2017-03-17 00:12:26 更新

概要

誤字や言葉がおかしい場合があります


前書き

これまでの艦これ作品とは多少、世界観が異なりますので注意
オリジナルストーリー キャラ口調が違ったらすみません

簡単な違いと説明↓

世界情勢↓
第四次オイルショックとも呼ばれるほどガソリン価格が高騰、第一次と比べるとまだやさしい
アメリカドルが暴落寸前でアメリカの経済力が低下、自国優先体制と変わり在韓米軍は撤退
その一方で、レアメタルなど資源が豊富な中国は経済力が増し軍事・経済などでもアメリカを超える超大国となった
その影で発展途上国では、突然変異した上陸型深海棲艦の襲撃により領土の一部占領されるといった事態が発生

矢矧↓
本作の主人公及びヒロイン
主な武装は魔改造の日本刀、傷口から毒が浸食し、それが心臓に到達することで確実に相手を死に至らしめるという強力な能力を持つ。大きな傷である必要はなく、ほんのかすり傷でも付ければそれで効果が表れる。

隼鷹↓
武装は魔改造のベルト、使用者を半獣化させ、身体能力と五感を大幅に向上させる。
その攻撃力は一発殴るだけで人体に風穴を空ける程、鋭い五感と身体能力を活かし情報収集や偵察等にその能力は向いている

叢雲↓
武装は魔改造のライフルと槍、ライフル型はイムヤや高雄なども使用、銃口はアタッチメント式で換装が可能であり、小刻みに連射できるマシンガンタイプから極大のビーム砲タイプまでバリエーションは幅広い

イムヤ ↓
ライフルを狙撃用にスカウター型スコープなどに改造、様々な任務や戦況に対応出来るようになっている。

川内↓
武装は魔改造の糸、強靭な糸を様々な用途に使える汎用性により、能力は使用者の器用さと発想に大きく左右される
まさに忍者である

鈴谷↓
武装?魔改造の化粧品。
他人や動物等、様々なモノに変身できる能力を持つ。
大きさや性別、種別などは問わない為、隠密活動に非常に役立ち、相手に警戒させずに近づき仕留めることも可能。化けて接近し針で対象の首に刺す戦法でターゲットを暗殺など。ただし、あくまで変身するだけで身体能力は使用者に準拠する、流石現役の女子高生だ!

霧島↓
武装は魔改造、巨大鋏
驚異的な硬度を誇り、この世のあらゆる物体を両断する切れ味を持つ。
その切れ味は鉄壁の防御を誇る戦車や装甲車の装甲を物ともせずに、切断する

提督・ビスマルク↓
北の果てに棲んでいたという深海棲姫の血液
その生き血を飲むと無の状態から氷・火を生成し、それを操ることが出来る能力を得る。しかし、飲んだ時に強烈な破壊衝動に襲われ、相性が合わなければ自我が破壊され発狂してしまう。今まで適正者以外に飲んだ者全員発狂してしまっている

主にアカメが斬る!とMGSとテラフォーマーズを元にしてます



ドドドドドドドッ!!!


ドカン!ドカン!ドカン!


矢矧「イヤァ!!」ズバッ!!


〈ギィャアア!!!


〈打て打て!!打ちまくれ!!


提督「矢矧!岩陰に隠れろ!敵艦載機だ!」


矢矧「了解!」サッ


〈ギュイィン!!


鈴谷「打ってもキリがないわよ!どうするの!?」ドドドド!!


提督「今考えてる!」


矢矧「ハァハァ…」


矢矧『私達艦娘は海の上で戦ってるハズが…』


〈Go!!go!!


矢矧『いつから…陸上で深海棲艦だけじゃなく同じ人間も殺すようになったのかしら…』



………………………………………………………………………………………………

………………………


遡ること数ヶ月前


舞鶴鎮守府


矢矧「よし、これで今日の授業は終了するわ!何か質問ある人?」


暁「はい!どうしたら矢矧先生みたいになれますか?」


矢矧「と、言うと?」


暁「だって矢矧先生って強いし勉強も出来て完璧で何よりレディーですもの!」


矢矧「私はそんな上手に出来る程の人間じゃないわよ?それにもう授業は終わったから矢矧で構わないわよ?」


雷「暁は早く一人前になりたくて仕方がないのよ矢矧さん」


親潮「間違いないですね、背伸びしたいだけです」


矢矧「そうなの?」


暁「ちょっと親潮!今!余計なこと言ったわね!」


親潮「私は事実を述べたまでです」


暁「こんのぉ!」ムキー!


矢矧「落ち着きなさい!貴女達!まったく何でいつも喧嘩ばっかりするのよ…」


《隊員の呼び出しをします…潮・浦風・萩風・龍鳳・川内・木曾・矢矧・鈴谷・熊野・高雄・球磨・隼鷹・摩耶・葛城・霧島・山城・長門・伊168以上、呼ばれた艦娘は工廠にまで来てください

繰り返します……


暁「よばれましたよ?矢矧さん」


矢矧「…みたいね、それに呼ばれたメンツがよくわからないわ」


電「はわわ…なんだか嫌な予感がするのです!」ビクビク


雷「ほらボーッとしてないで、貴女もよばれたわよ?」ガンッ!


そういうと雷は机を蹴って本を読んでいた潮に呼びかける

呼ばれた本人は蹴られた事に気付いていないのかぼーっとしていた


潮「あ、うん」


矢矧「潮?どうせだし一緒に行きましょう?」


潮「はっ!はい!」


暁「雷?なんか潮にキツくない?」


雷「キツいと言うより、好きじゃないだけよ」


………………………………………………………


舞鶴鎮守府 工廠格納庫


ガヤガヤ…ガヤガヤ…


摩耶「見てみろよ…副防衛大臣と海自の幹部官…それに米兵までもいるぜ」コソコソ


木曾「あぁ、それにあれを見てみろ…あのアジア全体の地図…恐らくこの集合はただの出撃の作戦とは明らか違うみたいだぞ?」コソコソ


隼鷹「そんな作戦に何で私みたいなんが呼ばれたんだ?」コソコソ


葛城「それを言ったらなんで潜水艦がイムヤ1人だけなのかも引っかかるのよね…」コソコソ


叢雲「静かにっ!!」


シーン


提督「…これで全員そろったな、これより皆を集めた訳を話すんだが、察しがついている者もいると思うが、これはかつてない重大な作戦だ、だから気を引き締めるように!」


一同「ハッ!」ビシッ!


副大臣「この作戦の大まかな説明は私からする姿勢は楽にしてもらっても構わない」


一同「ハッ!」


副大臣「知っていると思うが、ここ最近深海棲艦が勢いを増してきている、我が海域で確認されていないが、つい最近の事だ…中米のパナマが突然変異した奴らによって攻められ混乱状態に陥っている

あそこにはパナマ運河という重要な拠点があるためアメリカを始めとした連合軍が何とか対処している」


提督「ちなみに突然変異した深海棲艦の姿がこれだ」バッ!


提督は右手に丸めて持っていたポスターを黒板に貼り付ける、それに写っていた生物の写真は今まで倒してきた深海棲艦とは違いヒョウの様に手足が生えて四足歩行している写真だった


副大臣「元々無かった手足が無かった駆逐クラスに手足が生え、陸上戦も出来るようになっている

まだ重巡クラスは歩行速度が遅いが、軽巡クラスの一部に関しては30キロの速度で歩行する奴も確認されている


ここから君達のお仕事だ

つい1週間前、インドネシアの島が奴らに占領された

君達は明後日、国連軍、海上自衛隊として空自の輸送機に乗りオーストラリアのダーウィンから海路を使ってスマトラ島に行って欲しい」


長門「質問いいですか?副大臣」


幹部官「おいそこ!副大臣の話の途中だぞ!」


副大臣「いや、構わない…で?質問は?」


長門「はい、何故我々艦娘なのですか?陸自にも戦車が元になっている戦娘がいたはず、彼女達の方が地上戦に向いていると思うのですが?」


副大臣「既にこれらの特殊部隊は半数の隊員達が別の戦闘地域に派遣されていて、送るだけの余裕が本土に残ってない

例として、我が国も関係が深く石油輸出国のイランとアラブ首長国連邦のパイプラインの防衛

ジブチ国際空港および自衛隊基地の防衛

対中戦略として尖閣諸島および石垣島など、色々」


長門「それで深海棲艦と戦っている私達艦娘の御用達って訳ですね」


副大臣「簡単に言えばそういう訳です、話を戻しますがオーストラリアに入国したら連合軍の軍港に停泊している二隻のはやぶさ型ミサイル艇に二手に分かれ乗艦しスマトラ島のバンダルランプンに向かう」


霧島「待ってください、バンダルランプンは深海棲艦に占領されてないのですか?」


副大臣「そこだけスマトラ島で唯一、国連軍が展開して安全が確保されている街で、そこには多国籍軍が駐留している

もちろんインドネシアの首都、ジャカルタのスカルノハッタ国際空港に直接輸送機が着陸できたら良いのですが、インドネシアの情勢がよろしく無く反政府軍と正規軍が衝突して、下手したら彼らの地対空ミサイルや戦闘機に撃ち落とされる可能性ある以上仕方がないのです」


提督「それで武装兵器の詳細を確認したいのですが?」


副大臣「ミサイル艇と戦車以外は国連軍側が貸してくれるとの事だ

航空機はブラックホークが1機、ヒューイUH-1が3機

艦艇は、はやぶさ型ミサイル艇2隻と武装上陸用ボートが3隻

陸上兵器は74式戦車が1台、ストライカー装甲車が1台、装甲ハンヴィー車が4台

銃等は持ち込み可能だが、貸し出しも出来るとの事、故障した時などは貸してもらったりしてほしい

詳しい評細は提督、先程渡した封筒の中に入ってある、それでは健闘を祈ります」


叢雲「一同!敬礼!」ビシッ!


