。価値が価値だけに本格的に乗り出してもおかしくないです、ね」



提督「さすがに隠しておくのは損な情報なのできっちりと上には報告します 」

 


提督「……」

 


提督「とりあえずさておきまして」

 


提督「それでは初霜さん、再度の出撃お願いします」

 


初霜「了解です!」ビシッ

 


提督「さて、残る仕事は……あの子と込み入った話し、ですね」

 


【●ω●:春雨ちゃんじゃ、濡れて行こう】

 

 

――――お母さん、それじゃ海に行ってくるね。


  

――――私の娘もそんな顔をする歳になったのかあー……

 


――――あのね、お母さんからお願いがあるの。

 

 

――――私からも。お母さん、ほんとに無茶はしちゃダメだよ。熱が38℃越えたらお医者さんからいわれた通り、我慢せずに救急車呼んででも病院に行くこと。

 

 

――――感染症の恐れがあるから。

 

 

――――掃除も料理も私がやるっていっても、お母さんやっちゃうんだもん。抵抗力、なくなってるのに。

 

 

――――もう1度、聞かせて欲しいの。あなたは何のために海に行くと決めたの?

 

 

――――適性者、私だけなんだって。海で戦う、いや、世界の人達の皆の助けになるんだよ。

 

 

――――お母さんよく聞いてね。お金かかるからって、科学治療は止めちゃダメだよ。そんなの、私は許さないからね。そのために私は、行くんだから。

 

 

――――ほら、私にしか出来ないことが、みんなの、お母さんの助けにもなる。これって素晴らしいことだよね?

 

 

――――平和にしてあげる。

 

 

――――年に何回かは帰ってくるから。

 

 


――――聞きなさい。

 

 

――――負けないで。

 


――――分かってる。深海棲艦になんか負けない。



――――挫けないで。

 

 

――――それも分かってる。そう簡単に挫ける性格じゃないから。お母さん譲りのしぶとさだね。

 

 

――――やり遂げなさい。

 

 

――――ふふん、帰ってきたら英雄だよ。自慢の娘だと胸を張るがいい! 

 

 

――――お母さん、あなたがいう平和を信じて待ってるね。

 

 

 

――――土産はそうだなあ、どこまでも行ける自由な海を、お母さんのところまで輸送護衛してあげる。

 

 

――――だから、お母さん、その時までに病気は治してね。それがお母さんの任務です。

 

 

――――あ、もうバスが来るから、行かなくちゃ。せっかくの門出の日なのに、雨がぱらついてきちゃったし。天気が空気読んでくれないね。

 

 

 

――――傘を、

 

 

――――荷物多くなるし、要らない。小降りだし、なんか冷たくないし、ダッシュするね!

 

 

―――――この雨は、春雨っていうんだっけなー。あなたのこれからの名前に見合ったいい門出じゃない。

 

 

――――それじゃ、濡れて行きます!

 

 

 

………………………………………

 

………………………………………

 

………………………………………

 

 

 

―――――もう誰にでも胸を張って自慢できる娘なんだけどねー……。

 

 

 

――――いってらっしゃい。

 

 

1



わるさめ「そういえばぼーし、深くかぶってるのはなんでえ?」

 


提督「目を少しでも隠すためです。あまり好意的な印象を持たれないので」

 


わるさめ「空っぽの目だしねー」

 


提督「いえ、空っぽではないかと。虚ろ気味なのは認めますが」



わるさめ「……それで」



わるさめ「わるさめちゃん、どうなるのかな。やっぱり怖いとかに送られて永久に閉じ込められたり殺されたり?」

 


提督「殺されはしないでしょうね。まあ、なにかしら拘束されて一時期のぷらずまさんのように検査漬けの日々を送る羽目になるかもしれませんが」

 


提督「丙少将もあなたの生い立ちを知れば情状酌量の余地を認めてくれると思います」

 


提督「あの人は善き人間です」



わるさめ「●ω●」

 


わるさめ「……そーいうことじゃなくてさー」

 


わるさめ「わるさめちゃんの目的は知ってる?」

 


提督「元の体に戻りたいという発言をしたことは乙中将とぷらずまさんから聞いています」

 


わるさめ「あー、そういったね。でも、正確には違くて」

 


