2016-12-29 23:15:38 更新

概要

息抜きに書いたものです。
キャラ崩壊などがあるかもしれません。
心情表現が拙いですが
温かく見守って下さい


前書き

なにもかもが嫌になり 自ら命を絶った少年が 気がついたら提督に...


あの日は雨が降っていた

橋の見下ろすと 下には

細い川が流れていた

なにも考えずに少年は風に身を任せた

綺麗な川だったな

蟹が一匹 川辺を歩いていた気がする

落ちていく最中に少年が見たのは

そのような光景だった。


グシャリ


磯の香りが仄かに顔を撫でた

「ここは?」

目の前には煉瓦作りの

少し洋風な建物が広がっていた

本で見た「呉鎮守府」に似ている

少年は取り敢えず

中へ入ってみることにした

その後 時間で言えば

5分ぐらいであっただろうか

目の前を綺麗な女性が横切った

いや女性と言えるのだろうか

年端もいかない 子供の様に見える

ただ美しい白い髪に

吸い込まれそうな眼に

意識が向くのは仕方のない事だった。


響「やあ 司令官 響だよ。暁型駆逐艦2番艦の」


少年「司令官?」


響「今日から着任するとは聞いていたけど 随分来るのが早いね」


少年は困惑していた

少年が唯一好んでいたゲーム

「艦隊これくしょん」

のキャラクラーにそっくりであった

しかも自分が「司令官」と

呼ばれているのだ。


少年「多分 人違いだと思うよ 僕は司令官ではない」


響「でもその服は司令官が着る服では無いのかい?」


視線を下げてみると自分が

真っ白な服に包まれていることに

気がついた。


少年「いや違うんだ これは...」


響「いいから来て みんなを呼んでくるから」


響に手を引かれ 少年は

煉瓦造りの建物の中へ消えていった。


。。。



ここは執務室という所らしい

響は皆を呼びに行き ここに1人

取り残されてしまった

特にすることもなく

辺りを見回していると大きな窓が

海の方へ向かって

置いてあるのに気がついた

椅子から立ち上がり 窓を目指し歩く

そこからみる景色は

圧倒的なものであった

綺麗に清掃されている波止場

太陽が真上にあるせいか

煌めいて見える水面

左の方へ目をやると なにやら騒がしい

注意してみるとそこには

お団子結びをしている

女の子が立っていた。


那珂「艦隊のアイドル 那珂ちゃんだよー よろしくー!」


少年はそっと窓を離れた


少年「取り敢えず、色々と響に聞いてみよう」


そう決意した少年は

ゆっくりと椅子へ腰掛ける


コンコン


誰かが扉を叩いている

少年が返事をするか迷っていると

扉の向こうから声が聞こえてきた


響「司令官 第一艦隊のみんなを連れて来たよ」


その声がして 数秒後 扉が開きはじめた

どのような艦娘がいるのだろうか

生きる楽しさを失った彼は

その扉にクギ付けになった。


執務室のやけに重い扉が開き

艦娘が入ってくる


長門「長門型戦艦のネームシップ長門だ 第一艦隊の旗艦を務めている。よろしく頼むよ」


陸奥「長門型戦艦2番艦 陸奥よ あまり火遊びはしないでね お願いよ」


金剛「ヘーイ 提督 金剛型1番艦の金剛デース!」


赤城「航空母艦 赤城です」


加賀「航空母艦 加賀です」


初月「秋月型防空駆逐艦 4番 初月だ」


響「響は第3艦隊の旗艦だよ」


正直、言葉が出なかった

言葉を考えられないほど様々な感情が

渦巻いていたからだ


少年「僕が提督だ...多分」


金剛「多分? どうゆうことなんデース?」


少年「実は...」


少年は気がついたらあそこへ立っていた

などを皆へ話した

勿論 自殺した事は言っていない

妙な空気が漂うことが明白であるからだ


長門「なるほど、そうか なら私達が色々と教えてやろう。」


陸奥「長門ってば 張り切ってる♪」


加賀「そうね」


赤城「私もいいと思います」


初月「僕も賛成だ」


響「それじゃあ 響は行くね」


響が部屋を出て行く


金剛「それじゃあまず施設を案内するデース!」


各々部屋から出て行く

少年はその後ろ姿を見ながら思った


(え、僕めちゃくちゃ怪しいのに、いいの!?)