ビシッ!!


米兵「私は在日米軍の情報部の者です、一つだけ警告しておきます

先程副大臣が申し上げました通り、インドネシアの情勢はよろしくありません、その混乱の影響からインドネシアの国民は、あまり我々多国籍軍の事を余りよろしく思われていません

バンダルランプンの人々はまだマシな方ですが、他の地域では武装した住民と反政府軍がいると思って下さい、彼らと仮に対峙しかけた場合は出来るだけ刺激しないよう避けるか

最悪殺して下さい、彼らは中国軍の中古兵器を装備しているので、気を付けてください

私からは以上です」


提督「ちなみに俺も行くからよろしく」


一同「…へ?」


提督「俺も行くぞ?」


一同「はぁあああ!?」


摩耶「いやいや提督…アンタは提督だろ?実戦経験ないだろ?」


提督「これでも俺、アメリカの民間軍事会社に勤めてた時期があったから、実戦経験は豊富だぞ?」


一同「…うそやろ」


………………………………………………………………………………………………

…………………………


数分後


叢雲「えーと、出発は明後日の夜10時頃…艦娘が19人、自衛官が23人で間違い無いのね?」


提督「そうだけど?」


叢雲「艦娘が1人いないんだけど?」


提督「何を言ってる?ちゃんと19人いるじゃないか」


叢雲「へ?18人しかいないわよ?」


提督「叢雲、お前も入っているんだぞ?」


叢雲「そっか私も入って……へ?」


提督「どうした?何か問題でも?」


叢雲「大問題よ!!誰が提督代理するのよ!」


提督「大淀がいるだろ?」


叢雲「あの人は今東京に!」


大淀「任せてください!提督!」


叢雲「なっ!?い、いつの間に!貴女!東京に居たんじゃ!?」ビクッ


大淀「上からの命令ですよ、代理で舞鶴鎮守府の提督をしてくれって」


叢雲「な、なるほど、そういう事だったのね」


提督「潮・浦風・萩風・龍鳳・川内・木曾・矢矧・鈴谷・熊野・高雄・球磨・隼鷹・摩耶・葛城・霧島・山城・長門・伊168・叢雲…これで全員だ」


イムヤ「あのぉ…司令官」


提督「ん?どうしたんだ?」


イムヤ「なんで私なんですか?潜水艦は私1人だけだし…」


浦風「確かにそうじゃな…今回の作戦内から潜水任務は必要なさそうやしねぇ」


提督「ここ半年間、全艦娘に近接格闘や射撃訓練、ヘリの操作など色々やらせてたのは、こういう時に備えてなんだが、その中で優秀な人や適正だろう人を選抜した

例えばイムヤの場合は狙撃が一番上手だったから…矢矧は近接で剣術、霧島は知性、木曾は指揮、川内はステルス、摩耶は筋力、まぁ簡単に言えばそんな感じだよ」


明石「そこで注目!!」


提督「うおっとビックリした!」


明石「ごめんごめん!!派遣前に一通り持って行ってほしい物があってね…」


夕張「私達工廠部が研究開発した武装兵器だよ!SFぽくなっているけど気にしないでね!」


摩耶「本当だ、叢雲の槍とか矢矧の刀がSF映画に出てきそうなハイテクになってるぞ」


明石「あ、この靴とグローブは摩耶さんの物ですよ?」


摩耶「へ?私のもあるのか?」


明石「えぇ!これさえ着ておけば4tトラックが衝突してきても、なんとか抑え切れますよ!」


摩耶「なんとか…なんだな…曖昧だなおい」


木曾「このポーチはなんだ?」


夕張「これは木曾さんの物ですね」


木曾「中に小さく折り畳められたダンボールが入ってるぞ?」


夕張「それは潜入の時に役に立ちますよ!」


木曾「私は伝説の傭兵じゃないんだが…」


高雄「武装兵器が殆どが、ア○メが斬る!に出て来るような武器ばかりですね」


提督「よくわかったな…高雄って漫画読むのか?」


高雄「失礼ね!私だって漫画くらい読みます!」


鈴谷「いいのあるじゃん!ねぇ!熊野!」


熊野「そうかしら…私からはオモチャにしか見えないのですけれど」


明石「鈴谷さんはこれですね」ハコヲワタス


鈴谷「え?なにこれ、中に針が入ってるけど」


明石「この針にはマウイイワスナギンチャクというイソギンチャクの毒を入れてます

強さは青酸カリの8000倍!フグ毒テトロドトキシンの60倍にもなる猛毒よ!

この毒は心臓と心筋、肺の血管を急速に収縮させ、赤血球を破壊する為、生物は窒息するかのごとく死亡するわ」


鈴谷「なにそれ怖っ!」ゾクッ


明石「でもそれぐらい強い毒じゃないと奴らは死にませんよ?