わるさめ「普通に、戻りたいの」

 


わるさめ「この体、艦娘であり深海棲艦でもあるんだよねー」

 


わるさめ「深海棲艦との戦争終わったら人間社会で居場所ないんスよねー」

 


わるさめ「むしろ脅威?」

 


わるさめ「ぷらずまのやつはなに考えているのか知らないけど、そこら辺を分かってなさそうだよねー。ま」



わるさめ「だからわるさめちゃんは深海棲艦との戦争が終わらないように独自に動いてました☆」


 

わるさめ「あ、深海棲艦のほうにいたのは長くなるから省くけどー、意外とあいつら面白くてさー……」

 


提督「……出来ることならば、この戦争から離脱して普通の人間として生きたいのですね?」

 


わるさめ「無理無理」

 


わるさめ「艤装、と一体化しちゃってるから。しかも普通の艤装じゃないよ」

 


提督「……、……」

 


提督「ところであなた、元々は春雨の適性があり、春雨として軍に入ったのですよね。なのにその願いは矛盾していませんか」

 


提督「戦いに身を投じて当初の志は折れたのですか?」

 


わるさめ「深海棲艦に勝つ!」

 


わるさめ「とか」

 


わるさめ「仲間を守る!」

 


わるさめ「そんなご立派な目的だけじゃないよ」

 


提督「そうですね」

 

 

わるさめ「…………」

 


提督「最後の質問です。あなたの今後の人生を左右するので真剣に」

 

 

わるさめ「気安く人生と来たか……」

 

 

わるさめ「私は母親の治療費稼ぐためだったかなー。私はどん臭いし、これといって才能もなかったから」

 


わるさめ「春雨、というか、駆逐艦の艦娘は年齢が義務教育終えてないレベルでも適性さえあればなれるしー」

 


わるさめ「お給料もよかった。手当てとか色々つくし、衣食住も完備で学業も平行できるし」

 


わるさめ「ま、そんな小娘の馬鹿さ加減を利用されてこんなんになっちゃったけどさー……」

 


わるさめ「母親も死んじゃったから、もう軍にも目的ないや。だから私は私が生きるために生きるの」

 

 

わるさめ「お母さんにとってもそれが孝行になるだろーしね☆」

 

 

わるさめ「お母さん、私が軍に行くとき、応援してくれてた」

 

 

わるさめ「お前に私の人生のなにが分かるという」

 

 

わるさめ「親の死に目にも会えず、こんな身体じゃ娘としてお母さんのお墓にも行けないよ。また心配させちゃうからー……」

 

 

わるさめ「なにが人生に関わる、だ」

 

 

わるさめ「私は、終わってたんだよ」

 

 

わるさめ「お母さんにあの、ボロいアパートに残して、一人きりで病と戦いながら、一人きりでご飯食べさせる毎日を送らせた時から」

 

 

提督「そうですか」

 

 

わるさめ「……」

 

 

わるさめ「うっわ、欠片も興味なさそう。普通こんな可愛い子の悲しい人生に同情しない?」

 

 

提督「自分を狙ったのはなぜ?」

 

 

わるさめ「●ω●;」

 


わるさめ「中枢棲姫ことチューキちゃんにお願いされたからー」


 

わるさめ「あなたのやろうとしている試みを阻止したかったみたい。謎だよねー。深海なんてあなた以前に軍が調べ尽くしてるのにねっ」

 


提督「……なるほど、どうやら深海棲艦側からはあんまり信用されてないんですね。まあ、あなたはどちらかといえば艦娘の面影が強いですし」

 


わるさめ「……?」

 


提督「自分がやったのは深海に沈めたぷらずまさんを撮影する実験です。未発見の妖精を誘い出すための」



わるさめ「……だから、それを」



提督「その実験内容はすでに伝えてありますし、こちらの生存者一人でも出れば漏れます。そうでなくともあなた達のような深海棲艦勢力がなぜそうしようとしたのか、この戦いの後に軍が徹底的に洗えば判明します。自分は足跡を消していませんから。まるで穴だらけ。だから今更こちらに狙いを切り替えるだなんて、予想外。意表を突かれたのです」