加賀「提督 行くわよ」


少年は、 いや提督は

加賀の後について部屋を出た。



。。。



長い廊下を歩いている最中にも

様々な艦娘と出会った

この鎮守府は意外に大きい所らしい


赤城「まず食堂へ行きましょう お腹が空きました!」


加賀「そうね、補給は大事ね」


相変わらず食べるのか 赤城さんは


食堂へ着くと提督の周りに

人だかりが出来てしまった

まだ年が幼い駆逐艦の子達だ


如月「あらー 新しい提督〜?」


皐月「僕と遊ぼう!」


朝潮「あ、朝潮と申します」


一人一人と会話している最中

隅の方のテーブルで響達がいた

周りには姉妹艦の3人がいた

暁が なんかそわそわしてる。。。


陸奥「ちょっとどいてね〜 今から提督とご飯食べるから」


人だかりが減ってきた

ちゃんと年上の言う事は聞くらしい


そして8人用のテーブルに座ったが

あれ? 赤城と加賀がいない。


いや 、いた

もうカレーを食べている。


赤城「おひひいでふ」


加賀「美味しいわ」


それにしても あの量食べるのか

流石は一航戦


初月「あはは、赤城さんたちらしいね」


金剛「私もカレーが食べたいネー!」


陸奥「私達もカレーにしましょ 長門。 勿論 甘口でね♪」


長門「しょうがないな」


初月「僕も甘口で」


カレーか 提督はあまり気乗りがしなかったが美味しそうに食べる赤城をみると急にお腹が空いてきた


カレー食べよう。



。。。



食事が終わり、皆で食堂を後に...