なんせ上陸してきた陸上型クリーチャーを解剖

して検査した結果

サイの皮膚の硬さの5倍らしいですよ」


熊野「化け物ですわ…」


夕張「ちなみに、この縦横長さ5センチ程の正方形の箱は兵装縮小箱です

これらはみんなの分ありますよ、使い方は簡単!指紋認証で数秒の内に海戦と同じ兵装が装着されます!」


隼鷹「ほんと技術の進歩って凄まじいよな!」


提督「あ、紹介するの忘れていたが今回の作戦に同行する仲間の、カズヒラ・ミラーだ」


カズ「カズヒラ・ミラーだ、米軍将校と日本人の母の間に生まれた、いわゆるハーフって奴だ」


提督「彼は副司令官を担当してもらう、俺からしたら頼りになる右腕というイメージだ

自ら前線に赴く俺たちを、本部から無線や救援物資、援護攻撃を行うなどしてサポートしてもらう

打ち捨てられたプラントを改造し拡大するなど、優れた手腕と統率力、そして先見の明を兼ね備えた天才だ」


カズ「おいおい、照れてしまうぜ」ニヤニヤ


提督「でも女癖が悪く、基地内では幾度となく女自衛官に手を出して色恋絡みのトラブルを起こしては憲兵に叱られていたけどな」


一同「へー」ジトー


カズ「おい!なんて事を言うんだ提督!そ、そんな訳ないじゃないか!」


提督「そして次が、雷電…彼はリベリア出身で数少ない白人として生まれてきたが、ちゃんと国籍は日本だ」


雷電「雷電だ、よろしくたのむ」


葛城「雷電ってまるで戦闘機の名前みたいだよね」


雷電「そう、俺の名前の雷電はコードネームだ」


葛城「そうなの!?」


提督「まぁ、そこには触れてやらないでくれ…彼には戦闘班に所属してもらう、正直この中で一番優秀だろう」


矢矧「だと思ったわよ、彼にはそれなりのオーラを感じるわ」


雷電「だが、活動時間は限られているんだ」


萩風「活動時間?」


提督「彼は見た目通り、元人間で今はサイボーグなんだ、だから燃料みたいな物がいるし尽きると動かなくなってしまう」


浦風「難儀な身体やね」


雷電「血液をホワイト・ブラッドと呼ばれる白い人工血液に入れ替えたんだ、

旧式の軍用人工血液であることから一定時間毎に透析を行わないと自家中毒症状を起こすようになってしまうが

その代わりに、人間離れした身体能力と共に多少の出血でも失血死しない身体の獲得に成功した、でも」


球磨「サイボーグだとしても人間の心を捨ててないのなら、どんな見た目でも人間だクマ」


雷電「ああ、ありがとう」


鈴谷「くーまーの、何ボーッとしてんの!」


熊野「べっ!別にボーッとしていた訳では!」///


鈴谷「ああっ!さては熊野…惚れたなぁ!」


熊野「な、なな、何を言ってるんですの!?」///


鈴谷「全く…熊野は分かりやすいんだから」


提督「盛り上がっている所悪いが、彼は結婚しているぞ?」


熊野「」ピシッ


鈴谷「え?まじで?」


雷電「ニュージーランドにローズがいるんだ、色々あったけどね」


鈴谷「ま、まぁ、熊野…」


熊野「」


川内「あ〜あ、完全に石になってるっすね」コンコン


矢矧「川内、貴女ってそんな口調でしたっけ?」


川内「何言ってるんすか?私は私っすよ?」


高雄『トリニティセ○ンの影響ですね、はい』


提督「次だが…彼女の名前はメイ・リン、名前なら予想つくと思うが中国系アメリカ人だ

マサチューセッツ工科大学出身のアメリカ軍のデータアナリストで、ソリトンレーダーやバースト通信の開発者でもある」


メイリン「よろしくね〜!」


提督「彼女にはオペレーターを担当してもらう、というより彼女はアメリカ軍側の人間だからどう扱えば…」


摩耶「そうなのか?」


メイリン「はい!なんと言うか上司からは今回の件は研修だと思って行ってくれって言われててなんと言うか…」


カズ「簡単に言えば俺たちに面倒事を押し付けた訳だ」


長門「面倒事?」


カズ「メジャー(米国)と中国との関係は緊迫しているのは有名な話だ、そこで中国系の人間を長く本土に置いておくと、もしかしたら軍事機密を中国に漏らされる可能性がある

そこで彼女を日本に派遣させ、もっとも遠いインドネシアに着いて行かせる

それが彼らの思惑だろうな」


長門「おい!それは言い過ぎじゃないか!?そもそも根拠はあるのか?」


提督「日本人もそんな時代があったからだろ?」


長門「っ!?」


カズ「奴らの考えそうな事は直ぐにわかる、そういうものだ」


メイリン「まぁまぁ辛気臭い話はやめて、仲良くして行きましょ!」


隼鷹「そうだぜ?こんな空気じゃ美味しい酒も不味くなってしまうだろ?」


叢雲「貴女はまずミーティング中に酒を飲む事をやめましょうか?」


提督「やれやれ…」


カズ「それはそうとボス」


提督「ボス?俺は伝説の傭兵じゃないぞ?」


カズ「それはそうなんだが、あれはゲームの世界だろ?」


提督『そのゲームの登場人物と、まるで同じ姿で同じ名前の人間が目の前に3人もいるんですが…気にした負けだよな』


カズ「話を戻すが俺たちの部隊にチーム名がいるんじゃないか?」


提督「別にいらんだろ」


カズ「向こうに行ったら部隊名を国連軍に登録しないといけないみたいなんだ」


提督「ああ、なるほど」


カズ「MFSでどうだ?」


叢雲「もろパクリじゃない!!」


提督「違うなカズ、ここはMPSだ」


カズ「それは何の略なんだ?」


提督「M むらくもの

P パンツは

S 白パンt」


叢雲「チェイサー!!!」回し蹴り


提督「フゴォオオオ!!!」


カズ「ボスゥウウウ!!!!」


この後、話し合いで部隊名は"隼"となりました


…………………………………………………………………………………………………

……………………………


2日後の夜


その日の舞鶴は曇りといった空模様だった

今からヘリに乗り込み小松基地まで行き輸送機に乗り換える訳だが

戦場に行くには気が滅入る天気である

私、矢矧は同じ仲間と共にヘリポートの周りに一糸乱れない姿で整列し上司である提督を待っていた

ここヘリポートは湾と近くにある為、埠頭にいるテレビ局の女性レポーターの声が聞こえる


「こちら海上自衛隊舞鶴基地です!今、艦娘と自衛官達が整列して部隊長を待っています!

国際協力と言われていますが、PKF(国連平和維持軍)いわゆる国連軍へ参加することです」


矢矧『しかし…すごい人の量ね』


「陸上自衛隊に続き海上自衛隊が国外に派遣する事になった背景としては、陸上自衛隊の戦娘が国外に派遣する余裕が無くなった事にあります!

この事は日本国憲法第9条に反すると反対する人も少なくありません!

今まで海外派遣の評細は語られる事はありませんでしたが、昨日防衛大臣がこれらの事を発表し………はい!今!この部隊の部隊長…司令官でもある、舞鶴鎮守府の提督が姿を表しました!!」


〈戦争反対!戦争反対!


〈No War!!集団的自衛権認めない!


〈若い娘を戦地に連れて行くな!!


〈てめぇらそれでも軍人か!!


〈またあの惨劇を繰り返すつもりか!!


隼鷹『うわぁ酷い言われよう…』


長門『今まで海外派遣を隠していた事に国民は怒っているんだろうな』


パタパタパタパタ!!!!


提督「これから!隼部隊は!!国連平和維持軍として東南アジアに出撃する!」


一同「ハッ!!」ビシッ!


提督「それでは二手に分かれ2機のCH47ヘリに乗り込め!」


「今!隊員達がヘリに乗り込み小松基地へ向かいます!」


この後、ヘリは小松基地に着陸しC2輸送機でオーストラリアに向かった

陸地が離れて行く

自分達は今から日本ではない場所に向かうのだ、という実感が湧いてきた

高揚感と不安が入り混じって不思議な感覚を抱く


…………………………………………………………………………………………………

………………………………


フィリピン海 上空


ゴォォォオオオオ!!!


《本機は現在、高度3万フィート上空を飛行中…経由として一時的に30分後グアムに着陸します


カズ「…すまないが皆に聞いて欲しいことがある」


ザワザワ ザワザワ


矢矧「いきなり改まってどうかしたのかしら?」


浦風「さぁ…私には分からんわ」


カズ「既に予想している人もいると思うが、今回の派遣は場合によっては人を殺す事になる」


龍鳳「し、深海棲艦を撃退するんじゃなかったのですか!?そんな事聞いてません!」


萩風「ひ、人を殺すなんて…」ガタガタ


矢矧『やっぱり性格が優しい人程慌てるわね』


叢雲「それぐらい予想してたわよ?それで言いたい事はそれだけかしら?」


カズ「…本当の話、国連軍が展開している地域以外に各国の軍隊が開放する為に作戦を開始しているが、成功率は25パーセントと低い数値となっている

それに30パーセントが生存率だ…」


一同「っ!?」


ザワザワ ザワザワ


叢雲「静かに!今更怖気着いてどうするのよ!こうなる前から私達はこの命を持って深海棲艦を海上で対峙しているじゃない!」


龍鳳「で、でも!今回は陸地で赤道直下の典型的な熱帯雨林気候です!

熱帯林での戦闘だなんて経験した事、な、無いです!」


矢矧「うるさい、指示が聞こえない」


2人「うっ…」


矢矧『そう、生存率が30パーセント?そんな事どうだっていい、死ぬか殺すかの違いでしかないのだから…』


潮「そ、そんなの…間違ってる」ガタガタ


1人が言った

潮は取り乱していた、目が腫れていて喉は痰と唾で詰まりかけている

それの弱腰の発言に対し誰も責めようとしなかった

彼女はメンバーの中でも最年少で、まだ幼いのだから無理も無い


球磨「とりあえず落ち着くクマ、まだ死ぬと決まったわけじゃ無いクマよ?」


ギュッ


ガタガタと震えていた潮の両手を隣に座っていた球磨が優しく握ってあげていた


潮「ありがとう…ございます」ガタガタ


球磨『正直私も怖いクマ…でも不思議なのは矢矧なんだクマ、さっきの話を聞いてピクリともしなかったし表情も変わらないクマ』


カズ「…話を続けさせてもらうが、ここにいる者が全てが戦闘員という訳ではない」


一同「っ!?」


カズ「もちろん、状況によりけりだけど大まかには、戦闘班・医療班・諜報班・食料班・開発班に分かれてもらう」


摩耶「大体40人程いるから各班10人と言った感じか?」


カズ「悪いが戦闘班が半数を占める事になると思ってくれ」


長門「まあ、そうなるだろうな」


矢矧「ところで提督は何しているの?」


鈴谷「確かに言われてみれば」


矢矧「本来なら、この事は司令官でもある提督が皆に伝えるべき事の筈でしょ?」


カズ「ボスは今、メイ・リンと一緒に重大な仕事をしている最中だ…ボスも忙しいんだ」


別室では


メイリン「中国にはね、匹夫(ひっぷ)の勇(ゆう)、一人に敵するものなり…っていう、ことわざがあるの。無闇に戦いを求める愚か者の勇気は、一人の敵を相手にするのが精いっぱいって意味よ

提督はたった数人で数えきれない程の敵と対峙するんだから、やたらと戦闘を仕掛けたりしないで、慎重に行動してね。」


提督「わかってる。……ことわざに詳しいみたいだな、君は。」


メイリン「私、生まれも育ちもアメリカだけど、国籍は中国、広東省なの。母国の文化には興味があっていろいろ勉強したわ。これからもいろいろな、ことわざを教えてあげるね。」