わるさめ「……、……」



提督「そして中枢棲姫勢力はこの鎮守府(闇)に向かった戦艦棲姫と空母棲姫を切り離し、撤退を始めました。あなた方は逃げられない」



提督「何のためか、まるで、分からない」



わるさめ「わるさめちゃんもー……」



わるさめ「ま、そこらの真偽は分かんないけどチューキちゃんはすごいよ。深海棲艦の中で最も頭がいいんじゃないかな」



提督「……」



わるさめ「私が加入したかなーり初期の頃にチューキちゃんが人間のことをこういってた。面白かったからよく覚えてるー」



わるさめ「『人間は面白い生物です』」



わるさめ「『わるさめさんは、なぜ人々は平和を願うのに戦争は起きるのか、分かりますか?』」



提督「……平和を語る、深海棲艦ですか」



わるさめ「『恐らく、人間に最も必要であるのに全くといっていいほど成果が挙げられていない知識が他ならぬ人間自身に対しての理解であるから、と私は見ます』」



わるさめ「『わるさめさん、あなた達が深海棲艦より深海棲艦について詳しいのと同じです。こちらがあなた達以上にあなた達に詳しくなるのは、道理なのです』」



わるさめ「『だから、私達はこのように人間を手玉に取ることができるのだと思います』」



提督「………っ!」



わるさめ「チューキちゃんは、戦闘での強さも頭の良さも恐らく深海棲艦で一番だね。わるさめちゃんでも勝てないし。ま、実際わるさめちゃんは勝てなかったからね」



わるさめ「ぷらずまのあの忌々しい耐久装甲ギミックも数十秒あれば打ち破るねー」



わるさめ「ま、深海棲艦側から見る景色ってのは、意外と新鮮なものだよ?」



提督「非常に勉強になりました。そのお返しをしなくてはなりませんね……」



わるさめ「わるさめちゃん、殺すー?」



わるさめ「あ、そだそだぴこーん。深海妖精ってなに?」



提督「繰り返します。最後の質問です。あなたの今後の人生を左右するので真剣に」

 


提督「あなたは人間ですか」

 


提督「それとも深海棲艦ですか」

 


わるさめ「出来れば無関係の人間一般人だけど、今はそうだなー、あっはっは!」



わるさめ「あえて深海棲艦って答えるゾ☆」

 


提督「ならば、そうですね」

 


提督「人間らしく平和的に話を進めましょうか」

 

 

わるさめ「さっすが、現代的に穏便な方法でよろしく!」

 

 

提督「ええ、平和的に話し合いで」

 

 

提督「殺して差し上げます」



わるさめ「Σ●ω●」ビクッ

 


提督「……失礼」



2

 


提督「深海には妖精がおりまして」

 

 

提督「艤装と艦娘の肉体があれば、艤装をベースに肉体を装備させます」

 

 

提督「映像を見る限り、自分達の通常の建造とは違った工程で深海棲艦は造られていると思われます」

 

 

わるさめ「わるさめちゃんシンキングターイム……」

 

 

わるさめ「あいつらが主に頭悪いのは外付けで無理やり知能を持たせられているからで、なーんか人間時代の名残の多い言葉をしゃべるのもそのせい?」

 


提督「その全てにおいて断定はできませんが」

 


わるさめ「まあ、興味ないけどねー」

 


提督「……」

 


提督「あなたとぷらずまさんの実験の過程についての資料は全くないので手間取りますが」

 


提督「ここについてはぷらずまさんも覚えていないようです。眠らされている間に弄くられていたようですし」

 


提督「一応、聞きますがあなたは」



わるさめ「知らねっス……」



提督「ならばぷらずまさんやあなたはどうやって作られたのか」

 

 

提督「深海の妖精、もしくは何らかの方法で彼らの技術を扱っていた可能性が高いです。ならば深海の妖精は自分達にも使えるかもしれません。すると、あなた方の身体は建造の技術を用いて改造されたことになりますので」

 

 

提督「解体」

 

 

提督「それで戻ることができる希望は、まだ残されています」

 

 

提督「普通の女の子、に」

 

 

わるさめ「……ぇ」

 


わるさめ「……嘘」

 


わるさめ「……マジ?」

 