しませんでした

赤城はカツ丼を食べ始め

加賀はそれを眺めている

金剛は

「ティータイムネー!」

といって紅茶を飲んでいる


長門「提督 いつもの事だ 我々が案内しよう」


提督「そうか では頼むよ」


長門「承知した!」


長門と陸奥のあとをついて行く

なぜか陸奥がこっちを見て笑っている

なぜ笑っているのだろう

ちなみに初月は僕の横を歩いている。

次はどこへ行くのだろうか


そいうえば長門の耳が少し赤い気がした。



。。。



その後は特に面白いものなどは無く

ただ刻々と時が過ぎていった


陽が傾き始めると 長門達は

お風呂があると言って

入渠施設へいってしまった

今は近くのベンチに腰掛け

海に沈んでいく太陽を見ながら

今日あった事を思い返していた


僕は自殺をしたはずだ

家庭に恵まれず 母は僕が

幼い頃は殴り蹴り 罵り

僕が高校になると 無視し

嫌になる日々だった

そんなときに時に見つけた。

「艦隊これくしょん」

今僕はその中にいる

幸せだ いつぶりに感じたのだろう

蕩けるような感情の中

ふと瞼が重くなり そのまま提督は意識を手放した。



。。。



??「司令官、司令官」


誰かが僕を呼んでいる

ゆっくり眼を開ける


そこは暗闇だった


響「やっと起きたかい? みんなが探していたよ」


提督「ああ、 というかこの状況はなんなんだ?」


響「膝枕だよ 司令官」


提督「そうか、ありがとうな」


そう言いつつ体を起こした

改めて辺りを見ると真っ暗だ


??「夜だー!!」


何かが聞こえた気がする


響「随分と疲れていたようだね。 全然起きなくて心配したよ」


提督「ああ だがもうバッチリだ。苦労をかけたな」


響「いいさ」


少しの沈黙が流れる

特に言うことがない

思い浮かばない

昼間に聞こうと思ったことも

浮かんでこない

取り敢えず 響の方を見て見る

暗闇でよく見えないが

相変わらず綺麗な髪だな

そして無意識のうちに触れてしまった


響「どうしたんだい?」


提督「いや綺麗だと思って、つい」


響「スパシーバ、司令官」


その時雲の切れ間から

下弦の月が姿を見せた

月光が辺りを照らし

響の顔がよく見える

少しだけ頬が赤い


提督「あの..」


金剛「提督ー!! どこデスカー!!!」


声をかけようとしたその刹那

明るい声が聞こえてきた


響「もういくね司令官 ダスビダーニャ」


提督「おっおう。またな」


何を言いかけたのだろうか

自分でも覚えていない

何を言おうと思っていたのだろうか

提督は波の音を聞きながらふと考えるのであった。



。。。



その後、金剛に連れられ

執務室へ戻った

そこでは長門と陸奥、初月が待っていた


長門「提督! どこへいっていたんだ!心配したぞ!」


陸奥「長門ってば、ずっと探していたのよー」


長門「そんな事はない!!」


陸奥「あらあら♪」


初月「提督、しっかりしてくれ。 大人だろ?」


金剛「でも見つかってよかったデース」


提督 「迷惑かけたな」


そういいつつ頭を下げる


長門「まあいいだろう。それよりお茶を飲まないか?私が入れて来るぞ」


初月「僕はもう寝るとするよ おやすみ提督」


金剛「私も寝マース! おやすみなさいデース」


提督「ああ おやすみ」


そう言って2人を見送った

長門は奥の方で

お湯を沸かしているらしい

ポットとか無いんだなっと考えていると

陸奥が話しかけてきた


陸奥「提督ー 長門ってばあなたのこと凄く心配していたわよー 後で少し頭を撫でてあげてね♪」


提督「そんなことしたら怒られるだろう」


陸奥「そんなことないわよ きっと喜ぶわよ」


提督「そういうものなのか?」


陸奥「そういうものよ」


やけに陸奥がニヤついている

何か嬉しいことでもあったのだろうか

その後 長門が3人分の緑茶を持ってきた


長門「ほら提督 熱いから気をつけろよ」


提督「わざわざすまないな」


一口含んでみる

熱いがとても味わい深い


提督「美味しいよ ありがとう」


長門「そっそうか!」


嬉しそうな顔をしている

そうだ 陸奥に言われた事しないと


提督「長門 さっきはごめんな いなくなったりして 今度は気をつけるよ」

と言いつつ長門の頭を撫でてみる

身長は同じくらいだが長門は椅子に座っているので小さく見える


長門「何をするんだぁー!」


顔をを真っ赤にしつつ叫ぶ長門


提督「陸奥がこうすると長門が喜ぶって言ってたから...」


長門「陸奥 後で話がある」


陸奥「あらあら 怖いわね♪」


そういいつつはしゃぐ2人

とてもいい姉妹だなと思う


それから暫く雑談をした


チクタクとハリを刻む時計が

11時を回った


長門「私達はもう寝るとするよ いくぞ陸奥」


陸奥「はーい」


と部屋を出ていく


長門「私達は隣の部屋にいるから用があったらくるといい」


おやすみを交わしつつ2人は出ていく

さてどうしたものか

とても寝れる気がしない


本でも読もうと思い本棚を漁ってみる

暫くタイトルと睨めっこをし

一冊の本を手に取った

「深海棲艦とは」

ページをめくり 読み始める

どうやらゲームと同じく

駆逐級から戦艦級までいるらしい

暫く本を貪っているとノックが聞こえた


提督「入っていいぞ」


陸奥「お邪魔しまーす」

と言って陸奥が入ってきた


提督「どうした? なんか用事か?」


陸奥「いやー 提督が夜更かししないように注意しにきただけ♪」


提督「そうか すまないな そういえば俺はどこで寝ればいいんだ?」


陸奥「それならこっちよ」


と言って部屋を出ていき

隣の部屋へ入る


陸奥「ここで寝てねー」


提督「電気をつけてくれないか? よく見えないんだが」


陸奥「こっちよ」

と手を引っ張り連れていく

そして布団の上に連れてこられた


陸奥「それじゃ おやすみなさい」

といって部屋を出ていく


やけに慎重に扉を閉めていったな

まあいいか

そう自分に言い聞かせ 寝床につく


??「かわいいでしゅねー」


少し目を開けて周りにを見る

小さい声が聞こえた気がしたのだが

しかし あれほど眠くなかったのに

ふいに睡魔が襲ってきた


これがお布団マジックか

そう思いつつもう一度目を閉じる


明日は艦娘たちの訓練を見に行こう


そう思い意識を手放した提督であった。


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パルシステムさんから
2017-01-13 00:30:18

SS好きの名無しさんから
2016-12-30 06:50:19

このSSへのコメント

1件コメントされています

1: パルシステム 2017-01-13 00:31:19 ID: czafwKrQ

うまく言えないけど…なんか綺麗…。


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