提督「それはありがたい。だが、それよりも君の事をもっと知りたいけどな、俺は。」


メイリン「そのうち、ね。」


……………………………………………………………………………………………………

……………………………………


数分後


グアム島

アンダーセン・エア・フォース・ベース

アメリカ空軍基地


《ただいま本機はグアム島の米軍基地に着陸しました、30分間休憩時間をとりますが基地内はトイレしかご利用できませんので気を付けてください


ガヤガヤ ガヤガヤ


機体後方の貨物扉が開くと、隊員達は外に出ると長い間硬い長椅子に座らせられて硬くなった身体をストレッチしたりしてほぐしていた


一方で、提督とカズは米軍司令室で打ち合わせをしていた

もちろん、これから先行く事になるインドネシアのことである


………………………………………………………


アイオワ「hey!!admiral!!お久しぶりデース!!」


カズ「ボス?このけしからんオッパ…ゲフンゲフン!この人とは知り合いなのか?」


提督「その前に何を言いかけた?」


カズ「気にしないでくれ」


提督「…」ジトー


「本当に元気そうですね…admiral」


提督「サラトガ…お前ら2人とは真珠湾以来だな」


アイオワ「あの時はhardでした!」


サラトガ『サラって呼んでって言ったのに…』


カズ「いい加減教えてくれたっていいだろ?ボス!?」


提督「アイオワとサラトガ、2人はどちらともアメリカ軍の艦娘だ、彼女達とは3ヶ月前に行われた日米合同演習の時に知り合ったんだ」


アイオワ「よろしくね!follow me!!」


サラトガ「アイオワ、このセリフはだめですよ…因みに私はサラトガ、彼女は戦艦クラスだけど私は空母クラスよ」


カズ「ああ、よろしく」


提督「しかし、あの後どうなったんだ?」


カズ「あの後?」


提督「ああ、お前も知っていると思うが、あの海洋プラント事件の時の事を」


カズ「知っているとも、ハワイ諸島近辺の海域に建てられた海洋プラントが襲撃され、かなりの被害が出たとか…」


アイオワ「懐かしいわね、なんせあの時は大鳳ちゃんと矢矧と叢雲ちゃんが一緒でしたね」


提督「まさか視察中に深海棲艦が攻めてきてプラントが炎上倒壊するとは思わなかったけどね」


アイオワ「私は丁度、空母キティーホークに乗艦していたけどサラトガがadmiralと一緒で、彼女が瓦礫の下敷きになっている所を貴方の所のadmiralが救出したのよ」


カズ「ボ、ボスが?」


提督「なんだ?そんなに意外かよ」


アイオワ「それ以降サラトガは貴方にヴァーーーニィングラァry」


アイオワが何かを口走ろうとした瞬間、とっさにサラトガが彼女の口を押さえつける


サラトガ「な、ななな何を言っているのかしら!?私にはわからないわ!?」///


明らか動揺しているのは丸分かりな反応にカズは苦笑いをしているが、肝心の本人は全く勘付いている様子は無い

サラトガはバレてない事に対しても彼の鈍感差に対して、二つの感情が入り混じった溜め息をついた


サラトガ「話を変えますけど、オーストラリアに着いてから貴方達は二つのミサイル艇に乗り換えてインドネシアのバンダルランプンに向かいますが、到着までの間に気を付けてもらう事があります」


提督「深海の奴ら以外にあるのか?」


カズ「反政府軍の艦艇だな」


アイオワ「that right!その通り!」


サラトガ「反政府軍は私達や貴方達の様な多国籍軍の駐留にも反対しています」


カズ「第二次大戦前の様に、植民地にされる事を恐れていると言う訳だな」


サラトガ「現にUN(国連軍)と反政府軍の衝突が多発しています」


アイオワ「正規軍は深海棲艦から、首都ジャカルタのあるジャワ島を防衛する事に精一杯だからスマトラ島を手につける余裕が無いのが現状

よ」


提督「それでスマトラ島は深海棲艦と反政府軍の住処になっている訳か…」


カズ「にしてもシンガポールやマレーシアと言った周辺諸国は奴らの侵略を受けていないのか?」


サラトガ「シンガポールはイギリス海軍によって守られていますし、マレーシアは中国海軍によってどうにかなっています」


提督「中国の領海侵略のおかげマレーシアは守られているとはな…皮肉な話だ」


アイオワ「No.admiral、何もマレーシア全域じゃないんだよ、それは北部の方での話で南部はマレーシア軍が自分で対処しているだよ」


提督「首都クアラルンプルがあるからか…」


サラトガ「それも一理あるわね、ジャワ島に面している海岸は海軍の艦艇で固めていますし」


カズ「ところで君達もジャワ島に行くのか?」


アイオワ「私たちは、ここグアム島の防衛任務があるのでここで待機よ」


サラトガ「全くもって暇を持て余しているけどね」


《C2輸送機の燃料補給が完了しました、乗組員は機内に戻りください


提督「最後に少し良い?」


サラトガ「何かしら?」


提督「大鳳は元気にしているか?」


サラトガ「…ええ、心配しなくても大丈夫よ」


元々空母の中でも丈夫だった彼女は、軍部の命令で戦闘機のパイロットととしての適正出来るかの検査として米軍に派遣されていた

艦載機を飛ばすはずの空母が、艦載機を操縦するという矛盾はあったが、本人は仕方がないとおよそ一年半前に米国に渡ったのだ


アイオワ「今は確か…from ヒューストンにて飛行訓練してると思うわ」


提督「あー、そうだったサラトガ」


サラトガ「?」


提督「これ、渡すのを忘れる所だったよ」


そういうと提督は胸ポケットから、小さな巾着袋を取り出しサラトガに渡した


サラトガ「What?なんですかadmiral?」


提督「以前言ってただろ?日本の文化に興味があるって、この巾着袋に入っているのは…御守りで身近な物に結びかけると災いから守ってくれると言われているんだ」


サラトガ「っ!?」


カズ「ロマンチックだなボス!」


アイオワ「よかったじゃんサラトガ!顔がredだよ?」


サラトガ「shit up!!admiral…thank you!大切にしますね!」ギュッ


提督「もうそろそろ時間だな、行くぞカズ!」


カズ「あぁ!」


アイオワ「……いいのですか?徹夜までして作ったアクセサリーを渡さなくても」


サラトガ「…ここで渡したら、もう彼に会えない気がして…」


アイオワ「why!?」


サラトガ「持ち場に戻るわよ、アイオワ」


アイオワ「…はいはい」


………………………………………………………………………………………………………

………………………………


それから本機はグアムからオーストラリアへ渡り、海路でインドネシアに向かった

最初は穏やかな海域であったが、道中で地元の

ギャングらしき旗を掲げた賊が機関銃付きのゴムボート3隻で喧嘩を売りに来た


「2時方向に一隻、8時方向に二隻…完全に舐められていますね」


木曾「自衛隊は自分からは撃ってこないと分かっての行動だろうな」


矢矧「どうします?提督」


提督「進路そのまま、平然を装え」


メイリン《こちら、はやぶさ二番艦…もうじきバンダルランプンに到着しますが、そちらはどうですか?


提督「今、ギャング共に喧嘩を売られているところだ」


メイリン《わかりました、今UN軍司令部に報告しているから少し待って!


摩耶「おいおい、コイツら…こんなに幅寄せしてこの船に乗り込む気か?」


木曾「だろうな、ロープ付き錨を投げてくくりつけてる時点で」


提督「メイリンに伝えとけ、やっぱり無理だったとな」


「は、はい!」


潮「ち、ちゃんと話し合いましょうよ!」


摩耶「話し合いなんて出来る程コイツらは温厚じゃないぜ?」


提督「これからは自衛隊じゃない、UN…国連軍だ、大和魂を舐めさせるなよ徹底的に殺れ」


矢矧「了解、斬る」シュタッ!


木曾「右側の奴らは任せろ」シュタッ!


摩耶「銃は剣より強しだぜお二人方、兵装解放!後ろの奴らは任せろ!」シュタッ!


〈Membunuh sebelum hal itu dilakukan!

やられる前に殺せ!


ガガガガガ!!!


〈グハッ!!


賊達が必死になってライフルを構えるが、彼女達には無力でしかない

元々近接戦闘にライフル銃は不利なのに対し

矢矧の日本刀、木曾の軍刀は近接戦闘に有利だ


「提督!前方にコルベット艦が接近してきます!恐らく反政府軍の艦です!」


提督「了解、取舵一杯!摩耶達は艦橋に戻れ!」


摩耶「でもよ、まだまだ後ろから来てるぞ?」


提督「戦力差を見せ付けてやるんだ、見たいだろ?21世紀の戦闘を」


摩耶「ったく、仕方がねぇな…ということだ2人とも戻るぞ?」


矢矧「了解だ」


木曾「了解」


2人ともミサイル艇に戻ると、くくりつけられたロープを切り離し仕掛けてあった爆薬を爆発させゴムボートを沈没させる

すると敵艦のコルベットの主砲がこちらに標準を合わせていた


提督「敵は旧ソ連製の骨端艦だ、はやぶさの足があれば当たることは無い」


「了解しました!全速前進します!」


船は勢い良くスクリューを回転させ、およそ35ノット程の速度を出す


〈ドンッ! ドンッ!