提督「深海妖精はいました。いたんです。その場合に枝分かれしたその先の行程であるその妖精を地上に連れてくる手段、もいくつか考えが、あります」

 


提督「一度だけあなたを信用します」

 


――――ガチャン

 


わるさめ「拘束解くとか正気?」

 


提督「銃口も砲口も拘束されていても出せるでしょう。まあ、深海棲艦のパーツを忍ばせてあるとはいえ、あなたとこうしてお話すること自体、危険です」

 


わるさめ「……ま、そだね」

 


提督「深海棲艦と答えたのに、殺さないのですね」

 

 

わるさめ「うっそー。普通の人間の女の子が第1希望でーす」

 

 

提督「……まあ、普通の女の子なら、自分を殺す必要もなければ砲撃も銃撃もしないはずです。信用、とはそういう意味です」

 


提督「今作戦で任務をしくじったあなたはもう深海棲艦側に居場所はないでしょう。ましてや中枢棲姫が漏洩を嫌った情報を知ったわけですし」

 

 

わるさめ「…………確かに」

 

 

提督「…………」



わるさめ「チューキちゃんやリコリスちゃんはともかく、他の幹部連中はその場のノリで殺してくるイカれたお友達だからなー……」

 

 

わるさめ「加えてこの場であなたに危害加えればぷらずまに報復されるだろうし、逃げ切れても人間側にも居場所なくなるよねー……」

 


わるさめ「抜け目ないっスね……」

 


わるさめ「なーにが信用だって。安全に囲まれてさー」

 


提督「安全だから信用できるんじゃないですか……」

 

 

提督「あなたの思考がそのように回ってくれて、助かります」

 


わるさめ「……」

 


わるさめ「一つ聞かせて」

 


わるさめ「あの司令室でソッコー私があなたを殺しにかかった時、どういう対処を考えていたの。ぷらずまは待機してなかったし……」

 


提督「死んでましたね。死ぬかと思いました。そこは運としか。いや、ぺちゃくちゃお喋りに興じたあなたの落ち度ですけど……」

 


わるさめ「……まあ」

 


わるさめ(為になるはずだからそうしろってチューキちゃんからいわれたんだけどねー……)



わるさめ(元に戻る可能性を教えてもらえる。もしかしてチューキちゃんここまで、読んでた?)



わるさめ(……私の目的は知ってるはずだから、裏切るってところまで読めるよね)



わるさめ(裏切れって、いわれてる、みたい)



わるさめ(待てよ。でも、裏切ってこっちに簡単に受け入れてもらえるか……?)



わるさめ(……ぷらずまの例もある。態度次第では、可能性は低く、ない)



わるさめ(撤退は、見捨てますって意思表示か? でも空母棲姫とセンキ婆を切り離したっていっていたな……何のため、に?)



わるさめ「……、……」



提督「まあ、緊急事態でしたし、こちらの用意と対処が不完全でした」

 


わるさめ「そっかー。でも普通を取り戻すお話を聞けたし、わるさめちゃんにも美味しい」

 


提督「自らの足で総司令部にでも言って監禁されていてくださいな。その解体の件に目処がつき次第、お知らせするので」

 


提督「約束通り、あなたの深海棲艦の部分は殺して差し上げますので」



提督「この戦争から離脱していてください。こちらとしても助かります」

 


わるさめ「お前さー、丙少将と相性悪そうだよね」



提督「自分はあの人のこと好きなんですけどね。ですが、向こうには嫌われているみたいです。戦略において兵士を駒として見るのは否定はせんが、人間としてクズだって」



わるさめ「お前、なんて答えたの」



提督「『心で受け入れないくせに否定しないなんてなんという屈辱。求める気がないくせに、優しくしてくるひどい女みたいだ』と」



わるさめ「あはは、お前面白いな。でもお前の駒扱いにも同じこといえるゾー」

 


提督「ええ、お恥ずかしながら。卯月さんにいわれた言葉、一生忘れないと思います」



わるさめ「素直だね。愚直なだけかー」



わるさめ「ま、信用してくれていいよ」

 


わるさめ「私も信用してみるから」

 


提督「……はい。映像を観てきてくださいね」

 


わるさめ「あいよ。それじゃさいならー。一応、そっちにわるさめちゃんを攻撃しないよういっといてねー」

 


………………………………



………………………………



……………………………




わるさめ「見にくいけど……うわ、確かにぷらずまの身体になんかされてる。妖精は見えねーけど、これぷらずまの深海棲艦艤装に、ぷらずまの肉を……?」



わるさめ(ふむふむ、確かに……これは偉大な1歩だ)

 


わるさめ(ぷらずまのやつが気に入る理由が分かった、かなあ……)

 


わるさめ(誤解されやすそうだし、しゃべっていて退屈なやつだけど……良い男、でもないか。でもまあ……)

 


わるさめ(公約数的に人を救う、良い人間だ)

 


わるさめ「ふむふむふーん」

 


わるさめ「一人の人間が時代を跳躍させることもまた歴史は繰り返す、だねー……」



わるさめ「ふむふむふーん」



わるさめ「●ω●」ニヤニヤ



3

 


提督「もう少し詳しく」

 


阿武隈「残るは中破戦艦棲姫と少破空母棲姫、それとル級が中破2、大破1隻、ヲ級中破1隻にハ級中破2隻、他は沈めました」



提督「む、奮闘してくれてますね」

 


阿武隈「こっちの被害は龍驤さんが大破撃沈、今はもう鎮守府に戻っているはずです。そして初霜さんも同じく、こちらはすでに戦線に復帰。金剛さんと榛名さんが中破。疲労溜まってるせいか決定打にかけてます。電さんはまだですか?」

 


提督「そろそろのはずです」

 


提督「卯月さん、一番の苦労を強いますが」

 


卯月「なら、なんか奢れぴょん」

 


提督「空母棲姫艦隊の近距離まで近寄ってもらって、空母棲姫の前にいるハ級とル級を引き付けてください。出来れば駆逐に攻撃で」

 


提督「阿武隈さんは卯月さんの後方について、弾でも撃ち落とすなり被弾時のフォローをしてあげてください」

 


提督「瑞鶴さんは艦載機で戦艦棲姫本体への攻撃に切り替えてください」

 


提督「ハ級とル級は近距離の卯月さんを見ると思うので少し輪形の位置をずらすかと。そのタイミングで」

 


提督「ゴーヤさん、今回は0距離雷撃は封印で。阿武隈さんに続いて当たる距離まで詰めて撃ってください」

 


提督「空母棲姫へ魚雷です」

 


一同「了解!」

 


金剛「ちょっと待って欲しいネ!」

 


金剛「鎮守府(闇)の方向からダークな春雨発見デース!」

 


提督「すみません、その子はとりあえず放置で。攻撃は向こうがしてこない限りはしないでください。ですが、警戒だけは」

 


金剛「……? 了解しマシタ」

 

 

提督「金剛さん達は戦艦棲姫の相手に集中してください。持たしてもらえれば構いませんので」

 


提督「……すみません」

 


提督「これはリスクが高いのは承知です。それでも、お願いします」


 

金剛「あいつって丙ちゃん襲ったやつデショ!? 攻撃控えるのはともかく、そんなのに背中を向けるのは……」



初霜「了解です」

 


金剛「はっつん!?」

 


初霜「大丈夫です」

 


初霜「あの司令官は私達が思っていたより」



初霜「信じるに値するお人でしたから」

 


4

 


伊58(近距離の卯月にハ級が向いたでち)

 


伊58(ル級はゴーヤを攻撃してこないから、そこの空いた隙間に、も少し距離を詰めて、と)スイイー

 


伊58(空母棲姫も射程距離に入れば)

 


伊58(ここまでお膳立てされて外すわけにはいかないでち。潜水艦のゴーヤが姫を仕留める日が来るとは胸が踊るでち!)スイイー

 


伊58(急に瑞鶴が狙ってきたから空母棲姫、空を見上げてるでちね。今ならイケる気がする!)

 


伊58「魚雷、発射!」

 


空母棲姫「……!」

 


ドオオオン

 


伊58(まー、ここで外すからゴーヤは使えないってクルージング専用機だったんでち……)

 


ドオオオン!

 


空母棲姫「グ、ア……!」

 


伊58(!?)