コルベット艦の主砲による砲弾が飛んでくるが全てかわしきった

肉眼ではハッキリと見えないが、コルベット艦の側面に回り込む

その距離は、およそ90㎞程


提督「これで奴らが先に攻撃して来たという口実を得た事だし…目標は?」


「大丈夫です!いつでも打てます!」


提督「よし、ハープーンミサイル、発射始め!サルボー!ってー!!」


〈ゴゴゴゴゴゴ!!!!


艦橋の背後から爆発音が響き渡った、艦娘の殆どが覗き込むようにして2つ筒状の物から灰煙を噴出して発射された2つハープーンミサイルを見守っていた

サルボーとは同時発射という意味である


「提督!コルベット艦から発熱反応!対艦ミサイルP15です!およそ3時方向から来ます!」


提督「オート・メラーラ対空射撃モードに切り替えろ!そんな骨端ミサイルなんて撃ち落とせるだろ!」


「距離およそ20キロメートル!!目標対艦ミサイル!ってー!!」


船の手前にある主砲、オート・メラーラが音を立てながら主砲の砲身を真横に回転させると

コンピューターが勝手に座標を計算し隊員が発射のトリガーを引く


〈ドンッ!ドンッ!ドンッ!


3発目でミサイルに着弾し撃墜、一方でハープーンミサイルは目標に目掛けて飛行中

コルベット艦にも対空装備はあるが、とてもじゃないがハープーンミサイルを撃ち落とせるほどの性能は持ち合わせてなどいない


「インターセプト5秒前!!」


提督『インターセプトは本来、阻止や進入阻止という意味なんだが…「脅威来襲阻止」とも言うし、ま、いいか』


「マーク・インターセプト!!」


〈ズドォオ…………


摩耶「今の音は…爆発音か?」


「目標、ロストコンタクト!!命中です!」


「レーダー、後方の敵影!引き返して行きます!」


イムヤ「これが…21世紀の戦闘ですか…」ゴクッ


「提督…」


提督「どうした?」


「2番艦からです…繋ぎますか?」


提督「言われることはわかってるんだけどな…参ったなあ」


「どうします?」


提督「仕方がない繋ごう…どうせ説教だ」


「はっ!」カチッ


メイリン《提督!?何してるんですか!?


提督「メイリン、やっぱりダメだったよ」


メイリン《賊は一歩譲っていいとしても反政府軍の艦船を沈めるなんて!


提督「だ、だって向こうから攻撃して来たんだ!文句はねぇはずだろ!」


メイリン《だとしても!現場の判断で勝手にハープーンミサイルで沈めないでください!


提督「あれ?なんで知ってるんだ?」


メイリン《レーダーが旗艦が飛ばした飛翔体に反応したのよ


提督「それってうちが撃ったものか分からないじゃん!」


メイリン《さっきの反応で隠しようがありませんよ


提督「ですよね〜」


メイリン《それで、どうするんですか?


提督「とりあえず、司令部に連絡してくれ」


メイリン《何を?


提督「クリスマス島北西部の海域で反政府軍が攻撃して来た為、専守防衛の為…敵艦を轟沈しました…ただ海面には生存者いる可能性がある為…救出活動を要請するとな」


メイリン《わかりました………まったくなんで私がこんな事を…


カズ《ハハッ!やっぱりボスだ!流石だ!


叢雲《あれが政府軍の艦だったらどうするつもりだったのよ!あのバカ!


葛城《ほんと何を考えているのよ!


提督「切れ」


「え?いいんですか?」


提督「いいから切れ!愚痴など聞きたくない!」


「あ、はい!」カチッ


木曾「まぁ、言ってる事は正しいぞ?提督」


提督「木曾…お前もノリノリだったじゃねぇか」


木曾「…そうだったけ?」


提督「おーい、目をそらすなー」ジトー


そして俺たちは、それ以降襲撃される事なく無事にバンダルランプンの港に着くことが出来た


…………………………………………………………………………………………………

…………………………


午後2時頃 バンダールランプン市内


インドネシア、バンダールランプン…都市とは言っても首都ジャカルタと比べると高層ビルなどは無くどちらかといえばバリ島やキューバのような南国の国感が出ていてる

インドネシアは以前までは田舎に行くほど、すこぶる治安が良くなると言われていたが

今となってはカンボジアと並ぶほどの治安レベルが低下していた

とはいえども、ここバンダルランプンは別件である、何せ国連軍…多国籍軍の兵が当番制で市内を見回りしており犯罪件数はインドネシア国内でダントツで低い


提督「しかし…やっぱり司令長官に怒られちまったな…」


長門「仕方がないだろ…いくら向こうから仕掛けて来たとしても何の相談も無しで独断で攻撃したんだから」


提督「俺はこの後に書類申請しないといけない事があるから先に駐屯地に行っといてくれ」


長門「それはいいが、私達は何をすれば良い?」


提督「俺は帰るのは遅くなりそうだし、任務の依頼は俺にでは無く駐屯地に伝わるからカズの指示に従ってくれ」


長門「了解した」


………………………………………………………


一時間後


街中の酒場


司令部での仕事を終えた提督は、駐屯地に帰るついでに街中の酒場で昼飯を食べていた

街の人間の殆どがアジア系の顔をしているが、ここバンダルランプンは軍人だけじゃ無く商人や民間軍事会社など色々な人が溢れかえっている

特に陸上型深海棲艦の皮や臓器などは売るところに売れば高値で売買されている

勿論、UN…国連軍やインドネシア警察はその事を認めていないが数が多過ぎて対処出来ていない

なので…


提督「すまないが、この掲示板はなんだ?」


「にいちゃん、ここに来ているのにしらねぇのか?これは仕事の依頼書だよ、深海棲艦を仕留めて素材を持ってこいとか?もっと言えば暗殺とか…そりゃあ何でもあるさ」


提督「そうなのか…」


「おう、勿論派遣バイトのような力仕事もあるが収入は安い、逆に収入は高いが自分の命が危なくなるものまで…自由さ」


提督「そういうアンタは仕事を探しに来たのか?」


「いや、俺はこの街で働いている漁師さ」


提督「へぇ…漁師さんねぇ」


〈hey!そこのアンタ!


提督「ん?誰だ?アンタの知り合いか?」


「いいや?ここでは見ない顔だ」


背が高く、見た目から紫髪のショートロングヘアーで、水着のような薄着で巨乳でグラマーな体型なのが見て取れる

でもどこからかサバサバした女性の感じが見受けられた


「私が誰だっていいだろ?それより何か奢ってくれよぉ…腹が減って死にそうなんだ」


そういうと彼女は提督に奢れと言わんばかりと涙目で訴えてきた

見ると見るほど隼鷹に見えてくるので、隼鷹がイメチェンしてからかっているのかと踏んだが、彼女にはしては髪質と目の色が違うので偶々似ているだけだと提督は考えるのをやめた


提督「ぐぬぬ…仕方がない、何が食いたい?」


「やった!にいちゃんありがとう!」ムギュッ


提督「柔らけぇ…じゃなくて離れろ!!」パフパフ


「いいのか?本当は?」


提督「…1分ぐらいそのままで」シレッ


「素直だな、にいちゃん」


………………………………………………………


数分後


「うめぇな!」パクパク!!


提督「お前は遠慮という物を知らないのか?」


「いいじゃん、減るものじゃないし」


提督「思い切り俺の金が減ってるわ!!」


「そりゃすまなかった、ちゃんと後で金返すから!」


提督「言ったことは責任持てよ!絶対!」


「なんだよ、わかってるよ、男の癖にねちっこいな」


提督「額が額だからだろ!って、アンタはどこで働いてるんだ?」


「私か?私はどことは言えないが某国の軍人だよ」


提督「そうだったのか!?」


「そうだよ?なんだそんなに意外か?」


提督「当たり前だろ!見当も付かんかったわ!」


「ま、無理もないな…こんなグラマーな体型じゃあな」


提督「誰も言ってないし、自分で自分の身体を褒めるなよ」


「でも悪くなかったろ?私のおっぱいは」ニヤニヤ


そういうと自分の胸を両手で押さえ、谷間を強調させる

コイツ…周りの視線が気にならないのかと不信感を抱いたが、本人が気にしてないのに何故自分が心配しているのかと思うと馬鹿馬鹿しくなってしまった


〈ピピッ!ピピッ!


「あ、本部から呼ばれちまったみたいだから失礼するよ」


提督「あ、待て!」


「心配しなくても、この場で待っとけば私の部下が支払いに行かせる」


そう言うと彼女はスタコラサッサと路地裏に消えていった

提督は彼女の言う通りに、その場で待ち続けた一時間、二時間、三時間と


「あんちゃん…アンタ騙されとるよ?」


提督「態々言わなくていい、騙された自分に腹が立つ…次会った時は覚えとけよ、おっぱい野郎!」ゴゴゴ


??「そうか…かわいそうだな軍人さん」


提督「っ!?」スチャッ!


咄嗟の判断で提督は裏ポケットから護身用拳銃を構えトリガーに人差し指をかける


??「お、落ち着けって!何!俺たちは敵じゃない!」


提督「じゃあ誰だ?」


陣「俺たちは政府の役人だ!俺の名前は陣!相方は李だ!」


李「よ、よろしく…」


提督「政府の役人だ?何故中国人が政府の役人にいるんだ?」スチャッ


李「俺たちは派遣されただけだ!」


提督「派遣だと?」


李「そう!富豪の令嬢を護る為に!」


提督「この時点で嘘がバレてるぞ?言っていることがメチャクチャだ」


陣「よせっ、ここではそう言ってるんだ!」コソコソ


提督「どう言うことだ?」


陣「ここの人達は何故か部外者の事を嫌っているから、出来るだけ政府関係者にしておきたいんだ!」


提督「…そんな中国人のあんたらが俺に何の用だ?」


陣「今週だけでいいから令嬢を護衛して欲しいんだ!」


提督「は?お前らだけでやれよ」


陣「人手が足りてない、というより殺された」


提督「誰に?」


李「地元住民にだよ、俺らが麻薬密売人にみえたらしく殺しにかかってきた」


提督「それは災難だったな、そんな危険な所にどうして令嬢がいる」


陣「彼女は旅行に行きたいと」


提督「普通別の所に行かせるだろ?」


李「令嬢の言うことは絶対なのです」


提督「…やるのはいいが、報酬は?」


陣「旧ソ連製の装甲車でどうだ?」


提督「いいのか?それで」


陣「我々にはもう要らない物ですので」


提督「イヤイヤ、令嬢を護る護衛車として使えよ」


李「最新の護衛車が手に入ったので、正直装甲車は幅をとって邪魔なんですよ整備が大変ですし」


提督「それもそうだな…」


陣「それではご案内しますね」


提督「おぅ、頼む」


提督『ここでコイツらに従っておいた方が、色々知る事が出来そうだし、一応…連絡しておくか』


………………………………………………………

…………………………………………

……………………………………


夜8時頃 バンダルランプン市 西部


陣らのオンボロのアメ車で30分程、市から少し外れにある別荘に連れて行かれた

見た目からは洋館で紅色を基調としており、門から屋敷へと続く道も赤色に統一されている。また、屋敷には時計台があり深夜になると鳴るらしい

広い庭の端に頑丈そうな倉庫が孤立して建てられていたが、おそらく退避場所なんだろうと提督は想像した


陣「おそくなりました…」ガタガタ


陣がお辞儀する先には両耳にリング状のピアスを着けたスーツ姿の女性が立っていた


??「…理由は?」ゴゴゴ


李「それは…新任の護衛を連れて来たからで」ガタガタ


彼らは何処と無く震えていた、彼女がそんなに恐ろしいのだろうか

偉そうに腕を組んで部下達2人を睨んでいる、その矛先は提督にへと向けられた


??「貴様か?新任の護衛と言う奴は」


提督「一週間限りだけどな、よろしく」


提督は挨拶として手を差し伸べたが、彼女はそれに応える事なくひたすら提督を睨見つけていた


提督「っ!?」サッ!


バシィイイ!!!


??「ほう…」


彼女はいきなり提督に対してを顔面に目掛けて

回し蹴りを仕掛けて来た

提督は咄嗟に左手でカバーし、右手で拳銃を構える


李「なっ!?」


??「私の回し蹴りをカバーし、尚且つ拳銃を構えるか…いい腕をしているな」


提督「これが中国式の挨拶の仕方か?えらく荒々しいんだな」


西「西 春麗(シィ・チュンリー)だ、貴様を試したかったんだ、無礼な事したことは謝る」


提督『あれ?この名前…テラ○ォーマーズの登場人物でいたような…おまけに顔も瓜二つだ!』ガビーン!


西「おい、どうした?固まって」


提督『落ち着けって、まさか人為変態時は肌の色を保護色のように変化させ周囲に溶け込む能力を持ってたり…切断された手足も能力により再生することが出来るほか、イカの触手も操って巧みに戦ったりしないはずだよな…』


提督「西さんって、元軍人ですか?」


西「元じゃない、現役だ」


提督「嘘だろ!どうしてここにいるんですか!?」


西「私もお前とよく似た理由だ」


提督「…俺は自分の事を喋ったこと無いけど」


西「なぁに見ればわかる、さっきの手さばきと反射神経…同職の軍人だって直ぐにわかる、どこの部隊かは存じないけどな」


提督「それはお互い様だろ?」


??「おい、そこで何をやっている」


西「ちっ、何もしてない」


ボル「嘘つけ、すまない自己紹介が遅れた、ボルジギーン・ドルヂバーキだ」


提督「アンタも軍人か?」


ボル「そうだな、元モンゴル陸軍出身だが?」


提督『テラフォ○マーズのあの人と顔も身体も瓜二つ…偶然だよな…』


提督「よ、よろしく」


西「…案内してやる、ついて来い」


コツコツ


外が広ければ中も広い、それは当たり前なのだが屋内も赤色を基調とした装飾となっている。館の外観に比べ内部は広く見える

中華人民解放軍か?MSS 中華人民共和国国家安全部か?

西の存在が気掛かりだが、本題は彼女達の護衛対象


西「入るぞ?いいか?」


??「良いですよ〜」


ガチャッ!


提督「失礼します…」


紅「初めまして、私の名前は紅(こう)と申します」


提督「」


提督『そう、西とボルの時もそうだったけどこの人もテ○フォーマーズの登場人物に瓜二つで名前も同じだ!!

なんだここ!第四班の住まいかここ!?』ガビーン


西「こらっ!返事せんか!」バシッ!


提督「いでっ!あ、ハイよろしくお願いします」


紅「よろしく!今日はお疲れでしょ?西さん、彼に寝室を案内してあげて」


西「わかった、それじゃ行くぞ」


提督「あ、ああ、おやすみ紅ちゃん!」


紅「ふふっ」ニコニコ


………………………………………………………


深夜 2時ごろ


西「…アイツ…軍人だって言うけど名前なんて言うんだろうな…」


月の明かりしか入ってこないくらい廊下を歩きながら彼の事を考えていた

そんな他愛のない事を考えていたその時であった


ザクッーーー!!!!


西「っ!?」


ビチャ!!!


想定外だった、突然後ろから正体不明の大きな鋏が西の身体を上下真っ二つに切り分けられた

分け目からは大量の血と臓器が流れ出ていた


西「ぁ…」ドサッ!


??「まずは1人…あと、すみません」


………………………………………………………


提督「っ!?殺気!!」ガバッ


ただならない殺気に提督は布団から飛び起きた

その殺気はドアの向こう側から感じられた、常に身につけている拳銃をリロードしゆっくりと廊下に出る


提督「っ!?なんだコイツら…」


敷地内に繋がっている電線の上に乗っかっている5人の女性がこの建物を見つめていた

見覚えのある者がいた


提督「クソったれ…おっぱい野郎もいるじゃねぇか…返金には物騒な物を持ってるじゃんよ」


〈クソ!!ここを死守しろ!!


ガガガガガ!!!


陣と李がAK47を彼女達に向けて打ち続ける

しかし当たる様子は無い


??「ちょこまかするな!!」ズドォオ!


李「ふごぉ」


プシャァアアア!!!


バタンッ!


陣「李!!!…頭を吹き飛ばしやがった…」


??「これで終わりよ!仏教徒なら祈ってなさい!」ズドォオ!


陣「ちくしょう!ばけもry」


バタンッ


??「敵前逃亡なんて、情けないわね!」ガチャッ


??「いやいや、普通逃げるわよ…」


提督「どうする、部隊は全滅…紅ちゃんだけでも守らないと!」タタッ!


無我夢中で走った、彼女の部屋にも行った

しかし、彼女の姿は無かった

あと、可能性があったのは孤立したあった倉庫の存在だった


……………………………………


倉庫前


ボル「ち、ちくしょう…」


??「どうした?軍人さんよぉ」ギュ


提督「ボル!?」


駆けつけてみると、そこには大柄のボルが少女に首を締め付けられていた


提督「お前っ!あの時のおっぱい野郎!」


ボル「た、たすて…くれ、娘がいるんだ…」


??「娘?あぁ直ぐに向こうで会えるさ」


ボル「娘まで…貴様ら情けは無いのか…」


??「情け?意味不明だな」


グチャグチャ


ボル「」ドサッ


??「はぁ…服が汚れちまった…」ぽいっ


ゴロンゴロン…


紅「ひぃっ!?」ガタガタ


ボルの生首が紅の方へ転がって行った、それを見て紅は腰が抜けたのかガタガタと震え始め、その場で怖気ついた


「く、くそ…たれがぁ!」


1人だけ残された護衛はガタガタと震えながらAK47を構えていた


提督「俺も加勢する!!」サッ


「アンタは新入りの!?助かった!」


〈サッ!!!