ぷらずま(ま、尻は拭いてやるのです)



伊58(潜水棲姫……電ちゃん!)



阿武隈「さて皆さん! 後は電さんに任せて私達は離脱します!!」



一同「了解!」

 

 

5

 


戦艦棲姫「……あー、面倒臭いわね」



戦艦棲姫(……)

 


戦艦棲姫「……逃げたくないこの本能、腹立つわね」

 


榛名「戦艦棲姫、艦隊とともに前に出てきました!」

 


金剛「指示は離脱、デース!」



初霜「全速前進で逃げます! ここから先の掃討戦は電さんの仕事です!」



初霜「あれ、鎮守府(闇)の方達は……え、もうあんなに逃げて……」




阿武隈「撤退です、早く!」



瑞鶴「おちびが本気を出すってことは!」



卯月「逃げた方がいいぴょん!」



6



ぷらずま「すみません。損傷状態が祟り、少し到着が遅れたのです」



ぷらずま「…………さて司令官さん。ここまで私達に博打を打たせたこの深海棲艦勢力」



提督「戦艦棲姫鹵獲です。彼の持つ情報によってリターンは今回行った実験よりも大きい」



提督「こちらもわるさめさんも知らない情報を有している可能性が捨てきれませんから」



ぷらずま「●ワ●」



ぷらずま「了解なのです」



7


 

わるさめ(丙少将を襲ったこのわるさめちゃん無視してるとかー………)スイイー

 


わるさめ(……)クルッスイイー

 


わるさめ「センキ婆こんちゃっす!」

 


戦艦棲姫「その呼び方やめろ!」

 


わるさめ「センキさーん。それ中破ー? かなりヤバくない?」


 

戦艦棲姫「あなた、失敗したわね。あんたのせいで私が面倒に巻き込まれる羽目になったじゃない。あんた、いい加減ノリとテンションで任務遂行してたら殺すわよ……そもそも」ネチネチネチ

 


わるさめ(センキ婆のねちねちきたー……)



わるさめ「そうだけど、そういわないでよー。急な命令で丙少将の襲撃を成功させただけでもがんばったんだゾ?」

 


戦艦棲姫「悪運が強いわね」

 


わるさめ「悪運かあ……」


 

戦艦棲姫「あなた、丙少将を襲って、もう向こうには戻れないんじゃないかしら?」

 


戦艦棲姫「覚悟を決めれば?」

 


わるさめ「これ勝てる?」

 


戦艦棲姫「さあ」

 


戦艦棲姫「どちらにしろあんまり興味ないわね。一応、あんたを逃がせっていわれてるんだけど」

 


わるさめ(……)



わるさめ「普通の女の子の一般人でって答えたけどお」

 


ドオン!

 


戦艦棲姫「……ッ!」



わるさめ「ぷらずまのやつだって出来たんだし、艦娘に戻れるよう交渉してみよ!」

 


わるさめ「姫の首を手土産にねっ!」

 


戦艦棲姫「裏切り……ね。あー……」



戦艦棲姫「珍しくチューキが謝ってきたのはそーいうこと……」



わるさめ「温もりに触れて人の心を思い出したんだゾ☆」トランスッ



わるさめ「屍さらしやがれくださいな!!」



ドオオオオオオオン!



8

 


ぷらずま「司令官さん、あの戦艦棲姫は当たりです。人間と遜色なくお喋りしていました」



提督「……ええ」



ぷらずま「なのに、なのに……!」



ぷらずま「わるさめのやつが、その戦艦棲姫、木端微塵にして慈悲を与えたのです……!」



提督「」



ぷらずま「わるさめさんを捕まえます」



ぷらずま「わるさめさん……?」



わるさめ「●ω●」ア?