提督「え?」


どこからきたのか空から女子が飛んで来た、彼女のその姿はどこが見覚えがあった


提督『矢矧か?それとも阿賀野?…いや、どちらとも違うか…』


セーラー服のような服装でミニスカート、そしてロングヘアーで少しつり目気味だったので

矢矧か阿賀野のどちらかと疑ったが

両者とも少し髪型や瞳の色が違うので別人と判断した


提督「おい、短刀を貸せ!」


「お、おう!しかし、勝てるのか?」


提督「やってみるしか無いだろ」


提督『とは言ったものの、見た瞬間にわかった…彼女は剣術を極めている、そんな相手に勝てないのはわかっている、が…やるしか無い』


??「敵勢力、葬る」シュタッ!


提督「く、来るか!」ガチャッ


〈パァン!!パァン!!


提督は咄嗟に構えてた拳銃を発砲するが、彼女は秒速でかわし続け提督の目の前まで接近して来た


提督『は、早い!』


??「貴方は標的では無い」サッ


提督「なに?」


彼女はそういうと提督の横を通り過ぎ、そのまま紅のところへ向かった

護衛はひたすらAK47ライフルで連射したが、当たるはずも無く

彼女は刀でAK47ライフルを真っ二つにすると、二段階攻撃で護衛も縦斬りを食らわせ護衛を斬殺した


??「これでアンタが最後だ」


紅「ひ、ひぃっ!いゃぁ」


提督「ヤメロォオオオオオ!!」ガバッ


??「…貴方は標的では無い」


提督「俺が退いたら紅ちゃんを殺すだろ?」


??「うん」シレッ


提督「うん、じゃねぇよ!」


??「邪魔するなら貴女も葬るが?」


提督「いいぜ、かかって来いよ」


〈そこまでだ!!!


提督「今度は誰だ!!」


雷電「俺だボス」シュタッ!


提督「雷電っ!?」


雷電「お前らも、もうそろそろ種明かししたらどうだ?」


提督「種明かしだ?」


??「…仕方がない」


その刀を持った少女は刀を収め、長い髪をゴムで結び上げる


矢矧「これで分かってくれるか?提督」


提督「なっ!?矢矧!?やっぱりお前だったのか!」


矢矧「提督なら気付いてくれると思ってたんだが…」


隼鷹「んで、そのおっぱい野郎は私でーす!」


提督「隼鷹…金返せ」


隼鷹「んげっ!?」


??「全くどうして部下だって気付かないのかしら…」


??「いやいや、見る暇なんて無いって」


提督「叢雲と加古か」


叢雲「どこをほつき歩いてたのよ!馬鹿!」


提督「それよりどうして加古がいるんだ?お前と鳥海と島風と初春と江風が遠征に行っているはずだろ?」


加古「そうなんだけどよ、遠征中に防衛省のお偉いさんから連絡が入ってさぁ、提督達の部隊と合流しろって」


提督「と言うことは…」


鳥海「私もいますよ?提督」


提督「鳥海っ!?お前…その鋏はどうした!?」


鳥海「何って武器ですが…」


提督「まじかよ…」


紅「い、今のうちに」コソコソ


隼鷹「待ちな!お嬢ちゃん!」ガシッ!


紅「ひぃっ!?」


提督「待てよ隼鷹、紅ちゃんが一体何をしたって言うんだ?」


隼鷹「これを見てもそんな事が言えるのか?」

バンッ!!


隼鷹はまた獣の様な髪型に変化し、倉庫の頑丈なドアを一蹴りで突き破った

開かれたドアの向こう側には、何かが腐った匂いが充満していた


雷電「ボス、これを」


提督「これは…無線機か」


雷電「はい、副司令官が渡せと」


提督「カズか…どうした?」


カズ《ボス…細かい話は後だ、それより倉庫の中を確認してくれ


提督「暗くて見えにくいが、これは…中華人民解放軍の軍旗?」


赤地に黄色の星を配し、その右下に建軍記念日である8月1日を示す「八一」が星の右に描かれていた


カズ《やはり中国が絡んでいたか、他に何か見えないか?


提督「壁の中央のCみたいなのが合わさったマーク…まさか細菌兵器!」


NBC兵器

Nはnuclear…核、原爆 水爆

Bはbiological…生物、細菌 ウィルス

Cはchemical…科学、毒ガス 枯葉剤 を指す


いくつかの国ではその様な兵器への対処法を研究していた機関があったが

ある時期を境に急激に資本が流れ込み研究が加速したという


カズ《生物兵器だとっ!?


叢雲「生物兵器ですって!?どうしてこんな所に!」


雷電「聞いた事がある」


加古「なんだって?」


雷電「俺がまだアメリカで活動していた時に聞いた話だが、ある時にNBC兵器の資料が漏れ界各国や組織が研究を始めた

その結果、日本で化学兵器を使ったテロ…地下鉄サリン事件が起きた

先進国はどうにか効率良く条約に該当しない新兵器が出来ない物かと研究を重ねた

そして、いち早く違う生物とのDNAの結合に成功したのがイギリスだ、それを…」


提督「テラフォーミングとか言い出すんじゃないだろうな?」


雷電「よく知っていますね、その通りです」


提督『テ○フォーマーズみたいな事が起きてもうてるやん…』


カズ《まさか、その技術が中国に漏れて…


矢矧「その仮説が正しいとは限りませんが」


雷電「施設の中には深海棲艦の駆逐クラスの死骸が保管されているようだ、これで実験していたんだろう…それに副司令官が言っている事は正解かもしれない」


カズ《なに?何かあったのか?


雷電「ああ、この管をたどって見ると…間違いない人体実験のカプセルだ」


隼鷹「人体実験だ?」


雷電「俺はサイボーグだ、だからなる為に必要な機材やその過程に何があるかなんて大体わかる」


カズ《ボス、この小娘を殺せ


叢雲「なっ!?」


紅「やめてぇ…殺さないで!!」


隼鷹「こらっ!暴れるな!」


加古「いや、暴れるなと言う方が無理でしょ」


雷電「待て、殺すには惜しい…連れて帰ろう」


カズ《何を言っている!町中に細菌ガスが振りまかれたらどうする!?


雷電「相手はまだ子供だ、殺す必要は無い」


提督「ところでカズ、この任務の依頼者は誰だ?」


カズ《国連軍の司令部から送られてきた案件だから、誰が依頼とはわからないが

依頼内容はここの別荘にいる人々を暗殺しろという内容だ


提督「メイリン!」


メイリン《はい!


提督「国連軍のサーバーをハッキングしろ、この依頼主を事細かく調べろ!」


メイリン《1分で終わるわ


提督「そうか、隼鷹!」


隼鷹「お、おう!」


提督「この子を離すなよ」


叢雲「まさか!殺す気!?」


カズ《いや!それでいいんだボス!!


矢矧「叢雲、提督が言うことは絶対よ」


叢雲「考えて直しなさいよ!!」


提督は拳銃をリロードし、紅に銃口を向ける


パァン!!パァン!!パァン!!


薬莢が音をたてながら転がり落ちる

風穴は地面に3つ開いていた


カズ《どう言うつもりだ、ボス


提督「銃声は録音できてるな、雷電」


雷電「ああ、できてる」


提督「司令部に伝えておけ、任務完了ってな」


カズ《まさか連れて帰るつもりじゃないんだろうな?


提督「さっき紅ちゃんは死んだ、そう言うことだ」


カズ《なんの能力なのか分からない奴を駐屯地は引き入れないぞ


雷電「よくやったボス、それでいいんだ」


提督「手錠を掛けておけ」


隼鷹「…あいよ、ほんまビックリしたわ」


ガチャ


紅「ど、どうして?私をどうするつもり?」


提督「どうする?俺は護衛するだけだよ」


紅「え?」


メイリン《調べ終わったわ、結果…イギリスの軍司令部からよ


雷電「やっぱりか」


カズ《今までアンタの指示にはできるだけ従って来たが今回は…連れて帰っても殺すだけだ


叢雲「決めるのは提督よ?副司令官」


紅「…」


パタパタパタパタ…


提督「よし、ブラックホークに乗り込むぞ」


………………………………………………………


西「…ちっ、派手にやられたな」グチャグチャ


西『この再生能力が無かったら死んだな、コウイカのDNA…』


ブゥオオオオオン!!! パタパタ…


西「…どこの部隊かは知らないが、絶対連れ戻してやるからな」


西『ところで…あいつはどこに行った?』


……………………………………………………


バンダルランプン市街上空


駐屯地まで1.900マイル


ピィー!!ピィー!!


矢矧「っ!?」


鳥海「なんの音?」


「機影を確認しました、後方0.4マイルを維持…追尾されています」


カズ《駐屯地の位置を知らせるな!!


「了解、回避します」


ピィー!!ピィー!!


ガガガガガ!!!!


警報音と同時に固定機関銃が鳴り響く、銃弾は辛うじて左方にそれる


ギュィインンンンン!!!


雷電「ちっ、引き返してくるぞ!」


提督「あれは!?MIG23!!どこの軍隊だ!」


メイリン《国籍不明ですが!恐らく中国軍機かと思われます!


雷電「中国軍は、その機体を所持してないだろ!」


メイリン《知らないわよ!そんな事!


カズ《だからあの場で殺せと言ったんだ!


紅「私は知らないよ…」


叢雲「大丈夫だから心配しないでね」ニッコリ


提督「ドアを開けろ!機関銃で対応するしかない!」ガチャ!


ピィー!!ピィー!!


「ミサイル来ます!チャフ!回避行動を取ります!」


ミサイルは上方に逸れたが、敵機は右旋回し引き返してきた


ピィー!!ピィー!!


「LGM!レーザー誘導ミサイルです!回避します!」


紅「ここは私に任せて!」


提督「何をする気だ!」


紅はポケットから専用武器の対人毒素充填吹き矢を取り出し、中国名、積尸氣奔星(せきしきほんせい)というシステムにより、特定への攻撃を攻撃する

今回の場合はミサイルである


紅「当たって!!」プシュッ!!


針はミサイルの弾頭に直撃し、機体の直前で爆発し回避できた

提督は急旋回し位置を訂正する


叢雲「すごい…」


紅「もう一発!!」プシュッ!!


紅はもう一発、吹き矢から矢を発砲する

しばらくすると敵機はゆっくりと減速しこちらに向かってくる

しかし敵機は機体の真下を追加した後、そのまま海岸に墜落していった


雷電「コックピットの中を見たか…パイロットが撃ち抜かれていた…」


………………………………………………………


バンダルランプン市 郊外 駐屯地付近


提督「カズ…これはどう言うつもりだ?」


機体の両サイドにはOH1ヘリがこちらに固定機関銃を向けながら飛行し

地上では対空砲が向けられており、ヘリポートには自衛官が89式小銃を構え、そこには副司令官のカズも待っていた


カズ「駄目だ、この女は受け入れられない」


矢矧「こちらに銃口を向けるとは何を考えている」


加古「クソったれ!」


カズ「いくらでも言え、ボス!そいつは人民解放軍の生物兵器だ!」


紅「ごめんねボス、行くね」サッ


提督「…おい!」


そういうと紅はヘリから飛び降りヘリポートに着地した

ヘリとの差は10メートル程の高さがあったのに対し、平然としている

それに続き雷電もヘリから飛び降りる

自衛官は囲むようにして銃口を紅に向けて威嚇する


雷電「捕まえろ!」


カズ「いや、撃ち殺せ!」


雷電「ミラー、コイツはボスと俺たちを助けた」


カズ「自分が助かりたかっただけだ!撃て!」


自衛官は困惑していた、どちらとも上司な上でどうするべきなのか、その葛藤が現れとしてガタガタと音をたてながら銃を震わせる


提督「独房に入れろ」


カズ「ボス!?」


提督「龍鳳!高雄!いるだろ!」


2人「はいっ!!」


提督「目を離すな、独房に案内しろ」


龍鳳「ど、独房にですか?」


提督「一応、彼女は中華人民解放軍に族していたのは確かだ、野放しには出来ない」


紅「…謝謝」


提督「謝る事は無い、後で俺も行くから」


雷電「よし、連れて行け」


高雄「…それじゃ、行きましょうか?」


紅「はい…」


龍鳳「貴女の名前は?」テクテク


紅「え?私は紅って言うの」テクテク


…………………


カズ「ボス!取り返しの付かない事になるぞ!」


提督「ああ、彼女はこの組織…日本軍の駐屯地という事を知った、いずれ殺す事になる…だが今じゃない、その時は俺が殺る」


…………………………………………………………………………………………………

…………………………


数日後


提督「で、どうしてお前らがいる」


大井「何よ!来たら迷惑だって言うの!?」


曙「あたしだって好きでこっちに来た訳じゃないんだからクソ提督!」ムキー!


北上「まぁまぁ落ち着いて」


木曾「どうやら、また上からの通達らしいぞ?

確かに渡された書類には防衛省の印鑑が付いている」


提督「そうか、どうしてこんなに艦娘をこちらに送りたがるんだ?」


木曾「そんな事を私に聞かないでくれ、私も知らないんだから」


カズ「ボス、少しいいか?」


提督「なんだカズ?」


カズ「あの別荘なんだが、無事装甲車は回収した…だが」


提督「だが?」


カズ「鳥海が殺したハズの女性の死体が消えていた…ボスは何か知らないか?」


提督「西 春麗(シィ・チュンリー)か…」


カズ「知っているのか!?」


提督「ああ、恐らく彼女の事は紅ちゃんに聞いた方が早い」


カズ「そうか…」


提督「その代わり、どんな態度を取っても何もするなよ」


カズ「高さ10メートルから飛び降りても無傷でいられるぐらい丈夫な奴に何も出来ない」


提督「だろうなカズ」


カズ「それとだなボス、近くの海域に石油会社が放置してそのままになっているプラントがあるんだが」


提督「それがどうかしたか?」


カズ「アンタは知ってると思うが政府からの資金も限りがある、そこで民間軍事会社…いわゆるPMCを設立しようと思う」


提督「なるほど、簡単に言うとPMCを作るといっても場所が無いから捨てられた洋上プラントを改造して基地にしたいという事だろ?」


カズ「話が早くて助かる、だがもちろんリミットもあればデメリットもある」


雷電「まずはリミットから説明したらどうだ?」


提督「雷電、いたのか」


雷電「ああ、さっき訓練から帰ってきたところだ」


カズ「リミットにまず1つは部隊編成が出来るということだ」


提督「部隊編成?」


カズ「現に世界に派遣していた部隊をこっちに呼び戻している」


提督「それはお前が前にしていたPMCの部隊か?」


カズ「そうだ、一応彼らは自衛隊及びUN(国連軍)でもない、だから非公式に暗躍な活動が出来るということだ」


提督「どの国家にも属さない軍隊か…」


カズ「しかし、デメリットとして運営には勿論だがコストがかかる」


提督「そのコストはこちらでは負担できないぞ」


カズ「わかってる、何も税金で徴収した金を使わない」


提督「ではどうする気だ?」


カズ「丁度今、インドネシアの外交官と軍司令官と国連軍所属のイギリス軍人がこちらに来ている」


提督「大丈夫なのか?」


カズ「俺が連れて来た、やつら(人民解放軍)ではない」


雷電「俺は艦娘の訓練の指導に行って来る」


提督「無茶だけはさせるなよ」


雷電「あぁ…」


…………………………………


別室


英国人「…生き返る、流石生産国第3位のインドネシアコーヒーといったところか旨い」


提督「で…インドネシア政府のお偉いさん二人と英国軍人が、このスマトラ島に何の用だ?」


カズ「国連軍副司令官の英国軍人のガルベス副司令官だ、そして仲介人としてインドネシア政府の関係者二人が来ているわけだ」


ガルベス「実は…一年ほど前から、北スマトラ島に武装集団を見かけるようになりました」


カズ「まて、今は国連軍でもイギリス海軍の軍人のアンタが何故その事を知っている」


ガルベス「2年ほど前に、深海棲艦の活動がここ一帯で目立つ用になってからイギリス政府はシンガポールに基地を設置したのです」


提督「内戦のジャワ島から逃れてきま反政府組織じゃないのか?」


ガルベス「いやいや、とてもゲリラに見えません、もっと組織的な…

彼らは北スマトラ島に最新鋭の兵器の設備を持ち運んできています」


提督「インドネシア政府は何て言っている」


外交官「私どもの見解ではインドネシア開発公社の多国籍企業の警備員と」


ガルベス「デタラメを言うな」


外交官「私どもに言われても困ります…」


ガルベス「私は彼らを国家安全部と踏んでいます」


カズ「国家安全部…」


ガルベス「シンガポールで駐留しているので、痛いほどわかりますが東南アジアは中国としては裏庭のようなものです」











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SS好きの名無しさんから
2017-03-05 22:49:00

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SS好きの名無しさんから
2017-03-05 22:49:48

このSSへのコメント

2件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2017-03-05 23:30:51 ID: RfHwhoLn

角材…もとい刀を格好良く振り回す矢矧を見て見たかった!
応援しています。ぜひ更新をよろしくお願いいたします。

2: SS好きの名無しさん 2017-03-10 19:21:39 ID: mhkXoKqm

更新ありがとうございます!


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