わるさめ「ちゃんをつけろよ、このなのです風情が」



ぷらずま「はわわ、はわわわわ……!」



ぷらずま「司令官さんかつてないダボからかつてない屈辱を受けてしまってごめんなさいなのですごめんなさいなのですごめんなさいなのです!」



提督「始まって、しまった……」



ぷらずま「ぷらずまはっ! このわるさめにかつてない規模で史上最高の慈悲を与えないと、ダメなのです……!!」



ぷらずま「この親不孝者ににに!」



わるさめ「あ、そこつつく? つつく?」



わるさめ「ひゃううううう!!!見た目の可愛さが台無しだゾゾゾゾ!? 足りない頭の補給物資は大丈夫かなア!!いつまでもテメエと一緒に、頑張りたくねえよ……です、はいいいい!?」



ぷらずま「戦争には負けたいけど命は殺したいって正しいですか……?」



わるさめ「なにもかも最悪だろこの鬼畜艦! そのイカれた思考回路、余命ごと六道界までマジカル輸送してやンよ!!」



ぷらずま「●ワ●」スー



わるさめ「●ω●」ハー




ぷらずま・わるさめ「格の違いを!! 教えて! 殺る!!!」




ぷらずま「深海海月姫装甲耐久強化ギミック展開深海海月姫艦載機発艦戦艦棲姫砲撃駆逐古鬼砲雷撃空母棲姫北方棲姫リコリス棲姫艦載機発艦潜水棲姫魚雷発射なのdeath!!!」オールトランス




わるさめ「戦艦水鬼砲撃重巡棲姫砲雷撃駆逐棲姫砲雷撃駆逐ロ級可愛いゾ☆砲撃

泊地水鬼徹甲弾艦爆砲撃ですhigh!!!」オールトランス



………………………

 

 

………………………

 

 

………………………


 

――――パチャン

 


9

 


卯月「龍驤は?」



提督「入渠しています」



阿武隈「あ、あの二人、戦闘能力がおかしいんですけど!?」



提督「ああなったぷらずまさんは軍でも止められなかったみたいです。加えて今回はわるさめさんもいます。人里に被害が及ばないことを祈って放っておくしかないです……」



提督「さすがの雷さんでも無理ですよね……」



雷「あの電は無理ね……ああさせないよう研究施設で私が側についていたんだもの……」



提督「皆さん後ろは振り向かないほうがいいです……瑞鶴さん、瑞鳳さんクールタイム……落ち着いたら偵察機を飛ばして二人の様子を確認してください……」



瑞鶴「はいよー……」



瑞鳳「はい……未帰還にならなければいいですけど……」



提督「自分、その時にぷらずまさんをなんとかなだめてみますので……」



瑞鶴「つか、色々どういうことなのよ。あの女の子、おちびの同種よね?」



提督「ええ。今回の作戦における中枢棲姫勢力に属していたぷらずまさんの同種です。丙少将と自分を暗殺しようとしてきました」



提督「瑞鶴さんと阿武隈さん、初霜さん達にはぷらずまさんの敵verだと説明しましたよね。知らないのは、ゴーヤさんだけかな……」



ゴーヤ「龍驤を引き上げてからの家路で聞いたでちー」



初霜「ひっ……ぃ」



瑞鶴「駆逐艦は見ちゃダメ!」



瑞鳳「二人とも、姫と鬼の塊、みたいな……」



伊58「んー? 駆逐ロ級が可愛いでち」



榛名「さすがの榛名も大丈夫じゃありません……」ポロポロ



金剛「榛名、とりあえず私と一緒にお風呂に行くネ……!」



卯月「アブー、おんぶ。うーちゃんも疲れたからお風呂まで……」



阿武隈「は、はい……私も入渠します……」



提督(わるさめさんは、5種類、ですかね……?)




提督「……、……」



提督(……考えることが山ほど、ある)

 



【●ω●:わるさめちゃんじゃ 濡れて行く!】



1



大淀「……おはようございます」



わるさめ「なんだよどよどー? ぷらずまにボコられたこと笑いに来たのかー? わるさめちゃん知っていることは全部話したゾ☆」



大淀「もう1度、お願いします」



わるさめ「何度も何度も……」



わるさめ「チューキちゃん達の目的なんか知らないって。知ってた風なのはスイキちゃんとチューキちゃんとリコリスちゃん。センキ婆は、知らない風だったかなー……」



わるさめ「ただ伝えたアジトで建造っぽいことしてたけど、わるさめちゃんよく分からないや。その妖精がそこにいたとしてもチューキちゃんやリコリスちゃんと違って妖精可視の才能ねーもん。しかも、そこに入ろうとするとチューキちゃんがぶち切れするもんよー。わるさめちゃんでも